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特許7122772H5N6組換えインフルエンザウイルス、その製造用組成物、及びそれを含むワクチン組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-12
(45)【発行日】2022-08-22
(54)【発明の名称】H5N6組換えインフルエンザウイルス、その製造用組成物、及びそれを含むワクチン組成物
(51)【国際特許分類】
   C12N 7/01 20060101AFI20220815BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20220815BHJP
   C12N 15/44 20060101ALI20220815BHJP
   C12N 15/86 20060101ALI20220815BHJP
   A61K 39/145 20060101ALI20220815BHJP
   A61P 31/16 20060101ALI20220815BHJP
【FI】
C12N7/01 ZNA
C12N5/10
C12N15/44
C12N15/86 Z
A61K39/145
A61P31/16
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021017840
(22)【出願日】2021-02-05
(65)【公開番号】P2022094270
(43)【公開日】2022-06-24
【審査請求日】2021-02-08
(31)【優先権主張番号】10-2020-0174899
(32)【優先日】2020-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年2月6日に Conference Viruses 2020-Novel Concepts in Virology(ディアグナル通り,547,08029,バルセロナ,スペイン国)にて発表
【微生物の受託番号】KCTC  KCTC14261BP
【微生物の受託番号】KCTC  KCTC14391BP
(73)【特許権者】
【識別番号】513246872
【氏名又は名称】ソウル大学校産学協力団
【氏名又は名称原語表記】SEOUL NATIONAL UNIVERSITY R&DB FOUNDATION
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(72)【発明者】
【氏名】グォン ヒョクジュン
(72)【発明者】
【氏名】アン セヒ
(72)【発明者】
【氏名】ホン スンミン
【審査官】中野 あい
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-500842(JP,A)
【文献】Vaccine, 2019 Sep 5, vol. 37, no. 42, pp. 6154-6161
【文献】J Vet Sci, 2017, vol. 18, no. S1, pp. 299-306
【文献】Vet Microbiol, 2019, vol. 228, pp. 213-218
【文献】Vaccines, 2020 Dec 20, vol. 8, no. 4, article no. 781(pp. 1-16)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-15/90
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インフルエンザウイルスH5N6ストレインのヘマグルチニン(hemagglutinin:HA)タンパク質であって、配列番号1のアミノ酸配列でN末端から103番目のアミノ酸であるヒスチジン(H)チロシン(Y)に突然変異したヘマグルチニンタンパク質;
H5N6ストレインのノイラミニダーゼ(neuraminidase:NA);
低病原性インフルエンザウイルスの重合酵素B2(polymerase subunit B2:PB2);及び
インフルエンザウイルスH1N1ストレインの重合酵素B1(polymerase subunit B1:PB1)、重合酵素A(polymerase subunit A:PA)、ヌクレオカプシドタンパク質(nucleoprotein;NP)、マトリックスタンパク質(matrix:M)及び非構造的タンパク質(nonstructural protein:NS)からなる群より選択された一つ以上のタンパク質を含み、
前記低病原性インフルエンザウイルスは、低病原性インフルエンザウイルス01310ストレインであり、
前記インフルエンザウイルスH1N1ストレインは、A/PuertoRico/8/34(PR8)であることを特徴とする、寄託番号KCTC14261BPで寄託されたH5N6組換えインフルエンザウイルス。
【請求項2】
インフルエンザウイルスH5N6ストレインのヘマグルチニン(hemagglutinin:HA)タンパク質であって、配列番号1のアミノ酸配列でN末端から103番目のアミノ酸であるヒスチジン(H)チロシン(Y)に突然変異したヘマグルチニンタンパク質;
インフルエンザウイルスH5N6ストレインのノイラミニダーゼ(neuraminidase:NA);
低病原性インフルエンザウイルスの重合酵素B2(polymerase subunitB2:PB2)、マトリックスタンパク質(matrix:M);
インフルエンザウイルスH1N1ストレインの重合酵素B1(polymerasesubunit B1:PB1)、重合酵素A(polymerase subunit A:PA);
インフルエンザウイルスH5N1ストレインのヌクレオカプシドタンパク質(nucleoprotein;NP);及び
インフルエンザウイルスH9N2の非構造的タンパク質(nonstructural protein:NS)からなる群より選択された一つ以上のタンパク質を含み、
前記低病原性インフルエンザウイルスは、低病原性インフルエンザウイルス01310ストレインであり、
前記インフルエンザウイルスH1N1ストレインは、A/PuertoRico/8/34(PR8)であることを特徴とする、寄託番号KCTC14391BPで寄託されたH5N6組換えインフルエンザウイルス。
【請求項3】
前記インフルエンザウイルスH5N1ストレインは、A/wild duck/Korea/SNU50-5/2009であることを特徴とする、請求項2に記載のH5N6組換えインフルエンザウイルス。
【請求項4】
前記インフルエンザウイルスH9N2ストレインは、A/chicken/Korea/KBNP-0028/00であることを特徴とする、請求項2に記載のH5N6組換えインフルエンザウイルス。
【請求項5】
インフルエンザウイルスH5N6ストレインのヘマグルチニンタンパク質をコーディングするポリヌクレオチドであって、前記ヘマグルチニンタンパク質の配列番号1のアミノ酸配列でN末端から103番目のアミノ酸であるヒスチジン(H)チロシン(Y)に突然変異したポリヌクレオチド;
H5N6ストレインのノイラミニダーゼをコーディングするポリヌクレオチド;
低病原性インフルエンザウイルスの重合酵素B2をコーディングするポリヌクレオチド;及び
インフルエンザウイルスH1N1ストレインの重合酵素B1、重合酵素A、ヌクレオカプシド、マトリックスタンパク質及び非構造的タンパク質からなる群より選択された一つ以上のタンパク質をコーディングするポリヌクレオチドを含み、
前記低病原性インフルエンザウイルスは、低病原性インフルエンザウイルス01310ストレインであり、
前記インフルエンザウイルスH1N1ストレインは、A/PuertoRico/8/34(PR8)であることを特徴とする、寄託番号KCTC14261BPで寄託されたH5N6組換えインフルエンザウイルス製造用組成物。
【請求項6】
インフルエンザウイルスH5N6ストレインのヘマグルチニン(hemaggluti
