(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-15
(45)【発行日】2022-08-23
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220816BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
(21)【出願番号】P 2018179783
(22)【出願日】2018-09-26
【審査請求日】2019-10-28
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110002158
【氏名又は名称】特許業務法人上野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西村 仁
(72)【発明者】
【氏名】木村 裕一
(72)【発明者】
【氏名】山本 和弘
(72)【発明者】
【氏名】山田 輝彦
【審査官】福田 知喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-061052(JP,A)
【文献】特開2016-159085(JP,A)
【文献】特開2017-127586(JP,A)
【文献】特開2009-165745(JP,A)
【文献】特開2017-104296(JP,A)
【文献】特開2017-018293(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音出力手段と、
開放された入賞領域がN個の遊技球が入賞することを契機として閉鎖される単位遊技を複数含む当たり遊技を実行する当たり遊技実行手段と、
を備え、
ある前記単位遊技が開始されてからN個目までの前記入賞領域への遊技球の入賞が検出される度に前記音出力手段から出力される普通入賞音が複数種設けられており、
前記当たり遊技を構成する最後の単位遊技において出力される前記普通入賞音の種類が、当該
最後の単位遊技と同じ当たり遊技を構成する
当該最後の単位遊技以外の単位遊技である別の単位遊技において出力される前記普通入賞音の種類と異なる場合と、前記
最後の単位遊技と前記別の単位遊技において出力される前記普通入賞音の種類が同じである場合とで、前記当たり遊技終了後に遊技者に有利な事象が発生する蓋然性が異なることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技球の入賞等を示す効果音が出力される遊技機が公知である(例えば、下記特許文献1参照)。例えば、当たり遊技中に開放される入賞領域への入賞を示す効果音が出力されることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、当たり遊技の趣向性を向上させることが可能な遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる遊技機は、音出力手段と、開放された入賞領域がN個の遊技球が入賞することを契機として閉鎖される単位遊技を一または複数含む当たり遊技を実行する当たり遊技実行手段と、を備え、ある前記単位遊技が開始されてからN個目までの前記入賞領域への遊技球の入賞が検出される度に前記音出力手段から出力される普通入賞音が複数種設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明にかかる遊技機によれば、当たり遊技の趣向性を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】背景楽曲がカスタマイズ可能な構成であることを説明するための図である。
【
図4】普通入賞音に関する第一具体例を説明するための図である。
【
図5】普通入賞音に関する第二具体例を説明するための図である。
【
図6】普通入賞音に関する第五具体例を説明するための図である。
【
図7】普通入賞音に関する第六具体例を説明するための図である。
【
図9】超過入賞音に関する第一具体例を説明するための図である。
【
図10】超過入賞音に関する第二具体例を説明するための図である。
【
図11】超過入賞音に関する第三具体例を説明するための図である。
【
図12】超過入賞音に関する第四具体例を説明するための図である。
【
図13】待機楽曲の出力タイミングを説明するための図である。
【
図14】待機楽曲の概要を説明するための図である。
【
図15】待機楽曲に関する第四具体例を説明するための図である。
【
図16】待機楽曲に関する第五具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明にかかる遊技機1の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、
図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。
【0009】
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
【0010】
遊技領域902には、表示装置91、始動入賞口904、大入賞口10(当たり遊技において開放される「入賞領域」に相当する)、アウト口907などが設けられている。かかる表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能となる領域である。なお、一部の図においては、表示領域911を大まかに記載するが、その形状等は適宜変更可能である(開口901の形状や大きさ、表示装置91自体の形状や大きさを変更することで表示領域911の形状等を変更することができる)。
【0011】
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
【0012】
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動入賞口904や大入賞口10等の入賞口に入賞すると、所定の数の遊技球(以下、入賞口に遊技球が入賞することを契機として払い出される遊技球を賞球と称する)が払出装置により払い出される。
【0013】
なお、遊技機1の枠体、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
