(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-12
(45)【発行日】2022-08-22
(54)【発明の名称】フェノール化合物の二次代謝のための二次代謝刺激物バチルス・アミロリケファシエンスQV15とメタボリックシンドローム関連酵素に対するラズベリー及びイチゴ抽出物の阻害能力
(51)【国際特許分類】
C12N 1/20 20060101AFI20220815BHJP
A23L 33/00 20160101ALI20220815BHJP
A01G 7/06 20060101ALI20220815BHJP
【FI】
C12N1/20 E
A23L33/00
A01G7/06 A
(21)【出願番号】P 2019571539
(86)(22)【出願日】2018-05-22
(86)【国際出願番号】 ES2018070369
(87)【国際公開番号】W WO2018234599
(87)【国際公開日】2018-12-27
【審査請求日】2021-04-23
(32)【優先日】2017-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】ES
【微生物の受託番号】CECT CECT 9371
(73)【特許権者】
【識別番号】519453054
【氏名又は名称】フンダシオン ウニヴェルシタリア サン パブロ
【氏名又は名称原語表記】FUNDACION UNIVERSITARIA SAN PABLO
【住所又は居所原語表記】C/Isaac Peral no 58,28040 Madrid(ES)
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グティエレス アルバンチェス,エンリケ
(72)【発明者】
【氏名】グティエレス マネーロ,フランシスコ ハビエル
(72)【発明者】
【氏名】ルーカス ガルシア,ホセ アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】ラモス ソラーノ,ベアトリス
【審査官】吉門 沙央里
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第102876603(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0120748(KR,A)
【文献】特開2015-181423(JP,A)
【文献】J.Barriuso,Microbial Ecology,2005年,vol.50,82-89
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12P 1/00-41/00
C12Q 1/00- 3/00
C12N 1/00- 7/08
A23L 5/40- 5/49、31/00-33/29
A23K 50/00-50/10
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物種のフェノール化合物、即ちフラボノイド、アントシアニン、及びカテキンの二次代謝を刺激する能力、並びにブリックス度を上昇させる能力を特徴とする、グラム陽性細菌バチルス属のグループの微生物であるバチルス・アミロリケファシエンスQV15(CECT9371)。
【請求項2】
イチゴ及びラズベリー果実のアントシアニン含有量を増加させる能力を特徴とする、請求項1に記載のバチルス・アミロリケファシエンスQV15(CECT9371)。
【請求項3】
メタボリックシンドロームに関連する酵素、即ちαグルコシダーゼ(血糖調節物質)、ACE(高血圧に関するアンジオテンシン変換酵素)、及びCOX2(炎症)の阻害剤としてのラズベリー及びイチゴ果実の抽出物の特性を強化する能力を特徴とする、グラム陽性細菌バチルス属のグループの微生物であるバチルス・アミロリケファシエンスQV15(CECT9371)。
【請求項4】
生物活性物質を増加させるため、並びに/又はαグルコシダーゼ、ACE、及びCOX2に対するその効果について葉及び/又は果実の抽出物を強化するために、
キイチゴ属(Rubus genus)又はオランダイチゴ属(Fragaria genus)に属する任意の植物種に適用するための、請求項1~3のいずれか1項に記載のバチルス・アミロリケファシエンスQV15(CECT9371)
の使用。
【請求項5】
Rubus種
又はFragaria種ファミリーに属する任意の植物種に適用するための、請求項1~
3のいずれか1項に記載のバチルス・アミロリケファシエンスQV15(CECT9371)
の使用。
【請求項6】
特にアントシアニンからの果実の官能品質と着色を改善する目的で、赤いベリー又は野生の果実が一部を形成する任意の植物種
又はブドウ由来の任意の植物種に適用するための、請求項4又は5に記載のバチルス・アミロリケファシエンスQV15(CECT9371)
の使用。
【請求項7】
個別の株又は他の生物と組み合わせにより、個別に又は他の生物と組み合わせて調製物の一部を形成し、任意の利用可能な手段によって細菌が植物の種子、根、又は気中系に接触する、請求項
4~6のいずれか1項に記載のバチルス・アミロリケファシエンスQV15(CECT9371)
