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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-15
(45)【発行日】2022-08-23
(54)【発明の名称】屋根用融雪セット
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/00 20060101AFI20220816BHJP
   E04H 9/16 20060101ALI20220816BHJP
【FI】
E04D13/00 D
E04D13/00 K
E04H9/16 H
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021203750
(22)【出願日】2021-12-15
【審査請求日】2022-01-17
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1)青森テレビおよび青森朝日放送が令和3年11月15日から令和3年12月15日の期間においてスポットコマーシャルとして公開。2)株式会社ケーズウェーブが2020年12月23日にウェブサイトを通じて公開。江陰市▲ハク▼沃電器有限公司が2021年1月にウェブサイトを通じて公開。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508194386
【氏名又は名称】株式会社ケーズウェーブ
(73)【特許権者】
【識別番号】521549361
【氏名又は名称】江陰市▲ハク▼沃電器有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(74)【代理人】
【識別番号】100196313
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 大輔
(72)【発明者】
【氏名】呉 志強
(72)【発明者】
【氏名】呉 潤銘
【審査官】兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-119335(JP,A)
【文献】特開平02-038656(JP,A)
【文献】特開2005-273406(JP,A)
【文献】実開平02-047320(JP,U)
【文献】登録実用新案第3130407(JP,U)
【文献】特公昭43-028985(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/00
E04H 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱ケーブルと、
屋根材に係止するための係止手段とフック部を有する第1の留具と、
ベンドを互いに反対方向に向けた2つの鉤部を有する第2の留具と、
を備え
前記第1の留具において、係止手段と前記フック部は別部位として構成されており、
前記係止手段は、
前記屋根材の隙間に差し込むための差込部と、
前記差込部より立ち上がり前記差込部の差込方向に向かって延びる、前記差込部と対向するように設けられた覆部と、を備え、かつ、
対向して設けられた前記差込部と前記覆部との間に形成された間隙に前記屋根材を嵌挿し、前記差込部と前記覆部とで前記屋根材を挟持可能に構成されており、
前記フック部は、
前記差込部より、前記差込方向とは逆方向に向かって延設されており、
前記覆部が立ち上がる位置よりも、前記差込方向とは逆方向の遠位において湾曲した、前記差込方向とは逆方向にベンドを向けたフック状構造を備え、かつ、
前記発熱ケーブルを係止可能に構成されており、
前記第2の留具における2つの鉤部の何れもが、前記発熱ケーブルを係止可能であり、かつ、屋根の下端に係止可能に構成されており、
前記第1の留具で前記発熱ケーブルを前記屋根材上に係止し、前記第2の留具で前記発熱ケーブルを前記屋根の下端に係止することで、前記第1の留具による係止部位が波形の山となり、前記第2の留具による係止部位が波形の谷となるように、前記発熱ケーブルを前記屋根に蛇行配置するための、屋根用融雪セット。
【請求項2】
前記第1の留具における前記差込部と前記覆部との間に形成された間隙は、前記差込方向に向かって漸次狭窄しており、前記差込部の差込方向側において前記屋根材の厚みよりも小さくなるよう設けられる、請求項1に記載の屋根用融雪セット。
