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特許7123077コンクリートトラック中への成分化学添加剤用の膨張ノズルおよび同の使用の方法と装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-12
(45)【発行日】2022-08-22
(54)【発明の名称】コンクリートトラック中への成分化学添加剤用の膨張ノズルおよび同の使用の方法と装置
(51)【国際特許分類】
   B28C 5/42 20060101AFI20220815BHJP
   B28C 7/04 20060101ALI20220815BHJP
   B60P 3/16 20060101ALN20220815BHJP
【FI】
B28C5/42
B28C7/04
B60P3/16 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019565336
(86)(22)【出願日】2018-05-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-27
(86)【国際出願番号】 US2018033685
(87)【国際公開番号】W WO2018217641
(87)【国際公開日】2018-11-29
【審査請求日】2021-03-29
(31)【優先権主張番号】62/510,908
(32)【優先日】2017-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515150265
【氏名又は名称】ジーシーピー・アプライド・テクノロジーズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000741
【氏名又は名称】特許業務法人小田島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フラー,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】アホ,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ブレック,ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】ロバーツ,マーク・エフ
【審査官】小川 武
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-248207(JP,A)
【文献】特開平06-154685(JP,A)
【文献】実公昭49-041522(JP,Y1)
【文献】米国特許第02831620(US,A)
【文献】米国特許第04144950(US,A)
【文献】米国特許第02368402(US,A)
【文献】米国特許第02655178(US,A)
【文献】米国特許第02828765(US,A)
【文献】米国特許第06893150(US,B1)
【文献】特開2002-200418(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28C 1/00-9/04
B60P 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトの入り口と前記のシャフトの入り口から間隔を置いて配置されたシャフトの出口を含む支持部材と、
前記支持部材の前記シャフトの少なくとも一部分を囲むノズルブートとを含む、
1種以上の成分をコンクリート中に導入するためのノズルであって、
前記ノズルブートは、ノズルブートの入り口と前記ノズルブートの入り口から間隔を置いて配置されたノズルブートの出口と、そして前記ノズルブートの入り口と前記ノズルブートの出口との間の空洞(volume)とを有し、前記ノズルブートは、前記ノズルブートの入り口と前記ノズルブートの出口との間の前記空洞中への加圧下での水の導入時に前記囲み支持部材の前記シャフトに対して軸方向及び放射方向に膨張可能である蛇腹(Bellows)を含み、前記蛇腹は、さらに、水圧の撤収(withdrawal)時に、前記囲み支持部材の前記シャフトに対して軸方向及び放射方向に折畳み可能であり、
前記シャフトは、コンクリートがノズルブートの蛇腹に侵入しそして充填することを防止するバリアーを提供するショルダー停止装置を有する、
ノズル。
【請求項2】
前記ノズルブートは、前記支持部材のシャフトに対して軸方向にそして放射方向に、膨張可能そして折畳み可能である、請求項1のノズル。
【請求項3】
前記ノズルブートの蛇腹は、折り畳まれた状態または膨張された状態小さい外径領域と大きい外径領域を含み、前記大きい外径領域は相互に同様な外径または相互に異なる外径を有する、請求項1のノズル。
【請求項4】