nin:H)タンパク質であって、配列番号1のアミノ酸配列でN末端から103番目のアミノ酸であるヒスチジン(H)チロシン(Y)に突然変異したヘマグルチニンタンパク質;
インフルエンザウイルスH5N6ストレインのノイラミニダーゼ(neuraminidase:NA);
低病原性インフルエンザウイルスの重合酵素B2(polymerase subunit B2:PB2)、マトリックスタンパク質(matrix:M);
インフルエンザウイルスH1N1ストレインの重合酵素B1(polymerasesubunit B1:PB1)、重合酵素A(polymerase subunit A:PA);
インフルエンザウイルスH5N1ストレインのヌクレオカプシドタンパク質(nucleoprotein;NP);及び
インフルエンザウイルスH9N2の非構造的タンパク質(nonstructural protein:NS)からなる群より選択された一つ以上のタンパク質をコーディングするポリヌクレオチドを含み、
前記低病原性インフルエンザウイルスは、低病原性インフルエンザウイルス01310ストレインであり、
前記インフルエンザウイルスH1N1ストレインは、A/PuertoRico/8/34(PR8)であることを特徴とする、寄託番号KCTC14391BPで寄託されたH5N6組換えインフルエンザウイルス製造用組成物。
【請求項7】
前記ポリヌクレオチドは、ベクターに含まれたものであることを特徴とする、請求項又は請求項に記載の組成物。
【請求項8】
請求項又は請求項に記載のH5N6組換えインフルエンザウイルス製造用組成物で形質転換された細胞。
【請求項9】
前記細胞は、A549、293T、MDCK、Vero、DF1、PK15及びST1細胞からなる群より選択されたものであることを特徴とする、請求項に記載の細胞。
【請求項10】
請求項1又は請求項2に記載のH5N6組換えインフルエンザウイルスを含むワクチン組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年12月14日に出願された大韓民国特許出願第10-2020-0174899号に基づく優先権の利益を主張し、前記明細書全体は、本出願の参考文献である。
【0002】
本発明は、H5N6組換えインフルエンザウイルス、その製造用組成物、及びそれを含むワクチン組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
インフルエンザウイルスは、オルソミクソウイルスに属し、陰性の単一鎖RNA切片8個をゲノムとして有するウイルスであって、前記8個のRNA切片からヘマグルチニン(hemagglutinin;HA)、ノイラミニダーゼ(neuraminidase、NA)、ヌクレオカプシドタンパク質(nucleoprotein;NP)、マトリックスタンパク質1及び2(matrix、M1、M2)、重合酵素単位体A、B1及びB2(polymerase subunit A、B1 & B2;それぞれPA、PB1、PB2)、及び非構造タンパク質1及び2(nonstructural protein1 & 2;それぞれNS1、NS2)が作られる。
【0004】
現在、大韓民国内では、低病原性鳥インフルエンザである01310を10日齢の発育卵で20回継代した01310 CE20を不活化して死菌ワクチンに用いており、高病原性鳥インフルエンザワクチンは接種しないが、非常時の緊急ワクチンの製造のための抗原を備蓄している。しかし、中国など高病原性鳥インフルエンザの常在国では、高病原性鳥インフルエンザの予防のために、上記の逆遺伝学技術を通じてPR8の6個の内部遺伝子と流行する高病原性ウイルスのHA遺伝子を弱毒化した後、NA遺伝子とともに組み換えてウイルスを作出して発育卵で増殖させ、不活化した後に死菌ワクチンに用いている。
【0005】
逆遺伝学技術を用いた組換えA型インフルエンザワクチンは、ニワトリ胚の増殖性が卓越であり、特性がよく知られているPR8ウイルスやA/WSN/33(H1N1)ウイルスの低温適応弱毒株であるA/Ann Arbor/6/60(H2N2)ウイルスなどの8個のゲノムをベクターの一方向にウイルスゲノム転写が起き、他の方向へは、mRNAが作られる双方向性逆遺伝学ベクターにクローニングして、8個のプラスミドを形質転換形質注入(韓国登録特許第0862758号公報)させて作った組換えウイルスの形態で用いられている。通常、HAとNA遺伝子は、最近流行するウイルスからRT-PCR法で増幅して逆遺伝学ベクターにクローニングし、PR8の残りの遺伝子6個とともに形質注入してワクチン株を作出し、ウイルスを不活化して死菌ワクチンを製造している。
【0006】
PR8の内部遺伝子を用いて製作した組換え高病原性鳥インフルエンザウイルスのうち特定のsubtypeの場合、発育卵での増殖性が良くない場合もあり、PR8が人体インフルエンザAウイルスであるため、鳥類とヒト間の交差感染の危険性が存在する。特に、PB2遺伝子の場合、PR8は、哺乳類の病原性と関連するアミノ酸変異(E627K、A199S、A674T、T271A、and A588T)を有している一方、低病原性H9N2鳥インフルエンザウイルスであるA/chicken/Korea/01310/2001(H9N2)(01310)のPB2遺伝子の場合、PR8に組み換えてマウスに接種したとき、哺乳類での病原性が消えること(Kim et al.、2014)を確認し、この組換え発現ベクター(韓国登録特許10-1423695号公報)を用いると、発育卵の高増殖性、哺乳類無病原性組換えウイルスが製作可能である。
【0007】
H5N1低病原性鳥インフルエンザウイルスであるA/wild duck/Korea/SNU50-5/2009(H5N1)(SNU50-5)は、発育卵での増殖性が低かったが、20回の発育卵の継代を通じて発育卵の増殖性が改善された。この過程で、HAタンパク質に4個の変異(HA1;H103Y、K161E及びL317P、HA2;R51K)とNAタンパク質の1個の変異(S369N)を獲得し、この変異がSNU50-5の増殖性を高めることが確認された(Kim et al.、2013)。H5N1ウイルスHAタンパク質のH103Y突然変異は、耐酸性及び耐熱性を高めて哺乳類の上部呼吸器の低いpHで感染能力を維持させて飛沫による水平伝播の可能性を高めるため、哺乳類の病原性において重要なものと知られている(Linster et al.、2014;Zhang et al.、2013)。高病原性クレード2.3.4.4b H5N6インフルエンザAウイルスに上の四種類の変異を適用したとき、H103Y変異を適用した場合に発育卵での増殖性及び耐熱性が増加することを確認した(An、Lee et al.、2019)。
【0008】
高病原性クレード2.3.4.4c H5N6インフルエンザAウイルスは、大韓民国内でも大きな経済的被害をもたらし、農林検疫検査本部では、非常時の予防用ワクチン株として選定し、大韓民国内の動物ワクチン会社でワクチン製造用ウイルスの原料を生産して冷凍保管している。しかし、既存の逆遺伝学技術を用いて作出されたクレード2.3.4.4c H5N6ワクチン株は、発育卵での高い増殖力価を有するが、実際の不活化ワクチンで接種したときの抗体力価が増殖力価に比べて低いため、ワクチンの免疫原性が低い問題点があり、既存の逆遺伝学システムを用いた組換えウイルスは、6個の内部遺伝子が全てH1N1ウイルス由来であって、細胞性免疫に重要なT cell epitope配列が高病原性鳥インフルエンザウイルスの遺伝子との一致率が低いという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
H5N6組換えインフルエンザウイルスを提供する。
【0010】
H5N6組換えインフルエンザウイルス製造用組成物又はこれを用いた製造方法を提供する。
【0011】
H5N6組換えインフルエンザウイルス製造用組成物で形質転換された細胞を提供する。
【0012】
