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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-15
(45)【発行日】2022-08-23
(54)【発明の名称】車両構造
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/04 20060101AFI20220816BHJP
   B62D 27/00 20060101ALI20220816BHJP
   B62D 25/06 20060101ALI20220816BHJP
   B62D 25/20 20060101ALI20220816BHJP
【FI】
B62D25/04 B
B62D27/00
B62D25/06 A
B62D25/20 F
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018011899
(22)【出願日】2018-01-26
(65)【公開番号】P2019127236
(43)【公開日】2019-08-01
【審査請求日】2020-11-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000101905
【氏名又は名称】イイダ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】市丸 哲也
(72)【発明者】
【氏名】駒田 朋也
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-333208(JP,A)
【文献】特開2018-008587(JP,A)
【文献】特開2012-228987(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 25/04
B62D 27/00
B62D 25/06
B62D 25/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の骨格を形成する中空構造体を備える車両構造であって、
前記中空構造体の内部に配置されるとともに発泡部材を有する補強部材を備え、
前記中空構造体は、
第1パネル部から構成され、車両の幅方向又は車両の前後方向である第1の方向に延在する第1中空構造部と、
第2パネル部から構成され、車両の上下方向である第2の方向に延在する第2中空構造部と、
第3パネル部から構成され、前記第1中空構造部と前記第2中空構造部とを連結する第3中空構造部と、を有し、
前記第1中空構造部と前記第3中空構造部とは、前記第1パネル部の端部と前記第3パネル部の端部とを重ね合わせた状態で溶接された第1接合部で接合され、
前記第2中空構造部と前記第3中空構造部とは、前記第2パネル部の端部と前記第3パネル部の端部とを重ね合わせた状態で溶接された第2接合部で接合され、
前記補強部材は、
前記第1パネル部の内面と前記第3パネル部の内面とに接続される第1発泡部材を有する第1補強部材、及び前記第2パネル部の内面と前記第3パネル部の内面とに接続される第2発泡部材を有する第2補強部材の少なくとも一方の補強部材を含み、
前記第1発泡部材は、前記第1パネル部の内面と前記第3パネル部の内面との境界部分を跨ぐように配置され、
前記第2発泡部材は、前記第2パネル部の内面と前記第3パネル部の内面との境界部分を跨ぐように配置される、車両構造。
【請求項2】
前記補強部材は、前記第1補強部材及び前記第2補強部材と離間して配置される第3補強部材をさらに含み、前記第3補強部材は、前記第3パネル部に接続される第3発泡部材を有する、請求項1に記載の車両構造。
【請求項3】
前記第3発泡部材は、前記第3中空構造部が延在する第3の方向に沿うように曲がる曲面に接続される、請求項2に記載の車両構造。
【請求項4】
前記補強部材は、前記第1補強部材及び前記第2補強部材のいずれも含む、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の車両構造。
【請求項5】
前記補強部材の少なくとも一つは、前記発泡部材を支持する支持部材を有する、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の車両構造。
【請求項6】
