(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-12
(45)【発行日】2022-08-22
(54)【発明の名称】自動履物プラットフォーム用ボックス紐締め通路
(51)【国際特許分類】
A43C 11/00 20060101AFI20220815BHJP
A43B 23/02 20060101ALI20220815BHJP
【FI】
A43C11/00
A43B23/02 105Z
(21)【出願番号】P 2018549151
(86)(22)【出願日】2017-03-15
(86)【国際出願番号】 US2017022586
(87)【国際公開番号】W WO2017161044
(87)【国際公開日】2017-09-21
【審査請求日】2020-03-06
(32)【優先日】2016-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー、サマー エル.
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ナリッサ
【審査官】高橋 祐介
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-525007(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第02900077(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0169378(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-0953398(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-0986674(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43C 11/00
A43B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物紐締め装置であって、
筐体構造であって、
第一の入口と、
第二の入口と、
前記第一の入口と前記第二の入口との間に延びる紐締め通路であって、
前記第一の入口と前記第二の入口との間に配置されたスプール受容部と、
前記スプール受容部と前記第一の入口との間に配置された第一の解放領域と、
前記スプール受容部と前記第二の入口との間に配置された第二の解放領域と、を備え、
前記第一及び第二の解放領域には、前記スプール受容部とそれぞれ前記第一の入口と前記第二の入口との間で線形にテーパが付けられる紐締め通路と、
を備える筐体構造と、
前記紐締め通路の前記スプール受容部に設置されたスプールと、
前記スプールと連結され、前記スプールを回転させて、前記紐締め通路を通り、及び前記スプールを通って延びる靴紐ケーブルを巻き取り、又は巻き出すようになされた駆動機構と、
を備え、
前記スプール受容部は1対の対向する弧状の側壁を有し、
各前記弧状の側壁のそれぞれにおける前記スプール受容部側の表面は、突起を有
さず、
前記筐体構造は、上側構成要素と下側構成要素とを備え、
前記上側構成要素は、前記紐締め通路を含み、
前記上側構成要素及び前記下側構成要素は、前記駆動機構を設置するための内部空間を提供している、履物紐締め装置。
【請求項2】
前記第一及び第二の解放領域は、前記スプール受容部から延びて、前記スプール受容部からそれぞれ前記第一及び第二の入口へとテーパが付けられた通路を形成する平坦な側壁を備える、請求項1に記載の履物紐締め装置。
【請求項3】
前記平坦な側壁は、前記スプール受容部の接線である、請求項2に記載の履物紐締め装置。
【請求項4】
前記第一及び第二の解放領域は、前記スプール受容部とそれぞれ前記第一の入口と前記第二の入口との間に台形の形状の通路を形成する、請求項2に記載の履物紐締め装置。
【請求項5】
前記スプールの保管容量は、組み合わせた解放領域の保管容量より小さい、請求項1に記載の履物紐締め装置。
【請求項6】
前記スプール受容部は、
シャフトソケットと、
前記シャフトソケットを取り囲む座ぐり穴と、
をさらに備える、請求項1に記載の履物紐締め装置。
【請求項7】
前記スプール受容部は、前記スプール受容部の上方に延びる1対の対向する弧状のフランジをさらに備える、請求項1に記載の履物紐締め装置。
【請求項8】
前記第一及び第二の入口は、前記筐体構造の中に長方形の開口を有する、請求項1に記載の履物紐締め装置。
【請求項9】
前記第一及び第二の入口は、それぞれ長方形の通路を形成する平坦な側壁をさらに有する、請求項8に記載の履物紐締め装置。
【請求項10】
前記第一及び第二の解放領域は、前記スプール受容部との接合点において湾曲したリップを備える、請求項1に記載の履物紐締め装置。
【請求項11】
前記スプールは、
下板と、
前記下板から延びるシャフトと、
上板と、
前記上板と前記下板との間に位置付けられたドラムと、
前記ドラムを通って延びる巻き取り通路と、
を備える、請求項1に記載の履物紐締め装置。
【請求項12】
前記紐締め通路は、前記第一の入口と前記第二の入口との間を、直線状の経路に沿って延びている、請求項1に記載の履物紐締め装置。
【請求項13】
履物紐締め装置のための筐体構造であって、
本体であって、
上面と、
下面と、
前記上面と前記下面とを接続する第一の側壁と、
前記上面と前記下面とを接続する第二の側壁と、
を備える本体と、
前記上面及び前記下面と前記第一及び第二の側壁との間の内部コンパートメントと、
前記第一の側壁から前記第二の側壁に延びる紐締め通路であって、
前記第一の側壁内の第一の入口と、
前記第二の側壁内の第二の入口と、
前記第一の入口と前記第二の入口との間に配置されたスプール受容部と、
前記スプール受容部と前記第一の入口との間に配置された第一の解放領域と、
前記スプール受容部と前記第二の入口との間に配置された第二の解放領域と、
を備え、
前記第一及び第二の解放領域には、前記スプール受容部とそれぞれ前記第一の入口と前記第二の入口との間で直線的にテーパが付けられている紐締め通路と、
を備え、
前記第一及び第二の解放領域は、前記スプール受容部から延びて、前記スプール受容部からそれぞれ前記第一及び第二の入口までテーパが付けられた通路を形成する平坦な側壁を備え、
前記スプール受容部は、1対の対向する弧状の側壁を備え、
前記第一及び第二の解放領域の前記平坦な側壁は、それぞれ、前記一対の弧状の側壁に接続されており、
前記一対の弧状の側壁は、それぞれ、約80
度の弧状の距離にわたって延びて
おり、
前記本体は、上側構成要素と下側構成要素とを備え、
前記上側構成要素は、前記紐締め通路を含み、
前記上側構成要素及び前記下側構成要素は、前記内部コンパートメントを提供しており、
前記内部コンパートメントは、前記スプール受容部に設置されたスプールと連結された駆動機構を設置するように構成されている、筐体構造。
【請求項14】
前記平坦な側壁は、前記スプール受容部の前記弧状の側壁の接線である、請求項13に記載の筐体構造。
【請求項15】
前記第一及び第二の解放領域は、前記スプール受容部とそれぞれ前記第一及び第二の入口との間に台形の形状の通路を形成する、請求項13に記載の筐体構造。
【請求項16】
前記スプール受容部は、前記スプール受容部の上方に延びる1対の対向する弧状のフランジをさらに備える、請求項13に記載の筐体構造。
【請求項17】
前記第一及び第二の入口の各々は、
前記本体内の長方形の開口と、
長方形の通路を形成する平坦な側壁と、
を備える、請求項13に記載の筐体構造。
【請求項18】
前記紐締め通路は前記本体の前記上面を貫通する、請求項13に記載の筐体構造。
【請求項19】
前記紐締め通路は、前記第一の入口と前記第二の入口との間を、直線状の経路に沿って延びている、請求項13に記載の筐体構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自動履物プラットフォーム用ボックス紐締め通路に関する。
【背景技術】
【0002】
以下の明細書は、電動紐締めシステム、電動及び非電動紐締めエンジン、紐締めエンジンに関する履物構成要素、自動紐締め履物プラットフォーム、及び関係する組立プロセスの様々な態様を説明する。以下の明細書はまた、紐締めエンジン用モジュール式スプールアセンブリのためのシステム及び方法の各種の態様も説明する。
【0003】
フットウェアの物品を自動的に締め付けるためのデバイスが、以前に提案されている。「自動締め付けシューズ(Automatic tightening shoe)」という標題の特許文献1において、リウ(Liu)は、くつのアッパー部分の上に装着される第1の締結具と、クロージャ部材に接続されている第2の締結具とを提供し、第2の締結具は、締め付けられた状態にクロージャ部材を保つために、第1の締結具と取り外し可能に係合することができる。リウ(Liu)は、ソールのかかと部分に装着される駆動ユニットを教示している。駆動ユニットは、ハウジング、ハウジングの中に回転可能に装着されたスプール、1対の引き紐、およびモータ・ユニットを含む。それぞれの紐は、スプールに接続されている第1の端部と、第2の締結具の中の紐孔に対応する第2の端部とを有している。モータ・ユニットは、スプールに連結されている。リウ(Liu)は、モータ・ユニットがハウジングの中のスプールの回転を駆動するように動作可能であり、第1の締結具に向けて第2の締結具を引っ張るために、スプールの上に引き紐を巻き上げるということを教示している。また、リウ(Liu)は、ガイド・チューブ・ユニットを教示しており、引き紐がガイド・チューブ・ユニットを通って延在することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
自己締め付け式シュー・レースの概念は、最初に、1989年公開の映画バック・トゥ・ザ・フューチャ(登録商標)II(Back to the Future II)の中のマーティ・マクフライ(Marty McFly)によって着用された架空のパワー・レース付きのNike(登録商標)スニーカによって広く知れわたった。Nike(登録商標)は、バック・トゥ・ザ・フューチャ(登録商標)II(Back to the Future II)からの映画用小道具バージョンに外見が似ているパワー・レース付きのスニーカの少なくとも1つのバージョンをリリースしたが、これらの初期バージョンに用いられた内部機械システムおよび周囲のフットウェア・プラットフォームは、必ずしも、大量生産または日常使用に適しているわけではない。付加的に、電動式レーシング・システムに関する以前の設計は、多くの問題のうちの単にいくつかを強調すると、比較的に、高コストの製造、複雑さ、組み立ての困難さ、補修のしやすさの欠如、および、弱くまたは壊れやすい機械的機構などのような問題に悩まされていた。本発明者らは、なかでも、上記に議論されている問題のいくつかまたはすべてを解決する、電動式および非電動式のレーシング・エンジンを収容するために、モジュール式のフットウェア・プラットフォームを開発した。以下に議論されている構成要素は、それに限定されないが、補修のしやすい構成要素、交換可能な自動化されたレーシング・エンジン、強固な機械設計、信頼性の高い動作、合理化された組み立てプロセス、および、小売段階でのカスタマイズを含む、さまざまな利益を提供する。以下に説明されている構成要素のさまざまな他の利益は、当業者に明らかになることとなる。
【0006】
以下に議論されている電動式レーシング・エンジンは、自動化されたレーシング・フットウェア・プラットフォームの強固な、補修のしやすい、および交換可能な構成要素を提供するために、徹底的に開発された。レーシング・エンジンは、モジュール式のフットウェア・プラットフォームの中への小売段階での最終組み立てを可能にする独自の設計要素を含む。レーシング・エンジン設計は、フットウェア組み立てプロセスの大半が、公知の組み立て技術を活用することを可能にし、標準的な組み立てプロセスへの独自の適合は、依然として、現在の組み立て資源を活用することができる。
【0007】
ある例において、履物紐締め装置は、筐体構造と、スプールと、駆動機構と、を含むことができる。筐体構造は、第一の入口と、第二の入口と、第一及び第二の入口間に延びる紐締め通路と、を含むことができる。紐締め通路は、第一及び第二の入口間に配置されたスプール受容部と、スプール受容部と第一の入口との間に配置された第一の解放領域と、スプール受容部と第二の入口との間に配置された第二の解放領域と、を含むことができる。第一及び第二の解放領域には、スプール受容部とそれぞれ第一及び第二の入口との間で線形のテーパを付けることができる。スプールは、紐締め通路のスプール受容部の中に設置できる。駆動機構は、スプールと連結して、スプールを回転させて、紐締め通路を通じて、及びスプールを通じて延びる靴紐ケーブルを巻き取り、又は巻き出すようになすことができる。
【0008】
本明細書で論じられている自動履物プラットフォームは、履物紐締め装置のための筐体構造を含むことができる。筐体構造は、本体と、内部コンパートメントと、紐締め通路と、を含むことができる。本体は、上面と、下面と、上面と下面を接続する第一の側壁と、上面と下面を接続する第二の側壁と、を含むことができる。内部コンパートメントは、上及び下面と第一及び第二の側壁との間にあり得る。紐締め通路は、第一の側壁から第二の側壁まで延びることができる。紐締め通路は、第一の側壁内の第一の入口と、第二の側壁内の第二の入口と、第一及び第二の入口間に配置されたスプール受容部と、スプール受容部と第一の入口との間に配置された第一の解放領域と、スプール受容部と第二の入口との間に配置された第二の解放領域と、を含むことができる。第一及び第二の解放領域には、スプール受容部と、それぞれ第一及び第二の入口との間に線形のテーパを付けることができる。
【0009】
履物紐締め装置の中のスプールを巻き出す方法は、駆動機構でスプールを回転させ、スプールに巻き回されていた靴紐ケーブルの張力を軽減させるステップと、靴紐ケーブルをスプールから履物紐締め装置の筐体内の紐締め通路の中へと送り込むステップと、紐締め通路の解放領域内に靴紐ケーブルを回収するステップと、靴紐ケーブルが解放領域を通じて紐締め通路から弛緩した状態で出ることができるようにして、靴紐ケーブルをスプールから巻き出すステップと、を含むことができる。
【0010】
