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特許7123061ビーム成形のためのセルラコア光ファイバ利用するレーザシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-12
(45)【発行日】2022-08-22
(54)【発明の名称】ビーム成形のためのセルラコア光ファイバ利用するレーザシステム
(51)【国際特許分類】
   H01S 3/10 20060101AFI20220815BHJP
   B23K 26/064 20140101ALI20220815BHJP
   G02B 6/02 20060101ALI20220815BHJP
   G02B 6/036 20060101ALI20220815BHJP
   G02B 6/32 20060101ALI20220815BHJP
   G02B 6/42 20060101ALI20220815BHJP
   H01S 3/101 20060101ALI20220815BHJP
【FI】
H01S3/10 Z
B23K26/064 K
G02B6/02 421
G02B6/02 461
G02B6/036
G02B6/32
G02B6/42
H01S3/101
【請求項の数】 55
(21)【出願番号】P 2019540421
(86)(22)【出願日】2018-01-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-20
(86)【国際出願番号】 US2018015128
(87)【国際公開番号】W WO2018140543
(87)【国際公開日】2018-08-02
【審査請求日】2019-08-22
(31)【優先権主張番号】62/450,793
(32)【優先日】2017-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514134192
【氏名又は名称】テラダイオード, インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ヴィラリアル-ソーセド, フランシスコ
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ, ワン-ロン
(72)【発明者】
【氏名】タエバティ, パービッツ
【審査官】大和田 有軌
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0378184(US,A1)
【文献】特開2016-043405(JP,A)
【文献】特開2015-106707(JP,A)
【文献】特表2015-500571(JP,A)
【文献】特表2013-521667(JP,A)
【文献】特表2013-521666(JP,A)
【文献】特開2004-188457(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0331205(US,A1)
【文献】国際公開第2015/130920(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0308005(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0223792(US,A1)
【文献】特許第6796142(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 3/00 - 5/50
B23K 26/00 - 26/70
G02B 6/02 - 6/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザシステムであって、前記システムは、
入力レーザビームの放出のためのビームエミッタと、
入力端と前記入力端の反対側の出力端とを有するセルラコア光ファイバであって、前記セルラコア光ファイバは、(i)複数のコア領域と、(ii)前記コア領域を包囲し、前記コア領域間に延びているコア間クラッディング領域と、(iii)前記コア間クラッディング領域を包囲している外側クラッディングとを備え、前記コア領域の各々の屈折率は、前記コア間クラッディング領域の屈折率より大きい、セルラコア光ファイバと、
前記入力レーザビームを受け取り、前記入力レーザビームを前記セルラコア光ファイバに向かって反射するための反射体と、
前記入力レーザビームを前記反射体から受け取り、前記入力レーザビームを前記セルラコア光ファイバの前記入力端に向かって集束させるための光学要素と、
コントローラと
を備え、
前記コントローラは、前記セルラコア光ファイバの前記入力端と前記反射体または前記光学要素のうちの少なくとも1つとの間の相対的運動を制御し、それによって、前記入力レーザビームを前記セルラコア光ファイバの前記入力端を横切る経路に沿って導き、それによって、前記セルラコア光ファイバの前記出力端において放出される出力ビームのビーム形状またはビームパラメータ積のうちの少なくとも1つが、少なくとも部分的に前記入力レーザビームの前記経路によって決定され、
前記コントローラは、前記入力レーザビームを前記コア間クラッディング領域および複数のコア領域を備えている経路に沿って導くように構成されており、
前記複数のコア領域は、同軸ではなく、前記コントローラは、前記経路に沿った位置の関数として前記入力レーザビームの出力パワーを変調するように、および/または、前記入力レーザビームを異なる時間にわたって前記経路に沿った異なる領域に導くことにより、前記異なる領域内で時間平均パワーレベルを変動させるように、構成されており、
前記コア間クラッディング領域の中に結合されたビームエネルギーは、前記出力ビームへの非ゼロ背景エネルギーレベルに寄与し、前記ビームエネルギーは、前記入力レーザビームが前記複数のコア領域のうちの1つのコア領域から前記複数のコア領域のうちの別のコア領域に移動させられるとき、経時的に一定のままである、システム。
【請求項2】
前記コントローラは、前記入力レーザビームが前記経路に沿って導かれるとき、前記入力レーザビームの出力パワーを変調するように構成され、それによって、前記入力レーザビームが異なるコア領域の中に導かれているとき、前記入力レーザビームの前記出力パワーは、異なっている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コントローラは、前記コア間クラッディング領域を越える前記経路の一部に沿って、前記入力レーザビームの出力パワーを低減させ、それによって、前記コア間クラッディング領域の中へのビームエネルギーの結合を低減または実質的に排除するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記出力ビームは、前記セルラコア光ファイバの前記出力端における複数の個別的なビームを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記セルラコア光ファイバの前記コア領域のうちの少なくとも2つのものは、サイズおよび/または形状が異なっている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記コア間クラッディング領域の前記屈折率は、前記外側クラッディングの屈折率より大きい、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記コア間クラッディング領域の前記屈折率は、前記外側クラッディングの屈折率にほぼ等しい、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記セルラコア光ファイバの前記入力端と前記反射体または前記光学要素のうちの少なくとも1つとの間の前記相対的運動は、前記反射体の回転または前記光学要素の側方平行移動のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記光学要素は、1つ以上のレンズ、および/または、1つ以上のプリズムを備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記反射体、前記光学要素、または前記セルラコア光ファイバの前記入力端のうちの少なくとも1つの運動を制御するための1つ以上のアクチュエータをさらに備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記セルラコア光ファイバの前記入力端上に配置された入力端キャップをさらに備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記セルラコア光ファイバの前記出力端上に配置された出力端キャップをさらに備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記コントローラは、測定されたパラメータに基づいて、前記入力レーザビームが前記セルラコア光ファイバの前記入力端上で導かれる前記経路を徐々に調節するためのフィードバック動作のために構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記測定されたパラメータは、前記出力ビームによって処理されるべきワークピースの測定されたパラメータである、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記測定されたパラメータは、前記出力ビームの測定されたパラメータである、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記セルラコア光ファイバの前記コア領域のうちの少なくとも2つのものは、異なる断面形状を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記セルラコア光ファイバの前記コア領域の各々は、同一の断面形状を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記セルラコア光ファイバの前記複数のコア領域は、(i)中心コア領域と、(ii)前記中心コア領域の周囲に配置された複数の外側コア領域とを備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記中心コア領域の直径は、前記外側コア領域のうちの少なくとも1つのものの直径より大きい、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記コントローラは、前記入力レーザビームを前記セルラコア光ファイバの前記入力端を横切る経路に沿って導くことによって、前記出力ビームの前記ビームパラメータ積を増加させるように構成され、前記経路は、前記コア間クラッディング領域と交差している、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記コントローラは、少なくとも部分的に前記入力レーザビームが結合される前記光ファイバの前記出力端に近接したワークピースの特性に基づいて、前記ビーム形状または前記ビームパラメータ積のうちの前記少なくとも1つを決定するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
前記ワークピースの前記特性は、前記ワークピースの厚さまたは前記ワークピースの組成物のうちの少なくとも1つを含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
(i)前記ワークピース上に画定された処理経路に対応するデータを記憶するための前記コントローラにアクセス可能なメモリと、(ii)複数の材料のための処理データを記憶するためのデータベースとをさらに備え、前記コントローラは、前記データベースにクエリし、前記ワークピースの1つ以上の材料のための処理データを取得するように構成され、前記出力ビームの前記ビーム形状または前記ビームパラメータ積のうちの前記少なくとも1つは、少なくとも部分的に前記取得された処理データによって決定される、請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
前記ビームエミッタは、
複数の個別的なビームを放出する1つ以上のビーム源と、
前記複数のビームを分散要素上に集束させるための集束光学と、
前記集束させられたビームを受け取り、前記受け取られた集束させられたビームを分散させるための分散要素と、
部分反射出力結合器と
を備え、
前記部分反射出力結合器は、前記分散させられたビームを受け取り、前記分散させられたビームの一部を前記部分反射出力結合器を通して前記入力レーザビームとして伝送し、前記分散させられたビームの第2の部分を前記分散要素に向かって戻るように反射するように位置付けられ、前記入力レーザビームは、複数の波長から成る、請求項1に記載のシステム。
【請求項25】
前記分散要素は、回折格子を備えている、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記コントローラは、前記出力ビームの所望されるビームパラメータを受信し、少なくとも部分的にそれに基づいて、前記セルラコア光ファイバの前記入力端を横切る前記経路を決定するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項27】
前記所望されるビームパラメータは、前記出力ビームの前記ビームパラメータ積または前記ビーム形状のうちの少なくとも1つを含む、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記コントローラは、少なくとも部分的に前記セルラコア光ファイバの前記出力端に近接して感知されたビームパラメータに基づいて、前記セルラコア光ファイバの前記入力端を横切る前記経路を決定するように構成されている、請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
レーザビームのビーム形状またはビームパラメータ積のうちの少なくとも1つを改変する方法であって、前記方法は、
入力端と前記入力端の反対側の出力端とを有するセルラコア光ファイバを提供することであって、前記セルラコア光ファイバは、(i)複数のコア領域と、(ii)前記コア領域を包囲し、前記コア領域間に延びているコア間クラッディング領域と、(iii)前記コア間クラッディング領域を包囲している外側クラッディングとを備え、前記コア領域の各々の屈折率は、前記コア間クラッディング領域の屈折率より大きい、ことと、
