(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-10
(45)【発行日】2022-08-19
(54)【発明の名称】げっ歯類捕獲装置、げっ歯類捕獲装置を補充するためのシステム、及びげっ歯類捕獲装置を補充する方法
(51)【国際特許分類】
A01M 23/26 20060101AFI20220812BHJP
A01M 23/30 20060101ALI20220812BHJP
【FI】
A01M23/26
A01M23/30
(21)【出願番号】P 2021546044
(86)(22)【出願日】2018-07-03
(86)【国際出願番号】 EP2018067888
(87)【国際公開番号】W WO2020007448
(87)【国際公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】521160616
【氏名又は名称】スイスインノ ソリューションズ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ウォルスタッド,デニス
(72)【発明者】
【氏名】ジャンシク,シルヴィン
【審査官】星野 浩一
(56)【参考文献】
【文献】特表平11-508133(JP,A)
【文献】米国特許第04991340(US,A)
【文献】米国特許第09210924(US,B1)
【文献】国際公開第2003/063588(WO,A1)
【文献】米国特許第06508031(US,B1)
【文献】特表2005-524709(JP,A)
【文献】特許第0001843(JP,C1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 23/26
A01M 23/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
げっ歯類、特にマウス及び/又はラットを捕まえて殺すためのげっ歯類捕獲装置(1)であって、
少なくとも上部ジョー部分(3)及び下部ジョー部分(4)を有するクランプ手段(2)を備え、
前記上部ジョー部分(3)は、前記下部ジョー部分(4)に対して開位置から閉位置まで旋回することができ、前記閉位置で前記上部ジョー部分(3)はげっ歯類に打撃を与えて殺し、
前記上部ジョー部分(3)は、ジョー回転軸(A
ジョー)の周りで少なくとも部分的に回転可能であり、
前記げっ歯類捕獲装置(1)は、
前記クランプ手段(2)を前記開位置から解放するためのリフティングレバー(5)であって、前記ジョー回転軸(A
ジョー)の第1の側(
FS)のげっ歯類によって
上方に持ち上げられることによってのみ起動可能であるリフティングレバー(5)と、
解放されると前記クランプ手段(2)が前記開位置から前記閉位置に変化することを可能にする力手段(6
)と、を備え、
前記リフティングレバー(5)は、前記ジョー回転軸(A
ジョー)の前記第1の側(FS)とは反対側の前記ジョー回転軸(A
ジョー)の第2の側(SS)に配置された前記リフティングレバー(5)のラッチ側(LS)にラッチ手段(7)を備える、げっ歯類捕獲装置(1)。
【請求項2】
前記リフティングレバー(5)が、上向きに
、前記捕獲装置(1)の前記下部ジョー部分(4)から離れるように持ち上げられることによってのみ起動可能で
ある、請求項1に記載のげっ歯類捕獲装置(1)。
【請求項3】
前記リフティングレバー(5)が
、前記ラッチ側(LS)の反対側に配置されたげっ歯類収容要素(8)を備
える、請求項1又は2に記載のげっ歯類捕獲装置(1)。
【請求項4】
前記力手段(6)が
、前記閉位置において両方のジョー部分(3、4)が互いに押し付けられるように前記上部ジョー部分(3)と前記下部ジョー部分(4)に閉鎖力を及ぼ
す、請求項1~3の何れか一項に記載のげっ歯類捕獲装置(1)。
【請求項5】
前記力手段(6)が
