(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-12
(45)【発行日】2022-08-22
(54)【発明の名称】荷物管理システム
(51)【国際特許分類】
G07C 9/20 20200101AFI20220815BHJP
【FI】
G07C9/20
(21)【出願番号】P 2021180223
(22)【出願日】2021-11-04
【審査請求日】2021-11-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】303021458
【氏名又は名称】アイ・ネット・リリー・コーポレーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】志村 毅
(72)【発明者】
【氏名】今西 高夫
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/054317(WO,A1)
【文献】特開2020-042374(JP,A)
【文献】特開2020-160967(JP,A)
【文献】特開2002-087536(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C 9/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を保管することが可能な保管庫への入退室を管理する制御部と、
前記保管庫に入退室する入退室人に対して第1認証情報を発行する認証情報発行部と、を備え、
前記制御部は、前記入退室人が前記保管庫から退室する際に、前記第1認証情報と、前記保管庫内の荷物に関連付けられた第2認証情報とを用いた認証が成立することに基づいて前記保管庫からの前記入退室人の退室を許可
し、
前記保管庫には、複数の棚板を有する複数の保管棚と、前記荷物の置き場所を報知する報知部と、が設けられ、
前記報知部は、
前記入退室人として前記荷物の配送人が前記保管庫に入室した際には、複数の前記保管棚のうち、前記荷物を置くことが可能な所定の保管棚の位置を、前記棚板の位置を指定することなく前記配送人に報知し、
前記入退室人として前記荷物の受取人が前記保管庫に入室した際には、前記荷物が置かれている前記所定の保管棚の前記棚板の位置を前記受取人に報知する
荷物管理システム。
【請求項2】
前記認証情報発行部は、前記第1認証情報を二次元コードで発行する
請求項1に記載の荷物管理システム。
【請求項3】
前記第2認証情報は、前記荷物に装着可能なRFIDタグに記憶されている
請求項1~2のいずれか一項に記載の荷物管理システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記入退室人が前記保管庫に入室する際に、前記第1認証情報に基づく認証を行い、当該認証が成立することに基づいて前記入退室人の前記保管庫への入室を許可する
請求項1~3のいずれか一項に記載の荷物管理システム。
【請求項5】
前記報知部は、前記荷物の置き場所を画像で表示する表示装置である
請求項
1~4のいずれか一項に記載の荷物管理システム。
【請求項6】
前記報知部は、前記荷物の置き場所を点灯で通知する発光装置である
請求項
1~4のいずれか一項に記載の荷物管理システム。
【請求項7】
前記保管庫への入退室人の入退室履歴、前記保管庫への前記荷物の持ち込み履歴、及び前記保管庫からの前記荷物の持ち出し履歴の少なくとも一つを監視する監視部を更に備える
請求項1~
6のいずれか一項に記載に荷物管理システム。
【請求項8】
前記監視部により監視される前記保管庫からの前記荷物の持ち出し履歴に基づいて前記荷物の配送人、受取人、及び差出人の少なくとも一人に前記荷物の受け取りが完了した旨を通知する通知部を更に備える
請求項
7に記載の荷物管理システム。
【請求項9】
複数の前記保管棚のそれぞれの棚板における前記荷物の有無の情報、及び前記配送人が前記荷物を置いた前記所定の保管棚の前記棚板の位置の情報を監視する監視部を更に備え、
前記報知部は、前記監視部により得られる情報に基づいて、前記荷物を置くことが可能な前記所定の保管棚の位置の情報、及び前記荷物が置かれている前記所定の保管棚の前記棚板の位置の情報を取得する
請求項1~6のいずれか一項に記載の荷物管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記の特許文献1に記載の宅配ボックスがある。特許文献1に記載の宅配ボックスは例えばマンション等の集合住宅に設置されている。宅配ボックスが設置されている集合住宅では、例えば配送人が荷物を配達した際に受取人が不在である場合、配送人はその荷物を、宅配ボックスに設けられる複数の収容室のうちのいずれかに収容することができる。宅配ボックスに荷物が一旦収容されれば、受取人は自身の都合の良いときに宅配ボックスの収容室から荷物を取り出して受け取ることができる。そのため、宅配の利便性を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように宅配ボックスを設置すれば利便性が向上するため、集合住宅等には可能な限り宅配ボックスを設置することが好ましい。しかしながら、荷物の大きさにはばらつきが存在するため、様々な大きさの荷物を各収容室に収容可能にしようとすると、各収容室の大きさとして、ある程度の大きさを確保する必要がある。その一方で、設置スペースの制約等により宅配ボックスの大きさには限界がある。結果的に、宅配ボックスでは、管理可能な収容室の数が少なくなり易い傾向がある。また、宅配ボックスの導入には高額な費用が必要である。これらが、宅配ボックスの普及を阻害する要因となっている。
【0005】
一方、近年、玄関前等の受取人が指定した場所に荷物を置く、いわゆる置き配の普及も進んでいる。置き配であれば、収容室の数に制限があるといった問題や、高額な導入費が必要であるといった問題が生じ難いため、それらの点で宅配ボックスよりも有利である。しかしながら、セキュリティの面に関しては宅配ボックスよりも置き配の方が不利である。
