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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-15
(45)【発行日】2022-08-23
(54)【発明の名称】穀物収穫乾燥調製管理システム
(51)【国際特許分類】
B02B 5/02 20060101AFI20220816BHJP
G06Q 50/02 20120101ALI20220816BHJP
B02B 7/00 20060101ALI20220816BHJP
A01D 41/127 20060101ALI20220816BHJP
A01F 25/00 20060101ALI20220816BHJP
G01G 19/52 20060101ALN20220816BHJP
【ＦＩ】
B02B5/02 A
G06Q50/02
B02B5/02 102A
B02B5/02 103Z
B02B7/00 C
A01D41/127 100
A01F25/00 F
G01G19/52 G
【請求項の数】
4
(21)【出願番号】P 2019002006
(22)【出願日】2019-01-09
(65)【公開番号】P2020110755
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2021-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】504150461
【氏名又は名称】国立大学法人鳥取大学
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092794
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 正道
(74)【代理人】
【識別番号】110000899
【氏名又は名称】特許業務法人新大阪国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森本 英嗣
(72)【発明者】
【氏名】高橋 努
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開２０１６－６５８１４（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開平１０－３１３６３８（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２００６－２５４７５８（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２０１７－１３４６５３（ＪＰ，Ａ）
(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)
Ｂ０２Ｂ ５／０２
Ｇ０６Ｑ ５０／０２
Ｂ０２Ｂ ７／００
Ａ０１Ｄ ４１／１２７
Ａ０１Ｆ ２５／００
Ｇ０１Ｇ １９／５２
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀物を収穫するコンバイン（Ｃ）と、収穫した穀物を乾燥する乾燥機（Ｋ）と、乾燥機（Ｋ）で乾燥した穀物を籾摺選別する籾摺選別機（４）と、籾摺選別機（４）で籾摺選別された仕上穀物を設定量ずつ計量する計量器（７）を備え、コンバイン（Ｃ）の運転情報と、乾燥機（Ｋ）の運転情報と、籾摺選別機（４）の運転情報と、計量器（７）の運転情報のそれぞれを管理用端末（Ｔ）に表示可能に構成し、コンバイン（Ｃ）における収穫運転時間と、乾燥機（Ｋ）における乾燥運転時間と、籾摺選別機（４）及び計量器（７）における調製運転時間毎の各運転時間を足し合わせた総運転時間を演算し、