の使用。
【請求項8】
個別の株若しくは他の生物と組み合わせ、又は個別に若しくは他の生物との組み合わせで調製物の一部を形成する、及び任意の利用可能な手段でin vitro培養の任意の分化状態にある植物細胞に細菌が接触する、請求項
4~6のいずれか1項に記載のバチルス・アミロリケファシエンスQV15(CECT9371)
の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業的、薬理学的、又は栄養学的に二次代謝のフェノール化合物の合成を改善することを目的として、即ち、メタボリックシンドロームの症状を改善又は予防するためのαグルコシダーゼ、ACE、及びCOX2阻害効果のためにラズベリー及びイチゴ抽出物の特性を改善するだけでなく、イチゴ及びラズベリー果実の着色を改善するために、植物に適用するためのバチルス・アミロリケファシエンス(QV15、検査内部コード)菌株に関する。
【0002】
この菌株は、単離されたときに内部参照番号L81が割り当てられ、2017年5月31日にスペインのType Culture Collection(CECT)に特許目的で寄託され、番号9371が割り当てられた。CECTは、ブルハソットキャンパス(DP 46100-スペイン、バレンシア)のバレンシア大学の研究棟にある。
【0003】
この菌株は、農業的、薬理学的に、又は食物として関心のある植物の二次代謝を刺激する様々な種類の生成物を調製するための基礎として役立つ可能性があり、また、より多量の活性物質を得るため、及び/又はフェノール化合物、特に着色及びブリックス度を改善するアントシアニンの含有量が増加した野生のベリー(イチゴ及びラズベリー)等、標準化されたフェノール含有量を含む新規食物を得るために役立つ可能性がある。これらの生成物は、様々な医薬品の活性物質を構成する可能性があるフェノール生物活性成分を強化し、特定食品の品質を向上させるであろう。更に、これを使用して、メタボリックシンドロームを改善するためのαグルコシダーゼ及びCOX2の阻害効果のために、ブラックベリー、ラズベリー、及びイチゴ果実抽出物の特性を改善することができる。
【0004】
本発明は、バイオテクノロジー、薬理学、及び新規食品の分野に含まれる。
【背景技術】
【0005】
植物成長促進菌の作用機序は2つのタイプ、即ち、生成された代謝産物が植物の代謝(ホルモン活性、防御機構の刺激等)を損なう場合は直接的なタイプ、植物の代謝を損なわず、栄養素の取り込みや可動化を促進する化合物を合成する場合、又は植物に関与せずに病原微生物の繁殖を防げる場合は間接的なタイプに要約できる。
【0006】
本発明の場合、直接的機序、即ち植物の代謝を損なう機序の1つに関連する。植物は、直面しなければならない有害な状況に対する植物の防御と適応に関連して、誘導性の高い二次代謝を有する。この二次代謝の中で、植物の防御に関連することとは別に、植物由来の食物を自然に含まれている状態及び栄養補助食品のための植物抽出物で消費する場合の両方で、人間の健康に関係するフェノール化合物の代謝を見出すことができる。これらは医薬品を入手するための活性物質の供給源としても重要である。二次代謝を促進するための炭素骨格の源は光合成であり、このプロセスに影響を与える可能性のある機序は植物の健康に影響を与える。
【0007】
バチルス・アミロリケファシエンスは、グラム陽性細菌のグループに属している。バチルス属は土壌細菌によく見られ、動物や植物の病原体に対する日和見病原体になる可能性がある。2001年3月版のManual Bergeysの分類法によると、この細菌は細菌ドメイン、ファーミキューテス門、バチルスクラス、バチルスオーダー、バチルス科、バチルス属、バミロリケファシエンス種に分類される。バチルス属は、土壌系では非常に一般的であり、様々な植物病害に対する保護細菌として繰り返し記載されている。それらは非蛍光性のカテコール型シデロフォアを生成することができ、これは他の機能の中でもとりわけ、微生物代謝のために培地中の鉄を捕捉できる分子として作用する。様々な植物の根圏におけるバチルス種の存在は、それらの生理学に有益な影響を及ぼし、これは根圏レベルでその選択が起こる可能性が非常に高いことを意味する。
【0008】
科学文献には、バチルス属株について、バイオテクノロジー、農業、植物病理学の分野で関心のある多くの活動を行うことができると言及する多くの参考文献がある。バイオテクノロジー分野では、i)バイオディフェンス研究では滅菌のバイオマーカーとしての役割に関する研究、ii)増殖及び産生の増加による植物の一次代謝への影響に関する研究、iii)消毒剤としての研究、iv)ポリケチド又はリポペプチド型抗菌分子を生成する能力のために抗菌剤としての研究がある。農業及び植物病理学の分野では、バチルス・アミロリケファシエンスが植物の植物防御を誘導する能力について多くの参考文献があるが、一方では、キチナーゼ及びグルカナーゼを産生し、アルテルナリア及びフザリウム菌に対して直接保護できる株が存在する。また、生理食塩水ストレス及び葉の病原体シュードモナス・シリンゲDC3000(Barriusoら、2008 Phytopathology)から保護できるバチルス属株について言及されているが、バチルス・アミロリケファシエンスについては何もない。最後に、フェニルプロパノイド、フラボノイド、アントシアニンの生合成経路を調節し、ポリフェノール、特にフラボノールとアントシアニンの濃度を高めるバチルス株、又はバチルス・アミロリケファシエンスはない。
