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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-12
(45)【発行日】2022-08-22
(54)【発明の名称】海苔供給機
(51)【国際特許分類】
   A23L 17/60 20160101AFI20220815BHJP
   B65G 47/14 20060101ALI20220815BHJP
【FI】
A23L17/60 103B
B65G47/14 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019027375
(22)【出願日】2019-02-19
(65)【公開番号】P2020130040
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2021-06-29
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)販売日は、平成30年11月17日。販売場所は、株式会社大坪鉄工の海苔工場(福岡県柳川市大和町徳益711-2)。 (2)販売日は、平成30年11月17日。販売場所は、堤 義昭の海苔工場(福岡県柳川市大和町中島335)。 (3)販売日は、平成30年11月15日。販売場所は、本村昭治の海苔工場(佐賀県佐賀市川副町犬井道1580-4)。 (4)販売日は、平成30年11月9日。販売場所は、田中和博の海苔工場(佐賀県佐賀市川副町犬井道376)。 (5)販売日は、平成30年11月16日。販売場所は、橋本勝範の海苔工場(熊本県熊本市南区川口町4488-1)。 (6)販売日は、平成30年11月21日。販売場所は、藤川晃英の海苔工場(福岡県柳川市大浜町775-1)。 (7)販売日は、平成30年11月15日。販売場所は、龍 寛太の海苔工場(福岡県大川市新田594-3)。 (8)販売日は、平成30年11月15日。販売場所は、中尾康寛の海苔工場(福岡県柳川市矢留本町443-3)。 (9)販売日は、平成30年11月16日。販売場所は、津田丸水産の海苔工場(熊本県玉名郡長洲町長洲3296-2)。 (10)販売日は、平成30年11月15日。販売場所は、牛嶋昭成の海苔工場(熊本県熊本市松尾町近津747)。 (11)販売日は、平成30年11月13日。販売場所は、平河 努の海苔工場(福岡県柳川市大和町中島612)。 (12)販売日は、平成30年11月15日。販売場所は、中島良人の海苔工場(佐賀県佐賀市川副町大詫間465-3)。 (13)販売日は、平成30年11月15日。販売場所は、ふるさと水産の海苔工場(佐賀県佐賀市川副町大詫間1255-1)。 (14)販売日は、平成30年11月16日。販売場所は、林 龍治の海苔工場(熊本県玉名市岱明町鍋807)。 (15)販売日は、平成30年11月14日。販売場所は、田中圭紀の海苔工場(福岡県柳川市大和町中島572-3)。 (16)販売日は、平成30年11月13日。販売場所は、高田達也の海苔工場(福岡県柳川市大和町栄803-1)。 (17)販売日は、平成30年11月17日。販売場所は、大曲 司の海苔工場(福岡県柳川市南浜武598,599-2)。 (18)販売日は、平成30年11月13日。販売場所は、椛島菊徳の海苔工場(福岡県柳川市南浜武394-6)。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (19)販売日は、平成30年11月1日。販売場所は、小柳信治の海苔工場(福岡県柳川市大和町中島1913)。 (20)販売日は、平成30年11月15日。販売場所は、田中和徳の海苔工場(福岡県柳川市南浜武708-1)。 (21)販売日は、平成30年11月13。販売場所は、荒牧聖の海苔工場(福岡県柳川市大和町中島745-5)。 (22)販売日は、平成30年11月23日。販売場所は、荒巻滋美の海苔工場(福岡県柳川市南浜武501)。 (23)販売日は、平成30年11月6日。販売場所は、田中稔大の海苔工場(福岡県柳川市南浜武680-4)。 (24)販売日は、平成30年11月19日。販売場所は、妻夫木秀忠の海苔工場(福岡県柳川市南浜武605)。 (25)販売日は、平成30年11月19日。販売場所は、椛島裕一の海苔工場(福岡県柳川市南浜武211-1)。 (26)販売日は、平成30年12月7日。販売場所は、昴水産の海苔工場(佐賀県佐賀市川副町鹿江863-1)。 (27)販売日は、平成31年1月5日。販売場所は、和合水産の海苔工場(福岡県柳川市大和町中島2237-2)。(28)販売日は、平成31年1月5日。販売場所は、有限会社高崎商会の海苔工場(福岡県柳川市間883)。 (29)販売日は、平成31年1月11日。販売場所は、有明共乾Aの海苔工場(福岡県柳川市大和町谷垣82-1,83-1)。 (30)販売日は、平成31年1月11日。販売場所は、有明漁業共同組合(福岡県柳川市大和町明野304-2)。 (31)販売日は、平成31年1月11日。販売場所は、新郷善二の海苔工場(佐賀県佐賀市川副町大託間588)。 (32)販売日は、平成31年2月16日。販売場所は、津川紀夫の海苔工場(熊本県熊本市西区河内町船津982-217)。
(73)【特許権者】
【識別番号】392024699
【氏名又は名称】株式会社川島製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100086092
【弁理士】
【氏名又は名称】合志 元延
(72)【発明者】
【氏名】川島 一美
【審査官】村松 宏紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-239425(JP,A)
【文献】特開2018-057361(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L、B65G
