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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-12
(45)【発行日】2022-08-22
(54)【発明の名称】電話システム
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/00 20060101AFI20220815BHJP
   H04Q 3/58 20060101ALI20220815BHJP
【FI】
H04M3/00 B
H04Q3/58 101
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018172226
(22)【出願日】2018-09-14
(65)【公開番号】P2020047974
(43)【公開日】2020-03-26
【審査請求日】2021-05-28
(73)【特許権者】
【識別番号】304020498
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091546
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 正美
(74)【代理人】
【識別番号】100206379
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 正
(72)【発明者】
【氏名】山宮 耕二
【審査官】大橋 達也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0150010(US,A1)
【文献】特開2009-278553(JP,A)
【文献】特許第6321264(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 3/00-11/00
H04Q 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話制御装置に1以上の電話端末が収容されて構成されるビジネスホンシステムと、前記電話制御装置に収容された1以上の電話端末の内の所定の対応電話端末に対応付けられる携帯電話端末と、IP(Internet Protocol)網を通じてアクセス可能な代理応答情報管理サーバとからなる電話システムであって、
前記電話制御装置は、
通話網を通じて前記携帯電話端末が対応付けられている対応電話端末を着信先とする第1発信メッセージを受信した場合に、前記携帯電話端末に対して着信を通知することを要求する着信通知要求を形成し、前記IP網を通じて所定の対応付けサーバに提供する着信通知処理手段と、
前記通話網を通じて前記携帯電話端末からの第2発信メッセージを受信した場合に、前記IP網を通じて前記代理応答情報管理サーバに対し、前記第2発信メッセージの送信元の前記携帯電話端末についての代理応答情報の提供を要求する代理応答情報要求手段と、
前記代理応答情報管理サーバから前記IP網を通じて提供される前記代理応答情報に基づき、前記第1発信メッセージの送信元の電話端末と、前記第2発信メッセージの送信元の前記携帯電話端末との間に、前記通話網を通じて通話回線を接続するように処理する代理応答処理手段と
を備え、
前記代理応答情報管理サーバは、
前記IP網を通じて提供される前記携帯電話端末からの前記代理応答情報を受け付けて、送信元ごとに代理応答情報記憶手段に記録する代理応答情報受付手段と、
前記IP網を通じて送信されてくる前記電話制御装置からの前記代理応答情報の提供の要求を受け付ける提供要求受付手段と、
前記提供要求受付手段を通じて受け付けた前記要求に応じて、前記第2発信メッセージの送信元の前記携帯電話端末に対応する前記代理応答情報を前記代理応答情報記憶手段から検索する代理応答情報検索手段と、
前記代理応答情報検索手段で検索された前記代理応答情報を、前記IP網を通じて前記電話制御装置に提供する代理応答情報提供手段と
を備え、
前記携帯電話端末は、
前記IP網を通じて自機が対応付けられている前記対応電話端末に着信があることの通知を受け付けた場合に、前記対応電話端末に着信があることを通知する着信通知処理手段と、
前記着信通知処理手段による通知の後に、着信応答指示入力を受け付ける受付手段と、
前記着信応答指示入力を受け付けた場合に、自機が対応付けられている対応電話端末への着信に代理応答するために必要となる前記代理応答情報を形成し、前記IP網を通じて前記代理応答情報管理サーバに送信する代理応答情報処理手段と、
前記着信応答指示入力を受け付けた場合に、前記ビジネスホンシステムへの前記第2発信メッセージを形成し、前記通話網を通じて送信する発信処理手段と
を備えることを特徴とする電話システム。
【請求項2】
電話制御装置に1以上の電話端末が収容されて構成されるビジネスホンシステムと、前記電話制御装置に収容された1以上の電話端末の内の所定の対応電話端末に対応付けられる携帯電話端末と、IP(Internet Protocol)網を通じてアクセス可能な代理応答情報管理サーバとからなる電話システムであって、
前記電話制御装置は、
通話網を通じて前記携帯電話端末が対応付けられている対応電話端末を着信先とする第1発信メッセージを受信した場合に、前記対応電話端末に対応付けられている前記携帯電話端末が、前記対応電話端末への着信に応答するために必要となる代理応答情報を形成し、前記IP網を通じて前記代理応答情報管理サーバに提供する代理応答情報提供手段と、
前記通話網を通じて前記携帯電話端末からの第2発信メッセージを受信した場合に、前記IP網を通じて前記代理応答情報管理サーバに対し、前記第2発信メッセージの送信元の前記携帯電話端末についての代理応答情報の提供を要求する代理応答情報要求手段と、
前記代理応答情報管理サーバから前記IP網を通じて提供される前記代理応答情報に基づき、前記第1発信メッセージの送信元の電話端末と前記第2発信メッセージの送信元の前記携帯電話端末との間に、前記通話網を通じて通話回線を接続するように処理する代理応答処理手段と
を備え、
前記代理応答情報管理サーバは、
前記IP網を通じて提供される前記電話制御装置からの前記代理応答情報を受け付けて、送信元ごとに代理応答情報記憶手段に記録する代理応答情報受付手段と、
前記代理応答情報受付手段を通じて前記代理応答情報を受け付けた場合に、前記対応電話端末に対応付けられている前記携帯電話端末に対して着信を通知することを要求する着信通知要求を形成し、前記IP網を通じて所定の対応付けサーバに提供する着信通知要求手段と、
前記IP網を通じて送信されてくる前記電話制御装置からの前記代理応答情報の提供の要求を受け付ける提供要求受付手段と、
前記提供要求受付手段を通じて受け付けた前記要求に応じて、前記第2発信メッセージの送信元の前記携帯電話端末に対応する前記代理応答情報を前記代理応答情報記憶手段から検索する代理応答情報検索手段と、
前記代理応答情報検索手段で検索された前記代理応答情報を、前記IP網を通じて前記電話制御装置に提供する代理応答情報提供手段と
を備え、
前記携帯電話端末は、
前記IP網を通じて自機が対応付けられている前記対応電話端末に着信があることの通知を受け付けた場合に、前記対応電話端末に着信があることを報知する着信通知処理手段と、
前記着信通知処理手段による通知の後に、着信応答指示入力を受け付ける受付手段と、
前記着信応答指示入力を受け付けた場合に、前記ビジネスホンシステムへの前記第2発信メッセージを形成し、前記通話網を通じて送信する発信処理手段と
を備えることを特徴とする電話システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の電話システムであって、
前記携帯電話端末の前記発信処理手段は、前記ビジネスホンシステムに割り当てられている予め決められている受付電話番号を用いて電話を掛けるようにするものであり、
前記電話制御装置の前記代理応答情報要求手段は、予め決められている前記受付電話番号に着信があった場合に、前記第2発信メッセージの送信元の前記携帯電話端末についての代理応答情報の提供を要求する
ことを特徴とする電話システム。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の電話システムであって、
前記電話制御装置の前記代理応答情報要求手段は、予め決められた電話番号が割り当てられている携帯電話端末からの前記第2発信メッセージを受信した場合に、前記第2発信メッセージの送信元の前記携帯電話端末についての代理応答情報の提供を要求する
ことを特徴とする電話システム。
【請求項5】
請求項1、請求項2、請求項3または請求項4のいずれかに記載の電話システムであって、
前記電話制御装置は、ゲートウェイ装置部と主装置部とからなり、
前記ゲートウェイ装置部は、
少なくとも前記代理応答情報要求手段を備えると共に、
発信メッセージを受け付ける第1の発信メッセージ受付手段と、
前記第1の発信メッセージ受付手段を通じて受け付けた前記発信メッセージを前記主装置部に提供する発信メッセージ提供手段と、
前記代理応答情報要求手段を通じて要求した前記代理応答情報を、前記IP網を通じて受け付ける代理応答情報受付手段と、
前記代理応答情報受付手段を通じて受け付けた前記代理応答情報を、前記主装置部に提要する代理応答情報提供手段と
を備え、
前記主装置部は、
少なくとも前記代理応答処理手段を備えると共に、
前記ゲートウェイ装置部からの前記発信メッセージを受け付ける第2の発信メッセージ受付手段と、
前記ゲートウェイ装置部からの前記代理応答情報を受け付ける代理応答情報受付手段と
を備えることを特徴とする電話システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯電話端末を配下に位置付けることができるビジネスホンシステムを含んで構成される電話システムに関する。
【背景技術】
【0002】
会社のオフィスなどにおいては、主装置などと呼ばれる小型の交換機に複数の電話端末を接続して構成したいわゆるビジネスホンシステムが利用されている。ビジネスホンシステムを利用することにより、主装置に1以上の電話回線を収容し、この1以上の電話回線を複数の電話端末で共用して、外線電話の発信を行ったり、外線電話の着信を受け付けたりすることができる。また、ビジネスホンシステムを利用することにより、主装置に接続された電話端末(内線電話端末)の間で通話を行えるようにする、いわゆる内線電話機能を利用できる。
【0003】
近年においては、ビジネスホンシステムにスマートホンなどと呼ばれる高機能携帯電話端末(以下、単に携帯電話端末と記載する。)を収容し、外出先においても当該携帯電話端末を通じて、内線電話機能を利用することができるようになってきている。例えば、後に記す特許文献1には、携帯電話事業者に拠らずに携帯電話機を内線電話として使用することを可能にする呼制御システムなどに関する発明が開示されている。
【0004】
また、後に記す特許文献2には、外出している社員と会社との間の連絡通話に個人所有の携帯電話端末を利用できるようにする携帯電話ゲートウェイに関する発明が開示されている。特許文献2に開示された発明は、外出している社員と会社との間の連絡通話に係る通話料金を簡便に会社が直接負担することができるようにすると共に、個人所有の携帯電話端末の携帯電話番号を秘匿することもできるものである。
【0005】
特許文献1、2に開示された発明は、いずれも携帯電話端末を用いて内線電話機能を利用できるようにするものである。これにより、例えば、外出先の社員と会社との間の連絡を簡単かつ確実に行える環境が整えられ、問い合わせや承認の確認などを内線通話により迅速に行って、顧客等へのサービスの向上に寄与することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2010-183199号公報
【文献】特開2009-278553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
携帯電話端末は、携帯電話番号が割り当てられており、携帯電話網を通じて電話を掛けたり、電話を受けたりすることができる。このため、上述したように内線通話を行いたいとする要求はあっても、携帯電話端末をビジネスホンシステムの内線電話機として用いて、外線電話を掛けたり、外線電話を受けたりする必要性は大きくないと考えられていた。しかしながら、携帯電話端末をビジネスホンシステムの配下の内線電話端末として用いることができる場合に、当該携帯電話端末宛にいわゆるダイヤルイン機能を用いて直性に電話を掛けることができるようにしたいとする要求がある。
【0008】
すなわち、発信側からすると、目的とする相手が携帯電話端末を所持している場合、当該携帯電話端末を通じて、直接に、かつ、確実に通話を行えるようにしたい。しかし、携帯電話端末に対して直接に電話を掛けると通話コストが高くなってしまうので、できれば比較的に通信コストが安価なビジネスホンシステムの内線電話端末としての携帯電話端末に電話を掛けるようにしたい。一方、着信側の携帯電話端末からすると、内線電話端末のように、ビジネスホンシステムの配下に位置付けられた携帯電話端末宛てに掛かって来た電話については、例え外出先にいる場合であってもできるだけ応答するようにしたい。このように、発信側と着信側との要求は、ビジネスホンシステムの配下に位置付けられる携帯電話端末を通じて、外線からのダイレクトイン機能による着信により通話回線を接続して通話をできるようにしたいとする点で一致している。
【0009】
なお、ダイヤルイン機能は、例えば、外線電話番号「03-1234-1234」に加えて所定記号「*」と内線番号「100」を入力して電話を掛けることにより、目的とする内線電話端末に直接に電話を掛けることができる機能である。従って、この例の場合、外線電話番号「03-1234-1234」が割り当てられた電話回線(外線)を収容している主装置に接続されている、内線番号が「100」の内線電話端末に対して直接電話を掛けることができることを意味する。
【0010】
また、近年においては、IP(Internet Protocol)網を通じて通話を行うIP電話も普及してきているが、ネットワーク状況によっては通話の途切れや揺らぎが発生する場合もある。このため、ビジネスで使用する電話の場合には、IP網のようないわゆるベストエフォートのネットワークを用いた通話は避けたいとする要求がある。すなわち、サービス性能や品質に関して明示的な保証のある携帯電話網や公衆交換電話網といった通話網を通じて高品位に通話を行うようにしたいとする要求がある。
【0011】
以上のことに鑑み、この発明は、ビジネスホンシステムへの着信に対して、携帯電話端末を通じて応答できるようにし、当該携帯電話端末を通じて、安定して高品位に通話を行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の電話システムは、
電話制御装置に1以上の電話端末が収容されて構成されるビジネスホンシステムと、前記電話制御装置に収容された1以上の電話端末の内の所定の対応電話端末に対応付けられる携帯電話端末と、IP(Internet Protocol)網を通じてアクセス可能な代理応答情報管理サーバとからなる電話システムであって、
前記電話制御装置は、
通話網を通じて前記携帯電話端末が対応付けられている対応電話端末を着信先とする第1発信メッセージを受信した場合に、前記携帯電話端末に対して着信を通知することを要求する着信通知要求を形成し、前記IP網を通じて所定の対応付けサーバに提供する着信通知処理手段と、
前記通話網を通じて前記携帯電話端末からの第2発信メッセージを受信した場合に、前記IP網を通じて前記代理応答情報管理サーバに対し、前記第2発信メッセージの送信元の前記携帯電話端末についての代理応答情報の提供を要求する代理応答情報要求手段と、
前記代理応答情報管理サーバから前記IP網を通じて提供される前記代理応答情報に基づき、前記第1発信メッセージの送信元の電話端末と、前記第2発信メッセージの送信元の前記携帯電話端末との間に、前記通話網を通じて通話回線を接続するように処理する代理応答処理手段と
を備え、
前記代理応答情報管理サーバは、
前記IP網を通じて提供される前記携帯電話端末からの前記代理応答情報を受け付けて、送信元ごとに代理応答情報記憶手段に記録する代理応答情報受付手段と、