【0006】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、セキュリティを確保しつつ、収容性能を向上させることが可能な荷物管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する荷物管理システムは、荷物を保管することが可能な保管庫への入退室を管理する制御部と、保管庫に入退室する入退室人に対して第1認証情報を発行する認証情報発行部と、を備える。制御部は、入退室人が保管庫から退室する際に、第1認証情報と、保管庫内の荷物に関連付けられた第2認証情報とを用いた認証が成立することに基づいて保管庫からの入退室人の退室を許可する。
【0008】
この構成によれば、配送人は保管庫内に自由に荷物を置くことができるため、収容性能を向上させることができる。しかも、第1認証情報と第2認証情報との照合が成立しなければ、入退室人は保管庫から退室することができないため、セキュリティ性を確保することもできる。
上記の荷物管理システムにおいて、認証情報発行部は、第1認証情報を二次元コードで発行することが好ましい。
【0009】
上記の荷物管理システムにおいて、第2認証情報は、荷物に装着可能なRFIDタグに記憶されていることが好ましい。
この構成によれば、RFIDタグのリユースにより、環境に優しいシステムを構築することができる。
【0010】
上記の荷物管理システムにおいて、制御部は、入退室人が保管庫に入室する際に、第1認証情報に基づく認証を行い、当該認証が成立することに基づいて入退室人の保管庫への入室を許可することが好ましい。
この構成によれば、認証が成立しなければ保管庫に入室できないため、セキュリティ性を更に高めることが可能である。
【0011】
上記の荷物管理システムにおいて、保管庫には、荷物の置き場所を報知する報知部が設けられていることが好ましい。
この構成によれば、入退室人が荷物の置き場所を認知し易くなる。
【0012】
上記の荷物管理システムにおいて、報知部は、荷物の置き場所を画像で表示する表示装置であることが好ましい。
上記の荷物管理システムにおいて、報知部は、荷物の置き場所を点灯で通知する発光装置であることが好ましい。
【0013】
上記の荷物管理システムにおいて、保管庫への入退室人の入退室履歴、保管庫への荷物の持ち込み履歴、及び保管庫からの荷物の持ち出し履歴の少なくとも一つを監視する監視部を更に備えることが好ましい。
この構成によれば、不正持ち出し等を防止することができる。
【0014】
上記の荷物管理システムにおいて、監視部により監視される保管庫からの荷物の持ち出し履歴に基づいて荷物の配送人、受取人、及び差出人の少なくとも一人に荷物の受け取りが完了した旨を通知する通知部を更に備えることが好ましい。
この構成によれば、荷物の受け取りが完了したことを容易に認知することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の荷物管理システムによれば、セキュリティを確保しつつ、収容性能を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態の荷物管理システムの概略構成を示すブロック図。
【
図2】実施形態の保管庫の概略構成を示すブロック図。
【
図3】実施形態の保管庫の入口扉周辺の正面構造を示す正面図。
【
図4】実施形態の保管棚の正面構造を模式的に示す正面図。
【
図5】実施形態の箱材の斜視構造を模式的に示す斜視図。
【
図6】実施形態のRFIDタグの概略構成を示すブロック図。
【
図7】実施形態の保管庫のハードウェア的な構成を示すブロック図。
【
図8】実施形態の制御装置の機能的な構成を示すブロック図。
【
図9】(A)及び(B)は、実施形態の荷物基本情報に登録されている情報の一例を模式的に示す図。
【
図10】実施形態の保管棚使用情報の一例を模式的に示す図。
【
図11】実施形態のタッチパネルに表示される画面例を示す図。
【
図12】実施形態の配送業者管理装置及び保管庫管理装置のハードウェア的な構成を示すブロック図。
【
図13】実施形態の配送業者管理装置の機能的な構成を示すブロック図。
【
図14】実施形態の保管庫管理装置の機能的な構成を示すブロック図。
【
図15】実施形態の荷物管理システムの動作例を示すシーケンスチャート。
【
図16】実施形態の荷物管理システムの動作例を示すシーケンスチャート。
【
図17】実施形態の荷物管理システムの動作例を示すシーケンスチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、荷物管理システムの一実施形態について図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
図1に示される本実施形態の荷物管理システム1は、配送業者から受取人に配送される荷物を複数の保管庫2において無人で管理することが可能なシステムである。荷物管理システム1は、配送業者が所有する配送業者管理装置3と、複数の保管庫2を統括的に管理する保管庫管理装置4とを備えている。配送業者管理装置3は、配送人が所持する端末装置5、荷物100の受取人が所持する端末装置6、及び荷物100の差出人が所持する端末装置7等と通信可能である。
【0018】
はじめに、保管庫2の構成について説明する。保管庫2は、荷物を一時的に預けることが可能な構造物である。保管庫2には、例えば集合住宅の一室、駅や駅周辺の建物の一室、並びに空き地や駐輪場等に設置されたプレハブ等を用いることが可能である。
図2に示されるように、保管庫2には、電子錠の機能を有する入口扉21が設けられている。保管庫2への入室は入口扉21からのみ可能である。
