(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-12
(45)【発行日】2022-08-22
(54)【発明の名称】データ送信方法、送信デバイス、データ受信方法、および受信デバイス
(51)【国際特許分類】
H04W 28/02 20090101AFI20220815BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20220815BHJP
H04W 80/04 20090101ALI20220815BHJP
【FI】
H04W28/02
H04W84/12
H04W80/04
(21)【出願番号】P 2020573177
(86)(22)【出願日】2019-07-02
(86)【国際出願番号】 CN2019094328
(87)【国際公開番号】W WO2020007278
(87)【国際公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-02-02
(31)【優先権主張番号】201810733667.0
(32)【優先日】2018-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100132481
【氏名又は名称】赤澤 克豪
(74)【代理人】
【識別番号】100115635
【氏名又は名称】窪田 郁大
(72)【発明者】
【氏名】曲 霄▲陽▼
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 建
(72)【発明者】
【氏名】黄 志▲鋼▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 波
【審査官】竹内 亨
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-529849(JP,A)
【文献】特表2012-502542(JP,A)
【文献】特表2017-537498(JP,A)
【文献】国際公開第2016/129086(WO,A1)
【文献】特開2005-341441(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0290524(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
H04B 7/24-7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信デバイスに適用される、データ送信方法であって、
ターゲット媒体アクセス制御プロトコルデータユニット(MPDU)を取得するステップであって、前記ターゲットMPDUは、指定されたサービスのIPデータパケットに対してカプセル化処理を実行することによって取得され、前記送信デバイスと受信デバイスとはワイヤレスフィデリティ(Wi-Fi)を通して接続される、ステップと、
前記ターゲットMPDUのバックアップMPDUを生成するステップと、
前記受信デバイスに前記ターゲットMPDUと前記バックアップMPDUとを送るステップと
を含
み、
前記ターゲットMPDUのバックアップMPDUを生成する前記ステップの前に、
前記送信デバイスと前記受信デバイスとの間の再送信レートを取得するステップと、
前記再送信レートがあらかじめ設定された再送信しきい値よりも大きい場合、前記ターゲットMPDUのバックアップMPDUを生成する前記ステップの実行をトリガするステップと
をさらに含み、
前記ターゲットMPDUのバックアップMPDUを生成する前記ステップは、
前記再送信レートと前記再送信しきい値とに基づいてバックアップの量を決定するステップであって、前記バックアップの量は正の整数である、ステップと、
前記バックアップMPDUを生成するために前記バックアップの量に基づいて前記ターゲットMPDUに対して複製処理を実行するステップと
を含む、データ送信方法。
【請求項2】
ターゲット媒体アクセス制御プロトコルデータユニットMPDUを取得する前記ステップは、
送られるべきMPDUを取得するステップであって、前記送られるべきMPDUは、媒体アクセス制御サービスデータユニット(MSDU)に対してカプセル化処理を実行することによって取得される、ステップと、
前記送られるべきMPDUがターゲットMSDUを含む場合、前記送られるべきMPDUを前記ターゲットMPDUとして識別するステップであって、前記ターゲットMSDUは前記指定されたサービスの前記IPデータパケットであるか、または前記ターゲットMSDUは、前記指定されたサービスの前記IPデータパケットに対してカプセル化処理を実行することによって取得される、ステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記指定されたサービスの前記IPデータパケットは、前記指定されたサービスの前記IPデータパケットのソースIPアドレスがあらかじめ設定されたIPアドレスセットと一致した後に識別される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記再送信レートは、統計値の収集を通して取得される単位時間に前記受信デバイスに送られた再送信されたMPDUの量と前記単位時間に前記受信デバイスに送られたMPDUの総量とに基づいて決定される、請求項
1に記載の方法。
【請求項5】
前記送信デバイスによって前記受信デバイスに送られたMPDUは、前記指定されたサービスのMPDUと指定されていないサービスのMPDUとを含み、
前記再送信レートは、統計値の収集を通して取得される単位時間に前記受信デバイスに送られた前記指定されていないサービスの再送信されたMPDUの量と前記単位時間に前記受信デバイスに送られた前記指定されていないサービスのMPDUの総量とに基づいて決定される、請求項
1に記載の方法。
【請求項6】
前記再送信レートと前記再送信しきい値とに基づいてバックアップの量を決定する前記ステップは、
前記再送信レートと前記再送信しきい値とに基づいてNを決定するステップであって、Nは、1よりも大きい正の整数である、ステップと、
Nに基づいて前記バックアップの量を決定するステップと
を含み、
Nは、前記再送信レートのN-1乗が前記再送信しきい値よりも大きく、前記再送信レートのN乗が前記再送信しきい値よりも小さいという条件を満たす、請求項
1に記載の方法。
【請求項7】
Nに基づいて前記バックアップの量を決定する前記ステップは、前記バックアップの量としてN-1を決定するステップを含む、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
前記受信デバイスに前記ターゲットMPDUと前記バックアップMPDUとを送る前記ステップは、
前記受信デバイスに前記ターゲットMPDUと前記バックアップMPDUとを別々に送るステップ
を含む、請求項1から
7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記受信デバイスに前記ターゲットMPDUと前記バックアップMPDUとを送る前記ステップは、
前記ターゲットMPDUと前記バックアップMPDUとに対してアグリゲーション処理を実行するステップと、
前記受信デバイスに、アグリゲートされた前記ターゲットMPDUと前記バックアップMPDUとを送るステップと
を含む、請求項1から
7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記アグリゲーション処理が実行される複数の非バックアップMPDUがあり、前記複数の非バックアップMPDUは前記ターゲットMPDUを含み、アグリゲーション処理を実行するとき、前記バックアップMPDUは前記複数の非バックアップMPDUの後に置かれる、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
前記複数の非バックアップMPDUは指定されていないサービスのMPDUをさらに含む、請求項1
0に記載の方法。
【請求項12】
シーケンス番号は、カプセル化処理後に取得された送られるべき各MPDUに対して設定され、アグリゲーション処理を実行するとき、前記複数の非バックアップMPDUは前記複数の非バックアップMPDUのシーケンス番号に基づいてソートされる、請求項1
1に記載の方法。
【請求項13】
前記アグリゲーション処理が実行される複数のターゲットMPDUがあり、各ターゲットMPDUについて、前記ターゲットMPDUと前記ターゲットMPDUの前記バックアップMPDUとは同じシーケンス番号を有し、アグリゲーション処理を実行するとき、前記複数のターゲットMPDUの複数のバックアップMPDUは前記複数のバックアップMPDUのシーケンス番号に基づいてソートされる、請求項1
2に記載の方法。
【請求項14】
送信デバイスであって、
ターゲット媒体アクセス制御プロトコルデータユニットMPDUを取得するように構成された第1の取得モジュールであって、前記ターゲットMPDUは、指定されたサービスのIPデータパケットに対してカプセル化処理を実行することによって取得され、前記送信デバイスと受信デバイスとはワイヤレスフィデリティ(Wi-Fi)を通して接続される、第1の取得モジュールと、
前記ターゲットMPDUのバックアップMPDUを生成するように構成されたバックアップモジュールと、
前記受信デバイスに前記ターゲットMPDUと前記バックアップMPDUとを送るように構成された送信モジュールと
を備え
、
前記送信デバイスは、
前記送信デバイスと前記受信デバイスとの間の再送信レートを取得するように構成された第2の取得モジュールをさらに備え、
前記再送信レートがあらかじめ設定された再送信しきい値よりも大きい場合、前記第2の取得モジュールは前記ターゲットMPDUの前記バックアップMPDUを生成するように特に構成され、
前記バックアップモジュールは、
前記再送信レートと前記再送信しきい値とに基づいてバックアップの量を決定するように構成された決定ユニットであって、前記バックアップの量は正の整数である、決定ユニットと、
前記バックアップMPDUを生成するために前記バックアップの量に基づいて前記ターゲットMPDUに対して複製処理を実行するように構成された複製ユニットと
を備える、送信デバイス。
【請求項15】
前記第1の取得モジュールは、
送られるべきMPDUを取得し、前記送られるべきMPDUは、媒体アクセス制御サービスデータユニットMSDUに対してカプセル化処理を実行することによって取得され、
前記送られるべきMPDUがターゲットMSDUを含む場合、前記送られるべきMPDUを前記ターゲットMPDUとして識別し、前記ターゲットMSDUは前記指定されたサービスの前記IPデータパケットであるか、または前記ターゲットMSDUは、前記指定されたサービスの前記IPデータパケットに対してカプセル化処理を実行することによって取得される
