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特許7122469プレート式熱交換器、及びプレート式熱交換器用の分配器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-10
(45)【発行日】2022-08-19
(54)【発明の名称】プレート式熱交換器、及びプレート式熱交換器用の分配器
(51)【国際特許分類】
   F28D 9/02 20060101AFI20220812BHJP
   F28F 3/08 20060101ALI20220812BHJP
【FI】
F28D9/02
F28F3/08 301Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021524829
(86)(22)【出願日】2020-06-01
(86)【国際出願番号】 JP2020021530
(87)【国際公開番号】W WO2020246412
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2021-07-20
(31)【優先権主張番号】P 2019105205
(32)【優先日】2019-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000152480
【氏名又は名称】株式会社日阪製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】田中 信雄
【審査官】藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-086492(JP,A)
【文献】特開2016-023926(JP,A)
【文献】特表2011-503509(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0227303(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0345837(US,A1)
【文献】特開昭58-011395(JP,A)
【文献】特開平10-300384(JP,A)
【文献】特開2002-062082(JP,A)
【文献】国際公開第2013/191056(WO,A1)
【文献】実用新案登録第2555249(JP,Y2)
【文献】米国特許出願公開第2018/0156544(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28D 9/02
F28F 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが所定方向と直交する面方向に広がる複数の伝熱プレートを有し、これら複数の伝熱プレートが前記所定方向に重ね合わされていることによって第一流体を流通させる第一流路と第二流体を流通させる第二流路とが各伝熱プレートを境に交互に並ぶように複数の第一流路と少なくとも一つの第二流路とが形成されている熱交換器本体と、
前記第一流体を前記複数の第一流路に分配する分配器と、を備え、
前記複数の伝熱プレートのうちの連続して並ぶ二つ以上の伝熱プレートのそれぞれは、前記所定方向から見て相互に重なる位置に貫通孔を有し、
前記連続して並ぶ二つ以上の伝熱プレートは、各貫通孔が前記所定方向に連なることによって各第一流路と連通する連通空間を形成し、
前記分配器は、前記連通空間内において前記所定方向に延び且つ前記熱交換器本体の外部から供給される前記第一流体が流通する中空部を囲む筒状壁であって、該筒状壁の厚さ方向に積層され且つそれぞれが筒形状である複数の筒状部によって構成される筒状壁を有し、
前記中空部は、前記筒状壁における前記所定方向の一端から他端まで延び、
前記筒状壁は、前記厚さ方向における該筒状壁の壁内で且つ前記複数の筒状部のうちの前記厚さ方向に連続して重なる二つ以上の筒状部内に前記第一流体が流通可能な分配流路を有し、
前記分配流路は、
前記中空部から該分配流路に流入した前記第一流体を前記所定方向の一方と他方とに分配する分配部であって、前記第一流体が前記一方に流出する一方側分配部出口及び前記第一流体が前記他方に流出する他方側分配部出口を含む分配部と、
前記一方側分配部出口又は前記他方側分配部出口と直接又は間接にそれぞれ連通すると共に、少なくとも前記厚さ方向における最も外側の筒状部を貫通することにより前記連通空間又は前記第一流路とそれぞれ連通する複数の流出部と、を含み、
前記複数の流出部は、前記所定方向に間隔をあけて配置されている、プレート式熱交換器。
【請求項2】
前記分配流路は、前記中空部と連通する開口部と、前記筒状壁の周方向に沿って延びると共に前記開口部と前記分配部とを接続する接続流路と、を含む、請求項1に記載のプレート式熱交換器。
【請求項3】
前記分配部は、前記中空部と連通して該中空部から該分配部に前記第一流体を流入させる分配部入口を含み、
前記分配器は、前記筒状壁の前記中空部における前記分配部入口と対応する位置に配置される方向変更部材を有し、
前記方向変更部材は、前記中空部と前記分配部入口とを連通させ且つ前記第一流体が流通可能な内部空間を有し、該内部空間を通過させることによって前記第一流体の流れ方向を前記分配部入口位置における前記筒状壁の厚さ方向に沿った向きにする、請求項1に記載のプレート式熱交換器。
【請求項4】
前記熱交換器本体は、前記連通空間と前記第一流路との境界位置に、該連通空間から該第一流路に前記第一流体が流入するときに通過する開口部を有し、
各開口部では、前記熱交換器本体において前記第一流体が流通したときに前記連通空間と前記第一流路との間で差圧が生じる、請求項1~3のいずれか1項に記載のプレート式熱交換器。
【請求項5】
それぞれが所定方向と直交する面方向に広がる複数の伝熱プレートを有し、これら複数の伝熱プレートが前記所定方向に重ね合わされていることによって第一流体を流通させる第一流路と第二流体を流通させる第二流路とが各伝熱プレートを境に交互に並ぶように複数の第一流路と少なくとも一つの第二流路とが形成されている熱交換器本体を備えるプレート式熱交換器において、前記複数の伝熱プレートのうちの連続して並ぶ二つ以上の伝熱プレートのそれぞれが有する貫通孔が前記所定方向に連なることによって形成される連通空間であって各第一流路と連通する連通空間に配置することにより、前記第一流体を前記複数の第一流路に分配可能なプレート熱交換器用の分配器であって、
前記連通空間に配置されたときに、前記所定方向に延び且つ前記プレート式熱交換器の外部から供給される前記第一流体が流通する中空部を囲む筒状壁を備え、
前記中空部は、前記筒状壁における前記所定方向の一端から他端まで延び、
前記筒状壁は、該筒状壁の厚さ方向に重なり且つそれぞれが筒形状である複数の筒状部によって構成されると共に、前記厚さ方向における該筒状壁部の壁内で且つ前記複数の筒状部のうちの前記厚さ方向に連続して重なる二つ以上の筒状部内に前記第一流体が流通可能な分配流路を有し、
前記分配流路は、
前記中空部から該分配流路に流入した前記第一流体を前記所定方向の一方と他方とに分配する分配部であって、前記第一流体が前記一方に流出する一方側分配部出口及び前記第一流体が前記他方に流出する他方側分配部出口を含む分配部と、
前記一方側分配部出口又は前記他方側分配部出口と直接又は間接にそれぞれ連通すると共に、少なくとも前記厚さ方向における最も外側の筒状部を貫通することで前記連通空間又は前記第一流路と連通可能な複数の流出部と、を含み、
前記複数の流出部は、前記所定方向に間隔をあけて配置されている、プレート式熱交換器用の分配器。
【請求項6】
それぞれが所定方向と直交する面方向に広がる複数の伝熱プレートを有し、これら複数の伝熱プレートが前記所定方向に重ね合わされていることによって第一流体を流通させる第一流路と第二流体を流通させる第二流路とが各伝熱プレートを境に交互に並ぶように複数の第一流路と少なくとも一つの第二流路とが形成されている熱交換器本体と、
前記第一流体を前記複数の第一流路に分配する分配器と、を備え、
前記複数の伝熱プレートのうちの連続して並ぶ二つ以上の伝熱プレートのそれぞれは、前記所定方向から見て相互に重なる位置に貫通孔を有し、
前記連続して並ぶ二つ以上の伝熱プレートは、各貫通孔が前記所定方向に連なることによって各第一流路と連通する連通空間を形成し、
前記分配器は、前記連通空間内において前記所定方向に延び且つ前記熱交換器本体の外部から供給される前記第一流体が流通する中空部を囲む筒状壁であって、該筒状壁の厚さ方向に積層される複数の筒状部を備える筒状壁と、方向変更部材と、を有し、
前記筒状壁は、前記複数の筒状部のうちの前記厚さ方向に連続して重なる二つ以上の筒状部内に前記第一流体が流通可能な分配流路を有し、
前記分配流路は、
前記中空部から該分配流路に流入した前記第一流体を前記所定方向の一方と他方とに分配する分配部であって、前記中空部と連通して該中空部から該分配部に前記第一流体を流入させる分配部入口、前記第一流体が前記一方に流出する一方側分配部出口及び前記第一流体が前記他方に流出する他方側分配部出口を含む分配部と、
前記一方側分配部出口又は前記他方側分配部出口と直接又は間接にそれぞれ連通すると共に、少なくとも前記厚さ方向における最も外側の筒状部を貫通することにより前記連通空間又は前記第一流路とそれぞれ連通する複数の流出部と、を含み、
前記複数の流出部は、前記所定方向に間隔をあけて配置され
前記方向変更部材は、前記中空部と前記分配部入口とを連通させ且つ前記第一流体が流通可能な内部空間を有し、前記筒状壁の前記中空部における前記分配部入口と対応する位置に配置され、前記内部空間を通過させることによって前記第一流体の流れ方向を前記分配部入口位置における前記筒状壁の厚さ方向に沿った向きにする、プレート式熱交換器。
【請求項7】