前記支持部材のシャフトは、前記ノズルブートが膨張状態から折畳み(collapsed)状態に移行しているときに、前記ノズルブートの軸方向の動きを最小にするショルダーを有する、請求項1のノズル。
【請求項5】
前記シャフトは、前記ノズルブートが水圧の前記導入により膨張し、水圧の前記撤収により収縮する往復滑動することを容易にするために弾丸形または円錐形の末端を有する、請求項1のノズル。
【請求項6】
前記シャフトは、化学添加剤の供給源と連絡している、請求項1のノズル。
【請求項7】
前記ノズルブートは、ノズルブートを膨張するための水圧の供給源と連絡している、請求項6のノズル。
【請求項8】
前記ノズルブートの蛇腹は、前記シャフトに対して同軸に配置されており、前記シャフトは、さらに、前記ノズルブートが膨張状態から収縮状態に移行するとき、前記ノズルブートの軸方向に後退する程度を最小にする停止装置を提供する停止ショルダーを有する、請求項1~7のいずれかのノズル。
【請求項9】
ノズル表面からコンクリートを除去する方法であって、請求項1のノズルであって、前記ノズルブートの蛇腹の表面にコンクリートの付着したノズルを提供するステップと、加圧された水を前記ノズルブート入り口と前記ノズルブート出口との間の前記空洞内へ誘導し、これにより、前記ノズルブートの蛇腹を前記支持部材に対して軸方向、放射方向または軸方向および放射方向の両方向に膨張させ、かつ、前記表面に付着したコンクリートを除去するステップを含む、方法。
【請求項10】
流体を回転式コンクリートミキサードラム中に注入するための装置(system)であって、
水平な地面に対して5ないし40度の配向で傾斜された回転軸の周囲の回転を可能にするように、回転式に取り付けられ、そして流体を空洞の中に含む空洞を区画するための、相対する第1の末端と第2の末端とを連結する内側周辺の壁を伴う、ドラム胴体を有するミキサードラムであって、前記の相対する二つの末端の一方は、前記空洞への材料の投入および空洞からの排出を可能にするための開口部を有する、ミキサードラムと、水圧供給源と、
前記水圧供給源に連結された請求項1のノズルを含む、装置であって、
前記ノズルが、前記ノズルブート入り口と前記ノズルブート出口との間の空洞中に前記水圧が導入されたとき前記ノズルブートの蛇腹の膨張を可能にし、前記ノズルブート入り口と前記ノズルブート出口との間の空洞から前記圧が撤収されたとき前記ノズルブートの蛇腹の収縮を可能にする、
装置。
【請求項11】
更に、化学添加剤の供給源を含み、かつ、前記のシャフトは、シャフトの入り口とシャフトの出口とを含み、前記シャフトの入り口は、前記化学添加剤の前記の供給源と流体連絡している、請求項10の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示された態様は概括的に、コンクリートの製造に関し、そしてより具体的には、水および/または液体の化学添加剤(chemical admixtures)のような1種以上の成分を、例えばコンクリートミキサーのドラム中に計量分配する(dispensing)ためのノズルおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリートは、セメント、水および骨材(aggregates)、および場合により1種以上の化学添加剤から製造される。このような化学添加剤は、そのレオロジー(例えば、スランプ(slump)、流動度)、固化の開始、硬化速度、強度、凍結および融解抵抗、収縮およびその他の特性のような、前記コンクリートの様々な特性を改善するために添加される。
【0003】
大抵の場合、化学添加剤は、前記コンクリートプラントにおいてバッチ処理(batching)時に添加される。「乾式バッチ処理」プラントにおいては、前記セメント、水、骨材および化学添加剤は、別々の区分室(例えば貯蔵所またはサイロ)から、レディーミックストラック(ready mix truck)の回転式ドラム中に投入され、そして前記成分が一緒に混合される。「湿式バッチ処理」または「中央ミックス」プラントにおいては、すべての成分を合わせて、固定場所のミキサー中で十分に混合され、次にトラック上の回転式ドラム中に投入される。「シュリンクミックス」プラントは、前記成分が前記固定位置ミキサー中では一部分のみ混合され、次に前記トラックミキサー内で混合が完了される点を除いて、「湿式バッチ処理」または「中央ミックス」プラントに類似している。
【0004】
典型的な乾式バッチ処理法において、「ヘッドウォーター(head water)」が最初に添加され、次に前記骨材およびセメントが添加され、そして次に「テイルウォーター(tail water)」が添加される。前記化学添加剤は通常、ヘッドウォーターまたはテイルウォーターと一緒に添加される。この方法で、それは希釈され、すべての化学添加剤を混合ミキサー中に洗い落とすのに十分な水が含まれる。更に、化学添加剤は、前記骨材が前記ドラムに運搬されているときに前記骨材上に直接添加され、このようにして、すべての化学添加剤が前記レディーミックストラックのドラム中に流入することを確実にする場合がある。