ように特に構成される、請求項1
4に記載の送信デバイス。
【請求項16】
前記指定されたサービスの前記IPデータパケットは、前記指定されたサービスの前記IPデータパケットのソースIPアドレスがあらかじめ設定されたIPアドレスセットと一致した後に識別される、請求項1
4または1
5に記載の送信デバイス。
【請求項17】
前記再送信レートは、統計値の収集を通して取得される単位時間に前記受信デバイスに送られた再送信されたMPDUの量と前記単位時間に前記受信デバイスに送られたMPDUの総量とに基づいて決定される、請求項
14に記載の送信デバイス。
【請求項18】
前記送信デバイスによって前記受信デバイスに送られたMPDUは、前記指定されたサービスのMPDUと指定されていないサービスのMPDUとを含み、
前記再送信レートは、統計値の収集を通して取得される単位時間に前記受信デバイスに送られた前記指定されていないサービスの再送信されたMPDUの量と前記単位時間に前記受信デバイスに送られた前記指定されていないサービスのMPDUの総量とに基づいて決定される、請求項
14に記載の送信デバイス。
【請求項19】
前記決定ユニットは、
前記再送信レートと前記再送信しきい値とに基づいてNを決定するように構成された第1の決定サブユニットであって、Nは、1よりも大きい正の整数である、第1の決定サブユニットと、
Nに基づいて前記バックアップの量を決定するように構成された第2の決定サブユニットと
を備え、
Nは、前記再送信レートのN-1乗が前記再送信しきい値よりも大きく、前記再送信レートのN乗が前記再送信しきい値よりも小さいという条件を満たす、請求項
14に記載の送信デバイス。
【請求項20】
前記第2の決定サブユニットは、前記バックアップの量としてN-1を決定するように特に構成される、請求項
19に記載の送信デバイス。
【請求項21】
前記送信モジュールは、
前記受信デバイスに前記ターゲットMPDUと前記バックアップMPDUとを別々に送るように特に構成される、請求項1
4から2
0のいずれか一項に記載の送信デバイス。
【請求項22】
前記送信モジュールは、
前記ターゲットMPDUと前記バックアップMPDUとに対してアグリゲーション処理を実行し、
前記受信デバイスに、アグリゲートされた前記ターゲットMPDUと前記バックアップMPDUとを送る
ように特に構成される、請求項1
4から2
0のいずれか一項に記載の送信デバイス。
【請求項23】
前記アグリゲーション処理が実行される複数の非バックアップMPDUがあり、前記複数の非バックアップMPDUは前記ターゲットMPDUを含み、アグリゲーション処理を実行するとき、前記バックアップMPDUは前記複数の非バックアップMPDUの後に置かれる、請求項
22に記載の送信デバイス。
【請求項24】
コンピュータ実行可能命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ実行可能命令は、プロセッサによって実行されるとき、デバイスは、請求項1から1
3のいずれか一項に記載の方法を実行することが可能になる、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ送信技術の分野に関し、特に、データ送信方法、送信デバイス、データ受信方法、および受信デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤレスフィデリティ(Wireless Fidelity、Wi-Fi)は、現在、最も一般的なユーザネットワークアクセス技術であり、家庭、団体、および会社などの複数のシナリオに広く適用される。
【0003】
受信端におけるWi-Fi信号は、同一チャネル/隣接周波数の干渉および建築物の遮断などのファクタにより比較的弱くなり得、したがって、通常、Wi-Fi信号の信号対雑音比が比較的低いエリアまたは時間間隔がある。比較的弱い信号および比較的強い干渉のような場合、データがWi-Fiを通して送信されるときに大量のパケットが容易に紛失される。パケットが紛失されないことを保証するために、紛失したパケットは再送信される必要がある。
【0004】
比較的弱い信号および比較的強い干渉の場合、データがWi-Fiを通して送信されるときに存在する送信遅延は、最初は比較的大きいことが理解され得る。さらに、パケットが紛失された後、紛失したパケットが再送信されるとき、最初は比較的大きい送信遅延が、再送信により数倍増加し、したがって、Wi-Fiフェーズ中のデータの送信遅延が著しく増加される。
【発明の概要】
【0005】
本出願において解決されるべき技術的問題は、Wi-Fiフェーズ中にデータ送信の送信遅延をどのように低減するかである。
【0006】
第1の態様によれば、本出願は、データ送信方法を提供し、データ送信方法は、
ターゲット媒体アクセス制御プロトコルデータユニットMPDUを取得するステップであって、ターゲットMPDUは、指定されたサービスのIPデータパケットに対してカプセル化処理を実行することによって取得され、送信デバイスと受信デバイスとがWi-Fiを通して接続される、ステップと、
ターゲットMPDUのバックアップMPDUを生成するステップと、
受信デバイスにターゲットMPDUとバックアップMPDUとを送るステップと
を含む。
【0007】
本出願のこの実施形態では、送信デバイスが、ターゲットMPDUのバックアップMPDUを生成し、受信デバイスにターゲットMPDUとバックアップMPDUとの両方を送り、したがって、ターゲットMPDUを再送信する確率が大幅に低減されて、Wi-Fiフェーズ中でのターゲットMPDUの送信遅延を低減できることが知られることができる。
【0008】
任意の実装では、ターゲット媒体アクセス制御プロトコルデータユニットMPDUを取得するステップは、
送られるべきMPDUを取得するステップであって、送られるべきMPDUは、媒体アクセス制御サービスデータユニットMSDUに対してカプセル化処理を実行することによって取得される、ステップと、
送られるべきMPDUがターゲットMSDUを含む場合、ターゲットMPDUとして送られるべきMPDUを識別するステップであって、ターゲットMSDUは指定されたサービスのIPデータパケットであるか、またはターゲットMSDUは、指定されたサービスのIPデータパケットに対してカプセル化処理を実行することによって取得される、ステップと
を含む。
【0009】
任意の実装では、指定されたサービスのIPデータパケットは、指定されたサービスのIPデータパケットのソースIPアドレスがあらかじめ設定されたIPアドレスセットと一致した後に識別される。
【0010】
任意の実装では、ターゲットMPDUのバックアップMPDUを生成するステップの前に、本方法は、
送信デバイスと受信デバイスとの間の再送信レートを取得するステップと、
再送信レートがあらかじめ設定された再送信しきい値よりも大きい場合、ターゲットMPDUのバックアップMPDUを生成するステップの実行をトリガするステップと
をさらに含む。
【0011】
任意の実装では、再送信レートは、統計値の収集を通して取得される単位時間に受信デバイスに送られた再送信されたMPDUの量と単位時間に受信デバイスに送られたMPDUの総量とに基づいて決定される。
【0012】
送信デバイスによって受信デバイスに送られたMPDUは、指定されたサービスのMPDUと指定されていないサービスのMPDUとを含み得る。任意の実装では、再送信レートは、統計値の収集を通して取得される単位時間に受信デバイスに送られた指定されていないサービスの再送信されたMPDUの量と単位時間に受信デバイスに送られた指定されていないサービスのMPDUの総量とに基づいて決定される。
【0013】
任意の実装では、ターゲットMPDUのバックアップMPDUを生成するステップは、
再送信レートと再送信しきい値とに基づいてバックアップの量を決定するステップであって、バックアップの量は正の整数である、ステップと、
バックアップMPDUを生成するためにバックアップの量に基づいてターゲットMPDUに対して複製処理を実行するステップと
を含む。
【0014】
任意の実装では、再送信レートと再送信しきい値とに基づいてバックアップの量を決定するステップは、
再送信レートと再送信しきい値とに基づいてNを決定するステップであって、Nは、1よりも大きい正の整数である、ステップと、
Nに基づいてバックアップの量を決定するステップであって、
Nは、再送信レートのN-1乗が再送信しきい値よりも大きく、再送信レートのN乗が再送信しきい値よりも小さいという条件を満たす、
決定するステップと
を含む。
【0015】
任意の実装では、Nに基づいてバックアップの量を決定するステップは、バックアップの量としてN-1を決定するステップを含む。
【0016】
任意の実装では、受信デバイスにターゲットMPDUとバックアップMPDUとを送るステップは、
受信デバイスにターゲットMPDUとバックアップMPDUとを別々に送るステップ
を含む。
【0017】
別の任意の実装では、受信デバイスにターゲットMPDUとバックアップMPDUとを送るステップは、
ターゲットMPDUとバックアップMPDUとに対してアグリゲーション処理を実行するステップと、
受信デバイスに、アグリゲートされたターゲットMPDUとバックアップMPDUとを送るステップと
を含む。
【0018】
シーケンス番号は、カプセル化処理後に取得された送られるべきMPDUに対して設定され得、ターゲットMPDUとターゲットMPDUのバックアップMPDUとは同じシーケンス番号を有する。
【0019】
任意の実装では、アグリゲーション処理は、シーケンス番号に基づいて連続的にターゲットMPDUとバックアップMPDUとに対してアグリゲーション処理を別々に実行することを含む。
【0020】
別の任意の実装では、アグリゲーション処理は、シーケンス番号に基づいて連続的にターゲットMPDUとバックアップMPDUとに対してアグリゲーション処理を実行することを含む。
【0021】
上記の任意の実装を実装することによって、ターゲットMPDUの単一の再送信レートは、Wi-Fiフェーズ中のターゲットMPDUの送信遅延を大幅に低減するために少なくともあらかじめ設定された再送信しきい値まで低減され得ることが知られることができる。
【0022】
第2の態様によれば、本出願は、データ受信方法を提供し、データ受信方法は、
処理されるべきデータを受信するステップであって、処理されるべきデータは、媒体アクセス制御プロトコルデータユニットMPDUを含み、シーケンス番号は、MPDUに対して設定される、ステップと、