【0014】
大当たりの抽選は、図示されない制御基板に設けられた当否判定手段が始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として実行する(このような始動入賞口904は複数設けられていてもよい)。具体的には、始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として乱数源から数値(当否判定情報)が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。公知の遊技機と同様であるため詳細な説明を省略するが、大当たりとなる場合には、識別図柄80(当否判定結果を報知するための図柄;
図1等参照)が所定の組み合わせ(例えば同じ図柄の三つ揃い)となることによって報知され、それ以外の組み合わせが表示された場合にははずれとなる。
【0015】
1)大当たり遊技中の入賞音
1-1)普通入賞音
大当たりに当選した場合には、大当たり遊技が実行される。大当たり遊技は、一または複数の単位遊技から構成されるものである。単位遊技は、所定の終了条件が成立まで大入賞口10(
図1等参照)が開放されるというものである。具体的には、大入賞口10の手前に設けられた開閉部材11(原位置において大入賞口10を閉鎖する閉位置に位置する)が、大入賞口10を開放する開位置に位置し、これにより大入賞口10に遊技球が入賞可能な状態となる。開位置に位置する開閉部材11は、大入賞口10に向かって流下した遊技球が大入賞口10に進入するよう誘導する役割も果たす。よって、遊技者が大入賞口10に向けて遊技球を発射させていれば、比較的容易に大入賞口10に遊技球が入賞する。単位遊技は、一般的に「ラウンド(遊技)」と称されるものであり、例えば10ラウンド大当たりは、10回の単位遊技を含むというものになる。大入賞口10内には図示されないセンサが設けられており、当該センサにより遊技球の入賞が検出される。
【0016】
本実施形態では、N個(本実施形態ではN=10である。当該Nの値は一般的に「カウント(C)」等と称される)の遊技球が大入賞口10に入賞すること(入賞条件)および大入賞口10が開放されてから所定時間が経過したこと(時間条件)のいずれか一方の成立が上記終了条件として設定されている。上記所定時間は比較的長い時間に設定されているため、各単位遊技中に遊技者が継続的に遊技球を大入賞口10に向けて発射させておりさえすれば、大入賞口10にN個の遊技球が入賞することにより各単位遊技は終了する。つまり、通常通り(指示通り)遊技を行っておりさえすれば、所定時間以内に、各単位遊技においてN個の遊技球が大入賞口10に入賞するという事象が発生することはほぼ確実である。換言すれば、通常通り(指示通り)遊技を行っておりさえすれば、各単位遊技は上記時間条件ではなく、上記入賞条件で終了することになる。本実施形態では、大入賞口10は遊技領域902の右側に設けられており、単位遊技中に遊技者がいわゆる右打ち遊技を継続的に行っておりさえすれば、当該単位遊技においてN個の遊技球が大入賞口10に入賞することはほぼ確実である。
【0017】
本実施形態では、大入賞口10への遊技球が検出されることを契機として入賞音がスピーカ70(音出力手段)から出力される。当該入賞音は、遊技者に対し、大入賞口10への遊技球の入賞を示す効果音である。本実施形態における入賞音は、大まかに、普通入賞音と超過入賞音に区分けされる。
【0018】
普通入賞音は、各単位遊技が開始されてからN個目までの大入賞口10への遊技球の入賞が検出される度に出力される効果音である(
図2(b)(c)参照)。上述した通り、大入賞口10を狙って遊技球を発射させていれば、一の単位遊技においてN個の遊技球が大入賞口10に入賞することはほぼ確実であるから、一の単位遊技においてはN回の普通入賞音がスピーカ70から出力されることになる。後述するように、一の単位遊技においてN+1個以上の遊技球が大入賞口10に入賞することはあるが、N+1個目以降の入賞に関し普通入賞音は出力されない。
【0019】
本実施形態では、普通入賞音として出力されうる音として、態様が異なる複数種の音が図示しない記憶手段に記憶されている。本実施形態では、普通入賞音A、普通入賞音B、普通入賞音C、普通入賞音Dの四種類が設けられている(
図2(c)参照)。本実施形態では、一の大当たり遊技において、普通入賞音の態様が変化することはない。つまり、ある大当たり遊技においては、普通入賞音の態様は維持される。
【0020】
本実施形態では、大当たり遊技中に出力される演出要素に応じて、いずれの普通入賞音が出力されるのかが決まる。当該演出要素としては、表示領域に表示される画像や、スピーカ70から出力される音等を例示することができる。本実施形態では、スピーカ70から出力される背景楽曲が演出要素として設定されている。具体的には、背景楽曲として出力される楽曲として、楽曲A、楽曲B、楽曲C、楽曲Dの四種類が設定されている(
図2(a)参照)。
【0021】
各背景楽曲は、上述した複数種の普通入賞音のいずれかに対応づけられている。本実施形態では、楽曲Aが普通入賞音Aに、楽曲Bが普通入賞音Bに、楽曲Cが普通入賞音Cに、楽曲Dが普通入賞音Dにそれぞれ対応づけられている。ある大当たり遊技において普通入賞音としていずれの音が出力されるかは、当該大当たり遊技において背景楽曲として出力される楽曲の種類に応じて決定される。すなわち、背景楽曲として出力される楽曲と対応関係にある普通入賞音として設定される。例えば、ある大当たり遊技において楽曲Bが背景楽曲として出力されるのであれば、当該大当たり遊技中においては普通入賞音Bが出力される。なお、普通入賞音は、背景楽曲に重ねて出力される。つまり、背景楽曲は大当たり遊技を通じて継続的に出力される。普通入賞音が出力される音声チャネルを、背景楽曲が出力される音声チャネルと別にしてもよい。
【0022】