前記コア間クラッディング領域および複数のコア領域を備えている経路に沿って、前記セルラコア光ファイバの前記入力端を横切って入力レーザビームを導くことであって、それによって、前記セルラコア光ファイバの前記出力端において放出される出力ビームのビーム形状またはビームパラメータ積のうちの少なくとも1つが、少なくとも部分的に前記入力レーザビームの前記経路によって決定される、ことと
を含み、
前記複数のコア領域は、同軸ではなく、前記入力レーザビームの出力パワーが、前記経路に沿った位置の関数として変調され、かつ/または、前記入力レーザビームが、異なる時間にわたって前記経路に沿った異なる領域に導かれることにより、前記異なる領域内で時間平均パワーレベルが変動させられ、
前記コア間クラッディング領域の中に結合されたビームエネルギーは、前記出力ビームへの非ゼロ背景エネルギーレベルに寄与し、前記ビームエネルギーは、前記入力レーザビームが前記複数のコア領域のうちの1つのコア領域から前記複数のコア領域のうちの別のコア領域に移動させられるとき、経時的に一定のままである、方法。
【請求項30】
前記入力レーザビームが前記経路に沿って導かれるとき、前記入力レーザビームの出力パワーを変調することであって、それによって、前記入力レーザビームが異なるコア領域の中に導かれているとき、前記入力レーザビームの前記出力パワーは、異なっている、ことをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記コア間クラッディング領域を越える前記経路の一部に沿って、前記入力レーザビームの出力パワーを低減させ、それによって、前記コア間クラッディング領域の中へのビームエネルギーの結合を低減または実質的に排除することをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記出力ビームは、前記セルラコア光ファイバの前記出力端における複数の個別的なビームを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記セルラコア光ファイバの前記コア領域のうちの少なくとも2つのものは、サイズおよび/または形状が異なっている、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記コア間クラッディング領域の前記屈折率は、前記外側クラッディングの屈折率より大きい、請求項29に記載の方法。
【請求項35】
前記コア間クラッディング領域の前記屈折率は、前記外側クラッディングの屈折率にほぼ等しい、請求項29に記載の方法。
【請求項36】
前記セルラコア光ファイバは、前記入力端上に配置された入力端キャップを備えている、請求項29に記載の方法。
【請求項37】
前記セルラコア光ファイバは、前記出力端上に配置された出力端キャップを備えている、請求項29に記載の方法。
【請求項38】
前記出力ビームを用いて、前記セルラコア光ファイバの前記出力端に近接して配置されたワークピースを処理することをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項39】
前記出力ビームの前記ビームパラメータ積または前記ビーム形状のうちの前記少なくとも1つは、少なくとも部分的に前記ワークピースの特性に基づいて、前記セルラコア光ファイバの前記入力端を横切る前記経路の選択を介して決定される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記ワークピースの前記特性は、前記ワークピースの厚さまたは前記ワークピースの組成物のうちの少なくとも1つを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記入力レーザビームを前記経路に沿って導くことは、(i)1つ以上の反射体を用いて、前記レーザビームを反射すること、または、(ii)1つ以上の光学要素を用いて、前記レーザビームを集束させることのうちの少なくとも1つを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項42】
ビームエミッタから前記入力レーザビームを放出することをさらに含み、前記ビームエミッタは、
複数の個別的なビームを放出する1つ以上のビーム源と、
前記複数のビームを分散要素上に集束させるための集束光学と、
前記集束させられたビームを受け取り、前記受け取られた集束させられたビームを分散させるための分散要素と、
部分反射出力結合器と
を備え、
前記部分反射出力結合器は、前記分散させられたビームを受け取り、前記分散させられたビームの一部を前記部分反射出力結合器を通して前記入力レーザビームとして伝送し、前記分散させられたビームの第2の部分を前記分散要素に向かって戻るように反射するように位置付けられ、前記入力レーザビームは、複数の波長から成る、請求項29に記載の方法。
【請求項43】
前記分散要素は、回折格子を備えている、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
(i)前記出力ビームの所望されるビームパラメータを受信することと、(ii)少なくとも部分的に前記所望されるビームパラメータに基づいて、前記セルラコア光ファイバの前記入力端を横切る前記経路を選択することとをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項45】
前記所望されるビームパラメータは、前記出力ビームの前記ビームパラメータ積または前記ビーム形状のうちの少なくとも1つを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記セルラコア光ファイバの前記入力端を横切る前記経路は、少なくとも部分的に前記セルラコア光ファイバの前記出力端に近接して感知されたビームパラメータに基づいて選択される、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
レーザビームを用いてワークピースを処理する方法であって、前記方法は、
入力端と前記入力端の反対側の出力端とを有するセルラコア光ファイバを提供することであって、前記セルラコア光ファイバは、(i)複数のコア領域と、(ii)前記コア領域を包囲し、前記コア領域間に延びているコア間クラッディング領域と、(iii)前記コア間クラッディング領域を包囲している外側クラッディングとを備え、前記コア領域の各々の屈折率は、前記コア間クラッディング領域の屈折率より大きい、ことと、
ワークピースを前記セルラコア光ファイバの前記出力端に近接して配置することと、
前記ワークピースの少なくとも1つの特性に基づいて、前記ワークピースの処理のためのビームパラメータ積またはビーム形状のうちの少なくとも1つを決定することと、
レーザビームを前記セルラコア光ファイバの前記入力端に向かって導くことと、
その間、前記セルラコア光ファイバの前記出力端から放出される前記レーザビームの前記ビームパラメータ積または前記ビーム形状のうちの前記少なくとも1つを選択するために、前記セルラコア光ファイバの前記入力端を横切る経路に沿って前記レーザビームを導くことであって、前記経路は、前記コア間クラッディング領域および複数のコア領域を備えている、ことと、
前記セルラコア光ファイバの前記出力端から放出される前記レーザビームを用いて、前記ワークピースを処理することと
を含み、
前記複数のコア領域は、同軸ではなく、前記レーザビームの出力パワーが、前記経路に沿った位置の関数として変調され、かつ/または、前記レーザビームが、異なる時間にわたって前記経路に沿った異なる領域に導かれることにより、前記異なる領域内で時間平均パワーレベルが変動させられ、
前記コア間クラッディング領域の中に結合されたビームエネルギーは、前記セルラコア光ファイバの前記出力端から放出される前記レーザビームへの非ゼロ背景エネルギーレベルに寄与し、前記ビームエネルギーは、前記レーザビームが前記複数のコア領域のうちの1つのコア領域から前記複数のコア領域のうちの別のコア領域に移動させられるとき、経時的に一定のままである、方法。
【請求項48】
前記ワークピースを処理することは、前記ワークピースの表面の少なくとも一部を物理的に改変することを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記ワークピースを処理することは、切断、溶接、エッチング、焼鈍、穿孔、はんだ、または蝋接のうちの少なくとも1つを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
前記ワークピースの前記少なくとも1つの特性は、前記ワークピースの厚さおよび/または前記ワークピースの組成物を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項51】
前記コア間クラッディング領域の中に結合されたビームエネルギーは、前記ワークピースを処理するために利用される、請求項47に記載の方法。
【請求項52】
前記レーザビームを前記セルラコア光ファイバの前記入力端を横切る前記経路に沿って導くことは、(i)1つ以上の反射体を用いて、前記レーザビームを反射すること、または、(ii)1つ以上の光学要素を用いて、前記レーザビームを集束させることのうちの少なくとも1つを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項53】
前記ワークピースを処理する間、前記レーザビームを前記セルラコア光ファイバの前記入力端を横切る第2の経路上に導くことによって、前記セルラコア光ファイバの前記出力端から放出される前記レーザビームの前記ビームパラメータ積または前記ビーム形状のうちの少なくとも1つを改変することをさらに含み、前記第2の経路は、前記セルラコア光ファイバの前記入力端を横切る前記経路と異なる、請求項47に記載の方法。
【請求項54】
ビームエミッタから前記レーザビームを放出することをさらに含み、前記ビームエミッタは、
複数の個別的なビームを放出する1つ以上のビーム源と、
前記複数のビームを分散要素上に集束させるための集束光学と、
前記集束させられたビームを受け取り、前記受け取られた集束させられたビームを分散させるための分散要素と、
部分反射出力結合器と
を備え、
前記部分反射出力結合器は、前記分散させられたビームを受け取り、前記分散させられたビームの一部を前記部分反射出力結合器を通して前記レーザビームとして伝送し、前記分散させられたビームの第2の部分を前記分散要素に向かって戻るように反射するように位置付けられ、前記レーザビームは、複数の波長から成る、請求項47に記載の方法。
【請求項55】
前記分散要素は、回折格子を備えている、請求項54に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、米国仮特許出願第62/450,793号(2017年1月26日出願)の利益およびそれに対する優先権を主張し、上記出願の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
種々の実施形態では、本発明は、レーザシステム、具体的には、制御可能ビームプロファイル、例えば、可変ビーム形状を伴うレーザシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
高出力レーザシステムは、溶接、切断、穿孔、および材料処理等の異なる用途の集合のために利用される。そのようなレーザシステムは、典型的には、それからのレーザ光が光ファイバ(または単に「ファイバ」)の中に結合されるレーザエミッタと、ファイバからのレーザ光を処理されるべきワークピース上に集束させる光学システムとを含む。波長ビーム結合(WBC)は、レーザダイオード、レーザダイオードバー、ダイオードバーのスタック、もしくは1または2次元アレイに配置される他のレーザからの出力パワーおよび明るさを調整するための技法である。WBC方法は、エミッタのアレイの一方または両方の寸法に沿ってビームを結合するために開発された。典型的WBCシステムは、多波長ビームを形成するための分散要素を使用して結合される1つ以上のダイオードバー等の複数のエミッタを含む。WBCシステム内の各エミッタは、個々に共振し、ビーム結合寸法に沿って分散要素によってフィルタ処理される共通の部分反射出力結合器からの波長特有のフィードバックを通して、安定化される。例示的WBCシステムは、2000年2月4日に出願された米国特許第6,192,062号(特許文献1)、1998年9月8日に出願された米国特許第6,208,679号(特許文献2)、2011年8月25日に出願された米国特許第8,670,180号、および2011年3月7日に出願された米国特許第8,559,107号(特許文献3)(開示全体の各々は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に詳述される。
【0004】
レーザシステムのための光学システムは、典型的には、最高品質レーザビーム、言い換えると、最低のビームパラメータ積(BPP)を伴うビームを生成するように設計される。BPPは、レーザビームの発散角(半角)と、その最も狭い点(すなわち、ビームウェスト、最小スポットサイズ)におけるビームの半径との積である。すなわち、BPP=NA×D/2であり、式中、Dは、集束スポット(ウェスト)直径であり、NAは、開口数である。したがって、BPPは、NAおよび/またはDを変動させることによって変動させられ得る。BPPは、レーザビームの品質および小スポットに集束され得る程度を定量化し、典型的には、ミリメートル-ミリラジアン(mm-mrad)の単位で表される。ガウスビームは、円周率によって除算されるレーザ光の波長によって求められる最も低い可能なBPPを有する。同一波長における理想的ガウスビームに対する実際のビームのBPPの比率は、Mとして示され、それは、ビーム品質の波長独立の尺度である。
【0005】