MPDUに対してスクリーニング処理を実行するステップであって、スクリーニング処理は、シーケンス番号に基づいてMPDUに対して重複排除処理を実行するステップを含む、ステップと
を含む。
【0023】
本出願のこの実施形態では、スクリーニング処理は、受信されたMPDUに対して実行され、したがって、受信端は、同じデータを繰返し記憶するのを防げられて、ストレージスペースを節約できることが知られることができる。
【0024】
第3の態様によれば、本出願は、送信デバイスを提供する。送信デバイスは、第1の態様または第1の態様の可能な実装を実装する機能を有する。機能は、ハードウェアによって実装され得るか、または対応するソフトウェアを実行するハードウェアによって実装され得る。ハードウェアまたはソフトウェアは、上記の機能に対応する1つまたは複数のモジュール、ユニット、またはサブユニットを含む。モジュール、ユニット、またはサブユニットは、ソフトウェアおよび/またはハードウェアであり得る。同じ発明概念に基づいて、送信デバイスの問題解決の原則および有利な効果について、第1の態様における方法、第1の態様の可能な方法実装、およびもたらされる有利な効果を参照されたい。したがって、送信デバイスの実装については、第1の態様における方法および第1の態様の可能な方法実装を参照されたい。繰返しの説明は提供されない。
【0025】
第4の態様によれば、本出願は、受信デバイスを提供する。受信デバイスは、第2の態様を実装する機能を有する。機能は、ハードウェアによって実装され得るか、または対応するソフトウェアを実行するハードウェアによって実装され得る。ハードウェアまたはソフトウェアは、上記の機能に対応する1つまたは複数のモジュールを含む。モジュールは、ソフトウェアおよび/またはハードウェアであり得る。同じ発明概念に基づいて、受信デバイスの問題解決の原則および有利な効果について、第2の態様における方法およびもたらされる有利な効果を参照されたい。したがって、受信デバイスの実装については、第2の態様における方法を参照されたい。繰返しの説明は提供されない。
【0026】
第5の態様によれば、本出願は、送信デバイスを提供する。送信デバイスは、第1の態様の方法設計において解決策を実装するために、1つまたは複数のプログラムを記憶するように構成されたメモリと、メモリに格納されたプログラムを呼び出すように構成されたプロセッサとを含む。送信デバイスの問題解決の実装および有利な効果について、第1の態様における方法、第1の態様の可能な方法実装、およびもたらされる有利な効果を参照されたい。繰返しの説明は提供されない。
【0027】
第6の態様によれば、本出願は、受信デバイスを提供する。受信デバイスは、第2の態様の方法設計において解決策を実装するために、1つまたは複数のプログラムを記憶するように構成されたメモリと、メモリに格納されたプログラムを呼び出すように構成されたプロセッサとを含む。受信デバイスの問題解決の実装および有利な効果について、第2の態様における方法およびもたらされる有利な効果を参照されたい。繰返しの説明は提供されない。
【0028】
第7の態様によれば、コンピュータ可読記憶媒体が提供される。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータプログラムを記憶し、コンピュータプログラムは、プログラム命令を含み、プログラム命令がプロセッサによって実行されるとき、プロセッサは、第1の態様における方法、第1の態様の可能な方法実装、およびもたらされる有利な効果を実行することが可能になる。繰返しの説明は提供されない。
【0029】
第8の態様によれば、コンピュータ可読記憶媒体が提供される。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータプログラムを記憶し、コンピュータプログラムは、プログラム命令を含み、プログラム命令がプロセッサによって実行されるとき、プロセッサは、第2の態様における方法およびもたらされる有利な効果を実行することが可能になる。繰返しの説明は提供されない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本出願の一実施形態による、データ送信システムアーキテクチャの概略ブロック図である。
【
図1(1)】
図1によるシステムアーキテクチャの概略構造図である。
【
図1(2)】
図1によるシステムアーキテクチャの別の概略構造図である。
【
図2】本出願の一実施形態による、データバックアップおよびカプセル化処理の概略図である。
【
図3】本出願の一実施形態による、別のデータバックアップおよび他のカプセル化処理の概略図である。
【
図4】本出願の一実施形態による、さらに別のデータバックアップおよびさらに他のカプセル化処理の概略図である。
【
図5】本出願の一実施形態による、また別のデータバックアップおよびまた他のカプセル化処理の概略図である。
【
図6】本出願の一実施形態による、データ処理および送信の概略図である。
【
図7】本出願の一実施形態による、データ送信方法の概略フローチャートである。
【
図8】本出願の一実施形態による、データ受信方法の概略フローチャートである。
【
図9】本出願の一実施形態による、送信デバイス900の概略ブロック図である。
【
図10】本出願の一実施形態による、受信デバイス1000の概略ブロック図である。
【
図11】本出願の一実施形態による、別の送信デバイス1100の概略ブロック図である。
【
図12】本出願の一実施形態による、別の受信デバイス1200の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に、本出願の実施形態における添付の図面を参照しながら本出願の実施形態について説明する。
【0032】
図1は、本出願の一実施形態による、データ送信システムアーキテクチャの概略図である。
図1に示されているように、システムアーキテクチャは、送信デバイス101と受信デバイス102とを含み、送信デバイス101と受信デバイス102とは、Wi-Fiを通して接続される。送信デバイス101は、送信端に位置付けられ、受信デバイス102にデータを送るように構成される。受信デバイス102は、受信端に位置付けられ、送信デバイス101によって送られたデータを受信するように構成される。
【0033】
送信端および受信端は、それぞれサーバ端および端末端であり得るか、または送信端および受信端は、それぞれ端末端およびサーバ端であり得る。送信端および受信端がそれぞれサーバ端および端末端であることは、本出願のこの実施形態において提供されるシステムアーキテクチャについて説明するために以下の一例として使用される。
【0034】
任意の実装では、システムアーキテクチャは、送信端に位置付けられるソースデバイス(図に図示せず)をさらに含み得る。この場合、データ送信のフロー方向は、連続的に、ソースデバイス、送信デバイス101、および受信デバイス102である。ソースデバイス、送信デバイス101、および受信デバイス102は、それぞれサーバ、アクセスポイント(Access Point、AP)デバイス、および端末であり得る。ソースデバイスと送信デバイス101とは、複数のホップでネットワークデバイス(たとえば、ルータおよび光回線終端装置(Optical Line Terminal、OLT))を使用することによって有線方式で接続され得る。本出願のこの実施形態において説明されるサーバは、ネットワークゲームサーバなどの様々なタイプのサーバであり得る。本出願のこの実施形態において説明されるAPデバイスは、光ネットワーク端末(Optical Network Terminal、ONT)もしくは顧客構内設備(Customer Premise Equipment、CPE)などのホームAPデバイスであり得るか、またはエンタープライズネットワークAPデバイスであり得る。本出願のこの実施形態において説明される端末は、携帯電話(たとえば、アンドロイド携帯電話もしくはiOS携帯電話)、タブレット、デスクトップコンピュータ、モバイルインターネットデバイス(Mobile Internet Devices、MID)、携帯情報端末(Personal Digital Assistant、PDA)、セットトップボックス(Set Top Box、STB)またはバーチャルリアリティ(Virtual Reality、VR)端末などの端末デバイスであり得る。理解しやすいように、
図1(1)では、送信デバイス101および受信デバイス102がそれぞれAPデバイスおよび携帯電話であることが、システムアーキテクチャについて説明するために一例として使用される。
【0035】
システムアーキテクチャは、最後のホップネットワークデバイスと送信デバイス101との間に位置付けられる1つまたは複数の他のAPデバイスをさらに含み得る。この場合、他のAPデバイスは、有線方式で最後のホップネットワークデバイスに接続され得、複数の他のAPデバイスは、Wi-Fiを通して接続され得、他のAPデバイスは、Wi-Fiを通して送信デバイス101に接続され得る。
【0036】
任意の実装では、システムアーキテクチャは、送信端に位置付けられるソースデバイス(図に図示せず)と受信端に位置付けられる宛先デバイス(図に図示せず)とをさらに含み得る。この場合、データ送信のフロー方向は、連続的に、ソースデバイス、送信デバイス101、受信デバイス102、および宛先デバイスである。ソースデバイス、送信デバイス101、受信デバイス102、および宛先デバイスは、それぞれサーバ、APデバイス、APデバイス、および端末であり得る。ソースデバイスは、複数のホップでネットワークデバイスを使用することによって有線方式で送信デバイス101に接続され得、受信デバイス102は、Wi-Fiを通してまたは有線方式で宛先デバイスに接続され得る。理解しやすいように、
図1(2)では、送信デバイス101と受信デバイス102とがそれぞれAPデバイスであることが、システムアーキテクチャについて説明するために一例として使用される。
【0037】
システムアーキテクチャは、最後のホップネットワークデバイスと送信デバイス101との間に位置付けられる1つまたは複数の他のAPデバイスをさらに含み得る。この場合、他のAPデバイスは、有線方式で最後のホップネットワークデバイスに接続され得、複数の他のAPデバイスは、有線方式でまたはWi-Fiを通して接続され得、他のAPデバイスは、有線方式でまたはWi-Fiを通して送信デバイス101に接続され得る。
【0038】
システムアーキテクチャは、受信デバイス102と宛先デバイスとの間に位置する1つまたは複数の他のAPデバイスをさらに含み得る。この場合、他のAPデバイスは、有線方式でまたはWiFiを通して受信デバイス102に接続され得、複数の他のAPデバイスは、有線方式でまたはWi-Fiを通して接続され得、他のAPデバイスは、有線方式でまたはWi-Fiを通して宛先デバイスに接続され得る。
