(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-12
(45)【発行日】2022-08-22
(54)【発明の名称】ベース織物層に組み込まれた絶縁温度センサのシステム
(51)【国際特許分類】
G01K 7/18 20060101AFI20220815BHJP
A41D 13/00 20060101ALI20220815BHJP
A41D 13/12 20060101ALI20220815BHJP
A41D 31/00 20190101ALI20220815BHJP
D04B 1/14 20060101ALI20220815BHJP
D04B 21/00 20060101ALI20220815BHJP
D03D 15/533 20210101ALI20220815BHJP
D03D 15/67 20210101ALI20220815BHJP
D03D 1/00 20060101ALI20220815BHJP
【FI】
G01K7/18 Z
A41D13/00 102
A41D13/12 181
A41D31/00 503P
D04B1/14
D04B21/00 B
D03D15/533
D03D15/67
D03D1/00 Z
(21)【出願番号】P 2021525262
(86)(22)【出願日】2018-11-12
(86)【国際出願番号】 IB2018058878
(87)【国際公開番号】W WO2020099907
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2021-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】519328615
【氏名又は名称】マイアント インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MYANT INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】チャヒネ トニー
(72)【発明者】
【氏名】エスカンダリアン ラダン
(72)【発明者】
【氏名】エデルマン ゴッドフリード
【審査官】平野 真樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/001108(WO,A1)
【文献】特表2012-523003(JP,A)
【文献】特開2005-60922(JP,A)
【文献】特表2018-532892(JP,A)
【文献】特表2019-511642(JP,A)
【文献】特開昭55-21831(JP,A)
【文献】特開2010-90492(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 1/00-19/00
A41D 13/00,13/12,31/00
D04B 1/14,21/00
D03D 1/00,15/533,15/67
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
織物のベース織物層に統合された繊維ベースの温度センサのシステムであって、前記システムは、壁繊維の第1セットと、少なくとも1つの導電性第1繊維と、壁繊維の第2セットと、少なくとも1つの導電性第2繊維と、ベース繊維のセットと、を備え、
壁繊維の第1セットは、長さに沿って第1空洞を画定する第1壁構造を形成するように互いに組み合わせられ、非導電性材料を備え、
少なくとも1つの導電性第1繊維は、第1空洞内で長さに沿って延び、第1壁構造の壁繊維の第1セットが、第1空洞の外部の長さに沿って環境から少なくとも1つの導電性第1繊維を電気的に絶縁するために、少なくとも1つの導電性第1繊維を囲むようになっており、
壁繊維の第2セットは、長さに沿って第2空洞を画定する第2壁構造を形成するように互いに組み合わせられ、非導電性材料を備え、壁構造は、長さに沿って互いに隣り合い、
少なくとも1つの導電性第2繊維は、第2空洞内で長さに沿って延び、第2壁構造の壁繊維の第2セットが、第2空洞の外部の長さに沿って環境から少なくとも1つの導電性第2繊維を電気的に絶縁するために、少なくとも1つの導電性第2繊維を囲むようになっており、第1壁構造と第2壁構造とは、互いに隣り合って相互接続され、
ベース繊維のセットは、前記ベース織物層を形成するように互いに組み合わせられ、前記ベース織物層は、第1壁構造への第1繊維相互接続部と隣り合う第1側部と、第2壁構造への第2繊維相互接続部と隣り合う第2側部と、を有し、第1繊維相互接続部は第2繊維相互接続部に対向し、第1側部および第2側部は、前記ベース織物層の表面を形成し、第1壁構造および第2壁構造が、第1側部と第2側部との間に介在するようになっており、第1繊維相互接続部および第2繊維相互接続部は、ベース繊維のセットの構造的織物完全性との組み合わせで、第1壁繊維のセットおよび第2壁繊維のセットの構造的織物完全性の一部をそれぞれ形成し、
第1繊維相互接続部または第2繊維相互接続部の少なくとも1つの繊維への損傷は、ベース繊維のセットの構造的織物完全性との組み合わせで、第1繊維相互接続部の繊維への損傷が第1壁繊維のセットの構造的織物完全性の破壊をもたらし、第2繊維相互接続部の繊維への損傷が、第2壁繊維のセットの構造的織物完全性の破壊をもたらす、システム。
【請求項2】
請求項1のシステムであって、コントローラをさらに備え、前記コントローラは、前記繊維ベースの温度センサに隣り合う対象に関連する温度を決定するために、第1導電性繊維および第2導電性繊維に電気的に接続され、第1導電性繊維および第2導電性繊維の抵抗率を測定する、システム。
【請求項3】
請求項1のシステムであって、前記少なくとも1つの導電性繊維の材料は、ステンレス鋼である、システム。
【請求項4】
請求項1のシステムであって、第1壁構造は、前記空洞を画定する複数の側部を含み、前記複数の側部のうちの側部の1つが、ベース繊維のセットのベース繊維から主に形成されるようになっており、前記側部のうちの前記1つを形成するベース繊維が、前記側部の前記1つに隣り合う前記複数の壁の他の壁における第1壁繊維のセットの壁繊維と組み合わせられる、システム。
【請求項5】
請求項1のシステムであって、カバー層をさらに備え、前記カバー層は、第1壁構造および第2壁構造に少なくとも隣り合う前記ベース織物層から離間され、第1壁構造および第2壁構造が、前記ベース織物層と前記カバー層との間に介在するようになっている、システム。
【請求項6】
請求項1のシステムであって、第1繊維相互接続部の繊維は、第1壁繊維の隣り合うセットおよび隣り合うベース繊維に対して縦編みによって組み合わせられる、システム。
【請求項7】
請求項6のシステムであって、第2繊維相互接続部の繊維は、第2壁繊維の隣り合うセットおよび隣り合うベース繊維に対して縦編みによって組み合わせられる、システム。
【請求項8】
請求項1のシステムであって、環境にさらされて、固定された電気的コンタクトノードに電気的に接続された、前記少なくとも1つの導電性第1繊維の長さと、前記少なくとも1つの導電性第2繊維の長さと、をさらに備える、システム。
【請求項9】
請求項1のシステムであって、第1壁繊維のセットおよび第2壁繊維のセットは、親水性でもある非導電性材料から構成される、システム。
【請求項10】
請求項1のシステムであって、前記繊維ベースの温度センサの経路部分および検出器部分をさらに備え、第1壁構造および第2壁構造が前記検出器部分にあるようになっており、前記経路部分が、コントローラと前記検出器部分との間に配置され、前記経路部分内の複数の導電性繊維が、少なくとも1つの導電性第1繊維および少なくとも1つの導電性第2繊維を前記コントローラと接続し、前記複数の導電性繊維が、前記経路部分の前記ベース織物層内の前記ベース繊維と組み合わせられる、システム。
【請求項11】
請求項1のシステムであって、前記繊維ベースの温度センサの経路部分および検出器部分をさらに備え、第1壁構造および第2壁構造が前記検出器部分にあるようになっており、前記経路部分が、コントローラと前記検出器部分との間に配置され、前記経路部分内の複数の導電性繊維が、少なくとも1つの導電性第1繊維および少なくとも1つの導電性第2繊維を前記コントローラと接続し、前記複数の導電性繊維も、前記経路部分の前記ベース織物層内の前記ベース繊維に接続されたそれら自体の各壁構造内に位置する、システム。
【請求項12】
請求項1のシステムであって、少なくとも1つの導電性第1繊維と少なくとも1つの導電性第2繊維との間の前記長さに対して横断方向に延びる導電性繊維セグメントをさらに備え、前記導電性繊維セグメントは、前記繊維ベースの温度センサの検出器部分の一部を形成する、システム。
【請求項13】
請求項12のシステムであって、前記導電性繊維セグメントは、第1壁構造と第2壁構造との間を横断して延びるそれぞれの壁構造内に含まれる、システム。