本実施形態では、いわゆる「連チャン」を重ねることで背景楽曲の種類が変化するように構成されている。当該「連チャン」の条件としては適宜設定することができる(「連チャン」自体は公知であるため詳細な説明を省略する)。例えば、大当たり遊技終了後に通常遊技状態(低ベース状態)に比して始動入賞口904に遊技球が入賞しやすい高ベース状態に移行する遊技機において、高ベース状態にて大当たり当選を重ねること(通常遊技状態に移行せずに大当たり当選を重ねること)を「連チャン」と定義づけることが考えられる。本実施形態では連チャン1回目(いわゆる初当たり時)には楽曲Aが、連チャン2回目には楽曲Bが、連チャン3回目には楽曲Cが、連チャン4回目には楽曲Dが背景楽曲として出力されるよう構成されている。このように連チャンを重ねる度に背景楽曲が切り替わっていくということは、連チャンを重ねる度に普通入賞音の態様も切り替わっていくということである。
【0023】
また、本実施形態では、連チャン5回目以降は、楽曲A~Dのうちから、背景楽曲として出力されるものを遊技者が選択可能となるよう構成されている。遊技者は、大当たり遊技が始まる前や、始まった後に、押しボタンや十字キー等の操作手段60を操作して好みの楽曲を選択することが可能である(表示領域に楽曲選択画面が表示される)(
図3参照)。出力される背景楽曲の種類に応じて出力される普通入賞音の種類が決まるため、このように好みの楽曲を選択することができるということは、間接的に、好みの普通入賞音を選択することができるということでもある。なお、連チャンを所定回数重ねることで背景楽曲が選択可能となるのではなく、いわゆる初当たり時から背景楽曲が選択可能(すなわち、普通入賞音が選択可能)な構成としてもよい。
【0024】
このように、本実施形態では、各単位遊技が開始されてからN個目までの大入賞口10への遊技球の入賞が検出される度に出力される効果音である普通入賞音の態様が大当たり遊技の度に変化しうるものであるから、遊技の趣向性を向上させることが可能である。
【0025】
また、普通入賞音は、背景楽曲として出力される楽曲の種類とリンクしたものであるから、背景楽曲と普通入賞音が相俟って演出効果を高めることが可能である。
【0026】
以下、上記普通入賞音に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0027】
○第一具体例
上記実施形態では、ある大当たり遊技において出力される普通入賞音の種類は、背景楽曲として出力される楽曲の種類等、出力される演出要素の種類に応じて決まることを説明したが、このような演出要素の種類に応じて決まる態様としないことも考えられる。
【0028】
例えば、普通入賞音の種類を遊技者が選択可能な構成とすることが考えられる。具体的には、いわゆるカスタマイズ機能の一種として、普通入賞音の種類を決定することができるようにする。カスタマイズ画面を表示し、遊技者が押しボタンや十字キー等の操作手段60を操作することで、好みの普通入賞音を選択することができるようにする(
図4(a)参照)。カスタマイズ時には、普通入賞音が出力されるようにするとよい。例えば、各選択肢(各普通入賞音を示す文字等)にカーソルを合わせた際に、普通入賞音が出力されるようにする。このようにすることで、各普通入賞音がどのような態様であるのかを聴いた上で、好みの入賞音を選択することができる。
【0029】
また、選択肢の一つとして、「普通入賞音無」の選択肢が設定されていてもよい(
図4(b)参照)。すなわち、遊技者の選択として、単位遊技が開始されてからN個目までの大入賞口10への遊技球の入賞を契機としては、入賞音が出力されないような設定とすることが可能である構成とする。各単位遊技においてN個の遊技球が大入賞口10に入賞することはほぼ確実であることから、当該入賞を契機として音が出力されることを煩わしいと考える遊技者のために、「普通入賞音無」の選択肢が設定されていることが好ましい。
【0030】
○第二具体例
上記実施形態では、各普通入賞音と対応づけられた演出要素として大当たり遊技中に出力される背景楽曲が設定されていることを説明したが、大当たり遊技中に演出を構成する要素として出力されるものであれば、これに限られるものではない。例えば、大当たり遊技中に出力される画像(以下、演出画像20と称することもある)を演出要素とすることが考えられる(
図5参照)。具体的には、例えば、演出画像20(
図5(a)参照)としてキャラクタA、キャラクタB、キャラクタC、キャラクタDのいずれかが表示されるように構成されており(大当たり遊技の「モチーフ」となるキャラクタが変化するように設定されており)、キャラクタA~Dのそれぞれが普通入賞音A~Dのそれぞれに対応づけられているものとする。そして、演出画像20としていずれのキャラクタが表示されるかに応じ、出力される普通入賞音の種類が決まるようにする。
【0031】
このようにすることで、大当たり遊技を構成する画像(大当たり遊技を彩る画像)と普通入賞音がリンクした大当たり遊技とすることが可能である。
【0032】
○第三具体例
各普通入賞音と演出要素の対応関係を明確にする。例えば、上記実施形態にて説明したような関係である場合、各背景楽曲を唄う声と、各背景楽曲に対応関係にある普通入賞音の声が同じキャラクタ(声優)のものであるとする。例えば、楽曲Aを唄うキャラクタと、普通入賞音Aである「よし!」の声のキャラクタが同じであるとする。このようにすることで、各普通入賞音と演出要素の関係が明確になるため、演出要素が変化することで普通入賞音が変化すること(普通入賞音と演出要素が対応づけられていること)がより分かりやすくなる。
【0033】
○第四具体例
上記実施形態では、普通入賞音のそれぞれが、演出要素(背景楽曲)の一つと対応づけられていること、すなわち普通入賞音と演出要素の対応関係が1:1であることを説明したが、このような関係でなくてもよい。例えば、ある普通入賞音(普通入賞音A)に対し、二つの背景楽曲(楽曲A1、A2)が対応づけられているものとする。つまり、背景楽曲として、楽曲A1および楽曲A2のいずれかが出力される大当たり遊技においては、普通入賞音Aが出力される設定とする。このように、一の普通入賞音に対し、複数種の背景楽曲が対応づけられた設定としてもよい。
【0034】
○第五具体例
上記実施形態では、ある大当たり遊技において出力される普通入賞音の態様は、いずれの単位遊技においても同じである(大当たり遊技を通じて同じである)のに対し、普通入賞音の態様が特定の単位遊技と当該特定の単位遊技とは別の単位遊技において異なる場合がある構成とする。具体的には、「特定の単位遊技」と「別の単位遊技」において出力される普通入賞音の態様が同じである通常態様(
図6(a)参照)と、「特定の単位遊技」と「別の単位遊技」において出力される普通入賞音の態様が異なる特殊態様(