【0039】
送信端および受信端がそれぞれ端末端およびサーバ端であるとき、システムアーキテクチャの特定の構造については、送信端および受信端がそれぞれサーバ端および端末端であるときに存在するシステムアーキテクチャの関連説明を参照されたい。
【0040】
本出願のこの実施形態では、マスタチップとWi-Fiチップとの両方は、送信デバイス101中に配設される。Wi-Fiチップは、マスタチップからMACサービスデータユニット(MAC Service Data Unit、MSDU)を受信する。
【0041】
MSDUは、マスタチップによってWi-Fiチップに送信されるIP(Internet Protocol)データパケットであり得るか、またはマスタチップによってWi-Fiチップに送信された、カプセル化処理がIPデータパケットに対して実行された後に取得されたデータユニット、たとえば、論理リンク制御(Logic Link Control、LLC)プロトコルデータユニット(LLC Protocol Data Unit、LPDU)であり得る。LPDUは、IPデータパケットのヘッダにLLCヘッダを追加することによってマスタチップによって取得される。
【0042】
IPデータパケットは、送信端に位置する別のデバイス(たとえば、ソースデバイス、ソースデバイスと送信デバイス101との間のネットワークデバイス、またはソースデバイスと送信デバイス101との間の別のAPデバイス)からマスタチップによって受信される。IPデータパケットを受信するとき、マスタチップは、IPデータパケットが指定されたサービスのIPデータパケットであるかどうかを識別し得る。IPデータパケットが指定されたサービスのIPデータパケットである場合、マスタチップがWi-FiチップにIPデータパケットを送信するとき、マスタチップは、パラメータ送信などを通して、IPデータパケットが指定されたサービスのIPデータパケットであることをWi-Fiチップに通知するか、またはマスタチップが、Wi-Fiチップに、カプセル化処理がIPデータパケットに対して実行された後に取得されたLPDUを送信するとき、マスタチップは、パラメータ送信などを通して、LPDUが指定されたサービスのLPDUであることをWi-Fiチップに通知する。
【0043】
IPデータパケットが指定されたサービスのIPデータパケットであるかどうかをマスタチップが識別する方式は、IPデータパケットからソースIPアドレスを取得することと、あらかじめ設定されたソースIPアドレスセットが取得されたソースIPアドレスを含むかどうかを決定することと、あらかじめ設定されたソースIPアドレスセットが取得されたソースIPアドレスを含む場合、指定されたサービスのIPデータパケットとしてIPデータパケットを識別することとを含み得る。あらかじめ設定されたソースIPアドレスセットは、端末とサーバとの間でのドメインネームシステム(Domain Name System、DNS)交換をインターセプトし、ドメインネームマッチングを実行することによってマスタチップによって取得されたソースサーバIPアドレスセットであり得る。
【0044】
さらに、Wi-Fiチップは、MACプロトコルデータユニット(MAC Protocol Data Unit、MPDU)を取得するために受信されたMSDUに対してカプセル化処理を実行する。Wi-FiチップがMPDUを取得するためにMSDUに対してカプセル化処理を実行する以下の2つの方式があり得る。(1)カプセル化処理は、MPDUを取得するために単一のMSDUに対して実行される。(2)複数のMSDUは、最初に、アグリゲートフレームカプセル化フォーマット技術を使用することによってより長いデータフレームであるアグリゲートMACサービスデータユニット(Aggregation MAC Service Data Unit、A-MSDU)にアグリゲートされ、次いで、MPDUを取得するためにカプセル化処理がA-MSDUに対して実行される。A-MSDUの最大長は、MPDUの最大長に依存する。
【0045】
Wi-FiチップがMPDUを取得するためにMSDUに対してカプセル化処理を実行することは、MSDUのヘッダおよびテールにそれぞれMACヘッダおよびフレームチェックシーケンス(Frame Check Sequence、FCS)を追加することを含み、MSDUのヘッダにMACヘッダを追加することは、MSDUのシーケンス番号に値を割り当てることをさらに含む。値が割り当てられているシーケンス番号は、MPDUのシーケンス番号である。
【0046】
さらに、Wi-Fiチップは、カプセル化処理がMSDUに対して実行された後に取得されたMPDUからターゲットMPDUを決定する。ターゲットMPDUは、カプセル化処理が指定されたサービスのMSDU(たとえば、指定されたサービスのIPデータパケットまたは指定されたサービスのLPDU)に対して実行された後に取得される。特に、Wi-Fiチップは、マスタチップからの通知メッセージに基づいて、MPDU中のMSDUが指定されたサービスのMSDUを含むかどうかを決定し、MPDU中のMSDUが指定されたサービスのMSDUを含む場合、Wi-Fiチップは、ターゲットMPDUとしてMPDUを決定する。
【0047】
さらに、Wi-Fiチップは、送信デバイス101と受信デバイス102との間の再送信レートReを取得する(または監視する)。再送信レートReは、単位時間に1回MPDUを再送信することの、統計値の収集を通して取得される確率であり、バックアップ処理動作を開始すべきかどうかを決定するために使用される。
【0048】
再送信レートReは、送信デバイス101によって受信デバイス102に送られる、(指定されたサービスと指定されていないサービスとを含む)すべてのサービスのMPDUの再送信レートであり得る。この場合、再送信レートReは、たとえば、統計値の収集を通してWi-Fiチップによって取得されたすべてのサービスのすべてのMPDUの量に対する単位時間に受信デバイス102に送られた、すべてのサービスの再送信されたMPDUのものである、統計値の収集を通してWi-Fiチップによって取得された量の比であり得る。
【0049】
代替として、再送信レートReは、送信デバイス101によって受信デバイス102に送られた、指定されていないサービスのMPDUの再送信レートであり得る。この場合、再送信レートReは、たとえば、統計値の収集を通してWi-Fiチップによって取得された指定されていないサービスのすべてのMPDUの量に対する単位時間に受信デバイス102に送られた、指定されていないサービスの再送信されたMPDUのものである、統計値の収集を通してWi-Fiチップによって取得された量の比であり得る。
【0050】
取得された再送信レートReがあらかじめ設定された再送信しきい値Rthよりも大きい場合、Wi-Fiチップは、バックアップMPDUを取得するためにターゲットMPDUに対してバックアップ処理を実行し、受信デバイス102にターゲットMPDUとバックアップMPDUとを送る。ターゲットMPDUのシーケンス番号は、バックアップMPDUのシーケンス番号と同じである。Wi-FiチップがバックアップMPDUを取得するためにターゲットMPDUに対してバックアップ処理を実行することは、バックアップMPDUを取得するためにターゲットMPDUに対して複製処理を実行することを含む。
【0051】
Wi-Fiチップが送信デバイス101と受信デバイス102との間の再送信レートReを連続的に取得し得る(または、監視し得る)ことが理解され得る。
【0052】
Wi-FiチップがバックアップMPDUを取得するためにターゲットMPDUに対してバックアップ処理を実行することは、取得された再送信レートReとあらかじめ設定された再送信しきい値Rthとに基づいてバックアップの量を決定することと、バックアップMPDUを取得するためにバックアップの決定された量に基づいてターゲットMPDUに対してバックアップ処理を実行することとを特に含み得る。
【0053】
Wi-Fiチップによって、取得された再送信レートReとあらかじめ設定された再送信しきい値Rthとに基づいてバックアップの量を決定することは、再送信レートReと再送信しきい値Rthとに基づいてNを決定することであって、Nは、再送信レートReのN-1乗が再送信しきい値Rthよりも大きいという条件を満たす正の整数であり、再送信レートReのN乗が再送信しきい値Rthよりも小さい、ことと、バックアップの量としてN-1を決定することとを特に含み得る。Nが1よりも大きいことが理解され得る。
【0054】
たとえば、再送信レートReおよび再送信しきい値Rthがそれぞれ20%および1%であるとき、Re>Rthであるので、Wi-Fiチップは、ターゲットMPDUに対してバックアップ処理を実行する必要がある。再送信レートReが20%であるとき、MPDUが2回連続的に再送信される確率は20%×20%=4%であり、MPDUが3回連続的に再送信される確率は、20%×20%×20%=0.8%である。MPDUが紛失されるすべてのイベントが互いに無関係であると仮定する。Wi-Fiチップが受信デバイス102に3つの同じMPDUを送る場合、MPDUが1回再送信される確率は、20%から0.8%に低減され、MPDUが3回連続的に再送信される確率は、0.8%から0.8%×0.8%×0.8%=0.0000512%に低減される。言い換えれば、再送信レートReおよび再送信しきい値Rthが、それぞれ20%および1%であるとき、3つの同じMPDUが受信デバイス102に送られる、すなわち、バックアップの量が2である場合、MPDUが再送信される確率は、再送信しきい値Rthよりも小さい値に低減され得る。
【0055】
Wi-FiチップがバックアップMPDUを取得するためにターゲットMPDUに対してバックアップ処理を実行することは、各ターゲットMPDUのバックアップMPDUを取得するために各ターゲットMPDUに対してバックアップ処理を実行することを特に含み得る。
【0056】
代替として、Wi-FiチップがバックアップMPDUを取得するためにターゲットMPDUに対してバックアップ処理を実行することは、すべてのターゲットMPDUのバックアップMPDUを取得するために全体として使用されるすべてのターゲットMPDUに対してバックアップ処理を実行することを特に含み得る。
【0057】
