(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-12
(45)【発行日】2022-08-22
(54)【発明の名称】シャッター装置
(51)【国際特許分類】
E06B 9/17 20060101AFI20220815BHJP
【FI】
E06B9/17 U
(21)【出願番号】P 2018143058
(22)【出願日】2018-07-31
【審査請求日】2021-05-27
(73)【特許権者】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103137
【氏名又は名称】稲葉 滋
(74)【代理人】
【識別番号】100145838
【氏名又は名称】畑添 隆人
(72)【発明者】
【氏名】赤塚 裕樹
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】実開平4-84595(JP,U)
【文献】実公平8-7032(JP,Y2)
【文献】特開2007-162427(JP,A)
【文献】実開昭62-180191(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向両端にフック部が設けてある複数枚のスラットからなるシャッターカーテンを備え、シャッターカーテンの巻取時に径方向に隣接するスラットのフック部の接触に起因して、開口部全開状態におけるシャッターカーテンの巻径が、巻取シャフトの長さ方向の両端あるいは一端において大きくなるシャッター装置において、
前記シャッターカーテンの下端のスラットに調整プレートが垂直姿勢で連結されており、
調整プレートは、開口部全閉状態では、変形することなく略水平状に延びており、開口部全開状態では、幅方向の両端あるいは一端が、巻径に応じて、上方に引っ張られて変形し、幅方向中央部位あるいは他端が下方に撓むようになっており、
前記調整プレートは、座板の上面から垂直に立ち上がる立ち上がり片に重なる状態で、幅方向の中央部位が、前記立ち上がり片の幅方向の中央部位に固定されており、
前記調整プレートの幅方向の両端部位、前記立ち上がり片の幅方向の両端部位の対応する各端部位同士のいずれか一方には縦長孔が形成されており、他方には前記縦長孔内で高さ方向に可動なピンが設けてあることで、前記調整プレートの幅方向の両端部位は、
シャッターカーテン昇降時に、前記立ち上がり片の幅方向の両端部位に対して高さ方向の移動が許容されるように連結されており、
前記シャッターカーテンが、開口部全閉状態から開口部全開状態まで上昇する間に、前記調整プレートの変形が前記立ち上がり片に伝達されないように構成されている、
シャッター装置。
【請求項2】
前記ピンは、頭部と段部と螺子部を備えた段付き螺子であり、前記段部が前記縦長孔内に位置しており、前記段部の厚さが前記調整プレートの厚さと前記立ち上がり片の厚さの合計よりも僅かに大きい、
請求項
1に記載のシャッター装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッター装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シャッター装置において、開口部全開状態におけるシャッターカーテンの巻径が、巻取シャフトの長さ方向の両端あるいは一端において大きくなる場合がある。特に、スラットの幅方向両端に耐風フックが設けてあるシャッターカーテンの巻き上げ時に、耐風フックの立ち上がり部が干渉し、耐風フックが取り付けられている両端部のみスラットの巻径が大きくなって(巻が膨れる)、スラット端部と中央部位で巻径の差が発生し、結果として、開口部全開状態における座板の変形(座板の幅方向中央部位の撓みや片下がりを伴った撓み)に繋がる場合がある。
【0003】
このような開口部全開状態における座板の変形(具体的には、座板の幅方向中央部位の撓みや片下がりを伴った撓み)は、
(ア)開口部全開状態において、まぐさラインと座板下端の不一致が目立ち、座板の納まりがスッキリせずに意匠上好ましくない、
