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特許7122329より薄いウエハのための費用効率の高いフレーム設計
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-10
(45)【発行日】2022-08-19
(54)【発明の名称】より薄いウエハのための費用効率の高いフレーム設計
(51)【国際特許分類】
   H02S 30/10 20140101AFI20220812BHJP
【FI】
H02S30/10
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019566584
(86)(22)【出願日】2018-06-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-27
(86)【国際出願番号】 IB2018053933
(87)【国際公開番号】W WO2018220593
(87)【国際公開日】2018-12-06
【審査請求日】2021-05-18
(31)【優先権主張番号】1708735.4
(32)【優先日】2017-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】514138145
【氏名又は名称】アールイーシー ソーラー プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディエスタ,ノエル・ゴンザレス
(72)【発明者】
【氏名】スリダラ,シャンカー・ガウリ
【審査官】原 俊文
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-294485(JP,A)
【文献】特開2008-255707(JP,A)
【文献】特開2016-192853(JP,A)
【文献】特表2013-527991(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0040928(US,A1)
【文献】中国実用新案第204316424(CN,U)
【文献】LESIC, Mia et al.,"The First Photovoltaic System Connected to Distribution Network in Bosnia and Herzegovina",Proceedings of 2013 4th International Youth Conference on Energy (IYCE),2013年,pp. 1-8,DOI:10.1109/IYCE.2013.6604181
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/02-31/078
H02S 10/00-10/40
H02S 30/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明のフロントカバーシート(13)とリヤーカバーシート(15)との間に介在する複数の太陽電池(9)を含むソーラーラミネート(3)と、
前記ソーラーラミネート(3)の外側縁部において前記ソーラーラミネート(3)を囲むフレーム(5)と、
前記フレーム(5)の対向部分の間で前記ソーラーラミネート(3)の裏面に配置された少なくとも1つの補強支柱(7)と
前記補強支柱(7)を前記ラミネート(3)に向かう方向に押すように前記フレーム(5)と協働するスペーサ要素(43)とを備え、
前記フレーム(5)は、フレーム面とフレーム厚さとを有し、前記フレーム面は、前記フレーム(5)の幅が乗じられた前記フレーム(5)の長さによって規定され、
前記フレーム面と前記フレーム厚さとの比は、45000~70000、好ましくは50000~65000、より好ましくは53000~57000であり、前記フレームの寸法はミリメートル単位で計測される、ソーラーモジュール(1)。
【請求項2】
前記フレーム(5)の厚さは35mmより小さい、好ましくは33mmより小さい、より好ましくは31mmより小さい、請求項1に記載のソーラーモジュール。
【請求項3】
前記フレーム(5)は、1665±xmmの長さ、991±ymmの幅、および30±zmmの厚さを有し、x、y、zは、x<5mm、y<5mm、およびz<2mm、好ましくはx<3mm、y<3mm、およびz<1mmの公差である、請求項1および2のいずれか1項に記載のソーラーモジュール。
【請求項4】
前記フロントカバーシート(13)は、2.7mm~3.1mmの厚さ、好ましくは3.05mmの厚さを有するガラスシート(14)を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のソーラーモジュール。
【請求項5】
前記補強支柱(7)は、前記フレーム(5)に電気的に接続されている、請求項1~4のいずれか1項に記載のソーラーモジュール。
【請求項6】
前記フレームは、長尺の中空プロファイル(19)を含み、前記中空プロファイルは、
前記中空プロファイル(19)の上側部分から延在して、第1のフランジ(21)と前記中空プロファイル(19)との間で前記ラミネート(3)を締付けるための締付け部(27)を形成する前記第1のフランジ(21)と、