それぞれが所定方向と直交する面方向に広がる複数の伝熱プレートを有し、これら複数の伝熱プレートが前記所定方向に重ね合わされていることによって第一流体を流通させる第一流路と第二流体を流通させる第二流路とが各伝熱プレートを境に交互に並ぶように複数の第一流路と少なくとも一つの第二流路とが形成されている熱交換器本体を備えるプレート式熱交換器において、前記複数の伝熱プレートのうちの連続して並ぶ二つ以上の伝熱プレートのそれぞれが有する貫通孔が前記所定方向に連なることによって形成される連通空間であって各第一流路と連通する連通空間に配置することにより、前記第一流体を前記複数の第一流路に分配可能なプレート熱交換器用の分配器であって、
前記連通空間に配置されたときに、前記所定方向に延び且つ前記プレート式熱交換器の外部から供給される前記第一流体が流通する中空部を囲む筒状壁と、方向変更部材と、を備え、
前記筒状壁は、該筒状壁の厚さ方向に重なる複数の筒状部を備えると共に、前記複数の筒状部のうちの前記厚さ方向に連続して重なる二つ以上の筒状部内に前記第一流体が流通可能な分配流路を有し、
前記分配流路は、
前記中空部から該分配流路に流入した前記第一流体を前記所定方向の一方と他方とに分配する分配部であって、前記中空部と連通して該中空部から該分配部に前記第一流体を流入させる分配部入口、前記第一流体が前記一方に流出する一方側分配部出口及び前記第一流体が前記他方に流出する他方側分配部出口を含む分配部と、
前記一方側分配部出口又は前記他方側分配部出口と直接又は間接にそれぞれ連通すると共に、少なくとも前記厚さ方向における最も外側の筒状部を貫通することで前記連通空間又は前記第一流路と連通可能な複数の流出部と、を含み、
前記複数の流出部は、前記所定方向に間隔をあけて配置され
前記方向変更部材は、前記中空部と前記分配部入口とを連通させ且つ前記第一流体が流通可能な内部空間を有し、前記筒状壁の前記中空部における前記分配部入口と対応する位置に配置され、前記内部空間を通過させることによって前記第一流体の流れ方向を前記分配部入口位置における前記筒状壁の厚さ方向に沿った向きにする、プレート式熱交換器用の分配器。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、日本国特願2019-105205号の優先権を主張し、日本国特願2019-105205号の内容は、引用によって本願明細書の記載に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、蒸発器や凝縮器として用いられるプレート式熱交換器、及びプレート式熱交換器用の分配器に関するものである。
【背景技術】
【0003】
従来から、流体を蒸発させる蒸発器又は流体を凝縮させる凝縮器として用いられるプレート式熱交換器が知られている(特許文献1参照)。このプレート式熱交換器は、図26図28に示すように、複数の伝熱プレート101を備える。これら複数の伝熱プレート101が各伝熱プレート101の厚さ方向に重ね合わされることによって、蒸発又は凝縮の対象となる第一流体Aを流通させる第一流路Faと、第一流体Aを蒸発又は凝縮させる第二流体Bを流通させる第二流路Fbと、が形成される。この第二流体Bは、第一流体Aとの熱交換の対象となる流体である。また、複数の伝熱プレート101が重ね合わされることによって、第一流路Faと連通し且つ第一流路Faに第一流体Aを流入させる第一流体供給路Fa1と、第一流路Faと連通し且つ第一流路Faから第一流体Aを流出させる第一流体排出路Fa2と、第二流路Fbと連通し且つ第二流路Fbに第二流体Bを流入させる第二流体供給路Fb1と、第二流路Fbと連通し且つ第二流路Fbから第二流体Bを流出させる第二流体排出路Fb2とが形成される。
【0004】
複数の伝熱プレート101のそれぞれは、矩形状のプレートであり、両面に複数の凹条及び凸条を有する。これら複数の伝熱プレート101が重ね合わされたときに隣り合う伝熱プレート101の凸条同士が交差衝合することによって、隣り合う伝熱プレート101間に第一流路Fa又は第二流路Fbが形成される。このプレート式熱交換器100では、第一流路Faと第二流路Fbとが伝熱プレート101を境にして交互に形成されている。
【0005】
また、複数の伝熱プレート101のそれぞれは、四隅に貫通孔を有する。これら四隅の貫通孔は、第一貫通孔102、第二貫通孔103、第三貫通孔104、及び、第四貫通孔105である。このため、複数の伝熱プレート101が重ね合わされることで、第一貫通孔102がX軸方向に連なって第一流体供給路Fa1が形成される。また、第二貫通孔103がX軸方向に連なって第一流体排出路Fa2が形成される。また、第三貫通孔104がX軸方向に連なって第二流体供給路Fb1が形成される。また、第四貫通孔105がX軸方向に連なって第二流体排出路Fb2が形成される。
【0006】
このように構成されるプレート式熱交換器100では、第一流体供給路Fa1に供給された第一流体Aは、第一流路Faに流入して該第一流路Faを流通した後、第一流体排出路Fa2に流出する。また、第二流体供給路Fb1に供給された第二流体Bは、第二流路Fbに流入して該第二流路Fbを流通した後、第二流体排出路Fb2に流出する。このとき、第一流路Faを流れる第一流体Aと第二流路Fbを流れる第二流体Bとが伝熱プレート101を介して熱交換することによって、第一流体Aが蒸発又は凝縮する。
【0007】
一般に、プレート式熱交換器100において、重ね合わされる伝熱プレート101の数が増えると、熱交換に寄与する伝熱面積の合計が大きくなるため、熱交換性能が向上するとされている。
【0008】
しかし、上記のプレート式熱交換器100において伝熱プレート101の数が増えると、第一流体供給路Fa1が長くなって該第一流体供給路Fa1を流通する第一流体Aの流通抵抗が大きくなることで複数の第一流路Faに対する第一流体Aの分配ムラが生じ、これにより、熱交換性能が低下する。
【0009】
詳しくは、第一流体供給路Fa1が伝熱プレート101の重ね合わせ方向に長くなると、第一流体Aが第一流体供給路Fa1を流通する際の流通抵抗が大きくなる。このため、プレート式熱交換器100において重ね合わされる伝熱プレート101の数が多くなると、前記流通抵抗によって、第一流体供給路Fa1の入口側における第一流路Faへの第一流体Aの流入量と、第一流体供給路Fa1の奥側における第一流路Faへの第一流体Aの流入量とが不均一になる。即ち、プレート式熱交換器100において、重ね合わせる伝熱プレート101が多くなると、流通抵抗に起因する第一流体Aの分配ムラが生じる。この分配ムラが生じると、分配ムラのない場合に比べ、プレート式熱交換器100の熱交換性能が低下する。
【0010】
このように、プレート式熱交換器100において、重ね合わされる伝熱プレート101の数を多くすることによる熱交換性能(蒸発性能或いは凝縮性能)の向上には限界がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】日本国特開平11-287572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そこで、本発明は、複数の第一流路に対する第一流体の分配ムラを抑えることのできるプレート式熱交換器、及びプレート式熱交換器用の分配器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係るプレート式熱交換器は、
それぞれが所定方向と直交する面方向に広がる複数の伝熱プレートを有し、これら複数の伝熱プレートが前記所定方向に重ね合わされていることによって第一流体を流通させる第一流路と第二流体を流通させる第二流路とが各伝熱プレートを境に交互に並ぶように複数の第一流路と少なくとも一つの第二流路とが形成されている熱交換器本体と、
前記第一流体を前記複数の第一流路に分配する分配器と、を備え、
前記複数の伝熱プレートのうちの連続して並ぶ二つ以上の伝熱プレートのそれぞれは、前記所定方向から見て相互に重なる位置に貫通孔を有し、
前記連続して並ぶ二つ以上の伝熱プレートは、各貫通孔が前記所定方向に連なることによって各第一流路と連通する連通空間を形成し、
前記分配器は、前記連通空間内において前記所定方向に延び且つ前記熱交換器本体の外部から供給される前記第一流体が流通する中空部を囲む筒状壁であって、該筒状壁の厚さ方向に積層される複数の筒状部を備える筒状壁を有し、
前記筒状壁は、前記複数の筒状部のうちの前記厚さ方向に連続して重なる二つ以上の筒状部内に前記第一流体が流通可能な分配流路を有し、
前記分配流路は、
前記中空部から該分配流路に流入した前記第一流体を前記所定方向の一方と他方とに分配する分配部であって、前記第一流体が前記一方に流出する一方側分配部出口及び前記第一流体が前記他方に流出する他方側分配部出口を含む分配部と、
前記一方側分配部出口又は前記他方側分配部出口と直接又は間接にそれぞれ連通すると共に、少なくとも前記厚さ方向における最も外側の筒状部を貫通することにより前記連通空間又は前記第一流路とそれぞれ連通する複数の流出部と、を含み、
前記複数の流出部は、前記所定方向に間隔をあけて配置されている。
【0014】
前記プレート式熱交換器では、
前記分配流路は、前記中空部と連通する開口部と、前記筒状壁の周方向に沿って延びると共に前記開口部と前記分配部とを接続する接続流路と、を含んでもよい。
【0015】
また、前記プレート式熱交換器では、
前記分配部は、前記中空部と連通して該中空部から該分配部に前記第一流体を流入させる分配部入口を含み、
前記分配器は、前記筒状壁の前記中空部における前記分配部入口と対応する位置に配置される方向変更部材を有し、
前記方向変更部材は、前記中空部と前記分配部入口とを連通させ且つ前記第一流体が流通可能な内部空間を有し、該内部空間を通過させることによって前記第一流体の流れ方向を前記分配部入口位置における前記筒状壁の厚さ方向に沿った向きにしてもよい。
【0016】