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
海苔の生産ラインに付設される海苔供給機であって、供給コンベアを有しており、該供給コンベアは、海苔を前記生産ラインに供給可能であると共に、複数枚の海苔を供給待機状態でストック可能であり、
該供給コンベアは、供給待機状態でストック中の海苔を、前記生産ラインの一般海苔搬送用のラインコンベアに、投入供給可能であり、
投入供給は、前記ラインコンベアにて搬送される一般海苔間の空きスペースに対して行われると共に、空きスペースの間隔サイズに応じ、ストック中の1枚又は複数枚の海苔を選択して行われ、
該供給コンベアは、複数のコンベアが上流側から下流側に列設された集合体よりなり、
各該コンベアは、海苔をそれぞれ、下流側に向け搬送すべく駆動可能であると共に、ストック中の1枚を載せて停止可能であり、
各該コンベアには、海苔の確認センサが対応配設されており、各該確認センサは、対応する該コンベアに関する海苔情報を検出可能であり、その海苔情報に基づき各該コンベアが駆動制御されること、を特徴とする海苔供給機。
【請求項2】
請求項1において、この海苔供給機は、更に、ストック部と送り出し機構とを、有しており、
該ストック部は、海苔を多数枚重積可能であり、該送り出し機構は、該ストック部の海苔を順次1枚ずつ、該供給コンベアの上流側の該コンベアに向け、送り出し可能であること、を特徴とする海苔供給機。
【請求項3】
請求項2において、該供給コンベアは、手差し手段をアタッチメントとして取付可能であり、
該手差し手段は、該供給コンベアの上流側の該コンベア上に架設取付けされ、1枚の海苔を、手差しで載せることが可能であると共に、該ストック部や該送り出し機構に代わり、上流側の該コンベアに提供可能であること、を特徴とする海苔供給機。
【請求項4】
請求項1において、この海苔供給機は、更に、手差し手段が取付けられており、
該手差し手段は、該供給コンベアの上流側の該コンベア上に固定的に架設取付けされ、1枚の海苔を、手差しで載せることが可能であると共に、上流側の該コンベアに提供可能であること、を特徴とする海苔供給機。
【請求項5】
請求項1において、この海苔供給機は、前記生産ラインの異物検査装置で異物が検出されて回収された海苔について、
異物の除去後に、除去確認のため前記異物検査装置そして生産ラインに再供給すべく、前記生産ラインに付設されること、を特徴とする海苔供給機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海苔供給機に関する。すなわち、海苔を生産ラインに供給する、海苔供給機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
《技術的背景》
海苔供給機は、乾燥海苔(以下単に海苔という)を、海苔生産ラインに供給するために用いられる。
例えば、生産ラインの異物検査装置にて異物検出,選別,回収された海苔について、異物を除去した後、除去確認のため異物検査装置そして生産ラインに再供給するために、使用される。
もって、この海苔供給機は、海苔生産ラインに付設して使用される。
【0003】
《従来技術》
この種の海苔供給機1は、図4に示した代表例のように、海苔を多数枚重積,収納するストック部2と、ストック部2下に設けられ、ストック部2の海苔を順次1枚ずつ送り出す送り出し機構3と、送り出された海苔を生産ラインに投入供給する供給コンベア4とを、備えている。
図5図6は、このような海苔供給機1の送り出し機構3の動作ステップを示す。そして、まずストック部2に重積された海苔A中から最下1枚の海苔Aが、送り出し機構3により、供給コンベア4へと順次送り出される。送り出された1枚の海苔Aは、供給コンベア4から生産ラインBに供給される。
すなわち、送り出された1枚の海苔Aは、生産ラインBのラインコンベアCにて搬送される一般海苔A’間の空きスペースDに対して、投入供給されていた(生産ラインB,ラインコンベアC,一般海苔A’,空きスペースD等については、後述する図1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
このような海苔供給機1としては、例えば次の特許文献1中に示したものが、挙げられる。
【文献】特開2018―57361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような従来の海苔供給機1については、次の第1,第2の問題が指摘されていた。
《第1の問題点》
第1に、複数枚の海苔Aを一度に投入供給する時間的余裕がない、という問題が指摘されていた。
すなわち、投入供給対象の生産ラインBのラインコンベアCについて、搬送される一般海苔A’間に空きスペースDがある場合に、海苔供給機1から海苔Aが投入供給されるが、その空きスペースDが広く、複数枚の海苔Aを投入供給可能な広い間隔サイズであった場合において、問題があった。
このような場合、従来の海苔供給機1では、複数枚の海苔Aを、供給コンベア4から生産ラインBに、一度に投入供給することができなかった。その時間的余裕がなかった。
すなわち、生産ラインB側に広い空きスペースDがあっても、実際上、1枚の海苔Aしか、供給コンベア4から投入供給できず、効率が悪かった。このような場合、従来の海苔供給機1は、送り出し機構3の所要動作ステップ時間(海苔A1枚を送り出すための所要1サイクル時間)に鑑み、2枚目,3枚目の海苔Aを、ストック部2から供給コンベア4へと即送り出し、供給コンベア4から即投入供給させることは、困難であった。
【0006】
因に、海苔供給機1の送り出し機構3の動作ステップ、つまり海苔A1枚を送り出すための1サイクルについて、図5図6により説明しておく。
図5の(1)図は、動作開始状態を示す。ストック部2に重積された海苔A(海苔束)が、送り出し機構3の保持姿勢の左右の保持アーム5上に保持されている。
