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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-12
(45)【発行日】2022-08-22
(54)【発明の名称】印刷部検査装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/393 20060101AFI20220815BHJP
【FI】
B41J29/393 105
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018103237
(22)【出願日】2018-05-30
(65)【公開番号】P2019206134
(43)【公開日】2019-12-05
【審査請求日】2021-04-20
(73)【特許権者】
【識別番号】390034223
【氏名又は名称】イーデーエム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120857
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 聡
(72)【発明者】
【氏名】神之田 時男
【審査官】加藤 昌伸
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-119176(JP,A)
【文献】特開2007-060517(JP,A)
【文献】特開平02-202465(JP,A)
【文献】特開昭60-253566(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00 - 29/70
B41J 2/01 - 2/215
B41J 2/315 - 2/345
B41J 2/42 - 2/425
B41J 2/475 - 2/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移送方向における上流側から下流側に向けて移送される被印刷物に印刷部を印刷するプリンタと、前記プリンタの前記移送方向の下流側において被印刷物に印刷された前記印刷部を撮像する撮像部を有する検査部と、被印刷物の移送方向に交差する移動方向に前記プリンタを移動させる移動部と、を備え、前記プリンタにより印刷された前記印刷部を前記検査部により検査する印刷部検査装置であって、
前記プリンタは、前記検査部側に突出するプリンタ側突出部を備え、
前記検査部は、前記移動方向に移動可能に構成されており、前記プリンタ側に突出すると共に前記移動方向に視た場合に前記プリンタ側突出部に少なくとも一部が重なって配置される検査部側突出部を備え、
前記移動部により前記プリンタが前記移動方向に移動された場合に、前記プリンタ側突出部は、前記検査部側突出部に当接しないで且つ前記移動部により前記プリンタが前記移動方向に移動されても前記検査部側突出部を前記移動方向に移動させない範囲と、前記検査部側突出部に当接して前記移動部により前記プリンタが前記移動方向に移動されることに連動して前記検査部側突出部を移動させる範囲とに移動可能に構成される印刷部検査装置。
【請求項2】
前記プリンタ側突出部及び前記検査部側突出部のいずれか一方は、前記移動方向に離間して配置される第1突出部及び第2突出部を備えて構成され、
前記検査部側突出部及び前記プリンタ側突出部のいずれか他方は、前記移動方向において、前記第1突出部及び前記第2突出部の間に配置される請求項1に記載の印刷部検査装置。
【請求項3】
前記検査部は、前記プリンタにより印刷された前記印刷部に光を照射する照明部を有し、
前記照明部は、前記検査部が前記移動方向に移動されることにより、前記撮像部と一体的に移動される請求項1又は2に記載の印刷部検査装置。
【請求項4】
前記検査部の前記移動方向への移動を妨げる抵抗力を付与するブレーキ機構を更に備える請求項1~3のいずれかに記載の印刷部検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷部を検査する印刷部検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ピロー包装機などにおける検査工程に使用される検査装置として、プリンタにより被印刷物に印刷部が印刷され、その被印刷物に印刷された印刷部をカメラ(撮像部)により撮像して検査する検査装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の検査装置は、プリンタとカメラとを別体で構成して、プリンタにより印刷された印刷部をカメラにより撮像して検査する。
【0003】
また、カメラとプリンタとを一体で構成して、プリンタにより印刷部を印刷した後に、カメラとプリンタとを一体で移動させて、カメラにより印刷部を撮像して検査する検査装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-71605号公報
