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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-12
(45)【発行日】2022-08-22
(54)【発明の名称】レジン製造方法及び絶縁構造製造方法
(51)【国際特許分類】
   H02K 15/12 20060101AFI20220815BHJP
【FI】
H02K15/12 D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021538674
(86)(22)【出願日】2021-04-16
(86)【国際出願番号】 JP2021015726
(87)【国際公開番号】W WO2022044420
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2021-06-30
(31)【優先権主張番号】P 2020145094
(32)【優先日】2020-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山下 優
(72)【発明者】
【氏名】吉満 哲夫
(72)【発明者】
【氏名】武良 光太郎
(72)【発明者】
【氏名】今井 隆浩
【審査官】宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-131629(JP,A)
【文献】特開2003-096266(JP,A)
【文献】国際公開第2016/152839(WO,A1)
【文献】特許第6758526(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0045841(US,A1)
【文献】特開2015-231322(JP,A)
【文献】国際公開第2016/104141(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 3/34
H02K 15/12
H01B 3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電体の外周部に形成される絶縁構造に含浸されるレジンを製造する方法であって、
エポキシ樹脂と、前記エポキシ樹脂と反応することで前記エポキシ樹脂の粘度を低下させる反応性希釈剤にナノフィラーが分散された分散液とを混合する分散液混合工程と、
前記分散液混合工程により生成された組成物と、前記エポキシ樹脂を硬化させる硬化剤とを混合する硬化剤混合工程と、
を含み、
前記レジンは、前記エポキシ樹脂、前記ナノフィラー、前記反応性希釈剤、及び硬化剤を下記割合で含む、
エポキシ樹脂:30wt%~60wt% …(1)
酸無水物系硬化剤:30wt%~60wt% …(2)
反応性希釈剤:5wt%~30wt% …(3)
ナノフィラー:(1)~(3)の混合物全体に対し2wt%~30wt%
レジン製造方法。
【請求項2】
前記エポキシ樹脂は、脂環式エポキシ樹脂を含む、
請求項1に記載のレジン製造方法。
【請求項3】
前記反応性希釈剤は、アルキレンモノグリシジルエーテル、アルキレンジグリシジルエーテル、1,12-ドデカンジオールジグリシジルエーテル、及び1,2-エポキシテトラデカンのうちの少なくとも1つを含む、
請求項2に記載のレジン製造方法。
【請求項4】
前記分散液中の前記ナノフィラーの粒径は、50nm以下である、
請求項1~3のいずれか1項に記載のレジン製造方法。
【請求項5】
導電体の外周部に形成される絶縁構造を製造する方法であって、
ナノフィラーを含むレジンを製造するレジン製造工程と、
前記導電体の外周部に巻回された非導電性のテープ状部材に前記レジンを含浸させる工程と、
を含み、
前記レジン製造工程は、
エポキシ樹脂と、前記エポキシ樹脂と反応することでエポキシ樹脂の粘度を低下させる反応性希釈剤に前記ナノフィラーが分散された分散液とを混合する分散液混合工程と、
前記分散液混合工程により生成された組成物と、前記エポキシ樹脂を硬化させる硬化剤とを混合する硬化剤混合工程と、
を含み、
前記レジンは、前記エポキシ樹脂、前記ナノフィラー、前記反応性希釈剤、及び硬化剤を下記割合で含む、
エポキシ樹脂:30wt%~60wt% …(1)
酸無水物系硬化剤:30wt%~60wt% …(2)
反応性希釈剤:5wt%~30wt% …(3)
ナノフィラー:(1)~(3)の混合物全体に対し2wt%~30wt%