図6(b)参照)とが発生しうる構成とする。
【0035】
普通入賞音として出力されうる入賞音として、上述した普通入賞音A~Dに加え、普通入賞音Eが設定されているものとする。「別の単位遊技」においては普通入賞音A~Dのいずれかが出力されるものとする。すなわち、大当たり遊技において出力される背景楽曲(楽曲A~Dのいずれか)に対応した普通入賞音が出力される。通常態様は、「特定の単位遊技」と「別の単位遊技」のいずれにおいても、背景楽曲に対応した普通入賞音が出力される(
図6(a)参照)。特殊態様は、「別の単位遊技」においては普通入賞音A~Dのいずれかが、「特定の単位遊技」においては普通入賞音Eが出力される(
図6(b)参照)。つまり、特殊態様では、「別の単位遊技」において普通入賞音A~Dのいずれが出力される場合であっても、「特定の単位遊技」において出力される普通入賞音Eとは異なる。
【0036】
このように、通常態様と特殊態様のいずれかが発生するようにして、ある大当たり遊技にて通常態様が発生した場合と、特殊態様が発生した場合とでは、大当たり遊技終了後に遊技者に有利な事象が発生する蓋然性が異なるものとする。つまり、「特定の単位遊技」にて出力される普通入賞音の態様が、「別の単位遊技」にて出力される普通入賞音の態様と同じとなるかどうかにより、上記有利な事象が発生する蓋然性が示唆されるものとする。このようにすることで、普通入賞音の態様に注目させる遊技性を実現することが可能である。
【0037】
通常態様は大当たり遊技を通じて普通入賞音の態様が同じである構成であるのに対し、特殊態様は一部の単位遊技において普通入賞音の態様がその他の単位遊技とは異なるという構成であるから、特殊態様は通常態様よりもその発生が「目立つ」態様であるといえる。したがって、通常態様が発生したときよりも、特殊態様が発生したときの方が、大当たり遊技終了後に遊技者に有利な事象が発生する蓋然性が高くなる設定とすることが好ましい。普通入賞音の態様が大当たり遊技を通じて一定でない特殊態様は、遊技者が違和感を覚えるような態様であるといえるから、特殊態様が発生した場合には、大当たり遊技終了後に遊技者に有利な事象が発生することが確定する設定としてもよい。
【0038】
上記「遊技者に有利な事象」としては種々考えられる。既に取得されている保留(保留自体は公知であるから説明を省略する)に大当たりとなるものが存在すること、すなわち大当たり遊技終了後の大当たり当選(いわゆる保留内連チャン)や、大当たり遊技終了後の遊技状態が通常遊技状態に比して有利な確率変動状態(通常遊技状態よりも当否抽選に当選する確率が高い状態)に移行すること等を例示することができる。上述したように、特殊態様が発生した場合には、大当たり遊技終了後に遊技者に有利な事象が発生することが確定する設定とするのであれば、特殊態様の発生は、保留内連チャンや確率変動状態への移行といった遊技者に有利な事象を確定的に報知するものとなる。
【0039】
なお、本例に関しては、演出要素(背景楽曲)に対応づけて普通入賞音が出力される構成としなくてもよい。「特定の単位遊技」と「別の単位遊技」において出力される普通入賞音の態様が同じである通常態様と、「特定の単位遊技」と「別の単位遊技」において出力される普通入賞音の態様が異なる特殊態様とが発生しうるものであればよい。例えば普通入賞音Aと普通入賞音Bが設定され、演出要素に関係なく、通常態様の場合には大当たり遊技を通じて普通入賞音Aが出力され、特殊態様の場合には「別の単位遊技」において普通入賞音Aが、「特定の単位遊技」においては普通入賞音Bが出力される構成とすることが考えられる。
【0040】
○第六具体例(第五具体例をさらに具体化した例)
上記「別の単位遊技」は大当たり遊技を構成する最後の単位遊技(最終ラウンド)以外の単位遊技とし、「特定の単位遊技」は大当たり遊技を構成する最後の単位遊技であるとする。上記の通り、第五具体例にて説明した通常態様と特殊態様の違いは、「特定の単位遊技」にて出力される普通入賞音の態様が、「別の単位遊技」にて出力される普通入賞音の態様と同じとなるか否かであるところ、かかる結果が最後まで分からないようにするため(最後まで遊技者の注目を惹く態様とするため)に、特定の単位遊技は最後の単位遊技(最終ラウンド)とすることが好ましい(
図7参照)。
【0041】
また、特殊態様の発生は、大当たり遊技終了後に遊技者に有利な事象が発生する蓋然性の示唆、または、発生が確定したことの示唆であることを踏まえれば、本例のように最後の単位遊技において特殊態様の発生が分かるようにすることが好ましいといえる。最後の単位遊技は、大当たり終了時点に最も近い単位遊技であるから、当該単位遊技にて特殊態様の発生を知らせることで、特殊態様の発生を遊技者が忘れてしまうことの発生等が防止される。
【0042】
1-2)超過入賞音
超過入賞音は、一の単位遊技においてN+1個以上の遊技球が入賞したとき(当該入賞はいわゆる「オーバー入賞」とも称されるため、以下当該事象をオーバー入賞と称することもある)に出力される効果音である。上記の通り、一の単位遊技においてN個の遊技球が大入賞口10に入賞することを契機として終了条件が成立し、開閉部材11が大入賞口10を閉鎖する方向に向かって変位を開始するものの、当該開閉部材11が大入賞口10を閉鎖するよりも前に遊技球が入賞することもある。すなわち、一の単位遊技においてN+1個以上の遊技球が入賞することもある。当該オーバー入賞が発生したときには、スピーカ70から超過入賞音が出力され、オーバー入賞が発生したことが遊技者に分かりやすく示されることになる(
図8参照)。なお、本実施形態では、オーバー入賞が発生する度に(N+1個を超える大入賞口10への入賞が検出される度に)超過入賞音が出力される。例えば、一の単位遊技において計N+2個の遊技球が大入賞口10に入賞した場合、N+1個目の遊技球の入賞を契機として超過入賞音が出力されるだけでなく、N+2個目の遊技球の入賞を契機として超過入賞音が出力される。ただし、一の単位遊技において出力される超過入賞音の回数は最大1回である設定とすることを否定するわけではない。
【0043】
本実施形態では、上記超過入賞音として出力されうる音として、態様が異なる複数種の音が図示しない記憶手段に記憶されている。本実施形態では、超過入賞音A、超過入賞音B、超過入賞音C、超過入賞音Dの四種類が設けられている。本実施形態では、オーバー入賞発生時(
