IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ソフトウェア モーター カンパニーの特許一覧

特許7123162騒音および振動が低減されたスイッチトリラクタンスマシン
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-12
(45)【発行日】2022-08-22
(54)【発明の名称】騒音および振動が低減されたスイッチトリラクタンスマシン
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/24 20060101AFI20220815BHJP
【FI】
H02K5/24 A
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020556784
(86)(22)【出願日】2019-04-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-26
(86)【国際出願番号】 US2019027749
(87)【国際公開番号】W WO2019204356
(87)【国際公開日】2019-10-24
【審査請求日】2021-01-08
(31)【優先権主張番号】62/658,485
(32)【優先日】2018-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517271692
【氏名又は名称】ターンタイド テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Turntide Technologies Inc.
【住所又は居所原語表記】1295 Forgewood Avenue, Sunnyvale, California 94089, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピユシュ デサイ
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー ノデル
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ノデル
(72)【発明者】
【氏名】アール フェアオール
【審査官】佐藤 彰洋
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-182277(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0193784(US,A1)
【文献】国際公開第2014/125864(WO,A1)
【文献】実開昭59-189451(JP,U)
【文献】特開2000-217302(JP,A)
【文献】特開2002-010597(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/00-5/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
低減された騒音および振動を呈するスイッチトリラクタンスマシンであって、
a.中心軸周りに回転するように配置される少なくとも1つのロータであって、前記中心軸周りに配置されるロータ極のセットを備える、前記少なくとも1つのロータと、
b.前記中心軸及び前記少なくとも1つのロータの両方と同軸、かつ、前記中心軸及び前記少なくとも1つのロータの両方より半径方向外側に配置される少なくとも1つのステータであって、
i.前記ロータ極のセットと磁気的に伝達し、それぞれが巻線を有するステータ極のセットであって、
ii.前記ステータ極のうちの少なくとも2つは、前記スイッチトリラクタンスマシンの相を形成し、前記相が励磁されると、前記ロータ極のうち少なくとも1つは、ステータ極と整列する、前記ステータ極のセットと、
iii.前記ステータ極のセットより半径方向外側にあり、ステータ外側表面を有するステータ外側表面と、
を備える、前記少なくとも1つのステータと、
c.スリーブ内側表面及びスリーブ外側表面を有するスリーブ部分を備えるハウジングであって、前記スリーブ部分は、前記ステータ外側表面より半径方向外側にのみ配置されるハウジングと、
d.前記ステータ外側表面の略全体と前記スリーブ内側表面の略全体との間のギャップと、
e.前記ハウジングの端部に結合される少なくとも1つのハウジングエンドプレートと、
f.前記少なくとも1つのハウジングエンドプレートで支持される支持シリンダと、
を備え
g.前記少なくとも1つのステータは、前記支持シリンダを介してのみ前記スリーブ部分に機械的に接続されている、スイッチトリラクタンスマシン。
【請求項2】
前記ギャップは、実質的に空気で満たされている、請求項1に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
【請求項3】
前記ギャップは、実質的に非ガス状の振動吸収性材料で満たされている、請求項1に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
【請求項4】
前記ギャップは、前記ステータ外側表面の全体と前記スリーブ内側表面の全体との間にあり、
前記ステータ外側表面及び前記スリーブ内側表面は、接触していない、請求項1~3のいずれか一項に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
【請求項5】
低減された騒音及び振動を呈するスイッチトリラクタンスマシンであって、
a.中心軸周りに回転するように配置される少なくとも1つのロータであって、前記中心軸周りに配置されるロータ極のセットを備える、前記少なくとも1つのロータと、
b.前記中心軸及び前記少なくとも1つのロータの両方と同軸、かつ、前記中心軸及び前記少なくとも1つのロータの両方より半径方向外側に配置される少なくとも1つのステータであって、
i.前記ロータ極のセットと磁気的に伝達し、それぞれが巻線を有するステータ極のセットであって、
ii.前記ステータ極のうちの少なくとも2つは、前記スイッチトリラクタンスマシンの相を形成し、前記相が励磁されると、前記ロータ極のうち少なくとも1つは、ステータ極と整列する、前記ステータ極のセットと、
iii.前記ステータ極のセットより半径方向外側にあり、ステータ外側表面を有するステータ外側表面と、
を備える、前記少なくとも1つのステータと、
c.前記ステータ外側表面より半径方向外側にのみ配置されるスリーブを有するハウジングと、
d.前記ハウジングの端部に結合される少なくとも1つのハウジングエンドプレートと、
e.前記少なくとも1つのハウジングエンドプレートで支持される支持シリンダと、
を備え、
.前記ステータは、前記支持シリンダを介してのみ前記スリーブに機械的に接続される、スイッチトリラクタンスマシン。
【請求項6】
低減された騒音及び振動を呈するスイッチトリラクタンスマシンであって、
a.中心軸周りに回転するように配置される少なくとも1つのロータであって、前記中心軸周りに配置されるロータ極のセットを備える、前記少なくとも1つのロータと、
b.前記中心軸及び前記少なくとも1つのロータの両方と同軸、かつ、前記中心軸及び前記少なくとも1つのロータの両方より半径方向外側に配置される少なくとも1つのステータであって、
i.前記ロータ極のセットと磁気的に伝達し、それぞれが巻線を有するステータ極のセットであって、
ii.前記ステータ極のうちの少なくとも2つは、前記スイッチトリラクタンスマシンの相を形成し、前記相が励磁されると、前記ロータ極のうち少なくとも1つは、ステータ極と整列する、前記ステータ極のセットと、