前記IP網を通じて送信されてくる前記電話制御装置からの前記代理応答情報の提供の要求を受け付ける提供要求受付手段と、
前記提供要求受付手段を通じて受け付けた前記要求に応じて、前記第2発信メッセージの送信元の前記携帯電話端末に対応する前記代理応答情報を前記代理応答情報記憶手段から検索する代理応答情報検索手段と、
前記代理応答情報検索手段で検索された前記代理応答情報を、前記IP網を通じて前記電話制御装置に提供する代理応答情報提供手段と
を備え、
前記携帯電話端末は、
前記IP網を通じて自機が対応付けられている前記対応電話端末に着信があることの通知を受け付けた場合に、前記対応電話端末に着信があることを通知する着信通知処理手段と、
前記着信通知処理手段による通知の後に、着信応答指示入力を受け付ける受付手段と、
前記着信応答指示入力を受け付けた場合に、自機が対応付けられている対応電話端末への着信に代理応答するために必要となる前記代理応答情報を形成し、前記IP網を通じて前記代理応答情報管理サーバに送信する代理応答情報処理手段と、
前記着信応答指示入力を受け付けた場合に、前記ビジネスホンシステムへの前記第2発信メッセージを形成し、前記通話網を通じて送信する発信処理手段と
を備えることを特徴とする。
【0013】
この請求項1に記載の発明の電話システムによれば、ビジネスホンシステムの電話制御装置に収容された1以上の電話端末の内の所定の対応電話端末に対応付けられることにより、携帯電話端末が当該ビジネスホンシステムの配下に位置付けられて管理される。電話制御装置に収容されている対応電話端末を着信先とする第1発信メッセージを電話制御装置が受信したとする。この場合、電話制御装置の着信通知処理手段が機能して、当該対応電話端末に対応付けられている携帯電話端末に対して、当該対応電話端末に着信があることを通知することを要求する着信通知要求を形成し、IP網を通じて所定の対応付けサーバに送信する。これにより、対応付けサーバの機能により、IP網を通じて当該携帯電話端末に対して、対応電話端末に着信があることが通知される。
【0014】
携帯電話端末において、IP網を通じて自機が対応付けられている対応電話端末に対して着信があることが通知されると、着信通知処理手段が機能して、自機の使用者に対して対応電話端末に着信があることを通知する。そして、携帯電話端末において、受付手段を通じて、使用者からの着信応答指示入力を受け付けると、携帯電話端末の代理応答情報処理手段が機能して、自機の識別情報を含む代理応答情報を形成し、IP網を通じて代理応答情報管理サーバに送信する。更に、携帯電話端末の発信処理手段が機能して、自機が属するビジネスホンシステムに対する第2発信メッセージを形成して送信する。すなわち、発信処理手段は、自機が属するビジネスホンシステムに対して電話を掛ける。
【0015】
代理応答情報管理サーバにおいては、代理応答情報受付手段が機能して、携帯電話端末からの代理応答情報を受け付けて、送信元ごとに代理応答情報記憶手段に記録する。電話制御装置においては、携帯電話端末からの第2発信メッセージを受信すると、代理応答情報要求手段が機能して、第2発信メッセージの発信元の携帯電話端末についての代理応答情報の提供の要求を、IP網を通じて代理応答情報管理サーバに対して送信する。当該代理応答情報の提供の要求は、代理応答情報管理サーバの提供要求受付手段を通じて受け付けられ、代理応答情報検索手段が機能して、当該要求に応じた第2発信メッセージの発信元の携帯電話端末について代理応答情報を検索する。検索された代理応答情報は、代理応答情報管理サーバの代理応答情報提供手段が機能して、IP網を通じて要求元の電話制御装置に提供される。
【0016】
電話制御装置においては、代理応答情報管理サーバからの代理応答情報に基づいて、代理応答処理手段が機能し、第2発信メッセージの発信元の携帯電話端末と、第1発信メッセージの発信元の電話端末との間に通話網を通じて通話回線を接続する。これにより、電話制御装置に接続された対応電話端末への着信に、例えば外出先などの任意の位置(場所)にある携帯電話端末を通じて代理応答して、通話を行うことができる。
【0017】
なお、この明細書において、IP網は、例えばTCP(Transmission Control Protocol)やIP(Internet Protocol)などのいわゆるインターネット・プロトコル・スイート技術によって、通信が行われる通信ネットワーク全般を意味する。また、この明細書において、通話網は、例えば携帯電話網や公衆交換電話網をはじめとする、高品位に、かつ、安定して音声による通話が可能なネットワーク全般を意味する。
【発明の効果】
【0018】
この発明の電話システムによれば、ビジネスホンシステムへの着信に対して、携帯電話端末を通じて応答し、当該携帯電話端末を通じて通話を行うことができる。また、通話網を通じて通話回線を接続して通話を行うことができるので、安定して高品位に通話を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施の形態の電話システムを含む通信環境の例について説明するための図である。
図2】第1の実施の形態でダイヤルイン着信が発生した対応電話端末に対応付けられている携帯電話端末に、当該着信を通知する場合の処理について説明するための図である。
図3】第1の実施の形態でダイヤルイン着信が発生した対応電話端末に対応付けられている携帯電話端末が、当該着信に代理応答する場合の処理について説明するための図である。
図4】第1の実施の形態の携帯電話端末の構成例を説明するためのブロック図である。
図5】第1の実施の形態の代理応答情報管理サーバの構成例を説明するためのブロック図である。
図6】第1の実施の形態において、携帯電話端末から代理応答情報管理サーバに送信される代理応答情報の例と、代理応答情報管理サーバの代理応答情報メモリの格納データの例について説明するための図である。
図7】第1の実施の形態のゲートウェイの構成例を説明するためのブロック図である。
図8】第1の実施の形態の主装置の構成例を説明するためのブロック図である。
図9】第1の実施の形態のアドレス管理データベースの格納データの例と、主装置から送出される着信通知要求の例について説明するための図である。
図10】第1の実施の形態において、一般外線電話端末からの対応電話端末への着信に、携帯電話端末を通じて代理応答する場合の処理を説明するためのシーケンス図である。
図11】第1の実施の形態の携帯電話端末で行われる処理を説明するためのフローチャートである。
図12】第1の実施の形態の代理応答情報管理サーバで行われる処理を説明するためのフローチャートである。
図13】第1の実施の形態の電話システムのゲートウェイで行われる処理を説明するためのフローチャートである。
図14】第1の実施の形態の電話システムの主装置で行われる処理を説明するためのフローチャートである。
図15】第2の実施の形態でダイヤルイン着信が発生した対応電話端末に対応付けられている携帯電話端末に、当該着信を通知する場合の処理について説明するための図である。
図16】第2の実施の形態でダイヤルイン着信が発生した対応電話端末に対応付けられている携帯電話端末が、当該着信に代理応答する場合の処理について説明するための図である。
図17】第2の実施の形態の携帯電話端末の構成例を説明するためのブロック図である。
図18】第2の実施の形態の代理応答情報管理サーバの構成例を説明するためのブロック図である。
図19】第2の実施の形態の主装置の構成例を説明するためのブロック図である。
図20】第2の実施の形態において、一般外線電話端末からの対応電話端末への着信に、携帯電話端末を通じて代理応答する場合の処理を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図を参照しながら、この発明の電話システムの一実施の形態について説明する。以下に説明する実施の形態の電話システムは、いわゆるビジネスホンシステムを含んで構成される。ビジネスホンシステムは、簡単には主装置に複数の内線電話端末が収容されて構成されるものであり、以下に説明する実施の形態においては、例えば、会社のオフィスに構築されたものである場合を例にして説明する。
【0021】
[電話システムの全体構成例]
図1は、後述する第1、第2の実施の形態の電話システムを含む通信環境の例について説明するための図である。第1の実施の形態の電話システムは、携帯電話端末1と、代理応答情報管理サーバ2と、ビジネスホンシステム200とが、広域ネットワーク100を通じて接続されて構成される。ファイアウォール8は、ネットワークの結節点となる場所に設けて、コンピュータセキュリティ上の理由などにより通過させてはいけない通信を阻止するための装置である。
【0022】
この実施の形態においては、代理応答情報管理サーバ2とビジネスホンシステム200とは同じ電話システムの構成要素であるため、共通してファイアウォール8を使用している。なお、これに限ることなく、ファイアウォールは、代理応答情報管理サーバ2とビジネスホンシステム200とのそれぞれの側に設けるなど、適宜の態様で設けることももちろんできる。
【0023】
対応付けサーバ9は、携帯電話端末1などの携帯電話端末のメーカーなどの端末提供者側によって運用され、各携帯電話端末に固有の識別情報を割り当てて、これを管理する。これにより、例えば、所定のアプリケーションソフトを利用している携帯電話端末に対していわゆるプッシュ通知を行う場合に、対応付けサーバ9の機能によって、プッシュ通知を行うべき携帯電話端末を特定することができる。そして、その特定した携帯電話端末に対して、プッシュ通知を行うことができる。
【0024】
一般外線電話端末10は、会社や家庭に設置され、目的とする相手先に電話を掛けて通話したり、自機宛ての着信に応答して通話したりすることができるものである。従って、一般外線電話端末10は、他の会社のビジネスホンシステムに接続された内線電話端末である場合もある。なお、図1等では、説明を簡単にするため、一般外線電話端末10しか示してしないが、周知のように、後述する公衆交換電話網100Cには、多数の一般外線電話端末が接続されて利用されている。
【0025】
広域ネットワーク100は、例えば、IP網100A、携帯電話網100B、公衆交換電話網100Cなどの種々のものを含む。IP網100Aは、主にはインターネットであるが、インターネットに接続され、インターネットと共にIP網100Aを構成する、例えばLAN(Local Area Network)やWi-Fi(登録商標)規格の無線LANなども含む。すなわち、IP網100Aは、インターネット・プロトコル・スイート技術によって、通信が行われる通信ネットワーク全般を意味する。
【0026】
携帯電話網100Bは、3G(3rd Generation)規格やLTE(Long Term Evolution)規格などの音声通信網である。公衆交換電話網100Cは、PSTN(Public Switched Telephone Network)やISDN(Integrated Services Digital Network)などといった従来からの音声通話網である。なお、広域ネットワーク100の伝送媒体には、電線、無線、光ケーブルなどの種々のものを含む。
【0027】
携帯電話端末1は、スマートホンなどと呼ばれる高機能携帯電話端末である。そして、第1、第2の実施の形態の電話システムにおいてビジネスホンシステム200においては、携帯電話端末1を後述する仮想端末や内線電話端末に対応付けることにより、自システムの配下の電話端末として位置付けて管理することができるものである。携帯電話端末1は、ビジネスホンシステム200の配下に位置付けられる電話端末として機能するために、内線電話端末アプリケーションソフトウェア(以下、単に内線電話アプリと記載する。)を搭載し、これを実行することができるものである。
【0028】
代理応答情報管理サーバ2は、ビジネスホンシステム200の配下の内線電話端末などに対して掛けられた電話について、ビジネスホンシステム200の配下に位置付けられている携帯電話端末を通じて代理応答できるようにするための代理応答情報を管理する。そして、代理応答情報管理サーバ2で管理される代理応答情報が、ビジネスホンシステム200で用いられることにより、ビジネスホンシステム200が仲介(中継)して、発信元の電話端末と代理応答先の携帯電話端末との間に通話回線を接続して通話を可能にする。すなわち、携帯電話端末を用いた代理応答を可能にする。
【0029】
ビジネスホンシステム200は、図1に示すように、ゲートウェイ3、主装置4、内線電話端末5(1)、5(2)、…が、LAN7を通じて接続されて構成されたものである。更に、ビジネスホンシステム200には、物理的に接続されるものではないが、仮想端末6(1)、6(2)、…が接続されているものとして、主装置4において管理される。
【0030】
ゲートウェイ3は、異なるネットワーク同士を接続する機能を実現するものであり、図1に示すように、公衆交換電話網100Cとビジネスホンシステム200との接続を可能にする。また、ゲートウェイ3は、後述するファイアウォール8を介して、IP網100Aとビジネスホンシステム200との接続を可能にする。また、ゲートウェイ3は、IP網100Aを通じて代理応答情報管理サーバ2にアクセスし、必要な情報を取得する機能も実現する。
【0031】
主装置4は、通話回線を接続する端末間のアドレス解決をするものであり、LAN7に接続された配下の機器間や、LAN7に接続された機器と広域ネットワーク100に接続された機器との間に、通話回線をつなぐための小型の交換機として機能する。この実施の形態の主装置4は、SIP(Session Initiation Protocol)を利用して、電話番号をIP(Internet Protocol)アドレスと対応付けたり、相手を呼び出して繋いだりするといった呼制御を行うSIPサーバとしての機能を備える。更に、主装置4は、配下の内線電話端末5(1)、5(2)、…のLED(Light Emitting Diode)の点灯・消灯の制御、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示部に表示する情報の制御など、配下の端末に対する種々の制御をも行う。
【0032】
内線電話端末5(1)、5(2)、…のそれぞれは、図1に示すように、LCDなどの表示部やテンキーや機能キーなどの種々の操作キーが設けられた本体部と、受話器(スピーカー)と送話器(マイクロホン)を備えたハンドセット部とかなる。内線電話端末5(1)、5(2)、…のそれぞれには、内線番号が割り当てられており、主装置4において管理されている。内線電話端末5(1)、5(2)、…のそれぞれは、オフィスの机上などに固定的に設置され、主装置4を通じて外線通話及び内線通話を可能にする。
【0033】
仮想端末6(1)、…は、使用者によって持ち運ばれて使用される携帯電話端末を、ビジネスホンシステム200の配下の電話端末として管理するために仮想的に設けられるものである。このため、主装置4においては、仮想端末6(1)、…のそれぞれに、内線電話番号、携帯電話番号、IPアドレスなどの識別情報を対応付けて管理している。なお、この実施の形態のビジネスホンシステム200において、仮想端末6(1)は、携帯電話端末1をビジネスホンシステム200の配下の電話端末として位置付けて管理するためのものである。従って、ビジネスホンシステム200の配下の電話端末として、複数の携帯電話端末が存在する場合には、それに対応して仮想端末6(2)、6(3)、…というように複数の仮想端末が設けられることになる。対応付けに関する情報は、携帯電話端末から例えばIP網100Aを通じて主装置4に提供することができる。
【0034】
そして、内線電話端末5(1)、5(2)、…のそれぞれに対しても、使用者は自分が所持する携帯電話端末を対応付けることで、使用者が所持する携帯電話端末をビジネスホンシステムの配下に位置付けることができる。すなわち、この実施の形態の電話システムにおいては、ビジネスホンシステム200の主装置4において、内線電話端末5(1)、5(2)、…や、仮想端末6(1)、6(2)、…に対して携帯電話端末を対応付けて管理することができる。これにより、携帯電話端末1などの携帯電話端末を、ビジネスホンシステム200の配下に位置付けることができる。なお、仮想端末6(1)、6(2)、…には、必ず携帯電話端末が対応付けられる。しかし、内線電話端末5(1)、5(1)、…には、使用者が携帯電話端末を所持する場合に、当該携帯電話端末を対応付けることができる。