、前記開位置において前記閉位置よりも前記上部ジョー部分(3)及び前記下部ジョー部分(4)により小さい力を及ぼ
す、請求項1~4の何れか一項に記載のげっ歯類捕獲装置(1)。
【請求項6】
前記ジョー回転軸(A
ジョー)の第1の側(
FS)の前記リフティングレバー(5)の第1の長さ(L1)が、前記ジョー回転軸(A
ジョー)の前記第2の側(
SS)の前記リフティングレバー(5)の第2の長さ(L2)より長
い、請求項1~5の何れか一項に記載のげっ歯類捕獲装置(1)。
【請求項7】
前記上部ジョー部分(3)が、前記開位置において前記ラッチ手段(7)によってラッチされるラッチ受け入れ要素(9)を備
える、請求項1~6の何れか一項に記載のげっ歯類捕獲装置(1)。
【請求項8】
前記リフティングレバー(5)の回転長さ(L
回転)が、前記ラッチ手段(7)のラッチ長さ(L
ラッチ)よりも大き
い、請求項1~7の何れか一項に記載のげっ歯類捕獲装置(1)。
【請求項9】
餌保持要素(10)が、前記リフティングレバー(5)の近く
に配置さ
れる、請求項1~8の何れか一項に記載のげっ歯類捕獲装置(1)。
【請求項10】
前記ジョー回転軸(A
ジョー)に実質的に垂直な前記下部ジョー部分(4)の前記前部と前記げっ歯類収容要素(8)との間の距離が、マウス捕獲装置の場合、10mm~30m
mの範囲であり、又はラット捕獲装置の場合、30mm~50m
mの範囲で
ある、請求項9に記載のげっ歯類捕獲装置(1)。
【請求項11】
前記餌保持要素(10)が、キャップ(11)を含
む、請求項9又は10に記載のげっ歯類捕獲装置(1)。
【請求項12】
前記餌保持要素(10)が、前記下部ジョー部分(4)の一部で
ある、請求項8~10の何れか一項に記載のげっ歯類捕獲装置(1)。
【請求項13】
前記リフティングレバー(5)が
、前記ジョー回転軸(A
ジョー)の前記第2の側(
SS)に配置されたレバー回転軸(A
レバー)を備え、
前記ラッチ手段(7)が
、前記レバー回転軸の上に又はわずかにその横に実質的に垂直方向に少なくとも部分的に配置さ
れる、請求項1~12の何れか一項に記載のげっ歯類捕獲装置(1)。
【請求項14】
前記リフティングレバー(5)が、前記リフティングレバー(5)の前記ラッチ側(L)に実質的に二股フォーク形状の端部(12)を備
える、請求項1~13の何れか一項に記載のげっ歯類捕獲装置(1)。
【請求項15】
前記下部ジョー部分(4)が、前記リフティングレバー(5)が前記下部ジョー部分(4)から解放されるのを防ぐために、前記レバーの前記フォーク形状の端部(12)の2本の脚の間に配置されたブロック要素(13)を備
える、請求項14に記載のげっ歯類捕獲装置(1)。
【請求項16】
前記リフティングレバー(5)が、前記レバー回転軸(A
レバー)に配置された固定要素(17)を備え、
前記固定要素(17)は、スロット(18)に配置さ
れる、請求項1~13の何れか一項に記載のげっ歯類捕獲装置(1)。
【請求項17】
前記リフティングレバー(5)の長さが、マウス捕獲装置の場合、3~7c
mであり、ラット捕獲装置の場合、8~13c
mである、請求項1~16の何れか一項に記載のげっ歯類捕獲装置(1)。
【請求項18】
請求項1~17の何れか一項に記載のげっ歯類捕獲装置(1)を補充するためのシステムであって、
補充餌を含むシリンジを備える
、システム。
【請求項19】
請求項1~17の何れか一項に記載のげっ歯類捕獲装置(1)を補充する方法であって、
前記げっ歯類捕獲装置(1)が、前記開位置に配置され、
餌が、
餌を含むシリンジを使用し
て餌保持要素(10)に補充さ
れる、
方法。
【請求項20】
げっ歯類を捕まえて殺す方法であって、