前記フレーム(5)の中央に向かう方向に前記中空プロファイル(19)の下側部分から延在する第2のフランジ(29)とを有する、請求項1~のいずれか1項に記載のソーラーモジュール。
【請求項7】
前記補強支柱(7)の端部は、前記ラミネート(3)と前記フレーム(5)の前記第2のフランジ(29)との間に介在している、請求項に記載のソーラーモジュール。
【請求項8】
スペーサ要素(43)が、前記補強支柱(7)の端部と前記フレーム(5)の前記第2のフランジ(29)との間に介在している、請求項に記載のソーラーモジュール。
【請求項9】
前記スペーサ要素(43)は、導電性材料で形成されている、請求項1~8のいずれか1項に記載のソーラーモジュール。
【請求項10】
前記スペーサ要素(43)は、前記フレーム(5)内に押付けられた少なくとも1つの稜線(45)を含む、請求項に記載のソーラーモジュール。
【請求項11】
前記スペーサ要素(43)は、前記フレーム(5)にねじ留めされている、請求項1~10のいずれか1項に記載のソーラーモジュール。
【請求項12】
前記補強支柱(7)は、前記ラミネート(3)の裏面に貼付けられている、請求項1~11のいずれか1項に記載のソーラーモジュール。
【請求項13】
前記少なくとも1つの補強支柱(7)は、前記フレーム(5)の短い縁部に平行に配置されている、請求項1~12のいずれか1項に記載のソーラーモジュール。
【請求項14】
互いに平行に配置された少なくとも2つの補強支柱(7)を備える、請求項1~13のいずれか1項に記載のソーラーモジュール。
【請求項15】
前記補強支柱(7)は矩形の断面を有する、請求項1~14のいずれか1項に記載のソーラーモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、ソーラーモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
技術背景
太陽電池は、光起電力効果によって太陽光を電気に変換するように適合された光起電装置である。一般に、太陽電池の列を形成するために、多種多様な太陽電池が直列および/または並列に電気的に相互接続される。そのような列はその後、透明なフロントカバーシートとリヤカバーシートとが両方のカバーシートの間に介在する列を含むラミネート(これは、複数の先行技術文献および本特許出願の優先権出願では、「スーパーストレート」とも呼ばれる)に含まれる。たとえば、フロントカバーシートは、ガラスシートと、エチレン酢酸ビニール(EVA)の層または他の封入材料の層などのカプセル材とを含んでもよく、太陽光が太陽電池を効果的に透過できるように、きわめて光学的に透明でもよい。リヤカバーシートは、フロントカバーシートと同じ構造でもよく、すなわち、透明でもよく、金属シートなどの不透明構造が設けられてもよい。ラミネートは、機械的影響および化学的影響の両方から太陽電池の列を保護可能である。ラミネートは通常、主に機械的安定性を増すために、フレームによって囲まれている。
【0003】
従来、ソーラーモジュールは、高い機械的要求および/または長寿命の要求および/または製造費用の要求を満たすように設計されてきた。そのため、形状、構造、および/またはソーラーモジュール構成要素は、そのような要求に従うように選択され設計されてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明の概要
とりわけ、優れた機械的安定性および/または長寿命などのさらなる要求を満たしつつシステム全体の費用を安くできる、改良されたソーラーモジュールが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのような要求は、独立請求項に記載のソーラーモジュールを用いて満たすことができる。有利な実施形態が、従属請求項および明細書において定義されている。
【0006】
本発明のある態様によると、ソーラーラミネートと、フレームと、少なくとも1つの補強支柱とを備えるソーラーモジュールが提案される。ソーラーラミネートは、透明のフロントカバーシートとリヤーカバーシートとの間に介在する複数の太陽電池を含む。フレームは、ソーラーラミネートの外側縁部においてソーラーラミネートを囲む。フレームは、フレーム面とフレーム厚さとを有し、フレーム面は、フレームの幅が乗じられたフレームの長さによって規定される。補強支柱は、フレームの対向部分の間でソーラーラミネートの裏面に配置されている。ここで、フレーム面とフレーム厚さとの比は、45000~70000、好ましくは50000~70000、より好ましくは53000~67000または53000~60000であり、フレームの寸法は、ミリメートル単位で計測される。
【0007】
本発明の実施形態に関連する原則は、特に発明の範囲を制限することなく、以下の考えおよび認識に基づいていると理解され得る。
【0008】