コンバイン（Ｃ）で複数の圃場で収穫された穀物が、共通の乾燥機（Ｋ）に収容された場合には、前記総運転時間を、コンバイン（Ｃ）に搭載される収穫穀物の重量検出センサで測定された圃場毎の穀物量の情報に基づいて按分し、該按分した圃場毎の換算運転時間を管理用端末（Ｔ）に表示し、
ある圃場の穀物が複数の乾燥機（Ｋ）に跨って張り込まれた場合には、それぞれの乾燥機（Ｋ）における当該圃場の前記換算運転時間の合計を管理用端末（Ｔ）に表示することを特徴とする穀物収穫乾燥調製管理システム。
【請求項2】
穀物を収穫するコンバイン（Ｃ）と、収穫した穀物を乾燥する乾燥機（Ｋ）と、乾燥機（Ｋ）で乾燥した穀物を籾摺選別する籾摺選別機（４）と、籾摺選別機（４）で籾摺選別された仕上穀物を設定量ずつ計量する計量器（７）を備え、コンバイン（Ｃ）の運転情報と、乾燥機（Ｋ）の運転情報と、籾摺選別機（４）の運転情報と、計量器（７）の運転情報のそれぞれを管理用端末（Ｔ）に表示可能に構成し、コンバイン（Ｃ）における収穫運転時間と、乾燥機（Ｋ）における乾燥運転時間と、籾摺選別機（４）及び計量器（７）における調製運転時間毎の各運転時間を足し合わせた総運転時間を演算し、
コンバイン（Ｃ）で複数の圃場で収穫された穀物が、共通の乾燥機（Ｋ）に収容された場合には、前記総運転時間を、圃場毎の面積に基づいて按分し、該按分した圃場毎の換算運転時間を管理用端末（Ｔ）に表示し、
ある圃場の穀物が複数の乾燥機（Ｋ）に跨って張り込まれた場合には、それぞれの乾燥機（Ｋ）における当該圃場の前記換算運転時間の合計を管理用端末（Ｔ）に表示することを特徴とする穀物収穫乾燥調製管理システム。
【請求項3】
穀物を収穫するコンバイン（Ｃ）と、収穫した穀物を乾燥する乾燥機（Ｋ）と、乾燥機（Ｋ）で乾燥した穀物を籾摺選別する籾摺選別機（４）と、籾摺選別機（４）で籾摺選別された仕上穀物を設定量ずつ計量する計量器（７）を備え、コンバイン（Ｃ）の運転情報と、乾燥機（Ｋ）の運転情報と、籾摺選別機（４）の運転情報と、計量器（７）の運転情報のそれぞれを管理用端末（Ｔ）に表示可能に構成し、計量器（７）で計量された仕上穀物の総重量の情報を管理用端末（Ｔ）に送信する構成とし、
コンバイン（Ｃ）で複数の圃場で収穫された穀物が、共通の乾燥機（Ｋ）に収容された場合には、前記仕上穀物の総重量を、コンバイン（Ｃ）に搭載される収穫穀物の重量検出センサで測定された圃場毎の穀物量の情報に基づいて按分し、該按分した圃場毎の換算仕上穀物量を管理用端末（Ｔ）に表示し、
ある圃場の穀物が複数の乾燥機（Ｋ）に跨って張り込まれた場合には、それぞれの乾燥機（Ｋ）における当該圃場の前記換算仕上穀物量の合計を管理用端末（Ｔ）に表示することを特徴とする穀物収穫乾燥調製管理システム。
【請求項4】
穀物を収穫するコンバイン（Ｃ）と、収穫した穀物を乾燥する乾燥機（Ｋ）と、乾燥機（Ｋ）で乾燥した穀物を籾摺選別する籾摺選別機（４）と、籾摺選別機（４）で籾摺選別された仕上穀物を設定量ずつ計量する計量器（７）を備え、コンバイン（Ｃ）の運転情報と、乾燥機（Ｋ）の運転情報と、籾摺選別機（４）の運転情報と、計量器（７）の運転情報のそれぞれを管理用端末（Ｔ）に表示可能に構成し、計量器（７）で計量された仕上穀物の総重量の情報を管理用端末（Ｔ）に送信する構成とし、
コンバイン（Ｃ）で複数の圃場で収穫された穀物が、共通の乾燥機（Ｋ）に収容された場合には、前記仕上穀物の総重量を、圃場毎の面積に基づいて按分し、該按分した圃場毎の換算仕上穀物量を管理用端末（Ｔ）に表示し、
