(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-12
(45)【発行日】2022-08-22
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/10 20120101AFI20220815BHJP
【FI】
G06Q20/10 320
(21)【出願番号】P 2021197827
(22)【出願日】2021-12-06
【審査請求日】2021-12-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500156634
【氏名又は名称】株式会社いい生活
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 健吾
(72)【発明者】
【氏名】稲田 高洋
(72)【発明者】
【氏名】糸山 雄貴
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-169520(JP,A)
【文献】特開2020-187570(JP,A)
【文献】特開2010-050760(JP,A)
【文献】特開2002-032693(JP,A)
【文献】特開2009-245457(JP,A)
【文献】特開2010-049554(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
料金支払先事業者に支払う料金の口座振替の申込画面を顧客の顧客端末に表示させ、前記顧客の操作内容を示す情報を前記顧客端末から取得する顧客情報取得部と、
紙の申込書を要求する操作が行われたことを示す紙申込情報を前記顧客情報取得部が取得した場合に、ネットワークを介して申し込み手続きを行うための操作が行われたことを示すネット申込情報を前記顧客情報取得部が過去に取得した場合に付与
された使用済
の顧客識別情報と
して記憶されていない新規顧客識別情報を前記顧客に付与する識別情報付与部と、
前記識別情報付与部が付与した前記新規顧客識別情報と、前記顧客の個人情報と、を関連付けて記憶する記憶部と、
前記個人情報に関連付けて前記記憶部に記憶された前記新規顧客識別情報を含む印刷用データを前記顧客端末に提供するデータ提供部と、
を有し、
前記識別情報付与部は、前記紙申込情報を前記顧客情報取得部が取得した場合に前記新規顧客識別情報を前記顧客に付与し、前記記憶部に前記個人情報及び前記顧客識別情報が記憶されている前記顧客から前記顧客情報取得部が前記紙申込情報を再び取得した場合、前記識別情報付与部は前記新規顧客識別情報を付与しない、
情報処理装置。
【請求項2】
料金支払先事業者に支払う料金の口座振替の申込画面を顧客の顧客端末に表示させ、前記顧客の操作内容を示す情報を前記顧客端末から取得する顧客情報取得部と、
紙の申込書を要求する操作が行われたことを示す紙申込情報を前記顧客情報取得部が取得した場合に、ネットワークを介して申し込み手続きを行うための操作が行われたことを示すネット申込情報を前記顧客情報取得部が過去に取得した場合に付与された使用済の顧客識別情報として記憶されていない新規顧客識別情報を前記顧客に付与する識別情報付与部と、
前記識別情報付与部が付与した前記新規顧客識別情報と、前記顧客の個人情報と、を関連付けて記憶する記憶部と、
前記個人情報に関連付けて記憶された前記新規顧客識別情報を含む印刷用データを前記顧客端末に提供するデータ提供部と、
前記申込書を受領した金融機関から受信した、前記申込書に記載された前記顧客識別情報及び前記顧客の個人情報と、前記記憶部に記憶された前記
新規顧客識別情報及び前記顧客の個人情報とが一致している場合に、前記顧客の口座振替の手続きが完了したことを示す情報を前記顧客識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶させる管理部
と、
を有する、情報処理装置。
【請求項3】
料金支払先事業者に支払う料金の口座振替の申込画面を顧客の顧客端末に表示させ、前記顧客の操作内容を示す情報を前記顧客端末から取得する顧客情報取得部と、
紙の申込書を要求する操作が行われたことを示す紙申込情報を前記顧客情報取得部が取得した場合に、ネットワークを介して申し込み手続きを行うための操作が行われたことを示すネット申込情報を前記顧客情報取得部が過去に取得した場合に付与された使用済顧客識別情報として記憶されていない新規顧客識別情報を前記顧客に付与する識別情報付与部と、
前記顧客の個人情報に関連付けて記憶された前記新規顧客識別情報を含む印刷用データを前記顧客端末に提供するデータ提供部と、
前記識別情報付与部が付与した前記新規顧客識別情報と、前記顧客の個人情報と、前記印刷用データを提供した日を示す提供日情報と、を関連付けて記憶する記憶部と、
前記提供日情報が示す日から所定の期間が経過した時点で、前記申込書が受領されたことを示す通知を受信しない場合に、所定の案内データを前記顧客端末に提供する管理部
と、
を有する、情報処理装置。
【請求項4】
前記顧客情報取得部は、前記顧客の個人情報を前記顧客端末からさらに取得し、
前記データ提供部は、前記新規顧客識別情報とともに前記個人情報の少なくとも一部を含む前記印刷用データを前記顧客端末に提供する、
請求項1
から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記データ提供部は、前記顧客が編集できる第1領域と、前記顧客が編集できず所定の条件を満たす人が編集できる第2領域と、を含む前記印刷用データを前記料金支払先事業者に提供する、
請求項1から
4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータが実行する、
料金支払先事業者に支払う料金の口座振替の申込画面を顧客の顧客端末に表示させ、前記顧客の操作内容を示す情報を前記顧客端末から取得するステップと、
紙の申込書を要求する操作が行われたことを示す紙申込情報を取得した場合に、ネットワークを介して申し込み手続きを行うための操作が行われたことを示すネット申込情報を取得した場合に付与
された使用済
の顧客識別情報と
して記憶されていない新規顧客識別情報を前記顧客に付与するステップと、
前記顧客の個人情報に関連付けて前記新規顧客識別情報を記憶部に記憶させるステップと、
前記個人情報に関連付けられた前記新規顧客識別情報を含む印刷用データを前記顧客端末に提供するステップと、
を有
し、
前記付与するステップにおいて、前記取得するステップにおいて前記紙申込情報を取得した場合に前記新規顧客識別情報を前記顧客に付与し、前記取得するステップにおいて、前記記憶部に前記個人情報及び前記顧客識別情報が記憶されている前記顧客から前記紙申込情報を再び取得した場合、前記新規顧客識別情報を付与しない、
情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータが実行する、
料金支払先事業者に支払う料金の口座振替の申込画面を顧客の顧客端末に表示させ、前記顧客の操作内容を示す情報を前記顧客端末から取得するステップと、
紙の申込書を要求する操作が行われたことを示す紙申込情報を取得した場合に、ネットワークを介して申し込み手続きを行うための操作が行われたことを示すネット申込情報を取得した場合に付与された使用済の顧客識別情報として記憶されていない新規顧客識別情報を前記顧客に付与するステップと、
前記顧客の個人情報に関連付けて前記新規顧客識別情報を記憶部に記憶させるステップと、
前記個人情報に関連付けられた前記新規顧客識別情報を含む印刷用データを前記顧客端末に提供するステップと、