請求項1~17の何れか一項に記載のげっ歯類捕獲装置(1)を表面に配置し、前記げっ歯類捕獲装置(1)を前記開位置に置くステップを含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項によるげっ歯類捕獲装置、げっ歯類捕獲装置を補充するためのシステム、及びげっ歯類捕獲装置を補充する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、げっ歯類を捕まえて殺すためのげっ歯類捕獲装置は、従来技術から知られている。げっ歯類がトリガーを踏むと閉じる2つのジョーを備える、米国特許第4,991,340号に開示されている捕獲装置などの捕獲装置が存在する。これらの種類のマウス捕獲装置には、誤って閉じたり、鳥がトリガーを踏んだときに鳥を捕まえたりする可能性があるという欠点がある。
【0003】
国際公開第2005/099451号は、動物を殺すシャックルをトリガーするための複雑な機構を備える動物捕獲装置を開示している。このような複雑な機構は、製造するのにコストがかかり、また、捕獲装置が他の動物によって動かされたり触れられたりしたときの外部の影響に非常に敏感である。
【発明の概要】
【0004】
したがって、本発明の目的は、従来技術の不利な点を克服するマウス捕獲装置を作り出すこと、特に、製造が容易で、使用に際して安全且つ信頼性が高く、より効果的であり、殺すことにおいて人間であるマウス捕獲装置を作り出すことである。
【0005】
この目的は、独立請求項によるげっ歯類捕獲装置、げっ歯類捕獲装置を補充するためのシステム、及びげっ歯類捕獲装置を補充する方法によって達成される。
【0006】
この目的は、以下の特徴を有する、げっ歯類、特にマウス及び/又はラットを捕まえて殺すためのげっ歯類捕獲装置によって特に達成される。げっ歯類捕獲装置は、少なくとも上部ジョー部分及び下部ジョー部分を有するクランプ手段を備える。上部ジョー部分は下部ジョー部分に対して開位置から閉位置まで旋回することができ、閉位置で上部ジョー部分はげっ歯類に打撃を与えて殺す。さらに、上部ジョー部分は、ジョー回転軸の周りで少なくとも部分的に回転可能である。げっ歯類捕獲装置は、クランプ手段を開位置から解放するためのリフティングレバーを備え、リフティングレバーは、ジョー回転軸の第1の側のげっ歯類によって起動可能である。げっ歯類捕獲装置は、力手段、特に少なくとも1つのばねをさらに備え、解放されたときにクランプ手段が開位置から閉位置に変化することを可能にする。リフティングレバーは、ジョー回転軸の第1の側とは反対側のジョー回転軸の第2の側に配置されたリフティングレバーのラッチ側にラッチ手段を備える。
【0007】
このようなげっ歯類捕獲装置は、安全に使用でき、動物を殺すのに効率的で、安価に製造することができる。
【0008】
上部ジョー部分は、開位置から閉位置に旋回することができ、好ましくは、閉位置から開位置に旋回し返すことができる。閉位置から開位置への旋回には開放力が必要であり、したがって、力手段に抗うことが必要であり、閉位置への旋回は力手段によって作動される。
【0009】
好ましくは、リフティングレバーは、クランプ手段と直接相互作用するワンピース型レバーである。リフティングレバーとクランプ手段の間にそれ以上のレバーは配置されていない。力手段は、好ましくは、正確に1つのばねを備える。或いは、力手段は、2つ又はそれ以上など、1つより多いばねを備えることができる。好ましくは、げっ歯類捕獲装置は、金属材料であり得る力手段を除いて、完全にプラスチック材料から作られる。ばねの形態の力手段の場合、ばねは、金属又は非金属のガータースプリング、或いは金属の渦巻ばね又はゴムばね又はゴムバンドであり得る。
【0010】
リフティングレバーは、好ましくは、上向きに、特に捕獲装置の下部ジョー部分から離れるように持ち上げられることによってのみ起動可能である。
【0011】
このように、捕獲装置は意図的にレバーを持ち上げた場合にのみ起動可能であり、それにより、他の動物が誤ってトリガーを踏んだ場合でも、捕獲装置が起動されることはない。
【0012】
その場合、下部ジョー部分は、好ましくは、基部床及びエッジを含む。リフティングレバーは、好ましくは、下部ジョー部分の基部プレートから離れるように持ち上がる。