図3に示されるように、保管庫2の外部から入口扉21を見たときに、入口扉21の外側の部分には読み込み装置23が設けられている。読み込み装置23は、荷物の配送人及び受取人が有する二次元コード、具体的にはQRコード(登録商標)を読み込むための装置である。読み込み装置23によりQRコードが読み込まれると、QRコードに含まれる情報に基づいて認証が行われる。この認証が成立することに基づいて入口扉21が解錠されて、保管庫2への入室が可能となる。
【0019】
図2に示されるように、保管庫2の内部には、荷物を置くことが可能な複数の保管棚80が配置されている。本実施形態の荷物管理システム1では、配送人が保管庫2に入室して保管棚80に荷物を置くことで、荷物が保管庫2に預けられた状態になる。その後、受取人が保管庫2に入室して、保管棚80に置かれている荷物を受け取ることにより、荷物の配達が完了する。
【0020】
図4に示されるように、保管棚80は鉛直方向Zに所定の間隔をあけて配置される複数の板状の棚板81を有している。保管棚80はアルミニウム等の金属材料により形成されている。棚板81には、配送人から受取人に配送される単数又は複数の荷物100を置くことが可能である。なお、荷物100は、例えば段ボール箱で梱包されている。各棚板81には、荷物100の大きさに応じて単数又は複数の荷物100を置くことが可能である。例えば大きい荷物100aの場合には、一つの棚板81に一つの荷物100aしか置くことができない。これに対し、小さい荷物100b~100dの場合には一つの棚板81に複数の荷物100b~100dを置くことができる。このように、本実施形態の保管棚80を用いれば、荷物100の大きさに応じて棚板81に荷物100を効率的に配置することが可能である。したがって、複数の収容室が仕切られている宅配ボックスと比較すると、設置スペースをより有効に活用することができるため、収容性能を向上させることが可能である。
【0021】
なお、荷物100には、生鮮食品等の劣化の懸念があるものが存在する。このような生鮮食品等に関しては、その劣化を抑制するために、
図5に示されるような発砲スチロール製の箱材110に梱包することが可能である。箱材110は、
図2に示される保管庫2内の所定のスペースA10に予め複数置かれている。したがって、配送人は、入口扉21から保管庫2内に入室した後、スペースA10に置かれている複数の箱材110のいずれかに荷物100を収容することになる。一方、受取人は、棚板81に置かれている箱材110から荷物100を取り出した後、その箱材110をスペースA10に返却することになる。したがって、箱材110に関してはリユースが可能となっている。
【0022】
図4に示されるように、荷物100にはRFIDタグ120が取り付けられている。
図6に示されるように、RFIDタグ120の記憶領域121にはタグ識別コードが記憶されている。タグ識別コードは、複数のRFID120のそれぞれに個別に設定されている固有のコードである。RFIDタグ120は、例えば配送人が荷物100を保管棚80に置く前に、タグガン等を用いて荷物100に打ち込まれる。また、受取人は、保管棚80に置かれた荷物100を受け取った後、荷物100からRFIDタグ120を取り外して、
図2に示される保管庫2内の返却場所A11にRFIDタグ120を返却する。このようにして返却されたRFIDタグ120はタグガンに充填されることでリユースされる。
【0023】
なお、
図5に示される箱材110にはRFIDタグ120が予め取り付けられている。したがって、箱材110のリユースに伴って、RFIDタグ120のリユースも可能となっている。
図2に示されるように、保管庫2の内部における入口扉21付近にはタッチパネル24が設置されている。タッチパネル24では、荷物の配送及び受け取りに関する各種作業を行うことが可能である。例えば、配送人は、荷物100に打ち込まれたRFIDタグ120とQRコードとを関連付ける作業をタッチパネル24で行うことができる。この際、配送人は、例えば荷物100のサイズ等の情報をタッチパネル24の操作により入力することになる。
【0024】
また、タッチパネル24には、配送人及び受取人に対する各種情報が表示される。例えば、配送人が保管庫2に入室した際、タッチパネル24には、荷物100を置くことが可能な保管棚80の情報等が表示される。また、受取人が保管庫2に入室した際、タッチパネル24には、荷物が置かれている場所等が表示される。本実施形態では、タッチパネル24が表示装置に相当する。
【0025】
図4に示されるように、複数の保管棚80のそれぞれの各棚板81には、発光機能を有するICタグ82がそれぞれ設置されている。受取人が保管庫2に入室すると、複数の棚板81のうち、自身が受け取るべき荷物100が置かれている棚板81のICタグ82が点灯する。そのため、受取人は、荷物100が置かれている場所を容易に認知することができる。
【0026】
図2に示されるように、保管庫2の内部には複数のカメラ25が設置されている。複数のカメラ25は保管庫2の内部状況を監視するためのものであり、死角が存在しないように配置されている。
保管庫2には、電子錠の機能を有する出口扉22が設けられている。保管庫2の内部における出口扉22の付近には、対をなす読み込み装置26及びアンテナ装置27が複数配置されている。読み込み装置26は、入口扉21付近の読み込み装置26と同様に、配送人や受取人が有するQRコードを読み取るための装置である。アンテナ装置27は、荷物100や箱材110に打ち込まれたRFIDタグ120の記憶領域121に記憶されるタグ識別コードを読み込むための装置である。受取人が、保管棚80から荷物100を受け取った後に、読み込み装置26においてQRコードを読み込ませ、且つ荷物100や箱材110に打ち込まれたRFIDタグ120をアンテナ装置27に読み込ませると、出口扉22が解錠される。これにより、受取人は保管庫2から退室することが可能となる。
【0027】
なお、配送人は、複数の読み込み装置26のいずれかでQRコードを読み込ませると、出口扉22が解錠される。そのため、配送人も同様に保管庫2から退室することが可能である。