ある圃場の穀物が複数の乾燥機（Ｋ）に跨って張り込まれた場合には、それぞれの乾燥機（Ｋ）における当該圃場の前記換算仕上穀物量の合計を管理用端末（Ｔ）に表示することを特徴とする穀物収穫乾燥調製管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収穫した穀物を乾燥調製処理する乾燥調製設備に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献１には、コンバイン・乾燥機・籾摺機・計量器等を備え、各装置の運転情報を管理用の端末で管理する乾燥調製設備に関して、各装置の運転開始時間や作業終了時間を管理する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開２０１６－６５８１４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
乾燥調製設備の管理者が、乾燥調製作業を終えた後で、各装置における運転情報を把握したいという要望がある。
【0005】
本発明は、このような運転情報について、簡易な方法で管理者に提供できることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するために、
請求項１記載の発明は、
穀物を収穫するコンバイン（Ｃ）と、収穫した穀物を乾燥する乾燥機（Ｋ）と、乾燥機（Ｋ）で乾燥した穀物を籾摺選別する籾摺選別機（４）と、籾摺選別機（４）で籾摺選別された仕上穀物を設定量ずつ計量する計量器（７）を備え、コンバイン（Ｃ）の運転情報と、乾燥機（Ｋ）の運転情報と、籾摺選別機（４）の運転情報と、計量器（７）の運転情報のそれぞれを管理用端末（Ｔ）に表示可能に構成し、
コンバイン（Ｃ）における収穫運転時間と、乾燥機（Ｋ）における乾燥運転時間と、籾摺選別機（４）及び計量器（７）における調製運転時間毎の各運転時間を足し合わせた総運転時間を演算し、
コンバイン（Ｃ）で複数の圃場で収穫された穀物が、共通の乾燥機（Ｋ）に収容された場合には、前記総運転時間を、コンバイン（Ｃ）に搭載される収穫穀物の重量検出センサで測定された圃場毎の穀物量の情報に基づいて按分し、該按分した圃場毎の換算運転時間を管理用端末（Ｔ）に表示し、
ある圃場の穀物が複数の乾燥機（Ｋ）に跨って張り込まれた場合には、それぞれの乾燥機（Ｋ）における当該圃場の前記換算運転時間の合計を管理用端末（Ｔ）に表示することを特徴とする穀物収穫乾燥調製管理システムとする。
請求項１記載の発明は、
穀物を収穫するコンバイン（Ｃ）と、収穫した穀物を乾燥する乾燥機（Ｋ）と、乾燥機（Ｋ）で乾燥した穀物を籾摺選別する籾摺選別機（４）と、籾摺選別機（４）で籾摺選別された仕上穀物を設定量ずつ計量する計量器（７）を備え、コンバイン（Ｃ）の運転情報と、乾燥機（Ｋ）の運転情報と、籾摺選別機（４）の運転情報と、計量器（７）の運転情報のそれぞれを管理用端末（Ｔ）に表示可能に構成し、
コンバイン（Ｃ）における収穫運転時間と、乾燥機（Ｋ）における乾燥運転時間と、籾摺選別機（４）及び計量器（７）における調製運転時間毎の各運転時間を足し合わせた総運転時間を演算し、
コンバイン（Ｃ）で複数の圃場で収穫された穀物が、共通の乾燥機（Ｋ）に収容された場合には、前記総運転時間を、コンバイン（Ｃ）に搭載される収穫穀物の重量検出センサで測定された圃場毎の穀物量の情報に基づいて按分し、該按分した圃場毎の換算運転時間を管理用端末（Ｔ）に表示し、
ある圃場の穀物が複数の乾燥機（Ｋ）に跨って張り込まれた場合には、それぞれの乾燥機（Ｋ）における当該圃場の前記換算運転時間の合計を管理用端末（Ｔ）に表示することを特徴とする穀物収穫乾燥調製管理システムとする。
【0007】
これにより、実際の収穫量に基づいて圃場毎に要した運転時間を把握することができる。