【請求項14】
織物のベース織物層に統合された繊維ベースの温度センサを製造する方法であって、前記方法は、
壁繊維のセットを互いに組み合わせるステップであって、長さに沿って第1空洞を画定する第1壁構造と、長さに沿って第2空洞を画定する第2壁構造と、を形成し、壁繊維のセットは非導電性材料を備え、前記壁構造は長さに沿って互いに隣り合う、組み合わせるステップと、
第1空洞および第2空洞のそれぞれの中で長さに沿って延びる少なくとも1つの導電性繊維を位置決めするステップであって、前記壁構造の壁繊維のセットが、空洞の外部の長さに沿って環境から少なくとも1つの導電性繊維のそれぞれを電気的に絶縁するために、少なくとも1つの導電性繊維のそれぞれを囲むようになっている、位置決めするステップと、
前記ベース織物層を形成するようにベース繊維のセットを互いに組み合わせ、前記ベース織物層と第1および第2壁構造との間で第1繊維相互接続部および第2繊維相互接続部を組み合わせるステップであって、前記ベース織物層は、第1壁構造への第1繊維相互接続部と隣り合う第1側部と、第2壁構造への第2繊維相互接続部と隣り合う第2側部と、を有し、第1繊維相互接続部は第2繊維相互接続部に対向し、第1側部および第2側部は、前記ベース織物層の表面を形成し、第1壁構造および第2壁構造が、第1側部と第2側部との間に介在するようになっており、第1繊維相互接続部および第2繊維相互接続部は、壁繊維のセットの構造的織物完全性およびベース繊維のセットの構造的織物完全性の一部を形成する、組み合わせるステップと、
を含み、
第1繊維相互接続部または第2繊維相互接続部の少なくとも1つの繊維への後続損傷は、壁繊維のセットの構造的織物完全性およびベース繊維のセットの構造的織物完全性の破壊をもたらす、方法。
【請求項15】
織物のベース織物層に統合された繊維ベースの温度センサを製造する方法であって、前記方法は、壁繊維のセットを互いに組み合わせるステップであって、長さに沿って第1空洞を画定する第1壁構造と、長さに沿って第2空洞を画定する第2壁構造と、を形成し、壁繊維のセットは非導電性材料を備え、前記壁構造は長さに沿って互いに隣り合う、組み合わせるステップと、第1空洞および第2空洞のそれぞれの中で長さに沿って延びる少なくとも1つの導電性繊維を位置決めするステップであって、前記壁構造の壁繊維のセットが、空洞の外部の長さに沿って環境から少なくとも1つの導電性繊維のそれぞれを電気的に絶縁するために、少なくとも1つの導電性繊維のそれぞれを囲むようになっている、位置決めするステップと、ベース繊維のセットを互いに組み合わせるステップであって、前記ベース織物層を形成し、第1および第2壁構造の1対に接続される、組み合わせるステップと、を含む方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、前記ベース織物層と第1および第2壁構造との間で第1繊維相互接続部および第2繊維相互接続部を組み合わせるステップであって、前記ベース織物層は、第1壁構造への第1繊維相互接続部と隣り合う第1側部と、第2壁構造への第2繊維相互接続部と隣り合う第2側部と、を有し、第1繊維相互接続部は第2繊維相互接続部に対向し、第1側部および第2側部は、前記ベース織物層の表面を形成し、第1壁構造および第2壁構造が、第1側部と第2側部との間に介在するようになっており、第1繊維相互接続部および第2繊維相互接続部は、壁繊維のセットの構造的織物完全性およびベース繊維のセットの構造的織物完全性の一部を形成する、組み合わせるステップと、
をさらに含み、
第1繊維相互接続部または第2繊維相互接続部の少なくとも1つの繊維への後続損傷は、壁繊維のセットの構造的織物完全性およびベース繊維のセットの構造的織物完全性の破壊をもたらす、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スマートテキスタイル用の絶縁導体に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートテクノロジーテキスタイルに存在する導電性繊維の保護は、電気絶縁、熱防護、ならびに連続および延伸保護のために問題となり得る。織物本体の繊維の織り合わせられたセットに存在する導電性繊維は、隣接する導電性繊維、ならびに織物の外部の導電性物体(例えば、織物の着用者によって取り扱われる金属物体)からの不注意な接触からの保護を必要とすることが、認められている。特に、導電性繊維(例えば、金属配線)は、短絡、歪み、延伸、および織物の外部の要素との直接的な接触から選択的に保護される必要がある。
【0003】
特に、スマートテキスタイルの製造および組立に関連するコストを低減することが望ましく、特に、導電性繊維が、例えば、オンデマンドで組み合わせられる(例えば、編まれる)とも称される、織物繊維のセットが製造されるときに織物の本体に直接組み合わせられる。
【0004】
繊維ベースの温度センサに関しては、温度測定が繊維ベースの温度センサを構成する導電性繊維の電気抵抗に比例することに基づいて、温度を測定するために導電性繊維の物理的長さが使用される。複数の要因が、導電性繊維の電流抵抗に影響を及ぼす、すなわち、望ましくなく変わる、可能性があることが認められている。例えば、導電性繊維の長さ/断面積のあらゆる変化は、電気抵抗の変化をもたらす。例えば、導電性繊維の水分への暴露は、電気抵抗の変化をもたらす。これは、織物/衣服が環境湿度源ならびに使用者の身体からの水分に直接さらされ得るので、導電性糸にとって特に重要である。電線の外面に施されたプラスチック絶縁は、非繊維用途において良好に機能する。しかしながら、織物/衣服用途では、プラスチック被覆ワイヤは、織物/衣服を構成する他の非導電性繊維と比較して相対的に柔軟性がないこと、ならびに織物/衣服を構成する他の非導電性繊維と比較してプラスチック被覆ワイヤの不体裁な外観のために、推奨されない。例えば、織物/衣服の使用者の熱(例えば、体温)への暴露は、温度センサの導電性繊維の抵抗に大きな影響を与え得る。
【0005】
「スマート」衣服は、衣類の織物本体上の異なる位置に電力および信号を搬送するために導電性繊維の複数の経路を利用するので、織物における導電性繊維の保護は特に重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記の欠点の少なくとも1つを未然に防ぐまたは軽減する繊維ベースの温度センサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様は、織物のベース織物層に統合された繊維ベースの温度センサのシステムが提供され、そのシステムは、壁繊維の第1セットと、少なくとも1つの導電性第1繊維と、壁繊維の第2セットと、少なくとも1つの導電性第2繊維と、ベース繊維のセットと、を備え、壁繊維の第1セットは、長さに沿って第1空洞を画定する第1壁構造を形成するように互いに組み合わせられ、非導電性材料を備え、少なくとも1つの導電性第1繊維は、第1空洞内で長さに沿って延び、第1壁構造の壁繊維の第1セットが、第1空洞の外部の長さに沿って環境から少なくとも1つの導電性第1繊維を電気的に絶縁するために、少なくとも1つの導電性第1繊維を囲むようになっており、壁繊維の第2セットは、長さに沿って第2空洞を画定する第2壁構造を形成するように互いに組み合わせられ、非導電性材料を備え、壁構造は、長さに沿って互いに隣り合い、少なくとも1つの導電性第2繊維は、第2空洞内で長さに沿って延び、第2壁構造の壁繊維の第2セットが、第2空洞の外部の長さに沿って環境から少なくとも1つの導電性第2繊維を電気的に絶縁するために、少なくとも1つの導電性第2繊維を囲むようになっており、第1壁構造と第2壁構造とは、互いに隣り合って相互接続され、ベース繊維のセットは、ベース織物層を形成するように互いに組み合わせられ、ベース織物層は、第1壁構造への第1繊維相互接続部と隣り合う第1側部と、第2壁構造への第2繊維相互接続部と隣り合う第2側部と、を有し、第1繊維相互接続部は第2繊維相互接続部に対向し、第1側部および第2側部は、ベース織物層の表面を形成し、第1壁構造および第2壁構造が、第1側部と第2側部との間に介在するようになっており、第1繊維相互接続部および第2繊維相互接続部は、ベース繊維のセットの構造的織物完全性との組み合わせで、第1壁繊維のセットおよび第2壁繊維のセットの構造的織物完全性の一部をそれぞれ形成し、第1繊維相互接続部または第2繊維相互接続部の少なくとも1つの繊維への損傷は、ベース繊維のセットの構造的織物完全性との組み合わせで、第1繊維相互接続部の繊維への損傷が第1壁繊維のセットの構造的織物完全性の破壊をもたらし、第2繊維相互接続部の繊維への損傷が、第2壁繊維のセットの構造的織物完全性の破壊をもたらす。
【0008】