簡単に上述したように、ソーラーモジュールは従来、主に機械的要求および/または長寿命の要求および/または製造費用の要求に関して最適化されてきた。言い換えると、ソーラーモジュールの構成要素は、ソーラーモジュールがそれ自体にかかる典型的な力に耐られるように、および、少なくとも20年にわたって壊れやすい太陽電池を保護できるように、選択および設計が行われてきた。さらに、構成要素は、構成要素の費用を抑制するように選択されてきた。
【0009】
しかしながら、ソーラーモジュールの全体的な製造費用が過去数年にわたって大幅に減少するにつれて、全体的なシステム費用への他の影響がますます大きくなってきた。たとえば、全体的なシステム費用、すなわち、ソーラーモジュールを製造するための費用および目的場所でソーラーモジュールを設置するための費用、ソーラーモジュールを目的場所に搬送するための費用を含む総費用が、着実に費用を上昇させる要因であると分かっている。
【0010】
したがって、運送費などのそのような搬送費が主に搬送されるべき体積によって決まるため、ソーラーモジュールの体積を減らすことによって全体的なシステム費用を減らすことができると分かっている。そのような体積は、ソーラーモジュールの表面および厚さによって決まる。しかしながら、一方で、ソーラーモジュールの表面の面積は当然のことながら、この表面がソーラーモジュールによって回収可能な太陽光パワーに直接関連するため、低減可能ではない。他方で、ソーラーモジュールの厚さはモジュールのパワー生成を減らすことなく低減可能であるが、そのような厚さの低減は通常、ソーラーモジュールの機械的安定性を低減させる。
【0011】
したがって、従来のソーラーモジュールと比べてソーラーモジュールの体積を減らすが、それにもかかわらず申し分の無い長寿命化を達成するために十分な機械的耐久性を保証可能な妥協案を見つける必要があった。
【0012】
そのような妥協案を求めるために、本発明の発明者らは、形状、構造、および機械的特徴に関するモジュールの最適化を、さまざまなパラメータがそのような最適化の結果に影響を及ぼすことを考慮して行わなければならないことを発見した。そのような最適化では、さまざまな影響を及ぼす値および決定的なパラメータ、特に、
‐さまざまなモジュール構成要素の寸法及び形状、たとえば、フレームを形成するプロファイルおよび支柱の厚さ、ラミネートの厚さなど、
‐さまざまなモジュール構成要素で使用される材料の機械的特徴、
‐さまざまなモジュール構成要素の互いに対する相対的な位置決め、
‐機械的荷重を受けたソーラーモジュールの変形および/または劣化の許容限界、
などが考慮されてもよい。
【0013】
最適化手順は、
‐機械的荷重を受けた構成要素またはソーラーモジュール全体の機械的挙動に関して、ソーラーモジュールの構成要素を用いた、および/または、ソーラーモジュール全体を用いた実験、
‐機械的荷重を受けた構成要素またはソーラーモジュール全体の機械的挙動の、たとえばFEM分析および/または多次元シミュレーションを含む、ソーラーモジュールの構成要素についてのおよび/またはソーラーモジュール全体についてのコンピュータによるモデリングおよび/またはシミュレーション、
‐ソーラーモジュールの初期の現場での応用からの経験、
などを含み得る。
【0014】
たとえば、実験および/またはモデリング/シミュレーションは、圧負荷がソーラーモジュールにかかっていると仮定してもよい。実際は、そのような圧負荷は、たとえば、ソーラーモジュールに作用する風、雪などから生じることがある。そこで、そのような負荷にさらされた際のソーラーモジュールの挙動が分析されてもよい。たとえば、圧負荷は通常、ラミネートのある程度のたわみと組み合わされて、ソーラーモジュールにある程度の変形を生じる。そのような変形およびたわみの結果、ラミネートおよび特にその太陽電池が、たとえば部分的な破損によって劣化することがある。その結果最終的に、モジュールの出力が劣化することがある。一般に、たとえばIEC61215規格に定義されているように、5%の最大劣化を許容できると仮定される。
【0015】
上述の妥協案は、発明の上述の態様に係るソーラーモジュールで見られる。ここでは、一方で、ソーラーモジュールは、少なくとも1つの補強支柱を含む。そのような支柱は、ソーラーモジュールの安定性、特に剛性を改善するように構成および配置される。他方で、ソーラーモジュールのフレームの厚さは最適化される。フレーム表面とフレーム厚さ(mm単位で計測される)とが45000~70000、好ましくは53000~60000の比では、ソーラーモジュールが十分安定した状態で小さな体積を有する最適化が可能と思われることが分かった。
【0016】
なお、本明細書での「フレーム面」という用語は、モジュールのフレームの外面形状によって囲まれる面として理解することができ、モジュール面またはモジュール領域と呼ぶこともできる。
【0017】
ある実施形態によると、フレームの厚さは35mmより小さくてもよく、好ましくは33mmより小さくても、さらに31mmより小さくてもよい。たとえば、厚さは、28mm~31mmでもよく、より詳細には、厚さは実質的に30mmでもよい。
【0018】
特定の実施形態によると、フレームは、1665±xmmの長さ、すなわち、モジュールの長手方向において計測された寸法、991±ymmの幅、すなわち、モジュールの横方向において計測された寸法、および30±zmmの厚さを有し、x、y、zは、x<5mm、y<5mm、およびz<2mm、好ましくはx<3mm、y<3mm、およびz<1mmの公差である。