【0035】
そして、携帯電話端末が対応付けられた内線電話端末5(1)、5(2)、…や、仮想端末6(1)、6(2)、…が、ビジネスホンシステム200における対応電話端末である。換言すれば、主装置4に収容されている内線電話端末5(1)、5(2)、…や仮想端末6(1)、6(2)、…の内、携帯電話端末が対応付けられたものが携帯電話端末に対応する対応電話端末となる。
【0036】
そして、携帯電話端末1などの内線電話端末5(1)、5(2)、…や仮想端末6(1)、6(2)、…に対応付けられた携帯電話端末を所持する使用者は、自分と電話連絡を取りたい場合には、対応電話端末にダイヤルイン機能を用いて電話するように相手先に依頼しておく。すなわち、対応電話端末に割り当てられている内線番号を、相手先に知らせて、ダイヤルイン機能を用いた電話の掛け方を知らせておく。図1に示した例の場合、内線電話端末5(1)の内線番号は「101」で、内線電話端末5(2)の内線番号は「102」である。また、仮想端末6(1)の内線番号は「501」である。
【0037】
このように、対応電話端末である仮想端末6(1)の内線番号「501」が知らされた一般外線電話端末10の使用者が、ビジネスホンシステム200の対応電話端末の1つである仮想端末6(1)に対し、ダイヤルイン機能を用いて直接に電話を掛けたとする。この場合に、この実施の形態の電話システムでは、直接に電話がかけられた対応電話端末である仮想端末6(1)への着信について、この仮想端末6(1)に対応付けられている携帯電話端末1を通じて代理応答できるようにしている。そして、代理応答する携帯電話端末1の所在位置は制限されることはない。すなわち、対応電話端末に対応付けられている携帯電話端末が、例えば外出先の任意の場所にある場合においても、ビジネスホンシステム200の配下の対応電話端末への着信について代理応答することができる。
【0038】
このように、以下に説明する第1、第2の実施の形態の電話システムにおいて、ダイヤルイン機能が用いられて対応電話端末に発生した着信を、当該対応電話端末に対応付けられている携帯電話端末が代理応答することができるようにしている。そして、代理応答を行うための処理には、大きく分けて2つある。1つは、代理応答に必要となる代理応答情報を携帯電話端末1から代理応答情報管理サーバ2に登録するものである。他の1つは、代理応答に必要となる代理応答情報を主装置4Aから代理応答情報管理サーバ2Aに登録するものである。
【0039】
このため、第1の実施の形態の電話システムと第2の実施の形態の電話システムとは、その構成要素は同じであるが、各構成要素での処理が異なる部分がある。このため、図1に示したように、第1の実施の形態の電話システムは、携帯電話端末1と代理応答情報管理サーバ2とビジネスホンシステム200とからなるものであるとする。そして、第1の実施の形態の電話システムにおけるビジネスホンシステム200は、ゲートウェイ3と主装置4と、内線電話端末5(1)、5(2)、…と、仮想端末6(1)、…とからなるものであるとする。
【0040】
一方、第2の実施の形態の電話システムは、携帯電話端末1Aと代理応答情報管理サーバ2Aとビジネスホンシステム200Aとからなるものであるとする。そして、第2の実施の形態の電話システムにおけるビジネスホンシステム200Aは、ゲートウェイ3と主装置4Aと、内線電話端末5(1)、5(2)、…と、仮想端末6(1)、…とからなるものであるとする。また、第2の実施の形態においても、仮想端末6(1)には、携帯電話端末1Aが対応付けられているものとする。以下においては、第1の実施の形態の電話システムと第2の実施の形態の電話システムのそれぞれについて説明する。
【0041】
なお、例えば一般外線電話端末10は、ビジネスホンシステム200において携帯電話端末が対応付けられている仮想端末6(1)、6(2)、…や内線電話端末5(1)、5(2)、…に対して、ダイヤルイン機能を用いて、直接に電話を掛けることができる。しかし、以下においては説明を簡単にするため、一般外線電話端末10からダイヤルイン機能が用いられて、携帯電話端末1、1Aが対応付けられている仮想端末6(1)に対して電話がかけられた場合を例にして具体的に説明する。
【0042】
[第1の実施の形態]
まず、代理応答に必要となる代理応答情報を携帯電話端末から代理応答情報管理サーバ2に登録する第1の実施の形態の電話システムについて説明する。第1の実施の形態においても、上述した例と同様に、一般外線電話端末10からダイヤルイン機能を用いてビジネスホンシステム200の内線番号が501の仮想端末6(1)に電話を掛け、仮想端末6(1)への着信に携帯電話端末1を通じて代理応答する場合を例にして説明する。
【0043】
<携帯電話端末1への着信の通知処理の概要>
図2は、ダイヤルイン着信が発生した対応電話端末である仮想端末6(1)に対応付けられている携帯電話端末1に、当該着信を通知する場合の処理について説明するための図である。一般外線電話端末10は、ビジネスホンシステム200に割り当てられている外線電話番号と、仮想端末6(1)に割り当てられている内線番号「501」とを用いて発信メッセージを形成し、公衆交換電話網100Cに送出する(処理Pr1)。
【0044】
一般外線電話端末10からの当該発信メッセージは、ビジネスホンシステム200のゲートウェイ3により受信され、LAN7を通じて主装置4に提供される(処理Pr2)。主装置4は、一般外線電話端末10からの着信に応じて、通話回線を接続してこれを保持し、着信先である仮想端末6(1)に対して着信呼び出しを行う(処理Pr3)。この場合、仮想端末6(1)は、物理的な端末としては存在しないので、主装置4から着信呼び出しのための信号が送出されるだけである。しかし、呼び出し先が実在する内線電話端末5(1)、5(2)、…であれば、主装置4からの着信呼び出しに応じて、着信鳴動するなどの着信通知処理が行われる。
【0045】
更に、主装置4は、詳しくは後述する自機のアドレス管理DB(Data Base)の管理情報に従って、仮想端末6(1)に対応付けられている携帯電話端末1を特定し、携帯電話端末1の識別情報を含み、携帯電話端末1に着信通知を行うことを要求する着信通知要求を形成する。そして、主装置4は、形成した着信通知要求を、IP網100Aを通じて対応付けサーバ9に送信する(処理Pr4)。携帯電話端末1の識別情報としては、携帯電話番号やIPアドレスなどを用いることができる。
【0046】
対応付けサーバ9は、主装置4からの着信通知要求に含まれる識別情報に基づいて、携帯電話端末1を特定し、IP網100Aを通じてプッシュ通知により、携帯電話端末1に対し、仮想端末6(1)に着信があることを通知する(処理Pr5)。このように、主装置4は、ダイヤルイン機能により対応電話端末に直接着信があると、当該対応電話端末に対応付けられている携帯電話端末に対して、IP網100Aを通じたルートによって、対応電話端末に着信があることが通知される。
【0047】
<携帯電話端末1を用いた代理応答処理の概要>
図3は、ダイヤルイン着信が発生した対応電話端末である仮想端末6(1)に対応付けられている携帯電話端末1が、当該着信に代理応答する場合の処理について説明するための図である。図2を用いて説明したように、仮想端末6(1)に着信があることが通知された携帯電話端末1の使用者が、当該着信に代理応答する場合には、携帯電話端末1に搭載されている上述した内線電話アプリを起動させる。なお、内線電話アプリは、仮想端末6(1)に着信があることを通知する表示上をタップ操作するなどの簡単な操作により起動できる。また、仮想端末6(1)に着信があることの通知を受けた場合に、内線電話アプリを自動的に起動するようにしてもよい。
【0048】
内線電話アプリが起動されると、携帯電話端末1においては、表示部にソフトウェアキーとして「代理応答ボタン」を表示し、当該ボタンに対する指示入力を応答操作として受け付ける。当該応答操作を受け付けると、携帯電話端末1では、内線電話アプリにより、代理応答情報を形成し、IP網100Aを通じて、代理応答情報管理サーバ2に送信して登録する(処理Pr11)。代理応答情報は、詳しくは後述するが、携帯電話端末1の識別情報、代理応答の対象の端末の識別情報、代理応答を指示する情報からなる。代理応答情報管理サーバ2は、携帯電話端末1からIP網100Aを通じて送信されてきた代理応答情報を受信して記憶する。
【0049】
次に、携帯電話端末1では、内線電話アプリにより、自機が配下に位置付けられているビジネスホンシステム200に対する発信メッセージを形成し、携帯電話網100B及び公衆交換電話網100Cを通じてビジネスホンシステム200に送信する(処理Pr12)。つまり、処理Pr12は、携帯電話端末1が、通話網を通じてビジネスホンシステム200に電話を掛ける処理である。ただし、携帯電話端末1は、ビジネスホンシステム200に予め割り当てられている、自システムの配下に位置付けられている携帯電話端末からの代理応答の依頼を受け付けるための専用電話番号に電話を掛ける。
【0050】
ビジネスホンシステム200のゲートウェイ3は、当該専用電話番号への携帯電話端末1からの着信を受け付けたとする。この場合、ゲートウェイ3は、発信元の携帯電話端末1が、代理応答情報管理サーバ2に登録した代理応答情報の提供を、IP網100Aを通じて代理応答情報管理サーバ2に対して要求する(処理Pr13)。当該要求には、携帯電話端末1の識別情報として、例えば携帯電話番号が含まれており、代理応答情報管理サーバ2は、携帯電話端末1の携帯電話番号を含む代理応答情報を検索する。そして。代理応答情報管理サーバ2は、検索して得た代理応答情報を、IP網100Aを通じてゲートウェイ3に提供する(処理Pr14)。
【0051】
ゲートウェイ3は、代理応答情報管理サーバ2から代理応答情報の提供を受けると、当該代理応答情報に基づいて、仮想端末6(1)への着信について、携帯電話端末1が代理応答することを主装置4に指示する(処理Pr15)。主装置4は、当該指示に応じて、携帯電話端末1との間に携帯電話網100B及び公衆交換電話網100Cを通じて通話回線を接続してこれを保持し、仮想端末6(1)の着信呼び出しをキャンセルする(処理Pr16)。
【0052】
そして、主装置4は、図2の処理Pr1、Pr2により、先に保持した一般外線電話端末10との間の通話回線と、図3の処理Pr12~Pr15により、後に保持した携帯電話端末1との間の通話回線とを接続する。これにより、仮想端末6(1)に電話を掛けてきた一般外線電話端末10と、代理応答を行うためにビジネスホンシステム200の専用電話番号に電話を掛けてきた携帯電話端末1との間に、図3において点線示したように通話回線TLが接続される。これにより、一般外線電話端末10と携帯電話端末1との間で通話回線TLを通じて通話を行うことができる。
【0053】
このように、携帯電話端末1は、自機が対応付けられている仮想端末6(1)に対して、ダイヤルイン機能が用いられて直接に電話がかけられて着信が発生した場合に、当該着信に代理応答することができる。しかも、携帯電話端末1は、外出先などの任意の場所から代理応答することができる。そして、図3に示したように、携帯電話端末1と一般外線電話端末10との間の通話回線は、音声品質に保証のある通話網である携帯電話網100Bと公衆交換電話網100Cとを通じて接続されるので、通話音声が劣化することもなく、安定して高品位に通話を行うことができる。
【0054】
<第1の実施の形態の電話システムを構成する機器の構成例>
次に、第1の実施の形態の電話システムを構成する携帯電話端末1と、代理応答情報管理サーバ2と、ビジネスホンシステム200の構成要素であるゲートウェイ3の構成例及び主装置4との構成例について説明する。
【0055】
≪携帯電話端末1の構成例≫
図4は、携帯電話端末1の構成例を説明するためのブロック図である。図4に示すように、携帯電話端末1は、通話処理系として、送受信アンテナ101A、無線通信部101、送受信信号処理部102、通話音声処理部103を備えている。通話音声処理部103には、受話器(スピーカ)104と、送話器(マイクロホン)105とが接続されている。また、携帯電話端末1は、タッチパネル106を備える。タッチパネル106は、例えばLCDなどの表示部(表示装置)106Dと、表示部106Dの表示画面に設けられたタッチセンサ106Sとかなり、表示機能と操作入力受付機能とを実現する。また、携帯電話端末1は、リンガ107を備える。リンガ107は、制御部110の制御の下、着信音などを放音させるものである。この他にも、図示しないが振動により着信などを通知するバイブレータも備える。
【0056】
さらに、携帯電話端末1は、制御部110と、記憶装置111と、操作部112とを備える。制御部110は、図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read only memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性メモリなどが接続されて構成されたマイクロプロセッサであり、携帯電話端末1の各部を制御する。また、制御部110は、種々のアプリケーションソフトウェアを実行するアプリケーション実行部としての機能をも有し、例えば、上述した内線電話アプリの実行もできるものである。
【0057】
記憶装置111は、比較的に大容量の半導体メモリとそのドライバとからなり、データの書き込み、読み出し、変更、削除などを実現する。記憶装置の記録媒体には、種々のアプリケーションソフトウェアや処理に必要になるデータなどか記憶される他、種々の処理において途中結果を一時記憶するといった作業領域としても用いられる。操作部112は、使用者からの操作入力を受け付けて、受け付けた情報を制御部110に提供する。操作部112には、例えば、電源のオン/オフキーや幾つかのファンクションキーなどが設けられている。
【0058】
そして、携帯電話端末1は、携帯電話網100Bや公衆交換電話網100Cを通じて通話を行ったり、IP網100Aを通じて種々のサーバ装置にアクセスし、データの送受信を行ったり、Webページを閲覧したり、電子メールの送受信を行ったりできる。まず、通話時の処理について説明する。送受信アンテナ101A及び無線通信部101は、広域ネットワーク100を通じて通信を行う機能を実現する。
【0059】
送受信信号処理部102は、送受信アンテナ101A及び無線通信部101を通じて受信した通話音声データを自機において処理可能な形式に変換し、これを通話音声処理部103に供給する。また、送受信信号処理部102は、通話音声処理部103からの音声データを送信する形式のデータに変換し、これを無線通信部101及び送受信アンテナ101Aを通じて相手先に送信する。
【0060】
通話音声処理部103は、送受信信号処理部102からの音声データからアナログ音声信号を形成し、これを受話器104に供給する。また、通話音声処理部103は、送話器105を通じて収音したアナログ音声信号を、デジタル音声信号に変換して、送受信信号処理部102に供給する。これにより、通話を可能にする。この場合、自機から目的とする相手先に電話を掛けて通話回線を接続し通話することもできるし、自機宛ての着信に応答して通話回線を接続し通話することもできる。
【0061】
また、制御部110の制御の下、無線通信部101及び送受信アンテナ101Aを通じて、IP網100A上に設けられている種々のサーバ装置にアクセスし、情報をアップロードしたり、また、目的する情報をダウンロードしたりできる。また、制御部110で実行される閲覧ソフト(ブラウザ)を用いることにより、無線通信部101及び送受信アンテナ101Aを通じて、IP網100A上に設けられている種々のサーバ装置において公開されているWebページにアクセスし、これを閲覧することもできる。
【0062】
また、制御部110で実行されるメールソフトに応じて、電子メールを作成し、無線通信部101及び送受信アンテナ101Aを通じて、IP網100A上に設けられている目的とする相手先のメールサーバに送信できる。また、制御部110で実行されるメールソフトに応じて、無線通信部101及び送受信アンテナ101Aを通じて、IP網100A上に設けられている自己のメールサーバにアクセスし、自己宛の電子メールを取得することもできる。
【0063】
