(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-15
(45)【発行日】2022-08-23
(54)【発明の名称】回転伝達装置
(51)【国際特許分類】
F16H 49/00 20060101AFI20220816BHJP
【FI】
F16H49/00 A
(21)【出願番号】P 2019220645
(22)【出願日】2019-12-05
【審査請求日】2022-02-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000229830
【氏名又は名称】株式会社フェローテックホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】廣岡 正剛
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 一太郎
【審査官】鷲巣 直哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-052950(JP,A)
【文献】特開2006-083949(JP,A)
【文献】特開2000-136865(JP,A)
【文献】実開昭63-121824(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間を区画する非磁性の部材からなり、該区画する一方の空間から他方の空間に向けて円筒状に突出する筒状隔壁と、
前記筒状隔壁に区画された一方の空間側に位置する柱状の磁性体であり、前記筒状隔壁の内側に収容された状態で、該筒状隔壁の突出方向に延びる回転軸にて回転可能な柱状軸体と、
前記筒状隔壁に区画された他方の空間側に位置する筒状の磁性体であり、その内側に前記筒状隔壁を収容した状態で、前記回転軸にて回転可能な筒状軸体と、を備え、
前記柱状軸体は、前記回転軸と交差する平面視で、該回転軸を包囲する柱本体と、該回転軸を中心に所定の角度間隔でそれぞれ前記柱本体の外周面から放射状に突出して前記筒状隔壁の内周面と近接する磁極である複数の内部磁極と、を有しており、
前記筒状軸体は、前記回転軸と交差する平面視で、前記筒状隔壁を取り囲んで収容する筒本体と、該筒本体の内周面から前記内部磁極と同じ角度間隔でそれぞれ前記回転軸に向けて突出して前記筒状隔壁の外周面と近接する磁極である複数の外部磁極と、を有しており、
前記柱状軸体および前記筒状軸体のいずれか一方は、前記回転軸の延びる方向に2分割された構造体に、前記回転軸を包囲して該回転軸の延びる方向にS極およびN極が順に着磁された1以上の磁石体が挟まれた状態で一体化されて
おり、
前記柱状軸体および前記筒状軸体において、前記回転軸に沿った先端側または末端側に配置された磁極の端面は、前記内部磁極および前記外部磁極の一方に対して他方が前記回転軸の延びる方向に沿って所定距離だけ変位している、
回転伝達装置。
【請求項2】
前記柱状軸体および前記筒状軸体のいずれか一方は、その回転軸の延びる方向に分割された3以上の構造体それぞれからなり、各構造体の間にそれぞれ前記磁石体が挟まれた状態で一体化されており、
前記磁石体それぞれは、前記構造体を挟んで隣接する前記磁石体同士で、S極およびN極のいずれか同じ極側が向き合う位置関係で配置されている、
請求項1に記載の回転伝達機構。
【請求項3】
前記筒状軸体は、その回転軸の延びる方向に分割された構造体に前記磁石体が挟まれた状態で一体化されている、
請求項1または請求項2に記載の回転伝達装置。
【請求項4】
前記磁石体は、前記回転軸を包囲するリング状の磁石である、
請求項1から
3のいずれかに記載の回転伝達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隔壁を介して区画された一方の領域から他方の領域へと回転運動を伝達する回転伝達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、非磁性の部材からなる筒状の隔壁に、磁性体からなる柱状の軸体を収容し、この隔壁を同じく磁性体からなる筒状の軸体で包囲するとともに、軸体同士を磁気的に連結することによって、一方の軸体による回転に他方の軸体を従動させて回転運動を伝達する回転伝達装置が用いられている(特許文献1参照)。この回転伝達装置では、それぞれ軸体の回転軸から所定の角度間隔で放射状に延びる複数の磁石体を配置し、各軸体の間に磁路を形成することで両者の磁気的な連結を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した回転伝達装置では、磁石体それぞれが内外方向に着磁されている構造上、内外方向の長さに応じて装置が大径化するため、この構造が装置を小型化する際の制約になりやすいという課題がある。
【0005】
