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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-10
(45)【発行日】2022-08-19
(54)【発明の名称】自動車用の操作装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0362 20130101AFI20220812BHJP
   G06F 3/03 20060101ALI20220812BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20220812BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20220812BHJP
【FI】
G06F3/0362 461
G06F3/03 400F
G06F3/044 Z
G06F3/041
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019539890
(86)(22)【出願日】2018-01-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-21
(86)【国際出願番号】 EP2018050727
(87)【国際公開番号】W WO2018137944
(87)【国際公開日】2018-08-02
【審査請求日】2020-12-16
(31)【優先権主張番号】102017101412.8
(32)【優先日】2017-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508066083
【氏名又は名称】ベーア-ヘラー サーモコントロール ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100159499
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 義典
(74)【代理人】
【識別番号】100120329
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 一規
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー,クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】シュヴァープ,トビアス
【審査官】滝谷 亮一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-206860(JP,A)
【文献】国際公開第2016/075907(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0042004(US,A1)
【文献】国際公開第2015/174092(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0362
G06F 3/03
G06F 3/044
G06F 3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触感知面を持つ上面(58)を有する静電容量式タッチパネル(16)と、
操作ユニット(18、18’)と
を備えており、
上記操作ユニット(18、18’)が、
把持可能に構成され、導電性表面を有し、直進運動又は回転運動が可能な操作要素(22、22’)と、
上面及びこの上面と反対側の下面を有し、上に上記操作要素(22、22’)が移動可能に配置されると共に、一部が上記タッチパネル(16)上面の上記接触感知面に配置される板状の保持要素(24)と
を有し、
上記操作要素(22、22’)が、その導電性表面に電気的に接続された少なくとも1つの動作検出エンコーダ要素(34)を含み、
この少なくとも1つの動作検出エンコーダ要素(34)が、好ましくは上記操作要素(22、22’)が動かされるときに上記保持要素(24)上面の検知経路(54)に沿ってスライドするワイパ(32)であって、
上記保持要素(24)が、上記検知経路(54)に沿って交互に連続して配置された複数の第1部分(50)及び複数の第2部分(52)を含み、