【0013】
リフティングレバーは、特に少なくとも部分的に丸みを帯びた形状を有する、ラッチ側の反対側に配置されたげっ歯類収容要素を備えることができる。
【0014】
げっ歯類収容要素は、捕獲装置を起動するための正しい位置にげっ歯類を導く。その目的のために、げっ歯類収容要素は、げっ歯類の頭部に適合され、好ましくは少なくとも部分的に丸みを帯びた形状を有する。或いは、げっ歯類収容要素はまた、三角形又は正方形であり得る。さらに、げっ歯類収容要素は、好ましくは、げっ歯類がげっ歯類収容要素に容易に収まるように漏斗形状である。
【0015】
力手段は、閉位置にある上部ジョー部分と下部ジョー部分に閉鎖力を及ぼして、両方のジョー部分が互いに押し付けられるようにすることができる。特に、力手段の長手方向中心線は、ジョー回転軸の横に配置され、好ましくは、ジョー回転軸の第1の側に配置される。
【0016】
このようにして、ジョー部分が閉じているときに最も強い力がジョー部分に及ぼされる。力手段の長手方向中心線は、力手段の力の方向である。長手方向中心線は、ジョー回転軸に実質的に垂直である。力手段の長手方向中心線は、クランプ手段が開位置にあるとき、ジョー回転軸の近くに位置する。クランプ手段が閉位置にあるとき、長手方向中心線は、開位置と比較してジョー回転軸からより遠くにあり、より大きなクランプ力を提供する。
【0017】
力手段は、閉位置よりも開位置において上部ジョー部分及び下部ジョー部分により小さい力を及ぼすことができる。力手段は、特に、閉位置と比較して、開位置において実質的にゼロに近い力を及ぼす。好ましくは、力手段の長手方向中心線は、開位置において、ジョー回転軸と整列しているか、又はジョー回転軸の第1の側にわずかに配置されている。
【0018】
この状況においてわずかに、ジョー回転軸とジョー回転軸に垂直な長手方向中心線との間の距離が、リフティングレバーの長さの3分の1よりも小さく、好ましくはリフティングレバーの第2の長さよりも小さいことを意味する。
【0019】
ジョー回転軸の第1の側にあるリフティングレバーの第1の長さは、ジョー回転軸の第2の側にあるリフティングレバーの第2の長さより長くすることができる。
【0020】
このように、げっ歯類がレバーを持ち上げるのに必要な動きは、リフティングレバーの第2の側のラッチをロック解除するのに必要な距離と比較して大きい。これにより、捕獲装置のセキュリティが強化される。
【0021】
上部ジョー部分は、ラッチ手段によって開位置においてラッチされるラッチ受け入れ要素を備えることができる。
【0022】
このようにして、捕獲装置は開位置に簡単に固定され、リフティングレバーによって必要なときに簡単に解放される。
【0023】
餌保持要素は、リフティングレバーの近くに、好ましくは少なくとも部分的にリフティングレバーの下に、特にげっ歯類収容要素の下に配置することができ、好ましくは、餌保持要素は、げっ歯類収容要素の下から実質的に下部ジョー部分の前部まで延びる
【0024】
リフティングレバーの近くで餌保持要素を使用すると、げっ歯類が捕獲装置とリフティングレバーに誘引される。餌保持要素がげっ歯類収容要素の下から下部ジョー部分の実質的に前部まで延びる場合、げっ歯類は危険にさらされることなく、また捕らえられることなく餌の一部を食べることができる。このようにして、げっ歯類は用心深さを失い、げっ歯類を捕まえて即座に殺す可能性が高まる。
【0025】
下部ジョー部分の前部は、好ましくは、下部ジョー部分の基部に配置されたエッジである。両方のジョー部分が捕獲装置のそれぞれの基底部より上に延びるエッジを有する場合、捕獲装置を閉じるとげっ歯類の首に直接当たり、それによりげっ歯類が即座に死ぬ。エッジは、丸みを帯びたエッジ又は歯付きエッジ、或いはそれらの組み合わせであり得る。
【0026】