多くのレーザ処理用途では、所望されるビーム形状、スポットサイズ、発散、およびビーム品質は、例えば、処理のタイプ、および/または、処理されている材料のタイプに依存して変動し得る。これは、特に、材料処理用途における産業レーザに当てはまる。例えば、より低いBPP値、すなわち、より良好なビーム品質が、薄い金属を切断するために好ましくあり得る一方、より大きいBPP(すなわち、良くないビーム品質)が、より厚い金属を通して切断するために好ましくあり得る。従来のレーザシステムにおけるBPPまたはビーム形状を変化させるために、頻繁に、出力光学システムが、他の構成要素と交換、および/または、再整列させられなければならず、時間がかかりかつ高価なプロセスとなり、それは、レーザシステムの脆弱な光学構成要素の不注意な損傷にさらにつながり得る。したがって、光ファイバの出力におけるレーザビームまたは光学システムに対するそのような調節を伴わない、レーザシステムのBPP、および/または、ビーム形状を変動させるための代替技法の必要性が、存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第6,192,062号明細書
【文献】米国特許第6,208,679号明細書
【文献】米国特許第8,559,107号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(要約)
本発明の実施形態によると、レーザシステムは、ビーム形状および/またはBPPを改変するために、セルラコア光ファイバの1つ以上のコア領域の中に導かれるビームを生成する。(そのようなビームは、光ファイバと関連する「入力ビーム」であり、単に、最初にビームを生成するレーザシステムと関連する「ビーム」または「出力ビーム」であり得る。)種々の実施形態では、光ファイバは、種々のコア領域の間およびその周囲に延びているコア間クラッディングを有し、種々の実施形態では、ビームの全てまたは一部が、最終的出力ビームのBPPを改変するために、このコア間領域に導かれ得る。光ファイバは、コア領域および/またはコア間領域の中にビームエネルギーを閉じ込める1つ以上の外側クラッディング層を有し得る。
【0008】
ビームは、ビームがコア領域の間で移動させられているとき、有意な放出を伴わず、コア領域のうちの種々のものの中に導かれるのみであるように変調され得る。他の実施形態では、変調、すなわち、それらの間のパワーレベルにおける変動を伴わずに(またはビームがコア領域の中に放出されるパワーレベルより高いか、または低い異なる非ゼロの有限のパワーレベルへの変調を伴って)、コア領域間で移動させられ、したがって、ビームパワーの一部は、コア間クラッディング領域の中に結合され得る。種々の実施形態では、ビームは、ビームパワーの異なる量が異なる領域の中に結合されるようにそれがコア領域の異なるものに導かれるとき、異なるパワーレベルで変調され得る。代わりに、または加えて、ビームは、異なるコア領域の中に結合される時間平均パワーレベルが異なるように、異なる時間にわたってコア領域の異なるものの中に導かれ得る。コア領域それ自体が、少なくとも部分的に光ファイバから放出されたビームの最終形状を決定する異なる断面形状および/またはサイズを有し得る。他の実施形態では、コア領域のうちの1つ以上のもの(もしくはさらに全て)は、実質的に同一の形状(例えば、円形)および/またはサイズを有し、ビームの最終形状は、少なくとも部分的にコア領域の異なるものの間におけるビームの平行移動、および/または、異なるコア領域の中に結合されたビームパワーの量および/またはコア間クラッディング領域の中に結合されたビームパワーの量によって決定される。種々の実施形態では、出力ビームの形状、および/または、BPPを改変するために、ビームパワーの少なくとも一部は、少なくともある量の時間にわたって、外側クラッディング層のうちの1つ以上のものの中に結合され得る。
【0009】
本明細書で利用されるように、レーザビームの「形状」を変化させることは、ビームの形状および幾何学的範囲を改変すること(例えば、ビームが表面と交差する点において)を指す。形状の変化は、ビームサイズ、ビームの角度強度分布、およびBPPの変化を伴い得るが、ビームBPPの単なる変化は、必ずしも、レーザビーム形状を変化させるために十分ではなく、その逆も、同様である。
【0010】
本明細書では、「光学要素」とは、電磁放射線の向きを変える様式、反射させる様式、屈曲させる様式、または任意の他の様式で光学的に操作するレンズ、ミラー、プリズム、格子等のうちのいずれかを指し得る。本明細書では、ビームエミッタ、エミッタ、またはレーザエミッタ、もしくはレーザは、電磁ビームを生成するが、自己共振であることも、そうではないこともある半導体要素等の任意の電磁ビーム生成デバイスを含む。これらは、ファイバレーザ、ディスクレーザ、非ソリッドステートレーザ等も含む。概して、各エミッタは、後反射表面と、少なくとも1つの光学利得媒体と、前反射表面とを含む。光学利得媒体は、電磁スペクトルのいかなる特定の部分にも限定されず、可視光、赤外線、および/または紫外線であり得る電磁放射線の利得を増加させる。エミッタは、複数のビームを放出するように構成されるダイオードバー等の複数のビームエミッタを含み得かる、または本質的にそれから成り得る。本明細書の実施形態で受け取られる入力ビームは、当技術分野で公知である種々の技法を使用して結合される単波長または多波長ビームであり得る。加えて、本明細書における「レーザ」、「レーザエミッタ」、または「ビームエミッタ」の言及は、単一ダイオードレーザのみではなく、ダイオードバー、レーザアレイ、ダイオードバーアレイ、および単一もしくはアレイの垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)も含む。
【0011】
本発明の実施形態に従って生成される出力ビームは、単に、光を用いて表面をプローブする光学技法(例えば、反射率測定)とは対照的に、ワークピースの表面が物理的に改変されるように、および/または、特徴が表面上もしくは内に形成されるように、ワークピースを処理するために利用され得る。本発明の実施形態による例示的プロセスは、切断、溶接、穿孔、およびはんだを含む。本発明の種々の実施形態は、ワークピース表面の全てまたは実質的に全てをレーザビームからの放射で満たすのではなく、1つ以上のスポットにおいて、もしくは1次元線形または曲線処理経路に沿ってワークピースを処理し得る。そのような1次元経路は、複数の区画から成り得、それらの各々は、線形または曲線であり得る。
【0012】
可変形状および/またはBPPの1つの利点は、異なるタイプの処理技法もしくは処理されている異なるタイプの材料のための改良されたレーザ用途性能である。本発明の実施形態は、2015年2月26日に出願された米国特許出願第14/632,283号、2015年6月23日に出願された米国特許出願第14/747,073号、2015年9月14日に出願された米国特許出願第14/852,939号、2016年6月21日に出願された米国特許出願第15/188,076号、2017年4月5日に出願された米国特許出願第15/479,745号、および2017年7月14日に出願された米国特許出願第15/649,841号(それぞれの開示は、参照することによって全体として本明細書に組み込まれる)に説明されるレーザビームの変動するBPP、および/または、形状のための種々の技法も利用し得る。
【0013】
本発明の実施形態は、多波長ビームを形成するために分散要素を使用して結合される1つ以上のダイオードバー等の複数のエミッタを含む波長ビーム結合(WBC)システムとともに利用され得る。WBCシステム内の各エミッタは、個々に共振し、ビーム結合次元に沿って分散要素によってフィルタ処理される共通部分反射出力結合器から、波長特異的フィードバックを通して安定させられる。例示的WBCシステムは、それらの各々の開示全体が参照することによって本明細書に組み込まれる2000年2月4日に出願された米国特許第6,192,062号、1998年9月8日に出願された米国特許第6,208,679号、2011年8月25日に出願された米国特許第8,670,180号、および2011年3月7日に出願された米国特許第8,559,107号で詳述される。WBCシステムの多波長出力ビームが、例えば、BPPおよび/またはビーム形状制御のために、本発明の実施形態と併せて、入力ビームとして利用され得る。
【0014】
ある側面では、本発明の実施形態は、入力レーザビームの放出のためのビームエミッタと、セルラコア光ファイバと、入力レーザビームを受け取り、入力レーザビームをセルラコア光ファイバに向かって反射するための反射体と、光学要素と、コントローラとを含むか、それらから本質的に成るか、またはそれらから成るレーザシステムを特徴とする。セルラコア光ファイバは、入力端と、入力端の反対側の出力端とを有する。セルラコア光ファイバは、複数のコア領域と、コア領域を包囲し、それらの間に延びているコア間クラッディング領域とを含むか、それらから本質的に成るか、またはそれらから成る。セルラコア光ファイバは、コア間クラッディング領域を包囲する外側クラッディングを含み得る。コア領域のうちの少なくとも1つのもの(または、各々)の屈折率は、コア間クラッディング領域の屈折率より大きい。光学要素は、入力レーザビームを反射体から受け取り、入力レーザビームをセルラコア光ファイバの入力端に向かって(例えば、それに衝打するように)集束させる。コントローラは、セルラコア光ファイバの入力端と反射体および/または光学要素との間の相対的運動を制御し、それによって、入力レーザビームをセルラコア光ファイバの入力端を横切る経路に沿って導く。経路は、コア領域のうちの1つ以上のものを含むか、それから本質的に成るか、またはそれから成り得る。経路は、コア間クラッディング領域の少なくとも一部を含むか、それから本質的に成るか、またはそれから成り得る。経路は、コア領域のうちの1つ以上のものと、コア間クラッディング領域の少なくとも一部とを含むか、それらから本質的に成るか、またはそれらから成り得る。セルラコア光ファイバの出力端において放出される出力ビームのビーム形状、および/または、ビームパラメータ積が、少なくとも部分的に入力レーザビームの経路によって決定される。
【0015】
本発明の実施形態は、種々の組み合わせのいずれかにおいて、以下のうちの1つ以上のものを含み得る。コントローラは、入力レーザビームを複数のコア領域を備えている経路に沿って導くように構成され得る。コントローラは、入力レーザビームが経路に沿って導かれるとき、入力レーザビームの出力パワーを変調するように構成され得る。例えば、入力レーザビームが異なるコア領域の中におよび/またはコア間クラッディング領域に導かれているとき、入力レーザビームの出力パワーレベルは、異なり得る。コントローラは、コア間クラッディング領域を越える(すなわち、交差する)経路の一部に沿って、入力レーザビームの出力パワーを低減させ、それによって、コア間クラッディング領域の中へのビームエネルギーの結合を低減または実質的に排除するように構成され得る。経路は、コア間クラッディング領域の全てまたは一部を含むか、それから本質的に成るか、またはそれから成り得る。コア間クラッディング領域の中に結合されたビームエネルギーは、出力ビームへの非ゼロ背景エネルギーレベルに寄与し得る。出力ビームは、セルラコア光ファイバの出力端における複数の個別的なビームを含むか、それから本質的に成るか、またはそれから成り得る。複数の個別的なビームは、セルラコア光ファイバの出力端からある距離間隔を置かれた状態において、より少ないビーム(例えば、1つのビーム)に合流し得る。
【0016】
セルラコア光ファイバのコア領域のうちの少なくとも2つのものは、サイズおよび/または形状が異なり得る。コア間クラッディング領域の屈折率は、外側クラッディングが存在する場合、外側クラッディングの屈折率より大きいか、またはそれにほぼ等しくあり得る。セルラコア光ファイバの入力端と反射体および/または光学要素との間の相対的運動は、反射体の回転、光学要素の回転、反射体の平行移動、光学要素の光学要素、セルラコア光ファイバの入力端の回転、および/または、セルラコア光ファイバの入力端の平行移動を含むか、それらから本質的に成るか、またはそれらから成り得る。光学要素は、1つ以上のレンズ、1つ以上の格子(例えば、回折格子)、および/または、1つ以上のプリズムを含むか、それらから本質的に成るか、またはそれらから成り得る。システムは、反射体、光学要素、および/またはセルラコア光ファイバの入力端の運動を制御するための1つ以上のアクチュエータを含み得る。入力端キャップが、セルラコア光ファイバの入力端上に配置され得る。出力端キャップが、セルラコア光ファイバの出力端上に配置され得る。
【0017】
コントローラは、測定されたパラメータに基づいて、レーザビームがセルラコア光ファイバの入力端上で導かれる経路を徐々に調節するためのフィードバック動作のために構成され得る。測定されたパラメータは、レーザビームによって処理されるべきワークピースの測定されたパラメータ(例えば、表面特徴の組成物、厚さ、高さまたは深度、反射率等)、および/または、レーザビーム(例えば、セルラコア光ファイバの出力端に近接するレーザビーム)のものであり得る。レーザビームの測定されたパラメータは、例えば、束密度、ビーム形状、ビームパラメータ積、ビーム直径、ビーム強度、面ビーム場所の関数としてのビーム強度等であり得る。セルラコア光ファイバのコア領域のうちの少なくとも2つものは、異なる断面形状を有し得る。セルラコア光ファイバのコア領域の各々は、同一の断面形状を有し得る(かつ2つ以上のものは、同一のサイズもしくは異なるサイズを有し得る)。セルラコア光ファイバの複数のコア領域は、(i)中心コア領域と、(ii)中心コア領域の周囲に配置された複数の外側コア領域とを含むか、それらから本質的に成るか、またはそれらから成り得る。中心コア領域の直径(または幅、側面長等の他のパラメータ)は、外側コア領域のうちの少なくとも1つのもの(もしくはさらに全てのもの)のものより大きくあり得る。コントローラは、入力レーザビームをコア間クラッディング領域と交差するセルラコア光ファイバの入力端を横切る経路に沿って導くことによって、レーザビームのビームパラメータ積を増加させるように構成され得る。
【0018】