図8(a)参照)に、複数種の超過入賞音のうちのいずれかがランダムに出力される(
図8(b)参照)ことになる。つまり、オーバー入賞の発生の度に、超過入賞音の態様が異なりうるものであるから、遊技の趣向性を向上させることが可能である。特に本実施形態では、一の単位遊技において複数回のオーバー入賞が発生した場合(一の単位遊技においてN+2個以上の遊技球が入賞した場合)、一の単位遊技において複数回の超過入賞音が出力されることになるところ、当該一の単位遊技において出力される複数回の超過入賞音の態様が同じとなる場合もあるし、異なる場合もあるという面白みのある態様とすることが可能である。
【0044】
以下、上記超過入賞音に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0045】
○第一具体例
上記実施形態では、オーバー入賞発生時に、複数種の超過入賞音のうちのいずれかがランダムに出力されるものであることを説明したが、出力される超過入賞音が大当たり遊技を構成する演出要素に対応づけられたものとしてもよい。演出要素として背景楽曲が設定され、当該背景楽曲用の楽曲として、楽曲A、楽曲B、楽曲C、楽曲Dの四種類が設定されているとする(
図9(a)参照)。そして、楽曲Aには超過入賞音A、楽曲Bには超過入賞音B、楽曲Cには超過入賞音C、楽曲Dには超過入賞音Dというように、各演出要素のそれぞれに超過入賞音が対応づけられているものとする。
【0046】
超過入賞音としていずれの音が出力されるかは、当該大当たり遊技において出力される背景楽曲の種類に応じて決まるものとする。例えば、楽曲Dが出力される大当たり遊技においてオーバー入賞が発生したときには、超過入賞音Dが出力される(
図9参照)。このようにすることで、大当たり遊技を構成する演出要素と超過入賞音Dの態様がリンクしたものとなるから、演出要素と超過入賞音が相俟って演出効果が高められる。
【0047】
なお、演出要素および超過入賞音の対応関係が1:1の関係でなくてもよい。例えば、背景楽曲Aに対し、超過入賞音A1と超過入賞音A2が対応づけられているといったような構成としてもよい。すなわち、背景楽曲Aが出力される大当たり遊技においては、オーバー入賞発生時に超過入賞音A1または超過入賞音A2のいずれかが出力されるものとする。また、一の超過入賞音に対し、複数種の演出要素が対応づけられた設定としてもよい。
【0048】
○第二具体例
複数種の超過入賞音のうちの一部が特定超過入賞音として設定されているものとする(
図10参照)。つまり、オーバー入賞発生時には、特定超過入賞音が出力されることがあるものとする。
【0049】
特定超過入賞音が出力されたときには、大当たり遊技終了後に遊技者に有利な事象(当該「遊技者に有利な事象」の例は上述した通りである)が発生することが確定するものとする。つまり、大当たり遊技終了後に遊技者に有利な事象が発生する場合に限り、オーバー入賞発生時に特定超過入賞音が出力されうるものとする。このようにすることで、オーバー入賞発生時における超過入賞音の態様に注目させることが可能となる。また、オーバー入賞が発生しない限り超過入賞音が出力されないのであるから、オーバー入賞が発生しなかった、または発生頻度が少なかったケースは、そもそも特定超過入賞音が出力される契機がない、または契機が少ないということになる。したがって、特定超過入賞音が出力されなかったときであっても、大当たり遊技終了後に遊技者に有利な事象が発生することに期待がもてることになる。
【0050】
特定超過入賞音の態様はどのようなものであってもよいが、その一例としては、大当たり遊技終了後に遊技者に有利な事象が発生することを示すような態様とすることが考えられる。例えば、遊技終了後の遊技状態が通常遊技状態に比して有利な確率変動状態に移行することが有利な事象として設定されている構成とする場合には、特定超過入賞音の態様が「確変確定」といった文言を含むものとする(
図10(b)参照)。
【0051】
○第三具体例
音出力手段から出力される超過入賞音の種類によらず、超過入賞音とともに超過効果音が出力されるものとする(
図11参照)。超過効果音は、超過入賞音とは異なり、所定の態様を有するものである(態様が変化しないものである)。つまり、オーバー入賞が発生したときには、その都度態様が変化しうる超過入賞音と、態様が常に一定である超過効果音が出力されることになる(
図11(b)参照)。なお、超過入賞音が出力されるタイミングと超過効果音が出力されるタイミングは完全に同一でなくてもよい(超過入賞音と超過効果音が重ねて出力される態様としなくもてよい)。超過入賞音と超過効果音がともにオーバー入賞の発生を示すものとして出力されていることがわかるようなタイミングであれば、超過入賞音が出力されるタイミングと超過効果音が出力されるタイミングがずれていてもよい。
【0052】
上記実施形態のように、超過入賞音がその都度変化しうる構成であると、遊技者によっては、当該超過入賞音がオーバー入賞の発生を示すものとして出力されているのかどうか分かりにくくなるおそれがある。これに対し本例では、超過入賞音だけでなく、態様が常に一定である超過効果音が出力されるため、オーバー入賞の発生が分かりやすいという利点がある。つまり、本例では、超過入賞音の態様がその都度変化しうるようにしてオーバー入賞の発生を示す演出を華やかなものにしつつ、超過効果音が出力されることでオーバー入賞の発生を分かりやすくしている。
【0053】
超過効果音に代えて、遊技者がその感覚(五感のいずれか)により認識可能な演出要素が出力されるようにしてもよい。例えば、オーバー入賞の発生時に、遊技機の少なくとも一部が振動し(このように振動させる手法自体は公知であるから説明を省略する)、その振動が遊技者に伝わることで当該オーバー入賞の発生が示されるようにしてもよい。なお、オーバー入賞が発生したときであっても上述した超過入賞音が出力されないようにしつつ、振動等により当該オーバー入賞の発生が示されるようにすることも可能である。
【0054】
○第四具体例
普通入賞音と超過入賞音が対応づけられた関係とし、ある単位遊技においてオーバー入賞が発生したときに出力される超過入賞音は、当該ある単位遊技において出力される普通入賞音と対応関係にあるものとする(