前記申込書を受領した金融機関から受信した、前記申込書に記載された前記顧客識別情報及び前記顧客の個人情報と、前記記憶部に記憶された前記新規顧客識別情報及び前記顧客の個人情報とが一致している場合に、前記顧客の口座振替の手続きが完了したことを示す情報を前記顧客識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶させるステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータが実行する、
料金支払先事業者に支払う料金の口座振替の申込画面を顧客の顧客端末に表示させ、前記顧客の操作内容を示す情報を前記顧客端末から取得するステップと、
紙の申込書を要求する操作が行われたことを示す紙申込情報を取得した場合に、ネットワークを介して申し込み手続きを行うための操作が行われたことを示すネット申込情報を取得した場合に付与された使用済の顧客識別情報として記憶されていない新規顧客識別情報を前記顧客に付与するステップと、
前記顧客の個人情報に関連付けて前記新規顧客識別情報を記憶部に記憶させるステップと、
前記個人情報に関連付けられた前記新規顧客識別情報を含む印刷用データを前記顧客端末に提供するステップと、
前記印刷用データを提供した日を示す提供日情報を、前記新規顧客識別情報及び前記個人情報に関連付けて前記記憶部に記憶させるステップと、
前記提供日情報が示す日から所定の期間が経過した時点で、前記申込書が受領されたことを示す通知を受信しない場合に、所定の案内データを前記顧客端末に提供するステップと、
を有する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットを介して口座振替の申し込みを可能にするための技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
口座振替の申し込みをする人の中には、インターネットを用いることなく、必要事項を記載した口座振替申込用紙を郵送することにより口座振替の申し込みをしたいと考える人がいる。しかしながら、従来のシステムは、インターネットを介して口座振替の申し込みを受け付けることしかできないため、口座振替申込用紙を用いて口座振替の申し込みをしたい人が、紙による口座振替の申し込みをできないという問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ネットワークを介しての口座振替の申し込みと、用紙を用いての口座振替の申し込みとを併用しやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置は、料金支払先事業者に支払う料金の口座振替の申込画面を顧客の顧客端末に表示させ、前記顧客の操作内容を示す情報を前記顧客端末から取得する顧客情報取得部と、紙の申込書を要求する操作が行われたことを示す紙申込情報を前記顧客情報取得部が取得した場合に、ネットワークを介して申し込み手続きを行うための操作が行われたことを示すネット申込情報を前記顧客情報取得部が過去に取得した場合に付与した使用済顧客識別情報と異なる新規顧客識別情報を前記顧客に付与する識別情報付与部と、前記新規顧客識別情報を含む印刷用データを前記顧客端末に提供するデータ提供部と、を有する。
【0007】
前記顧客情報取得部は、前記顧客の個人情報を前記顧客端末からさらに取得し、前記データ提供部は、前記新規顧客識別情報とともに前記個人情報の少なくとも一部を含む前記印刷用データを前記顧客端末に提供してもよい。
【0008】
前記識別情報付与部が付与した顧客識別情報を記憶する記憶部をさらに有し、前記識別情報付与部は、前記紙申込情報を前記顧客情報取得部が取得した場合に、付与済の前記顧客識別情報として記憶されていない前記新規顧客識別情報を前記顧客に付与してもよい。
【0009】
前記記憶部は、前記顧客識別情報に関連付けて前記顧客の個人情報を記憶し、前記記憶部に前記個人情報及び前記顧客識別情報が記憶されている前記顧客から前記顧客情報取得部が前記紙申込情報を再び取得した場合、前記識別情報付与部は前記新規顧客識別情報を付与せず、前記データ提供部は、当該顧客の前記個人情報に関連付けて前記記憶部に記憶された前記顧客識別情報を含む前記印刷用データを前記顧客端末に提供してもよい。
【0010】
前記記憶部は、前記顧客識別情報と、前記顧客の個人情報と、を関連付けて記憶し、前記情報処理装置は、前記申込書を受領した金融機関から受信した、前記申込書に記載された前記顧客識別情報及び前記顧客の個人情報と、前記記憶部に記憶された前記顧客識別情報及び前記顧客の個人情報とが一致している場合に、前記顧客の口座振替の手続きが完了したことを示す情報を前記顧客識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶させる管理部をさらに有してもよい。
【0011】
前記記憶部は、前記顧客の個人情報と、前記顧客識別情報と、前記印刷用データを提供した日を示す提供日情報と、を関連付けて記憶し、前記情報処理装置は、前記提供日情報が示す日から所定の期間が経過した時点で、前記申込書が受領されたことを示す通知を受信しない場合に、所定の案内データを前記顧客端末に提供する管理部をさらに有してもよい。
【0012】
前記データ提供部は、前記顧客が編集できる第1領域と、前記顧客が編集できず所定の条件を満たす人が編集できる第2領域と、を含む前記印刷用データを前記料金支払先事業者に提供してもよい。
【0013】
本発明の第2の態様の情報処理方法は、コンピュータが実行する、料金支払先事業者に支払う料金の口座振替の申込画面を顧客の顧客端末に表示させ、前記顧客の操作内容を示す情報を前記顧客端末から取得するステップと、紙の申込書を要求する操作が行われたことを示す紙申込情報を取得した場合に、ネットワークを介して申し込み手続きを行うための操作が行われたことを示すネット申込情報を取得した場合に付与した使用済顧客識別情報と異なる新規顧客識別情報を前記顧客に付与するステップと、前記新規顧客識別情報を含む印刷用データを前記顧客端末に提供するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ネットワークを介しての口座振替の申し込みと、用紙を用いての口座振替の申し込みとを併用しやすくすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】顧客がネットワークNを介して口座振替を申し込む場合の処理の概要を示す図である。
【
図2】顧客が口座振替の申込用紙を印刷して口座振替を申し込む場合の処理の概要を示す図である。
【
図3】情報処理システムSにおける残高不足時の処理の概要を示す図である。
【
図7】口座振替申込管理データベースの一例を示す図である。
【
図8】残高不足管理データベースの一例を示す図である。
【
図9】クレジットカード決済画面の一例を示す図である。
【
図10】情報処理装置1が口座振替の申し込みを受け付ける場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図11】口座振替用口座の残高が不足している場合の処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[情報処理システムSの概要]
図1から
図3は、情報処理システムSの概要を説明するための図である。情報処理システムSは、口座振替に関わる各種の処理を支援するためのシステムである。情報処理システムSは、情報処理装置1と、事業者端末2と、顧客端末3と、金融機関サーバ4と、決済会社サーバ5と、を備える。情報処理装置1、事業者端末2、顧客端末3、金融機関サーバ4及び決済会社サーバ5は、ネットワークNを介してデータを送受信することができる。ネットワークNは、例えばインターネット及び携帯電話網を含む。
【0017】