また、各軸体の回転時における角速度や回転量などの精度を高めるには、磁石体を増やしてその配置される角度間隔を狭めることになるが、その間隔に応じて磁石体を小さくすると磁石体自体の性能とともに回転トルクも低下するため、この構造が精度を高める際の制約にもなりやすいという課題もある。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、従来よりも、装置の小型化や高精度化をしやすくするための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため第1局面は、空間を区画する非磁性の部材からなり、該区画する一方の空間から他方の空間に向けて円筒状に突出する筒状隔壁と、前記筒状隔壁に区画された一方の空間側に位置する柱状の磁性体であり、前記筒状隔壁の内側に収容された状態で、該筒状隔壁の突出方向に延びる回転軸にて回転可能な柱状軸体と、前記筒状隔壁に区画された他方の空間側に位置する筒状の磁性体であり、その内側に前記筒状隔壁を収容した状態で、前記回転軸にて回転可能な筒状軸体と、を備え、前記柱状軸体は、前記回転軸と交差する平面視で、該回転軸を包囲する柱本体と、該回転軸を中心に所定の角度間隔でそれぞれ前記柱本体の外周面から放射状に突出して前記筒状隔壁の内周面と近接する磁極である複数の内部磁極と、を有しており、前記筒状軸体は、前記回転軸と交差する平面視で、前記筒状隔壁を取り囲んで収容する筒本体と、該筒本体の内周面から前記内部磁極と同じ角度間隔でそれぞれ前記回転軸に向けて突出して前記筒状隔壁の外周面と近接する磁極である複数の外部磁極と、を有しており、前記柱状軸体および前記筒状軸体のいずれか一方は、前記回転軸の延びる方向に2分割された構造体に、前記回転軸を包囲して該回転軸の延びる方向にS極およびN極が順に着磁された1以上の磁石体が挟まれた状態で一体化されている、回転伝達装置である。
【0008】
この局面における回転伝達装置では、柱状軸体および筒状軸体の間で、磁石体から内部磁極および外部磁極を経て磁石体へと戻る磁路が形成されるため、柱状軸体および筒状軸体のいずれか一方の回転に他方を従動させることができる。このとき、磁石体は、回転軸の延びる方向に沿って着磁されており、同じ方向に延びる柱状軸体または筒状軸体の一部として一体化されているため、従来よりも装置を小型化することができる。こうして従来よりも径の小さい領域への回転伝達装置の設置が可能となる。
【0009】
さらに、各軸体の回転時における角速度や回転量などの精度を高めるには、磁石体をそのままに、内部磁極および外部磁極の数を増やして角度間隔を狭めるだけでよく、従来よりも容易に高精度化を実現することができる。
【0010】
また、上記局面は以下に示す第2局面のようにしてもよい。
第2局面において、前記柱状軸体および前記筒状軸体のいずれか一方は、その回転軸の延びる方向に分割された3以上の構造体それぞれからなり、各構造体の間にそれぞれ前記磁石体が挟まれた状態で一体化されており、前記磁石体それぞれは、前記構造体を挟んで隣接する前記磁石体同士で、S極およびN極のいずれか同じ極側が向き合う位置関係で配置されている。
【0011】
この局面における回転伝達装置は、構造体を挟んで隣接する磁石体同士が同じ極を向き合わせて配置されるため、この構造体から突出する磁極(内部磁極または外部磁極)からの磁束の漏れを抑制して損失の少ない効率的な磁路を形成することができる。
【0012】
また、上記各局面は以下に示す第3局面のようにしてもよい。
第3局面において、前記筒状軸体は、その回転軸の延びる方向に分割された構造体に前記磁石体が挟まれた状態で一体化されている。
【0013】
この局面の回転伝達装置は、筒状軸体に磁石体が一体化されているため、筒状隔壁に収容される柱状軸体を単純な軸体とすることにより、装置としてより一層の小型化を実現することができる。また、筒状隔壁に収容された柱状軸体に磁石体を一体化した構成と比べ、磁石体としてより大きく性能の高いものを採用することができるようになるため、装置としての高精度化を実現しやすい。
【0014】
また、上記各局面は以下に示す第4局面のようにしてもよい。
第4局面において、前記柱状軸体および前記筒状軸体において、前記回転軸に沿った先端側または末端側に配置された磁極の端面は、前記内部磁極および前記外部磁極の一方に対して他方が前記回転軸の延びる方向に沿って所定距離だけ変位している。
【0015】
この局面の回転伝達装置は、いずれかの軸体において、回転軸に沿った先端側または末端側に配置された磁極の端面が、一方の磁極に対して他方の磁極が回転軸の延びる方向に所定距離だけ変位している。こうして柱状軸体と筒状軸体との間に形成される磁路に段差ができ、この段差を埋めるべく柱状軸体と筒状軸体を磁石体からの磁力でもって相対的に変位させて予圧を実現できる結果、軸体の回転を安定させることができる。
また、上記各局面は以下に示す第5局面のようにしてもよい。
第5局面において、前記磁石体は、前記回転軸を包囲するリング状の磁石である。
この局面の回転伝達装置は、リング状となっている単一の磁石により回転伝達装置を構成することができ、装置としての部品点数を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明における回転伝達装置の全体構成を示す正面断面図