【請求項3】
前記差込部は、前記覆部との間に生ずる間隙に向かって延びる1以上の突起を有する、請求項1又は2に記載の屋根用融雪セット。
【請求項4】
前記突起は、先端が前記差込部の差込方向と逆方向を向く返し爪の形状である、請求項3に記載の屋根用融雪セット。
【請求項5】
前記フック部及び前記鉤部は、可撓性材料からなる、請求項1~4の何れか一項に記載の屋根用融雪セット。
【請求項6】
請求項1~5の何れか一項に記載の屋根用融雪セットを用いた屋根の融雪及び/又は融氷方法であって、
前記屋根材の隙間に前記差込部を差し込み、前記差込部と前記覆部とで前記屋根材を挟み込むことで、前記第1の留具を前記屋根に固定し、且つ、前記フック部で前記発熱ケーブルを係止することで、前記第1の留具で前記発熱ケーブルを前記屋根材上に係止し、一方の前記鉤部を前記屋根の下端に係止し、前記発熱ケーブルを他方の前記鉤部で係止することで、前記第2の留具で前記発熱ケーブルを前記屋根の下端に係止する設置工程と、
前記発熱ケーブルからの熱により前記屋根の融雪及び/又は融氷を行う発熱工程を含み、
前記設置工程において、前記発熱ケーブルは波形を描くように蛇行配置され、前記第1の留具による係止部位が波形の山となり、前記第2の留具による係止部位が波形の谷となることを特徴とする、屋根の融雪及び/又は融氷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋根用融雪セットに関する。
【背景技術】
【0002】
豪雪地域における雪下ろし作業の負担を軽減するため、屋根の融雪に関する様々な装置が提案されている。特許文献1には、屋根材と屋根断熱材の間に形成された密封空間内に温風を循環させて融雪する方法が記載されている。
【0003】
また、屋根上に発熱ケーブル(ヒートケーブル)を設置し、屋根の融雪を行う方法も採用されている。例えば、特許文献2には、線状の発熱体を屋根上に設置した寒冷地向け屋根の融雪水排水装置が記載されている。特許文献3には、自己温度制御性電熱ヒータ線を屋根の瓦の桁行き方向に設置する屋根の融雪方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実用新案登録第3207650号公報
【文献】特開2002-309729号公報
【文献】特開平7-119335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に係る融雪装置を利用する場合、屋根にパイプを敷設する配管工事が不可欠であり、設置のためにコストと時間を要するといった課題があった。
また、特許文献2に係る融雪装置では、発熱ケーブルを接着剤等で固定しているため、取り外しが困難であるか、又は使用する接着剤の種類により、容易に屋根から発熱ケーブルが外れてしまうという懸念があった。
そして、特許文献3に記載の方法は、多数の金具を用いて屋根の平部全体に発熱ケーブルを配設する方法であり、屋根の軒先にかけて重点的に発熱ケーブルを配設するためのものではなかった。
【0006】
上記先行技術のあるところ、本発明は、簡便な方法で取り付け及び取り外しができ、屋根の下端付近に発熱ケーブルを設置可能な屋根用の融雪セットを提供することを課題とする。また、本発明は、当該融雪セットを用いた融雪及び/又は融氷方法を提供することも課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する本発明は、
発熱ケーブルと、
屋根材に係止するための係止手段とフック部を有する第1の留具と、
ベンドを互いに反対方向に向けた2つの鉤部を有する第2の留具と、
を備える、屋根用融雪セットである。
【0008】
本発明の屋根用融雪セットは、上述の2種類の留具を用いることで、発熱ケーブルを容易に設置することができる。特に、第1の留具は屋根材に固定可能であり、第2の留具は1の鉤部を屋根の下端に固定可能となっている。これにより、発熱ケーブルを屋根の下端付近に設置する際に好適に用いることができる。
また、本発明の屋根用融雪セットは、屋根の大きさ及び形状に合わせ、発熱ケーブルの配置を自由に設定することができる。
【0009】
本発明の好ましい形態では、前記鉤部は、前記発熱ケーブルを屋根の下端に係止可能である。