(2)図は、落下状態を示す。保持アーム5が開放姿勢とされ、ストック部2に重積された海苔Aが、送り出し機構3の傾斜姿勢の左右の吸引部6上に、落下する。
(3)図は、吸着状態を示す。左右の吸引部6が平姿勢を取り、重積された最下1枚の海苔Aを吸着する。
(4)図は、湾曲,分離状態を示す。左右の吸引部6が傾斜姿勢を取ることにより、吸着された最下1枚の海苔Aの左右端部が、下降湾曲される。
そこで、ストック部2に重積された海苔Aと最下1枚の海苔Aとの間に、隙間Eが左右に形成され、保持アーム5が挿入されて保持姿勢を取り、重積された海苔Aと最下1枚の海苔Aとが分離される。
図6の(1)図,(2)図,(3)図は、その後、最下1枚の海苔Aが、送り出し機構3の押出手段7にて、供給コンベア4に向けて送り出されるステップを示す。8は押出手段7の押出プレート、9は、押出手段7の駆動アームである。
海苔供給機1では、送り出し機構3がこのような動作ステップを辿ることにより、1枚の海苔Aが、ストック部2から供給コンベア4に送り出されていた。海苔A1枚を送り出す吸着,分離,押出等の1サイクルに、所定動作ステップ時間を要していた。
第1の問題点については、以上のとおり
【0007】
《第2の問題点》
第2に、緊急トラブル発生時における対応や、特殊な海苔Aへの対応等に、問題が指摘されていた。
従来の海苔供給機1では、例えば、送り出し機構3の保持アーム5や吸引部6に、機械的トラブルが発生した際も、生産ラインBへの海苔A供給を続行したい場合、対応が容易でなかった。
又、海苔Aは自然の産物である関係上、種類,産地,気候,その他の条件によっては、癖が強かったり,規格外であったり,形状変形しているものが多々ある。そして、このような特殊な海苔Aが、送り出し機構3の保持アーム5,吸引部6,押出手段7等による吸着,分離,押出等の動作ステップに、なじまないことが多々あった。
このような場合も、海苔供給機1による生産ラインBへの海苔A供給を続行したい場合、対応が容易ではなかった。
第2の問題点については、以上のとおり。
【0008】
《本発明について》
本発明の海苔供給機は、このような実情に鑑み、上記従来技術の課題を解決すべくなされたものである。
そして本発明は、第1に、複数枚の海苔を、生産ラインに一度に供給可能であり、第2に、緊急トラブル時や特殊な海苔等への対応も容易な、海苔供給機を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
《各請求項について》
このような課題を解決する本発明の技術的手段は、特許請求の範囲に記載したように、次のとおりである。
請求項1については、次のとおり。
請求項1の海苔供給機は、海苔の生産ラインに付設され、供給コンベアを有している。該供給コンベアは、海苔を前記生産ラインに供給可能であると共に、複数枚の海苔を供給待機状態でストック可能である。
該供給コンベアは、供給待機状態でストック中の海苔を、前記生産ラインの一般海苔搬送用のラインコンベアに、投入供給可能である。投入供給は、前記ラインコンベアにて搬送される一般海苔間の空きスペースに対して行われると共に、空きスペースの間隔サイズに応じ、ストック中の1枚又は複数枚の海苔を選択して行われる。
そして該供給コンベアは、複数のコンベアが上流側から下流側に列設された集合体よりなる。そして各該コンベアは、海苔をそれぞれ、下流側に向け搬送すべく駆動可能であると共に、ストック中の1枚を載せて停止可能である。
又、各該コンベアには、海苔の確認センサが対応配設されている。各該確認センサは、対応する該コンベアに関する海苔情報を検出可能であり、その海苔情報に基づき各該コンベアが駆動制御されること、を特徴とする。
【0010】
請求項2については、次のとおり。
請求項2の海苔供給機では、請求項1において、更に、ストック部と送り出し機構とを、有している。
該ストック部は、海苔を多数枚重積可能である。該送り出し機構は、該ストック部の海苔を順次1枚ずつ、該供給コンベアの上流側の該コンベアに向け、送り出し可能であること、を特徴とする。
請求項3については、次のとおり。
請求項3の海苔供給機では、請求項2において、該供給コンベアは、手差し手段をアタッチメントとして取付可能である。
そして該手差し手段は、該供給コンベアの上流側の該コンベア上に、架設取付けされる。もって1枚の海苔を、手差しで載せることが可能であると共に、該ストック部や該送り出し機構に代わり、上流側の該コンベアに提供可能であること、を特徴とする。
【0011】
請求項4については、次のとおり。
請求項4の海苔供給機では、請求項1において、この海苔供給機は、更に、手差し手段が取付けられている。
そして該手差し手段は、該供給コンベアの上流側の該コンベア上に、固定的に架設取付けされている。もって1枚の海苔を、手差しで載せることが可能であると共に、上流側の該コンベアに提供可能であること、を特徴とする。
請求項5については、次のとおり。
請求項5の海苔供給機では、請求項1において、前記生産ラインの異物検査装置で異物が検出されて回収された海苔について、異物の除去後に、除去確認のため前記異物検査装置そして生産ラインに再供給すべく、前記生産ラインに付設されること、を特徴とする。
【0012】
《作用等について》
本発明は、このような手段よりなるので、次のようになる。
(1)この海苔供給機は、海苔の生産ラインに付設される。
(2)そして供給コンベアが、複数枚の海苔を、供給待機状態でストックすると共に、生産ラインに供給可能である。
(3)代表例の海苔供給機は、供給コンベアと共に、海苔を多数枚重積するストック部と、ストック部の海苔を順次1枚ずつ供給コンベアに送り出す送り出し機構と、を有している。
(4)供給コンベアは、複数のコンベアよりなり、それぞれ海苔を、1枚ずつストック可能そして搬送駆動可能である。
