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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-12
(45)【発行日】2022-08-22
(54)【発明の名称】ヘッドマウントディスプレイデバイス
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/64 20060101AFI20220815BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20220815BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20220815BHJP
   G02B 27/02 20060101ALI20220815BHJP
   H01L 35/30 20060101ALI20220815BHJP
【FI】
H04N5/64 511A
H05K7/20 H
H05K7/20 S
G09F9/00 304B
G02B27/02 Z
H01L35/30
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020211722
(22)【出願日】2020-12-21
(65)【公開番号】P2021158662
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2020-12-22
(31)【優先権主張番号】62/994,291
(32)【優先日】2020-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/921,943
(32)【優先日】2020-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502160992
【氏名又は名称】宏達國際電子股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100134577
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 雅章
(72)【発明者】
【氏名】郭 智堯
(72)【発明者】
【氏名】孫 金▲カイ▼
(72)【発明者】
【氏名】譚 中樵
【審査官】西谷 憲人
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-034376(JP,A)
【文献】米国特許第10261555(US,B1)
【文献】特開平10-111039(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03410174(EP,A1)
【文献】特開2007-083858(JP,A)
【文献】中国実用新案第206196228(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/64
H05K 7/20
G09F 9/00
G02B 27/02
H01L 35/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放熱孔と、互いに対向した顔側と外部側とを有する、筐体と、
前記筐体内に設けられた、制御回路基板と、
前記筐体内に設けられ、前記制御回路基板と前記筐体の前記顔側との間に位置し、前記顔側から前記放熱孔に向かって流れる気流を生成するよう構成された、ファンと
を含
前記制御回路基板が、前記ファンの空気導入口に対応する位置の孔を有する、
ヘッドマウントディスプレイデバイス。
【請求項2】
前記ファンと前記筐体の前記顔側との間で熱接触する、熱電冷却器を更に含む、
請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイデバイス。
【請求項3】
フィン側と第1の接触側とを有する、ヒートシンクを更に含み、
前記フィン側が前記ファンの空気吹出口と前記放熱孔との間に位置し、前記熱電冷却器が前記第1の接触側と前記筐体の前記顔側との間で熱接触する、
請求項2に記載のヘッドマウントディスプレイデバイス。
【請求項4】
前記ヒートシンクが、前記制御回路基板の制御チップと熱接触する第2の接触側を更に有する、
請求項3に記載のヘッドマウントディスプレイデバイス。
【請求項5】
前記熱電冷却器の冷却面が前記筐体の前記顔側と熱接触する、
請求項2に記載のヘッドマウントディスプレイデバイス。
【請求項6】
前記ファンが遠心ファンである、
請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイデバイス。
【請求項7】
前記筐体が第1の空気導入口を更に有し、前記第1の空気導入口と前記放熱孔が前記筐体の反対側に位置する、
請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイデバイス。
【請求項8】
前記筐体が、ユーザの眉の間の領域に対応する位置の第2の空気導入口を更に有する、
請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイデバイス。
【請求項9】
前記ファンの位置が、ユーザの眉の間の領域に対応する、
請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヘッドマウントディスプレイデバイスに関するものであり、特に、装着快適性を改善することのできるヘッドマウントディスプレイデバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