【0009】
一方、フラボノイドが豊富な植物抽出物、アントシアニン及びその他のフェノール化合物は、健康に有益な高い抗酸化力を持つことが広く知られている。ブルーベリー種からの抽出物は、抗酸化能力、神経変性予防、骨量減少の予防、冠状動脈の予防、及び抗癌効果のために、健康的な製品として頻繁に引用されている。野生のベリーと市販種の両方のベリー抽出物は、血糖降下作用、脂肪生成の阻害、心血管疾患の危険因子の改善、抗炎症能力、及び満腹感を誘発し過体重に対処する能力にも関連付けられている。Lila,M.A.の最近の記事(非特許文献1)は、糖尿病、過体重又は肥満状態、及び心血管疾患に関連するメタボリックシンドロームのバイオマーカーにおけるベリー由来のバイオフラボノイドの影響について論じている。
【0010】
この健康に有益な植物抽出物の分野の中で、有名な研究者の他の2つの記事(Sharma、Kumar(非特許文献2)及びKaume、Howard、Devareddy(非特許文献3))は、言及されている高レベルのフェノール化合物のためにブラックベリー果実(Rubus sp.var Loch Ness)が他の機能の中でもとりわけ血糖降下作用及び満腹感を誘発し過体重に対抗する能力に関連しているという意味で本発明の主題により近い最新技術を正確に反映している。実際、Sharma及びKumarの記事は、アロキサンによる糖尿病誘発マウスに対するRubus ellipticus果実抽出物の抗糖尿病効果を扱っているが、健康なマウスと正常な動物での研究の欠如に注目する価値がある。
【0011】
従って、この一連の研究に続き、本発明のチームは、生物学的産生サイクル全体を通じてバチルス・アミロリケファシエンスQV15で処理した植物から得たイチゴ及びラズベリーからメタノール抽出物を調製することに成功した。これらの抽出物は、その組成と抗酸化力で完全に特徴付けられており、αグルコシダーゼ、ACE、及びCOX2酵素を阻害する能力が高いことが示されているため、メタボリックシンドロームに関連する症状を予防及び改善するための食品の調製及び薬物の調製に潜在的に有用である。
【0012】
Esp@cenetシステムを介してスペインの製品データベースInvenet(SPTO)及び国際的なWorldwideで世界中の特許の遡及検索を実行すると、科学文献の参照から得られる以下の結論が確認される。即ち、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)N21.4に類似の参考文献はあるが(特許文献1)、二次代謝、特にフェニルプロパノイド、フラボノイド、及びアントシアニン経路を刺激する能力を支持する細菌種バチルス・アミロリケファシエンスに関連する特許文書はない。このように、植物の代謝プロファイルを変更することができ、従って、この植物材料から調製された果実又は抽出物が有し得る健康上の利点を変更することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【非特許文献】
【0014】
【文献】Functional Foods in Health and Disease,2011,2:13-24Page13of24
【文献】Journal of Diabetology、June2011;2:4
【文献】J.10Agric.Food Chem.2012、60、5716-5727
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
前述の調査の後、世界中で公開されているバチルス・アミロリケファシエンス株に関連する特許があり、そのどれもがフラボノイド及びアントシアニン経路においてフェノール化合物レベルで果実の代謝プロファイルを調節する能力(この全体的な効果が本発明の主題である)に関連していないことがわかった。ほとんどの特許は、細菌の酵素産生(グルカナーゼ、キチナーゼ等)による培養保護に言及し、その保護効果は細胞外に放出されたときに表皮又は葉のレベルで発揮され(間接的機序)、この保護には植物の代謝(直接的機序)は関与していない。
【課題を解決するための手段】
【0016】
先行技術を考慮して、特許取得に必要な新規性及び進歩性の条件に適合する本明細書に記載の発明の主題は、細菌株バチルス・アミロリケファシエンスQV15(CECT9371)の単離及び特徴付けであることが理解され、この株は、グラム陽性細菌バチルス属のグループの微生物であり、二次代謝を調節し、メタボリックシンドロームに関連する酵素(COX2、ACE、及びαグルコシダーゼ)について植物抽出物の特性を高めることができる。
【0017】
この株の生理学的特性と遺伝分析により、バチルス属の他の種と区別して明確に識別することができる。
【0018】
内部参照コードL81を使用して単離及び特徴付けを行った後、この細菌の可能性を明らかにするために様々な試験を行った。試験は、オーキシンの生成、1-アミノシクロプロパン-1-カルボキシレートの分解、リン酸塩の可溶化、並びにシデロフォア及びキチナーゼの生成について行い、シデロフォアの生成が陽性であることを証明した。