(イ)まぐさ内部にエマーゼンシスイッチ等の検知部材がある場合、意図しないタイミングでシャッターカーテンとこれらの部材が干渉してしまうおそれがある、
といった不具合を招く。
【0004】
かかる不具合を解決するためには、スラット端部の巻径とスラットの中央部位の巻径のギャップを補正する手段を講じることが考えられるが、本発明者は、巻径のギャップを補正するのではなく、座板の取付構造に特徴を持たせることでかかる不具合を解決することを考えた。
【0005】
特許文献1には、スラット扉体の重みにより巻き取りシャフトの中央部に撓みが生じ、これによりスラット扉体を下降させて床面に接地させたとき座板の両側が床面から浮き上がった状態となるものを改善するために、スラット扉体の下端部にスラット扉体とほぼ同長の取付板を固定すると共に、この板の長さ方向には多数の縦長孔を設けて、前記縦長孔と座板に設けた透孔を用いてビスで固定したものが開示されている。本発明に係る実施形態と特許文献1とは、縦長孔を備えた調整プレートを備えている点において共通するものの、本明細書の記載から明らかであるように、両者は、目的、座板の取付構造、作用効果において全く異質の技術思想に係るものである。
【文献】実開平4-84595
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、スラット巻取時の巻径ギャップに起因する座板の変形を防止することができるシャッター装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するべく本発明が採用した技術手段は、
開口部全開状態におけるシャッターカーテンの巻径が、巻取シャフトの長さ方向の両端あるいは一端において大きくなるシャッター装置において、
前記シャッターカーテンの下端のスラットに調整プレートが垂直姿勢で連結されており、
前記調整プレートは、座板の上面から垂直に立ち上がる立ち上がり片に重なる状態で、幅方向の中央部位が、前記立ち上がり片の幅方向の中央部位に固定されており、
前記調整プレートの幅方向の両端部位は、前記立ち上がり片の幅方向の両端部位に対して高さ方向の移動が許容されるように連結されており、
前記シャッターカーテンが、開口部全閉状態から開口部全開状態まで上昇する間に、前記調整プレートの変形が前記立ち上がり片に伝達されないように構成されている、
シャッター装置、である。
【0008】
上記シャッター装置において、巻取シャフトの長さ方向の両端あるいは一端の巻径と巻取シャフトの中央部位の巻径のギャップに起因して、前記シャッターカーテンが、開口部全閉状態から開口部全開状態まで上昇する間に、前記シャッターカーテン及び前記調整プレートが変形し得るが、本発明では、調整プレートと座板の立ち上がり片とを、前記調整プレートの幅方向の両端部位が前記立ち上がり片の幅方向の両端部位に対して高さ方向に移動可能なように連結することで、前記調整プレートの変形が前記立ち上がり片に伝達されないようにしている。
1つの態様では、前記開口部全開状態におけるシャッターカーテンの巻径が、巻取シャフトの長さ方向の両端あるいは一端において大きくなるシャッター装置は、スラットの幅方向両端部にフック部を設けたシャッター装置である。
【0009】
1つの態様では、前記調整プレートの幅方向の両端部位、前記立ち上がり片の幅方向の両端部位の対応する各端部位同士のいずれか一方には縦長孔が形成されており、他方には前記縦長孔内で高さ方向に可動なピンが設けてある。
後述する実施形態では、主として、前記調整プレートの幅方向の両端部位に縦長孔を形成し、座板の立ち上がり片に設けたピンが前記調整プレート内を上下方向に相対移動可能となっている。
本発明では、シャッターカーテンが全閉状態にある時には、座板に撓みはなく床面に幅方向全体に亘って接地していたものが、シャッターカーテンが巻き取られて上昇するにつれて幅方向中央部位または一方の端部が撓み、シャッターカーテンが全開状態となった時にまぐさラインと座板下端が不一致になることを改善するために、撓みの影響を受ける調整プレートに対して、両端部位の長穴とピンで相対的に上下方向に移動可能なように座板と調整プレートを連結するものである。これに対して、特許文献1では、シャッターカーテンが全閉状態にある時の座板の撓みの解消を目的として、シャッターカーテンの全閉状態で取付板と座板は縦長孔と透孔ですべて固定され、シャッターカーテンの昇降時には、ビスが縦長孔内を移動することがないのであって、両者の技術思想は全く異なる。