コントローラは、少なくとも部分的にレーザビームが結合される光ファイバの出力端に近接したワークピースの特性に基づいて、ビーム形状および/またはビームパラメータ積を決定するように構成され得る。ワークピースの特性は、ワークピースの厚さ、ワークピースの組成物、ワークピースの反射率、および/またはワークピース上の表面特徴の高さもしくは深度を含むか、それらから本質的に成るか、またはそれらから成り得る。システムは、ワークピース上に画定された処理経路に対応するデータを記憶するためのコントローラにアクセス可能なメモリを含み得る。処理経路は、少なくとも1つの方向の変化を含み得る。処理経路は、1つ以上の線形区画、および/または、1つ以上の曲線区画から成り得る。コントローラは、処理経路に沿って、ビームの出力パワー、ビーム形状、および/またはビームパラメータ積を改変するように構成され得る。メモリは、少なくとも部分的にコントローラ内に常駐し、および/または少なくとも部分的に遠隔(例えば、ネットワーク記憶装置、クラウド記憶装置等)に常駐し得る。システムは、複数の材料のための処理データを記憶するためのデータベースを含み得る。コントローラは、データベースにクエリし、ワークピースの1つ以上の材料のための処理データを取得するように構成され得、ビームのビーム形状、および/または、ビームパラメータ積は、少なくとも部分的に取得された処理データによって決定され得る。
【0019】
ビームエミッタは、複数の個別的なビームを放出する1つ以上のビーム源と、複数のビームを分散要素上に集束させるための集束光学と、集束ビームを受け取り、受け取られた集束ビームを分散させるための分散要素と、分散させられたビームを受け取り、分散させられたビームの一部をそれを通して入力レーザビームとして伝送し、分散させられたビームの第2の部分を分散要素に向かって戻るように反射するように位置付けられる部分反射出力結合器とを含むか、それから本質的に成るか、またはそれから成り得る。入力レーザビームは、複数の波長から成り得る。個別的なビームの各々は、異なる波長を有し得る。分散させられたビームの第2の部分は、1つ以上のビーム源に戻るように伝搬し、それによって、ビームをその放出波長に安定化させ得る。集束光学は、1つ以上の円筒形レンズ、1つ以上の球状レンズ、1つ以上の球状ミラー、および/または、1つ以上の円筒形ミラーを含むか、またはそれから本質的に成り得る。分散要素は、1つ以上の回折格子(例えば、1つ以上の透過格子、および/または、1つ以上の反射格子)、1つ以上の分散ファイバ、および/または、1つ以上のプリズムを含むか、それから本質的に成るか、またはそれから成り得る。
【0020】
コントローラは、出力ビームの所望されるビームパラメータを受信し、少なくとも部分的にそれに基づいて、セルラコア光ファイバの入力端を横切る経路を決定するように構成され得る。所望されるビームパラメータは、出力ビームのビームパラメータ積および/またはビーム形状を含むか、それから本質的に成るか、またはそれから成り得る。コントローラは、少なくとも部分的にセルラコア光ファイバの出力端に近接して(例えば、出力端において、出力端に取り付けられたレーザヘッド内で、または処理されるべきワークピースの表面上もしくはその近傍で)感知された(例えば、測定された)ビームパラメータに基づいて、セルラコア光ファイバの入力端を横切る経路を決定するように構成され得る。
【0021】
別の側面では、本発明の実施形態は、レーザビームのビーム形状および/またはビームパラメータ積を改変する方法を特徴とする。セルラコア光ファイバが、提供される。セルラコア光ファイバは、入力端と、入力端の反対側の出力端とを有する。セルラコア光ファイバは、複数のコア領域と、コア領域を包囲し、それらの間に延びているコア間クラッディング領域とを含むか、それらから本質的に成るか、またはそれらから成る。セルラコア光ファイバは、コア間クラッディング領域を包囲する外側クラッディングを含み得る。コア領域のうちの少なくとも1つのもの(または、各々)の屈折率は、コア間クラッディング領域の屈折率より大きい。入力レーザビームは、その上の経路に沿って、セルラコア光ファイバの入力端を横断して導かれる。経路は、コア領域のうちの1つ以上のものを含むか、それから本質的に成るか、またはそれから成り得る。経路は、コア間クラッディング領域の少なくとも一部を含むか、それから本質的に成るか、またはそれから成り得る。経路は、コア領域のうちの1つ以上のものと、コア間クラッディング領域の少なくとも一部とを含むか、それらから本質的に成るか、またはそれらから成り得る。セルラコア光ファイバの出力端において放出される出力ビームのビーム形状および/またはビームパラメータ積は、少なくとも部分的に入力レーザビームの経路によって決定される。
【0022】
本発明の実施形態は、種々の組み合わせのいずれかにおいて、以下のうちの1つ以上のものを含み得る。経路は、複数のコア領域を含むか、それらから本質的に成るか、またはそれらから成り得る。入力レーザビームの出力パワーは、入力レーザビームが経路に沿って導かれるとき、変調され得る。例えば、入力レーザビームの出力パワーレベルは、入力レーザビームが異なるコア領域の中および/またはコア間クラッディング領域に導かれているとき、異なり得る。入力レーザビームの出力パワーは、コア間クラッディング領域を越える(すなわち、交差する)経路の一部に沿って低減させられ(例えば、ゼロにまたはゼロ近くに、もしくは単により低い非ゼロパワーに)、それによって、コア間クラッディング領域の中へのビームエネルギーの結合を低減または実質的に排除し得る。経路は、コア間クラッディング領域の全てまたは一部を含むか、それから本質的に成るか、またはそれから成り得る。コア間クラッディング領域の中に結合されたビームエネルギーは、出力ビームへの非ゼロ背景エネルギーレベルに寄与し得る。出力ビームは、セルラコア光ファイバの出力端における複数の個別的なビームを含むか、それから本質的に成るか、またはそれから成り得る。複数の個別的なビームは、セルラコア光ファイバの出力端からある距離間隔を置かれた状態において、より少ないビーム(例えば、1つのビーム)に合流し得る。
【0023】
セルラコア光ファイバのコア領域のうちの少なくとも2つのものは、サイズおよび/または形状が異なり得る。コア間クラッディング領域の屈折率は、外側クラッディングが存在する場合、外側クラッディングの屈折率より大きいか、またはそれにほぼ等しくあり得る。入力端キャップが、セルラコア光ファイバの入力端上に配置され得る。出力端キャップが、セルラコア光ファイバの出力端上に配置され得る。セルラコア光ファイバの出力端に近接して配置されたワークピースが、出力ビームを用いて処理され得る。出力レーザビームのビームパラメータ積および/またはビーム形状が、少なくとも部分的にワークピースの特性に基づいて、セルラコア光ファイバの入力端を横切る経路の選択を介して決定され得る。ワークピースの特性は、ワークピースの厚さ、ワークピースの組成物、ワークピースの反射率、および/またはワークピース上の表面特徴の高さもしくは深度を含むか、それから本質的に成るか、またはそれから成り得る。セルラコア光ファイバの入力端を横切る経路は、セルラコア光ファイバのコア間クラッディング領域と交差し得る。入力レーザビームを経路に沿って導くことは、(i)1つ以上の反射体を用いて、レーザビームを反射させること、および/または、(ii)1つ以上の光学要素を用いて、レーザビームを集束させることを含むか、それから本質的に成るか、またはそれから成り得る。
【0024】
入力レーザビームは、ビームエミッタから放射され得る。ビームエミッタは、複数の個別的なビームを放出する1つ以上のビーム源と、複数のビームを分散要素上に集束させるための集束光学と、集束ビームを受け取り、受け取られた集束ビームを分散させるための分散要素と、分散させられたビームを受け取り、分散させられたビームの一部をそれを通して入力レーザビームとして伝送し、分散させられたビームの第2の部分を分散要素に向かって戻るように反射するように位置付けられる部分反射出力結合器とを含むか、それらから本質的に成るか、またはそれらから成り得る。入力レーザビームは、複数の波長から成り得る。個別的なビームの各々は、異なる波長を有し得る。分散させられたビームの第2の部分は、1つ以上のビーム源に戻るように伝搬し、それによって、ビームをその放出波長に安定化させ得る。集束光学は、1つ以上の円筒形レンズ、1つ以上の球状レンズ、1つ以上の球状ミラー、および/または、1つ以上の円筒形ミラーを含むか、またはそれから本質的に成り得る。分散要素は、1つ以上の回折格子(例えば、1つ以上の透過格子、および/または、1つ以上の反射格子)、1つ以上の分散ファイバ、および/または、1つ以上のプリズムを含むか、それから本質的に成るか、またはそれから成り得る。
【0025】
出力ビームの所望されるビームパラメータが、受信され得、セルラコア光ファイバの入力端を横切る経路が、少なくとも部分的に所望されるビームパラメータに基づいて選択され得る。所望されるビームパラメータは、出力ビームのビームパラメータ積および/またはビーム形状を含むか、それから本質的に成るか、またはそれから成り得る。セルラコア光ファイバの入力端を横切る経路は、少なくとも部分的にセルラコア光ファイバの出力端に近接して(例えば、出力端において、出力端に取り付けられたレーザヘッド内で、または処理されるべきワークピースの表面上もしくはその近傍で)感知された(例えば、測定された)ビームパラメータに基づいて選択され得る。
【0026】
さらに別の側面では、本発明の実施形態は、レーザビームを用いてワークピースを処理する方法を特徴とする。セルラコア光ファイバが、提供される。セルラコア光ファイバは、入力端と、入力端の反対側の出力端とを有する。セルラコア光ファイバは、複数のコア領域と、コア領域を包囲し、それらの間に延びているコア間クラッディング領域とを含むか、それらから本質的に成るか、またはそれらから成る。セルラコア光ファイバは、コア間クラッディング領域を包囲する外側クラッディングを含み得る。コア領域のうちの少なくとも1つのもの(または、各々)の屈折率は、コア間クラッディング領域の屈折率より大きい。ワークピースが、セルラコア光ファイバの出力端に近接して(例えば、光学的にその下流に)配置または位置付けられる。ワークピースの処理のためのビームパラメータ積および/またはビーム形状は、ワークピースの少なくとも1つの特性に基づいて決定される。レーザビームは、セルラコア光ファイバの入力端に向かって(例えば、それに衝打するように)導かれる。その後および/またはその間、レーザビームは、セルラコア光ファイバの入力端を横切る経路沿って導かれ、セルラコア光ファイバの出力端から放出されるレーザビームのビームパラメータ積、および/または、ビーム形状を選択する。経路は、コア領域のうちの1つ以上のものを含むか、それから本質的に成るか、またはそれから成り得る。経路は、コア間クラッディング領域の少なくとも一部を含むか、それから本質的に成るか、またはそれから成り得る。経路は、コア領域のうちの1つ以上のものと、コア間クラッディング領域の少なくとも一部とを含むか、それらから本質的に成るか、またはそれらから成り得る。ワークピースは、セルラコア光ファイバの出力端から放出されるレーザビームを用いて処理される。
【0027】
本発明の実施形態は、種々の組み合わせのいずれかにおいて、以下のうちの1つ以上のものを含み得る。ワークピースを処理することは、ワークピースの表面上および/または内の特徴の少なくとも一部を物理的に改変すること、および/または、それを形成することを含むか、それから本質的に成るか、またはそれから成り得る。ワークピースを処理することは、切断、溶接、エッチング、焼鈍、穿孔、はんだ、および/または蝋接を含むか、それから本質的に成るか、またはそれから成り得る。ワークピースの少なくとも1つの特性は、ワークピースの厚さおよび/またはワークピースの組成物、および/または、ワークピースの反射率を含むか、それから本質的に成るか、またはそれから成り得る。セルラコア光ファイバの入力端を横切る経路は、セルラコア光ファイバのコア間クラッディング領域と交差し得、セルラコアクラッディング領域の中に結合されたビームエネルギーは、(少なくとも部分的に)ワークピースを処理するために利用され得る。レーザビームをセルラコア光ファイバの入力端を横切る経路に沿って導くことは、(i)1つ以上の反射体を用いて、レーザビームを反射すること、および/または、(ii)1つ以上の光学要素を用いて、レーザビームを集束させることを含むか、それから本質的に成るか、またはそれから成り得る。ワークピースを処理する間および/またはその後、レーザビームをセルラコア光ファイバの入力端を横切る第2の経路上に導くことによって、レーザビームのビームパラメータ積、および/または、ビーム形状は、改変され、第2の経路は、セルラコア光ファイバの入力端を横切る経路と異なり得る。第2の経路は、コア領域のうちの1つ以上のものを含むか、それから本質的に成るか、またはそれから成り得る。第2の経路は、コア間クラッディング領域の少なくとも一部を含むか、それから本質的に成るか、またはそれから成り得る。第2の経路は、コア領域のうちの1つ以上のものと、コア間クラッディング領域の少なくとも一部とを含むか、それらから本質的に成るか、またはそれらから成り得る。第2の経路は、経路として、同一のコア領域および/またはコア間クラッディング領域(もしくはその一部)を含むか、それから本質的に成るか、またはそれから成り、ビームがコア領域、および/または、コア間クラッディング領域のうちの1つ以上のものを交差するために費やす時間は、第2の経路において異なり得る。第1のワークピースと異なる第2のワークピースは、ビームがビームに沿って導かれている間、処理され得る。第2のワークピースは、ワークピースのものと異なる少なくとも1つの特性(例えば、厚さ、組成物、反射率等)を有し得る。
【0028】
入力レーザビームは、ビームエミッタから放出され得る。ビームエミッタは、複数の個別的なビームを放出する1つ以上のビーム源と、複数のビームを分散要素上に集束させるための集束光学と、集束ビームを受け取り、受け取られた集束ビームを分散させるための分散要素と、分散させられたビームを受け取り、分散させられたビームの一部をそれを通して入力レーザビームとして伝送し、分散させられたビームの第2の部分を分散要素に向かって戻るように反射するように位置付けられる部分反射出力結合器とを含むか、それらから本質的に成るか、またはそれらから成る。入力レーザビームは、複数の波長から成り得る。個別的なビームの各々は、異なる波長を有し得る。分散させられたビームの第2の部分は、1つ以上のビーム源に戻るように伝搬し、それによって、ビームをその放出波長に安定化させ得る。集束光学は、1つ以上の円筒形レンズ、1つ以上の球状レンズ、1つ以上の球状ミラー、および/または、1つ以上の円筒形ミラーを含むか、またはそれから本質的に成り得る。分散要素は、1つ以上の回折格子(例えば、1つ以上の透過格子、および/または、1つ以上の反射格子)、1つ以上の分散ファイバ、および/または、1つ以上のプリズムを含むか、それから本質的に成るか、またはそれから成り得る。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