情報処理装置1は、口座振替の処理を支援する機能を提供するサーバである。情報処理装置1は、例えば、口座振替の処理を支援するサービスを提供する事業者が管理している。情報処理装置1は、第1の機能として、口座振替を申し込みたい顧客が、ネットワークを介して口座振替を申し込む方法、又は口座振替の申込用紙を印刷して口座振替を申し込む方法のいずれかを選択し、選択した方法で口座振替の申し込みを行えるようにする機能を有する。また、情報処理装置1は、第2の機能として、口座振替用口座として登録された銀行口座の残高が不足している場合に、顧客が当該銀行口座を用いる口座振替による決済処理と異なる決済処理方法で、口座振替の対象となっている料金の支払いを容易にできるようにする機能を有する。口座振替用口座を用いる口座振替による決済処理と異なる決済処理は、例えば、クレジットカード決済処理、コンビニエンスストアに設置された端末での決済処理、又は銀行口座からチャージするウォレット式の決済処理である。
【0018】
事業者端末2は、口座振替の対象となる商品又はサービスを提供して料金を徴収する事業者が使用するコンピュータである。事業者端末2は、タブレット又はスマートフォンであってもよい。本明細書において、当該事業者を料金支払先事業者という。本明細書においては、料金支払先事業者が不動産業者である場合を例にして説明するが、料金支払先事業者は不動産業者以外の任意の事業者であってよい。
【0019】
顧客端末3は、口座振替により商品又はサービスの料金を支払う顧客が使用するコンピュータである。顧客端末3は、タブレット又はスマートフォンであってもよい。
【0020】
金融機関サーバ4は、口座振替用の口座を提供する金融機関のサーバである。金融機関は、銀行、信用金庫又は信用組合のように、預金可能な口座を提供する任意の組織である。本明細書における金融機関には、金融機関と連携する口座振替代行業者が含まれていてもよい。金融機関サーバ4は、インターネットを介して顧客が口座振替申込をするためのウェブサイトを提供する。金融機関サーバ4は、複数の金融機関から顧客が口座振替の申し込みを希望する金融機関を選択する画面を顧客端末3に表示させ、顧客端末3において選択された金融機関のサーバにアクセスできるようにする機能を有してもよい。
【0021】
口座振替の設定が行われた後、金融機関サーバ4は、口座振替の金額と口座の残高とを比較して、口座の残高が不足していないかを管理する。金融機関サーバ4は、口座の残高が不足していると判定した場合に、残高が不足していることを情報処理装置1に通知する。
【0022】
決済会社サーバ5は、クレジットカード決済を代行する会社のサーバである。詳細については後述するが、決済会社サーバ5は、例えば情報処理装置1からの要求に応じて、顧客端末3を使用する顧客がクレジットカードで決済するために使用可能なウェブサイトのアドレス情報であるURL(Uniform Resource Locator)を情報処理装置1に提供する。以下、
図1から
図3を参照しながら、情報処理システムSの機能の概要を説明する。
【0023】
(ネットワークを介した口座振替の登録処理)
図1は、顧客がネットワークNを介して口座振替を申し込む場合の処理の概要を示す図である。まず、情報処理装置1は、口座振替申込をするためのウェブサイトに顧客がアクセスするための口座振替申込用URLを事業者端末2に送信する(
図1における(1))。情報処理装置1は、口座振替申込用URLを申し込むためのウェブサイトで、料金支払先事業者が口座振替申込用URLを申し込む操作をしたことに応じて口座振替申込用URLを事業者端末2に送信してもよく、料金支払先事業者からの要求に応じて電子メール又はショートメッセージにより口座振替申込用URLを事業者端末2に送信してもよい。
【0024】
一例として、当該口座振替申込用URLは、事業者端末2を使用する料金支払先事業者ごとに異なっている。この場合、情報処理装置1は、料金支払先事業者を識別するための事業者識別情報と、料金支払先事業者に対応する口座振替申込用URLとを関連付けて記憶している。料金支払先事業者に対応する口座振替申込用URLにアクセスした端末には、料金支払先事業者に関する情報が表示される。
【0025】
料金支払先事業者は、口座振替申込用URLを要求する際に、口座振替に必要になる情報(例えば、顧客の氏名、口座振替の対象となる商品又はサービスの名称、口座振替の対象となる料金)を情報処理装置1に通知してもよい。この場合、情報処理装置1は、口座振替に必要になる情報に関連付けられた口座振替申込用URLを事業者端末2に提供する。口座振替に必要になる情報に対応する口座振替申込用URLにアクセスした端末には、口座振替に必要になる情報が表示される。
【0026】
事業者端末2は、情報処理装置1から受信した口座振替用URLを顧客端末3に送信する(
図1における(2))。事業者端末2は、例えば顧客の電子メールアドレスに宛てて、口座振替申込用URLを含む電子メールを送信する。
【0027】
顧客は、顧客端末3を操作することにより、受信した口座振替申込用URLを用いて、情報処理装置1が提供する口座振替申込用のウェブサイトにアクセスする(
図1における(3))。情報処理装置1は、口座振替申込画面を顧客端末3に表示させる。
【0028】
図4は、口座振替申込画面の一例を示す図である。顧客端末3には、同意事項を顧客が確認した後に、顧客が入力する必要がある登録情報を入力するための画面(
図4に示す画面)が表示される。
図4に示す画面においては、顧客が氏名及び住所を入力する欄が表示されている。
【0029】
さらに、
図4に示す画面には、ネットワークを介して口座振替の申し込みを行うか、口座振替用紙を印刷して口座振替の申し込みを行うかを選択するための操作用画像も表示されている。
図4に示す画面において顧客が「ネット申込へ」と書かれた操作用画像を選択することにより、顧客端末3は、ネットワークを介した口座振替申込の要求を情報処理装置1に送信する。
【0030】
情報処理装置1は、口座振替申込の要求を受信すると、ネットワークを介した口座振替申込の要求があったことを金融機関サーバ4に通知する(
図1における(4))。一例として、情報処理装置1は、口座振替申込の画面を閲覧中の顧客端末3で、金融機関サーバ4が提供する口座振替申込の画面にアクセスさせる。その際、情報処理装置1は、
図4に示す画面に表示されていた顧客識別情報を金融機関サーバ4に通知してもよい。その後、顧客端末3には、口座振替用情報を入力するための口座振替申込画面が表示される(
図1における(5))。
【0031】
顧客が口座振替申込画面において必要事項を記入すると、顧客が入力した情報が、情報処理装置1から通知された顧客識別情報に関連付けて金融機関サーバ4に登録され、金融機関において口座振替の登録処理が実行される。口座振替の登録処理が完了すると、金融機関サーバ4は情報処理装置1に対して、登録が完了したことを示す登録通知を送信する(
図1における(6))。情報処理装置1は、登録通知を受信すると、登録が完了したことを事業者端末2及び顧客端末3に通知してもよい。
【0032】
なお、口座振替に必要になる情報が事業者端末2から予め情報処理装置1に通知され、顧客端末3が、口座振替に必要になる情報に対応する口座振替申込用URLにアクセスした場合、情報処理装置1は、口座振替に必要になる情報を金融機関サーバ4に送信してもよい。この場合、口座振替申込画面には、予め事業者端末2によって入力された情報が入力された状態になるので、顧客が入力する項目を削減することができる。
【0033】
(紙による口座振替の登録処理)
図2は、顧客が口座振替の申込用紙を印刷して口座振替を申し込む場合の処理の概要を示す図である。
図2における(1)から(3)までの処理は
図1における(1)から(3)までの処理と同じである。
図4に示す画面において顧客が「印刷申込へ」と書かれた操作用画像を選択すると、情報処理装置1は、口座振替に必要な情報を入力するための画面を顧客端末3に表示させる。