そして、この実施の形態の携帯電話端末1は、内線電話機能部120を備える。内線電話機能部120は、着信通知処理部121と、代理応答情報処理部122と、発信処理部123とからなり、内線電話アプリが実行された制御部110により制御される。着信通知処理部121は、送受信アンテナ101A及び無線通信部101を通じて、対応付けサーバ9から自機が対応付けられている対応電話端末に着信があることのプッシュ通知を受けた場合に、これを使用者に通知する処理を行う。具体的に、着信通知処理部121は、制御部110の制御の下、表示部106Dに対応電話端末に着信ある旨の表示を行ったり、リンガ107を鳴動させたり、図示しないバイブレータを振動させたりする。
【0064】
代理応答情報処理部122は、自機が対応付けられている対応電話端末に着信があることの通知を受けた後であって、内線電話アプリが起動され、使用者による代理応答することの応答操作を受け付けた場合に機能する。代理応答情報処理部122は、代理応答情報を形成し、無線通信部101及び送受信アンテナ101Aを通じてIP網100Aに送出し、代理応答情報管理サーバ2に送信する処理を行う。これにより、代理応答情報管理サーバ2において、当該代理応答情報が蓄積される。
【0065】
発信処理部123は、代理応答情報処理部122と同様に、内線電話アプリが起動され、使用者による代理応答することの応答操作を受け付けた場合に機能する。この場合、発信処理部123は、自機が属するビジネスホンシステム200が収容する所定の専用電話番号への発信メッセージを形成し、携帯電話網100B及び公衆交換電話網100Cを通じて、ビジネスホンシステム200に送信するようにする。すなわち、発信処理部123は、自機が対応付けられている仮想端末に着信があることの通知を受け、これに代理応答する場合に、ビジネスホンシステム200の専用電話番号に電話を掛ける機能を実現する。
【0066】
携帯電話端末1からの専用電話番号への当該発信メッセージの到来を契機として、ビジネスホンシステム200のゲートウェイ3及び主装置4が機能して、携帯電話端末1が代理応答をすることができるように処理することになる。このように、内線電話機能部120の各部の機能により、携帯電話端末1が対応付けられている仮想端末6(1)に着信が発生している場合に、これに応答するようにして、携帯電話端末1を通じて代理応答できるようにしている。
【0067】
≪代理応答情報管理サーバ2の構成例≫
図5は、実施の形態の電話システムの代理応答情報管理サーバ2の構成例を説明するためのブロック図である。接続端子201Tは、IP網100Aへの接続端を構成する。通信I/F(Interface)201は、IP網100Aを通じての通信処理を行う部分である。すなわち、通信I/F201は、IP網100Aを介して送信されてくる自機宛ての信号を、自機において処理可能な形式の信号に変換してこれを取り込む。また、通信I/F201は、自機から目的とする相手先に送信する信号を、送信用の形式の信号に変換してこれをIP網100Aに送出して相手先に送信する。
【0068】
制御部202は、図示しないがCPU、ROM、RAM、不揮発性メモリなどが接続されて構成されたマイクロプロセッサであり、代理応答情報管理サーバ2の各部を制御する。記憶装置203は、例えばハードディスクなどの記憶媒体とそのドライバとからなり、当該記憶媒体へのデータの書き込み、読み出し、変更、削除などを行う。記憶装置203は、種々のプログラムや処理に必要になるデータなどを記憶保持する他、処理の途中結果などを一時記憶する作業領域としても用いられる。
【0069】
代理応答情報メモリ204は、携帯電話端末1などのビジネスホンシステム200の配下の仮想端末や内線電話端末に対応付けられている携帯電話端末からの代理応答情報を記憶保持する。代理応答情報受付部205は、制御部202の制御の下、携帯電話端末1などのビジネスホンシステム200の配下の仮想端末や内線電話端末に対応付けられている携帯電話端末から送信されてくる代理応答情報を受け付ける。そして、代理応答情報受付部205は、受け付けた代理応答情報を、代理応答情報メモリ204に記録する処理を行う。
【0070】
図6(A)は、着信が発生している仮想端末6(1)に対応付けられている携帯電話端末1から、代理応答情報管理サーバ2に送信される代理応答情報の例を説明するための図である。また、図6(B)は、代理応答情報管理サーバ2の代理応答情報メモリ204の格納データの例について説明するための図である。
【0071】
上述したように、対応付けられている仮想端末6(1)に着信があることの通知を受けた携帯電話端末1において、内線電話アプリが実行され、代理応答することの応答操作を受け付けたとする。この場合に、携帯電話端末1の代理応答情報処理部122は、図6(A)に示す代理応答情報を形成して、代理応答情報管理サーバ2に送信してくる。代理応答情報は、図6(A)に示すように、区分、携帯電話番号、ユーザID(内線番号)、ピックアップ特番からなる。
【0072】
区分は、当該送信情報が、代理応答情報であることを示すものであり、代理応答情報管理サーバ2において、受信した情報がどんな情報かを即座に特定できるようにするものである。当該区分は、内線電話アプリにより自動的に付与される。携帯電話番号は、当該代理応答情報の送信元の携帯電話端末1に割り当てられているものであり、携帯電話端末1の識別情報となる。当該携帯電話番号は、携帯電話端末に記憶されているものが用いられる。
【0073】
ユーザID(内線番号)は、内線使用者(内線ユーザ)である携帯電話端末1の使用者が、実際に存在する場合には使用することになる仮想端末を特定する情報であり、この実施の形態では仮想端末の内線番号が用いられる。当該ユーザID(内線番号)は、事前に携帯電話端末に設定しておくことが可能である。ピックアップ特番は、代理応答特番を意味し、ビジネスホンシステム200の主装置4に対して、代理応答の実行を指示するための情報である。当該ピックアップ特番は、予め決められた情報であり、内線電話アプリにより自動的に記録される。
【0074】
図6(A)に示した構成の代理応答情報が、携帯電話端末1から送信されて、代理応答情報管理サーバ2の接続端子201T及び通信I/F201を通じて受信され、代理応答情報受付部205によって受け付けられる。そして、代理応答情報受付部205は、受け付けた代理応答情報を、図6(B)に示した態様で、代理応答情報メモリ204に登録(追加記録)する。これにより、ビジネスホンシステム200において、携帯電話端末が対応付けられている複数の仮想端末や内線電話端末に着信が発生している場合に、どの携帯電話端末から代理応答情報が送信されてきているのかを管理できる。
【0075】
なお、代理応答情報管理サーバ2の代理応答情報メモリ204に格納された代理応答情報は、ゲートウェイ3からの要求に応じて、これを提供した場合には、図6(B)には図示しなかったが、削除フラグをオンにし、一定期間経過後に削除するなどといった対応が可能である。従って、削除フラグがオンにされた代理応答情報は、使用済みであると判別できるので、誤って利用されることがない。
【0076】
提供要求受付部206は、制御部202の制御の下、ゲートウェイ3からの代理応答情報の提供要求を受け付けて、当該要求に含まれる発信元の携帯電話端末の携帯電話番号を代理応答情報検索部207に通知し、代理応答情報の検索を依頼する。代理応答情報検索部207は、提供要求受付部206からの携帯電話番号に基づいて、未使用の代理応答情報を検索し、検索した代理応答情報を代理応答情報提供部208に通知する。代理応答情報提供部208は、代理応答情報検索部207から提供を受けた代理応答情報を、通信I/F201及び接続端子201Tを通じてIP網100Aに送出し、ゲートウェイ3に提供する。これにより、ゲートウェイ3は、どの携帯電話端末が、どの仮想端末(または内線電話端末)の着信について、代理応答したいのかを把握することができる。
【0077】
なお、なんらかの原因により、目的とする代理応答情報が検索できなかった場合には、この結果が代理応答情報検索部207から制御部202に通知される。この場合、制御部202の制御により、発信元の携帯電話端末1に対して、いわゆるプッシュ通知を用いて電話の掛け直しを指示することができる。この場合、発信元の携帯電話端末1は、ビジネスホンシステム200への発信を自機から取りやめて、代理応答情報を再度、代理応答情報管理サーバ2に提供した後に、ビジネスホンシステム200の専用電話番号に対して、再度の発信を行うようにすることができる。
【0078】
このように、代理応答情報管理サーバ2は、携帯電話端末からの代理応答情報の提供を受けて、これを記憶保持して管理する。そして、代理応答情報管理サーバ2は、ゲートウェイ3からの代理応答情報の提供要求に応じて、目的とする代理応答情報を探索し、これをゲートウェイ3に対して提供することができるものである。
【0079】
≪ゲートウェイ3の構成例≫
図7は、ゲートウェイ3の構成例を説明するためのブロック図である。接続端子301Tは、公衆交換電話網100Cへの接続端を構成する。回線I/F(Interface)301は、公衆交換電話網100Cを通じての通信処理を行う部分である。すなわち、回線I/F301は、公衆交換電話網100Cを介して送信されてくる自機宛ての信号を、自機において処理可能な形式の信号に変換してこれを取り込む。また、回線I/F301は、自機から目的とする相手先に送信する信号を、送信用の形式の信号に変換してこれを公衆交換電話網100Cに送出して相手先に送信する。
【0080】
制御部302は、図示しないがCPU、ROM、RAM、不揮発性メモリなどが接続されて構成されたマイクロプロセッサであり、ゲートウェイ3の各部を制御する。制御部302は、接続端子301T及び回線I/F301を通じて、自機宛ての発信メッセージ(発呼メッセージ)を受け付ける発信受付部としても機能する。また、制御部302は、IP網100Aを通じて送信されてくる代理応答情報管理サーバ2からの代理応答情報を、接続端子304T及びLANI/F304を通じて取得する代理応答情報受付部としても機能する。更に、制御部302は、自システムから目的とする相手先への発信メッセージを、公衆交換電話網100Cなどを通じて送信するように制御する発信制御部としても機能する。
【0081】
記憶装置303は、例えばハードディスクなどの記憶媒体とそのドライバとからなり、当該記憶媒体へのデータの書き込み、読み出し、変更、削除などを行う。記憶装置303は、種々のプログラムや処理に必要になるデータなどを記憶保持する他、処理の途中結果などを一時記憶する作業領域としても用いられる。接続端子304Tは、LAN7への接続端を構成する。LANI/F(Interface)304は、LAN7を通じての通信処理を行う部分である。すなわち、LANI/F304は、LAN7を介して送信されてくる自機宛ての信号を、自機において処理可能な形式の信号に変換してこれを取り込む。また、LANI/F304は、自機から目的とする相手先に送信する信号を、送信用の形式の信号に変換してこれをLAN7に送出して相手先に送信する。
【0082】
代理応答情報要求部305は、発信受付部として機能する制御部302が、ビジネスホンシステム200の配下の仮想端末あるいは内線電話端末に対応付けられた携帯電話端末からの専用電話番号への発信メッセージを受け付けた場合に機能する。代理応答情報要求部305は、専用電話番号への発信メッセージに含まれる携帯電話番号を含む、代理応答情報の提供要求を形成し、回線I/F301及び接続端子301Tを通じてIP網100Aに送出し、代理応答情報管理サーバ2に送信する。
【0083】
代理応答要求提供部306は、代理応答情報要求部305からの代理応答情報の提供要求に応じて、代理応答情報管理サーバ2から送信されてくる代理応答情報を受け付けた制御部302の制御の下に機能する。代理応答要求提供部306は、代理応答受付部としての制御部302からの代理応答情報に基づいて、主装置4に対して代理応答を行うように要求する主装置4宛の代理応答要求を形成して、主装置4に提供する。代理応答要求提供部306からの代理応答要求は、LANI/F304及び接続端子304Tを通じてゲートウェイ3からLAN7に送出され、主装置4に送信される。ゲートウェイ機能部307は、公衆交換電話網100CとLAN7との間で送受する信号の形式を変換するなど、公衆交換電話網100CとLAN7とを接続するための種々の処理を実行する。
【0084】
このように、ゲートウェイ3は、通常のゲートウェイ機能に加えて、ビジネスホンシステム200の配下の仮想端末や内線電話端末に対応付けられた携帯電話端末からの専用電話番号への発信メッセージ(着信)に応じて、代理応答情報を取得する機能を有する。更に、ゲートウェイ3は、取得した代理応答情報に基づいて、主装置4への代理応答要求を形成し、これを主装置4に提供する機能を有する。
【0085】
≪主装置4の構成例≫
図8は、主装置4の構成例を説明するためのブロック図である。図9は、主装置4のアドレス管理DB404の格納データの例(図9(A))と、主装置4から送出される着信通知要求の例(図9(B))について説明するための図である。接続端子401Tは、LAN7への接続端を構成する。LANI/F401は、LAN7を通じての通信処理を行う部分である。すなわち、LANI/F401は、LAN7を介して送信されてくる自機宛ての信号を、自機において処理可能な形式の信号に変換してこれを取り込む。また、LANI/F401は、自機から目的とする相手先に送信する信号を、送信用の形式の信号に変換してこれをLAN7に送出して相手先に送信する。
【0086】
制御部402は、図示しないがCPU、ROM、RAM、不揮発性メモリなどが接続されて構成されたマイクロプロセッサであり、主装置4の各部を制御する。記憶装置403は、例えばハードディスクなどの記憶媒体とそのドライバとからなり、当該記憶媒体へのデータの書き込み、読み出し、変更、削除などを行う。記憶装置403は、種々のプログラムや処理に必要になるデータなどを記憶保持する他、処理の途中結果などを一時記憶する作業領域としても用いられる。
【0087】
アドレス管理DB404は、主装置4を通じて呼び出す可能性のある端末装置についてのアドレス情報を記憶保持する。アドレス管理DB(database)404は、例えば、図9(A)に示すように、主装置4に接続された内線電話端末5(1)、5(2)、5(3)、…に関する情報や主装置4に接続された仮想端末6(1)、6(2)、6(3)、…に関する情報を記憶保持する。
【0088】
アドレス管理DB404に記憶される内線電話端末5(1)、5(2)、5(3)、…に関する情報は、種別、内線電話端末の内線電話番号及びIPアドレス、対応付けられる携帯電話端末の携帯電話番号及びIPアドレス、その他の情報が記憶保持される。また、アドレス管理DB404に記憶される仮想端末6(1)、6(2)、6(3)、…に関する情報は、種別、仮想端末の内線電話番号、対応付けられる携帯電話端末の携帯電話番号及びIPアドレス、その他の情報が記憶保持される。
【0089】
種別は、図9(A)に示したように、内線電話端末のアドレス情報か仮想端末のアドレス情報かを示すものである。また、仮想端末6(1)、6(2)、6(3)、…は、携帯電話端末をビジネスホンシステム200の配下に位置付けるためのものであり、実際に主装置4に接続されているものではないので、IPアドレスは存在しない。そして、図9(A)に示した例においては、内線番号が100番台~400番台は内線電話端末用に割り当てられ、内線番号が500番台以上は仮想端末に割り当てられている場合を示している。
【0090】
図9(A)においては、内線電話端末のアドレス情報と仮想端末のアドレス情報について示したが、この他にも、アドレス管理DB404には、主装置4を通じて呼び出す可能性のある電話端末の電話番号やIPアドレスなども記憶保持される。なお、アドレス管理DB404への情報の記録は、図示しない管理用PC(Personal Computer)から行ったり、各内線電話端末や仮想端末6(1)、6(2)、6(3)、…に対応する携帯電話端末からのリクエストに応じて行ったりできる。
【0091】
呼制御部405は、発着信処理機能と通話回線接続機能とを実現する。発着信処理機能には、大きく2つの機能がある。1つは、ゲートウェイ3や内線電話端末5(1)、5(2)、5(3)、…からLAN7を通じて送信されてくる発信要求に応じて、相手先への発信メッセージを形成し、これを相手先に送信する機能である。もう一つは、ゲートウェイ3を通じて受信した自システムへの発信メッセージを受け付けて、内線電話端末5(1)、5(2)、5(3)、…へ着信を通知する機能である。
