(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-15
(45)【発行日】2022-08-23
(54)【発明の名称】紙葉類収容装置、紙葉類収容方法及び紙葉類収容プログラム
(51)【国際特許分類】
B65H 31/24 20060101AFI20220816BHJP
B65H 29/24 20060101ALI20220816BHJP
B65H 5/02 20060101ALI20220816BHJP
【FI】
B65H31/24
B65H29/24 A
B65H5/02 G
(21)【出願番号】P 2022017476
(22)【出願日】2022-02-07
【審査請求日】2022-02-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000108247
【氏名又は名称】株式会社ジェッター
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100096105
【氏名又は名称】天野 広
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】藤原 国明
【審査官】沖 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-020853(JP,A)
【文献】米国特許第05112042(US,A)
【文献】特開2010-222079(JP,A)
【文献】特開2021-020744(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/02
B65H 5/06
B65H 5/22
B65H 29/12-29/24
B65H 29/32
B65H 31/00-31/40
G07D 11/00-11/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送されてきた紙葉類を収容する紙葉類収容装置であって、
各々が相互に隣接して配置されたN(Nは2以上の整数)個の紙葉類収容ユニットであって、各々が前記紙葉類を収容する紙葉類収容ユニットと、
前記N個の紙葉類収容ユニットを貫通し、前記N個の紙葉類収容ユニットの各々まで前記紙葉類を搬送する紙葉類搬送路と、
相互に隣接する二つの紙葉類収容ユニットの間において前記紙葉類搬送路を遮断する搬送路遮断装置と、
を備えて
おり、
前記N個の紙葉類収容ユニットの各々は、
搬送されてきた前記紙葉類を当該紙葉類収容ユニットの内部で前記紙葉類搬送路に沿って搬送する紙葉類搬送ユニットと、
紙葉類を収容する紙葉類収容体と、
前記紙葉類を前記紙葉類収容体に押し入れる紙葉類押し入れユニットと、
を備え、
前記搬送路遮断装置は前記紙葉類の搬送方向において前記紙葉類押し入れユニットの下流側に配置されていることを特徴とする紙葉類収容装置。
【請求項2】
前記紙葉類収容ユニット及び前記搬送路遮断装置の作動を制御する制御装置をさらに備えており、
前記制御装置は、
前記N個の紙葉類収容ユニットのうちのM個目(Mは整数、1≦M≦N)の紙葉類収容ユニットが前記N個の紙葉類収容ユニットのうちの1個目から(M-1)個目までの紙葉類収容ユニットを通過してきた前記紙葉類を収容するように作動させ、
前記M個目の紙葉類収容ユニットに予め定められた枚数の前記紙葉類が収容されると、前記(M―1)個目の紙葉類収容ユニットと前記M個目の紙葉類収容ユニットとの間の前記紙葉類搬送路を遮断するように前記搬送路遮断装置を作動させ、
M=1からM=N-1までの前記紙葉類収容ユニット及び前記搬送路遮断装置の各々に対して前記紙葉類の収容と前記紙葉類搬送路の遮断とを実行させ、
前記予め定められた枚数に達するまで前記紙葉類を収容するように前記N個目の紙葉類収容ユニットを作動させるものであることを特徴とする請求項1に記載の紙葉類収容装置。
【請求項3】
前記紙葉類収容ユニット及び前記搬送路遮断装置の作動を制御する制御装置をさらに備えており、
前記制御装置は、
前記N個の紙葉類収容ユニットのうちのM個目(1≦M≦N―1)の紙葉類収容ユニットと(M+1)個目の紙葉類収容ユニットの間の前記紙葉類搬送路を遮断するように前記搬送路遮断装置を作動させ、
前記紙葉類搬送路を搬送されてきた前記紙葉類を予め定められた枚数に達するまで収容するように前記M個目の紙葉類収容ユニットを作動させ、
前記M個目の紙葉類収容ユニットに前記予め定められた枚数の前記紙葉類が収容されると、前記M個目の紙葉類収容ユニットと(M+1)個目の紙葉類収容ユニットとの間の前記紙葉類搬送路が開放されるように前記搬送路遮断装置を作動させ、
M=1からM=N-1までの前記紙葉類収容ユニット及び前記搬送路遮断装置の各々に対して前記紙葉類の収容と前記紙葉類搬送路の遮断及び開放とを実行させ、
前記予め定められた枚数に達するまで前記紙葉類を収容するように前記N個目の紙葉類収容ユニットを作動させるものであることを特徴とする請求項1に記載の紙葉類収容装置。
【請求項4】
前記搬送路遮断装置は紙葉類収容ユニットの一部として前記N個の紙葉類収容ユニットの各々に含まれており、
前記紙葉類の搬送方向の下流側において隣接する紙葉類収容ユニットとの間の前記紙葉類搬送路を遮断することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の紙葉類収容装置。
【請求項5】
前記N個の紙葉類収容ユニットは鉛直方向に配列されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の紙葉類収容装置。
【請求項6】
前記紙葉類搬送ユニットは、
第一ベルトが掛け渡された一対の第一ローラーと、
第二ベルトが掛け渡された一対の第二ローラーと、
第三ベルトが掛け渡された一対の第三ローラーと、
第四ベルトが掛け渡された一対の第四ローラーと、
を備え、
前記第三ローラー及び前記第四ローラーは前記第一ローラーと前記第二ローラーとの間に配置され、
前記第一ローラー及び前記第二ローラーと前記第三ローラー及び前記第四ローラーとの間に前記紙葉類を挟んで前記紙葉類搬送路内を下流側に搬送し、
前記第一ローラー及び前記第二ローラーは前記紙葉類搬送路に平行に配置され、前記第三ローラー及び前記第四ローラーは前記紙葉類搬送路に対して傾斜して配置され、
前記第三ローラー及び前記第四ローラーは、紙葉類搬送方向における下流側の各ローラーの各周縁が前記第一ローラー及び前記第二ローラーの各周縁より前記第一ローラー及び前記第二ローラーの内側に位置するように、配置されていることを特徴とする請求項
1乃至5の何れか一項に記載の紙葉類収容装置。
【請求項7】
前記第三ローラー及び前記第四ローラーは前記第一ローラー及び前記第二ローラーより早い速度で回転するものであることを特徴とする請求項
6に記載の紙葉類収容装置。
【請求項8】
前記紙葉類搬送ユニットは、前記紙葉類の搬送方向に沿って前記第三ローラーの外側及び前記第四ローラーの外側にそれぞれ複数個の埋め込み式ローラーを備えており、
前記紙葉類は一方の面が前記第一ローラー及び前記第二ローラーに接し、他方の面が前記第三ローラー及び前記第四ローラー並びに前記埋め込み式ローラーに接した状態で搬送されることを特徴とする請求項
6または
7に記載の紙葉類収容装置。
【請求項9】
前記紙葉類収容体は、
前記紙葉類搬送路に面して配置され、搬送されてきた前記紙葉類を収容する紙葉類ケースと、
前記紙葉類搬送路と直交する方向において前記紙葉類搬送路から離れる方向と前記紙葉類搬送路に近づく方向に前記紙葉類ケース内をスライド可能な紙葉類載置プレートと、
前記紙葉類載置プレートを前記紙葉類搬送路に近づく方向に付勢する弾性体と、
を備え、
前記紙葉類ケースの前記紙葉類搬送路に面する面には開口が形成されており、前記紙葉類搬送路が延びる方向における前記開口の長さは前記紙葉類の同方向における長さより小さくなく、前記紙葉類搬送路が延びる方向と直交する方向における前記開口の長さは同方向における長さより小さいことを特徴とする請求項
1乃至
8の何れか一項に記載の紙葉類収容装置。
【請求項10】
前記紙葉類押し入れユニットは前記紙葉類搬送路と直交する方向においてスライド可能な可動体を備えており、
前記可動体は前記紙葉類ケースの前記開口を通過することが可能な大きさを有しており、
前記可動体は前記紙葉類搬送路の手前から前記紙葉類搬送路を越えて前記開口を介して前記紙葉類ケースの内部に進入し、前記弾性体の弾性力に抗して前記紙葉類載置プレートを押し込むものであることを特徴とする請求項
9に記載の紙葉類収容装置。
【請求項11】
前記紙葉類押し入れユニットは、
前記紙葉類搬送路を搬送される前記紙葉類の面と直交する面内において回転可能な円板と、
前記円板から直立する突起と、
を備えており、
前記可動体にはスライド方向と直交する方向に延びるスリットが形成されており、前記突起は前記スリットに篏合しているものであることを特徴とする請求項
10に記載の紙葉類収容装置。
【請求項12】
ダクトと、
前記ダクトの一端において前記ダクトと連通するように配置された紙葉類収容室と、
前記ダクト内を走行するキャリアと、
前記ダクト内において前記紙葉類収容室に向かう方向に空気流を発生させる第一送風機と、
前記ダクト内において前記方向とは逆の方向に空気流を発生させる第二送風機と、
を備える紙葉類搬送装置であって、
前記第一送風機が前記ダクト内に発生させた空気流により前記ダクト内において前記キャリアを走行させ、前記ダクト内に投入された紙葉類を前記紙葉類収容室まで前記キャリアを介して搬送する紙葉類搬送装置において、
前記紙葉類収容室は請求項1乃至
11の何れか一項に記載の紙葉類収容装置からなるものであることを特徴とする紙葉類搬送装置。
【請求項13】
紙葉類搬送路を搬送されてきた紙葉類を、各々が相互に隣接して配置されたN(Nは2以上の整数)個の紙葉類収容ユニットに収容する紙葉類収容方法であって、
前記紙葉類収容方法は、