図7に示されるように、保管庫2は、施解錠装置91,92と、近距離無線通信装置50と、外部通信装置60と、制御装置70とを更に備えている。
【0028】
施解錠装置91は入口扉21の施錠及び解錠を電気的に行う装置である。施解錠装置92は出口扉22の施錠及び解錠を電気的に行う装置である。
近距離無線通信装置50は、荷物100に打ち込まれているRFIDタグ120や、棚板81のICタグ82と無線通信を行うための装置である。
【0029】
外部通信装置60は、
図1に示される保管庫管理装置4と有線又は無線で通信を行うための装置である。
制御装置70は保管庫2を統括的に制御する装置である。制御装置70は、そのハードウェア的な構成として、プロセッサ70a及び記憶装置70b等を備えている。プロセッサ70aは、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphical Processing Unit)等である。記憶装置70bはメモリ、HDD(Hard Disk Drive)及び/又はSSD(Solid State Drive)等である。
【0030】
図8に示されるように、制御装置70は、その機能的な構成として、記憶部71、通信部72、制御部73、監視部74、及び通知部75等を備えている。
記憶部71には、保管庫2や荷物100に関する各種情報が記憶されている。記憶部71は、制御装置70が備える記憶装置70bにより実現可能である。記憶部71には、例えば各荷物100に対応したQRコードに含まれる荷物基本情報が記憶されている。荷物基本情報には、例えば
図9(A)に示されるような発送企業番号、お問い合わせ番号、保管場所、及び氏名が含まれている。発送企業番号は、荷物100を配送する企業を識別可能な番号である。お問い合わせ番号は、荷物100に対して個別に割り振られる番号である。保管場所は、配送人が荷物100を預ける保管庫2の名称である。複数の保管庫2には互いに異なる名称が割り振られているため、荷物基本情報に含まれる保管場所の情報により、荷物100が保管されている保管庫2を識別することが可能である。氏名は、荷物100の差出人の氏名や受取人の氏名等である。
【0031】
一方、配送人が、
図2に示されるタッチパネル24を操作して、荷物100に関連付けられるQRコードと、荷物100に打ち込まれているRFIDタグ120とを関連付ける作業を行うと、その作業に応じた各種情報が荷物基本情報に追加される。例えば、荷物基本情報には、
図9(B)に示されるような保管棚位置情報が更に登録される。保管棚位置情報は、荷物100が置かれる保管棚80の棚板81の識別情報である。保管棚位置情報は、保管庫2内の各保管棚80の複数の棚板81に対して個別に割り振られている。また、配送人がタッチパネル24を操作することにより入力される荷物100のサイズの情報や、RFIDタグ120の記憶領域121に記憶されているタグ識別コード等も荷物基本情報に追加される。以下では、
図9(B)に示される荷物基本情報を「更新後荷物基本情報」と称する。
【0032】
また、記憶部71には、例えば
図10に示されるような保管庫2内の各保管棚80の使用状況を示す保管棚使用情報が記憶されている。
図10の「保管棚B」の情報は、
図4に示されるように複数の荷物100が置かれているときの保管棚使用情報を例示したものである。
図10に示されるように、保管棚使用情報では、荷物100を置くことが可能な棚板81には「○」の印が付され、荷物100を置くことができない棚板81には「×」の印が付されている。保管棚使用情報は監視部74により常時更新される。
【0033】
通信部72は保管庫管理装置4と各種通信を行うための装置である。通信部72は、制御装置70の記憶装置70bに記憶されたプログラムをプロセッサ70aが実行して外部通信装置60を制御することで実現可能である。保管庫管理装置4は、例えば
図9(A)に示される荷物基本情報を保管庫2に送信する。通信部72は、この保管庫管理装置4から保管庫2に送信される荷物基本情報を受信すると、受信した荷物基本情報を記憶部71に記憶させる。
【0034】
制御部73は保管庫2への入退室を管理する。制御部73は、制御装置70の記憶装置70bに記憶されたプログラムをプロセッサ70aが実行して施解錠装置91,92を制御することにより実現可能である。
例えば、荷物100を所持する配送人が保管庫2に入室するためにQRコードを入口扉21の読み込み装置23にかざすと、制御部73は、読み込み装置23により読み込まれたQRコードに含まれる荷物基本情報と、記憶部71に記憶される荷物基本情報とを照合する。制御部73は、それらの照合が成立した場合には、施解錠装置91を駆動させて入口扉21を解錠する。その後、配送人が入口扉21を開けて保管庫2に入室した後、入口扉21が閉じると、制御部73は施解錠装置91を駆動させて入口扉21を施錠する。なお、荷物100の受取人がQRコードを入口扉21の読み込み装置23に読み込ませた場合にも、制御部73は、同様に入口扉21の解錠及び施錠を行う。
【0035】
また、配送人が保管庫2内で荷物100を保管棚80に置いた後、QRコードを読み込み装置26に読み込ませた場合にも、制御部73は、読み込み装置26により読み込まれたQRコードに含まれる荷物基本情報と、記憶部71に記憶される荷物基本情報とを照合する。制御部73は、それらの照合が成立した場合には、施解錠装置92を駆動させて出口扉22を解錠する。その後、配送人が出口扉22を開けて保管庫2に退出した後、出口扉22が閉じると、制御部73は施解錠装置92を駆動させて出口扉22を施錠する。
【0036】