H5N6組換えインフルエンザウイルスを含むワクチン組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
一様態は、インフルエンザウイルスH5N6ストレインのヘマグルチニン(hemagglutinin:HA)タンパク質;
H5N6ストレインのノイラミニダーゼ(neuraminidase:NA);
低病原性インフルエンザウイルスの重合酵素B2(polymerase subunit B2:PB2);及び
インフルエンザウイルスH1N1ストレインの重合酵素B1(polymerasesubunit B1:PB1)、重合酵素A(polymerase subunit A:PA)、ヌクレオカプシドタンパク質(nucleoprotein;NP)、マトリックスタンパク質(matrix:M)及び非構造的タンパク質(nonstructural protein:NS)からなる群より選択された一つ以上のタンパク質を含むH5N6組換えインフルエンザウイルスを提供することができる。
【0014】
本発明者らは、野外で分離された高病原性クレード2.3.4.4c H5N6鳥インフルエンザウイルスの配列を収集し、最も頻度が高い配列でHA、NAタンパク質を人工合成した後、HAタンパク質の103番ヒスチジン(Histidine、H)コドンをチロシン(Tyrosine、Y)コドンに突然変異させた後、PR8ウイルスのPB2遺伝子を01310のPB2遺伝子に交換してクレード2.3.4.4c H5N6組換えウイルスを作出した。前記組換えウイルスの発育卵での増殖性を確認するために、10日齢の発育卵に数当たり100 EID50/0.1mlを接種し、HAタンパク質の103番アミノ酸をヒスチジンからチロシンに変異させた場合、低pH環境でHAタンパク質が活性を失って発育卵及び哺乳類由来細胞株での増殖性を失い、PR8 PB2遺伝子を01310のPB2遺伝子に置換する場合にも、発育卵の高増殖性を維持しながら哺乳類由来細胞株及びマウスでの増殖性がないことから哺乳類無病原性を確認した。また、前記組換えウイルスを55℃で90分間熱処理する場合にも、血球凝集力価が全然減少しないことから耐熱性を有することを確認し、超遠心分離を通じて得たウイルスタンパク質量がより高くて抗原量に優れ、Binary ethyleneimine(BEI)を用いて不活化してオイルエマルジョンワクチンで3週齢のニワトリ及び2週齢のカモに接種したとき、形成された抗体力価が増加することを確認した。また、H103Y変異を適用することで、哺乳類での増殖性に影響を与えるHAタンパク質のfusion pHをさらに高めて哺乳類への伝播危険性をより一層除去した。相対的に保存的な配列を有しているためhetero-subtypic protectionにおいて重要であることが知られているNP、M遺伝子を鳥インフルエンザウイルス由来の遺伝子に変更したワクチンが、力価が低いにもかかわらず、内部の遺伝子が一致する場合、排出されるウイルス量を一層減らすことを確認することで、viral clearanceに重要な細胞性免疫を一層刺激したことを確認した。本願発明の組換えインフルエンザウイルスの発育卵高増殖性及び哺乳類無病原性だけでなく耐熱性を確認し、超遠心で分離したウイルスの抗原量がより高く不活化してニワトリにオイルエマルジョンワクチンとして接種した結果、向上した抗体形成能を確認することで、高免疫原性を確認して、本発明を完成した。
【0015】
インフルエンザウイルスは、オルソミクソウイルス科(Orthomyxoviridae)のウイルスであって、インフルエンザ又は流行風邪を誘発することができる。前記インフルエンザウイルスは、クレード(clade)2.3.4.4c H5N6ウイルスであってもよい。前記インフルエンザウイルスH5N6ストレインは、インフルエンザAウイルスのサブタイプH5N6と呼ばれる。
【0016】
ヘマグルチニン(hemagglutinin:HA)タンパク質は、赤血球凝集タンパク質又は血球凝集素とも呼ばれる。前記ヘマグルチニンタンパク質は、配列番号1又は2のアミノ酸配列を含むポリペプチドであってもよい。前記ヘマグルチニンタンパク質は、配列番号1のアミノ酸配列でN末端から103番目のアミノ酸が突然変異したものであってもよい。前記ヘマグルチニンタンパク質は、配列番号1のアミノ酸配列でN末端から103番目のアミノ酸であるヒスチジン(H)がチロシン(Y)に突然変異したものであってもよい。
【0017】
ノイラミニダーゼ(neuraminidase:NA)は、ノイラミン酸(neuraminic acid)を加水分解してシアリン酸を分離する酵素を言う。前記ノイラミニダーゼは、ウイルスが宿主の細胞に侵入するか抜け出るときに必要である。前記ノイラミニダーゼは、インフルエンザウイルスH5N6ストレイン由来のノイラミニダーゼであってもよい。前記ノイラミニダーゼは、配列番号3のアミノ酸配列を含むポリペプチドであってもよい。
【0018】
前記低病原性インフルエンザウイルスは、大韓民国内の低病原性鳥インフルエンザウイルスであるA/chicken/Korea/01310/2001(H9N2)(以下、「01310」という)(韓国登録特許第0790801号公報)であってもよい。前記01310菌株は、韓国登録特許第0790801号公報の実施例1でのように分離された大韓民国内の分離株であって低病原性である。しかし、前記01310菌株は、低病原性ではあるが、病原性ウイルスであるので、寄託機関に寄託が不可能であり、現在、農林水産検疫検査本部の鳥類疾病科に保管中である。重合酵素B2は、インフルエンザウイルスのRNA-依存性RNA重合酵素のサブユニットのうち一つである。前記重合酵素B2(polymerase subunit B2:PB2)タンパク質は、配列番号4のアミノ酸配列を含むポリペプチドであってもよい。
【0019】
前記インフルエンザウイルスH1N1ストレインは、A/Puerto Rico/8/34(以下、「PR8」という)であってもよい。
【0020】
重合酵素B1(polymerase subunit B1:PB1)は、インフルエンザウイルスのRNA-依存性RNA重合酵素のサブユニットのうち一つである。前記重合酵素B1は、GenBank accession number NC_002021の核酸配列でコーディングされるポリペプチド又はUniprot P03431のアミノ酸配列を含むポリペプチドであってもよい。
【0021】
重合酵素A(polymerase subunit A:PA)は、インフルエンザウイルスのRNA-依存性RNA重合酵素のサブユニットのうち一つである。前記重合酵素Aは、GenBank accession number NC_002022の核酸配列でコーディングされるポリペプチド又はUniprot P03433のアミノ酸配列を含むポリペプチドであってもよい。
【0022】
ヌクレオカプシドタンパク質(nucleoprotein;NP)は、陰性(negative)鎖ウイルスRNAfmfをカプセル化する構造タンパク質である。前記ヌクレオカプシドは、GenBank accession number NC_002019の核酸配列でコーディングされるポリペプチド又はUniprot P03466のアミノ酸配列を含むポリペプチドであってもよい。
【0023】
マトリックスタンパク質(matrix:M)は、ウイルスコアとウイルス外皮を連結させる構造タンパク質である。前記マトリックスタンパク質は、GenBank accession number NC_002016の核酸配列でコーディングされるポリペプチド又はUniprot P06821又はP03485のアミノ酸配列を含むポリペプチドであってもよい。
【0024】
非構造的タンパク質(nonstructural protein:NS)は、ウイルス複製に必要な同種二量体(homodimeric)RNA-結合タンパク質である。前記非構造的タンパク質は、GenBank accession number NC_002020の核酸配列でコーディングされるポリペプチド又はUniprot P03496のアミノ酸配列を含むポリペプチドであってもよい。