図12参照)。例えば、普通入賞音Aと超過入賞音A、普通入賞音Bと超過入賞音B、普通入賞音Cと超過入賞音C、普通入賞音Dと超過入賞音Dといったように、複数種の普通入賞音のそれぞれに対し、異なる態様の超過入賞音が対応づけられたものとする。ある単位遊技における普通入賞音Bが出力される場合、当該単位遊技においてオーバー入賞が発生したときには超過入賞音Bが出力されるものとする。
【0055】
普通入賞音と超過入賞音は、その対応関係が遊技者に把握または想起されるようなものであることが好ましい。例えば、普通入賞音と超過入賞音の両方がキャラクタの声(声優)によるものとし、対応関係にある普通入賞音と超過入賞音とが同じキャラクタの声であるものとする。例えば、普通入賞音AがキャラクタAの声で「よし」と出力される態様であり、超過入賞音AがキャラクタAの声で「やった」と出力される態様であるとする。
【0056】
1-3)以上、大当たり遊技中の入賞音として出力される普通入賞音および超過入賞音について説明したが、普通入賞音および超過入賞音の一方について説明した事項のみ適用された遊技機としてもよい。
【0057】
2)待機楽曲の制御
遊技機1の状態は、大きく分けて遊技者が遊技を行っている状態である遊技状態と、遊技者が遊技を行っていない状態である待機状態に区分けされる。遊技状態から待機状態に移行する条件としては種々の観点から設定することができる。本実施形態では、当否判定結果の報知が行われていない状態(識別図柄80が変動していない状態(大当たり遊技状態中を除く))(
図13(a)参照)が、所定時間継続したときに待機状態に移行する(
図13(b)参照)ようにしている。それ以外には、遊技球が発射されていない状態が所定時間継続したときに待機状態に移行するような構成とすることも考えられる。
【0058】
本実施形態にかかる遊技機1は、待機状態に移行し所定条件が成立することを契機として、スピーカ70から待機楽曲40を出力させる。当該所定条件として、遊技に関する各種設定を行うカスタマイズ画面が表示領域911に表示された状態となることを設定している。つまり、遊技者がカスタマイズ機能を利用するための画面が表示されることを契機として待機楽曲40が出力される(
図13(c)参照)。カスタマイズ画面(カスタマイズ機能)それ自体は公知であるため詳細な説明を省略する。カスタマイズ機能の対象となる要素はどのようなものであってもよい。音量や光量の調整、演出バランスの調整、携帯連動型サービスの利用等、種々の設定を挙げることができる。本実施形態では、待機状態に移行してから所定時間経過したときに、操作手段60(押しボタン)を操作することでカスタマイズ機能が利用できることが表示される。遊技者が操作手段60を操作することでカスタマイズ画面が表示される。それを契機として待機楽曲40が出力される。カスタマイズ画面が表示領域911に表示されていない状態となったこと(所定条件が解消されたこと)を契機として待機楽曲40の出力が停止する。
【0059】
本実施形態における待機楽曲40は、互いに種類が異なる(著作物性が異なる)の二以上の楽曲を含むものである。すなわち、待機楽曲40は、異なる楽曲が組み合わされてなるものであるとみることもできる。本実施形態における待機楽曲40は、互いに異なる三つの楽曲を含む。待機楽曲40に含まれる楽曲を構成楽曲とすると、本実施形態における待機楽曲40は、第一構成楽曲41、第二構成楽曲42および第三構成楽曲43の三つを含む。待機楽曲40は、当該構成楽曲がメドレー形式で循環して出力される。具体的には、第一構成楽曲41、第二構成楽曲42、第三構成楽曲43、第一構成楽曲41、第二構成楽曲42・・・というように出力される(
図14参照)。
【0060】
本実施形態では、構成楽曲として採用されうる楽曲(以下、候補楽曲)として、四種以上の楽曲が設定されている。本実施形態では、楽曲A~Eの五種類が候補楽曲として設定されている。所定条件が成立したときには、当該候補楽曲のうちの三つが構成楽曲(第一構成楽曲41~第三構成楽曲43)として選択された上で、これらの構成楽曲からなる待機楽曲40が出力されることになる。一の待機楽曲40に含まれる構成楽曲の数よりも、候補楽曲の数が多いということは、構成楽曲の選択態様がその都度変化するということである。端的に言えば、複数の構成楽曲を含む待機楽曲40の態様は変化しうるものであるということである。つまり、本実施形態における待機楽曲40の態様は一定ではなく、その都度変化するものである。例えば、待機楽曲40として、第一構成楽曲41が楽曲A、第二構成楽曲42が楽曲B、第三構成楽曲43が楽曲Cであるものが出力されることもあれば、第一構成楽曲41が楽曲E、第二構成楽曲42が楽曲D、第三構成楽曲43が楽曲Cであるものが出力されることもあるということになる。また、待機楽曲40を構成する三つの構成楽曲の組み合わせが同じであっても、出力される順番が異なるために、待機楽曲40としての態様が異なるといったものも生じうることになる。
【0061】
このように、本実施形態にかかる遊技機1では、待機状態にて出力される待機楽曲40の態様はその都度変化しうるものであって不定である。つまり、待機楽曲40として毎回同じ楽曲が出力されることによる遊技意欲の低下(遊技者がうんざりしてしまうこと)を抑制することが可能である。
【0062】
特に、本実施形態では、カスタマイズ画面が表示されることを契機として待機楽曲40が出力される。遊技者によっては、カスタマイズを頻繁に行うことも予測されるため、カスタマイズ画面が表示される度に同じ楽曲が繰り返されることは遊技者がうんざりしてしまい好ましくないといえる。本実施形態では、このような遊技者に対しても、その都度異なる待機楽曲40を聴かせることになる。
【0063】
また、本実施形態における待機楽曲40は、複数の構成楽曲がメドレー形式で循環して再生されるものであるため、待機楽曲40が出力される期間が長くなっても楽曲の種類の変化が生じることになる。特に、本実施形態では、カスタマイズ画面が表示されている期間中は待機楽曲40が出力されることになるところ、カスタマイズにかける時間が長くなっても、同じ種類の楽曲が繰り返されてしまうことが防止される。
【0064】