前記N個の紙葉類収容ユニットのうちの1個目から(M-1)個目(Mは整数、M≦N)までの紙葉類収容ユニットを通過してきた前記紙葉類をM個目の紙葉類収容ユニットに収容する第一の過程と、
前記M個目の紙葉類収容ユニットに収容される前記紙葉類の枚数を監視し、前記紙葉類の枚数が予め定められた枚数に達したときに、(M-1)個目の紙葉類収容ユニットと
、前記紙葉類の搬送方向において前記(M-1)個目の紙葉類収容ユニットの下流側にある前記M個目の紙葉類収容ユニットとの間の前記紙葉類搬送路を遮断する第二の過程と、
前記第一の過程及び前記第二の過程をM=NからM=2まで繰り返す第三の過程と、
前記紙葉類搬送路を搬送されてきた前記紙葉類を前記N個の紙葉類収容ユニットのうちの1個目の紙葉類収容ユニットに収容する第四の過程と、
を備え
、
前記N個の紙葉類収容ユニットの各々は、紙葉類を収容する紙葉類収容体を備えており、
前記第一の過程は、
前記紙葉類を前記紙葉類収容体に押し入れる過程を有しているものである紙葉類収容方法。
【請求項14】
紙葉類搬送路を搬送されてきた紙葉類を、各々が相互に隣接して配置されたN(Nは2以上の整数)個の紙葉類収容ユニットに収容する紙葉類収容方法であって、
前記紙葉類収容方法は、
前記N個の紙葉類収容ユニットのうちのM個目(1≦M≦N―1)の紙葉類収容ユニットと
前記紙葉類の搬送方向において前記M個目の紙葉類収容ユニットの下流側にある(M+1)個目の紙葉類収容ユニットとの間の前記紙葉類搬送路を遮断する第一の過程と、
前記紙葉類搬送路を搬送されてきた前記紙葉類を予め定められた枚数に達するまで前記M個目の紙葉類収容ユニットに収容する第二の過程と、
前記M個目の紙葉類収容ユニットに前記予め定められた枚数の前記紙葉類が収容されると、前記M個目の紙葉類収容ユニットと(M+1)個目の紙葉類収容ユニットの間の前記紙葉類搬送路を開放する第三の過程と、
M=1からM=N-1まで前記第一乃至第三の過程を繰り返す第四の過程と、
前記予め定められた枚数に達するまで前記紙葉類を前記N個目の紙葉類収容ユニットに収容する第五の過程と、
を備え
、
前記N個の紙葉類収容ユニットの各々は、紙葉類を収容する紙葉類収容体を備えており、
前記第二の過程は、
前記紙葉類を前記紙葉類収容体に押し入れる過程を有しているものである紙葉類収容方法。
【請求項15】
紙葉類搬送路を搬送されてきた紙葉類を、各々が相互に隣接して配置されたN(Nは2以上の整数)個の紙葉類収容ユニットに収容するプログラムであって、
前記プログラムは、
前記N個の紙葉類収容ユニットのうちの1個目から(M-1)個目(Mは整数、M≦N)までの紙葉類収容ユニットを通過してきた前記紙葉類をM個目の紙葉類収容ユニットに収容する第一の制御と、
前記M個目の紙葉類収容ユニットに収容される前記紙葉類の枚数を監視し、前記紙葉類の枚数が予め定められた枚数に達したときに、(M-1)個目の紙葉類収容ユニットと
、前記紙葉類の搬送方向において前記(M-1)個目の紙葉類収容ユニットの下流側にある前記M個目の紙葉類収容ユニットとの間の前記紙葉類搬送路を遮断する第二の制御と、
前記第一の過程及び前記第二の過程をM=NからM=2まで繰り返す第三の制御と、
前記紙葉類搬送路を搬送されてきた前記紙葉類を前記N個の紙葉類収容ユニットのうちの1個目の紙葉類収容ユニットに収容する第四の制御と、
を実行し
、
前記N個の紙葉類収容ユニットの各々は、紙葉類を収容する紙葉類収容体を備えており、
前記第一の制御は、
前記紙葉類を前記紙葉類収容体に押し入れるものであるプログラム。
【請求項16】
紙葉類搬送路を搬送されてきた紙葉類を、各々が相互に隣接して配置されたN(Nは2以上の整数)個の紙葉類収容ユニットに収容するプログラムであって、
前記プログラムは、
前記N個の紙葉類収容ユニットのうちのM個目(1≦M≦N―1)の紙葉類収容ユニットと
前記紙葉類の搬送方向において前記M個目の紙葉類収容ユニットの下流側にある(M+1)個目の紙葉類収容ユニットとの間の前記紙葉類搬送路を遮断する第一の制御と、
前記紙葉類搬送路を搬送されてきた前記紙葉類を予め定められた枚数に達するまで前記M個目の紙葉類収容ユニットに収容する第二の制御と、
前記M個目の紙葉類収容ユニットに前記予め定められた枚数の前記紙葉類が収容されると、前記M個目の紙葉類収容ユニットと(M+1)個目の紙葉類収容ユニットとの間の前記紙葉類搬送路を開放する第三の制御と、
M=1からM=N-1まで前記第一乃至第三の過程を繰り返す第四の制御と、
前記予め定められた枚数に達するまで前記紙葉類を前記N個目の紙葉類収容ユニットに収容する第五の制御と、
を実行
し、
前記N個の紙葉類収容ユニットの各々は、紙葉類を収容する紙葉類収容体を備えており、
前記第二の制御は、
前記紙葉類を前記紙葉類収容体に押し入れるものであるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダクト内に発生させた空気流により紙幣その他のシート状の紙葉類を搬送する紙葉類搬送装置に用いられる紙葉類収容装置、紙葉類収容方法及び紙葉類収容プログラム関する。
【背景技術】
【0002】
紙葉類搬送装置の一例として特開2016-160038号公報(特許文献1)に記載されたものがある。
図53乃至図58は同公報に記載された紙葉類搬送装置を示す。図53は紙葉類搬送装置の構造及び紙葉類搬送装置が使用される周囲の環境を示す概略図である。
この紙葉類搬送装置は、図53に示すように、紙幣などの紙葉類をその前面で押すことにより当該紙葉類を搬送するキャリア10と、キャリア10の外形と相似し、かつ、キャリア10が走行可能な内部空間を有するダクト11と、キャリア10が搬送してきた紙葉類を収容する紙幣収容室14と、ダクト11内においてキャリア10を紙幣収容室14に向かう方向に走行させる第一送風機12aと、ダクト11内においてキャリア10を紙幣収容室14から離れる方向に走行させる第二送風機12bと、ダクト11内においてキャリア10を所定の位置で停止させるストッパー13a及び13bと、を備えている。
【0003】
図53に示すように、複数個のパチンコ台20その他の遊戯機器が図53の左右方向に一列に配置されており(図53においては、単純化するため1個のパチンコ台20のみを示している)、パチンコ台20の横には紙幣を投入するための紙幣投入装置21が設置されている。紙幣投入装置21に投入された紙幣の額に応じて遊技媒体(パチンコ玉やメダルなど)が払い出される。
パチンコ台20の裏側には、当該紙葉類搬送装置の一構成要素であるダクト11がパチンコ台20の配列方向と平行に延びるように設置されている。
図54はダクト11の部分的斜視図(一部分解図を含む)である。
図54に示すように、ダクト11は直線状に延びる中空構造を有しており、その縦断面は、上下方向に長い長方形において上下方向の中央部が内側に突出する形状をなしている。すなわち、上下方向の中央の部分が矩形状にダクト11の内側に突出する突出部11aを構成している。
【0004】
さらに、ダクト11の側壁には、紙幣投入装置21の位置に対応して、スリット11bが形成されている。後述するように、各紙幣投入装置21に投入された紙幣はスリット11bを通過してダクト11の内部に送られる。
図55はキャリア10の斜視図である。
キャリア10は、上下方向に延びる中心軸10aと、中心軸10aの一方の側に配置された4個の第一ウィング10bと、中心軸10aの他方の側に配置された4個の第二ウィング10cと、からなる。
第一ウィング10bは、中心軸10aの上端及び下端をそれぞれ起点として、2個一組の第一ウィング10bがV字型になるように、それぞれ配置されている。同様に、第二ウィング10cは、中心軸10aの上端及び下端をそれぞれ起点として、2個一組の第二ウィング10cがV字型になるように、それぞれ配置されている。後述するように、ダクト11の内部に送られた紙幣は4個の第一ウィング10bにその外縁を押されて搬送される。
【0005】
図56はキャリア10がダクト11の内部に収納された状態を示す斜視図である。
図56に示すように、ダクト11の突出部11aが、上下の第一ウィング10bの間に形成された空間10d及び上下の第二ウィング10cの間に形成された空間10d(図55参照)に嵌まり込む。
図53に示すように、紙幣収容室14はダクト11の一端(図53の右端)に配置されている。紙幣収容室14には、紙幣投入装置21から投入され、キャリア10によって搬送された紙幣が収容される。
ダクト11の内部に空気流(風)を送り込む第一送風機12a及び第二送風機12bはダクト11の両端に配置されている。
【0006】
第一送風機12a及び第二送風機12bは何れか一方のみが作動するか、あるいは、双方とも作動しない。双方が同時に作動することはない。第一送風機12aが作動すると、ダクト11の内部に収容されているキャリア10の第二ウィング10cが風圧を受けて、キャリア10は紙幣収容室14に向う方向(方向X1)に走行する。一方、第二送風機12bが作動すると、ダクト11の内部に収容されているキャリア10の第一ウィング10bが風圧を受けて、キャリア10は紙幣収容室14から離れる方向(方向X2)に走行する。
なお、ダクト11の一方の端部(図53の右端)に連続して紙幣収容室14が配置されているため、第二送風機12bは紙幣収容室14に隣接して配置され、バイパス通路12cを介してダクト11と連結している。
図57は紙幣投入装置21の内部構造を示す概略図である。
図57に示すように、紙幣投入装置21は、ローラーユニット21bと、ダクト11に対して斜めの方向に延びる搬送路21cと、を備えている。
【0007】
紙幣投入装置21の紙幣投入口21aから投入された紙幣はローラーユニット21bにより搬送され、真贋や額面などの検査を経て、搬送路21cを介して、ダクト11の内部に投入される。
図58は、ダクト11内においてキャリア10を所定の位置(具体的には、ダクト11の両端の近傍)で停止させるストッパー13a及び13bを示す。