iii.前記ステータ極のセットより半径方向外側にあり、ステータ外側表面を有するステータ外側表面と、
を備える、前記少なくとも1つのステータと、
c.前記ステータ外側表面より半径方向外側にのみ配置されるスリーブを有するハウジングと、
d.前記ハウジングの端部に結合される少なくとも1つのハウジングエンドプレートと、
e.前記少なくとも1つのハウジングエンドプレートで支持される支持シリンダと、
を備え、
.前記ステータ及び前記スリーブは、接触していない、スイッチトリラクタンスマシン。
【請求項7】
前記ステータ外側表面の略全体と前記スリーブとの間にギャップをさらに備える、請求項5又は6に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
【請求項8】
前記ギャップは、実質的に空気で満たされている、請求項に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
【請求項9】
前記ギャップは、実質的に非ガス状の振動吸収性材料で満たされている、請求項に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
【請求項10】
前記ハウジングは、設置用の脚部を備える、請求項1~9のいずれか一項に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
【請求項11】
前記脚部は、前記ハウジングエンドプレートに配置される、請求項10に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
【請求項12】
低減された騒音及び振動を呈するスイッチトリラクタンスマシンであって、
a.スリーブを備えるハウジングと、
b.中心軸アクティブ部分を備える中心軸と、
c.前記中心軸より半径方向外側にある少なくとも1つのロータ及び少なくとも1つのステータであって、前記ステータは、ステータ外側表面を有するステータ外側表面を備える、前記少なくとも1つのロータ及び少なくとも1つのステータと、
d.前記ステータ外側表面の略全体と前記スリーブとの間のギャップと、
e.前記ハウジングの端部に結合される少なくとも1つのハウジングエンドプレートと、
f.前記少なくとも1つのハウジングエンドプレートで支持される支持シリンダと、
を備え、
g.前記少なくとも1つのステータは、前記支持シリンダを介してのみ前記スリーブ部分に機械的に接続されており、
.前記スリーブは、前記ギャップより半径方向外側にあり、前記ギャップは、前記少なくとも1つのステータより半径方向外側にあり、前記ステータは、前記少なくとも1つのロータより半径方向外側にあり、前記ロータは、前記中心軸アクティブ部分より半径方向外側にある、スイッチトリラクタンスマシン。
【請求項13】
前記ギャップは、実質的に空気で満たされている、請求項12に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
【請求項14】
前記ギャップは、実質的に非ガス状の振動吸収性材料で満たされている、請求項12に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
【請求項15】
前記ギャップは、前記少なくとも1つのステータと前記スリーブとの間の空間全体を占める、請求項12に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
【請求項16】
a.前記少なくとも1つのロータ上のロータ極のセットと、
b.前記ロータ極のセットと磁気的に伝達し、それぞれが巻線を有するステータ極のセットと、
をさらに備え、
c.前記ステータ極のうちの少なくとも2つは、前記スイッチトリラクタンスマシンの相を形成し、前記相が励磁されると、前記ロータ極のうち少なくとも1つは、ステータ極と整列する、請求項1215のいずれか一項に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
【請求項17】
a.前記少なくとも1つのロータ、前記少なくとも1つのステータ及び前記スリーブのそれぞれは、アクティブゾーン部品を構成し、
b.アクティブゾーンは、前記アクティブゾーン部品の間に広がり、
c.前記ギャップは、前記少なくとも1つのステータと前記スリーブとの間の前記アクティブゾーンの略全体を満たす、請求項1216のいずれか一項に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
【請求項18】
前記スイッチトリラクタンスマシンは、三相タイプである、請求項1~17のいずれか一項に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
【請求項19】
前記ステータ極の前記巻線に動作可能に取付けられる電気制御回路をさらに備える、請求項1~11及び16のいずれか一項に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
【請求項20】
低減された騒音及び振動を呈するスイッチトリラクタンスマシンであって、
a.スリーブを備えるハウジングと、
b.中心軸アクティブ部分を備える中心軸と、
c.前記中心軸より半径方向外側にある少なくとも1つのロータ及び少なくとも1つのステータと、
d.前記少なくとも1つのロータの略全体と前記スリーブとの間のギャップと、
e.前記ハウジングの端部に結合される少なくとも1つのハウジングエンドプレートと、
f.前記少なくとも1つのハウジングエンドプレートで支持される支持シリンダと、
を備え、
g.前記少なくとも1つのステータは、前記支持シリンダを介してのみ前記スリーブ部分に機械的に接続されており、
.前記スリーブは、前記ギャップより半径方向外側にあり、前記ギャップは、前記少なくとも1つのロータより半径方向外側にあり、前記ロータは、前記少なくとも1つのステータより半径方向外側にあり、前記ステータは、前記中心軸アクティブ部分より半径方向外側にある、スイッチトリラクタンスマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2018年4月16日付けで出願された、シリアル番号第62/658485号の米国仮出願に基づく優先権を主張する。当該仮出願の開示は、あたかも完全に記述されたかのように、本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般にスイッチトリラクタンスマシンに関し、より詳細には、スイッチトリラクタンスマシンのための騒音低減方法と、従来のスイッチトリラクタンスマシンよりも低減された騒音を呈するスイッチトリラクタンスマシンに関する。
【背景技術】
【0003】
スイッチトリラクタンスマシン(「SRM」)は、回転電気機械であり、利用可能な細やかなモータ制御オプションと一体となったその頑丈でロバストな構造により、多種多様な発電機およびモータ制御用途の実用的な候補である。SRMでは、ステータ及びロータの両方が突出極を有し、電力は、従来のモータ/発電機のようにロータではなく、ステータの巻線へと供給される。動作中、SRMは、リラクタンストルクにより動作し、ロータの位置は、電圧ストロークと、それに伴うロータとステータとの間の磁気伝達によって回転可能に付勢される。SRMでは、相巻線は、励磁されず、巻線又は永久磁石が取り付けられていないロータとは異なり、ステータに見出すことができる。むしろ、SRMのロータは、磁気透過性材料で、典型的には鉄で形成され、これは、電流が通るときにステータ極の巻線により生成される磁束を引きつける。
【0004】