【文献】特開2017-7122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術においては、カメラとプリンタとを別体で構成するため、カメラを移動させる駆動部とプリンタを移動させる駆動部とが必要となり、装置が大掛かりになりやすい。これに対して、特許文献2に記載の検査装置は、カメラとプリンタとを一体で構成し、カメラとプリンタとを移動させる駆動部を共用としているため、装置を簡易に構成することができる。しかし、特許文献2に記載の検査装置は、カメラとプリンタとが一体で構成されるため、プリンタが振動した場合にカメラも同時に振動するため、カメラの撮影精度が悪くなる可能性がある。
そのため、簡易な構成で、撮像部(カメラ)の撮影精度を向上させることができる印刷部検査装置が望まれる。
【0006】
本発明は、簡易な構成で、撮像部の撮影精度を向上させることができる印刷部検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、移送方向における上流側から下流側に向けて移送される被印刷物に印刷部を印刷するプリンタと、前記プリンタの前記移送方向の下流側において被印刷物に印刷された前記印刷部を撮像する撮像部を有する検査部と、被印刷物の移送方向に交差する移動方向に前記プリンタを移動させる移動部と、を備え、前記プリンタにより印刷された前記印刷部を前記検査部により検査する印刷部検査装置であって、前記プリンタは、前記検査部側に突出するプリンタ側突出部を備え、前記検査部は、前記移動方向に移動可能に構成されており、前記プリンタ側に突出すると共に前記移動方向に視た場合に前記プリンタ側突出部に少なくとも一部が重なって配置される検査部側突出部を備え、前記移動部により前記プリンタが前記移動方向に移動された場合に、前記プリンタ側突出部は、前記検査部側突出部に当接しない範囲と、前記検査部側突出部に当接して前記検査部側突出部を移動させる範囲とに移動可能に構成される印刷部検査装置に関する。
【0008】
また、前記プリンタ側突出部及び前記検査部側突出部のいずれか一方は、前記移動方向に離間して配置される第1突出部及び第2突出部を備えて構成され、前記検査部側突出部及び前記プリンタ側突出部のいずれか他方は、前記移動方向において、前記第1突出部及び前記第2突出部の間に配置されることが好ましい。
【0009】
また、前記検査部は、前記プリンタにより印刷された前記印刷部に光を照射する照明部を有し、前記照明部は、前記検査部が前記移動方向に移動されることにより、前記撮像部と一体的に移動されることが好ましい。
【0010】
また、前記検査部の前記移動方向への移動を妨げる抵抗力を付与するブレーキ機構を更に備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、簡易な構成で、撮像部の撮影精度を向上させることができる印刷部検査装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る印刷部検査装置1を斜め上方側から視た斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る印刷部検査装置1を斜め下方側から視た斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る印刷部検査装置1において、サーマルプリンタ2及びカメラ装置4が印刷位置X0に位置する場合を示す平面図である。
図4】(a)は、サーマルプリンタ2がカメラ装置4をX1側に押圧して移動させる動作を示す図であり、(b)は、サーマルプリンタ2がカメラ装置4をX2側に押圧して移動させる動作を示す図である。
図5】サーマルプリンタ2のプリンタ基準ラインPKとカメラ装置4のカメラ41のレンズの中心を通る検査基準ラインKKとを直線上に配置させる動作について説明する図である。
図6】サーマルプリンタ2を移動方向Xの移動範囲内で動作させる状態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図1図3を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る印刷部検査装置1を斜め上方側から視た斜視図である。図2は、本発明の一実施形態に係る印刷部検査装置1を斜め下方側から視た斜視図である。図3は、本発明の一実施形態に係る印刷部検査装置1において、サーマルプリンタ2及びカメラ装置4が印刷位置X0に位置する場合を示す平面図である。
【0014】
なお、本実施形態においては、以下の説明及び図面において、長尺フィルムFが移送される方向を移送方向Pという。また、移送方向Pに直交する方向であってサーマルプリンタ2が移動する方向を移動方向Xともいう。移動方向Xのうち、図1における奥側をX1側ともいい、図1における手前側をX2側ともいう。移送方向P及び移動方向Xに直交する方向を上下方向Zともいう。
【0015】
本実施形態の印刷部検査装置1は、例えば、長尺フィルムF(被印刷物)を移送して被包装物を包装する包装機などの印刷工程に使用され、包装機(不図示)における長尺フィルムFの移送経路の途中に配置される。なお、本実施形態の印刷部検査装置1が用いられる機器は、包装機に限定されない。
【0016】
本実施形態の印刷部検査装置1は、例えば、被包装物を包装する包装機などにより移送される長尺フィルムFにサーマルプリンタ2により印刷された印刷部(不図示)を、カメラ装置4(後述)により検査する際に用いられる。長尺フィルムFは、移送方向Pに移動される。本実施形態の印刷部検査装置1は、図1図3に示すように、サーマルプリンタ2(プリンタ)と、サーマルプリンタ2を移動方向Xに移動させるプリンタ移動機構部3(移動部)と、カメラ装置4(検査部)と、カメラ装置4を移動方向Xに移動させるようにガイドするカメラ移動ガイド機構部5と、を備える。