【0008】
請求項２記載の発明は、
穀物を収穫するコンバイン（Ｃ）と、収穫した穀物を乾燥する乾燥機（Ｋ）と、乾燥機（Ｋ）で乾燥した穀物を籾摺選別する籾摺選別機（４）と、籾摺選別機（４）で籾摺選別された仕上穀物を設定量ずつ計量する計量器（７）を備え、コンバイン（Ｃ）の運転情報と、乾燥機（Ｋ）の運転情報と、籾摺選別機（４）の運転情報と、計量器（７）の運転情報のそれぞれを管理用端末（Ｔ）に表示可能に構成し、
コンバイン（Ｃ）における収穫運転時間と、乾燥機（Ｋ）における乾燥運転時間と、籾摺選別機（４）及び計量器（７）における調製運転時間毎の各運転時間を足し合わせた総運転時間を演算し、
コンバイン（Ｃ）で複数の圃場で収穫された穀物が、共通の乾燥機（Ｋ）に収容された場合には、前記総運転時間を、圃場毎の面積に基づいて按分し、該按分した圃場毎の換算運転時間を管理用端末（Ｔ）に表示し、
ある圃場の穀物が複数の乾燥機（Ｋ）に跨って張り込まれた場合には、それぞれの乾燥機（Ｋ）における当該圃場の前記換算運転時間の合計を管理用端末（Ｔ）に表示することを特徴とする穀物収穫乾燥調製管理システムとする。
穀物を収穫するコンバイン（Ｃ）と、収穫した穀物を乾燥する乾燥機（Ｋ）と、乾燥機（Ｋ）で乾燥した穀物を籾摺選別する籾摺選別機（４）と、籾摺選別機（４）で籾摺選別された仕上穀物を設定量ずつ計量する計量器（７）を備え、コンバイン（Ｃ）の運転情報と、乾燥機（Ｋ）の運転情報と、籾摺選別機（４）の運転情報と、計量器（７）の運転情報のそれぞれを管理用端末（Ｔ）に表示可能に構成し、
コンバイン（Ｃ）における収穫運転時間と、乾燥機（Ｋ）における乾燥運転時間と、籾摺選別機（４）及び計量器（７）における調製運転時間毎の各運転時間を足し合わせた総運転時間を演算し、
コンバイン（Ｃ）で複数の圃場で収穫された穀物が、共通の乾燥機（Ｋ）に収容された場合には、前記総運転時間を、圃場毎の面積に基づいて按分し、該按分した圃場毎の換算運転時間を管理用端末（Ｔ）に表示し、
ある圃場の穀物が複数の乾燥機（Ｋ）に跨って張り込まれた場合には、それぞれの乾燥機（Ｋ）における当該圃場の前記換算運転時間の合計を管理用端末（Ｔ）に表示することを特徴とする穀物収穫乾燥調製管理システムとする。
【0009】
これにより、管理者は、簡易な方法で圃場毎に要した運転時間を把握することができる。
【0010】
請求項３記載の発明は、
穀物を収穫するコンバイン（Ｃ）と、収穫した穀物を乾燥する乾燥機（Ｋ）と、乾燥機（Ｋ）で乾燥した穀物を籾摺選別する籾摺選別機（４）と、籾摺選別機（４）で籾摺選別された仕上穀物を設定量ずつ計量する計量器（７）を備え、コンバイン（Ｃ）の運転情報と、乾燥機（Ｋ）の運転情報と、籾摺選別機（４）の運転情報と、計量器（７）の運転情報のそれぞれを管理用端末（Ｔ）に表示可能に構成し、
計量器（７）で計量された仕上穀物の総重量の情報を管理用端末（Ｔ）に送信する構成とし、
コンバイン（Ｃ）で複数の圃場で収穫された穀物が、共通の乾燥機（Ｋ）に収容された場合には、前記仕上穀物の総重量を、コンバイン（Ｃ）に搭載される収穫穀物の重量検出センサで測定された圃場毎の穀物量の情報に基づいて按分し、該按分した圃場毎の換算仕上穀物量を管理用端末（Ｔ）に表示し、
ある圃場の穀物が複数の乾燥機（Ｋ）に跨って張り込まれた場合には、それぞれの乾燥機（Ｋ）における当該圃場の前記換算仕上穀物量の合計を管理用端末（Ｔ）に表示することを特徴とする穀物収穫乾燥調製管理システムとする。
穀物を収穫するコンバイン（Ｃ）と、収穫した穀物を乾燥する乾燥機（Ｋ）と、乾燥機（Ｋ）で乾燥した穀物を籾摺選別する籾摺選別機（４）と、籾摺選別機（４）で籾摺選別された仕上穀物を設定量ずつ計量する計量器（７）を備え、コンバイン（Ｃ）の運転情報と、乾燥機（Ｋ）の運転情報と、籾摺選別機（４）の運転情報と、計量器（７）の運転情報のそれぞれを管理用端末（Ｔ）に表示可能に構成し、