【0034】
具体的には、情報処理装置1は、金融機関名、金融機関コード、支店コード、口座番号、口座名義人名を入力する画面を顧客端末3に表示させる。顧客端末3においてこれらの情報が入力されると、情報処理装置1は印刷用データを作成し、作成した印刷用データを顧客端末3に送信する(
図2における(4))。印刷用データは、例えばpdf形式のファイルである。印刷用データは、口座振替の申込用紙の形式で印刷が可能なデータであれば任意の形式でよく、例えば顧客端末3のブラウザに表示される画面データであってもよい。
【0035】
図5は、印刷用データの一例を示す図である。印刷用データには、顧客が入力した金融機関名、金融機関コード、支店コード、口座番号、口座名義人名が記載された状態になっている。さらに、印刷用データには、顧客端末3がアクセスした口座振替申込用URLに関連付けられた料金支払先事業者名(収納企業名)、口座振替の対象となる料金の種類、及び情報処理装置1が決定した顧客識別情報も記載された状態になっている。紙により口座振替申込を行う場合と、ネットワークを介した口座振替申込を行う場合とで、顧客識別情報が重複しないようになっている。
【0036】
情報処理装置1は、それぞれに顧客識別情報が記載された顧客控え用のページ及び金融機関提出用のページを含む複数ページの印刷用データを作成してもよい。また、情報処理装置1は、口座振替の申込用紙の郵送先住所及び名称を封筒に印刷するための印刷用データを作成してもよい。口座振替の申込用紙の郵送先は、例えば、口座振替サービスを提供している企業又は金融機関である。
【0037】
顧客端末3が印刷用データを受信すると、顧客は印刷用データを印刷して口座振替の申込用紙を作成してから押印する。顧客は、押印した申込用紙を所定の宛先(例えば金融機関)に郵送する。顧客は、料金支払先事業者を介して所定の宛先に申込用紙を郵送してもよい。申込用紙が金融機関に到着し、金融機関でのチェックが終了すると、金融機関サーバ4は情報処理装置1に対して、登録が完了したことを示す登録通知を送信する(
図2における(5))。
【0038】
(残高不足時の通知)
口座振替の登録が完了した後は、所定の口座振替日に自動的に所定の金額が顧客の口座から引き落とされる。口座の残高が不足している場合、従来、残高が不足しているという通知が顧客に送られて、顧客は指定の口座に振り込むなどして引き落とされる予定の金額を支払い、かつ今後残高不足が生じないように口座振替用の口座に入金する必要があった。この場合、顧客に支払い方法や料金が伝わらない、顧客が銀行の窓口やATMに行く時間を取れない、又は手元に残金がないなどといった理由で、料金支払先事業者が請求業務に時間を取られてしまうという問題があった。
【0039】
これに対して、情報処理装置1は、口座の残高が不足しているという通知を金融機関サーバ4から受けた場合に、顧客が顧客端末3を用いてクレジットカード決済をするためのウェブサイトのURL(アドレス情報)を作成する。情報処理装置1は、作成したクレジットカード決済用URLを事業者端末2又は顧客端末3に送信する。顧客は、情報処理装置1又は事業者端末2から送信されたクレジットカード決済用URLにアクセスすることによって、残高不足で引き落とされなかった料金をクレジットカード決済により容易に支払うことができる。
【0040】
図3は、情報処理システムSにおける残高不足時の処理の概要を示す図である。情報処理装置1は、金融機関サーバ4に対して口座振替予定日よりも前に口座の残高を確認するリクエストを行い、金融機関サーバ4からの通知に基づいて、口座の残高が不足していることを検出する(
図3における(1))。情報処理装置1は、残高不足通知を受信すると、クレジットカード決済をするためのウェブサイトのURLを決済会社サーバ5に要求する(
図3における(2))。決済会社サーバ5は、要求に応じてクレジットカード決済用URLを情報処理装置1に送信する(
図3における(3))。当該URLは、例えば顧客に関連付けられており、顧客が当該URLにアクセスすると、顧客が支払うべき料金が予め表示されたウェブサイトが表示されるように設定されている。
【0041】
情報処理装置1は、受信したクレジットカード決済用URLを事業者端末2に送信する(
図3における(4))。事業者端末2を使用する料金支払先事業者は、情報処理装置1から受信したクレジットカード決済用URLを含むメッセージを顧客端末3に送信する(
図3における(5))。メッセージには、例えば残高が不足しているという説明、又はクレジットカード決済が必要であるという説明が含まれている。
【0042】
顧客端末3は、当該メッセージを受信すると、クレジットカード決済用URLを表示する。顧客が当該URLにアクセスすると、決済会社サーバ5が提供するクレジットカード決済用のウェブサイトが表示される。上述のとおり、クレジットカード決済用URLは顧客に関連付けられており、顧客が支払うべき料金が表示されていてもよい。当該ウェブサイトにおいて顧客がクレジットカードの番号等を入力することにより、支払うべき料金をクレジットカードで決済することができる。情報処理システムSがこのように構成されていることで、口座振替用の口座の残高が不足している場合であっても、顧客が速やかに料金を支払うことが可能になる。
【0043】
なお、支払うべき料金の決済方法は、クレジットカード決済ではなくコンビニエンスストアに設置された端末での決済方法、又は銀行口座からチャージするウォレット式の決済方法などであってもよい。情報処理装置1は、それらの決済方法を示すウェブサイト画面のURLがクレジットカード決済の場合と同様に顧客端末3に通知されるようにする。
【0044】
[情報処理装置1の構成及び動作]
図6は、情報処理装置1の構成を示す図である。以下、
図6を参照しながら、情報処理装置1の構成及び動作を詳細に説明する。
【0045】
情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を有する。制御部13は、顧客情報取得部131と、識別情報付与部132と、データ提供部133と、管理部134と、通知取得部135と、アドレス情報作成部136と、情報送信部137と、支払状態管理部138と、を有する。
【0046】
通信部11は、ネットワークNを介して事業者端末2、顧客端末3、金融機関サーバ4又は決済会社サーバ5とデータを送受信するための通信インターフェースを含む。通信部11は、受信したデータを制御部13の各部に通知し、制御部13の各部から入力されたデータを送信する。
【0047】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体を含む。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶する。また、記憶部12は、顧客に関する各種のデータを記憶する。記憶部12は、例えば、それぞれの顧客の口座振替申込の状態を示す口座振替申込管理データベースを記憶している。また、記憶部12は、顧客の口座の残高状況を示す残高不足管理データベースを記憶している。
【0048】
図7は、口座振替申込管理データベースの一例を示す図である。
図7に示す口座振替申込管理データベースにおいては、顧客の個人情報としての顧客名と、顧客識別情報と、口座振替を申し込む方法の種別(ネット申込又は印刷申込)と、口座振替の申込状況と、口座振替の登録状況と、リマインド状況とが関連付けられている。口座振替申込管理データベースにおいては、顧客の氏名以外の個人情報(例えば住所及び電子メールアドレス)が顧客識別情報に関連付けられていてもよい。また、口座振替申込管理データベースにおいては、顧客識別情報に関連付けて、印刷用データが顧客端末3に提供された年月日を示す提供日情報が登録されていてもよい。
【0049】