この最初の概要は、本特許出願の主題を導入することが意図されている。以下のより詳細な説明の中に開示されているさまざまな発明の排他的または包括的な説明を提供するということは意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】いくつかの例示的な実施形態に係る電動式レーシング・システムの構成要素を示す分解図。
【
図2A】いくつかの例示的な実施形態に係る電動式レーシング・エンジンを示す説明図および図面。
【
図2B】いくつかの例示的な実施形態に係る電動式レーシング・エンジンを示す説明図および図面。
【
図2C】いくつかの例示的な実施形態に係る電動式レーシング・エンジンを示す説明図および図面。
【
図2D】いくつかの例示的な実施形態に係る電動式レーシング・エンジンを示す説明図および図面。
【
図2E】いくつかの例示的な実施形態に係る電動式レーシング・エンジンを示す説明図および図面。
【
図2F】いくつかの例示的な実施形態に係る電動式レーシング・エンジンを示す説明図および図面。
【
図2G】いくつかの例示的な実施形態に係る電動式レーシング・エンジンを示す説明図および図面。
【
図2H】いくつかの例示的な実施形態に係る電動式レーシング・エンジンを示す説明図および図面。
【
図2I】いくつかの例示的な実施形態に係る電動式レーシング・エンジンを示す説明図および図面。
【
図2J】いくつかの例示的な実施形態に係る電動式レーシング・エンジンを示す説明図および図面。
【
図2K】いくつかの例示的な実施形態に係る電動式レーシング・エンジンを示す説明図および図面。
【
図2L】いくつかの例示的な実施形態に係る電動式レーシング・エンジンを示す説明図および図面。
【
図2M】いくつかの例示的な実施形態に係る電動式レーシング・エンジンを示す説明図および図面。
【
図2N】いくつかの例示的な実施形態に係る電動式レーシング・エンジンを示す説明図および図面。
【
図3A】いくつかの例示的な実施形態に係る電動式レーシング・エンジンとインターフェース接続するためのアクチュエータを示す説明図および図面。
【
図3B】いくつかの例示的な実施形態に係る電動式レーシング・エンジンとインターフェース接続するためのアクチュエータを示す説明図および図面。
【
図3C】いくつかの例示的な実施形態に係る電動式レーシング・エンジンとインターフェース接続するためのアクチュエータを示す説明図および図面。
【
図3D】いくつかの例示的な実施形態に係る電動式レーシング・エンジンとインターフェース接続するためのアクチュエータを示す説明図および図面。
【
図4A】いくつかの例示的な実施形態に係るレーシング・エンジンを保持するためのミッドソール・プレートを示す説明図および図面。
【
図4B】いくつかの例示的な実施形態に係るレーシング・エンジンを保持するためのミッドソール・プレートを示す説明図および図面。
【
図4C】いくつかの例示的な実施形態に係るレーシング・エンジンを保持するためのミッドソール・プレートを示す説明図および図面。
【
図4D】いくつかの例示的な実施形態に係るレーシング・エンジンを保持するためのミッドソール・プレートを示す説明図および図面。
【
図5A】いくつかの例示的な実施形態に係るレーシング・エンジンおよび関連の構成要素を収容するための、ミッドソールおよびアウトソールを示す説明図および図面。
【
図5B】いくつかの例示的な実施形態に係るレーシング・エンジンおよび関連の構成要素を収容するための、ミッドソールおよびアウトソールを示す説明図および図面。
【
図5C】いくつかの例示的な実施形態に係るレーシング・エンジンおよび関連の構成要素を収容するための、ミッドソールおよびアウトソールを示す説明図および図面。
【
図5D】いくつかの例示的な実施形態に係るレーシング・エンジンおよび関連の構成要素を収容するための、ミッドソールおよびアウトソールを示す説明図および図面。
【
図6A】いくつかの例示的な実施形態に係る電動式レーシング・エンジンを含むフットウェア組立体の説明図。
【
図6B】いくつかの例示的な実施形態に係る電動式レーシング・エンジンを含むフットウェア組立体の説明図。
【
図6C】いくつかの例示的な実施形態に係る電動式レーシング・エンジンを含むフットウェア組立体の説明図。
【
図6D】いくつかの例示的な実施形態に係る電動式レーシング・エンジンを含むフットウェア組立体の説明図。
【
図7】いくつかの例示的な実施形態に係るレーシング・エンジンを含むフットウェアの組み立てのためのフットウェア組み立てプロセスを図示するフローチャート。
【
図8A】いくつかの例示的な実施形態に係るミッドソールへの組み立ての準備のためのフットウェア・アッパーの組み立てのための組み立てプロセスを図示する図面。
【
図8B】いくつかの例示的な実施形態に係るミッドソールへの組み立ての準備のためのフットウェア・アッパーの組み立てのための組み立てプロセスを図示するフローチャート。
【
図9】いくつかの例示的な実施形態に係るレーシング・エンジンのスプールの中にレースを固定するための機構を図示する図面。
【
図10A】いくつかの例示的な実施形態に係る電動式レーシング・システムの構成要素を図示するブロック図。
【
図10B】センサからの足存在情報を使用する例を示すフローチャートである。
【
図11A】幾つかの例示的な実施形態による、電動式レーシング・エンジンのためのモータ制御手順を示す図である。
【
図11B】幾つかの例示的な実施形態による、電動式レーシング・エンジンのためのモータ制御手順を示す図である。
【
図11C】幾つかの例示的な実施形態による、電動式レーシング・エンジンのためのモータ制御手順を示す図である。
【
図11D】幾つかの例示的な実施形態による、電動式レーシング・エンジンのためのモータ制御手順を示す図である。
【
図12A】幾つかの例示的な実施形態による、絡まり防止紐締め通路を有する電動紐締めシステムの斜視図による説明である。
【
図12B】
図12Aの電動紐締めシステムの上面図であり、筐体を通る絡まり防止紐締め通路と整列されたスプールを通る巻き取り通路を示す。
【
図12C】
図12Aの電動紐締めシステムの分解図による説明であり、電動紐締めシステムの構成要素を示す。
【
図13】
図12Bの筐体の上面図であり、絡まり防止紐締め通路の入口及びスプール凹部の付近のバッファ領域を示す。
【
図14A】
図13の絡まり防止紐締め通路の断面14C-14Cにおける側方断面図であり、紐締め通路の、紐締め通路への入口における幅を示す。
【
図14B】
図13の絡まり防止紐締め通路の断面14B-14BAにおける側方断面図であり、紐締め通路の、スプール凹部への入口における幅を示す。
【
図14C】
図13の絡まり防止通路の断面14A-14Aにおける側方断面図であり、紐締め通路の、スプール凹部における幅を示す。
【
図15A】絡まり防止紐締め通路の長さ方向の断面図であり、入口からスプール凹部までの紐締め通路の高低を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面は必ずしも実寸で描かれているわけではなく、図面において、同様の参照数字は、異なる図の中で同様の構成要素を説明している場合がある。異なる添え字を有する同様の参照数字は、同様の構成要素の異なる事例を表している場合がある。図面は、一般的に、例として、限定としてではないが、本文献の中で議論されているさまざまな実施形態を図示している。
【0013】
本明細書で提供されている見出しは、単に、便宜のためのものに過ぎず、必ずしも、使用されている用語の範囲または意味に影響を与えるわけではない。
以下は、電動式レーシング・エンジン、ミッドソール・プレート、および、プラットフォームのさまざまな他の構成要素を含む、自動化されたフットウェア・プラットフォームのさまざまな構成要素について議論している。本開示の多くは、電動式レーシング・エンジンに焦点を合わせているが、議論されている設計の機械的な態様の多くは、追加的な能力またはより少ない能力を備えた人力レーシング・エンジンまたは他の電動式レーシング・エンジンに適用可能である。したがって、「自動化されたフットウェア・プラットフォーム」の中で使用されているような「自動化された」という用語は、ユーザ入力なしに動作するシステムをカバーすることだけが意図されているわけではない。むしろ、「自動化されたフットウェア・プラットフォーム」という用語は、フットウェアのレースを締めたりまたは保持したりするシステムのための、さまざまな電動機構、および人力の機構、自動的に作動させられる機構、ならびに、人間により作動させられる機構を含む。
【0014】
自動履物プラットフォーム
図1は、いくつかの例示的な実施形態に係るフットウェアのための電動式レーシング・システムの構成要素の分解図の説明図である。
図1に図示されている電動式レーシング・システム1は、レーシング・エンジン10、蓋20、アクチュエータ30、ミッドソール・プレート40、ミッドソール50、およびアウトソール60を含む。
図1は、自動化されたレーシング・フットウェア・プラットフォームの構成要素の基本的な組み立て順序を図示している。電動式レーシング・システム1は、ミッドソール・プレート40がミッドソールの中に固定されることから始める。次に、アクチュエータ30が、アウトソール60の中に埋め込まれ得るインターフェース・ボタンとは反対側に、ミッドソール・プレートの外側の中の開口部の中へ挿入される。次に、レーシング・エンジン10が、ミッドソール・プレート40の中へ落とされる。例では、レーシング・システム1は、レーシング・ケーブルの連続的なループの下に挿入され、レーシング・ケーブルは、レーシング・エンジン10の中のスプールと整合させられる(以下に議論されている)。最後に、蓋20が、ミッドソール・プレート40の中の溝部の中へ挿入され、閉位置へと固定され、ミッドソール・プレート40の中の凹部の中へラッチ係合される。蓋20は、レーシング・エンジン10を捕捉することが可能であり、また、動作の間のレーシング・ケーブルの配列を維持することを支援することが可能である。
【0015】
例では、フットウェア物品または電動式レーシング・システム1は、足存在特性をモニタリングもしくは決定することができる1つもしくは複数のセンサを含むか、または、この1つもしくは複数のセンサとインターフェース接続するように構成されている。1つまたは複数の足存在センサからの情報に基づいて、電動式レーシング・システム1を含むフットウェアは、さまざまな機能を果たすように構成され得る。たとえば、足存在センサは、足がフットウェアの中に存在しているかまたは存在していないかについてのバイナリー情報を提供するように構成され得る。足存在センサからのバイナリー信号が、足が存在しているということを示す場合には、電動式レーシング・システム1が作動させられ得、フットウェア・レーシング・ケーブルを自動的に締め付けるかまたは弛緩させる(すなわち、緩める)ようになっている。例では、フットウェア物品は、プロセッサ回路を含み、プロセッサ回路は、足存在センサからの信号を受信または解釈することが可能である。プロセッサ回路は、任意に、レーシング・エンジン10の中に、または、レーシング・エンジン10とともに、たとえば、フットウェア物品のソールの中などに、埋め込まれ得る。
【0016】
ある例において、足存在センサは、足をフットウェアに入れる時の足の位置に関する情報を提供するように構成できる。電動式レーシング・システム1は一般に、足がフットウェアの中で、例えばフットウェア製品のソールの全部又は一部に対して適切に位置付けられ、収容されたときにのみ、例えばレーシング・ケーブルを締めるように作動させることができる。足の移動又は位置に関する情報を感知する足存在センサは、足が、例えばソールに関して、又はフットウェア製品の他のある機構に関して完全に又は部分的に収容されたか否かに関する情報を提供できる。自動レーシング手順は、センサからの情報が、足が正しい位置にあることを示すまで、中断又は遅延できる。
【0017】
ある例において、足存在センサは、フットウェアの中の足の相対位置に関する情報を提供するように構成できる。例えば、足存在センサは、フットウェアがある足にとって良好な「フィット」であるか否かを、例えば足の土踏まず、踵、爪先、又はその他の構成部分のうちの1つ又は複数の、例えばこのような足の構成部分を受容するように構成されたフットウェアの対応する位置に関する相対位置を判定することによって感知するように構成できる。ある例において、足存在センサは、足又は足の構成部分の位置が基準に対して、例えば時間の経過によるレーシング・ケーブルの緩み、又は足そのものの自然の膨張と収縮によって変化したか否かを感知するように構成できる。
【0018】
ある例において、足存在センサは、電気、磁気、熱、容量、圧力、光、又はその他のセンサ装置を含むことができ、これは体の存在に関する情報を感知し、又は受信するように構成できる。例えば、電気センサは、少なくとも2つの電極間のインピーダンス特性を測定するように構成されたインピーダンスセンサを含むことができる。足等の体が電極の付近に、又はそれに隣接してあると、電気センサは第1の値を有するセンサ信号を供給でき、足が電極から離れたところにあると、電気センサは異なる第2の値を有するセンサ信号を供給できる。例えば、第1のインピーダンス値は、何も入っていないフットウェアの状態に関連付けることができ、より小さい第2のインピーダンス値は、占有されているフットウェアの状態に関連付けることができる。
【0019】
電気センサは、AC信号生成器回路と、例えば無線周波数情報を発信し、又は受信するように構成されるアンテナを含むことができる。アンテナに対する体の近接性に基づき、1つ又は複数の電気信号特性、例えばインピーダンス、周波数、又は信号振幅を受信して分析し、体が存在するか否かを特定できる。ある例において、受信信号強度インジケータ(RSSI:received signal strength indicator)は、受信した無線信号のパワーレベルに関する情報を提供する。例えばあるベースライン又は基準値に対するRSSIの変化は、体の有無を識別するために使用できる。ある例において、例えば2.4GHz、3.6GHz、4.9GHz、5GHz、及び5.9GHzバンドのうちの1つ又は複数のWiFi周波数を使用できる。ある例において、キロヘルツ範囲、例えば約400kHzの周波数を使用できる。ある例において、パワー信号の変化は、ミリワット又はマイクロワットのレンジで検出できる。