技術産業の発展に伴い、多くの種類のヘッドマウントディスプレイデバイスが出現している。アイマスク型のヘッドマウントディスプレイデバイスを例とすると、ユーザがそのような表示デバイスを装着した後、ユーザは3次元画像を見ることができるのみならず、画像はユーザが頭を回すと変化し、これによりユーザに、より現実的な体験を提供する。ヘッドマウントディスプレイデバイスは複合現実(MR)にも応用できる。
【0003】
しかし、ユーザが一定の時間ヘッドマウントディスプレイデバイスを装着した後には、動作中のヘッドマウントディスプレイデバイスにより生成された廃熱に加えて、ユーザの顔の熱と湿気が、ユーザの顔とヘッドマウントディスプレイデバイスとの間の空間における空気の温度と湿度の緩やかな上昇につながり、ユーザの不快を引き起こす。このため、より快適なユーザ体験を如何に提供するかが、この分野における非常に重要な問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、装着快適性を改善することのできるヘッドマウントディスプレイデバイスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願のヘッドマウントディスプレイデバイスは、筐体と、制御回路基板と、ファンとを含む。筐体は放熱孔と、互いに対向した顔側と外部側とを有する。制御回路基板は筐体内に設けられる。ファンは筐体内に設けられ、制御回路基板と筐体の顔側との間に位置し、顔側から放熱孔へ向かって流れる気流を生成するよう構成される。
【発明の効果】
【0006】
上記に基づき、本願のヘッドマウントディスプレイデバイスにおいて、ファンは制御回路基板と筐体の顔側との間に設けられる。これは、能動的に熱を放散するため気流を生成するだけでなく、制御回路基板から顔側への熱の伝達も防ぐことを可能とし、ヘッドマウントディスプレイデバイスを装着するユーザの快適性を改善する助けとなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明の1つの実施形態によるヘッドマウントディスプレイデバイスの概略立体図である。
図2図2は、いくつかの部品を取り外した後の、図1のヘッドマウントディスプレイデバイスの概略図である。
図3図3は、いくつかの部品を取り外した後の、図1のヘッドマウントディスプレイデバイスのもう1つの概略図である。
図4図4は、図1のヘッドマウントディスプレイデバイスの主要部品の相対位置の概略図である。
図5図5は、ユーザが図1のヘッドマウントディスプレイデバイスを装着したときの熱伝達経路を表す。
図6図6は、いくつかの部品を取り外した後の、図1のヘッドマウントディスプレイデバイスの更にもう1つの概略図である。
図7図7は、別の視角からの図1のヘッドマウントディスプレイデバイスの概略立体図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の1つの実施形態によるヘッドマウントディスプレイデバイスの概略立体図である。図2は、いくつかの部品を取り外した後の図1のヘッドマウントディスプレイデバイスの概略図である。図1図2を参照し、本実施形態のヘッドマウントディスプレイデバイス100は、筐体110と、制御回路基板120と、ファン130とを含む。制御回路基板120とファン130は共に筐体110内に設けられる。本実施形態の筐体110の外観は例示目的のためのみであり、本願はこれに限定されない。加えて、筐体110は他の締結部品に接続されてよく、これによりヘッドマウントディスプレイデバイス100はユーザの頭にしっかりと装着されることができる。筐体110は、互いに対向した顔側112と外部側114とを有する。ヘッドマウントディスプレイデバイス100がユーザの頭に装着されたとき、顔側112はユーザの顔に面し、外部側114は外側に面する。ファン130は、制御回路基板120と筐体110の顔側112との間に位置する。換言すれば、制御回路基板120は、ファン130と筐体110の外部側114との間に位置する。
【0009】
図3は、いくつかの部品を取り外した後の図1のヘッドマウントディスプレイデバイスのもう1つの概略図である。図4は、図1のヘッドマウントディスプレイデバイスの主要部品の相対位置の概略図である。図3図4を参照し、筐体110は放熱孔116を更に有し、矢印は気流経路を概略的に示す。ファン130は、顔側112から放熱孔116に向かって流れる気流を生成するよう構成される。換言すれば、ファン130により生成された気流は、最初に顔側112を通過し、次いで放熱孔116に向かって流れ、放熱孔116から外側へ逃げる。もう1つの実施形態において、ファン130は外側から空気を吸い込み、空気は筐体110の外部側114を通過し、次いで放熱孔116へ向かって流れ、放熱孔116から外側へ逃げる。
【0010】
図5は、ユーザが図1のヘッドマウントディスプレイデバイスを装着したときの熱伝達経路を表す。図4図5を参照し、筐体110の顔側112がヘッドマウントディスプレイデバイス100の使用時間が増加するにつれ徐々に温められたとき、外側からの冷気がファン130の動作により筐体110内に取り入れられる。冷気は熱を奪うため顔側112を通過する。このため、ユーザと筐体110との間の空間における空気の温度と湿度の両方を下げることができ、これによりユーザの装着快適性を改善する。更に、顔側112の通過のため温度が上がった空気は、ファン130の動作により、放熱孔116から外側へ逃げる。
【0011】
