(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-12
(45)【発行日】2022-08-22
(54)【発明の名称】流体接続部を形成する接続構成体
(51)【国際特許分類】
F16L 37/248 20060101AFI20220815BHJP
【FI】
F16L37/248
(21)【出願番号】P 2020569729
(86)(22)【出願日】2019-05-27
(86)【国際出願番号】 EP2019063642
(87)【国際公開番号】W WO2019242998
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2020-12-14
(31)【優先権主張番号】102018114918.2
(32)【優先日】2018-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591044393
【氏名又は名称】ノルマ ジャーマニー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100163050
【氏名又は名称】小栗 眞由美
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】スヴェン-バーティル アンダーソン
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-036584(JP,A)
【文献】特開2010-101431(JP,A)
【文献】特開2012-016982(JP,A)
【文献】米国特許第03232644(US,A)
【文献】米国特許第06669239(US,B1)
【文献】米国特許第03650551(US,A)
【文献】特表2002-500335(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102004055409(DE,A1)
【文献】独国特許出願公開第102004016051(DE,A1)
【文献】中国実用新案第201354899(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 37/248
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器と流体ラインとの間に流体導通接続部を形成する接続構成体(34)であって、
前記容器の容器壁内または該容器壁上に配置することができ、開口(2)を有する壁要素(1)と、
2つのシール面(14、22)を有する管状の接続要素(8)とを備え、
接続要素(8)が、一端側に、前記接続要素(8)に周方向に配置され、軸方向を向く
第1のシール面(14)を有するシール部(12)と、前記シール部(12)と反対側の端部(20)に、周方向の第2のシール面(22)とを備え、
前記接続要素(8)が、前記第1のシール面(14)の領域に、前記壁要素(1)の前記開口(2)に挿入して、前記壁要素(1)に接続する接続部分(10)を備え
、
前記管状の接続要素(8)が、工具ヘッド(32)を回転方向に固定して受け入れる内部形状(26)を有し、
該内部形状が、前記工具ヘッドに対応して具現化された角のある形状として構成される接続構成体。
【請求項2】
前記接続部分(10)を、
噛み合いまたは圧入によって前記壁要素(1)に接続する請求項1に記載の接続構成体。
【請求項3】
前記接続要素(8)の前記接続部分(10)および前記壁要素(1)の前記開口(2)がバヨネット式閉鎖装置として設計された請求項1または請求項2に記載の接続構成体。
【請求項4】
前記壁要素(1)の前記開口(2)が、前記接続部分(10)の少なくとも1つの突出部(16)を受け入れる少なくとも1つの切欠き部(4)を備え、
前記接続要素(8)を前記壁要素に対して対称軸(S)に沿って回転させる結果として、前記接続要素(8)を、解除可能または解除不可能に前記壁要素(1)にロックする請求項3に記載の接続構成体。
【請求項5】
接続状態において、前記接続要素(8)の前記シール部(12)と前記壁要素(1)との間に流体密封性のシール領域を形成する請求項1から請求項4のいずれかに記載の接続構成体。
【請求項6】
前記第2のシール面(22)が流体ラインを受け入れるように構成された請求項1から請求項5のいずれかに記載の接続構成体。
【請求項7】
前記容器が、タンク、器、空間、または車体の少なくとも1つの領域である請求項1から請求項6のいずれかに記載の接続構成体。
【請求項8】
前記接続要素(8)の前記接続部分(10)が、前記壁要素(1)へのラッチ接続部を形成する少なくとも1つのラッチ要素(18)を備える請求項1から請求項
7のいずれかに記載の接続構成体。
【請求項9】
前記壁要素(1)を、前記容器の前記容器壁に該容器壁の一部として入れることができる、または材料的に接合して前記容器壁に接続する請求項1から請求項