絶縁構造製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レジン製造方法及び絶縁構造製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電動機、発電機等の回転電機に用いられるコイルには、コイル内の導電体に流れる電流が外部に漏洩することを防止する絶縁構造が設けられる。
【0003】
上記のような絶縁構造として、導電体の外周部にマイカ等を含む絶縁テープを巻回し、絶縁テープ内の空間に金属酸化物等からなるフィラーを含むレジンを含浸させる構造が知られている。フィラーは、絶縁テープ内に生じた電気トリーの進展を抑制し、絶縁性能を向上させるように機能する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2013/0131218号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようなフィラーによる電気トリーの進展抑制効果は、フィラーの分散性に大きく依存する。フィラーの分散性が低いと、絶縁構造内でフィラーが凝集し、電気トリーが進展しやすい領域(樹脂のみの領域)が増加するため、電気トリーの進展抑制効果が小さくなる。
【0006】
また、フィラーを含むレジンの粘度は、絶縁構造の生産性に大きく影響する。例えば、レジンの粘度が意図せずに増加すると、レジンを絶縁テープ等に含浸させる作業が困難となる。
【0007】
上記のように、高性能な絶縁構造を効率的に製造するためには、フィラーの分散性及び粘度の安定性が高いレジンを製造することが重要となる。
【0008】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、高性能な絶縁構造を効率的に製造できるようにするレジン製造方法及び絶縁構造製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、導電体の外周部に形成される絶縁構造に含浸されるレジンを製造する方法であって、エポキシ樹脂と、エポキシ樹脂と反応することでエポキシ樹脂の粘度を低下させる反応性希釈剤にナノフィラーが分散された分散液とを混合する分散液混合工程と、分散液混合工程により生成された組成物と、エポキシ樹脂を硬化させる硬化剤とを混合する硬化剤混合工程と、を含むレジン製造方法である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係る回転電機の構成を示す断面図である。
図2図2は、実施形態に係る絶縁コイルの構成を示す斜視図である。
図3図3は、実施形態に係る絶縁コイルの構成を示す断面図である。
図4図4は、実施形態に係る主絶縁テープの構成を模式的に示す断面図である。
図5図5は、実施形態に係る主絶縁部の内部構造を模式的に示す断面図である。
図6図6は、実施形態に係るナノフィラーによる効果を模式的に示す断面図である。
図7図7は、実施形態に係る絶縁コイルの絶縁構造の製造方法における手順を示すフローチャートである。
図8図8は、実施形態に係る絶縁構造の製造方法に使用される含浸装置の前半段階における状態を示す図である。
図9図9は、実施形態に係る絶縁構造の製造方法に使用される含浸装置の後半段階における状態を示す図である。
図10図10は、実施形態に係るレジンの製造方法における手順を示すフローチャートである。
図11図11は、実施形態に係るレジンを用いて形成された含浸部から摘出した試験片を透過型顕微鏡で観察した結果を示す図である。
図12図12は、図11に示す結果の一部を10倍に拡大した結果を示す図である。
図13図13は、比較例に係るレジンの製造方法における手順を示すフローチャートである。
図14図14は、比較例に係るレジンを用いて形成された含浸部から摘出した試験片を透過型顕微鏡で観察した結果を示す図である。
図15図15は、図14に示す結果の一部を10倍に拡大した結果を示す図である。
図16図16は、比較例に係るナノフィラーによる効果を模式的に示す断面図である。
図17図17は、実施形態に係るレジンの粘度の経時的変化と比較例に係るレジンの粘度の経時的変化とを比較するグラフである。
図18図18は、実施形態に係るレジンを用いて製造した絶縁構造の電界-時間特性と、第1比較例に係るレジンを用いて製造した絶縁構造の電界-時間特性と、第2比較例に係るレジンを用いて製造した絶縁構造の電界-時間特性とを比較するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素及びその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