【0019】
これまでにシロイヌナズナにバチルス・アミロリケファシエンスQV15の細菌懸濁液を接種する一貫した実験を行い、植物の成長に影響を与えることなく光合成(φPSII/NPQ)が改善された。これらの実験では、植物のグルカナーゼ(PR2)及びキチナーゼ(PR3)活性の中等度の増加と共に、SOD活性の増加とAPX活性及び残りのROS消去活性の減少が検出された。QV15を以前に接種したこれらの植物にキサントモナス・カンペストリス陽性(Xanthomonas campestris pv)トマトでショックを与えた場合、植物はこの攻撃にはるかに良く耐え、対照においてPR2及びPR3活性が2倍以上増加したのに対し、60%の保護を示した。
【0020】
一方、生産温室内のブラックベリー(Rubus var Loch Ness)、ラズベリー(Rubus idaeus)、及びイチゴ(Fragaria vesca)植物で実地実験を行った。シーズンオフの生産条件下で、9月から2月にかけて15日ごとに、QV15を含む散布を根レベルで行った。全ての植物でフェノール化合物の合成の増加が検出された。ブラックベリーでは、この増加は転写因子のレベルで制御され、MYB6転写、及びフラボノール生合成経路の特定の遺伝子を刺激する。
【0021】
様々な植物種で行ったこれらの実験は、非接種の対照と比較してバチルス・アミロリケファシエンスQV15が植物の二次代謝を調節し、ラズベリー及びイチゴ果実抽出物の特性を改善し、αグルコシダーゼ、ACE、及びCOX2の抑制効果を改善できることを示し、従って、この細菌又はこの細菌に由来する分子は、メタボリックシンドロームの症状の改善又は予防のために、農学的、薬理学的、又は栄養学的、農業的に又は林業で関心のある任意の種類の培養に使用できる。
【0022】
バチルス・アミロリケファシエンスQV15は、葉及び果実内、特にフラボノール、アントシアニン、カテキン誘導体におけるフェノール化合物の含有量を変更することによりブラックベリー(Rubus var Loch Ness)、ラズベリー(Rubus idaeus)、及びイチゴ(Fragaria vesca)植物に適用できる。ブラックベリーの葉では、バチルス・アミロリケファシエンスQV15は転写因子レベルで、またフラボノール及びアントシアニンの生合成経路の特定の遺伝子で作用し、それにより葉の代謝プロファイル(フラボノールと誘導体)を変更する。ブラックベリー果実でも、転写因子レベルで、並びにフラボノール及びアントシアニンの生合成経路の特定の遺伝子で作用する。これは、薬理学的及び栄養学的に関心のあるフェノール化合物の含有量を増やすために、特にラズベリー及びイチゴのアントシアニン含有量、従って、その着色を改善するために、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー、ブルーベリー、ビルベリー、又はブドウ等、赤いベリーや野生の果実が含まれる任意の植物種に応用できる。
【0023】
バチルス・アミロリケファシエンスQV15をフェノール化合物、特にイチゴ及びラズベリーのアントシアニンの二次代謝の刺激剤として使用し、αグルコシダーゼ、ACE、及びCOX2酵素の作用について抽出物を改善するための前述の実験は、本明細書の最後に実施形態のセクション内で示されている。
【0024】
本発明で最終的に追求する、また本発明が提供する技術的利点を構成する目的は、農学的、薬理学的、及び栄養学的に関心のある植物においてフェノール化合物の二次代謝を刺激して二重の効果、即ち一方ではイチゴ及びラズベリーのアントシアニン含有量、従ってその商業的価値を改善し、他方ではαグルコシダーゼ、ACE、及びCOX2酵素への影響について非接種対照と比較して改善された抽出物の植物原料源を得る、従って、メタボリックシンドロームの症状の改善又は予防のためにそれらを使用できる効果を達成することである。
【0025】
従って、本特許出願では、バチルス・アミロリケファシエンスQV15株又はその任意の画分の使用は、農学的、薬理学的、栄養学的に関心のある植物におけるフェノール化合物の二次代謝を刺激し、同時に、αグルコシダーゼ、ACE、及びCOX2の作用に関してこの株で処理した植物材料から得られる抽出物を改善するために、個別に又は他の生物と組み合わせて任意の調製物の一部を形成する任意のタイプの植物種にこれを適用することを主張する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
森林の利益のために選択されたマツ属の2種の根圏を研究すると、ここで論じられているバチルス属が見つかる。
【0027】
この株は、シエラデアラセナ(スペイン、Huelva)におけるアカハツタケの結実期と一致した2000年秋のアカハツタケ(Fries)S.F.Grayの両方に関連したマツ2種(Pinus pinaster Aiton及びPinus pinea L.)の根圏及び共生菌の菌圏で行われた細菌の単離中にPinus pinea Lの自然集団の根圏から単離された。このサンプリングの結果、バチルス・アミロリケファシエンス(QV15、内部検査コード)を含む720株が収集された。この株の単離は栄養寒天(PCA)で行った。