顧客名及び顧客識別情報は、顧客を識別するための情報であり、いずれか一方だけが用いられてもよい。顧客識別情報は、口座振替の申込画面にアクセスされることにより顧客に付与される情報である。
図7に示す顧客識別情報は数字のみで構成されているが、数字以外の文字が含まれる文字列が顧客識別情報として使用されてもよい。
【0050】
顧客識別情報は、ネットワークを介して口座振替を申し込む顧客と、口座振替申込書を印刷して口座振替を申し込む顧客とで重複しないように決定されている。一例として、ネット申込をする顧客に付与する顧客識別情報と、印刷申込をする顧客に付与する顧客識別情報とが、それぞれ異なる文字を含んでいてもよい。例えば、ネット申込をする顧客には、先頭にNが付された顧客識別情報が付与され、印刷申込をする顧客には、先頭にPが付された顧客識別情報が付与される。このように、顧客識別情報に口座振替の申込方法の種別を示す文字が含まれていることで、例えば事業者端末2を使用する料金支払先事業者が顧客識別情報を見るだけで、顧客がどのような方法で口座振替を申し込んだかを把握しやすくなり、顧客から口座振替に関して問い合わせを受けた場合に対応しやすくなる。
【0051】
図7において、「ネット申込」の欄に所定のフラグである〇が付されている顧客は、ネットワークを介して口座振替を申し込んだ顧客である。「印刷申込」の欄に〇が付されている顧客は、口座振替申込書を印刷して口座振替申込書を郵送することにより口座振替を申し込んだ顧客である。
【0052】
「申込状況」の欄に〇が付されている顧客は、既に口座振替の申し込みが完了した顧客である。情報処理装置1は、ネット申込をした顧客が顧客端末3において所定の情報を入力し、申込処理が完了したという通知を顧客端末3から受信することにより、当該顧客の口座振替申し込みが完了したと認識する。
【0053】
「登録状況」の欄には、情報処理装置1が金融機関サーバ4から登録完了通知を受けた場合に、登録が完了したことを示すフラグとして〇が付される。「リマインド状況」の欄には、顧客がネット申込又は印刷申込の操作をした後に申込が完了したことを情報処理装置1が認識できない場合に、申し込みを促すメッセージを情報処理装置1が顧客端末3に送信した回数又は日付の少なくともいずれかが格納される。情報処理装置1は、「リマインド状況」が所定の条件を満たすまで、申し込みを促すメッセージを所定のタイミングで顧客端末3に送信する。所定の条件は、リマインドする回数の上限値又はリマインドする期間の上限値である。
【0054】
図8は、残高不足管理データベースの一例を示す図である。残高不足管理データベースは、記憶部12における第1の領域(第1記憶部に相当)に記憶されている。残高不足管理データベースにおいては、顧客名と、顧客識別情報と、次回引き落とし日と、残高状況と、決済用URLの送信日と、支払日とが関連付けられている。「次回引き落とし日」は、次に口座振替用の口座から料金が引き落とされる日であり、「残高状況」は、次回引き落とし日に引き落とされる料金よりも残高が多いか否かを示している。引き落とされる料金よりも残高が多い顧客には〇が付されており、引き落とされる料金よりも残高が少ない顧客には×が付されている。
【0055】
「決済用URL送信日」は、情報処理装置1が、残高が不足している顧客がクレジットカードで決済するためのURLを事業者端末2に対して送信した日を示している。クレジットカード決済用URLは、例えば、次回引き落とし日の所定日数(例えば7日)前に送信される。「支払日」は、決済用URLにより口座振替の対象となっている料金の決済が行われた日を示している。残高が不足していることを「残高状況」が示しており、かつ「支払日」の欄が空欄になっている顧客は、未払い状態になっている顧客である。残高が不足していることを「残高状況」が示しており、かつ「支払日」の欄に日付が格納されている顧客は支払済状態になっている顧客である。
【0056】
記憶部12は、顧客に関連付けて、過去に残高不足が発生した実績を記憶する第2の領域(第2記憶部に相当)をさらに有してもよい。記憶部12は、例えば、過去に残高不足が発生した年月、及び残高不足が発生した後にクレジットカード決済により料金が支払われた日を顧客識別情報に関連付けて記憶する。
【0057】
続いて、
図6に戻って制御部13の機能を説明する。制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)を有しており、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、顧客情報取得部131、識別情報付与部132、データ提供部133、管理部134、通知取得部135、アドレス情報作成部136、情報送信部137及び支払状態管理部138として機能する。
【0058】
(口座振替申込に関する機能部)
まず、口座振替申込に関する機能を提供する顧客情報取得部131、識別情報付与部132、データ提供部133及び管理部134について説明する。
【0059】
顧客情報取得部131は、料金支払先事業者に支払う料金の口座振替の申込画面を顧客の顧客端末3に表示させ、顧客の操作内容を示す情報を顧客端末3から取得する。具体的には、まず顧客情報取得部131は、料金支払先事業者ごとに異なる口座振替の申込画面を作成し、口座振替の申込画面にアクセスするためのURLを要求した事業者端末2に対して、料金支払先事業者に支払う料金の口座振替を申し込むための画面にアクセスするためのURLを送信する。その後、当該URLに顧客端末3がアクセスした場合に、例えば
図4に示した申込画面を顧客端末3に表示させる。
【0060】
顧客情報取得部131は、顧客端末3から取得した操作内容を示す情報に基づいて、申込画面において顧客が「ネット申込」を選択する操作をしたか、「印刷申込」を選択する操作をしたかを特定する。顧客情報取得部131は、特定した申込の種別を識別情報付与部132に通知する。
【0061】
顧客情報取得部131は、顧客の個人情報を顧客端末3からさらに取得してもよい。顧客情報取得部131は、例えば、顧客の氏名、顧客の住所、顧客の電話番号等の個人情報を顧客端末3から取得し、取得した個人情報を口座振替申込管理データベースに登録してもよい。
【0062】
識別情報付与部132は、例えば、口座振替の申込画面において、インターネットを介して申し込むための「ネット申込」操作又は紙で申し込むための「印刷申込」操作が行われた場合に、顧客識別情報を顧客に付与する。識別情報付与部132は、紙で口座振替を申し込む顧客に付与する顧客識別情報が、インターネットを介して口座振替を申し込む顧客に過去に付与した使用済顧客識別情報と重複しないように新規顧客識別情報を付与する。
【0063】
すなわち、識別情報付与部132は、紙の申込書を要求する「印刷申込」操作が行われたことを示す紙申込情報を顧客情報取得部131が取得した場合に、インターネットを介して申し込み手続きを行うための操作が行われたことを示すネット申込情報を顧客情報取得部131が過去に取得した場合に付与した使用済顧客識別情報と異なる新規顧客識別情報を顧客に付与する。識別情報付与部132は、紙申込情報を顧客情報取得部が取得した場合に、付与済の顧客識別情報として記憶部12に記憶されていない新規顧客識別情報を顧客に付与してもよい。識別情報付与部132は、付与した新規顧客識別情報をデータ提供部133に通知する。
【0064】
識別情報付与部132は、「ネット申込」操作が行われた場合に、予め「ネット申込」用に確保された複数のネット申込用顧客識別情報から選択した顧客識別情報を顧客に付与し、「印刷申込」操作が行われた場合に、予め「印刷申込」用に確保された複数の印刷用顧客識別情報から選択した顧客識別情報を顧客に付与してもよい。一例として、識別情報付与部132は、「ネット申込」操作が行われた場合に、複数の未使用顧客識別情報から選択した一つの未使用顧客識別情報に「ネット申込」に対応するテキスト(例えばN)を付加した顧客識別情報を付与し、「印刷申込」操作が行われた場合に、一つの未使用顧客識別情報に「印刷申込」に対応するテキスト(例えばP)を付加した顧客識別情報を付与してもよい。