計量器（７）で計量された仕上穀物の総重量の情報を管理用端末（Ｔ）に送信する構成とし、
コンバイン（Ｃ）で複数の圃場で収穫された穀物が、共通の乾燥機（Ｋ）に収容された場合には、前記仕上穀物の総重量を、コンバイン（Ｃ）に搭載される収穫穀物の重量検出センサで測定された圃場毎の穀物量の情報に基づいて按分し、該按分した圃場毎の換算仕上穀物量を管理用端末（Ｔ）に表示し、
ある圃場の穀物が複数の乾燥機（Ｋ）に跨って張り込まれた場合には、それぞれの乾燥機（Ｋ）における当該圃場の前記換算仕上穀物量の合計を管理用端末（Ｔ）に表示することを特徴とする穀物収穫乾燥調製管理システムとする。
【0011】
これにより、管理者は、実際の収穫量に基づいて圃場毎の仕上穀物量を把握することができる。
【0012】
請求項４記載の発明は、
穀物を収穫するコンバイン（Ｃ）と、収穫した穀物を乾燥する乾燥機（Ｋ）と、乾燥機（Ｋ）で乾燥した穀物を籾摺選別する籾摺選別機（４）と、籾摺選別機（４）で籾摺選別された仕上穀物を設定量ずつ計量する計量器（７）を備え、コンバイン（Ｃ）の運転情報と、乾燥機（Ｋ）の運転情報と、籾摺選別機（４）の運転情報と、計量器（７）の運転情報のそれぞれを管理用端末（Ｔ）に表示可能に構成し、
計量器（７）で計量された仕上穀物の総重量の情報を管理用端末（Ｔ）に送信する構成とし、
コンバイン（Ｃ）で複数の圃場で収穫された穀物が、共通の乾燥機（Ｋ）に収容された場合には、前記仕上穀物の総重量を、圃場毎の面積に基づいて按分し、該按分した圃場毎の換算仕上穀物量を管理用端末（Ｔ）に表示し、
ある圃場の穀物が複数の乾燥機（Ｋ）に跨って張り込まれた場合には、それぞれの乾燥機（Ｋ）における当該圃場の前記換算仕上穀物量の合計を管理用端末（Ｔ）に表示することを特徴とする穀物収穫乾燥調製管理システムとする。
穀物を収穫するコンバイン（Ｃ）と、収穫した穀物を乾燥する乾燥機（Ｋ）と、乾燥機（Ｋ）で乾燥した穀物を籾摺選別する籾摺選別機（４）と、籾摺選別機（４）で籾摺選別された仕上穀物を設定量ずつ計量する計量器（７）を備え、コンバイン（Ｃ）の運転情報と、乾燥機（Ｋ）の運転情報と、籾摺選別機（４）の運転情報と、計量器（７）の運転情報のそれぞれを管理用端末（Ｔ）に表示可能に構成し、
計量器（７）で計量された仕上穀物の総重量の情報を管理用端末（Ｔ）に送信する構成とし、
コンバイン（Ｃ）で複数の圃場で収穫された穀物が、共通の乾燥機（Ｋ）に収容された場合には、前記仕上穀物の総重量を、圃場毎の面積に基づいて按分し、該按分した圃場毎の換算仕上穀物量を管理用端末（Ｔ）に表示し、
ある圃場の穀物が複数の乾燥機（Ｋ）に跨って張り込まれた場合には、それぞれの乾燥機（Ｋ）における当該圃場の前記換算仕上穀物量の合計を管理用端末（Ｔ）に表示することを特徴とする穀物収穫乾燥調製管理システムとする。
【0013】
これにより、管理者は、簡易な方法で圃場毎の仕上穀物量を把握することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、簡易な方法又は実際の収穫量に基づいて、運転終了後の運転情報を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】コンバインと乾燥調製設備の通信システム図
【図2】収穫乾燥調製作業の運転情報を示す図
【図3】収穫乾燥調製作業の運転情報の運転情報を示す図
【図4】籾摺選別機の内部を説明する図
【図5】穀物乾燥機の外観図
【図6】米選機の内部を説明する図
【図7】制御ブロック図