また、前記プレート式熱交換器では、
前記熱交換器本体は、前記連通空間と前記第一流路との境界位置に、該連通空間から該第一流路に前記第一流体が流入するときに通過する開口部を有し、
各開口部では、前記熱交換器本体において前記第一流体が流通したときに前記連通空間と前記第一流路との間で差圧が生じてもよい。
【0017】
また、本発明に係るプレート式熱交換器用の分配器は、
それぞれが所定方向と直交する面方向に広がる複数の伝熱プレートを有し、これら複数の伝熱プレートが前記所定方向に重ね合わされていることによって第一流体を流通させる第一流路と第二流体を流通させる第二流路とが各伝熱プレートを境に交互に並ぶように複数の第一流路と少なくとも一つの第二流路とが形成されている熱交換器本体を備えるプレート式熱交換器において、前記複数の伝熱プレートのうちの連続して並ぶ二つ以上の伝熱プレートのそれぞれが有する貫通孔が前記所定方向に連なることによって形成される連通空間であって各第一流路と連通する連通空間に配置することにより、前記第一流体を前記複数の第一流路に分配可能なプレート熱交換器用の分配器であって、
前記連通空間に配置されたときに、前記所定方向に延び且つ前記プレート式熱交換器の外部から供給される前記第一流体が流通する中空部を囲む筒状壁を備え、
前記筒状壁は、該筒状壁の厚さ方向に重なる複数の筒状部を備えると共に、前記複数の筒状部のうちの前記厚さ方向に連続して重なる二つ以上の筒状部内に前記第一流体が流通可能な分配流路を有し、
前記分配流路は、
前記中空部から該分配流路に流入した前記第一流体を前記所定方向の一方と他方とに分配する分配部であって、前記第一流体が前記一方に流出する一方側分配部出口及び前記第一流体が前記他方に流出する他方側分配部出口を含む分配部と、
前記一方側分配部出口又は前記他方側分配部出口と直接又は間接にそれぞれ連通すると共に、少なくとも前記厚さ方向における最も外側の筒状部を貫通することで前記連通空間又は前記第一流路と連通可能な複数の流出部と、を含み、
前記複数の流出部は、前記所定方向に間隔をあけて配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本実施形態に係るプレート式熱交換器の斜視図である。
図2図2は、前記プレート式熱交換器の正面図である。
図3図3は、構成を一部省略した前記プレート式熱交換器の分解斜視図である。
図4図4は、図2のIV-IV位置における断面の模式図である。
図5図5は、図4において分配器を取り外した状態の図である。
図6図6は、図2のVI-VI位置における断面の模式図である。
図7図7は、前記分配器の斜視図である。
図8図8は、前記分配器の分解斜視図である。
図9図9は、前記分配器を流入開口の開口方向から見た図である。
図10図10は、図9のX-X位置における断面図である。
図11図11は、図9のXI-XI位置における断面図である。
図12図12は、前記分配器の外側筒状部の斜視図である。
図13図13は、前記分配器の分配流路を説明するための図である。
図14図14は、図13の一部拡大図である。
図15図15は、前記分配流路を説明するための図である。
図16A図16Aは、分配器から流出した第一流体が第一流路に流入する経路を示す模式図である。
図16B図16Bは、上流端開口部の開口面積を設定する際に用いられる第一流体の流路断面積を説明するための概念図である。
図17図17は、他実施形態に係る分配器の流入開口の開口方向から見た図である。
図18図18は、図17のXVIII-XVIII位置の断面図である。
図19図19は、前記分配器の分配流路を説明するための図である。
図20図20は、方向変更部材の斜視図である。
図21図21は、方向変更部材の斜視図である。
図22図22は、方向変更部材の配置状態を説明するための断面図である。
図23図23は、複数の分配器の設置状態を説明するための図である。
図24図24は、他実施形態に係る分配流路の構成を説明するための一部拡大断面図である。
図25図25は、他実施形態に係る分配流路の流入開口の開口方向を説明するための一部拡大断面図である。
図26図26は、従来のプレート式熱交換器の正面図である。
図27図27は、図26のXXVII-XXVII位置の断面の模式図である。
図28図28は、図26のXXVIII-XXVIII位置の断面の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について、図1図16を参照しつつ説明する。
【0020】
本実施形態に係るプレート式熱交換器(以下、単に「熱交換器」とも称する。)は、第一流体を第二流体と熱交換させることによって蒸発又は凝縮させる。この熱交換器は、図1図6に示すように、それぞれが所定方向と直交する面方向に広がる複数の伝熱プレート21を有する熱交換器本体2と、熱交換器本体2の内部に配置されて第一流体Aを分配する分配器5と、を備える。尚、図3図6においては、構成を理解し易くするために、伝熱プレート21は、凹凸が省略されて模式的に記載されている。
【0021】
熱交換器本体2は、所定方向に重ね合わされている複数(本実施形態においては、四つ以上)の伝熱プレート21と、伝熱プレート21間のそれぞれに配置される複数のガスケット22と、重ね合わされている複数の伝熱プレート21(伝熱プレート群21A)を所定方向の両側から挟み込む一対のエンドプレート23、24と、を有する。この熱交換器本体2では、第一流体Aが流れる第一流路Ra又は第二流体Bが流れる第二流路Rbが所定方向に重ね合わされている複数の伝熱プレート21の各伝熱プレート間に形成されている。本実施形態の伝熱プレート21は、矩形状のプレートである。
【0022】
尚、以下の説明では、伝熱プレート21の重ね合わせ方向(前記所定方向)を直交座標系におけるX軸方向とし、伝熱プレート21の短辺方向を直交座標系のY軸方向とし、伝熱プレート21の長辺方向を直交座標系のZ軸方向とする。
【0023】
複数の伝熱プレート21のうちのX軸方向に連続して並ぶ二つ以上の伝熱プレート21のそれぞれは、X軸方向から見て重なる位置に貫通孔(第一孔211)を有する。これら連続して並ぶ二つ以上の伝熱プレート21は、各第一孔211がX軸方向に連なることによって第一流路Raと連通する連通空間Ra1を形成する(図5参照)。本実施形態の熱交換器本体2では、各伝熱プレート21が第一孔211を有し、連通空間Ra1が、伝熱プレート群21AのX軸方向における一端から他端まで延びている。
【0024】
具体的に、各伝熱プレート21は、金属製のプレートであり、Z軸方向に長尺な矩形状である。X軸方向における伝熱プレート21の各面には、多数の凸部及び凹部が形成されている。本実施形態の凸部は、Y-Z面(Y軸方向とZ軸方向とを含む面)に沿って延びることで凸条を構成している。また、凹部も、Y-Z面に沿って延びることで凹条を構成している。
【0025】
この伝熱プレート21は、平坦な金属プレートがプレス加工されることによって形成されている。このため、X軸方向における伝熱プレート21の一方の面の凸条(凸部)と他方の面の凹条(凹部)とが伝熱プレート21の同じ部位に形成されている。即ち、伝熱プレート21の該部位において、前記一方の面が凸条(凸部)211を構成している場合には、前記他方の面が凹条(凹部)212を構成し、前記一方の面が凹条(凹部)を構成している場合には、前記他方の面が凸条(凸部)を構成している。
【0026】
また、各伝熱プレート21は、四隅に貫通孔(第一孔211、第二孔212、第三孔213、第四孔214)を有する(図3参照)。本実施形態の各貫通孔211、212、213、214のそれぞれは、丸孔である。また、これら第一孔211、第二孔212、第三孔213、及び第四孔214の直径(孔径)は同じである。
【0027】
ガスケット22は、伝熱プレート21間に挟み込まれて各伝熱プレート21と密接することで、伝熱プレート21間に第一流体A又は第二流体Bが流れる流路等を画定すると共に、該流路等の液密性を確保する。このガスケット22は、少なくとも一つの無端環状の部位を有する。
【0028】
一対のエンドプレート23、24のそれぞれは、伝熱プレート21と対応した形状の板状部材である。これら一対のエンドプレート23、24は、伝熱プレート群21A、即ち、重ね合わされた複数(本実施形態の例では、200枚)の伝熱プレート21を強固に挟み込むため、強度が十分に確保された厚板状の部材である。これら一対のエンドプレート23、24のうちの一方のエンドプレート23は、伝熱プレート21の各貫通孔(第一孔211、第二孔212、第三孔213、第四孔214)と対応する位置に貫通孔231、232、233、234を有する。本実施形態の一対のエンドプレート23、24のそれぞれは、矩形板状である。そして、一方のエンドプレート23は、四隅に貫通孔231、232、233、234を有する。
【0029】
以上の各構成21、22、23、24を有する熱交換器本体2では、隣り合う伝熱プレート21間のそれぞれにガスケット22が挟み込まれるように複数の伝熱プレート21が重ね合わされて伝熱プレート群21Aが構成される。また、熱交換器本体2では、一対のエンドプレート23、24が伝熱プレート群21AをX軸方向の外側から挟み込んだ状態で長ボルト25によってボルト締結されている。これにより、熱交換器本体2において、隣り合う伝熱プレート21の凸条同士が交差衝合すると共にガスケット22が挟み込まれている各伝熱プレート21に密接する。その結果、伝熱プレート21間等に液密性が確保された領域が形成される。この液密性が確保された領域は、第一流路Ra、第二流路Rb、連通空間Ra1等の第一流体A又は第二流体Bの流れる領域である。前記領域についての詳細は、以下の通りである。
【0030】