8のいずれかに記載の接続構成体。
【請求項10】
接続要素(8)を壁要素(1)に流体導通接続するための方法であって、
前記接続要素(8)が、工具(28)の工具ヘッド(32)を回転方向に固定して受け入れる内部形状(26)を有し、該内部形状が、前記工具ヘッドに対応して具現化された角のある形状として構成され、
工具(28)の工具ヘッド(32)が、前記接続要素(8)の内部領域(24)に回転方向に固定されて配置され、
前記接続要素(8)の接続部分(10)が、前記壁要素(1)の開口(2)を通って突出するように、前記工具ヘッド(32)を使用して、前記壁要素(1)の前記開口(2)に前記接続要素(8)を配置し、
前記工具ヘッド(32)を前記壁要素(1)に対して回転方向に動かす結果として、前記接続要素(8)が回転させられ、前記壁要素(1)にロックされる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部による、容器と流体ラインとの間に流体導通接続部を形成する接続構成体に関し、また、接続要素を壁要素に流体導通接続するための方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
流体ラインを容器に接続するための様々な可能なものが知られている。特に、一端側にホースまたはパイプを受け入れることができる管状のコネクタは、この目的のために使用される。この種のコネクタは、ねじまたはフランジによって容器に締結することができる。
【0003】
さらに、材料的に接合して容器に接続することができるコネクタが知られている。材料的に接合された接続部は、接着接合、半田付け、または溶接によって生成することができる。さらなる解決策として、容器をコネクタと一体化的に構成することも知られている。
【0004】
しかしながら、接続構成体の知られている実施形態が有する問題は、組立に余計な手間がかかる、および/または製造に余計な手間がかかることである。組立に余計な手間がかかるのは、やっかいなねじ作業、またはそれに続く容器へのコネクタの材料的な接合の接続から生じることがある。この場合、特に、コネクタを取付位置に配置して保持し、それに続いてコネクタを容器にねじで取り付ける、または接着接合することを含む複数の作業ステップを実行する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、従来技術の欠点を除去し、迅速に実現でき、また組立の手間が少ない接続構成体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の主な特徴は、請求項1および請求項12の特徴部に示される。実施形態は請求項2から請求項11の主題である。
【0007】
本発明は、容器と流体ラインとの間に流体導通接続部を形成する接続構成体に関する。本接続構成体は、容器の容器壁内または容器壁上に配置することができ、開口を有する壁要素と、2つのシール面を有する管状の接続要素とを備える。接続要素は、一端側に、接続要素に周方向に配置され、軸方向を向く第1のシール面を有するシール部を備える。接続要素の、シール部と反対側の端部に、第2のシール面が外周に形成される。本発明によれば、接続要素は、第1のシール面の領域に、壁要素の開口に挿入して、壁要素に接続するための接続部分を備え、管状の接続要素が、工具ヘッドを回転方向に固定して受け入れる内部形状を有し、内部形状が、工具ヘッドに対応して具現化された角のある形状として構成される。
【0008】
この接続要素によって、位置的に固定される態様で、迅速に壁要素に挿入することができるアダプタを提供することができる。挿入された状態で、接続要素と壁要素との間に流体密封性の接続部が生成される。特に、接続要素が挿入された状態では、第1のシール面は、壁要素の平坦な座面に軸方向に押し付けられ、その結果、流体密封のシール領域が形成される。第1のシール面は、例えば、Oリングを有する半径方向の円周状の溝として具現化することができる。例えば、押圧傾斜部を備える接続要素によって、軸方向を向く押圧力を発生させることができる。接続要素を壁要素に対して回転させる結果として、シール部を壁要素に圧接することができる。接続要素と壁要素との間の接続部は、回転方向に動かす結果として、または圧力を加える結果として生成することができる。この場合、接続部分は、壁要素とポジティブロック、圧入、または摩擦ロック接続部を形成することができる。したがって、壁要素に接続要素を組み付けるためには一連の動きだけでよいので、組付けの手間を少なくすることができる。この一連の動きを1つの位置決め工具で行うことができることが好ましく、その結果、組付け中での工具の変更を省略することができる。
【0009】