第2の留具の有する2つの鉤部を、それぞれ屋根の下端及び発熱ケーブルに引っ掛けることで、発熱ケーブルを屋根の下端に係止することができる。
【0010】
本発明の好ましい形態では、前記係止手段は、屋根材の隙間に差し込む差込部と、前記差込部の上部に設けられた覆部を備え、前記差込部及び前記覆部で前記屋根材を挟持可能である。
係止手段が差込部と覆部を有することで、第1の留具を屋根材へ強固に固定することができる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記差込部は、前記覆部との間に生ずる間隙に向かって延びる1以上の突起を有する。
差込部が突起を有することで、該突起が滑り止めとなり、第1の留具の落下を抑制できる。
【0012】
本発明の好ましい形態では、前記フック部及び前記鉤部は、可撓性材料からなる。
フック部及び鉤部を可撓性材料とすることで、フック部及び鉤部を発熱ケーブルの形状に沿って変形させ、第1の留具及び第2の留具により発熱ケーブルを強固に係止することができる。
【0013】
また、本発明は、上述の屋根用融雪セットを用いた屋根の融雪及び/又は融氷方法であって、
前記第1の留具で前記発熱ケーブルを前記屋根材上に係止し、前記第2の留具で前記発熱ケーブルを屋根の下端に係止する設置工程と、
前記発熱ケーブルからの熱により前記屋根の融雪及び/又は融氷を行う発熱工程を含み、
前記設置工程において、前記発熱ケーブルは波形を描くように蛇行配置され、前記第1の留具による係止部位が波形の山となり、前記第2の留具による係止部位が波形の谷となることを特徴とする、屋根の融雪及び/又は融氷方法にも関する。
【0014】
本発明の屋根の融雪及び/又は融氷方法よれば、屋根の下端付近の融雪を容易に行うことができる。また、屋根の下端付近に発熱ケーブルを設置するため、氷柱の発生も抑制することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の屋根用融雪セットを用いれば、煩雑な設置工事等を要することなく、屋根の下端付近に発熱ケーブルを設置することができる。また、本発明の屋根用融雪セットによれば、簡便な方法で発熱ケーブルの取り付け及び取り外しが可能となる。
また、本発明の屋根用融雪セットは、発熱ケーブルを屋根の大きさ及び形状等に合わせて設置することができるため、様々な屋根に対して使用することができる。
【0016】
また、本発明によれば、上述の融雪セットを用いた融雪及び/又は融氷方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る発熱ケーブル10を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る第1の留具20を示す、正面斜視図(a)、側面図(b)、背面図(c)である。
図3】本発明の一実施形態に係る第2の留具30を示す図である。
図4】本発明の屋根用融雪セットを用いた屋根の融雪及び/又は融氷方法の一実施形態を示す説明図(a)、第1の留具20による係止領域(山10a)の拡大図(b)、及び第2の留具30による係止領域(谷10b)の拡大図(c)である。
図5】本発明の屋根用融雪セットを用いた屋根の融雪及び/又は融氷方法の他の実施形態を示す説明図(a)、及び第2の留具30による係止領域(谷10b)の拡大図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は、添付図面に示した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、適宜変更が可能である。
【0019】
本実施形態に係る屋根用融雪セットは、発熱ケーブル10と、第1の留具20と、第2の留具30を備える。
【0020】
図1は、発熱ケーブル10の一実施形態を示す。発熱ケーブル10は、一端に電源プラグを備える。
【0021】
本発明に用いる発熱ケーブル10は、線状の発熱体であれば特に限定されず、既存の電熱線を用いることができる。例えば、発熱芯線であるニクロム線をポリ塩化ビニル樹脂等の絶縁体で被覆した電熱線等を用いることができる。
【0022】
発熱ケーブル10は、屋根40に設置するという目的から、一定の柔軟性を有することが好ましい。また、発熱ケーブルの全長は10~20m程度であることが好ましい。
【0023】