【0092】
また、通話回線接続機能にも、大きく2つの機能がある。1つは、発着信処理機能により、自機から発信メッセージを送信することにより電話を掛けた相手先から応答メッセージが戻ってきた場合に、内線電話端末などの発信元と着信先との間に通話回線を接続する機能である。もう1つは、発着信処機能により、自機への発信メッセージに応じて、内線電話端末などに着信を通知し、応答操作が行われた場合に、発信元と着信先である当該内線電話端末との間に通話回線を接続する機能である。このように、呼制御部405は、自機から電話を掛けて通話回線を接続するようにしたり、自機への着信に応じて通話回線を接続したりして、通話を行えるようにする処理を行う。
【0093】
端末制御部406は、配下の内線電話端末5(1)、5(2)、5(3)、…のLEDの点灯/消灯制御やLCDへの表示制御、着信音の出力制御など、自機に接続された内線電話端末などの種々の制御を行う。従って、例えば、発信に使用されている電話回線の通知、着信が発生している電話回線の通知、発信時の着信先に関する情報や着信時の発信元に関する情報のLCDへの表示、また、着信音の放音の指示など、種々の制御が端末制御部406により行われる。
【0094】
着信通知要求部407は、自機に接続するようにされている仮想端末6(1)、6(2)、6(3)、…や内線電話端末5(1)、5(2)、5(3)、…に対してダイヤルイン機能が用いられた直接着信が発生した場合に機能する。この場合、着信通知要求部407は、アドレス管理DB404の格納データを確認し、対応付けられている携帯電話端末が存在する場合には、着信通知要求を形成し、IP網100Aを通じて対応付けサーバ9に送信する処理を行う。
【0095】
この場合の着信通知要求は、例えば、図9(B)に示すように、区分、携帯電話番号、IPアドレス、その他の情報からなる。区分は、このデータが対応付けられている仮想端末や内線電話端末に着信があることを通知するためのものであることを示す情報である。携帯電話番号とIPアドレスは、着信を通知すべき携帯電話端末を特定するための情報である。これにより、ダイヤルイン機能が用いられて直接着信が発生している仮想端末や内線電話端末に対応付けられている携帯電話端末に対して、プッシュ通知により対応付けられている対応電話端末に着信があることが通知できる。
【0096】
代理応答処理部408は、ダイヤルイン機能が用いられた外線着信や内線着信が内線電話端末に発生している場合に、この着信に対して他の内線電話端末を用いて応答できるようにする代理応答機能を実現する。この場合、着信が発生している内線電話端末に代わって応答しようとする他の内線電話端末においては、オフフックし、代理応答特番と、着信が発生している内線電話端末の内線番号を入力する。これにより、当該他の内線電話端末から主装置4に対して、代理応答特番と内線番号とからなる代理応答要求が送信される。これに応じて、代理応答処理部408は、指示された内線電話端末に発生している着信の相手先と、代理応答要求の送信元の内線電話端末との間に通話回線を接続し通話ができるようにする。
【0097】
更に、代理応答処理部408は、仮想端末6(1)、…にダイヤルイン機能が用いられた外線着信や内線着信が発生している場合に、仮想端末6(1)、…に対応付けられている携帯電話端末を通じて代理応答することもできるようにしている。同様に、代理応答処理部408は、内線電話端末5(1)、…にダイヤルイン機能が用いられた外線着信や内線着信が発生している場合に、内線電話端末5(1)、…に対応付けられている携帯電話端末を通じて代理応答することもできるようにしている。この場合、代理応答する携帯電話端末は、上述したように、代理応答情報を代理応答情報管理サーバ2に登録し、ビジネスホンシステム200の所定の専用電話番号に電話を掛けてくる。
【0098】
この場合にゲートウェイ3が当該代理応答情報を取得して主装置4に送信してくる。この代理応答情報に応じて代理応答処理部408が機能し、当該代理応答情報により指示された仮想端末あるいは内線電話端末に発生している着信の相手先と、電話を掛けてきている携帯電話端末との間に通話回線を接続し通話ができるようにする。代理応答処理部408は、内線電話端末間の代理応答だけでなく、仮想端末6(1)、…や内線電話端末5(1)、…への着信に、これらの端末に対応付けられている携帯電話端末が代理応答することができる機能も実現する。
【0099】
このように、主装置4は、ビジネスホンシステム200における呼制御を行うと共に、代理応答機能をも実現できるものである。主装置4は、仮想端末6(1)、…や内線電話端末5(1)、5(2)、…に対応付けられている携帯電話端末を通じて代理応答を行うことも可能にしている。
【0100】
[仮想端末6(1)への着信に携帯電話端末1を通じて代理応答する場合の処理]
図10は、一般外線電話端末10からの対応電話端末である仮想端末6(1)への着信に、携帯電話端末1を通じて代理応答する場合の処理を説明するためのシーケンス図である。図10に示すように、一般外線電話端末10の使用者が、一般外線電話端末10を用いてビジネスホンシステム200の仮想端末6(1)に対して、ダイヤルイン機能を用いて電話を掛けたとする(ステップS0)。このステップS0においては、一般外線電話端末10を通じてビジネスホンシステム200に割り当てられた電話番号と、所定の記号例えば「*」と、仮想端末6(1)の内線番号「501」を入力し、仮想端末6(1)に直接に電話を掛けるようにする。
【0101】
ステップS0の発信操作に応じて形成された発信メッセージは、一般外線電話端末10から公衆交換電話網100Cに送出され、ビジネスホンシステム200のゲートウェイ3に送信される(ステップS1)。ゲートウェイ3では、接続端子301T及び回線I/F301を通じて当該発信メッセージを受信し、これをゲートウェイ機能部307が機能して自システムにおいて処理が可能な形式のデータに変換し、LAN7を通じて主装置4に送信する(ステップS2)。
【0102】
主装置4は、ゲートウェイ3からの発信メッセージを受信すると、呼制御部405が機能して、送信元の一般外線電話端末10との間の通話回線を保持し、着信先の仮想端末6(1)に対して着信通知(着信呼び出し)を開始する(ステップS3)。仮想端末6(1)は、仮想的に接続されたものであるため、実際には着信鳴動などの着信通知処理は行われない。しかし、着信通知先(着信呼び出し先)が内線電話端末5(1)等である場合には、主装置4からの着信通知により、着信鳴動などの着信通知処理が行われる。
【0103】
更に、主装置4は、着信通知要求部407が機能して、携帯電話端末1に対して仮想端末6(1)に着信があることを通知するように要求する着信通知要求(図9(B))を形成し、IP網100Aを通じて対応付けサーバ9に送信する(ステップS4)。携帯電話端末1は、上述もしたように、仮想端末6(1)に対応付けられているものであり、アドレス管理DB404の管理情報により特定することができる。これにより、対応付けサーバ9の機能により、仮想端末6(1)に着信が発生していることの通知先である携帯電話端末1が特定される。そして、対応付けサーバ9の機能が用いられて、携帯電話端末1に対してプッシュ通知により、自機が対応付けられている仮想端末6(1)に着信が発生していることが通知される(ステップS5)。
【0104】
当該プッシュ通知を受信した携帯電話端末1では、着信通知処理部121が機能して、表示部106Dに仮想端末6(1)に着信があることを示す表示を行うと共に、リンガ107や図示しないバイブレータを用いた通知処理を行う。携帯電話端末1の使用者は、仮想端末6(1)への着信に代理応答する場合には、例えば、タッチパネル106の表示部106D上に表示された当該通知のための表示をタップ操作するなどの所定の操作を行うことにより、内線電話アプリを起動させる。そして、起動された内線電話アプリにより、タッチパネル106の表示部106Dに表示される代理応答ボタンをタップ操作するなどの代理応答を行うことの応答操作を受け付ける(ステップS10)。
【0105】
携帯電話端末1において、当該応答操作が受け付けられると、制御部110の制御の下、代理応答情報処理部122が機能し、代理応答情報(図6(A))を形成して、IP網100Aを通じて代理応答情報管理サーバ2に送信する(ステップS11)。これにより、代理応答情報管理サーバ2では、代理応答情報受付部205が機能して、携帯電話端末1からの代理応答情報を代理応答情報メモリ204に記録する。
【0106】
さらに、携帯電話端末1では、制御部110の制御の下、発信処理部123が機能し、ビジネスホンシステム200の専用電話番号への発信メッセージを形成し、これを携帯電話網100B及び公衆交換電話網100Cに送出する(ステップS12)。このステップS12の処理は、携帯電話端末1からビジネスホンシステム200の専用電話番号に電話を掛ける処理である。
【0107】
携帯電話端末1からの専用電話番号への発信メッセージを受信したゲートウェイ3は、代理応答情報要求部305が機能して、携帯電話端末1の携帯電話番号を含む代理応答情報の提供要求を形成し、代理応答情報管理サーバ2に送信する(ステップS13)。これに応じて、代理応答情報管理サーバ2では、提供要求受付部206が機能してゲートウェイ3からの提供要求を受け付け、当該提供要求に応じて代理応答情報検索部207が代理応答情報メモリ204から携帯電話端末1用のまだ使用されていない代理応答情報を検索する。そして、代理応答情報管理サーバ2は、代理応答情報提供部208が機能して、代理応答情報検索部207により検索された代理応答情報を、ゲートウェイ3に対して通知(提供)する(ステップS14)。
【0108】
ゲートウェイ3は、代理応答情報管理サーバ2からの携帯電話端末1用の代理応答情報に基づいて、仮想端末6(1)への着信に携帯電話端末1を通じて応答するための代理応答要求を形成し、LAN7を通じて主装置4に供給する(ステップS15)。当該代理応答要求を受信した主装置4は、発信元の携帯電話端末1との通話回線を保持し、ステップS3で開始した仮想端末6(1)への着信通知(着信呼び出し)を終了させる(ステップS16)。
【0109】
この後、主装置4は、制御部110の制御の下、代理応答処理部408が機能して代理応答処理を実行する(ステップS17)。具体的に、代理応答処理部408は、ステップS2の発信メッセージの受信に伴って保持した発信元の一般外線電話端末10との間の通話回線と、ステップS15の代理応答要求の受信に伴って保持した携帯電話端末1との間の通話回線とを接続する。これにより、ビジネスホンシステム200の主装置及びゲートウェイ3を介して、一般外線電話端末10と携帯電話端末1とが、携帯電話網100B及び公衆交換電話網100Cを通じて通話回線により接続される(ステップS18)。これにより、仮想端末6(1)への着信に、携帯電話端末1が代理応答して、一般外線電話端末10と携帯電話端末1とを用いて、通話を行うことができる。
【0110】
[電話システムを構成する各装置での処理]
次に、図10のシーケンス図を用いて説明したように動作するこの実施の形態の電話システムを構成する携帯電話端末1、代理応答情報管理サーバ2、ゲートウェイ3、主装置4のそれぞれにおいて行われる処理について説明する。
【0111】
<携帯電話端末1の処理>
図11は、第1の実施の形態の携帯電話端末1で行われる処理を説明するためのフローチャートである。図11に示す処理は、プッシュ通知により仮想端末6(1)に着信があることが通知された携帯電話端末1において、内線電話アプリが起動するようにされた場合に実行される。なお、内線電話アプリの起動の契機は、上述したように、プッシュ通知後に内線電話アプリを起動する所定の操作が行われた場合、あるいは、プッシュ通知後に自動的に内線電話アプリを起動するようにしている場合の少なくとも2通りの場合がある。
【0112】
そして、内線電話アプリを起動させる契機が到来したとする。この場合、制御部110は、内線電話アプリを起動し(ステップS101)、代理応答ボタンを表示部106Dに表示して、代理応答を行うことを指示する応答操作を、タッチパネル106を通じて受け付ける(ステップS102)。そして、制御部110は、代理応答を行うことを指示する応答操作を受け付けたか否かを判別する(ステップS103)。ステップS103の判別処理において、代理応答を行うことの応答操作は受け付けていないと判別したときには、内線電話アプリを終了させる操作が行われたか否かを判別する(ステップS104)。
【0113】
ステップS104の判別処理において、内線電話アプリを終了させる操作が行われたと判別したとする。この場合、制御部110は、表示部106Dの表示を内線電話アプリ実行前の状態に戻すなどの所定の終了処理を行って(ステップS105)、この内線電話アプリを終了させる。また、ステップS104の判別処理において、内線電話アプリを終了させる操作が行われていないと判別したときには、ステップS102からの処理を繰り返す。
【0114】
そして、ステップS103の判別処理において、代理応答を行うことを指示する応答操作を受け付けたと判別したとする。この場合には、代理応答情報処理部122が機能し、代理応答情報(図6(A))を形成して、IP網100Aを通じて代理応答情報管理サーバ2に送信する(ステップS106)。次に、発信処理部123が機能して、ビジネスホンシステム200の専用電話番号への発信メッセージを形成し、通話網、即ちこの実施の形態においては携帯電話網100B及び公衆交換電話網100Cを通じて送信する(ステップS107)。
【0115】
そして、制御部110は、ビジネスホンシステム200から応答メッセージが送信されて来たか否かを判別する(ステップS108)。ステップS108の判別処理において、応答メッセージが送信されてきたと判別したときには、制御部110は、通話回線を接続するように処理する(ステップS109)。これにより、この実施の形態では電話を掛けた相手先である一般外線電話端末10との間で通話回線が接続され、無線通信部101、送受信信号処理部102、通話音声処理部103を通じて通話を行うことができるようにされる。
【0116】
この後、制御部110は、使用者からの操作入力を受け付けるようにし(ステップS110)、オンフック操作が行われたか否かを判別する(ステップS111)。ステップS111の判別処理において、オンフック操作は行われていないと判別したときには、ステップS110からの処理を繰り返すようにする。ステップS111の判別処理において、オンフック操作がされたと判別した時には、表示部106Dの表示を元に戻すなどの所定の終了処理を行って(ステップS112)、当該内線電話アプリを終了する。
【0117】
また、ステップS108の判別処理において、応答メッセージは送信されてきていないと判別したときには、制御部110は、使用者からの操作入力を受け付けるようにする(ステップS113)。この後、制御部110は、ステップS113において、オンフック操作を受け付けたか否かを判別する(ステップS114)。ステップS114の判別処理において、オンフック操作は受け付けていないと判別したときには、ステップS108からの処理を繰り返すようにする。ステップS114の判別処理において、オンフック操作を受け付けたと判別した時には、表示部106Dの表示を元に戻すなどの所定の終了処理を行って(ステップS112)、当該内線電話アプリを終了する。
【0118】
このように、携帯電話端末1の使用者は、プッシュ通知により対応付けられている仮想端末6(1)に着信があることの通知を受けた場合に、自機を通じて仮想端末6(1)への着信に代理応答するように応答操作を行うことができる。この場合、代理応答に必要な代理応答情報は、IP網100Aを通じて代理応答情報管理サーバ2にて提供し、管理するようにできる。そして、携帯電話端末1は、携帯電話網100B及び公衆交換電話網100Cを通じて、ビジネスホンシステム200の専用電話番号に電話を掛けることにより、ビジネスホンシステム200に対して、仮想端末6(1)の着信に代理応答することを要求できる。
【0119】
<代理応答情報管理サーバ2の処理>