ストッパー13a及び13bは、ダクト11の内部に延びるフック状の部材からなる。キャリア10の第一ウィング10bがストッパー13aに引っ掛かることによって、キャリア10は紙幣収容室14の手前で停止する。また、キャリア10の第二ウィング10cがストッパー13bに引っ掛かることによって、キャリア10は第一送風機12aの手前で停止する。
上記の構造を有する紙葉類搬送装置は以下のように作動する。
パチンコ台20の顧客が紙幣投入装置21の紙幣投入口21aに紙幣を投入すると、紙幣はローラーユニット21bにより搬送され、搬送路21cを介して、ダクト11のスリット11bからダクト11の内部に投入される。
【0008】
紙幣投入装置21には紙幣感知センサー(図示せず)が設けられており、紙幣がダクト11の内部に投入されると、紙幣感知センサーは紙幣投入を示す紙幣投入信号を中央制御装置(図示せず)に送信する。
紙幣投入信号を受信した中央制御装置は第一送風機12aを作動させる。第一送風機12aが作動を開始すると、ダクト11の内部には紙幣収容室14に向う方向(方向X1)の空気流(風)が発生する。キャリア10は、第二ウィング10cがこの空気流による風圧を受けることにより、紙幣収容室14に向う方向(方向X1)に走行する。キャリア10は、紙幣収容室14に到達するまでの間に、ダクト11に投入された紙幣を第一ウィング10bで捕捉する。紙幣を捕捉したキャリア10は捕捉した紙幣を押した状態を維持しながら紙幣収容室14に向う方向(方向X1)に走行を続け、次いで、ストッパー13aにより停止させられる。キャリア10が停止することにより、紙幣は慣性力の作用を受けキャリア10から離れ、紙幣収容室14に収容される。
【0009】
紙幣は、その紙面がキャリア10の走行方向(ダクト11の長さ方向)と平行であり、かつ、その短辺がキャリア10の中心軸10aと平行になる姿勢を維持してキャリア10により搬送される。
ストッパー13aの近傍にはキャリア10を検知するセンサー(図示せず)が配置されており、キャリア10がストッパー13aによって停止すると、センサーは、キャリア10がストッパー13aによって停止したことを示すキャリア停止信号を中央制御装置に送信する。
キャリア停止信号を受信した中央制御装置は第一送風機12aの作動を停止するとともに、キャリア10がストッパー13aによって停止してから所定の時間(紙幣が紙幣収容室14に収容されるのに必要な時間)が経過したときに、第二送風機12bを作動させる。
【0010】
第二送風機12bが作動を開始すると、ダクト11の内部には紙幣収容室14から離れる方向(方向X2)の空気流(風)が発生する。キャリア10は、第一ウィング10bがこの空気流による風圧を受けることにより、紙幣収容室14から離れる方向(方向X2)に走行する。
その後、キャリア10はストッパー13bに引っ掛かり、停止する。このようにして、キャリア10は当初の位置に復帰する。
以上の動作が、紙幣が紙幣投入装置21に投入されてから、紙幣収容室14に収容されるまでの1サイクルの動作である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
図53乃至図58に示された従来の紙葉類搬送装置においては、搬送されてきた紙幣は紙幣収容室14に収容される。
しかしながら、従来の紙葉類搬送装置が有する紙幣収容室14の個数は1であるため、紙幣の収容枚数には限度がある。このため、パチンコ台20ひいては紙幣投入装置21の台数が多い場合には、紙幣収容室14は短時間のうちに収容可能枚数の限度を越えてしまい、紙幣投入装置21が一時的に紙幣の受け入れを停止したり、あるいは、紙葉類搬送装置のユーザーが紙幣収容室14からの紙幣の取り出しに追われることが多発する。
本発明は以上のような従来の紙葉類搬送装置における問題点に鑑みてなされたものであり、従来の紙葉類搬送装置における紙幣収容室14より多くの紙葉類を収容することが可能な紙葉類収容装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するため、本発明は、搬送されてきた紙葉類を収容する紙葉類収容装置であって、各々が相互に隣接して配置されたN(Nは2以上の整数)個の紙葉類収容ユニットであって、各々が前記紙葉類を収容する紙葉類収容ユニットと、前記N個の紙葉類収容ユニットを貫通し、前記N個の紙葉類収容ユニットの各々まで前記紙葉類を搬送する紙葉類搬送路と、相互に隣接する二つの紙葉類収容ユニットの間において前記紙葉類搬送路を遮断する搬送路遮断装置と、を備えており、前記N個の紙葉類収容ユニットの各々は、搬送されてきた前記紙葉類を当該紙葉類収容ユニットの内部で前記紙葉類搬送路に沿って搬送する紙葉類搬送ユニットと、紙葉類を収容する紙葉類収容体と、前記紙葉類を前記紙葉類収容体に押し入れる紙葉類押し入れユニットと、を備え、前記搬送路遮断装置は前記紙葉類の搬送方向において前記紙葉類押し入れユニットの下流側に配置されていることを特徴とする紙葉類収容装置を提供する。
【0014】
上記の紙葉類収容装置は、前記紙葉類収容ユニット及び前記搬送路遮断装置の作動を制御する制御装置をさらに備えており、前記制御装置は、前記N個の紙葉類収容ユニットのうちのM個目(Mは整数、1≦M≦N)の紙葉類収容ユニットが前記N個の紙葉類収容ユニットのうちの1個目から(M-1)個目までの紙葉類収容ユニットを通過してきた前記紙葉類を収容するように作動させ、前記M個目の紙葉類収容ユニットに予め定められた枚数の前記紙葉類が収容されると、前記(M―1)個目の紙葉類収容ユニットと前記M個目の紙葉類収容ユニットとの間の前記紙葉類搬送路を遮断するように前記搬送路遮断装置を作動させ、M=1からM=N-1までの前記紙葉類収容ユニット及び前記搬送路遮断装置の各々に対して前記紙葉類の収容と前記紙葉類搬送路の遮断とを実行させ、前記予め定められた枚数に達するまで前記紙葉類を収容するように前記N個目の紙葉類収容ユニットを作動させるものであることが好ましい。
【0015】
上記の紙葉類収容装置は、前記紙葉類収容ユニット及び前記搬送路遮断装置の作動を制御する制御装置をさらに備えており、前記制御装置は、前記N個の紙葉類収容ユニットのうちのM個目(1≦M≦N―1)の紙葉類収容ユニットと(M+1)個目の紙葉類収容ユニットの間の前記紙葉類搬送路を遮断するように前記搬送路遮断装置を作動させ、前記紙葉類搬送路を搬送されてきた前記紙葉類を予め定められた枚数に達するまで収容するように前記M個目の紙葉類収容ユニットを作動させ、前記M個目の紙葉類収容ユニットに前記予め定められた枚数の前記紙葉類が収容されると、前記M個目の紙葉類収容ユニットと(M+1)個目の紙葉類収容ユニットとの間の前記紙葉類搬送路が開放されるように前記搬送路遮断装置を作動させ、M=1からM=N-1までの前記紙葉類収容ユニット及び前記搬送路遮断装置の各々に対して前記紙葉類の収容と前記紙葉類搬送路の遮断及び開放とを実行させ、前記予め定められた枚数に達するまで前記紙葉類を収容するように前記N個目の紙葉類収容ユニットを作動させるものであることが好ましい。
【0016】
上記の紙葉類収容装置においては、前記搬送路遮断装置は紙葉類収容ユニットの一部として前記N個の紙葉類収容ユニットの各々に含まれており、前記紙葉類の搬送方向の下流側において隣接する紙葉類収容ユニットとの間の前記紙葉類搬送路を遮断することが好ましい。
上記の紙葉類収容装置においては、前記N個の紙葉類収容ユニットは鉛直方向に配列されていることが好ましい。
【0017】
上記の紙葉類収容装置においては、前記紙葉類搬送ユニットは、第一ベルトが掛け渡された一対の第一ローラーと、第二ベルトが掛け渡された一対の第二ローラーと、第三ベルトが掛け渡された一対の第三ローラーと、第四ベルトが掛け渡された一対の第四ローラーと、を備え、前記第三ローラー及び前記第四ローラーは前記第一ローラーと前記第二ローラーとの間に配置され、前記第一ローラー及び前記第二ローラーと前記第三ローラー及び前記第四ローラーとの間に前記紙葉類を挟んで前記紙葉類搬送路内を下流側に搬送し、前記第一ローラー及び前記第二ローラーは前記紙葉類搬送路に平行に配置され、前記第三ローラー及び前記第四ローラーは前記紙葉類搬送路に対して傾斜して配置され、
前記第三ローラー及び前記第四ローラーは、紙葉類搬送方向における下流側の各ローラーの各周縁が前記第一ローラー及び前記第二ローラーの各周縁より前記第一ローラー及び前記第二ローラーの内側に位置するように、配置されていることが好ましい。
【0018】
上記の紙葉類収容装置においては、前記第三ローラー及び前記第四ローラーは前記第一ローラー及び前記第二ローラーより早い速度で回転するものであることが好ましい。
上記の紙葉類収容装置においては、前記紙葉類搬送ユニットは、前記紙葉類の搬送方向に沿って前記第三ローラーの外側及び前記第四ローラーの外側にそれぞれ複数個の埋め込み式ローラーを備えており、前記紙葉類は一方の面が前記第一ローラー及び前記第二ローラーに接し、他方の面が前記第三ローラー及び前記第四ローラー並びに前記埋め込み式ローラーに接した状態で搬送されることが好ましい。
【0019】
上記の紙葉類収容装置においては、前記紙葉類収容体は、前記紙葉類搬送路に面して配置され、搬送されてきた前記紙葉類を収容する紙葉類ケースと、前記紙葉類搬送路と直交する方向において前記紙葉類搬送路から離れる方向と前記紙葉類搬送路に近づく方向に前記紙葉類ケース内をスライド可能な紙葉類載置プレートと、前記紙葉類載置プレートを前記紙葉類搬送路に近づく方向に付勢する弾性体と、を備え、前記紙葉類ケースの前記紙葉類搬送路に面する面には開口が形成されており、前記紙葉類搬送路が延びる方向における前記開口の長さは前記紙葉類の同方向における長さより小さくなく、前記紙葉類搬送路が延びる方向と直交する方向における前記開口の長さは同方向における長さより小さいことが好ましい。
【0020】
上記の紙葉類収容装置においては、前記紙葉類押し入れユニットは前記紙葉類搬送路と直交する方向においてスライド可能な可動体を備えており、前記可動体は前記紙葉類ケースの前記開口を通過することが可能な大きさを有しており、前記可動体は前記紙葉類搬送路の手前から前記紙葉類搬送路を越えて前記開口を介して前記紙葉類ケースの内部に進入し、前記弾性体の弾性力に抗して前記紙葉類載置プレートを押し込むものであることが好ましい。