上記保持要素(24)の上記上面及び下面が、上記第1部分(50)のそれぞれで互いに電気的に接続され、上記第2部分(52)のそれぞれで互いに電気的に絶縁され
上記操作ユニット(18、18’)の上記操作要素(22、22’)は、
上記保持要素(24)の方向に可逆的に押し下げることができ、
上記操作要素(22、22’)の上記導電性表面に電気的に接続され、上記操作要素(22、22’)が押し下げられた状態にある場合、上記保持要素(24)の上面をその下面と電気的に接続する局所領域に接触する少なくとも1つの押下検出エンコーダ要素(57)を含み、
上記少なくとも1つの押下検出エンコーダ要素(57)によって上記操作要素(22、22’)を押し下げた状態で接触させた上記保持要素(24)のそれぞれの電気領域が、上記保持要素(24)の上記第1部分(50)の1つであ
車両用の操作装置。
【請求項2】
上記操作要素(22、22’)が、上記検知経路(54)に沿って互いにオフセットして配置された2つの動作検出エンコーダ要素(34)を含み、
上記2つの動作検出エンコーダ要素(34)の間のオフセットが、偶数個の第1部分(50)及び奇数個の第2部分(52)、又は奇数個の第1部分(50)及び偶数個の第2部分(52)のいずれかで、連続する上記第1及び第2部分(50、52)の伸長に対応する長さに沿って延び、
上記操作要素(22、22’)の各移動位置において、上記2つの動作検出エンコーダ要素のうちの1つが上記検知経路(54)の第1部分に接触する
ことを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
上記操作要素(22、22’)が、上記検知経路(54)に沿って互いにオフセットして配置された2つの押下検出エンコーダ要素(57)を含み、
上記操作要素(22、22’)の各移動位置において、
上記2つの押下検出エンコーダ要素(57)のうちの少なくとも1つが上記検知経路(54)の第1部分に接触する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の操作装置。
【請求項4】
上記2つの押下検出エンコーダ要素(57)の間のオフセットが、偶数個の第1部分(50)及び奇数個の第2部分(52)、又は奇数個の第1部分(50)及びと偶数個の第2部分(52)のいずれかで、上記連続する第1及び第2部分(50、52)の伸長に対応する長さに沿って延びることを特徴とする請求項に記載の操作装置。
【請求項5】
上記少なくとも1つの動作検出エンコーダ要素(34)が、線形又は円形の導電性弾性材料片(28)に不可欠な構成要素であって、そこから突出又は出っ張っている変形又は要素であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の操作装置。
【請求項6】
上記少なくとも1つの押下検出エンコーダ要素(57)が、線形又は円形の導電性弾性材料片(28)から突出又は出っ張っている部分を有することを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載の操作装置。
【請求項7】
上記操作要素(22、22’)が、
少なくとも1つの弾性的又は可逆的に移動可能な戻り止め要素(40)と、
交互に連続して配置された戻り止め凸部(46)及び戻り止め凹部(48)を持つ戻り止め経路(42)と
を有する戻り止め手段であり(42)、
上記少なくとも1の戻り止め要素(40)が、上記操作要素(22、22’)及び上記保持要素(24)上の上記戻り止め経路(42)上に配置されているか、又はその逆であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の操作装置。
【請求項8】
上記保持要素(24)の上記検知経路(54)が、上記戻り止め手段の戻り止め経路(42)として適合され、上記戻り止め凸部(46)と上記戻り止め凹部(48)とを含み、
上記少なくとも1つの戻り止め要素(40)が、動作検出エンコーダ要素(34)として機能することを特徴とする請求項に記載の操作装置。
【請求項9】
上記検知経路(54)に沿って配置された上記保持要素の各第1及び第2部分(50,52)が、戻り止め凹部の中心から、隣接する戻り止め凹部(48)の中心まで、又は戻り止め凸部(46)の中心から、隣接する戻り止め凸部(46)の中心まで延びることを特徴とする請求項に記載の操作装置。