【0020】
足存在センサは磁気センサを含むことができる。第一の磁気センサは、磁石と磁力計を含むことができる。ある例において、磁力計は、紐締めエンジン10の中又はその付近に位置付けることができる。磁石は、紐締めエンジン10から離れた場所に、例えばアウトソール60の上方で着用されるように構成された第二のソール、又はインソールの中に配置することができる。ある例において、磁石は第二のソールの発泡材又はその他の圧縮可能材料の中に埋め込まれる。使用者が、例えば立つか、歩く時等、第二のソールを押圧すると、それと対応する、磁力計に関する磁石の位置の変化を感知し、センサ信号を介して報告できる。
【0021】
第2の磁気センサは、磁界の変化又は干渉(例えば、ホール効果による)を感知するように構成された磁界センサを含むことができる。体が第2の磁気センサの付近にあると、センサは、周辺磁界に対する変化を示す信号を生成することができる。例えば、第2の磁気センサは、検出された磁界の変化に応答して電圧出力信号を変化させるホール効果センサを含むことができる。出力信号の電圧変化は、例えば導体内の電流、及び電流に垂直な磁界を横切る方向などに、電気信号導体にわたる電圧差が生成されることに起因するものであり得る。
【0022】
ある例において、第2の磁気センサは体からの電磁界信号を受信するように構成される。例えば、ワルシャフスキー(Varshavsky)らは、「磁界に基づく識別情報を用いるセキュリティのための装置、システム、及び方法(Devices, systems and methods for security using magnetic field based identification)」と題する米国特許第8,752,200号明細書において、体の固有の電磁署名を認証に使用することを教示している。ある例において、フットウェア製品の中の磁気センサは、現在の使用者が靴の所有者であることを、検出された電磁署名を介して認証又は検証し、例えば所有者の1つ又は複数の指定されたレース締めの選好(例えば、締め付けのプロファイル)に応じて、その製品を自動的にレース締めすべきであることを認証又は検証するために使用できる。
【0023】
ある例において、足存在センサは、フットウェアの一部の中又はその付近の温度変化を感知するように構成された熱センサを含む。着用者の足がフットウェア製品の中に入ると、製品の内部温度は、着用者自身の体温がフットウェア製品の周辺温度と異なると変化する。それゆえ、熱センサは温度変化に基づいて、足が存在する可能性があるか否かの表示を提供できる。
【0024】
ある例において、足存在センサは、容量変化を感知するように構成された容量性センサを含む。容量性センサは、1つのプレート又は電極を含むことができ、又は容量性センサは、複数プレート又は複数電極構成を含むことができる。容量型足存在センサを以下で説明する。
【0025】
ある例において、足存在センサは光学センサを含む。光学センサは、照準線が、例えばフットウェアキャビティの両側面の間等で中断されるか否かを判定するように構成できる。ある例において、光学センサは、足をフットウェアに挿入した時に足により覆われることができる光センサを含む。センサが感知された明るさの状態の変化を示すと、足の存在又は位置の表示を提供できる。
【0026】
ある例において、筐体構造100は、筐体構造100により包囲される構成要素の周囲に気密又は密封シールを提供する。ある例において、筐体構造100は別の、密封式にシールされた空洞を包囲し、その中に圧力センサを設置できる。
図17及び、それに対応する、シールされた空洞内に設置された圧力センサに関する以下の説明を参照されたい。
【0027】
レーシング・エンジン10の例が、
図2A~
図2Nを参照して詳細に説明されている。アクチュエータ30の例が、
図3A~
図3Dを参照して詳細に説明されている。ミッドソール・プレート40の例が、
図4A~
図4Dを参照して詳細に説明されている。電動式レーシング・システム1のさまざまな追加的な詳細が、本説明の残りの部分の全体を通して議論されている。
【0028】
図2A~
図2Nは、いくつかの例示的な実施形態による電動式レーシング・エンジンを示す説明図および図面である。
図2Aは、例示的なレーシング・エンジン10のさまざまな外部特徴を紹介しており、それは、ハウジング構造体100、ケースねじ108、レース溝110(レース・ガイド・リリーフ110とも称される)、レース溝壁112、レース溝移行部114、スプール凹部115、ボタン開口部120、ボタン121、ボタン膜シール124、プログラミング・ヘッダー128、スプール130、およびレース溝部132を含む。ハウジング構造体100の追加的な詳細が、
図2Bを参照して以下に議論されている。
【0029】
例では、レーシング・エンジン10は、ケースねじ108などのような1つまたは複数のねじによって、一緒に保持されている。ケースねじ108は、1次駆動機構の近くに位置決めされており、レーシング・エンジン10の構造的完全性を強化する。また、ケースねじ108は、たとえば、外部の繋ぎ目の超音波溶接のためにケースを一緒に保持するなど、組み立てプロセスを支援するように機能する。
【0030】
この例では、レーシング・エンジン10は、レース溝110を含み、自動化されたフットウェア・プラットフォームの中へ組み立てられると、レースまたはレース・ケーブルを受け入れる。レース溝110は、レース溝壁112を含むことが可能である。レース溝壁112は、面取りされた縁部を含むことが可能であり、動作の間にレース・ケーブルが走るための滑らかなガイド表面を提供する。レース溝110の滑らかなガイド表面の一部は、溝移行部114を含むことが可能であり、溝移行部114は、スプール凹部115に通じるレース溝110の広がった部分である。スプール凹部115は、溝移行部114から、スプール130の外形にぴったりと合う概して円形の部分の中へ移行している。スプール凹部115は、スプールに巻かれたレース・ケーブルを保つことを支援し、また、スプール130の位置を保つことを支援する。しかし、設計の他の態様は、スプール130の主要な保持を提供する。この例では、スプール130は、ヨーヨーの半分と同様に形状決めされており、レース溝部132が、平坦な頂面を通って走っており、スプール軸133(
図2Aには示されていない)が、反対側から下方に延在している。スプール130は、追加的な図を参照して以下にさらに詳細に説明されている。
【0031】
レーシング・エンジン10の側面は、ボタン開口部120を含み、ボタン開口部120は、機構を作動させるためのボタン121がハウジング構造体100を通って延在することを可能にする。ボタン121は、スイッチ122の作動のための外部インターフェースを提供しており、それは、以下に議論されている追加的な図に図示されている。いくつかの例では、ハウジング構造体100は、ボタン膜シール124を含み、ほこりおよび水からの保護を提供する。この例では、ボタン膜シール124は、最大で数ミル(1ミルは25.4マイクロメートル(1000分の1インチ))の厚さの透明プラスチック(または、同様の材料)であり、この透明プラスチックは、ハウジング構造体100の上面から、角部を覆って、側面の下へ付着されている。別の例では、ボタン膜シール124は、ボタン121およびボタン開口部120をカバーする、50.8マイクロメートル(2ミル)の厚さのビニール接着剤付きの膜である。
【0032】
図2Bは、頂部102および底部104を含むハウジング構造体100の説明図である。この例では、頂部102は、ケースねじ108、レース溝110、レース溝移行部114、スプール凹部115、ボタン開口部120、およびボタン・シール凹部126などのような、特徴を含む。ボタン・シール凹部126は、ボタン膜シール124のための嵌め込み部を提供するように解放される頂部102の一部分である。この例では、ボタン・シール凹部126は、頂部104の上面の外側の2、3ミル(1ミルは25.4マイクロメートル)凹んだ部分であり、上面の外側縁部の一部分を覆って、頂部104の側面の一部分の長さにわたって下へ移行している。
【0033】
この例では、底部104は、ワイヤレス充電器アクセス105、ジョイント106、およびグリース隔離壁109などのような、特徴を含む。また、具体的には識別されていないが、ケースねじ108を受け入れるためのケースねじベース、および、駆動機構の一部分を保持するためのグリース隔離壁109の中のさまざまな特徴が図示されている。グリース隔離壁109は、ギヤ・モータおよび密閉型のギヤ・ボックスを含むレーシング・エンジン10の電気的な構成要素から離れるように、駆動機構を取り囲むグリースまたは同様の化合物を保つように設計されている。
【0034】
図2Cは、例示的な実施形態に係るレーシング・エンジン10のさまざまな内部構成要素の説明図である。この例では、レーシング・エンジン10は、スプール磁石136、Oリング・シール138、ウォーム駆動部140、ブッシング141、ウォーム駆動キー142、ギヤ・ボックス144、ギヤ・モータ145、モータ・エンコーダ146、モータ回路基板147、ウォーム・ギヤ150、回路基板160、モータ・ヘッダー161、バッテリ接続部162、およびワイヤード充電ヘッダー163をさらに含む。スプール磁石136は、磁力計(
図2Cには示されていない)による検出を通して、スプール130の移動をトラッキングすることを支援する。Oリング・シール138は、スプール軸133の周りにおいてレーシング・エンジン10の中へ侵入し得るほこりおよび湿気をシールするように機能する。
【0035】
この例では、レーシング・エンジン10の主要な駆動に係る構成要素は、ウォーム駆動部140、ウォーム・ギヤ150、ギヤ・モータ145、およびギヤ・ボックス144を含む。ウォーム・ギヤ150は、ウォーム駆動部140およびギヤ・モータ145の逆転駆動を阻止するように設計されており、これは、レーシング・ケーブルからスプール130を介して入ってくる主要な入力の力が、比較的に大きいウォーム・ギヤおよびウォーム駆動部の歯の上に分散されるということを意味している。この配置は、フットウェア・プラットフォームの活動的な使用からの動的荷重、または、レーシング・システムを締め付けることからの締め付け荷重の両方に耐えるのに十分な強度のギヤを含むことを必要としないように、ギヤ・ボックス144を保護する。ウォーム駆動部140は、駆動システムのより壊れやすい部分、たとえば、ウォーム駆動キー142などを保護することを支援する追加的な特徴を含む。この例では、ウォーム駆動キー142は、ギヤ・ボックス144から出てくる駆動軸を通してピンとインターフェース接続するウォーム駆動部140のモータ端部の中の半径方向のスロットである。この配置は、ウォーム駆動部140が軸線方向に(ギヤ・ボックス144から離れるように)自由に移動することを可能にし、それらの軸線方向の荷重をブッシング141およびハウジング構造体100に伝達することによって、ウォーム駆動部140がギヤ・ボックス144またはギヤ・モータ145に任意の軸線方向の力を付与することを防止する。
【0036】
図2Dは、レーシング・エンジン10の追加的な内部構成要素を示す説明図である。この例では、レーシング・エンジン10は、ウォーム駆動部140、ブッシング141、ギヤ・ボックス144、ギヤ・モータ145、モータ・エンコーダ146、モータ回路基板147、およびウォーム・ギヤ150などのような、駆動に係る構成要素を含む。
図2Dは、バッテリ170の説明図、および、上記に議論されている駆動に係る構成要素のうちのいくつかのよりよい図を加える。
【0037】
図2Eは、レーシング・エンジン10の内部構成要素を示す別の説明図である。
図2Eでは、ウォーム・ギヤ150は、インデキシング(indexing)・ホイール151(ジェネバ(Geneva)・ホイール151とも称される)をより良好に図示するために除去されている。さらに詳細に以下に説明されているように、インデキシング・ホイール151は、電気的なまたは機械的な故障および位置の喪失の場合に、駆動機構をホームに復帰させるための機構を提供する。この例では、レーシング・エンジン10は、また、ワイヤレス充電インターコネクト165およびワイヤレス充電コイル166を含み、それらは、バッテリ170(これは、この図には図示されていない)の下に位置付けされている。この例では、ワイヤレス充電コイル166は、レーシング・エンジン10の底部104の外部下面の上に装着されている。
【0038】
図2Fは、例示的な実施形態に係るレーシング・エンジン10の断面説明図である。
図2Fは、スプール130の構造体を図示するだけでなく、どのようにレース溝部132およびレース溝110がレース・ケーブル131とインターフェース接続するかということを図示するのを支援する。この例に示されているように、レース131は、レース溝110を通ってスプール130のレース溝部132の中へ連続的に走っている。また、断面説明図は、レース131がスプール130の回転によって巻き取られるときに、レース131が巻き重ねられることとなるレース凹部135を示している。レース131は、レーシング・エンジン10を横切って走るとレース溝部132によって捕捉され、これによってスプール130が回されるときに、レース131がレース凹部135の中のスプール130の本体部の上に回転させられるようになっている。
【0039】
レーシング・エンジン10の断面によって図示されているように、スプール130は、スプール軸133を含み、スプール軸133は、Oリング138を通り抜けた後に、ウォーム・ギヤ150と連結する。この例では、スプール軸133は、接続ピン134を介して、ウォーム・ギヤに連結されている。いくつかの例では、接続ピン134は、スプール軸133から1つの軸線方向だけに延在しており、また、ウォーム・ギヤ150の方向が逆にされるときに、接続ピン134が接触される前に、ウォーム・ギヤ150のほとんど完全な回転を可能にするように、ウォーム・ギヤの上のキーによって接触されている。また、クラッチ・システムは、スプール130をウォーム・ギヤ150に連結するように実装され得る。そのような例では、クラッチ機構は、レースを緩める(弛緩させる)ときにスプール130が自由に回ることを可能にするように作動させられ得る。接続ピン134がスプール軸133から1つの軸線方向だけに延在している例では、スプールは、ウォーム・ギヤ150が逆転駆動されている間に、弛緩プロセスの初期の作動のときに自由に移動することを許容される。弛緩プロセスの初期部分の間にスプール130が自由に移動することを可能にすることは、レース131のもつれを防止することを支援する。その理由は、それが、ユーザがフットウェアを緩め始めるための時間を提供し、次にそれによって、ウォーム・ギヤ150によって駆動される前にレース131を緩める方向に張力を与えることとなるからである。