【0028】
実験室では、この微生物は、-80℃の栄養ブロス(Pronadisa)中20%グリセロール又は-20℃の水中15%グリセロールで高い生存率で維持され、28℃の固相と液相の両方で隔離用に使用される培地で容易に回収される。
【0029】
株の特徴付けについては、本明細書で詳述する様々な表現型の特徴、即ち(i)コロニー形態、(ii)細胞形態、(iii)16Sサブユニットに対応するリボソームDNA遺伝子の配列、(iv)ゲノム配列を考慮した。
【0030】
バチルス・アミロリケファシエンスQV15の形態的、生化学的、及び遺伝的特性
【0031】
バチルス・アミロリケファシエンスの分類学的特徴付けは、16SリボソームDNA部分シーケンシングによって株を特定することによって行い、それをデータベース内の配列と比較することにより、バチルス・アミロリケファシエンス株との100%の相同性が明らかになった。
【0032】
次に、コロニー形態は、標準法寒天(PCA)上、28°で24時間インキュベーションして特定する。
【0033】
【0034】
液体培地(Lennox Pronadisa)で増殖させると、培地の色は指数関数的な増殖段階から定常的な増殖段階へとより濃い黄色に変わる。
【0035】
標準法寒天(PCA)上、28°で24時間インキュベーションしたバチルス・アミロリケファシエンスQV15の形態学的特性は、胞子形成グラム陽性菌と一致する。
【0036】
次いで、同定のために系統遺伝分析を実施し、このために次の手順を実行した。
【0037】
DNA抽出
【0038】
DNA抽出のために、コロニーを攪拌下28℃のLennox(Pronadisa)中で24時間増殖させた。この後、各細菌のゲノムDNAをUltraclean(商標)微生物DNA単離キット(MoBio、CA、米国)で製造元の指示に従って抽出した。
【0039】
16S rDNA増幅
【0040】
この領域に対応する1500 bpを、フォワード5’-AGA GTT TGA TCC TGG CTC AG-3’及びリバース5’-AAG GAG GTG ATC CAG CCG CA-3’(Ulrike、1989)のプライマーを用いたPCRで、10Xの1X緩衝液、2.5μMのMgCl2、各DNTPを250μM、フォワードプライマー2.5μM、リバースプライマー2.5μM、DNAポリメラーゼ1.25単位(AmpliTaq Applied)、及び細菌DNA100ngを含む25μLの反応液で増幅した。増幅はGeneAmp2700サーマルサイクラー(Applied Biosystems)中、95℃で5分間の後、94℃で30秒、65.5℃で30秒及び72℃で30秒の25サイクル、最後に72℃で7分の条件で行った。
【0041】
ゲルの可視化
【0042】
PCR産物を、臭化エチジウム(0.5mg/mL)を含むTris-Acetate-EDTA緩衝液(1%TAE)中の1%アガロースゲル(w/v)に再溶解し、イメージアナライザGelDoc2000TM170-8126(Biorad、米国カリフォルニア州)で可視化した。
【0043】
DNA配列
【0044】
増幅を検証した後、PCR産物をUltraClean(商標)PCR Clean-up DNA精製キット(MoBio、米国カリフォルニア州)で精製し、ABIPRIMS(登録商標)377 ADN Sequencer (Applied Biosystems、米国カリフォルニア州)中、UNIDAD DE GENOMICA PARQUE CIENTIFICO DE MADRID-UCMで配列決定した。
【0045】
配列のコンピュータ分析
【0046】
配列をBioedit Sequence Aligment editor5.0.3program(登録商標)でアラインメントし、GeneBank EMBL及びDDBJ(NCBI BLASTRウェブサイト:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)のBLASTN2.2.6(Altschulら、1997)によって手動で確認、修正、及び分析し、最高の相同性であるバチルス・アミロリケファシエンスQV15 16SリボソームRNA遺伝子、完全な配列、及び受託番号AY307364.1でGeneBankに登録されている配列を得た。
【実施例】
【0047】
ストレス条件への適応のエンハンサー、並びにフェノール化合物の一次及び二次代謝の刺激剤としてのバチルス・アミロリケファシエンス
【0048】
第1回:シロイヌナズナの苗木に種子の発芽後4週目と5週目に根レベルで2回細菌を接種する誘発実験2回目の接種の3日後、病原体(Xantomonas campestris)を病原体散布により葉面レベルで接種する。蛍光(Fo、Fv/Fm、ΦPSII及びNPQ)、酵素活性(ROS消去サイクル及び防御酵素)、及び相対的な発病指数によって光合成を決定した。i)SOD活性の増加とAPXの減少、ii)QV15+病原体で処理するとグルカナーゼ、キチナーゼ、及びセルラーゼの活性が増加し、一方QV15では対照と比較して類似又はより低い活性を維持し、全体的な防御の誘導を示す、iii)63.61%の病原体の攻撃によって生じた病気の症状の減少が観察された。