(5)各コンベアには、確認センサが対応配設されており、海苔の存否情報を検出可能であり、その検出オン・オフに基づき、各コンベアが駆動制御される。
(6)この海苔供給機は、このような供給コンベアにより、ストック中の海苔を生産ラインのラインコンベアに、投入供給可能である。
(7)そして投入供給は、ラインコンベアで搬送される一般海苔間の空きスペースの間隔サイズに応じ、ストック中の1枚又は複数枚の海苔を選択して行われる。
(8)この海苔供給機は、このように複数枚の海苔を、生産ラインに一度に供給可能である。生産ラインのラインコンベアに広い空きスペースがある場合、見合った枚数の海苔を、すぐに供給できるようになる。
(9)ところで、供給コンベアに手差し手段を取付けて、海苔を提供することも可能である。手差し手段は、アタッチメントとして又は専用の海苔提供手段として、取付け使用される。
(10)この手差し手段は、海苔供給機について機械的トラブル発生時や、特殊な海苔に対応する場合や、操作の簡易化が望まれる場合、等々に使用される。
(11)そこで、本発明に係る海苔供給機は、次の効果を発揮する。
【発明の効果】
【0013】
《第1の効果》
第1に、複数枚の海苔を、生産ラインに一度に供給可能である。
本発明の海苔供給機では、供給コンベアが、複数枚の海苔を供給待機状態でストック可能である。もって、ストックした複数枚の海苔を、生産ラインの空きスペースに一度に供給可能となる。
すなわち、供給コンベアは、複数のコンベアよりなり、それぞれ海苔を、1枚ずつストック可能そして搬送駆動可能である。もって、生産ラインのラインコンベアで搬送される一般海苔間に、広い間隔サイズの空きスペースがある場合、見合った枚数の海苔を直ちに供給可能となる。勿論、1枚分の空きスペースの場合は、1枚の海苔が供給される。
前述したこの種従来例の海苔供給機のように、時間的余裕がなく、2枚目,3枚目の海苔を一度に即供給することが困難であった事態は、解消される。
【0014】
第2に、緊急トラブル時や特殊な海苔への対応等が、容易である。
本発明の海苔供給機について、供給コンベアに海苔を提供可能な手差し手段を設けると、次のようになる。
すなわち、海苔供給機の機械的トラブル発生時や、海苔供給機の動作になじまない特殊な海苔の場合や、海苔供給機の操作になじみにくい操作者の場合、等々に使用することが考えられ、これらの場合に容易に対応することができるようになる。
もって、前述したこの種従来例の海苔供給機のように、これらの場合に海苔の供給が困難化する事態は、解消される。
なお、ストック部や送り出し機構を設けることなく、手差し手段のみにて海苔を供給コンベアに提供するようにした海苔供給機は、簡単な構成よりなりコスト面に優れる利点がある。
このように、この種従来例に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る海苔供給機について、発明を実施するための形態の説明に供し、全体の側面説明図である。
図2】同発明を実施するための形態の説明に供し、第1例を示す。そして(1)図は、供給コンベアの側面説明図、(2)図~(5)図は、海苔を待機させるステップの平面説明図である。
図3】同発明を実施するための形態の説明に供し、第2例を示す。そして(1)図は、供給コンベアの側面説明図、(2)図~(5)図は、海苔を待機させるステップの平面説明図である。
図4】海苔供給機の全体説明図である。そして、(1)図は側面説明図、(2)図は平面説明図、(3)図は斜視説明図である。
図5】海苔供給機の送り出し機構の動作ステップ1の正面説明図である。そして、(1)図は動作開始状態、(2)図は落下状態、(3)図は吸着状態、(4)は湾曲,分離状態を示す。
図6】海苔供給機の送り出し機構の動作ステップ2の側面説明図である。そして、(1)図は、送り出し前の状態、(2)図は、送り出し中の状態、(3)図は、送り出し後の状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明について、図面を参照して詳細に説明する。
《本発明の概要》
まず、本発明の概要については、次のとおり。
本発明の海苔供給機10は、海苔Aの生産ラインBに付設され、供給コンベア11を有している。供給コンベア11は、海苔Aを生産ラインBに供給可能であると共に、複数枚の海苔Aを供給待機状態でストック可能である。
もって供給コンベア11は、供給待機状態でストック中の海苔Aを、生産ラインBの一般海苔A’搬送用のラインコンベアCに、投入供給可能である。
そして投入供給は、ラインコンベアCにて搬送される一般海苔A’間の空きスペースDに対して行われると共に、空きスペースDの間隔サイズHに応じ、ストック中の1枚又は複数枚の海苔Aを選択して行われる。
すなわち供給コンベア11は、複数のコンベア12が上流側から下流側に列設された集合体よりなり、海苔Aをそれぞれ、下流側に向け搬送すべく駆動可能であると共に、ストック中の1枚を載せて停止可能である。
各コンベア12には、海苔Aの確認センサFが対応配設されており、各確認センサFは、対応するコンベア12に関する海苔情報を検出可能であり、その海苔情報に基づき各コンベア12が駆動制御される。
本発明の概要については、以上のとおり。以下、このような本発明の海苔供給機10について、更に詳述する。
【0017】
《海苔供給機1,10について》
まず、図4図6を参照して、本発明の海苔供給機10や従来例の海苔供給機1について、一般的に説明しておく。
海苔供給機1,10は、ストック部2,送り出し機構3,供給コンベア4,11等を、有している(図4を参照)。
ストック部2は、機体フレーム上に立設され、海苔Aを多数枚重積可能である。内部に多数枚の海苔Aを、海苔束として上下に積み重ねて収納する。
送り出し機構3は、ストック部2の下部に配設され、保持アーム5,吸引部6,押出手段7等を、備えている。そしてストック部2の海苔Aを、順次下側から1枚ずつ供給コンベア4,11へと送り出す。
【0018】