【0005】
レディーミックストラックの前記ドラムは典型的には、流体のコンクリートがその中に含有される場合がある空洞を区画するための、相対する第1の末端と第2の末端とを連結する内壁を伴う矩形である。前記の二つの相対する末端の一方は、コンクリート、またはコンクリートを形成するために必要な成分の投入および排出を可能にするための開放末端である。それは、前記開放末端が頂上にあるように、一定の角度で、例えば、平らなまたは水平の地面に対して5ないし40度の配向で搭載される。
【0006】
前記ドラム内には、混合ブレードまたはフィンが螺線型に設置されている。前記ドラムが前記ブレードまたはフィンに対して一方向に回転されるときは、前記混合ブレードは、前記コンクリートを前記ドラムの下端に押し込み、そして混合を引き起こす。前記ドラムが前記ブレードまたはフィンに対して反対方向に回転されるときは、前記混合ブレードは前記コンクリートを前記開口部まで持ち上げて、そこから押出す。前記コンクリートは、そうでないと、前記トラックから一定の地点を超えて吹き出す傾向がありそうなので、前記ドラムは、流体の、可塑性のコンクリートで一部だけ、充填される場合がある。
【0007】
バッチ処理後に、前記トラックは前記プラントの投入地域から離れた場所に移動し、そして、乾式バッチ処理またはシュリンクミックスコンクリートの場合には、コンクリートの初期混合を完了し、その後作業現場に向けて出発する。しばしば、前記作業現場における最終排出時までを含む、前記コンクリートがバッチ処理され、初期混合された後に、更なる流体(水または化学添加剤)を添加することが望ましい。これは、一部の化学添加剤はバッチ処理後に添加されると、より有効に作用するために実施される。時々、すべての成分のバッチ処理時における変化(例えば、バッチ処理時にあまりに少ない水が添加される場合に)またはコンクリート特性の経時的変化(例えば、流動性およびその他のレオロジー性の喪失)を補填するために、更なる流体を添加することが必要である。
【0008】
更に、水圧を測定することにより前記ドラムにかかるトルクを監視することによるような、前記混合ドラムを回転させるために要するエネルギーを監視するためのセンサーを使用することにより、レディーミックスの配達トラック中のコンクリートの「スランプ」を制御し、そして前記混合ドラム中に流体を添加することにより流動度を調整することが知られている。
【0009】
コンクリートトラックは一般に、前記ドラムの開口部中に向けられたホースライン等により連結された水槽を備えている。この方法で、水は、前記水槽中の空気圧下で、またはポンプにより、前記ドラム中に計量分配される場合がある。
【0010】
化学添加剤槽がトラック上に搭載されることはあまり一般的ではない。しかし、このような化学添加剤槽が存在するときは、前記槽は典型的に、前記ドラム中に水を放出するために使用される同一のホースラインに連結される。前記化学添加剤は、前記水槽中の空気圧下で、またはポンプにより、前記の水ライン中に計量分配される場合がある。
【0011】
このようにして、水と添加剤両方が、車上槽から前記コンクリート混合ドラムに添加される場合がある。前記の水は通常、例えば約60psiまでの圧力を使用して前記水槽を加圧し、そして弁を開放して水の添加を開始することにより、添加される。しかし、コンクリートまたはコンクリート成分が前記コンクリートトラックに添加されるときに、前記コンクリート材料は前記の水用ノズルに付着して、前記ノズルに少量のセメント、砂、小石、等の望ましくない付加(addition)をもたらす傾向がある。これは図1にスキームで示され、前記ノズルが典型的に配置される不安定な状態を示す。コンクリートは前記ノズルを通過して、同一開口部を通って投入され、かつ排出され(discharged)、そして典型的な適用においては、これが水噴射(water spout)を惹起してコンクリートで充満させ、使用不能になる場合がある。これを防止するために、前記ノズルは、前記トラックが投入されるたびに毎回洗浄されなければならず、それは時間の無駄であり、現場の作業員によりめったに実施されない。
【0012】
コンクリートはまた、前記材料が固いとき、「積み重なる(stack up)」か、または非常に高くなる場合がある。これは、前記コンクリートが排出されるときに、それは前記ドラムの「スロート」部分全体、または開口部を充填することを意味する。前記の水および化学添加剤用の、1本以上のノズルは典型的に、この排出途上のコンクリートの行く手をふさぎ、そして完全に覆われてしまう場合がある。前記の1本以上のノズルの内部もまた、コンクリートで充満される場合がある。これらの課題は、前記の水用ノズルに、水添加におけるその効力を喪失させ、そして最終的には、前記ノズルからの前記の水放出を完全に制限する(restrict)場合がある。