上記の紙葉類収容装置においては、前記紙葉類押し入れユニットは、前記紙葉類搬送路を搬送される前記紙葉類の面と直交する面内において回転可能な円板と、前記円板から直立する突起と、を備えており、前記可動体にはスライド方向と直交する方向に延びるスリットが形成されており、前記突起は前記スリットに篏合しているものであることが好ましい。
【0021】
本発明は、さらに、ダクトと、前記ダクトの一端において前記ダクトと連通するように配置された紙葉類収容室と、前記ダクト内を走行するキャリアと、前記ダクト内において前記紙葉類収容室に向かう方向に空気流を発生させる第一送風機と、前記ダクト内において前記方向とは逆の方向に空気流を発生させる第二送風機と、を備える紙葉類搬送装置であって、前記第一送風機が前記ダクト内に発生させた空気流により前記ダクト内において前記キャリアを走行させ、前記ダクト内に投入された紙葉類を前記紙葉類収容室まで前記キャリアを介して搬送する紙葉類搬送装置において、前記紙葉類収容室は上記の紙葉類収容装置からなるものであることを特徴とする紙葉類搬送装置を提供する。
【0022】
本発明は、さらに、紙葉類搬送路を搬送されてきた紙葉類を、各々が相互に隣接して配置されたN(Nは2以上の整数)個の紙葉類収容ユニットに収容する紙葉類収容方法であって、前記紙葉類収容方法は、前記N個の紙葉類収容ユニットのうちの1個目から(M-1)個目(Mは整数、M≦N)までの紙葉類収容ユニットを通過してきた前記紙葉類をM個目の紙葉類収容ユニットに収容する第一の過程と、前記M個目の紙葉類収容ユニットに収容される前記紙葉類の枚数を監視し、前記紙葉類の枚数が予め定められた枚数に達したときに、(M-1)個目の紙葉類収容ユニットと、前記紙葉類の搬送方向において前記(M-1)個目の紙葉類収容ユニットの下流側にある前記M個目の紙葉類収容ユニットとの間の前記紙葉類搬送路を遮断する第二の過程と、前記第一の過程及び前記第二の過程をM=NからM=2まで繰り返す第三の過程と、前記紙葉類搬送路を搬送されてきた前記紙葉類を前記N個の紙葉類収容ユニットのうちの1個目の紙葉類収容ユニットに収容する第四の過程と、を備え、前記N個の紙葉類収容ユニットの各々は、紙葉類を収容する紙葉類収容体を備えており、前記第一の過程は、前記紙葉類を前記紙葉類収容体に押し入れる過程を有しているものである紙葉類収容方法を提供する。
【0023】
本発明は、さらに、紙葉類搬送路を搬送されてきた紙葉類を、各々が相互に隣接して配置されたN(Nは2以上の整数)個の紙葉類収容ユニットに収容する紙葉類収容方法であって、前記紙葉類収容方法は、前記N個の紙葉類収容ユニットのうちのM個目(1≦M≦N―1)の紙葉類収容ユニットと前記紙葉類の搬送方向において前記M個目の紙葉類収容ユニットの下流側にある(M+1)個目の紙葉類収容ユニットとの間の前記紙葉類搬送路を遮断する第一の過程と、前記紙葉類搬送路を搬送されてきた前記紙葉類を予め定められた枚数に達するまで前記M個目の紙葉類収容ユニットに収容する第二の過程と、前記M個目の紙葉類収容ユニットに前記予め定められた枚数の前記紙葉類が収容されると、前記M個目の紙葉類収容ユニットと(M+1)個目の紙葉類収容ユニットの間の前記紙葉類搬送路を開放する第三の過程と、M=1からM=N-1まで前記第一乃至第三の過程を繰り返す第四の過程と、前記予め定められた枚数に達するまで前記紙葉類を前記N個目の紙葉類収容ユニットに収容する第五の過程と、を備え、前記N個の紙葉類収容ユニットの各々は、紙葉類を収容する紙葉類収容体を備えており、前記第二の過程は、前記紙葉類を前記紙葉類収容体に押し入れる過程を有しているものである紙葉類収容方法を提供する。
【0025】
本発明は、さらに、紙葉類搬送路を搬送されてきた紙葉類を、各々が相互に隣接して配置されたN(Nは2以上の整数)個の紙葉類収容ユニットに収容するプログラムであって、前記プログラムは、前記N個の紙葉類収容ユニットのうちの1個目から(M-1)個目(Mは整数、M≦N)までの紙葉類収容ユニットを通過してきた前記紙葉類をM個目の紙葉類収容ユニットに収容する第一の制御と、前記M個目の紙葉類収容ユニットに収容される前記紙葉類の枚数を監視し、前記紙葉類の枚数が予め定められた枚数に達したときに、(M-1)個目の紙葉類収容ユニットと、前記紙葉類の搬送方向において前記(M-1)個目の紙葉類収容ユニットの下流側にある前記M個目の紙葉類収容ユニットとの間の前記紙葉類搬送路を遮断する第二の制御と、前記第一の過程及び前記第二の過程をM=NからM=2まで繰り返す第三の制御と、前記紙葉類搬送路を搬送されてきた前記紙葉類を前記N個の紙葉類収容ユニットのうちの1個目の紙葉類収容ユニットに収容する第四の制御と、を実行し、前記N個の紙葉類収容ユニットの各々は、紙葉類を収容する紙葉類収容体を備えており、前記第一の制御は、前記紙葉類を前記紙葉類収容体に押し入れるものであるプログラムを提供する。
【0026】
本発明は、さらに、紙葉類搬送路を搬送されてきた紙葉類を、各々が相互に隣接して配置されたN(Nは2以上の整数)個の紙葉類収容ユニットに収容するプログラムであって、前記プログラムは、前記N個の紙葉類収容ユニットのうちのM個目(1≦M≦N―1)の紙葉類収容ユニットと前記紙葉類の搬送方向において前記M個目の紙葉類収容ユニットの下流側にある(M+1)個目の紙葉類収容ユニットとの間の前記紙葉類搬送路を遮断する第一の制御と、前記紙葉類搬送路を搬送されてきた前記紙葉類を予め定められた枚数に達するまで前記M個目の紙葉類収容ユニットに収容する第二の制御と、前記M個目の紙葉類収容ユニットに前記予め定められた枚数の前記紙葉類が収容されると、前記M個目の紙葉類収容ユニットと(M+1)個目の紙葉類収容ユニットとの間の前記紙葉類搬送路を開放する第三の制御と、M=1からM=N-1まで前記第一乃至第三の過程を繰り返す第四の制御と、前記予め定められた枚数に達するまで前記紙葉類を前記N個目の紙葉類収容ユニットに収容する第五の制御と、を実行し、前記N個の紙葉類収容ユニットの各々は、紙葉類を収容する紙葉類収容体を備えており、前記第二の制御は、前記紙葉類を前記紙葉類収容体に押し入れるものであるプログラム。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係る紙葉類収容装置によれば、従来の紙幣収容室14と比較して、より多くの紙葉類を収容することが可能である。
例えば、本発明に係る紙葉類収容装置の構成要素である紙幣収容ユニットの収容可能枚数の上限が従来の紙幣収容室14と同じであるとすれば、本発明に係る紙幣収容装置は従来の紙幣収容室14のN倍の枚数の紙幣を収容することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の第一の実施形態に係る紙幣収容装置の構造及び動作を示す概略図である。
【
図2】
図1に示した紙幣収容装置の動作を示すフローチャートである。
【
図3】本発明の第二の実施形態に係る紙幣収容装置の構造及び動作を示す概略図である。
【
図4】
図3に示した紙幣収容装置の動作を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の第一の実施形態に係る紙幣収容装置を備える紙幣搬送装置において用いられるキャリアを正面側から見たときの斜視図である。
【
図6】
図5のキャリアを背面側から見たときの斜視図である。
【
図7】本発明の第一の実施形態に係る紙幣収容装置を備える紙幣搬送装置において用いられるダクトの斜視図である。
【0030】
【
図8】本発明の第一の実施形態に係る紙幣収容装置を備える紙幣搬送装置におけるキャリア、紙幣及びダクトの相互の位置関係を示す斜視図である。
【
図9】本発明の第一の実施形態に係る紙幣収容装置を備える紙幣搬送装置におけるキャリア、紙幣及びダクトの相互の位置関係を示す斜視図である。
【
図10】本発明の第一の実施形態に係る紙幣収容装置を備える紙幣搬送装置の部分的斜視図である。
【
図11】本発明の第一の実施形態に係る紙幣収容装置及びその周辺の斜視図である。
【
図12】
図10に示した紙幣搬送装置に使用されるダクト及びダクトから分岐したキャリア収納用ダクト一部分解図を含む正面図である。
【
図13】
図12に示したダクト及びキャリア収納用ダクトの部分的横断面図である。
【
図14】
図13に示したキャリア収納用ダクト側から見たときのダクト及びキャリア収納用ダクトの部分的斜視図である。
【0031】
【
図15】
図13に示したダクト側から見たときのダクト及びキャリア収納用ダクトの部分的斜視図である。
【
図16】
図16(A)は紙幣収容ユニットの左側面図、
図16(B)は上方から見たときの平面図、
図16(C)は下方から見たときの平面図、
図16(D)は正面図、
図16(E)は背面図である。
【
図17】第三の実施形態に係る紙幣収容装置における紙幣収容ユニットの縦断面図である。
【0032】
【
図23】第三の実施形態に係る紙幣収容装置における一対のローラー群の分解斜視図である。
【
図25】
図23に示した一対のローラー群の機能を説明するための断面図である。
【
図26】
図23に示した一対のローラー群の機能を説明するための断面図である。
【
図27】第三の実施形態に係る紙幣収容装置における第一乃至第四ローラー及びローラー群の分解斜視図である。
【
図28】第三の実施形態に係る紙幣収容装置における第一乃至第四ローラーの斜視図である。
【0033】
【
図29】
図29(A)は第三の実施形態に係る紙幣収容装置における紙幣収容ユニットの縦断面図、
図29(B)は
図29(A)のA-A線における断面図、
図29(C)は
図29(A)のB-B線における断面図、
図29(D)は
図29(A)のC-C線における断面図である。
【
図30】第三の実施形態に係る紙幣収容装置における紙幣収容体の分解斜視図である。
【
図31】第三の実施形態に係る紙幣収容装置における紙幣押し入れユニットの分解斜視図である。
【
図32】
図31に示した紙幣押し入れユニットの動作を示す斜視図である。