図12は、第1の実施の形態の代理応答情報管理サーバ2で行われる処理を説明するためのフローチャートである。代理応答情報管理サーバ2の制御部202は、常時、図12に示す処理を実行している。そして、制御部202は、接続端子201T及び通信I/F201を通じて、自機宛ての要求や代理応答情報など(以下、要求等と記載する。)を受信するようにし(ステップS201)、自機宛ての要求等を受信したか否かを判別する(ステップS202)。
【0120】
ステップS202の判別処理において、自機宛ての要求等は受信していないと判別した時には、ステップS201からの処理を繰り返すようにする。ステップS202の判別処理において、自機宛ての要求等を受信したと判別したとする。この場合、制御部202は、受信した要求等は、携帯電話端末からの図6(A)に示した構成の代理応答情報か否かを判別する(ステップS203)。ステップS203の判別処理において、受信した要求等が代理応答情報であると判別したとする。この場合、制御部202は、代理応答情報受付部205を制御し、携帯電話端末からの当該代理応答情報を受け付けて、これを代理応答情報メモリ204に記録する処理を行う(ステップS204)。この後、制御部202は、ステップS201からの処理を繰り返す。
【0121】
また、ステップS203の判別処理において、受信した要求等は携帯電話端末からの代理応答情報ではないと判別したときには、制御部202は、受信した要求等は、ゲートウェイ3から提供される代理応答情報の提供要求か否かを判別する(ステップS205)。ステップS205の判別処理において、受信した要求等は、代理応答情報の提供要求であると判別したとする。この場合、制御部202は、提供要求受付を制御してこれを受け付け、当該提供要求に含まれる携帯電話番号を代理応答情報検索部207に提供して、対応する代理応答情報の検索を行うようにする(ステップS206)。
【0122】
これにより、代理応答情報検索部207は、提供要求受付部206からの携帯電話番号に基づいて、該当する代理応答情報を検索して抽出し、抽出した代理応答情報を、代理応答情報提供部208に供給する。代理応答情報提供部208は、代理応答情報検索部207からの代理応答情報を、要求元のゲートウェイ3に提供する処理を行う(ステップS207)。この後、ステップS201からの処理を繰り返すようにする。なお、ステップS205の判別処理において、受け付けた要求等は、代理応答情報の提供要求ではないと判別したとする。この場合、制御部202は、受信した要求等に応じた処理を実行し(ステップS208)、この後、ステップS201からの処理を繰り返すようにする。
【0123】
このように、代理応答情報管理サーバ2は、ビジネスホンシステム200の仮想端末や内線電話端末に対応付けられている携帯電話端末からの代理応答情報の提供を受けて、これを管理することができる。また、代理応答情報管理サーバ2は、ゲートウェイ3からの要求に応じて、ビジネスホンシステム200の仮想端末や内線電話端末に対応付けられている携帯電話端末が代理応答情報管理サーバ2に登録するようにした代理応答情報を提供することができる。
【0124】
<ゲートウェイ3の処理>
図13は、第1の実施の形態の電話システムのゲートウェイ3で行われる処理を説明するためのフローチャートである。ゲートウェイ3の制御部302は、常時、図13に示す処理を実行している。そして、制御部302は、接続端子301T及び回線I/F301を通じて、自機宛ての着信(発信メッセージ)を受信するようにし(ステップS301)、自機宛ての着信が発生したか否かを判別する(ステップS302)。
【0125】
ステップS302の判別処理において、自機宛ての着信は発生していないと判別した時には、制御部302は、ステップS301からの処理を繰り返すようにする。また、ステップS302の判別処理において、自機宛ての着信が発生したと判別したとする。この場合、制御部302は、当該着信はビジネスホンシステム200の仮想端末や内線電話端末に対応付けられた携帯電話端末からの代理応答のための専用電話番号への着信か否かを判別する(ステップS303)。
【0126】
ステップS303の判別処理において、専用電話番号への着信であると判別したときには、制御部302は、代理応答情報要求部305を制御し、代理応答情報の提供要求を形成して、代理応答情報管理サーバ2へ送信する処理を実行する(ステップS304)。これに応じて代理応答情報管理サーバ2からは、専用電話番号への発信元の携帯電話端末を用いた代理応答を可能にするための代理応答情報が送信されてくる。そこで、ゲートウェイ3の制御部302は、接続端子301T及び回線I/F301を通じてこれを受信(取得)し(ステップS305)、代理応答要求提供部306を制御して、代理応答情報に基づく代理応答要求を形成し、主装置4に提供する(ステップS306)。この後、制御部302は、ステップS301からの処理を繰り返す。
【0127】
また、ステップS303の判別処理において、専用電話番号への着信ではないと判別したときには、制御部302は、今回の着信は、ダイヤルイン機能が用いられて仮想端末や内線電話端末への直接着信か否かを判別する(ステップS307)。ステップS307の判別処理により、ダイヤルイン機能が用いられた仮想端末や内線電話端末への直接着信であると判別したときには、ゲートウェイ機能部307が機能し、当該ダイヤルイン着信を主装置4に通知する(ステップS308)。これにより、主装置4において、仮想端末や内線電話端末への着信通知やこれらの端末に対応付けられている携帯電話端末への着信のプッシュ通知を行うように要求する処理が行われる。
【0128】
また、ステップS307の判別処理により、ダイヤルイン機能が用いられた仮想端末や内線電話端末への直接着信ではないと判別したときには、通常の着信があることを主装置に通知する(ステップS309)。これにより、主装置4は、配下の内線電話端末に着信を通知し、応答操作のあった内線電話端末と発信元の電話端末との間に通話回線を接続し、通話をできるようにする。そして、ステップS308の処理の後と、ステップS309の処理の後においては、制御部302は、ステップS301からの処理を繰り返す。
【0129】
このように、ゲートウェイ3は、公衆電話交換網100Cとビジネスホンシステム200とを接続する機能を実現する。そして、ゲートウェイ3は、ビジネスホンシステム200の仮想端末や内線電話端末に対応付けられている携帯電話端末からの専用電話番号への着信を契機として、代理応答情報を代理応答情報管理サーバ2から取得できる。更に、ゲートウェイ3は、取得した代理応答情報に基づいて、専用電話番号への発信元の携帯電話端末を通じて代理応答を行うように主装置4に対して要求することができる。
【0130】
<主装置4の処理>
図14は、第1の実施の形態の電話システムの主装置4で行われる処理を説明するためのフローチャートである。主装置4の制御部402は、常時、図14に示す処理を実行している。そして、制御部402は、接続端子401T及びLANI/F401を通じて、自機宛ての要求等を受信するようにし(ステップS401)、自機宛ての要求等を受信したか否かを判別する(ステップS402)。
【0131】
ステップS402の判別処理において、自機宛ての要求等を受信していないと判別した時には、制御部402は、ステップS401からの処理を繰り返すようにする。また、ステップS402の判別処理において、自機宛ての要求等を受信したと判別したとする。この場合、制御部402は、受信した要求等は、ゲートウェイ3からのダイヤルイン着信を通知するものか否かを判別する(ステップS403)。ダイヤルイン着信か否かは、内線番号の有無によって判別することができる。
【0132】
ステップS403の判別処理において、受信した要求等は、ゲートウェイ3からのダイヤルイン着信を通知するものであると判別したとする。この場合には、制御部402は、呼制御部405や端末制御部406を制御して、着信が発生した対応電話端末、すなわち仮想端末あるいは内線電話端末に対して着信通知を行う(ステップS404)。更に、制御部402は、着信通知要求部407を制御し、着信通知要求を形成し、これを対応付けサーバ9に送信する処理を行う(ステップS405)。このステップS405の処理は、着信が発生した対応電話端末に対応付けられている携帯電話端末に対し、当該対応電話端末に着信は発生していることをプッシュ通知により通知することを対応付けサーバ9に要求する処理である。ステップS405の処理の後においては、制御部402は、ステップS401からの処理を繰り返すようにする。
【0133】
また、ステップS403の判別処理において、受信した要求等は、ゲートウェイ3からのダイヤルイン着信を通知するものではないと判別したとする。この場合には、制御部402は、受信した要求等は、ゲートウェイ3からの代理応答要求か否かを判別する(ステップS406)。ステップS406の判別処理において、受信した要求等は、ゲートウェイ3からの代理応答要求であると判別した時には、制御部402は、代理応答処理部408を制御し、代理応答処理を実行する(ステップS407)。
【0134】
ステップS407の処理は、ダイレクトイン着信が発生している仮想端末あるいは内線電話端末に対応付けられている携帯電話端末であって、専用電話番号に電話を掛けてきた携帯電話端末が、当該ダイレクトイン着信に代理応答する処理である。これにより、上述した第1の実施の形態の場合には、発信元の一般外線電話端末10と当該携帯電話端末1
との間に通話回線が接続され、通話を行うことができる。
【0135】
また、ステップS406の判別処理において、受信した要求等は、ゲートウェイ3からの代理応答要求ではないと判別したとする。この場合、制御部402は、呼制御部405や端末制御部406を制御して、受信した要求等に応じた処理を実行する(ステップS408)。ステップS408においては、通常の発信処理や着信処理などが行われる。これにより、相手先との間に通話回線を接続するようにして、通話を行うことができるようされる。
【0136】
そして、ステップS407、ステップS408の処理の後において、制御部402は、実行するようにしている処理を終了させる事象が発生したか否かを判別する(ステップS409)。すなわち、ステップS407やステップS408においては、通話回線を接続して通話を行うようにしていたり、通話回線を接続するために呼び出しを行っていたりする状態にある。そこで、ステップS409では、電話を掛けてきている相手先や主装置4に接続されている内線電話端末において、オンフック操作が行われるなどの所定の終了事象が発生したか否かを判別する。
【0137】
ステップS409の判別処理において、終了事象が発生していないと判別したときにはステップS409からの処理を繰り返し、実行するようにしている処理の終了事象が発生するのを待つ。また、ステップS409の判別処理において、終了事象が発生したと判別したときには、呼び出しを終了させたり、接続していた通話回線を解放したりするなどの所定の終了処理を行って(ステップS410)、ステップS401からの処理を繰り返すようにする。
【0138】
このように、主装置4は、通常の呼制御を行うと共に、仮想端末や内線電話端末に掛かってきているダイヤルイン着信について、着信先の仮想端末や内線電話端末に対応付けられている携帯電話端末を用いて代理応答を行うことができるようにしている。
【0139】
[第2の実施の形態]
次に、代理応答に必要となる代理応答情報を主装置4Aから代理応答情報管理サーバ2Aに登録する第2の実施の形態の電話システムについて説明する。第2の実施の形態においては、一般外線電話端末10からダイヤルイン機能を用いてビジネスホンシステム200Aの内線番号が501の仮想端末6(1)に電話を掛けるものとする。そして、仮想端末6(1)への着信に、仮想端末6(1)に対応付けられている携帯電話端末1Aを通じて代理応答する場合を例にして説明する。
【0140】
<携帯電話端末1への着信の通知処理の概要>
図15は、ダイヤルイン着信が発生した対応電話端末である仮想端末6(1)に対応付けられている携帯電話端末1Aに、当該着信を通知する場合の処理について説明するための図である。また、図15においても、図2に示した処理と同様に行われる処理や図2に示した装置と同様に構成される装置には、図2と同じ参照符号を付して示している。
【0141】
一般外線電話端末10は、ビジネスホンシステム200Aに割り当てられている外線電話番号と、仮想端末6(1)に割り当てられている内線番号「501」とを用いて発信メッセージを形成し、公衆交換電話網100Cに送出する(処理Pr1)。一般外線電話端末10からの当該発信メッセージは、ビジネスホンシステム200Aのゲートウェイ3により受信され、LAN7を通じて主装置4Aに提供される(処理Pr2)。主装置4Aは、一般外線電話端末10からの着信に応じて、通話回線を接続してこれを保持し、着信先である仮想端末6(1)に対して着信呼び出しを行う(処理Pr3)。この場合、仮想端末6(1)は、物理的な端末としては存在しないので、主装置4Aから着信呼び出しのための信号が送出されるだけである。
【0142】
更に、主装置4Aは、第1の実施の形態の主装置4の場合と同様に構成される自機のアドレス管理DB404の管理情報(図9(A))に従って、着信が発生している仮想端末6(1)に対応付けられている携帯電話端末1Aを通じての代理応答を可能にするための代理応答情報を形成する。そして、主装置4Aは、形成した代理応答情報を、IP網100Aを通じて代理応答情報管理サーバ2Aに提供して登録するようにする(処理Pr4A)。なお、主装置4Aで形成される代理応答情報は、図6(A)に示したものと同様のものである。
【0143】
主装置4Aからの代理応答情報の提供を受けた代理応答情報管理サーバ2Aでは、当該代理応答情報を代理応答情報メモリに登録する。更に、代理応答情報管理サーバ2Aは、主装置4Aからの代理応答情報に基づいて着信通知要求を形成し、IP網100Aを通じて対応付けサーバ9に送信する(処理Pr5A)。当該着信通知要求は、仮想端末6(1)に対応付けられている携帯電話端末1に対して、仮想端末6(1)に着信が発生していることをプッシュ通知により通知することを要求するものである。対応付けサーバ9は、主装置4からの着信通知要求に含まれる識別情報に基づいて、携帯電話端末1を特定し、IP網100Aを通じてプッシュ通知により、携帯電話端末1Aに対し、仮想端末6(1)に着信があることを通知する(処理Pr6A)。
【0144】
このように、第2の実施の形態の電話システムにおいては、主装置4Aが備える機能に特徴がある。すなわち、主装置4Aは、通常の呼制御を行うと共に、携帯電話端末が対応付けられている対応電話端末に対してダイヤルイン着信が発生した場合には、代理応答情報を形成して、これを代理応答情報管理サーバ2に提供して登録する機能を備えている。また、主装置4Aから代理応答情報の提供を受ける代理応答情報管理サーバ2Aは、代理応答情報の管理及び提供を行うだけでない。代理応答情報管理サーバ2Aは、主装置4Aから代理応答情報の提供を受けた場合に、対応電話端末に着信があることを、当該対応電話端末に対応付けられている携帯電話端末にプッシュ通知で知らせることを対応付けサーバ9に要求する処理も行う。
【0145】
<携帯電話端末1を用いた代理応答処理の概要>
図16は、図15を用いて説明したように、ダイヤルイン着信が発生した対応電話端末である仮想端末6(1)に対応付けられている携帯電話端末1Aが、当該着信に代理応答する場合の処理について説明するための図である。なお、図16においても、図3に示した処理と同様に行われる処理や図3に示した装置と同様に構成される装置には、図2と同じ参照符号を付して示している。
【0146】
図3を用いて説明した第1の実施の形態の場合と同様に、仮想端末6(1)に着信があることが通知された携帯電話端末1Aの使用者が、当該着信に代理応答する場合には、携帯電話端末1に搭載されている上述した内線電話アプリを起動させる。上述もしたように、内線電話アプリは、仮想端末6(1)に着信があることの通知のための表示上をタッチするなどの簡単な操作により起動することができる。また、仮想端末6(1)に着信があることのプッシュ通知を受けた場合に、内線電話アプリを自動的に起動するようにしてもよい。
【0147】
