(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-10
(45)【発行日】2022-08-19
(54)【発明の名称】空気調節機器の制御方法、装置及び空気調節機器
(51)【国際特許分類】
F24F 11/74 20180101AFI20220812BHJP
F24F 11/70 20180101ALI20220812BHJP
F24F 11/79 20180101ALI20220812BHJP
F24F 110/40 20180101ALN20220812BHJP
【FI】
F24F11/74
F24F11/70
F24F11/79
F24F110:40
(21)【出願番号】P 2020571793
(86)(22)【出願日】2018-07-27
(86)【国際出願番号】 CN2018097393
(87)【国際公開番号】W WO2020000554
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2020-12-23
(31)【優先権主張番号】201810715317.1
(32)【優先日】2018-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517344192
【氏名又は名称】広東美的制冷設備有限公司
【氏名又は名称原語表記】GD MIDEA AIR-CONDITIONING EQUIPMENT CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Lingang Road,Beijiao,Shunde,Foshan,Guangdong,China
(73)【特許権者】
【識別番号】512237419
【氏名又は名称】美的集団股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIDEA GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】B26-28F, Midea Headquarter Building, No.6 Midea Avenue, Beijiao, Shunde, Foshan, Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】梁文潮
(72)【発明者】
【氏名】段曉華
(72)【発明者】
【氏名】鄭偉鋭
(72)【発明者】
【氏名】陳志斌
【審査官】町田 豊隆
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-240489(JP,A)
【文献】特開2003-232560(JP,A)
【文献】特開平09-119694(JP,A)
【文献】特開2018-071885(JP,A)
【文献】特開2001-304655(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103629789(CN,A)
【文献】中国実用新案第204574266(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第105066334(CN,A)
【文献】国際公開第2017/183083(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/74
F24F 11/70
F24F 11/79
F24F 110/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調節機器の各送風位置での環境温度を示すための環境温度分布を検出するステップと、
前記環境温度分布に基づいて、前記空気調節機器の各送風位置での冷房量または暖房量を制御するステップと、を含
み、
前記環境温度分布に基づいて、前記空気調節機器の各送風位置での冷房量または暖房量を制御するステップは、
前記環境温度分布に基づいて、各送風位置での環境温度と基準値との温度差を決定するステップと、
各送風位置の前記温度差に基づいて、最大温度差を有する目標送風位置を決定するステップと、
前記目標送風位置に基づいて、対応する目標送風角度を決定するステップであって、前記目標送風角度は、前記空気調節機器の送風方向を前記目標送風位置に向かわせるための風向板の偏向角である、ステップと
前記最大温度差に基づいて、前記目標送風角度の制御パラメータを決定するステップと、
前記制御パラメータにより、前記空気調節機器の前記目標送風角度での冷房量または暖房量を制御するステップと、を含み、
前記最大温度差に基づいて、前記目標送風角度の制御パラメータを決定するステップは、
前記最大温度差に基づいて、制御パラメータ比率を決定するステップであって、前記最大温度差と前記制御パラメータとは、予め対応付けられている、ステップと、
前記制御パラメータ比率に基づいて、前記目標送風角度の前記制御パラメータを決定するステップであって、前記目標送風角度の前記制御パラメータは、前記制御パラメータと、非目標送風角度の予め設定された制御パラメータとの乗算によって得られたものである、ステップと、を含む、
ことを特徴とする空気調節機器の制御方法。
【請求項2】
前記空気調節機器の
前記目標送風角度での冷房量または暖房量を制御するステップは、
前記空気調節機器の風向板が各送風角度まで揺動した場合、対応する制御パラメータに基づいて、送風の風速を調整するステップ、
または、
前記空気調節機器の風向板が各送風角度まで揺動した場合、対応する制御パラメータに基づいて、前記風向板の揺動速度を調整するステップ、