SRMは、スイッチトリラクタンス発電機又はスイッチトリラクタンスモータのいずれかとして機能し得るが、モータ形態では、ステータ相巻線への励磁がロータの位置に対応して連続的にオンおよびオフに切り替えられると、ステータへの磁力によりロータが回転する。発電機の形態では、電流の流れを回転と同期させるようなシーケンスでコイルに対する負荷が切り替えられる。
【0005】
SRMは、電力を回転部に供給する必要がないため、従来のモータよりもある意味では単純であるが、同時に、電力を異なる時点で異なる巻線に供給しなければならないため、より複雑である。この必要な微調整を行うために、典型的には、整流子又はアナログ若しくはデジタルタイミング回路のような電気機械的手段等のスイッチングシステムが採用される。
【0006】
従来のSRMは、従来の構成の電動モータ及び発電機に勝る多くの利点を提供するが、多くの場合、SRMは高レベルのトルクリップルを呈し、これは実際には許容できないレベルの騒音及び振動につながっている。SRMでは、ステータ巻線が励磁されると、固体突出極ロータの磁気抵抗によってその回転を促す力が生成される。典型的には正反対の、特定のステータ極が励磁されると、ロータはこれらの極と整列するように方向に移動する。このことが起こると、極が励磁されなくなり、ステータ極の次の段が励磁される。ロータに作用する力により、実際には楕円形のシリンダにより似たものへとロータがごくわずかに変形する。全体の割合としては、変形は非常に小さいが、ハウジング内に波を生成するには十分であり、波は測定可能な振動としてモータ出力を介して伝達される。さらに、圧力波は、それ自体がモータケーシングから発せられる測定可能な音として現れる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
トルクリップルを最小限に抑える種々の手段が採用されてきた。減衰及び遮音により、可聴騒音及び振動を低減できる。最新のSRMは、プログラム可能論理制御装置を採用しているため、相アクティブ化の時間を正確に決め、非回転運動を最小限に抑えることができる。ロータの位置を正確に把握できるため、特定のコントローラ技術により、発生時にトルクリップルをさらに低減できる。しかしながら、典型的にはそのマウント上のモータの物理的な揺れ及びSRMハウジングから放出される騒音エネルギーとして現れる騒音及び振動が依然として発生する。
【0008】
したがって、そのステータ/ロータ機構の隔離を通じて低減された騒音および振動を呈するSRMが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的のために、本発明の第1の目的は、ステータ外側表面全体又はほぼ全体と、当該表面よりも半径方向外側のハウジング全体又はほぼ全体との間にギャップを備えたSRMを提供することである。
【0010】
本発明の第2の目的は、ステータ/ロータ機構がハウジングエンドプレートにつながっているブリッジのみによって支持されるSRMを提供することである。
【0011】
本発明の第3の目的は、ステータ及びロータがSRMハウジング以外の手段によって整列した状態で維持されるSRMを提供することである。
【0012】
本発明のさらなる目的は、ステータが中間構造のみを介してハウジングに機械的に接続されるSRMを提供することである。
【0013】
本発明のさらなる目的は、ステータとハウジングが隣接していないSRMを提供することである。
【0014】
本発明のさらなる目的は、ステータがハウジングエンドプレートのみを介してハウジングに結合されるSRMを提供することである。
【0015】
本発明のさらなる目的は、ステータが、SRMハウジングに隣接していないロータよりも半径方向内側にある、代替的実施形態によるSRMを提供することである。
【0016】
本実施形態は、これらの重要な目的を達成することにより、当該技術分野の欠点を克服する。
【0017】
既存のシステム及び方法に見られる制限を最小限に抑え、本明細書を読むと明らかになる他の制限を最小限に抑えるために、本発明の好ましい実施形態は、スイッチトリラクタンスマシンの騒音を低減する方法を提供し、低減された騒音を呈するスイッチトリラクタンスマシンの関連装置をさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
それぞれの図面の要素は、図面の明確さを向上させ、本発明のこれら種々の要素及び実施形態の理解を向上させるために、必ずしも一定の縮尺で描かれているとは限らない。さらに、当業者において一般的であり、周知であることが知られている要素は、本発明の種々の実施形態の明瞭な図面を提供するために示されておらず、したがって、それぞれの図面は、明確さおよび簡潔性のために形態が一般化されている。
【0019】
図1】同相のステータと、2つのロータ極が整列した関連ロータを示すSRMの概略図である。
【0020】
図2】明確さを期して特定の要素を取り除いて示される従来のSRMの概略的な断面の従来技術画像である。
【0021】
図3】明確さを期して特定の要素が取り除いて示される好ましい実施形態によるSRMの概略的な断面図である。
【0022】
図4】本発明の好ましい実施形態による、低減された騒音を示すSRMの正面斜視図である。
【0023】
図5】好ましい実施形態によるSRMの正面図である。
【0024】
図6】好ましい実施形態によるSRMの右側面図である。
【0025】
図7】ファンシュラウドが取り除いて示される、好ましい実施形態によるSRMの底側面図である。
【0026】
図8】好ましい実施形態によるSRMの正面斜視図であり、ハウジング、エンドプレート、ファン、ファンシュラウド及び脚部が取り除かれている。
【0027】
図9A】好ましい実施形態によるSRMの正面斜視図であり、エンドプレート、ファン、ファンシュラウド及び脚部が除かれている。
【0028】
図9B図9Aに描かれているのと同じ画像であるが、ハウジングのスリーブ部分が、ハウジングに沿う網掛け領域として描かれている。
【0029】
図10】ロータが内部ステータよりも半径方向の外側にある本発明の代替的な実施形態の概略断面図である。
【0030】
図11】好ましい実施形態によるSRMの中線断面図であり、ハウジングエンドプレート、ファンおよびファンシュラウドが取り除かれている。
【0031】
図12図11に示される断面を回転させた拡大図である。
【0032】
図13】明確さを期してロータ、ステータ及びステータ巻線のみが描かれているSRMの正面斜視図である。
【0033】
図14】本発明のいくつかの実施形態によるステータの正面斜視図である。
【0034】
図15】好ましい実施形態によるSRMの正面図であり、明確さを期してエンドキャップが取り除かれている。
【0035】
図16】本発明の代替的な実施形態によるSRMの部分斜視正面図であり、ハウジングエンドプレート、ファン及びファンシュラウドが取り除いて示される。
【0036】
図17A】本発明の代替的な実施形態によるSRMの正面図であり、ステータ支持シリンダとハウジングとの間のギャップがはっきり示されている。
【0037】
図17B図17Aに示すSRMの正面図であるが、ギャップが非ガス状の振動吸収材料で満たされている。
【0038】
図18】本発明の代替的な実施形態によるSRMの正面斜視図であり、明確さを期してハウジングが取り除いて示される。
【0039】
図19】本発明の代替的な実施形態によるSRMの正面斜視図であり、明確さを期してハウジング及びハウジングエンドプレートが取り除いて示される。
【0040】
図20】SRMの中線断面図であり、明確さを期してハウジングエンドプレート、ファン及びファンシュラウドが取り除いて示される。
【0041】
図21】本発明の代替的な実施形態の断面図である。
【0042】