【0019】
特に、ソーラーモジュールは、従来のソーラーモジュールと同じまたは同様の長さおよび幅寸法を有してもよい。しかしながら、そのような従来のソーラーモジュールの厚さは通常38mm以上であり、本明細書で提案されるソーラーモジュールは、28~32mm、好ましくは30mmの実質的により小さい厚さを有してもよい。そのような薄いモジュールは、特に、そのような安定性を提供する際に周囲のフレームを支える1つ、または好ましくは複数の支柱で強化されると、依然として十分な機械的安定性を発揮することが分かっている。他方で、そのようなソーラーモジュールの体積は、従来のソーラーモジュールと比較すると約30%低減可能であり、これによって、特に搬送費用が大幅に削減される。
【0020】
ある実施形態によると、フロントカバーシートは、2.7mm~3.1mmの厚さ、好ましくは2.8mm~3.05mmの厚さ、より好ましくは2.8mmの厚さまたは3.05mmの厚さを有するガラスシートを含む。
【0021】
従来のソーラーモジュールには、3.2mm以上の厚さ、2.7mm~3.1mm、好ましくは2.8mmまたは3.05mmのガラスシート厚さを有するガラスシートを有するフロントカバーシートが通常設けられているが、たとえば、あられ、風荷重などに耐えるようにフロントカバーの必要とされる機械的安定性を提供するために十分であることが分かっている。
【0022】
そのようにフロントカバーのガラスシートの厚さを減らすことによって、ソーラーモジュールの機械的一体性を過度に損なうことなく、その体積だけでなくその重量も大幅に減らすことができる。さらに、近年のソーラーモジュールの全体的な構成要素の費用の大きな要因であるガラスシートの費用を減らすことができる。
【0023】
ある実施形態によると、補強支柱は、フレームに電気的に接続されている。
そのような電気接続によって、ソーラーモジュールのフレームが一般に電気的に接地されると、支柱の帯電を避けることができる。これは、支柱が金属などの導電性材料で形成されている場合に、特に重要な場合がある。
【0024】
ある実施形態によると、ソーラーモジュールはさらに、ラミネートに向かう方向に補強支柱を押すようにフレームと協働するスペーサ要素を備える。
【0025】
通常、支柱は、ソーラーモジュールの安定性を支えるものである。特に、支柱は、その後側でラミネートを支えることができる。そのために、支柱は、ラミネートの後側に隣接してもよく、スペーサによってこの後側に対して押付けられてもよい。ここで、一方では、スペーサ要素(または単に「スペーサ」)は、フレームに対して固定、および/または、フレームによって押付けられてもよい。他方で、スペーサは、支柱において固定されてもよく、および/または、ラミネートの後側と反対の方向に支柱を押してもよい。
【0026】
ある実施形態によると、フレームは、長尺の中空プロファイルを含む。これらの中空プロファイルの各々は、第1のフランジと第2のフランジとを含む。第1のフランジは、中空プロファイルの上側部分から延在して、第1のフランジと中空プロファイルとの間でラミネートを締付けるための締付け部を形成する。第2のフランジは、フレームの中央に向かう方向に中空プロファイルの下側部分から延在する。
【0027】
言い換えると、フレームは、共にフレームを形成するように組立てられてもよい複数の中空プロファイルで構成されてもよい。各プロファイルは、線状の延在部を有してよもく、中空プロファイルの室内空間を囲む壁を有してもよい。通常、中空プロファイルは、矩形または擬似矩形断面を有してもよい。
【0028】
中空プロファイルの壁から、第1のフランジは、たとえば第1のフランジの片持ち梁部が中空プロファイルの上壁に平行に延在するような態様で、プロファイルの上側部分から突出してもよい。そのような構成では、ラミネートは、その外側端部領域が第1のフランジと中空プロファイルの上壁との間にある状態で、締付けられてもよい。
【0029】
さらに、第2のフランジは、フレームの中央に向かう方向にプロファイルの下側部分から突出してもよい。したがって、第2のフランジは、第1のフランジの締付け部において締付けられているラミネートに対して実質的に平行に延在してもよい。第2のフランジは、ラミネートの後側面と反対方向に1つ(または複数)の支柱を押付けるためのカウンターベアリングとして機能してもよい。
【0030】
たとえば、ある実施形態によると、補強支柱の端部は、ラミネートとフレームの第2のフランジとの間に介在してもよい。
【0031】
言い換えると、ラミネートをフレームの中空プロファイルの上壁とそれらの第1のフランジとの間で締付けてもよい一方で、中空プロファイルの下側部分から突出する第2のフランジは、ラミネートから大きく間隔をおいて配置されている。そのような構成では、支柱は、ラミネートとフレームの第2のフランジとの間に介在してもよい。その後、好適なスペーサが、フレームに固定されてもよい、または、支柱をラミネートに向かう方向に押付けるようにフレームと協働してもよい。
【0032】