【0065】
データ提供部133は、口座振替の申し込みに必要な情報を顧客が入力するために使用するデータを提供する。データ提供部133は、「ネット申込」操作が行われた場合に、金融機関コード、支店コード、金融機関名、口座名義人を入力するための表示画面データを顧客端末3に提供する。データ提供部133は、「印刷申込」操作が行われた場合に、識別情報付与部132から通知された新規顧客識別情報を含む印刷用データを顧客端末3に表示可能にする。すなわち、データ提供部133は、データ提供部133が印刷用データを顧客端末3に表示可能になるように印刷用データを顧客端末3に提供する。
【0066】
データ提供部133が印刷用データを顧客端末3に表示可能にすることにより、顧客が、印刷対象の口座振替申込書を表示させた画面で編集したり、印刷したり、必要であればダウンロードしたりすることができる。データ提供部133が、識別情報付与部132から通知された新規顧客識別情報を含む印刷用データを顧客端末3に提供することで、顧客が紙に印刷された口座振替申込書を郵送した場合であっても、口座振替申込書に記載された顧客識別情報が、ネットワークを介して口座振替を申し込んだ顧客に付与された顧客識別情報と重複することを防げる。
【0067】
データ提供部133は、新規顧客識別情報とともに個人情報の少なくとも一部(例えば顧客の氏名及び住所)を含む印刷用データを顧客端末3に提供してもよい。また、データ提供部133は、「印刷申込」操作が行われた場合に、金融機関コード、支店コード、金融機関名、口座名義人を入力するための表示画面データを顧客端末3に提供した後に、入力された金融機関コード、支店コード、金融機関名、口座名義人のデータと新規顧客識別情報とを含む印刷用データを顧客端末3に提供してもよい。
【0068】
データ提供部133がこれらの情報を含む印刷用データを顧客端末3に提供することで、顧客が個人情報及び金融機関の情報を手書きする必要がない。顧客端末3において口座振替申込書を印刷する場合、手書きした文字を複数ページに複写することが困難であるところ、データ提供部133が個人情報及び金融機関の情報を含む印刷用データを顧客端末3に提供することで、顧客が複数枚の用紙を印刷することができるので、顧客の手書き作業が不要になる。なお、データ提供部133は、金融機関用、顧客控え用といった用途が記載された複数ページが含まれる印刷用データを提供してもよい。
【0069】
ところで、顧客が印刷した口座振替申込書に印鑑を押し間違えたり、口座振替申込書を紛失したりして、過去に「印刷申込」操作が行われて顧客情報取得部131が紙申込情報を取得した顧客の顧客端末3から紙申込情報を再び取得するという場合がある。このような場合に、過去に顧客に付与した顧客識別情報と異なる顧客識別情報を付与してしまうと、一人の顧客に複数の顧客識別情報が付与されてしまう。
【0070】
そこで、記憶部12に個人情報及び顧客識別情報が記憶されている顧客から顧客情報取得部131が紙申込情報を再び取得した場合、識別情報付与部132は新規顧客識別情報を付与せず、当該顧客の個人情報、又は当該顧客に付与済の顧客識別情報に関連付けて、「印刷申込」操作が行われたことをデータ提供部133に通知する。
【0071】
この場合、データ提供部133は、当該顧客の個人情報(例えば顧客の氏名)に関連付けて記憶部12に記憶された顧客識別情報を含む印刷用データを顧客端末3に提供する。識別情報付与部132及びデータ提供部133がこのように構成されていることで、顧客が再び口座振替申込書を印刷したとしても、それぞれ異なる顧客識別情報が記載された複数の口座振替申込書を顧客が誤って郵送してしまうことを防げる。
【0072】
なお、以上の説明においては、データ提供部133が印刷用データの表示される画面を顧客端末3に提供する場合を例示したが、データ提供部133は、印刷用データを事業者端末2に提供してもよい。この場合、事業者端末2を使用する料金支払先事業者により印刷用データが表示される画面のURLを顧客端末3に通知したり、料金支払先事業者が、印刷した口座振替申込書を顧客に郵送したりしてもよい。
【0073】
料金支払先事業者が印刷用データを編集できるようにするために、データ提供部133は、顧客が編集できる第1領域と、顧客が編集できず所定の条件を満たす人が編集できる第2領域と、を含む印刷用データを料金支払先事業者に提供してもよい。第1領域は、顧客が入力する必要がある個人情報及び金融機関に関する情報が含まれている領域である。第2領域は、顧客が変更する必要がない、例えば料金支払先事業者に関する情報、又は口座振替の対象となる商品若しくはサービスに関する情報が含まれている領域である。
【0074】
所定の条件を満たす人は、例えば料金支払先事業者であり、料金支払先事業者が所定のパスワードを入力することにより、第2領域の編集が可能になる。印刷用データがこのように構成されていることで、料金支払先事業者が必要な情報を口座振替申込書に記入することが可能になるとともに、料金支払先事業者が記入した情報を顧客が書きかえてしまうことを防げる。
【0075】
管理部134は、口座振替の申込から登録までの状況を管理する。一例として、管理部134は、「印刷申込」を選択した顧客が使用する顧客端末3にデータ提供部133が印刷用データを提供してから所定の期間(例えば3日)が経過した後に、印刷した口座振替申込書を郵送したかどうかを入力するための画面を顧客端末3に表示させる。顧客が、口座振替申込書を郵送したことを顧客端末3に入力し、管理部134が顧客端末3から申込完了通知を受信すると、管理部134は、当該顧客の口座振替申し込みが完了したと判定する。管理部134は、顧客の口座振替申し込みが完了したと判定すると、口座振替申込管理データベースにおける「申込状況」欄のフラグを、申込が完了したことを示す状態に変更する。
【0076】
管理部134は、記憶部12に記憶された提供日情報が示す日から所定の期間が経過した時点で、申込書を受領したことを示す通知を、口座振替申込書の郵送先又は金融機関から受信しない場合に、所定の案内データを顧客端末3に提供してもよい。所定の期間は、例えば2週間である。管理部134がこのように動作することで、顧客が口座振替申込書を郵送することを忘れている場合に、口座振替申込書が郵送されないまま放置されてしまうことを防げる。
【0077】
また、管理部134は、口座振替の手続きが完了したかどうかを管理する。管理部134は、口座振替申込書を受領した金融機関から受信した、口座振替申込書に記載された申込情報である顧客識別情報及び顧客の個人情報と、記憶部12の口座振替申込管理データベースに記憶された顧客識別情報及び顧客の個人情報とが一致している場合に、顧客の口座振替の手続きが完了したことを示す情報を顧客識別情報に関連付けて記憶部12に記憶させる。管理部134は、例えば、
図7に示した口座振替申込管理データベースにおける「登録状況」欄のフラグを、登録が完了したことを示す状態に変更する。
【0078】
管理部134は、金融機関サーバ4から受信した顧客識別情報及び顧客の個人情報と、口座振替申込管理データベースに記憶された顧客識別情報及び顧客の個人情報とが一致している場合に、これらの情報が一致していることを金融機関サーバ4に通知してもよい。管理部134は、これらの情報が一致している場合に、口座振替の手続きが完了したことを事業者端末2又は顧客端末3の少なくともいずれかに通知してもよい。
【0079】