【0012】
<回転電機の構成>
【0013】
図1は、実施形態に係る回転電機1の構成を示す断面図である。
【0014】
回転電機1は、回転子10及び固定子20を有する。回転電機1は、例えば、電動機、発電機等の構成要素となるものである。
【0015】
回転子10は、ロータシャフト11及び回転子鉄心12を有する。ロータシャフト11は、その両端付近が軸受5により回転可能に軸支されている。軸受5は、回転電機1の外郭を構成するフレーム6と一体に設けられた軸受ブラケット7に固定されている。回転子鉄心12は、ロータシャフト11の外周面に固定され、ロータシャフト11と共に回転する。
【0016】
固定子20は、固定子鉄心21及び絶縁コイル22を有する。固定子鉄心21は、回転子鉄心12の径方向外側に隙間をあけて配置されている。絶縁コイル22は、固定子鉄心21に組み込まれ回転電機1に必須となる磁界を生じさせる部材であり、その外周部には後述する絶縁構造が設けられている。絶縁コイル22は、固定子鉄心21内を貫通するように組み付けられる。
【0017】
<絶縁コイルの構成>
【0018】
図2は、実施形態に係る絶縁コイル22の構成を示す斜視図である。図3は、実施形態に係る絶縁コイル22の構成を示す断面図である。
【0019】
絶縁コイル22は、積層導体31(導電体)、ターン絶縁部33、及び主絶縁部35を有する。ターン絶縁部33及び主絶縁部35により、絶縁コイル22の絶縁構造が構成される。
【0020】
積層導体31は、複数の導線31Aが積層されて構成されている。本実施形態に係る積層導体31は、14本(積層数7、列数2)の導線31Aが束ねられて構成されている。なお、積層導体31の構成はこれに限定されるものではなく、使用状況に応じて適宜設計されるべきものである。積層導体31は、例えば、14本より多くの導線31Aから構成されてもよいし、1本の導線31Aのみを積層し構成されていてもよい。
【0021】
各導線31Aの外面には、ターン絶縁部33が設けられている。その結果、積層導体31の外面は、ターン絶縁部33により覆われた状態となる。ターン絶縁部33の外側には、主絶縁部35が設けられている。主絶縁部35は、主絶縁テープ40(テープ状部材)が巻回されることにより構成されている。
【0022】
本実施形態に係る主絶縁テープ40は、ハーフラップ方式により螺旋状に巻回されている。主絶縁テープ40の幅をWとするとき、螺旋のピッチはW/2となる。すなわち、主絶縁テープ40は、前回のターンで巻かれた主絶縁テープ40と半分重なるように巻回されている。積層導体31の長手方向全体への巻回が一通り完了した後、更にその上に重ねるように主絶縁テープ40を巻回してもよい。これにより、主絶縁テープ40を多層状に形成できる。主絶縁テープ40の層数が増加するほど絶縁性能を向上させることができる。主絶縁テープ40の巻回数は求められる絶縁性能等に応じて適宜選択されればよい。
【0023】
図4は、実施形態に係る主絶縁テープ40の構成を模式的に示す断面図である。
【0024】
主絶縁テープ40は、主絶縁層41、繊維強化層42、及び重合体層43を有する。
【0025】
主絶縁層41は、非導電性の材料から構成され、主絶縁テープ40の絶縁機能を実現するための主要な部分である。繊維強化層42は、主絶縁層41を支持し、主絶縁テープ40全体としての強度を確保する機能を有する部分である。重合体層43は、接合用高分子を含み、繊維強化層42に浸透し、繊維強化層42と主絶縁層41とを接合させる機能を有する部分である。
【0026】
主絶縁層41は、例えば、マイカ、石綿、磁器粉末等の無機質を主成分として含む。繊維強化層42は、例えば、ガラス繊維、ポリエステル繊維等を主成分として含み、通常は網目状に編み込まれている。また、繊維強化層42は、繊維に限らず、不織布として構成される場合や、ポリエステル、ポリイミド等の高分子フィルムから構成される場合もある。重合体層43は、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等を主成分として含む。
【0027】
主絶縁層41の厚みは、例えば、100μm程度である。繊維強化層42の厚みは、主絶縁層41より薄く、例えば、30μm以下程度である場合が多い。なお、図4においては、主絶縁テープ40の構成要素として重合体層43が図示されているが、重合体層43は繊維強化層42に浸み込むため、重合体層43のみの厚みは殆ど存在しない。従って、主絶縁層41と繊維強化層42は、通常互いに殆ど接した状態となる。主絶縁テープ40は、通常は、主絶縁層41を絶縁対象である積層導体31に対面させ、繊維強化層42を外側にして巻回されるが、その逆の場合もある。