【図8】ある圃場の穀物が複数の乾燥機に張り込まれた場合を示す図
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態の収穫調製システムについて、以下説明する。
【0017】
図１に示すように、コンバインＣで収穫した穀物を投入する荷受けホッパ１と、穀物を搬送する昇降機やフライトコンベアからなる搬送機２と、複数の穀物乾燥機Ｋ（Ｋ１～Ｋ４）と、穀物乾燥機Ｋから排出された穀物（籾）を一時貯留する穀物貯留タンク３と、穀物貯留タンク３から供給される穀物を籾摺選別する籾摺選別機４と、籾摺選別機４から排出された仕上穀物（玄米）から屑米を選別する米選機５と、米選機５で選別された仕上穀物を貯留する仕上穀物貯留タンク６と、仕上穀物貯留タンク６から設定量毎の仕上穀物を計量して袋ｈに袋詰めするための計量器７を備えている。
【0018】
穀物乾燥機Ｋの制御部４０と、籾摺選別機４の制御部４１と、米選機５の制御部４２と、計量器７の制御部４３と、コンバインＣの制御部４４と、管理用端末Ｔと通信接続する構成とし、管理用端末Ｔの画面に各装置の運転情報が表示される構成である。
【0019】
コンバインＣは収穫した穀物（籾）を収容するグレンタンク８と、グレンタンク８に収容した穀物を排出する排出オーガ９を備える。また、グレンタンク８に収容された穀物重量を測定する重量センサ４５を搭載し、重量センサ４５の重量情報は制御部４４を介して管理用端末Ｔに送信する構成である。
【0020】
また、コンバインＣの使用燃料量を計測する燃料流量計４６を備え、使用燃料量の情報も管理用端末Ｔに送信する構成である。
【0021】
図５は穀物乾燥機Ｋの外観図を示している。穀物を収容する箱体１０と、乾燥速度や目標水分値を設定する操作盤１１と、搬送中の穀物からサンプルを採取して水分値を検出する水分計１２を設けている。また、熱風を生成する燃焼バーナ９に供給する燃料を収容する燃料タンク１３を備え、燃料タンク１３から供給する燃料量を検出する燃料流量計１４を設けている。また、乾燥機内部の穀物を搬送する乾燥機メインモータ２６と、乾燥機メインモータ２６の使用電力量を検出する乾燥機用電力計２７を備えている。乾燥機電力計２７は熱風を機外に排出する排風ファン２８を駆動する排風ファンモータ（図示せず）の電力量をも検出しても良い。
【0022】
図４は籾摺選別機４の内部を説明する図を示している。
【0023】
籾摺りする籾摺ロール１５と、籾殻を風選する風選部１６と、籾と玄米を選別する揺動選別板１７と、揺動選別板１７の玄米層を仕切って取り出すための玄米仕切板１８と、籾摺選別機４を駆動する籾摺機メインモータ１９を備えている。玄米仕切板１８の仕切り位置を検出する仕切板位置検出センサ２５を備えている。玄米仕切板１８の位置により、仕上玄米として籾摺選別機４から排出される玄米量が変わるため、仕切板位置検出センサ２５で検出される玄米仕切板１８の位置情報は、いわゆる籾摺選別機４の選別能率を判断する尺度となる。また、籾摺機メインモータ１９の電力量を検出する籾摺機用電力計３０を設けている。
【0024】
図７は米選機５の内部を説明する図を示している。
【0025】
米選機５は、籾摺選別機４から排出された仕上穀物である玄米が流入する流入口２０と、玄米を揚穀する揚穀ラセン２１と、揚穀ラセン２１で揚穀する玄米から屑米を選別する選別網２２と、玄米を排出する玄米排出口２３と、米選機５を駆動する米選機メインモータ２４を設けている。米選機メインモータ２４の使用電力量を検出する米選機用電力計３１を設けている。
【0026】
次に、コンバインＣで収穫した籾を穀物乾燥機Ｋで乾燥し、籾摺選別機４で籾摺選別して玄米とし、計量器７で玄米を設定量毎に袋詰めする計量選別に至る作業工程について説明する。