たとえば、ある実施形態によると、スペーサ要素が、補強支柱の端部とフレームの第2のフランジとの間に介在してもよい。スペーサ要素は、補強支柱とフレームとの間に電気接続を確立するために機能してもよい。さらに、スペーサ要素は、ラミネートの後側に対して支柱を押付けるために機能してもよい。
【0033】
したがって、ソーラーモジュールを組立てる際に、フレームは、まず、それらの第1のフランジがこれらのラミネートの端部領域で締付けられるようにラミネートの端部領域で押し付けられた状態で複数の中空プロファイルを押付けることによって、組立てられてもよい。さらに、隣接した中空プロファイルは、コーナーキーを有する端部において互いに機械的に接続されてもよい。フレームが組立てられると、1つ以上の支柱は、それらの端部がラミネートとソーラーモジュールの中心に向かって突出するフレームの第2のフランジの一部との間にある状態で介在してもよい。しかしながら、通常、支柱と第2のフランジとの間に間隙があるべきである。なぜなら、そうでなければ、支柱がフレームの適切な組立てを妨げてしまうからである。そのような間隙をふさぐために、第2のフランジのうち1つと支柱の隣接する端部との間にスペーサを介在させてもよい。ここで、スペーサの厚さは、スペーサを介在させるとスペーサがラミネートに向かう方向に支柱の端部を押付けるように、間隙よりもわずかに大きくなってもよい。
【0034】
ある実施形態によると、スペーサは導電性材料で形成されている。
言い換えると、スペーサは、金属などの導電性材料で形成されてもよい、または構成されてもよい。したがって、スペーサは、支柱とフレームとの間に電気接続をもたらし得る。
【0035】
したがって、たとえば、支柱の端部とフレームの隣接する第2のフランジとの間の間隙においてスペーサを押付けることによって、または、スペーサを、支柱と接触しラミネートに向かって支柱を押すように他の態様でフレームに取り付けることによって、ラミネートを支持するために支柱に機械的圧力が生じ得るだけでなく、電気的に接地したフレームへの支柱の電気接続も生じ得る。
【0036】
ある実施形態によると、スペーサは、フレーム内に押付けられた少なくとも1つの稜線を含む。
【0037】
そのような稜線は、一方の側ではスペーサとフレームの第2のフランジの隣接部分との間の、他方の側ではスペーサと支柱の隣接部分との間の電気接続を改良するために設けられてもよい。稜線は、スペーサの一般表面から突出し好ましくは鋭利な縁部または鋭利な先端を形成するスペーサの一部でもよい。
【0038】
特に、さらに陽極酸化処理を施される場合は、フレームおよび/または支柱は、通常その表面に絶縁された酸化層を有するアルミニウムで形成されてもよい。したがって、ただ単にそのようなアルミニウムの構成要素の表面に機械的に接触することによって、全ての場合で、そのような構成要素とスペーサとの間の電位接続が確実に確立されなくてもよい。
【0039】
スペーサが1つ以上の稜線を含む状態で、スペーサが第2のフランジと支柱との間の間隙において押付けられると、そのような稜線は、フレームの、特にその第2のフランジの表面内に押付けられてもよい。ここで、稜線は、酸化層に傷をつけることができるように縁部が鋭くてもよい。これによって、稜線は酸化層を貫通して、確実に電気接続を確立し得る。稜線は、一方の側ではフレームの第2のフランジに対向する、他方の側では支柱に対向する表面のどちらか一方または両方のスペーサに設けられてもよい。1つ(または複数)の稜線は、スペーサの一体部分でもよい。
【0040】
フレームの第2のフランジと支柱との間に介在するスペーサの代替として、またはこれに加えて、ある実施形態によると、スペーサはフレームにねじ留めされてもよい。
【0041】
ここで、ねじは、たとえば、フレームの第2のフランジおよび/またはスペーサを貫通して、それらの表面の酸化層も貫通してもよい。ねじは、金属などの導電性材料で形成されてもよい。したがって、そのようなねじ留めによって、スペーサは、フレームに機械的に取り付けられるだけでなく、フレームに電気的に接続されてもよい。
【0042】
ある実施形態によると、補強支柱は、ラミネートの裏面に貼付けられてもよい。
言い換えると、補強支柱は、スペーサのフレームの部分に対する押付けの作用によって、ラミネートの裏面に向かって押付けられてもよいだけでなく、ラミネートの裏面に貼付けられることによって、それに直接固定されてもよい。
【0043】
特に、ソーラーモジュールを組立てると、ラミネートをその後取り付けられた支柱と共に取り扱うことができるように、1つ(または複数)の支柱をラミネートの裏面に最初に取り付けることが有益であり得る。そうして初めて、フレームを組立てることができ、支柱を、スペーサがフレームと相互作用することによって、ラミネートに向けてさらに押付けることができる。
【0044】
支柱は、たとえば、シリコーンで形成されたまたは接着テープで形成された細片を用いて、ラミネートの裏面に貼付けることができる。
【0045】
ソーラーモジュールの機械的特性を最適化すると、特に多数の補強支柱、補強支柱の位置決めおよび/または補強支柱の形状および断面が、ソーラーモジュールの安定性に著しく影響を及ぼし得ることが分かった。
【0046】