1つの態様では、前記立ち上がり片を、複数部材から形成してもよい。例えば、前記立ち上がり片を、座板の上面から一体的に立ち上がる第1垂直板状部と、前記第1垂直板状部の上側部位に固定された第2垂直板状部の2部材から形成し、前記第2垂直板状部に縦長孔を設けてもよい。
【0010】
1つの態様では、前記ピンは、頭部と段部と螺子部を備えた段付き螺子であり、前記段部が前記縦長孔内に位置しており、前記段部の厚さが前記調整プレートの厚さと前記立ち上がり片の厚さの合計よりも僅かに大きい。
段付き螺子の段部の厚さを調整プレートの厚さと立ち上がり片の厚さの合計よりも僅かに大きくすることで、調整プレートと立ち上がり片が重なった状態で、頭部と螺子部に固定されたナットの空間との間に僅かな隙間が形成されることになり、頭部とナット間に立ち上がり片と調整プレートを拘束するものでありながら、厚さ方向に遊びを持たせることで(調整プレートと立ち上がり片の面同士が僅かに離間する)、立ち上がり片に対する調整プレートの変形を許容している。
1つの態様では、前記調整プレートの幅方向の中央部位と前記立ち上がり片の幅方向の中央部位は螺子を用いて固定されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、下端のスラットと座板の立ち上がり片とを調整プレートを介して連結し、前記調整プレートの幅方向の両端部位を、前記立ち上がり片の幅方向の両端部位に対して高さ方向の移動が許容されるように連結することで、シャッターカーテンの巻取時に発生し得る前記調整プレートの変形が前記立ち上がり片に伝達されないようにして、スラット巻取時の巻径ギャップに起因する座板の変形を防止する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】全閉状態にあるシャッター装置の正面図である。
【
図2】全開状態に近い状態のシャッター装置の正面図である。
【
図3】全開状態に近い状態のシャッター装置の正面図である。
【
図4】シャッターカーテンのスラットの構成及び巻取時の重なり態様を説明する図である。
【
図5】
図1のシャッターカーテン下端の調整プレート及び座板を示す図である。
【
図6】(A)は
図5のA-A線縦断面図であり、(B)は
図5のB-B線縦断面図である。
【
図7】
図2のシャッターカーテン下端の調整プレート及び座板を示す図である。
【
図8】(A)は
図7のA-A線縦断面図であり、(B)は
図7のB-B線縦断面図である。
【
図9】
図3のシャッターカーテン下端の調整プレート及び座板を示す図である。
【
図10】(A)は
図9のA-A線縦断面図であり、(B)は
図9のB-B線縦断面図であり、(C)は
図9のC-C線縦断面図である。
【
図13】他の実施形態(座板の立ち上がり片に縦長孔を形成する態様)を示す調整プレートと座板の縦断面図である。
【
図14】シャッターカーテンを巻き上げた状態を示すシャッター装置の正面図であり、座板の幅方向中央部位が下方に撓んだ状態(従来技術)を示している。
【
図15】
図14のA-A線縦断面図であり、シャッターカーテンの幅方向端部の巻取状態(従来技術、本願発明共通)を示している。
【
図16】
図14のB-B線縦断面図であり、シャッターカーテンの幅方向中央部位の巻取状態(従来技術、本願発明共通)を示している。
【
図17】シャッターカーテンを巻き上げた状態を示すシャッター装置の正面図であり、座板のいわゆる片下がり状態(従来技術)を示している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、全閉状態にあるシャッター装置の正面図であり、シャッター装置は、開口部を開閉するシャッターカーテン1と、開口部上方に設けられ、シャッターカーテン1の上端が取り付けられた巻取シャフト2(