【0017】
サーマルプリンタ2は、移送方向Pにおける上流側から下流側に向けて移送される長尺フィルムFの移動中又は停止中において、長尺フィルムFに印刷部(不図示)を印刷する。サーマルプリンタ2は、プリンタ本体21と、左右方向駆動部22と、プリンタ側突出構成部23(プリンタ側突出部)と、を有する。
【0018】
プリンタ本体21は、図1及び図2に示すように、保持ケース体211と、リボン搬送機構212と、ヘッドユニット213と、を備える。ヘッドユニット213は、ヘッドケース213aと、プリントヘッドとしてのサーマルヘッド213bと、を有する。リボン搬送機構212及びヘッドユニット213は、保持ケース体211に保持されている。
【0019】
リボン搬送機構212は、インクリボンRと、巻回された未使用のインクリボンRを回転自在に保持する原反側リボンホルダ212aと、インクリボンRを巻き取る巻取側リボンホルダ212bと、を有する。
【0020】
インクリボンRは、サーマルヘッド213bと長尺フィルムFの印刷面との間に配置される。原反側リボンホルダ212aは、インクリボンRを回転自在に保持し、インクリボンRを所定のリボン経路に送り出す。巻取側リボンホルダ212bは、不図示の回転駆動モータにより回転駆動可能に構成されており、リボン経路を経由したインクリボンRを巻き取ることが可能であると共に、インクリボンRをリボン経路に送り戻すことが可能に回転自在に保持する。
【0021】
サーマルヘッド213bは、図2に示すように、先端側がヘッドケース213aから下方側に突出するように配置される。サーマルヘッド213bは、その先端に複数の発熱素子を備える。サーマルプリンタ2がサーマルヘッド213bに通電させることにより、所定の発熱素子が発熱する。サーマルヘッド213bは、後述するプリンタ移動機構部3により移動方向Xに移動可能に構成される。
【0022】
プリンタ移動機構部3は、図1図3に示すように、長尺フィルムFの移送方向Pにおいて、サーマルプリンタ2の上流側に配置される。プリンタ移動機構部3の下流側には、左右方向駆動部22を介して、サーマルプリンタ2が接続されている。プリンタ移動機構部3は、サーマルプリンタ2を移動方向Xに移動可能に構成される。サーマルプリンタ2の移動方向Xは、長尺フィルムFの移送方向Pに直交(交差)する方向であって、長尺フィルムFの幅方向(移送方向Pに直交する方向)でもある。
【0023】
プリンタ移動機構部3は、ガイドレール31と、不図示の駆動部と、を備える。
ガイドレール31は、移動方向Xに延びる。不図示の駆動部は、サーマルプリンタ2をガイドレール31に沿って移動方向Xに移動させるように駆動する。サーマルプリンタ2は、駆動部の駆動により、ガイドレール31に沿って移動することで、移動方向XにおけるX1側又はX2側に移動可能である。本実施形態においては、不図示の駆動部は、例えば、ステッピングモータなどのアクチュエータにより構成される。
【0024】
左右方向駆動部22は、サーマルプリンタ2のプリンタ本体21の上流側の側面とプリンタ移動機構部3のガイドレール31の上流側の側面との間に配置され、互いを接続する。左右方向駆動部22は、サーマルプリンタ2を左右方向に移動する。本実施形態においては、左右方向は、サーマルプリンタ2の移動方向Xに一致する。サーマルヘッド213bは、長尺フィルムFを介して、プラテン部材(不図示)に向けて押圧する押圧位置と、プラテン部材を押圧せずに待機する待機位置とに移動可能である。
【0025】
プリンタ側突出構成部23は、保持ケース体211の下流側の側面に固定される取付ボックス230と、取付ボックス230の移送方向Pの下流側の側面から移送方向Pの下流側に略水平に突出する第1プリンタ側突出部231及び第2プリンタ側突出部232と、を有する。第1プリンタ側突出部231及び第2プリンタ側突出部232は、取付ボックス230の下流側の側面から、同じ高さの位置において、カメラ装置4側に略水平に略同じ長さ突出する。
【0026】
第1プリンタ側突出部231及び第2プリンタ側突出部232は、移動方向Xに離間して配置される。移動方向Xにおいて、第1プリンタ側突出部231はX1側に配置され、第2プリンタ側突出部232はX2側に配置される。第1プリンタ側突出部231と第2プリンタ側突出部232との間隔は、例えば、後述するインクリボンRを節約する動作であるリボンセーブ動作を行う場合にサーマルプリンタ2が移動方向Xに移動する動作範囲よりも大きい間隔が設定される。また、例えば、サーマルプリンタ2が後述するリボンセーブ動作を行うことを考慮して、インクリボンRの幅方向の全領域を有効的に使用する場合には、第1プリンタ側突出部231と第2プリンタ側突出部232との間隔は、インクリボンRの幅方向の長さよりも大きい間隔に設定されることが好ましい。
【0027】
カメラ装置4は、長尺フィルムFの移送方向Pにおいて、サーマルプリンタ2の下流側に配置される。カメラ装置4は、サーマルプリンタ2の移送方向Pの下流側において長尺フィルムFに印刷された印刷部(不図示)を撮像する。カメラ装置4は、カメラ移動ガイド機構部5(後述)により移動方向Xに移動可能に構成される。カメラ装置4は、図2に示すように、撮像部としてのカメラ41と、照明部42と、カメラケース43と、カメラ装置保持部44と、カメラ側突出部45(検査部側突出部)と、を有する。