【
図33】
図31に示した紙幣押し入れユニットの動作を示す斜視図である。
【
図34】
図31に示した紙幣押し入れユニットの動作を示す斜視図である。
【0034】
【
図35】第三の実施形態に係る紙幣収容装置における搬送路遮断装置の分解斜視図である。
【
図36】
図35に示した搬送路遮断装置の動作を示す斜視図である。
【
図37】
図35に示した搬送路遮断装置の動作を示す斜視図である。
【
図40】本発明の第三の実施形態に係る紙幣収容装置が備える中央制御装置のブロック図である。
【
図41】本発明の第三の実施形態に係る紙幣収容装置の動作を示す断面図である。
【
図42】本発明の第三の実施形態に係る紙幣収容装置の動作を示す断面図である。
【
図43】本発明の第三の実施形態に係る紙幣収容装置の動作を示す断面図である。
【0035】
【
図44】本発明の第三の実施形態に係る紙幣収容装置の動作を示す断面図である。
【
図45】本発明の第三の実施形態に係る紙幣収容装置の動作を示す断面図である。
【
図46】本発明の第三の実施形態に係る紙幣収容装置の動作を示す断面図である。
【
図47】本発明の第三の実施形態に係る紙幣収容装置の動作を示す断面図である。
【
図48】本発明の第三の実施形態に係る紙幣収容装置の動作を示す断面図である。
【0036】
【
図49】本発明の第三の実施形態に係る紙幣収容装置の動作を示す断面図である。
【
図50】本発明の第三の実施形態に係る紙幣収容装置の動作を示す断面図である。
【
図51】本発明の第三の実施形態に係る紙幣収容装置の動作を示す断面図である。
【
図52】本発明の第三の実施形態に係る紙幣収容装置の動作を示す断面図である。
【
図53】従来の紙葉類搬送装置が使用される周囲の環境を示す概略図である。
【
図54】
図53に示した従来の紙葉類搬送装置の一構成要素であるダクトの部分的斜視図(一部分解図を含む)である。
【0037】
【
図55】
図53に示した従来の紙葉類搬送装置の一構成要素であるキャリアの斜視図である。
【
図56】
図55に示したキャリアが
図74に示したダクトの内部に収納された状態を示す斜視図である。
【
図57】
図53に示した従来の紙葉類搬送装置の一構成要素である紙幣投入装置の内部構造を示す概略図である。
【
図58】
図53に示した従来の紙葉類搬送装置の一構成要素であるストッパーを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
(第一の実施形態)
図1は本発明の第一の実施形態に係る紙幣収容装置100の構造及び動作を示す概略図である。
本実施形態に係る紙幣収容装置100は、各々が相互に隣接し、鉛直方向に一直線状に配置されたN(Nは2以上の整数)個の紙幣収容ユニット150と、N個の紙幣収容ユニット150を貫通し、N個の紙幣収容ユニット150の各々まで紙幣50を搬送する紙幣搬送路140と、相互に隣接する二つの紙幣収容ユニット150の間において紙幣搬送路140を遮断する搬送路遮断装置151と、紙幣収容ユニット150及び搬送路遮断装置151の動作を制御する制御装置(図示せず)と、を備えている。
以下、下からM個目(Mは1からNまでの整数)紙幣収容ユニット150を紙幣収容ユニット150(M)と表し、下からM個目の搬送路遮断装置151を搬送路遮断装置151(M+1)と表す。
【0039】
紙幣搬送路140はN個の紙幣収容ユニット150(1)-150(N)の各左端に隣接して通っており、紙幣搬送路140と各紙幣収容ユニット150(1)-150(N)とは空間的に連通している。
搬送路遮断装置151(2)-(N)は相互に隣接する2つの紙幣収容ユニットの中間において紙幣搬送路140に面して配置され、紙幣搬送路140が延びる方向と直交する方向にスライド可能である。具体的には、搬送路遮断装置151(2)-(N)は、紙幣搬送路140の内部にスライドし、紙幣搬送路140を塞ぐ第一位置と、紙幣搬送路140の外部に位置し、紙幣搬送路140を開放状態に保つ第二位置との間をスライドする。
図2は本実施形態に係る紙幣収容装置100の動作を示すフローチャートである。以下、
図1及び
図2を参照して、紙幣収容装置100の動作を説明する。
【0040】
図1(A)に示すように、搬送されてきた紙幣50は搬送路入り口141から紙幣搬送路140の内部に進入する。最初の紙幣50が紙幣搬送路140に進入する前の段階においては、制御装置は全ての搬送路遮断装置151(2)-151(N)を第二位置(紙幣搬送路140を遮断しない位置)に配置している(ステップS101)。
制御装置は紙幣収容ユニット150(N)―150(2)の紙幣搬送機能を作動させ、紙幣50が最も上に位置する紙幣収容ユニット150(N)から下から2個目の紙幣収容ユニット150(2)までを通過し、最も下に位置する紙幣収容ユニット150(1)の前まで搬送されるようにする(ステップS102)。
この後、制御装置は紙幣収容ユニット150(1)の紙幣収納機能を実行し、矢印142に示すように、紙幣50を紙幣収容ユニット150(1)の内部に収容する(ステップS103)。
【0041】
以後、同様にして、紙幣50は制御装置によって紙幣搬送路140を連続的に紙幣収容ユニット150(1)の前まで搬送され、紙幣収容ユニット150(1)の内部に収容される。
紙幣収容ユニット150(1)-150(N)の各々には、各紙幣収容ユニット150(1)-150(N)に収容されている紙幣50の枚数が収容可能枚数の上限以下であるかどうかを検知するセンサー(図示せず)が設けられている。制御装置は紙幣50が紙幣収容ユニット150(1)の内部に収容されるたびに、このセンサーによって紙幣収容ユニット150(1)の内部に収容されている紙幣50の枚数が収容可能枚数の上限以下であるかどうかを判定する(ステップS104)。
【0042】
制御装置が、収容されている紙幣50の枚数が収容可能枚数の上限以下と判断する場合には、制御装置は引き続き紙幣50を紙幣収容ユニット150(1)の内部に収容する(ステップS104のNO)。
図1(B)に示すように、制御装置が、紙幣収容ユニット150(1)に収容された紙幣50の枚数が紙幣収容ユニット150の収容可能枚数の上限に達したと判断すると(ステップS104のYES)、
図1(C)に示すように、制御装置は紙幣収容ユニット150(1)と紙幣収容ユニット150(2)の間に配置されている搬送路遮断装置151(2)を第二位置から第一位置にスライドさせ、紙幣収容ユニット150(1)と紙幣収容ユニット150(2)との間の紙幣搬送路140を遮断する(ステップS105)。
【0043】
この後に搬送されてくる紙幣50は、
図1(D)に示すように、制御装置によって、紙幣収容ユニット150(N)から紙幣収容ユニット150(3)までを通過し、紙幣収容ユニット150(2)の前まで搬送される(ステップS106)。紙幣収容ユニット150(1)と紙幣収容ユニット150(2)との間の紙幣搬送路140は搬送路遮断装置151(2)により遮断されているので、紙幣50が紙幣収容ユニット150(1)まで搬送されることはない。
この後、矢印143に示すように、制御装置は紙幣50を2個目の紙幣収容ユニット150(2)の内部に収容する(ステップS107)。
図1(E)に示すように、制御装置が、センサーからの信号によって、紙幣収容ユニット150(2)に収容された紙幣50の枚数が紙幣収容ユニット150(2)の収容可能枚数の上限に達したと判断すると、制御装置は紙幣収容ユニット150(2)と紙幣収容ユニット150(3)との間に配置されている搬送路遮断装置151(3)を第二位置から第一位置にスライドし、紙幣収容ユニット150(2)と紙幣収容ユニット150(3)との間の紙幣搬送路140を遮断する。
【0044】
以後、同様にして、制御装置は紙幣収容ユニット150(3)から紙幣収容ユニット150(N)までの各紙幣収容ユニット150に紙幣50を収容する(ステップS108)。
次いで、制御装置は最後の紙幣収容ユニット150(N)に紙幣50が収容可能枚数の上限まで収容されたか否かを判定する(ステップS109)。
制御装置が未だ収容可能枚数の上限まで収容されていないと判断した場合には(ステップS109のNO)、紙幣収容ユニット150(N)への紙幣50の収容が継続され、制御装置が収容が完了したと判断した場合には(ステップS109のYES)、制御装置は紙幣収容装置100への紙幣50の搬送を一旦終了させる(ステップS110)。
この後、紙幣収容ユニット150(1)―150(N)から紙幣50が取り出される。全ての紙幣収容ユニット150(1)―150(N)が空になったことを制御装置が確認すると、制御装置は紙幣収容装置100への紙幣50の搬送を再開する。
【0045】
あるいは、紙幣50の充填が終了した紙幣収容ユニット150から順に紙幣50を取り出すことも可能である。例えば、紙幣収容ユニット150(1)―150(3)への紙幣50の収容が完了し、紙幣収容ユニット150(4)への紙幣50の収容が開始された後に紙幣収容ユニット150(1)―150(3)から紙幣50を取り出すことも可能である。
以上のように、本実施形態に係る紙幣収容装置100によれば、従来の紙幣収容室14と比較して、より多くの紙幣50を収容することが可能である。
例えば、本実施形態における各紙幣収容ユニット150の収容可能枚数の上限が従来の紙幣収容室14と同じであるとすれば、本実施形態に係る紙幣収容装置100は従来の紙幣収容室14のN倍の枚数の紙幣を収容することが可能である。
【0046】
本実施形態に係る紙幣収容装置100は上記の構造に限定されるものではなく、種々の改変が可能である。
本実施形態に係る紙幣収容装置100においては、N個の紙幣収容ユニット150は鉛直方向に配置されているが、N個の紙幣収容ユニット150の配置は鉛直方向には限定されない。水平方向(横方向)に配置することも可能である。
また、本実施形態に係る紙幣収容装置100においては、N個の紙幣収容ユニット150は一直線状に配置されているが、紙幣収容装置100を設置するスペースの形状に応じて、円弧状その他の曲線状に配置することも可能である。N個の紙幣収容ユニット150の各々が相互に隣接して配置されていれば、配置の仕方は限定されない。