【0049】
第2回:Rubus var Loch Ness植物の根に細菌を適用する誘発実験-QV15株の細菌懸濁液をRubus var Loch Ness植物の根に、植え替え後2週間ごとに(2014年9月から2015年2月まで)接種した。2回のサンプリング時(開花時及び最大の結実時)に蛍光(Fo、Fv/Fm、ΦPSII、及びNPQ)、酵素活性(ROSサイクル、及び防御酵素)、葉の生物活性物質(総フェノール、フラボノール、及びアントシアニン)、クロロフィルによって光合成を決定し、最大の結実時に果実の栄養パラメータ(pH、ブリックス度、及びクエン酸%)及び生理活性化合物を決定し、結実時に収集した葉と果実においてフラボノイドの遺伝子発現及び防御タンパク質経路を研究し、最後にメタボリックシンドロームに関連する酵素であるグルコース調節(αアミラーゼとαグルコシダーゼ)、高血圧症(ACE)、及び炎症(COX2)に関連する酵素の阻害について果実抽出物を測定した。i)光合成レベルでのΦPSIIの増加及びNPQの減少、ii)SOD活性の誘導、APXの減少、iii)病原体、特にカビ(Mildew)に対する防御力の増加に関連して、開花時及び結実時の両方における防御タンパク質(グルカナーゼ及びキチナーゼ)の活性及び発現の増加、iv)葉レベルの生物活性成分では、開花時にフェノールの増加が観察されるがフラボノールとアントシアニンは損なわれず、一方で結実時の葉ではこれらは全て減少する、v)開花時及び結実時の両方におけるクロロフィルA、B、及び合計の増加、vi)果実中のフェノールの減少が観察されたが、フラボノールとアントシアニンは損なわれず、二次代謝の変化を示す、vii)ブラックベリー果実における抗酸化ポテンシャルの増加、viii)フラボノール及びアントシアニン経路CHS、F3H、DFR、LAR、及びGST1(果実及び葉)の遺伝子発現が増加し、データは生理活性成分分析と一致し、成熟の中間段階でカテキンの産生に向かうフラボノール経路からの逸脱を示唆することが観察された。
【0050】
抽出物は「Loch Ness」品種の新鮮なブラックベリーと葉から調製した。αグルコシダーゼ、ACE、及びCOX2への影響を測定するために使用する抽出物については、まずブラックベリーを凍結乾燥させ、次に80%メタノールで抽出し、遠心分離し、有機画分を真空蒸発させた。20%の水を含む抽出物を特徴付け、残りの測定に使用した抽出物については80%メタノールによる抽出を行った。従って、αグルコシダーゼ、ACE、及びCOX2について得られた測定値は乾燥重量であり、残りは新鮮重量である。
【0051】
抽出物の特徴付けのために以下の決定を行った。
【0052】
抽出物の総フェノール含有量は、Singleton V.L、Rossi J.A.(1965)のリンモリブデンリンタングステン酸試薬による総フェノール比色法により決定する。Am J Enol Vitic 10 16,144-158は、Folin-Ciocalteu試薬によるフェノールのヒドロキシル基の塩基性媒体中での酸化に基づいている。結果は没食子酸mg/抽出物gとして表される。このようにして、以下に詳述するプロセスに従って得られた抽出物は、20mg/gの最小総フェノール含有量を有する。
【0053】
抽出物の総フラボノール含有量は、Zishenら(1999)Zhishen J、Mengcheng T、Jianming W(1999)「The determination of flavonoid contents in mulberry and their scavenging effects on superoxide radicals」Food Chem 64:555-559.Doi:20 10.1016/S0308-8146(98)00102-2(修正あり)の塩化アルミニウムの比色法により決定する。これは新鮮抽出物1gあたりのカテキン相当量mgとして表される。
【0054】
総アントシアニン含有量は、Giusti and Wrolstad(2001)、Giusti MM、Wrolstad RE(2001)「Anthocyanins Characterization and measurement with UV-visible spectroscopy」に記載された示差pH法によって決定した。Wrolstad RE、Acree TE、An H、Decker EA、Penner MH、Reid DS、Schwartz SJ、Shoemaker CF、Sporns P、Wiley J(編)「Current Protocols in Food Analytical Chemistry.」New York、pp F121-F129.doi:10.1002/0471142913.faf0102s00によって、異なるpHでのアントシアニンの異なる吸光度を評価する。結果は、新鮮抽出物gあたりのシアニジン-3-グリコシドのmg30として表される。
【0055】