【0025】
前記H5N6組換えインフルエンザウイルスは、インフルエンザウイルスH1N1ストレインの重合酵素B1、重合酵素A、ヌクレオカプシド、マトリックスタンパク質及び非構造的タンパク質からなる群より選択された一つ以上のタンパク質を含むことができる。前記H5N6組換えインフルエンザウイルスは、インフルエンザウイルスH1N1ストレインの重合酵素B1、重合酵素A、ヌクレオカプシド、マトリックスタンパク質及び非構造的タンパク質を全て含むことができる。
【0026】
前記H5N6組換えインフルエンザウイルスは、寄託番号KCTC14261BP(2020.08.04)で寄託されたものであってもよい。
【0027】
前記H5N6組換えインフルエンザウイルスは、H5N6ストレイン由来タンパク質、低病原性インフルエンザウイルス由来タンパク質及びH1N1ストレイン由来タンパク質のうち2以上を含んだ組換えウイルスであってもよい。
【0028】
前記H5N6組換えインフルエンザウイルスは、哺乳類無病原性、発育卵高増殖性又は耐熱性ウイルスであってもよい。前記H5N6組換えインフルエンザウイルスは、哺乳類無病原性、発育卵高増殖性、耐熱性、弱毒化クレード2.3.4.4c H5N6組換えインフルエンザAウイルスであってもよい。前記H5N6組換えインフルエンザウイルスは、哺乳類に病原性がなく安全であり、発育卵での抗原生産量に優れてワクチンの生産性及び抗体形成を高めることができるので、非常に有用である。また、高い耐熱性を備えているので、ワクチン原料/製品保管及び流通期間延長に有用である。
【0029】
一様態は、インフルエンザウイルスH5N6ストレインのヘマグルチニン(hemagglutinin:HA)タンパク質であって、配列番号1のアミノ酸配列でN末端から103番目のアミノ酸が突然変異したヘマグルチニンタンパク質;
インフルエンザウイルスH5N6ストレインのノイラミニダーゼ(neuraminidase:NA);
低病原性インフルエンザウイルスの重合酵素B2(polymerase subunit B2:PB2)、マトリックスタンパク質(matrix:M);
インフルエンザウイルスH1N1ストレインの重合酵素B1(polymerase subunit B1:PB1)、重合酵素A(polymerase subunit A:PA);
インフルエンザウイルスH5N1ストレインのヌクレオカプシドタンパク質(nucleoprotein;NP);及び
インフルエンザウイルスH9N2の非構造的タンパク質(nonstructural protein:NS)からなる群より選択された一つ以上のタンパク質を含む、H5N6組換えインフルエンザウイルスを提供することができる。
【0030】
内部遺伝子を低病原性鳥インフルエンザウイルスであるSNU50-5のNP遺伝子(配列番号5)、0028のNS遺伝子(配列番号6)、01310のM遺伝子(配列番号7)を置換した組換えクレード2.3.4.4c H5N6ウイルスを製作し、内部遺伝子のみ他の野外株ウイルスA/Mandarin duck/Korea/K16-187-3/2016(H5N6)を攻撃接種した後、排出されるウイルスの量がより少ないことを確認することで、内部の遺伝子を置換した組換えワクチンの免疫原性が一層向上したことを確認した。
【0031】
インフルエンザウイルスは、オルソミクソウイルス科(Orthomyxoviridae)のウイルスであって、インフルエンザ又は流行風邪を誘発することができる。前記インフルエンザウイルスは、クレード(clade)2.3.4.4c H5N6ウイルスであってもよい。前記インフルエンザウイルスH5N6ストレインは、インフルエンザAウイルスのサブタイプH5N6と呼ばれる。
【0032】
ヘマグルチニン(hemagglutinin:HA)タンパク質は、赤血球凝集タンパク質又は血球凝集素とも呼ばれる。前記ヘマグルチニンタンパク質は、配列番号1又は2のアミノ酸配列を含むポリペプチドであってもよい。前記ヘマグルチニンタンパク質は、配列番号1のアミノ酸配列でN末端から103番目のアミノ酸が突然変異したものであってもよい。前記ヘマグルチニンタンパク質は、配列番号1のアミノ酸配列でN末端から103番目のアミノ酸であるヒスチジン(H)がチロシン(Y)に突然変異したものであってもよい。
【0033】
ノイラミニダーゼ(neuraminidase:NA)は、ノイラミン酸(neuraminic acid)を加水分解してシアリン酸を分離する酵素を言う。前記ノイラミニダーゼは、ウイルスが宿主の細胞に侵入するか抜け出るときに必要である。前記ノイラミニダーゼは、インフルエンザウイルスH5N6ストレイン由来のノイラミニダーゼであってもよい。前記ノイラミニダーゼは、配列番号3のアミノ酸配列を含むポリペプチドであってもよい。
【0034】
前記低病原性インフルエンザウイルスは、大韓民国内の低病原性鳥インフルエンザウイルスであるA/chicken/Korea/01310/2001(H9N2)(以下、「01310」という)(韓国登録特許第0790801号公報)であってもよい。前記01310菌株は、韓国登録特許第0790801号公報の実施例1でのように分離された大韓民国内の分離株であって低病原性である。しかし、前記01310菌株は、低病原性ではあるが、病原性ウイルスであるので、寄託機関に寄託が不可能であり、現在、農林水産検疫検査本部の鳥類疾病科に保管中である。重合酵素B2は、インフルエンザウイルスのRNA-依存性RNA重合酵素のサブユニットのうち一つである。前記重合酵素B2(polymerase subunit B2:PB2)タンパク質は、配列番号4のアミノ酸配列を含むポリペプチドであってもよい。マトリックスタンパク質(matrix:M)は、ウイルスコアとウイルス外皮を連結させる構造タンパク質である。前記マトリックスタンパク質(matrix:M)は、配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチドであってもよい。
【0035】
前記インフルエンザウイルスH1N1ストレインは、A/Puerto Rico/8/34(以下、「PR8」という)であってもよい。
【0036】
重合酵素B1(polymerase subunit B1:PB1)は、インフルエンザウイルスのRNA-依存性RNA重合酵素のサブユニットのうち一つである。前記重合酵素B1は、GenBank accession number NC_002021の核酸配列でコーディングされるポリペプチド又はUniprot P03431のアミノ酸配列を含むポリペプチドであってもよい。
【0037】
重合酵素A(polymerase subunit A:PA)は、インフルエンザウイルスのRNA-依存性RNA重合酵素のサブユニットのうち一つである。前記重合酵素Aは、GenBank accession number NC_002022の核酸配列でコーディングされるポリペプチド又はUniprot P03433のアミノ酸配列を含むポリペプチドであってもよい。
【0038】
ヌクレオカプシドタンパク質(nucleoprotein;NP)は、陰性(negative)鎖ウイルスRNAfmfをカプセル化する構造タンパク質である。前記ヌクレオカプシドタンパク質(nucleoprotein;NP)は、配列番号5のアミノ酸配列を含むポリペプチドであってもよい。
【0039】
非構造的タンパク質(nonstructural protein:NS)は、ウイルス複製に必要な同種二量体(homodimeric)RNA-結合タンパク質である。前記非構造的タンパク質(nonstructural protein:NS)は、配列番号6のアミノ酸配列を含むポリペプチドであってもよい。
【0040】
前記H5N6組換えインフルエンザウイルスは、寄託番号KCTC14391BP(2020.11.27)で寄託されたものであってもよい。
【0041】