第2の態様は、織物のベース織物層に統合された繊維ベースの温度センサを製造する方法が提供され、その方法は、壁繊維のセットを互いに組み合わせるステップであって、長さに沿って第1空洞を画定する第1壁構造と、長さに沿って第2空洞を画定する第2壁構造と、を形成し、壁繊維のセットは非導電性材料を備え、壁構造は長さに沿って互いに隣り合う、組み合わせるステップと、第1空洞および第2空洞のそれぞれの中で長さに沿って延びる少なくとも1つの導電性繊維を位置決めするステップであって、壁構造の壁繊維のセットが、空洞の外部の長さに沿って環境から少なくとも1つの導電性繊維のそれぞれを電気的に絶縁するために、少なくとも1つの導電性繊維のそれぞれを囲むようになっている、位置決めするステップと、ベース織物層を形成するようにベース繊維のセットを互いに組み合わせ、ベース織物層と第1および第2壁構造との間で第1繊維相互接続部および第2繊維相互接続部を組み合わせるステップであって、ベース織物層は、第1壁構造への第1繊維相互接続部と隣り合う第1側部と、第2壁構造への第2繊維相互接続部と隣り合う第2側部と、を有し、第1繊維相互接続部は第2繊維相互接続部に対向し、第1側部および第2側部は、ベース織物層の表面を形成し、第1壁構造および第2壁構造が、第1側部と第2側部との間に介在するようになっており、第1繊維相互接続部および第2繊維相互接続部は、壁繊維のセットの構造的織物完全性およびベース繊維のセットの構造的織物完全性の一部を形成する、組み合わせるステップと、を含み、第1繊維相互接続部または第2繊維相互接続部の少なくとも1つの繊維への後続損傷は、壁繊維のセットの構造的織物完全性およびベース繊維のセットの構造的織物完全性の破壊をもたらす。
【0009】
第3の態様は、織物のベース織物層に統合された繊維ベースの温度センサを製造する方法が提供され、その方法は、壁繊維のセットを互いに組み合わせるステップであって、長さに沿って第1空洞を画定する第1壁構造と、長さに沿って第2空洞を画定する第2壁構造と、を形成し、壁繊維のセットは非導電性材料を備え、壁構造は長さに沿って互いに隣り合う、組み合わせるステップと、第1空洞および第2空洞のそれぞれの中で長さに沿って延びる少なくとも1つの導電性繊維を位置決めするステップであって、壁構造の壁繊維のセットが、空洞の外部の長さに沿って環境から少なくとも1つの導電性繊維のそれぞれを電気的に絶縁するために、少なくとも1つの導電性繊維のそれぞれを囲むようになっている、位置決めするステップと、ベース繊維のセットを互いに組み合わせるステップであって、ベース織物層を形成し、第1および第2壁構造の1対に接続される、組み合わせるステップと、を含む。
【0010】
ベース織物層は、ベース織物層と第1および第2壁構造との間で第1繊維相互接続部および第2繊維相互接続部の組み合わせを有し、ベース織物層は、第1壁構造への第1繊維相互接続部と隣り合う第1側部と、第2壁構造への第2繊維相互接続部と隣り合う第2側部と、を有し、第1繊維相互接続部は第2繊維相互接続部に対向し、第1側部および第2側部は、ベース織物層の表面を形成し、第1壁構造および第2壁構造が、第1側部と第2側部との間に介在するようになっており、第1繊維相互接続部および第2繊維相互接続部は、壁繊維のセットの構造的織物完全性およびベース繊維のセットの構造的織物完全性の一部を形成し、第1繊維相互接続部または第2繊維相互接続部の少なくとも1つの繊維への後続損傷は、壁繊維のセットの構造的織物完全性およびベース繊維のセットの構造的織物完全性の破壊をもたらす。
【0011】
さらなる態様は、織物のベース織物層に統合された繊維ベースの温度センサのシステムが提供され、そのシステムは、壁繊維の第1セットと、少なくとも1つの導電性第1繊維と、壁繊維の第2セットと、少なくとも1つの導電性第2繊維と、ベース繊維のセットと、を備え、壁繊維の第1セットは、長さに沿って第1空洞を画定する第1壁構造を形成するように互いに組み合わせられ、非導電性材料を備え、少なくとも1つの導電性第1繊維は、第1空洞内で長さに沿って延び、第1壁構造の壁繊維の第1セットが、第1空洞の外部の長さに沿って環境から少なくとも1つの導電性第1繊維を電気的に絶縁するために、少なくとも1つの導電性第1繊維を囲むようになっており、壁繊維の第2セットは、長さに沿って第2空洞を画定する第2壁構造を形成するように互いに組み合わせられ、非導電性材料を備え、壁構造は、長さに沿って互いに隣り合い、少なくとも1つの導電性第2繊維は、第2空洞内で長さに沿って延び、第2壁構造の壁繊維の第2セットが、第2空洞の外部の長さに沿って環境から少なくとも1つの導電性第2繊維を電気的に絶縁するために、少なくとも1つの導電性第2繊維を囲むようになっており、第1壁構造と第2壁構造とは、互いに隣り合って相互接続され、ベース繊維のセットは、ベース織物層を形成するように互いに組み合わせられ、第1壁構造および第2壁構造が、ベース織物層の第1側部と第2側部との間に介在するようになっている。
【0012】
上記および他の態様は、添付図面を参照して、単に例として記載される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】着用者の身体に着用する衣服の例のシステム図である。
【
図2】様々なセンサ/アクチュエータおよび導電性経路を含む衣類に組み込まれた
図1の衣服の織物計算プラットフォームの例示図である。
【
図3】
図2に示す織物計算プラットフォームの本体を構成する繊維の交絡に直接一体化された繊維ベースの温度センサの実施形態を示す。
【
図4】
図3の繊維ベースの温度センサのさらなる例示的用途を示す。
【
図5】
図3の繊維ベースの温度センサの一実施形態の正面斜視図を示す。
【
図6】
図3の繊維ベースの温度センサのさらなる実施形態の断面図を示す。
【
図7】
図3の繊維ベースの温度センサのさらなる実施形態の断面図を示す。
【
図8】
図3の繊維ベースの温度センサのさらなる実施形態の断面図を示す。
【
図9】
図3の織物の本体内の繊維に接続された繊維ベースの温度センサの繊維の交絡の例示的技術を示す。
【
図10】
図3の織物の繊維の交絡のさらなる例示的技術を示す。
【
図11】
図3の織物の本体内の繊維に接続された繊維ベース温度センサの繊維の交絡のさらなる例示的技術を示す。
【
図12】
図3の繊維ベースの温度センサの代替実施形態である。
【
図13】
図3の繊維ベースの温度センサを製造する例示的方法である。
【
図14】
図14aは、
図3の繊維ベースの温度センサのさらなる実施形態であり、
図14bは、
図14aの繊維ベースの温度センサが受ける延伸の動作例である。
【
図16】
図14aの繊維ベースの温度センサのさらなる実施形態である。
【
図17】
図14aの繊維ベースの温度センサのさらなる実施形態である。
【
図18】
図14aの繊維ベースの温度センサのさらなる実施形態である。
【
図19】
図14aの繊維ベースの温度センサのさらなる実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1を参照すると、身体8の1つ以上の領域(例えば、膝、足首、肘、手首、腰、肩、首など)の周りに配置された1つ以上の織物ベースの計算プラットフォーム9を装着する装着者の身体8が示されている。簡単にするために、織物ベースの計算プラットフォーム9は、織物計算プラットフォーム9とも称され得る。例えば、織物計算プラットフォーム9は、リストスリーブ9、ニースリーブ9、ショルダースリーブ9、アンクルスリーブ9、ヒップスリーブ9、ネックスリーブ9などとも称され得る。織物計算プラットフォーム9は、より大きな衣服11(例えば、デモンストレーションのためにのみゴーストビューで示されるブリーフ11)の一部として組み込まれ得ることも、認められている。衣服11は、必要に応じて、シャツ、パンツ、ボディスーツでもあり得ることが、認められている。従って、衣服11の布地/織物本体13を使用して、織物計算プラットフォーム9を身体8の選択された領域に位置決めすることができる。換言すれば、織物計算プラットフォーム9は、例えば、センサ/アクチュエータ18、電子回路17、制御装置14(
図2参照)のような複数の織物計算コンポーネントを含み、これらは全て衣服11の布地/織物本体13に組み込まれるか、さもなければ取り付けられる。
【0015】
織物計算プラットフォーム9は、身体8によって着用されず、むしろ身体8に隣接して配置される、織物9(例えば、布シート、カバー、または他の布構造)に組み込まれ得ることも、認められている。織物9の例は、ベッドシート、シートカバー(例えば、自動車シート)などを含み得る。
【0016】
再び
図1および