一般に、1つ以上の補強支柱を、たとえば、長手方向に平行に、横方向に平行に、対角線方向に配置できる。さらに、異なる方向に延在する補強支柱の組合せが可能である。したがって、補強支柱の各オプションは、特定の場所でフレームの外側プロファイルを機械的に支持し、たとえば特定の態様でフレームのたわみ特性に影響を及ぼす。
【0047】
ある実施形態によると、少なくとも1つの補強支柱は、フレームの短い縁部に平行に、すなわち、モジュールの横方向に配置される。
【0048】
通常、ソーラーモジュールは、非正方形の矩形状を有する。支柱は原則としてフレームに対してさまざまな方位で配置されてもよいが、1つ以上の支柱をフレームの短い縁部に平行に配置することが有益であると分かっている。そのような配置では、支柱は、ソーラーモジュールの安定性を最も効果的に支えることができる。さらに、支柱はさらに短くてもよく、これによって、ソーラーモジュールの材料費用および重量を節約できる。
【0049】
特に、ある実施形態によると、ソーラーモジュールは互いに平行に配置された少なくとも2つ、または好ましくはちょうど2つの補強支柱を備え得る。
【0050】
ただ1つの支柱でも既にソーラーモジュールの安定性を改善可能であるが、近年のソーラーモジュールの一般的な寸法では、2つの支柱をラミネートの裏面で互いに平行に配置することで、ソーラーモジュールの重量を過度に増やすことなく、その安定性をさらに改善できると分かっている。当然のことながら、原則として、さらに多くの支柱を設けてもよく、ソーラーモジュールの安定性をわずかに増大することができる。しかしながら、3つ、4つ、またはさらにより多くの支柱を用いると、ソーラーモジュールの重量が過度に増加し得るが、その安定性を大幅に改良することはない。
【0051】
ある実施形態によると、補強支柱は、矩形の断面を有してもよい。
提案されたソーラーモジュールに含まれることによって、さまざまな種類の補強支柱の試験またはシミュレーションが行われてきた。たとえば、Tプロファイル、Iプロファイル、Hプロファイル、Δプロファイルなどを有する補強支柱について研究が行われてきた。矩形断面を有する強化プロファイルがソーラーモジュールの有利な機械的性質、製造性、および費用の間で有益な妥協案をもたらし得ることが分かっている。丸みを帯びた縁部など、厳密に矩形の断面からのわずかな逸脱は許容できる。
【0052】
なお、本発明の実施形態の可能な特徴および/または利点は、部分的にソーラーモジュールについて、および部分的にそのようなソーラーモジュールの組立て方法について本明細書で説明される。当業者であれば、本発明に係るソーラーモジュールの実施形態について説明された特徴がそのようなソーラーモジュールの組立てにおいて有利となること、およびその逆もまた同じであることを理解するであろう。さらに、当業者であれば、発明の他の実施形態に到達するために、さまざまな実施形態の特徴を他の実施形態の特徴と組み合わせてもよいこと、もしくはそれらに置き換えてもよいこと、および/または、変更してもよいことを理解するであろう。
【0053】
発明の実施形態について、以下で添付の図面を参照して説明する。しかしながら、図面も説明も、発明を制限するものと解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】本発明の実施形態に係るソーラーモジュールの後側の上面図および直交する側面からの側面図である。
図2】本発明のソーラーモジュールのラミネートの断面図である。
図3】本発明のソーラーモジュールのフレームのためのプロファイルの断面図である。
図4a】本発明のソーラーモジュールの支柱の側面図である。
図4b】本発明のソーラーモジュールの支柱の底面図である。
図5】本発明のモジュールのラミネートに固定された支柱の斜視図である。
図6】本発明のソーラーモジュール上のフレームの断面図である。
図7】本発明のモジュールのためのスペーサ要素を有する他の支柱の斜視図である。
図8】本発明のソーラーモジュールのスペーサの配置の斜視図である。
図9図8のスペーサの配置の断面図である。
図10】本発明の他のソーラーモジュールのスペーサの配置の斜視図である。
図11図10のスペーサの配置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
図面は模式的に図示されているに過ぎず、縮尺通りではない。同じ参照符号は、同じまたは類似の構成を示す。
【0056】
好ましい実施形態の説明
図1は、異なる視点からソーラーモジュール1を示す図である。ソーラーモジュール1は、ラミネート3と、フレーム5と、2つの補強支柱7とを備える。さらに、ソーラーモジュール1は、バイパスダイオードを含む3つの接続箱8を備え、外側の2つの接続箱8は、外部接続ケーブルを含む。
【0057】
なお、図1のソーラーモジュール1の寸法および特定の配置は例示に過ぎない。たとえば、モジュール1は異なる横寸法を有してもよい、および/または、支柱7は、異なる場所に配置されてもよい。さらに、図1に示すような3つの接続箱8の代わりに、より多くのまたはより少ない接続箱8が設けられてもよい。たとえば、1つの接続箱8のみが、モジュール1の長い縁部または短い縁部のうちの1つに近接して配置されてもよい。
【0058】