【0013】
これらの課題を是正するために、現場作業員は、前記ノズルから前記コンクリートを機械的に取り除くためにハンマーその他の道具の使用の手段に訴えるか、またはそれらからコンクリートを取り除くために前記ノズルを掘削する場合がある。化学添加剤用ノズル(前記の水用ノズルとは別の場合)は、それらがかなり細い場合でも、同様な課題を有する場合があり、セメントペーストでもまだ、前記の内部および/または外部から前記ノズルを制限してしまう(restricting)場合がある。
【0014】
従って、以上の欠陥をもたないノズルを提供することが、本明細書に開示された態様の目的である。
【0015】
ノズルの1種以上の表面から、コンクリートを除去する(shedding)方法を提供することが更なる目的である。
【発明の開示】
【0016】
要約
本明細書に開示される態様は、コンクリートミキサーのドラムのような空洞中に、1種以上の液体を導入するための装置(system)および器具を提供する。特定の態様において、前記器具は、水および/または液体の化学添加剤のような1種以上の液体を、コンクリートミキサーのドラムのような空洞中に計量分配するために適したノズルを含み、そしてプラント施設におけるミキサーに対して有用で、そしてコンクリートのレディーミックスの配達トラックにおいて特に有用である。更に、コンクリートミキサーのドラムのような空洞中に、1種以上の液体を導入する方法が開示される。
【0017】
より具体的には、特定の態様において、ノズルブート(nozzle boot)が提供され、前記ノズルブートは、ノズルのシャフトまたはその他の支持部材の一部分を囲み、前記ブートは、膨張可能で、折畳み可能であり、そしてブートの出口を有する。幾つかの態様において、前記ブートは、軸方向と放射方向(例えば、前記支持部材に対して)とを含む複数の方向において膨張可能で、折畳み可能である。特定の態様において、前記ブートは、ノズルのシャフトまたは支持部材の一部分を囲み、そして回転式コンクリートミキサーのドラムのような空洞中へ、1種以上の液体を、例えば注入により、前記ブートの出口を通して導入するのに適する。
【0018】
幾つかの態様において、ノズルアセンブリーは、前記ミキサードラム中に2種以上の成分を独立して導入する場合がある。幾つかの態様において、このようなノズルアセンブリーは、ノズルブート、ノズルのシャフト、ノズルのシャフトの入り口、ノズルブートの入り口、ノズルのシャフトの出口およびノズルブートの出口を有し、前記ノズルブートは前記ノズルのシャフトの一部分を囲む。特定の態様において、前記ノズルのシャフトは、前記ノズルブートを支持することと、コンクリートトラックのミキサードラム中に成分を導入すること、との両方の機能を有する。従って、前記ノズルのシャフトの入り口は、前記ミキサードラムに導入される、化学添加剤の供給源のような第1の成分の供給源と流体連絡するようになっており、そして、前記ノズルのシャフトの出口と流体連絡している。特定の態様において、前記ノズルブートの入り口は、ミキサードラム中に導入される、水の供給源のような第2の成分と連絡するようになっており、そして前記ノズルブートの出口と流体連絡している。第2の成分が、前記ノズルブートの入り口を通って前記ノズルブート中に流入可能であるときは、それは、前記ノズルブートの膨張を引き起こす。その膨張の結果として、前記ノズルブートの表面に、以前付着したコンクリート(例えば、前記外面および/または内面)は、前記ブートが膨張するときに、張力を受ける。コンクリートの限定された引張り強さのために、前記コンクリートは、亀裂し、前記ノズルブートから崩れ去り、望ましくないコンクリートを前記ノズルから除去する。
【0019】
従って、本明細書に開示される態様は、前記ノズル上へのコンクリート蓄積による心配を取り除く。前記作業員が流体を添加するときに、前記ノズルは側面に沿って、また周辺に向かって膨張して、コンクリートを剥離する。前記ノズルを貫流する前記流体の力は、前記コンクリートを崩壊するために要する膨張を誘発する。
【0020】