または、
前記空気調節機器の風向板が各送風角度まで揺動した場合、対応する制御パラメータに基づいて、前記風向板の揺動一時停止時間を調整するステップ、を含む、
ことを特徴とする請求項
1に記載の
空気調節機器の制御方法。
【請求項3】
前記基準値は、各送風位置での環境温度の平均値に基づいて決定する、または、前記空気調節機器の設定温度に基づいて決定する、または、少なくとも1つの送風位置での環境温度に基づいて決定するものである
、
ことを特徴とする請求項
1または
2に記載の
空気調節機器の制御方法。
【請求項4】
【請求項5】
【請求項6】
環境温度分布を検出するステップは、
N行M列のアレイセンサを用いて各送風位置での環境温度を検出するステップを含み、
前記アレイセンサは赤外線サーモパイルアレイセンサを含む、
ことを特徴とする請求項1~
5のいずれか1項に記載の空気調節機器の制御方法。
【請求項7】
空気調節機器の各送風位置での環境温度を示すための環境温度分布を検出するための検出モジュールと、
前記環境温度分布に基づいて、前記空気調節機器の各送風位置での冷房量または暖房量を制御するための調整モジュールと、を含
み、
各モジュールが請求項1~6のいずれか1項に記載の空気調節機器の制御方法を実行することによって前記空気調節機器を制御する、
ことを特徴とする空気調節機器の制御装置。
【請求項8】
メモリと、
プロセッサと、
メモリに記憶され、プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムと
、を含み、
前記
コンピュータプログラムが前記プロセッサにより実行される場合、請求項1~
6のいずれか1項に記載の
空気調節機器の制御方法が実現される、
ことを特徴とする空気調節機器。
【請求項9】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記
コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される場合、請求項1~
6のいずれか1項に記載の空気調節機器の制御方法が実現される、
ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、広東美的冷凍設備有限会社及び美的集団株式会社が2018年6月29日に出願した、出願の名称「空気調節機器の制御方法、装置及び空気調節機器」、出願番号「201810715317.1」の中国特許出願の優先権を主張する。
【0002】
本願は、家電技術の分野に関し、特に空気調節機器の制御方法、装置及び空気調節機器に関する。
【背景技術】
【0003】
人々の生活品質の向上に伴い、エアコン、扇風機などの空気調節機器は、徐々により多くの家庭やオフィスに使用されるようになっている。現在、空気調節機器は縦風向板を備え、ユーザは、リモートコントロールの左右スイングフラップボタンを押すことにより、空気調節機器の風向板を制御して左右に往復送風することを実現することができる。ユーザが、リモートコントロールの左右スイングフラップボタンを再度押すと、空気調節機器の風向板は現在位置で止まって送風する。
【0004】
関連技術において、空気調節機器は主に空気調節機器の真正面に風量を出力する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、関連技術において、空気調節機器が主に空気調節機器の真正面に風量を出力することにより、空気調節機器が位置している空間内の温度分布が不均一になり、空気調節機器が位置している空間内の環境の快適性に影響を及ぼすという技術的問題を解決するための、空気調節機器の制御方法、装置及び空気調節機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の一態様の実施例にて提供される空気調節機器の制御方法は、
空気調節機器の各送風位置での環境温度を示すための環境温度分布を検出するステップと、
前記環境温度分布に基づいて、前記空気調節機器の各送風位置での冷房量または暖房量を制御するステップと、を含む。
【0007】
本願の実施例の空気調節機器の制御方法は、空気調節機器の各送風位置での環境温度を示すための環境温度分布を検出した後、環境温度分布に基づいて、空気調節機器の各送風位置での冷房量または暖房量を制御する。これにより、環境温度分布に基づいて、各送風位置の冷房量または暖房量を自動調整して、空気調節機器が位置している空間内の環境温度分布を均一にするという目的を達成でき、ユーザの快適性を向上させる。
【0008】
本願の別の態様の実施例にて提供される空気調節機器の制御装置は、
空気調節機器の各送風位置での環境温度を示すための環境温度分布を検出するための検出モジュールと、
前記環境温度分布に基づいて、前記空気調節機器の各送風位置での冷房量または暖房量を制御するための調整モジュールと、を含む。
【0009】
本願の実施例の空気調節機器の制御装置は、空気調節機器の各送風位置での環境温度を示すための環境温度分布を検出した後、環境温度分布に基づいて、空気調節機器の各送風位置での冷房量または暖房量を制御する。これにより、環境温度分布に基づいて、各送風位置の冷房量または暖房量を自動調整して、空気調節機器が位置している空間内の環境温度分布を均一にするという目的を達成でき、ユーザの快適性を向上させる。
【0010】