図15、
図16参照)と、開口部の幅方向両端に立設され、シャッターカーテンの幅方向両端部を受け入れて上下方向に案内するガイドレール3と、を備えている。開閉機Mによって巻取シャフト2を第1の方向に回転させることで、シャッターカーテン1が巻取シャフト2に巻き取られて開口部を開放し、開閉機Mによって巻取シャフト2を第2の方向に回転させることで、シャッターカーテン1が巻取シャフト2から繰り出されて開口部を閉鎖する。シャッターカーテン1は巻取シャフト2に巻き取られた状態でシャッターケース4内に収納される。
【0014】
スラット5は、開口幅に亘って延びる長さ寸法と所定の高さ寸法を備えた鋼製部材であり、シャッターカーテン1は、複数枚の長尺状のスラット5を高さ方向に連結することで形成されており、下端のスラット5Aの下端には座板6が連結されており(
図1~
図3等)、上端のスラット5は巻取シャフト2に固定された吊元7に連結されている。
【0015】
スラット5は、開口部全幅に亘って延びる板状(図示の態様では波板であるが、これには限定されない)の本体部50と、本体部50の上側でスラット幅方向に延びる湾曲状の上側連結部51と、下側でスラット幅方向に延びる湾曲状の下側連結部52を備え、上下に隣接する2枚のスラット5の上側のスラット5の下側連結部52に、下側のスラット5の上側連結部51を連結(いわゆるインターロック連結)させることで、シャッターカーテン1を形成しており、上下に隣接するスラット5は互いにある程度の回転が許容された状態で連結されている。
【0016】
スラット5の幅方向両端部には鋼製の耐風フック10´と端金物11が高さ交互に設けてある(
図4(A)参照)。耐風フック10´、端金物11は、スラット5の本体部50が形成する面に対して立ち上がり状に湾曲するフック部10を備えている。端金物11はいわばフック部10とスラット抜け止め手段が一体化された耐風フックである。耐風フック10´、端金物11のフック部10は、シャッターカーテン1の幅方向両端部がガイドレール3内に受け入れられた状態において、シャッターカーテン1に大きな面圧が作用した場合に、ガイドレール3内の被係止部に係止して面圧に対抗するようになっている。
【0017】
このように構成されたシャッターカーテン1の巻取状態について説明する。シャッターカーテン1は巻取シャフト2の周面20に対して多層に巻き取られることになるが、スラット5の略全幅に亘って、隣接する巻を形成するスラット5は互いに接触した状態となる。
図4(C)では、スラット5の本体部50同士が近接離間し、上側連結部51同士、下側連結部52同士が接触している態様を示しているが、上側連結部51ないし下側連結部52が本体部50と接触する態様もある(
図16参照)。
【0018】
ここで、シャッターカーテン1の幅方向両端にはフック部10が設けてあるため、隣接する巻を形成するスラット5は、スラット5の幅方向両端部において、
図4(B)に示すように、立ち上がり状のフック部10同士が接触した状態となる場合があり、この時、巻取シャフト2の径方向に隣接するスラット5は、フック部10同士が接触し、スラット5の本体部50、上側連結部51、下側連結部52が離間した状態となる場合がある。シャッターカーテン1の幅方向両端部において、各巻層を形成するスラット5の間隔が大きくなることにより、巻取シャフト2の長さ方向に亘るシャッターカーテン1の巻径において、シャッターカーテン1の幅方向両端部の巻径が、幅方向における他の箇所の巻径に比べて大きくなる場合がある。
【0019】
なお、シャッターカーテン1の巻取状態において、同じ巻層であっても、周方向の位置によって径寸法(最外層の巻きを形成するスラット5と巻取シャフト2の中心との距離)が異なり得る。巻取時に、既に巻き取られたスラット5上に乗った時のスラット5の姿勢によって巻取中心からスラット5までの距離が異なり得る。例えば、スラット同士5が接触した場合でも、一方のスラット5に対して他方のスラット5が傾斜姿勢で接触する場合には、巻取シャフト2の中心から当該傾斜姿勢のスラット5までの距離が局所的に大きくなる。本明細書において、シャッターカーテン1の巻径は、各層の平均巻径(例えば、巻取中心と最外層の各スラットとの巻径の平均値)を意味するものとする。