【請求項10】
上記少なくとも1つの戻り止め要素(40)及び上記押下検出エンコーダ要素(57)が、上記弾性材料片(28)に形成されることを特徴とする請求項に記載の操作装置。
【請求項11】
上記操作要素(22、22’)が、スライダ又はターンテーブルとして適合されることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の操作装置。
【請求項12】
上記スライダ又はターンテーブルを押し下げることができることを特徴とする請求項11に記載の操作装置。
【請求項13】
上記タッチパネル(16)が、タッチスクリーン(14)の一部として適合され、その表示側に上記操作ユニット(18、18’)が配置されることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の操作装置。
【請求項14】
上記保持要素(24)が、上記タッチパネル(16)の上面の上記接触感知面上に部分的に配置され、
上記操作ユニット(22、22’)の各移動位置で、少なくとも1つの上記動作検出エンコーダ要素(34)及び、少なくとも1つの上記押下検出エンコーダ要素(57)が、上記保持要素(24)の上面の領域に配置され、
その下に上記タッチパネル(16)の上面の上記接触感知面が位置する
ことを特徴とする請求項1から13に記載の操作装置。
【請求項15】
上記操作要素(22、22’)の各移動位置で、2つの上記動作検出エンコーダ要素(34)及び、少なくとも1つの上記押下検出エンコーダと要素(57)が、上記保持要素(24)の上面の領域に配置され、
その下に上記タッチパネル(16)の上面の上記接触感知面が位置する
ことを特徴とする請求項14に記載の操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接触感知面を持つ上面を有するタッチパネルを備え、その上に、把持可能に構成され、直進運動又は回転運動が可能な操作要素を有する操作ユニットが配置される自動車用の操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネル、特にタッチスクリーンは、近年、車両用の操作装置としてますます確立されている。ただし、把持可能で、(ターンテーブルとして)回転運動が可能又は(スライダとして)直進運動が可能であり、オプションでプッシュ機能を備えた操作要素を使用して、操作コマンドを入力する方が快適な場合がある。
【0003】
手動で操作可能な操作要素をタッチパネル又はタッチスクリーンと組み合わせる方法については、すでにさまざまな方法が開示されている。その例が、DE-C-197 43 283、DE-A-10 2006 043 208、DE-A-10 2010 010 574、DE-A-10 2011 007 112及びEP-A-2 302 799に記載されている。既知の操作装置では、操作要素の現在の移動位置を決定するための接触感知システムを使用するために、操作要素に結合されたエンコーダ要素がタッチパネルの接触感知面上を移動する。ユーザーがタッチパネルのさまざまな位置に操作要素を配置できることが望ましい場合がある。タッチパネルの表面上を移動するエンコーダ要素は、タッチパネルの接触感知面に傷や磨耗を引き起こす可能性があり(傷、研磨痕など)、これらは避けられるべきである。
【0004】
調整ボタンを調整するときにバイナリコード化信号を生成するデコーダは、例えば、DE-U-20 2012 007 093から知られている。回転選択及び操作装置はDE-A-10 2014 113 877から知られている。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、タッチパネルと、タッチパネルの表面に影響を与えることなく手動で操作可能な操作要素とを備えた操作装置を提供することである。
【0006】
本発明によれば、この目的は、
接触感知面を持つ上面を有する静電容量式タッチパネルと、
操作ユニットと
を備えており、
上記操作ユニットが、
把持可能に構成され、導電性表面を有し、直進運動又は回転運動が可能な操作要素と、
上面及びこの上面と反対側の下面を有し、上に上記操作要素が移動可能に配置されると共に、一部が上記タッチパネル上面の上記接触感知面に配置される板状の保持要素と