図4図6に示すように、熱交換器本体2において、第一流路Ra又は第二流路Rbが隣り合う伝熱プレート21間のそれぞれに形成されている。これら第一流路Raと第二流路Rbとは、伝熱プレート21を境にしてX軸方向に交互に並んでいる。即ち、熱交換器本体2は、複数の第一流路Raと、少なくとも一つの第二流路Rbと、を有する。本実施形態の熱交換器本体2では、第一流体Aが、第一流路RaをZ軸方向の一方(図4における上方)に向けて流れ、第二流体Bが、第二流路RbをZ軸方向の他方(図6における下方)に向けて流れる。
【0031】
また、熱交換器本体2において、第一孔211がX軸方向に連なることで、各第一流路Raと連通し且つ分配器5が配置される連通空間Ra1が形成される。この連通空間Ra1は、伝熱プレート群21AにおけるX軸方向の一方の端から他方の端まで延びている。連通空間Ra1のX軸方向の一方(図5における左方)の端は、一方のエンドプレート23の貫通孔231を通じて外部空間と連通し、X軸方向の他方(図5における右方)の端は、他方のエンドプレート24又は該エンドプレート24の直前の伝熱プレート(貫通孔211、212、213、214を有しない伝熱プレート)に当接している。
【0032】
また、熱交換器本体2において、第二孔212がX軸方向に連なることで、各第一流路Raと連通し且つ各第一流路Raから流出する第一流体Aを合流させて伝熱プレート群21AのX軸方向の一方の端まで案内する第一流体排出路Ra2が形成される。この第一流体排出路Ra2は、伝熱プレート群21AにおけるX軸方向の一方の端から他方の端まで延びている。第一流体排出路Ra2のX軸方向の一方の端は、一方のエンドプレート23の貫通孔232を通じて外部空間と連通し、X軸方向の他方の端は、他方のエンドプレート24又は該エンドプレート24の直前の伝熱プレートに当接している。
【0033】
また、熱交換器本体2において、図6に示すように、第三孔213がX軸方向に連なることで、各第二流路Rbに連通し且つ外部から供給された第二流体Bを各第二流路Rbに流入させる第二流体供給路Rb1が形成される。この第二流体供給路Rb1は、伝熱プレート群21AにおけるX軸方向の一方の端から他方の端まで延びている。第二流体供給路Rb1のX軸方向の一方の端は、一方のエンドプレート23の貫通孔233を通じて外部空間と連通し、X軸方向の他方の端は、他方のエンドプレート24又は該エンドプレート24の直前の伝熱プレートに当接している。
【0034】
また、熱交換器本体2において、第四孔214がX軸方向に連なることで、各第二流路Rbに連通し且つ各第二流路Rbから流出する第二流体Bを合流させて伝熱プレート群21AのX軸方向の一方の端まで案内する第二流体排出路Rb2が形成される。この第二流体排出路Rb2は、伝熱プレート群21AにおけるX軸方向の一方の端から他方の端まで延びている。第二流体排出路Rb2のX軸方向の一方の端は、一方のエンドプレート23の貫通孔234を通じて外部空間と連通し、X軸方向の他方の端は、他方のエンドプレート24又は該エンドプレート24の直前の伝熱プレートに当接している。
【0035】
分配器5は、熱交換器本体2の外部から供給された第一流体Aを複数の第一流路Raのそれぞれに分配する。分配器5は、図3図4図7図12に示すように、連通空間Ra1においてX軸方向に延び且つ熱交換器本体2の外部から供給される第一流体Aが流通する中空部Sを囲む筒状の壁(筒状壁)を有する。本実施形態の筒状壁は円筒形状であり、分配器5は、筒状壁のみによって構成されている。即ち、本実施形態の分配器(筒状壁)5は、円筒形状である。
【0036】
また、分配器5は、径方向(筒状壁の厚さ方向)に重なる複数の筒状部50を有する。この分配器5は、複数の筒状部50のうちの径方向に連続して重なる少なくとも二つの筒状部50内に第一流体Aが流通可能な分配流路6を有する(図10及び図11参照)。
【0037】
本実施形態の分配器5は、X方向において連通空間Ra1の一方の端から他方の端まで延びている。即ち、X軸方向における分配器5の一方の端は、一方のエンドプレート23の貫通孔231に位置し、X軸方向における分配器5の他方の端は、他方のエンドプレート24又は該エンドプレート24の直前の伝熱プレートに当接している。そして、分配器5の中空部Sは、一方のエンドプレート23の貫通孔231を通じて熱交換器本体2の外部空間と連通している。本実施形態の分配器5は、径方向に重なる二つの筒状部50(外側筒状部51、内側筒状部52)を有する。これら径方向に重なっている状態の二つの筒状部51、52内に分配流路6が形成されている。
【0038】
外側筒状部51は、円筒形状の部材である。外側筒状部51の外径は、伝熱プレート21の第一孔211の直径より小さい。これにより、分配器5が連通空間Ra1に配置された状態において、外側筒状部51の外周面51aと各伝熱プレート21の第一孔211の開口周縁部との間に隙間Gが形成されている(図4参照)。尚、本実施形態の熱交換器1では、例えば、分配器5のX軸方向の端にフランジを設け、一方のエンドプレート23の貫通孔231の開口周縁部に該フランジを固定することによって前記隙間Gを維持している。
【0039】
また、外側筒状部51は、複数の貫通孔511を有する。これら複数の貫通孔511のそれぞれは、分配流路6を流れた第一流体Aが分配器5の外側に流れ出す孔である。
【0040】
複数の貫通孔511は、分配流路6の下流端(流出部616:図14参照)と対応する位置に配置されている。これら複数の貫通孔511は、X軸方向に間隔をあけて配置されている。本実施形態の外側筒状部51では、Z軸方向の他方側の部位(図12における下方側の部位)において、X軸方向の全域に延びるように貫通孔511の列が形成されている。そして、外側筒状部51において、X軸方向に間隔をあけて並ぶ複数(図12に示す例では16個)の貫通孔511によって構成される貫通孔511の列が、周方向に間隔をあけて複数(図12に示す例では二列)配置されている。
【0041】
内側筒状部52は、外側筒状部51の内側に配置される円筒形状の部材であり、外側筒状部51の内径に対応した外径を有する。この内側筒状部52は、分配流路6に応じた形状の溝521を外周面52aに有する。また、内側筒状部52は、内周面52bによって中空部Sを画定している(囲む)。また、内側筒状部52は、中空部Sと溝521内とを連通する流入開口53を有する。
【0042】
以上の内側筒状部52が外側筒状部51の内側に配置される、即ち、外側筒状部51と内側筒状部52とが径方向に重なることにより、内側筒状部52の溝521における径方向外側の開口が外側筒状部51の内周面51bによって覆われる。この溝521と内周面51bとによって囲まれた空間(領域)が分配流路6として機能する。
【0043】
分配流路6は、中空部Sから流入した第一流体Aを、少なくとも一回、X軸方向の一方と他方とに分配し、X軸方向に並ぶ複数の第一流路Raのそれぞれと対応する位置において分配器5から流出させる。
【0044】
この分配流路6は、図13図15にも示すように、第一分配部(分配部)603と、複数の流出部616と、を含む。また、分配流路6は、流入開口部(開口部)601と、第一接続流路(接続流路)602と、を含む。第一分配部603は、分配流路6に流入した第一流体AをX軸方向の一方と他方とに分配する。複数の流出部616は、第一分配部603と直接又は間接にそれぞれ導通すると共に外側筒状部51を貫通することにより連通空間Ra1又は対応する第一流路Raとそれぞれ連通する。流入開口部601は、分配器5の中空部Sと連通する。第一接続流路602は、分配器5の周方向に沿って延びると共に、流入開口部601と第一分配部603とを接続する。
【0045】
尚、図13は、分配器5を、流入開口53の中心と周方向の反対位置を通るようにX軸方向(分配器5の中心軸C方向:図7参照)に切断して展開した状態における分配流路6の経路パターンを示す図である。図14は、図13の一部拡大図である。図15は、分配器5を、内側筒状部52の流入開口53の中心を通るようにX軸方向に切断して展開した状態における分配流路6の経路パターンを示す図である。
【0046】
本実施形態の分配流路6は、該分配流路6の上流端から下流端に向けて順に、流入開口部601と、第一接続流路602と、第一分配部603と、第一分配流路604と、周方向分配部605と、周方向分配流路606と、第二分配部607と、第二分配流路608と、第二接続流路609と、第三分配部610と、第三分配流路611と、第三接続流路612と、第四分配部613と、第四分配流路614と、第四接続流路615と、流出部616と、を含む。
【0047】
この分配流路6は、図13において、流入開口53(流入開口部601)の中心を通って周方向に延びる仮想線C1を対象軸として略線対称である。また、分配流路6は、前記中心を通ってX軸方向に延びる仮想線C2を対象軸として略線対称である。このため、以下では、図13図15を参照しつつ、流入開口部601から一つの流出部616までの第一流体Aの流通経路について詳細に説明する。
【0048】
流入開口部601は、分配流路6の上流端であり、中空部Sと連通することで中空部Sを流れる第一流体Aを分配流路6内に流入させる。この流入開口部601は、内側筒状部52の流入開口53によって構成されている。本実施形態の流入開口部601は、X軸方向における分配器5の中央位置に配置されている。
【0049】
第一接続流路602は、周方向に沿って延びることで流入開口部601と第一分配部603とを接続する。本実施形態の第一接続流路602は、流入開口部601から周方向の一方(図13における右方)と他方(図13における左方)とにそれぞれ延びている。即ち、二つの第一接続流路602が配置されている。
【0050】
第一分配部603は、該第一分配部603に流入した第一流体AをX軸方向の一方(図13における上方)と他方(図13における下方)とに分配する。具体的に、第一分配部603は、流入開口部601に対して周方向の反対側に配置され、第一流体Aが流入する第一分配部入口(分配部入口)6031と、第一流体AがX軸方向の一方に流出する一方側出口(一方側分配部出口)6032と、第一流体AがX軸方向の他方に流出する他方側出口(他方側分配部出口)6033と、を含む。