前記H5N6組換えインフルエンザウイルスは、インフルエンザウイルスH5N6ストレイン由来タンパク質、低病原性インフルエンザウイルス由来タンパク質、インフルエンザウイルスH1N1ストレイン由来タンパク質、インフルエンザウイルスH5N1ストレイン由来タンパク質及びインフルエンザウイルスH9N2ストレイン由来タンパク質のうち2以上を含んだ組換えウイルスであってもよい。
【0042】
他の様態は、インフルエンザウイルスH5N6ストレインのヘマグルチニンタンパク質をコーディングするポリヌクレオチド;
H5N6ストレインのノイラミニダーゼをコーディングするポリヌクレオチド;
低病原性インフルエンザウイルスの重合酵素B2をコーディングするポリヌクレオチド;及び
インフルエンザウイルスH1N1ストレインの重合酵素B1、重合酵素A、ヌクレオカプシド、マトリックスタンパク質及び非構造的タンパク質からなる群より選択された一つ以上のタンパク質をコーディングするポリヌクレオチドを含むH5N6組換えインフルエンザウイルス製造用組成物を提供する。
【0043】
他の様態は、インフルエンザウイルスH5N6ストレインのヘマグルチニン(hemagglutinin:HA)タンパク質であって、配列番号1のアミノ酸配列でN末端から103番目のアミノ酸が突然変異したヘマグルチニンタンパク質;
インフルエンザウイルスH5N6ストレインのノイラミニダーゼ(neuraminidase:NA);
低病原性インフルエンザウイルスの重合酵素B2(polymerase subunit B2:PB2)、マトリックスタンパク質(matrix:M);
インフルエンザウイルスH1N1ストレインの重合酵素B1(polymerasesubunit B1:PB1)、重合酵素A(polymerase subunit A:PA);
インフルエンザウイルスH5N1ストレインのヌクレオカプシドタンパク質(nucleoprotein;NP);及び
インフルエンザウイルスH9N2の非構造的タンパク質(nonstructural protein:NS)からなる群より選択された一つ以上のタンパク質をコーディングするポリヌクレオチドを含むH5N6組換えインフルエンザウイルス製造用組成物を提供する。
【0044】
インフルエンザウイルスH5N6ストレイン、ヘマグルチニンタンパク質、ノイラミニダーゼ、低病原性インフルエンザウイルス、重合酵素B2、インフルエンザウイルスH1N1ストレイン、重合酵素B1、重合酵素A、ヌクレオカプシド、マトリックスタンパク質及び非構造的タンパク質は、上述した通りである。
【0045】
前記ポリヌクレオチドは、前記ヘマグルチニンタンパク質、ノイラミニダーゼ、重合酵素B2、重合酵素B1、重合酵素A、ヌクレオカプシド、マトリックスタンパク質及び非構造的タンパク質のうちいずれか一つをコーディングする核酸配列を含むポリヌクレオチドであってもよい。前記ポリヌクレオチドは、コドン使用頻度(codon usage)によって変更され得る。
【0046】
前記ポリヌクレオチドは、ベクターに含まれたものであってもよい。前記ベクターは、発現ベクターであってもよい。前記ベクターは、動物細胞での発現のために必要な調節領域(例えば、プロモーター、エンハンサー及びサイレンサー)を含むことができる。前記ポリヌクレオチドは、調節領域と作動可能に連結されたものであってもよい。前記ベクターは、複製原点、ポリA配列、多重クローニング部位、選別マーカーなどをさらに含むことができる。
【0047】
前記ベクターは、プラスミドベクター、コスミドベクター、バクテリオファージベクター又はウイルスベクターであってもよい。前記ウイルスベクターは、アデノウイルスベクター、レトロウイルスベクター又はアデノ随伴ウイルスベクターであってもよい。
【0048】
他の様態は、一様態によるH5N6組換えインフルエンザウイルス製造用組成物と細胞をインキュベーションして細胞にH5N6組換えインフルエンザウイルスを形質転換させるステップを含むH5N6組換えインフルエンザウイルス製造方法を提供する。
【0049】
前記細胞は、組換えウイルスを生産できる細胞であってもよい。例えば、前記細胞は、293T、MDCK、Vero、DF1、PK15、A549及びST1細胞である。前記細胞は、鳥類の動物細胞であってもよい。前記細胞は、ヒヨコの発育卵又はニワトリ胚の腎臓細胞であってもよい。
【0050】
前記H5N6組換えインフルエンザウイルス製造用組成物と細胞をインキュベーションするステップは、H5N6組換えインフルエンザウイルスを発育卵の尿膜液に加え、尿膜液を培養するステップであってもよい。
【0051】
前記形質転換は、細胞にH5N6組換えインフルエンザウイルス製造用組成物の核酸が導入されることであってもよい。形質転換は、当業界で知られている方法によって行われ得る。例えば、形質転換は、形質導入、形質感染、微細注入法、リポフェクション又は電気穿孔法で行われ得る。
【0052】
前記方法は、形質転換された細胞からH5N6組換えインフルエンザウイルスを分離するステップをさらに含むことができる。
【0053】
他の様態は、一様態によるH5N6組換えインフルエンザウイルス製造用組成物で形質転換された細胞を提供する。
【0054】
H5N6組換えインフルエンザウイルス製造用組成物及び形質転換は、上述した通りである。
【0055】
前記細胞は、組換えウイルスを生産できる細胞であってもよい。例えば、前記細胞は、293T、MDCK、Vero、DF1、PK15、A549及びST1細胞である。前記細胞は、鳥類の動物細胞であってもよい。前記細胞は、ヒヨコの発育卵又はニワトリ胚の腎臓細胞であってもよい。
【0056】
他の様態は、一様態によるH5N6組換えインフルエンザウイルスを含むワクチン組成物を提供する。
【0057】
前記H5N6組換えインフルエンザウイルスは、上述した通りである。
【0058】
前記ワクチン組成物は、インフルエンザ又は鳥インフルエンザを予防するためのものであってもよい。前記ワクチン組成物は、鳥類(例えば、ニワトリ、カモ)又は哺乳類(例えば、ヒト、ブタ、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、マウス、ラクダ)に投与するためのものであってもよい。前記予防は、前記ワクチン組成物の投与によってインフルエンザウイルスにより誘発される疾患(例えば、インフルエンザ、鳥インフルエンザ)の発生を抑制するかその発病を遅延させる全ての行為を意味する。
【0059】
前記ワクチン組成物は、H5N6組換えインフルエンザウイルスを有効な量で含むことができる。用語「有効な量」は、予防または治療を必要とする個体に投与される場合、予防又は治療の効果を現わすに十分な量を意味する。前記有効な量は、当業者が選択される細胞又は個体によって適切に選択できる。疾患の重症度、患者の年齢、体重、健康、性別、患者の薬物に対する敏感度、投与時間、投与経路及び排出比率、治療期間、使われた組成物と配合又は同時使用される薬物を含んだ要素及びその他医学分野でよく知られている要素によって決定され得る。前記ワクチン組成物は、約1×10~1×1011、1×10~5×1010、5×10~2×1010個のウイルス粒子を含んだ量で投与され得る。
【0060】
前記ワクチン組成物は、死菌ワクチン又は生菌ワクチン組成物であってもよい。
【0061】
前記ワクチン組成物は、薬学的に許容可能な担体を含むことができる。前記担体は、賦形剤、希釈剤又は補助剤を含む意味で用いられる。前記担体は、例えば、ラクトース、デキストリン、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、澱粉、アカシアゴム、アルジネート、ゼラチン、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、セルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、水、生理食塩水、PBSのような緩衝液、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、マグネシウムステアレート及びミネラルオイルからなる群より選択されたものであってもよい。前記組成物は、充填剤、抗凝集剤、潤滑剤、湿潤剤、風味剤、乳化剤、保存剤又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0062】