図2を参照すると、織物計算プラットフォーム9は、織物/布本体13(例えば、必要に応じて織られたおよび/または編まれたような組み合わせられた複数の繊維/より糸/糸)と一体化されている。織物計算プラットフォーム9は、本体13の周りに分散された1つ以上のセンサ/アクチュエータ18に信号を送信/受信するための制御装置14を有する。センサ/アクチュエータ18の形状は、細長くすることができる(例えば、好ましい方向に延びるストリップとして)、または複数の方向にパッチとして延びることができる(例えば、左右におよび端から端に延びる)。信号は、制御装置14をセンサ/アクチュエータ18のそれぞれに接続する1つ以上の電子回路17を介して、センサ/アクチュエータ18と制御装置14との間で伝送される。電子回路17は、必要に応じて、センサ/アクチュエータ18の個々の対の間でもあり得ることも、認められている。以下にさらに記載されるように、センサ/アクチュエータ18は、織物ベースであり得る、すなわち、本体13の織物層の材料構造的一体性(導電性および任意選択的に非導電性の複数の織り交ぜ糸として形成される)と一体として織り合わせ(例えば、編み、織り)によって組み込まれ得る。さらに、電子回路17(例えば、導電性より糸)も、本体13の隣接する織物層(また複数の織り合わせられた糸/繊維を含む)に組み込まれ得る/と組み合わせられ得る(例えば、編まれる、織られるなど)。以下にさらに説明する制御装置14は、ネットワーク25を介して計算装置23(例えば、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、デスクトップなど)と通信するためのネットワークインターフェース(例えば、無線または有線)を含むことができる。
【0017】
図3に示すように、本体13の織物層は、側部10、12が介在絶縁導体20に対して互いに対向するように、第1の側部10および第2の側部12を有する。好ましくは、本体13の織物層の側部10および側部12は、衣服11の織物計算プラットフォーム9の構成において、同一平面(例えば、厚さTの平坦なまたは湾曲した織物表面-均一または変化した)に位置する(
図2参照)。織物ベースの計算プラットフォーム9のセンサ/アクチュエータ18は、本体13を構成する繊維の交絡(interlacing)の一体構成要素として形成することができることが、認められている。本体13の布地は、組み合わせられた弾性繊維24b(例えば、伸縮性の天然および/または合成材料、および/または伸縮性および非伸縮性材料の組み合わせ)から構成することができ、センサ/アクチュエータ18を備える繊維の少なくともいくつかは導電性、すなわち金属性であることを認める。
図3および
図5-
図12は、明確化/実証の目的のために、一例として、温度センサのための1つの絶縁導体20の1つの壁構造28を示すことが、認識される。このように、
図14a、14b、15a、15b、15c、16、17、18、19は、全て、図示のように、複数の隣接する壁構造28と両立できる
図3および
図5-13に記載された壁構造28の交絡構成技術を用いて互いに隣接する複数の絶縁導体20を示している。
【0018】
図3を参照すると、1つ以上の導電性繊維22(例えば、より糸、糸など)のための例示的絶縁導体20が示されている。導電性繊維22は、例えば、
図2を参照して説明した電子回路17とすることができる。絶縁導体20は、壁構造28内の複数の絶縁性(すなわち、非導電性)交絡繊維24a(例えば、互いに対して織られたおよび/または編まれた繊維24a)から構成され、交絡繊維24aが、本体13の織物層を構成する1つ以上の繊維24bに対して接続26されるようになっている。繊維24aは、導電性繊維22を取り囲む壁構造28(例えば、チューブ)(例えば、その少なくとも一部として)として形成される。繊維24aは壁繊維24aと称されることができ、繊維24bはベース繊維24aと称されることができ、任意の個々の繊維24cは接続繊維24cと称されることができる。
【0019】
接続26に関して、これは、例えば、繊維24aのセットが、1つ以上の繊維24bを含むか、そうでなければそれと組み合わせられ得ることを意味し得る(例えば、繊維24bは、壁構造28のいずれかの側部10、12上の本体13の織物層、および壁構造28(後述する1つ以上の側部30、32、34)の両方と一体である/それに共通する)-
図3参照)。あるいは、繊維24aは、繊維24aを繊維24bと組み合わせる1つ以上の介在繊維24cを介して、繊維24bに組み合わせられる(すなわち、接続26される)ことができ-
図5参照、介在繊維24cが、両方ではなく、側部10、12の一方にそれぞれあるようになっている。これは、壁構造28を介して一方の側部10から他方の側部12に延びる接続26機構として、繊維24aのセットの繊維24bと比較される。さらに、接続26という用語は、繊維24bおよび繊維24cの両方の存在を組み合わせて含むことができることが、認識される。従って、接続繊維24cを含む接続26に関して、繊維24a、b、c間の交絡パターンは、例えば、編んだり、波打ったりすることができる。このように、接続26は、繊維24cを、ベース織物層13の隣接する繊維24bと、壁構造28の隣接する繊維24aと、の両方に組み合わせることによって形成することができる。このように、接続26は、ベース織物層13の繊維24b(例えば、一方の側部10から他方の側部12に延びる)を、壁構造28の隣接する繊維24aと組み合わせることによって形成することができる。
【0020】
いずれにしても、繊維24bおよび/または24cが衣服11の織物計算プラットフォーム9の交絡(例えば、織り、編み)と同時に壁構造28および本体13の織物層に組み込まれる(すなわち、組み合わせられる)ので、壁構造28の繊維24bおよび/または壁構造28の繊維24cの少なくとも一部が、本体13の織物層の構造的一体性を提供する組み合わせられた構成要素として含まれることが、認識される。言い換えれば、本体13のベース織物層および壁構造28の両方に共通の繊維24b、24cが存在するので、繊維24aを本体13の織物層に接続する26繊維24b、24cを除去すると、本体13のベース織物層における繊維24bの相互の交絡の構造的完全性が破壊される。
【0021】
繊維24b、cの
図3に示される接続26の例は、
図4に示されるみなし従来技術の刺しゅうの例とは区別され、独立した編み構造29をベース織物層13に接続する繊維25aが、本体13のベース織物層24b、および独立した編み構造29(例えば、少なくとも側部30、32、34の)を構成する織り合わせられた繊維24aのそれに単に含まれる/分離されるようになっており、独立した編み構造29と本体13の織物層との間からの繊維25a(例えば、刺しゅう技術によって適用される)の除去(例えば、切断、すなわち、接続25aを破壊すること)が、側部30、32、34の繊維24aの各セット間の交絡の構造的完全性を破壊しない/傷つけないだけでなく、本体13の織物層の繊維24bの各セットの繊維間の交絡の構造的完全性も破壊しない/傷つけないようになっている。刺しゅうに関しては、
図4の繊維25aを適用するプロセスは、本体13の織物層、および独立した編み構造29の両方を、個々に製造する(例えば、織る、編む)プロセスの後に(例えば、分離して)行われ得ることが、認識される。この刺しゅうの別個のプロセスは、
図4に示すように、本体13の織物層を、相互接続部26および
図3に示す導電性繊維22を収容する壁構造28と共に形成する同時交絡プロセスと比較される。
【0022】
図4に示す従来技術の例と比較して、
図3に示す繊維24a、b、cのセットは、壁構造28の交絡の構造的完全性の共有を有利に提供する。言い換えれば、一対のタイプの繊維24a、b、cの繊維(壁構造28および/または壁構造28に隣り合うベース織物層13内の)を切断するか、そうでなければ破壊するか、または除去しようとすると、壁構造28および/または隣り合うベース織物層13を構成する織り合わせられた繊維の構造的完全性が損なわれるか、さもなければ有害な影響を受けることになる。
【0023】
例えば、一実施形態では、ベース繊維24bは、壁構造28内で互いに織り合わせられた1対の繊維タイプとして壁繊維24aと共に含まれ、壁構造28を構成する繊維24a、bの交絡ネットワークの構造的完全性を協働して提供するようになっている。従って、壁構造28に存在する(および/または隣り合う)繊維24aおよび/または24bの破壊/切断は、構造的完全性を損ない(例えば、壁構造28および/または壁構造28に隣り合うベース織物層13のほぐれ)、これは、織物計算プラットフォーム9(すなわち、ベース織物層13および壁構造28を含む)のその後の「摩耗および引き裂き」(衣服/織物11の着用および/またはクリーニング)において望ましくなく促進されることが、認識される。ベース織物層13への壁構造28の望ましい連続的完全性/連結が重要であると考えられるため(例えば、導電性繊維22の望ましい絶縁性を提供するために)、および、ベース織物層13の望ましい完全性(例えば、完全な衣服/織物11のコンテキスト構造を提供する)が重要であると考えられるため、選択された1対の繊維24a、bタイプが、ベース織物層13の近傍の壁構造28とベース織物層13との両方の構造的な完全性と協調して維持する能力が重要である。