【
図2】本発明における回転伝達装置の全体構成を示す平面図(A-A矢視図)
【
図3】本発明における回転伝達装置の要部構成を示す分解斜視図
【
図4】別の実施形態における回転伝達装置の全体構成を示す正面断面図
【
図5】別の実施形態における回転伝達装置の要部構成を示す分解斜視図
【
図6】別の実施形態における回転伝達装置の要部構成を示す分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
(1)全体構成
回転伝達装置1は、
図1に示すように、空間を区画する非磁性の部材からなり、該区画する一方の空間から他方の空間に向けて円筒状に突出する筒状隔壁10と、筒状隔壁10に区画された一方の空間側に位置する柱状の磁性体である柱状軸体20と、筒状隔壁10に区画された他方の空間側に位置する筒状の磁性体である筒状軸体30と、からなる。
【0018】
筒状隔壁10は、その先端側(
図1における下端側)を閉鎖するとともに、その末端側(同図上端側)を開放した筒状の隔壁であり、これにより空間を区画しつつ柱状軸体20を収容可能な収容空間を形成している。
【0019】
この筒状隔壁10は、柱状軸体20と筒状軸体30との対向する領域が、それ以外の領域よりも薄い壁となっており、これにより柱状軸体20と筒状軸体30と(具体的には後述する内部磁極23と外部磁極33と)を近接して配置できるようにしている。
【0020】
柱状軸体20は、筒状隔壁10の内側に収容された状態で、筒状隔壁10の突出方向に延びる回転軸100にて回転可能な軸体である。
【0021】
また、柱状軸体20は、
図2に示すように、回転軸100と交差する平面視で、回転軸100を包囲する柱本体21と、回転軸100を中心に所定の角度間隔でそれぞれ柱本体21の外周面から放射状に突出して筒状隔壁10の内周面と近接する磁極である複数の内部磁極23と、を有している。
【0022】
この柱状軸体20は、筒状隔壁10における筒状部分の先端側および末端側それぞれに設けられた柱側軸受け11によって、筒状隔壁10に対して相対的に回転可能に取り付けられている。この柱側軸受け11は、柱本体21の端部それぞれにおいて、内部磁極23の設けられていない領域21aを支持している。なお、本実施形態では、柱側軸受け11としてボールベアリングが採用されている。
なお、本実施形態において、柱状軸体20は、回転軸100の延びる方向に沿った一部領域が、他の領域よりも回転軸100に向けて凹状となっていてもよい。
【0023】
筒状軸体30は、その内側に筒状隔壁10を収容した状態で、回転軸100にて回転可能な軸体である。
【0024】
また、筒状軸体30は、
図2に示すように、回転軸100と交差する平面視で、筒状隔壁10を取り囲む筒本体31と、筒本体31の内周面から内部磁極23と同じ角度間隔でそれぞれ回転軸100に向けて突出して筒状隔壁10の外周面と近接する磁極である複数の外部磁極33と、を有している。こうして、内部磁極23と同じ角度間隔で外部磁極33を設けることで、内部磁極23それぞれに対応する外部磁極33を有する、つまり内外で磁極が同数の構成となっている。
【0025】
この筒状軸体30は、筒状隔壁10の先端側および末端側それぞれに設けられた筒側軸受け13によって、筒状隔壁10に対して相対的に回転可能に取り付けられている。この筒側軸受け13は、筒状軸体30の端部それぞれにおいて、外部磁極33の設けられていない領域31aを支持している。なお、本実施形態では、筒側軸受け13としてボールベアリングが採用されている。
【0026】
なお、この筒状軸体30は、その先端を閉塞する蓋部35から突出する軸体37を有しており、この軸体37を介して回転が伝達される。
【0027】
また、筒状軸体30は、回転軸100の延びる方向に分割された構造体に、回転軸100を包囲して回転軸100の延びる方向(
図1における上下方向)にS極およびN極が順に着磁されてなる1以上の磁石体40が挟まれた状態で一体化されている。本実施形態では、
図3に示すように、回転軸100の延びる方向に分割された3つの構造体30A、30B、30Cからなり、各構造体の間にそれぞれリング状の磁石体40が挟まれた状態で一体化されている。
【0028】
この磁石体40それぞれは、構造体30A、30B、30Cを挟んで隣接する磁石体40同士で、S極およびN極のいずれか同じ極側が向き合う位置関係で配置されている。本実施形態では、S極が向き合うように配置されている。
【0029】
また、この柱状軸体20において、回転軸100に沿った先端側または末端側に配置された内部磁極23の端面は、外部磁極33に対して回転軸100の延びる方向に所定距離だけ変位した位置関係となっている。本実施形態では、末端側に配置された内部磁極23の端面が、外部磁極33における端面よりも末端側に変位している。
【0030】
(2)変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