一方、保管庫2内の荷物100を受け取った受取人が保管庫2から退室するために、QRコードを読み込み装置26に読み込ませ、且つ荷物100に打ち込まれたRFIDタグ120をアンテナ装置27に読み込ませると、制御部73は、読み込み装置26により読み込まれるQRコードに含まれる荷物基本情報と、RFIDタグ120の記憶領域121に記憶されるタグ識別コードとを読み込む。制御部73は、QRコードに含まれる荷物基本情報と、記憶部71に記憶される更新後荷物基本情報とを照合する処理、並びにRFIDタグ120の記憶領域121に記憶されるタグ識別コードと、記憶部71に記憶される更新後荷物基本情報とを照合する処理を実行するとともに、それらの照合が成立した場合には、施解錠装置91を駆動させて出口扉22を解錠する。その後、受取人が出口扉22を開けて保管庫2から退出した後、出口扉22が閉じると、制御部73は施解錠装置91を駆動させて入口扉21を施錠する。
【0037】
監視部74は、保管庫2内に設置される各カメラ25により撮像される画像データに基づいて荷物100の配置状況等を常時監視している。
例えば、監視部74は、各カメラ25により逐次撮像される画像データに基づいて各保管棚80の棚板81における荷物100の有無を検出するとともに、検出された各保管棚80の棚板81における荷物100の有無に基づいて、記憶部71に記憶されている保管棚使用情報を常時更新する。
【0038】
また、監視部74は、各カメラ25により逐次撮像される画像データに基づいて各種の画像認識処理を実行する。例えば、監視部74は、配送人がQRコードの認証を経て保管庫2内に入室した場合には、各カメラ25により逐次撮像される画像データに基づいて配送人の行動を常時監視している。監視部74は、各カメラ25により逐次撮像される画像データに基づいて、配送人が荷物100を置いた保管棚80の棚板81の位置を検出する。そして、監視部74は、検出された保管棚80の棚板81の位置に応じた保管棚位置情報を、配送人のQRコードに対応した荷物基本情報に関連付けて記憶部71に記憶させる。
【0039】
さらに、監視部74は、配送人及び受取人等の入退室人がQRコードの認証を経て保管庫2内に入室した場合にも、同様に各カメラ25により逐次撮像される画像データに基づいて、保管庫2への入退室人の入退室履歴、保管庫2への荷物100の持ち込み履歴、及び保管庫2からの荷物100の持ち出し履歴を常時監視している。
【0040】
通知部75は配送人及び受取人に対して各種通知を行う。通知部75は、制御装置70の記憶装置70bに記憶されたプログラムをプロセッサ70aが実行してタッチパネル24、近距離無線通信装置50、及び外部通信装置60等を制御することにより実現可能である。
【0041】
例えば、通知部75は、配送人がQRコードの認証を通じて入口扉21から保管庫2内に入室した場合には、記憶部71に記憶される保管棚使用情報に基づいて、保管庫2内で荷物100を置くことが可能な保管棚80の位置情報をタッチパネル24に表示する。例えば、タッチパネル24には、
図11に示されるような保管庫2内のレイアウト画面G10が表示される。この保管庫レイアウト画面G10では、荷物100を置くことが可能な保管棚80が白抜きで表示され、荷物100を置くことが不可能な保管棚80がグレーアウトで表示される。配送人は、このタッチパネル24に表示される保管庫レイアウト画面G10を見ることにより、荷物100を置くことが可能な保管棚80を容易に認知することができる。なお、保管庫レイアウト画面G10では、荷物100を置くことが可能な保管棚80を表示する際の色、及び荷物を置くことが不可能な保管棚80を表示する際の色を任意に変更可能である。
【0042】
また、通知部75は、受取人がQRコードの認証を通じて入口扉21から保管庫2内に入室した場合には、記憶部71から、そのQRコードに対応した荷物基本情報を読み込む。そして、通知部75は、荷物基本情報に含まれる保管棚位置情報に対応したICタグ82に対して点灯指令を送信する。これにより、受取人が受け取るべき荷物100が置かれた棚板81のICタグ82が点灯するため、受取人は荷物の位置を容易に認知することができる。本実施形態では、ICタグ82が発光装置に相当する。
【0043】
さらに、通知部75は、監視部74により監視されている受取人の行動履歴に基づいて、受取人が保管棚80の荷物を受け取った後に保管庫2から退室したことを検出した場合には、荷物の受け取り完了通知を外部通信装置60により保管庫管理装置4に送信する。
次に、
図1に示される配送業者管理装置3及び保管庫管理装置4の構成について説明する。
【0044】
図12に示されるように、配送業者管理装置3及び保管庫管理装置4は、そのハードウェア的な構成として、プロセッサ30a、記憶装置30b、通信IF30c、入力デバイス30d、及び出力デバイス30e等を備えている。プロセッサ30aはCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphical Processing Unit)等である。記憶装置30bはメモリ、HDD(Hard Disk Drive)及び/又はSSD(Solid State Drive)等である。通信IF30cは、有線通信又は無線通信を行う装置である。入力デバイス30dは、入力操作を受け付ける装置であり、例えばキーボード、タッチパネル、マウス及び/又はマイク等である。出力デバイス30eは、情報の出力を行う装置であり、例えばディスプレイ、タッチパネル及び/又はスピーカ等である。
【0045】
図13に示されるように、配送業者管理装置3は、その機能的な構成として、通信部31、入力部32、及び認証情報発行部33を備えている。
通信部31は、保管庫管理装置4、配送人が所持する端末装置5、荷物100の受取人が所持する端末装置6、及び荷物100の差出人が所持する端末装置7と有線通信又は無線通信を行う。通信部31は、プロセッサ30aが記憶装置30bに記憶されるプログラムを実行して通信IF30cを制御することにより実現可能である。通信部31は、例えば保管庫管理装置4との通信により全ての保管庫2の保管棚使用情報を取得する。また、通信部31は、保管庫管理装置4から送信される受け取り完了通知を受信した場合には、それを配送人端末装置5、受取人端末装置6、及び差出人端末装置7に転送する。
【0046】