送り出し機構3について更に、詳述する。送り出し機構3の保持アーム5は、ストック部2に重積,収納された海苔Aの両側に、左右一対設けられている。そして、重積,収納された海苔Aを、保持する上位の保持姿勢と、保持を開放する下位の開放姿勢とに、搖動変位可能である(図5を参照)。
送り出し機構3の吸引部6は、ストック部2に重積,収納された海苔Aの下側に、左右一対設けられている。そして、上位の平姿勢と下位の傾斜姿勢とに、搖動変位可能である(図5を参照)。
そして吸引部6は、まず平姿勢において、保持アーム5の開放姿勢により落下したストック部2の重積海苔Aの左右端部を、保持,吸着する。そして傾斜姿勢により、保持,吸着した最下1枚の海苔Aの左右端部を、下降湾曲せしめる。吸引部6は、ファンやブロワに接続されている。
送り出し機構3の押出手段7は、吸引部6を介し、供給コンベア4,11とは反対側に設けられている。そして、吸引部6にて保持,吸着,湾曲中の最下1枚の海苔Aを、供給コンベア4,11に向け押し出す。駆動アーム9にて押出プレート8が前進動して、海苔Aを送り出す(図6を参照)。
このような送り出し機構3の動作ステップについては、背景技術欄において前述した所を参照。(なお供給コンベア11については後で詳述。)
海苔供給機1,11の一般的説明については、以上のとおり。
【0019】
《生産ラインBについて》
次に、生産ラインBについて、図1を参照して説明する。
ストック部2,送り出し機構3,供給コンベア4,11等を備えた海苔供給機1,10は、図1に示した代表例のように、海苔Aの生産ラインBについて使用される。
すなわち、海苔Aの生産ラインBの異物検査装置Pにて異物が検出,選別,回収された海苔Aについて、異物が除去された後、異物除去確認のために異物検査装置P、そして生産ラインBに再供給すべく、生産ラインBに付設される。
そして、海苔(異物除去海苔)Aが、海苔供給機1,10のストック部2に重積された後、1枚が、送り出し機構3により供給コンベア4,11へと送り出され、供給コンベア4,11から生産ラインBのラインコンベアCに、投入供給される。ラインコンベアCに空きスペースDがあると、投入供給される。
生産ラインBについては、以上のとおり。
【0020】
《供給コンベア11の構成について》
以下、本発明の海苔供給機10の供給コンベア11について、図1図2を参照して説明する。
供給コンベア11そして海苔供給機10は、生産ラインBのラインコンベアCより上位に配されている。供給コンベア11は、水平搬送するラインコンベアCに向け、下流側が下降傾斜している。
そして供給コンベア11は、複数のコンベア12が、上流側から下流側に列設された集合体よりなる。各コンベア12は、それぞれ海苔Aを、下流側に向け搬送すべく駆動可能であると共に、ストック中の1枚を載せて停止可能である。
各コンベア12には、海苔Aの確認センサFが対応配設されている。各確認センサFは、対応するコンベア12に関する海苔情報を検出可能であり、その海苔情報に基づき各コンベア12が駆動制御される。
【0021】
このような供給コンベア11について、更に詳述する。供給コンベア11を構成する複数の各コンベア12は、それぞれ、駆動ローラー13と従動ローラー14間に、無端紐ベルト(丸ベルト)等のベルトが掛け渡されてなる。なお、このようにベルトを掛け渡して介装する構成によらず、ローラーコンベア群を介装する構成も考えられる。すなわち、ベルト連結されると共に間欠配設されたローラーコンベア群を、介装することも考えられる。
各駆動ローラー13は、それぞれタイミングベルト、又は歯車やチェーン等を介し、モータ15にて回転駆動され、もってコンベア12が搬送駆動される。
そして供給コンベア11は、複数のコンベア12が、海苔供給機10の送り出し機構3側を上流側とし、生産ラインBのラインコンベアC側を下流側として、一列に列設されている(図1を参照)。
図示例では3台のコンベア12,12,12が列設されているが、台数に制限はなく、供給コンベア11の長さ次第では、例えば、2台列設や4台列設も考えられる。又、図示例では、1台の上流側コンベア12が水平配設され、下流側コンベア12と最下流側コンベア12が下降傾斜配設されている。
各コンベア12は、1枚の海苔Aを載せるに足るスペース構成よりなる。そして、最上流側コンベア12(図示例では12)に対し、送り出し機構3から海苔Aが送り出され、最下流側コンベア12(図示例では12)から、生産ラインBのラインコンベアCに対し、海苔Aが投入供給される。
各コンベア12は、搬送駆動により、海苔Aを載せて上流側から下流側へと搬送可能である。又、駆動停止により、ストック用に1枚の海苔Aを載せて停止可能であり、海苔Aを載せることなく停止することも可能である。
【0022】
各コンベア12には、それぞれ、海苔Aの確認センサFが対応配設されている。確認センサFは、例えば反射型の光電スイッチよりなり、各コンベア12の下流端上、つまり載せられる海苔Aの待機停止位置先端上に、それぞれ配設されている。
図示例では、コンベア12に確認センサFが、コンベア12に確認センサFが、コンベア12に確認センサFが、それぞれ対応配設されている。
確認センサFは、対応するコンベア12について、海苔Aの存否,有無を海苔情報として、オン・オフ検出可能であり、その検出信号は制御部Gに送出され、もって各コンベア12の駆動が制御される。
すなわち、その確認センサFに対応するコンベア12のモータ15や、その他のコンベア12のモータ15に対し、検出された海苔情報がオフ検出かオン検出かにより、駆動信号や駆動停止信号が送出される(これについては後述)。
供給コンベア11の構成については、以上のとおり。
【0023】
《海苔Aのストックについて》
次に、本発明の海苔供給機10の供給コンベア11における、海苔Aのストックについて、図1図2を参照して説明する。
供給コンベア11は、海苔Aを生産ラインBに供給可能であると共に、複数枚の海苔Aを供給待機状態でストック可能である。