を有し、
上記操作要素が、その導電性表面に電気的に接続された少なくとも1つの動作検出エンコーダ要素を含み、この少なくとも1つの動作検出エンコーダ要素が、好ましくは、上記操操作要素が動かされるときに上記操保持要素上面の検知経路に沿ってスライドするワイパであって、
上記操保持要素が、上記検知経路に沿って交互に連続して配置された複数の第1部分及び複数の第2部分を含み、
上記保持要素の上記上面及び下面が、上記第1部分のそれぞれで互いに電気的に接続され、上記第2部分のそれぞれで互いに電気的に絶縁されている車両用の操作装置によって達成される。
【0007】
本発明によれば、板状の保持要素がタッチパネルの接触感知面上に配置され、例えばワイパの形態をした少なくとも1つの動作検出エンコーダ要素が、保持要素の上側に設けられ、かつ、操作要素の移動に伴って移動することが提供される。ワイパ(以下では、少なくとも1つの動作検出エンコーダ要素の可能な実施形態の一般性を制限することなく、主にその実施形態でワイパと呼ぶ。)は、保持要素の上面の検知経路に沿ってスライドする。操作要素がターンテーブルとして適合している場合、検知経路は環状経路である。本発明によれば、その検知経路に沿った上記保持要素の材料の性質は、上記検知経路が第1及び第2部分を交互に含むような性質である。第1部分では、上記保持要素の上面は上記保持要素の下面に電気的に接続され、上記保持要素は第2部分の領域で電気的に絶縁されている。例えば、上記板状の保持要素はプラスチックで作られており、上記検知経路の第1部分は導電性材料ブロックによって実現されている。例えば、カーボンブラック等の導電性材料が、第1部分の領域で上記保持要素のプラスチック材料に加えられてもよい。好ましくは、保持要素は、2つの構成要素の保持要素である。
【0008】
第1部分は、上記検知経路に沿った個々の表面領域を形成し、これらは第2部分から互いに分離され、例えば、上記保持要素の下面に対応する大きさの、すなわち等しい大きさの表面領域と位置合わされる。少なくとも1つの上記ワイパは、上記操作要素の導電性表面に電気的に接続されている。従って、上記少なくとも1つのワイパは、上記操作要素が触れられたとき(又は言い換えると、上記ワイパがアースとして機能するとき)、その操作者の電位又は電荷を有する。上記操作要素が動いて、上記少なくとも1つのワイパが上記検知経路の第1部分にある移動位置に上記操作要素がとどまるまで、上記ワイパが上記検出経路に沿ってスライドする場合、第1部分を介して上記保持要素の上面から上記保持要素の下面に、そこから前記タッチパネルの表面に電荷を伝送することによって、上記操作要素の移動位置が検出される。タッチパネルのセンサーシステムは検出に使用される。好ましくは、上記操作要素は、上記操作要素の各移動位置で、確実に1つのワイパが上記検知経路の導電性の第1部分に載るように、互いにオフセットして対応して配置された少なくとも2つのワイパを含む。例えば、上記タッチパネルの感知システムがワイパ位置の変化を検知しない場合、対応するソフトウェア制御を用いて、移動位置を読み出すために、この移動位置に上記操作要素が移動されたことを判断することができる。
【0009】
本発明によれば、複数の第1部分及び複数の第2部分は、上記検知経路に沿って連続して交互に配置され、上記検知経路を形成する。
【0010】
本発明による当該操作装置の利点は、とりわけ、1以上のワイパが上記タッチパネルの接触感知面上でもはやスライドせず、よってこの表面に機械的に影響をもはや与えないことである。これは、上記操作要素が上記タッチパネルの接触感知面の異なる位置に配置され得る全ての応用に特に有利である。そのような応用では、上記操作要素は、例えば接触感知面上で上記保持要素と共に動くことができる。上記保持要素は、例えば上記タッチパネルの表面に磁気的に配置及び固定することができる。上記保持要素を上記タッチパネル上に配置するためのマウントとして、可逆的に脱着可能な接着ボンドを使用することも可能である。最後に、吸引カップ等の空気圧システムも適切と考えられる。
【0011】