【0047】
紙幣収容ユニット150の個数Nは、紙幣搬送装置を設置するスペースに応じて、2以上の任意の数を選ぶことができる。
本実施形態においては、各搬送路遮断装置151は各紙幣収容ユニット150とは別個のものとして構成されているが、搬送路遮断装置151を紙幣収容ユニット150の一部のものとして紙幣収容ユニット150内に配置することも可能である。
この場合には、搬送路遮断装置151は、紙幣50の搬送方向の下流側(紙幣搬送路140の下流側)において隣接する紙幣収容ユニット150との間における紙幣搬送路140を遮断するように配置される。例えば、紙幣収容ユニット150(N)の搬送路遮断装置151は紙幣収容ユニット150(N―1)との間において紙幣搬送路140を遮断するように配置される。
【0048】
(第二の実施形態)
図3は本発明の第二の実施形態に係る紙幣収容装置100Aの構造及び動作を示す概略図である。
本実施形態に係る紙幣収容装置100Aの構造は第一の実施形態に係る紙幣収容装置100と同一である。ただし、本実施形態における制御装置による各紙幣収容ユニット及び各搬送路遮断装置に対する制御が第一の実施形態における制御と相違している。具体的には、第一の実施形態においては、紙幣50は下の紙幣収容ユニットから順に上の紙幣収容ユニットに収容されていったのに対して、本実施形態においては、紙幣50は上の紙幣収容ユニットから順に下の紙幣収容ユニットに収容される。
図4は本実施形態に係る紙幣収容装置100Aの動作を示すフローチャートである。以下、
図3及び
図4を参照して、紙幣収容装置100Aの動作を説明する。
【0049】
図3(A)に示すように、制御装置は、紙幣50が搬送されてくる前に、最も上に位置している搬送路遮断装置151(N)を第二位置から第一位置に移行させ、紙幣収容ユニット150(N)と紙幣収容ユニット150(N―1)との間において紙幣搬送路140を遮断する(ステップS201)。
搬送されてきた紙幣50は搬送路入り口141から紙幣搬送路140の内部に進入する。制御装置は、
図3(B)に示すように、紙幣収容ユニット150(N)の紙幣搬送機能を制御し、紙幣50が紙幣収容ユニット150(N)の前まで搬送されるようにする(ステップS202)。
次いで、制御装置は紙幣収容ユニット150(N)の紙幣収納機能を実行し、矢印144に示すように、紙幣50を紙幣収容ユニット150(N)の内部に収容する(ステップS203)。
【0050】
紙幣収容ユニット150(1)-150(N)の各々には、各紙幣収容ユニット150(1)-150(N)に収容されている紙幣50の枚数が収容可能枚数の上限以下であるかどうかを検知するセンサー(図示せず)が設けられている。制御装置は紙幣50が紙幣収容ユニット150(N)の内部に収容されるたびに、このセンサーによって紙幣収容ユニット150(N)の内部に収容されている紙幣50の枚数が収容可能枚数の上限以下であるかどうかを判定する(ステップS204)。
制御装置が、収容されている紙幣50の枚数が収容可能枚数の上限以下と判断する場合には、制御装置は引き続き紙幣50を紙幣収容ユニット150(N)の内部に収容する(ステップS204のNO)。
【0051】
図3(C)に示すように、制御装置が、紙幣収容ユニット150(N)に収容された紙幣50の枚数が紙幣収容ユニット150の収容可能枚数の上限に達したと判断すると(ステップS204のYES)、
図3(D)に示すように、制御装置は紙幣収容ユニット150(N)と紙幣収容ユニット150(N-1)の間に配置されている搬送路遮断装置151(N)を第一位置から第二位置にスライドさせ、紙幣収容ユニット150(N)と紙幣収容ユニット150(N-1)との間の紙幣搬送路140を開放する(ステップS205)。
この後、制御装置は、
図3(D)に示すように、制御装置は、搬送路遮断装置151(N―1)を第二位置から第一位置に移行させ、紙幣収容ユニット150(N―1)と紙幣収容ユニット150(N―2)との間において紙幣搬送路140を遮断する(ステップS206)。
【0052】
この後、制御装置は、
図3(D)に示すように、紙幣収容ユニット150(N)及び150(N―1)の紙幣搬送機能を制御し、紙幣50が紙幣収容ユニット150(N-1)の前まで搬送されるようにする(ステップS207)。
次いで、制御装置は紙幣収容ユニット150(N―1)の紙幣収納機能を実行し、矢印145に示すように、紙幣50を紙幣収容ユニット150(N―1)の内部に収容する(ステップS208)。
図3(E)に示すように、紙幣収容ユニット150(N―1)に収容されている紙幣50の枚数が収容可能枚数の上限に達したと制御装置が判断した場合には、制御装置は搬送路遮断装置151(N―1)を第一位置から第二位置に移行させ、紙幣搬送路140を開放する。それと同時に、制御装置は紙幣収容ユニット150(N―1)と紙幣収容ユニット150(N―2)との間の搬送路遮断装置151(N―2)を第二位置から第一位置に移行させ、紙幣搬送路140を遮断する。
【0053】
このようにして、紙幣収容ユニット150(N―1)から紙幣収容ユニット150(1)までの各紙幣収容ユニットに紙幣50が収容される(ステップS209)
次いで、制御装置は最後の紙幣収容ユニット150(1)に紙幣50が収容可能枚数の上限まで収容されたか否かを判定する(ステップS210)。
制御装置が未だ収容可能枚数の上限まで収容されていないと判断した場合には(ステップS210のNO)、紙幣収容ユニット150(1)への紙幣50の収容が継続され、制御装置が紙幣50の収容が完了したと判断した場合には(ステップS210のYES)、制御装置は紙幣収容装置100Aへの紙幣50の搬送を一旦終了させる(ステップS211)。
この後、紙幣収容ユニット150(1)―150(N)から紙幣50が取り出される。全ての紙幣収容ユニット150(1)―150(N)が空になったことを制御装置が確認すると、制御装置は紙幣収容装置100Aへの紙幣50の搬送を再開する。
【0054】
以上のように、本実施形態に係る紙幣収容装置100Aによれば、第一の実施形態に係る紙幣収容装置100と同様に、従来の紙幣収容室14と比較して、より多くの紙幣50を収容することが可能である。
上述の紙幣収容装置100Aにおいては、搬送路遮断装置151(N)―151(2)は順次開閉されている。例えば、最初に搬送路遮断装置151(N)を第一位置(遮断位置)に移行させた後に紙幣収容ユニット150(N)が満杯になるまで紙幣収容ユニット150(N)に紙幣50を収容し、その後、搬送路遮断装置151(N)を第二位置(開放位置)に移行させるとともに、搬送路遮断装置151(N―1)を第一位置(遮断位置)に移行させ、紙幣収容ユニット150(N―1)への紙幣50の収容を開始する。以後、同様に紙幣収容ユニット150(1)までの各搬送路遮断装置151及び各紙幣収容ユニット150の動作が実施される。
【0055】
搬送路遮断装置151(N)―151(2)をこのように開閉させる方式に代えて、以下のような開閉方式を採用することも可能である。
最初に、全ての搬送路遮断装置151(N)―151(2)を第一位置(遮断位置)に移行させておく。この後、紙幣収容ユニット150(N)が紙幣50で満杯になれば、搬送路遮断装置151(N)を第二位置(開放位置)に移行させ、紙幣収容ユニット150(N―1)への紙幣50の収容を開始する。
次いで、紙幣収容ユニット150(N―1)が紙幣50で満杯になれば、搬送路遮断装置151(N―1)を第二位置(開放位置)に移行させ、紙幣収容ユニット150(N―2)への紙幣50の収容を開始する。
以後、同様にして、紙幣収容ユニット150(1)までの各紙幣収容ユニットに紙幣50を収容する。
この開閉方式によっても、
図3及び
図4に示した紙幣50の搬送方法と同様の効果を得ることができる。
【0056】
(第三の実施形態)
図5は本発明の第三の実施形態に係る紙幣収容装置200を備える紙幣搬送装置において用いられるキャリア110を正面側から見たときの斜視図、
図6はキャリア110を背面側から見たときの斜視図である。
図5及び
図6に示すように、キャリア110は「砲弾」型をなしており、具体的には、円柱形状の本体部分110aと、本体部分110aの背面側に本体部分110aと連続して形成された半球形状の後方部分110bと、から構成されている。
キャリア110は軽量化を図るために中空構造とされている。
キャリア110は本体部分110aの前面110cにおいて紙幣を押して紙幣を搬送する。本体部分110aの前面110cには円周に沿って同一形状の複数個の突起110dが等間隔に形成されている。相互に隣接する2個の突起110dの間に紙幣を挟み込み、紙幣を保持するようになっている。突起110dは、例えば、半球形状をなしている。
【0057】
キャリア110の本体部分110aの中心軸方向における長さは可能な限り短く設定されている。本体部分110aの長さを短くすることにより、カーブしているダクトをスムーズに曲がることが可能になる。
キャリア110は後方部分110bにおいて第一送風機12aからの空気流(風)を受けることにより前進する。
図7は本実施形態に係る紙葉類搬送装置100において用いられるダクト120の斜視図である。
図8及び
図9はキャリア110、紙幣50及びダクト120の相互の位置関係を示す斜視図である。
ダクト120は、
図6に示すように、第一領域120aと第二領域120bとから構成されている。
第一領域120aは上下に長い長方形の形状をなしており、その高さは紙幣50の短辺50a(
図7参照)が通過できる高さである。
【0058】
第二領域120bは円形の縦断面を有しており、キャリア110が通過できるような大きさ(半径)に設定されている。
第一領域120aと第二領域120bとは部分的に重なり合っており、第一領域120aが第二領域120bの中心を通り、第二領域120bから上下の方向に突出している。
図8及び