内線電話アプリが起動されると、携帯電話端末1の表示画面にソフトウェアキーとして「代理応答ボタン」を表示して、当該ボタンに対する指示入力を応答操作として受け付ける。当該応答操作を受け付けると、携帯電話端末1では、内線電話アプリにより、ビジネスホンシステム200に対する発信メッセージを形成し、携帯電話網100B及び公衆交換電話網100Cを通じてビジネスホンシステム200に送信する(処理Pr12)。つまり、処理Pr12は、携帯電話端末1が、通話網を通じてビジネスホンシステム200に電話を掛ける処理である。ただし、携帯電話端末1は、ビジネスホンシステム200に予め割り当てられている、自システムの配下に位置付けられている携帯電話端末からの代理応答の依頼を受け付けるための専用電話番号に電話を掛ける。
【0148】
ビジネスホンシステム200のゲートウェイ3は、当該専用電話番号への自システムの配下の携帯電話端末1からの着信を受け付けたとする。この場合、ゲートウェイ3は、図15を用いて説明したように、主装置4Aが、代理応答情報管理サーバ2Aに登録した代理応答情報の提供を、IP網100Aを通じて代理応答情報管理サーバ2Aに対して要求する(処理Pr13)。当該要求には、携帯電話端末1Aの識別情報として、例えば携帯電話番号が含まれており、代理応答情報管理サーバ2Aは、携帯電話端末1の識別情報を含む代理応答情報を検索する。そして。代理応答情報管理サーバ2Aは、検索して得た代理応答情報を、IP網100Aを通じてゲートウェイ3に提供する(処理Pr14)。
【0149】
ゲートウェイ3は、代理応答情報管理サーバ2Aからの代理応答情報の提供を受けると、当該代理応答情報に基づいて、仮想端末6(1)への着信について、携帯電話端末1Aが代理応答することを主装置4Aに指示する(処理Pr15)。主装置4Aは、当該指示に応じて、携帯電話端末1Aとの間に携帯電話網100B及び公衆交換電話網100Cを通じて通話回線を接続してこれを保持し、仮想端末6(1)の着信呼び出しをキャンセルする(処理Pr16)。
【0150】
そして、主装置4Aは、図16の処理Pr1、Pr2により、先に保持した一般外線電話端末10との間の通話回線と、図16の処理Pr12~Pr15により、後に保持した携帯電話端末1との間の通話回線とを接続する。これにより、仮想端末6(1)に電話を掛けてきた一般外線電話端末10と、代理応答を行うためにビジネスホンシステム200の専用電話番号に電話を掛けてきた携帯電話端末1Aとの間に、図16において点線示したように通話回線TLが接続される。そして、一般外線電話端末10と携帯電話端末1Aとの間で通話回線TLを通じて通話を行うことができる。
【0151】
この第2の実施の形態の電話システムの場合、代理応答情報は、図15を用いて説明したように、主装置4Aから代理応答情報管理サーバ2Aに提供されて登録される。このため、携帯電話端末1Aが代理応答情報を形成して、代理応答情報管理サーバ2Aに提供して登録する必要がなくなる。従って、図3図16とを比較すると分かるように、携帯電話端末1Aは、対応付けられている仮想端末6(1)に着信があることのプッシュ通知を受けた場合には、ビジネスホンシステム200の専用電話番号に電話を掛けるだけで、仮想端末6(1)への着信に対して代理応答することができる。
【0152】
このように、この第2の実施の形態においても、携帯電話端末1Aは、自機が対応付けられている仮想端末6(1)に対して、ダイヤルイン機能が用いられて直接に電話がかけられて着信が発生した場合に、当該着信に代理応答することができる。しかも、携帯電話端末1Aは、外出先などの任意の場所から代理応答することができる。そして、図16に示したように、携帯電話端末1と一般外線電話端末10との間の通話回線は、通話網である携帯電話網100Bと公衆交換電話網100Cとにおいて接続されるので、通話音声が劣化することもなく、安定して高品位に通話を行うことができる。
【0153】
<電話システムを構成する機器の構成例>
次に、第2の実施の形態の電話システムを構成する携帯電話端末1Aと、代理応答情報管理サーバ2Aと、ビジネスホンシステム200の構成要素である主装置4Aとの構成例について説明する。なお、この第2の実施の形態の電話システムにおいて、ビジネスホンシステム200の構成要素であるゲートウェイ3は、第1の実施の形態のものと同様のものであるので、ゲートウェイ3についての説明は省略する。
【0154】
≪携帯電話端末1の構成例≫
図17は、第2の実施の形態の携帯電話端末1Aの構成例を説明するためのブロック図である。図17に示す第2の実施の形態の携帯電話端末1Aにおいて、図4を用いて説明した第1の実施の形態の携帯電話端末1と同様に構成される部分には、携帯電話端末1と同じ参照符号を付し、当該部分についての説明は省略する。
【0155】
図17図4とを比較すると分かるように、第2の実施の形態の携帯電話端末1Aは、内線電話機能部120Aに、代理応答情報処理部122を備えていない点が第1の実施の形態の携帯電話端末1と異なる。これは、上述したように、主装置4Aが代理応答情報を形成して代理応答情報管理サーバ2Aに提供し、登録するようにしているためである。
【0156】
従って、第2の実施の形態の携帯電話端末1Aにおいては、対応付けられている仮想端末にダイヤルイン機能が用いられた着信があり、これがプッシュ通知により通知されると、着信通知処理部121が機能して、携帯電話端末1Aの使用者に通知する処理を行う。そして、携帯電話端末1Aの使用者が、仮想端末6(1)への代理応答する場合には、発信処理部123が機能し、ビジネスホンシステム200の専用電話番号に電話を掛けるだけで、仮想端末6(1)への着信に代理応答することができる。
【0157】
≪代理応答情報管理サーバ2の構成例≫
図18は、第2の実施の形態の代理応答情報管理サーバ2Aの構成例を説明するためのブロック図である。図18に示す第2の実施の形態の代理応答情報管理サーバ2Aにおいて、図5を用いて説明した第1の実施の形態の代理応答情報管理サーバ2と同様に構成される部分には、代理応答情報管理サーバ2と同じ参照符号を付し、当該部分についての説明は省略する。
【0158】
図18図5とを比較すると分かるように、第2の実施の形態の代理応答情報管理サーバ2Aは、着信通知要求部209を備える点が、第1の実施の形態の代理応答情報管理サーバ2と異なる。すなわち、第1の実施の形態では主装置4が対応付けサーバ9に着信通知要求を提供して、携帯電話端末1に仮想端末6(1)に着信が発生していることのプッシュ通知を行うように要求していた。
【0159】
しかし、第2の実施の形態では、主装置4Aが代理応答情報を形成して代理応答情報管理サーバ2Aに提供し、登録するようにしている。このため、第2の実施の形態においては、代理応答情報の提供を受けた場合に、代理応答情報管理サーバ2Aの着信通知要求部209が機能して、対応付けサーバ9に着信通知要求を提供する。これにより、携帯電話端末1に仮想端末6(1)に着信が発生していることのプッシュ通知を行うように、代理応答情報管理サーバ2Aが対応付けサーバ9に要求することができる。
【0160】
なお、第2の実施の形態の代理応答情報管理サーバ2Aの代理応答情報受付部205は、主装置4AからIP網100Aを通じて提供される代理応答情報を受け付けて、これを代理応答情報メモリ204に登録する処理を行うものとなる。
【0161】
≪主装置4の構成例≫
図19は、第2の実施の形態の主装置4Aの構成例を説明するためのブロック図である。図19に示す第2の実施の形態の主装置4Aにおいて、図8を用いて説明した第1の実施の形態の主装置4と同様に構成される部分には、主装置4と同じ参照符号を付し、当該部分についての説明は省略する。
【0162】
図19図8とを比較すると分かるように、第2の実施の形態の主装置4Aは、着信通知要求部407を備えずに、代理応答情報提供部409を備える点が、第1の実施の形態の主装置4とは異なる。上述もしたように、第2の実施の形態では、主装置4Aが代理応答情報を形成して代理応答情報管理サーバ2Aに提供し、登録するようにしている。このため、第2の実施の形態の主装置4Aは、携帯電話端末が対応付けられている仮想端末6(1)などにダイヤルイン機能が用いられた着信が発生した場合に、代理応答情報提供部409が機能する。
【0163】
代理応答情報提供部409は、アドレス管理DB404に記録されているダイヤルイン着信が発生している仮想端末あるいは内線電話端末の登録データに基づいて、仮想応答情報(図6A)を形成する。そして、代理応答情報提供部409は、形成した代理応答情報を、IP網100Aを通じて代理応答情報管理サーバ2Aに提供し、代理応答情報管理サーバ2Aに登録するように機能する。
【0164】
[仮想端末6(1)への着信に携帯電話端末1Aを通じて代理応答する場合の処理]
図20は、第2の実施の形態において、一般外線電話端末10からの対応電話端末である仮想端末6(1)への着信に、携帯電話端末1Aを通じて代理応答する場合の処理を説明するためのシーケンス図である。図20に示す第2の実施の形態の代理応答をする場合の処理おいて、図10を用いて説明した第1の実施の形態の代理応答する場合の処理と同様に行われる部分には、同じ参照符号を付すようにしている。
【0165】
図20に示すように、一般外線電話端末10の使用者が、一般外線電話端末10を用いてビジネスホンシステム200Aの仮想端末6(1)に対して、ダイヤルイン機能を用いて電話を掛けたとする(ステップS0)。このステップS0においては、一般外線電話端末10を通じてビジネスホンシステム200Aに割り当てられた電話番号と、所定の記号例えば「*」と、仮想端末6(1)の内線番号「501」を入力し、仮想端末6(1)に直接に電話を掛けるようにする。
【0166】
ステップS0の発信操作に応じて形成された発信メッセージは、一般外線電話端末10から公衆交換電話網100Cに送出され、ビジネスホンシステム200Aのゲートウェイ3に送信される(ステップS1)。ゲートウェイ3では、接続端子301T及び回線I/F301を通じて当該発信メッセージを受信し、これをゲートウェイ機能部307が機能して自システムにおいて処理が可能な形式のデータに変換し、LAN7を通じて主装置4Aに送信する(ステップS2)。
【0167】
主装置4Aは、ゲートウェイ3からの発信メッセージを受信すると、呼制御部405が機能して、送信元の一般外線電話端末10との間の通話回線を保持し、着信先の仮想端末6(1)に対して着信通知(着信呼び出し)を開始する(ステップS3)。仮想端末6(1)は、仮想的に接続されたものであるため、実際には着信鳴動などの着信通知処理は行われない。しかし、着信通知先(着信呼び出し先)が内線電話端末5(1)等である場合には、主装置4Aからの着信通知により、着信鳴動などの着信通知処理が行われる。
【0168】
そして、主装置4Aでは、代理応答情報提供部409が機能して、着信が発生している仮想端末6(1)についてのアドレス管理DB404に記録されているデータに基づいて、代理応答情報(図6(A))を形成する。そして、代理応答情報提供部409は、形成した代理応答情報を、IP網100Aを通じて代理応答情報管理サーバ2Aに送信する(ステップS4A)。
【0169】
代理応答情報管理サーバ2Aにおいては、代理応答情報受付部205が機能し、主装置4Aからの代理応答情報を受け付け、これを代理応答情報メモリ204に登録する。更に、代理応答情報管理サーバ2Aにおいては、着信通知要求部209が機能して、着信通知要求(図9(B))を形成し、これをIP網100Aを通じて対応付けサーバ9に送信する(ステップS4B)。なお、着信通知要求(9(B))は、代理応答情報(6(A))に携帯電話端末1AのIPアドレスを含めておくことにより、当該代理応答情報に基づいて形成することができる。
【0170】
そして、対応付けサーバ9の機能が用いられて、携帯電話端末1Aに対してプッシュ通知により、自機が対応付けられている仮想端末6(1)に着信が発生していることが通知される(ステップS5)。当該プッシュ通知を受信した携帯電話端末1Aでは、着信通知処理部121が機能して、表示部106Dに仮想端末6(1)に着信があることを示す表示を行うと共に、リンガ107や図示しないバイブレータを用いた通知処理を行う。
【0171】
携帯電話端末1の使用者は、仮想端末6(1)への着信に代理応答する場合には、例えば、タッチパネル106の表示部106D上に表示された当該通知のための表示をタップ操作するなどの所定の操作を行うことにより、内線電話アプリを起動させる。そして、起動された内線電話アプリにより、タッチパネル106の表示部106Dに表示される代理応答ボタンをタップ操作するなどの代理応答を行うことの応答操作を受け付ける(ステップS10)。
【0172】
携帯電話端末1において、使用者からの応答操作が受け付けられたとする。この場合、携帯電話端末1Aにおいては、制御部110の制御の下、発信処理部123が機能し、ビジネスホンシステム200の専用電話番号への発信メッセージを形成し、これを携帯電話網100B及び公衆交換電話網100Cに送出する(ステップS12A)。このように、プッシュ通知による仮想端末6(1)に着信が発生していることの通知を受けた携帯電話端末1Aは、代理応答する場合、ビジネスホンシステム200Aの専用電話番号に電話を掛ける処理を行うだけである。第1の実施の形態の携帯電話端末1のように、代理応答情報を形成して、代理応答情報管理サーバ2に登録する処理を行うことはない。
【0173】
携帯電話端末1Aからの専用電話番号への発信メッセージを受信したゲートウェイ3は、代理応答情報要求部305が機能して、携帯電話端末1Aの携帯電話番号を含む代理応答情報の提供要求を形成し、代理応答情報管理サーバ2Aに送信する(ステップS13)。これに応じて、代理応答情報管理サーバ2Aでは、提供要求受付部206が機能してゲートウェイ3からの提供要求を受け付け、当該提供要求に応じて代理応答情報検索部207が代理応答情報メモリ204から携帯電話端末1A用のまだ使用されていない代理応答情報を検索する。そして、代理応答情報管理サーバ2Aは、代理応答情報提供部208が機能して、代理応答情報検索部207により検索された代理応答情報を、ゲートウェイ3に対して通知(提供)する(ステップS14)。
【0174】
ゲートウェイ3は、代理応答情報管理サーバ2Aからの携帯電話端末1A用の代理応答情報に基づいて、仮想端末6(1)への着信に携帯電話端末1Aを通じて応答するための代理応答要求を形成し、LAN7を通じて主装置4Aに供給する(ステップS15)。当該代理応答要求を受信した主装置4Aは、発信元の携帯電話端末1Aとの通話回線を保持し、ステップS3で開始した仮想端末6(1)への着信通知(着信呼び出し)を終了させる(ステップS16)。
【0175】
この後、主装置4Aは、制御部110の制御の下、代理応答処理部408が機能して代理応答処理を実行する(ステップS17)。具体的に、代理応答処理部408は、ステップS2の発信メッセージの受信に伴って保持した発信元の一般外線電話端末10との間の通話回線と、ステップS15の代理応答要求の受信に伴って保持した携帯電話端末1Aとの間の通話回線とを接続する。これにより、ビジネスホンシステム200の主装置及びゲートウェイ3を介して、一般外線電話端末10と携帯電話端末1Aとが、携帯電話網100B及び公衆交換電話網100Cを通じて通話回線により接続される(ステップS18)。これにより、仮想端末6(1)への着信に、携帯電話端末1Aが代理応答して、一般外線電話端末10と携帯電話端末1とを用いて、通話を行うことができる。
【0176】
[第2の実施の形態の電話システムを構成する各装置での処理]
次に、図20のシーケンス図を用いて説明したように動作するこの第2実施の形態の電話システムを構成する携帯電話端末1A、代理応答情報管理サーバ2A、ビジネスホンシステム200Aの主装置4Aのそれぞれにおいて行われる処理について説明する。なお、ゲートウェイ3については、構成も処理も第1の実施の形態で説明したものと同じである。
【0177】
<携帯電話端末1Aの処理>
第2の実施の形態の携帯電話端末1Aで行われる処理は、基本的には図11を用いて説明した第1の実施の形態の携帯電話端末1で行われる処理とほぼ同様の処理が行われる。ただし、代理応答情報の形成及び提供処理は、第2の実施の形態の電話システムでは主装置4Aが行う。このため、図11のフローチャートを用いて説明した処理において、ステップS106の代理応答情報の形成及び提供処理を行わないようにした処理が、第2の実施の形態の携帯電話端末1Aにおいて行われる処理となる。
【0178】
<代理応答情報管理サーバ2Aの処理>