【0028】
カメラケース43は、上端が閉鎖されると共に下方が開放した方形筒状に形成される。カメラケース43の内部には、カメラ41及び照明部42が配置される。
【0029】
カメラ41は、カメラケース43の内部に配置され、サーマルプリンタ2の下流側に配置される。カメラ41は、サーマルプリンタ2の移送方向Pの下流側において長尺フィルムFに印刷された印刷部を撮像する。
【0030】
照明部42は、サーマルプリンタ2により印刷された印刷部に光を照射する。照明部42は、カメラ装置4が移動方向Xに移送されることにより、カメラ41と一体的に移動される。照明部42は、一対のライン照明421を有する。一対のライン照明421は、カメラケース43の内部における移動方向XのX1側及びX2側の内側面に配置される。なお、本実施形態では、照明部42を一対のライン照明421で構成したが、これに限定されない。例えば、照明部42を、リング照明や、反射板を利用した間接照明で構成してもよい。
【0031】
カメラ装置保持部44は、カメラケース43のサーマルプリンタ2側(長尺フィルムFの移送方向Pの上流側)の側面に接続される。カメラ装置保持部44は、後述するカメラ移動ガイド機構部5の無端ベルト53を保持する。これにより、カメラ装置保持部44が移動方向Xに移動することで、カメラ装置保持部44に接続されたカメラケース43を、無端ベルト53の移動方向に沿って移動させることができる。
【0032】
カメラ側突出部45は、カメラケース43の上流側の側面に接続されたカメラ装置保持部44からサーマルプリンタ2側に突出する。カメラ側突出部45は、移動方向Xにおけるサーマルプリンタ2の第1プリンタ側突出部231及び第2プリンタ側突出部232の間に配置され、第1プリンタ側突出部231及び第2プリンタ側突出部232に平行に延びる。カメラ側突出部45の少なくとも一部は、移動方向Xに視た場合に、サーマルプリンタ2の第1プリンタ側突出部231及び第2プリンタ側突出部232に重なって配置される。
【0033】
カメラ移動ガイド機構部5は、駆動部を備えずに、カメラ装置4を移動方向Xにガイドするように構成される。カメラ移動ガイド機構部5は、移動方向XのX1側に配置される一方側保持ローラ51と、移動方向XのX2側に配置される他方側保持ローラ52と、一方側保持ローラ51と他方側保持ローラ52とに掛け渡される無端ベルト53と、一方側保持ローラ51に設けられるブレーキ機構54と、を有する。
【0034】
無端ベルト53は、一方側保持ローラ51と他方側保持ローラ52とが自由に回転可能であるため、一方側保持ローラ51と他方側保持ローラ52との間を周回することで、移動方向Xに移動可能に構成される。無端ベルト53には、カメラ装置4のカメラ装置保持部44が接続される。これにより、無端ベルト53は、カメラ装置保持部44の移動方向Xへの移動に従動して、移動方向Xに移動する。
【0035】
ブレーキ機構54は、カメラ装置4の移動方向Xへの移動を妨げる抵抗力を無端ベルト53に付与する。本実施形態においては、ブレーキ機構54は、一方側保持ローラ51に設けられ、無端ベルト53に対して、抵抗力を付与可能である。具体的には、本実施形態においては、ブレーキ機構54は、電磁クラッチにより構成され、カメラ装置4が移動しない場合には、無端ベルト53に抵抗力を付与し、カメラ装置4が移動する場合に、無端ベルト53への抵抗力を解除する。
【0036】
以上のように構成されるサーマルプリンタ2及びカメラ装置4においては、カメラ移動ガイド機構部5によりサーマルプリンタ2が移動方向Xに移動された場合に、第1プリンタ側突出部231及び第2プリンタ側突出部232は、カメラ側突出部45に当接しない範囲と、カメラ側突出部45に当接してカメラ側突出部45を移動させる範囲とに移動可能である。
【0037】
また、サーマルプリンタ2及びカメラ装置4においては、図3に示すように、サーマルプリンタ2の移動方向Xの印刷位置X0において印刷部の印刷及び検査を行う場合に、サーマルプリンタ2の下流側においてカメラ装置4を移動させない状態で、印刷部(不図示)の印刷と検査とを行うことが好ましい。
【0038】
本実施形態においては、サーマルプリンタ2の移動方向Xの印刷位置X0において、サーマルプリンタ2のプリンタ基準ラインPKと、カメラ装置4の検査基準ラインKKと、を、印刷位置X0において、長尺フィルムFの移送方向Pに沿った一直線上に配置させて、サーマルプリンタ2による印刷動作とカメラ装置4による撮像とを行う。
【0039】
例えば、サーマルプリンタ2のプリンタ基準ラインPKは、インクリボンRの幅方向の中央において長尺フィルムFの移送方向Pに延びる仮想ラインである。本実施形態のサーマルプリンタ2においては、サーマルプリンタ2のプリンタ基準ラインPKを基準に印刷部が印刷される。また、例えば、カメラ装置4の検査基準ラインKKは、カメラ41の撮像中心において長尺フィルムFの移送方向Pに延びる仮想ラインである。本実施形態のカメラ装置4においては、カメラ装置4の検査基準ラインKKを基準に印刷部が撮像される。
【0040】