図9に示すように、キャリア110はその前面110cにおいて紙幣50の短辺50aを押し、ダクト120の内部において紙幣50を搬送する。紙幣50はダクト120の第一領域120aを通過し、キャリア110はダクト120の第二領域120bを通過する。
【0059】
このように、第一領域120aは紙幣50のみが通過可能であり、キャリア110は第一領域120aを通過することはできない(正確には、キャリア110は第二領域120bから上下の方向に突出している第一領域120aの部分を通過することはできない)。
図10は本実施形態に係る紙幣収容装置200を備える紙幣搬送装置の部分的斜視図であり、
図11は紙幣収容装置200及びその周辺の斜視図である。
図11に示すように、本実施形態に係る紙幣収容装置200を備える紙幣搬送装置においては、紙幣収容装置200の手前でダクト120から分岐するキャリア収納用ダクト130が形成されている。
図12はダクト120及びダクト120から分岐したキャリア収納用ダクト130の一部分解図を含む正面図、
図13はダクト120及びキャリア収納用ダクト130の部分的横断面図、
図14はキャリア収納用ダクト130側から見たときのダクト120及びキャリア収納用ダクト130の部分的斜視図、
図15はダクト120側から見たときのダクト120及びキャリア収納用ダクト130の部分的斜視図である。
【0060】
図12乃至
図15に示すように、ダクト120を構成する第一領域120a及び第二領域120bのうち、第一領域120aは紙幣収容装置200まで延びており、第二領域120bは紙幣収容装置200の手前で第一領域120aから左側に分岐している。この分岐した第二領域120bがキャリア収納用ダクト130を構成している。
キャリア収納用ダクト130(第二領域120b)は紙幣収容装置200に向かう方向に対して90度を超える角度(鈍角)でダクト120から湾曲することにより、第一領域120aから分岐している。キャリア収納用ダクト130はその先端において第二送風機12bに接続されている。
キャリア収納用ダクト130の内部にはキャリア110を停止させる円形状のストッパー130cが嵌め込まれている。キャリア110はダクト120からキャリア収納用ダクト130を通過した後にストッパー130cに当たって停止する。
【0061】
図12及び
図13に示すように、キャリア収納用ダクト130がダクト120から湾曲を開始する位置にはキャリア110の通過を検知し、キャリア通過信号を中央制御装置に発信するセンサー131が配置されている。
図11に示すように、紙幣収容装置200は、各々が相互に隣接して鉛直方向に一直線状に配置された5個の紙幣収容ユニット1501乃至1505を備えている。紙幣収容ユニット1501乃至1505は同一の構造を有している。このため、紙幣収容ユニット1501乃至1505を代表して紙幣収容ユニット1501の構造を以下に説明する。
図11に示すように、ダクト120は最も上に位置する紙幣収容ユニット1505に連結されている。
【0062】
紙幣収容ユニット1505から紙幣収容ユニット1501まで1本の紙幣搬送路161(後述する
図17を参照)が貫通している。紙幣搬送路161は紙幣50が通過可能な長方形断面の通路である。紙幣搬送路161は5個の紙幣収容ユニット1505-1501の内部を通っており、紙幣搬送路161と各紙幣収容ユニット1505-1501とはそれぞれの内部において空間的に連通している。すなわち、紙幣搬送路161には、各紙幣収容ユニット1505-1501の構成要素(後述)の動作(例えば、紙幣搬送路161を搬送されている紙幣50を紙幣搬送路161から紙幣搬送路161の横に配置されている紙幣収容用ケースに押し入れる動作)の必要に応じて、開口部が形成されている。
ダクト120は紙幣収容ユニット1505において紙幣搬送路161とつながっており、ダクト120を介して搬送されてきた紙幣50は紙幣搬送路161を通って各紙幣収容ユニット1501-1505の各々に搬送される。
【0063】
図16(A)は紙幣収容ユニット1501の左側面図、
図16(B)は上方から見たときの平面図、
図16(C)は下方から見たときの平面図、
図16(D)は正面図、
図16(E)は背面図である。右側面は
図16(A)に示した左側面と左右対称である。
図16(B)に示すように、紙幣収容ユニット1501は上方に突出している矩形断面を有する紙幣入り口160Aを備え、さらに、
図16(C)に示すように、紙幣収容ユニット1501は下方に突出している矩形断面を有する紙幣出口160Bを備えている。
例えば、紙幣収容ユニット1504の紙幣出口160Bは紙幣収容ユニット1504の紙幣搬送方向の下流側において隣接する紙幣収容ユニット1503の紙幣入り口160Aに結合される。最も上に位置する紙幣収容ユニット1505の紙幣入り口160Aはダクト120に結合されている。
【0064】
図17は紙幣収容ユニット1505の縦断面図(
図18のB-B線における縦断面図)、
図18は
図17のA-A線における縦断面図、
図19は
図17のC-C線における縦断面図、
図20は
図18のD-D線における横断面図、
図21は
図17のE-E線における横断面図、
図22は
図17のF-F線における横断面図である。
紙幣収容ユニット1501は、上流側から搬送されてきた紙幣50を紙幣収容ユニット1501の内部で紙幣搬送路161に沿って搬送する紙幣搬送ユニット170と、紙幣50を収容する紙幣収容体180と、紙幣50を紙幣収容体180に押し入れる紙幣押し入れユニット190と、紙幣50の搬送方向の下流側において隣接する紙幣収容ユニットとの間の紙幣搬送路161を遮断する搬送路遮断装置210と、を備えている。
【0065】
紙幣搬送ユニット170は、ベルト171Aが掛け渡された一対の第一ローラー171(
図17及び
図20を参照)と、ベルト172Aが掛け渡された一対の第二ローラー172と、ベルト173Aが掛け渡された一対の第三ローラー173と、ベルト174Aが掛け渡された一対の第四ローラー174と、紙幣50の通過を検出する紙幣通過検出センサー175と、一対のローラー群176(
図17及び
図19を参照)と、を備えている。
図23は一対のローラー群176の分解斜視図、
図24は一対のローラー群176の斜視図である。
図25及び
図26は一対のローラー群176の機能を説明するための断面図、
図27は第一乃至第四ローラー171-174及びローラー群176の分解斜視図、
図28は第一乃至第四ローラー171-174の斜視図である。
図29(A)は紙幣収容ユニット1501の縦断面図、
図29(B)は
図29(A)のA-A線における断面図、
図29(C)は
図29(A)のB-B線における断面図、
図29(D)は
図29(A)のC-C線における断面図である。
【0066】
紙幣通過検出センサー175は、
図17に示すように、紙幣収容ユニット1501の紙幣入り口160Aから紙幣50の搬送方向のやや下流側において紙幣搬送路161の内壁に取り付けられている。紙幣50が紙幣通過検出センサー175に接触し、紙幣通過検出センサー175を通過すると、紙幣通過検出センサー175は紙幣50の通過を検出し、紙幣通過検出を中央制御装置500(後述する
図60を参照)に送信する。
図27及び
図28に示すように、一対の第一ローラー171にはベルト171Aが掛け渡されており、一対の第二ローラー172にはベルト172Aが掛け渡されている。一対の第一ローラー171及び一対の第二ローラー172は同一構造であり、
図17に示すように、ベルト171A及びベルト172Aが紙幣搬送路161内を走行するように、相互に対向するように相互に平行に配置されている。
一対の第一ローラー171及び一対の第二ローラー172はベルト177Aを介してモーター177により駆動される。
【0067】
図27及び
図28に示すように、一対の第三ローラー173にはベルト173Aが掛け渡されており、一対の第四ローラー174にはベルト174Aが掛け渡されている。一対の第三ローラー173及び一対の第四ローラー174は同一構造であり、相互に対向するように相互に平行に配置されている。
一対の第一ローラー171及び一対の第二ローラー172にそれぞれ掛け渡されているベルト171A及び172Aは紙幣搬送路161に平行に延びるように配置されているのに対して、一対の第三ローラー173及び一対の第四ローラー174にそれぞれ掛け渡されているベルト173A及び174Aはは紙幣搬送路161に対して傾斜して配置されている。
後述するように、一対の第三ローラー173及び一対の第四ローラー174の下流側にある各ローラー(
図17の下方に位置しているローラー)のみが紙幣搬送路161内に位置しており、上流側にある各ローラー(
図17の上方に位置しているローラー)は紙幣搬送路161内には位置いていない。
【0068】
図17に示すように、一対の第三ローラー173及び一対の第四ローラー174はギヤ列178A、178Bを介してモーター177により駆動される。
第三ローラー173及び第四ローラー174側のギヤ178Bの歯数は第一ローラー171及び第二ローラー172側のギヤ178Aの歯数より小さく設定されている。このため、第三ローラー173及び第四ローラー174の回転速度は第一ローラー171及び第二ローラー172の回転速度よりも大きい。
図17に示すように、ベルト171A及び172Aは紙幣搬送路161の内部を走行しており、紙幣搬送路161に搬送されてきた紙幣50はベルト171A及び171Bに乗せられて搬送される。
【0069】
図17に示すように、一対の第一ローラー171の各ローラーの中心を結ぶ線及び一対の第二ローラー172の各ローラーの中心を結ぶ線は紙幣搬送路161が延びる方向と平行である。これに対して、一対の第三ローラー173の各ローラーの中心を結ぶ線及び一対の第四ローラー174の各ローラーの中心を結ぶ線は紙幣搬送路161に対して傾斜している。具体的には、一対の第三ローラー173及び一対の第四ローラー174における紙幣50の搬送方向の上流側(
図17の上方)に位置するローラーは紙幣搬送路161の外側に位置しているのに対して、紙幣50の搬送方向の下流側(