図2は、第1の留具20の一実施形態を示す。第1の留具20は、発熱ケーブル10を係止するフック部21と、屋根材42に係止するための係止手段22を備える。本実施形態では、係止手段22は、屋根材42の隙間に差し込み可能な差込部221と、差込部221とで屋根材42を挟持する覆部222を備える。差込部221と覆部222の間には、間隙Gが存在する。差込部221及び覆部222で屋根材42を2方向から挟持することで、第1の留具20を屋根40に係止することができる。
【0024】
本発明では、間隙Gが、差込部221の先端領域(間隙G1)よりも、遠位端領域(間隙G2)が広くなるように、差込部221及び覆部222が対向して設けられることが好ましい。さらに、先端領域の間隙G1は屋根材42の厚みT(図4(b)参照)よりも小さく、遠位端領域の間隙G2は屋根材42の厚みTよりも大きいことが好ましい。これにより、差込部221を屋根材42の隙間に差し込むだけで、第1の留具20を屋根材42に強固に係止することができる。
【0025】
差込部221は、覆部222との間に生ずる間隙Gに向かって延びる、2つの突起221aを有する。間隙Gの方向に突起221aを有することで、当該突起221aが滑り止めとなって、第1の留具20を屋根材42に安定して係止することができる。
【0026】
突起221aは、突起221aの先端が差込部221の差込方向と逆方向を向く、返し爪の形状であることが好ましい。突起221aを返し爪とすることで、第1の留具20をより安定して屋根材42に係止することができる。
【0027】
なお、本実施形態では、第1の留具20の差込部221が2つの突起221aを有する形態を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、差込部221が1又は2以上の任意の数の突起221aを有していてもよい。また、覆部222が、間隙Gの方向に突起を有する形態であってもよい。
【0028】
図3は、第2の留具30の一実施形態を示す。第2の留具30は、2つの鉤部31を有し、ベンド31aが互いに反対方向に設けられている。第2の留具30は、一方の鉤部31に発熱ケーブル10を引っ掛け、他方の鉤部31を屋根の下端41に係止することで、発熱ケーブル10を下端41に係止することができる。
ここで、鉤部31を係止する屋根の下端41は、好ましくは屋根の軒先である。
【0029】
また、第2の留具30における2つの鉤部31は、それぞれ異なる形状とすることができる。本発明においては、2つの鉤部31は、同一の形状であることが好ましい(図3参照)。
【0030】
さらに、本実施形態では、2つの鉤部31が同一平面上で湾曲し、かつ、互いに面対称の関係となるように設けられている形態を示したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、2つの鉤部31が同一平面上で湾曲し、かつ、互いに点対称の関係となるように設けられている形態であってもよいし、2つの鉤部31のそれぞれが互いに交わる関係にある2つの平面上で湾曲した形態であってもよい。なお、鉤部31は平面上で湾曲した形態に限定されず、立体的に湾曲した形態であってもよい。
【0031】
また、第1の留具20に係るフック部21及び第2の留具30に係る鉤部31は、可撓性材料からなることが好ましい。本発明に用いる可撓性材料としては、ステンレス、アルミ合金、真鍮等の可撓性金属が好ましく例示できる。
フック部21及び鉤部31を可撓性材料とすることで、発熱ケーブル10の形状に沿ってフック部21を及び鉤部31変形させ、発熱ケーブル10を各留具で強固に係止することができる。
【0032】
第1の留具20及び第2の留具30の他の部位の素材は特に限定されず、上述に示した可撓性材料であってもよいし、任意の金属等であってもよい。
【0033】
続いて、本発明の屋根用融雪セット1を用いた融雪及び/又は融氷方法(以下、単に融雪方法ともいう)について説明を加える。
【0034】
図4は、本発明の融雪方法の一実施形態を示す。
本実施形態では、本発明の融雪方法は、第1の留具20で発熱ケーブル10を屋根材上に係止し、第2の留具30で発熱ケーブル10を屋根の下端41に係止する設置工程と、発熱ケーブル10からの熱により屋根の融雪及び/又は融氷を行う発熱工程を含む。
【0035】
(設置工程)