既に上述したように、上記操作要素はターンテーブル又はスライダとして適合させることができる。よって、上記操作要素は、回転運動可能又は直進運動可能な上記保持要素に取り付けられている。第1の事例として、上記保持要素は、その軸がターンテーブルの回転軸を形成するところの上方に突出するカラーを備えてもよい。上記操作要素及び保持要素が直進運動可能な配置の場合、上記保持要素は、上記操作要素、すなわちスライダがスライド可能に案内されるところの上方に突出するバーを備えてもよい。その他の案内システム、特に直線経路上で上記スライダを必ずしもスライド可能に案内する必要はなく、例えば曲線経路上で案内するシステムも実現できる。本発明によれば、用語「直進運動」は、必ずしも直線運動に関係するのではなく、曲線に沿った運動、又は曲線と直線部分からなる運動にも関係する。
【0012】
本発明の有利な実施形態では、上述したように、上記操作要素は、上記検知経路に沿って互いにオフセットして配置された2つのワイパを備え、この2つのワイパ間のオフセットは、偶数個の第1部分及び奇数個の第2部分、又は奇数個第1部分及び偶数個の第2部分のいずれかをもって、連続する上記第1及び第2部分の伸長に対応する長さに沿って延び、上記操作要素の各移動位置において、上記2つのワイパのうちの1つが上記検知経路の第1部分に接触する。2つの動作検出エンコーダ要素を配置することにより、上記操作要素の移動の検知だけではなく、その移動方向も検知することができる。
【0013】
本発明により提供される少なくとも1つの動作検出エンコーダ要素に加えて、操作要素は、本発明のさらなる有利な実施形態として、上記操作要素が押し下げられた状態にある場合、上記保持要素の上面とその下面とを電気的に接続する(複数の)局所領域の1つにのみ接触する押下検出エンコーダ要素を含んでもよい。このようにして、上記操作要素は、上記保持要素の方向に可逆的に押し下げることができ、好ましくは上記操作要素に圧力が作用しない場合は、好ましくは自動的に反対方向に戻る。上記局所領域は、例えば、上記保持要素の第1部分に加えて、その上及び/又はその中に形成及び/又は配置される。
【0014】
本発明の前述の実施形態において、上記少なくとも1つの押下検出エンコーダ要素によって上記操作要素を押し下げた状態で接触させた上記保持要素のそれぞれの電気領域が、上記保持要素の第1部分の1つである場合、特に好都合である。
【0015】
上記ワイパに関してすでに説明したように、上記操作要素が、上記検出経路に沿って互いにオフセットされて配置された2つの上記押下検出エンコーダ要素を含み、上記操作要素の各移動位置において、上記押下検出エンコーダ要素のうち少なくとも1つが上記検知経路の第1部分に接触する場合、好都合になり得る。このような上記押下検出エンコーダ要素の二重配置は、上記2つの押下検出エンコーダ要素間のオフセットが、偶数個の第1部分及び奇数個の第2部分、又は奇数個の第1部分及び偶数個の第2部分のいずれかをもって、連続する上記第1及び第2部分の伸長に対応する長さに沿って延びる場合に、有利になり得る。
【0016】
本発明のさらなる適切な実施形態では、上記少なくとも1つのワイパが、線形又は円形の導電性の弾性材料片に不可欠な構成要素であって、そこから突出又は出っ張っている変形又は要素であることが有利であり得る。この弾性材料片上で、又は追加で設けられた弾性材料片上で、上記少なくとも1つの押下検出エンコーダ要素は、変形又は要素として適合させることができる。
【0017】
手動で移動可能な操作要素の操作快適性を高めるために、上記操作要素は、少なくとも1つの弾性的又は可逆的に移動可能な戻り止め要素と、交互に連続して配置された戻り止め凸部及び戻り止め凹部を持つ戻り止め経路とを有する戻り止め手段を備え、上記少なくとも1の戻り止め要素が上記操作要素及び上記保持要素上の上記戻り止め経路上に配置されているか、又はその逆である場合に、好都合である。
【0018】
戻り止め経路は、例えば、上記検知経路から空間的に分離された戻り止め凸部及び戻り止め凹部の配置として適合されてもよい。上記可逆的に移動可能な戻り止め要素は、第2の実施形態において上記戻り止め経路上をスライドするように配置されてもよく、例えば、弾性材料片上に設けられるか、又は戻り止めボール等として適合される。上記戻り止め要素が戻り止め凹部にある場合、上記操作要素は常に安定した停止位置にある。これらの停止位置では、上記ワイパは常に、上記保持要素の前記検知経路の導電性の第1部分に接触している。2つのワイパが設けられている場合、確実に1つのワイパが、戻り止め凹部によって決定された上記操作要素の各停止位置において上記保持要素の第1部分に接触する。