【0024】
このような海苔Aのストックについて、更に詳述する。まず供給コンベア11は、その複数の各コンベア12上に、それぞれ1枚の海苔Aを載せて停止可能であり、載せた海苔Aを、供給待機状態としてストック可能である。
代表的には各コンベア12上、図示例では3台の各コンベア12,12、12上に、それぞれ海苔Aがストックされる。しかし、このような代表例によらず、例えばコンベア12が4台以上等多数の場合、複数の下流側コンベア12上のみにストックし、上流側コンベア12にはストックしない使用例も考えられる。
そして、このような各コンベア12への海苔Aのストック動作は、例えば、次の(a)~(f)のステップを辿って行われる。その際基本的には、先の確認センサFが海苔A検出オンしていなければ、つまり海苔Aがコンベア12上に載っていなければ、搬送が実施される。
【0025】
(a)送り出し機構3は、供給コンベア11の最上流側コンベア12の確認センサFが海苔A検出オフ毎に、1サイクル動作する。実際上は、送り出し機構3は、保持アーム5と吸引部6の動作を先に済ませておき、押出手段7が随時押し出し動作を行えるようにすることにより、時間短縮が図られている。
図示例では、最上流側コンベア12の確認センサFが海苔A検出オフの場合、つまり海苔Aが載ってない場合、送り出し機構3の駆動モータ16が駆動され、送り出し機構3が1サイクル動作する。
そして、例えば1枚目の海苔A1枚を、供給コンベア11の最上流側コンベア12(図示例では12)に送り出す。
(b)これと共に、最上流側コンベア12(図示例では12)が搬送駆動し、1枚目の海苔Aがその上に載せられて、その確認センサF(図示例ではF)が海苔A検出オンするまで、搬送駆動する(図2の(2)図を参照)。
(c)なお、下流側の各コンベア12は、その確認センサFが海苔A検出オンの場合、つまり海苔Aが載っている場合は、駆動停止したまま搬送駆動しない。
(d)これに対し、下流側の各コンベア12は、その確認センサFが海苔A検出オフの場合、つまり海苔Aが載っていない場合は、搬送駆動する。
図示例では、確認センサFが海苔A検出オフで、上述により確認センサFが海苔A検出オンの場合、最上流コンベア12および下流側コンベア12は、確認センサFが海苔A検出オンするまで搬送駆動する(図2の(3)図を参照)。
【0026】
(e)そして、下流側の各コンベア12(含.最下流側コンベア12)は、最下流側コンベア12の確認センサFが海苔A検出オンすると、駆動停止する。
図示例では、確認センサFが海苔A検出オフで、確認センサFが海苔A検出オンの場合、下流側コンベア12と最下流側コンベア12は、確認センサFが海苔A検出オンするまで、搬送駆動する(図2の(4)図を参照)。
(f)なお、このような1枚目の海苔Aの搬送移動中において、2枚目の海苔Aも連動して後を追い、上記(a),(b),(d)に準じ、搬送駆動される(図2の(4)図を参照)。
そして、この2枚目の海苔Aについては、最下流側コンベア12(図示例では12)の1つ手前の確認センサF(図示例ではF)が海苔A検出オンすると、そのコンベア12(図示例では12)は駆動停止する。
(g’)3枚目の海苔Aも連動し、上記(a),(b),(c)に準じる。
【0027】
もって図示例では、3台のコンベア12,12,12について、下流側から順にそれぞれ海苔Aが載せられ、供給待機状態として予め保持され,ストックされる(図2の(5)図を参照)。
供給コンベア11では、このようなステップのストック動作により、海苔Aが供給コンベア11の各コンベア12に、ストックされる。生産ラインBへの投入供給時以外は、供給コンベア11に、ストック可能な最大枚数の海苔Aがストックされる。
なお図示例では、3台すべてのコンベア12に海苔Aがストックされるが、コンベア12がより多数台の場合は、上流側コンベア12には海苔Aがストックされない使用例も可能である。
さて供給コンベア11のこのようなストック動作のステップ制御は、プログラマブル ロジック コントローラ,マイコン等よりなる制御部Gにて行われる。
すなわち制御部Gは、供給コンベア11の各コンベア12の確認センサFから検出信号が入力されると共に、そのシーケンスプログラムに基づき、各コンベア12のモータ15に駆動信号や駆動停止信号が送出される。
海苔Aのストックについては、以上のとおり。
【0028】
《海苔Aの投入供給について》
次に、本発明の海苔供給機10の供給コンベア11における、ストックされた海苔Aの生産ラインBへの投入供給について、図1を参照して説明する。
供給コンベア11は、供給待機状態でストック中の海苔Aを、生産ラインBの一般海苔A’搬送用のラインコンベアCに、投入供給可能である。
そして、この投入供給は、ラインコンベアCにて搬送される一般海苔A’間の空きスペースDに対して行われると共に、空きスペースDの間隔サイズHに応じ、ストック中の1枚又は対応した複数枚の海苔Aを選択して行われる。
【0029】
このような海苔Aの投入供給について、更に詳述する。まず、生産ラインBのラインコンベアCには、ラインセンサJが設けられている。
ラインセンサJは、図示例では、ラインコンベアCにて異物検査装置Pへと順次搬送される一般海苔A’を検出対象とし、反射型の光電スイッチが使用されている。
そして図示例のラインセンサJは、先に搬送される一般海苔A’の前端又は後端の通過検出信号と、次に搬送される一般海苔A’の前端又は後端の通過信号とを、制御部Gに送出する。
制御部Gは、ラインセンサJから送出されてきた先後の両検出信号と、予め入力されていたラインセンサJの搬送速度データと、一般海苔A’の海苔サイズKデータと、投入供給に必要なその前後スペースデータとから、プログラムに基づき演算,判別を行う。
すなわち、先後の両検出信号が比較され、先後の両検出信号間に、演算された所定設定時間経過が認められるか否かが、判別される。図示例では、次の(1),(2),(3)のとおり。