本願の別の態様の実施例にて提供される空気調節機器は、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶され、プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを含み、前記プログラムが前記プロセッサにより実行される場合、本願の前述の実施例にて提供される空気調節機器の制御方法が実現される。
【0011】
本願の別の態様の実施例では、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、当該プログラムがプロセッサによって実行される場合、本願の前述の実施例にて提供される空気調節機器の制御方法が実現される。
【0012】
本願の付加的な態様及び利点について、その一部は以下に説明され、一部は以下の説明から明らかになるか、または本願の実施を通じて理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本願の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下では、実施例で使用する必要のある図面を簡単に紹介するが、以下の説明における図面は本願の一部の実施例にすぎず、当業者にとって、創造的な働きなしにこれらの図面に基づいて他の図面を取得することもできることは明らかである。
【
図1】本願の実施例1にて提供される空気調節機器の制御方法の流れの模式図である。
【
図2】本願の実施例においてアレイセンサにより検出された環境温度分布の模式図である。
【
図3】本願の実施例において冷房量調整後にアレイセンサにより検出された環境温度分布の模式図である。
【
図4】本願の実施例2にて提供される空気調節機器の制御方法の流れの模式図である。
【
図5】本願の実施例3にて提供される空気調節機器の制御方法の流れの模式図である。
【
図6】本願の実施例4にて提供される空気調節機器の制御装置の構造模式図である。
【
図7】本願の実施例5にて提供される空気調節機器の制御装置の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本願の実施例を詳細に説明する。前記実施例の例示を図面に示したが、ここで、同じまたは類似の符号は、常に同じまたは類似の素子または同じまたは類似の機能を有する素子を表す。以下、図面を参照しながら説明した実施例は例示的なもので、本願の説明を意図したものであり、本願を制限するものと理解されるべきではない。
【0015】
本願は、主に、関連技術における、空気調節機器が主に空気調節機器の真正面に風量を出力することにより、空気調節機器が位置している空間内の温度分布が不均一になり、空気調節機器が位置している空間内の環境の快適性に影響を及ぼすという技術的問題に関して、空気調節機器の制御方法を提供する。
【0016】
本願の実施例の空気調節機器の制御方法は、空気調節機器の各送風位置での環境温度を示すための環境温度分布を検出した後、環境温度分布に基づいて、空気調節機器の各送風位置での冷房量または暖房量を制御する。これにより、環境温度分布に基づいて、各送風位置の冷房量または暖房量を自動調整して、空気調節機器が位置している空間内の環境温度分布を均一にするという目的を達成でき、ユーザの快適性を向上させる。
【0017】
以下、図面を参照しながら、本願の実施例の空気調節機器の制御方法、装置及び空気調節機器について説明する。
【0018】
図1は、本願の実施例1にて提供される空気調節機器の制御方法の流れの模式図である。
【0019】
図1に示すように、当該空気調節機器の制御方法は、ステップ101とステップ102とを含む。
【0020】
ステップ101で、空気調節機器の各送風位置での環境温度を示すための環境温度分布を検出する。
【0021】
本願の実施例において、空気調節機器は、エアコン、空気清浄機及び扇風機などの家電機器であり得る。
【0022】
可能な一実施形態として、空気調節機器は環境温度検出装置を含んでもよく、環境温度検出装置により環境温度分布を検出することができる。
【0023】
選択可能に、当該環境温度検出装置は温度センサであってもよく、例えば、当該環境温度検出装置はN行M列のアレイセンサ(N*M)であってもよく、N行M列のアレイセンサを用いて各送風位置での環境温度を検出することができ、または、当該環境温度検出装置は他の温度センサであってもよく、これに対しては限定しない。ここで、アレイセンサは赤外線サーモパイルアレイセンサを含んでもよい。
【0024】
一例として、
図2を参照すると、
図2は本願の実施例においてアレイセンサにより検出された環境温度分布の模式図である。ここで、アレイセンサは24行32列のセンサ(24*32)であり、空気調節機器の運転モードは冷房モードである。
図2から分かるように、アレイセンサの3列目のセンサ~26列目のセンサで測定された環境温度は[24.3℃,25.5℃]の間にあり、快適な温度であるが、1列目のセンサ~2列目のセンサで測定された環境温度の最大値は26.4℃で、27列目~32列目のセンサで測定された環境温度の最大値は27.9℃で、温度が高く、ユーザの快適性に影響を及ぼす。
【0025】
ステップ102で、環境温度分布に基づいて、空気調節機器の各送風位置での冷房量または暖房量を制御する。
【0026】
本願の実施例において、環境温度分布が検出された後、環境温度分布に基づいて、空気調節機器の各送風位置での冷房量または暖房量を制御することができる。
【0027】