レーザシステムであって、前記システムは、
入力レーザビームの放出のためのビームエミッタと、
入力端と前記入力端の反対側の出力端とを有するセルラコア光ファイバであって、前記セルラコア光ファイバは、(i)複数のコア領域と、(ii)前記コア領域を包囲し、それらの間に延びているコア間クラッディング領域と、(iii)前記コア間クラッディング領域を包囲している外側クラッディングとを備え、前記コア領域の各々の屈折率は、前記コア間クラッディング領域の屈折率より大きい、セルラコア光ファイバと、
前記入力レーザビームを受け取り、前記入力レーザビームを前記セルラコア光ファイバに向かって反射するための反射体と、
前記入力レーザビームを前記反射体から受け取り、前記入力レーザビームを前記セルラコア光ファイバの入力端に向かって集束させるための光学要素と、
コントローラと
を備え、
前記コントローラは、前記セルラコア光ファイバの入力端と前記反射体または前記光学要素のうちの少なくとも一つとの間の相対的運動を制御し、それによって、前記入力レーザビームを前記セルラコア光ファイバの入力端を横切る経路に沿って導き、前記経路は、前記コア領域のうちの1つ以上のものを備え、それによって、前記セルラコア光ファイバの前記出力端において放出される出力ビームのビーム形状またはビームパラメータ積のうちの少なくとも一つが、少なくとも部分的に前記入力レーザビームの前記経路によって決定される、システム。
(項目2)
前記コントローラは、前記入力レーザビームを複数のコア領域を備えている経路に沿って導くように構成されている、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記コントローラは、前記入力レーザビームが前記経路に沿って導かれるとき、前記入力レーザビームの出力パワーを変調するように構成され、それによって、前記入力レーザビームが異なるコア領域の中に導かれているとき、前記入力レーザビームの前記出力パワーレベルは、異なっている、項目2に記載のシステム。
(項目4)
前記コントローラは、前記コア間クラッディング領域を越える前記経路の一部に沿って、前記入力レーザビームの出力パワーを低減させ、それによって、前記コア間クラッディング領域の中へのビームエネルギーの結合を低減または実質的に排除するように構成されている、項目2に記載のシステム。
(項目5)
前記経路は、前記コア間クラッディング領域の一部を備え、前記コア間クラッディング領域の中に結合されたビームエネルギーは、前記出力ビームへの非ゼロ背景エネルギーレベルに寄与する、項目2に記載のシステム。
(項目6)
前記出力ビームは、前記セルラコア光ファイバの前記出力端における複数の個別的なビームを含む、項目2に記載のシステム。
(項目7)
前記セルラコア光ファイバの前記コア領域のうちの少なくとも2つのものは、サイズおよび/または形状が異なっている、項目1に記載のシステム。
(項目8)
前記コア間クラッディング領域の前記屈折率は、前記外側クラッディングの屈折率より大きい、項目1に記載のシステム。
(項目9)
前記コア間クラッディング領域の前記屈折率は、前記外側クラッディングの屈折率にほぼ等しい、項目1に記載のシステム。
(項目10)
前記セルラコア光ファイバの前記入力端と前記反射体または前記光学要素のうちの少なくとも一つとの間の前記相対的運動は、前記反射体の回転または前記光学要素の側方平行移動のうちの少なくとも一つを含む、項目1に記載のシステム。
(項目11)
前記光学要素は、1つ以上のレンズ、および/または、1つ以上のプリズムを備えている、項目1に記載のシステム。
(項目12)
前記反射体、前記光学要素、または前記セルラコア光ファイバの前記入力端のうちの少なくとも1つの運動を制御するための1つ以上のアクチュエータをさらに備えている、項目1に記載のシステム。
(項目13)
前記セルラコア光ファイバの前記入力端上に配置された入力端キャップをさらに備えている、項目1に記載のシステム。
(項目14)
前記セルラコア光ファイバの前記出力端上に配置された出力端キャップをさらに備えている、項目1に記載のシステム。
(項目15)
前記コントローラは、測定されたパラメータに基づいて、前記レーザビームが前記セルラコア光ファイバの前記入力端上で導かれる前記経路を徐々に調節するためのフィードバック動作のために構成されている、項目1に記載のシステム。
(項目16)
前記測定されたパラメータは、前記レーザビームによって処理されるべきワークピースの測定されたパラメータである、項目15に記載のシステム。
(項目17)
前記測定されたパラメータは、前記レーザビームの測定されたパラメータである、項目15に記載のシステム。
(項目18)
前記セルラコア光ファイバの前記コア領域のうちの少なくとも2つものは、異なる断面形状を有する、項目1に記載のシステム。
(項目19)
前記セルラコア光ファイバの前記コア領域の各々は、同一の断面形状を有する、項目1に記載のシステム。
(項目20)
前記セルラコア光ファイバの前記複数のコア領域は、(i)中心コア領域と、(ii)前記中心コア領域の周囲に配置された複数の外側コア領域とを備えている、項目1に記載のシステム。
(項目21)
前記中心コア領域の直径は、前記外側コア領域のうちの少なくとも1つのものの直径より大きい、項目20に記載のシステム。
(項目22)
前記コントローラは、前記入力レーザビームを前記セルラコア光ファイバの前記入力端を横切る経路に沿って導くことによって、前記レーザビームの前記ビームパラメータ積を増加させるように構成され、前記経路は、前記コア間クラッディング領域と交差している、項目1に記載のシステム。
(項目23)
前記コントローラは、少なくとも部分的に前記レーザビームが結合される前記光ファイバの前記出力端に近接したワークピースの特性に基づいて、前記ビーム形状または前記ビームパラメータ積のうちの前記少なくとも一つを決定するように構成されている、項目1に記載のシステム。
(項目24)
前記ワークピースの前記特性は、前記ワークピースの厚さまたは前記ワークピースの組成物のうちの少なくとも一つを含む、項目23に記載のシステム。
(項目25)
(i)前記ワークピース上に画定された処理経路に対応するデータを記憶するための前記コントローラにアクセス可能なメモリと、(ii)複数の材料のための処理データを記憶するためのデータベースとをさらに備え、前記コントローラは、前記データベースにクエリし、前記ワークピースの1つ以上の材料のための処理データを取得するように構成され、前記ビームの前記ビーム形状または前記ビームパラメータ積のうちの前記少なくとも一つは、少なくとも部分的に前記取得された処理データによって決定される、項目23に記載のシステム。
(項目26)
前記ビームエミッタは、
複数の個別的なビームを放出する1つ以上のビーム源と、
前記複数のビームを分散要素上に集束させるための集束光学と、
前記集束ビームを受け取り、前記受け取られた集束ビームを分散させるための分散要素と、
部分反射出力結合器と
を備え、
前記部分反射出力結合器は、前記分散させられたビームを受け取り、前記分散させられたビームの一部を前記部分反射出力結合器を通して前記入力レーザビームとして伝送し、前記分散させられたビームの第2の部分を前記分散要素に向かって戻るように反射するように位置付けられ、前記入力レーザビームは、複数の波長から成る、項目1に記載のシステム。
(項目27)
前記分散要素は、回折格子を備えている、項目26に記載のシステム。
(項目28)
前記コントローラは、前記出力ビームの所望されるビームパラメータを受信し、少なくとも部分的にそれに基づいて、前記セルラコア光ファイバの前記入力端を横切る前記経路を決定するように構成されている、項目1に記載のシステム。
(項目29)
前記所望されるビームパラメータは、前記出力ビームの前記ビームパラメータ積または前記ビーム形状のうちの少なくとも一つを含む、項目28に記載のシステム。
(項目30)
前記コントローラは、少なくとも部分的に前記セルラコア光ファイバの前記出力端に近接して感知されたビームパラメータに基づいて、前記セルラコア光ファイバの前記入力端を横切る前記経路を決定するように構成されている、項目28に記載のシステム。
(項目31)
レーザビームのビーム形状またはビームパラメータ積のうちの少なくとも一つを改変する方法であって、前記方法は、
入力端と前記入力端の反対側の出力端とを有するセルラコア光ファイバを提供することであって、前記セルラコア光ファイバは、(i)複数のコア領域と、(ii)前記コア領域を包囲し、それらの間に延びているコア間クラッディング領域と、(iii)前記コア間クラッディング領域を包囲している外側クラッディングとを備え、前記コア領域の各々の屈折率は、前記コア間クラッディング領域の屈折率より大きい、ことと、
前記コア領域のうちの1つ以上のものを備えている経路に沿って、前記セルラコア光ファイバの前記入力端を横切って入力レーザビームを導くことであって、それによって、前記セルラコア光ファイバの前記出力端において放出される出力ビームのビーム形状またはビームパラメータ積のうちの少なくとも一つが、少なくとも部分的に前記入力レーザビームの前記経路によって決定される、ことと
を含む、方法。
(項目32)
前記経路は、複数のコア領域を備えている、項目31に記載の方法。
(項目33)
前記入力レーザビームが前記経路に沿って導かれるとき、前記入力レーザビームの出力パワーを変調することであって、それによって、前記入力レーザビームが異なるコア領域の中に導かれているとき、前記入力レーザビームの前記出力パワーレベルは、異なっている、ことをさらに含む、項目32に記載の方法。
(項目34)
前記コア間クラッディング領域を越える前記経路の一部に沿って、前記入力レーザビームの出力パワーを低減させ、それによって、前記コア間クラッディング領域の中へのビームエネルギーの結合を低減または実質的に排除することをさらに含む、項目32に記載の方法。
(項目35)
前記経路は、前記コア間クラッディング領域の一部を備え、前記コア間クラッディング領域の中に結合されたビームエネルギーは、前記出力ビームへの非ゼロ背景エネルギーレベルに寄与する、項目32に記載の方法。
(項目36)
前記出力ビームは、前記セルラコア光ファイバの前記出力端における複数の個別的なビームを含む、項目32に記載の方法。
(項目37)
前記セルラコア光ファイバの前記コア領域のうちの少なくとも2つのものは、サイズおよび/または形状が異なっている、項目31に記載の方法。
(項目38)
前記コア間クラッディング領域の前記屈折率は、前記外側クラッディングの屈折率より大きい、項目31に記載の方法。
(項目39)
前記コア間クラッディング領域の前記屈折率は、前記外側クラッディングの屈折率にほぼ等しい、項目31に記載の方法。
(項目40)
前記セルラコア光ファイバは、前記入力端上に配置された入力端キャップを備えている、項目31に記載の方法。
(項目41)
前記セルラコア光ファイバは、前記出力端上に配置された出力端キャップを備えている、項目31に記載の方法。
(項目42)
前記出力ビームを用いて、前記セルラコア光ファイバの前記出力端に近接して配置されたワークピースを処理することをさらに含む、項目31に記載の方法。
(項目43)
前記出力レーザビームの前記ビームパラメータ積または前記ビーム形状のうちの前記少なくとも一つは、少なくとも部分的に前記ワークピースの特性に基づいて、前記セルラコア光ファイバの前記入力端を横切る前記経路の選択を介して決定される、項目42に記載の方法。
(項目44)
前記ワークピースの前記特性は、前記ワークピースの厚さまたは前記ワークピースの組成物のうちの少なくとも一つを含む、項目43に記載の方法。
(項目45)
前記セルラコア光ファイバの前記入力端を横切る前記経路は、前記セルラコア光ファイバの前記コア間クラッディング領域と交差している、項目31に記載の方法。
(項目46)
前記入力レーザビームを前記経路に沿って導くことは、(i)1つ以上の反射体を用いて、前記レーザビームを反射すること、または、(ii)1つ以上の光学要素を用いて、前記レーザビームを集束させることのうちの少なくとも一つを含む、項目31に記載の方法。
(項目47)
ビームエミッタから前記入力レーザビームを放出することをさらに含み、前記ビームエミッタは、
複数の個別的なビームを放出する1つ以上のビーム源と、
前記複数のビームを分散要素上に集束させるための集束光学と、
前記集束ビームを受け取り、前記受けとられた集束ビームを分散させるための分散要素と、
部分反射出力結合器と
を備え、
前記部分反射出力結合器は、前記分散させられたビームを受け取り、前記分散させられたビームの一部を前記部分反射出力結合器を通して前記入力レーザビームとして伝送し、前記分散させられたビームの第2の部分を前記分散要素に向かって戻るように反射するように位置付けられ、前記入力レーザビームは、複数の波長から成る、項目31に記載の方法。
(項目48)
前記分散要素は、回折格子を備えている、項目47に記載の方法。
(項目49)
(i)前記出力ビームの所望されるビームパラメータを受信することと、(ii)少なくとも部分的に前記所望されるビームパラメータに基づいて、前記セルラコア光ファイバの前記入力端を横切る前記経路を選択することとをさらに含む、項目31に記載の方法。
(項目50)
前記所望されるビームパラメータは、前記出力ビームの前記ビームパラメータ積または前記ビーム形状のうちの少なくとも一つを含む、項目49に記載の方法。
(項目51)
前記セルラコア光ファイバの前記入力端を横切る前記経路は、少なくとも部分的に前記セルラコア光ファイバの前記出力端に近接して感知されたビームパラメータに基づいて選択される、項目49に記載の方法。
(項目52)
レーザビームを用いてワークピースを処理する方法であって、前記方法は、