Wi-Fiチップが受信デバイス102にターゲットMPDUとバックアップMPDUとを送ることは、受信デバイスにターゲットMPDUとバックアップMPDUとを別々に送ることを特に含み得る。特に、Wi-Fiチップは、物理レイヤ集中プロトコル(Physical Layer Convergence Protocol、PLCP)プロトコルデータユニット(PLCP Protocol Data Unit、PPDU)を取得するために受信デバイス102に送られる必要がある(ターゲットMPDU、バックアップMPDU、または非ターゲットMPDUを含む)単一のMPDUに対してカプセル化処理を実行し、次いで、受信デバイス102にPPDUを送り得る。PPDUは、無線物理チャネルをプリエンプトする基本データユニットである。Wi-FiチップがMPDUに対してカプセル化処理を実行することは、MPDUのヘッダに物理レイヤプリアンブルとPLCPヘッダとを追加することを含む。
【0058】
たとえば、送信キューは、シーケンス番号が1および2であるMPDUを含み、MPDU2がターゲットMPDUであるとき、バックアップの量が2である場合、Wi-Fiチップは、
図2に示されるように、MPDU2の2つの複製を生成し、4つのPPDUを取得するために元のMPDU1と、元のMPDU2と、2つのバックアップMPDU2とに対してカプセル化処理を別々に実行し、次いで、受信デバイス102に4つのPPDUに送る。1つの送信キューは、同じ宛先デバイスに送られる、同じ優先度を有するMPDUを含む。
【0059】
代替として、Wi-Fiチップが受信デバイス102にターゲットMPDUとバックアップMPDUとを送ることは、ターゲットMPDUとバックアップMPDUとに対してアグリゲーション処理を実行することと、受信デバイス102に、アグリゲーション処理の後に取得されたアグリゲートMACにプロトコルデータユニット(Aggregation MAC Protocol Data Unit、A-MPDU)を送ることとを特に含み得る。特に、Wi-Fiチップは、PPDUを取得するために受信デバイス102に送られる必要があるA-MPDUに対してカプセル化処理を実行し、次いで、受信デバイス102にPPDUを送る。
【0060】
Wi-FiチップがターゲットMPDUとバックアップMPDUとに対してアグリゲーション処理を実行することは、最初に、アグリゲーションキューを生成するためにシーケンス番号の順序でターゲットMPDUと非ターゲットMPDUに対してアグリゲーション処理を連続的に実行し、次いで、アグリゲーションキューのキューテールとバックアップMPDUをアグリゲートすることを特に含み得る。
【0061】
バックアップが各ターゲットMPDUに対してバックアップ処理を実行することによって生成されるとき、Wi-Fiチップは、特に、シーケンス番号の順序でアグリゲーションキューのキューテールとバックアップMPDUをアグリゲートし得る。
【0062】
たとえば、送信キューが、シーケンス番号がそれぞれ1、2、および3であるMPDUを含み、MPDU1とMPDU2との両方が、ターゲットMPDUであるとき、バックアップの量が2である場合、Wi-Fiチップは、
図3に示されるように、MPDU1とMPDU2との各々の2つの複製を生成し、最初に、アグリゲーションキューを生成するためにシーケンス番号の順序で元のMPDU1と、元のMPDU2と、元のMPDU3とに対してアグリゲーション処理を連続的に実行し、次いで、アグリゲーションキューのキューテールと1つのバックアップMPDU1と、別のバックアップMPDU1と、1つのバックアップMPDU2と、別のバックアップMPDU2とを連続的にアグリゲートする。
【0063】
バックアップが各ターゲットMPDUに対してバックアップ処理を実行することによって生成されるとき、代替として、Wi-Fiチップは、特に、バックアップMPDUのN個のグループを取得するためにバックアップMPDUに対してグループ化処理を実行することであって、Nは、バックアップの量であり、バックアップMPDUの各グループは、異なるシーケンス番号をもつMPDUを含む、ことと、アグリゲーションキューのキューテールとバックアップMPDUのN個のグループを連続的にアグリゲートすることとを行い得る。
【0064】
たとえば、送信キューが、シーケンス番号がそれぞれ1、2、および3であるMPDUを含み、MPDU1とMPDU2との両方が、ターゲットMPDUであるとき、バックアップの量が2である場合、Wi-Fiチップは、
図4に示されるように、MPDU1とMPDU2との各々の2つの複製を生成し、最初に、アグリゲーションキューを生成するためにシーケンス番号の順序で元のMPDU1と、元のMPDU2と、元のMPDU3とに対してアグリゲーション処理を連続的に実行し、バックアップMPDUを2つのグループに分割することであって、バック
アップMPDUの各グループは、1つのバックアップMPDU1と1つのバックアップMPDU2とを含む、ことを行い、次いで、アグリゲーションキューのキューテールとバックアップMPDUの2つのグループを連続的にアグリゲートする。
【0065】
バックアップが、全体として使用されるすべてのターゲットMPDUに対してバックアップ処理を実行することによって生成されるとき、Wi-Fiチップは、特に、アグリゲーションキューのキューテールとバックアップMPDUの各グループをアグリゲートし得る。
【0066】
たとえば、送信キューが、シーケンス番号がそれぞれ1、2、および3であるMPDUを含み、MPDU1とMPDU2との両方が、ターゲットMPDUであるとき、バックアップの量が2である場合、Wi-Fiチップは、
図5に示されるように、全体として使用されるMPDU1とMPDU2との2つの複製を生成し、最初に、アグリゲーションキューを生成するためにシーケンス番号の順序で元のMPDU1と、元のMPDU2と、元のMPDU3とに対してアグリゲーション処理を連続的に実行し、次いで、アグリゲーションキューのキューテールとMPDUの2つのグループを連続的にアグリゲートする。
【0067】
受信デバイス102は、PPDUを受信し、受信されたPPDUに対してカプセル化解除処理を実行する。PPDUに対してカプセル化解除処理を実行することは、PPDUから物理レイヤプリアンブルとPLCPヘッダとを除去することを含む。PPDUが、単一のMPDUに対してカプセル化処理を実行することによって取得される場合、受信デバイス102は、MPDUを取得するためにPPDUに対してカプセル化解除処理を実行する。PPDUが、A-MPDUに対してカプセル化処理を実行することによって取得される場合、受信デバイス102は、A-MPDUを取得するためにPPDUに対してカプセル化解除処理を実行する。さらに、受信デバイス102は、複数のMPDUを取得するためにA-MPDUに対してディスアグリゲーション処理を実行する。
【0068】
さらに、受信デバイス102は、カプセル化解除処理またはディスアグリゲーション処理を通して取得されたMPDUのシーケンス番号を取得し、シーケンス番号をもつMPDUがバッファキュー中に存在するかどうかを決定する。シーケンス番号をもつMPDUがバッファキュー中に存在する場合、受信デバイス102はMPDUを破棄するか、またはシーケンス番号をもつMPDUがバッファキュー中に存在しない場合、受信デバイス102は、さらに、FCSに基づいて、MPDUが正しいかどうかをチェックする。MPDUが正しい場合、受信デバイス102は、バッファキュー中にMPDUを配置するか、またはMPDUが正しくない場合、受信デバイス102はMPDUを破棄する。FCSに基づくチェックを通して、MPDUが正しくないことが知られるとき、MPDUを送信する処理中にエラーパケットが存在することを示す。
【0069】
さらに、受信デバイス102は、ローカルプロトコルスタック中にバッファキュー中のMPDUを受信する。特に、受信デバイス102は、シーケンス番号の順序でプロトコルスタックにバッファキュー中の完全なシーケンス番号をもつMPDUを連続的にアップロードし、たとえば、プロトコルスタックのLLCレイヤにMPDUをアップロードし、PPDUを受信した後の短フレーム間隔(Short Inter-Frame Space、SIFS)期間の後に受信デバイス102にブロック肯定応答(Block Acknowledgment、BA)フレームを戻す。BAフレームは、受信デバイス102によって受信されたMPDUの完全性について受信デバイス102に通知するために使用される。
【0070】
バッファキュー中のMPDUがシーケンス番号が欠如している、言い換えれば、バッファキュー中にシーケンス番号の穴がある場合、バッファキューの順序維持機構に従って、受信デバイス102は、シーケンス番号の順序でプロトコルスタック中に穴の前のシーケンス番号をもつMPDUを連続的に受信し、穴の後のシーケンス番号をもつMPDUをバッファ待機状態に残す。送信デバイス101が、シーケンス番号の穴をもつMPDUを再送信することによって穴を補足するまで、バッファキュー中のバッファ待機状態のMPDUと補足されたMPDUとは、シーケンス番号の順序でプロトコルスタック中に連続的に受信され得る。
【0071】
完全なシーケンス番号をもつMPDUがバッファキューから受信されるかどうかにかかわらず、受信デバイス102は、PPDUを受信した後のSIFS期間の後で送信デバイス101にBAフレームを戻す。BAフレームは、受信デバイス102によって正しく受信されたMPDUのシーケンス番号と送信デバイス101によって再送信される必要があるMPDUのシーケンス番号とについて送信デバイス101に通知するために使用される。
【0072】
複数の再送信が失敗し、したがって、バッファキュー中のシーケンス番号の穴が補足できないか、または送信デバイス101が、PPDUを送った後のあらかじめ設定されたタイムアウト期間内にBAフレームを受信しない場合、送信デバイス101は、受信デバイス102にブロック肯定応答要求(Block Acknowledgment Request、BAR)を送る。BARフレームは、受信デバイス102のバッファキュー中のシーケンス番号の穴をフラッシュし、受信デバイス102がBAフレームを戻すことを可能にするために使用される。受信デバイス102では、シーケンス番号がBARフレームの開始シーケンス番号よりも小さいすべての完全なMPDUがプロトコルスタック中に受信され、シーケンス番号がBARフレームの開始シーケンス番号よりも小さいすべての不完全なMPDUが破棄される。
【0073】
たとえば、送信デバイス101の送信キューが、シーケンス番号がそれぞれ1および2であるMPDUを含み、MPDU1および2の両方が、ターゲットMPDUであるとき、バックアップの量が2である場合、送信デバイス101は、全体として使用されるMPDU1および2の2つの複製を生成し得る。さらに、
図6に示されるように、送信デバイス101は、ターゲットMPDUとバックアップMPDUとに対してアグリゲーション処理を実行し、PPDUを取得するために、アグリゲーション処理を通して取得されたA-MPDUに対してカプセル化処理を実行する。
【0074】