図22】本発明のいくつかの実施形態によるマルチステータ・マルチロータSRMである。
【発明を実施するための実施形態】
【0043】
本発明の複数の実施形態及び用途を提示する以下の記述において、本明細書の一部をなすとともに、本発明が実施可能な特定の実施形態を例として示す添付図面を参照する。本発明の範囲から逸脱することなく他の実施形態が利用されてもよく、変更が行われてもよいことは理解されるべきである。
【0044】
それぞれが互いに独立して、又は、他の特徴と組み合わせて使用することができる種々の本発明の特徴を以下で説明する。しかしながら、任意の単一の発明の特徴は、上記の問題のいずれにも対処しなくてもよいし、又は、上記の問題の1つのみに対処してもよい。さらに、上記問題の1つ又は複数は、以下に説明する特徴のいずれによっても完全には対処されなくてもよい。
【0045】
本明細書で使用する場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、別途文脈による明確な指示がない限り、複数の指示対象を包含する。本明細書で使用する場合、「及び」は、特に明記しない限り、「又は」と交換可能に使用される。本明細書で使用する場合、用語「約」とは述べられたパラメータの±5%を意味する。本発明の任意の態様のすべての実施形態は、別途文脈による明確な指示がない限り、組み合わせて使用することができる。
【0046】
文脈上明白に他の意味に解すべき場合を除き、明細書及び特許請求の範囲を通じて、単語「備える(comprise、comprising)」及び同様の単語は、排他的又は網羅的な意味ではなく包括的な意味で、すなわち「含むが限定されない」という意味で解釈すべきである。単数および複数を用いた単語は、それぞれ複数及び単数も包含する。また、単語「本明細書において(herein)」、「ここで(wherein)」、「~であるのに対して(whereas)」、「上記(above)」及び「以下(below)」並びに同様の趣旨の単語は、本出願において使用する場合、総じて本出願のことを意味し、本出願のいずれかの特定の部分を意味するものではない。
【0047】
本開示の実施形態の記述は、網羅的であるか、本開示を開示した正確な形に限定するかを意図しない。本開示は、例示を目的として本開示の特定の実施形態及び例について説明しているが、当業者であれば認識するように、本開示の範囲内で種々の同等の修正が可能である。
【0048】
スイッチトリラクタンスマシン(「SRM」)は、従来技術の図1に最も単純な形態で示される構成を一般に有する回転電気機械である。ここで、電力は、ステータ30の巻線に供給され、ロータ20の位置は、電圧ストロークおよびそれに伴うロータとステータとの間の磁気通信によって回転可能に付勢される。相33が図示されている。マシンは、モータとして、又は、発電機として逆方向に動作されることができ、本文書では装置をモータと呼ぶ場合もあるが、マシンは逆方向に発電機としても動作させられてもよいことを理解されたい。
【0049】
従来技術の図2は、見やすくするためにロータおよびエンドキャップが取り除かれた従来のスイッチトリラクタンスマシン(SRM)の概略的な端面図を示している。この従来のマシンは、ステータ30の外側表面とハウジング50の内側表面との間のエアギャップが、非常に小さいか、まったくないかを示している。多くのモータ及び発電機と同様に、熱制御は重要な要素である。そのために、熱放散の目的のため、従来のSRMは、典型的にはステータとハウジングの間に空間を残さない。2つの部品をしっかりと直接接続することにより、SRMハウジングをステータ/ロータの組み合わせ用のヒートシンクとして機能させることができる。これは、ハウジング内にしっかりと収まるようにステータを構成することで実現される。
【0050】
次に図3を参照すると、本発明の一実施形態による改善されたSRMが概略的に示されている。スペースギャップ40がステータ30とハウジング50との間に設けられたSRMが示される。関連する部品のより詳細な説明は、後続の画像及びそれに関連するテキストに見出すことができる。ギャップはここではスペースギャップと呼ぶが、必ずしも空気で満たされる必要はない。代わりに、本発明の代替的実施形態で説明されるように、ギャップは、ゲル等の騒音及び/又は振動の減衰材料で満たされていてもよく、又は、空気若しくは他のガスで満たされていてもよい。ギャップ内の材料は、同じである必要はなく、いくつかの代替的な実施形態では、他の材料、又は、追加の円形リング、足場又は構造支持材料が存在していてもよい。追加の材料は、騒音をさらに低減し、及び/又は、ゲル、一般的な構造的支援、製造の容易さ又は熱放散の改善のために支持を提供する。いずれの場合も、ステータとハウジングセグメント(スリーブセグメント)との間に直接的な機械的接続はない。
【0051】
図3図15は、本発明の好ましい実施形態によるSRM10を示す。図4図6に示すように、ハウジング50、脚部54、エンドキャップ58およびファンシュラウド15は、他の従来の特徴とともに、従来のSRMと同様に見える。図5及び図7に示すように、出力軸16は、モータの動作の結果として中心軸12の周りを回転し、またはマシンが発電機モードにあるとき、出力軸16は概念的に入力軸とみなすことができる。脚部54又は他の設置特徴は、SRM10を別の物体に固定し、それに対する移動を最小限に抑えるのに役立つ。脚部54はハウジングの中央部分に示されているが、同様の設置特徴は、ハウジングエンドプレートと一体となっていてもよいし、ハウジングエンドプレートに結合されていてもよい。図4図6及び図7に示すように、脚部54はそれぞれ4つの留め具を備えるが、SRM10を外部物体に結合する任意の適切な手段が考慮される。図7は、マシンの下面を図示しており、ファンシュラウドが取り除かれ、ファン14の内部が露出している。好ましい実施形態では、改善されたSRM10は、一見従来のSRMと変わらない。これにより、従来のSRMの代わりに、改善されたSRM10をプラグアンドプレイ方式で設置できる。
【0052】
図8は、ハウジング50、脚部54及びハウジングエンドプレートを取り除くことによりマシンの内部動作が明らかにされている正面斜視図である。好ましい実施形態では、ステータ30は、ステータ開口38(図12参照)を通過する複数の接続ブリッジ60によって支持されている。好ましくは、接続ブリッジとステータ極との比は1:1であるが、接続ブリッジ又はステータ極のいずれかの数は、より少なくてもよいし、より多くてもよい。接続ブリッジの各端部にある一対の接続ブリッジリング62は、接続ブリッジ保持タブ64に嵌まり、接続ブリッジ60の端部を支持するために使用される。
【0053】
接続ブリッジリング62は、ハウジング前部エンドプレート58に取り付けられ、マシンの後部にある接続リング(参照符号なし)は、ハウジング後部エンドプレート(参照符号なし)に同様に結合される。部品を結合するための当該技術分野で公知の種々の手段を使用することができるが、図8に示す例示的な実施形態では、接続ブリッジリングの接続ブリッジ保持タブ64は、接続ブリッジ60で接続ブリッジ開口部65を受容する。
【0054】
図9A及び図9Bは、好ましい実施形態によるSRMの正面斜視図であるが、エンドプレート、ファンおよびファンシュラウドが取り除いて示される。図9Aでは、接続ブリッジ保持リング62は所定の位置にあるのに対し、図9Bでは、この部品を取り除いた状態でマシンが示されている。しかしながら、支持ブリッジとハウジングとの間の中間構造の例における接続リングには、部品を一緒に結合するための他の適切な手段が採用されてもよい。
【0055】