入力部32は、配送業者の従業員により操作される部分である。入力部32は入力デバイス30dにより実現可能である。従業員は、入力部32を操作することにより、例えば保管庫管理装置4から取得した全ての保管庫2の保管棚使用情報を参照しつつ、差出人の荷物100を預ける保管庫2を選択することができる。
【0047】
認証情報発行部33は、差出人から配送業者が荷物100を預かった際に、差出人が提供する情報、配送業者が所有している情報、及び入力部32の入力情報等に基づいて、
図9(A)に示される荷物基本情報を作成する。具体的には、認証情報発行部33は、
図9(A)に示される荷物基本情報に含まれる情報のうち、発送企業番号、お問い合わせ番号、及び氏名に関しては、差出人が提供する情報、及び配送業者が所有する情報に基づいて作成する。また、配送業者が入力部32を操作して、荷物を預ける保管庫2の場所を選択すると、認証情報発行部33は、その選択情報に基づいて、
図9(A)に示される保管場所の情報を作成する。また、認証情報発行部33は、
図9(A)に示される荷物基本情報を含むQRコードを発行する。認証情報発行部33により作成される荷物基本情報は、通信部31により保管庫管理装置4に送信される。また、認証情報発行部33により作成されるQRコードは、通信部31により配送人端末装置5及び受取人端末装置6にそれぞれ送信される。認証情報発行部33は、プロセッサ30aが記憶装置30bに記憶されるプログラムを実行することにより実現可能である。
【0048】
図14に示されるように、保管庫管理装置4は、その機能的な構成として、記憶部41、及び通信部42を備えている。
記憶部41には、保管庫2や荷物100に関する各種情報が記憶されている。記憶部41は記憶装置30bにより実現可能である。記憶部71には、例えば配送業者管理装置3から保管庫管理装置4に送信される荷物基本情報が記憶されている。また、記憶部71には、各保管庫2から保管庫管理装置4に送信される保管棚使用情報が記憶されている。
【0049】
通信部42は複数の保管庫2及び配送業者管理装置3と有線通信又は無線通信を行う。通信部42は、プロセッサ30aが記憶装置30bに記憶されるプログラムを実行して通信IF30cを制御することにより実現可能である。
通信部42は、例えば配送業者管理装置3から送信される荷物基本情報を受信すると、当該荷物基本情報を記憶部41に記憶させる。また、通信部42は、荷物基本情報に含まれる保管場所の情報に基づいて、その保管場所に対応した保管庫2に荷物基本情報を転送する。
【0050】
さらに、通信部42は、各保管庫2から保管棚使用情報を逐次取得するとともに、取得した各保管庫2の保管棚使用情報を記憶部41に記憶させる。通信部42は、配送業者管理装置3からの要求に応じて、記憶部41に記憶されている各保管庫2の保管棚使用情報を配送業者管理装置3に送信する。
【0051】
また、通信部42は、いずれかの保管庫2から送信される受け取り完了通知を受信した場合には、受信した受け取り完了通知を配送業者管理装置3に送信する。
次に、
図15~
図17を参照して、本実施形態の荷物管理システム1の動作例について説明する。
【0052】
例えば差出人が、受取人に届ける荷物100を配送業者に持ち込むと、配送業者の従業員が配送業者管理装置3の入力部32を操作して各保管庫2の空き情報を検索する。これにより、
図15に示されるように、配送業者管理装置3が保管庫管理装置4に保管庫2の空き情報を要求すると(ステップS10)、保管庫管理装置4から配送業者管理装置3に全ての保管庫2の保管棚使用情報が送信されるとともに(ステップS40)、その保管棚使用情報が配送業者管理装置3により受信される(ステップS11)。その後、配送業者の従業員が配送業者管理装置3の入力部32を操作して、複数の保管庫2のうちの一つの保管庫2を選択することにより、荷物100を預ける保管庫2が決定すると(ステップS12)、その保管庫2の情報、差出人により提供される情報、及び配送業者が所有している情報に基づいて、
図9(A)に示されるような荷物基本情報を配送業者管理装置3が作成する(ステップS13)。また、配送業者管理装置3は、その荷物基本情報を含むQRコードを発行する(ステップS14)。本実施形態では、QRコードに含まれる情報が第1認証情報に相当する。配送業者管理装置3は、QRコードを配送人端末装置5及び受取人端末装置6にそれぞれ送信するとともに(ステップS15,S16)、荷物基本情報を保管庫管理装置4に送信する(ステップS17)。配送人端末装置5及受取人端末装置6では、配送業者管理装置3から送信されるQRコードを受信すると(ステップ20,S30)、各端末装置5,6に設けられるディスプレイにQRコードを表示することが可能となる。一方、保管庫管理装置4は、配送業者管理装置3から送信される荷物基本情報を受信すると(ステップS41)、それに含まれる保管場所の情報に基づいて、複数の保管庫2のうち、荷物100が預けられる保管庫2を特定するとともに(ステップS42)、特定された保管庫2に荷物基本情報を送信する(ステップS43)。保管庫2の通信部72は、保管庫管理装置4から送信される荷物基本情報を受信すると(ステップS50)、それを記憶部71に記憶させる(ステップS51)。
【0053】
図16は、荷物100を所持する配送人が保管庫2に荷物100を預ける際の荷物管理システム1の動作例を示したものである。
図16に示されるように、まず、配送人が保管庫2に到着した後、端末装置5のディスプレイにQRコードを表示させて(ステップS60)、それを入口扉21の読み込み装置23にかざすと、そのQRコードが読み込み装置23により読み込まれる(ステップS70)。このとき、保管庫2の制御部73は、QRコードに含まれる荷物基本情報と、記憶部71に記憶される荷物基本情報とを照合する認証処理を実行して(ステップS71)、それらの照合が成立した場合には入口扉21を解錠する(ステップS72)。その後、配送人が入口扉21を開けて保管庫2に入室した後、入口扉21が閉じると、保管庫2の制御部73は入口扉21を施錠する(ステップS73)。