特定の態様において、回転式コンクリートミキサーのドラムのような回転式ミキサードラム中への、化学添加剤および/または水のような流体を注入するための装置が提供される。前記装置は、例えば水平な地面に対して5ないし40度の向きで傾けられた回転軸の周囲の回転を可能にするように、回転式に取り付けられ、そして流体コンクリートのような流体をその中に含む空洞を区画するための、相対する第1の末端と第2の末端とを連結する、内側の周囲の壁を伴う矩形のドラム胴体を有する場合があるミキサードラムを含む場合がある。前記の二つの相対する末端の一方は、前記空洞への流体コンクリートの投入およびそれからの排出(unloading)を可能にするための開口部を有する場合がある。前記装置は、化学添加剤のような第1の成分の供給源、および/または水のような第2の成分の供給源を含む場合がある。前記装置はノズルを含み、前記ノズルは支持部材と、前記支持部材の少なくとも一部分を囲むノズルブートとを含み、前記ノズルブートは、ノズルブートの入り口と、前記ノズルブートの入り口から間隔を置いて配置されたノズルブートの出口と、そして前記ノズルブートの入り口と前記ノズルブートの出口との間の空洞(volume)とを有し、前記ノズルブートの入り口は、第1の成分の供給源と、そして/または第2の成分の供給源と流体連絡しており、そして前記空洞中への第1の成分の導入時に膨張可能であり、また前記空洞からの第1の成分の撤収時に折畳み可能な場合がある。前記支持部材はまた、成分を前記ミキサードラム中に導入する機能をもつ場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、特定の態様に従うノズルアセンブリーの透視図である。
図2A図2Aは、コンクリートトラックのドラム内のノズルの一般的な配置を示す図である。
図2B図2Bは、前記ブートの、軸上の過剰な後退を防止する、前記ノズル体上に形成された停止装置を示す、特定の態様に従うノズルアセンブリーの断面図である。
図3図3は、コンクリートで覆われた前記ノズルブートの外面を示す、特定の態様に従うノズルアセンブリーの断面図である。
図4図4は、前記ブートの外面のコンクリートの剥離を誘発させる、水圧により膨張されたブートを伴う、特定の態様に従うノズルアセンブリーを示すスキーム図である。
図5図5は、特定の態様に従う、1本以上の供給ラインを洗浄する(purge)ためのパージ装置のスキーム図である。
図6A図6Aは、特定の態様に従う、支持部材により支持された膨張状態にあるノズルブートの透視図である。
図6B図6Bは、特定の態様に従う、支持部材により支持された折畳み状態にあるノズルブートの透視図である。
図7図7は、特定の態様に従う、支持部材により支持された膨張状態にあるノズルブートの断面図である。
図8図8は、特定の態様に従う、支持部材により支持された膨張途中状態にあるノズルブートの透視図である。
図9図9は、前記ノズルの表面から崩落しているコンクリートを示す、作業中のノズルの実例図(illustration)である。
【0022】
詳細な説明
本明細書に開示された前記構成部品(components)、方法および器具の、より完全な理解は、前記添付図を参照することにより得られる場合がある。前記図形は、本開示を示すことの便利さおよび容易さに基づく単なるスキームによる表示であり、従って、前記装置またはそれらの構成部品の相対的サイズおよび寸法を示すこと、および/または前記の典型的態様の範囲を規定または限定することは意図されない。
【0023】
明確さのために以下の説明中に特定の用語が使用されるが、これらの用語は、前記図面中の説明のために選択された態様の具体的な構造のみに言及することが意図され、本開示の範囲を規定または限定することは意図されない。図面およびそれに続く以下の説明において、類似の数字表示は類似の機能を有する構成部品を表わすものと理解されなければならない。
【0024】
単数形「a」、「an」および「the」は、前記の文脈が明白に別記しない限り、複数の指示物を含む。
【0025】
前記明細中に使用される通りの様々な装置および部品は、別の構成部品(components)を「含む(comprising)」ものとして説明される場合がある。本明細書で使用される用語「含む(comprise(s))」、「含む(include(s)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「場合がある(can)」、「含む(contain(s))」およびそれらの変形体は、更なる構成部品の可能性を除外しない、自由な(open-ended)移行的言葉遣い、用語または言語であることが意図される。
【0026】
本明細書で使用される多くの用語は相対的用語であることに注目されるべきである。例えば、用語「上方の(upper)」と「下方の(lower)」とは、相互の位置において相対的であり、すなわち、上方の構成部品は下方の構成部品より高い高度に配置されており、そして前記構造物の具体的な配向または位置を必要とするものと解釈するべきではない。
【0027】
「最上部(top)」と「底部(bottom)」の用語は、絶対的な基準(reference)、すなわち地表に対して相対的である。言い換えると、最上位は常に、地表に対して、底部位よりも高い高度に配置される。
【0028】
