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特許7123292ゴムバンド付き粘着テープクリーナー用ホルダー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-15
(45)【発行日】2022-08-23
(54)【発明の名称】ゴムバンド付き粘着テープクリーナー用ホルダー
(51)【国際特許分類】
   A47L 25/00 20060101AFI20220816BHJP
【FI】
A47L25/00 A
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020220033
(22)【出願日】2020-12-21
(65)【公開番号】P2022098385
(43)【公開日】2022-07-01
【審査請求日】2021-01-30
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】595018020
【氏名又は名称】東都産業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】阿部 猛
【審査官】田村 惠里加
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3213247(JP,U)
【文献】特開2008-168107(JP,A)
【文献】特開2005-237798(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0038824(KR,A)
【文献】特開2020-130986(JP,A)
【文献】特開2020-163091(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着ロールテープを、テープ受けリングに装着した粘着テープクリーナー用ホルダーにおいて、前記テープ受けリングに装着した粘着ロールテープの剥ぎ取り切り離し面に、ゴム弾性体のゴムバンドを用いて覆い被せて括り、前記テープ受けリングに対し、前記ゴムバンドを粘着ロールテープと共に固定して使用し、前記ゴムバンドは、テープ受けリングの内部にゴムバンドを収納すると共に、テープ受けリングの内部から引き伸ばして粘着ロールテープに覆い被せたゴムバンド付き粘着テープクリーナー用ホルダー
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃用具に用いる粘着テープクリーナー用ホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の粘着テープクリーナー用ホルダーには、柔軟性の剥離バンド4の一端に留め具2と、他端にマグネット3を取り付けてテープ受け5の側面に、前記留め具2を固定し、他方側に鉄板7を取り付けたものがある。
そして、粘着テープ8を前記テープ受け5に嵌めこみ、剥離バンド4を粘着テープ8の上面に被せ、マグネット3で鉄板7に吸着して固定するものがあった。
(例えば、特許文献1参照)
【0003】
また、テープ受けリング4の側面端部に紐状ベルト6の一方端部を取り付けて固定し、他一方のテープ受けリング4に、前記ベルト6を締め付けるための引き締め付け用具を構成したものがある。
前記ベルト6を粘着ロールテープ11の上面に覆い被せ、前記引き締め付け用具によって、粘着ロールテープ11と共にテープ受けリング4にベルト6を引き締め付けて固定するものである。(例えば、特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-15512号公報
【0005】
【文献】 特許出願番号、特願2020-138288号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上に述べた従来の特許文献1に記載の粘着テープクリーナー用ホルダーは、柔軟性の剥離バンド4に取り付けたマグネット3を鉄板7に吸着させて剥離バンド4を粘着テープ8に被せていた。粘着テープ8が使用毎に少なくなってきた場合、剥離バンド4が緩み、粘着テープ8を支えられなくなるという問題があった。
それは、剥離バンド4でテープ受け5に強く引き締め付けて固定することができないからである。