【0024】
例えば、別の実施形態では、接続繊維24cは、壁構造28内で互いに組み合わせられた1対の繊維タイプとして壁繊維24aに含まれ、壁構造28を構成する繊維24a、cの交絡ネットワークの構造的完全性を協働して提供するようになっている。また、接続繊維24cは、同時にベース繊維24bとも組み合わせられ、従って、ベース織物層13を構成する繊維交絡の構造的完全性にも寄与すると考えられる。従って、壁構造28に存在する(および/または隣り合う)繊維24aおよび/または24cの破壊/切断は、構造的完全性を損ない(例えば、壁構造28および/または壁構造28に隣り合うベース織物層13のほぐれ)、これは、織物計算プラットフォーム9(すなわち、ベース織物層13および壁構造28を含む)のその後の「摩耗および引き裂き」(衣服/織物11の着用および/またはクリーニング)において望ましくなく促進されることが、認識される。ベース織物層13への壁構造28の望ましい連続的完全性/連結が重要であると考えられるため(例えば、導電性繊維22の望ましい絶縁性を提供するために)、および、ベース織物層13の望ましい完全性(例えば、完全な衣服/織物11のコンテキスト構造を提供する)が重要であると考えられるため、選択された1対の繊維24a、cタイプが、ベース織物層13の近傍の壁構造28とベース織物層13との両方の構造的な完全性と協調して維持する能力が重要である。
【0025】
例えば、一実施形態では、接続繊維24cおよびベース繊維24bは、壁構造28内で互いに組み合わせられた1対の繊維タイプとして壁繊維24aと共に含まれ、壁構造28を構成する繊維24a、b、cの交絡ネットワークの構造的完全性を協働して提供するようになっている。また、接続繊維24cは、同時にベース繊維24bとも組み合わせられ、従って、ベース織物層13を構成する繊維交絡の構造的完全性にも寄与すると考えられる。従って、壁構造28に存在する(および/または隣り合う)繊維24a、24bおよび/または24cの破壊/切断は、構造的完全性を損ない(例えば、壁構造28および/または壁構造28に隣り合うベース織物層13のほぐれ)、これは、織物計算プラットフォーム9(すなわち、ベース織物層13および壁構造28を含む)のその後の「摩耗および引き裂き」(衣服/織物11の着用および/またはクリーニング)において望ましくなく促進されることが、認識される。ベース織物層13への壁構造28の望ましい連続的完全性/連結が重要であると考えられるため(例えば、導電性繊維22の望ましい絶縁性を提供するために)、および、ベース織物層13の望ましい完全性(例えば、完全な衣服/織物11のコンテキスト構造を提供する)が重要であると考えられるため、選択された1対の繊維24a、b、cタイプが、ベース織物層13の近傍の壁構造28とベース織物層13との両方の構造的な完全性と協調して維持する能力が重要である。
【0026】
再び
図3および
図5を参照すると、壁構造28が、導電性繊維22を部分的に取り囲むように、第1側部30、第2側部32、および第3側部34を構成する織り合わせられた繊維24aを主に備える、例示的実施形態が示されている。壁構造28の第4側部36は、繊維24bを主にまたは完全に含む本体13の織物層から形成することができ、従って、繊維22の長さLに沿って導電性繊維22を完全に封入するように、4つの側部30、32、34、36を有する絶縁構造20を提供する。あるいは、
図6に示すように、壁構造28のさらなる例示的実施形態は、導電性繊維22を完全に取り囲むように、第1側部30、第2側部32、第3側部34、および第4側部36を構成する、織り合わせられた繊維24aを主に備える。次に、壁構造28の側部30、32、34、36のうちの1つ以上(例えば、2つ)を、繊維24bを主にまたは完全に含む本体13の織物層に接続26することができ、従って、導電性繊維22の長さLに沿って導電性繊維22を完全に封入するように、4つの側部30、32、34、36を有する絶縁構造20を提供する。この例では、本体13の織物層の繊維24bは、本体13の不織布層への壁構造28の接続部26に(任意に)使用される場合を除いて、側部30、32、34、36のうちの1つを構成しない。
図3または
図6のいずれの場合でも、壁構造28(空洞46内に導電性繊維22を封入する)の断面形状は、直線で構成された側部30、32、34、36から構成され得る(例えば、四角形)ことが、認識される。
図3または
図7のいずれの場合でも、壁構造28(空洞46内に導電性繊維22を封入する)の断面形状は、弓形である側部30、32、34、36から構成され得る(例えば、円形)ことが、認識される。
図3または
図6のいずれの場合でも、壁構造28(空洞46内に導電性繊維22を封入する)の断面形状は、弓形および直線の組み合わせである側部30、32、34、36から構成され得ることが、認識される。
【0027】
図7を参照すると、壁構造28(本体13の織物層の一部を利用する)、導電性繊維22、およびカバー織物層40を有する、絶縁導体20を組み込んだ例示的な衣服11断面が示されている。カバー層40は、衣服着用者の注目から壁構造28を視覚的に隠すために、衣服11に使用することができる。
図9を参照すると、壁構造28(本体13の織物層の一部を利用する)、導電性繊維22、織物カバー層40、および第2織物カバー層42を有する、絶縁導体20を組み込んださらなる例示的な衣服1断面が示されている。カバー層40、42は、衣服着用者の注目から壁構造体28を視覚的に隠すために、衣服11に使用することができる。
【0028】
カバー層40、42に関して、これらの層40、42は、連結されていなくてもよく、すなわち、カバー層40、42と壁構造28および/または本体13の織物層との間の相対移動を容易にする。あるいは、これらの層40、42は、接着剤および/または接続繊維44を使用することなどによって、連結されていなくてもよく、すなわち、カバー層40、42と壁構造28および/または本体13の織物層との間の相対移動を阻止する。さらに、導電性繊維22に関して、導電性繊維22は、壁構造28を構成する繊維24a、b、cのいずれにも連結されていなくてもよく、それによって、壁構造28の側部30、32、34、36と導電性繊維22との間の相対運動を容易にする。さらに、導電性繊維22に関して、導電性繊維22は、壁構造28を構成する繊維24a、b、cのいずれかに連結されてよく(例えば、繊維タイプ24a、24b、24cのいずれか1つまたは全てを介して)、それによって、壁構造28の側部30、32、34、36と導電性繊維22との間の相対運動を阻止する。
【0029】
主に壁構造28を構成する繊維24aは、導電性繊維22を含む壁構造28の空洞46内への水分の浸透を阻止するために、親水性材料または親水性被覆材料から構成することができる。さらに、主に壁構造28を構成する繊維24aは、導電性繊維22と、壁構造28(例えば、本体13の織物層内)の外部(すなわち、空洞46の外側)の繊維24bと、の間の望ましくない電荷の移動を阻止するために、電気絶縁材料から構成することができることが、認識される。導電性繊維22の材料は、導電性繊維22を通る電流の印加(または電流の生成)を介して、すなわち、装置14、23の対応する適用によって実行される着用者/使用者の感覚出力/入力として、熱/電気を生成/伝導する能力を有する導電性材料から、構成されることができる。例えば、導電性繊維22は、例えば、銀、ステンレス鋼、銅、および/またはアルミニウムなどの金属で作ることができる。導電性回路17/センサ/アクチュエータ18内のセグメントではない非導電性繊維を含む本体13の部分を形成する非導電性繊維24a、24b、24cは、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン等、およびその等価物などの入手可能な合成繊維、天然繊維および糸(綿、羊毛等、およびその等価物など)、それらの組み合わせおよび/または置換、および衣服11または織物構造9の最終特性に必要とされる各々、から選択することができる。
【0030】
図14aを参照すると、隣り合う本体13セクション54間のセクション52中に介在する、互いに隣り合う複数の壁構造28を備えるアコーディオン型構造50が、示されている。アコーディオン型構造50は、個々の壁構造28と、長さLに沿って各壁構造28内に収容されたそれぞれの導電性繊維22とを含み、それによってセンサ18の1つを形成する(