本明細書に使用される用語「コンクリート」は、硬化されたときに、硬化建築物または土木工学的構造物を形成するセメント結合剤(例えば、場合により、細粒炭(fly ash)、顆粒化爆破粉炭(granulated blast furnace slag)、石灰またはその他のポゾラン物質のような補助的セメント質物質を含むポートランドセメント)、水および骨材(例えば、砂、粉砕小石または石、およびそれらの混合物)、を含む材料を表わすものと理解されるであろう。前記コンクリートは場合により、減水剤、中範囲減水剤、広範囲減水剤(「コンクリート流動化剤(superplasticizers)」と呼ばれる)、粘度調節剤、腐蝕防止剤、収縮減少化学添加剤、硬化促進剤、硬化遅延剤、空気取り込み剤(air entrainers)、脱空気剤、強度増加剤、顔料、着色剤、プラスチック収縮抑制または構造強化用の繊維、等を含む場合がある1種以上の化学添加剤を含む場合がある。本発明中に使用を想定される典型的なコンクリート混合ドラムは、レディーミックス配達トラック上、または混合プラントにおいて見かけられる場合がある固定ミキサー上に、通常、回転用に設置されたものを含む。このような混合ドラムは、1枚の混合ブレードが前記混合ドラムと一緒に回転しそして前記ミックス内に含まれる骨材を含む前記コンクリートミックスを混合する役目を果たすように、少なくとも1枚の混合ブレードがその上に取り付けられている内側周囲の壁面を有する。例えば、前記回転式コンクリートミキサーのドラムは、平らな地面に対して5ないし40度の方向に傾斜した回転軸の周囲の回転を可能にするように取り付けられる場合があり、そして第1の閉鎖末端と、前記ドラムへのコンクリートの投入およびそれから排出用の開口部を有する第2の末端とを連結する内側周囲の壁を伴う矩形のドラム胴体を有する場合がある。
【0029】
次に、図1に転じると、特定の態様に従う、典型的なノズルアセンブリー10が示される。示された態様において、前記ノズルアセンブリー10は、一つのミキサードラム中に2種の別の成分を独立して導入することが可能である。前記ノズルアセンブリー10は、前記ノズル開口部または前記ノズルアセンブリー10のシャフトの出口16が、前記ドラムの空洞中に焦点を当てて、コンクリートの1種以上の構成材料または成分をその空洞中に導入するように、コンクリートミキサーのドラム5の空洞の開口部を目指し、それに対して設置される場合がある(図2A)。示される前記態様において、前記ノズルアセンブリー10はシャフトの入り口12とノズルブートの入り口14とを含む。前記入り口14の実際の位置は、それと流体連絡しているだけで前記ノズルブートの一部である必要はないことは認められるであろうが、考察の目的のためにこの入り口14は前記ノズルブートの入り口と呼ばれるであろう。すなわち、前記入り口14は、図1に示される通りに、前記ノズルブートがそれに取り付けられている本体部材11中に形成される場合がある。前記ノズルブート20は、前記ノズルブートの入り口14から間隔を置いて配置されたノズルブート出口18を有する。前記シャフトの入り口12は、セメントトラックのミキサードラムに、硬くてもまたは柔軟であってもよい、例えば導管、ホース、管、等を伴うような前記ノズルアセンブリー10により導入される化学添加剤(図示されていない)またはその他のコンクリート材料(ingredient)または添加物(additive)のような第1の成分の供給源と流体連絡している場合がある。前記ノズルアセンブリー10中のノズル開口部またはシャフトの出口16は、好ましくは硬く、内腔を有し、そして前記ノズルアセンブリー10内で軸方向に延伸するシャフト15等を介して、第1の成分の供給源と流体連絡している。前記シャフトの出口16は好ましくは、滑らかでそして、HDPE、非粘着性プラスチックまたは、PTFE(TEFLON(登録商標))のような被覆材でできている場合がある。前記ノズルブートの入り口14は、セメントトラックのミキサードラムに、例えば硬くても柔軟でもよい、導管、ホース、管、等を伴うような前記ノズルアセンブリー10により導入される水(図示されていない)、または別の添加剤または成分のような第2の成分の供給源と流体連絡している場合がある。前記の1種以上の成分の1種以上の供給源は、ポンプで押し込むか、または加圧されて、前記ノズルアセンブリー10に流される場合がある。
【0030】
特定の態様において、ノズルブート20は、前記のシャフト15の一部分を囲み、そして接着により、そして/またはクランプ等(図示されていない)によるような機械的に、一方の末端またはその近位において、前記ノズルの本体部材11に結合されている。前記ノズルブート20は、前記ノズルの本体部材11に恒久的に固定されるか、またはそれが時々、新規ノズルブート20と容易に交換可能なように、取り外し可能に取り付けられる場合がある。前記ノズルブート20とノズルの本体部材11とはまた、単一の一体部品(piece)として構成される場合がある。特定の態様において、前記ノズルブート20は、前記シャフト15を囲み、それと少なくとも一部は同軸の水用ノズルを形成する。これは前記のノズルの全体的サイズを縮小する。