管理部134は、口座振替申込書を受領した金融機関から受信した、口座振替申込書に記載された顧客識別情報及び顧客の個人情報と、記憶部12に記憶された顧客識別情報及び顧客の個人情報とが一致していない場合に、顧客端末3又は金融機関サーバ4の少なくともいずれかに、登録をできないことを通知してもよい。管理部134がこのように動作することで、個人情報が間違った状態で口座振替手続きが完了してしまうことを防げる。
【0080】
(残高不足管理に関する機能部)
続いて、口座振替用の口座の残高不足が発生した場合の処理に関する機能を提供する通知取得部135、アドレス情報作成部136、情報送信部137及び支払状態管理部138について説明する。
【0081】
通知取得部135は、例えば金融機関サーバ4を介して、料金支払先事業者に支払う料金の口座振替口座を管理する金融機関から、口座振替口座の残高が不足していることを示す残高不足通知を取得する。通知取得部135は、口座振替口座の残高を示す残高通知を金融機関から取得してもよい。残高不足通知を送信する金融機関は、口座振替口座を提供している金融機関自体であってもよく、当該金融機関に代わって口座振替処理を代行している組織(例えば、口座振替代行業者)であってもよい。通知取得部135は、口座振替口座の名義人である顧客を示す情報に関連付けて残高不足通知を取得してもよい。通知取得部135は、残高不足通知を取得したことをアドレス情報作成部136に通知する。
【0082】
アドレス情報作成部136は、口座振替口座を用いる口座振替による決済処理と異なる決済処理を実行する決済事業者のサーバである決済会社サーバ5から、残高が不足している顧客が行う決済処理を識別するための決済識別情報を含む元アドレス情報を決済会社サーバ5から取得し、取得した決済識別情報を含むアドレス情報を作成する。決済事業者は、例えばクレジットカード決済を処理する事業者である。元アドレス情報及びアドレス情報は、例えば、決済事業者を介してクレジットカード決済をするためのウェブサイトにアクセスするためのURLである。アドレス情報は、例えば元アドレス情報を短縮したURLであるが、元アドレス情報と同一のURLであってもよい。
【0083】
アドレス情報作成部136は、残高が不足している顧客の顧客識別情報を決済会社サーバ5に送信することにより、顧客識別情報に関連付けられた元アドレス情報を決済会社サーバ5から取得してもよい。また、アドレス情報作成部136は、顧客の口座振替の対象となる商品又はサービスの名称、及び口座振替の金額を送信することにより、口座振替の対象となる商品又はサービスの名称、及び口座振替の金額が表示される決済処理用画面にアクセスするための元アドレス情報を決済会社サーバ5から取得してもよい。
【0084】
情報送信部137は、通知取得部135が残高不足通知を取得した場合に、口座振替口座を用いる口座振替による決済処理と異なる決済処理を実行するための画面を表示させるためのアドレス情報を、料金支払先事業者が使用する事業者端末2に送信する。情報送信部137は、通知取得部135が取得した残高不足通知に関連付けられた顧客を示す情報に関連付けて、事業者端末2又は顧客が使用する顧客端末3にアドレス情報を送信してもよい。情報送信部137は、アドレス情報を送信した日を、顧客識別情報に関連付けて残高不足管理データベースに登録する。情報送信部137は、アドレス情報を送信したことを支払状態管理部138に通知してもよい。
【0085】
一例として、料金支払先事業者は、情報送信部137が送信したアドレス情報を受信した事業者端末2において、顧客端末3に送信する電子メールを作成する。料金支払先事業者は、例えば口座振替用口座の残高が不足していること、及びアドレス情報にアクセスすることでクレジットカード決済をするか、口座振替用口座に入金をするかが必要であることを示すメッセージとともに、アドレス情報を含む電子メールを顧客端末3に送信する。
【0086】
図9は、クレジットカード決済画面の一例を示す図である。顧客端末3が事業者端末2から通知されたアドレス情報にアクセスすることにより、
図9に示す画面が顧客端末3に表示される。アドレス情報作成部136が決済会社サーバ5に顧客識別情報、顧客の氏名、顧客の口座振替の対象となる商品又はサービスの名称、及び口座振替の金額を送信したことにより、
図9に示す画面には、これらの情報が表示されている。これらの情報が表示されることで、顧客は安心してクレジットカードでの決済を実行することができる。
【0087】
情報送信部137は、通知取得部135が残高不足通知を取得する前であり、かつ口座振替口座から料金が引き落とされる予定日から所定期間以内になった場合に、口座振替口座の名義人である顧客が使用する顧客端末3に対して、料金が引き落とされる予定日が近づいていることを示す案内通知を送信してもよい。情報送信部137がこのように動作することで、残高不足が発生してアドレス情報作成部136が決済会社サーバ5に元アドレス情報の発行を要求する頻度を下げることができる。
【0088】
情報送信部137は、過去の残高不足の実績に基づく案内通知を事業者端末2又は顧客端末3に送信してもよい。一例として、情報送信部137は、過去に所定回数以上の残高不足が発生したことを過去の実績が示している場合に、過去に所定回数以上の残高不足が発生していない場合と異なる案内通知を事業者端末2又は顧客端末3に送信する。具体的には、情報送信部137は、過去に所定回数以上の残高不足が発生したことを過去の実績が示している場合に、過去に所定回数以上の残高不足が発生していない場合よりも目立つ態様の案内通知を送信したり、警告が含まれる案内通知を事業者端末2又は顧客端末3に送信したりする。
【0089】
情報送信部137は、通知取得部135が取得した残高通知が示す残高に基づく内容の案内通知を送信してもよい。一例として、情報送信部137は、口座振替の金額と残高とが記載された案内通知を顧客端末3に送信する。情報送信部137がこのような案内通知を送信することで、顧客が、残高にどれぐらいの余裕があるかを把握できるので、残高不足が発生することを抑制できる。
【0090】
支払状態管理部138は、残高が不足している顧客が、口座振替以外の決済手段により口座振替の対象となっている料金の支払が行われたかどうかを管理する。支払状態管理部138は、情報送信部137がアドレス情報を送信していない場合(すなわち、通知取得部135が残高不足通知を金融機関サーバ4から受信していない場合)、口座振替口座に入金されたことを示す入金通知を金融機関サーバ4から取得したことに応じて、残高管理データベースにおける支払状態を示すデータを未払い状態から支払済状態に更新する。支払状態管理部138は、情報送信部137がアドレス情報を送信した場合、決済完了通知を決済会社サーバ5から取得したことに応じて支払状態を未払い状態から支払済状態に更新する。
【0091】
具体的には、支払状態管理部138は、情報送信部137が事業者端末にアドレス情報を送信した後に、決済処理が完了したことを示す決済完了通知を決済会社サーバ5から取得したことに応じて、決済完了通知が示す顧客に関連付けて記憶部12に記憶された支払状態を未払い状態から支払済状態に更新する。支払状態管理部138は、情報送信部137がアドレス情報を事業者端末2に送信してから所定の期間(例えば1週間)が経過した時点で未払い状態が維持されている場合、その旨を事業者端末2に送信したり、クレジットカード決済用URL(アドレス情報)を顧客端末3に送信したりしてもよい。
【0092】
[情報処理装置1における処理の流れ]
図10は、情報処理装置1が口座振替の申し込みを受け付ける場合の処理の流れを示すフローチャートである。
図10に示すフローチャートは、事業者端末2が顧客端末3に対して、口座振替申込画面にアクセスするためのURLを通知し、顧客が当該URLにアクセスした時点から開始している。
【0093】