前記第1中空構造部は、車両の幅方向に延在する、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の車両構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されるように、車両の骨格を形成する中空構造体を備える車両構造が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2015/037444号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような中空構造体を備える車両構造は、車両の軽量化の観点では有利である。ここで、車両構造は、例えば車両の幅方向や上下方向といった異方向に延在する一対の中空構造部をさらに別の中空構造部で連結した構造を有する等、多様化する傾向にある。こうした車両構造において中空構造体の強度・剛性が不足するおそれがある。
【0005】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、好適に補強することを可能にした車両構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する車両構造は、車両の骨格を形成する中空構造体を備える車両構造であって、前記中空構造体の内部に配置されるとともに発泡部材を有する補強部材を備え、前記中空構造体は、第1パネル部から構成され、車両の幅方向又は車両の前後方向である第1の方向に延在する第1中空構造部と、第2パネル部から構成され、車両の上下方向である第2の方向に延在する第2中空構造部と、第3パネル部から構成され、前記第1中空構造部と前記第2中空構造部とを連結する第3中空構造部と、を有し、前記補強部材は、前記第1パネル部と前記第3パネル部とに接続される第1発泡部材を有する第1補強部材、及び前記第2パネル部と前記第3パネル部とに接続される第2発泡部材を有する第2補強部材の少なくとも一方の補強部材を含む。
【0007】
上記第1補強部材を有する車両構造の場合、第1中空構造部と第3中空構造部との隣接部分の剛性を第1補強部材により高めることができる。上記第2補強部材を有する車両構造の場合、第2中空構造部と第3中空構造部との隣接部分の剛性を第2補強部材により高めることができる。
【0008】
上記車両構造において、前記補強部材は、前記第1補強部材及び前記第2補強部材と離間して配置される第3補強部材をさらに含み、前記第3補強部材は、前記第3パネル部に接続される第3発泡部材を有することが好ましい。
【0009】
この構成によれば、第3中空構造部の剛性を第3補強部材により高めることができる。
上記車両構造において、前記第3発泡部材は、前記第3中空構造部が延在する第3の方向に沿うように曲がる曲面に接続されることが好ましい。
【0010】
この構成によれば、第3補強部材によって第3中空構造部の剛性をより高めることが可能となる。
上記車両構造において、前記補強部材は、前記第1補強部材及び前記第2補強部材のいずれも含むことが好ましい。
【0011】
上記車両構造において、前記補強部材の少なくとも一つは、前記発泡部材を支持する支持部材を有してもよい。
上記車両構造において、前記第1中空構造部は、車両の幅方向に延在することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、車両構造を好適に補強することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態の車両構造を示す断面図である。
図2】第2実施形態の車両構造を示す断面図である。
図3】車両構造の変更例を示す断面図である。
図4】車両構造の変更例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
以下、車両構造の第1実施形態について図1を参照して説明する。
図1に示すように、車両構造は、車両の骨格を形成する中空構造体10を備えている。
【0015】
中空構造体10は、第1の方向D1に延在する第1中空構造部11と、第2の方向D2に延在する第2中空構造部12と、第1中空構造部11と第2中空構造部12とを連結する第3中空構造部13とを有している。第1の方向D1は、車両の幅方向(車幅方向)又は車両の前後方向である。第2の方向D2は、車両の上下方向である。
【0016】
第1の方向D1が車両の幅方向である第1中空構造部11としては、例えば、クロスメンバー、リアヘッダー等が挙げられる。第1の方向D1が車両の前後方向である第1中空構造部11としては、例えば、ルーフレール、ロッカー等が挙げられる。第2中空構造部12としては、例えば、各種ピラー等が挙げられる。中空構造体10において、例えば、第1中空構造部11は、リアヘッダーであり、第2中空構造部12は、ピラー(例えば、リアピラー)である。
【0017】