前記ワクチン組成物は、非経口経路(例えば、血管内、静脈内、動脈内、筋肉内又は皮下など)、経口、鼻腔、直腸、経皮又はエアロゾルを通じた吸入経路で投与され得る。前記ワクチン組成物の投与量は、例えば、約1×10~1×1011、1×10~5×1010、5×10~2×1010個のウイルス粒子であってもよい。前記投与は、1日1回、1日2回~24回、週1回~6回、月1回~3回又は年1回~12回で投与され得る。
【0063】
前記ワクチン組成物は、経口投与剤形(例えば、粉末、錠剤、カプセル、シロップ、丸薬又は顆粒)又は非経口剤形(例えば、注射剤)に剤形化され得る。また、前記組成物は、全身剤形又は局所剤形に製造され得る。
【0064】
前記ワクチン組成物は、個別治療剤で投与するか他の治療剤と併用して投与され得、従来の治療剤とは順次又は同時に投与され得る。そして、単一又は多重投与され得る。
【0065】
他の様態は、一様態によるワクチン組成物を個体に投与するステップを含むインフルエンザ又は鳥インフルエンザの予防方法を提供する。
【0066】
前記個体は、鳥類(例えば、ニワトリ、カモ)又は哺乳類(例えば、ヒト、ブタ、イヌ、マウス)であってもよい。
【0067】
前記ワクチン組成物の投与量は、患者の状態及び体重、疾病の程度、薬物形態、投与経路及び期間によって異なるが、当業者により適切に選択され得る。前記ワクチン組成物は、約1×10~1×1011、1×10~5×1010、5×10~2×1010個のウイルス粒子を含んだ量で投与され得る。前記投与は、1日1回、1日2回~24回、週1回~6回、月1回~3回又は年1回~12回で投与され得る。
【発明の効果】
【0068】
本発明は、既存クレード2.3.4.4c H5N6組換えインフルエンザAウイルスの哺乳類増殖性(病原性獲得可能性)、低い体液性免疫刺激能力及び低い耐熱性問題を解決しようと、H103Y突然変異をクレード2.3.4.4c HA遺伝子に導入し、哺乳類病原性をPR8のPB2遺伝子を01310のPB2遺伝子に置換することで、哺乳類無病原性、高免疫原性、耐熱性、弱毒化クレード2.3.4.4c H5N6組換えインフルエンザAウイルスを提供し、本発明で提供する組換えウイルスは、生産性が高く、効能が卓越であり且つ安全なワクチン株として有用に活用され得る。また、内部遺伝子を低病原性鳥インフルエンザウイルスであるSNU50-5のNP遺伝子(配列番号5)、0028のNS遺伝子(配列番号6)、01310のM遺伝子(配列番号7)を置換した組換えクレード2.3.4.4c H5N6ウイルスを製作して、内部遺伝子のみ他の野外株ウイルスA/Mandarin duck/Korea/K16-187-3/2016(H5N6)を攻撃接種した後、排出されるウイルスの量がより少ないことを確認することで、内部遺伝子を置換した組換えワクチンの免疫原性が一層増加する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0069】
図1図1は、哺乳類無病原性、高免疫原性、耐熱性、弱毒化クレード2.3.4.4c H5N6組換えインフルエンザAウイルスのゲノム組み合わせを図式化した図である。
図2図2は、rH5N6-310PB2とrH5N6-H103Y-310PB2ウイルス価の哺乳類細胞であるMDCK cell又はA549 cellでの増殖性を確認した結果である。
図3図3は、rH5N6-310PB2及びrH5N6-H103Y-310PB2ウイルスの耐熱性を確認した結果である。
図4図4は、rH5N6-310PB2及びrH5N6-H103Y-310PB2ウイルスの耐酸性を確認した結果である。
図5図5は、rH5N6-H103Y-310PB2及びrH5N6-310PB2の発育卵でのタンパク質をSDS-PAGEを通じて抗原量を確認した結果である。
【発明を実施するための形態】
【0070】
以下、本発明を実施例によって詳細に説明する。ただし、下記実施例は本発明を例示するものに過ぎず、本発明が下記実施例によって限定されるものではない。
【0071】
実施例1.高病原性H5N6鳥インフルエンザウイルスのHA、NAゲノム及び01310のPB2ゲノム分節を有する組換えウイルスの製作及び特性分析
1-1.インフルエンザウイルスHAタンパク質が変異されたHAゲノムプラスミドの製作
大韓民国内で分離された高病原性鳥インフルエンザウイルスH5N6のHAとNAタンパク質の配列を集めて最も一致度が高いHA、NAゲノム配列を選定し、cleavage siteをASGRに変更して病原性を除去したHA遺伝子とNA遺伝子をそれぞれ合成し、ホフマンベクター(韓国登録特許第0862758号公報)にクローニングした。合成したH5N6のHAタンパク質の場合、103番アミノ酸をヒスチジンからチロシンに置換するためにHAゲノム遺伝子で該当するアミノ酸のコドンをなすヌクレオチドをCACからTACに置換し、それを中心として両方向に同一な配列を有する約30bpの相補的なプライマーセットを製作した。プライマーとMuta-Direct Site Directed Mutagenesis Kit(iNtRon Co.South Korea)を用いてHAタンパク質の103番アミノ酸部分のゲノムがCACからTACに置換された合成したH5N6ウイルスのHAゲノムのクローニングベクタープラスミドを製作した。
【0072】
1-2.組換えウイルスの製作
組換えインフルエンザウイルスの製作のために、ホフマン博士の逆遺伝学ベクターシステム(韓国登録特許第0862758号公報)を用いた。
【0073】
具体的には、合成した高病原性H5N6鳥インフルエンザウイルスのHAとNAゲノム切片がクローニングされたホフマンベクター(韓国登録特許第0862758号公報)、01310 PB2ゲノム切片がクローニングされたホフマンベクター(韓国登録特許第0862758号公報)及びPR8のPB1、PA、NP、M、NSゲノム切片がクローニングされたホフマンベクター(韓国登録特許第0862758号公報)、01310 Mゲノム切片がクローニングされたホフマンベクター、SNU50-5 NPゲノム切片がクローニングされたホフマンベクター、0028 NS切片がクローニングされたホフマンベクタープラスミドを準備した。
【0074】
293T細胞(生命資源センター、KCTC)を6-ウェル細胞培養容器に5%(v/v)FBSを含有したDMEM(GIBCO BRL)培地に2×10個/2ml浮遊して各ウェルに添加した後、24時間付着させた。培地を除去した後、Opti-MEM培地(Invitrogen Co.USA)0.8mlを添加した。
【0075】
前記準備されたプラスミド8個を全て一つの1.5ml tubeにそれぞれ300ngずつの量で入れ、最終的に25μlになるようにOpti-MEM培地を添加し、また他の1.5ml tubeにplus reagent(Invitrogen Co.USA)6μlとOpti-MEM培地69μlを添加して混合した後、プラスミドが入っている1.5ml tubeに添加して混合した後、室温で15分間反応させた。
【0076】
15分反応した後、lipofectamine 4μl(Invitrogen Co)とOpti-MEM 96μlを混合して100μlを取り、前記プラスミドがあるtubeに添加した後、15分間追加反応させた。得られた反応生成物を前記293T細胞が入っている各ウェルに200μlを添加した。6-ウェル培養容器を5% CO2、37℃で20時間培養した後、ウェル当たりトリプシン10μg(2.5μg/4μl)とopti-MEM培地1mlを添加した後、24時間後に上層液を回収し、10~11日齢のSPF発育卵(Sunrise Co.、NY)に尿膜腔経路で前記回収された原液200μlを接種した。前記接種された発育卵を37℃で3日間培養した後に尿膜液を回収して血球凝集の有無を確認した結果、全て血球凝集において陽性を示した。この組換えウイルスの血球凝集力価を測定し、100倍希釈して同一の方法によって発生卵で増殖させたウイルス(E2)を-70℃で保管して実験に用いた。