【0028】
<主絶縁部の内部構造>
【0029】
図5は、実施形態に係る主絶縁部35の内部構造を模式的に示す断面図である。
【0030】
図5において、積層導体31(導線31A)の長手方向に沿った断面が示されている。図5は、主絶縁テープ40の巻回が2回なされ、主絶縁部35に第1回目の巻回によるテーピング層Aと第2回目の巻回によるテーピング層Bとが含まれる場合を示している。
【0031】
主絶縁部35は、主絶縁層41及び含浸部50を有する。テーピング層A及びテーピング層Bのそれぞれにおいて、長手方向に互いに隣接する主絶縁層41同士は、幅の半分ずつ互いに重なり合っている。これは上記ハーフラップ方式の巻き方によるものである。
【0032】
含浸部50は、主絶縁層41と繊維強化層42とを接合させる重合体層43又はその周囲に、ナノフィラー55を含むレジンが浸透して形成された部分である。図5においては、繊維強化層42又はその周囲に浸み込んで形成された重合体層43を強調するために、主絶縁層41の厚さが薄く表現され、繊維強化層42を示す線が省略されている。図5に示すように、主絶縁層41の周囲は、ナノフィラー55が分散された含浸部50(重合体層43)で覆われた状態となる。また、ナノフィラー55を含むレジンは、主絶縁層41の内部にも浸透しているが、図5ではその表現が省略されている。
【0033】
ナノフィラー55は、非導電性のナノオーダーの粒子であり、例えば、金属酸化物を含む粒子である。ナノフィラー55の粒径は、50nm以下であることが好ましい。ナノフィラー55を構成する具体的な物質例については後述する。
【0034】
図6は、実施形態に係るナノフィラー55による効果を模式的に示す断面図である。
【0035】
図6において、含浸部50に電気トリーTが発生している状態が示されている。電気トリーTは、積層導体31と固定子20とに加わる電圧により生じる電気的な劣化現象である。電気トリーTが進展して主絶縁部35の表層部にまで達すると、絶縁破壊が起き、回転電機1はその運転を停止することになる。
【0036】
含浸部50内に分散しているナノフィラー55は、電気トリーTの直線的な進展を抑制し、電気トリーTの進展速度を低下させる進展抑制効果を有する。これにより、主絶縁部35の絶縁性能を向上させることができる。このような進展抑制効果は、ナノフィラー55の含有量だけでなく、分散性に強く依存して変化する。進展抑制効果は、含浸部50内におけるナノフィラー55の分散性(分散の均一性)が高い程大きくなる。従って、進展抑制効果(絶縁性能)を向上させるためには、ナノフィラー55の分散性が高いレジンを使用することが重要となる。
【0037】
<絶縁構造の製造方法>
【0038】
図7は、実施形態に係る絶縁コイル22の絶縁構造の製造方法における手順を示すフローチャートである。図8は、実施形態に係る絶縁構造の製造方法に使用される含浸装置60の前半段階における状態を示す図である。図9は、実施形態に係る絶縁構造の製造方法に使用される含浸装置60の後半段階における状態を示す図である。
【0039】
先ず、積層導体31に主絶縁テープ40を巻回し(図2参照)、レジン含浸前の絶縁コイル22を形成する(S101)。その後、レジン含浸前の絶縁コイル22を、固定子鉄心21内に挿入して組み付け、固定子ユニット90(図8参照)を形成する(S102)。その後、含浸装置60内に固定子ユニット90を設置し(S103)、含浸装置60内を真空引きする(S104)。
【0040】
図8に示すように、含浸装置60は、容器61、排気配管62、排気弁62A、供給配管63、供給弁63A、及び処理槽64を有する。ステップS103において、容器61内に載置された処理槽64内に固定子ユニット90が設置される。その後、ステップS104において、容器61内が真空引きされる。真空引きを行う際には、供給弁63Aを閉じ、排気配管62に接続された吸引装置により容器61内の空気を吸引する。この結果、絶縁コイル22の内部は、ターン絶縁部33及びその周囲に巻回された主絶縁テープ40内の空間も、全て真空状態となる。
【0041】
上記のように真空引きを行った後、図9に示すように、処理槽64内の固定子ユニット90をレジン47で浸漬する(S105)。このとき、排気弁62Aを閉じ、供給配管63から処理槽64内にレジン47を供給する。レジン47は、固定子ユニット90全体が浸漬されるように供給される。
【0042】