図2に示すように、ソーラーラミネート3は、複数の太陽電池9を含む。太陽電池9は、インターコネクタ11によって直列および/または並列に接続されて列を形成する。太陽電池9は、透明のフロントカバーシート13とリヤーカバーシート15との間に介在しており、残りの体積は、EVA17で充填されている。図示された例では、ラミネート3は、60個の矩形形状の太陽電池9、すなわち、156mmの長さと78mmの幅とを有する、いわゆるハーフカット太陽電池を含む。
【0059】
フレーム5は、その外側縁部においてソーラーラミネート3を囲む。図示された例では、フレーム5を有するソーラーモジュール1は、長さが1665mmで幅が991mmの従来の横寸法を有する。これらの寸法には、±2.5mmの公差があってもよい。
【0060】
一般に38mmよりも大きい厚さを有する従来のソーラーモジュールと比較して、本明細書で提案されるソーラーモジュール1は、約30mmの、著しく小さな厚さを有する。ソーラーモジュール1の厚さは、主にフレーム5の厚さによって示される。ここで、最適化のための広範囲にわたる努力を経て、30mmの厚さだと、十分な機械的安定性および強度がソーラーモジュール1にもたらされ得ることが分かっている。
【0061】
さらに、たとえば、3.2mm以上の厚さを有する従来のガラスシートではなく、ガラスシート14がたとえば3.05mmの薄い厚さまたはさらには2.8mmのみの厚さしか有さないフロントカバーシート13が用いられるために、ソーラーモジュール1の重量を減らすことができる。
【0062】
フレーム5は、図3の断面図に示すように、複数の長尺の中空プロファイル19で構成されている。中空プロファイル19は、直線的であり、矩形断面を有する。肉厚は、約1.3mmである。
【0063】
第1のフランジ21は、中空プロファイル19の上側部分から延在する。第1のフランジ21はまず、中空プロファイル19の高さ方向(すなわち、図の垂直方向)に延在し、次に、その片持ち梁部23が中空プロファイル19の上壁25に平行に延在するように幅方向(すなわち、図の平行方向)に直交した状態で屈曲する。これによって、第1のフランジ21は、片持ち梁部23と上壁25との間においてラミネート3を締付けるための締付け部27を形成する。締付け部27は、ラミネート3の厚さに対応する、またはそれよりもわずかに大きい高さ方向に高さを有する。したがって、ラミネート3を、締付け部27内に挿入可能であり、その内部にたとえば接着剤を用いて固定可能である。
【0064】
第2のフランジ29は、フレーム5の中心に向かって、中空プロファイル19の幅方向に中空プロファイル19の下側部分から延在する。
【0065】
その第1のフランジ21および第2のフランジ29を含む中空プロファイル19全体が、アルミニウムなどの金属で形成されてもよく、たとえば押出しによって、一体部分として形成されてもよい。例示的な寸法は、図面に示されている。
【0066】
図4aおよび図4bに示すように、支柱7は、たとえば、矩形の断面を有しアルミニウムなどの金属で形成された長尺プロファイルでもよい。支柱7は、矩形のラミネート3の短い縁部に平行に、そこから600mmの距離で配置されてもよい。支柱7のそのような配向および位置決めは、ソーラーモジュールに最適化された機械的特徴をもたらすことが分かっている。厚さ方向の支柱7の高さはたとえば20mmでもよく、幅は22.55mmでもよい。端部領域31および中心領域33において、接合線制御細片35が設けられる。そのような接合線制御細片35は、たとえば50mmの長さ、6mmの幅、および1mmの高さを有するテープ細片でもよい。
【0067】
図5に示すように、ソーラーモジュール1を組立てる際に、支柱7がたとえばシリコーンを用いてラミネート3の後側に貼付けられてもよい。ここで、接合線制御細片35は、シリコーン接着層37の厚さを決め得る。これによって、ラミネート3の裏面に対する支柱7の位置を正確に決めることができる。
【0068】
支柱7がラミネート3に貼付けられた後で、フレーム5が組立てられてもよい。このために、締付け部27は、ラミネート3が締付け部27において締付けられるように、横方向にラミネート3の端部領域に押付けられてもよい。さらに、事前に締付けられたコーナーキーを、隣接する中空プロファイル19の端部が矩形状に互いに隣り合う角39(図1を参照)において、中空プロファイル19に挿入してもよく、これによって、フレーム5のこれらの部分が電気的に接続され、機械的安定性がもたらされる。
【0069】
ラミネート3は締付け構成内に直接押付けられて締付け部27内に入るが、支柱7は、支柱7の後側と中空プロファイル19の第2のフランジ29の反対側との間に間隙41が存在する状態で配置される。ソーラーモジュール1を組立てると、この間隙41は、スペーサ要素43で埋められる。ここで、スペーサ要素43は、ラミネート3に向かう方向に支柱7を押すように、適合されフレーム5と協働する。
【0070】
図5および図6に示す例では、スペーサ要素43は、U字状に曲げられた金属シートで形成される。このU字状のスペーサ要素43の内側脚部が支柱7の室内空間に挿入され、これによって、外側脚部47が支柱7の外面に配置される。これによって、スペーサ要素43の外側脚部47が間隙41よりもわずかに厚くなるため、支柱7は、ラミネート3に向かう方向に押付けられる。