【0027】
コンバインＣの制御部４４には、重量センサ４５の重量情報が排出オーガ９による排出作業運転毎に累積されて入力される。例えば、圃場Ａを１０回の排出作業で収穫作業を終了したら、１０回の累積の重量が圃場Ａの総重量となる。そして、例えば圃場Ａの収穫作業を終了したことをオペレータが入力すると前記総重量の情報が管理用端末Ｔに送信される。排出作業は図示しないトラックの荷台に向けて行い、トラックで穀物乾燥機まで運搬する。
【0028】
圃場Ａと圃場Ｂから収穫した籾を穀物乾燥機Ｋ１に張り込む。穀物乾燥機Ｋ１にはロードセル等の重量計３２を備えており、張込穀物の重量を測定する。
【0029】
穀物乾燥機Ｋ１で目標水分値まで乾燥すると乾燥運転を終了する。そして、乾燥終了時の籾の重量と乾燥運転時間の情報を管理用端末Ｔに送信する。
【0030】
乾燥運転を終了した籾を穀物貯留タンク３に供給して一時貯留し、順次、籾摺選別機４に供給して籾摺選別が行われる。籾摺選別機４で籾摺選別された玄米が米選機５を通過して玄米に混じる屑米を選別して仕上穀物貯留タンク６に貯留される。仕上穀物貯留タンク６から計量器７により所定量の玄米が玄米袋ｈ（１袋３０ｋｇ）に収容され、オペレータは袋詰め作業を行う。
【0031】
籾摺選別機４に要した籾摺選別作業時間及び計量器７による玄米袋詰め作業に要した時間を管理用端末Ｔに送信する。また、合わせて、計量器７で計量された玄米量の情報を管理用端末Ｔに送信する。
【0032】
図２の（イ）は、コンバインＣで収穫に要した収穫運転時間と、穀物乾燥機Ｋ１に張り込まれた穀物の乾燥運転時間と、籾摺選別運転時間と、計量運転時間の各作業工程に要した時間を足し合わせた総運転時間を管理用端末Ｔの画面に示す棒グラフである。すなわち、棒の長さが時間の長さを示している。また、穀物乾燥機Ｋ１の重量計３２で測定した籾の総重量と、計量器７で測定した玄米の総重量が表示されている。
【0033】
図２の（ロ）は、総運転時間及び各作業工程に要した運転時間を圃場Ａと圃場Ｂそれぞれの広さで按分したことを画面に示す図である。
【0034】
図２の（ハ）は、籾の総重量と玄米の総重量を圃場Ａと圃場Ｂそれぞれの広さで按分した表を表示しており、さらに、玄米量から換算される販売金額と、販売金額から燃料費及び電力量費を差し引いた利益を表示している。
【0035】
燃料については、燃料流量計１４の検出データから検出し、予め設定している燃料の単価から換算される。
【0036】
燃料について、コンバインＣは軽油、乾燥機Ｋは灯油と異なる油種を使用するためそれぞれ分けて表示している。
【0037】
電力量については、穀物乾燥機Ｋのメインモータモータ２６や籾摺選別機４のメインモータ１９等に設ける電力計（２７，３０）の検出データから換算する。電力量の単価は燃料の単価と同様、予め設定しておく。そして、販売金額から燃料及び電力の料金を差し引いた金額を利益として表示する。それにより、管理者は圃場毎に得られる利益の概算を把握することができる。
【0038】
あるいは、コンバインＣの重量センサ４５で測定した圃場Ａの総重量及び圃場Ｂの総重量の情報に基づいて按分してもよい。この場合には圃場の広さによる按分よりも、実際の収穫重量が反映されるというメリットがある。
【0039】
図３は、穀物乾燥機Ｋ２に圃場Ｃと圃場Ｄと圃場Ｅの穀物を張り込んだ場合の、穀物の乾燥運転時間、籾摺選別運転時間と、計量運転時間の各作業工程に要した運転時間を足し合わせた総運転時間を示す棒グラフである。そして、総運転時間及び各作業工程に要した運転時間を圃場Ｃと圃場Ｄと圃場Ｅそれぞれの面積の広さに基づいて按分した、又は、コンバインＣの重量センサ４５で測定した圃場毎の総重量に基づいて按分したことを示している。考え方は図２と同様である。