上記のようにレジン47で固定子ユニット90を浸漬した後、含浸装置60(容器61)内を加圧する(S106)。加圧は、図9に示すように、供給弁63Aを開き、供給配管63から容器61内に加圧ガス65を供給することにより行われる。加圧ガス65は、レジン47と反応しない物質であることが好ましく、例えば、窒素ガス、乾燥空気等の不活性ガスであることが好ましい。このように容器61内を加圧することにより、ナノフィラー55を含むレジン47が絶縁コイル22のターン絶縁部33及び主絶縁テープ40内に含浸される。
【0043】
その後、含浸装置60から固定子ユニット90を取り出し(S107)、主絶縁テープ40を含む絶縁コイル22の内部に含浸されたレジン47を固化させる(S108)。レジン47を固化させる方法は、利用するエポキシ樹脂の性質に応じて決定されるが、例えば、熱硬化性エポキシ樹脂を利用する場合には、固定子ユニット90を所定温度の乾燥炉内に所定時間収容する方法等が行われ、最終的に固定子20となる(図1参照)。その後、固定子20は、外郭を構成するフレーム6に取り付けられる。なお、回転電機1の仕様によっては、フレーム6に予め取り付けられた固定子鉄心21内に絶縁コイル22を組み付ける場合もある。この場合、フレーム6と固定子鉄心21と絶縁コイル22とが組み付けられたものを固定子ユニット90として扱う。
【0044】
<レジンの製造方法>
【0045】
以下に、主絶縁テープ40内に含浸させるレジン47の製造方法について説明する。上述したように、ナノフィラー55による電気トリーTの進展抑制効果(主絶縁部35の絶縁性能)を向上させるためには、主絶縁テープ40内にナノフィラー55が高い分散性(均一性)で分散された含浸部50を形成することが必要となる。そして、そのような含浸部50を形成するためには、ナノフィラー55の分散性が高いレジン47を製造して使用することが重要となる。
【0046】
本実施形態に係るレジン47は、エポキシ樹脂、ナノフィラー、反応性希釈剤、及び酸無水物系硬化剤(硬化剤)を混合させて生成される組成物である。
【0047】
エポキシ樹脂は、炭素原子2個と酸素原子1個からなる三員環を1分子中に2個以上含み硬化し得る化合物を含む。エポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノールAエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等を主成分として含む。エポキシ樹脂は、これらの化合物を単独で含んでもよいし、2種以上含んでもよい。特に、エポキシ樹脂は、反応性希釈剤との化学親和性の観点から、脂環式エポキシ樹脂を含むことが好ましい。
【0048】
ナノフィラーは、非導電性の金属酸化物等を含む。ナノフィラーは、例えば、アルミナ、シリカ、酸化チタン、酸化マグネシウム、三酸化ビスマス、二酸化セリウム、一酸化コバルト、酸化銅、三酸化鉄、酸化ホルミウム、酸化インジウム、酸化マンガン、酸化錫、酸化イットリウム、酸化亜鉛等を主成分として含む。ナノフィラーは、これらの化合物を単独で含んでもよいし、2種以上含んでもよい。ナノフィラーの表面は、エポキシ樹脂中での分散性の向上、再凝集の防止、接着性の向上等を目的として、カップリング剤により改質されてもよい。
【0049】
反応性希釈剤は、エポキシ樹脂と反応することでエポキシ樹脂の粘度を低下させるものである。反応性希釈剤は、分子骨格に反応基を持つことで、熱硬化性樹脂組成物の硬化物における骨格の一部となることができる化合物を含む。反応性希釈剤は、例えば、ブチルグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、アルキレンモノグリシジルエーテル、アルキルフェノールモノグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、アルキレンジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,12-ドデカンジオールジグリシジルエーテル、o-クレジルグリシジルエーテル、1,2-エポキシテトラデカン等を主成分として含む。反応性希釈剤は、これらの化合物を単独で含んでもよいし、2種以上含んでもよい。特に、反応性希釈剤は、エポキシ樹脂に脂環式エポキシ樹脂が含まれる場合には、ブチルグリシジルエーテルを含むことが好ましい。
【0050】
酸無水物系硬化剤は、例えば、4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサハイドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水メチルハイミック酸等を主成分として含む。酸無水物系硬化剤は、これらの化合物を単独で含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