サーマルプリンタ2の移動方向Xの印刷位置X0において、サーマルプリンタ2のプリンタ基準ラインPKと、カメラ装置4の検査基準ラインKKと、を、印刷位置X0において、長尺フィルムFの移送方向Pに沿った一直線上に位置させることで、サーマルプリンタ2で印刷した印刷部を、サーマルプリンタ2の下流側において、カメラ装置4を移動させない状態で、サーマルプリンタ2とは別体のカメラ装置4により検査することができる。
【0041】
次に、カメラ移動ガイド機構部5によりサーマルプリンタ2を移動方向Xに移動させた場合の動作について説明する。
本実施形態の印刷部検査装置1は、サーマルプリンタ2を移動方向Xに移動させることでカメラ装置4を移動方向Xに移動させる動作と、サーマルプリンタ2を移動方向Xに移動させてもカメラ装置4を移動方向Xに移動させない動作とを実行可能である。
【0042】
まず、印刷部検査装置1において、サーマルプリンタ2を移動方向Xに移動させることで、カメラ装置4を移動方向Xに移動させる動作について説明する。図4(a)は、サーマルプリンタ2がカメラ装置4をX1側に押圧して移動させる動作を示す図であり、図4(b)は、サーマルプリンタ2がカメラ装置4をX2側に押圧して移動させる動作を示す図である。カメラ装置4を長尺フィルムFの幅方向に移動させたい場合には、サーマルプリンタ2を移動方向Xに移動させることで、カメラ装置4を移動方向Xに移動させる。
【0043】
例えば、カメラ装置4を移動方向XのX1側に移動させる場合には、図4(a)に示すように、プリンタ移動機構部3によりサーマルプリンタ2を移動方向XのX1側に移動させる。これにより、サーマルプリンタ2の第2プリンタ側突出部232は、第1プリンタ側突出部231及び第2プリンタ側突出部232の間に配置されるカメラ側突出部45に当接して、移動方向XのX1側に押圧されて、移動方向XのX1側に移動される。このように、カメラ側突出部45が移動方向XのX1側に移動されることで、駆動部を有さないカメラ装置4を、移動方向XのX1側に移動させることができる。
【0044】
また、カメラ装置4を移動方向XのX2側に移動させる場合には、例えば、図4(b)に示すように、プリンタ移動機構部3によりサーマルプリンタ2を移動方向XのX2側に移動させる。これにより、サーマルプリンタ2の第1プリンタ側突出部231は、第1プリンタ側突出部231及び第2プリンタ側突出部232の間に配置されるカメラ側突出部45に当接して、移動方向XのX2側に押圧されて、移動方向XのX2側に移動される。このように、カメラ側突出部45が移動方向XのX2側に移動されることで、駆動部を有さないカメラ装置4を、移動方向XのX2側に移動させることができる。
【0045】
また、印刷位置X0において印刷部を印刷して検査を行うために、次のような制御を行うこともできる。図5は、サーマルプリンタ2のプリンタ基準ラインPKとカメラ装置4のカメラ41のレンズの中心を通る検査基準ラインKKとを直線上に配置させる動作について説明する図である。
【0046】
サーマルプリンタ2及びカメラ装置4においては、図3に示すように、サーマルプリンタ2の移動方向Xの印刷位置X0において印刷部の印刷及び検査を行う場合に、サーマルプリンタ2の下流側においてカメラ装置4を移動させない状態で、印刷部(不図示)の印刷と検査とを行うことが好ましい。具体的には、印刷位置X0において、サーマルプリンタ2のプリンタ基準ラインPKとカメラ装置4の検査基準ラインKKとが直線上に並んだ状態で、印刷部(不図示)の印刷と検査とが行われることが好ましい。しかし、本実施形態においては、サーマルプリンタ2は、カメラ装置4と接触しない範囲で移動可能である。そのため、サーマルプリンタ2とカメラ装置4との位置関係が変化する。このような場合に、本実施形態においては、サーマルプリンタ2のプリンタ基準ラインPKとカメラ装置4の検査基準ラインKKとを直線上に並ぶように制御した上で、印刷部(不図示)の印刷と検査とを行うことが好ましい。
【0047】
例えば、図5(a)に示す状態においては、サーマルプリンタ2のプリンタ基準ラインPKとカメラ装置4の検査基準ラインKKとが直線上に並んでいない。そのため、印刷部検査装置1は、サーマルプリンタ2のプリンタ基準ラインPKとカメラ装置4の検査基準ラインKKとが直線上に並ぶような制御を行う。
【0048】
詳細には、まず、図5(a)に示す状態から、サーマルプリンタ2を移動方向XのX2側に移動させることで、第1プリンタ側突出部231により、カメラ装置4のカメラ側突出部45を押して、図5(b)に示すように、カメラ装置4の検査基準ラインKKが印刷位置X0に移動するまで、カメラ装置4を移動方向XのX2側に移動させる。
【0049】
そして、図5(b)に示す状態から、サーマルプリンタ2を移動方向XのX1側に所定距離移動させることで、図5(c)に示すように、カメラ側突出部45を第2プリンタ側突出部232から僅かに離間した印刷位置X0に位置させることができる。これにより、図5(c)に示すように、移動方向Xの印刷位置X0において、サーマルプリンタ2のプリンタ基準ラインPKとカメラ装置4の検査基準ラインKKとを直線上に並ぶように制御することができる。
【0050】
これにより、移動方向Xの印刷位置X0において、サーマルプリンタ2のプリンタ基準ラインPKとカメラ装置4の検査基準ラインKKとは、印刷位置X0において一直線上に並んでいる。そのため、サーマルプリンタ2のプリンタ基準ラインPKを基準に印刷部を印刷することができ、サーマルプリンタ2の下流側において、カメラ装置4の検査基準ラインKKを基準に印刷部の検査を行うことができる。この状態においては、サーマルプリンタ2とカメラ装置4とは、互いに接触していない。そのため、カメラ装置4は、サーマルプリンタ2の振動などに影響されずに、カメラ装置4の検査基準ラインKKを基準に、印刷部を精度よく撮像することができる。