【0007】
それに、特許文献2に記載の粘着テープクリーナー用ホルダーは、紐状のベルト6を粘着ロールテープ11の上面に覆い被せ、引き締め付け用具によって、ベルト6を引き締め付けて粘着ロールテープ11と共にテープ受けリング4に固定するものであって、ベルト6は、柔軟な布製等のベルト6を用いて引き締め付けている。
これらは、引き締め付け用具を構成しているため、部材及び部品形態が数多く必要となって製作において手間がかかり、製作コストが高くなる問題があった。
それに上述の剥離バンド4や布製紐状ベルト6は、床を転がすとガタつき音が発生する問題もあった。
【0008】
本発明は、このような従来の構成が有している問題を解決しようとするものであり、特許文献1で述べた柔軟性の剥離バンドやマグネット部品等、及び特許文献2による引き締め付け用具を必要とせず、粘着ロールテープの剥ぎ取り切り離し面の上面に、伸縮力を活用したゴム弾性のゴム製バンドを用いて覆い被せることでガタつき音を減少させ、且つ従来よりも部材及び部品数を減らし、製作コストの削減及び製作を容易にすることを目的としている。
【問題を解決するための手段】
【0009】
実施例1として、粘着ロールテープを、テープ受けリングに装着した粘着テープクリーナー用ホルダーにおいて、前記テープ受けリングに装着した粘着ロールテープの剥ぎ取り切り離し面に、ゴム弾性体のゴムバンドを用いて覆い被せて括り、粘着ロールテープと共にテープ受けリングに固定したゴムバンド付き粘着テープクリーナー用ホルダーを提供する。
【0010】
前記ゴムバンドは、適宜の幅広形状にして厚みは平らな平板状に構成し、これらを粘着ロールテープの剥ぎ取り切り離し面に覆い被せる。
【0011】
実施例2として、前記テープ受けリングに装着した粘着ロールテープの剥ぎ取り切り離し面に、ゴムバンドと柔軟な布製等の紐体バンドを連結併用しながら一体化にして覆い被せ、粘着ロールテープと共にテープ受けリングに固定する。
紐体バンドを中間に配置し、両端サイドにゴムバンドを組み合わせて紐体バンドをゴムバンドによる弾性を発揮させることである。
【0012】
上記の連結併用時の接合方法は、溶着等を用いればよく、これらの組み合わせにより、ゴムバンドの使用量を減らしてゴムの劣化を抑制し、紐体バンドで巻き付いた付着ゴミの除去を紐体バンドでの強靭力を発揮させる。
尚、上述の紐体バンドの左右何れかの両端部にゴムバンドのほかに、バネ等、他の弾性体を用いることもできる事は言うまでもなく、その場合コストが高価になるだけである。
【0013】
上述のゴム弾性体のゴムバンドの材質は、通常の伸縮性や弾力性のあるゴム弾性を用いるものでゴム弾性とは、弾性の性質をもつ物体のことである。
それに、上記のゴムバンドと紐体バンドの連結併用とは、紐体材質は、一般に布、麻、化学繊維、合成樹脂、革等を指し、これらとゴム弾性によるゴムバンドを一本に連結併用して一体化に組み合わせたものである。
【0014】
実施例3として、輪状のゴムバンドを用いて、粘着ロールテープの剥ぎ取り切り離し面に覆い被せて配置する方法でこの場合は輪状のゴムバンドのため、粘着ロールテープの剥ぎ取り切り離し面と、その裏側にも対面状にダブルに被せた状態にする方法である。
【0015】
実施例4として、テープ受けリングの内部に、ゴムバンドを収納して邪魔にならないように配置し、使用時、テープ受けリング内のゴムバンドを引き伸ばして粘着ロールテープに覆い被せる方法。
【0016】
上述のように、実施例1~実施例4によるゴムバンドを粘着ロールテープに覆い被せる方法は多種多様あり、これらを用途によって何れかを選択して用いればよい。
それに、これらの実施例1~実施例4においては、テープ受けリングに対し、ゴムバンドを粘着ロールテープと共に固定している。
【発明の効果】
【0017】
粘着ロールテープの剥ぎ取り切り離し面に覆い被せた一本化のゴムバンド及びゴムバンドと紐体バンドを組み合わせて用いて一体化に連結併用されたこれらの各バンドは、略伸ばした状態を保ちながら、粘着ロールテープ面の粘着剤で粘着して配置され、テープ受けリングと共に固定されるため前後方向に転がしてもバンドがずれず、緩むこともなく、且つテープが床等に粘り付いて剥ぎ取られることもなくなる。それに、粘着ロールテープに巻き付いた付着ゴミをゴムバンドの伸縮力を活用して容易に除去することができる。