設置工程は、発熱ケーブル10を第1の留具20及び第2の留具30で屋根40に係止する工程である。発熱ケーブル10は、第1の留具20及び第2の留具30を使用して、屋根の下端41付近に蛇行配置される。発熱ケーブル10は、外部電源(図示せず)に接続される。
【0036】
続いて、屋根用融雪セットを設置する手順について説明する。
初めに、屋根材42間の隙間に差込部221を差し込み、差込部221と覆部222とで屋根材42を挟み込むことで、第1の留具20を屋根40に固定する。さらに、発熱ケーブル10をフック部21に引っ掛けることで、発熱ケーブル10を屋根40に係止する。当該第1の留具20による係止部位は、発熱ケーブル10の描く波形の山10aを構成する。
【0037】
次いで、第2の留具30について、一方の鉤部31を屋根の下端41に引っ掛け、発熱ケーブル10を他方の鉤部31に引っ掛けることで、発熱ケーブル10を屋根の下端41に係止する。当該第2の留具30による係止部位は、発熱ケーブル10の描く波形の谷10bを構成する。
ここで、鉤部31を係止する屋根の下端41は、好ましくは屋根の軒先である。
【0038】
このようにして、発熱ケーブル10が山10a及び谷10bを交互に形成するように、発熱ケーブル10を屋根40へ蛇行配置することができる。
【0039】
(発熱工程)
発熱工程は、設置工程で屋根40に設置した発熱ケーブル10に通電し、熱を発生させることで屋根の融雪及び/又は融氷を行う工程である。発熱ケーブル10の熱により、屋根の下端41付近の雪及び/又は氷を効率よく溶解することができる。
【0040】
以上に示す通り、本発明の屋根用融雪セットは、発熱ケーブル10を屋根40へ取り付けるだけで、容易に融雪及び融氷を行うことができる。第1の留具20及び第2の留具30の2種類の留具は、それぞれ屋根材42、下端41への固定に適した形状を有することから、特に屋根の下端41付近の融雪及び/又は融氷に好適に用いることができる。
【0041】
また、第1の留具20及び第2の留具30を任意の位置に設置することができるため、屋根の大きさ、形状等に合わせて発熱ケーブル10を係止することが可能となる。
【0042】
次いで、図5は、本発明の融雪方法の他の実施形態を示す。なお、図5に係る実施形態では、図4に係る実施形態と異なる点のみについて言及する。
【0043】
本実施形態では、発熱ケーブル10は、屋根材42上だけでなく、雨どい43内にも設置される。第2の留具30は、雨どい43内に設置された発熱ケーブル10を一方の鉤部31で係止し、他方の鉤部31を発熱ケーブル10の谷10bで係止して使用する。この時、図5(b)に示すように、発熱ケーブル10の谷10bが屋根の下端41から垂下するように、発熱ケーブル10を設置する。
【0044】
本実施形態によれば、屋根40上の融雪及び/又は融氷だけでなく、雨どい43内の融雪等も併せて行うことが可能となる。また、屋根の下端41を重点的に加温することができるため、氷柱等の形成を防止することもできる。
【0045】
なお、上述の実施形態では、1の発熱ケーブル10を用いる形態を図示しているが、本発明の融雪方法は、2以上の発熱ケーブル10を用いて行う形態であってもよい。
【0046】
また、本発明の屋根用融雪セット及び融雪方法は、屋根材の一部が重なりあって配置され、かつ屋根材の重なりに隙間を有する屋根に好適に適用できる。具体的には、瓦屋根、スレート屋根や、横葺の金属屋根等に好適に適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、屋根の融雪及び/又は融氷に応用することができる。
【符号の説明】
【0048】
10 発熱ケーブル
10a 山
10b 谷
20 第1の留具
21 フック部
22 係止手段
221 差込部
221a 突起
222 覆部
30 第2の留具
31 鉤部
31a ベンド
40 屋根
41 下端(軒先)
42 屋根材
43 雨どい
G 間隙
T 厚み

【要約】
【課題】本発明の解決しようとする課題は、簡便な方法で取り付け及び取り外しができ、屋根の下端付近に発熱ケーブルを設置可能な屋根用の融雪セットを提供することにある。
【解決手段】本発明は、発熱ケーブル10と、
屋根材に係止するための係止手段22とフック部21を有する第1の留具20と、
ベンド31aを互いに反対方向に向けた2つの鉤部31を有する第2の留具30と、
を備える、屋根用融雪セットである。
【選択図】図4

図1
図2
図3
図4
図5