【0019】
コンパクトな配置及び組み立てコストの削減に関して、上記保持要素の上記検知経路が上記戻り止め手段の戻り止め経路として適合され、戻り止め凸部及び戻り止め凹部を含む場合は、好都合である。したがって、本発明のこの実施形態では、上記検知経路が上記戻り止め経路の機能を引き継ぐ。上記ワイパ又は上記2つのワイパは、戻り止め要素として機能する。よって、各戻り止め凹部内で、少なくとも1つのワイパは、上記検知経路の1つの導電性の第1部分と接触する。上記操作要素がプッシュ機能を含む場合、上記押下検出エンコーダ要素は、便宜上戻り止め経路として適合された上記検知経路の第1部分である上記保持要素の導電性領域に接触する。上記操作要素が押されていない場合、上記少なくとも1つの回転検出エンコーダ要素は、上記戻り止め及び検知経路よりも上側に配置される。
【0020】
本発明のさらなる有利な実施形態では、上記検知経路に沿って配置された上記保持要素の第1及び第2部分が、上記戻り止め凹部の中心から、隣接する戻り止め凹部の中心まで、又は上記戻り止め凸部の中心から、隣接する戻り止め凸部の中心まで延びることが提供され得る。
【0021】
設計要求に応じて、上記操作ユニットを、上記タッチパネル又は上記タッチスクリーンの上面の接触感知面に部分的にのみ配置することが必要とされてもよい。この場合、重複領域が形成され、その中で、上記保持要素が上記タッチパネル又は上記タッチスクリーン上に配置される。上記操作要素の(回転又は直進)運動及び/又は上記操作要素の押し下げる動作の前述の検知を確実にするために、上記操作要素の各移動位置において、少なくとも1つの動作検出エンコーダ要素が配置されることが要求され、そして、それが配置される場合、少なくとも1つの上記押下検出エンコーダ要素は、上記保持要素の上面の領域に配置され、その下に上記タッチパネルの上面の上記接触感知面が位置する。純粋な移動に加えて、移動方向も検知される場合、2つの動作検出エンコーダ要素が上記操作要素の各移動位置に配置されるのであれば、そして、それが配置される場合に、少なくとも1つの上記押下検出エンコーダ要素が、上記保持要素(24)の上面の領域に配置され、その下に上記タッチパネルの上面の接触感知面が位置するのであれば、より好都合である。
【0022】
以下において、本発明の様々な実施形態は、図面によって詳細に説明される。個々の図は次のことを示している。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】タッチスクリーンをと、その上に配置されたターンテーブル操作ユニットを有する車両のセンターコンソールの図。
図2】ターンテーブル操作ユニットの側面図。
図3】回転操作要素が取り外された、第1の例示的な実施形態によるターンテーブル操作ユニットの斜視図。
図4図3によるタッチスクリーン上に配置されたターンテーブル操作ユニットの保持要素の平面図。
図5】展開図として、図4の両矢印で示された、円周領域の側面図。
図6図4のVI-VI及びVII-VII線に沿った、回転操作要素を含む保持要素の断面図。
図7図4のVI-VI及びVII-VII線に沿った、回転操作要素を含む保持要素の断面図。
図8】第2の例示的な実施形態による、その上に配置されたスライド操作ユニットを有するタッチスクリーンの平面図。
図9図8のIX-IX、X-X及びXI-XI線に沿った断面図。
図10図8のIX-IX、X-X及びXI-XI線に沿った断面図。
図11図8のIX-IX、X-X及びXI-XI線に沿った断面図。
図12】ターンテーブル操作ユニットの第3の例示的な実施形態の斜視図。
図13図12による操作ユニットの保持要素の平面図。
図14】展開図として、図4の両矢印で示された、円周領域の側面図。
図15】操作要素の第4の例示的な実施形態の斜視図。
図16図15による操作ユニットの保持要素の平面図。
図17】展開図として、図16の両矢印で示されている円周領域の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、車両のセンターコンソール10の周りの領域の斜視図を示している。センターコンソール10には、タッチパネル16を有するタッチスクリーン14と、タッチスクリーン14上に配置された操作ユニット18とを含む操作ユニット12が設けられている。符号20は、タッチスクリーン14に表示される各種タッチフィールドを示す。