防御及び酸化ストレスに関連する酵素活性の測定については、Garci-Limones、C.、Hervas、A.、Navas-Cortes、JA、Jimenez-Diz、RM、&Tena、M.(2002)に記載されている方法を使用した。「Induction of an antioxidant enzyme system and other oxidative stress markers associated with compatible and incompatible interactions between chickpea (Cicer arietinum L.)and Fusarium oxysporum f.sp.ciceris.」Physiological and Molecular Plant Pathology,61(6),325-337;Lee,B.-R.,Jung,W.J.,Lee,B.-H.,Avice,J.-C.,Ourry,A.,&Kim,T.H.(2008)「Kinetics of drought-induced pathogenesis-related proteins and its physiological significance in white clover leaves.」Physiologia Plantarum,132(3),329-337;Saravanakumar,D.,Lavanya,N.,Muthumeena, B.,Raguchander,T.,Suresh,S.,&Samiyappan,R.(2008)「Pseudomonas fluorescens enhances resistance and natural enemy population in rice plants against leaffolder pest.」Journal of Applied Entomology, 132(6), 469-479;Xu,C.,Natarajan,S.,&Sullivan, J.H.(2008)「Impact of solar ultraviolet-B radiation on the antioxidant defense system in soybean lines differing in flavonoid contents.」Environmental and Experimental Botany,63(1-3),39-48。
【0056】
クロロフィル測定については、Harmut K.Lichtenthaler and Claus Buschmann(2001)に記載されている方法に従った。Extraction of Photosynthetic Tissues:Chlorophylls and Carotenoids.Current Protocols in Food Analytical Chemistry F.4.2.1-F.4.2.1。
【0057】
第3回:ラズベリー植物(Rubus idaeus var Adelita)に2015年10月から2016年5月まで2週間ごとに根レベルで細菌を接種し、ラズベリーの2回の生産最大値(1月と5月)を分析することによる誘発実験光合成は、蛍光(Fo、Fv/Fm、ΦPSII、y NPQ)、葉及び果実の生理活性化合物(フェノール、フラボノン及びアントシアニン)、並びに果実の栄養価(pH、ブリックス度及びクエン酸%)によって決定し、最後に、メタボリックシンドロームに関連する酵素であるグルコース調節(αアミラーゼ及びαグルコシダーゼ)、高血圧(ACE)及び炎症(COX2)に関連する酵素の阻害について、メタノール果実抽出物を測定した。果実では、i)ブリックス度の増加、クエン酸量の減少、及びpHの低下、ii)対照と比較したアントシアニン、フェノール、及びフラボノール量の増加、iii)αグルコシダーゼ、ACE、及びCOX2を阻害する果実抽出物の能力の向上が観察された。接種植物及び対照植物の果実中のアントシアニン、フェノール、及びフラボノールの含有量を表2に示し、αグルコシダーゼのIC50、ACE阻害%、及びCOX2阻害%を表3に示す。
【0058】
【0059】
【0060】
ラズベリー抽出物は「Adelita」品種の新鮮なラズベリーから調製した。αグルコシダーゼ、ACE、及びCOX2への影響を測定するために使用する抽出物については、まずブラックベリーを凍結乾燥させ、次に80%メタノールで抽出し、遠心分離し、有機画分を真空蒸発させた。20%の水を含む抽出物を特徴付け、残りの測定に使用した抽出物については80%メタノールによる抽出を行った。従って、αグルコシダーゼ、ACE、及びCOX2について得られた測定値は乾燥重量であり、残りは新鮮重量である。
【0061】
抽出物の特徴付けのために以下の決定を行った。
【0062】
抽出物の総フェノール含有量は、Singleton V.L、Rossi J.A.(1965)のリンモリブデンリンタングステン酸試薬による総フェノール比色法により決定する。Am J Enol Vitic 10 16,144-158は、Folin-Ciocalteu試薬によるフェノールのヒドロキシル基の塩基性媒体中での酸化に基づいている。結果は没食子酸mg/抽出物gとして表される。このようにして、以下に詳述するプロセスに従って得られた抽出物は、20mg/gの最小総フェノール含有量を有する。
【0063】