【0051】
なお、レジン47を乾燥炉等で固化(硬化)させる工程における反応を速めるために、硬化促進剤を使用してもよい。硬化促進剤は、例えば、エポキシ化合物と酸無水物系硬化剤との架橋反応を加速できる化合物を含む。硬化促進剤は、例えば、金属キレート化合物、アンモニウムイオン化合物、イミダゾール化合物等を主成分として含む。硬化促進剤は、これらの化合物を単独で含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
【0052】
レジン47は、例えば、エポキシ樹脂、ナノフィラー、反応性希釈剤、及び酸無水物系硬化剤を下記割合で含む。
エポキシ樹脂:30wt%~60wt% …(1)
酸無水物系硬化剤:30wt%~60wt% …(2)
反応性希釈剤:5wt%~30wt% …(3)
ナノフィラー:(1)~(3)の混合物全体に対し2wt%~30wt%
【0053】
図10は、実施形態に係るレジン47の製造方法における手順を示すフローチャートである。
【0054】
先ず、反応性希釈剤にナノフィラーが分散された分散液を準備する(S201)。その後、エポキシ樹脂と、ステップS201で準備された分散液とを混合する(分散液混合工程:S202)。その後、ステップS202により生成された組成物と、酸無水物系硬化剤とを混合する(硬化剤混合工程:S203)。そして、ステップS203により生成された組成物をレジン47として収集する(S204)。
【0055】
上記のように製造されたレジン47は、上述したように、絶縁コイル22に巻回された主絶縁テープ40内の空間に含浸されるレジン47として使用される。
【0056】
なお、上記においては、硬化促進剤を使用する工程について示されていないが、必要に応じて硬化促進剤を使用してもよい。
【0057】
<ナノフィラーの分散性についての評価>
【0058】
以下に、本実施形態に係る製造方法により製造されたレジン47を主絶縁テープ40に含浸させた場合における含浸部50内のナノフィラー55の分散性について評価する。
【0059】
図11は、実施形態に係るレジン47を用いて形成された含浸部50から摘出した試験片を透過型顕微鏡で観察した結果を示す図である。図12は、図11に示す結果の一部を10倍に拡大した結果を示す図である。
【0060】
ここでは、シリカを主成分とするナノフィラー55が上記(1)~(3)の混合物全体に対して約5wt%の割合で含まれる場合を例示している。図11及び図12には、ナノフィラー55の凝集はほとんど見られず、15nm程度の粒径のナノフィラー55が均一に分散している状態が示されている。ナノフィラー55がこのように高い分散性で分散されていることにより、図6に示すように、電気トリーTの進展抑制効果が高いレベルで実現される。
【0061】
ここで、本実施形態に係るレジン47を用いた場合と比較例に係るレジンを用いた場合とを比較する。
【0062】
図13は、比較例に係るレジンの製造方法における手順を示すフローチャートである。
【0063】
比較例に係る製造方法においては、先ず、エポキシ樹脂にナノフィラーを混合する(S301)。この混合は、通常、プラネタリーミキサー(遊星式撹拌機)、3本ロールミキサー、ビーズミル撹拌機等を利用して行われる。その後、ステップS301により生成された組成物(混合物)に反応性希釈剤を混合する(S302)。その後、ステップS302により生成された組成物に酸無水物系硬化剤を混合する(S303)。そして、ステップS303により生成された組成物をレジンとして収集する(S204)。
【0064】
上記比較例に係る製造方法により製造されたレジンを主絶縁テープに本実施形態と同様に含浸させて含浸部を形成し、当該含浸部内のナノフィラーの分散性を評価する。
【0065】
図14は、比較例に係るレジンを用いて形成された含浸部から摘出した試験片を透過型顕微鏡で観察した結果を示す図である。図15は、図14に示す結果の一部を10倍に拡大した結果を示す図である。
【0066】
図14及び図15には、ナノフィラーが凝集してクラスター化している状態が示されている。また、クラスターの短径又は長径は、数10nm~数100nmに達していることが見て取れる。
【0067】
図16は、比較例に係るナノフィラー101による効果を模式的に示す断面図である。
【0068】