送信デバイス101は、受信デバイス102にPPDUを送る。
図6に示されるように、送信処理中に、1つのMPDU2が紛失される。他の2つのMPDU2が正しく送信されるので、受信デバイス102は、MPDU2を依然として正しく受信する。さらに、受信デバイス102は、シーケンス番号が同じである2つのMPDU1とシーケンス番号が2である1つのMPDUとを破棄する。
【0075】
本出願のこの実施形態では、指定されたサービスについて、ターゲットMPDU(すなわち、指定されたサービスのMPDU)がWi-Fiフェーズ中で1回再送信される確率は、Wi-Fiフェーズ中でのターゲットMPDUの送信遅延を大幅に低減するために複数のバックアップを送ることによって少なくともあらかじめ設定された再送信しきい値に低減される。さらに、送信デバイスと受信デバイスとの間の再送信レートは、リアルタイムで監視され、ターゲットMPDUのバックアップの量は、監視された再送信レートに基づいて動的に調整される。本出願のこの実施形態では、ターゲットMPDUの単一の再送信レートは、動的に保証されることができる。
【0076】
遅延が、ビットストリーム(BitTorrent、BT)ダウンロードなどの遅延に鈍感なサービス(すなわち、比較的低い遅延要件を有するサービス)に対する比較的小さい影響を有するので、本出願のこの実施形態において説明される指定されたサービスは、モバイルゲームサービスなどのエンドツーエンドの遅延に敏感なサービス(すなわち、比較的高い遅延要件を有するサービス)であり得る。もちろん、本出願のこの実施形態は、Wi-Fiフェーズ中の遅延に敏感なサービス以外のサービスのMPDUの送信遅延を低減することにも適用され得る。これは、本出願のこの実施形態では特に限定されない。
【0077】
図7は、本出願の一実施形態による、データ送信方法の概略フローチャートである。データ送信方法は、特に、送信デバイスに適用され得、Wi-Fiチップは、送信デバイス中に配設される。
図7に示されているように、データ送信方法は以下のステップを含む。
【0078】
S701.ターゲットMPDUを取得する。
【0079】
特に、送信デバイス中に配設されたWi-Fiチップは、マスタチップから、受信デバイスに送られる必要があるMSDUを受信し、次いで、MPDUを取得するために受信されたMSDUに対してカプセル化処理を実行する。カプセル化処理を通して取得されたMPDUは、送られるべきMPDUである。送信デバイスと受信デバイスとが送信端と受信端とに別々に位置付けられることが知られることができる。送信デバイスと受信デバイスとは、Wi-Fiを通して接続される。Wi-FiチップがMSDUに対してカプセル化処理を実行することは、MSDUのシーケンス番号に値を割り当てることであって、値が割り当てられたシーケンス番号はMPDUのシーケンス番号である、ことを含む。
【0080】
Wi-FiチップにMSDUを送るとき、マスタチップは、パラメータ送信などを通して、MSDUが指定されたサービスのMSDUであるかどうかをWi-Fiチップに通知する。したがって、Wi-Fiチップは、マスタチップからの通知メッセージに基づいて、カプセル化処理を通して取得されたMPDUが指定されたサービスのMSDUを含むかどうかを決定し得、カプセル化処理を通して取得されたMPDUが指定されたサービスのMSDUを含む場合、Wi-Fiチップは、ターゲットMPDUとしてMPDUを決定し得る。
【0081】
MSDUは、マスタチップによってWi-Fiチップに送信されるIPデータパケットであり得るか、またはマスタチップによってWi-Fiチップに送信された、カプセル化処理がIPデータパケットに対して実行された後に取得されたLPDUなどのデータユニットであり得る。
【0082】
IPデータパケットは、送信端に位置付けられる別のデバイスからマスタチップによって受信される。IPデータパケットを受信するとき、マスタチップは、IPデータパケットが指定されたサービスのIPデータパケットであるかどうかを識別し得る。IPデータパケットが指定されたサービスのIPデータパケットである場合、マスタチップがWi-FiチップにIPデータパケットを送信するとき、マスタチップは、パラメータ送信などを通して、IPデータパケットが指定されたサービスのIPデータパケットであることをWi-Fiチップに通知するか、またはマスタチップがWi-FiチップにLPDUを送信するとき、マスタチップは、パラメータ送信などを通して、LPDUが指定されたサービスのLPDUであることをWi-Fiチップに通知する。
【0083】
IPデータパケットが指定されたサービスのIPデータパケットであるかどうかをマスタチップが識別する方式は、IPデータパケットからソースIPアドレスを取得することと、あらかじめ設定されたソースIPアドレスセットが取得されたソースIPアドレスを含むかどうかを決定することと、あらかじめ設定されたソースIPアドレスセットが取得されたソースIPアドレスを含む場合、指定されたサービスのIPデータパケットとしてIPデータパケットを識別することとを含み得る。あらかじめ設定されたソースIPアドレスセットは、端末とサーバとの間でのDNS交換をインターセプトし、ドメインネームマッチングを実行することによってマスタチップによって取得されたソースサーバIPアドレスセットであり得る。
【0084】
通常、マスタチップも送信デバイス中に配設される。この場合、IPデータパケットを受信すること、IPデータパケットが指定されたサービスのIPデータパケットであるかどうかを識別すること、Wi-FiチップにMSDUとして使用されるIPデータパケットまたはLPDUを送ることなどの動作はすべて、送信デバイスによって実行される。言い換えれば、送信デバイスのWi-Fiチップが送信デバイスのマスタチップからMSDUを受信する。
【0085】
本出願のこの実施形態では、送信デバイスは、APデバイス(たとえば、ホームAPデバイスまたはエンタープライズネットワークAPデバイス)であり得る。
【0086】
S702.送信デバイスと受信デバイスとの間の再送信レートを取得する。
【0087】
再送信レートReは、単位時間に1回MPDUを再送信することの、統計値の収集を通して取得される確率であり、ターゲットMPDUに対するバックアップ処理動作を開始すべきかどうかを決定するために使用される。
【0088】
任意の実装では、再送信レートReは、送信デバイスによって受信デバイスに送られる、(指定されたサービスと指定されていないサービスとを含む)すべてのサービスのMPDUの再送信レートであり得る。この場合、再送信レートReは、たとえば、統計値の収集を通してWi-Fiチップによって取得されたすべてのサービスのすべてのMPDUの量に対する、単位時間に受信デバイスに送られた、すべてのサービスの再送信されたMPDUのものである、統計値の取得を通してWi-Fiチップによって取得された量の比であり得る。
【0089】
別の任意の実装では、再送信レートReは、代替として、送信デバイスによって受信デバイスに送られた、指定されていないサービスのMPDUの再送信レートであり得る。この場合、再送信レートReは、たとえば、統計値の取得を通してWi-Fiチップによって取得された指定されていないサービスのすべてのMPDUの量に対する単位時間に受信デバイスに送られた、指定されていないサービスの再送信されたMPDUのものである、統計値の取得を通してWi-Fiチップによって取得された量の比であり得る。
【0090】
Wi-Fiチップが送信デバイスと受信デバイスとの間の再送信レートReを連続的に取得し得る(または、監視し得る)ことが理解され得る。
【0091】
S703.再送信レートがあらかじめ設定された再送信しきい値よりも大きい場合、ターゲットMPDUのバックアップMPDUを生成する。
【0092】
ターゲットMPDUのシーケンス番号は、バックアップMPDUのシーケンス番号と同じである。Wi-FiチップがターゲットMPDUのバックアップMPDUを生成することは、バックアップMPDUを取得するためにターゲットMPDUに対して複製処理を実行することを含む。
【0093】
Wi-FiチップがターゲットMPDUのバックアップMPDUを生成することは、取得された再送信レートReとあらかじめ設定された再送信しきい値Rthとに基づいてバックアップの量を決定することと、バックアップMPDUを取得するためにバックアップの決定された量に基づいてターゲットMPDUに対して複製処理を実行することとを特に含み得る。バックアップの量は、正の整数である。
【0094】
Wi-Fiチップが取得された再送信レートReとあらかじめ設定された再送信しきい値Rthとに基づいてバックアップの量を決定することは、再送信レートと再送信しきい値とに基づいてNを決定することと、Nに基づいてバックアップの量を決定することであって、Nは、1よりも大きい正の整数である、こととを特に含み得る。Nは、再送信レートのN-1乗が再送信しきい値よりも大きく、再送信レートのN乗が再送信しきい値よりも小さいという条件を満たす。
【0095】
Wi-FiチップがNに基づいてバックアップの量を決定することは、バックアップの量としてN-1を決定することを特に含み得る。バックアップの量がN-1であるとき、MPDUが再送信される確率は、再送信しきい値Rthよりも小さい値にちょうど低減され得る。もちろん、バックアップの量は、代替として、N-1よりも大きくなり得る。この場合、MPDUが再送信される確率はより低くなるが、より多くのトラフィック帯域幅が消費される。
【0096】
任意の実装では、Wi-FiチップがターゲットMPDUのバックアップMPDUを生成することは、各ターゲットMPDUのバックアップMPDUを取得するために各ターゲットMPDUに対してバックアップ処理を実行することを特に含み得る。
【0097】
別の任意の実装では、Wi-FiチップがターゲットMPDUのバックアップMPDUを生成することは、すべてのターゲットMPDUのバックアップMPDUを取得するために全体として使用されるすべてのターゲットMPDUに対してバックアップ処理を実行することを特に含み得る。
【0098】
S704.受信デバイスにターゲットMPDUとバックアップMPDUとを送る。
【0099】
任意の実装では、Wi-Fiチップが受信デバイスにターゲットMPDUとバックアップMPDUとを送ることは、受信デバイスにターゲットMPDUとバックアップMPDUとを別々に送ることを特に含み得る。
【0100】
この場合、Wi-Fiチップは、PPDUを取得するために受信デバイスに送られる必要がある(ターゲットMPDU、バックアップMPDU、または非ターゲットMPDUを含む)単一のMPDUに対してカプセル化処理を実行し、次いで、受信デバイスにPPDUを送り得る。
【0101】