入力端と前記入力端の反対側の出力端とを有するセルラコア光ファイバを提供することであって、前記セルラコア光ファイバは、(i)複数のコア領域と、(ii)前記コア領域を包囲し、それらの間に延びているコア間クラッディング領域と、(iii)前記コア間クラッディング領域を包囲している外側クラッディングとを備え、前記コア領域の各々の屈折率は、前記コア間クラッディング領域の屈折率より大きい、ことと、
ワークピースを前記セルラコア光ファイバの前記出力端に近接して配置することと、
前記ワークピースの少なくとも1つの特性に基づいて、前記ワークピースの処理のためのビームパラメータ積またはビーム形状のうちの少なくとも一つを決定することと、
レーザビームを前記セルラコア光ファイバの前記入力端に向かって導くことと、
その間、前記セルラコア光ファイバの前記出力端から放出される前記レーザビームのビームパラメータ積またはビーム形状のうちの少なくとも一つを選択するために、前記セルラコア光ファイバの前記入力端を横切る経路に沿って前記レーザビームを導くことであって、前記経路は、前記コア領域のうちの1つ以上のものを備えている、ことと、
前記セルラコア光ファイバの前記出力端から放出される前記レーザビームを用いて、前記ワークピースを処理することと
を含む、方法。
(項目53)
前記ワークピースを処理することは、前記ワークピースの表面の少なくとも一部を物理的に改変することを含む、項目52に記載の方法。
(項目54)
前記ワークピースを処理することは、切断、溶接、エッチング、焼鈍、穿孔、はんだ、または蝋接のうちの少なくとも1つを含む、項目52に記載の方法。
(項目55)
前記ワークピースの前記少なくとも1つの特性は、前記ワークピースの厚さおよび/または前記ワークピースの組成物を含む、項目52に記載の方法。
(項目56)
前記セルラコア光ファイバの前記入力端を横切る前記経路は、前記セルラコア光ファイバの前記コア間クラッディング領域と交差し、前記セルラコアクラッディング領域の中に結合されたビームエネルギーは、前記ワークピースを処理するために利用される、項目52に記載の方法。
(項目57)
前記レーザビームを前記セルラコア光ファイバの前記入力端を横切る前記経路に沿って導くことは、(i)1つ以上の反射体を用いて、前記レーザビームを反射すること、または、(ii)1つ以上の光学要素を用いて、前記レーザビームを集束させることのうちの少なくとも一つを含む、項目52に記載の方法。
(項目58)
前記ワークピースを処理する間、前記レーザビームを前記セルラコア光ファイバの前記入力端を横切る第2の経路上に導くことによって、前記レーザビームの前記ビームパラメータ積または前記ビーム形状のうちの少なくとも一つを改変することをさらに含み、前記第2の経路は、前記セルラコア光ファイバの前記入力端を横切る前記経路と異なる、項目52に記載の方法。
(項目59)
ビームエミッタから前記レーザビームを放出することをさらに含み、前記ビームエミッタは、
複数の個別的なビームを放出する1つ以上のビーム源と、
前記複数のビームを分散要素上に集束させるための集束光学と、
前記集束ビームを受け取り、前記受けとられた集束ビームを分散させるための分散要素と、
部分反射出力結合器と
を備え、
前記部分反射出力結合器は、前記分散させられたビームを受け取り、前記分散させられたビームの一部を前記部分反射出力結合器を通して前記レーザビームとして伝送し、前記分散させられたビームの第2の部分を前記分散要素に向かって戻るように反射するように位置付けられ、前記レーザビームは、複数の波長から成る、項目52に記載の方法。
(項目60)
前記分散要素は、回折格子を備えている、項目59に記載の方法。
【0029】
これらおよび他の目的は、本明細書に開示される本発明の利点ならびに特徴とともに、以下の説明、添付図面、ならびに請求項の参照を通して、より明白となるであろう。さらに、本明細書に説明される種々の実施形態の特徴は、相互排他的ではなく、種々の組み合わせおよび順列で存在し得ることを理解されたい。本明細書で使用されるように、用語「実質的に」は、±10%、いくつかの実施形態では、±5%を意味する。用語「本質的に~から成る」は、本明細書で別様に定義されない限り、機能に寄与する他の材料を除外することを意味する。それでもなお、そのような他の材料が、集合的または個別に、微量で存在し得る。本明細書では、用語「放射線」および「光」は、別様に示されない限り、同義的に利用される。本明細書では、用語「放射線」および「光」は、別様に示されない限り、同義的に利用される。本明細書では、「下流」または「光学的に下流」は、第1の要素であって、第2の要素の「上流」または「光学的に上流」にある、第1の要素に遭遇した後、光ビームが衝打する第2の要素の相対的設置を示すために利用される。本明細書では、2つの構成要素間の「光学距離」は、光ビームによって実際に進行される2つの構成要素間の距離であって、光学距離は、2つの構成要素間の物理的距離と等しくあり得るが、例えば、構成要素のうちの一方から他方に進行する光によって被られるミラーからの反射または伝搬方向における他の変化に起因して、必ずしもそうではない。
【0030】
図面中、同様の参照文字は、概して、異なる図全体を通して、同一の部品を指す。また、図面は、必ずしも、正確な縮尺ではなく、代わりに、概して、本発明の原理を図示する際に強調される。以下の説明では、本発明の種々の実施形態が、以下の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1Aおよび1Bは、本発明の種々の実施形態による、例示的セルラコア光ファイバの断面概略図である。
図2図2は、本発明の種々の実施形態による、例示的セルラコア光ファイバの断面概略図である。
図3図3は、本発明の種々の実施形態による、セルラコア光ファイバを利用するレーザシステムの概略図である。
図4図4Aは、本発明の種々の実施形態による、例示的セルラコア光ファイバの断面概略図である。図4Bは、本発明の種々の実施形態による、図4Aの光ファイバの面に沿って横断可能である2つの異なる入力ビーム経路を描写する。
図5図5は、本発明の種々の実施形態による、図4Bに描写される経路のうちの1つに沿って進行する入力ビームに関する入力および出力レーザビームの一連の時間平均ビーム形状を描写する。
図6図6は、本発明の種々の実施形態による、図4Bに描写される経路のうちの1つに沿って進行する入力ビームに関する入力および出力レーザビームの一連の時間平均ビーム形状を描写する。
図7図7は、本発明の種々の実施形態による、例示的セルラコア光ファイバの断面概略図である。
図8図8Aおよび8Bは、本発明の種々の実施形態による、図7の光ファイバの面に沿って横断可能である2つの異なる入力ビーム経路を描写する。
図9図9は、本発明の種々の実施形態による、図8Aに描写される経路に沿って進行する入力ビームに対する入力および出力レーザビームの一連の時間平均ビーム形状を描写する。
図10図10は、本発明の種々の実施形態による、図8Bに描写される経路に沿って進行する入力ビームに対する入力および出力レーザビームの一連の時間平均ビーム形状を描写する。
図11図11は、本発明の種々の実施形態による、レーザビーム送達システムのための入力ビームを供給するために利用され得る波長ビーム結合レーザシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
(詳細な説明)
図1Aおよび1Bは、本発明の実施形態に従って使用可能である2つの異なる例示的セルラコアファイバ100、110を描写する。示されるように、各セルラコアファイバは、各々がある屈折率(例えば、屈折率n)を有する複数の異なるコア領域120を有する。(この例では、コア領域120は全て、同一の屈折率を有するように説明されるが、本発明の実施形態は、コア領域120のうちの1つ以上のものが、他のコア領域と異なる屈折率を有する実装を含み、そのような屈折率は、概して、コア間クラッディング領域、および/または、外側クラッディングの屈折率より大きい。)セルラコアファイバ100、110は、種々の形状および数のコア領域120(例えば、ファイバ100に対して断面において実質的に円形、ファイバ110に対して異なる形状(例えば、正方形、長方形、三角形、楕円形、円形等))を有するように描写されるが、これらは、例示的にすぎず、本発明の実施形態によるセルラコアファイバは、2つ以上のコア領域120を有し得、コア領域120は、同一のサイズおよび/または形状もしくは異なるサイズおよび/または形状を有し得る。本明細書で利用されるように、「セルラコアファイバ」または「セルラコア光ファイバ」は、互いから分離され、コアのうちの少なくとも1つのものより低い屈折率を有するコア間クラッディング領域によって少なくとも部分的に包囲される2つ以上の異なるコア領域を有する。種々の実施形態では、セルラコアファイバのコア領域は、同軸ではない:コア領域のうちの1つ以上のものは、環状であり得るが、典型的には、コア領域は、セルラコアファイバ内の他のコア領域のうちの1つを包囲しない。
【0033】
コア間クラッディング領域130は、種々のコア領域120間に配置され、コア間クラッディング領域130は、典型的には、コア領域120のうちの少なくとも1つのもの(種々の実施形態では、全て)より小さい屈折率(例えば、屈折率n)を有する。セルラコアファイバ100、110はまた、コア領域120およびコア間クラッディング130を包囲する外側クラッディング領域140を有し得、外側クラッディング領域140は、コア間クラッディング領域130の屈折率より小さいか、またはそれにほぼ等しい屈折率(例えば、屈折率n)を有し得る。種々の実施形態では、1つ以上の追加の外側クラッディング領域が、外側クラッディング領域140の部分的もしくは完全に周囲に配置され、外側クラッディング領域の各々は、同一または異なる屈折率を有し得る。
【0034】
本発明の種々の実施形態では、入力ビームの形状は、ビームをセルラコアファイバ(例えば、ファイバ100、ファイバ110、または別のセルラコアファイバ)のコア領域120のうちの異なるもの間で急速に操向することによって改変される。異なるパターンにおける(すなわち、コア領域120のうちの異なるものの間の)入力ビームの移動は、光ファイバから、異なるビーム形状を有する出力ビームを生成する。本発明の種々の実施形態では、入力ビームの形状は、ビームをセルラコアファイバ110の異なって成形されたコア領域の中に導かれることによって改変され得る。入力ビームが導かれるコア領域の形状は、光ファイバから放出される出力ビームの形状を決定することに役立つ。種々の実施形態では、コア間クラッディング領域130に導かれるビームエネルギー(例えば、ビームが異なるコア領域120の間で移動させられるとき)は、特に、外側クラッディング領域140の屈折率nがコア間クラッディング領域130の屈折率nを下回る実施形態において、少なくとも部分的にコア間クラッディング領域130の中に閉じ込められる。コア間クラッディング領域130の中に結合されたそのようなビームパワーは、典型的には、出力において非ゼロの背景パワーレベルをもたらす。この背景パワーレベルは、出力ビームの種々の異なる用途(例えば、切断または溶接等の材料プロセス)において望ましくあり得る最終出力ビームのBPPを変動させ得る。
【0035】
図2は、本発明の種々の実施形態による、別の例示的セルラコアファイバ200を描写する。セルラコアファイバ200は、ファイバ束であり、ファイバ束において、各々がクラッディング領域230によって包囲される少なくとも1つのコア領域220を有する複数の個別的な光ファイバ210が、「コア間」またはファイバ間材料240を介して一緒に束にされ、材料240は、光に対して少なくとも部分的に透明である(例えば、光がファイバ210を通して伝送される)材料を含むか、それから本質的に成るか、またはそれから成り得る。例えば、ファイバ間材料240は、エポキシ、ガラス、プラスチック等を含むか、それらから本質的に成るか、またはそれらから成り得る。図2に示されるように、ファイバ束200は、例えば、ガラスおよび/または金属を含むか、それから本質的に成るか、またはそれから成り得るフェルール250によって、少なくとも部分的に(例えば、その外周において)包囲され得る。種々の実施形態では、ファイバ束200の種々の個々のファイバ210は、異なるサイズおよび/または形状、および/または、数のコア領域220を有する。種々の実施形態では、ファイバ間材料240の中への入力ビームの放出は、そのようなビームパワーが、典型的には、喪失され(すなわち、ファイバ束200からの出力ビームの一部として放出されない)、さらにファイバ束200自体を損傷させ得るので、回避される。それらを利用する例示的ファイバ束およびシステムは、2017年11月9日に出願された米国特許出願第15/807,795号(その開示全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる)においても説明される。
【0036】
種々の実施形態では、ファイバ200のうちの1つ以上のものは、2017年4月5日に出願された米国特許出願第15/479,745号(「第‘745号出願」)(その開示全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に詳述されるようなステップクラッド光ファイバであり得る。第‘745号出願において説明されるように、ステップクラッド光ファイバは、中心コアと、中心コアを包囲する第1のクラッディングと、第1のクラッディングを包囲する環状コアと、環状コアを包囲する第2のクラッディングとを含むか、それらから本質的に成るか、またはそれらから成り得る。第1のクラッディングの種々の性質は、少なくとも部分的に第1のクラッディングの中に結合されるパワーに基づいて、BPP変動を可能にし得る。他のBPPおよび/またはビーム形状の変動も、第1のクラッディングに加えもしくはその代わりとしてのいずれか一方で、ステップクラッド光ファイバの他の部分の中に結合されるパワーに基づいて達成され得る。第‘745号出願において説明されるように、ステップクラッドファイバの第1のクラッディングの屈折率(N)は、高屈折率N(例えば、中心コアおよび/または環状コアの高屈折率N)と低屈折率N(例えば、第2のクラッディングの低屈折率N)との間の値を有し、それによって、中心コアは、(N -N )の平方根によって与えられる環状コアの開口数(NA)よりも、(N -N )の平方根によって与えられる小さいNAを有するであろう。種々の実施形態において、ステップクラッド光ファイバの中心コアおよび環状コアは、相互にほぼ等しいが、種々の実施形態では、環状コアの屈折率は、中心コアの屈折率と異なり(すなわち、それより小さいか、または大きいかのしずれか)得るが、しかしながら、一般的に、環状コアの屈折率は、第1のクラッディングの屈折率より大きいままである。種々の実施形態では、第‘745号出願において開示されるように、環状コアは、第1のクラッディングと同一の屈折率を有し得、すなわち、環状コアは、第1のクラッディングの中に合流する。本発明の実施形態によるステップクラッドファイバは、レーザパワーの実質的に全てまたは全てを第1のクラッディングの中に結合させ得る。第1のクラッディングの中に結合されるより大きいパワーは、概して、より大きいBPPにつながるであろう。種々の実施形態では、第1のクラッディングと中心コアとの直径比率は、1.2を上回り、例えば、1.2~3、またはさらに1.3~2である。