図16に示すように、比較例に係るナノフィラー101はクラスター化しているため、含浸部111内にはナノフィラー101が存在しない非存在領域(樹脂のみの領域)が比較的広く形成されてしまう。電気トリーTは、このような非存在領域を伝わってより直線的に進展しやすい。そのため、ナノフィラー101による電気トリーTの進展抑制効果は、図6に示すような本実施形態に係るレジン47を用いた場合に比べて小さくなる。
【0069】
<レジンの粘度の安定性についての評価>
【0070】
以下に、本実施形態に係る製造方法により製造されたレジン47の粘度の安定性について評価する。
【0071】
ナノフィラー55を含むレジン47の粘度は、時間経過に伴い増加する。例えば、熱硬化性のエポキシ樹脂を用いたレジン47の場合、硬化温度より低い環境下であっても、時間経過に伴い徐々に粘度が増加していき、ある限界値を超えると、もはや使用できなくなる。以下、レジン47の製造後、上記限界値に至るまでの期間をポットライフという。一旦準備したレジン47は、極力多くの回転電機1の固定子ユニット90を処理できることが経済的に望ましい。そのため、ポットライフは極力長いことが望ましい。すなわち、このような意図しない粘度増加の速度は、可能な限り遅いことが望ましい。レジン47の粘度の経時的変化の傾向は、レジン47に含まれるナノフィラー55の分散性に依存して変化する。
【0072】
図17は、実施形態に係るレジン47の粘度の経時的変化と比較例に係るレジンの粘度の経時的変化とを比較するグラフである。
【0073】
図17中、下方に位置する4つの線A1,A2,A3,A4は、本実施形態に係るレジン47の粘度の経時的変化を示している。ここで例示するレジン47は、エポキシ樹脂として脂環式エポキシ樹脂、酸無水物系硬化剤として酸無水物テトラヒドロ無水フタル酸、反応性希釈剤としてアルキレンモノグリシジルエーテル、ナノフィラー55として酸化チタンを用い、図10に示す製造方法により製造され、脂環式エポキシ樹脂:酸無水物テトラヒドロ無水フタル酸:アルキレンモノグリシジルエーテル≒40:40:15.5(wt%)で混合され、この混合物に粒径15nm程度の酸化チタンが5wt%,10wt%,15wt%,20wt%の割合で含まれるものである。線A1は酸化チタン(ナノフィラー55)の含有量が5wt%である場合、線A2は酸化チタンの含有量が10wt%である場合、線A3は酸化チタンの含有量が15wt%である場合、線A4は酸化チタンの含有量が20wt%である場合を示している。
【0074】
図17中、上方に位置する4つの線B1,B2,B3,B4は、比較例に係るレジンの粘度の経時的変化を示している。ここで例示するレジンは、エポキシ樹脂として脂環式エポキシ樹脂、酸無水物系硬化剤として酸無水物テトラヒドロ無水フタル酸、反応性希釈剤としてアルキレンモノグリシジルエーテル、ナノフィラー55として酸化チタンを用い、図13に示す製造方法により製造され、脂環式エポキシ樹脂:酸無水物テトラヒドロ無水フタル酸:アルキレンモノグリシジルエーテル≒40:40:15.5(wt%)で混合され、この混合物に粒径10nm~数100nm程度の酸化チタンが5wt%,10wt%,15wt%,20wt%の割合で含まれるものである。線B1は酸化チタン(ナノフィラー)の含有量が5wt%である場合、線B2は酸化チタンの含有量が10wt%である場合、線B3は酸化チタンの含有量が15wt%である場合、線B4は酸化チタンの含有量が20wt%である場合を示している。
【0075】
図17に示すように、本実施形態に係るレジン47の粘度の時間経過に伴う増加は、比較例に係るレジンより緩やかである。これは、比較例に係るレジンにおいてはナノフィラーが凝集してクラスター化しているのに対し、本実施形態に係るレジン47においてはナノフィラー55が均一に分散していることに起因する。このように、本実施形態に係る製造方法によれば、長期間にわたって低粘度を保つことができるため、可使寿命(ポットライフ)が長いレジン47を提供することが可能となる。
【0076】
<絶縁寿命についての評価>
【0077】
以下に、本実施形態に係る製造方法により製造されたレジン47を用いて製造した絶縁構造の絶縁寿命について評価する。
【0078】
図18は、実施形態に係るレジン47を用いて製造した絶縁構造の電界-時間特性と、第1比較例に係るレジンを用いて製造した絶縁構造の電界-時間特性と、第2比較例に係るレジンを用いて製造した絶縁構造の電界-時間特性とを比較するグラフである。
【0079】