壁要素は、少なくとも特定の領域で、接続部分を受け入れる薄肉部を備えることができることが好ましい。特に、壁要素は、容器壁に取付け可能にすることができる、または容器壁の一領域として設計することができる。代替策として、壁要素は、例えば容器壁、および空間の壁または車体の壁などの壁の切欠き部にポジティブロックで導入可能にすることができる。
【0010】
本発明による接続構成体は、特に、二次空気供給、ドレンライン、例えばオイルまたは燃料用の移送ラインとして、また通気ラインとしてなど、タンクまたは容器の流体導通接続用に使用することができる。
【0011】
接続要素は、実質的に回転方向に対称に設計されることが好ましい。壁要素は、射出成形、金属鋳造、ならびに打抜きと曲げ工程などによって製造可能にすることができる。これによって、接続構成体は、繰り返し可能で最適化された品質で、製造し組み付けることができる。
【0012】
好ましい構成として、接続部分を、噛み合いまたは圧入によって壁要素に接続してもよい。このようにして、接続要素を特に迅速に壁要素に組付けることを実現することができる。一例として、接続要素の接続部は、壁要素の開口を通って突出することができ、壁要素にラッチ式に、またはホックで留まることができる。代替策または追加策として、接続部分は、壁要素の開口に圧入することができる。
【0013】
接続要素の接続部分および壁要素の開口がバヨネット式閉鎖装置として設計された場合、接続要素は、特に迅速で効率的に壁要素に組み付けることができる。したがって、この接続は、差し込んで捻じる動きによって実現することができ、この場合、接続部分は開口に差し込まれ、続いて、回転の結果として壁要素にロックされる。このように設計された接続構成体は、接続要素と壁要素との間の解除可能な接続部としても、また、もはや後で解除することができない接続部としても設計することもできる。
【0014】
この接続は、差し込んで捻じる動きによって実現される。接続される2つの部品が互いに配置され、差込方向にほぼ垂直で細長い隆起部が接続点で両方の部品に取り付けられている。しかしながら、これらの隆起部は、全周にわたって走っているのではなく、途切れている(そうでなければ、これらの部品を互いに差し込むことができない)。さらに、これらの隆起部は、差込方向に垂直な平面にわずかに傾斜しているので、2つの部品は、回転方向の動きの結果として互いに押し付けられる。したがって、バヨネット式閉鎖装置はねじのように動作する。(例えば、カメラレンズの場合、)接続部を固定するために留め具がさらに使用されることがある。噛み合うレールを動かす代わりとして、対応して形成された一方の部品の窪みと他方の部品の膨らみを使用することも可能である。
【0015】
接続構成体のさらなる他の構成として、壁要素の開口が、接続部分の少なくとも1つの突出部を受け入れる少なくとも1つの切欠き部を備え、接続要素を壁要素に対して対称軸に沿って回転させる結果として、接続要素を、解除可能または解除不可能に壁要素にロックしてもよい。少なくとも1つの押圧傾斜部が、接続部分の一端側に配置されることが好ましく、押圧傾斜部は、接続要素の回転の結果として軸方向を向く押圧力を発生させ、流体密封接続部を形成するためにシール部を壁要素に押し付ける。開口は、少なくとも1つの切欠き部と、少なくとも1つの押圧傾斜部と相互作用するための少なくとも1つの相補部とを備える。切欠き部と相補部は、開口の外周側に交互に配置されることが好ましい。ラッチ式接続を実行するために、少なくとも1つの押圧傾斜部は、少なくとも1つの切欠き部、または少なくとも1つの相補部にポジティブロックで結合することができるラッチングラグを備えることができる。
【0016】
接続状態において、接続要素のシール部と壁要素との間に流体密封シール領域を形成することができる場合、接着接合または溶接なしに接続構成体を生成することができる。シール部に配置され、壁要素に面する第1のシール面は、例えば、平面シールまたはOリングによって構成することができる。
【0017】
接続構成体のさらなる他の構成として、第2のシール面が流体ラインを受け入れるように構成されていてもよい。ここで、流体ラインは、接続要素の一部分に配置することができ、該部分は、第2のシール面によって周方向に定められる。流体ラインは、この部分に直接押し込むことができる、または、継手部によって間接的に接続部と接続可能にすることができる。例えば、結束帯またはホースクランプなどのさらなる締結手段を使用して流体ラインを取り付ける、または固定することができる。このようにして、接続要素に配置された流体ラインの機械的強度を確実に増すことが可能である。
【0018】
容器が、タンク、器、空間、または車体の少なくとも1つの領域である場合、接続構成体は、柔軟で多様に使用することができる。
【0019】