【0051】
本実施形態の第一分配部603は、流入開口部601から周方向の一方に延びる第一接続流路602と連通する第一分配部入口6031aと、流入開口部601から周方向の他方に延びる第一接続流路602と連通する第一分配部入口6031bと、を含む。即ち、第一分配部603は、二つの第一分配部入口6031a、6031bを含む。
【0052】
第一分配流路604は、第一分配部603からX軸方向の一方と他方とのそれぞれに延びている。即ち、一つの第一分配部603に対して一対の第一分配流路604が配置されている。具体的に、一対の第一分配流路604のうちの一方の第一分配流路604aは、第一分配部603の一方側出口6032からX軸方向の一方に延びている。また、一対の第一分配流路604のうちの他方の第一分配流路604bは、第一分配部603の他方側出口6033からX軸方向の他方に延びている。これら一方の第一分配流路604aと他方の第一分配流路604bとは、同じ長さである。
【0053】
周方向分配部605は、第一分配流路604と連通し、該第一分配流路604から流入する第一流体Aを周方向の一方と他方とに分配する。具体的に、周方向分配部605は、第一分配部603とX軸方向に間隔をあけた位置に配置され、第一流体Aが流入する周方向分配部入口6051と、第一流体Aが周方向の一方に流出する一方側出口6052と、第一流体Aが周方向の他方に流出する他方側出口6053と、を含む。
【0054】
周方向分配流路606は、周方向分配部605から周方向の一方と他方とのそれぞれに延びている。即ち、一つの周方向分配部605に対して一対の周方向分配流路606が配置されている。具体的に、一対の周方向分配流路606のうちの一方の周方向分配流路606aは、周方向分配部605の一方側出口6052から周方向の一方に延びている。また、一対の周方向分配流路606のうちの他方の周方向分配流路606bは、周方向分配部605の他方側出口6053から周方向の他方に延びている。これら一方の周方向分配流路606aと他方の周方向分配流路606bとは、同じ長さである。
【0055】
第二分配部607は、周方向分配流路606と連通し、該周方向分配流路606から流入する第一流体AをX軸方向の一方と他方とに分配する。具体的に、第二分配部607は、周方向分配部605と周方向に間隔をあけた位置に配置され、第一流体Aが流入する第二分配部入口6071と、第一流体AがX軸方向の一方に流出する一方側出口6072と、第一流体AがX軸方向の他方に流出する他方側出口6073と、を含む。
【0056】
第二分配流路608は、第二分配部607からX軸方向の一方と他方とのそれぞれに延びている。即ち、一つの第二分配部607に対して一対の第二分配流路608が配置されている。具体的に、一対の第二分配流路608のうちの一方の第二分配流路608aは、第二分配部607の一方側出口6072からX軸方向の一方に延びている。また、一対の第二分配流路608のうちの他方の第二分配流路608bは、第二分配部607の他方側出口6073からX軸方向の他方に延びている。これら一方の第二分配流路608aと他方の第二分配流路608bとは、同じ長さである。
【0057】
第二接続流路609は、周方向に延びることで第二分配流路608と第三分配部610とを接続する。本実施形態の第二接続流路609は、第二分配流路608の下流端から周方向の他方に延びている。
【0058】
第三分配部610は、第二接続流路609と連通し、該第二接続流路609から流入する第一流体AをX軸方向の一方と他方とに分配する。具体的に、第三分配部610は、第二分配流路608の下流端と周方向に間隔をあけた位置に配置され、第一流体Aが流入する第三分配部入口6101と、第一流体AがX軸方向の一方に流出する一方側出口6102と、第一流体AがX軸方向の他方に流出する他方側出口6103と、を含む。
【0059】
第三分配流路611は、第三分配部610からX軸方向の一方と他方とのそれぞれに延びている。即ち、一つの第三分配部610に対して一対の第三分配流路611が配置されている。具体的に、一対の第三分配流路611のうちの一方の第三分配流路611aは、第三分配部610の一方側出口6102からX軸方向の一方に延びている。また、一対の第三分配流路611のうちの他方の第三分配流路611bは、第三分配部610の他方側出口6103からX軸方向の他方に延びている。これら一方の第三分配流路611aと他方の第三分配流路611bとは、同じ長さである。
【0060】
第三接続流路612は、周方向に延びることで第三分配流路611と第四分配部613とを接続する。本実施形態の第三接続流路612は、第三分配流路611の下流端から周方向の一方に延びている。
【0061】
第四分配部613は、第三接続流路612と連通し、該第三接続流路612から流入する第一流体AをX軸方向の一方と他方とに分配する。具体的に、第四分配部613は、第三分配流路611の下流端と周方向に間隔をあけた位置に配置され、第一流体Aが流入する第四分配部入口6131と、第一流体AがX軸方向の一方に流出する一方側出口6132と、第一流体AがX軸方向の他方に流出する他方側出口6133と、を含む。
【0062】
第四分配流路614は、第四分配部613からX軸方向の一方と他方とのそれぞれに延びている。即ち、一つの第四分配部613に対して一対の第四分配流路614が配置されている。具体的に、一対の第四分配流路614のうちの一方の第四分配流路614aは、第四分配部613の一方側出口6132からX軸方向の一方に延びている。また、一対の第四分配流路614のうちの他方の第四分配流路614bは、第四分配部613の他方側出口6133からX軸方向の他方に延びている。これら一方の第四分配流路614aと他方の第四分配流路614bとは、同じ長さである。
【0063】
第四接続流路615は、周方向に延びることで第四分配流路614と流出部616とを接続する。本実施形態の第四接続流路615は、第四分配流路614の下流端から周方向の他方に延びている。
【0064】
流出部616は、分配流路6の下流端であり、連通空間Ra1又は第一流路Raと連通することで分配流路6を流れた第一流体Aを連通空間Ra1又は第一流路Raに流出させる。この流出部616は、外側筒状部51の貫通孔511によって構成されている。
【0065】
本実施形態の分配流路6は、以上のように構成される流入開口部601から流出部616までの流通経路を、流出部616の数と同じ数(本実施形態の例では32本)備える。そして、分配流路6において、これら流出部616の数に応じた数の流通経路それぞれは、同じ距離である。
【0066】
以上のように構成される熱交換器1において、一方のエンドプレート23の貫通孔231に接続された配管等から貫通孔231を通じて分配器5の中空部Sに第一流体Aが供給されると、第一流体Aは、中空部SをX軸方向の他方に向けて流れる。そして、第一流体Aは、中空部SのX軸方向の中間部に配置された流入開口53(流入開口部601)に到達すると、該流入開口53(流入開口部601)から分配流路6に流入する。
【0067】
分配流路6に流れ込んだ第一流体Aは、流入開口部601から周方向に延びる二つの第一接続流路602をそれぞれ流れて第一分配部603に流入し、該第一分配部603によってX軸方向の一方と他方とに分配される。
【0068】
第一分配部603によって分配された第一流体Aは、該第一分配部603から延びる一対の第一分配流路604をそれぞれ流れ、第一分配部603に対してX軸方向の一方に間隔をあけて配置される周方向分配部605と、X軸方向の他方に間隔をあけて配置される周方向分配部605と、にそれぞれ流入し、各周方向分配部605によって周方向の一方と他方とに分配される。
【0069】
各周方向分配部605によって分配された第一流体Aは、対応する周方向分配流路606をそれぞれ流れて該周方向分配流路606が接続される第二分配部607に流入し、該第二分配部607よってX軸方向の一方と他方とに分配される。
【0070】
各第二分配部607によって分配された第一流体Aは、対応する第二分配流路608と該第二分配流路608から周方向に延びる第二接続流路609とを順に流れ、該第二分配部607に対してX軸方向の一方に間隔をあけた位置に配置される第三分配部610と、X軸方向の他方に間隔をあけた位置に配置される第三分配部610と、にそれぞれ流入し、各第三分配部610によってX軸方向の一方と他方とに分配される。
【0071】
続いて、各第三配部610によって分配された第一流体Aは、対応する第三分配流路611と該第三分配流路611から周方向に延びる第三接続流路612とを順に流れ、該第三分配部610に対してX軸方向の一方に間隔をあけた位置に配置される第四分配部613と、X軸方向の他方に間隔をあけた位置に配置される第四分配部613と、にそれぞれ流入し、各第四分配部613によってX軸方向の一方と他方とに分配される。
【0072】
さらに、各第四分配部613によって分配された第一流体Aは、対応する第四分配流路614と該第四分配流路614から周方向に延びる第四接続流路615とを順に流れ、該第四分配部613に対してX軸方向の一方に間隔をあけた位置に配置される流出部616と、X軸方向の他方に間隔をあけた位置に配置される流出部616とに到達する。
【0073】
分配流路6の下流端である複数の流出部616のそれぞれに到達した第一流体Aは、該流出部616を構成する外側筒状部51の各貫通孔511を通じて分配器5の外側(連通空間Ra1)に流出する。
【0074】
このように、中空部SのX軸方向の中間部に設けられた流入開口53(流入開口部601)から分配流路6に流入した第一流体Aは、X軸方向の異なる位置に配置された第一分配部603、第二分配部607、第三分配部610、及び第四分配部613のそれぞれによってX軸方向の一方と他方とに分配されることで、分配ムラが抑えられた状態で連通空間Ra1のX軸方向の全域に第一流体Aが供給される。