【0077】
【表1】
【0078】
1-3.ウイルス力価の測定
上記の組換えウイルス(E2)のニワトリ胚での増殖力価(50% embryo infection dose、EID50/ml)を測定するために、それぞれの組換えウイルスをリン酸緩衝溶液で10-1~10-9まで10進希釈し、各希釈倍数別に10~11日齢のSPF発育卵5個に尿膜腔経路で100μlずつ接種した。その後、3日間培養した後、尿膜液を回収してニワトリの赤血球で血球凝集有無を確認し、Spearman-Karber method計算式によってウイルス力価(EID50/ml)を測定した。
【0079】
1-4.10日齢発育卵での増殖性の比較
上の1-3から得られたウイルス力価(EID50/ml(log10))を基に100 EID50のウイルスを各5個の10日齢発育卵に尿膜腔経路で100μlずつ接種した後、その後、3日間培養した後に尿膜液を回収し、上と同一にEID50/mlを測定して発育卵での増殖性を比較した結果を下の表1に示した。ウイルス力価(EID50/ml(log10))をよく見ると、発育卵での増殖力価は、rH5N6、rH5N6-H103Y、rH5N6-310PB2、rH5N6-H103Y-310PB2の四つのウイルス全ての場合で109.0 EID50/ml以上の高い増殖性を示すことを確認した。NP、M、NS遺伝子を変更したrH5N6-IGとrH5N6-H103Y-IGウイルスも約109.0 EID50/mlの増殖性を示した。
【0080】
【表2】
【0081】
1-5.組換えウイルスの哺乳類細胞での増殖性の確認
各組換えウイルスが哺乳類細胞で増殖するかを比較するために、Madin-Darby Canine Kidney(MDCK)細胞株とA549細胞株での成長曲線を確認した。MDCK細胞株の場合、Dulbecco’s Modified Eagle Medium(DMEM)(Life technologies Co.、CA、USA)培地に10% Fetal Bovine Serum(FBS)を入れて維持し、A549細胞株の場合、DMEM/F12(Life technologies Co.、CA、USA)培地に10% FBSを入れて維持した。二つの種類の細胞株をそれぞれ12 well cell culture plateにmono-layerを形成させた後、各組換えウイルスを5×10/0.5ml接種した後、0、24、48、72時間ごとに上層液を100μlずつ収得した。収得した上層液は、10-1~10-9まで10進希釈して96 well cell culture plateにmono-layerが形成されたMDCK cellに接種し、Tissue Culture Infectious Dose(TCID50/0.1ml)を測定して図2にその結果を示した。MDCK細胞とA549細胞いずれにおいてもrH5N6はrPR8レベルに増殖したことに比べて、rH5N6-H103Yは、MDCK細胞では同様に増殖したが、A549細胞では増殖性が落ち、rH5N6-310PB2とrH5N6-H103Y-310PB2は、二つの細胞いずれにおいても増殖しないことを確認した。
【0082】
1-6.耐熱性の比較
H103Yが実際に耐熱性を高めて発育卵及び哺乳類細胞株とマウスでの増殖性が増加するかを確認するために、rH5N6-310PB2とrH5N6-H103Y-310PB2ウイルスをそれぞれ55℃で0、15、30、45、60、90分間処理した後、HA testを通じてHA力価を比較した結果を図2に示した。rH5N6-310PB2とは異なり、rH5N6-H103Y-310PB2の場合、90分までもHAタンパク質が安定して耐熱性を高めることを確認した(図3)。
【0083】
1-7.耐酸性の比較
H103Yが耐酸性に及ぶ影響を確認するために、rH5N6とrH5N6-H103YウイルスをそれぞれpH5.0からpH6.0までの多様な環境で1時間の間反応させた後、哺乳類細胞株と卵に接種した結果、rH5N6-H103Yは、低いpHで活性を失い、MDCK細胞ではpH5.2以下で増殖性を失い、発育卵ではpH5.0で増殖性を失って酸性環境でより容易に不活化することを確認した。ヒトから分離されるインフルエンザウイルスは、より低いpHでHAタンパク質のfusionが起き、鳥インフルエンザは、相対的に高いpHで活性を示すことが知られており、rH5N6-H103Y-310PB2ウイルスは、低いpHでの活性が除去されることで人体への伝播危険性がより低いことが分かった(図4)。
【0084】
1-8.抗原量の比較
H103Yを適用したときに抗原量が増加するかを確認するために、同量のrH5N6-310PB2とrH5N6-H103Y-310PB2ウイルスを尿膜液の超遠心分離を通じて分離し、Bicinchonic Acid(BCA)assayを通じて総ウイルスタンパク質量を測定し、SDS-PAGEを通じて各ウイルス構成タンパク質別の量を比較した。rH5N6-H103Y-310PB2は、rH5N6-310PB2と発育卵での増殖力価であるEID50/mlは多少低いが、HA力価とウイルス総タンパク質量及びSDS-PAGEでのタンパク質別の量において一層優れ、増殖力価に比べて抗原量がより優れることを確認した(図5)。
【0085】
【表3】
【0086】
1-9.体液性免疫刺激能の比較
rH5N6-H103Y-310PB2は、rH5N6-310PB2に比べて類似した増殖力価であるときに抗原量がより優れていたが、実際に不活化してオイルエマルジョンワクチンとしてニワトリとカモに接種したとき、抗体形成がさらに増加するかを確認した。3週齢のニワトリに接種したとき、接種3週目に、rH5N6-H103Y-310PB2接種ニニワトリ群は、平均172.3であって、rH5N6-310PB2接種ニワトリ群に比べて約2倍程度の抗体力価を示し、カモでは、程度は低いが向上した抗体力価を確認して、rH5N6-H103Y-310PB2が不活化オイルエマルジョンワクチンとしてより良い体液性免疫刺激能力を示した。
【0087】
【表4】
【0088】
1-10.細胞性免疫刺激能の比較
rH5N6-IGは、rH5N6-310PB2に比べて類似した増殖力価で発育卵に接種したとき、収得される抗原量がより少なかったが、実際に不活化してオイルエマルジョンワクチンとしてニワトリに接種したとき、抗体形成がより低かった。3週齢のニワトリに接種したとき、接種3週目に、rH5N6-310PB2接種ニワトリ群は、平均118.5であり、rH5N6-IG接種ニワトリ群の場合、64であって、約2倍程度の低い抗体力価を示したが、野外株H5N6ウイルスを攻撃接種した後に1、3、5、7日目に咽喉頭腔と総排泄腔へのウイルス排出はより速く終了して、内部遺伝子を鳥インフルエンザウイルス由来のゲノム切片に置換した場合、抗体形成能は低いが、viral clearanceが一層効果的に行われることが確認できた。
【0089】
【表5】
【0090】
【表6】
【0091】
配列番号1: (H5N6 HA)