接続構成体のさらなる他の構成として、第2のシール面が、SAE接続部、VDA接続部、ホースコネクタまたはV2接続部として形成されてもよい。このように、接続要素は、壁要素とは無関係に製造可能にすることができ、接続構成体の適用分野に適合する態様で使用可能にすることができる。特に、異なる設計の流体ライン、および流体ラインの継手システムが、これによって接続要素に結合可能にすることができる。さらに、異なる形状の接続要素を、選択的に、または望むように、壁要素に挿入することができる。
【0020】
接続要素の接続部分が、壁要素へのラッチ接続部を形成する少なくとも1つのラッチ要素を備える場合、接続要素は、位置的に固定され、確実に緩まないように、壁要素に配置することができる。特に、少なくとも1つのラッチ要素は、接続部分の押圧傾斜部の領域でラッチングラグとして具現化することができる。ラッチングラグは、壁要素の開口の相補部または切欠き部と相互作用できることが好ましい。
【0021】
管状の接続要素が、回転方向に固定されて工具ヘッドを受け入れる内部形状を内部領域に備える場合、接続要素の壁要素への組付けを簡素化し加速することができる。一例として、内部形状は、工具ヘッドに対応して具現化された角のある形状として構成することができる。この形状は、例えば、矩形、三角形、または六角形の内部形状を含むことができる。さらに、内部形状は、工具ヘッドを回転方向に固定して受け入れるための、軸方向に走る切欠き部を含むことができる。工具ヘッドは、少なくとも特定の領域で、接続要素の内部領域にポジティブロックで挿入することができ、接続要素を組み付けるために使用することができる。
【0022】
壁要素を、容器の容器壁に入れることができ、容器壁の一部として具現化され、または材料的に接合して容器壁に接続することができる場合、接続構成体は、特に多様に製造可能にすることができる。特に、この接続構成体の結果として、フランジ接続部またはねじ接続部を使用せずに済ますことができ、その結果、接続構成体は省スペースに設計される。
【0023】
本発明はまた、接続要素を壁要素に流体導通接続するための方法に関する。1つのステップでは、工具ヘッドは、接続要素の内部領域に回転方向に固定して配置される。接続要素の接続部分が、壁要素の開口を通って突出するように、工具ヘッドを使用して、壁要素の開口に接続要素を配置する。これに続いて、工具ヘッドを壁要素に対して回転方向に動かす結果として、接続要素が回転させられ、壁要素にロックされる。
【0024】
接続要素の回転の結果として、開口の切欠き部を通って壁要素に挿入された接続要素の接続部分の押圧傾斜部は、壁要素と機械的に相互作用する。接続要素を回転すると、押圧傾斜部が、開口または壁要素の相補部と重なり、したがって、接続要素が壁要素にロックされる。
【0025】
本発明による方法によって、接続要素を簡単で迅速に壁要素に組み付けることができる。このために必要な一連の動きは、自動的に実施することができる。開口内に接続要素を位置決めし、その後、工具を変更することなく接続要素の回転を実施できることが好ましい。
【0026】
壁要素および接続要素は、同じ材料、または異なる材料から構成することができる。特に、使用される材料はプラスチックまたは金属とすることができる。
【0027】
本発明のさらなる特徴、詳細および利点は、図面を参照する、特許請求の範囲の文言および例示的な実施形態の以下の説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の一実施形態に係る接続構成体の壁要素の図である。
【
図2】本発明に係る接続構成体の接続要素の図である。
【
図3】接続要素を壁要素に組み付けるための工具の平面図である。
【
図5】本発明のさらなる他の実施形態における接続要素の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、
図4に示されるような接続構成体の、本発明における壁要素1を示す。壁要素1は方形の形状のものであり、壁要素1の中央を貫通するように延在する開口2を備える。3つの切欠き部4が、開口2の外周側に導入されている。各相補部6が、3つの切欠き部の間に構成される。例示的な実施形態によれば、切欠き部4は、外周にわたって均等に、または対称に配置される。代替策として、開口2に少なくとも1つの切欠き部4および少なくとも1つの相補部6を非対称に配置してもよい。
【0030】
壁要素1は、例えば、容器壁として設計可能である。代替例として、壁要素1は、容器壁に配置可能にしてもよいし、または容器壁に挿入可能にしてもよい。この場合、壁要素1は、容器壁に材料的に接合して、または圧入して接続可能にすることができる。
【0031】
図2の(a)および(b)は、管状の接続要素8を異なる方向から見た図である。接続要素8は、実質的に対称軸Sに沿って対称に形成される。接続要素8は、シール部12から軸方向に延在する接続部分10を備える。シール部12は、接続部分10よりも大きな断面積を有する。第1のシール面14はシール部12に構成される。第1のシール面14は、Oリングとして具現化される。Oリングは、シール部12の円周状の溝の中に配置される。