【0031】
例えば、上記実施形態においては、筒状軸体30に磁石体40が一体化されている構成を例示した。しかし、
図4に示す回転伝達装置2のように、筒状軸体30ではなく、柱状軸体20に磁石体40が一体化されている構成としてもよい。
【0032】
また、上記実施形態では、軸体(筒状軸体30)が3つの構造体からなり、それぞれにより磁石体40が挟まれた構成を例示した。しかし、軸体の構造体としては、それぞれにより磁石体40が挟まれたものであれば、2つのみに分割されたものであってもよく、また、4つ以上に分割されたものであってもよい。
【0033】
また、上記実施形態では、末端側に配置された内部磁極23の端面が、外部磁極33における端面よりも末端側に変位している構成を例示した。しかし、柱状軸体20および筒状軸体30は、回転軸100に沿った先端側または末端側に配置された磁極の端面が、内部磁極23および外部磁極33の一方に対して他方が回転軸100の延びる方向に沿って所定距離だけ変位していればよい。具体的には、末端側に配置された外部磁極33の端面が、内部磁極23における端面よりも末端側に変位している構成とする、先端側に配置された外部磁極33の端面が、内部磁極23における端面よりも先端側に変位している構成とする、などが考えられる。
また、上記実施形態では、リング状に形成された単一の磁石からなる磁石体40が回転軸100を包囲するように構成されたものを例示した。しかし、磁石体40は、複数の磁石からなる磁石体40により回転軸100を包囲するように構成してもよい。具体的には、
図5に示すように、回転軸100を所定の角度範囲(同図では60度)にわたり包囲する円弧形状の磁石41を複数用意して回転軸100を取り囲む磁石体40としたり、
図6に示すように、棒状に延びる複数の磁石体43を回転軸100周りに所定角度間隔で配置して磁石体40としたり、といった構成を考えることができる。
【0034】
(3)作用効果
上記実施形態における回転伝達装置1では、柱状軸体20および筒状軸体30の間で、磁石体40から内部磁極23および外部磁極33を経て磁石体40へと戻る磁路が形成されるため(
図1の矢印参照)、柱状軸体20および筒状軸体30のいずれか一方の回転に他方を従動させることができる。このとき、磁石体40は、回転軸100の延びる方向に沿って着磁されており、同じ方向に延びる柱状軸体20または筒状軸体30の一部として一体化されているため、従来よりも装置を小型化することができる。こうして従来よりも径の小さい領域への回転伝達装置1の設置が可能となる。
【0035】
さらに、各軸体の回転時における角速度や回転量などの精度を高めるには、磁石体40をそのままに、内部磁極23および外部磁極33の数を増やして角度間隔を狭めるだけでよく、従来よりも容易に高精度化を実現することができる。
【0036】
また、上記実施形態の回転伝達装置1は、構造体を挟んで隣接する磁石体40同士が同じ極を向き合わせて配置されるため、この構造体から突出する磁極(内部磁極23または外部磁極33)からの磁束の漏れを抑制して損失の少ない効率的な磁路を形成することができる。
【0037】
また、上記実施形態の回転伝達装置1は、筒状軸体30に磁石体40が一体化されているため、筒状隔壁10に収容される柱状軸体20を単純な軸体することにより、装置としてより一層の小型化を実現することができる。また、筒状隔壁10に収容された柱状軸体20に磁石体40を一体化した構成と比べ、磁石体40としてより大きく性能の高いものを採用することができるようになるため、装置としての高精度化を実現しやすい。
【0038】
また、上記実施形態の回転伝達装置1は、末端側に配置された内部磁極23の端面が、外部磁極33における端面よりも末端側に変位している。こうして柱状軸体20と筒状軸体30との間に形成される磁路に段差ができる結果、この段差を埋めるべく柱状軸体20と筒状軸体30を磁石体40からの磁力でもって相対的に変位させて予圧を実現することができる。
【0039】
こうして柱状軸体20と筒状軸体30との間に形成される磁路に段差ができ、この段差を埋めるべく柱状軸体20と筒状軸体30を磁石体40からの磁力でもって相対的に変位させて予圧が実現される結果、軸体の回転を安定させることができる。そして、このように予圧を実現可能な構成では、各部の形状や磁石体40の磁力などのパラメータを決めることにより、変位方向の力や位置を一意に決めることができるため、精度よく予圧して回転を安定させることができる。
また、上記実施形態の回転伝達装置1において、磁石体40をリング状の磁石からなる構成とした場合であれば、リング状となっている単一の磁石により回転伝達装置1を構成することができ、装置としての部品点数を少なくすることができる。
【符号の説明】
【0040】
1…回転伝達装置、2…回転伝達装置、10…筒状隔壁、20…柱状軸体、21…柱本体、23…内部磁極、30…筒状軸体、31…筒本体、33…外部磁極、35…蓋部、37…軸部、40…磁石体、41…磁石、43…磁石、100…回転軸。