第1中空構造部11は、第1パネル部P1から構成されている。第1中空構造部11は、第1パネル部P1により筒状に形成され、第1パネル部P1で囲まれる中空部を有している。第2中空構造部12は、第2パネル部P2から構成されている。第2中空構造部12は、第2パネル部P2により筒状に形成され、第2パネル部P2で囲まれる中空部を有している。第3中空構造部13は、第3パネル部P3から構成されている。第3中空構造部13は、第3パネル部P3により筒状に形成され、第3パネル部P3で囲まれる中空部を有している。第1中空構造部11及び第2中空構造部12は、直線状に延在している。第3中空構造部13は、屈曲形状を有している。
【0018】
第1パネル部P1、第2パネル部P2、及び第3パネル部P3は、それぞれ一枚のパネルから形成されてもよいし、複数のパネルを互いに接合することで形成されてもよい。本実施形態の中空構造体10(第1パネル部P1、第2パネル部P2、及び第3パネル部P3の各パネル部)は、車両の内側に配置されるパネルと車両の外側に配置されるパネルとを備えており、図面では、車両の内側に配置されるパネルの一部を模式的に示している。パネルPは、鋼板やアルミニウム合金板等の金属板から構成することができる。
【0019】
第1中空構造部11と第3中空構造部13とは、第1接合部J1で接合されている。第2中空構造部12と第3中空構造部13とは、第2接合部J2で接合されている。第1接合部J1は、第1中空構造部11を構成する第1パネル部P1の端部と、第3中空構造部13を構成する第3パネル部P3の端部とを重ね合わせた状態で溶接(スポット溶接)することで形成することができる。第2接合部J2についても、第2中空構造部12を構成する第2パネル部P2の端部と、第3中空構造部13を構成する第3パネル部P3の端部とを重ね合わせた状態で溶接(スポット溶接)することで形成することができる。第1接合部J1は、第1パネル部P1の端部と第3パネル部P3の端部とが重なった重なり部分を有している。第2接合部J2についても、第2パネル部P2の端部と第3パネル部P3の端部とが重なった重なり部分を有している。なお、図面では、第1接合部J1の内面において第1パネル部P1と第3パネル部P3との境界部分と、第2接合部J2の内面において第2パネル部P2と第3パネル部P3との境界部分とを破線で示している。
【0020】
車両構造は、中空構造体10の内部に配置される補強部材20をさらに備えている。本実施形態の補強部材20は、発泡部材Fと、発泡部材Fを支持する支持部材Sとを有している。本実施形態の補強部材20は、第1補強部材21と第2補強部材22とから構成されている。
【0021】
第1補強部材21は、第1パネル部P1と第3パネル部P3とに接続される第1発泡部材F1と、第1発泡部材F1を支持する第1支持部材S1とを有している。第2補強部材22は、第2パネル部P2と第3パネル部P3とに接続される第2発泡部材F2と、第2発泡部材F2を支持する第2支持部材S2とを有している。
【0022】
第1補強部材21は、第1支持部材S1の一方の面に設けられた一つの第1発泡部材F1を有している。第2補強部材22は、第2支持部材S2を挟み込むように設けられた一対の第2発泡部材F2を有している。このように一つの補強部材20の有する発泡部材Fの数は、単数であっても複数であってもよい。
【0023】
なお、発泡部材Fは、支持部材Sに接着、粘着、溶着又は係止を利用して固定することができる。
第1補強部材21は、第1支持部材S1の一部を取付部として第1パネル部P1及び第3パネル部P3の少なくとも一方に取り付けることができる。取付部としては、粘着層又は接着層により構成することもできるが、第1パネル部P1及び第3パネル部P3の少なくとも一方に形成した貫通孔に係止する係止突部から構成することが好適である。第2補強部材22についても、第1補強部材21と同様の取付部により、第2パネル部P2及び第3パネル部P3の少なくとも一方に取り付けることができる。
【0024】
発泡部材Fは、発泡体から構成されている。発泡部材Fは、加熱により発泡体を形成する発泡性基材から得ることができる。発泡部材Fは、発泡性基材を有する補強部材20を中空構造体10の内部(中空部)に配置した後、外部からの加熱により形成することができる。外部からの加熱としては、中空構造体10に施した電着塗装を焼き付ける処理(乾燥工程)における加熱を利用することができる。発泡性基材が加熱されることで発泡及び硬化し、発泡部材F(発泡体)が得られる。
【0025】
発泡体は、高分子材料から構成することができる。発泡性基材は、基材、発泡剤、及び架橋剤を含有する。基材としては、合成樹脂、エラストマー、及びゴムが挙げられる。合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、EVA(エチレン/ビニルアセテートコポリマー)等が挙げられる。エラストマーとしては、例えば、RB(ポリブタジエンエラストマー)、SBS(スチレン/ブタジエン/スチレンブロックコポリマー)、SIS(スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体)、SEBS(スチレン/エチレン/ブチレン/スチレンブロック共重合体)等が挙げられる。ゴムとしては、例えば、NR(天然ゴム)、SBR(スチレン/ブタジエンゴム)、BR(ブタジエンゴム)、NBR(ニトリルゴム)、CR(クロロプレンゴム)、IR(イソプレンゴム)、IIR(ブチルゴム)、EPDM(エチレンプロピレンジエン三元共重合体)、UR(ウレタンゴム)、ENR(エポキシ化天然ゴム)、EPM(エチレン/プロピレンゴム)等が挙げられる。