【0075】
連通空間Ra1に流出した第一流体Aは、図16Aに示すように、分配器5の周囲の隙間(連通空間Ra1を画定する部材との間に形成される隙間)において該分配器5の外周面(外側筒状部51の外周面)51aに沿って流れ、X軸方向において該第一流体Aが流れ出た貫通孔511と近い位置の第一流路Raに流れ込む。
【0076】
ここで、本実施形態の熱交換器本体2における各第一流路Raの上流端の開口、詳しくは、第一流路Raと連通空間Ra1との境界位置の開口であって、分配流路6を経て分配器5から連通空間Ra1に流れ出た第一流体Aが第一流路Raに流れ込む際に通過する開口部(上流端開口部)RaOは、熱交換器本体2内を第一流体Aが流通しているときに、連通空間Ra1と第一流路Raとの間で差圧が生じる大きさ(開口面積)に設定されている。具体的には、開口部RaOの開口面積が、各貫通孔511から流出して分配器5の外周面(外側筒状部の外周面)51aに沿って開口部RaOに向かう第一流体Aの流路(流路領域)を想定したときの該流路の断面積より小さい。より具体的には、開口部RaOの開口面積は、図16Bに示す、伝熱プレート21の第一孔211の内径βから分配器5の外径αを引いた寸法に、第一流路Raを規定する二つの伝熱プレート21間の寸法γを掛けた値(流路断面積:図16Bにおけるドットで示す領域の面積)より小さい。本実施形態の開口部RaOでは、X軸方向の開口幅を、第一流路Raを規定する二つの伝熱プレート21間の寸法γより小さくする(好ましくは、前記伝熱プレート21間の寸法γの半分(即ち、γ/2)より小さくする)ことで、開口部RaOの開口面積を前記流路断面積より小さくし、これにより、前記差圧を生じさせている。尚、前記差圧は、第一流路Ra内の圧力より連通空間Ra1内の圧力が高くなる状態である。
【0077】
このため、分配器5から流出した第一流体Aが、分配器5の周囲の隙間に溜まり、各第一流路Raの上流端開口部RaOに対して略一定の圧力がかかった状態で第一流体Aが各第一流路Raに流れ込む。このため、各第一流路Raに流れ込む第一流体Aの流入量の偏り(ムラ)が抑えられる。
【0078】
各第一流路Raに流れ込んだ第一流体Aは、第一流路RaをZ軸方向の一方に向けて流れた後、第一流体排出路Ra2に流出する。そして、これら各第一流路Raから流出した第一流体Aは、第一流体排出路Ra2においてそれぞれ合流しつつ、第一流体排出路Ra2を流れて熱交換器本体2の外部に排出される。
【0079】
これに対し、一方のエンドプレート23の貫通孔233に接続された配管等から第二流体供給路Rb1に第二流体Bが供給されると、第二流体Bは、第二流体供給路Rb1を通って複数の第二流路Rbのそれぞれに流入する。そして、第二流体Bは、各第二流路RbをZ軸方向の他方に向けて流れた後、第二流体排出路Rb2に流出する。続いて、これら各第二流路Rbから流出した第二流体Bは、第二流体排出路Rb2においてそれぞれ合流しつつ、第二流体排出路Rb2を流れて外部に排出される。
【0080】
熱交換器1では、以上のように第一流体Aが第一流路Raを流通すると共に第二流体Bが第二流路Rbを流通することにより、第一流路Raと第二流路Rbとを区画する伝熱プレート21を介して第一流体Aと第二流体Bとが熱交換を行い、第一流体Aが蒸発又は凝縮する。
【0081】
以上の熱交換器1によれば、熱交換器本体2の外部から分配器5の中空部Sに供給された第一流体Aが複数の流出部616から流出して各第一流路Raに到達するまでの間に分配流路6の分配部603、607、610、613によってX軸方向の一方と他方とにそれぞれ分配される構成である。このため、流通経路の距離が第一流体の入口から離れた第一流路ほど大きくなる従来のプレート式熱交換器(図27参照)に比べ、中空部Sの入口から各第一流路Raまでの第一流体Aの流通経路同士の距離の差が抑えられる。これにより、第一流体Aの熱交換器本体2への入口からの流通経路同士の距離の差に(流通抵抗)に起因する各第一流路Raへの第一流体Aの分配ムラ(即ち、複数の第一流路Raに対する第一流体Aの分配ムラ)が抑えられる。
【0082】
また、本実施形態の熱交換器1では、分配流路6が、中空部Sと連通する流入開口部601と、分配器5の周方向に沿って延びると共に流入開口部601と第一分配部603とを接続する第一接続流路602と、を含んでいる。このため、中空部SをX軸方向に流れる第一流体Aがこの流通方向の流れ成分(速度成分)を持ったまま流入開口部601から分配流路6に流入しても、第一流体Aが周方向に沿って延びる第一接続流路602を流れた後に第一分配部603に入ることで、該第一分配部603に流入する第一流体Aの流れにおいてX軸方向の流れ成分が無くなる(又は少なくなる)。これにより、第一分配部603が流入してきた第一流体AをX軸方向の一方と他方とに分配したときの一方側出口6032から流出する第一流体Aの流量と、他方側出口6033から流出する第一流体Aの流量との差が抑えられる(又は無くなる)。その結果、各第一流路Raに対する第一流体Aの分配ムラがより効果的に抑えられる。
【0083】
また、本実施形態の熱交換器1において、各第一流路Raの上流端開口部RaOでは、熱交換器本体2に第一流体Aが流通したときに連通空間Ra1と第一流路Raとの間で差圧が生じる。
【0084】
このため、流出部616の数より第一流路Raの数が多い場合のように、一つの流出部616から流出した第一流体Aが該流出部616と対応する位置の複数の第一流路Raのそれぞれに流入する際に、一つの流出部616から前記対応する位置の各上流端開口部RaOまでの距離に差があったとしても、前記差圧が生じるため、連通空間Ra1に溜まった第一流体Aが同じ圧力が加わった状態で各上流端開口部RaOを通過して前記対応する複数の第一流路Raのそれぞれに流入する。これにより、流出部616の数より第一流路Raの数が多い構成であっても、各第一流路Raへの第一流体Aの流入量の差が抑えられる。その結果、複数の第一流路Raに対する第一流体Aの分配ムラが好適に抑えられる。
【0085】
尚、本発明のプレート式熱交換器及び分配器は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
【0086】
分配流路6の具体的な構成は限定されない。例えば、上記実施形態の分配流路6は、周方向に延びる仮想線C1やX軸方向に延びる仮想線C2を対象軸とした線対称な構成(図13参照)であるが、この構成に限定されない。分配流路6は、非対称な経路パターンであってもよい。分配流路6において、流入開口部601から各流出部616までの流通経路同士の距離の差が無い又は従来のプレート式熱交換器(図26図28参照)より小さければよい。
【0087】
また、上記実施形態の分配流路6において、流入開口部601から各流出部616までの第一流体Aの流通経路同士の距離はそれぞれ同じであるが、この構成に限定されない。分配流路6において、流入開口部601から各流出部616までの流通経路の距離は、異なっていてもよい。例えば、全ての流通経路の距離が異なっていてもよく、複数の流通経路のうちの一部の流通経路の距離が異なっていってもよい。この構成においても、流入開口部601から各流出部616までの流通経路同士の距離の差が無い又は従来のプレート式熱交換器(図26図28参照)より小さければよい。
【0088】
また、上記実施形態の分配流路6は、複数の分配部(上記実施形態の例では、一つの第一分配部603、四つの第二分配部607、八つの第三分配部610、十六の第四分配部613)を含むが、この構成に限定されない。分配流路6は、少なくとも一つの分配部を含んでいればよい。
【0089】
かかる構成によっても、第一流体AがX軸方向の一方と他方とに分配されることで、一方のエンドプレート23の貫通孔231から各第一流路Raまでの第一流体Aの流通経路同士の距離の差を抑えることができる。即ち、一方のエンドプレート23の貫通孔231から各第一流路Raまでの流通経路のうちの最短流通経路と最長流通経路との長さ(経路長)の差を、図26図28に示すような、第一流体Aの入口から第一流路Faまでの流通経路の距離が該入口から所定方向(伝熱プレート101の重ね合わせ方向)に離れた第一流路Faほど大きくなる従来のプレート式熱交換器100に比べ、小さくすることができ、これにより、流通抵抗等に起因した複数の第一流路Raに対する第一流体Aの分配ムラを抑えることができる。
【0090】
また、上記実施形態の分配流路6は、第一流体Aを分配器5の周方向の一方と他方とに分配する周方向分配部605を含んでいるが、この構成に限定されない。分配流路6は、周方向分配部605を含まない構成でもよい。
【0091】
上記実施形態の分配器5では、分配流路6の最初の分配部(第一分配部603)の上流に周方向に沿った方向に延びる流路(第一接続流路602)が配置されているが、この構成に限定されない。例えば、図17図19に示すように、分配流路6の上流端に分配部(第一分配部603)が配置される構成でもよい。即ち、分配流路6は、第一分配部603が上流端に配置され、該第一分配部603の第一分配部入口6031が中空部Sと連通する構成でもよい。この場合、内側筒状部52の流入開口53が第一分配部603の第一分配部入口6031を構成する。
【0092】
この構成の場合、分配器5は、図20図22に示すような、中空部Sにおける流入開口53(第一分配部入口6031)と対応する位置に配置される方向変更部材7を有することが好ましい。この方向変更部材7は、中空部Sと流入開口53(第一分配部入口6031)とを連通させ且つ第一流体Aが流通可能な内部空間S1を有し、該内部空間S1を通過させることによって第一流体Aの流れ方向を分配器5の径方向(流入開口53の位置における分配器(筒状壁)5の厚さ方向)に沿った向きに変更する。
【0093】