【0025】
この例示的な実施形態では、操作ユニット18は、ターンテーブル22として適合される。
【0026】
回転操作ユニット18の第1の例示的な実施形態を、図2から図7を参照して以下に説明する。
【0027】
図2及び図3に示されるように、操作ユニット18は、誘電材料、例えばプラスチックで作られた板状の保持要素24を備え、この例示的な実施形態では、上方に突出するカラー26を有する円板の形態に適合されている。回転及び押下軸受け28は、カラー26とターンテーブル22との間に配置されている(図6及び図7を参照)。ターンテーブル22の下面には、2つの円形弾性材料片28、30が配置され、そのうちの外側の弾性材料片28は、回転又は動作検出エンコーダ要素34として2つのワイパ32を含み、これらはターンテーブル22が手動で回転されると保持要素24の外縁領域36に沿ってスライドする。ターンテーブル22にはターンテーブル22の下面まで部分的に延びる導電性材料層38が設けられている(図6及び図7を参照)。外側弾性材料片28は、この導電性材料層38と電気的に接続されている。
【0028】
内側の弾性材料片30は、保持要素24の上面44上の戻り止め経路42に沿ってスライドする2つの戻り止め突出部40を含む。戻り止め経路42には、戻り止め凸部46及び戻り止め凹部48が設けられる。内側の弾性材料片30に戻り止め突出部40を設けることによって、内側の弾性材料片30は、回転中のターンテーブル22の機械的なハプティクスのための戻り止めバネのように作用する。このようにして、ターンテーブル22は、定められた停止位置をとる。
【0029】
ここで、タッチパネル16によって様々な停止位置でターンテーブル22の回転位置を決定するために、保持要素24は、その外縁領域36に、導電性の第1部分50と電気的に絶縁性の第2部分52とを交互に含む。これらの第1及び第2部分50、52の連続は検知経路54を形成し、これに沿って2つのワイパ32がスライドする。周方向における2つのワイパ32のオフセットは、戻り止め凹部48によって画定されるターンテーブル22の各停止位置において、2つのワイパ32のうちの1つが導電性の第1部分50上に載るようなオフセットである(例えば図5参照)。
【0030】
図6及び図7から分かるように、ターンテーブル22は押し下げることができる。押し下げられた状態では、検知経路54は、好ましくは、押下検出エンコーダ要素57として機能する外側の弾性材料片28の2つの舌部56によって2点で接触する。図5から分かるように、これらの舌部56は、ターンテーブル22が押し下げられていない場合には検知経路54の上に位置し、ターンテーブル22が押し下げられている場合にのみ検知経路54に接触する。そして、2つの舌部56のうちの1つは、導電性の第1部分上に載る(ターンテーブル22が戻り止め凹部48によって画定される停止位置をとる限り)。
【0031】
ターンテーブル22を把持すると、ワイパ32及び舌部56は、手の電位又は電荷を帯びる。2つのワイパ32の確実に1つは常に導電性部分50の1つに接触し、それにより、この部分を介して、外側の弾性材料片28の電荷又は電位がタッチパネル16の上面58に伝達される。次に、タッチパネル16の静電容量感知システム(図示せず)は、ワイパ32が位置する場所を決定し、それによりターンテーブル22の回転位置が検出され得る。同様に、ターンテーブル22の押下機能が検出され得る。この場合、2つの舌部56のうちの1つは、導電性の第1部分50の1つに載っている。
【0032】
図8から図11は、操作ユニットがスライド操作ユニット18’として適合されている本発明の例示的な実施形態を示している。このスライド操作ユニット18’の要素が、図1から図7における回転操作ユニット18の要素に対応する場合、図8から図11においては図1から図7と同一の符号を用いている。
【0033】
スライド操作ユニット18’では、操作要素はスライドボタン22’として適合されている。図2及び図3による保持要素24のカラー26は、この場合では矩形の板状の保持要素24から上方に突出するバー26’に置き換えられている。スライド操作ユニット18’での戻り止め手段の構成はもちろんのこと検知経路の第1及び第2部分の構成は、図2から図7を参照して上述したように選択される。