【0054】
一方、保管庫2の通知部75は、ステップS71の処理で照合が成立することに基づいて、記憶部71から保管棚使用情報を読み込むとともに、読み込んだ保管棚使用情報に基づいて、
図11に示されるような保管庫レイアウト画面G10をタッチパネル24に表示する(ステップS74)。配送人は、タッチパネル24に表示される保管庫レイアウト画面G10を見ることにより、荷物100を置くことが可能な保管棚80を容易に認知することができる。このように、本実施形態では、タッチパネル24が、荷物100の置き場所を報知する報知部に相当する。
【0055】
その後、配送人がタグガンを用いてRFIDタグ120を荷物100に打ち込んだ後、荷物100のサイズ等を入力する作業、及びQRコードにRFIDタグ120を関連付ける作業をタッチパネル24で行うと、荷物100のサイズ、及びRFIDタグ120の記憶領域121に記憶されているタグ識別コード等の情報が、記憶部71に記憶されている荷物基本情報に追加される(ステップS75)。本実施形態では、RFIDタグ120の記憶領域121に記憶されるタグ識別コードが第2認証情報に相当する。
【0056】
続いて、配送人が、RFIDタグ120が打ち込まれた荷物100を複数の保管棚80のうちのいずれかの棚板81に置くと、保管庫2の監視部74が、各カメラ25により逐次撮像される画像データに基づいて、荷物100が置かれた保管棚80の棚板81の位置を検出する(ステップS76)。このとき、監視部74は、検出された保管棚80の棚板81の位置に応じた保管棚位置情報を、記憶部71に記憶されている荷物基本情報に更に追加する(ステップS77)。以上の配送人の一連の行動により、荷物基本情報は、
図9(B)に示されるような情報に更新されることになる。
【0057】
その後、配送人が、端末装置5のディスプレイにQRコードを表示させて(ステップS61)、それを保管庫2内の読み込み装置26にかざすと、そのQRコードが読み込み装置26により読み込まれる(ステップS78)。このとき、保管庫2の制御部73は、QRコードに含まれる荷物基本情報と、記憶部71に記憶される荷物基本情報とを照合する認証処理を実行して(ステップS79)、それらの照合が成立した場合には出口扉22を解錠する(ステップS80)。その後、配送人が出口扉22を開けて保管庫2から退出した後、出口扉22が閉じると、保管庫2の制御部73は出口扉22を施錠する(ステップS81)。以上により、配送人が荷物100を保管庫2に預ける作業は完了する。
【0058】
図17は、保管庫2に預けられた荷物100を受取人が受け取る際の荷物管理システム1の動作例を示したものである。
図17に示されるように、まず、受取人が保管庫2に到着した後、端末装置6のディスプレイにQRコードを表示させて(ステップS90)、それを入口扉21の読み込み装置23にかざすと、そのQRコードが読み込み装置23により読み込まれる(ステップS100)。このとき、保管庫2の制御部73は、QRコードに含まれる荷物基本情報と、記憶部71に記憶される荷物基本情報とを照合する認証処理を実行して(ステップS101)、それらの照合が成立した場合には入口扉21を解錠する(ステップS102)。その後、受取人が入口扉21を開けて保管庫2に入室した後、入口扉21が閉じると、保管庫2の制御部73は入口扉21を施錠する(ステップS103)。
【0059】
一方、保管庫2の通知部75は、ステップS101の処理で照合が成立することに基づいて、記憶部71から、QRコードに対応した荷物基本情報を読み込むとともに、読み込んだ荷物基本情報に含まれる保管棚位置情報に基づいて、その保管棚位置情報に対応したICタグ82を点灯させる(ステップS104)。これにより、受取人は、自身の荷物100が置かれている棚板81の位置を容易に認知することができる。このように、本実施形態では、ICタグ82も、荷物100の置き場所を報知する報知部に相当する。
【0060】
その後、受取人が荷物100を受け取った後、端末装置5のディスプレイにQRコードを表示させて(ステップS91)、それを保管庫2内の読み込み装置26にかざすと、そのQRコードが読み込み装置26により読み込まれる(ステップS105)。また、荷物100に打ち込まれたRFIDタグ120をアンテナ装置27に読み込ませると、そのRFIDタグ120の記憶領域121に記憶されているタグ識別コードが読み込まれる(ステップS106)。このとき、保管庫2の制御部73は、QRコードに含まれる荷物基本情報と、記憶部71に記憶されている更新後荷物基本情報とを照合する認証処理、並びにRFIDタグ120の記憶領域121に記憶されているタグ識別コードと、記憶部71に記憶されている更新後荷物基本情報とを照合する認証処理を実行して(ステップS107)、それらの照合が成立した場合には出口扉22を解錠する(ステップS108)。その後、受取人が出口扉22を開けて保管庫2から退室した後、出口扉22が閉じると、保管庫2の制御部73は出口扉22を施錠する(ステップS109)。
【0061】
保管庫2の通知部75は、監視部74により監視されている保管庫2内の情報に基づいて保管庫2から受取人が退室したことを検出すると(ステップS110)、受け取り完了通知を保管庫管理装置4に送信する(ステップS111)。この受け取り完了通知は、保管庫管理装置4を介して配送業者管理装置3に通知される。配送業者管理装置3は、受け取り完了通知を受信すると(ステップS120)、それを配送人端末装置5及び受取人端末装置6、並びに荷物100の差出人の端末装置7に送信する(ステップS121)。
【0062】
以上説明した本実施形態の荷物管理システム1によれば、以下の(1)~(5)に示される作用及び効果を得ることができる。