【0051】
次に、印刷部検査装置1において、サーマルプリンタ2を移動方向Xに移動させてもカメラ装置4が移動方向Xに移動されない動作について説明する。図6は、サーマルプリンタ2を移動方向Xの移動範囲内で動作させる状態を説明するための図である。
【0052】
図3に示す印刷部検査装置1において、サーマルプリンタ2の第1プリンタ側突出部231及び第2プリンタ側突出部232の間隔よりもサーマルプリンタ2の移動方向Xの移動範囲が小さい場合には、サーマルプリンタ2の第1プリンタ側突出部231及び第2プリンタ側突出部232を、カメラ装置4のカメラ側突出部45に当接しない範囲で移動させることができる。これにより、サーマルプリンタ2は、カメラ装置4を移動させない範囲で、移動方向Xに移動することが可能である。
【0053】
例えば、サーマルプリンタ2が印刷範囲を移動してもカメラ装置4が移動されない動作の例としては、次のような場合がある。
本実施形態のサーマルプリンタ2は、インクリボンRを節約することを目的として、例えば、次のようなリボンセーブ動作を実行可能である。インクリボンRを節約するリボンセーブ動作は、例えば、インクリボンRの幅方向に対して小さい文字を長尺フィルムFの移送方向Pに印刷する場合に、長尺フィルムFの幅方向における印刷部を印刷する位置を変えずに、サーマルプリンタ2を移動方向Xに移動させると共に、インクリボンRを所定長さ巻き戻すことで、インクリボンRの幅方向の未使用部分を有効に利用する動作である。
【0054】
インクリボンRを節約するリボンセーブ動作の詳細について説明する。
まず、図6(a)に示すように、サーマルプリンタ2のプリンタ基準ラインPKとカメラ装置4の検査基準ラインKKとを印刷位置X0において一直線上に並ぶように制御する。この状態で、サーマルプリンタ2は、プリンタ基準ラインPKを基準に印刷部を印刷するように印刷動作を実行する。例えば、インクリボンRの幅方向の中央部分R1のプリンタ基準ラインPKを基準にして、移送方向Pに沿って、例えば「ABCD」の文字列からなる印刷部を印刷する動作を実行する。この場合、サーマルプリンタ2は、サーマルヘッド213bの幅方向において、「ABCD」の文字列の幅に対応する部分だけを発熱させる。
【0055】
次に、図6(b)に示すように、インクリボンRを節約して、インクリボンRの中央部分R1よりもX1側のX1側部分R2を使用するために、サーマルプリンタ2を、節約時プリンタ基準ラインPKsを基準に印刷部を印刷するように移動方向XのX2側に移動させると共に、インクリボンRを所定長さ巻き戻す。この状態で、サーマルプリンタ2は、長尺フィルムFの幅方向における印刷部を印刷する位置を変えずに、節約時プリンタ基準ラインPKsを基準に印刷部を印刷するように印刷動作を実行する。例えば、インクリボンRの幅方向のX1側のX1側部分R2の節約時プリンタ基準ラインPKsを基準にして、移送方向Pに沿って、例えば「EFGH」の文字列からなる印刷部を印刷する動作を実行する。この場合、サーマルプリンタ2は、サーマルヘッド213b幅方向において、「EFGH」の文字列の幅に対応する部分だけを発熱させる。
【0056】
このように、本実施形態においては、サーマルプリンタ2は、図6(a)に示す位置と図6(b)に示す位置に、サーマルプリンタ2を移動方向XのX1側及びX2側に往復させる動作を繰り返して実行することで、長尺フィルムFの幅方向における印刷部を印刷する位置を変えずに、インクリボンRを幅方向に有効に利用する動作を実行している。ここで、サーマルプリンタ2のインクリボンRを節約する動作の移動方向Xの移動範囲は、第1プリンタ側突出部231と第2プリンタ側突出部232との間の間隔よりも小さい。そのため、インクリボンRを節約するリボンセーブ動作を実行して、サーマルプリンタ2を移動方向Xに往復させる動作を繰り返して実行しても、第1プリンタ側突出部231及び第2プリンタ側突出部232は、カメラ側突出部45に当接しない。そのため、サーマルプリンタ2を移動させても、カメラ装置4は移動しない。よって、カメラ装置4が移動しないため、カメラ装置4は、精度よく印刷部を検査することができる。
【0057】
なお、本実施形態のリボンセーブ動作の説明において、インクリボンRの幅方向の2列分の文字列に対応するように、サーマルプリンタ2を移動方向Xに文字の2列分を移動させる動作を繰り返して実行するように構成したが、これに限定されない。インクリボンRの3列分以上の文字列に対応するように、サーマルプリンタ2を移動方向Xに文字の3列分以上を移動させる動作を繰り返して実行するように構成してもよい。
【0058】
次に、印刷部検査装置1の動作について説明する。
図3に示すように、まず、印刷部検査装置1は、印刷部の印刷及び検査の際に、サーマルプリンタ2のプリンタ基準ラインPKとカメラ装置4の検査基準ラインKKとを印刷位置X0において一直線上に並ぶように制御する。
【0059】