別の任意の実装では、Wi-Fiチップが受信デバイスにターゲットMPDUとバックアップMPDUとを送ることは、ターゲットMPDUとバックアップMPDUとに対してアグリゲーション処理を実行することと、受信デバイスに、アグリゲートされたターゲットMPDUとバックアップMPDUとを送ることとを特に含み得る。
【0102】
Wi-FiチップがターゲットMPDUとバックアップMPDUとに対してアグリゲーション処理を実行することは、最初に、アグリゲーションキューを生成するためにシーケンス番号の順序でターゲットMPDUと非ターゲットMPDUに対してアグリゲーション処理を連続的に実行し、次いで、アグリゲーションキューのキューテールとバックアップMPDUをアグリゲートすることを特に含み得る。
【0103】
バックアップが各ターゲットMPDUに対してバックアップ処理を実行することによって生成されるとき、Wi-Fiチップは、特に、シーケンス番号の順序でアグリゲーションキューのキューテールとバックアップMPDUをアグリゲートし得る。
【0104】
バックアップが各ターゲットMPDUに対してバックアップ処理を実行することによって生成されるとき、代替として、Wi-Fiチップは、特に、バックアップMPDUのN個のグループを取得するためにバックアップMPDUに対してグループ化処理を実行することであって、Nは、バックアップの量であり、バックアップMPDUの各グループは、異なるシーケンス番号をもつMPDUを含む、ことと、アグリゲーションキューのキューテールとバックアップMPDUのN個のグループを連続的にアグリゲートすることとを行い得る。
【0105】
バックアップが、全体として使用されるすべてのターゲットMPDUに対してバックアップ処理を実行することによって生成されるとき、Wi-Fiチップは、特に、アグリゲーションキューのキューテールとバックアップMPDUの各グループをアグリゲートし得る。
【0106】
本出願のこの実施形態では、指定されたサービスについて、ターゲットMPDU(すなわち、指定されたサービスのMPDU)が1回再送信される確率は、Wi-Fiフェーズ中でのターゲットMPDUの送信遅延を大幅に低減するために複数のバックアップを送ることによって少なくともあらかじめ設定された再送信しきい値に低減される。さらに、送信デバイスと受信デバイスとの間の再送信レートは、リアルタイムで監視され、ターゲットMPDUのバックアップの量は、監視された再送信レートに基づいて動的に調整される。本出願のこの実施形態では、ターゲットMPDUの単一の再送信レートは、動的に保証され得る。
【0107】
図8は、本出願の一実施形態による、データ受信方法の概略フローチャートである。データ受信方法は、受信デバイスに特に適用され得る。
図8に示されているように、データ受信方法は以下のステップを含む。
【0108】
S801.処理されるべきデータを受信する。
【0109】
処理されるべきデータはMPDUを含み、シーケンス番号がMPDUに対して設定される。本出願のこの実施形態では、処理されるべきデータは、PPDUであり得る。
【0110】
特に、受信デバイスは、送信デバイスから処理されるべきデータを受信する。送信デバイスと受信デバイスとが送信端と受信端とに別々に位置付けられることが知られることができる。受信デバイスと送信デバイスとは、Wi-Fiを通して接続される。
【0111】
S802.処理されるべきデータ中のMPDUに対してスクリーニング処理を実行する。
【0112】
処理されるべきデータがPPDUであるとき、受信デバイスが処理されるべきデータ中のMPDUに対してスクリーニング処理を実行する前に、受信デバイスは、受信されたPPDUに対してカプセル化解除処理をさらに実行し得る。PPDUが、単一のMPDUに対してカプセル化処理を実行することによって取得される場合、受信デバイスは、MPDUを取得するためにPPDUに対してカプセル化解除処理を実行する。PPDUが、A-MPDUに対してカプセル化処理を実行することによって取得される場合、受信デバイスは、A-MPDUを取得するためにPPDUに対してカプセル化解除処理を実行する。さらに、受信デバイスは、複数のMPDUを取得するためにA-MPDUに対してディスアグリゲーション処理を実行する。
【0113】
スクリーニング処理は、シーケンス番号に基づいてMPDUに対して重複排除処理を実行することを含む。特に、受信デバイスは、カプセル化解除処理またはディスアグリゲーション処理を通して取得されたMPDUのシーケンス番号を取得し、シーケンス番号をもつMPDUがバッファキュー中に存在するかどうかを決定する。シーケンス番号をもつMPDUがバッファキュー中に存在する場合、受信デバイスはMPDUを破棄するか、またはシーケンス番号をもつMPDUがバッファキュー中に存在しない場合、受信デバイスは、バッファキュー中にMPDUを配置する。
【0114】
さらに、受信デバイスは、ローカルプロトコルスタック中にバッファキュー中のMPDUを受信し得る。
【0115】
本出願のこの実施形態では、スクリーニング処理は、受信されたMPDUに対して実行され、したがって、受信端は、同じデータを繰返し記憶するのを防げられて、ストレージスペースを節約することができる。
【0116】
図9は、本出願の一実施形態による、送信デバイス900の概略ブロック図である。本出願のこの実施形態では、送信デバイス900と受信デバイスとは、Wi-Fiを通して接続される。
図9に示されるように、送信デバイス900は、第1の取得モジュール901と、バックアップモジュール902と、第2の取得モジュール903と、送信モジュール904とを含み得る。
【0117】
第1の取得モジュール901は、ターゲット媒体アクセス制御プロトコルデータユニットMPDUを取得するように構成される。
【0118】
ターゲットMPDUは、指定されたサービスのIPデータパケットに対してカプセル化処理を実行することによって取得される。
【0119】
任意の実装では、第1の取得モジュール901は、送られるべきMPDUを取得することであって、送られるべきMPDUは、媒体アクセス制御サービスデータユニットMSDUに対してカプセル化処理を実行することによって取得される、ことと、送られるべきMPDUがターゲットMSDUを含む場合、ターゲットMPDUとして送られるべきMPDUを識別することとを行うように特に構成される。
【0120】
本出願のこの実施形態では、ターゲットMSDUは指定されたサービスのIPデータパケットであるか、またはターゲットMSDUは、指定されたサービスのIPデータパケットに対してカプセル化処理を実行することによって取得される。
【0121】
任意の実装では、指定されたサービスのIPデータパケットは、指定されたサービスのIPデータパケットのソースIPアドレスがあらかじめ設定されたIPアドレスセットと一致した後に識別される。
【0122】
バックアップモジュール902は、ターゲットMPDUのバックアップMPDUを生成するように構成される。
【0123】
第2の取得モジュール903は、送信デバイスと受信デバイスとの間の再送信レートを取得するように構成される。バックアップモジュール902は、再送信レートがあらかじめ設定された再送信しきい値よりも大きい場合、ターゲットMPDUのバックアップMPDUを生成するように特に構成される。
【0124】
任意の実装では、再送信レートは、統計値の収集を通して取得される単位時間に受信デバイスに送られた再送信されたMPDUの量と単位時間に受信デバイスに送られたMPDUの総量とに基づいて決定される。
【0125】
送信デバイスによって受信デバイスに送られたMPDUは、指定されたサービスのMPDUと指定されていないサービスのMPDUとを含み得る。別の任意の実装では、再送信レートは、統計値の収集を通して取得される単位時間に受信デバイスに送られた指定されていないサービスの再送信されたMPDUの量と単位時間に受信デバイスに送られた指定されていないサービスのMPDUの総量とに基づいて決定される。
【0126】
本出願のこの実施形態では、バックアップモジュール902は、決定ユニット9021と複製ユニット9022とを含み得る。
【0127】
決定ユニット9021は、再送信レートと再送信しきい値とに基づいてバックアップの量を決定するように構成される。バックアップの量は、正の整数である。
【0128】
複製ユニット9022は、バックアップMPDUを生成するためにバックアップの量に基づいてターゲットMPDUに対して複製処理を実行するように構成される。
【0129】
本出願のこの実施形態では、決定ユニット9021は、第1の決定サブユニット90211と第2の決定サブユニット90212とを含み得る。
【0130】
第1の決定サブユニット90211は、再送信レートと再送信しきい値とに基づいてNを決定するように構成される。本明細書では、Nは、1よりも大きい正の整数であり、Nは、再送信レートのN-1乗が再送信しきい値よりも大きく、再送信レートのN乗が再送信しきい値よりも小さいという条件を満たす。
【0131】
第2の決定サブユニット90212は、Nに基づいてバックアップの量を決定するように構成される。
【0132】
本出願のこの実施形態では、第2の決定サブユニット90212は、バックアップの量としてN-1を決定するように特に構成される。
【0133】
送信モジュール904は、受信デバイスにターゲットMPDUとバックアップMPDUとを送るように構成される。
【0134】
任意の実装では、送信モジュール904は、受信デバイスにターゲットMPDUとバックアップMPDUとを別々に送るように特に構成される。
【0135】
別の任意の実装では、送信モジュール904は、ターゲットMPDUとバックアップMPDUとに対してアグリゲーション処理を実行することと、受信デバイスに、アグリゲートされたターゲットMPDUとバックアップMPDUとを送ることとを行うように特に構成される。
【0136】
本出願のこの実施形態では、シーケンス番号は、カプセル化処理後に取得された送られるべきMPDUに対して設定され、ターゲットMPDUとターゲットMPDUのバックアップMPDUとは同じシーケンス番号を有する。
【0137】
任意の実装では、アグリゲーション処理は、シーケンス番号に基づいて連続的にターゲットMPDUとバックアップMPDUとに対してアグリゲーション処理を別々に実行することを含む。
【0138】
任意の実装では、アグリゲーション処理は、シーケンス番号に基づいて連続的にターゲットMPDUとバックアップMPDUとに対してアグリゲーション処理を実行することを含む。
【0139】
同じ発明概念に基づいて、本出願のこの実施形態において提供される送信デバイス900の問題解決の原則および有利な効果は、本出願のデータ送信方法実施形態のものと同様である。したがって、送信デバイス900の実装については、