【0031】
特定の態様において、前記ノズルブート20は膨張可能で、折畳み可能である。図1は折畳み状態(20A)と、そして、気体または流体、例えば水、のような第2の成分の、ノズルブート20の内部空洞中への導入時の膨張状態(20)との両方におけるノズルブート20を表わす。前記膨張状態において、前記ノズルブート20は、例えば、前記シャフトの出口16が前記ノズルブート20Aの自由端を軸方向に越えて延伸する位置から、前記ノズルブート20の自由端が、前記シャフトの出口16を軸方向に越えて延伸する位置までの軸方向の膨張を含む図1および4で矢印により示される通りに、前記シャフト15に対して複数方向に膨張する。幾つかの態様において、ノズルブートの膨張の方向はまた、前記シャフト15に対する放射方向の膨張をも含む。
【0032】
図3に示された通りの前記ノズルブート20の外面のようなコンクリート100がノズルブート20に接着してしまったときに、前記ノズルブート20の膨張は、ノズルブート20の表面(内面および/または外面)にコートされた、または付着されたコンクリート100上に、引張り応力を形成し、そして前記ノズルブート20の膨張により惹起された前記引張り応力は、前記コンクリート100の比較的弱い引張り強さに打ち勝つので、そのコンクリートを亀裂させ、そして前記ノズルブート20から落下させるのに十分である(図4に図で示される)。
【0033】
前記ノズルブート20に適する構築材料は、エラストマー材料、高密度ポリエチレン(HDPE)および非接着性プラスチックのような、前記ノズルブート20に反復して膨張、収縮させることを可能にするために必要な弾力性を提供する材料である。
【0034】
幾つかの態様において、前記ノズルブート20は、その容積が変化する、例えば加圧下の水または気体(例えば、空気)の導入によるように膨張させられるか、または加圧下の水または気体の導入を停止することによるように圧搾される(compressed)場合がある柔軟材料のような蛇腹(bellows)である場合がある。前記蛇腹は、コンサーティーナまたはアコーディオン形を有する場合がある。例えば、図6Aに示される通りに、前記ノズルブート20は、その領域または区画(前記折畳み状態と前記膨張状態の両方における)の最大外径を有し、そして両方の軸方向に(すなわち、前記ノズルブートの出口18の方向に向かい、そしてそこから離れて)、次第に、より小さい外径をもつ領域に徐々に移行し、またはテーパーするそれぞれの中間領域20a’、20b’、20c’を有する複数の領域または区画20a、20b、20c、等を有する場合がある。前記領域20a’、20b’および20c’は相互と同様な外径(前記折畳み状態または膨張状態の両方の)を有するか、または相互に対して異なる外径を有する場合がある。
【0035】
前記ノズルブートを膨張させるために前記ノズルブート20にかけられる場合がある適切な圧力は好ましくは約2psiであり、また約60psiのように高い場合がある。
【0036】
図2Bに示される通りに、比較的小さい外径領域から比較的大きい外径領域に移行している領域がショルダー19を形成するように、前記シャフト15は、前記の比較的小さい外径の領域15Aと、比較的大きい外径の領域15Bとを含む場合がある。前記ノズルブート20は、それが膨張状態から収縮状態に移行するときに、前記ショルダー19が、前記ノズルブート20が軸方向に(例えば、前記ノズルブート20の軸の長さに沿ったその位置は特に限定されない前記ノズルブート20の1地点201に)後退する程度を最小にする停止装置(a stop)を提供するように設定され、そして前記シャフト15の周囲に配置される場合がある。前記停止装置はまた、それが発生すると前記ノズルを最終的に使用不能にさせる可能性がある排出途上のコンクリートが前記ノズルに侵入し、そして充填することを防止するバリアーを提供する。しかし、前記ノズルブート20の内面に付着した幾らかのコンクリートが存在する場合は、前記ブート20中への、流体(例えば、空気)の導入時のような前記ノズルブート20の膨張はまた、そのコンクリートを、前記表面から破壊剥離させ、そして最終的に前記ノズルブート20から追い出させるであろう。
【0037】