次に、好ましい実施形態によるSRMの正面図である図15を参照する。ここで、ロータ(参照符号なし)及び複数のロータ極22は、それ自体のステータ極32を有する当該ステータ30よりも半径方向内側に配置されて示されている。使用中、ロータ極22は、一対の巻線34を励磁するとステータ極32に向かって回転可能に付勢される。ロータ/ステータの組み合わせは、接続ブリッジ60により互いに整列した状態で保たれるが、ハウジングから分離された状態で維持され、したがってこの例ではエアギャップ42であるギャップが作り出される。ギャップは空気で満たされている必要はなく、他のガス、液体、固体又は半固体等の他の材料が使用されてもよい。
【0056】
図11は、マシンの長さに沿ってとられた断面図である。中心軸12が見えており、中心軸アクティブ部分13と呼ばれる、ステータ/ロータの組み合わせを通る中心軸12の部分は、アクティブ部分から半径方向外側に延び、ロータ、次にステータ、ステータ外側表面36、ギャップ40、次にスリーブ部分内側表面56、最後にスリーブ部分外側表面57へと延びる。スリーブ部分は、ここでは参照符号のないハウジング50の一部であり、必ずしも別個の部品ではない。すなわち、スリーブ部分52(図9A及び9Bに最も分かりやすく示されている)は、その中心にある中心軸アクティブ部分13に対応するハウジング50のゾーンである。図9A及び9Bでは、これは、ハウジングの網掛け領域として図示されている。
【0057】
これらの画像では、スリーブ部分はハウジングの長さの約60%として示されているが、他の例では、ハウジングの50~70%、ハウジングの50%未満、又は、ハウジングの長さの70%超を占めていてもよい。いくつかの実施形態では、ハウジングのシリンダ部分全体がスリーブであり、さらに他の実施形態では、ハウジングの少なくとも90%またはハウジングの最大90%がスリーブ部分である。いくつかの実施形態では、中心軸アクティブ部分13とマシンの半径方向外側のほとんどの領域との間のすべての空間及び部品をアクティブゾーン部品とみなすことができ、この空間をアクティブゾーンとみなすことができる。その点に関して、本実施形態は、アクティブゾーン部品を構成する少なくとも1つのロータ、少なくとも1つのステータ及びスリーブのそれぞれと、当該アクティブゾーン部品間に広がるアクティブゾーンと、当該少なくとも1つのステータと当該スリーブの間、又は特定の実施形態(図10)の場合、当該少なくとも1つのロータと当該スリーブとの間の当該アクティブゾーンほぼ全体を満たすスペースギャップと、を含む。
【0058】
スリーブ部分52は、ステータ/ロータの組み合わせよりも半径方向外側にある部分とみなすことができ、これは、図13に分離して最も分かりやすく示されている。ここで、ステータ30は、上記の説明から明らかとなっているはずであるように、半径方向外側のハウジングの部分に接触しない外側表面36を有する。完全を期して、図14は、複数のロータ極22を備えるサンプルロータ20を図示している。例えば図10に示す他の実施形態では、これらの部品の位置は変更されてもよいことに留意すべきである。本発明の代替的な実施形態を示す概略図10を参照すると、SRMロータ220は、SRMステータ230よりも半径方向外側に配置されている。ステータ巻線/コイルは、部品234で確認され、ステータハブは、231で確認される。この構成のSRMは、当該技術分野において公知であるが、ステータ220よりも半径方向外側に示されるエアギャップはそうではない。
【0059】
例えば図22に示されるさらに他の実施形態は、本発明と互換性がない。図22は、すべてハウジング(図示せず)の半径方向内側にある、3つのステータ42、44、46及び2つのロータ48、50を有する軸構成を備えるマルチステータ・マルチロータSRM40の斜視図を示す。この場合及び任意の構成と同様に、ステータロータスタックのどの部分も、ハウジングのその部分よりも半径方向外側の部分(スリーブ部分52)と物理的に直接につながっていない。繰り返すと、ステータ外側表面36(図11)とスリーブ部分内側表面56は、直接接触していない。
【0060】
ここで図11に示す断面を回転させた拡大図である図12を参照すると、ステータ外側表面36は、ハウジング50のスリーブ内側表面56よりも小さい直径を有し、したがってギャップ40を形成することが明らかになるはずである。接続ブリッジ60は、好ましくはアルミニウム製であり、エンドプレート(図示せず)への伝導経路も提供しながらステータ30を支持する。図12は、中心に出力軸16、次いで半径方向外側にロータ20、続いてさらに半径方向外側にステータ30を示す。ギャップ40は、ステータ又はロータのいずれかの最も半径方向にある点を超えて存在する(逆になっている図10を参照)。この画像は、単に理解の明確さを期して、接続ブリッジ60が貫通していないステータ開口38も示している。他の画像に示すように、これらの接続ブリッジは、ステータ/ロータとハウジングとの間の中間構造として機能することができる。
【0061】
図16は、本発明の代替的実施形態によるSRM110の斜視正面図であり、明確さを期して、ハウジングエンドプレート158及び159と、ファン114と、ファンシュラウド115が取り除いて示される。出力軸116、ロータ120、コイル134を備えたステータ130及びハウジング150等のほとんどの構造は、すべてのSRM間で共通である。本実施形態では、脚部154を使用してSRM110の外部物体(図示せず)へのしっかりとした接続を提供する。
【0062】
代替的実施形態では、ステータとハウジングとの間の中間構造は、各端部でエンドプレート(図示せず)によって支持される支持シリンダ160である。シリンダは、ハウジング内径よりも小さい外径(支持シリンダ外側表面162)を有し、したがってギャップ140が作り出される。シリンダは、好ましくはアルミニウム製であり、軽量化のために穿孔されてもよく、エンドプレートへの伝導経路も提供しながらステータを支持する。本実施形態は、図10及び図22に示す代替的な実施形態とも互換性がある。概念的に、この代替的な実施形態のハウジング150は、(図20に最も分かりやすく示される)スリーブ部分外側表面157及びスリーブ部分内側表面を有するスリーブ部分を有する。
【0063】
すべての実施形態の場合と同様に、図17A及び図17Bに最も分かりやすく示されているように、ステータ/ロータスタックとハウジングの内側表面との間にギャップが備えられる。図17Aでは、このギャップはエアギャップ140として示されるのに対し、図17Bは、吸収性材料144で満たされていることを示している。
【0064】
図18及び図19は、支持シリンダ160を、その支持シリンダの外側表面162及び支持シリンダの内側表面163とともに最も分かりやすく示している。支持シリンダ160は、従来の手段を使用してエンドキャップ158に結合されている。本実施形態および他の実施形態のハウジングに関して示されるスリーブ部分は、支持シリンダに同じ部品を有する。マシンの中心を軸方向に広がるスリーブ部分から半径方向内側(および中心軸から、より具体的には中心軸アクティブ部分(ここでは参照符号なし)から半径方向外側)は、支持シリンダスリーブゾーン164である。図20は、SRM110の中線断面図であり、明確さを期してハウジングエンドプレート158及びその構成部品が取り除いて示される。この画像を見ると、スリーブ部分外側表面157が当該ステータ支持シリンダのスリーブゾーン164および当該ステータ130の半径方向外側にあることが明らかである。支持シリンダ160は、ギャップ140の内壁を形成する外側表面162を有する。ギャップ140の壁も、ここではハウジング内側表面151として図示されている。ハウジング内側表面151がステータ/ロータの組み合わせと重なる場合、これはスリーブ部分内側表面156と呼ばれてもよい。ハウジング150の外側にあるこの部分は、スリーブ部分外側表面157である。明確さを期して、ロータ120、(ステータ巻線134を有する)ステータ130及びエアギャップ140の部品が、再び図21に図示されている。