具体的に、方向変更部材7は、第一流体Aが流通可能な内部空間S1を画定する本体70と、本体70の外部空間と内部空間S1とを連通させる第一開口71と、第一開口71と異なる位置に配置され且つ本体70の外部空間と内部空間S1とを連通させる第二開口72と、を有する。
【0094】
本体70は、流入開口53と対応する位置の中空部Sに応じた形状を有する。即ち、本体70は、内側筒状部52に内嵌可能な形状である。
【0095】
第一開口71は、本体70において、方向変更部材7が分配器5の中空部Sに配置された状態のときに該中空部Sを流れる第一流体Aが内部空間S1に流入可能な位置に配置されている。この第一開口71は、該第一開口71から流れ込んだ第一流体Aが内部空間S1において流れる距離を確保するために、第二開口72から離れた位置に配置されている。例えば、図20及び図22に示す方向変更部材7では、第一開口71は、流入開口53と対向する第二開口72に対し、分配器5の中心軸Cより離れた位置(図22における中心軸Cより下方位置)に配置される。この方向変更部材7の内部空間S1において、第一流体Aが、流入開口53(第二開口72)に向けて径方向(詳しくは、流入開口53位置における分配器5の厚さ方向)に沿って流れる距離が大きくなるほど、流入開口53に流入するときの第一流体Aの流れにおいて中心軸C方向の流れ成分(速度成分)が小さくなる又は無くなる。具体的に、第一流体Aが内部空間S1を流れる距離は、流入開口53の直径の10倍以上が好ましい。
【0096】
第二開口72は、本体70において、方向変更部材7が分配器5の中空部Sに配置された状態のときに流入開口53と対向又は直接連通する位置に配置される。
【0097】
尚、複数の分配器5が並んだ状態で熱交換器1の連通空間Ra1に配置される場合があるため(図23参照)、方向変更部材7は、中空部Sにおいて第一流体Aが方向変更部材7の位置を中心軸C方向に通過できる構成が好ましい。例えば、図20に示す方向変更部材7では、二つの第一開口71は、方向変更部材7が分配器5の中空部Sに配置された状態のときに中心軸C方向に対向する位置に配置されている。また、図21に示す方向変更部材7では、方向変更部材7が分配器5の中空部Sに配置された状態のときに、中心軸Cを挟んで流入開口53と反対側の位置において内側筒状部52の内周面52bとの間に隙間ができる形状を本体70が有している。
【0098】
以上の方向変更部材7によれば、図17図19に示す構成のように中空部Sを流れる第一流体Aが分配流路6の第一分配部603に直接流入する構成であっても、方向変更部材7が中空部Sにおける第一分配部入口6031の直前(第一分配部入口6031と対応する位置)に配置されていることで、第一分配部603(第一分配部入口6031)には、分配器5の径方向に沿った流れの第一流体Aが流入する。即ち、中心軸C方向(分配器5が連通空間Ra1に配置されたときにX軸方向と一致する方向)の流れ成分(速度成分)が無い又は少ない状態の第一流体Aが第一分配部603に流入する。これにより、第一分配部603によって第一流体AをX軸方向の一方と他方とに分配したときの一方側出口6032から流出する第一流体Aの流量と、他方側出口6033から流出する第一流体Aの流量との差が抑えられ(又は無くなり)、その結果、各第一流路Raに対する第一流体Aの分配ムラが効果的に抑えられる。
【0099】
上記実施形態の分配器5では、流入開口53が中心軸C方向の中央に配置されているが、この構成に限定されない。流入開口53は、X軸方向の何れの位置に配置されてもよい。この場合、分配流路6が、流入開口部601から各流出部616までの流通経路同士の距離が同じ又は従来のプレート式熱交換器より小さくなる経路パターンであればよい。
【0100】
上記実施形態の熱交換器1は、一つの分配器5を備えているが、この構成に限定されない。熱交換器1において伝熱プレート21の数が多く、熱交換器1のX軸方向の寸法が大きい、即ち、連通空間Ra1のX軸方向の長さ寸法が大きい場合には、複数(図23に示す例では二つ)の分配器5が中心軸C方向に並べられた状態で連通空間Ra1に配置されてもよい。即ち、熱交換器1は、複数の分配器5を備えてもよい。
【0101】
上記実施形態の分配器5は、中心軸C方向の両端が開口する筒状であるが、この構成に限定されない。分配器5は、中心軸C方向の一方の端が閉塞された、いわゆる有底筒状であってもよい。
【0102】
また、上記実施形態の分配器5は、円筒形状であるが、この構成に限定されない。分配器5は、断面が多角形の角筒形状や、断面が楕円の筒形状等であってもよい。即ち、分配器5は、中空部Sを有すると共に、外部から中空部Sに第一流体Aを供給可能で且つ第一流体Aが中空部Sを流通可能な構成であればよい。
【0103】
また、上記実施形態の分配器5では、分配流路6が、内側筒状部52の外周面52aに形成された溝521と、外側筒状部51の内周面51bとによって構成(画定)されているが、この構成に限定されない。例えば、分配流路6は、外側筒状部51の内周面51bに形成された溝と内側筒状部52の外周面52aとによって構成されてもよい。また、分配流路6は、外側筒状部51の内周面51bと内側筒状部52の外周面52aとのそれぞれに形成された溝によって構成されてもよい。
【0104】
また、上記実施形態の分配器5は、二つの筒状部50(外側筒状部51と内側筒状部52)を有しているが、この構成に限定されない。分配器5は、筒状壁の厚さ方向(上記実施形態の例では径方向)に重なる三つ以上の筒状部50を有していてもよい。
【0105】
この場合、分配流路6は、径方向に連続して重なる三つ以上の筒状部50内に形成、即ち、径方向に連続して重なる三つ以上の筒状部50によって形成されていてもよい。例えば、図24に示すように、径方向に重なる三つの筒状部(外側筒状部51、中間筒状部55、内側筒状部52)を有する場合に、中間筒状部55が上記実施形態の経路パターン(図13参照)と同じ形状のスリット(上記実施形態の溝521が厚さ方向に貫通したものに相当)521aを有し、該スリット521aの径方向外側を外側筒状部51の内周面51bが塞ぎ、該スリットの径方向内側を内側筒状部52の外周面52aが塞ぐことによって、分配流路6が構成されていてもよい。
【0106】
また、上記実施形態の分配器5では、第一流体Aが径方向(筒状壁の厚さ方向)に開口する流入開口53から分配流路6に流入するが、この構成に限定されない。例えば、図25に示すように、第一流体Aが分配器5の中心軸C方向に開口する流入開口53から分配流路6に流入する構成でもよい。
【0107】
また、上記実施形態の分配器5では、外側筒状部51においてX軸方向に並ぶ貫通孔511(流出部616)の数は、第一流路Raの数より少ないが、この構成に限定されない。外側筒状部51においてX軸方向に並ぶ貫通孔511の数は、第一流路Raの数と同じ、又は第一流路Raの数より多くてもよい。
【0108】
上記実施形態の熱交換器1では、分配器5と、連通空間Ra1を画定する部材等との間に隙間が形成されているが、この構成に限定されない。分配器5と連通空間Ra1を画定する部材との間に隙間がなくてもよい。この場合、分配流路6の流出部616から流出した第一流体Aは、直接第一流路Raに流入する。
【0109】
また、上記実施形態の熱交換器1では、長ボルト25によるボルト締結を解除して一対のエンドプレート23、24を離間させることで、伝熱プレート群21AのX軸方向の挟み込みが解放され、これにより、伝熱プレート21やガスケット22、分配器5等が交換可能となる構成であるが、この構成に限定されない。熱交換器1は、伝熱プレート群21Aの周囲がロウ付けによって各流路(第一流路Ra、第二流路Rb等)が液密に密閉された構成でもよい。
【0110】
上記実施形態の分配器5は、熱交換器1の構成要素の一つであるが、この構成に限定されない。分配器5は、従来のプレート式熱交換器(上記実施形態の熱交換器本体2のみで構成されるプレート式熱交換器)の第一流体供給路(各第一流路Raに第一流体Aを供給する流路:上記実施形態の連通空間Ra1に相当)に、後付けで配置される構成でもよい。
【0111】
以上より、本発明によれば、複数の第一流路に対する第一流体の分配ムラを抑えることのできるプレート式熱交換器、及びプレート式熱交換器用の分配器を提供することができる。
【0112】
本発明に係るプレート式熱交換器は、
それぞれが所定方向と直交する面方向に広がる複数の伝熱プレートを有し、これら複数の伝熱プレートが前記所定方向に重ね合わされていることによって第一流体を流通させる第一流路と第二流体を流通させる第二流路とが各伝熱プレートを境に交互に並ぶように複数の第一流路と少なくとも一つの第二流路とが形成されている熱交換器本体と、
前記第一流体を前記複数の第一流路に分配する分配器と、を備え、
前記複数の伝熱プレートのうちの連続して並ぶ(隣接する)二つ以上の伝熱プレートのそれぞれは、前記所定方向から見て相互に重なる位置に貫通孔を有し、
前記連続して並ぶ二つ以上の伝熱プレートは、各貫通孔が前記所定方向に連なることによって各第一流路と連通する連通空間を形成し、
前記分配器は、前記連通空間内において前記所定方向に延び且つ前記熱交換器本体の外部から供給される前記第一流体が流通する中空部を囲む筒状壁であって、該筒状壁の厚さ方向に積層される複数の筒状部を備える筒状壁を有し、
前記筒状壁は、前記複数の筒状部のうちの前記厚さ方向に連続して重なる(隣接する)二つ以上の筒状部内に前記第一流体が流通可能な分配流路を有し、
前記分配流路は、
前記中空部から該分配流路に流入した前記第一流体を前記所定方向の一方と他方とに分配する分配部であって、前記第一流体が前記一方に流出する一方側分配部出口及び前記第一流体が前記他方に流出する他方側分配部出口を含む分配部と、
前記一方側分配部出口又は前記他方側分配部出口と直接又は間接にそれぞれ連通すると共に、少なくとも前記厚さ方向における最も外側の筒状部を貫通することにより前記連通空間又は前記第一流路とそれぞれ連通する複数の流出部と、を含み、