ジョー回転軸に実質的に垂直な下部ジョー部分の前部とげっ歯類収容要素との間の距離は、マウス捕獲装置の場合、10mm~30mm好ましくは12mm~20mm、最も好ましくは実質的に13~18mmの範囲であり得、又はラット捕獲装置の場合、30mm~50mm、好ましくは33mm~45mm、最も好ましくは38~42mmの範囲であり得る。(ここでは
図1の「D」に言及している)
【0027】
捕えるげっ歯類に依存して、これらの距離は、げっ歯類が餌によってげっ歯類収容要素に誘い込まれたときに、下部ジョー部分の前部と上部ジョー部分の前部をげっ歯類の首の領域に完全に位置づける。このようにして、げっ歯類は素早く痛みを伴わずに死ぬ。
【0028】
餌保持要素は、キャップを含むことができる。
【0029】
捕獲装置が使用されていない場合、キャップが餌保持要素内の餌を保護する。キャップは使用前に取り外すことができる。キャップはさらに、1つ又は複数、好ましくは2つの翼状部を備えることができ、リフティングレバーを持ち上げられた位置に保つように適合されている。これにより、ラッチが切り離されることによる捕獲装置の意図しない起動が防止される。翼状部は、キャップの領域において、キャップの少なくとも1つ、好ましくは2つの側に配置することができ、キャップが餌保持要素を覆っている間、リフティングレバー、好ましくはげっ歯類収容要素の下に配置される。餌保持要素は、下部ジョー部分の一部であり得る。
【0030】
このようにして、餌保持要素は、下部ジョー部分又は下部ジョー部分の構造部分にさえ固定され、それによって容易に補充可能である。
【0031】
リフティングレバーは、好ましくはジョー回転軸の第2の側に配置されるレバー回転軸を備えることができる。ラッチ手段は、好ましくはレバー回転軸の上に又はわずかにその横に実質的に垂直方向に少なくとも部分的に配置される。
【0032】
そのような配置は、最適なレバー関係をもたらし、それにより、げっ歯類がげっ歯類収容要素の内側に存在し、レバーを持ち上げるときに、ラッチの開放及び解放を確実にする。
【0033】
リフティングレバーは、リフティングレバーのラッチ側に実質的に二股フォーク形状の端部を備えることができる。
【0034】
この設計により、下部ジョー部分にリフティングレバーを簡単に取り付けることができる。リフティングレバーは、二股フォーク形状の端部を一緒に押し、それにより下部ジョー部分に小さなボルトをスナップ嵌めし、それによりレバー回転軸を作ることで下部ジョー部分に固定される。
【0035】
下部ジョー部分は、レバーが下部ジョー部分から解放されるのを防ぐために、フォーク形状の、及びリフティングレバーの2本の脚の間に配置されたブロック要素を備えることができる。
【0036】
このようにして、レバーは下部ジョー部分に簡単に接続できるが、下部ジョー部分に取り付けた後、彼の位置に固定される。さらに、ブロック要素の使用は、リフティングレバーを固定するための非常に安価で確実な方法である。
【0037】
リフティングレバーは、レバー回転軸に配置された固定要素を備えることができ、固定要素はスロットに配置されている。スロットは、好ましくは、少なくとも1つの保持要素を備える。
【0038】
固定要素は、げっ歯類捕獲装置の下部ジョー部分にリフティングレバーを固定するが、それにもかかわらずスロット内で回転可能である。好ましくは、固定要素は長方形の断面を有する。リフティングレバーの長さに沿って延びる側は、リフティングレバーの長さに垂直な側より側よりも長い。保持要素は、組み立てた状態でレバーがスロットに固定されるように配置される。
【0039】
このようにして、リフティングレバーは簡単に組み立てることができ、その位置にしっかりと固定される。
【0040】
リフティングレバーの長さは、マウス捕獲装置の場合、3cm~7cm、特に実質的に4cm~6cmであり、ラット捕獲装置の場合、8~13cm、特に実質的に9~11cmであり得る。
【0041】