可能な一実施形態として、基準値を決定した後、各送風位置での環境温度と当該基準値との差を求めて、各送風位置の温度差を取得することができ、さらに、各送風位置の温度差及び空気調節機器の運転モードに基づいて、空気調節機器の対応する送風角度での冷房量または暖房量を制御することができる。例えば、空気調節機器の運転モードが冷房モードであるとき、送風位置での温度差が大きいほど、空気調節機器の対応する送風角度での冷房量が大きく、空気調節機器の運転モードが冷房モードであるとき、送風位置での温度差が小さいほど、空気調節機器の対応する送風角度での冷房量が小さい。または、空気調節機器の運転モードが暖房モードであるとき、送風位置での温度差が大きいほど、空気調節機器の対応する送風角度での暖房量が大きく、空気調節機器の運転モードが暖房モードであるとき、送風位置での温度差が小さいほど、空気調節機器の対応する送風角度の暖房量が小さい。
【0028】
ここで、基準値は、各送風位置での環境温度の平均値に基づいて決定できる。
【0029】
または、基準値は、空気調節機器の設定温度に基づいて決定でき、例えば、空気調節機器の設定温度は、空気調節機器の内蔵プログラムによって予め設定されたものであってもよいし、ユーザによって設定されたものであってもよく、これに対しては限定しない。例を挙げると、空気調節機器の運転モードが冷房モードであるとき、基準値が24℃であってもよく、空気調節機器の運転モードが暖房モードであるとき、基準値が26℃であってもよい。
【0030】
または、基準値は、少なくとも1つの送風位置での環境温度に基づいて決定できる。
【0031】
本願の実施例において、冷房量または暖房量は、具体的には送風量によって調整することができる。
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
一例として、
図3を参照すると、
図3は、本願の実施例において冷房量調整後にアレイセンサにより検出された環境温度分布の模式図である。ここで、アレイセンサは24行32列のセンサ(24*32)であり、空気調節機器の運転モードは冷房モードである。環境温度分布に基づいて、空気調節機器の各送風位置での冷房量を制御すると、アレイセンサの1列目のセンサ~32列目のセンサで測定された環境温度は[24.7℃,25.3℃]の間にあり、
図2と比べて、空気調節機器が位置している空間内の環境温度分布が比較的均一であり、ユーザの快適性が高い。
【0036】
なお、空気調節機器の運転モードが暖房モードである場合、同様に、環境温度分布に基づいて、空気調節機器の各送風位置での暖房量を制御でき、それにより空気調節機器が位置している空間内の環境温度分布が比較的均一になる。
【0037】
本願の実施例の空気調節機器の制御方法は、空気調節機器の各送風位置での環境温度を示すための環境温度分布を検出した後、環境温度分布に基づいて、空気調節機器の各送風位置での冷房量または暖房量を制御する。これにより、環境温度分布に基づいて、各送風位置の冷房量または暖房量を自動調整して、空気調節機器が位置している空間内の環境温度分布を均一にするという目的を達成でき、ユーザの快適性を向上させる。
【0038】
上記の実施例を明確に説明するために、本実施例では別の空気調節機器の制御方法を提供し、
図4は、本願の実施例2にて提供される空気調節機器の制御方法の流れの模式図である。
【0039】
図4に示すように、当該空気調節機器の制御方法は、ステップ201~ステップ203を含み得る。
【0040】
ステップ201で、空気調節機器の各送風位置での環境温度を示すための環境温度分布を検出する。
【0041】
ステップ201の実行プロセスについては、上記実施例のステップ101の実行プロセスを参照することができ、ここでは詳細な説明を省略する。
【0042】
ステップ202で、環境温度分布に基づいて、各送風位置に対応する送風角度の制御パラメータを決定する。
【0043】
本願の実施例において、制御パラメータは、送風の風速、風向板の揺動速度、及び/または、風向板の揺動一時停止時間などを含み得る。各制御パラメータを単独で使用しても、組み合わせて使用してもよく、即ち、1つの制御パラメータにより制御してもよく、少なくとも2つの制御パラメータを組み合わせて制御してもよく、本実施例ではこれに対して限定しない。
【0044】
可能な一実施形態として、環境温度分布に基づいて、各送風位置での環境温度と基準値との間の温度差を決定した後、各送風位置の温度差に基づいて、対応する送風角度での制御パラメータを決定する。
【0045】
具体的には、1つの送風角度は1組の送風位置に対応でき、送風角度ごとに、当該送風角度に対応する1組の送風位置において各送風位置での環境温度と基準値との温度差を決定し、さらに、各送風位置の温度差の最大値を決定することができる。その後、各送風位置の温度差の最大値に基づいて、当該送風角度に対応する制御パラメータを決定する。
【0046】
または、送風角度ごとに、当該送風角度に対応する1組の送風位置において各送風位置での環境温度と基準値との温度差を決定し、さらに各送風位置の温度差の最大値を決定することができる。その後、全ての送風角度において、送風位置の温度差の最大値を決定し、最大温度差を有する当該送風位置を目標送風位置とし、さらに、目標送風位置の最大温度差に基づいて、目標送風位置に対応する目標送風角度の制御パラメータを決定する。
【0047】
ステップ203で、制御パラメータにより、空気調節機器の対応する送風角度での冷房量または暖房量を制御する。
【0048】
具体的には、冷房量または暖房量に対する調整を実現するために、具体的には、風速の調整、風向板の揺動速度及び揺動一時停止時間の調整などの様々な制御手段を用いることができ、さらに複数の制御手段を組み合わせて、冷房量または暖房量の調整効率を向上させることもできる。以下、いくつかの可能な実施形態についてそれぞれ説明する。