【0065】
使用中、改善されたSRMは、従来のSRMよりもはるかに少ない振動及び騒音を呈する。ステータ/ロータの変位、振動及び圧力波は、ギャップ、ゲル、又は、当該ギャップ内の他の適切な材料、ガス及び/若しくは液体によって吸収される。ステータ/ロータの組み合わせは、その半径方向外側のハウジングスリーブセグメントから隔離された状態に保たれ、ギャップはステータ/ロータの周りの騒音/音の減衰領域を表す。ギャップが他の材料で満たされると、充填物は効果的な熱放散特性を維持しながら、さらなる騒音/音減衰ラップとして機能でき、従来のSRMと比較して熱的に改善されたスイッチトリラクタンスマシンの動作を可能にする。
【0066】
本記述はSRMのタイプを特定しないが、一実施形態では、マシンは、当該技術分野で周知の三相タイプであり、好ましくは、すべての実施形態で、当該技術分野において周知である電気制御回路がステータ極の巻線に動作可能に取付けられる。従来から知られているように、巻線の励磁のタイミングは、SRMのスムーズな動作のために必要である。
【0067】
本発明は、いくつかの実施形態では、低減された騒音および振動を呈するスイッチトリラクタンスマシンを含むことができ、当該マシンは、スリーブを備えるハウジングと、中心軸アクティブ部分を備える中心軸と、当該中心軸よりも半径方向外側にある少なくとも1つのロータ及び少なくとも1つのステータであって、当該ステータは、ステータ外側表面アクティブゾーンを有するステータ外側表面を備える、少なくとも1つのロータ及び少なくとも1つのステータと、当該ステータ外側表面ほぼ全体と当該スリーブとの間のギャップと、を備え、スリーブは、当該ギャップよりも半径方向外側にあり、ギャップは、当該少なくとも1つのステータよりも半径方向外側にあり、ステータは、当該少なくとも1つのロータよりも半径方向外側にあり、ロータは、当該中心軸アクティブ部分よりも半径方向外側にある。
【0068】
他の実施形態では、低減された騒音及び振動を呈するスイッチトリラクタンスマシンが開示され、マシンは、中心軸周りに回転するように配置される少なくとも1つのロータであって、中心軸周りに配置されるロータ極のセットを備える少なくとも1つのロータと、中心軸及び少なくとも1つのロータの両方と同軸でかつ中心軸及び少なくとも1つのロータの両方よりも半径方向外側に配置される少なくとも1つのステータであって、ロータ極のセットと磁気的に伝達し、それぞれが巻線を有するステータ極のセットを備える、少なくとも1つのステータと、を備え、当該ステータ極のうちの少なくとも2つは、スイッチトリラクタンスマシンの相を形成し、その相が励磁されると、ロータ極のうち少なくとも1つが、ステータ極と整列する。少なくとも1つのステータは、当該ステータ極のセットよりも半径方向外側にあり、ステータ外側表面アクティブゾーンを有するステータ外側表面をさらに備え、マシンは、スリーブ内側表面及びスリーブ外側表面を有するスリーブ部分を備えるハウジングをさらに備え、スリーブは、ステータ外側表面よりも半径方向外側にのみ配置される。
【0069】
いくつかの実施形態では、マシンは、当該ステータ外側表面ほぼ全体と当該スリーブ内側表面ほぼ全体との間にギャップを備える。いくつかの実施形態では、ギャップは、空気等のガスで満たされていてもよく、又は、他の非ガス状の振動吸収性材料で満たされていてもよい。ギャップは、ステータ外側表面全体とスリーブ内側表面全体の間に存在していてもよく、ステータ外側表面及びスリーブ内側表面は、隣接していない。
【0070】
他の実施形態では、ステータとロータとの整列は、複数の接続ブリッジによって維持され、他の実施形態では、複数の接続ブリッジは、当該スリーブ内で当該少なくとも1つのステータを支持する。これらの実施形態のいくつかでは、接続ブリッジは、当該少なくとも1つのステータと当該スリーブとの間の唯一の機械的接続である。これらの実施形態のうちの他のいくつかでは、少なくとも1つの接続ブリッジがあり、少なくとも1つのハウジングエンドキャップに結合される。これらの実施形態のいくつかでは、少なくとも1つの接続ブリッジは、少なくとも1つのハウジングエンドキャップに垂直である。さらに他の実施形態では、巻線と接続ブリッジとの比は1:1、少なくとも1:1、又は、最大1:1である。いくつかの実施形態では、巻線は、当該接続ブリッジと半径方向に整列している。
【0071】
特定の他の実施形態では、ステータは、中間構造のみを介してスリーブに機械的に接続される。これら実施形態のうちのいくつかでは、マシンは、当該ステータ外側表面ほぼ全体とスリーブとの間のギャップをさらに備え、場合によっては、ギャップのみが当該ステータ外側表面とスリーブとの間にある。
【0072】
さらなる実施形態では、ステータとスリーブは隣接せず、ロータとスリーブは隣接せず、ステータとハウジングのどの部分も隣接せず、及び/又は、ロータとハウジングのどの部分も隣接しない。いくつかの実施形態では、ステータ又はロータは、ハウジングのどの部分とも直接接続されていないが、代わりに、接続ブリッジ60または支持シリンダ160等の中間物体のみを介して接続されている。さらなる実施形態では、ステータは、当該少なくとも1つのエンドプレート及び当該接続ブリッジのみを通して当該スリーブと接続される。したがって、直接の接続はなく、代わりに何らかの中間構造を介した接続のみがある。
【0073】
本発明の好ましい実施形態の前述の説明は、例示及び説明の目的で提示した。包括的であることも、開示されたそのままの形態に本発明を限定することも意図するものではない。上記教示を考慮すれば、多くの修正及び変形が可能である。本発明の範囲は、この発明を実施するための形態によってではなく、特許請求の範囲および添付の特許請求の範囲の均等物によって限定されることが意図される。
以下の項目は、国際出願時の請求の範囲に記載の要素である。
(項目1)
低減された騒音および振動を呈するスイッチトリラクタンスマシンであって、
a.中心軸周りに回転するように配置される少なくとも1つのロータであって、前記中心軸周りに配置されるロータ極のセットを備える、前記少なくとも1つのロータと、
b.前記中心軸及び前記少なくとも1つのロータの両方と同軸、かつ、前記中心軸及び前記少なくとも1つのロータの両方より半径方向外側に配置される少なくとも1つのステータであって、
i.前記ロータ極のセットと磁気的に伝達し、それぞれが巻線を有するステータ極のセットであって、
ii.前記ステータ極のうちの少なくとも2つは、前記スイッチトリラクタンスマシンの相を形成し、前記相が励磁されると、前記ロータ極のうち少なくとも1つは、ステータ極と整列する、前記ステータ極のセットと、
iii.前記ステータ極のセットより半径方向外側にあり、ステータ外側表面を有するステータ外側表面と、
を備える、前記少なくとも1つのステータと、
c.スリーブ内側表面及びスリーブ外側表面を有するスリーブ部分を備えるハウジングであって、前記スリーブは、前記ステータ外側表面より半径方向外側にのみ配置されるハウジングと、
d.前記ステータ外側表面の略全体と前記スリーブ内側表面の略全体との間のギャップと、
を備える、スイッチトリラクタンスマシン。
(項目2)
前記ギャップは、実質的に空気で満たされている、項目1に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目3)