図18において、線Aは、本実施形態に係るレジン47(図17の線A1に対応するもの)を用いて製造した絶縁構造の電界-時間特性を示している。線Bは、第1比較例に係るレジン(図13に示す製造方法により製造したレジン:図17の線B1に対応するもの)を用いて製造した絶縁構造の電界-時間特性を示している。線Cは、第2比較例に係るレジン(ナノフィラーを含まないレジン)を用いて製造した絶縁構造の電界-時間特性を示している。
【0080】
回転電機1の絶縁構造の長期にわたる電圧-寿命特性を評価する場合、実際に使用する回転電機1の電界:E(相間電圧/絶縁厚さ)に対し、Eより高い電界3点(E1,E2,E3)での寿命を先ず実験的に求め、それら3点を直線近似する。この近似直線を電界-時間特性と称するが、この電界-時間の近似直線を、実際に回転電機1を運転するときの電界に近いより低い電界側に外装することで、使用したい電界での寿命を予測し、その運転寿命を推定することができる。
【0081】
上記手法に基づき今回実施した結果を図18に示す。それぞれの打点は、同一条件で求めた各5本のコイルの平均値(ワイブル分布の63%)である。一例として、より低い電界として5kV/mmを考えると、第1比較例に係るレジンを用いた場合(図中B)の運転寿命は、第2比較例に係るレジンを用いた場合(図中C)の約2倍に留まるが、本実施形態に係るレジン47を用いた場合(図中A)の運転寿命は、第2比較例に係るレジンを用いた場合(図中C)の約100倍となる。これは、本実施形態によれば、上述したように、ナノフィラー55の分散性が高く、電気トリーTの進展抑制効果が第1比較例に比べて大きいことに起因している。
【0082】
<反応性希釈剤を使用しない場合について>
【0083】
上述したように、本実施形態に係るレジン製造方法は、反応性希釈剤を利用することを特徴の一つとして含むものである。ここで、反応性希釈剤以外の希釈剤を利用してナノフィラーを含むレジンを製造する第3比較例について言及する。
【0084】
第3比較例においては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、アルコール等の希釈剤にナノフィラーを分散させた分散液をエポキシ樹脂等(エポキシ樹脂又は硬化剤、或いは両者の混合物)に混合する。次に、当該分散液とエポキシ樹脂等との混合物に対し、加熱又は真空脱泡、或いは両者を併用することにより、混合物全体から稀釈剤を抜く。このような第3比較例に係る方法によっても、ナノフィラーを含むレジンを製造できる。
【0085】
しかしながら、第3比較例においては、当該分散液(ナノフィラーが分散されたアセトン等の希釈剤)をエポキシ樹脂等に混合して液状レジンを生成する過程で、予期せぬ化学反応が生じ、粘度の上昇、絶縁性能の低下等が生じる可能性が高い。また、第3比較例においては、希釈剤を抜くための工程(加熱又は真空脱泡、或いは両者の併用)が必要となるため、工程の複雑化、コストの増大化等の問題がある。
【0086】
これに対し、本実施形態によれば、上記第3比較例のような問題は発生せず、高品質なレジン47を比較的容易に且つ低コストで製造することが可能となる。
【0087】
以上のように、本実施形態によれば、ナノフィラー55の分散性及び粘度の安定性が高いレジン47を製造することが可能となる。これにより、高性能な絶縁構造を効率的に製造することが可能となる。また、ナノフィラー55を分散させるためにプラネタリーミキサー、3本ロールミキサー、ビーズミル撹拌機等の高価な装置を使用する必要をなくすことができる。
【0088】
上述の本発明の実施形態は、発明の範囲を限定するものではなく、発明の範囲に含まれる一例に過ぎない。本発明のある実施形態は、上述の実施形態に対して、例えば、具体的な用途、構造、形状、作用、及び効果の少なくとも一部について、発明の要旨を逸脱しない範囲において変更、省略、及び追加がされたものであっても良い。
【符号の説明】
【0089】
1…回転電機、5…軸受、6…フレーム、7…軸受ブラケット、10…回転子、11…ロータシャフト、12…回転子鉄心、20…固定子、21…固定子鉄心、22…絶縁コイル、31…積層導体(導電体)、31A…導線、33…ターン絶縁部、35…主絶縁部、40…主絶縁テープ(テープ状部材)、41…主絶縁層、42…繊維強化層、43…重合体層、47…レジン、50…含浸部、55…ナノフィラー、60…含浸装置、61…容器、62…排気配管、62A…排気弁、63…供給配管、63A…供給弁、64…処理槽、65…加圧ガス、90…固定子ユニット、T…電気トリー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
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