【0040】
図2Gは、例示的な実施形態に係るレーシング・エンジン10の別の断面説明図である。
図2Gは、
図2Fと比較して、レーシング・エンジン10のより内側の断面を図示しており、それは、回路基板160、ワイヤレス充電インターコネクト165、およびワイヤレス充電コイル166などのような、追加的な構成要素を図示している。また、
図2Gは、スプール130およびレース131のインターフェースを取り囲む追加的な詳細を示すために使用される。
【0041】
図2Hは、例示的な実施形態に係るレーシング・エンジン10の上面図である。
図2Hは、グリース隔離壁109を強調しており、また、どのようにグリース隔離壁109が、スプール130、ウォーム・ギヤ150、ウォーム駆動部140、およびギヤ・ボックス145を含む、駆動機構の特定の部分を取り囲むかということを図示している。特定の例では、グリース隔離壁109は、ウォーム駆動部140をギヤ・ボックス145から分離している。また、
図2Hは、スプール130とレース・ケーブル131との間のインターフェースの上面図を提供しており、レース・ケーブル131が、スプール130の中のレース溝部132を通って内外方向に走っている。
【0042】
図2Iは、例示的な実施形態に係るレーシング・エンジン10のウォーム・ギヤ150およびインデックス・ホイール15の一部分の上面の説明図である。インデックス・ホイール151は、腕時計製造およびフィルム映写機において使用される周知のジェネバ・ホイールに関するバリエーションである。典型的なジェネバ・ホイールまたは駆動機構は、たとえば、フィルム映写機において必要とされるように、または、腕時計の秒針を断続的に移動させるために、連続的な回転移動を断続的な運動に変換する方法を提供する。腕時計メーカは、機械的な腕時計スプリングの巻き過ぎを防止するために、異なるタイプのジェネバ・ホイールを使用したが、欠けているスロットを備えたジェネバ・ホイール(たとえば、ジェネバ・スロット157のうちの1つが欠けていることとなる)を使用している。欠けているスロットは、ジェネバ・ホイールのさらなる割り出しを防止することとなり、それは、スプリングを巻くことの原因であり、巻き過ぎを防止する。図示されている例では、レーシング・エンジン10は、ジェネバ・ホイールについてのバリエーション、インデキシング・ホイール151を含み、インデキシング・ホイール151は、ホームに復帰する動作において停止機構として作用する小さい停止歯156を含む。
図2J~
図2Mに図示されているように、標準的なジェネバ歯155は、インデックス歯152がジェネバ歯155のうちの1つの隣のジェネバ・スロット157に係合しているときに、ウォーム・ギヤ150のそれぞれの回転に関して単純に割り出しする。しかし、インデックス歯152が停止歯156の隣のジェネバ・スロット157に係合しているときに、より大きい力が発生させられ、それは、ホームに復帰する動作において駆動機構を失速させるために使用され得る。停止歯156は、モータ・エンコーダ146などのような、他の位置決め情報の喪失の場合にホームに復帰するための機構の公知の場所を生成させるために使用され得る。
【0043】
図2J~
図2Mは、例示的な実施形態に係るインデックス動作を通して移動するウォーム・ギヤ150およびインデックス・ホイール151の説明図である。上記に議論されているように、これらの図は、
図2Jから始めて
図2Mにわたって、ウォーム・ギヤ150の単一の全回転の間に何が起こるかということを図示している。
図2Jでは、ウォーム・ギヤ150のインデックス歯153は、ジェネバ歯155の第1のジェネバ歯155aと停止歯156との間で、ジェネバ・スロット157の中に係合されている。
図2Kは、第1のインデックス位置にあるインデックス・ホイール151を図示しており、ウォーム・ギヤ150によってインデックス歯153がその回転を開始するときに、第1のインデックス位置が維持される。
図2Lでは、インデックス歯153は、第1のジェネバ歯155aの反対側のジェネバ・スロット157に係合し始めている。最後に、
図2Mでは、インデックス歯153は、第1のジェネバ歯155aと第2のジェネバ歯155bとの間のジェネバ・スロット157の中に完全に係合されている。
図2J~
図2Mに示されているプロセスは、インデックス歯153が停止歯156に係合するまで、ウォーム・ギヤ150のそれぞれの回転を続ける。上記に議論されているように、インデックス歯153が停止歯156に係合するときに、増加した力が、駆動機構を失速させることが可能である。
【0044】
図2Nは、例示的な実施形態に係るレーシング・エンジン10の分解図である。レーシング・エンジン10の分解図は、どのようにすべてのさまざまな構成要素が組み合わさるかということの説明図を提供する。
図2Nは、上下逆さまにレーシング・エンジン10を示しており、底部104は、ページの上部にあり、頂部102は、底辺の近くにある。この例では、ワイヤレス充電コイル166が、底部104の外側(下)に付着されているとして示されている。また、この分解図は、どのようにウォーム駆動部140が、ブッシング141、駆動軸143、ギヤ・ボックス144、およびギヤ・モータ145とともに組み立てられるかということの良好な説明図を提供する。この説明図は、ウォーム駆動部140の第1の端部においてウォーム駆動キー142の中に受け入れられる駆動軸ピンを含まない。上記に議論されているように、ウォーム駆動部140は、駆動軸143上をスライドし、ウォーム駆動キー142の中の駆動軸ピンに係合し、ウォーム駆動キー142は、本質的に、ウォーム駆動部140の第1の端部において駆動軸143に対して横断方向に走るスロットである。
【0045】
図3A~3Dは、ある例示的な実施形態による、電動紐締めエンジンと連通するためのアクチュエータ30を説明する略図と図面である。この例では、アクチュエータ30は、ブリッジ310、光導体320、後部アーム330、中央アーム332、および前部アーム334などのような、特徴を含む。また、
図3Aは、複数のLED340(LED340としても表される)、ボタン121、およびスイッチ122などのような、レーシング・エンジン10の関連の特徴を図示している。この例では、後部アーム330および前部アーム334は、それぞれ、ボタン121を通してスイッチ122のうちの1つを別々に作動させることが可能である。また、アクチュエータ30は、リセットまたは他の機能のようなものに関して、両方のスイッチ122の作動を同時に可能にするように設計されている。アクチュエータ30の主要機能は、締め付けるコマンドおよび緩めるコマンドをレーシング・エンジン10に提供することである。また、アクチュエータ30は、光導体320を含み、光導体320は、LED340からフットウェア・プラットフォームの外部部分(たとえば、アウトソール60)のある外に光を導く。光導体320は、複数の個々のLED源からの光を分散させ、アクチュエータ30の面にわたって均一にするように構造化されている。
【0046】
この例では、アクチュエータ30のアーム、すなわち、後部アーム330および前部アーム334は、スイッチ122の過剰作動を防止するためにフランジを含み、フットウェア・プラットフォームの側部への衝撃に対する安全の対策を提供する。また、大きい中央アーム332は、ボタン121に対するこれらの荷重の伝達を可能にする代わりに、レーシング・エンジン10の側部に対する衝撃荷重を担うように設計されている。
【0047】
図3Bは、アクチュエータ30の側面図を提供しており、それは、前部アーム334の例示的な構造体、および、ボタン121との係合をさらに図示している。
図3Cは、アクチュエータ30の追加的な上面図であり、後部アーム330および前部アーム334を通る作動経路を図示している。また、
図3Cは、断面線A-Aを示しており、それは、
図3Dに図示されている断面に対応している。
図3Dでは、アクチュエータ30は、透過光345が点線で示されている状態で、断面で図示されている。光導体320は、LED340からの透過光345のための伝送媒体を提供する。また、
図3Dは、アクチュエータ・カバー610および隆起したアクチュエータ・インターフェース615などのような、アウトソール60の態様を図示している。
【0048】
図4A~
図4Dは、いくつかの例示的な実施形態に係るレーシング・エンジン10を保持するためのミッドソール・プレート40を示す説明図および図面である。この例では、ミッドソール・プレート40は、レーシング・エンジン用空洞部410、内側レース・ガイド420、外側レース・ガイド421、蓋スロット430、前部フランジ440、後部フランジ450、上面460、下面470、およびアクチュエータ用切欠部480などのような、特徴を含む。レーシング・エンジン用空洞部410は、レーシング・エンジン10を受け入れるように設計されている。この例では、レーシング・エンジン用空洞部410は、横方向および前後方向にレーシング・エンジン10を保つが、レーシング・エンジン10をポケットの中へロックするための任意の作り付けの特徴を含まない。任意に、レーシング・エンジン用空洞部410は、レーシング・エンジン10をレーシング・エンジン用空洞部410の中に確実に保つことができる1つまたは複数の側壁に沿った、戻止部、タブ、または、同様の機械的な特徴を含むことが可能である。
【0049】
内側レース・ガイド420および外側レース・ガイド421は、レース・エンジン・ポケット410の中へ、および、レーシング・エンジン10(存在するとき)の上方へ、レース・ケーブルをガイドするのを支援する。内側の/外側レース・ガイド420,421は、面取りされた縁部、および、下方に傾斜した複数の傾斜路を含み、レース・ケーブルをレーシング・エンジン10の上方の所望の位置へガイドするのを支援することが可能である。この例では、内側/外側レース・ガイド420,421は、ミッドソール・プレート40の側部の中に開口部を含み、それらは、典型的なレーシング・ケーブルの直径よりも何倍も幅が広くなっており、他の例では、内側/外側レース・ガイド420,421のための開口部は、レーシング・ケーブルの直径よりも2、3倍だけ幅が広くなっていることも可能である。
【0050】
この例では、ミッドソール・プレート40は、彫られたまたは輪郭付けされた前部フランジ440を含み、前部フランジ440は、ミッドソール・プレート40の内側においてはるかに遠くへ延在している。例示的な前部フランジ440は、フットウェア・プラットフォームのアーチの下に追加的なサポートを提供するように設計されている。しかし、他の例では、前部フランジ440は、内側において、より顕著でなくてもよい。この例では、後部フランジ450は、また、内側および外側の両方において、拡張された部分を備えた特定の輪郭を含む。図示されている後部フランジ450の形状は、レーシング・エンジン10に関して、外側の安定性の強化を提供する。
【0051】
図4B~
図4Dは、レーシング・エンジン10を保つために、および、レース・ケーブル131を捕獲するために、ミッドソール・プレート40の中へ蓋20を挿入することを図示している。この例では、蓋20は、ラッチ210、蓋レース・ガイド220、蓋スプール凹部230、および蓋クリップ240などのような、特徴を含む。蓋レース・ガイド220は、内側および外側の両方の蓋レース・ガイド220を含むことが可能である。蓋レース・ガイド220は、レーシング・エンジン10の適正な部分を通るレース・ケーブル131の配列を維持するのを支援する。また、蓋クリップ240は、内側および外側の両方の蓋クリップ240を含むことが可能である。蓋クリップ240は、ミッドソール・プレート40への蓋20の取り付けのための枢動点を提供する。
図4Bに図示されているように、蓋20は、ミッドソール・プレート40の中へ真っ直ぐ下へ挿入され、蓋クリップ240が、蓋スロット430を介してミッドソール・プレート40に進入する。
【0052】
図4Cに図示されているように、蓋クリップ240が蓋スロット430を通して挿入されると、蓋20は、前側に移動され、蓋クリップ240のミッドソール・プレート40との係合が解除されないように保つ。
図4Dは、ラッチ210とミッドソール・プレート40の中の蓋ラッチ凹部490との係合によってレーシング・エンジン10およびレース・ケーブル131を固定するための、蓋クリップ240の周りの蓋20の回転または枢動を図示している。蓋20は、適切な位置に止められると、レーシング・エンジン10をミッドソール・プレート40の中に固定する。
【0053】
図5A~
図5Dは、いくつかの例示的な実施形態に係るレーシング・エンジン10および関連の構成要素を収容するように構成されている、ミッドソール50およびアウトソール60を示す説明図および図面である。ミッドソール50は、任意の適切なフットウェア材料から形成され得、また、ミッドソール・プレート40および関連の構成要素を収容するためにさまざまな特徴を含む。この例では、ミッドソール50は、プレート凹部510、前部フランジ凹部520、後部フランジ凹部530、アクチュエータ開口部540、およびアクチュエータ・カバー凹部550などのような、特徴を含む。プレート凹部510は、ミッドソール・プレート40の対応する特徴にマッチするように、さまざまな切欠部および同様の特徴を含む。アクチュエータ開口部540は、フットウェア・プラットフォーム1の外側からのアクチュエータ30へのアクセスを提供するようにサイズ決めおよび位置決めされている。アクチュエータ・カバー凹部550は、ミッドソール50の凹んだ部分であり、その凹んだ部分は、
図5Bおよび
図5Cに図示されているように、アクチュエータ30を保護するための、ならびに、レーシング・エンジン10に対する主要ユーザ・インターフェースに関して特定の触感および視覚的な見た目を提供するための、成形されたカバーを収容するように適合されている。
【0054】
図5Bおよび
図5Cは、例示的な実施形態に係るミッドソール50およびアウトソール60の部分を図示している。