【0049】
第1の可能な実施形態として、空気調節機器の風向板が各送風角度まで揺動した場合、対応する制御パラメータに基づいて、送風の風速を調整することができる。ここで、送風位置の温度差の最大値が大きいほど、空気調節機器の風向板が対応する送風角度まで揺動した場合、相応の送風の風速が大きくなるため、送風角度に対応する冷房量または暖房量も大きくなる。送風位置の温度差の最大値が小さいほど、空気調節機器の風向板が対応する送風角度まで揺動した場合、相応の送風の風速が小さくなるため、送風角度に対応する冷房量または暖房量も小さくなる。
【0050】
第2の可能な実施形態として、空気調節機器の風向板が各送風角度まで揺動した場合、対応する制御パラメータに基づいて、風向板の揺動速度を調整する。ここで、送風位置の温度差の最大値が大きいほど、空気調節機器の風向板が対応する送風角度まで揺動した場合、風向板の揺動速度は小さくなるため、当該送風角度に対応する冷房量または暖房量は大きくなる。送風位置の温度差の最大値が小さいほど、空気調節機器の風向板が対応する送風角度まで揺動した場合、風向板の揺動速度は大きくなるため、当該送風角度に対応する冷房量または暖房量は小さくなる。
【0051】
第3の可能な実施形態として、空気調節機器の風向板が各送風角度まで揺動した場合、対応する制御パラメータに基づいて、風向板の揺動一時停止時間を調整する。ここで、送風位置の温度差の最大値が大きいほど、空気調節機器の風向板が対応する送風角度まで揺動した場合、風向板の揺動一時停止時間が長くなるため、当該送風角度に対応する冷房量または暖房量も大きくなる。送風位置の温度差の最大値が小さいほど、空気調節機器の風向板が対応する送風角度まで揺動した場合、風向板の揺動一時停止時間が短くなるため、当該送風角度に対応する冷房量または暖房量も小さくなる。
【0052】
第4の可能な実施形態として、空気調節機器の風向板が各送風角度まで揺動した場合、対応する制御パラメータに基づいて、送風の風速及び風向板の揺動速度を調整する。ここで、送風位置の温度差の最大値が大きいほど、空気調節機器の風向板が対応する送風角度まで揺動した場合、相応の送風の風速が大きくなり、且つ風向板の揺動速度が小さくなるため、当該送風角度に対応する冷房量または暖房量は大きくなる。送風位置の温度差の最大値が小さいほど、空気調節機器の風向板が対応する送風角度まで揺動した場合、相応の送風の風速が小さくなり、且つ風向板の揺動速度が大きくなるため、当該送風角度に対応する冷房量または暖房量は小さくなる。
【0053】
第5の可能な実施形態として、空気調節機器の風向板が各送風角度まで揺動した場合、対応する制御パラメータに基づいて、送風の風速及び風向板の揺動一時停止時間を調整する。ここで、送風位置の温度差の最大値が大きいほど、空気調節機器の風向板が対応する送風角度まで揺動した場合、相応の送風の風速が大きくなり、且つ風向板の揺動一時停止時間も長くなるため、当該送風角度に対応する冷房量または暖房量は大きくなる。送風位置の温度差の最大値が小さいほど、空気調節機器の風向板が対応する送風角度まで揺動した場合、相応の送風の風速が小さくなり、且つ風向板の揺動一時停止時間も短くなるため、当該送風角度に対応する冷房量または暖房量は小さくなる。
【0054】
これにより、予め設定された時間を経過した後、例えば30分後、空気調節機器が位置している空間内の環境温度は比較的均一な状態に近づき、環境温度分布図は
図3に示すとおりであり得る。
【0055】
本願の実施例の空気調節機器の制御方法は、空気調節機器の各送風位置での環境温度を示すための環境温度分布を検出した後、環境温度分布に基づいて、空気調節機器の各送風位置での冷房量または暖房量を制御する。これにより、環境温度分布に基づいて、各送風位置の冷房量または暖房量を自動調整して、空気調節機器が位置している空間内の環境温度分布を均一にするという目的を達成でき、ユーザの快適性を向上させる。
【0056】
上記の実施例を明確に説明するために、本実施例では、別の空気調節機器の制御方法を提供し、
図5は、本願の実施例3にて提供される空気調節機器の制御方法の流れの模式図である。
【0057】
図5に示すように、当該空気調節機器の制御方法は、ステップ301~ステップ307を含み得る。
【0058】
ステップ301で、空気調節機器の各送風位置での環境温度を示すための環境温度分布を検出する。
【0059】
ステップ301の実行プロセスは上記実施例のステップ101の実行プロセスを参照することができるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0060】
ステップ302で、環境温度分布に基づいて、各送風位置での環境温度と基準値との温度差を決定する。
【0061】
本願の実施例において、環境温度分布を決定した後、各送風位置での環境温度を決定でき、その後、各送風位置での環境温度と基準値との差をそれぞれ求めると、各送風位置での環境温度と基準値との温度差を取得できる。
【0062】
ステップ303で、各送風位置の温度差に基づいて、最大温度差を有する目標送風位置を決定する。
【0063】
本願の実施例において、各送風位置の温度差を2つずつ比較することにより、最大温度差を有する目標送風位置を決定することができる。
【0064】
ステップ304で、目標送風位置に基づいて、対応する目標送風角度を決定する。
【0065】
本願の実施例において、アレイセンサのm列目のセンサを用いて、目標送風位置の環境温度が測定されると仮定する。
【0066】