【0037】
本発明の種々の実施形態によると、光ファイバの種々のコア、コア間クラッディング、および外側クラッディング層は、実質的に純粋な溶融シリカ、および/または、フッ素、チタン、ゲルマニウム、および/またはホウ素でドープされた溶融シリカ等のガラスを含むか、それから本質的に成るか、またはそれから成り得る。光ファイバの異なる部分において所望の屈折率を達成するための適切な材料の選択は、過度の実験を伴わずに、当業者によって実施され得る。
【0038】
図3は、本発明の実施形態による、セルラコアファイバを利用する例示的レーザシステム300を描写する。示されるように、レーザシステム300は、セルラコアファイバ305を含む。レーザビーム310が、反射体315(例えば、1つ以上のミラー)によって向きを変えられ、光学要素320を介してファイバ305の中に結合される。光学要素320は、1つ以上のレンズ(例えば、円筒、および/または、球状レンズ)を含むか、それから本質的に成るか、またはそれから成り得る。示されるように、ファイバ305の一方または両方の端部は、端キャップ325(例えば、ガラスブロック)を介して終端され得る。一方または両方の端キャップ325、および/または、ファイバ305(例えば、一方または両方の端キャップ325が存在しない例において)の1つ以上の表面は、反射防止コーティングでコーティングされ得る。端キャップ325は、例えば、少なくとも5mmの長さを有し得る。端キャップ325の長さは、例えば、50mm以下であり得る。
【0039】
セルラコアファイバ305は、本明細書において詳述されるように、ビーム310の形状および/またはBPPを改変し、例えば、レーザヘッド335の中に出力ビーム330を出力する。レーザヘッド335は、例えば、出力ビーム330が多数の異なる用途(例えば、切断、溶接等)のうちのいずれかのために利用されるときに利用される追加の集束光学および/またはポジショナを含むか、それから本質的に成るか、またはそれから成り得る。レーザビーム310は、下で説明されるように、多波長ビームであり得、WBCシステムによって生成され得、したがって、種々の実施形態では、出力ビーム330も、多波長ビームである。レーザヘッド335は、ワークピースの加工のために、出力ビームをワークピースに導き得る。他の実施形態では、レーザヘッド335は、省略され、出力ビームは、直接ファイバ305からワークピースに導かれる。
【0040】
種々の実施形態では、反射体315の移動は、セルラコアファイバ305のコア領域のうちの1つ以上のものの中に(および/または、コア間クラッディングの中に)導かれるように、ビーム310を平行移動させる。例えば、反射体315は、1つ以上のアクチュエータ345に応答して、経路340に沿って傾斜(tip-tilt)調節(例えば、回転)され得る。加えて、または代替として、反射体315は、ビーム経路内で平行移動させられ、ビーム310をファイバ305の異なる領域の中に導き得る。種々の実施形態では、システムは、2015年2月26日に出願された米国特許出願第14/632,283号(その開示全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる)において詳述されるように、ビームを導くための変形可能な反射体315を利用し得る。
【0041】
ビーム310は、例えば、約10mm/秒より大きい、またはさらに約100mm/秒より大きいビーム平行移動速度で、コア領域のうちの異なるもの(および/または、コア間クラッディング)に平行移動させられ得る。ビーム平行移動速度は、例えば、アクチュエータ345の動作可能速度および/または光学要素320の焦点距離に依存し得る。前述されたように、ビーム310の平行移動中、ビームの出力パワーは、変調され得る。例えば、出力パワーは、コア間クラッディング領域の中への内部結合を最小化するために、ビームがコア間クラッディング領域を横切るとき、低減させられるか、またはさらにゼロパワー近くもしくはほぼゼロパワーにまで減少させられ得る。他の実施形態では、出力パワーは、さらなるビームパワーをコア間クラッディングの中に内部結合させるために、ビームが1つ以上のコア領域からコア間クラッディングの中に平行移動させられるとき、ほぼ同一のレベルに維持される。ビーム310の出力パワーは、ビームがファイバ305のコア領域のうちの異なるものに導かれているときにも、変化(すなわち、増加または減少)させられ得る。加えて、または代わりに、ビームがセルラコアファイバ305の任意の特定の領域(例えば、コア領域、および/または、コア間クラッディング領域のうちの1つ以上のもの)に導かれている時間の量は、そのような領域の中に結合される時間平均パワーレベルが異なるように変動させられ得る。
【0042】
種々の実施形態では、アクチュエータ345は、2つの異なる軸(例えば、垂直なx軸およびy軸)に沿って反射体315を傾斜させること、および/または、移動させることが可能である2軸アクチュエータである。ある実施形態では、ミラーが、θxおよびθyの角度で回転させられ、それは、ファイバ305の入力表面上でビーム310の焦点をx方向に量θx×f、y方向に量θy×fだけ平行移動させる(式中、xおよびy方向は、ビーム伝搬の方向に対して垂直であり、fは、光学要素320の焦点距離である)。本発明の他の実施形態では、複数の異なるアクチュエータおよび/または複数の異なる反射体が、ビーム310を平行移動させるために利用され得、各アクチュエータ、および/または、反射体は、単一の軸または方向に沿って平行移動を制御し得る。種々の実施形態では、ビーム310をファイバ305の入力表面を横断して平行移動させるために、移動させられている反射体315に加えて、またはその代わりに、光学要素320が、平行移動させられ得る。種々の実施形態では、ビーム310をファイバ305の入力表面を横断して平行移動させるために、移動させられている反射体315および/または光学要素320に加えて、またはその代わりに、ファイバ305の入力表面(例えば、入力端キャップ325)自体が、平行移動させられ得る。
【0043】
本発明の実施形態によるレーザシステムは、セルラコアファイバ305の種々のコア領域および/またはコア間クラッディング間のレーザビーム310の移動を制御するコントローラ350を組み込み得る。例えば、コントローラは、レーザビーム310をコア領域のうちの異なるものの中および/またはコア間クラッディングの中に導くために、反射体315、および/または、光学要素320(例えば、1つ以上のアクチュエータ345を介して)の移動(例えば、回転、および/または、側方移動)を制御し得る。コントローラ350は、レーザビーム310を異なるコア領域の中および/またはコア間クラッディングの中に結合するために、反射体315、および/または、光学要素320を制御することに加えて、またはその代わりに、ファイバ104の入力端も移動させ得る。コントローラ350は、例えば、ファイバ305の種々の領域の中に結合されるビームパワーの量を制御するために、ファイバ305に対するビームの位置の関数として、ビーム310の出力パワーも変調し得る。コントローラ350は、時間の関数として、ファイバ305の種々の領域の中に結合されるパワーの量を変動させるために、セルラコアファイバ305と反射体315および/または光学要素320との間の相対的運動の速度も改変し得る。
【0044】
コントローラ350は、ソフトウェア、ハードウェア、またはそれらのある組み合わせのいずれかとして提供され得る。例えば、システムは、Intel Corporation(Santa Clara,Calif.)によって製造されたPentium(登録商標)またはCeleronファミリのプロセッサ、Motorola Corporation(Schaumburg,Ill.)によって製造された680x0およびPOWER PCファミリのプロセッサ、および/または、Advaced Micro Devices,Inc.(Sunnyvale,Calif.)によって製造されたATHLON線のプロセッサ等の1つ以上のプロセッサを含むCPUボードを有するPC等、1つ以上の従来のサーバクラスコンピュータ上に実装され得る。プロセッサは、上で説明される方法に関連するプログラムおよび/またはデータを記憶するためのメインメモリユニットも含み得る。メモリは、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、電気的に消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、プログラマブル読み取り専用メモリ(PROM)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、もしくは読み取り専用メモリデバイス(ROM)等の一般に利用可能なハードウェア上に常駐するランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、および/またはフラッシュメモリを含み得る。いくつかの実施形態では、プログラムは、光ディスク、磁気ディスク、ならびに他の一般に使用される記憶デバイス等の外部RAMおよび/またはROMを使用して提供され得る。機能が1つ以上のソフトウェアプログラムとして提供される実施形態に対して、プログラムは、FORTRAN、PASCAL、JAVA(登録商標)、C、C++、C#、BASIC、種々のスクリプト言語、および/または、HTML等のいくつかの高レベル言語のいずれかで記述され得る。加えて、ソフトウェアは、標的コンピュータ上に常駐するマイクロプロセッサを対象とするアセンブリ言語で実装され得、例えば、ソフトウェアは、IBM PCまたはPCクローン上で起動するように構成される場合、Intel 80x86アセンブリ言語で実装され得る。ソフトウェアは、限定ではないが、フロッピー(登録商標)ディスク、ジャンプドライブ、ハードディスク、光ディスク、磁気テープ、PROM、EPROM、EEPROM、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはCD-ROMを含む、製造品上で具現化され得る。
【0045】
コントローラ350は、ワークピースまたはレーザヘッド335におけるビーム性質(例えば、束密度、ビーム直径、ビーム形状、BPP等)の所望の値と、ビーム性質とファイバ端面(例えば、コア領域、および/または、コア間クラッディングのうちの1つ以上のもの)に対するビームの位置との間の既知の関係とに基づいて、および/または、ユーザ入力(例えば、ファイバの端面またはその一部(例えば、1つ以上のコアもしくはコア間クラッディング)とのコマンドされる重複度またはその位置)に基づいて、ファイバ端面に対する入力レーザビームの適切な位置を算出し得、および/または、下でより詳細に説明されるように、ビームとファイバの端面との間の最適整列が徐々に達成されるように、フィードバックを使用し得る。例えば、光検出器または他の光センサが、ワークピースに近接して利用され、ワークピース表面におけるビーム形状、ビーム直径、BPP、および/または、束密度(例えば、ビーム自体のビーム性質、またはワークピース表面からの反射の測定を介して)を監視し得、コントローラ350は、測定された値をフィードバックとして利用し、所望のビーム性質がワークピースにおいて達成されるまで、ファイバ端部に対する入力ビームの位置付けを調節し得る。例えば、測定されたビーム性質は、所望されるビーム性質(例えば、ユーザによって入力または別様に決定されたもの、および/または、レーザが利用され得るワークピースおよび/または処理のタイプのうちの1つ以上の性質によって決定されたもの)と反復的に比較され得、コントローラ350は、例えば、エラー関数の最小化を介して、その間の差異を低減もしくは最小化し得る。他のセンサ、例えば、温度センサおよび/またはワークピース表面上に及ぼすビームの影響を測定するセンサ(例えば、深度もしくはプロファイルセンサ等)も、本発明の実施形態における光センサに加えて、またはその代わりに利用され得る。
【0046】
種々の実施形態では、コントローラ350は、種々のセルラコア光ファイバの面上において横切られる種々の経路から結果として生じるビーム形状および/またはBPP(もしくは他のビーム性質)を検出し、結果を記憶し、ビーム形状またはBPP等の所望されるビーム性質に応じた1つ以上の好適な経路を決定するために、結果を利用し得る。結果は、所与のセルラコア光ファイバ上のレーザビームによって横切られる可能な経路から結果として生じる1つ以上のビーム性質を予測するために利用され得る機械学習モデルにおいも利用され得る。種々の実施形態では、物理/光学モデリングが、種々の異なるセルラコアファイバ上において横切られる種々の経路から結果として生じる1つ以上のビーム性質(例えば、ビーム形状、および/または、BPP)を予測するために利用され得、そのような結果は、少なくとも部分的に所望されるビーム性質を達成するための経路を選択するために、コントローラ350によって利用され得る。
【0047】