【0020】
図15は、巻取状態にあるシャッターカーテン1の幅方向端部の縦断面図であり、
図16は、巻取状態にあるシャッターカーテン1の幅方向中央部位の縦断面図(従来技術)である。
図15、
図16において、スラット5´は、シャッターカーテン1の下端近傍のスラットであり、下方には数枚のスラット(
図15、
図16では図示せず)及び座板(
図15、
図16では図示せず)が連結されている。
図15のスラット5´と
図16のスラット5´は同一のスラットである。スラット5の幅方向の端部では
図15に示すように全体として巻が膨らんで巻径が大きくなることから、スラット5´の下端が第1水平レベルL1にあるが、スラット5の幅方向の中央部位では
図16に示すようにスラット5´の下端が第1水平レベルL1よりも低い第2水平レベルL2にある。
【0021】
結果として、
図14に示すように、シャッターカーテン1を巻き上げた場合において、座板5が、幅方向の中央部位が下方に撓むように変形することになる(幅方向の両端部位が上方に引き上げられるように変形する)。
図14では、説明の便宜上、開口部全開状態よりも少し前の巻き上げ状態を示しているが、
図14の状態からさらにシャッターカーテン1を座板6´の下端がまぐさ部の下面の高さレベルLに略一致するように巻き上げると、シャッターカーテン1の幅方向の中央部位の撓み部がまぐさ部の下面の高さレベルL(いわゆるまぐさライン)から下方に膨出することになり、意匠上好ましくないという不具合がある。また、
図17は、シャッターカーテン1を巻き上げた状態を示すシャッター装置の正面図であって、座板6´の撓みを伴う片下がり状態(従来技術)を示しており、
図17の状態からさらにシャッターカーテン1を座板6´の下端がまぐさ部の下面の高さレベルLに略一致するように巻き上げると、シャッターカーテン1の幅方向の中央部位及び幅方向端部の撓み部がまぐさ部の下面の高さレベルL(いわゆるまぐさライン)から下方に膨出することになり、意匠上好ましくないという不具合がある。
【0022】
本実施形態は、このようなスラット5の変形の影響を座板6が受けないようにする座板6の取付構造を提供する。座板6は、開口幅方向に亘って延びる金属製の長尺部材であって、上座板60と、上座板60に対して相対的に上動可能な下座板61からなる。上座板60の上面600には垂直状に立ち上がる板状の立ち上がり片62が一体形成されており、下座板61の下面610が座板6の下面となっている。各スラット5は、幅方向両端部が左右のガイドレール3の溝内に位置しているのに対して、座板6の幅方向両端部はガイドレール3までは達していない。
【0023】
本実施形態では、シャッターカーテン1の下端のスラット5Aと座板6を、調整プレート8を介して連結する。シャッターカーテン1の下端には鋼製の調整プレート8が設けてある。すなわち、シャッターカーテン1の下端のスラット5Aの下端には調整プレート8が設けてある。調整プレート8は、スラット5の幅方向と略同じ幅寸法を備え、座板6の幅寸法よりも大きい幅寸法を備えている。調整プレート8は、垂直板状部80と、垂直板状部80の上端に一体形成された湾曲状の上側連結部81と、垂直板状部80の下端を折り曲げて端部処理してなる下側当接部82と、からなる。調整プレート8は上側連結部81を下端のスラット5Aの下側連結部(
図1~
図3では図示せず)に連結することで、下端のスラット5Aの下端に垂下姿勢で連結されている。
【0024】
調整プレート8の垂直板状部80の幅方向の両端部位には、端部から若干内側に位置して(調整プレート8の幅寸法が座板6の幅寸法よりも長いことによる)、高さ方向に延びる縦長孔83が形成されている。
図5、
図7、