図5Bは、例示的なアクチュエータ・カバー610および隆起したアクチュエータ・インターフェース615の説明図を含み、隆起したアクチュエータ・インターフェース615は、アクチュエータ・カバー610の中へ成形されているか、またはその他の方法で形成されている。
図5Cは、アクチュエータ30の光導体320部分を通してアウトソール60へ透過される光の部分を分散させるための水平方向のストリッピングを含む、アクチュエータ610および隆起したアクチュエータ・インターフェース615の追加的な例を図示している。
【0055】
図5Dは、ミッドソール50の上のアクチュエータ・カバー凹部550をさらに図示しており、また、アクチュエータ・カバー610を適用する前の、アクチュエータ開口部540の中へのアクチュエータ30の位置決めをさらに図示している。この例では、アクチュエータ・カバー凹部550は、アクチュエータ・カバー610をミッドソール50およびアウトソール60に付着させるために、接着剤を受け入れるように設計されている。
【0056】
図6A~6Dは、幾つかの例示的な実施形態による、電動紐締めエンジン10を含む履物アセンブリ1の図である。この例において、
図6A~6Cは、紐締めエンジン10と、ミッドソールプレート40と、ミッドソール50と、アウトソール60と、を含む組み立てられた自動履物プラットフォーム1の透視による例を描いている。
図6Aは、自動化されたフットウェア・プラットフォーム1の外側の側面図である。
図6Bは、自動化されたフットウェア・プラットフォーム1の内側の側面図である。
図6Cは、アッパー部分が取り外された状態の、自動化されたフットウェア・プラットフォーム1の上面図である。上面図は、レーシング・エンジン10、蓋20、アクチュエータ30、ミッドソール・プレート40、ミッドソール50、およびアウトソール60の相対的な位置決めを実証している。この例では、上面図は、また、スプール130、内側レース・ガイド420、外側レース・ガイド421、前部フランジ440、後部フランジ450、アクチュエータ・カバー610、および隆起したアクチュエータ・インターフェース615を図示している。
【0057】
図6Dは、いくつかの例示的な実施形態に係る例示的なレーシング構成を図示するアッパー70の上面を示す説明図である。この例では、アッパー70は、レース131およびレーシング・エンジン10に加えて、外側レース固定部71、内側レース固定部72、外側レース・ガイド73、内側レース・ガイド74、およびブリオ(brio)・ケーブル75を含む。
図6Dに図示されている例は、連続的な編織物のアッパー70を含み、斜めのレースパターンは、重複していない内側および外側のレース経路を伴っている。レース経路は、外側レース固定部において開始し、複数の外側レース・ガイド73を通り、レーシング・エンジン10の上を通り、複数の内側レース・ガイド74を通り、内側レース固定部72に戻るように生成されている。この例では、レース131は、外側レース固定部71から内側レース固定部72への連続的なループを形成している。内側から外側への締め付けは、この例では、ブリオ・ケーブル75を通して伝達される。他の例では、レース経路は、アッパー70を横切って内外方向に締め付け力を伝達するために、十字になっているか、または、追加的な特徴を組み込むことが可能である。付加的に、連続的なレース・ループ概念は、中央の(内側の)ギャップを備えたより従来的なアッパーの中へ組み込まれ得、レース131は、中央のギャップを横切って、行ったり来たり十字になっている。
【0058】
組立プロセス
図7は、いくつかの例示的な実施形態に係るレーシング・エンジン10を含む自動化されたフットウェア・プラットフォーム1の組み立てのためのフットウェア組み立てプロセスを図示するフローチャートである。この例では、組み立てプロセスは、710においてアウトソール/ミッドソール組立体を取得する工程と、720においてミッドソール・プレートを挿入および付着する工程と、730においてレース付きのアッパーを取り付ける工程と、740においてアクチュエータを挿入する工程と、任意に、745において組立部品を小売店に出荷する工程と、750においてレーシング・エンジンを選択する工程と、760においてレーシング・エンジンをミッドソール・プレートの中へ挿入する工程と、770においてレーシング・エンジンを固定する工程などのような、動作を含む。さらに詳細に下記に説明されているプロセス700は、説明されているプロセス動作のうちのいくつかまたはすべてを含むことが可能であり、また、プロセス動作のうちの少なくともいくつかは、さまざまな場所(たとえば、小売店と対比して製造工場)において起こることが可能である。特定の例では、プロセス700を参照して議論されているプロセス動作のすべては、製造場所の中で完了され得、完了した自動化されたフットウェア・プラットフォームは、消費者へ、または、購入のための小売場所へ、直接的に送達される。
【0059】
この例では、プロセス700は、710において、アウトソールおよびミッドソール組立体、たとえば、アウトソール60に付着されたミッドソール50を取得することから始まる。ミッドソール50は、プロセス700の間または前に、アウトソール60に付着され得る。720において、プロセス700は、ミッドソール・プレート、たとえば、ミッドソール・プレート40などを、プレート凹部510の中へ挿入することを続け、いくつかの例では、ミッドソール・プレート40は、下面の上に接着剤の層を含み、ミッドソール・プレートをミッドソールの中へ付着させる。他の例では、接着剤は、ミッドソール・プレートの挿入の前に、ミッドソールに塗布される。さらなる他の例では、ミッドソールは、ミッドソール・プレートとの締り嵌めによって設計されており、それは、自動化されたフットウェア・プラットフォームの2つの構成要素を固定するために接着剤を必要としない。
【0060】
730において、プロセス700は、自動化されたフットウェア・プラットフォームのレース付きのアッパー部分がミッドソールに取り付けられることを続ける。レース付きのアッパー部分の取り付けは、任意の公知のフットウェア製造プロセスを通して行われ、レーシング・エンジン10などのようなレーシング・エンジンとのその後の係合のために、ミッドソール・プレートの中への下側レース・ループの位置決めを伴う。たとえば、ミッドソール・プレート40が挿入されている状態でレース付きのアッパーをミッドソール50に取り付けると、下側レース・ループが、内側レース・ガイド420および外側レース・ガイド421と整合するように位置決めされ、それらは、組み立てプロセスにおいて後に挿入されるときに、レーシング・エンジン10と係合するようにレース・ループを適正に位置決めする。アッパー部分の組み立てが、
図8A及び
図8Bを参照してより詳細に以下に議論されている。
【0061】
740において、プロセス700は、アクチュエータ30などのようなアクチュエータをミッドソール・プレートの中へ挿入することを続ける。任意に、アクチュエータの挿入は、動作730におけるアッパー部分の取り付けの前に行われ得る。例では、ミッドソール・プレート40のアクチュエータ用切欠部480の中へのアクチュエータ30の挿入は、アクチュエータ30とアクチュエータ用切欠部480との間のスナップ・フィットを伴う。任意に、プロセス700は、745において、自動化されたフットウェア・プラットフォームの組立部品を小売場所または同様の販売場所へ出荷することを続ける。プロセス700の中の残りの動作は、特別なツールまたは材料なしで実施され得、それは、自動化されたフットウェアの組立部品およびレーシング・エンジン・オプションのあらゆる組み合わせを製造して目録を作る必要なしに、小売段階で販売される製品のフレキシブルなカスタマイズを可能にする。
【0062】
750において、プロセス700は、レーシング・エンジンの選択を続け、それは、1つだけのレーシング・エンジンが利用可能であるケースでは、任意の動作である場合がある。例では、レーシング・エンジン10(電動式レーシング・エンジン)が、動作710~740から組立部品の中への組み立てのために選ばれる。しかし、上述のように、自動化されたフットウェア・プラットフォームは、完全に自動的な電動式レーシング・エンジンから人力手動で作動させられるレーシング・エンジンまで、さまざまなタイプのレーシング・エンジンを収容するように設計されている。動作710~740において築かれる組立部品は、アウトソール60、ミッドソール50、およびミッドソール・プレート40などのような構成要素とともに、モジュール式のプラットフォームを提供し、幅広い範囲の任意の自動化に係る構成要素を収容する。
【0063】
760において、プロセス700は、選択されたレーシング・エンジンをミッドソール・プレートの中へ挿入することを続ける。たとえば、レーシング・エンジン10は、レーシング・エンジン用空洞部410を通って走るレース・ループの下にレーシング・エンジン10が滑り込まされた状態で、ミッドソール・プレート40の中へ挿入され得る。レーシング・エンジン10が適切な場所にある状態で、および、レーシング・エンジンのスプール、たとえば、スプール130などの中にレース・ケーブルが係合されている状態で、蓋(または、同様の構成要素)が、ミッドソール・プレートの中へ据え付けられ、レーシング・エンジン10およびレースを固定することが可能である。レーシング・エンジン10を固定するために蓋20をミッドソール・プレート40の中へ据え付けることの例が、
図4B~
図4Dに図示され、上記に議論されている。蓋がレーシング・エンジンの上に固定された状態で、自動化されたフットウェア・プラットフォームは完成しており、活動的な使用の準備ができている。
【0064】
図8A及び
図8Bは、いくつかの例示的な実施形態に係るミッドソールへの組み立ての準備のためのフットウェア・アッパーの組み立てのための組み立てプロセス800を概して示すフローチャートを含む。
【0065】
図8Aは、上記に議論されているプロセス700などのような、自動化されたフットウェア・プラットフォームの中への最終的な組み立てのために、フットウェア組立体のレース付きのアッパー部分を組み立てる一連の組み立て動作を視覚的に示している。
図8Aに図示されているプロセス800は、動作1から開始し、それは、編物のアッパーおよびレース(レース・ケーブル)を取得する工程を伴う。次に、編物のアッパーの第1の半分に、レースが付けられる。この例では、アッパーにレースを通す工程は、レース・ケーブルを複数のレース穴に通す工程、および、アッパーの前部に一方の端部を固定する工程を伴う。次に、レース・ケーブルは、アッパーを支持する治具の下を通って、反対側に取り回される。次いで、動作2.6において、治具の周りにレースの下側ループを維持しながら、アッパーの他方の半分にレースが付けられる。2.7において、レースは、固定および切り落とされ、3.0において、治具が取り外され、下側レース・ループがアッパー部分の下にある状態で、レース付きの編物のアッパーを残す。
【0066】
図8Bは、フットウェア・アッパーの組み立てのためのプロセス800の別の例を図示するフローチャートである。この例では、プロセス800は、810においてアッパーおよびレース・ケーブルを取得する工程と、820においてアッパーの第1の半分にレースを通す工程と、830においてレース治具の下にレースを通す工程と、840においてアッパーの第2の半分にレースを通す工程と、850においてレーシングを締め付ける工程と、860においてアッパーを完成させる工程と、870においてレース治具を取り外す工程などのような動作を含む。
【0067】
プロセス800は、810において、組立体になるように、アッパーおよびレース・ケーブルを取得することによって始まる。アッパーを取得することは、プロセス800の他の動作を通して使用されるレース治具の上にアッパーを設置することを含むことが可能である。820において、プロセス800は、アッパーの第1の半分にレース・ケーブルを通すことによって続く。レーシング動作は、アッパーの中に埋め込まれている一連のレース穴または同様の特徴にレース・ケーブルを通すことを含むことが可能である。また、820におけるレーシング動作は、レース・ケーブルの一方の端部をアッパーの一部分に固定することを含むことが可能である。レース・ケーブルを固定することは、レース・ケーブルの第1の端部をアッパーの固定部分に縫い付けること、結んで留めること、または、その他の方法で終端させることを含むことが可能である。
【0068】
830において、プロセス800は、アッパーの下に、および、レース治具の周りに、レース・ケーブルの自由端部を通すことを続ける。この例では、レース治具は、アッパーがミッドソール/アウトソール組立体と接合された後に、レーシング・エンジンとの最終的な係合のために、アッパーの下に適正なレース・ループを生成させるために使用される(上記の
図7の議論を参照)。レース治具は、溝部または同様の特徴を含み、プロセス800の続いて起こる動作の間にレース・ケーブルを少なくとも部分的に保つことが可能である。
【0069】
840において、プロセス800は、レース・ケーブルの自由端部によって、アッパーの第2の半分にレースを通す。第2の半分にレースを通すことは、アッパーの第2の半分の上の第2の一連のレース穴または同様の特徴にレース・ケーブルを通すことを含むことが可能である。850において、プロセス800は、下側レース・ループがレーシング・エンジンとの適正な係合のために適正に形成されることを保証するために、さまざまなレース穴を通して、レース治具の周りに、レース・ケーブルを締め付ける。レース治具は、適正なレース・ループ長さを取得するのを支援し、異なるレース治具は、フットウェアの異なるサイズまたはスタイルに関して使用され得る。レーシング・プロセスは、860においてレース・ケーブルの自由端部がアッパーの第2の半分に固定されることによって完成される。また、アッパーの完成は、追加的な切り落とし動作または縫合動作を含むことが可能である。最後に、870において、プロセス800は、レース治具からのアッパーの取り外しによって完了する。
【0070】
図9は、いくつかの例示的な実施形態に係るレーシング・エンジンのスプールの中にレースを固定するための機構を図示する図面である。この例では、レーシング・エンジン10のスプール130は、レース溝部132の中にレース・ケーブル131を受け入れる。