(1)前後スペース付で一般海苔A’1枚分に相当する設定時間が、経過したか否か(一般海苔A’1枚分等の間隔サイズHの空きスペースDの有無)。
(2)それぞれ前後スペース付で一般海苔A’2枚分に相当する設定時間が、経過したか否か(一般海苔A’2枚分等の間隔サイズHの空きスペースDの有無)。
(3)それぞれ前後スペース付で一般海苔A’3枚分に相当する設定時間が、経過したか否か(一般海苔A’3枚分等の間隔サイズHの空きスペースDの有無)。
【0030】
そして制御部Gは、所定間隔サイズHの空きスペースD有の場合、供給コンベア11に駆動信号を送出する。ラインコンベアCに設けた投入センサLを、先の一般海苔A’が通過するタイミングで、供給コンベア11のコンベア12に、駆動信号を送出する。
もって、空きスペースDの前後間隔サイズHに応じ、ストック中の1枚又は複数枚の海苔Aが選択されて、空きスペースDに投入供給される。但し投入供給される枚数は、その時点でストックされている海苔Aの最大枚数を限度とする。
これについて、図示例,代表例では次のとおり。a.1枚投入供給の場合は、最下流側コンベア12にストックされていた海苔Aが、投入供給される。
b.2枚投入供給の場合は、その上流の下流側コンベア12にストックされていた海苔Aも、最下流側コンベア12を経由して、投入供給される。
c.3枚投入供給の場合は、最上流側コンベア12にストックされていた海苔Aも、上述した2台のコンベア12,12を経由して、投入供給される。
そして各コンベア12が、このような投入供給に対応して駆動されると共に、投入供給された海苔Aを補充すべく各コンベア12が駆動される(前述した海苔Aのストック動作を参照)。
【0031】
なお第1に、先に搬送される一般海苔A’の投入センサL通過が、検出されても、次に搬送される一般海苔A’のラインセンサJ通過が、検出されない場合、図示例では、空きスペースD有と見做されると共に、その間隔サイズHが認定される。
これらについて、更に詳述する。生産ラインBのラインコンベアCにおいて、先に搬送される一般海苔A’が、ラインセンサJを通過した後、投入センサLに到達し、もって海苔Aの投入供給のタイミングが到来しても、次に搬送される一般海苔A’が、未だラインセンサJに到達してない場合については、次の設定よりなる。
すなわち図示例では、搬送される一般海苔A’間に空きスペースD有と見做されると共に、その間隔サイズHが認定される。もって、その空きスペースDの間隔サイズHに応じ、海苔供給機10の供給コンベア11にて、ストック中の1枚又は複数枚の海苔Aが、その空きスペースDに投入供給される。
そして、このような空きスペースD有の判別そしてその間隔サイズHの認定は、ラインセンサJと投入センサL間の配設間隔距離に基づき、行われる。
ラインセンサJと投入センサLは通常、一般海苔A’1枚分以上の間隔距離にて配設される。そして例えば、両者の配設間隔距離が、(1)一般海苔A’1枚分等に相当する場合は、1枚分等の空きスペースDの間隔サイズHと認定される。(2)2枚分等に相当する場合は、2枚分等の空きスペースDの間隔サイズHと認定される。(3)3枚分等に相当する場合は、3枚分等の空きスペースDの間隔サイズHと認定される。
このように、配設現場のラインセンサJと投入センサLの配設状況に合わせて、海苔Aの投入供給枚数が選択,設定されることになる。勿論これらは、前述したラインセンサJや投入センサLの検出信号や制御部Gの演算,判別に基づき行われる。又、本明細書中において、空きスペースDや間隔サイズHの用語については、このように見做され,認定されたものも当然包含する。
なお第2に、ラインセンサJは、図1中の図示例以外にも、各種方式のものが可能である。
例えば、ラインコンベアCを先に搬送される一般海苔A’の後端を検出するセンサと、次に搬送される一般海苔A’の前端を検出するセンサとを用いて、先後で搬送される一般海苔A’間の間隔サイズHを求め、もって前述に準じた判別を行う方式が考えられる。
なお第3に、投入センサLは、最下流側コンベア12(図示例では12)の先端下付近の位置で、ラインコンベアCに対向設される。
そして投入センサLは、空きスペースDの直前に搬送される先の一般海苔A’の先端又は後端通過を検出し、その検出信号を制御部Gに送出する。制御部Gは、所定タイマー設定時間経過後、供給コンベア11のコンベア12に駆動信号を送出する。
海苔Aの投入供給については、以上のとおり。
【0032】
《手差し手段17(その1)について》
次に、手差し手段17(その1)について、図3を参照して説明する。
図3に示した例の海苔供給機10では、供給コンベア11について、手差し手段17をアタッチメントとして取付可能である。
手差し手段17は、供給コンベア11の上流側コンベア12上に架設取付けされており、1枚の海苔Aを、手差しで載せることが可能であると共に、ストック部2や送り出し機構3に代わり上流側コンベア12に提供可能である。
【0033】
このような手差し手段17について、更に詳述する(図3の(1)図を参照)。手差し手段17は、略トレー板状をなし、上流側コンベア12上に取付けられる。上流側コンベア12について、先端部分を除き大部分を覆いつつ、その左右のフレーム間に架設取付可能である。
もってアタッチメントとして用いられ、必要に応じ取付け使用されると共に、用途によっては取外される。
そして、1枚の海苔Aを、手差しで載せることが可能である。そして、手差しされた1枚の海苔Aは、上流側コンベア12(図示例では12)に対し、その先端部分に接触,提供されると共に、その確認センサF(図示例ではF)にて検出オン・オフされる。
このように手差し手段17は、海苔供給機10の前述したストック部2や送り出し機構3に代わって、海苔Aを、供給コンベア11の上流側コンベア12(図示例では12)に提供可能である。図示例では、3枚の海苔Aをすべて、手差し手段17への手差しにより、ストックすることも可能である。