図9では、左右1つずつの縦長孔83を示したが、左右それぞれに複数の縦長孔83を幅方向に平行状に形成してもよい。座板6の立ち上がり片62の幅方向の両端部位には、調整プレート8の垂直板状部80と重ね合わせた時に、縦長孔83に対向する位置に挿通孔620が形成されている。
図11、
図12に示すように、挿通孔620は、立ち上がり片62の上側部位に形成されており、調整プレート8の下側当接部82が座板6の上面600に当接した状態では、縦長孔83の上端部位に対向している。
【0025】
調整プレート8は、垂直板状部80を座板6の立ち上がり片62に重ねて、下端の下側当接部82を座板6の上面600に当接させた状態で、調整プレート8の垂直板状部80の幅方向中央部位と座板6の立ち上がり片62の幅方向中央部位が螺子9´で固定されている。調整プレート8の垂直板状部80の幅方向の中央部位と座板6の立ち上がり片62の幅方向の中央部位には、これらを重ね合わせた時に一致するように螺子9´の挿通孔が形成されている。本実施形態では、螺子9´の螺子部92´にナット93´を締付けることで、頭部90´とナット93´の間に、調整プレート8の垂直板状部80と立ち上がり片62を密着させた状態で固定するので、垂直板状部80及び立ち上がり片62に形成された孔は挿通孔でよい(螺子孔であってもよい)。
図5、
図7、
図9では、一箇所で螺子止めされているが、幅方向中央付近の複数箇所で螺子止めしてもよく、螺子9´の本数は限定されない。調整プレート8の下側当接部82の幅方向の中央部位は、シャッターカーテン1の全閉状態、全開状態にかかわらずに、座板6の上面600に当接している(
図6(B)、
図8(B)、
図10(B)参照)。
【0026】
調整プレート8の幅方向両端部位と、座板6の立ち上がり片62の幅方向両端部位は、縦長孔83を高さ方向に可動に挿通するピンとして例示するいわゆる段付き螺子9によって連結されている。段付き螺子9は、円板状の頭部90と、円筒ないし円柱状の段部91と、軸状の螺子部92と、からなり、頭部90と螺子部92の中間に位置する段部91の厚さは、座板6の立ち上がり片62の厚さと調整プレート8の垂直板状部80の厚さの合計よりも僅かに大きい寸法となっている。
【0027】
座板6の立ち上がり片62の幅方向の両端部位には、段付き螺子9の段部91の厚さ方向の第1半部をぴったり受け入れる径の挿通孔620が形成されており、段部91の厚さ方向の第2半部は調整プレート8の垂直板状部80の縦長孔83内に位置している。段付き螺子9の螺子部92は調整プレート8の垂直板状部80を越えて延びており、螺子部92にナット93を締め付けることで、段付き螺子9の抜けを防止し、頭部90とナット93の間に座板6の立ち上がり片62と調整プレート8の垂直板状部80を挟み込んで拘束する。
【0028】
段付き螺子9の段部91の厚さを調整プレート8の垂直板状部80の厚さと立ち上がり片62の厚さの合計よりも僅かに大きくすることで、垂直板状部80と立ち上がり片62(これらの面部同士が重なった状態)と、頭部90とナット93間の空間との間に僅かな隙間G(
図11参照)が形成されることになり、頭部90とナット93間に立ち上がり片62と調整プレート8の垂直板状部80を拘束するものでありながら、拘束状態で厚さ方向に遊びを持たせることで(調整プレート8の垂直板状部80と座板6の立ち上がり片62の面同士が僅かに離間する)、立ち上がり片62に対する調整プレート8の変形を許容している。
【0029】
図5は、開口部全閉状態におけるシャッターカーテン1の下端部位(調整プレート8及び座板6)の正面図であって、座板6の下面610は撓むことなく水平状に延びており、幅方向に亘って床面FLに着床している(
図1参照)。開口部全閉状態では、シャッターカーテン1は巻径ギャップの影響を受けることがなく、また、スラット5及び座板6は自重で変形することがない程度の所定の剛性を備えているので、各スラット5、座板6は水平に延びている。
【0030】
図6(A)は
図5のA-A線縦断面図であり、
図6(B)は
図5のB-B線縦断面図であり、
図11は
図6(A)の拡大図である。
図6(A)、