図3参照)。一例として、センサ18は、隣接する対象、例えば、衣服/織物11の着用者の身体、着用者および衣服/織物11の外部環境の温度を測定し、織物11(例えば、シートカバー、シート等)等に隣接する使用者の身体8の温度を測定するように、較正することができる。上述したように、各壁構造28は、互いに織り合わせられた繊維24aを備え、織物衣服11の本体13の表面層(すなわち、隣り合うセクション54)を構成する繊維24bのセットと相互接続26もされた(すなわち、織り合わせられた)壁構造28を形成する。アコーディオン型構造50は、衣服11の本体13から(例えば、片側または両側から(
図5および
図6を参照))延びることができることも、認識される。隣り合う壁構造28も互いに接続26されていることが、認識される。
【0031】
アコーディオン型構造50の利点は、壁構造28が、壁構造28の方向/長さLに対して横方向LAT(例えば、所望に応じて90度または他の角度)に延伸することを提供し、壁構造28の各々におけるそれぞれの導電性繊維22がL方向に延伸することが阻止される一方で、センサ18全体が、延伸することを容易にするようになっており、従って、衣服11の着用者と共にLAT方向に移動することである。アコーディオン型構造50におけるグループとしての壁構造28の各々の能力は、センサ18が隣リ合うベース本体13セクション54と共に延伸し、同時に個々の導体22における延伸を阻止することを提供する。例えば、予め延伸された構成(例えば、緩和状態-
図14a参照)における壁構造28の断面形状は円形であり、一方、延伸された構成(例えば、延伸状態-
図14b参照)における壁構造28の断面形状はより楕円形である。言い換えれば、壁構造28の断面(長さLに対して横方向)の寸法D1は、緩和状態から延伸状態に寸法が減少し、一方、D1および方向Lの両方に対して横方向の寸法D2は、緩和状態から延伸状態に寸法が増加し、従って、LAT方向における個々の導電性繊維22の延伸/変形を阻止しながら、LAT方向におけるセンサ18の延伸性または延伸能力を提供する。
【0032】
アコーディオン型構造50によって絶縁されたセンサ18では、個々の導体22(例えば、導電性繊維)は、壁構造28自体を構成するのに使用される他の繊維24a、c間の交絡、およびセクション50内の本体13繊維24bの隣り合うセットとの交絡と比較して、個々の導体がそれぞれの壁構造28内に含まれるので、長さLに沿って互いに織り合わせられないことに留意することが、重要である。導体22は、好ましくは、隣り合う壁構造28の各々のそれぞれの長さLに沿って、すなわち、壁構造体28の側部30、32、34、36を構成する織り合わせられた繊維24a、cのセットの存在によって、互いとの接触からシールドされるか、または絶縁されることが、認識される(
図5、6参照)。従って、壁構造28の側部30、32、34、36は、空洞46を形成し、空洞46では、それぞれの導電性繊維22が存在するか、さもなければ、壁構造28の外部の水および/または他の導電性物体/本体の存在に関して水分および/または電気的短絡からそれらをシールドするために、含まれる。
【0033】
図15A、B、Cを参照すると、センサ18のセンサ回路58a、58b、58cの例示的実施形態、すなわち、2ワイヤ、3ワイヤおよび4ワイヤRTD(抵抗温度検出器)温度センサ回路が、示されている。隣り合う壁構造28(織り合わせられた繊維24aを含む)は、例えば接続繊維24cを使用して、互いに接続26されることに留意されたい(しかしながら、壁構造28および隣り合う本体13セクション54の両方において共有される繊維24bは、単独でまたは接続繊維24cと組み合わせて、接続26として使用され得る)。図示のように、センサ回路58a、b、cの各々は、複数の導体22(例えば、それぞれ2、3、4)を有し、各々は、一方の端部60でコントローラ14に電気的に接続され、また、他方の端部62で互い(すなわち、導体22)の1つ以上に接続され、各端部60、62が壁構造体28の長さL(
図5参照)に関して互いに対向するようになっている。従って、端部62で、少なくとも一対の導体22は、互いに電気的に接続される(例えば、回路58a、b、cの検出器64部分を介して-例えば、センサ58a、b、cの代表抵抗素子)。他方の端部60で、導体の各々は、コントローラ14に電気的に接続される。導体22の各々は、エンドポイント60、62間の回路58a、b、c内で互いに電気的に平行に配置されていることが、認識される。さらに、導体22は、単に、一方の端部62で互いに、他端部60で共通のコントローラ14に、電気的に接続されている。このように、長さLに沿って、導体2は、アコーディオン型構造50を構成する隣り合う壁構造28を考慮すると、互いから電気的に絶縁されたままである。代表的な抵抗素子としての検出器素子64は、温度センサ18として特定された導体22の領域内の導体22の抵抗値によって提供され(
図2参照)、導体22の残りの部分が、導電経路17としての機能を果たすようになっていることが、認識される。
【0034】
経路17部分と同様にセンサ18部分としての機能を果たす導体22の異なる部分を示す
図16を参照されたい。この例では、4ワイヤ導体22の実施形態が、単なる例として示されている。壁構造28(
図15C参照)は、明確にするためだけに、
図16において省略されていることに、留意されたい。前述したように、長さLに沿った複数の導体22の部分66は、コントローラ14によって受信および解釈される、センサ18を組み込んだ衣服11(
図1、2参照)の着用者の隣接する身体部分の温度を感知するのに使用される長さLに沿った複数の導体22の部分70間の電気信号68の電気伝導を、提供する。導体22の部分70に隣接する着用者(および/または環境)の温度が測定されると、この温度値は、導体22の抵抗率の量に(制御装置14によって解釈されるように)相関する、例えば、温度が上昇すると、信号68を介してコントローラ14によって測定される導体22の抵抗率(例えば、一定に印加される電圧に対する電流の変化)が上昇することが、認識される。次に、部分70の抵抗率は、回路58a、b、cの両端の印加電圧を介して温度に相関する。導体の抵抗率は、温度と共に増加することが、認識される。銅/ステンレス鋼/銀の場合、抵抗率と温度との関係は、広い温度範囲でほぼ線形である。他の材料については、電力関係がより良く作用し得る。それ故に、導体の抵抗率は、温度と共に増加し、従って部分70(例えば、検出器64部分)の抵抗率は、コントローラ14に関連して経路17を介して測定されることが、認識される。
【0035】
図17を参照すると、センサ部分70(例えば、検出器64部分)内の複数の導電性繊維22の周りに壁構造28を有する絶縁導体20の実施形態が、示されている。センサ部分70(例えば、検出器64部分)内の導電性繊維22の抵抗率は、検出器部分64とコントローラ14との間のセンサ部分66(例えば、経路部分)内の導電性繊維22の抵抗率よりも大きくなり得ることが、認識される。換言すれば、経路部分66内の導電性繊維は、一方の端部で物理的コネクタ1、2、3、4に(コントローラ14の電子機器への電気的インターフェースとして)、他方の端部5、6で検出器部分64に、接続される。異なる部分66、70内の導電性繊維22の抵抗率の差は、経路部分66内の導電性繊維22の影響が、回路部分70の検出器部分64内の導電性繊維22の温度検出能力の抵抗率(および従って感度)に過度に影響を及ぼすのを阻止するのに、使用することができる。
【0036】
図18に示されているのは、検出器部分64(複数の導電性繊維22が並んでいる)が、その中の複数の導電性繊維22のために互いに隣り合うそれぞれの壁構造28を有する(ゴースト図で)例である。これは、経路部分66内の導電性繊維22と比較され、それは、壁構造28内にはなく、従って壁構造28によって絶縁されておらず、従ってベース織物層13の本体繊維24bに直接織り合わせられることができる(
図3参照)。この例では、経路部分66内の導電性繊維22の抵抗率は、例えば、異なる部分66、70内の導電性繊維22の材料の差(すなわち、異なる材料)、および/または異なる部分66、70間の導電性繊維22の断面積の差によって、検出器部分64内の導電性繊維22の抵抗率よりも小さくなり得る。
【0037】
図19に示されているのは、検出器部分64(複数の導電性繊維22が並んでいる)が、その中の複数の導電性繊維22のために互いに隣り合うそれぞれの壁構造28を有する(ゴースト図で)例である。これは、経路部分66内の導電性繊維22と比較され、それは、また壁構造28内にあり、従ってそれらの壁構造28によってまた絶縁され、従ってベース織物層13の本体繊維24bに直接織り合わせられない(
図3参照)。この例では、経路部分66内の導電性繊維22の抵抗率は、例えば、異なる部分66、70内の導電性繊維22の材料の差(すなわち、異なる材料)、および/または異なる部分66、70間の導電性繊維22の断面積の差によって、検出器部分64内の導電性繊維22の抵抗率よりも小さくなり得る。
【0038】
再び
図18および