なお、構成楽曲(候補楽曲)は著作物としての楽曲の一部であってもよいし、全体であってもよい。例えば、待機楽曲40が含む第一構成楽曲41~第三構成楽曲43は、いずれも「サビ」の部分に相当するもののみが出力される構成としてもよい。つまり、待機楽曲40は、複数の楽曲の「サビ」の部分のみがメドレー形式で出力されるものとしてもよい。このようにすれば、待機楽曲40は、各楽曲の特徴的な部分のみが順に出力される構成となるため、各構成楽曲に対する遊技者の認知度が早く高まるという利点がある。
【0065】
以下、上記待機楽曲40に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0066】
○第一具体例
上記実施形態では、待機状態に移行し、カスタマイズ画面が表示されることを所定条件の成立として待機楽曲40が出力されるものであることを説明したが、カスタマイズ画面が表示されることを待機楽曲40が出力される契機とするのはあくまで一例である。待機状態に移行することを自体が所定条件の成立として設定された構成としてもよい。このようにすれば、遊技状態から待機状態に移行することを契機として待機楽曲40の出力が開始されることになる。また、例えば、待機状態に移行してから所定時間経過することを所定条件の成立として設定された構成とすることも考えられる。このようにすれば、遊技状態から待機状態に移行した後、所定時間経過したとき(待機状態が所定時間継続したとき)に待機楽曲40の出力が開始されることになる。
【0067】
○第二具体例
上記実施形態における待機楽曲40は、互いに種類が異なる(著作物性が異なる)の二以上の構成楽曲を含むものであることを説明したが、一種の楽曲を含むものとしてもよい。つまり、一の著作物としての楽曲が、そのまま待機楽曲40として出力される構成としてもよい。当該待機楽曲40として出力されうる候補楽曲として複数種の候補楽曲を用意しておき、所定条件成立時には、当該複数種の候補楽曲のうちの一つが待機楽曲40として出力される構成とする。このような構成としても、毎回同じ楽曲が出力されることによる遊技意欲の低下を抑制することが可能である。
【0068】
○第三具体例
上記実施形態では、一の待機楽曲40に含まれる構成楽曲の数よりも、候補楽曲の数が多いことを説明したが、一の待機楽曲40に含まれる構成楽曲の数と候補楽曲の数が同じである設定としてもよい。そして、出力される順番がその都度変化しうるものとする。例えば、候補楽曲として楽曲A、楽曲B、楽曲Cの三種類が設定され、待機楽曲40はこれら楽曲A~Cが出力される順番が種々変化するものとする。すなわち、出力される順が、待機楽曲40の態様の違いである構成としてもよい。
【0069】
○第四具体例
遊技者が遊技している遊技状態中には種々の楽曲が出力される。遊技状態には、当否判定結果を報知する報知演出(識別図柄80の変動開始から当否判定結果を示す組み合わせで停止するまでの演出)が実行されている状態や、当否判定結果が大当たりとなった後に実行される大当たり演出(大当たり遊技)が実行されている状態が含まれる。上記報知演出中や大当たり演出中に出力される楽曲として複数種の演出楽曲が搭載されている。報知演出中に出力される演出楽曲としては、リーチ演出中に出力される楽曲を例示することができる。
【0070】
当該複数種の演出楽曲のうちの少なくとも一部が、上記構成楽曲として設定されうるものとする。換言すれば、上記候補楽曲のうちの少なくとも一部は、演出楽曲として出力されることがある楽曲とする。候補楽曲の全部が演出楽曲であることが好ましい。上記実施形態のように、楽曲A~Eの五種類が候補楽曲として設定されているのであれば、楽曲Aはリーチ演出Aで出力される演出楽曲、楽曲Bはリーチ演出Bで出力される演出楽曲、楽曲Cはリーチ演出Cで出力される演出楽曲、楽曲Dは第一大当たりに当選したときに出力される演出楽曲、楽曲Eは第二大当たり(第一大当たりとは異なる大当たり)に当選したときに出力される演出楽曲といったように、遊技状態中に出力されることがある各種演出楽曲を候補楽曲として設定する(
図15参照)。
【0071】
このようにすることで、遊技状態中に出力されることがある演出楽曲を、待機状態にて遊技者に聴かせることが可能である。そのため、搭載している演出楽曲の認知度が高まり、遊技意欲の向上に資する。また、上記実施形態のように待機楽曲40が複数の構成楽曲(演出楽曲)を含むものとすれば、一度に多くの楽曲を聴く機会があることになるという利点がある。
【0072】
○第五具体例
上記実施形態にて説明したように、待機楽曲40は、複数の構成楽曲を含むものとする。このうち、所定条件が成立したときに最初に出力される構成楽曲については変化しうるものの、その他の構成楽曲については毎回同じである構成とする。例えば、上記実施形態と同様に、待機楽曲40が第一構成楽曲41~第三構成楽曲43を含むものであれば、第二構成楽曲42および第三構成楽曲43については毎回同じ楽曲(楽曲X、Y)であるものの、第一構成楽曲41については複数種の候補楽曲(楽曲A~E)のうちからランダムに選択されるものとする(
図16参照)。
【0073】
待機状態に移行し、所定条件が成立したとき(上記実施形態に則していえばカスタマイズ画面が表示されたとき)には、まず第一構成楽曲41が出力されることになる。つまり、所定条件が成立したときには、第一構成楽曲41の少なくとも一部は必ず出力されることになる。一方、第一構成楽曲41の出力が終了するよりも前に所定条件が解消され(上記実施形態に則していえばカスタマイズ画面が表示されない状態となり)、待機楽曲40の出力が終了する可能性があるから、第二構成楽曲42や第三構成楽曲43については、出力されない可能性がある。これを踏まえ、最初に出力される第一構成楽曲41の種類は変化しうるものとし、毎回同じ楽曲を遊技者が聴くことにより遊技意欲が低下してしまうことが抑制される。第一構成楽曲41の出力が終了した後出力される構成楽曲については、必ず出力されるとは限られないから、毎回同じ楽曲である設定とする。このようにすることで、待機楽曲40の態様を決定するに際し、第一構成楽曲41をどの楽曲にするかのみ決定すればよいから、制御が容易になるという利点がある。
【0074】
なお、上記実施形態のように、全ての構成楽曲が毎回変化しうる設定としても、第一構成楽曲41として毎回同じ楽曲が出力されないものとなるから、上記のような遊技意欲の低下を抑制する効果が奏される。
【0075】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0076】