図4Aは、本発明の実施形態による、例示的セルラコアファイバ400の概略断面図である。示されるように、この例示的ファイバ400は、コア間隔410に対応する互いからほぼ等しい距離間隔を置かれる7つの異なるコア領域120を有する。コア領域120は、コア間クラッディング130によって包囲され、コア間クラッディング130は、次に、外側クラッディング層またはフェルール140によって封入される。下で提供される例では、各コア120は、100μmの直径を有し、コア間間隔410は、150μmであり、コア間クラッディング130は、500μmの直径と、0.12の開口数とを有し、外側クラッディング140は、600μmの直径と、0.22の開口数とを有する。図4Bは、本発明の実施形態を実証するように利用される2つの異なる例示的ビーム経路を描写する。第1のものは、中心コア領域120と中心コア領域120に隣接し、かつわずかにその下方にある2つのコア領域120との間に進行する「矢印」経路420である。第2の経路は、外側の6つのコア領域120の間を進行する「リング」経路430である。
【0048】
図5は、入力ビームが図4Bに描写される矢印経路420に沿って移動させられる例示的実施形態に対する入力および出力レーザビームの一連のシミュレートされた時間平均ビーム形状を描写する。シミュレートされた画像では、レーザは、従来の100μm光ファイバの中に結合される場合、約4mm-mradのBPPを有する4kWのWBCレーザである。最も左側の画像は、矢印経路420に沿って移動する入力ビームを描写し、残りの画像は、ファイバ400の出射面、および出口から徐々に離れた距離における結果として生じる出力ビームを描写する。示されるように、レーザパワーは、レーザビームが1つのコア領域120から他のものに移動させられるとき、経時的に実質的に一定のままであり、したがって、レーザパワーの一部が、コア間クラッディング領域130の中に結合される。コア間クラッディング領域130の中に結合されるこのパワーは、非ゼロ背景出力パワーレベルとして残りの画像において明白である。図5に示されるように、出力ビームは、ファイバ出口を越えて単一の成形されたビームに合流する3つの個別的なビームとして、ファイバ400から出現する。このように、入力ビームの形状およびBPPの両方は、経路420に沿ったビームの制御を介して、例えば、ワークピースを処理するために利用され得る所望される出力ビームを形成するように改変されている。例えば、図5では、ファイバ出口におけるビームの推定有効スポットサイズは、直径において約450μmであり、ファイバ出口におけるビームのBPPは、約18mm-mradである。
【0049】
図6は、入力ビームが図4Bに描写されるリング経路430に沿って移動させられる例示的実施形態に対する入力および出力レーザビームの一連のシミュレートされた時間平均ビーム形状を描写する。シミュレートされた画像では、レーザは、従来の100μm光ファイバの中に結合される場合、約4mm-mradのBPPを有する4kWのWBCレーザである。最も左側の画像は、リング経路430に沿って移動する入力ビームを描写し、残りの画像は、ファイバ400の出射面、および出口から徐々に離れた距離における結果として生じる出力ビームを描写する。示されるように、レーザパワーは、コア間クラッディング領域130の中に結合されている感知できるほどのパワーを防止するために、入力において変調される。すなわち、レーザの出力パワーは、1つのコア領域120から別のものに進行するとき、レーザビームがコア間クラッディング領域130を交差するとき、ゼロまで減少させられる。図6に示されるように、出力ビームは、ファイバ出口を越えて単一の成形されたビームに合流する6つの個別的なビームとして、ファイバ400から出現する。このように、入力ビームの形状およびBPPの両方は、経路430に沿ったビームの制御を介して、例えば、ワークピースを処理するために利用され得る所望される出力ビームを形成するように改変されている。例えば、図6では、ファイバ出口におけるビームの推定有効スポットサイズは、直径において約365μmであり、ファイバ出口におけるビームのBPPは、約14mm-mradである。
【0050】
図7は、本発明の実施形態による、例示的セルラコアファイバ700の概略断面図である。示されるように、ファイバ700は、より大きい直径を有する内側(または中心)コア領域720を包囲する8つの異なる外側コア領域710を有する。コア領域710、720は、コア間クラッディング130によって包囲され、コア間クラッディング130は、次に、外側クラッディング層140によって封入される。内側コア領域720の中心点は、間隔730によって、外側コア領域710の各々の中心点から分離される。下で提供される例では、各外側コア710は、100μmの直径を有し、内側コア720は、500μmの直径を有し、内側中心の中心から外側コアのうちのいずれかまでの間隔730は、350μmであり、コア間クラッディング130は、900μmの外径を有する。図8Aおよび8Bは、本発明の実施形態を実証するために利用される2つの異なる例示的ビーム経路を描写する。図8Aに示される第1の経路800は、中心コア領域720と外側コア領域710のうちの2つのものとの間を進行する経路である。破線によって示されるように、レーザパワーは、ビームがコア間クラッディング領域130を交差するとき、最小限または実質的にオフにされる。図8Bに示される第2の経路810は、レーザビームが中心コア720の中心またはその近傍にあるときにも、レーザパワーが低減もしくは最小化される点を除いて、図8Aの経路800に類似する。
【0051】
図9は、入力ビームが図8Aに描写される経路800に沿って移動させられる例示的実施形態に対する入力および出力レーザビームの一連のシミュレートされた時間平均ビーム形状を描写する。シミュレートされた画像では、レーザは、従来の100μm光ファイバの中に結合される場合、約4mm-mradのBPPを有する4kWのWBCレーザである。最も左側の画像は、経路800に沿って移動する入力ビームを描写し、残りの画像は、ファイバ700の出射面、および出口から徐々に離れた距離における結果として生じる出力ビームを描写する。示されるように、レーザパワーは、入力ビームが中心コア領域720の中に結合されるパワーレベルと比較すると、2つの外側コア領域710の中に結合されるとき、少なくとも時間平均ベースで減少させられる(すなわち、外側コア領域710にわたって費やされるビームの出力パワーおよび/または時間の量は、ビームが中心コア領域720に導かれているときより小さくあり得る)。出力ビームは、ファイバ出口から出現するとき、2つの小さい「パイロットビーム」を伴う大きい一次ビームとして出射する。そのようなパイロットビームは、処理されるべきエリアを事前加熱、および/または一次ビームを誘導するための溶接等の用途において有利であり得る。示されるように、一次ビームは、その中心において高出力パワーを有し、出力パワーは、一次ビームの縁に向かって減少する。図9では、ファイバ出口におけるビームの推定有効スポットサイズは、直径において約490μmであり、ファイバ出口におけるビームのBPPは、約20mm-mradである。
【0052】
図10は、入力ビームが図8Bに描写される経路810に沿って移動させられる例示的実施形態に対する入力および出力レーザビームの一連のシミュレートされた時間平均ビーム形状を描写する。シミュレートされた画像では、レーザは、従来の100μm光ファイバの中に結合される場合、約4mm-mradのBPPを有する4kWのWBCレーザである。最も左側の画像は、経路810に沿って移動する入力ビームを描写し、残りの画像は、ファイバ700の出射面、および出口から徐々に離れた距離における結果として生じる出力ビームを描写する。示されるように、レーザパワーは、入力ビームが2つの外側コア領域710の中に結合されるとき、少なくとも時間平均ベースで減少させられる。出力ビームは、ファイバ出口から出現するとき、2つの小さい「パイロットビーム」を伴う大きい一次ビームとして出射する。示されるように、一次ビームの出力パワーは、ファイバ出口およびそれを越えてすぐの場所では実質的に均一であり、すなわち、一次ビームは、溶接、クラッディング等の多くの用途のために有利であり得る平坦な頭の先のビーム形状を有する。図10では、ファイバ出口におけるビームの推定有効スポットサイズは、直径において約495μmであり、ファイバ出口におけるビームのBPPは、約20mm-mradである。
【0053】
コントローラ350は、本発明の実施形態によると、所望の処理のタイプ(例えば、切断、溶接等)および/または処理されるべきワークピース、および/または、出力ビームのためにマッピングされた所望の処理経路の1つ以上の特性(例えば、材料パラメータ、厚さ、材料タイプ等)に基づいて、出力ビームのBPPおよび/またはビーム形状を制御し得る。そのようなプロセスおよび/または材料パラメータは、ユーザによって、コントローラ350に関連付けられたメモリ内に記憶されたデータベースから選択され得るか、または入力デバイス(例えば、タッチスクリーン、キーボード、コンピュータマウス等のポインティングデバイス等)を介して打ち込まれ得る。1つ以上の処理経路は、ユーザによって提供され、オンボードもしくはコントローラ350に関連付けられた遠隔メモリ内に記憶され得る。ワークピースおよび/または処理経路選択後、コントローラ350は、データベースにクエリし、対応するパラメータ値を取得する。記憶された値は、材料および/または1つ以上の処理経路もしくは材料上の処理場所に好適なBPP、および/または、ビーム形状を含み得る。
【0054】
プロットおよび走査技術において十分に理解されるように、ビームと所望のビーム経路との間の必要な相対的運動は、例えば、移動可能なミラーを使用したビームの光学偏向、ガントリ、送りねじ、または他の配置を使用したレーザの物理的移動、および/または、ビームではなく(またはそれに加え)、ワークピースを移動させるための機械的配置によって生成され得る。コントローラ350は、いくつかの実施形態では、ワークピースに対するビームの位置および/または処理有効性に関するフィードバックを好適な監視センサに接続されるフィードバックユニットから受信し得る。フィードバックユニットからの信号に応答して、コントローラ350は、例えば、入力ビーム310のセルラコア光ファイバの面上の1つ以上の異なる場所への移動を介して、ビームの経路、BPP、および/または、形状を改変し得る。本発明の実施形態は、2015年3月5日に出願された米国特許出願第14/639,401号、2016年9月9日に出願された米国特許出願第15/261,096号、および2017年7月14日に出願された米国特許出願第15/649,841号(それぞれの開示全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示される装置ならびに技法の側面も組み込み得る。
【0055】
加えて、レーザシステムは、ワークピースの厚さおよび/またはその上の特徴の高さを検出するための1つ以上のシステムを組み込み得る。例えば、レーザシステムは、2015年4月1日に出願された米国特許出願第14/676,070号(その開示全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に詳述されるようなワークピースの干渉深度測定のためのシステム(またはその構成要素)を組み込み得る。そのような深度または厚さ情報は、例えば、処理されている材料のタイプに対応するデータベース内の記録に従って、コントローラによって、出力ビームBPPおよび形状を制御し、ワークピースの処理(例えば、切断もしくは溶接)を最適化するために利用され得る。
【0056】
本発明の実施形態による、本明細書に詳述されるレーザシステムおよびレーザ送達システムは、WBCレーザシステムにおいて、および/または、それとともに利用され得る。具体的には、本発明の種々の実施形態では、WBCレーザシステムの多波長出力ビームは、本明細書に詳述されるように、BPPおよび/またはビーム形状の変動のために、レーザビーム送達システムのための入力ビームとして利用され得る。図11は、1つ以上のレーザ1105を利用する例示的WBCレーザシステム1100を描写する。図11の例では、レーザ1105は、ビーム1110を放出する4つのビームエミッタを有するダイオードバーを特徴とする(拡大入力図1115参照)が、本発明の実施形態は、任意の数の個々のビームを放出するダイオードバーまたは2次元アレイもしくはスタックのダイオードもしくはダイオードバーを利用し得る。図1115では、各ビーム1110は、線によって示され、線の長さまたはより長い寸法は、ビームの低速発散次元を表し、高さもしくはより短い寸法は、高速発散次元を表す。コリメート光学1120が、各ビーム1110を高速次元に沿ってコリメートするために使用され得る。1つ以上の円筒形もしくは球形レンズおよび/またはミラーを含むか、それから本質的に成り得るか、またはそれから成る変形光学1125が、各ビーム1110をWBC方向1130に沿って結合させるために使用される。変形光学1125は、次いで、結合されたビームを分散要素1135(例えば、反射または透過回折格子、分散プリズム、グリズム(プリズム/格子)、伝送格子、もしくはエシェル格子を含むか、それから本質的に成るか、またはそれから成り得る)上に重複させ、結合されたビームは、次いで、単一出力プロファイルとして出力結合器1140上に伝送される。出力結合器1140は、次いで、結合されたビーム1145を出力正面図1150上に示されるように伝送する。出力結合器1140は、典型的には、部分的に反射性であり、この外部キャビティシステム1100内の全レーザ要素のために共通正面ファセットとして作用する。外部キャビティは、二次ミラーが、各レーザエミッタの放出開口またはファセットから離れるようにある距離だけ変位させられるレージングシステムである。いくつかの実施形態では、追加の光学が、放出開口またはファセットと出力結合器もしくは部分的反射表面との間に設置される。出力ビーム1145は、したがって、多波長ビーム(個々のビーム1110の波長を結合する)であり、本明細書に詳述されるレーザビーム送達システム内の入力ビームとして利用され得、および/または光ファイバの中に結合され得る。
【0057】
本明細書で採用される用語および表現は、限定ではなく、説明の観点として使用され、そのような用語ならびに表現の使用において、図示かつ説明される特徴またはその一部の均等物のいずれかを除外する意図はなく、種々の修正が、請求される本発明の範囲内で可能であることを認識されたい。
図1
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図5
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図11