図9は、フェルールを備えたレース・ケーブル、および、フェルールを受け入れるための凹部を含むレース溝部を備えたスプールを含む。この例では、フェルールは、凹部の中へスナップ(たとえば、締り嵌め)し、レース・ケーブルをスプールの中に保つのを支援する。他の例示的なスプール、たとえば、スプール130などは、凹部を含まず、自動化されたフットウェア・プラットフォームの他の構成要素が、スプールのレース溝部の中にレース・ケーブルを保つために使用される。
【0071】
図10Aは、幾つかの例示的な実施形態による、履物用電動紐締めシステムの構成要素を示すブロック図である。システム1000は電動紐締めシステムの基本的な構成要素を示しており、これには例えばインタフェースボタン、足存在センサ、プロセッサ回路を備えるプリント回路基板アセンブリ(PCA)、バッテリ、充電コイル、エンコーダ、モータ、トランスミッション、及びスプールが含まれる。この例において、インタフェースボタンと足存在センサは回路基板(PCA)と連通し、これはまたバッテリ及び充電コイルとも連通する。エンコーダとモータはまた、回路基板と、及び相互に接続される。トランスミッションはモータをスプールに連結して、駆動機構を形成する。
【0072】
ある例において、プロセッサ回路は駆動機構の1つ又は複数の点を制御する。例えば、プロセッサ回路は、ボタンから、及び/又は足存在センサから、及び/又はバッテリから、及び/又は駆動機構から、及び/又はエンコーダから情報を受け取るように構成でき、さらに、駆動機構に命令を発行して、例えば、他の事柄のほかに、履物をきつくし、もしくは緩め、又はセンサ情報を取得もしくは記録するように構成できる。
【0073】
図10Bは、方法1001のある例を概して示し、これは足存在センサからの情報を使って駆動機構を作動させるステップを含むことができる。1010で、この例は足存在センサから足存在情報を受け取るステップを含む。足存在情報は、足があるかないかに関する二値情報を含むことができ、又は足が履物製品の中にある可能性の表示を含むことができる。情報は、センサからプロセッサ回路に供給される電気信号を含むことができる。ある例において、足存在情報は、履物内の1つ又は複数のセンサに関する足の位置についての定性的情報を含む。
【0074】
1020で、この例は足が履物の中に完全に位置付けられたか否かを特定するステップを含む。センサ信号が足は完全に位置付けられたことを示している場合、この例は1030で、靴紐駆動機構を作動させることにより継続できる。例えば、足が完全に位置付けられると、前述のように、靴紐駆動機構は係合し、スプール機構を介して履物紐をきつくすることができる。センサ信号が足は完全に位置付けられていないことを示している場合、この例は1022で、ある指定された間隔(例えば、1~2秒間又はそれ以上)にわたり遅延又は待機することによって継続できる。遅延時間が経過すると、例は動作1010に戻ることができ、プロセッサ回路は足存在センサからの情報を再サンプリングして、足が完全に位置付けられたか否かを再び特定することができる。
【0075】
靴紐駆動機構が1030で作動されると、プロセッサ回路は動作1040で足位置情報をモニタするように構成できる。例えば、プロセッサ回路は、履物内での足の絶対的又は相対的位置に関する足存在センサからの情報を定期的又は間欠的にモニタするように構成できる。ある例において、1040での足位置情報のモニタと1010での足存在情報の受信は、同じ又は異なる足位置センサからの情報の受信を含むことができる。1040で、この例は履物に関連する1つ又は複数のボタンからの情報をモニタすることを含み、例えば、使用者が履物を脱ぎたいとき等に、靴紐を解放する(緩める)ための使用者の命令を示すことができる。ある例において、靴紐張力情報を追加的又は代替的に、駆動モータを作動させる、又は靴紐を引っ張るためのフィードバック情報としてモニタ又は使用できる。例えば、靴紐張力情報は、駆動モータ電流を測定することによってモニタできる。張力は、工場で特徴付け、又は使用者により事前設定でき、モニタ又は測定された駆動モータ電流レベルに相関させることができる。
【0076】
1050で、この例は、履物の中で足位置が変化したか否かを特定することを含む。プロセッサ回路により、例えば1つ又は複数の足存在センサからの足存在信号を分析することによって、足位置の変化が検出されない場合、この例は遅延1052で継続できる。指定された遅延間隔の後、この例は1040に戻り、足存在センサからの情報を再びサンプリングして、足位置が変化したか否かを再び特定できる。遅延1052は、数ミリ秒から数秒の範囲とすることができ、任意選択により、使用者が指定できる。
【0077】
ある例において、遅延1052は、例えば履物の使用の特徴を特定したことに応答して、プロセッサ回路により自動的に特定できる。例えば、プロセッサ回路が、着用者は激しい活動(例えば、走る、ジャンプする等)に従事していると特定した場合、プロセッサ回路は遅延1052を短縮できる。プロセッサ回路が、着用者は激しくない活動(例えば、歩く、座っている)に従事していると特定した場合、プロセッサは例えばセンササンプリングイベントを遅らせることによってバッテリの寿命を延ばすために、遅延1052を延長できる。ある例において、1050で位置変化が検出された場合、この例は動作1030に戻り、例えば靴紐駆動機構を作動させ、例えば履物の靴紐をきつくする、又は緩めることにより継続できる。ある例において、プロセッサ回路は、不要な靴紐の巻き取りの回避に役立つ駆動機構のための履歴コントローラを含むか内蔵する。
【0078】
モータ制御手順
図11A~11Dは、幾つかの例示的な実施形態による電動紐締めエンジンのためのモータ制御手順1100を説明する図である。この例において、モータ制御手順1100は、全体の移動を靴紐の緊張度という点でセグメントに分割することを含み、このセグメントは靴紐移動の連続(例えば、一方の端の原点/弛緩位置と他方の端の最大きつさの間)における位置に基づいて大きさが異なる。モータが、ラジアル・スプールを制御しており、モータ軸の上のラジアル・エンコーダを介して主に制御されることとなるので、セグメントは、スプール・トラベルの角度の観点からサイズ決めされ得る(それは、エンコーダ・カウントの観点から見ることも可能である)。連続体の「緩い」側において、セグメントは、たとえば、10度のスプール・トラベルなど、より大きくなっていることが可能である。その理由は、レース移動の量が、重要ではないからである。しかし、レースが締め付けられるにつれて、レース・トラベルのそれぞれのインクリメントが、所望の量のレース締め付けを取得するためにますます重要になる。モータ電流などのような、他のパラメータが、レース締め付けまたは連続体位置の二次的な対策として使用され得る。
図11Aは、締め付け連続体に沿った位置に基づいて、異なるセグメント・サイズの説明図を含む。
【0079】
図11Bは、きつさの連続の中の位置を使って、きつさの連続の中の現在の位置と所望の端の位置に基づいて、モーションプロファイルの表を作成することを示している。すると、モーションプロファイルは、使用者用入力ボタンから具体的な入力に変換できる。モーションプロファイルはスプールの動きのパラメータ、例えば加速度(Accel(deg/s/s))、速度(Vel(deg/s))、減速度(Dec(deg/s/s))、及び移動角度(Angle(deg))を含む。
図11Cは、速度対時間のグラフ上でプロットされた例示的なモーションプロファイルを示す。
【0080】
図11Dは、きつさの連続に沿った各種のモーションプロファイルを作動させるための例示的な使用者入力を示す図である。
絡まり防止ボックス靴紐通路の形状
図12Aは、幾つかの例示的な実施形態による、絡まり防止紐締め通路1110を有する電動紐締めシステム1101の斜視図による説明である。
図12Bは、
図12Aの電動紐締めシステム1101の上面図であり、モジュール式スプール1130の中に延び、筐体構造1105を通る紐締め通路1110と整列する巻き取り通路1132を示す。前述のスプール130と同様に、モジュール式スプール1130は、モジュール式スプール1130が履物製品のアッパで靴紐131を締め上げるように巻かれたときの靴紐又はケーブル131等(
図2F)等の靴紐の保管位置を提供する。モジュール式スプール1130は、上板1131及び下板1134等、各種の構成要素から組み立てることができる。
【0081】
モジュール式スプール1130は、紐締め通路1110のスプール凹部1115の中に位置付けることができる。紐締め通路1110は、靴紐131の筐体構造1105からの巻き取り又は巻き出しにおけるモジュール式スプール1130の性能を最適化又は改善するような形状とされる。特に、後述のように、紐締め通路1110は靴紐通路移行部1114、並びに靴紐131がスプール凹部1115の中で、例えば鳥の巣状に詰まらないようにするのを助けることのできる、その他の形状、配列、及び表面を含むことができる。靴紐通路移行部1114は、靴紐131を圧縮する、又は絡める必要なく、靴紐131を保管するのに十分な容積の紐締め通路1110を提供できる。
【0082】
ある例示的な紐締めエンジン1101は、筐体構造1105の上側構成要素1102及び下側構成要素1104、止めねじ1108、紐締め通路1110(靴紐案内窪み1110とも呼ばれる)、靴紐通路壁1112、靴紐通路移行部1114、スプール凹部1115、ボタン開口1120、ボタン1121、ボタンメンブレンシール1124、プログラミングヘッダ1128、モジュール式スプール1130、及び巻き取り通路(靴紐溝)1132を含むことができる。
【0083】
筐体構造1105は、例えば、本明細書に記載されているように、履物製品のソールに挿入するための小型の紐締めエンジンを提供するように構成される。止めねじ1108を使って上側構成要素1102と下側構成要素1104とを係合状態に保持することができる。上側構成要素1102と下側構成要素1104とが一緒に、電動紐締めシステム1101の構成要素、例えばモジュール式スプール1130及びウォームドライブ1140の構成要素(
図12C)等を設置するための内部空間を提供する。靴紐通路壁1112は、靴紐131を筐体構造1105の中に、及びそこから案内するような形状とすることができ、靴紐通路移行部1114は、靴紐をモジュール式スプール1130の中に、及びそこから案内する形状とすることができる。ある例において、靴紐通路壁1112は紐締め通路1110の主軸に略平行に延び、その一方で、靴紐通路移行部1114は、紐締め通路壁1112及びスプール凹部1115との間に延びる間に、靴紐通路1110の主軸に斜めに延びる。スプール凹部1115は、モジュール式スプール1130を受けるための部分的に円筒形のソケットを含むことができる。
【0084】
靴紐131(
図2F)は、紐締め通路1110及び巻き取り通路1132を横切って延びるように位置付けることができる。モジュール式スプール1130がウォームドライブ1140により回転させられると、靴紐131は上板1131と下板1134との間でドラム1135の周囲に巻き取られる(
図15Bにおいて、より明瞭に示されている)。ボタン1121は、ボタン開口1120を通って延び、ウォームドライブ1140を作動させてモジュール式スプール1130を時計回り及び反時計回り方向に回転させるために使用できる。プログラミングヘッダ1128は、紐締めエンジン1101の回路基板1160(
図12C)が、例えばボタン1121及びウォームドライブ1140の動作により提供される紐締め動作を特徴付けるために、外部コンピューティングシステムに接続されるようにすることができる。
【0085】
図12Cは、
図12Aの電動紐締めシステム1101の分解図による説明であり、電動紐締めシステム1101の絡まり防止紐締め通路1110に関する各種の構成要素を示す。電動紐締めシステム1101は、筐体構造1105の上側及び下側構成要素1102及び1104(
図12A)、モジュール式スプール1130、ウォームギア1150、インデキシングホイール1151、回路基板1160、バッテリ1170、無線充電コイル1166、ボタンメンブレンシール1124、ボタン1121、及びウォームドライブ1140を含むことができる。
【0086】
筐体構造1105は、上側構成要素1102と下側構成要素1104とを含むことができる。上側構成要素1102は、紐締め通路1110とスプール凹部1115とを含むことができる。モジュール式スプール1130は、上板1131、巻き取り通路1132、スプールシャフト1133、及び下板1134を含むことができる。下側構成要素1104は、ギア受容部1182、シャフトソケット1188、及びホイールポスト1190を含むことができる。
【0087】
ウォームドライブ1140は、ブッシュ1141、キー1142、ドライブシャフト1143、ギアボックス1144、ギアモータ1145、モータエンコーダ1146、及びモータ回路基板1147を含むことができる。ウォームドライブ1140、回路基板1160、無線充電コイル1166、及びバッテリ1170は、本明細書に記載されているウォームドライブ140、回路基板160、無線充電コイル166、及びバッテリ170と同様の方法で動作でき、ここでは簡潔にするためにさらなる説明は行わない。
【0088】
固定具1183は、上板1131を下板1134に固定して、組み立てられたモジュール式スプール1130を形成するために使用できる。シール1138は、組み立てる際に上板1131と下板1134との間に位置付けることができる。モジュール式スプール1130は、スプールシャフト1133がシャフトベアリング1174の中に挿入されるようにスプール凹部1115の中に位置付けることができる。下板1134は、それによって座ぐり穴1178の中に着座するように構成でき、その一方で、上板1131はスプール壁1116から延びるスプールフランジ1172に隣接して位置付けられる。スプールシャフト1133は、シャフトベアリング1174を通って延びることができ、ソケット1152において係合ウォームギア1150を通過して、シャフトソケット1188と係合する。
【0089】
ウォームギア1150は、下側構成要素1104のギア受容部1182の中に位置付けることができる。スプールシャフト1133の先端はソケット1188に挿入できる。インデキシングホイール1151の穴1195は、ホイールポスト1190の周囲に位置付けて、インデキシングホイール1151が部分的にソケット1188の中で回転可能となるようにすることができる。ウォームギア1150がギア受容部1182の中にあり、インデキシングホイール1151がホイールポスト1190上に位置付けられた状態で、インデキシングホイール1151の歯は、本明細書で論じられているように、例えばウォームギア1150の底面上の歯153(