MEKIVLLLAVVSLVKSDQICIGYHANNSTEQVDTIMEKNVTVTHAQDILEKTHNGRLCDLNGVKPLILKDCSVAGWLLGNPMCDEFIRVPEWSYIVERANPANDLCYPGNLNDYEELKHLLSRINHFEKTLIIPKSSWPNHETSGVSAACPYQGVPSFFRNVVWLTKKNDAYPTIKMSYNNTNGEDLLILWGIHHSNNAAEQTNLYKNPTTYVSVGTSTLNQRLVPKIATRSQVNGQQGRMDFFWTILKPNDAIHFESNGNFIAPEYAYKIVKKGDSTIMKSEMEYGHCNTKCQTPIGAINSSMPFHNIHPLTIGECPKYVKSNKLVLATGLRNSPLASGRGLFGAIAGFIEGGWQGMVDGWYGYHHSNEQGSGYAADRESTQKAIDGVTNKVNSIIDKMNTQFEAVGREFNNLERRIENLNKKMEDGFLDVWTYNAELLVLMENERTLDFHDSNVKNLYDKVRLQLRDNAKELGNGCFEFYHKCDNECMESVRNGTYDYPQYSEEARLKREEISGVKLESIGTYQILSIYSTVASSLALAIIVAGLSLWMCSNGSLQCRICI*
配列番号2: (H5N6 HA-H103Y)
MEKIVLLLAVVSLVKSDQICIGYHANNSTEQVDTIMEKNVTVTHAQDILEKTHNGRLCDLNGVKPLILKDCSVAGWLLGNPMCDEFIRVPEWSYIVERANPANDLCYPGNLNDYEELKYLLSRINHFEKTLIIPKSSWPNHETSGVSAACPYQGVPSFFRNVVWLTKKNDAYPTIKMSYNNTNGEDLLILWGIHHSNNAAEQTNLYKNPTTYVSVGTSTLNQRLVPKIATRSQVNGQQGRMDFFWTILKPNDAIHFESNGNFIAPEYAYKIVKKGDSTIMKSEMEYGHCNTKCQTPIGAINSSMPFHNIHPLTIGECPKYVKSNKLVLATGLRNSPLASGRGLFGAIAGFIEGGWQGMVDGWYGYHHSNEQGSGYAADRESTQKAIDGVTNKVNSIIDKMNTQFEAVGREFNNLERRIENLNKKMEDGFLDVWTYNAELLVLMENERTLDFHDSNVKNLYDKVRLQLRDNAKELGNGCFEFYHKCDNECMESVRNGTYDYPQYSEEARLKREEISGVKLESIGTYQILSIYSTVASSLALAIIVAGLSLWMCSNGSLQCRICI*
配列番号3: (H5N6 NA)
MNPNQKITCISATGVTLSVVSLLIGITNLGLNIGLHYKVSDSTTMNIPNMNETNPTTTNITNIIMNKNEERTFLKLTKPLCEVNSWHILSKDNAIRIGEDAHILVTREPYLSCDPQGCRMFALSQGTTLRGQHANGTIHDRSPFRALISWEMGQAPSPYNTRVECIGWSSTSCHDGISRMSICISGPNNNASAVVWYRGRPVTEIPSWAGNILRTQESECVCHKGICPVVMTDGPANSKAATKIIYFKEGKIQKTEELQGNAQHIEECSCYGAAGMIKCVCRDNWKGANRPIITIDPEMMTHTSKYLCSKILTDTSRPNDPTNGNCDAPITGGSPDPGVKGFAFLDGENSWLGRTISKDSRSGYEMLKVPNAEIDTQSGPISYQLIVNNQNWSGYSGAFIDYWANKECFNPCFYVELIRGRPKESGVLWTSNSMVALCGSRERLGSWSWHDGAEIIYFK*
配列番号4: (A/chicken/Korea/01310/2001(H9N2)-PB2)
MERIKELRDLMSQSRTREILTKTTVDHMAIIKKYTSGRQEKNPALRMKWMMAMKYPITADKRIMEIIPERNEQGQTLWSKTNDAGSDKVMVSPLAVTWWNRNGPTTSTIHYPKVYKTYFEKVERLKHGTFGPIHFRNQVKIRRRVDINPGHADLSAREAQDVIMEVVFPNEVGARILTSESQLTITKEKKEELQDCKIAPLMVAYMLERELVRKTRFLPVAGGTSSVYIEVLHLTQGTCWEQMYTPGGEVRNDDVDQSLIIAARNIVRRATVSADPLASLLEMCHGTQIGGIRMVDILRQNPTEEQAVDICKAAIGLRISSSFSFGGFTFKRTSGSSVKKEEEVLTGNLQTLKIRVHEGYEEFTMVGRRATALLRKATRRLIQLIVSGRDEQSIAEAIIVAMVFSQEDCMIKAVRGDLNFVNRANQRLNPMHQLLRHFQKDAKVLFQNWGIEPIDNVMGMIGILPDMTPSTEMSLRGVRVSKMGVDEYSSTERVVVSIDRFLRVRDQRGNILLSPEEVSETQGTEKLTITYSSSMMWEINGPESVLVNTYQWIIRNWETVKIQWSQDPTMLYNKVEFEPFQSLVPKAARGQYSGFVRTLFQQMRDVLGTFDTVQIIKLLPFAAAPPEQSRMQFSSLTVNVRGSGMRILVRGNSPVFNYNKATKRLTVLGKDAGALTEDPDEGTAGVESAVLRGFLILGKEDKRYGPALSINELSNLAKGEKANVLIGQGDVVLVMKRKRDSSILTDSQTATKRIRMAIN*
配列番号5: (A/wild duck/Korea/SNU50-5/2009(H5N1)-NP)
MASQGTKRSYEQMETGGERQNATEIRASVGRMVGGIGRFYIQMCTELKLSDYEGRLIQNSITIERMVLSAFDERRNKYLEEHPSAGKDPKKTGGPIYRRRDGKWMRELILYDKEEIRRIWRQANNGEDATAGLTHLMIWHSNLNDATYQRTRALVRTGMDPRMCSLMQGSTLPRRSGAAGAAVKGVGTMVMELIRMIKRGINDRNFWRGENGRRTRIAYERMCNILKGKFQTAAQRAMMDQVRESRNPGNAEIEDLIFLARSALILRGSVAHKSCLPACVYGLAVASGYDFEREGYSLVGIDPFRLLQNSQVFSLIRPNENPAHKSQLVWMACHSAAFEDLRVSSFIRGTRVVPRGQLSTRGVQIASNENMETMDSSTLELRSRYWAIRTRSGGNTNQQRASAGQISVQPTFSVQRNLPFERATIMAAFTGNTEGRTSDMRTEIIRMMESARPEDVSFQGRGVFELSDEKATNPIVPSFDMSNEGSYFFGDNAEEYDN*
配列番号6: (A/chicken/Korea/KBNP-0028/00(H9N2)-NS)
MDSNTVSSFQVDCFLWHVRKRFADQELGDAPFLDRLRRDQKSLRGRGSTLGLDIETATRGGKQIVERILFKESDEALKMTVASVPATRYLTDMTLEEMSRDWFMLMPKQKVAGSLCIKIDQAIMDKTITLKANFSVTFGRLETLILLRAFSEEGAIVGEISPLPSLPGHTDEDVKNAIGVLIGGLEWNNNTVRVSETLQRFAWRSSDENGRPPLPPKQKQKMARTIGSEV*RNKVADRRGAT*IKDYGEQL*TNNIYASLTTIA*
配列番号7: (A/chicken/Korea/01310/2001(H9N2)-M)
MSLLTEVETYVLSIVPSGPLKAEIAQRLEDVFAGKNTDLEALMEWLKTRPILSPLTKGILGFVFTLTVPSERGLQRRRFVQNALNGNGDPNNMDRAVKLYRKLKREITFHGAKEVALSYSTGALASCMGLIYNRMGTVTTEVAFGLVCATCEQIADSQHRSHRQMVATTNPLIRHENRMVLASTTAKAMEQMAGSSEQAAEAMEVASQARQMVQAMRTIGTHPSSSAGLKDDLLENLQAYQKRMGVQIQRFK*TSRYCRKYHWDLALDIVDS*SSFLQMHLSSP*IRFEKRAFYGRSA*VYEGRVSTGTAECCGC*
図1
図2
図3
図4
図5
【配列表】
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