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
【0077】
・手段1-1
音出力手段と、開放された入賞領域がN個の遊技球が入賞することを契機として閉鎖される単位遊技を一または複数含む当たり遊技を実行する当たり遊技実行手段と、を備え、ある前記単位遊技が開始されてからN個目までの前記入賞領域への遊技球の入賞が検出される度に前記音出力手段から出力される普通入賞音が複数種設けられていることを特徴とする遊技機。
上記遊技機は、普通入賞音の態様が当たり遊技の度に変化しうるものであるから、当たり遊技の趣向性を向上させることが可能である。
【0078】
・手段1-2
前記当たり遊技を構成する所定の演出要素が異なる複数種の前記当たり遊技を実行することが可能であり、前記当たり遊技を構成する前記演出要素の種類に応じ、前記音出力手段から出力される前記普通入賞音の種類が決定されることを特徴とする手段1-1に記載の遊技機。
・手段1-3
前記演出要素は、前記当たり遊技中に出力される背景楽曲であることを特徴とする手段1-2に記載の遊技機。
上記の通り、普通入賞音を、当たり遊技を構成する演出要素(当該演出要素の一例として背景楽曲を挙げることができる)とリンクしたものとすれば、演出要素と普通入賞音が相俟って演出効果を高めることが可能である。
【0079】
・手段1-4
特定の単位遊技において出力される前記普通入賞音の種類が、当該特定の単位遊技とは異なる別の単位遊技において出力される前記普通入賞音の種類と異なる場合と、前記特定の単位遊技と前記別の単位遊技において出力される前記普通入賞音の種類が同じである場合とで、前記当たり遊技終了後に遊技者に有利な事象が発生する蓋然性が異なることを特徴とする手段1-1から手段1-3のいずれかに記載の遊技機。
・手段1-5
特定の単位遊技において出力される前記普通入賞音の種類が、当該特定の単位遊技とは異なる別の単位遊技において出力される前記普通入賞音の種類と異なる場合には、前記当たり遊技終了後に遊技者に有利な事象が発生することが確定するように設定されていることを特徴とする手段1-4に記載の遊技機。
このようにすることで、特定の単位遊技と別の単位遊技にて出力される普通入賞音の態様が同じとなるか否かということに遊技者が注目する遊技性を実現することが可能である。
【0080】
・手段1-6
前記特定の単位遊技は、前記当たり遊技を構成する最後の単位遊技であることを特徴とする手段1-4または手段1-5に記載の遊技機。
特定の単位遊技と別の単位遊技にて出力される普通入賞音の態様が同じとなるか否かにより、「当たり遊技終了後」に遊技者に有利な事象が発生することに関する示唆がなされるのであるから、当たり遊技終了時点に最も近い最後の単位遊技にて普通入賞音の態様が同じとなるか否かが判明するようにするとよい。
【0081】
・手段1-7
ある前記単位遊技が開始されてからN+1個目の前記入賞領域への遊技球の入賞が検出されたときに前記音出力手段から出力される超過入賞音が複数種設けられていることを特徴とする手段1-1から手段1-6のいずれかに記載の遊技機。
このように、いわゆるオーバー入賞が発生したときに出力される超過入賞音の態様がその都度変化しうるようにすることで、当たり遊技の趣向性を向上させることが可能である。
【0082】
・手段1-8
前記音出力手段から出力される前記超過入賞音の種類によらず、当該超過入賞音とともに所定の態様を有する超過効果音が前記音出力手段から出力されることを特徴とする手段1-7に記載の遊技機。
このように、超過入賞音だけでなく、ある決まった態様を有する超過効果音が出力されるようにすることで、オーバー入賞の発生が分かりやすくなる。
【0083】
・手段1-9
前記超過入賞音のうちの一種である特定超過入賞音が出力された場合には、当たり遊技終了後に当たり遊技終了後に遊技者に有利な事象が発生することが確定するように設定されていることを特徴とする手段1-7または手段1-8に記載の遊技機。
このようにすることで、超過入賞音の態様に遊技者が注目する遊技性を実現することが可能である。
【0084】
・手段2-1
音出力手段と、所定時間以上遊技がなされていないときに待機状態に移行させる待機状態移行手段と、前記待機状態において所定条件が成立したときに前記音出力手段より待機楽曲を出力させる待機楽曲制御手段と、を備え、前記待機楽曲として出力される楽曲の態様が不定であることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、待機楽曲として同じ楽曲が出力されることが繰り返されることによる遊技意欲の低下を抑制することが可能である。
【0085】
・手段2-2
前記待機楽曲は、互いに種類が異なる二以上の構成楽曲がメドレー形式で出力されるものであることを特徴とする手段2-1に記載の遊技機。
このようにすることで、待機楽曲が出力される期間が長くなっても楽曲の種類の変化が生じることになる。
【0086】
・手段2-3
遊技者が遊技している遊技状態中に出力されることがある楽曲として複数種の演出楽曲が搭載されており、前記演出楽曲が、前記構成楽曲として設定されることを特徴とする手段2-2に記載の遊技機。
このようにすることで、演出楽曲として出力される楽曲の認知度が高まることになる。
【0087】
・手段2-4
前記待機楽曲に含まれる二以上の構成楽曲のうち、少なくとも最初に出力される構成楽曲の種類がランダムに決定されることを特徴とする手段2-2または手段2-3に記載の遊技機。
待機状態にて所定条件が成立したときに最初に出力される構成楽曲を遊技者は必ず聴くことになるから、少なくとも当該最初に出力される構成楽曲については、その都度変化しうるものとすることが好ましい。
【0088】
・手段2-5
遊技に関する各種設定を行うカスタマイズ画面が表示されることを、前記所定条件の成立とすることを特徴とする手段2-1から手段2-4のいずれかに記載の遊技機。
遊技者によっては、カスタマイズを頻繁に行うことも予測されるため、カスタマイズ時に出力される待機楽曲の態様が不定であることが好ましい。
【符号の説明】
【0089】
1 遊技機
10 大入賞口
20 演出画像
40 待機楽曲
41~43 第一構成楽曲~第三構成楽曲
60 操作手段
70 スピーカ
80 識別図柄
91 表示装置
911 表示領域