図11に示すように、開口部全閉状態では、幅方向左右の段付き螺子9の段部91は左右の縦長孔83の上端に位置しており、調整プレート8は変形することなく略水平状に延びており、調整プレート8の下側当接部82は、幅方向全体に亘って、座板6の上面600に当接している。また、調整プレート8の上側連結部81を含む上側部位は、立ち上がり片62の上端よりも上方に位置している。
【0031】
図6(B)に示すように、立ち上がり片62の幅方向中央部位と調整プレート8の垂直板状部80の幅方向中央部位は、高さ方向の中央部位よりも少し下側において、螺子9´とナット93´を用いて固定されている。座板6の幅方向の中央部位において、立ち上がり片62に対する調整プレート8の垂直板状部80の位置は固定されている。
【0032】
図7は、開口部全開状態におけるシャッターカーテン1の下端部位(調整プレート8及び座板6)の正面図であって、シャッターカーテン1の下端の幅方向の中央部位が下方に撓むモード(
図14参照)である。シャッターカーテン1の幅方向の両端部位の巻径が中央部位に比べて大きくなることで、調整プレート8の幅方向の両端部位が上方に引っ張られて変形し、結果として、調整プレート8の幅方向の中央部位が下方に撓んだ状態となる。
【0033】
本実施形態では、段付き螺子9の段部91が調整プレート8の縦長孔83内を高さ方向に可動であることから、調整プレート8の幅方向両端部位は、段部91(段部91は立ち上がり片62に対する高さ位置が不変)に対して上方に変位することで、座板6の上面600から離間するように変形するようになっており、調整プレート8の変形が座板6の立ち上がり片62に伝達されることがない。
【0034】
図8(A)は
図7のA-A線縦断面図であり、
図8(B)は
図7のB-B線縦断面図であり、
図12は
図8(A)の拡大図である。
図7、
図8(A)、
図12に示すように、調整プレート8の幅方向の両端部位は、下側当接部82が座板6の上面600から離間するように上側に変形しており、立ち上がり片62の幅方向の両端部位に対して上方に変位する。調整プレート8の幅方向の両端部位の上方への変形に伴い、螺子9の段部91に対して調整プレート8の縦長孔83が上方に移動することで、幅方向左右の段付き螺子9の段部91は左右の縦長孔83に対して上端位置から下方に相対的に移動した位置となる。調整プレート8の幅方向の両端部位の上方への変形は、調整プレート8の垂直板状部80の縦長孔83が螺子9の段部91に対して上方に移動することで、座板6の立ち上がり片62に伝達されることなく吸収される。したがって、
図7に示すように、調整プレート8は、その幅方向の両端部位が座板6の上面600から離間するように上方に変形する一方、座板6の立ち上がり片62は変形することなく水平状に延びており、座板6の下面610は水平を維持している。
【0035】
図6と
図8を対比することで明らかなように、開口部全閉状態と開口部全開状態において、立ち上がり片62の幅方向中央部位の固定部位である螺子9´の高さと、幅方向両端部位の段付き螺子9の高さの相対的位置は一定であり、調整プレート8の幅方向の両端部位のみが座板6に対して上方に変形する一方、座板6の立ち上がり片62の幅方向の両端部位が中央部位に対して上方に変形することはない。
【0036】
図2の状態からさらにシャッターカーテン1を座板6の下面610がまぐさ部の下面の高さレベルLに略一致するように巻き上げると、シャッターカーテン1の座板6の下面610は、まぐさ部の下面の高さレベルL(いわゆるまぐさライン)と略一致することになり、意匠上良好である。
【0037】
図9は、開口部全開状態のシャッターカーテン1の下端部位(調整プレート8及び座板6)の正面図であって、シャッターカーテン1の下端の幅方向の中央部位及び幅方向端部が下方に撓む片下がりモード(
図17参照)に対応している。
図9に示す態様では、シャッターカーテン1の幅方向の左端部位の巻径が中央部位及び右端部位の巻径に比べて大きくなることで、調整プレート8の幅方向の左端部位が上方に引っ張られて変形して、結果として、調整プレート8が右片下がり状態となる。
【0038】