続けて、サーマルプリンタ2は、印刷位置X0にプリンタ基準ラインPKを位置させた状態で、印刷信号を受信することで、サーマルヘッド213bを離間位置から押圧位置に移動させて、長尺フィルムFに印刷部(不図示)の印刷を開始する。印刷部が印刷された長尺フィルムFは、下流側に移送される。
【0060】
次に、カメラ41は、長尺フィルムFの移送方向Pにおけるサーマルプリンタ2の下流側において、印刷位置X0に検査基準ラインKKを位置させた状態で、サーマルプリンタ2により長尺フィルムFに印刷された印刷部を撮像する。
【0061】
ここで、図3に示すように、移動方向Xの印刷位置X0において、サーマルプリンタ2のプリンタ基準ラインPKとカメラ装置4の検査基準ラインKKとは、印刷位置X0において一直線上に並んでいる。そのため、サーマルプリンタ2のプリンタ基準ラインPKを基準に印刷部を印刷することができ、サーマルプリンタ2の下流側において、カメラ装置4の検査基準ラインKKを基準に印刷部の検査を行うことができる。この状態においては、サーマルプリンタ2とカメラ装置4とは、別体で構成されており、互いは接触していない。そのため、カメラ装置4は、サーマルプリンタ2の振動などに影響されずに、カメラ装置4の検査基準ラインKKを基準に、サーマルプリンタ2に印刷された印刷部を精度よく撮像することができる。
【0062】
カメラ41により撮像された長尺フィルムFに印刷された印刷部の画像の情報は、不図示の画像検査部に送信され、パターンマッチング等の処理が行われて検査される。これにより、長尺フィルムFに印刷された印刷部を精度よく検査することができる。
【0063】
ここで、本実施形態のサーマルプリンタ2においては、前述の通り、長尺フィルムFの幅方向における印刷部を印刷する位置を変えずに、インクリボンRを節約するためのリボンセーブ動作を実行している。インクリボンRを節約するリボンセーブ動作は、長尺フィルムFの移送方向Pに沿ってインクリボンRの幅方向に対して小さい文字を印刷した場合に、インクリボンRの幅方向に使用しない部分が生じることから、サーマルプリンタ2を移動方向Xに移動させると共に、インクリボンRを所定長さ巻き戻す動作である。これにより、インクリボンRを幅方向にずらして使用することで、インクリボンRの幅方向の未使用部分を有効に利用して、インクリボンRを節約できる。
【0064】
具体的には、リボンセーブ動作は、カメラ装置4を移動方向Xに移動させない範囲で、サーマルプリンタ2が移動方向Xに移動させてインクリボンRを幅方向に有効に使用する。リボンセーブ動作において、サーマルプリンタ2の移動方向Xの移動範囲は、第1プリンタ側突出部231と第2プリンタ側突出部232との間の間隔よりも狭いため、サーマルプリンタ2を移動させても、第1プリンタ側突出部231及び第2プリンタ側突出部232は、カメラ側突出部45に当接しない。そのため、サーマルプリンタ2を移動させても、カメラ装置4は移動しない。これにより、停止した状態のカメラ装置4により、精度よく印刷部を検査することができる。
【0065】
ここで、カメラ装置4を移動方向Xに移動させない場合には、ブレーキ機構54により抵抗を付与してカメラ装置4を移動方向Xに移動させないように制御する。これにより、カメラ装置4が移動方向Xに移動されることが抑制されるため、カメラ装置4を安定させて、精度よく撮像することができる。
【0066】
また、サーマルプリンタ2及びカメラ装置4を移動方向Xに移動させて、長尺フィルムFの幅方向の印刷位置を変更させたい場合がある。この場合には、前述の通り、サーマルプリンタ2を移動方向Xに移動させることで、第1プリンタ側突出部231又は第2プリンタ側突出部232を、移動方向XのX1側(図4(a)参照)又はX2側(図4(b)参照)に移動させる。そして、第1プリンタ側突出部231又は第2プリンタ側突出部232を、第1プリンタ側突出部231及び第2プリンタ側突出部232の間に配置されるカメラ側突出部45に当接させて押圧することで、カメラ装置4を、移動方向XのX1側又はX2側に移動させる。
【0067】
これにより、サーマルプリンタ2及びカメラ装置4を移動方向Xに移動させた状態で、サーマルプリンタ2において印刷部を印刷して、カメラ装置4で撮像することができる。なお、カメラ装置4を移動方向Xに移動させる場合には、ブレーキ機構54における抵抗の付与を解除してカメラ装置4を移動させる。
このように、カメラ装置4を移動させるための専用の駆動部を用意しなくても、簡易な構成で、カメラ装置4を移動方向Xに移動させることができる。
【0068】
本実施形態の印刷部検査装置1によれば、例えば、以下の効果が奏される。
本実施形態の印刷部検査装置1は、長尺フィルムFに印刷部を印刷するサーマルプリンタ2と、サーマルプリンタ2の移送方向Pの下流側において長尺フィルムFに印刷された印刷部を撮像するカメラ41を有するカメラ装置4と、移動方向Xにサーマルプリンタ2を移動させるプリンタ移動機構部3と、を備え、サーマルプリンタ2は、カメラ装置4側に突出する第1プリンタ側突出部231及び第2プリンタ側突出部232を備え、カメラ装置4は、サーマルプリンタ2側に突出すると共に移動方向Xに視た場合に第1プリンタ側突出部231及び第2プリンタ側突出部232に少なくとも一部が重なって配置されるカメラ側突出部45を備え、プリンタ移動機構部3によりサーマルプリンタ2が移動方向Xに移動された場合に、第1プリンタ側突出部231及び第2プリンタ側突出部232は、カメラ側突出部45に当接しない範囲と、カメラ側突出部45に当接してカメラ側突出部45を移動させる範囲とに移動可能に構成される。