図19を参照すると、検出器部分64内で互いに隣り合う導電性繊維22の複数のセグメント22aが示されている。これらのセグメント22aは、それぞれの壁構造28の長さLに沿ってそれぞれ延びている(
図14a参照)。また、様々なセグメント22aを相互接続する導電性繊維22のセグメント22bも示されている。セグメント22bは、セグメント22aのための壁構造28の長さLに対して横方向に配置されるが、しかしながら、これらのセグメント22bは、横方向に延びる(すなわち、セグメント22aのための壁構造28に隣り合う壁構造28の間で)それら自体の壁構造28に含まれることもできる。このようにして、例えば、複数のセグメント22a、bから構成される導電性繊維22は、互いに隣り合うそれぞれの壁構造28内で絶縁される。
【0039】
図17を参照すると、外部コネクタ1および4を通じて定電流(I)を流すために使用されるコントローラ電子機器14aの一例が示されている。電圧降下は、例えば、内部コネクタ2および3の両端で測定される。従って、V=IRから、コントローラ14は、検出器部分64の抵抗を決定することができる。図示されるように、電子機器14a(例えば、コンピュータプロセッサ80およびメモリ82を含む)は、測定された抵抗を対応する温度と相関させ(例えば、記憶された相関テーブルを介して)、従ってそれをコントローラ14のオペレータに報告するのに使用され得る。電子回路14aは、電流Iをコネクタ1、4に流すための電源84も有することが、認識される。従って、各編みコンジット28は、温度センサの位置まで長さ方向に個々の導電糸ストランド22を担持する(例えば、検出器部分64内のステンレス鋼糸)。各端部において、経路部分70内の導電糸ストランド22の2つは、糸22の一方の端部に沿って共に接合することができる。他方の端部についても同様である。これにより、4ワイヤ温度センサが形成される。電子機器14aの500uAの精密電流源が、電子機器14aの24ビットADCおよびPGA(プログラマブル・ゲイン・アンプ)およびを使用して、抵抗を測定するのに使用されることができる。抵抗は、電圧に変換され、次に、電子回路14aによって温度に変換され得る。経路部分内の導電性繊維22は、それ自体の壁構造28内での交絡またはレイアウトによる長さによって制御されるので、較正は必要ではない。また、上述したように、導電性セグメント22a、22bは、次に、横方向に層状にされて(それぞれの壁構造28内で)、構造の「アコーディオン」の利点を提供する。これは、導電性セグメント22a、bが延伸するのを阻止するが、衣服/織物11の能動的使用中にベース織物層13がかなりの延伸を有することを可能にするので、有利である。
【0040】
図2、9、10および11を参照すると、一例示的実施形態例で、編み込みを使用して、織物(すなわち、センサ/アクチュエータ18の繊維を組み込んだ本体13繊維24b)の異なるセクションを共通の層(例えば、導電経路17および非導電性セクションを有する)に統合することができる。編み込みは、ステッチと称される、繊維または糸の複数のループを線またはチューブに形成することを含む。このようにして、編まれた織物中の繊維または糸は、蛇行経路(例えば、コース)をたどり、糸の中間経路の上下にループを形成する。これらの蛇行ループは、異なる方向に容易に延伸することができる。連続するループ列は、繊維または糸のインターロックループを使用して取り付けることができる。各列が進行するにつれて、繊維または糸の新たに作り出されたループは、前の列から繊維または糸の1つ以上のループを通じて引っ張られる。例えば、
図9に示すように、縦編み技術を使用して、織物(すなわち、センサ/アクチュエータ18の繊維を組み込んだ本体13繊維24b)の異なるセクションを共通の層(例えば、導電性経路および非導電性セクションを有する)に一体化することができる。
図11に示すように、織りは、織物を形成するさらなる交絡方法であることができ、糸または繊維の2つの別個のセットは、織物を形成するために、互いに対して横方向に(例えば、直角に)組み合わせられる。
【0041】
例えば、
図10は、例えば、導電性回路17および/またはセンサ/アクチュエータ18(
図1参照)のセグメントにおける、導電性繊維3505のネットワークの例示的編み構成を示す。この実施形態では、電気信号(例えば電流)は、コントローラ3508(例えばコントローラ14)によって制御されるように、電源(図示せず)から第1コネクタ3505を通じて導電性繊維3502に伝送される。電気信号は、接合点3510で非導電性繊維3501を通過して導電性繊維3502に沿った電気経路に沿って伝送される。電気信号は、非導電性繊維3501が電気を伝導できないので、接合点3510で非導電性繊維3501に伝搬されない。接合点3510は、隣り合う導電性繊維および非導電性繊維が互いに接触している(例えば、触れる)任意の点を指すことができる。
図10に示される実施形態では、非導電性繊維3501および導電性繊維3502は、共に編まれることによって組み合わせられるとして示されている。編みは、隣り合う導電性および非導電性繊維を交絡する一例示的実施形態にすぎない。非導電性ネットワーク3506を形成する非導電性繊維は、組み合わせられることができる(例えば、編みなどによって)ことに、留意されたい。非導電性ネットワーク3506は、非導電性繊維(例えば3501)および導電性繊維(例えば3514)を含むことができ、導電性繊維3514は、電気信号を伝送する導電性繊維(例えば3502)に電気的に接続される。例えば、
図10の繊維の交絡方法は、横編みと称されることができる。
【0042】
図10に示す実施形態では、電気信号は、接続点3511に到達するまで、導電性繊維3502に沿って接合点3510から伝送され続ける。ここで、電気信号は、導電性繊維3509が電気を伝導できるので、導電性繊維3502から導電性繊維3509に横方向(例えば横断)に伝搬する。接続点3511は、隣り合う導電性繊維(例えば、3502および3509)が互いに接触している(例えば、触れる)任意の点を指すことができる。
図10に示される実施形態では、導電性繊維3502および導電性繊維3509は、共に編まれることによって組み合わせられるとして示されている。この場合も、編みは、隣り合う導電性繊維を交絡する一例示的実施形態に過ぎない。電気信号は、接続点3511から電気経路に沿ってコネクタ3504に伝送され続ける。電気信号を電気経路(例えば、ネットワーク3505)からコネクタ3504に伝送するために、ネットワーク3505の少なくとも1つの繊維がコネクタ3504に取り付けられる。コネクタ3504は、電源(図示せず)に接続され、電気回路を完成する。
【0043】
図11は、導電性繊維3555のネットワークの例示的織り構成を示す。この実施形態では、電気信号(例えば電流)は、コントローラ3558(例えばコントローラ14)によって制御されるように、電源(図示せず)から第1コネクタ3555を通じて導電性繊維3552に伝送される。電気信号は、接合点3560で非導電性繊維3551を通過して導電性繊維3552に沿った電気経路に沿って伝送される。電気信号は、非導電性繊維3551が電気を伝導できないので、接合点3560で非導電性繊維3551に伝搬されない。接合点3560は、隣り合う導電性繊維および非導電性繊維が互いに接触している(例えば、触れる)任意の点を指すことができる。
図20に示す実施形態では、非導電性繊維3551および導電性繊維3502は、共に織られることによって組み合わせられるとして示されている。織りは、隣り合う導電性および非導電性繊維を交絡する一例示的実施形態に過ぎない。非導電性ネットワーク3556を形成する非導電性繊維も、組み合わせられることができる(例えば、織りなどによって)ことに、留意されたい。非導電性ネットワーク3556は、非導電性繊維(例えば、3551および3564)を含むことができ、また、電気信号を伝送する導電性繊維に電気的に接続されていない導電性繊維も含むことができる。電気信号は、接続点3561に到達するまで、導電性繊維3502に沿って接合点3560から伝送され続ける。ここで、電気信号は、導電性繊維3559が電気を伝導できるので、導電性繊維3552から導電性繊維3559に横方向(例えば横断)に伝搬する。接続点3561は、隣り合う導電性繊維(例えば、3552および3559)が互いに接触している(例えば、触れる)任意の点を指すことができる。
図11に示す実施形態では、導電性繊維3552および導電性繊維3559は、共に織られることによって組み合わせられるとして示されている。電気信号は、接続点3561から電気経路に沿って複数の接続点3561を通じてコネクタ3554に伝送され続ける。電気経路(例えば、ネットワーク3555)からコネクタ3554に電気信号を伝送するために、ネットワーク3555の少なくとも1つの導電性繊維がコネクタ3554に取り付けられる。コネクタ3554は、電源(図示せず)に接続され、電気回路を完成する。この場合も、織りは、接続繊維24cを介して本体13繊維24bに接続された繊維24aを含むコンジット20を織る交絡技術の明示において示される繊維24a、b、cなどの、隣り合う導電性繊維を交絡する一例示的実施形態に過ぎない。