第2の実施の形態の代理応答情報管理サーバ2Aで行われる処理は、基本的には図12を用いて説明した第1の実施の形態の代理応答情報管理サーバ2で行われる処理とほぼ同様の処理が行われる。ただし、代理応答情報の提供は主装置4Aから受け、対応付けサーバ9への着信通知要求を行う処理が追加になる。すなわち、図12のフローチャートを用いて説明した処理において、ステップS204の処理は、主装置4Aからの代理応答情報を受け付けて、代理応答情報メモリ204に登録する処理となる。そして、ステップS204の処理の後に、着信通知要求部209が機能して、着信通知要求(図9(B))を形成し、IP網100Aを通じて対応付けサーバ9に提供する処理が行われる。
【0179】
<主装置4Aの処理>
第2の実施の形態の主装置4Aで行われる処理は、基本的には図14を用いて説明した第1の実施の形態の主装置4で行われる処理とほぼ同様の処理が行われる。ただし、対応付けサーバ9への着信通知要求の形成及び送信処理は行わず、これに替えて、代理応答情報管理サーバ2Aへの代理応答情報の形成及び送信処理が行われることになる。このため、図14のフローチャートを用いて説明した処理において、ステップS405において、対応付けサーバ9への着信通知要求の形成及び送信処理は行わず、これに替えて、代理応答情報管理サーバ2Aへの代理応答情報の形成及び送信処理が行われることになる。
【0180】
[実施の形態の効果]
上述した実施の形態の電話システムによれば、一般外線電話端末10から携帯電話端末1、1Aが対応付けられている仮想端末6(1)、…、内線電話端末5(1)、…に電話を掛けることで、携帯電話端末1、1Aを通じて通話を行うようにすることができる。この場合、ビジネスホンシステムが備えている代理応答機能を利用する。代理応答機能を用いるために必要になる代理応答情報は、IP網100Aを通じて代理応答情報管理サーバ2に提供し、代理応答情報管理サーバ2おいて管理することができる。
【0181】
そして、ビジネスホンシステム200、200Aにおいては、携帯電話端末1、1Aからの専用電話番号への着信を契機として、当該代理応答情報を取得する。この取得した代理応答情報を用いて、ビジネスホンシステム200、200Aが、一般外線電話端末10と携帯電話端末1、1Aとの間を仲介する。すなわち、ビジネスホンシステム200、200Aの配下の端末に電話を掛けてきている一般外線電話端末10とビジネスホンシステム200、200Aに電話を掛けてきている携帯電話端末1、1Aとの間に通話回線を接続して通話を行うようにできる。
【0182】
また、一般外線電話端末10と携帯電話端末1、1Aとの間に接続される通話回線は、携帯電話網100Bや公衆交換電話網100Cといった高品位に音声通話を行うことができる通話網を通じて接続される。このため、音声による通話を高品位に、かつ、安定して行うようにできる。
【0183】
また、一般外線電話端末10は、ビジネスホンシステム200、200Aの配下の端末に電話を掛けているだけであるので、一般外線電話端末10からビジネスホンシステム200、200Aまでの間の通信料を負担すれば済む。ビジネスホンシステム200、200Aから携帯電話端末1、1Aまでの通話回線は、携帯電話端末1、1Aが電話を掛けることにより接続されており、この間の通信料は、携帯電話端末1、1A側の負担となる。従って、一般外線電話端末10は、安価に携帯電話端末1、1Aに電話を掛けることができる。
【0184】
[変形例]
上述した実施の形態では、一般外線電話端末10からビジネスホンシステム200、200Aの仮想端末6(1)にダイヤルイン機能を用いて電話を掛ける場合を例にして説明した。しかし、携帯電話端末が対応付けられている例えば内線電話端末5(1)に対して、ダイヤルイン機能を用いて電話を掛けた場合にも、上述した実施の形態の場合と同様に、代理応答を行うようにできる。この場合には、内線電話端末5(1)に対応付けられている携帯電話端末を用いて代理応答を行うようにすることができる。
【0185】
また、外部の携帯電話端末からビジネスホンシステム200、200Aの仮想端末6(1)、…や内線電話端末5(1)、…にダイヤルイン機能を用いて電話を掛けた場合にも、着信先の端末に対応付けられている携帯電話端末を用いて代理応答することができる。
【0186】
また、ビジネスホンシステム200、200Aの例えば内線電話端末5(1)が、自システムの仮想端末6(1)、…や、他の内線電話端末5(2)、…に内線電話を掛けた場合に、相手先の端末に携帯電話端末が対応付けられていたとする。この場合にも、相手先の端末に対応付けられている携帯電話端末を通じて、代理応答を行うことができる。内線電話の場合には、内線電話端末5(1)からの内線電話のための発信メッセージが、ゲートウェイ3を介さずに直接に主装置4、4Aに供給される点が異なるだけである。従って、内線電話についても、上述した第1、第2の実施の形態の場合と同様にして、着信先の仮想端末や内線電話端末に対応付けられている携帯電話端末を用いて代理応答を行うことができる。
【0187】
なお、上述した実施の形態では、ビジネスホンシステム200、200Aの配下の携帯電話端末1、1Aは、内線電話ソフトによってビジネスホンシステム200に収容されている電話回線の内の所定の電話番号(専用電話番号)に電話を掛けるものとして説明した。しかし、これに限るものではない。例えば、ゲートウェイ3において、ビジネスホンシステム200、200Aの配下に位置付けられる携帯電話端末1、1Aの携帯電話番号を記憶保持しておく。そして、ゲートウェイ3は、記憶保持している携帯電話番号を含む発信メッセージを受信した場合に、代理応答情報管理サーバ2、2Aに当該携帯電話番号を含む代理応答情報の提供を要求するようにしてもよい。
【0188】
また、ゲートウェイ3において、ビジネスホンシステム200、200Aの配下に位置付けられる携帯電話端末1、1Aの携帯電話番号を記憶保持しておく。そして、ビジネスホンシステム200の配下の携帯電話端末1は、内線電話ソフトによってビジネスホンシステム200に収容されている電話回線の内の所定の電話番号(専用電話番号)に電話を掛けるようにする。そして、ゲートウェイ3は、当該専用電話番号宛ての発信メッセージが、記憶保持している携帯電話番号を含むものである場合に、代理応答情報管理サーバ2、2Aに当該携帯電話番号を含む代理応答情報の提供を要求するようにしてもよい。
【0189】
また、上述した実施の形態では、ゲートウェイ3と主装置4、4Aとで電話制御装置としての機能を実現するようにしたが、これに限るものではない。ゲートウェイ3の機能と主装置4の機能を併せ持つ1つの電話制御装置を構成することもできる。
【0190】
また、代理応答情報管理サーバ2、2Aは、インターネット上にいわゆるクラウドシステムの一部として設けることができる。また、代理応答情報管理サーバ2、2Aは、DMZ(Demilitarized Zone)等と呼ばれるインターネットとビジネスホンシステム200との中間につくられる中間ネットワーク上に設けることができる。また、代理応答情報管理サーバ2、2Aは、ビジネスホンシステム200のLAN7に接続するようにして、LAN7を通じてアクセスできるようにしてもよい。
【0191】
また、携帯電話端末1、1Aに対応付けられている仮想端末または内線電話端末に対してダイヤルイン着信が発生した場合の携帯電話端末1、1Aへのプッシュ通知は、他のプッシュ通知とは通知の態様を変えるようにしてもよい。例えば、なんらかの操作がされるまで、通知を継続して行うことにより、ダイヤルイン着信の発生を確実に通知するようにできる。通知の態様は、携帯電話端末1、1Aで動作する内線電話アプリにより制御可能である。
【0192】
また、ダイヤルイン着信時のプッシュ通知の態様は、種々の態様とすることができる。すなわち、音声、振動、表示画面への表示を用いることが可能である。この場合、携帯電話端末1、1Aへの通常の着信時における着信通知と区別するため、通常の着信時における着信通知とは異なる態様で着信通知を行うことが好ましい。例えば、着信音を変えたり、振動パターンを変えたり、表示メッセージを変えたりすることができる。この場合にも、携帯電話端末1、1Aで動作する内線電話アプリにより制御可能である。
【0193】
また、主装置4、4Aと対応付けサーバ9が共同し、ダイヤルイン着信の発信元の電話番号や氏名、名称などの情報を、携帯電話端末1、1Aに提供し、携帯電話端末1、1Aの表示画面に表示して、使用者に提供することも可能である。この場合には、発信元に関する情報は、主装置4、4Aから対応付けサーバ9に提供し、これをプッシュ通知に含めて、携帯電話端末1、1Aに提供すればよい。提供の態様は、携帯電話端末1、1Aで動作する内線電話アプリにより制御可能である。表示による提供だけでなく、音声による提供も可能である。
【0194】
[その他]
上述した実施の形態の説明からも分かるように、請求項1の電話制御装置の着信通知処理手段の機能は、実施の形態の主装置4の着信通知要求部407が実現している。また、請求項1の電話制御装置の代理応答情報要求手段の機能は、実施の形態のゲートウェイ3の代理応答情報要求部305が実現している。また、請求項1の電話制御装置の代理応答処理手段の機能は、実施の形態の主装置4の代理応答処理部408が実現している。
【0195】
また、請求項1の代理応答情報管理サーバの代理応答情報受付手段の機能は、実施の形態の代理応答情報管理サーバ2の代理応答情報受付部205が実現している。また、請求項1の代理応答情報管理サーバの提供要求受付手段の機能は、実施の形態の代理応答情報管理サーバ2の提供要求受付部206が実現している。また、請求項1の代理応答情報管理サーバの代理応答情報検索手段の機能は、実施の形態の代理応答情報管理サーバ2の代理応答情報検索部207が実現している。また、請求項1の代理応答情報管理サーバの代理応答情報提供手段の機能は、実施の形態の代理応答情報管理サーバ2の代理応答情報提供部208が実現している。
【0196】
また、請求項1の携帯電話端末の着信通知処理手段の機能は、実施の形態の携帯電話端末1の着信通知処理部121が実現している。また、請求項1の携帯電話端末の受付手段の機能は、実施の形態の携帯電話端末1のタッチパネル106が実現している。また、請求項1の携帯電話端末の代理応答情報処理手段の機能は、実施の形態の携帯電話端末1の代理応答情報処理部122が実現している。また、請求項1の携帯電話端末の発信処理手段の機能は、実施の形態の携帯電話端末1の発信処理部123が実現している。
【0197】
また、請求項2の電話制御装置の代理応答情報提供手段の機能は、実施の形態の主装置4Aの代理応答情報提供部409が実現している。また、請求項2の電話制御装置の代理応答情報要求手段の機能は、実施の形態のゲートウェイ3の代理応答情報要求部305が実現している。また、請求項2の電話制御装置の代理応答処理手段の機能は、実施の形態の主装置4Aの代理応答処理部408が実現している。
【0198】
また、請求項2の代理応答情報管理サーバの代理応答情報受付手段の機能は、実施の形態の代理応答情報管理サーバ2Aの代理応答情報受付部205が実現している。また、請求項2の代理応答情報管理サーバの着信通知要求手段の機能は、実施の形態の代理応答情報管理サーバ2Aの着信通知要求部209が実現している。また、請求項2の代理応答情報管理サーバの提供要求受付手段の機能は、実施の形態の代理応答情報管理サーバ2Aの提供要求受付部206が実現している。また、請求項2の代理応答情報管理サーバの代理応答情報検索手段の機能は、実施の形態の代理応答情報管理サーバ2Aの代理応答情報検索部207が実現している。また、請求項2の代理応答情報管理サーバの代理応答情報提供手段の機能は、実施の形態の代理応答情報管理サーバ2Aの代理応答情報提供部208が実現している。
【0199】
また、請求項2の携帯電話端末の着信通知処理手段の機能は、実施の形態の携帯電話端末1Aの着信通知処理部121が実現している。また、請求項2の携帯電話端末の受付手段の機能は、実施の形態の携帯電話端末1Aのタッチパネル106が実現している。また、請求項2の携帯電話端末の発信処理手段の機能は、実施の形態の携帯電話端末1Aの発信処理部123が実現している。
【0200】
また、携帯電話端末1の内線電話機能部120を構成する着信通知処理部121、代理応答情報処理部122、発信処理部123の各機能は、制御部110において実行されるソフトウェアによって制御部110の機能として実現することもできる。同様に、携帯電話端末1Aの内線電話機能部120Aを構成する着信通知処理部121、発信処理部123の各機能は、制御部110において実行されるソフトウェアによって制御部110の機能として実現することもできる。
【0201】
また、代理応答情報管理サーバ2の代理応答情報受付部205、提供要求受付部206、代理応答情報検索部207、代理応答情報提供部208の各機能は、制御部202において実行されるソフトウェアによって制御部202の機能として実現することもできる。同様に、代理応答情報管理サーバ2Aの代理応答情報受付部205、提供要求受付部206、代理応答情報検索部207、代理応答情報提供部208、着信通知要求部209の各機能は、制御部202において実行されるソフトウェアによって制御部202の機能として実現することもできる。
【0202】
また、ゲートウェイ3の代理応答情報要求部305、代理応答要求提供部306、ゲートウェイ機能部307の各機能は、制御部302において実行されるソフトウェアによって制御部302の機能として実現することもできる。また、主装置4の呼制御部405、端末制御部406、着信通知要求部407、代理応答処理部408の各機能は、制御部402において実行されるソフトウェアによって制御部402の機能として実現することもできる。同様に、主装置4Aの呼制御部405、端末制御部406、代理応答処理部408、代理応答情報提供部409、の各機能は、制御部402において実行されるソフトウェアによって制御部402の機能として実現することもできる。
【0203】
また、図11のフローチャートに示した処理を実行するソフトウェアを構成し、これを携帯電話端末に搭載する。これにより、この発明の電話システムの携帯電話端末1を実現することができる。また、図12のフローチャートに示した処理を実行するソフトウェアを構成し、これをサーバ装置に搭載する。これにより、この発明の電話システムの代理応答情報管理サーバ2を実現することができる。
【0204】
また、図13のフローチャートに示した処理を実行するソフトウェアを構成し、これをゲートウェイに搭載する。これにより、この発明の電話システムのゲートウェイ3を実現することができる。また、図14のフローチャートに示した処理を実行するソフトウェアを構成し、これを主装置に搭載する。これにより、この発明の電話システムの主装置4を実現することができる。
【符号の説明】
【0205】
1、1A…携帯電話端末、101A…送受信アンテナ、101…無線通信部、102…送受信信号処理部、103…通話音声処理部、104…受話器(スピーカ)、105…送話器(マイクロホン)、106…タッチパネル、106D…表示部、106S…タッチセンサ、107…リンガ、110…制御部、111…記憶装置、112…操作部、120、120A…内線電話機能部、2、2A…代理応答情報管理サーバ、201T…接続端子、201…通信I/F、202…制御部、203…記憶装置、204…代理応答情報メモリ、205…代理応答情報受付部、206…提供要求受付部、207…代理応答情報検索部、208…代理応答情報提供部、209…着信通知要求部、3…ゲートウェイ、301T…接続端子、301…回線I/F、302…制御部、303…記憶装置、304…LANI/F、304T…接続端子、305…代理応答情報要求部、306…代理応答要求提供部、307…ゲートウェイ機能部、4、4A…主装置、401T…接続端子、401…LANI/F、402…制御部、403…記憶装置、404…アドレス管理DB、405…呼制御部、406…端末制御部、407…着信通知要求部、408…代理応答処理部、409…代理応答情報提供部、5(1)、5(2)…内線電話端末、6(1)…仮想端末、7…LAN、200、200A…ビジネスホンシステム、8…ファイアウォール、9…対応付けサーバ、10…一般外線電話端末
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