図6は、いくつかの部品を取り外した後の図1のヘッドマウントディスプレイデバイスの更にもう1つの概略図である。図7は、別の視角からの図1のヘッドマウントディスプレイデバイスの概略立体図である。図6と7を参照し、本実施形態のヘッドマウントディスプレイデバイス100は、ファン130と筐体110の顔側112との間で熱接触する熱電冷却器140を更に含んでよい。ここで言及される熱接触は、互いに熱接触した2つの部品の間に提供される熱伝達経路を指す。ただし、2つの部品は、直接的に物理的接触するか、間接的に接触してよい。換言すれば、筐体110の顔側112上の熱は、熱伝導により熱電冷却器140を介しファン130へ伝達されてよい。加えて、熱電冷却器140に電気を印加することにより、能動的な熱伝達効果を生み出すことができる。この能動的方法は、単に温度差を用いる方法よりも、高い熱伝達効率を有する。
【0012】
図6図7を参照し、本実施形態において、ヘッドマウントディスプレイデバイス100はヒートシンク150を更に含む。ヒートシンク150はフィン側152と第1の接触側154とを有する。フィン側152は、ファン130の空気吹出口132と放熱孔116との間に位置する。熱電冷却器140は、第1の接触側154と筐体110の顔側112との間で熱接触する。
【0013】
図4図7を参照し、顔側112上の熱は、熱電冷却器140により、ヒートシンク150の第1の接触側154へ能動的に奪われ、次いで第1の接触側154からフィン側152へ伝達される。その間、ファン130の動作の間に生成された気流は空気吹出口132から送出され、空気吹出口132に位置するフィン側152から熱を奪う。更に、熱を運ぶ気流は、放熱孔116から外側へ流れる。この設計にて、顔側112の温度が効率的に下げられ、これによりユーザの装着快適性を改善する。
【0014】
加えて、本実施形態のヒートシンク150は、制御回路基板120の制御チップ122と熱接触する第2の接触側156を更に有してよい。このため、動作の間に制御チップ122により生成された熱は、第2の接触側156からフィン側152へ伝えられる。その間、ファン130の動作により生成された気流は空気吹出口132から送出され、空気吹出口132に位置するフィン側152から熱を奪う。更に、熱を運ぶ気流は、放熱孔116から外側へ流れる。この設計で、制御回路基板120の温度が効率的に下げられ、これによりヘッドマウントディスプレイデバイス100の全体的な温度を下げ、ユーザの装着快適性を改善する。
【0015】
本実施形態において、熱電冷却器140の冷却面142は、筐体110の顔側112と熱接触する。換言すれば、熱電冷却器140の動作の間、熱伝導方向は冷却面142から反対側へ向かうものとなる。このため、熱電冷却器140は顔側112からヒートシンク150へ能動的に熱を伝達する。
【0016】
図2図7を参照し、本実施形態において、制御回路基板120は孔124を有してよい。孔124の位置は、ファン130の空気導入口134に対応する。このため、制御回路基板120のもう1つの側の熱気が孔124と空気導入口134からファン130内に吸い込まれ、次いで放熱孔116から外側へ流れる。
【0017】
本実施形態のファン130は、遠心ファンにより例示されている。即ち、空気導入方向が空気吹出方向と異なる。ただし、本発明はこれに限定されない。
【0018】
図3図5を参照し、本実施形態において、筐体110は第1の空気導入口118Aを更に有してよい。第1の空気導入口118Aと放熱孔116は、筐体110の反対側に位置する。例えば、ヘッドマウントディスプレイデバイス100がユーザの頭に装着されるとき、第1の空気導入口118Aは下側に位置し、放熱孔116は上側に位置する。この配置は自然な熱対流の傾向に合致し、放熱効率を改善する助けとなる。ただし、本実施形態においては、強制熱対流を実行できるファン130が更に設けられる。故に、本実施形態において、第1の空気導入口118Aと放熱孔116の配置方法は限定されない。
【0019】
本実施形態において、筐体110は第2の空気導入口118Bを更に有してよい。第2の空気導入口118Bの位置は、ユーザの眉の間の領域に対応する。第2の空気導入口118Bを提供することにより、ヘッドマウントディスプレイデバイス100とユーザの顔との間の高温且つ湿った空気がファン130内に吸い込まれ、次いで空気は放熱孔116から外側へ流れる。
【0020】
本実施形態において、ファン130の位置は、例えば、ユーザの眉の間の領域に対応する。この配置で、ヘッドマウントディスプレイデバイス100により均衡のとれた重量配分を提供することができる。更に、ヘッドマウントディスプレイデバイス100において、光学系は一般的にユーザのそれぞれの目に対応する位置に提供される。このため、ファン130をユーザの眉の間の領域に対応する位置に提供することにより、ヘッドマウントディスプレイデバイス100の体積を容易に減少させることができる。
【0021】
まとめると、本願のヘッドマウントディスプレイデバイスにおいて、ファンは制御回路基板と筐体の顔側との間に設けられる。このため、熱が制御回路基板から顔側へ伝達することが防がれ、ファンは能動的に放熱することができる。このため、顔側の温度と湿度を効果的に下げることができ、ヘッドマウントディスプレイデバイスを装着するユーザの快適さを改善する助けとなる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明のヘッドマウントディスプレイデバイスは、仮想現実及び複合現実技術に応用することができる。
【符号の説明】
【0023】
100:ヘッドマウントディスプレイデバイス
110:筐体
112:顔側
114:外部側
116:放熱孔
118A:第1の空気導入口
118B:第2の空気導入口
120:制御回路基板
122:制御チップ
124:孔
130:ファン
132:空気吹出口
134:空気導入口
140:熱電冷却器
142:冷却面
150:ヒートシンク
152:フィン側
154:第1の接触側
156:第2の接触側
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7