前記ギャップは、実質的に非ガス状の振動吸収性材料で満たされている、項目1に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目4)
前記ギャップは、前記ステータ外側表面の全体と前記スリーブ内側表面の全体との間にあり、
前記ステータ外側表面及び前記スリーブ内側表面は、隣接していない、項目1に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目5)
前記ステータと前記ロータとの整列は、複数の接続ブリッジによって維持される、項目1に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目6)
前記マシンは、三相タイプである、項目1に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目7)
前記ステータ極の前記巻線に動作可能に取付けられる電気制御回路をさらに備える、項目1に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目8)
低減された騒音及び振動を呈するスイッチトリラクタンスマシンであって、
a.中心軸周りに回転するように配置される少なくとも1つのロータであって、前記中心軸周りに配置されるロータ極のセットを備える、前記少なくとも1つのロータと、
b.前記中心軸及び前記少なくとも1つのロータの両方と同軸、かつ、前記中心軸及び前記少なくとも1つのロータの両方より半径方向外側に配置される少なくとも1つのステータであって、
i.前記ロータ極のセットと磁気的に伝達し、それぞれが巻線を有するステータ極のセットであって、
ii.前記ステータ極のうちの少なくとも2つは、前記スイッチトリラクタンスマシンの相を形成し、前記相が励磁されると、前記ロータ極のうち少なくとも1つは、ステータ極と整列する、前記ステータ極のセットと、
iii.前記ステータ極のセットより半径方向外側にあり、ステータ外側表面を有するステータ外側表面と、
を備える、前記少なくとも1つのステータと、
c.前記ステータ外側表面より半径方向外側にのみ配置されるスリーブを備えるハウジングと、
d.前記スリーブ内で前記少なくとも1つのステータを支持する複数の接続ブリッジと、
を備える、スイッチトリラクタンスマシン。
(項目9)
前記接続ブリッジは、前記少なくとも1つのステータと前記スリーブとの間の唯一の機械的接続である、項目8に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目10)
前記巻線と前記接続ブリッジの比は、1:1である、項目8に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目11)
前記巻線は、前記接続ブリッジと半径方向に整列している、項目10に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目12)
前記ステータ外側表面の略全体と前記スリーブとの間にギャップをさらに備える、項目8に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目13)
前記ステータ外側表面と前記スリーブとの間には、前記ギャップのみがある、項目12に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目14)
前記ギャップは、実質的に空気で満たされている、項目12に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目15)
前記ギャップは、実質的に非ガス状の振動吸収性材料で満たされている、項目12に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目16)
前記接続ブリッジは、少なくとも1つのハウジングエンドキャップに結合される、項目8に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目17)
前記接続ブリッジは、前記少なくとも1つのハウジングエンドキャップに対して略垂直である、項目16に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目18)
前記マシンは、三相タイプである、項目8に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目19)
前記ステータ極の前記巻線に動作可能に取付けられる電気制御回路をさらに備える、項目8に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目20)
低減された騒音及び振動を呈するスイッチトリラクタンスマシンであって、
a.中心軸周りに回転するように配置される少なくとも1つのロータであって、前記中心軸周りに配置されるロータ極のセットを備える、前記少なくとも1つのロータと、
b.前記中心軸及び前記少なくとも1つのロータの両方と同軸、かつ、前記中心軸及び前記少なくとも1つのロータの両方より半径方向外側に配置される少なくとも1つのステータであって、
i.前記ロータ極のセットと磁気的に伝達し、それぞれが巻線を有するステータ極のセットであって、
ii.前記ステータ極のうちの少なくとも2つは、前記スイッチトリラクタンスマシンの相を形成し、前記相が励磁されると、前記ロータ極のうち少なくとも1つは、ステータ極と整列する、前記ステータ極のセットと、
iii.前記ステータ極のセットより半径方向外側にあり、ステータ外側表面を有するステータ外側表面と、
を備える、前記少なくとも1つのステータと、
c.前記ステータ外側表面より半径方向外側にのみ配置されるスリーブを有するハウジングと、
を備え、
d.前記ステータは、中間構造を介してのみ前記スリーブに機械的に接続される、スイッチトリラクタンスマシン。
(項目21)
前記ステータ外側表面の略全体と前記スリーブとの間にギャップをさらに備える、項目20に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目22)
前記ステータ外側表面と前記スリーブとの間には、前記ギャップのみがある、項目21に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目23)
前記ギャップは、実質的に空気で満たされている、項目21に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目24)
前記ギャップは、実質的に非ガス状の振動吸収性材料で満たされている、項目21に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目25)
前記マシンは、三相タイプである、項目20に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目26)
前記ステータ極の前記巻線に動作可能に取付けられる電気制御回路をさらに備える、項目20に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目27)
低減された騒音及び振動を呈するスイッチトリラクタンスマシンであって、
a.中心軸周りに回転するように配置される少なくとも1つのロータであって、前記中心軸周りに配置されるロータ極のセットを備える、前記少なくとも1つのロータと、
b.前記中心軸及び前記少なくとも1つのロータの両方と同軸、かつ、前記中心軸及び前記少なくとも1つのロータの両方より半径方向外側に配置される少なくとも1つのステータであって、
i.前記ロータ極のセットと磁気的に伝達し、それぞれが巻線を有するステータ極のセットであって、