【0067】
【0068】
ステップ305で、最大温度差に基づいて、目標送風角度の制御パラメータと、非目標送風角度の予め設定された制御パラメータとの比である制御パラメータ比率を決定する。
【0069】
本願の実施例において、最大温度差の値の範囲が異なる場合、制御パラメータ比率は異なる。例を挙げると、最大温度差が大きい場合、空気調節機器が位置している空間内の温度差が大きく、空気調節機器が位置している空間内の環境温度分布を均一にするために、制御パラメータ比率を相対的に大きく設定する必要があり、最大温度差が小さい場合、空気調節機器が位置している空間内の温度差が小さいため、制御パラメータ比率を相対的に小さく設定する必要がある。そして、制御パラメータが異なる場合、制御パラメータ比率も異なる。
【0070】
具体的には、最大温度差(Th-Ta)の値の範囲を予め設定された数の値の区間に事前に分割した後、各値の区間ごとに、対応する制御パラメータ比率をそれぞれ設定することができる。
【0071】
例えば、
図2を参照すると、基準値を各送風位置での環境温度の平均値として例示し、基準値をTaと標記すると、Ta=25.1℃であり、環境温度分布の模式図をトラバースして、最大温度差を有する目標送風位置の環境温度を決定することができ、アレイセンサの30列目のセンサで測定されたものであり、即ちm=30、M=32である。目標送風位置の温度値をThと標記すると、Th=27.9℃である。
【0072】
その後、最大温度差(Th-Ta)の値の範囲を5つの区間に分割し、それぞれ[3℃,+∞)、[2.5℃,3℃)、[2℃,2.5℃)、[1.5℃,2℃)、[1℃,1.5℃)である。なお、本願の上記の5つの区間は例示にすぎず、実際の応用において、実際のニーズに応じて、区間の大きさと数を設定することができ、これに対しては限定しない。
【0073】
例示1:制御パラメータが送風の風速である場合、制御パラメータ比率の設定ルールは表1に示すとおりである。
【0074】
【0075】
【0076】
例示2:制御パラメータが風向板の揺動速度である場合、制御パラメータ比率の設定ルールは表2に示すとおりである。
【0077】
【0078】
【0079】
ステップ306で、制御パラメータ比率及び予め設定された制御パラメータに基づいて、目標送風角度の制御パラメータを決定する。
【0080】
本願の実施例において、制御パラメータ比率及び予め設定された制御パラメータを決定すると、目標送風角度の制御パラメータを決定できる。
【0081】
例えば、ステップ305の例示1に基づいて、制御パラメータを取得することができ、即ち、目標送風角度に対応する送風の風速は1.4*40%=56%であり、且つ目標送風角度の代表値の範囲は[87.5%,100%]である。すると、空気調節機器が56%の風速で、目標送風角度[87.5%、100%]内で送風するように制御することができる。
【0082】
ステップ305の例示2に基づいて、制御パラメータを取得することができ、即ち、目標送風角度に対応する風向板の揺動速度は0.6*6°/s=3.6°/sであり、且つ、目標送風角度の代表値の範囲は[87.5%,100%]である。すると、空気調節機器が3.6°/sの風向板の揺動速度で、目標送風角度[87.5%,100%]内で送風するように制御することができる。
【0083】
さらに、制御パラメータが風向板の揺動一時停止時間である場合、直接最大温度差に基づいて、制御パラメータを決定することができる。具体的には、最大温度差の値の範囲が異なる場合、制御パラメータも異なる。したがって、最大温度差(Th-Ta)の範囲を予め設定された数の値の区間に事前に分割し、その後、各値の区間ごとに、対応する制御パラメータをそれぞれ設定する。例えば、
図2を参照すると、最大温度差(Th-Ta)の範囲を、それぞれ[3℃,+∞)、[2.5℃,3℃)、[2℃,2.5℃)、[1.5℃,2℃)、[1℃,1.5℃)の5つの区間に分割することができる。
【0084】
例示3:制御パラメータが風向板の揺動一時停止時間である場合、制御パラメータの設定ルールは表3に示すとおりである。
【0085】
【0086】
【0087】
ステップ307で、制御パラメータにより、空気調節機器の対応する送風角度での冷房量または暖房量を制御する。
【0088】
本願の実施例において、制御パラメータを決定する際に、制御パラメータにより、空気調節機器の対応する送風角度での冷房量または暖房量を制御することができる。
【0089】
例えば、例示1によれば、空気調節機器の風向板が目標送風角度まで揺動すると、空気調節機器が64%の風速で、目標送風角度[87.5%,100%]内で送風するように制御することができる。
【0090】
例示2によれば、空気調節機器の風向板が目標送風角度まで揺動すると、空気調節機器が3.6°/sの風向板の揺動速度で、目標送風角度[87.5%,100%]内で送風するように制御することができる。
【0091】
例示3によれば、空気調節機器の風向板が目標送風角度まで揺動すると、空気調節機器が25sの風向板の揺動一時停止時間で、93.75%の目標送風角度で送風するように制御することができる。
【0092】
これにより、予め設定された時間を経過した後、例えば30分後、空気調節機器が位置している空間内の環境温度が比較的均一な状態に近づき、環境温度分布図は
図3に示すとおりであり得る。
【0093】