図2I)等の歯と嵌合して、適切なインデキシング動作を提供することができる。それゆえ、ウォームドライブ1140は、例えばスプールシャフト1133がソケット1152に圧力嵌め又はスプライン嵌めにより結合されることによって、スプールシャフト1133を直接回転させるようにウォームギア1150を駆動することができる。前述のように、インデキシングホイール1151は、インデキシング動作によりウォームギア1150が特定の回数だけ回転した後に、ウォームギア1150の回転を停止させるように構成できる。
【0090】
モジュール式スプール1130が紐締め通路1110内の座ぐり穴1178の中に着座すると、モジュール式スプール1130は靴紐空間を画定し、紐締め通路1110は保管空間を画定する。例えば、モジュール式スプール1130は靴紐空間を含むことができ、これは上板1131と下板1134との間の空間によって画定されて、モジュール式スプール1130の中心軸から、そのさらに遠い範囲において、上板1131の外径縁まで延びる。例えば、紐締め通路1110は保管空間を含むことができ、これは靴紐壁移行部1114間の空間により画定され、靴紐通路壁1112と靴紐空間との間に延びる。各種の実施形態において、保管空間は靴紐空間より大きい。
【0091】
図13は、
図12Bの筐体の上面図であり、靴紐通路壁1112により画定される紐締め通路1110の入口と、スプール凹部1115の付近の、靴紐通路移行部1114により画定されるバッファ領域とを示す。
【0092】
上側構成要素1102は、紐締め通路1110、通路壁(入口)1112、通路移行部(解放/バッファ領域)1114、スプール凹部1115のためのスプール壁1116、スプールフランジ1172、シャフトベアリング1174、通路床部1176、床部1177、座ぐり穴1178、及び通路リップ1180を含むことができる。
【0093】
靴紐通路壁1112は、紐締め通路1110により画定される軸Aに垂直に延びる平坦なセグメントを含むことができる。
図13において、軸Aは切断線15-15と一致する。スプール凹部1115は、上側構成要素1102の中の一部円筒形状を含むことができ、これは軸Aに中心を置き、スプール凹部1115の両側の靴紐通路壁1112間の中間に中心を置くことができる。座ぐり穴1178は、円形の形状を含むことができ、スプール凹部1115の中央に置くことができる。シャフトベアリング1174は円形のフランジを含むことができ、スプールシャフト1133はそこを通って延びることができる。シャフトベアリング1174は、座ぐり穴1178内の中央に置くことができる。スプール壁1116は、スプール凹部1115を部分的に取り囲む弧状のセグメントを含むことができる。スプールフランジ1172は、スプール壁1116から(
図13の向きに関して)上方に延びることのできる弧状の本体を含むことができる。ある例において、スプール壁1116及びスプールフランジ1172の各々は、約80度の弧状の距離にわたって延びることができる。
【0094】
通路移行部1114は、通路壁1112とスプール壁1116との間にまっすぐに延びることのできる平坦な壁を含むことができる。図の実施形態において、通路移行部1114は、その先端部において通路壁1112に結合し、それらの間に角度をなす。他の実施形態では、小さい曲面又は半径を通路移行部1114と通路壁1112との間に位置付けることができる。図の実施形態では、通路移行部1114は、その基端部においてスプール壁1116に結合し、それらの間に角度をなす。他の実施形態において、通路移行部1114は線Tにより示されるように、スプール壁1116の曲線の接線とすることができる。このような実施形態において、通路壁1112により形成された入口は使用できるか、又は使用できない。これは、上述の保管空間の容積を最大にするのに役立つことができる。図の実施形態では、通路移行部1114はスプールフランジ1172の内側隅まで延びる。
【0095】
通路床部1176は、通路壁1112と通路リップ1180との間に延びる平らな、又は平坦な表面を含むことができる。床部1177は、一部が紐締め通路1110の中及び一部がスプール凹部1115の中に延びる平らな表面を含むことができる。床部1177は、上側構成要素1102の中で、(
図13の向きに関して)通路床部1176より低くすることができる。通路リップ1180は、通路床部1176と床部1177との間に延びる弧状又は湾曲面を含むことができる。他の例では、通路リップ1180は、通路床部1176と床部1177との間に角度をなす平らな、又は平坦な表面を含むことができる。ある例において、通路リップ1180は均一な断面形状を有することができ、それによって両方の通路移行部1114間のどこにおいてもそれらが同じ曲率を有し、これは
図15Aからわかる。
【0096】
図14Aは、
図13の14A-14Aの断面における絡まり防止紐締め通路1110の側方断面図であり、紐締め通路1110の幅W1を示す。幅W1は、対向する通路壁1112において形成された紐締め通路1110への入口の幅に対応する。図のように、通路壁1112と通路床部1176は平らであり、直線的な入口を形成する。通路壁1112は相互にほぼ平行であり、それと同時に、通路床部1176に対してほぼ垂直である。幅W1は通路壁1112の高さより広くすることができ、幅W1は紐締め通路1110で使用される予定の靴紐(例えば、靴紐131)の断面より数倍大きくすることができる。このようなアスペクト比により、靴紐が上側構成要素1102の中の紐締め通路1110のほぼ中央付近に供給されるようにして、もつれる傾向を低下させることができ、それと同時に、スプール1130の巻き取り通路1132が回転する間に靴紐が左右に移動できるようにすることが可能である。
【0097】
図14Bは、
図13の14B-14BAの断面における絡まり防止紐締め通路1110の側方断面図であり、スプール凹部1115への入口における紐締め通路1110の幅W2を示す。対向する通路移行部1114は、紐締め通路1110内の解放領域を形成することができる。対向する通路移行部1114は相互に対面して概してV字を形成する。通路移行部1114は斜めであり、各通路移行部1114にわたる平面は
図14Bの平面から外に延びる軸に沿って交差する。それゆえ、通路移行部1114は、巻き出し手順中に靴紐131を通路壁1112に向かって徐々に集中させるのと同時に、靴紐131がスプール1130から広がることができるようなスペースも提供することが可能である。前述のように、通路移行部1114はスプールフランジ1172の付近においてスプール壁1116と接触し、縁1184を形成するが、他の実施形態においては、スプール壁1116の接線として、縁1184の代わりにスムーズな移行部となるようにすることができる。通路移行部1114は、通路リップ1180を越えて延びる。通路移行部1114は通路リップ1180より大きくすることができ、それによって通路リップ1180は湾曲した側縁1186を有する。通路移行部1114はスプール凹部1115において座ぐり穴1178付近で終わる。
【0098】
図14Cは、
図13の14C-14Cの断面における絡まり防止紐締め通路1110の側方断面図であり、スプール凹部1115における紐締め通路1110の幅W3を示す。スプール凹部1115の中央で、対向するスプール壁1116は幅W3だけ離間されて、スプール凹部1115を形成する。幅W3は座ぐり穴1178より広く、少なくとも部分的に床部1177を形成することができる。幅W3は、スプール1130の下板1134が着座する座ぐり穴1178より広く、前述の靴紐空間のための追加のスペースを提供することができる。スプールフランジ1172は、モジュール式スプール1130が回転しやすくなるようにするためのクリアランスを提供できる。すなわち、フランジ1172はモジュール式スプール1130を、モジュール式スプール1130及び紐締め通路1110の上方に位置付けられたカバー又は蓋構造、例えば
図1の蓋20からシールドして、カバー又は蓋構造がモジュール式スプール1130の回転を妨害しないようにすることができる。スプールフランジ1172はまた、靴紐131が筐体構造1105内のスペースに入り込むのを防止するリブ又はその他のバリアを含むこともできる。スプールフランジ1172はまた、例えば紐締め通路1110の上方に、ソール構造の要素からのクリアランスを提供することにより、紐締め131への摩擦を軽減させることもできる。
【0099】
図15Aは、絡まり防止紐締め通路1110を通る長さ方向の断面図であり、通路壁1112及びスプール凹部1115における入口間の紐締めチャネル1110の高低を示す。
図15Aは、通路床部1176、通路リップ1180、床部1177、及び座ぐり穴1178の相対的な高さを示す。図のように、通路床部1176は紐締め通路1110の(
図15Aの向きに関する)最も高い部分を提供でき、これは紐締め通路1110の最も浅い部分に対応する。通路リップ1180は紐締め通路1110を通路床部1176から床部1177まで下げる。通路リップ1180は、靴紐に損傷を与える可能性のある尖った縁を減少させ、又は排除するためのスムーズな移行を提供する。床部1177は紐締め通路1110をスプール凹部1115の中へと移行させ、スプール壁1116間の座ぐり穴1178を取り囲む。座ぐり穴1178は、床部1117内の中央に置かれ、紐締め通路1110の最も低い部分を形成する。しかしながら、座ぐり穴1178は、
図15Bに示されているように、スプール1130の下板1134で実質的にいっぱいになる。それゆえ、床1177は動作中に紐締め通路1110の最も低い部分を形成する。
図15Aの断面における紐締め通路1110の高低差によって、靴紐131は巻き出し手順中に通路壁1112に向かって徐々に集められ、それと同時に靴紐131がスプール1130から広がることができるようなスペースも提供でき、これは通路移行部1114と同様であるが、横断する平面におけることである。それゆえ、紐締め通路1110は2つの平面において漏斗状の形状であり、紐締め又はケーブルの保管のための、絡まりを防止できる解放空間を提供する。
【0100】
図15Bは、スプール1130が紐締め通路1110に挿入された状態の
図15Aの断面図を示す。紐締め通路1110の高低差により、靴紐131をスプール1130に供給しやすくすることができる。例えば、通路床部1176は、破線矢印Fで示されるように、スプール1130の靴紐空間V1の中心とほぼ整列するように構成できる。
【0101】
スプール1130の下板1134は、ディスク部分1204とベベル1206を含むことができる。ベベル1206はテーパ付き端を有することができ、これは床部1177と整列して上側構成要素1102と下板1134のディスク部分1204との間のスムーズな移行を提供することにより、靴紐131への損傷の防止を助けることができる。ディスク部分1204とベベル1206は、靴紐131の筐体構造1105内のスペース内への入り込みの防止も助けることができる。
【0102】
図15Bは、スプール1130の靴紐空間V1と紐締め通路1110の保管空間V2を示す。靴紐空間V1は、上板1131と下板1132との間のスペースとして画定でき、スプール1130のドラム1135から上板1131及び下板1132の外径縁まで延びる。それゆえ、靴紐空間V1は、半台形の断面のリング状スペースを含むことができる。靴紐空間V1はまた、下板1132において上板1131の外径までの全体に延びて、床部1177の上方のスペースを取り囲むように画定できる。保管空間V2は、上縁においては通路壁1112の上縁と通路移行部1114との間のスペースとして、下縁においては通路床部1176、通路リップ1180、及び床部1177により画定でき、通路壁1112から靴紐空間V1まで延びることができる。保管空間V2は、靴紐又はケーブルを紐締め通路1110内に回収することができ、その一方で依然として筐体構造1105を履物製品のためのソール構造の中に嵌め込むことが可能となるように小さいが、靴紐又はケーブルが、例えば塊になって圧縮されることによって乱雑になり、すなわち鳥の巣状態になるのを防止するのに十分に大きい。各種の実施形態において、保管空間V2は、靴紐空間V1より大きい。本明細書に記載されている紐締め通路1110の各種の態様により、靴紐をスプール1130上に保管するために効率的に筐体構造1105の中に引き込み、また、靴紐を外から徐々に筐体構造1105から引き出すことができない程度までもつれ、絡まり、又は圧縮させることなくスプール1130によって引き出すことができ、そのどちらにおいても、靴紐を尖った縁又はソール構造と筐体構造1105との間及び筐体構造1105とスプール1130との間にありうる挟まれ地点を通らずにすむ。
【実施例】
【0103】
実施例1は、第一の入口と、第二の入口と、第一及び第二の入口間に延びる紐締め通路と、を含み、紐締め通路が第一及び第二の入口間に配置されたスプール受容部と、スプール受容部と第一の入口との間に配置された第一の解放領域と、スプール受容部と第二の入口との間に配置された第二の解放領域と、を含むことができ、第一及び第二の解放領域には、スプール受容部とそれぞれ第一及び第二の入口との間で線形にテーパが付けられる筐体構造と、紐締め通路のスプール受容部に設置されたスプールと、スプールと連結され、スプールを回転させて、紐締め通路を通り、及びスプールを通って延びる靴紐ケーブルを巻き取り、又は巻き出すようになされた駆動機構と、を含むことができる履物紐締め装置等の主旨を含むか使用することができる。
【0104】
実施例2は、任意選択により、スプール受容部から延びて、スプール受容部からそれぞれ第一及び第二の入口へとテーパが付けられた通路を形成する平坦な側壁を含むことのできる第一及び第二の解放領域を含めるために、実施例1の主旨を含むことができるか、又は任意選択によりそれと組み合わせることができる。
【0105】
実施例3は、任意選択により、スプール受容部の接線とすることのできる平坦な側壁を含めるために、実施例1又は2の1つ又はあらゆる組合せの主旨を含むことができるか、又は任意選択によりそれと組み合わせることができる。