抽出物の総フラボノール含有量は、Zishenら(1999)Zhishen J、Mengcheng T、Jianming W(1999)「The determination of flavonoid contents in mulberry and their scavenging effects on superoxide radicals.」Food Chem 64:555-559.Doi:2010.1016/S0308-8146(98)00102-2(修正あり)の塩化アルミニウムの比色法により決定する。これは新鮮抽出物1gあたりのカテキン相当量mgとして表される。
【0064】
総アントシアニン含有量は、Giusti and Wrolstad(2001)、Giusti MM、Wrolstad RE(2001)「Anthocyanins Characterization and measurement with UV-visible spectroscopy」に記載された示差pH法によって決定した。Wrolstad RE、Acree TE、An H、Decker EA、Penner MH、Reid DS、Schwartz SJ、Shoemaker CF、Sporns P、Wiley J(編)「Current Protocols in Food Analytical Chemistry.」New York、pp F121-F129.doi:10.1002/0471142913.faf0102s00によって、異なるpHでのアントシアニンの異なる吸光度を評価する。結果は、新鮮抽出物gあたりのシアニジン-3-グリコシドのmg30として表される。
【0065】
第4回:イチゴ植物(Fragaria vesca var Fortuna)に植え替え後2週間ごとに根レベルで植物サイクル全体を通して(2016年1月から5月まで)接種することによる誘発実験光合成は生産サイクルの中間(2016年3月)及び終わり(2016年5月)に蛍光(Fo、Fv/Fm、ΦPSII、y NPQ)によって決定し、果実の生物活性化合物(フェノール、フラボノール、及びアントシアニン)及び栄養値(pH、ブリックス度、及びクエン酸%)は両方の時点で決定し、最後に、メタボリックシンドロームに関連する酵素であるグルコース調節(αアミラーゼ及びαグルコシダーゼ)、高血圧(ACE)、及び炎症(COX2)に関連する酵素の阻害について、メタノール果実抽出物を測定した。i)光合成レベルでFo及びNPQが減少するため、植物は対照よりもストレスが少なく、熱の形では光合成によるエネルギー損失が少ないことが理解されるため、一次又は二次代謝産物の生成に使用されるであろうこと、ii)アントシアニンの増加、iii)ブリックス度の増加、iv)腐食果実の減少及び高品質果実の増加、v)αグルコシダーゼ、ACE、及びCOX2に対する果実抽出物の特性の増加が観察された。接種植物及び対照植物の果実中のアントシアニン、フェノール、及びフラボノールの含有量を表4に示し、αグルコシダーゼのIC50、ACE、及びCOX2阻害%を表5に示す。
【0066】
【0067】
【0068】
イチゴ抽出物は「Fortuna」品種の新鮮なイチゴから調製した。αグルコシダーゼ、ACE、及びCOX2への影響を測定するために使用する抽出物については、まずブラックベリーを凍結乾燥させ、次に80%メタノールで抽出し、遠心分離し、有機画分を真空蒸発させた。20%の水を含む抽出物を特徴付け、残りの測定に使用した抽出物については80%メタノールによる抽出を行った。従って、αグルコシダーゼ、ACE、及びCOX2について得られた測定値は乾燥重量であり、残りは新鮮重量である。
【0069】
第5回:イチゴ植物(Fragaria vesca var Fortuna)に植え替え後2週間ごとに根レベルで植物サイクル全体を通して(2016年10月から2017年3月まで)接種することによる誘発実験光合成は生産サイクルの中間(2017年3月)及びサイクルの終わり(2017年3月)に蛍光(Fo、Fv/Fm、ΦPSII、NPQ)によって決定し、生物活性化合物(フェノール、フラボノール、及びアントシアニン)、栄養価(pH、ブリックス度、及びクエン酸%)、並びに果実のサイズを決定した。i)接種後により大きな果実の量が増加したこと、ii)アントシアニンの増加、iii)フラボノールの増加、iv)クエン酸%の減少が観察された。
【0070】
イチゴ抽出物は「Fortuna」品種の新鮮なイチゴから調製した。80%メタノールによる抽出を行った。
【産業上の利用可能性】
【0071】
上記のバチルス・アミロリケファシエンスQV15の二次代謝刺激剤としての特性を考えると、この細菌株は農業食品、化学、及び製薬産業に特定の用途があり、任意の調製物の一部として(個別に、又は他の微生物と組み合わせて)使用することができ、任意の利用可能な手段、任意の植物種、又はin vitro培養の任意の形態でそれを植物の種子、根、又は気中系と(株又はその一部に)接触させて薬理学的及び/又は栄養学的に関心のあるフェノール性の二次代謝産物の濃度を高める。ラズベリー及びイチゴでは、特にアントシアニンの増加によって、オフシーズンの生産において色を改善し、αグルコシダーゼ、ACE、及びCOX2酵素を阻害する能力によって強化された抽出物が得られる。