【0032】
接続部分10は3つの突出部16を備える。突出部16は、切欠き部4に対応して形成された押圧傾斜部16として具現化される。突出部16は、壁要素1の相補部6よりも大きな断面を有する。ここで、突出部16は、切欠き部4よりも小さな断面を有し、その結果、接続部分10は、正しく位置合わせされると、開口に挿入されることが可能となる。各押圧傾斜部16はラッチ要素18を備える。ラッチ要素18によって、接続要素8が意図せず緩むことを避けることができる。壁要素1に対して接続要素8を回転した後、突起部16と相補部6とは重なるような位置になり、その結果、接続要素8を壁要素1から分離することがもはや不可能になる。
【0033】
周方向に取り囲んでいる第2のシール面22は、接続要素8の端部20に配置され、前記端部は接続部分10とは反対側にある。第2のシール面22は、突出部として具現化され、例示的な実施形態によれば、いわゆるVDAコネクタを形成する。一例として、ホースまたは流体ライン(図示せず)を、第2のシール面22に押し込むことができる。
【0034】
接続要素8は、流体を案内する内部領域24を備える。内部領域24は多角形の内部形状26を有する。
【0035】
図3は、壁要素1に接続要素8を組み付けるための工具28を示す。例示的な実施形態によれば、工具28は、手工具として構成され、ハンドル30および工具ヘッド32を備える。工具ヘッド32は、接続要素8の内部領域24内に突出することができるように構成される。特に、接続要素8は、組付け作業を実行するために工具ヘッド32に配置することができる。内部形状26の結果として、接続要素8は、回転方向に固定されて工具28に配置することができる。このようにして、工具28の回転方向の動きは、接続要素8に直接伝達することができる。
【0036】
代替の構成によれば、工具28は、例えば、マニピュレータアームまたは組立ロボットに配置された自動工具とすることができる。
【0037】
図4は、接続構成体34の概略断面図である。接続構成体34は、挿入された状態の接続要素8を有する壁要素1を備える。挿入された状態では、接続要素8は、壁要素1に対して回転させられ、壁要素1にロックされる。相補部6と押圧傾斜部16との相互作用の結果、対称軸Sの方向に軸方向を向く押圧力が第1のシール面14に発生する。このようにして、Oリング14は、シール部12と壁要素1との間で圧縮され、その結果、流体密封性の継手が生成される。
【0038】
接続要素8は、いわゆるSAE18接続システムに従って具現化された第2のシール面22を備える。
【0039】
例示的な実施形態によれば、壁要素1の開口2および接続部分10の押圧傾斜部16はバヨネット式閉鎖装置を形成し、差し込んで捻じる動きの結果として、解除可能にロックすることができる。
【0040】
図5は、本発明のさらなる他の実施形態における接続要素8の斜視図である。第2のシール面22の可能な構成が示されている。
図5の(a)は、第2のシール面22としていわゆるNQ-PS3接続システムを有する接続要素8を示す。
図5の(b)は、いわゆるNQ-V2接続システムの接続用に設計された第2のシール面22を有する接続要素8を示す。
【0041】
図6の(a)および(b)は、本発明に係る方法を示すために接続構成体34の図を示す。ここで、矢印は可能な一連の動きを示している。
【0042】
本方法の第1のステップでは、接続要素8が工具ヘッド32に配置され、壁要素1の開口2内に置かれる。
【0043】
さらなるステップでは、工具28は時計方向に回転される。接続要素8の内部形状26の結果として、工具28の回転方向の動きは、接続要素8に直接伝達することができ、その結果、接続要素8は、壁要素1にラッチ式に留められ、したがってロックされる。
【0044】
本発明は、上記の実施形態のうちの1つに限定されるものではなく、多くの方法で修正することができる。
【0045】
一例として、接続要素8は、1部品設計または複数部品設計にすることができる。接続要素8および壁要素1は、プラスチックまたは金属より構成することができる。
【0046】
本発明に係る方法は、組立作業を実行するために、自動または手動で実施することができる。
【0047】
特許請求の範囲、説明、および図面から生じる特徴および利点のすべては、構造上の詳細、空間的配置、および方法ステップを含めて、単独でも、様々な組合せにおいてもともに本発明に不可欠であり得る。
【符号の説明】
【0048】
1 壁要素
2 開口
4 切欠き部
6 相補部
8 接続要素
10 接続部分
12 シール部
14 第1のシール面
16 押圧傾斜部/突出部
18 ラッチ要素
20 接続要素の端部
22 第2のシール面
24 接続要素の内部領域
26 接続要素の内部形状
28 工具
30 工具のハンドル
32 工具ヘッド
34 接続構成体
S 対称軸