【0106】
実施例4は、任意選択により、スプール受容部とそれぞれ第一及び第二の入口との間に台形の形状の通路を形成することのできる第一及び第二の解放領域を含めるために、実施例1~3の1つ又はあらゆる組合せの主旨を含むことができるか、又は任意選択によりそれと組み合わせることができる。
【0107】
実施例5は、任意選択により、組み合わせた解放領域の保管容量より小さい、スプールの保管容量を含めるために、実施例1~4の1つ又はあらゆる組合せの主旨を含むことができるか、又は任意選択によりそれと組み合わせることができる。
【0108】
実施例6は、任意選択により、1対の対向する弧状の側壁を含むことのできるスプール受容部を含めるために、実施例1~5の1つ又はあらゆる組合せの主旨を含むことができるか、又は任意選択によりそれと組み合わせることができる。
【0109】
実施例7は、任意選択により、シャフトソケットと、シャフトソケットを取り囲む座ぐり穴と、をさらに含むことのできるスプール受容部を含めるために、実施例1~6の1つ又はあらゆる組合せの主旨を含むことができるか、又は任意選択によりそれと組み合わせることができる。
【0110】
実施例8は、任意選択により、スプール受容部の上方に延びる1対の対向する弧状のフランジをさらに含むことのできるスプール受容部を含めるために、実施例1~7の1つ又はあらゆる組合せの主旨を含むことができるか、又は任意選択によりそれと組み合わせることができる。
【0111】
実施例9は、任意選択により、筐体構造の中に長方形の開口を含むことのできる第一及び第二の入口を含めるために、実施例1~8の1つ又はあらゆる組合せの主旨を含むことができるか、又は任意選択によりそれと組み合わせることができる。
【0112】
実施例10は、任意選択により、それぞれ長方形の通路を形成する平坦な側壁をさらに含むことのできる第一及び第二の入口を含めるために、実施例1~9の1つ又はあらゆる組合せの主旨を含むことができるか、又は任意選択によりそれと組み合わせることができる。
【0113】
実施例11は、任意選択により、スプール受容部との接合点において湾曲したリップを含むことのできる第一及び第二の解放領域を含めるために、実施例1~10の1つ又はあらゆる組合せの主旨を含むことができるか、又は任意選択によりそれと組み合わせることができる。
【0114】
実施例12は、任意選択により、下板と、下板から延びるシャフトと、上板と、上及び下板間に位置付けられたドラムと、ドラムを通って延びる巻き取り通路と、を含むことのできるスプールを含めるために、実施例1~11の1つ又はあらゆる組合せの主旨を含むことができるか、又は任意選択によりそれと組み合わせることができる。
【0115】
実施例13は、履物紐締め装置のための筐体構造等の主旨を含むか使用でき、筐体構造は、上面と、下面と、上面と下面とを接続する第一の側壁と、上面と下面とを接続する第二の側壁と、を含むことのできる本体と、上及び下面と第一及び第二の側壁との間の内部コンパートメントと、第一の側壁から第二の側壁に延びる紐締め通路であって、第一の側壁内の第一の入口と、第二の側壁内の第二の入口と、第一及び第二の入口間に配置されたスプール受容部と、スプール受容部と第一の入口との間に配置された第一の解放領域と、スプール受容部と第二の入口との間に配置された第二の解放領域と、を含むことができ、第一及び第二の解放領域には、スプール受容部とそれぞれ第一及び第二の入口との間で直線的にテーパが付けられている紐締め通路と、を含むことができる。
【0116】
実施例14は、任意選択により、スプール受容部から延びて、スプール受容部からそれぞれ第一及び第二の入口までテーパが付けられた通路を形成する平坦な側壁を含むことのできる第一及び第二の解放領域を含めるために、実施例13の主旨を含むことができるか、又は任意選択によりそれと組み合わせることができる。
【0117】
実施例15は、任意選択により、1対の対向する弧状の側壁を含むことのできるスプール受容部を含めるために、実施例13又は14の1つ又はあらゆる組合せの主旨を含むことができるか、又は任意選択によりそれと組み合わせることができる。
【0118】
実施例16は、任意選択により、スプール受容部の弧状の側壁の接線とすることのできる平坦な側壁を含めるために、実施例13~15の1つ又はあらゆる組合せの主旨を含むことができるか、又は任意選択によりそれと組み合わせることができる。
【0119】
実施例17は、任意選択により、スプール受容部とそれぞれ第一及び第二の入口との間に台形の形状の通路を形成することのできる第一及び第二の解放領域を含めるために、実施例13~16の1つ又はあらゆる組合せの主旨を含むことができるか、又は任意選択によりそれと組み合わせることができる。
【0120】
実施例18は、任意選択により、スプール受容部の上方に延びる1対の対向する弧状のフランジをさらに含むことのできるスプール受容部を含めるために、実施例13~17の1つ又はあらゆる組合せの主旨を含むことができるか、又は任意選択によりそれと組み合わせることができる。
【0121】
実施例19は、任意選択により、本体内の長方形の開口と、長方形の通路を形成する平坦な側壁と、を含むことのできる第一及び第二の入口の各々を含めるために、実施例13~18の1つ又はあらゆる組合せの主旨を含むことができるか、又は任意選択によりそれと組み合わせることができる。
【0122】
実施例20は、任意選択により、上側構成要素と下側構成要素を含むことのできる本体を含めるために、実施例13~19の1つ又はあらゆる組合せの主旨を含むことができるか、又は任意選択によりそれと組み合わせることができる。
【0123】
実施例21は、任意選択により、本体の上面を貫通できる紐締め通路を含めるために、実施例13~20の1つ又はあらゆる組合せの主旨を含むことができるか、又は任意選択によりそれと組み合わせることができる。
【0124】
実施例22は、履物紐締め装置の中のスプールを巻き出す方法等の主旨を含むことができるか、使用でき、方法は、駆動機構でスプールを回転させて、スプールに巻き回された靴紐ケーブルの張力を軽減させるステップと、靴紐ケーブルをスプールから履物紐締め装置の筐体内の紐締め通路内に送り込むステップと、靴紐ケーブルを紐締め通路の解放領域内に回収するステップと、靴紐ケーブルが解放領域を通じて紐締め通路から弛緩した状態で出ることができるようにして、靴紐ケーブルをスプールから巻き出すステップと、を含むことができる。
【0125】
実施例23は、任意選択により、靴紐ケーブルが解放領域内に自由に回収されるようにすることにより、解放領域内での靴紐ケーブルの絡まりを防止するステップを含めるために、実施例22の主旨を含むことができるか、又は任意選択によりそれと組み合わせることができる。
【0126】
実施例24は、任意選択により、スプールを空にして解放領域の中へと入れるステップを含めるために、実施例22又は23の1つ又はあらゆる組合せの主旨を含むことができるか、又は任意選択によりそれと組み合わせることができる。
【0127】
実施例25は、任意選択により、靴紐ケーブルを解放領域から、絡まることなく引き出すステップを含めるために、実施例22~24の1つ又はあらゆる組合せの主旨を含むことができるか、又は任意選択によりそれと組み合わせることができる。
【0128】
追記
本明細書を通して、複数の事例は、単一の事例として記述される構成要素、操作、または構造を実装することができる。1つ以上の方法の個々の操作が別々の操作として図示され説明されているが、1つ以上の個々の操作が同時に実行されてもよく、操作が図示の順序で実行される必要はない。例示的な構成において別々の構成要素として提示される構造および機能は、結合された構造または構成要素として実装されてもよい。同様に、単一の構成要素として提示される構造および機能は、別個の構成要素として実装されてもよい。これらおよび他の変形、修正、追加および改良は、本明細書の主題の範囲内に入る。
【0129】
本発明の主題の概要は、特定の例示的な実施形態を参照して記載されているが、本開示のより広い範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に対して様々な修正および変更を行うことができる。本発明の主題のそのような実施形態は、便宜上のためだけに、そして本出願の範囲を任意の単一の開示または発明の概念に自発的に限定しようとするものではなく、実際に開示されている。
【0130】
本明細書に示す実施形態は、当業者が開示された教示を実施することを可能にするために十分詳細に記載されている。本開示の範囲から逸脱することなく、構造的および論理的な置換および変更を行うことができるように、他の実施形態を使用し、そこから誘導することができる。従って、開示は限定的な意味で解釈されるべきではなく、様々な実施形態の範囲は、開示される主題が権利を与えられる均等物の全範囲を含む。
【0131】
本明細書中で使用される場合、用語「または」は、包括的または排他的な意味で解釈され得る。さらに、複数の例が、本明細書で説明されるリソース、動作、または構造に対して単一の例として提供されてもよい。さらに、様々なリソース、操作、モジュール、エンジン、およびデータストア間の境界は、いくぶん恣意的であり、特定の動作は、特定の例示的な構成の状況で示されている。機能の他の割り当てが想定されており、本開示の様々な実施形態の範囲内に入る可能性がある。一般に、構成例において別個のリソースとして提示される構造および機能は、結合された構造またはリソースとして実装されてもよい。同様に、単一のリソースとして提示される構造および機能性は、別個のリソースとして実装されてもよい。これらおよび他の変形、修正、追加および改良は、添付の特許請求の範囲によって表される本開示の実施形態の範囲内に含まれる。したがって、明細書および図面は、限定的ではなく例示的なものとみなされるべきである。
【0132】
これらの非限定的な実施例の各々は独立でき、又は他の実施例の1つ又は複数との様々な順列又は組合せで組み合わせることができる。
上記の詳細な説明は、詳細な説明の一部を形成する添付の図面の参照を含む。図面は、例示として、本発明を実施することができる特定の実施形態を示す。これらの実施形態は、本明細書では「実施例」または「例」とも呼ばれる。そのような実施例は、図示または説明されたものに加えて要素を含むことができる。しかしながら、本発明者らは、図示または記載された要素のみが提供される実施例も企図する。さらに、本発明者らは、特定の例(またはその1つまたは複数の態様)に関して、または示されたまたは記載された要素(またはその1つまたは複数の態様)の任意の組み合わせまたは置換を使用する例を企図するか、または他の例(またはその1つまたは複数の態様)を示す。
【0133】
この文書とこれに参照として組み入れられた文書との間に一貫性のない使用があった場合、この文書の使用が制御される。
本明細書では、特許文献において一般的であるように、構成要素等を単数で記載する場合、「少なくとも1つの」または「1以上の」という他の記載または使用とは別に、1つまたは複数を含む。本明細書において、特に断りのない限り、「または」は非排他的に用いられ、例えば「AまたはB」というときには、「AではあるがBではない」、「BではあるがAではない」、および「AおよびB」を含む。本明細書では、「含む(including)」という用語は、「備える(comprising)」と同義で使用される。以下の請求項において、「含む」「備える」の後に構成を列挙する場合、その他の構成が加えられてもよい。システム、装置、物品、組成物、配合物、またはプロセスにおいて、列挙された構成に他の構成が追加されたとしても、それらは依然としてその請求の範囲内にある。さらに、以下の特許請求の範囲において、「第1」、「第2」および「第3」などの用語は単に区別のために使用され、それらが付されたものに順番に係る要件を課すことを意図しない。
【0134】
モータ制御の例のような本明細書に記載の方法の例は、少なくとも部分的に機械的にまたはコンピュータで実施することができる。いくつかの例は、上記の例で説明した方法を実行するように電子デバイスを構成するように動作可能な命令でコード化された、コンピュータが読み取り可能な媒体または機械で読み取り可能な媒体を含むことができる。そのような方法の実装には、マイクロコード、アセンブリ言語コード、高水準言語コードなどのコードを含めることができる。そのようなコードは、様々な方法を実行するためのコンピュータ可読命令を含むことができる。コードは、コンピュータプログラム製品の一部を形成することができる。さらに、一例では、コードは、実行中または他の時など、1つまたは複数の揮発性、非一時的、または不揮発性の有形のコンピュータで読み取り可能な媒体に有形に格納することができる。これらの具体的なコンピュータで読み取り可能な媒体の例には、ハードディスク、リムーバブル磁気ディスク、取り外し可能な光ディスク(例えば、コンパクトディスクおよびデジタルビデオディスク)、磁気カセット、メモリカードまたはスティック、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)などが含まれる。
【0135】
上記の説明は例示的なものであり、限定的なものではない。例えば、上記の例(またはその1つまたは複数の態様)は、互いに組み合わせて使用されてもよい。上記の説明を検討することにより、当業者によって、他の実施形態を使用することができる。読者が技術的開示の性質を迅速に確認できるように、要約書が含まれる。請求の範囲または意味を解釈または制限するために使用しないように理解されたい。また、上記の説明では、様々な特徴をグループ化して、開示を合理化することができる。これは、クレームされていない開示された特徴がクレームに不可欠であることを意図していると解釈されるべきではない。むしろ、本発明の主題は、開示された特定の実施形態のすべての特徴よりも少なくてもよい。したがって、添付の特許請求の範囲は、実施形態または実施形態としての詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、別個の実施形態として独立して立証され、そのような実施形態は、様々な組み合わせまたは順列で互いに組み合わせることができる。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる等価物の全範囲とともに決定されるべきである。