図10(A)は
図9のA-A線縦断面図であり、
図10(B)は
図9のB-B線縦断面図であり、
図10(C)は
図9のC-C断面図である。
図9、
図10(A)に示すように、調整プレート8の幅方向の左端部位は、下側当接部82が座板6の上面600から離間するように上側に変形しており、立ち上がり片62の幅方向の左端部位に対して上方に変位する。
【0039】
調整プレート8の幅方向の左端部位の上方への変形に伴い、段付き螺子9の段部91に対して調整プレート8の左端部側の縦長孔83が上方に移動することで、左端部側の段付き螺子9の段部91は左端部側の縦長孔83に対して上端位置から下方に相対的に移動した位置となる。調整プレート8の幅方向の左端部位の上方への変形は、調整プレート8の垂直板状部80の縦長孔83が段付き螺子9の段部91に対して上方に移動することで、座板6の立ち上がり片62に伝達されることなく吸収される。したがって、
図9に示すように、調整プレート8は、その幅方向左端部位が座板6の上面600から離間するように上方に移動する一方、座板6の立ち上がり片62は変形することがなく水平状に延びており、座板6の下面610は水平を維持している。
【0040】
図9、
図10に示す態様では、調整プレート8の幅方向の右端部位はシャッターカーテン1の巻取時に上方に引っ張られることがないので、座板6に対する調整プレート8の高さ位置は、開口部全閉状態(
図6(A)参照)と開口部全開状態(
図10(C))で同じであり、縦長孔83内における段付き螺子9の段部91の高さ位置もシャッターカーテン1の昇降時に不変である。
【0041】
図3の状態からさらにシャッターカーテン1を座板6の下面610がまぐさ部の下面の高さレベルLに略一致するように巻き上げると、シャッターカーテン1の座板6の下面610は、まぐさ部の下面の高さレベルL(いわゆるまぐさライン)と略一致することになり、意匠上良好である。
【0042】
図9、
図10では、右片下がり態様の場合を示したが、左片下がり態様の場合には、右端部位の縦長孔83が右端部位の段付き螺子9の段部91に対して上方に移動することで、調整プレート8の幅方向の右端部位の上方への変形を吸収し、座板6に影響を与えないことが当業者に理解される。
【0043】
上述の説明では、調整プレート8に縦長孔83を形成し、座板6の立ち上がり片62側から段付き螺子9を差し込み、調整プレート8側でナット93で締め付ける態様について説明したが、座板6の立ち上がり片62に縦長孔63を形成し、調整プレート8の垂直板状部80と立ち上がり片62を重ね合わせた時に、縦長孔63に対向して、垂直板状部80に挿通孔を形成し、調整プレート8側から螺子9を差し込んで、立ち上がり片62を貫通して延びる螺子部92に対して立ち上がり片62側からナット93を締め付けることで、段部91が挿通孔と縦長孔63内に位置した状態で、頭部90とナット93間に垂直板状部80と立ち上がり片62を挟み込んで拘束するようにしてもよい(
図13)。
【0044】
図13は、開口部全閉状態におけるシャッターカーテン1の下端部位の断面図であって、
図6(A)に対応する図である。
図6(A)では、段付き螺子9の段部91は調整プレート8の垂直板状部80に形成した縦長孔83の上端に位置しているのに対して、
図13では、段付き螺子9の段部91は座板6の立ち上がり片62に形成した縦長孔63の下端に位置している。シャッターカーテン1が巻取シャフト2に巻き取られて開口部全閉状態から開口部全開状態に上昇する時に、シャッターカーテン1の幅方向の両端部位の両方あるいは一方の巻径が大きくなった場合には、調整プレート8及び段付き螺子9が座板6の立ち上がり片62の縦長孔63内を上昇することで、調整プレート8の上方への変形を吸収し、調整プレート8の変形が座板6に影響を与えないようになっている。
【符号の説明】
【0045】
1 シャッターカーテン
2 巻取シャフト
5 スラット
6 座板
600 上面
610 下面
62 立ち上がり片
8 調整プレート
83 縦長孔
9 段付き螺子
90 頭部
91 段部
92 螺子部
93 ナット