【0018】
それに、テープを前後方向の回転に関係がなくなるため、回転方向への矢印印刷や剥ぎ取り明記印刷等不要となるため、低コストの粘着ロールテープ及び従来のような締め付け用具が不要となり、部材及び部品数が減り、低コストのゴムバンド付き粘着テープクリーナー用ホルダーが提供できる。
【0019】
粘着ロールテープが使用毎に剥ぎ取られて減少してもゴムバンドは伸縮自在であるため、粘着ロールテープに一定に覆い被せることができる。
そして、粘着ロールテープの剥ぎ取り切り離し面に覆い被せたゴムバンドを外してテープに巻き付いた付着ゴミを除去することで、切断用のミシン目の確認を容易にすると共にミシン目からのテープの切断ずれを阻止することができる。
【0020】
テープ受けリングの側面に設けた切り欠けガイドフックにゴムバンドを引っ掛けて通し、粘着ロールテープの剥ぎ取り切り離し面に覆い被せることで、切り欠けガイドフックが伸縮力のゴムバンドをガイドしながら導かせて配置ズレを防ぐと共に、粘着ロールテープをテープ受けリングに対してゴムバンドで括って結束力を保持することができる。
下記で述べる図8による実施例4を用いると、未使用時ゴムバンドをテープ受けリングの内部に収納することで邪魔にならない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】 本発明の実施例1による実施形態を示す一部断面図入り斜視図
図2】 同上による左側面図
図3】 同上による右側面図
図4】 本発明の実施例2による実施形態を示す一部断面図入り斜視図
図5】 本発明の実施例3による実施形態を示すもので、テープ受けリングの右側面に輪状ゴムバンドを取り付けた斜視図
図6】 同上によるテープ受けリングに粘着ロールテープを装着して輪状ゴムバンドを取り付けた一部断面図入り斜視図
図7】 同上によるテープ受けリング中央のホルダー支持軸棒を介してゴムバンドを取り付けた右側面図
図8】 本発明の実施例4による実施形態を示す一部断面図入り斜視図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、実施の形態を図1図8に基づいて説明する。
【0023】
【実施例1】
【0024】
図1図3においては、本発明の実施例1を示すもので、取っ手1付きのホルダー支持軸棒2をテープ受けリング3内に装着させて、テープ受けリング3に対して巻き芯4に巻かれた粘着ロールテープ5を嵌め込んでいる。
【0025】
テープ受けリング3の右側面側に設けたバンド通し孔8からゴムバンド7を上面及び側面に向けて貫通させ、ストッパー片9で外れないように取り付け、粘着ロールテープ5の剥ぎ取り切り離し面6の上面に、ゴムバンド7を少し引き伸ばして覆い被せる。
一方の左側面方向のゴムバンド7は、テープ受けリング3に設けた切り欠けガイドフック10にゴムバンド7を引っ掛けて通すと共に、着脱挿入つまみ11に設けたバンド通し孔8から貫通させてストッパー片9によって外れないように固着した、前記の着脱挿入つまみ11を空洞スペース12内に挿入して固定する。
【0026】
このようにゴムバンド7で粘着ロールテープ5に覆い被せて括り配置することで、粘着ロールテープ5とテープ受けリング3は、一体となって締め付けられて固定され、ホルダー支持軸棒2の取っ手1を持って容易に転がすことができる。
それに、剥ぎ取り切り離し面6にゴムバンド7を被せているため、前後の往復転がしができて、従来のような床等にテープが粘り付く問題もなくなり、且つ床を転がしてもゴムバンド7がゴム弾性の役目を発揮してガタつき音を減少させることもできる。
【0027】
粘着ロールテープ5に巻き付いた毛や紙等は、着脱挿入つまみ11を空洞スペース12から取り外してゴムバンド7で切開し、あらわれた切断用のミシン目等の剥ぎ取り切り離し面6から粘着ロールテープ5を剥ぎ取って切り離す。
【0028】
粘着ロールテープ5は使用毎に剥ぎ取られて少なくなっても、ゴム弾性のゴムバンド7は伸縮するため、縮んで粘着ロールテープ5と共にテープ受けリング3に一定に固定させることができる。以上実施例1による説明である。
【0029】
【実施例2】
【0030】
続いて、実施例2を図4に基づいて説明する。尚、実施例2においては、図1図3による実施例1と同様な重複説明は除き相違部分のみ説明する。
【0031】