【0071】
さらに、稜線45が外側脚部47においてスペーサ要素43に設けられ、これらの稜線45は、第2のフランジ29に向かう方向に突出する。したがって、フレーム5の中空プロファイル19を支柱7に対して押付けると、これらの稜線45は、第2のフランジ29のアルミニウムの上部の酸化層をかき取ることができ、これによって、フレーム5と支柱7との間に確実に電気接続が確立される。
【0072】
図7は、特別に設計されたスペーサ要素43を有する他の例示的な支柱7を示す。ここで、図5の例と同様に、スペーサ要素43はU字状に曲げられた金属シートで形成されており、スペーサ要素43には、支柱7の室内空間に挿入された内側脚部が設けられている。スペーサ要素43の外側脚部47は、支柱7の外面に配置されており、支柱7から離れるように、すなわち、第2のフランジ29に向かうように突出する三角形の先端部46、および、反対方向、すなわち、支柱7に向かって突出する三角形の先端部48を含む。両方の種類の先端部46、48は、それらの最も突出した領域において鋭利な縁部または尖った先端を有する。したがって、フレーム5の中空プロファイル19を支柱7に押付けると、これらの突出先端部46、48、45は、第2のフランジ29のアルミニウムの上部の酸化層をかき取ることができ、これによって、フレーム5と支柱7との間に電気接続を確実に確立する。
【0073】
図8および図9は、ラミネート3に向かう方向に支柱7を押付ける他の例を示す図である。この例では、スペーサ要素43’は、ねじ49を用いてフレーム5に取り付けられている。ねじ49は、下方に支柱7内に達し、これによって、支柱7とフレーム5との間に電気的な接続を確立する。ねじ49のねじ山が、支柱7の材料と係合してもよい。ねじ49は、第2のフランジ29の上面と同じ高さで皿もみされてもよい。
【0074】
ここで、スペーサ要素43’は、モジュールの中心に向けられた端において端部51を有し、この端部51は、支柱7に向かう下方向に曲げられている。したがって、スペーサ要素43’をフレーム5にねじ留めすることによって、この端部51は、支柱7の後側に対して押付けられて、支柱7をラミネート3に向かって押す。小さな間隙55が、第2のフランジ29の下面57と支柱7の反対側の上面59との間に保たれてもよい。
【0075】
さらに、スペーサ要素43’は、モジュールの中心から離れるように向けられた端で反対側の端部53を有する。この反対側の端部53は、上方向に丸められた構成で曲げられている。これによって、反対側の端部53は、モジュールがたとえば運送中に互いに積み重ねられると、隣接するモジュールの間隔をあけるためのスペーサとして機能し得る。
【0076】
図10および図11は、ラミネート3に向かう方向に支柱7を押付ける他の代替的な例を示す。この例では、スペーサ要素43’’は、フレーム5の中空プロファイル19の第2のフランジ29と支柱7の後側との間に配置されている。スペーサ要素43’’は、第2のフランジ29にねじ49でねじ留めされている。
【0077】
図8図11の例では、ねじ49は、電気的に絶縁された酸化層を貫通してもよく、これによって、確実にフレーム5をスペーサ要素43と電気的に相互接続して、最終的に、フレーム5と支柱7との間に電気接続を確立する。
【0078】
要約すると、薄いソーラーモジュール1が提案される。たとえばわずか30mmの厚さしかないため、通常38mmよりも大きい厚さを有する従来のソーラーモジュールと比べると、ソーラーモジュール1は、特にモジュール1の所望の場所への搬送中に有益な小さな体積を有する。しかしながら、厚さは補強支柱7に合わせて、これと共に最適化されているため、依然としてソーラーモジュール1に十分な機械的安定性を提供する。
【0079】
最後に、「含む(comprising)」などの用語は、他の要素またはステップを排除するものではないこと、および、「1つ(aまたはan)」は複数を排除するものではないことに注意されたい。また、異なる実施形態に関連して説明された要素は、組合わされてもよい。また、特許請求の範囲の参照符号は、特許請求の範囲を制限すると解釈されるべきではないことに注意されたい。
【符号の説明】
【0080】
1 ソーラーモジュール
3 ラミネート
5 フレーム
7 支柱
8 接続箱
9 太陽電池
11 インターコネクタ
13 フロントカバーシート
14 ガラスシート
15 リヤーカバーシート
17 EVA
19 中空プロファイル
21 第1のフランジ
23 片持ち梁部
25 中空プロファイルの上壁
27 締付け部
29 第2のフランジ
31 端部領域
33 中央領域
35 接合線制御細片
37 接着剤
39 フレームの角
41 間隙
43 スペーサ要素
45 稜線
46 支柱から遠ざかるように突出する先端部
47 スペーサ要素の外側脚部
48 支柱に向かって突出する先端部
49 ねじ
51 スペーサ要素の端部
53 スペーサ要素の反対側の端部
55 間隙
57 第2のフランジの下面
59 支柱の上面
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11