【0044】
一般に、ニットファブリックは、垂直方向および水平方向に相互接続されたステッチの横列および縦列を作り出す一連のループに形成された1つ以上の繊維から構成されることが、認識される。ステッチの縦列はウェールと称され、ステッチの横列はコースと称される。
【0045】
図3および
図9を考慮して、本体13の織物層と組み合わせて絶縁導体20を作る繊維24a、24b、24c(任意選択)の交絡は、平編みとも称される、縦編み(織物が製造される方向を記述する)を介する交絡方法として編みを使用して提供されることができ、平編みは、これは、繊維24a、24b、24cが織物(壁構造28と本体13の組み合わせ)の長さに沿ってジグザグになる編み方法のファミリーであり、すなわち、単一列(横編みとも称される)ではなく、編みの隣り合う縦列またはウェールに続く。経編地は、織物を形成するように同時に垂直に(一緒に)ループされる複数の平行な繊維で作られる。経編地は、フラットヤーデジを提供するフラットベッド編み機で典型的に製造される。例えば、「フラット」またはV字形ベッド編み機は、上下逆の「V」構成で配置された2つの平らな針床で構成することができる。これらの針床は、幅2.5メートルまでとすることができる。キャリッジ(Camboxまたはヘッドとしても知られる)は、これらの針床を横切って前後に移動し、針を、選択的に、ステッチを編んだり、挟み込んだり、または移したりするように働かせる。横編機は、複雑なステッチデザイン、成形編組、正確な幅調整を提供することができる。この場合も、名前が暗示するように、フラットベッドは水平な針床であり、糸がフィーダ内のV字形針床を横切って移動する。
【0046】
比較のために、織物の幅を横切る編みは、横編み(丸編みとも称される)と呼ばれ、例えば
図10を参照されたい。縦編みとは対照的に、横編み(織物が製造される方向を記述する)は、各横列が前の列の上に築かれた、水平な横列またはコースを作り出すようにループされた単一の糸で作られた織物である。横編みは、織物のチューブを製造する丸編み機で典型的に行われる。例えば、丸は、名前が暗示するように、円形で編んでいる。ここでは、糸は針床に直接供給され(32本までの別々の糸)、針床は、一方向に回転し、中心を通って織物上にチューブを作り出す。本体13の織物層と組み合わせた所望の壁構造28の同時構築は、丸編み技術を用いて所望のように行うことはできない。従って、編みとして行われる交絡のために、縦編みは、本体13の織物層と組み合わせて所望の壁構造28を同時に構築するのに必要とされる。
【0047】
さらに、本体13の織物層との組み合わせで絶縁導体20を構成する繊維24a、24b、24c(任意選択)の交絡は、交絡方法として織りを使用して提供することができ、それは、一連の横糸(横方向)繊維と織り合わせられた一連の縦糸(縦方向)繊維から構成される。従って、織物において、縦および横という用語は、織物を構成する繊維の2セットの方向を指す。
【0048】
従って、図を参照して上述したように、衣服11のベース織物層13に統合された絶縁導体20のシステムであって、そのシステムは、壁繊維のセット24aと、少なくとも1つの導電性繊維22と、ベース繊維のセット24bと、を備え、壁繊維のセット24aは、長さLに沿って空洞46を画定する壁構造18を形成するように互いに組み合わせられ、非導電性材料を備え、少なくとも1つの導電性繊維22は、空洞46内で長さに沿って延び、壁構造18の壁繊維のセット24aが、空洞46の外部の長さLに沿って環境5から少なくとも1つの導電性繊維22を電気的に絶縁するために、少なくとも1つの導電性繊維22を囲むようになっており、ベース繊維のセット24bは、ベース織物層13を形成するように互いに組み合わせられ、ベース織物層13は、壁構造18への第1繊維相互接続部26と隣り合う第1側部10と、壁構造18への第2繊維相互接続部26と隣り合う第2側部12と、を有し、第1繊維相互接続部26は第2繊維相互接続部26に対向し、第1側部10および第2側部10は、ベース織物層13の表面を形成し、壁構造18が、第1側部10と第2側部12との間に介在するようになっており、第1繊維相互接続部26および第2繊維相互接続部26は、壁繊維のセット24aの構造的織物完全性およびベース繊維のセット24bの構造的織物完全性の一部を形成し、第1繊維相互接続部および第2繊維相互接続部の少なくとも1つの繊維への損傷は、壁繊維のセット24aの構造的織物完全性およびベース繊維のセット24bの構造的織物完全性の破壊をもたらす。
【0049】
図12を参照すると、上述のようにベース織物層13に組み込まれた壁構造28が示され、すなわち、壁構造28の交絡に組み込まれた1対以上の繊維タイプ、例えば、1対のタイプの繊維24a、b、1対のタイプの繊維24a、c、または2対のタイプの繊維24a、bおよび24a、cを使用して(
図3参照)、壁構造28交絡およびベース織物層13交絡の両方の共有構造的完全性を伴う。壁構造28の長さに沿って配置された導電性繊維22は、蛇行状に配向することができる、すなわち、壁構造28内の導電性繊維22の長さは、壁構造28自体の長さよりも大きい。例えば、導電性繊維22は、壁構造28の長さLに対して横方向Tに交互の折り畳み部22aを含むことができる。これらの交互の折り畳み部22aは、衣服/織物11が使用者/着用者によって使用されるときに、長さL方向および/または長さL方向および横断T方向の両方において、ベース織物層13が受ける延伸を有利に提供することができる。
【0050】
図13を参照すると、織物11のベース織物層13に統合された絶縁導体22を製造する方法100が示され、その方法は、第1壁繊維のセット24aを互いに組み合わせるステップ102であって、長さLに沿って空洞46を画定する第1壁構造28を形成し、第1壁繊維のセット24aは非導電性材料を備える、組み合わせるステップ102と、空洞46の中で長さLに沿って延びる少なくとも1つの導電性第1繊維22を位置決めするステップであって、第1壁構造28の第1壁繊維のセットが、空洞46の外部の長さLに沿って環境から少なくとも1つの導電性第1繊維22を電気的に絶縁するために、少なくとも1つの導電性第1繊維を囲むようになっている、位置決めするステップと、第2壁繊維のセット24aを互いに組み合わせるステップ104であって、長さLに沿って空洞46を画定する第2壁構造28を形成し、第2壁繊維のセット24aは非導電性材料を備える、組み合わせるステップ104と、空洞46の中で長さLに沿って延びる少なくとも1つの導電性第2繊維22を位置決めするステップ104であって、第2壁構造28の第2壁繊維のセットが、空洞46の外部の長さLに沿って環境から少なくとも1つの導電性第2繊維22を電気的に絶縁するために、少なくとも1つの導電性第2繊維を囲むようになっている、位置決めするステップ104と、ベース織物層13を形成するようにベース繊維のセット24bを互いに組み合わせるステップ106と、第1繊維相互接続部26および第2繊維相互接続部26を組み合わせるステップ108であって、ベース織物層13は、第1壁構造28への第1繊維相互接続部26と隣り合う第1側部10と、第2壁構造28への第2繊維相互接続部26と隣り合う第2側部12と、を有し、第1繊維相互接続部26は第2繊維相互接続部26に対向し、第1側部および第2側部は、ベース織物層13の表面を形成し、第1および第2壁構造28が、第1側部10と第2側部12との間に介在するようになっており、第1繊維相互接続部26および第2繊維相互接続部26は、第1および第2壁繊維のセット24aの構造的織物完全性およびベース繊維のセット24bの構造的織物完全性の一部をそれぞれ形成する、組み合わせるステップ108と、を含み、第1繊維相互接続部26または第2繊維相互接続部26の少なくとも1つの繊維への後続損傷は、第1/第2壁繊維のセット24aの構造的織物完全性およびベース繊維のセット24bの構造的織物完全性の破壊をもたらす。
【0051】
第1壁繊維24aの交絡102は、第2壁繊維24aの交絡104の後に続く103、方法100。第1壁繊維24aの交絡は、ベース繊維24bの交絡104の後に105続く、方法100。第2壁繊維24aの交絡104は、ベース繊維24bの交絡104の後に続く107、方法100。第1/第2壁繊維24aの交絡102は、第1繊維相互接続部26または第2繊維相互接続部26のうちの少なくとも1つの交絡108の後に続く109,110、方法100。ベース繊維24bの交絡106は、第1繊維相互接続部26または第2繊維相互接続部26のうちの少なくとも1つの交絡108の後に続く111、方法100。