特定の態様において、前記ノズルブート20の出口は、前記シャフト15上に前記ノズルブート20に対する僅かな摩擦嵌合を形成するように、前記シャフトの出口16の一部分の外径よりごく僅かに大きい内径を有する。例えば、図1に認められる通りに、前記ノズルブート200の内部空洞(internal volume)中に圧力を蓄積させる制限(restriction)を形成する1個以上の突起物8が、前記ノズル領域の外面上に形成される場合がある。これは、第2の成分(例えば、水)が、加圧下で前記ノズルブート20の内部空洞中に導入されるときに、圧力が上昇し、前記ノズルブート20を複数方向に膨張させ、そして第2の成分を前記ノズルブート20の前記ノズルの出口18から流出させることを確実にする助けになる。前記ノズルブート20が膨張し、収縮するときに、それが前記シャフト15上を往復滑動することを容易にするために、前記シャフト15の末端は好ましくは、弾丸形または円錐形である。
【0038】
図5にスキームで示される通りに、幾つかの態様において、第2の成分の供給源は、第1の成分を担持する供給ラインと流体連絡する場合がある。例えば、供給ライン60が化学添加剤のような第1の成分と流体連絡して配置される場合がある一つの態様において、前記供給ライン60を、その代わりに、水または空気のような第2の成分と流体連絡して配置させるために、チェック弁65、等が使用される場合がある。これは、第2の成分による前記供給ライン60の流し去りまたはパージ、および前記チェック弁65の下流にある、それと流体連絡する前記成分の流し去りまたはパージを可能にする。
【0039】
図6A、6Bおよび7は、支持部材がそれ自体は出口を含まず、前記支持部材は前記ノズルブート20を支持する機能をもつが、前記コンクリートミキサーのドラムに成分を導入する機能をもたない(その目的には別のノズルが使用される場合がある)態様を示す。図6Aおよび7において、前記ノズルブート20は膨張状態で示され、従って、前記支持部材115の近位末端115Aを、軸方向に超えて延伸している。図6Bにおいて、前記ノズルブート20は折畳み状態で示され、従って前記支持部材115の近位末端115Aは、前記ノズルブート20を、軸方向に超えて延伸している。特定の態様において、前記支持部材115は、シャフト15のショルダー19のように、前記ノズルブート20の更なる軸方向の後退を防止するための停止装置として働く輪状ショルダー119を含む。図8は、前記膨張状態の前記ノズルブート20の線図であり、前記矢印は、前記支持部材115の周囲の、前記ノズルブート20の内部空洞中への流体の導入時の膨張方向を描いている。
【実施例
【0040】
コンクリートミキサートラックの水圧をシミュレートするために、ノズルを、ACポンプを使用して実験室内で試験した。前記ノズルの外部の蛇腹をPorsche 911 CVのつなぎ目から構成した。前記内部のシャフトはプラスチックであり、それは商業的適用には適切ではないが、試験の目的用のモデルとしては適する。アセンブリー全体は、化学添加剤用ノズルとして働く、支持用の内部シャフトの適正な構成部品を有した。前記蛇腹と停止装置とは図9に示される通りに設置された。
【0041】
第1の試験システムは、水硬性セメント(コンクリートの現実の生産に対して典型的ではない)中に覆われ、1日間静置された。水硬性セメントは非常に急速に硬化するが、コンクリートの残りの成分(例えば、砂、小石)を含まない。前記セメントが放置硬化された後に、前記ポンプを始動させ、前記蛇腹は複数方向に膨張し、前記硬化されたセメントを粉砕し、それを前記蛇腹から落下させた。
【0042】
更なる試験を、3/4インチ(1.9cm)の骨材、1ヤード(0.91m)当り517ポンド(234.5kg)[279.7kg/m]のセメント質材料を使用する従来の~3500psiの圧縮強度のコンクリートを使用して実施した。前記コンクリートを、第1日の午後に製造し、前記ノズル上に圧縮し(packed)、丸1日間放置した後に試験した。これは、大部分の使用例において、前記ノズルが当日の最後に少なくとも1回膨張される点で、極端な事例である。確実に、圧力が通常のコンクリート操作期間に認められる圧力を超えないように圧力を監視した。前記ノズルにおける前記圧力は8psiと測定された。前記蛇腹の膨張時に、前記コンクリートは破壊して、前記蛇腹から落下した。
【0043】
前記ドラムを排出するときに、前記ノズルに衝突するコンクリートをシミュレートするために、まだ更なる試験を実施した。前記ノズルをコンクリートのバケツ中に5回、押し込み、次に1日間放置した。次に前記システム中に水をかけ、その結果は同様であった。前記ノズルの内部のシャフト上の停止装置は、前記コンクリートを前記蛇腹の内部に侵入させることなく保持し、そして試験完了時に、前記コンクリートは前記ノズルから完全に落下した。
【0044】
すべての事例において、前記の内部のシャフトと外部の蛇腹とを、コンクリートの堆積につき検査した。最少量のコンクリートのみが残留し、大部分は、硬化コンクリートの塵だけであった。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9