【0040】
【0041】
総運転時間を圃場の広さで按分することで、目安となる圃場毎の作業時間を簡易に換算できる。また、目安となる圃場毎の仕上玄米量や販売金額や費用や利益を簡易に換算して把握することができる。また、コンバインの重量センサ４５で測定した圃場毎の総重量で按分することで、実際の収穫量を反映させることができる。
【0042】
また、穀物乾燥機Ｋ１と穀物乾燥機Ｋ２の運転時間を対比することで、各作業工程の能率の状況を把握することが可能となる。例えば、籾摺選別機４の作業工程が通常よりも長いと判断した場合に、そのときの仕切板位置検出センサ２５による玄米仕切板１７の位置情報から選別能率の検証を行うことが可能となる。また、穀物乾燥機Ｋの作業時間が長い場合には、乾燥速度の設定の検証を行うことができる。
【0043】
図３は、穀物乾燥機Ｋ１の穀物を計量器で計量した総仕上玄米量を圃場Ａ及び圃場Ｂの広さで按分したものである。これにより、簡易な方法で圃場Ａ及び圃場Ｂの玄米量を換算することができる。また、コンバインの重量センサ４５で測定した圃場毎の総重量で按分することで、実際の収穫量を反映させることができる。
【0044】
【0045】
また、本実施例の計量器７は仕上穀物貯留タンク６側に設けている構成であるが、米選機５に計量器を設けるいわゆる計量選別機を用いても良い。
【0046】
本実施の形態の一例として、例えば、乾燥運転が終了した時点の穀物（籾）の重量を測定し、予測される仕上玄米の量を換算し、計量器７で使用される袋ｈの枚数を換算して表示することで、管理者は前もって袋ｈを準備することができる。また、前記予測される仕上玄米の量から、籾摺選別機４による運転時間が終了近くになることを検出して、管理用端末Ｔにその旨を表示することができる。ここで、籾摺選別機４による運転時間が終了近くになることとは、例えば、穀物乾燥機Ｋから穀物を排出時に、穀物乾燥機Ｋ内の穀物の有無を検出するセンサ（本実施例では水分計１２）が穀物無しを検出すると予想される少し前のタイミング等がある。
【0047】
次に、ある圃場の穀物が複数の乾燥機に跨って張り込まれたときの運転時間及び仕上玄米の量の換算について図８に基づいて説明する。
【0048】
この実施例では、圃場Ｃが１つ目の乾燥機Ｋ１と２つ目の乾燥機Ｋ２それぞれに跨って張り込まれたときの圃場Ｃにおける運転時間と仕上玄米の量の演算の仕方である。
【0049】
圃場Ｃの穀物が複数の乾燥機に跨って張り込まれるとは、例えば、圃場Ｃで収穫作業途中に１つ目の乾燥機Ｋ１の張込量が満量となり、２つ目の乾燥機Ｋ２に張り込む場合である。
【0050】
この場合には、１つ目の乾燥機Ｋ１と２つ目の乾燥機Ｋ２それぞれにおける運転時間を前述の図２や図３と同様の方法で按分して換算する。次いで、１つ目の乾燥機Ｋ１で換算された運転時間と２つ目の乾燥機Ｋ２で換算された運転時間を合計することで、圃場Ｃにおける運転時間が換算される。仕上玄米の量や燃料等についても同様に演算する。
【0051】
これにより、圃場Ｃの穀物が複数の乾燥機Ｋに跨って張り込まれても圃場Ｃに要した運転時間や仕上玄米の量を演算することができる。
【0052】
なお、本実施の形態は、管理用端末Ｔに直接運転情報を送信する構成であるが、クラウドやサーバを介して管理用端末Ｔに運転情報を送信してもよい。
【符号の説明】
【0053】
４ 籾摺選別機
５ 米選機
７ 計量器
Ｃ コンバイン
Ｋ 乾燥機
Ｔ 管理用端末
５ 米選機
７ 計量器
Ｃ コンバイン
Ｋ 乾燥機
Ｔ 管理用端末
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】