【0026】
発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、ジニトロペンタメチレンテトラミン等が挙げられる。架橋剤としては、例えば、ジメチルウレア、ジシアンジアミド等が挙げられる。
【0027】
発泡性基材には、必要に応じて充填剤、可塑剤等を含有させることもできる。充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、フェライト、シリカ等が挙げられる。
支持部材Sは、金属材料又は樹脂材料から構成することができる。支持部材Sは、軽量化の観点から、樹脂材料(例えば、ポリアミド等)から構成することが好ましい。
【0028】
第1実施形態の作用及び効果について説明する。
(1-1)車両構造は、中空構造体10の内部に配置される補強部材20を備えている。中空構造体10は、第1中空構造部11と第2中空構造部12と第3中空構造部13とを有する。補強部材20は、第1補強部材21と第2補強部材22とから構成されている。第1補強部材21は、第1中空構造部11の第1パネル部P1と第3中空構造部13の第3パネル部P3とに接続される第1発泡部材F1を有している。第2補強部材22は、第2中空構造部12の第2パネル部P2と第3中空構造部13の第3パネル部P3とに接続される第2発泡部材F2を有している。
【0029】
この構成によれば、第1中空構造部11と第3中空構造部13との隣接部分の剛性を第1補強部材21により高めることができる。また、第2中空構造部12と第3中空構造部13との隣接部分の剛性を第2補強部材22により高めることができる。従って、車両構造を好適に補強することが可能となる。これにより、例えば、車両構造の中空構造体10についての断面変形を抑制することが可能となる。
【0030】
(1-2)第1補強部材21は第1支持部材S1を有している。第2補強部材22は第2支持部材S2を有している。このように補強部材20として、発泡部材Fを支持する支持部材Sを有する構成を採用することができる。
【0031】
(第2実施形態)
車両構造の第2実施形態について図2を参照して第1実施形態と異なる点を中心に説明する。第1実施形態と同様の部材には、第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
【0032】
図2に示すように、本実施形態の中空構造体において、第1パネル部P1、第2パネル部P2及び第3パネル部P3は、それぞれ複数のパネルP,Pから構成されている。第1パネル部P1は、第1の方向D1に沿って隣り合う一対のパネルP,Pが接合される中間接合部JMを有している。第2パネル部P2は、第2の方向D2に沿って隣り合う一対のパネルP,Pが接合される中間接合部JMを有している。第3パネル部P3は、第3中空構造部13が延在する第3の方向D3に沿って隣り合う一対のパネルP,Pが接合される中間接合部JMを有している。
【0033】
本実施形態の補強部材20は、第1補強部材21、第2補強部材22、及び第3補強部材23から構成されている。
第1補強部材21は、第1支持部材S1を挟み込むように設けられた一対の第1発泡部材F1,F1を有している。第2補強部材22は、第2支持部材S2の一方の面に設けられた一つの第2発泡部材F2を有している。
【0034】
第3補強部材23は、第1補強部材21及び第2補強部材22とは離間して配置されている。第3補強部材23は、第3パネル部P3に接続される第3発泡部材F3と、第3発泡部材F3を支持する第3支持部材S3とを有している。第3補強部材23は、第3支持部材S3を挟み込むように設けられた一対の第3発泡部材F3,F3を有している。一対の第3発泡部材F3,F3は、第3中空構造部13が延在する第3の方向D3に沿うように曲がる曲面に接続されている。
【0035】
第2実施形態では、第1実施形態の(1-1)、(1-2)欄で述べた作用及び効果に加えて以下の作用及び効果が得られる。
(2-1)車両構造は、第1補強部材21及び第2補強部材22と離間して配置される第3補強部材23をさらに有している。第3補強部材23は、第3パネル部P3に接続される第3発泡部材F3を有している。この場合、第3中空構造部13の剛性を第3補強部材23により高めることができる。従って、車両構造をより好適に補強することが可能となる。