勿論、このように手差し手段17を取付利用中でも、ストック部2や送り出し機構3にて供給コンベア11へ海苔Aを送り出すことも、適宜可能である。
手差し手段17の使用例において、海苔Aのストックや海苔Aの投入供給については、制御部Gの制御が手動モードに切り替えられるが、モード内容は前述した図1図2の例に準じる(図3の(2)図~(5)図を参照)。
手差し手段17(その1)については、以上のとおり。
【0034】
《手差し手段17’(その2)について》
次に、手差し手段17’(その2)について、図3を参照して説明する。
図3に示した他の例の海苔供給機10では、前述した手差し手段17をアタッチメントとする例とは異なり、ストック部2や送り出し機構3が設けられておらず、代わりに手差し手段17’が設けられている。
すなわち、この手差し手段17’は、供給コンベア11の上流側コンベア12(図示例では12)上に、前述した手差し手段17の場合とは異なり、固定的に架設取付けされている。そして1枚の海苔Aを、手差しで載せることが可能であると共に、上流側コンベア12に提供可能である。
この手差し手段17’は、図1図2の例のストック部2や送り出し機構3に代わって、専用的に海苔Aを供給コンベア11に提供する。その他の構成や機能については、前述した手差し手段17(その1)等に準じる。
手差し手段17’(その2)については、以上のとおり。
【0035】
《作用等》
本発明の海苔供給機10は、以上説明したように構成されている。そこで以下のようになる。
(1)この海苔供給機10は、海苔Aの生産ラインBに付設される。代表例では、生産ラインBの異物検査装置Pで異物が検出された海苔Aについて、異物の除去後に、除去確認のため異物検査装置Pそして生産ラインBに再供給すべく、生産ラインBに付設される(図1を参照)。
【0036】
(2)そして海苔供給機10は、供給コンベア11を有している。供給コンベア11は、複数枚の海苔Aを供給待機状態で予めストックすると共に、ストックした海苔Aを生産ラインBに供給可能である(図1を参照)。
【0037】
(3)海苔供給機10は、代表例では、このような供給コンベア11と共に、更にストック部2と送り出し機構3とを、有している(図1を参照)。
ストック部2は、海苔Aを多数枚重積する。送り出し機構3は、ストック部2の海苔Aを、順次1サイクルで1枚ずつ、供給コンベア11の上流側コンベア12に向け、送り出す。
【0038】
(4)供給コンベア11は、複数のコンベア12が、上流側から下流側に列設された集合体よりなる。各コンベア12は、それぞれ海苔Aを、1枚ずつ載せて停止可能,ストック可能であると共に、下流側に向け搬送駆動可能である(図1図2を参照)。
【0039】
(5)供給コンベア11の各コンベア12には、それぞれ確認センサFが対応配設されている。確認センサFは、対応するコンベア12について、海苔Aの存否情報を検出可能である。
そして、その検出オン・オフに基づき、各コンベア12が駆動制御され、もって海苔Aのストック動作や投入供給動作が行われる(図1図2を参照)。
【0040】
(6)この海苔供給機10は、このような供給コンベア11により、供給待機状態でストック中の海苔Aを、生産ラインBの一般海苔A’搬送中のラインコンベアCに、投入供給可能である(図1を参照)。
【0041】
(7)そして、供給コンベア11による搬入供給は、ラインコンベアCにて搬送される一般海苔A’間の空きスペースDの前後間隔サイズHに応じ、ストック中の1枚又は複数枚の海苔Aを選択して行われる(図1を参照)。
【0042】
(8)この海苔供給機10は、このように複数枚の海苔Aを、生産ラインBに一度に供給可能である。生産ラインBのラインコンベアCで搬送される一般海苔A’に、十分広い前後間隔サイズHの空きスペースDがある場合、見合った枚数の海苔Aを直ちに供給できるようになる。
【0043】
(9)ところで海苔供給機10には、供給コンベア11に手差し手段17,17’を取付けて、海苔Aを提供することも考えられる(図3を参照)。
ストック部2や送り出し機構3を備えた海苔供給機10について、補助的アタッチメントの手差し手段17として、又は、これらを備えない海苔供給機10について、海苔Aの専用供給用の手差し手段17’として、それぞれ取付け使用される。
【0044】
(10)そして手差し手段17,17’は、次のような各場合等について、対応を容易化せしめる。
すなわち、a.ストック部2や送り出し機構3に機械的トラブル発生時や、b.海苔Aについて、癖が強かったり,規格外であったり,形状変形しており、ストック部2や送り出し機構3の動作になじまない場合や、c.操作者によっては海苔供給機10操作の一層の簡易化が望まれる場合、等々に使用することが考えられる。
そして、このような場合等に容易に対応することができると共に、海苔Aの複数枚ストックや複数枚供給を維持することができる。
本発明の作用等については、以上のとおり。
【符号の説明】
【0045】
A 海苔
A’ 一般海苔
B 生産ライン
C ラインコンベア
D 空きスペース
E 隙間
F 確認センサ
確認センサ
確認センサ
確認センサ
G 制御部
H 間隔サイズ
J ラインセンサ
K 海苔サイズ
L 投入センサ
P 異物検査装置
1 海苔供給機(従来例)
2 ストック部
3 送り出し機構
4 供給コンベア(従来例)
5 保持アーム
6 吸引部
7 押出手段
8 押出プレート
9 駆動アーム
10 海苔供給機(本発明)
11 供給コンベア(本発明)
12 コンベア
12 コンベア
12 コンベア
12 コンベア
13 駆動ローラー
14 従動ローラー
15 モータ
15 モータ
15 モータ
15 モータ
16 モータ
17 手差し手段
17’ 手差し手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6