そのようなリフティングレバーは、ラッチが解放される前にレバーを持ち上げるのに最適な距離をもたらし、また、リフティングレバーのげっ歯類収容要素と下部ジョー部分の前部又はエッジとの間の最適な距離をもたらす。げっ歯類収容要素はレバーの一部であるため、レバーの長さに含まれる。
【0042】
リフティングレバーは、げっ歯類収容要素の前部からリフティングレバーの回転軸Aレバーまで延びる回転長さL回転を備えることができる。ラッチ手段は、リフティングレバーの回転軸Aレバーから延びる長さLラッチを備え、ラッチ手段がラッチ受け入れ要素に引っ掛かるラッチ手段の地点。リフティングレバーの回転長さL回転は、リフティングレバーの小さな動きを可能にするためにラッチ長さLラッチよりも大きい。
【0043】
これは、捕獲装置の信頼性の高い迅速な起動のように可能にする。
【0044】
上部ジョー部分は、げっ歯類収容要素のためのより多くのスペースを可能にするために、開口部又は屋根窓形状の要素を備えることができる。
【0045】
これには、捕獲装置を可能な限り小さくすることができ、それにもかかわらず、げっ歯類収容要素がそれぞれのげっ歯類の完全なサイズを有することができるという利点がある。
【0046】
本発明の目的は、補充餌を含むシリンジを備える、前述のようなげっ歯類捕獲装置を補充するためのシステムによってさらに達成される。
【0047】
補充餌を含むシリンジは、げっ歯類捕獲装置内の餌保持要素を補充するための最適な方法である。好ましくは、使用する餌はピーナッツバターである。さらに、餌保持要素の特殊な形状により、シリンジを使用することで、誤って指を挟まれる危険を冒すことなく、餌保持要素の全長に沿ってげっ歯類収容要素の下で餌保持要素を補充することができる。
【0048】
本発明の目的は、前述のようなげっ歯類捕獲装置を補充する方法によってさらに達成され、ここでげっ歯類捕獲装置は開位置に配置され、餌は、餌、好ましくはピーナッツバターを含むシリンジを使用して、好ましくは餌保持要素に補充される。
【0049】
システムの利点は、方法にも同様に当てはまる。
【0050】
本発明の目的は、前述のようなげっ歯類捕獲装置を表面上に配置し、げっ歯類捕獲装置を開位置に置くステップを含む、げっ歯類を捕まえ、好ましくは殺す方法によってさらに達成される。
【0051】
このような方法は、げっ歯類を確実且つ迅速に捕まえて殺すため、動物に優しい、げっ歯類を捕まえて殺す方法である。
【0052】
餌保持要素は、好ましくは、餌ホルダー長さと呼ばれるジョー回転軸に垂直な方向に沿って、餌ホルダー幅と呼ばれるジョー回転軸に平行な方向よりも長く延びる。好ましくは、餌ホルダー長さは、餌ホルダー幅よりも少なくとも3倍、より好ましくは4倍大きい。このようにして、餌保持要素は基本的にげっ歯類をげっ歯類収容要素に導く。さらに、餌保持要素は、げっ歯類収容要素の下に餌保持要素を最適に配置するために、げっ歯類収容要素の内側に丸みを帯びた角を備えることができる。
【0053】
本発明は以下の図によってさらに記載される。それは以下を示す。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1】本発明によるげっ歯類捕獲装置の側面図である。
【
図2】
図1によるげっ歯類捕獲装置の長手方向断面図である。
【
図3】開位置にある
図1によるげっ歯類捕獲装置の斜視図である。
【
図4】斜視図における本発明によるげっ歯類捕獲装置の代替実施形態である。
【
図6】上部ジョー部分のない本発明による捕獲装置の斜視図である。
【
図7】開位置にある裏側からの本発明による捕獲装置の斜視図である。
【
図8】閉位置にある裏側からの本発明による捕獲装置の斜視図である。
【
図9】閉位置にある本発明による捕獲装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