顧客端末3が口座振替申込画面のURLにアクセスすると、顧客情報取得部131は、口座振替申込画面を顧客端末3に表示させる(S11)。顧客情報取得部131が、口座振替申込画面において所定の操作(例えば、同意事項に同意する操作)が行われたことを検出すると、データ提供部133は、
図4に示したような登録手続き画面を顧客端末3に表示させる(S12)。
【0094】
登録手続き画面において「ネット申込」が選択された場合(S13においてNO)、データ提供部133は、金融機関名及び金融機関コード等の口座振替情報を入力するための画面を顧客端末3に表示させる(S14)。これらの情報が入力されると、識別情報付与部132は、ネット申込をした顧客に対応する顧客識別情報を付与する(S15)。データ提供部133は、顧客識別情報及び顧客の個人情報を含む口座振替申込要求を金融機関サーバ4に送信する(S16)。
【0095】
一方、登録手続き画面において「印刷申込」が選択された場合(S13においてYES)、識別情報付与部132は、印刷申込をした顧客に対応する顧客識別情報を付与する(S17)。データ提供部133は、S17において付与された顧客識別情報を含む印刷用データを作成し、作成した印刷用データを顧客端末3に送信する(S18)。データ提供部133は、印刷用データを顧客端末3に送信した場合、顧客識別情報に関連付けて、顧客名等の個人情報を記憶部12に記憶させる(S19)。
【0096】
その後、管理部134は、口座振替申込書に記載された申込情報(顧客識別情報及び顧客の個人情報)を金融機関サーバ4から受信するかどうかを監視する(S20)。管理部134は、申込情報を受信し、受信した申込情報が示す顧客識別情報及び個人情報が、ステップS19において記憶させた顧客識別情報及び個人情報と一致している場合に(S20においてYES)、口座振替申込管理データベースにおける「登録状況」を登録済状態に変更する(S21)。
【0097】
管理部134は、ステップS20において、申込情報を受信していないと判定した場合(S20においてNO)、データ提供部133が印刷用データを送信してから所定の期間(例えば2週間)が経過したかどうかを判定する(S22)。管理部134は、データ提供部133が印刷用データを送信してから所定の期間が経過したと判定した場合(S22においてYES)、口座振替申込管理データベースにおけるリマインド状況欄を確認し、案内データを所定の回数(例えば3回)送信済であるかを判定する(S23)。
【0098】
管理部134は、案内データを所定の回数送信済であると判定した場合(S23においてYES)、口座振替申込の処理を終了する。管理部134は、案内データを所定の回数送信済でないと判定した場合(S23においてNO)、口座振替用紙を郵送することを顧客に促すための案内データを顧客端末3に送信し(S24)、処理をS20に戻す。
【0099】
図11は、口座振替用口座の残高が不足している場合の処理の流れを示すシーケンス図である。
図11に示すシーケンス図は、金融機関において、口座振替用口座の残高が不足したことが特定された時点から開始している。
【0100】
通知取得部135は、金融機関サーバ4から残高不足通知を取得する(S31)。通知取得部135が残高不足通知を取得すると、アドレス情報作成部136は、決済会社サーバ5に対して、元アドレス情報を発行するための要求データを作成し(S32)、要求データを決済会社サーバ5に送信する(S33)。決済会社サーバ5は、要求データに応じて、クレジットカード決済用のウェブサイトのURL(元アドレス情報)を情報処理装置1に送信する(S34)。アドレス情報作成部136は、受信したURLに基づいて短縮URL(アドレス情報)を作成し(S35)、作成した短縮URLを事業者端末2に送信する(S36)。
【0101】
事業者端末2は、短縮URLを含む電子メールを編集するための画面を表示し(S37)、顧客宛てのメッセージの入力を受け付ける(S38)。事業者端末2は、料金支払先事業者の操作に応じて、短縮URL及びメッセージを含む案内通知を顧客端末3に送信する(S39)。
【0102】
その後、決済会社サーバ5は、情報処理装置1に提供した元アドレス情報に対応するウェブサイトにおいてクレジットカード決済が完了したかどうかを監視する(S40)。決済会社サーバ5は、クレジットカード決済が完了したと判定した場合(S40においてYES)、決済完了通知を情報処理装置1に送信する(S41)。支払状態管理部138は、決済完了通知を決済会社サーバ5から受信すると、残高不足管理データベースに支払日を登録することにより、消し込み処理を実行する(S42)。
【0103】
[情報処理システムSによる効果]
以上説明したように、情報処理装置1は、ネットワークを介して口座振替を申し込むか、口座振替用紙を印刷して申し込むかを選択するための画面を顧客端末3に表示させ、顧客から、口座振替申込方法の選択を受け付ける。そして、識別情報付与部132は、印刷して申し込む方法が選択された場合に、過去にネットワークを介して口座振替を申し込んだ他の顧客に付与した顧客識別情報と重複しない新規顧客識別情報を顧客に付与し、データ提供部133が、新規顧客識別情報を含む印刷用データを顧客に提供する。
【0104】
情報処理装置1がこのように構成されていることで、顧客は、ネットワークを介して口座振替を申し込むか、口座振替申込書を印刷して申し込むかを自由に選択できるとともに、申込方法が異なっても顧客識別情報が重複しないようにすることができる。また、印刷用データに顧客識別情報が含まれていることで、顧客が顧客識別情報を書き間違えるおそれがないので、他の顧客識別情報と重複する顧客識別情報が書かれた口座振替申込書が金融機関に届くことを防げる。その結果、ネットワークを介しての口座振替の申し込みと、用紙を用いての口座振替の申し込みとを併用することが可能になる。
【0105】
また、情報処理装置1の情報送信部137は、通知取得部135が残高不足通知を取得した場合に、口座振替口座を用いない決済処理を実行するための画面を表示させるためのアドレス情報(例えばクレジットカード決済用URL)を、事業者端末2又は顧客端末3に送信する。当該アドレス情報を顧客端末3が受信することで、顧客は、銀行口座にすぐに入金することができない場合であっても、クレジットカード決済をすることにより、次の引き落とし日までに料金を支払うことができる。また、情報処理装置1がこのように構成されていることで、残高不足が発生して料金が支払われない場合に、料金支払先事業者が督促をする頻度を下げることも可能になる。
【0106】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0107】
1 情報処理装置
2 事業者端末
3 顧客端末
4 金融機関サーバ
5 決済会社サーバ
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 顧客情報取得部
132 識別情報付与部
133 データ提供部
134 管理部
135 通知取得部
136 アドレス情報作成部
137 情報送信部
138 支払状態管理部
【要約】
【課題】ネットワークを介しての口座振替の申し込みと、用紙を用いての口座振替の申し込みとを併用しやすくする。
【解決手段】情報処理装置1は、料金支払先事業者に支払う料金の口座振替の申込画面を顧客の顧客端末3に表示させ、顧客の操作内容を示す情報を顧客端末3から取得する顧客情報取得部131と、紙の申込書を要求する操作が行われたことを示す紙申込情報を顧客情報取得部131が取得した場合に、ネットワークを介して申し込み手続きを行うための操作が行われたことを示すネット申込情報を顧客情報取得部131が過去に取得した場合に付与した使用済顧客識別情報と異なる新規顧客識別情報を顧客に付与する識別情報付与部132と、新規顧客識別情報を含む印刷用データを顧客端末に提供するデータ提供部133と、を有する。
【選択図】
図6