図7に示されたデータ送信方法の実装を参照されたい。繰返しの説明は提供されない。
【0140】
図10は、本出願の一実施形態による、受信デバイス1000の概略ブロック図である。
図10に示されるように、受信デバイス1000は、受信モジュール1001とスクリーニングモジュール1002とを含み得る。
【0141】
受信モジュール1001は、処理されるべきデータを受信するように構成される。処理されるべきデータは、媒体アクセス制御プロトコルデータユニットMPDUを含み、シーケンス番号は、MPDUに対して設定される。
【0142】
スクリーニングモジュール1002は、MPDUに対してスクリーニング処理を実行するように構成される。スクリーニング処理は、シーケンス番号に基づいてMPDUに対して重複排除処理を実行することを含む。
【0143】
同じ発明概念に基づいて、本出願のこの実施形態において提供される受信デバイス1000の問題解決の原則および有利な効果は、本出願のデータ受信方法実施形態のものと同様である。したがって、受信デバイス1000の実装については、
図8に示されたデータ受信方法の実装を参照されたい。繰返しの説明は提供されない。
【0144】
図11は、本出願の一実施形態による、別の送信デバイス1100の概略ブロック図である。本出願のこの実施形態では、送信デバイス1100と受信デバイスとは、Wi-Fiを通して接続される。
図11に示されるように、送信デバイス1100は、バス1101と、プロセッサ1102と、メモリ1103と、入出力インターフェース1104とを含み得る。バス1101は、プロセッサ1102と、メモリ1103と、入出力インターフェース1104とを互いに接続するように構成され、したがって、上記の要素は、互いに通信することができる。メモリ1103は、1つまたは複数のコンピュータプログラムを記憶するように構成され、コンピュータプログラムは、プログラム命令を含む。入出力インターフェース1104は、送信デバイス1100と別のデバイスとの間の通信接続を制御するように構成される。たとえば、送信デバイス1100は、入出力インターフェース1104を通して受信デバイスと通信し得る。
【0145】
特に、プロセッサ1102は、
ターゲット媒体アクセス制御プロトコルデータユニットMPDUを取得する動作であって、ターゲットMPDUは、指定されたサービスのIPデータパケットに対してカプセル化処理を実行することによって取得される、動作と、
ターゲットMPDUのバックアップMPDUを生成する動作と、
受信デバイスにターゲットMPDUとバックアップMPDUとを送る動作と
を実行するためにプログラム命令を呼び出すように構成される。
【0146】
任意の実装では、プロセッサ1102が、ターゲット媒体アクセス制御プロトコルデータユニットMPDUを取得するためにプログラム命令を呼び出すように構成されるとき、プロセッサ1102は、
送られるべきMPDUを取得する動作であって、送られるべきMPDUは、媒体アクセス制御サービスデータユニットMSDUに対してカプセル化処理を実行することによって取得される、動作と、
送られるべきMPDUがターゲットMSDUを含む場合、ターゲットMPDUとして送られるべきMPDUを識別する動作であって、ターゲットMSDUは指定されたサービスのIPデータパケットであるか、またはターゲットMSDUは、指定されたサービスのIPデータパケットに対してカプセル化処理を実行することによって取得される、動作と
を特に実行する。
【0147】
任意の実装では、指定されたサービスのIPデータパケットは、指定されたサービスのIPデータパケットのソースIPアドレスがあらかじめ設定されたIPアドレスセットと一致した後に識別される。
【0148】
任意の実装では、プロセッサ1102が、ターゲットMPDUのバックアップMPDUを生成するためにプログラム命令を呼び出すように構成される前に、プロセッサ1102は、
送信デバイスと受信デバイスとの間の再送信レートを取得する動作と、
再送信レートがあらかじめ設定された再送信しきい値よりも大きい場合、ターゲットMPDUのバックアップMPDUを生成することの実行をトリガする動作と
をさらに実行する。
【0149】
任意の実装では、再送信レートは、統計値の収集を通して取得される単位時間に受信デバイスに送られた再送信されたMPDUの量と単位時間に受信デバイスに送られたMPDUの総量とに基づいて決定される。
【0150】
送信デバイスによって受信デバイスに送られたMPDUは、指定されたサービスのMPDUと指定されていないサービスのMPDUとを含み得る。別の任意の実装では、再送信レートは、統計値の収集を通して取得される単位時間に受信デバイスに送られた指定されていないサービスの再送信されたMPDUの量と単位時間に受信デバイスに送られた指定されていないサービスのMPDUの総量とに基づいて決定される。
【0151】
任意の実装では、プロセッサ1102が、ターゲットMPDUのバックアップMPDUを生成するためにプログラム命令を呼び出すように構成されるとき、プロセッサ1102は、
再送信レートと再送信しきい値とに基づいてバックアップの量を決定する動作であって、バックアップの量は正の整数である、動作と、
バックアップMPDUを生成するためにバックアップの量に基づいてターゲットMPDUに対して複製処理を実行する動作と
の動作を特に実行する。
【0152】
任意の実装では、プロセッサ1102が、再送信レートと再送信しきい値とに基づいてバックアップの量を決定するためにプログラム命令を呼び出すように構成されるとき、プロセッサ1102は、
再送信レートと再送信しきい値とに基づいてNを決定する動作であって、Nは、1よりも大きい正の整数である、決定する動作と、
Nに基づいてバックアップの量を決定する動作であって、
Nは、再送信レートのN-1乗が再送信しきい値よりも大きく、再送信レートのN乗が再送信しきい値よりも小さいという条件を満たす動作と
を特に実行する。
【0153】
任意の実装では、プロセッサ1102が、Nに基づいてバックアップの量を決定するためにプログラム命令を呼び出すように構成されるとき、プロセッサ1102は、
バックアップの量としてN-1を決定する動作
を特に実行する。
【0154】
任意の実装では、プロセッサ1102が、受信デバイスにターゲットMPDUとバックアップMPDUとを送るためにプログラム命令を呼び出すように構成されるとき、プロセッサ1102は、
受信デバイスにターゲットMPDUとバックアップMPDUとを別々に送る動作
を特に実行する。
【0155】
別の任意の実装では、プロセッサ1102が、受信デバイスにターゲットMPDUとバックアップMPDUとを送るためにプログラム命令を呼び出すように構成されるとき、プロセッサ1102は、
ターゲットMPDUとバックアップMPDUとに対してアグリゲーション処理を実行する動作と、
受信デバイスに、アグリゲートされたターゲットMPDUとバックアップMPDUとを送る動作と
を特に実行する。
【0156】
本出願のこの実施形態では、シーケンス番号は、カプセル化処理後に取得された送られるべきMPDUに対して設定され得、ターゲットMPDUとターゲットMPDUのバックアップMPDUとは同じシーケンス番号を有する。
【0157】
任意の実装では、アグリゲーション処理は、シーケンス番号に基づいて連続的にターゲットMPDUとバックアップMPDUとに対してアグリゲーション処理を別々に実行することを含む。
【0158】
別の任意の実装では、アグリゲーション処理は、シーケンス番号に基づいて連続的にターゲットMPDUとバックアップMPDUとに対してアグリゲーション処理を実行することを含む。
【0159】
プロセッサ1102は、中央処理ユニット(Central Processing Unit、CPU)であり得る。メモリ1103は、任意のタイプのメモリであり得、読取り専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、不揮発性ランダムアクセスメモリなどであり得る。
【0160】
同じ発明概念に基づいて、本出願のこの実施形態において提供される送信デバイス1100の問題解決の原則および有利な効果は、本出願のデータ送信方法実施形態のものと同様である。したがって、送信デバイス1100の実装については、
図7に示されたデータ送信方法の実装を参照されたい。繰返しの説明は提供されない。
【0161】
図12は、本出願の一実施形態による、別の受信デバイス1200の概略ブロック図である。
図12に示されるように、受信デバイス1200は、バス1201と、プロセッサ1202と、メモリ1203と、入出力インターフェース1204とを含み得る。バス1201は、プロセッサ1202と、メモリ1203と、入出力インターフェース1204とを互いに接続するように構成され、したがって、上記の要素は、互いに通信することができる。メモリ1203は、1つまたは複数のコンピュータプログラムを記憶するように構成され、コンピュータプログラムは、プログラム命令を含む。入出力インターフェース1204は、送信デバイス1200と別のデバイスとの間の通信接続を制御するように構成される。
【0162】
特に、プロセッサ1202は、
処理されるべきデータを受信することであって、処理されるべきデータは、媒体アクセス制御プロトコルデータユニットMPDUを含み、シーケンス番号は、MPDUに対して設定される、受信することと、
MPDUに対してスクリーニング処理を実行することであって、スクリーニング処理は、シーケンス番号に基づいてMPDUに対して重複排除処理を実行するステップを含む、実行することと
の動作を実行するためにプログラム命令を呼び出すように構成される。
【0163】
プロセッサ1202は、CPUであり得る。メモリ1202は、任意のタイプのメモリであり得、たとえば、ROM、RAM、不揮発性ランダムアクセスメモリなどであり得る。
【0164】
同じ発明概念に基づいて、本出願のこの実施形態において提供される受信デバイス1200の問題解決の原則および有利な効果は、本出願のデータ受信方法実施形態のものと同様である。したがって、受信デバイス1200の実装については、
図8に示されたデータ受信方法の実装を参照されたい。繰返しの説明は提供されない。
【0165】
実施形態における方法のすべてのまたは一部の処理が関連するハードウェアに命令するコンピュータプログラムによって実装され得ることを、当業者は理解し得る。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体中に記憶され得る。プログラムが実行されるとき、実施形態における方法の処理が実行される。上記の記憶媒体は、磁気ディスク、光ディスク、ROM、またはRAMであり得る。