図1は、開位置にあるげっ歯類捕獲装置1を示す。げっ歯類捕獲装置1は、クランプ手段2を備える。クランプ手段2は、上部ジョー部分3及び下部ジョー部分4を備える。開位置において、上部ジョー部分3は、下部ジョー部分4から持ち上げられる。両方のジョー部分3、4は、ジョー部分3、4の前部としてエッジを備える。げっ歯類捕獲装置1の内側に、げっ歯類が捕獲装置の内側に居るときに、上部ジョー部分3を開位置に保つラッチ手段(図示せず)を解放するリフティングレバー5が配置されている。上部ジョー部分がラッチ手段(図示せず)から解放されると、単一のガータースプリングの形態の力手段6が、上部ジョー部分3を下部ジョー部分4の方向に押し込み、その結果、両方のジョー部分の前端部が互いに移動し合う。力手段6は、ジョー回転軸A
ジョー(
図3を参照)に実質的に垂直に配置された長手方向中心線CLを有する。リフティングレバー5は、げっ歯類の鼻を収容するための漏斗形状の開口部を有するげっ歯類収容要素8を備える。リフティングレバー5は、ジョー回転軸A
ジョー(
図3を参照)の第1の側FS上のげっ歯類によって起動可能である。ラッチ手段7は、リフティングレバー5のラッチ側LSに配置され、ジョー回転軸A
ジョー(
図3参照)の第2の側SSに配置されている。第2の側SSは、ジョー回転軸の第1の側FSの反対側に配置されている。げっ歯類収容要素8と下部ジョー部分4の前側との間の距離Dは、マウス捕獲装置については実質的に15mmであり、ラット捕獲装置については実質的に40mmである。ガータースプリングである力手段6は別にして、げっ歯類捕獲装置は、げっ歯類捕獲装置内に力手段6を収容するためにプラスチック材料から作られ、上部ジョー部分3及び下部ジョー部分4は、ばね溝を備える。ばね溝は、力手段6の力が最適に分散されるように配置されている。
【0056】
図2は、
図1によるげっ歯類捕獲装置の長手方向断面図である。この断面図では、
図1にすでに示されている特徴に加えて、ラッチ手段7及び餌保持要素10が見える。ラッチ手段7は、上部ジョー部分3のラッチ受け入れ要素9と係合する。漏斗形状のげっ歯類収容要素8がさらに示されている。餌保持要素10は、漏斗形状の要素8の下に部分的に配置され、漏斗形状のげっ歯類収容要素8を越えて延在して、げっ歯類を捕獲装置に誘い込む。力手段6は、上部ジョー部分3と下部ジョー部分4の2つの力手段スロットにそれぞれ配置されている。捕獲装置1を開いて上部ジョー部分3を開位置に置くために、ユーザは、起動レバー14を下部ジョー部分4の方向に押し下げる必要がある。次に、上部ジョー部分3は、ジョー回転軸A
ジョー(
図3を参照)の周りを開位置へと旋回する。ラッチ手段7が解放されると、上部ジョー部分3は、ジョー回転軸A
ジョーの周りを旋回し閉位置に戻る。リフティングレバー5は、げっ歯類収容要素8の前部からリフティングレバー5の回転軸A
レバーまで延びる回転長さL
回転を備える。ラッチ手段7は、リフティングレバー5の回転軸A
レバーから延びる長さL
ラッチを備え、ラッチ手段7の地点、そこでラッチ手段に対してラッチ受け入れ要素9に引っ掛かる。リフティングレバー5の回転長さL
回転は、リフティングレバー5の小さな動きを可能にするためにラッチ長さL
ラッチよりも大きい。
【0057】
図3は、開位置にある本発明によるげっ歯類捕獲装置1の斜視図を示す。上部ジョー部分3はジョー回転軸A
ジョーの周りを開位置から閉位置に旋回し、逆もまた同様である。げっ歯類捕獲装置1を起動するために、ユーザは起動レバー14を押し下げる必要がある。ジョー回転軸A
ジョーとげっ歯類収容要素8の前部との間のレバーの長さであるリフティングレバー5のL1の第1の長さは、ジョー回転軸A
ジョーとリフティングレバー5の二股フォーク形状の端部12の端部(
図6参照)との間に配置されたリフティングレバー5の第2の長さL2(
図6参照)よりも大きい。二股フォーク形状の端部12の2本の脚及びブロック要素13によって互いに離れた状態に保たれる。
【0058】
図4は、開位置にある