本願の実施例の空気調節機器の制御方法は、空気調節機器の各送風位置での環境温度を示すための環境温度分布を検出した後、環境温度分布に基づいて、空気調節機器の各送風位置での冷房量または暖房量を制御する。これにより、環境温度分布に基づいて、各送風位置の冷房量または暖房量を自動調整して、空気調節機器が位置している空間内の環境温度分布を均一にするという目的を達成でき、ユーザの快適性を向上させる。
【0094】
上記実施例を実現するために、本願は、空気調節機器の制御装置をさらに提供する。
【0095】
図6は、本願の実施例4にて提供される空気調節機器の制御装置の構造模式図である。
【0096】
図6に示すように、当該空気調節機器の制御装置100は、検出モジュール110及び調整モジュール120を含む。
【0097】
検出モジュール110は、空気調節機器の各送風位置での環境温度を示すための環境温度分布を検出するために用いられる。
【0098】
調整モジュール120は、環境温度分布に基づいて、空気調節機器の各送風位置での冷房量または暖房量を制御するために用いられる。
【0099】
さらに、本願の実施例の可能な一実施形態において、
図7を参照すると、
図6に示す実施例に加え、当該空気調節機器の制御装置100は、
可能な一実施形態として、決定サブモジュール121及び制御サブモジュール122を含む調整モジュール120をさらに含んでもよく、
決定サブモジュール121は、環境温度分布に基づいて、各送風位置に対応する送風角度の制御パラメータを決定するために用いられる。
【0100】
制御サブモジュール122は、制御パラメータにより、空気調節機器の対応する送風角度での冷房量または暖房量を制御するために用いられる。
【0101】
可能な一実施形態として、制御サブモジュール122は、具体的には、空気調節機器の風向板が各送風角度まで揺動した場合、対応する制御パラメータに基づいて、送風の風速を調整するか、
または、空気調節機器の風向板が各送風角度まで揺動した場合、対応する制御パラメータに基づいて、風向板の揺動速度を調整するか、
または、空気調節機器の風向板が各送風角度まで揺動した場合、対応する制御パラメータに基づいて、風向板の揺動一時停止時間を調整するために用いられる。
【0102】
可能な一実施形態として、決定サブモジュール121は、差決定ユニット1211及びパラメータ決定ユニット1212を含み、
差決定ユニット1211は、環境温度分布に基づいて、各送風位置での環境温度と基準値との温度差を決定するために用いられ、ここで、基準値は、各送風位置での環境温度の平均値に基づいて決定されるものであるか、または、空気調節機器の設定温度に基づいて決定されるものであるか、または、少なくとも1つの送風位置での環境温度に基づいて決定されるものである。
【0103】
パラメータ決定ユニット1212は、各送風位置の温度差に基づいて、対応する送風角度の制御パラメータを決定するために用いられる。
【0104】
可能な一実施形態として、パラメータ決定ユニット1212は、具体的には、各送風位置の温度差に基づいて、最大温度差を有する目標送風位置を決定し、最大温度差に基づいて、目標送風位置に対応する目標送風角度の制御パラメータを決定するために用いられる。
【0105】
可能な一実施形態として、パラメータ決定ユニット1212は、さらに、最大温度差に基づいて、目標送風角度の制御パラメータと、非目標送風角度の予め設定された制御パラメータとの比である制御パラメータ比率を決定し、制御パラメータ比率及び予め設定された制御パラメータに基づいて、目標送風角度の制御パラメータを決定するために用いられる。
【0106】
可能な一実施形態として、アレイセンサのm列目のセンサで目標送風位置の環境温度を測定した場合、パラメータ決定ユニット1212は、さらに、最大温度差に基づいて、目標送風位置に対応する目標送風角度の制御パラメータを決定する前に、目標送風位置に基づいて、対応する目標送風角度を決定するために用いられる。
【0107】
【0108】
【0109】
可能な一実施形態として、検出モジュール110は、具体的には、N行M列のアレイセンサを用いて各送風位置での環境温度を検出するために用いられ、アレイセンサは赤外線サーモパイルアレイセンサを含む。
【0110】
なお、前述の空気調節機器の制御方法の実施例に対する解釈と説明は、当該実施例の空気調節機器の制御装置100にも適用できるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0111】
本願の実施例の空気調節機器の制御方法は、空気調節機器の各送風位置での環境温度を示すための環境温度分布を検出した後、環境温度分布に基づいて、空気調節機器の各送風位置での冷房量または暖房量を制御する。これにより、環境温度分布に基づいて、各送風位置の冷房量または暖房量を自動調整して、空気調節機器が位置している空間内の環境温度分布を均一にするという目的を達成でき、ユーザの快適性を向上させる。
【0112】
上記の実施例を実現するために、本願は、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶され、プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを含む空気調節機器をさらに提供し、プロセッサがプログラムを実行すると、本願の前述の実施例にて提供される空気調節機器の制御方法が実現される。
【0113】
上記の実施例を実現するために、本願は、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供し、当該プログラムがプロセッサによって実行される場合、本願の前述の実施例にて提供される空気調節機器の制御方法が実現される。
【0114】