(1)荷物管理システム1は、保管庫2の入退室を管理する制御部73と、保管庫2に入退室する受取人に対してQRコードを発行する認証情報発行部33とを備える。本実施形態では、受取人が入退室人に相当する。制御部73は、受取人が保管庫2から退室する際に、QRコードに含まれる荷物基本情報と、保管庫2内の荷物100に打ち込まれたRFIDタグ120に記憶されている荷物基本情報とを用いた認証が成立することに基づいて、保管庫2からの受取人の退室を許可する。この構成によれば、配送人は保管庫2内の保管棚80に自由に荷物100を置くことができるため、収容性能を向上させることができる。しかも、QRコードに含まれる荷物基本情報と、RFIDタグ120に記憶されている荷物基本情報との照合が成立しなければ、受取人は保管庫2から退室することができないため、セキュリティ性を確保することもできる。
【0063】
(2)荷物100には、タグ識別コードが記憶されたRFIDタグ120が装着される。なお、荷物100へのRFIDタグ120の装着には、荷物100にRFIDタグ120をタグガン等で打ち込むことや、荷物100にRFIDタグ120を貼り付けること等が含まれる。この構成によれば、RFIDタグ120のリユースにより、環境に優しいシステムを構築することができる。
(3)制御部73は、配送人及び受取人が保管庫2に入室する際に、QRコードに基づく認証を行い、当該認証が成立することに基づいて、配送人及び受取人の保管庫2への入室を許可する。この構成によれば、QRコードに基づく認証が成立しなければ保管庫2に入室できないため、セキュリティ性を更に高めることができる。
【0064】
(4)保管庫2には、荷物100の置き場所を画像で表示するタッチパネル24、及び荷物100の置き場所を点灯で通知するICタグ82が設けられている。この構成によれば、配送人及び受取人が荷物100の置き場所を認知し易くなる。
(5)通知部75は、監視部74により監視される保管庫2からの荷物100の持ち出し履歴に基づいて、荷物100の受け取りが完了した旨を、荷物100の配送人、受取人、及び差出人に通知する。この構成によれば、配送人、受取人、及び差出人が、荷物100の受け取りが完了したことを容易に認知することができる。
【0065】
なお、上記実施形態は、以下の形態にて実施することもできる。
・保管庫2の入口扉21を解錠するために用いられる認証は、QRコードを用いた認証に限らず、生体認証やICカード認証等を用いることができる。生体認証は、顔認証や静脈認証、指紋認証等である。ICカード認証は、スマートフォンやICカードを用いた認証である。
【0066】
・保管庫2は、例えば異なる配送業者毎に複数の部屋に区画されていてもよい。
・保管庫2、配送業者管理装置3、及び保管庫管理装置4が有する情報はクラウドで管理されていてもよい。
【0067】
・監視部74は、各カメラ25により逐次撮像される画像データに基づいて、保管庫2への入退室人の入退室履歴、保管庫2への荷物100の持ち込み履歴、及び保管庫2からの荷物100の持ち出し履歴の少なくとも一つを監視するものであればよい。
・通知部75は、荷物100の受け取りが完了した旨を、荷物100の配送人、受取人、及び差出人の少なくとも一人に通知するものであればよい。
【0068】
・配送業者管理装置3が、複数の保管庫2から、荷物100を実際に保管する保管庫2を決定する方法は適宜変更可能である。例えば、差出人が端末装置7を操作してECサイト等で荷物100を購入する際に、荷物100の受け取り場所をECサイトで選択できるようにする。差出人がECサイトで荷物100の受け取り場所を選択すると、受け取り場所の情報が端末装置7から配送業者管理装置3に送信される。受け取り場所は、例えば自宅やコンビニエンスストア、最寄り駅の保管庫2等である。配送業者管理装置3は、受け取り場所として最寄り駅の保管庫2が選択された場合、その保管庫2の空き情報を確認するとともに、その保管庫2における荷物100の置き場所を確保する。また、配送業者管理装置3は、荷物100の置き場所が確保された保管庫2の情報を端末装置7に通知する。これにより、端末装置7のディスプレイに保管庫2の情報が表示されるため、購入者は、荷物100が預けられる保管庫2を認知することができる。
【0069】
・配送人が指定の保管庫2に荷物100を持ち込んだ際に、その保管庫2の保管棚80に空きがない状況が考えられる。このような場合、配送人は、自身の判断で、指定の保管庫2とは異なる別の保管庫2に荷物100を置いてもよい。このとき、配送人は、例えばタッチパネル24を操作することにより、荷物100を置いた別の保管庫2の情報を登録する。登録された別の保管庫2の情報は保管庫管理装置4や配送業者管理装置3、端末装置5~7等に通知される。このような構成であれば、指定された保管庫2に空きがない場合であっても対応することが可能となる。
【0070】
・配送人が指定の保管庫2に荷物100を持ち込んだ際に、保管庫2の保管棚80に空きがない状況を回避するために、保管庫2に例えば予備の保管棚が設けられていてもよい。
・本開示は上記の具体例に限定されるものではない。上記の具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素、及びその配置、条件、形状等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
【符号の説明】
【0071】
1…荷物管理システム、2…保管庫、24…タッチパネル(表示装置、報知部)、33…認証情報発行部、73…制御部、74…監視部、75…通知部、82…ICタグ(発光装置、報知部、100…荷物、120…RFIDタグ。
【要約】
【課題】セキュリティを確保しつつ、収容性能を向上させることが可能な荷物管理システムを提供する。
【解決手段】荷物管理システムは、荷物を保管することが可能な保管庫への入退室を管理する制御部73と、保管庫に入退室する入退室人に対してQRコードを発行する認証情報発行部と、を備える。制御部73は、入退室人が保管庫から退室する際に、QRコードに含まれる情報と、保管庫内の荷物に装着されるRFIDタグに記憶される情報とを用いた認証が成立することに基づいて保管庫からの入退室人の退室を許可する。
【選択図】
図8