【0069】
そのため、サーマルプリンタ2からカメラ装置4を離間させて、サーマルプリンタ2を移動させてもカメラ装置4に接触しない状態で、サーマルプリンタ2で印刷した印刷部を、移送方向の下流側において、カメラ装置4により撮像することができる。そのため、サーマルプリンタ2を移動させても、カメラ装置4が移動されないため、カメラ装置4は、サーマルプリンタ2で印刷した印刷部を安定して精度よく撮像することができる。
一方、カメラ装置4を移動方向Xに移動させたい場合には、サーマルプリンタ2をプリンタ移動機構部3により移動方向Xに移動させることで、サーマルプリンタ2の第1プリンタ側突出部231及び第2プリンタ側突出部232がカメラ装置4のカメラ側突出部45を押して、サーマルプリンタ2の移動によりカメラ装置4を移動させることができるため、カメラ装置4を移動させるための専用の駆動部を用意しなくても、簡易な構成で、カメラ装置4を移動方向Xに移動させることができる。
よって、簡易な構成で、カメラ41の撮影精度を向上させることができる。
【0070】
また、本実施形態においては、プリンタ側突出構成部23は、移動方向Xに離間して配置される第1プリンタ側突出部231及び第2プリンタ側突出部232を備えて構成され、カメラ側突出部45は、移動方向Xにおいて、第1プリンタ側突出部231及び第2プリンタ側突出部232の間に配置される。これにより、簡易な構成で、移動方向Xのいずれの方向にも、カメラ装置4を容易に移動することができる。
【0071】
また、本実施形態においては、カメラ装置4は、サーマルプリンタ2により印刷された印刷部に光を照射する照明部42を有し、照明部42は、カメラ装置4が移動方向Xに移動されることにより、カメラ41と一体的に移動される。これにより、照明部42もカメラ41と一体的に移動されるため、照明部42により印刷部を効率よく照射した状態で、カメラ41により精度よく撮像することができる。
【0072】
また、本実施形態においては、カメラ装置4の移動方向Xへの移動を妨げる抵抗力を付与するブレーキ機構54を備える。これにより、カメラ装置4を移動方向Xに移動させない場合には、ブレーキ機構54により抵抗を付与してカメラ装置4を移動方向Xに移動させないように制御する。これにより、カメラ装置4が移動方向Xに移動されることが抑制されるため、カメラ装置4を安定させて、精度よく撮像することができる。
【0073】
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されることなく種々の形態で実施することができる。
例えば、前記実施形態においては、被印刷物を長尺フィルムFとしたが、これに限定されない。被印刷物は、例えば、枚葉のフィルム状のシート等であってもよい。
【0074】
また、前記実施形態においては、サーマルプリンタ2の移動方向Xを、長尺フィルムFの移送方向Pに直交する方向としたが、これに限定されず、サーマルプリンタ2の移動方向は、長尺フィルムFの移送方向Pに交差する方向であればよい。
【0075】
また、前記実施形態においては、プリンタとしてサーマルプリンタを用いたが、これに限定されず、例えば、インクジェットプリンタでもよい。
【0076】
また、前記実施形態においては、カメラ装置4の移動方向Xへの移動を妨げる抵抗力を付与するブレーキ機構54を備え、カメラ装置4を移動方向Xに移動させる際にブレーキ機構54を解除するように構成したが、これに限定されない。例えば、ブレーキ機構を、カメラ装置4の移動方向Xへの移動を妨げつつ、カメラ装置4の移動方向Xへの移動を許容できる程度の抵抗力を付与するように構成してもよい。これにより、カメラ装置4が移動方向Xに自由に移動することを抑制できるため、カメラ装置4を安定した状態で移動方向Xに移動させることができる。
【0077】
また、前記実施形態においては、プリンタ側突出構成部23(プリンタ側突出部)が、移動方向Xに離間して配置される第1プリンタ側突出部231(第1突出部)及び第2プリンタ側突出部232(第2突出部)を備え、カメラ側突出部45(検査部側突出部)が、移動方向Xにおいて、第1プリンタ側突出部231(第1突出部)及び第2プリンタ側突出部232(第2突出部)の間に配置されるように構成した。しかし、これに限定されない。これとは逆に、カメラ側突出部45(検査部側突出部)が、移動方向Xに離間して配置される第1突出部及び第2突出部を備え、プリンタ側突出構成部23(プリンタ側突出部)が、移動方向Xにおいて、第1突出部及び第2突出部の間に配置されるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0078】
1 印刷部検査装置
2 サーマルプリンタ(プリンタ)
3 プリンタ移動機構部(移動部)
4 カメラ装置(検査部)
24 ヘッドユニット
32 サーマルヘッド(プリントヘッド)
41 カメラ(撮像部)
42 照明部
45 カメラ側突出部(検査部側突出部)
54 ブレーキ機構
23 プリンタ側突出構成部(プリンタ側突出部)
231 第1プリンタ側突出部(第1突出部)
232 第2プリンタ側突出部(第2突出部)
F 長尺フィルム(被印刷物)
R インクリボン
X 移動方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6