前記複数の流出部は、前記所定方向に間隔をあけて配置されている。
【0113】
このように、熱交換器本体の外部から分配器の中空部に供給された第一流体が複数の流出部から流出して各第一流路に到達するまでの間に分配流路の分配部によって所定方向(伝熱プレートの重ね合わせ方向)の一方と他方とに分配される構成とすることで、中空部の入口から各第一流路までの第一流体の流通経路同士の距離の差を、流通経路の距離が第一流体の入口から離れた第一流路ほど大きくなる従来のプレート式熱交換器(図27参照)に比べ、抑えることができる。これにより、第一流体の熱交換器本体への入口からの流通経路同士の距離の差に(流通抵抗)に起因する各第一流路への第一流体の分配ムラ(即ち、複数の第一流路に対する第一流体の分配ムラ)を抑えることができる。
【0114】
前記プレート式熱交換器では、
前記分配流路は、前記中空部と連通する開口部と、前記筒状壁の周方向に沿って延びると共に前記開口部と前記分配部とを接続する接続流路と、を含んでもよい。
【0115】
かかる構成によれば、中空部を所定方向に流通する第一流体がこの流通方向の流れ成分(速度成分)を持ったまま開口部から分配流路に流入しても、第一流体が前記周方向に沿って延びる接続流路を流れた後に分配部に入ることで、分配部に流入する第一流体の流れにおいて前記所定方向の流れ成分が無くなる(又は少なくなる)。これにより、分配部が流入してきた第一流体を所定方向の一方と他方とに分配したときの一方側分配部出口から流出する第一流体の流量と、他方側分配部出口から流出する第一流体の流量との差が抑えられ(又は無くなり)、その結果、各第一流路に対する第一流体の分配ムラがより効果的に抑えられる。
【0116】
また、前記プレート式熱交換器では、
前記分配部は、前記中空部と連通して該中空部から該分配部に前記第一流体を流入させる分配部入口を含み、
前記分配器は、前記筒状壁の前記中空部における前記分配部入口と対応する位置に配置される方向変更部材を有し、
前記方向変更部材は、前記中空部と前記分配部入口とを連通させ且つ前記第一流体が流通可能な内部空間を有し、該内部空間を通過させることによって前記第一流体の流れ方向を分配部入口位置における前記筒状壁の厚さ方向に沿った向きにしてもよい。
【0117】
このように、筒状壁において中空部を流通する第一流体が直接分配部に流入する構成であっても、方向変更部材が中空部における分配部入口の直前(分配部入口と対応する位置)に配置されていることで、分配部(分配部入口)には、前記筒状壁の厚さ方向に沿った流れの第一流体が流入する、即ち、所定方向の流れ成分が無い(又は少ない)状態の第一流体が流れこむ。これにより、分配部によって第一流体を分配したときの一方側分配部出口から流出する第一流体の流量と、他方側分配部出口から流出する第一流体の流量との差が抑えられ(又は無くなり)、その結果、各第一流路に対する第一流体の分配ムラがより効果的に抑えられる。
【0118】
また、前記プレート式熱交換器では、
前記熱交換器本体は、前記連通空間と前記第一流路との境界位置のそれぞれに、該連通空間から該第一流路に前記第一流体が流入するときに通過する開口部を有し、
各開口部では、前記熱交換器本体において前記第一流体が流通したときに前記連通空間と前記第一流路との間で差圧が生じてもよい。
【0119】
かかる構成によれば、流出部の数より第一流路の数が多い場合のように、一つの流出部から流出した第一流体が該流出部と対応する位置の複数の第一流路のそれぞれに流入する際に、一つの流出部から前記対応する位置の各開口部までの距離に差があったとしても、前記差圧が生じるため、連通空間に溜まった第一流体が同じ圧力が加わった状態で各開口部を通過して前記対応する複数の第一流路のそれぞれに流入する。これにより、流出部の数より第一流路の数が多い構成であっても、各第一流路への第一流体の流入量の差が抑えられ、その結果、複数の第一流路に対する第一流体の分配ムラが好適に抑えられる。
【0120】
本発明に係るプレート式熱交換器用の分配器は、
それぞれが所定方向と直交する面方向に広がる複数の伝熱プレートを有し、これら複数の伝熱プレートが前記所定方向に重ね合わされていることによって第一流体を流通させる第一流路と第二流体を流通させる第二流路とが各伝熱プレートを境に交互に並ぶように複数の第一流路と少なくとも一つの第二流路とが形成されている熱交換器本体を備えるプレート式熱交換器において、前記複数の伝熱プレートのうちの連続して並ぶ(隣接する)二つ以上の伝熱プレートのそれぞれが有する貫通孔が前記所定方向に連なることによって形成される連通空間であって各第一流路と連通する連通空間に配置することにより、前記第一流体を前記複数の第一流路に分配可能なプレート熱交換器用の分配器であって、
前記連通空間に配置されたときに、前記所定方向に延び且つ前記プレート式熱交換器の外部から供給される前記第一流体が流通する中空部を囲む筒状壁を備え、
前記筒状壁は、該筒状壁の厚さ方向に積層される複数の筒状部によって構成されると共に、前記複数の筒状部のうちの前記厚さ方向に連続して重なる(隣接する)二つ以上の筒状部内に前記第一流体が流通可能な分配流路を有し、
前記分配流路は、
前記中空部から該分配流路に流入した前記第一流体を前記所定方向の一方と他方とに分配する分配部であって、前記第一流体が前記一方に流出する一方側分配部出口及び前記第一流体が前記他方に流出する他方側分配部出口を含む分配部と、
前記一方側分配部出口又は前記他方側分配部出口と直接又は間接にそれぞれ連通すると共に、少なくとも前記厚さ方向における最も外側の筒状部を貫通することで前記連通空間又は前記第一流路と連通可能な複数の流出部と、を含み、
前記複数の流出部は、前記所定方向に間隔をあけて配置されている。
【0121】
かかる構成によれば、プレート式熱交換の連通空間に配置することで、熱交換器本体の外部から分配器の中空部に供給された第一流体が複数の流出部から流出して各第一流路に到達するまでの間に分配流路の分配部によって所定方向(伝熱プレートの重ね合わせ方向)の一方と他方とに分配され、中空部の入口から各第一流路までの第一流体の流通経路同士の距離の差が、流通経路の距離が第一流体の入口から離れた第一流路ほど大きくなる分配器の無いプレート式熱交換器(図27参照)に比べ、抑えられる。これにより、第一流体のプレート式熱交換器への入口からの流通経路の距離の差に(流通抵抗)に起因する各第一流路への第一流体の分配ムラ(即ち、複数の第一流路に対する第一流体の分配ムラ)が抑えられる。
【0122】
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更及び/又は改良することは容易に成し得ることであると認識すべきである。従って、当業者が実施する変更形態又は改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態又は当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
【符号の説明】
【0123】
1…熱交換器、2…熱交換器本体、5…分配器、50…筒状部、51…外側筒状部(筒状部)、51a…外側筒状部の外周面、51b…外側筒状部の内周面、511…外側筒状部の貫通孔、52…内側筒状部、52a…内側筒状部の外周面、52b…内側筒状部の内周面、521…溝、53…流入開口、55…中間筒状部、6…分配流路、601…流入開口部(開口部)、602…第一接続流路、603…第一分配部(分配部)、6031…第一分配部入口(分配部入口)、6031a、6031b…第一分配部入口、6032…一方側出口(一方側分配部出口)、6033…他方側出口(他方側分配部出口)、604…第一分配流路、604a…一方の第一分配流路、604b…他方の第一分配流路、605…周方向分配部、6051…周方向分配部入口、6052…一方側出口、6053…他方側出口、606…周方向分配流路、606a…一方の周方向分配流路、606b…他方の周方向分配流路、607…第二分配部、6071…第二分配部入口、6072…一方側出口、6073…他方側出口、608…第二分配流路、608a…一方の第二分配流路、608b…他方の第二分配流路、609…第二接続流路、610…第三分配部、6101…第三分配部入口、6102…一方側出口、6103…他方側出口、611…第三分配流路、611a…一方の第三分配流路、611b…他方の第三分配流路、612…第三接続流路、613…第四分配部、6131…第四分配部入口、6132…一方側出口、6133…他方側出口、614…第四分配流路、614a…一方の第四分配流路、614b…他方の第四分配流路、615…第四接続流路、616…流出部、7…方向変更部材、70…本体、71…第一開口、72…第二開口、21…伝熱プレート、21A…伝熱プレート群、211…第一孔(貫通孔)、212…第二孔、213…第三孔、214…第四孔、22…ガスケット、23…一方のエンドプレート、231、232、233、234…一方のエンドプレートの貫通孔、24…他方のエンドプレート、25…長ボルト、100…プレート式熱交換器、101…伝熱プレート、102…第一貫通孔、103…第二貫通孔、104…第三貫通孔、105…第四貫通孔、A…第一流体、B…第二流体、C…中心軸、C1、C2…仮想線、Fa…第一流路、Fa1…第一流体供給路、Fa2…第一流体排出路、Fb…第二流路、Fb1…第二流体供給路、Fb2…第二流体排出路、G…隙間、Ra…第一流路、Ra1…連通空間、Ra2…第一流体排出路、RaO…上流端開口部(開口部)、Rb…第二流路、Rb1…第二流体供給路、Rb2…第二流体排出路、S…中空部、S1…内部空間、α…分配器の外径、β…第一孔の内径、γ…第一流路を規定する二つの伝熱プレート間の寸法
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