図3のげっ歯類捕獲装置1の代替実施形態を示す。この実施形態では、餌保持要素10は、餌を新鮮に保つためにキャップ11で覆われている。キャップ11は、下部ジョー部分4を越えて延在し、キャップ11を容易に取り外すためのハンドルを備えている。これにより、捕獲装置1が閉じた状態でも、餌がまだカバーで覆われていることがユーザに見える。さらに、この斜視図では、リフティングレバー5の二股フォーク形状の端部12が見える。二股フォーク形状の端部12の2本の脚の間にブロック要素13が配置され、それにより、リフティングレバー5が下部ジョー部分4に配置されるとすぐに脚を離れた状態に維持するようにする。さらに、この図では、上部ジョー部分のラッチ受け入れ要素9が見える。すべての特徴はこれよりも前の図に対応している。
【0059】
図5は、ハンドルのないキャップ11の代替の実施形態を示している。それでもなお、キャップ11は、下部ジョー部分4の前部15を越えて延びる。これにより、捕獲装置1が閉じた状態でも、餌がまだカバーで覆われていることがユーザに見える。さらに、この斜視図では、リフティングレバー5の二股フォーク形状の端部12が見える。フォークの2本の脚の間に、ブロック要素13が配置され、それにより、リフティングレバー5それが下部ジョー部分4に配置したらすぐに脚を離れた状態に維持するようにする。キャップが餌保持要素上にある場合にリフティング要素を持ち上げ位置に維持するように翼状部16がキャップ11に設けられる。
【0060】
図6は、げっ歯類捕獲装置1の斜視図を示すが、上部ジョー部分3を示さない。リフティングレバー5の第1の長さL1は、リフティングレバー5の第2の長さL2よりも大きい。レバー回転軸A
レバーはジョー回転軸A
ジョーと平行に配置される。ラッチ手段7は、げっ歯類収容要素8でリフティングレバー5を動かす必要がある距離が、捕獲装置を起動させるためにラッチ手段7が動く必要がある距離よりも大きくなるように、レバー回転軸A
レバーの近くに配置される。
【0061】
図7は、本発明による捕獲装置1の背面図を示している。上部ジョー部分3のラッチ受け入れ要素9がはっきりと見える。他のすべての特徴はこれよりも前の図に対応している。
【0062】
図8は、閉位置にある捕獲装置1の背面図を示す。ラッチ手段7は、ラッチ受け入れ要素9に接続されていない。さらに、リフティングレバー5の二股フォーク形状の端部12がはっきりと見える。他のすべての特徴はこれよりも前の図に対応している。
【0063】
図9は
図1の捕獲装置の代替の実施形態を示し、リフティングレバー5の設計及び上部ジョー部分3の設計において
図1の実施形態とは異なる。上部ジョー部分3は、屋根窓形状の要素20を備える。屋根窓形状の要素20は、より大きなげっ歯類収容要素8を可能にするが、捕獲装置1は依然として可能な限り小さくすることができる。リフティングレバー5は、レバー回転軸A
レバーに配置された固定要素17を備える。固定要素17は、スロット18内に配置されている。スロット18は、2つの保持要素19を備える。固定要素17は、長方形の形状を有する(
図10を参照)。
図9に示されるような取り付け位置では、固定要素17は、2つの保持要素19によってスロット18内に保持される。それにもかかわらず、リフティングレバー5は、レバー回転軸A
レバーを中心に回転することができる。
【0064】
図10は、リフティングレバー5と下部ジョー部分4の断面を示している。固定要素17は長方形であり、長方形の長辺はレバーの長さに平行である。長方形の短辺はレバーの長さに垂直である。捕獲装置1を組み立てるとき、リフティングレバー5は、下部ジョー部分4に実質的に垂直な位置に移動され、固定要素17は、スロット18に挿入される。次に、リフティングレバー5は、下部ジョー4のマウテッド位置に移動され、その結果、固定要素17は保持要素19によってスロット18に固定される。かくして、リフティングレバー5はスロット18に固定される。