【0034】
図2から図7での例示的な実施形態におけるワイパ32及び舌部56の構成及び配置とは異なり、これらの構成要素は、図8から図11での例示的な実施形態において、2つの弾性材料片28、28’に分類される。弾性材料片28’は、押下検出エンコーダ要素57としての舌部56を備え、一方、弾性材料片28は、回転検出エンコーダ要素34としてのワイパ32を備える。
【0035】
図12から図17には、タッチパネル上のターンテーブル操作ユニットの2つのさらなる例示的な実施形態が示されており、その特別な特徴は、図1から図12の例示的な実施形態と比較して、とりわけ、検知経路54が戻り止め経路42の機能も引き受け、これが、必要な組み立てスペースを縮小することに関して有利となり得るということである。図12から図17に関して、図1から図7による例示的な実施形態の構成要素に対応するこれらの2つの例示的な実施形態の操作ユニットの構成要素には、同一の符号が付されていることも当てはまる。
【0036】
前述の特別な特徴は、例えば、図12に示されている。保持要素24は、その外縁領域36に、導電性の第1部分50と電気絶縁性の第2部分52から順次構成される検知経路54を備え、両方の部分タイプが交互に連続する。前述の2つの部分は、それらの上面に、戻り止め凸部46及び戻り止め凹部48を有する波状の戻り止め経路42を形成する。ターンテーブル22の下面には、単一の弾性材料片が、戻り止め突出部40が形成されたところに配置され、回転又は動作検出エンコーダ要素34としてのワイパ32の機能も担う。さらに、弾性材料片28は、押下検出エンコーダ要素57としての舌部56を含む。
【0037】
戻り止め経路42によって画定されるターンテーブル22の各停止位置で、戻り止め突出部40は、検知経路54の導電性の第1部分に接触する。対称性の理由により、2つの戻り止め突出部40を設けることが有利であり得る。ターンテーブル22の回転位置は、ソフトウェアによって決定することができる。この目的のために、2つの戻り止め突出部40が正確に直径方向に互いに向き合っていない場合が有利である(図13を参照)。
【0038】
ターンテーブル22が押されると、2つの押下検出エンコーダ要素57も戻り止め経路42又は検知経路54に接触し、2つの押下検出エンコーダ要素のうちの確実に1つが導電性の第1部分50に接触する。
【0039】
図15から図17は、回転操作ユニット18のさらなる例示的な実施形態を示している。図12から図14で示されているこのユニットの構成とはで異なり、導電性の第1部分50及び電気絶縁性の第2部分52への検知経路54及び戻り止め経路42の分割は、異なるように選択される。この例示的な実施形態では、戻り止め経路42の戻り止め凹部48によって画定されるターンテーブル22の各停止位置において、常に2つの戻り止め突出部40の一方のみが第1部分50に接触し、それによりターンテーブル22の回転位置が明確に検出可能である。押下検出エンコーダ要素57が、戻り止め凹部又は戻り止め凹部48の1つに沈み、2つの押下検出エンコーダ要素57の1つが、検知経路54のそれぞれ1つの戻り止め凹部48(第1部分50)に沈むので、押下機能が検出可能である。
【符号の説明】
【0040】
10 センターコンソール
12 操作ユニット
14 タッチスクリーン
16 タッチパネル
18 回転操作ユニット
18’ スライド操作ユニット
20 タッチフィールド
22 ターンテーブル
22’ スライドボタン
24 保持要素
26 保持要素のカラー
26’ 保持要素のバー
27 回転及び押下軸受け
28,28’,30 弾性材料片
32 ワイパ
34 回転又は動作検出エンコーダ要素
36 保持要素の外縁領域
38 材料層
40 戻り止め突出部
42 戻り止め経路
44 保持要素の上面
46 戻り止め凸部
48 戻り止め凹部
50 検知経路の第1部分
52 検知経路の第1部分
54 検知経路
56 舌部
57 押下検出エンコーダ要素
58 タッチパネルの上面
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
図11
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