ii.前記ステータ極のうちの少なくとも2つは、前記スイッチトリラクタンスマシンの相を形成し、前記相が励磁されると、前記ロータ極のうち少なくとも1つは、ステータ極と整列する、前記ステータ極のセットと、
iii.前記ステータ極のセットより半径方向外側にあり、ステータ外側表面を有するステータ外側表面と、
を備える、前記少なくとも1つのステータと、
c.前記ステータ外側表面より半径方向外側にのみ配置されるスリーブを有するハウジングと、
を備え、
d.前記ステータ及び前記スリーブは、隣接していない、スイッチトリラクタンスマシン。
(項目28)
前記ステータ外側表面の略全体と前記スリーブとの間にギャップをさらに備える、項目27に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目29)
前記少なくとも1つのステータと前記スリーブとの間には、前記ギャップのみがある、項目28に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目30)
前記ギャップは、実質的に空気で満たされている、項目28に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目31)
前記ギャップは、実質的に非ガス状の振動吸収性材料で満たされている、項目28に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目32)
前記マシンは、三相タイプである、項目27に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目33)
前記ステータ極の前記巻線に動作可能に取付けられた電気制御回路をさらに備える、項目27に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目34)
低減された騒音及び振動を呈するスイッチトリラクタンスマシンであって、
a.中心軸周りに回転するように配置される少なくとも1つのロータであって、前記中心軸周りに配置されるロータ極のセットを備える、前記少なくとも1つのロータと、
b.前記中心軸及び前記少なくとも1つのロータの両方と同軸、かつ、前記中心軸及び前記少なくとも1つのロータの両方より半径方向外側に配置される少なくとも1つのステータであって、
i.前記ロータ極のセットと磁気的に伝達し、それぞれが巻線を有するステータ極のセットであって、
ii.前記ステータ極のうちの少なくとも2つは、前記スイッチトリラクタンスマシンの相を形成し、前記相が励磁されると、前記ロータ極のうち少なくとも1つは、ステータ極と整列する、前記ステータ極のセットと、
iii.前記ステータ極のセットより半径方向外側にあり、ステータ外側表面を有するステータ外側表面と、
を備える、前記少なくとも1つのステータと、
c.前記ステータ外側表面より半径方向外側にのみ配置されるスリーブを有するハウジングと、
d.前記ハウジングの端部に結合される少なくとも1つのハウジングエンドプレートと、
を備え、
e.前記ステータは、前記少なくとも1つのエンドプレートを通してのみ前記スリーブと接続される、スイッチトリラクタンスマシン。
(項目35)
前記ハウジングは、設置用の脚部を備える、項目34に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目36)
前記脚部は、前記エンドプレートに配置される、項目35に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目37)
前記マシンは、三相タイプである、項目34に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目38)
前記ステータ極の前記巻線に動作可能に取付けられる電気制御回路をさらに備える、項目34に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目39)
低減された騒音及び振動を呈するスイッチトリラクタンスマシンであって、
a.スリーブを備えるハウジングと、
b.中心軸アクティブ部分を備える中心軸と、
c.前記中心軸より半径方向外側にある少なくとも1つのロータ及び少なくとも1つのステータであって、前記ステータは、ステータ外側表面を有するステータ外側表面を備える、前記少なくとも1つのロータ及び少なくとも1つのステータと、
d.前記ステータ外側表面の略全体と前記スリーブとの間のギャップと、
を備え、
e.前記スリーブは、前記ギャップより半径方向外側にあり、前記ギャップは、前記少なくとも1つのステータより半径方向外側にあり、前記ステータは、前記少なくとも1つのロータより半径方向外側にあり、前記ロータは、前記中心軸アクティブ部分より半径方向外側にある、スイッチトリラクタンスマシン。
(項目40)
前記ギャップは、実質的に空気で満たされている、項目38に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目41)
前記ギャップは、実質的に非ガス状の振動吸収性材料で満たされている、項目38に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目42)
前記ギャップは、前記少なくとも1つのステータと前記スリーブとの間の空間全体を占める、項目38に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目43)
a.前記少なくとも1つのロータ上のロータ極のセットと、
b.前記ロータ極のセットと磁気的に伝達し、それぞれが巻線を有するステータ極のセットと、
をさらに備え、
c.前記ステータ極のうちの少なくとも2つは、前記スイッチトリラクタンスマシンの相を形成し、前記相が励磁されると、前記ロータ極のうち少なくとも1つは、ステータ極と整列する、項目38に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目44)
a.前記少なくとも1つのロータ、前記少なくとも1つのステータ及び前記スリーブのそれぞれは、アクティブゾーン部品を構成し、
b.アクティブゾーンは、前記アクティブゾーン部品の間に広がり、
c.前記スペースギャップは、前記少なくとも1つのステータと前記スリーブとの間の前記アクティブゾーンの略全体を満たす、項目38に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目45)
前記マシンは、三相タイプである、項目38に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目46)
前記ステータ極の前記巻線に動作可能に取付けられる電気制御回路をさらに備える、項目38に記載のスイッチトリラクタンスマシン。
(項目47)
低減された騒音及び振動を呈するスイッチトリラクタンスマシンであって、
a.スリーブを備えるハウジングと、
b.中心軸アクティブ部分を備える中心軸と、
c.前記中心軸より半径方向外側にある少なくとも1つのロータ及び少なくとも1つのステータと、
d.前記少なくとも1つのロータの略全体と前記スリーブとの間のギャップと、
を備え、
e.前記スリーブは、前記ギャップより半径方向外側にあり、前記ギャップは、前記少なくとも1つのロータより半径方向外側にあり、前記ロータは、前記少なくとも1つのステータより半径方向外側にあり、前記ステータは、前記中心軸アクティブ部分より半径方向外側にある、スイッチトリラクタンスマシン。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図18
図19
図20
図21
図22