【0036】
(2-2)第3中空構造部13を構成する第3パネル部P3の内面は、第3中空構造部13が延在する第3の方向D3に沿うように曲がる曲面を有している。このような曲面に第3発泡部材F3が接続されることで、第3補強部材23によって第3中空構造部13の剛性をより高めることが可能となる。
【0037】
(変更例)
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0038】
図2に示される第2実施形態の車両構造において、第1補強部材21及び第2補強部材22のいずれか一方を省略してもよい。
図3に示すように、車両構造の補強部材20は、第2補強部材22のみから構成されてもよい。また、図示を省略するが、車両構造の補強部材20は、第1補強部材21のみから構成されてもよい。
【0039】
・上記第1実施形態の第2補強部材22等では、各第2発泡部材F2,F2がそれぞれ第2パネル部P2及び第3パネル部P3のいずれにも接続されている。このような一対の第2発泡部材F2,F2の接続対象について、次のように変更してもよい。例えば、図3に示すように一方の第2発泡部材F2を第2パネル部P2に接続し、他方の第2発泡部材F2を第3パネル部P3に接続するように変更してもよい。第1補強部材21についても、一対の第1発泡部材F1,F1を有する場合、一方の第1発泡部材F1を第1パネル部P1に接続し、他方の第1発泡部材F1を第3パネル部P3に接続することができる。なお、第1補強部材21は、第1支持部材S1に支持された3つ以上の第1発泡部材F1,F1,F1を有していてもよいし、第2補強部材22についても、第2支持部材S2に支持された3つ以上の第2発泡部材F2,F2,F2を有していてもよい。
【0040】
・第1補強部材21の数は、単数であってもよい、複数であってもよい。第2補強部材22及び第3補強部材23の数についても、それぞれ単数であってもよいし、複数であってもよい。
【0041】
・車両構造は、第1~第3補強部材21,22,23以外の第4補強部材を備えていてもよい。第4補強部材としては、例えば、第1中空構造部11の第1パネル部P1のみ、又は第2中空構造部12の第2パネル部P2のみに接続される第4発泡部材を有するものが挙げられる。
【0042】
図4に示すように、上記中空構造体10は、第1の方向D1に沿って配列された一対の第1中空構造部11を有する中空構造体10に変更することもできる。この中空構造体10の第3中空構造部13は、一対の第1中空構造部11,11と一つの第2中空構造部12とを連結する構成を有している。この車両構造は、一方の第1中空構造部11の第1パネル部P1に接続される第1補強部材21と、他方の第1中空構造部11の第1パネル部P1に接続される第1補強部材21とを有している。なお、一対の第1補強部材21,21のうち、いずれか一方の第1補強部材21を省略してもよい。
【0043】
図4に示すように、第3補強部材23を第3発泡部材F3のみから構成することもできる。第1補強部材21及び第2補強部材22についても、それぞれ第1発泡部材F1及び第2発泡部材F2のみから構成してもよい。
【0044】
・上記第2実施形態の第3補強部材23は、第3中空構造部13が延在する第3の方向D3に沿うように曲がる曲面以外の内面に接続されていてもよい。すなわち、第3補強部材23を第3中空構造部13の端部付近であり、第1の方向D1又は第2の方向D2に沿って延在する内面に接続されてもよい。
【0045】
・第1パネル部P1、第2パネル部P2、及び第3パネル部P3から選ばれる少なくとも一種は、径方向に組み付けられる複数のパネルP,Pから構成されてもよい。なお、第3中空構造部13(第3パネル部P3)は、全体として第3中空構造部13が延在する第3の方向D3に沿った内面を有していればよく、径方向に組み付けられる複数のパネルP,Pから第3パネル部P3を構成する場合、内面として曲面を有するパネルと内面として曲面を有さないパネルとを組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0046】
10…中空構造体、11…第1中空構造部、12…第2中空構造部、13…第3中空構造部、20…補強部材、21…第1補強部材、22…第2補強部材、23…第3補強部材、D1…第1の方向、D2…第2の方向、D3…第3の方向、F…発泡部材、F1…第1発泡部材、F2…第2発泡部材、F3…第3発泡部材、P…パネル、P1…第1パネル部、P2…第2パネル部、P3…第3パネル部、J1…第1接合部、J2…第2接合部、JM…中間接合部、S…支持部材、S1…第1支持部材、S2…第2支持部材、S3…第3支持部材。
図1
図2
図3
図4