中央に紐体バンド14を介してその左右にゴムバンド7を溶着接合等で連結し、一本の一体化にして、前記左右のゴムバンド7の両端部にL状フック13を取り付ける。
使用する場合は、左端部のL状フック13をテープ受けリング3の左側面端部に設けた切り欠けガイドフック10に引っ掛け通し固定すると共に、紐体バンド14を粘着ロールテープ5の剥ぎ取り切り離し面6に覆い被せて、一方の右片側のゴムバンド7に取り付けられたL状フック13をテープ受けリング3の右側面端部に引っ掛けて固定する。
【0032】
引き伸ばされた左右のゴム弾性の伸縮力を活用したゴムバンド7によって、テープ受けリング3の左右側面縁に引っ掛けて粘着ロールテープ5とテープ受けリング3とを締め付けて固定し、転がしを容易にしている。それに、紐体バンド14は、テープの剥ぎ取り切り離し面6に巻き付いた付着ゴミを切開除去時、強靭力を発揮する。
以上実施例2による説明である。
【0033】
【実施例3】
【0034】
実施例3を図5図7に基づいて説明する。これらにおいても、図1図4による同様な重複説明は除き相違部分のみ説明する。
【0035】
図5においては、テープ受けリング3の右側面に、丸パイプ状の支持軸棒用突出ガイド15を設けて、輪状のゴムバンド7の片端部を前記支持軸棒用突出ガイド15に貫通させて固着する。(図7側面図参照)
【0036】
図6図7は、テープ受けリング3に粘着ロールテープ5を装着し、輪状のゴムバンド7を剥ぎ取り切り離し面6に覆い被せて、ゴムバンド7でテープ受けリング3と共に縛り括って固定し、転がしを容易にしている。この場合は、輪状のゴムバンド7で括るためゴムバンド7が粘着ロールテープ5を介して上下二重対面状に装着されている。
テープ受けリング3の左側面に設けた上下の切り欠けガイドフック10にゴムバンド7を引っ掛け通して配置しているため転がしてもずれることがない。(図6図7参照)
以上、実施例3による説明である。
【0037】
【実施例4】
【0038】
実施例4を図8に基づいて説明する。これらにおいても、図1図7による同様な重複説明は除き相違部分のみ説明する。
【0039】
図8は、テープ受けリング3の内部にゴムバンド7を挿入し、左片端部をストッパー片9で固定して、一方の右片端部に着脱挿入つまみ11を取り付け、その部分にストッパー片9で固定する。
着脱挿入つまみ11をテープ受けリング3の右側面の空洞スペース12内に挿入させて固定し、ゴムバンド7をバンド通し孔8から貫通してテープ受けリング3の内部に収納している。
使用時、着脱挿入つまみ11でゴムバンド7を引き伸ばし、粘着ロールテープ5の剥ぎ取り切り離し面6に覆い被せて、テープ受けリング3の左側面に設けた切り欠けガイドフック10にゴムバンド7を引っ掛けて通し、着脱挿入つまみ11を左側面の空間スペース12内に固定する。
【0040】
装着例が二点鎖線による想像線で示しており、左側面から見た場合は実施例1の図2と全く同様で、図2での着脱挿入つまみ11に設けた切り欠け口16は、図8で示した右側面の位置に配置しても中央のホルダー支持軸棒2に対して影響がない。
【0041】
未使用時、ゴムバンド7は、テープ受けリング3の内部に収納されているため、邪魔にならなくてよい。ゴムバンド7を引き伸ばして粘着ロールテープ5の剥ぎ取り切り離し面6に覆い被せることで、粘着ロールテープ5とテープ受けリング3とを固定させることができ、転がしを容易にしている。以上、実施例4による説明である。
【0042】
上述、何れの実施例においても、ゴム弾性の伸縮力を活用したゴムバンド7によって、粘着ロールテープ5とテープ受けリング3とを括り締め付けて固定し、剥ぎ取り切り離し面6に覆い被せることができて、転がしを容易にしている。
それに、何れにおいてもゴムバンド7と紐体バンド14との組み合わせによる連結併用として用いることができる。
【符号の説明】
【0043】
1 取っ手
2 ホルダー支持軸棒
3 テープ受けリング
4 巻き芯
5 粘着ロールテープ
6 剥ぎ取り切り離し面
7 ゴムバンド
8 バンド通し孔
9 ストッパー片
10 切り欠けガイドフック
11 着脱挿入つまみ
12 空洞スペース
13 L状フック
14 紐体バンド
15 支持軸棒用突出ガイド
16 切り欠け口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8