本明細書の説明において、「一実施例」、「一部の実施例」、「例示」、「具体的な例示」、または「一部の例示」などの用語を用いた説明は、当該実施例または例示の記述を参照した具体的な特徴、構造、材料または特性が、本願の少なくとも1つの実施例または例示に含まれていることを意図するものである。本明細書において、上記用語に関する例示的な記述は、必ずしも同一の実施例または例示を示すものとは限らない。また、いずれか1つまたは複数の実施例または例示において、説明された具体的な特徴、構造、材料または特性を適切な方法で結合することができる。また、互いに矛盾しない場合、当業者は、本明細書に説明した異なる実施例または例示、及び異なる実施例または例示の特徴を結合するか組み合わせることができる。
【0115】
また、本願の説明において、「複数」は、特に明確に限定しない限り、少なくとも2つ、例えば2つ、3つ等であることを意味する。
【0116】
フローチャートまたは本明細書に他の方法で説明した如何なるプロセスまたは方法の説明は、1つまたは複数の、ロジック機能またはプロセスのステップをカスタマイズ化する実行可能な命令を実現するためのコードのモジュール、セグメントまたは一部を含むことを表すと理解され得る。且つ、本願の好ましい実施形態の範囲は、示した順序または検討した順序にしたがわず、関連する機能に応じて基本的に同時または逆の順序にしたがって機能を実行できる別の実現方法を含み、これは本願の実施例が属する技術分野の技術者によって理解され得る。
【0117】
フローチャートに示されたかまたは本明細書に他の方法で説明された、例えば、ロジック機能を実現するための実行可能な命令の順序付けリストと見なすことができるロジック及び/またはステップは、いずれのコンピュータ読み取り可能な媒体にて実現されることができ、それにより命令実行システム、装置または機器(例えば、コンピュータに基づくシステム、プロセッサを含むシステム、または命令実行システム、装置または機器から命令を取得して命令を実行可能なシステム)に使用されるか、またはこれらの命令実行システム、装置または機器と結合して使用される。本明細書にとって、「コンピュータ読み取り可能な媒体」は、命令実行システム、装置または機器が使用するか、または、これらの命令実行システム、装置または機器と結合して使用するように、プログラムを包括、記憶、通信、伝播、或いは送信することができるいずれの装置であり得る。コンピュータ読み取り可能な媒体のより具体的な例示(非網羅的なリスト)は、1つまたは複数の配線を有する電気的接続部(電子装置)、ポータブルコンピュータディスクケース(磁気装置)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ装置、及びポータブル光ディスク読み取り専用メモリ(CDROM)を含む。また、コンピュータ読み取り可能な媒体は、さらには、その上に前記プログラムの印刷が可能な紙または他の適切な媒体であってもよく、例えば、紙または他の媒体に対して光学走査してから、編集、解釈、或いは必要があるとき他の適切な方法で処理して、電子方式で前記プログラムを取得し、その後、それをコンピュータメモリに記憶することができるからである。
【0118】
なお、本願の各部分は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組み合わせによって実現できる。上記の実施形態において、複数のステップまたは方法は、メモリに記憶されて、適切な命令実行システムによって実行されるソフトウェア或いはファームウェアで実現され得る。例えば、ハードウェアで別の実施形態を実現する場合にも同様に、データ信号に対してロジック機能を実現するためのロジックゲート回路を有するディスクリート回路ロジック回路、適切な組み合わせロジックゲート回路を有する専用集積回路、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールド・プログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの当分野の公知の技術におけるいずれか1つまたはそれらの組合せで、実現することができる。
【0119】
当業者は、上記の実施例の方法のステップの全部または一部を、プログラムにより関連するハードウェアに命令して完了することができ、前記プログラムをコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶してもよく、当該プログラムが実行されると、方法の実施例のステップのうち1つまたはその組み合わせを含むことを理解できる。
【0120】
また、本願の各実施例の各機能ユニットは、1つの処理モジュールに集積されたものであっても、各ユニットが物理的に単独で存在するものであっても、2つまたは2つ以上のユニットが1つのモジュールに集積されたものであってもよい。上記の集積されたモジュールは、ハードウェア形態で実現されても、ソフトウェア機能モジュールの形態で実現されてもよい。前記集積されたモジュールは、ソフトウェア機能モジュールの形態で実現されて独立の製品として販売、使用される場合、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよい。
【0121】
上記に言及した記憶媒体は、読み取り専用メモリ、磁気ディスクまたは光ディスクなどであり得る。本願の実施例を上記に示し、説明したが、上記の実施例は例示的なものであり、本願を制限するものと理解してはならず、当業者は本願の範囲内で上記の実施例に対して変更、修正、置換及び変形を行えることは理解できる。