図17の下方)に位置するローラーは紙幣搬送路161の内側に位置している。
図20に示すように、一対の第三ローラー173及び一対の第四ローラー174は一対の第一ローラー171及び一対の第二ローラー172の間に配置されている。さらに、一対の第三ローラー173及び一対の第四ローラー174は各々の下方のローラーは、ベルト173A及び174Aがベルト171A及び172Aより第一ローラー171及び第二ローラー172の各中心に向かって突出するように、配置されている。
【0070】
このため、
図29(B)に示すように、ベルト171A及び172Aとベルト173A及び174Aとの間に挟まれた紙幣50は両側に対して中央部分が第一ローラー171及び第二ローラー172の方向に撓んだ形状となる。紙幣50の面が平面の状態を維持したまま搬送される場合には、紙幣50がスリップしてベルトの間からズレてしまう恐れがあるが、紙幣50の面が撓んだ状態で搬送されることにより、そのようなスリップを防止することができる。
また、第三ローラー173及び第四ローラー174が第一ローラー171及び第二ローラー172に対して傾斜して配置されているため、両者の間の空間は楔型になり、搬送されてきた紙幣50を受け入れやすくなっている。
図23及び
図24に示すように、ローラー群176は3個のローラー176Aからなり、これら3個のローラー176Aは紙幣50の搬送方向(紙幣搬送路161が延びる方向)において等間隔に配置されている。また、2個(一対)のローラー群176の間隔は第一ローラー171及び第二ローラー172の間の間隔に等しく設定されている。すなわち、一対のローラー群176の各々は第一ローラー171及び第二ローラー172に対向して配置されている。
【0071】
2個(一対)のローラー群176は、第三ローラー173及び第四ローラー174が配置されている側において、その長さ方向が紙幣搬送路161の延びる方向と平行になるように配置されている。一対のローラー群176の各ローラー176Aの各周縁は、
図17に示すように、紙幣搬送路161の内部に突出し、ベルト171A及び172Aとそれぞれ接しており、搬送されてきた紙幣50はベルト171A及び172Aとベルト173A及び174A並びに一対のローラー群176との間に挟まれる。
図25及び
図26は一対のローラー群176の機能を説明するための断面図である。
【0072】
キャリア110は紙幣50を一枚ずつ搬送するだけではなく、一度に複数枚の紙幣50を搬送することが可能である。以下、キャリア110が3枚の紙幣50を搬送してきた場合を想定する。
図25は第三ローラー173、第四ローラー174及びローラー群176が配置されていない場合の紙幣50の搬送状態を示している。
3枚の紙幣50が同時に搬送されてきた場合、3枚の紙幣50の先端が揃ってないことがある。このような場合でも、3枚の紙幣50のうち最も左側に位置する紙幣50Aのみが第一ローラー171及び第二ローラー172に接する。このため、
図25(A)に示すように、紙幣50Aのみが第一ローラー171及び第二ローラー172との間の摩擦力によって先に進み、残りの2枚の紙幣50は紙幣50Aに対して遅れることとなる。
図25(B)、
図25(C)、
図25(D)に示すように、残りの2枚の紙幣50の紙幣50Aに対する遅れを解消する方策がないため、3枚の紙幣50は紙幣50Aのみが先に進んだ状態を維持したまま下流側に搬送される。
【0073】
これに対して、
図26に示すように、第三ローラー173、第四ローラー174及びローラー群176が配置されていると上記のような紙幣50の遅れは解消される。
例えば、
図26(A)に示すように、搬送されてきた3枚の紙幣50のうち左側の紙幣50Aが残りの2枚の紙幣50より先行しているとする。
本実施形態においては、前述のように、ギヤ列178A,178Bを構成する2個のギヤのうち、第三ローラー173及び第四ローラー174側のギヤ178Bの歯数を第一ローラー171及び第二ローラー172側のギヤ178Aの歯数より小さく設定することによって、第三ローラー173及び第四ローラー174は第一ローラー171及び第二ローラー172より僅かに早い速度で回転するように構成されている。
【0074】
このため、3枚の紙幣50のうち右側の紙幣50Cが第三ローラー173及び第四ローラー174に接すると、
図26(B)に示すように、紙幣50Cが第三ローラー173及び第四ローラー174との間の摩擦力によって他の2枚の紙幣50よりも先に進む。
3枚の紙幣50が第三ローラー173及び第四ローラー174を通過した直後においては、
図25(C)に示すように、紙幣50Cが最も先に進んでいる状態は維持されているが、この段階では、3枚の紙幣50は第一ローラー171及び第二ローラー172とローラー群176との間に挟まれており、左側の紙幣50Aが第一ローラー171及び第二ローラー172との間の摩擦力によって先に進むことになる。
このため、最終的には、
図25(D)に示すように、3枚の紙幣50は先端(下流側における紙幣50の端部)が揃った状態になる。
【0075】
後述するように、紙幣50は押し込まれるようにして紙幣収容体180内に収容される。このとき、3枚の紙幣の先端が揃っていないと、紙幣収容体180の内部あるいは紙幣搬送路161の内部で紙幣詰まりの原因となるが、第三ローラー173、第四ローラー174及びローラー群176の作用によって、3枚の紙幣50は先端が揃った状態で紙幣収容体180に送られるので、紙つまりの原因を除去することができる。
図17に示すように、紙幣収容体180は、第三ローラー173及び第四ローラー174の紙幣50の搬送方向の下流側に配置されており、かつ、第一ローラー171及び第二ローラー172の下半分(紙幣50の搬送方向における前方の半分)と対向している。
【0076】
図17に示すように、紙幣収容体180は、紙幣載置プレート181と、弾性体182と、紙幣載置プレート181を収容する紙幣ケース183と、紙幣収容枚数検出センサー184と、を備えている。
図30は紙幣収容体180の分解斜視図である。
図30に示すように、紙幣ケース183は直方体形状をなしており、一つの面183Aには長方形状の開口183Bが形成されている。面183Aと反対側の面183Cは紙幣ケース183に対して着脱自在の底面を構成している。
紙幣ケース183は、開口183Bが紙幣搬送路161に面して位置するように、配置されている。
開口183Bの幅(紙幣50の搬送方向と直交する方向における長さ)Wは搬送されてくる紙幣50の短辺50a(
図8参照)の長さよりも小さく、さらに、開口183Bの高さ(紙幣50の搬送方向における長さ)Hは搬送されてくる紙幣50の長辺50bの長さよりも大きくなるように設定されている。
【0077】
紙幣載置プレート181は、一方の面が開口している直方体形状をなしており、開口している面とは反対側の面181Aが開口183Bと重なるように、紙幣ケース183の内部に収容されている。紙幣載置プレート181は紙幣搬送路161が延びる方向と直交する方向Xにおいて紙幣ケース183の内部をスライド可能である。
弾性体182は圧縮バネからなり、紙幣載置プレート181の面181Aと紙幣ケース183の底面183Cとの間に挟み込まれている。弾性体182は紙幣載置プレート181が紙幣ケース183の底面183Cから離れる方向、すなわち、紙幣搬送路161に向かう方向の弾性力を紙幣載置プレート181に作用させる。
【0078】
図30に示すように、紙幣ケース183の面183Aのうち開口183B以外の部分183Dは紙幣載置プレート181に対するストッパーとして機能する。
図17及び
図21に示すように、紙幣載置プレート181が弾性体182からの弾性力によって紙幣搬送路161に向かってスライドしても、一対のストッパー183Dに当たることにより停止する。
前述のように、一対のストッパー183Dの間隔(すなわち、開口185Bの幅)Wは搬送されてくる紙幣50の短辺50aの長さよりも小さくなるように設定されている。
紙幣収容枚数検出センサー184は紙幣ケース183の底面183Cから紙幣搬送路161に向かって延びており、紙幣載置プレート181の面181Aが紙幣収容枚数検出センサー184の先端に接触すると、紙幣収容枚数検出センサー184は、紙幣ケース183の内部に収容された紙幣50の枚数が収容可能な枚数の上限に達したことを知らせる検出信号を中央制御装置500(後述する
図40を参照)に送信する。
【0079】
図31は紙幣押し入れユニット190の分解斜視図、
図32乃至
図34は紙幣押し入れユニット190の動作を示す斜視図である。
図17に示すように、紙幣押し入れユニット190は紙幣搬送路161を間に挟んで紙幣収容体180と対向して配置されている。
図31に示すように、紙幣押し入れユニット190は、上方から見たときの形状がT型である可動体191と、円板192と、円板192から直立する突起193と、円板192を回転させるモーター194と、ベース板195と、を備えている。
【0080】
可動体191は上下方向に間隔を開けて配置された3枚のプレートからなる。可動体191は、その両側面191A、191Bがベース板195上に配置されたアングル195A,195Bの間に挟まることにより、紙幣搬送路161を搬送される紙幣50の面と直交する面内において紙幣搬送路161(紙幣50が搬送される方向)と直交する方向にベース板195上をスライド可能であるように構成されている。
可動体191は一定幅Waを有する直方体形状の突出部191Dを有している。突出部191Dの幅Waは紙幣ケース183の面183Aの開口183Bの幅Wより小さく設定されており、突出部191Dは開口183Bを通って紙幣ケース183の内部に進入することができるようになっている。
可動体191は、突出部191Dの前面が紙幣搬送路161に面して紙幣搬送路161の手前に待機している位置と、突出部191Dの前面が紙幣搬送路161を通り越し、さらに、紙幣ケース183の面183Aの開口183Bを通り越し、紙幣載置プレート181の面181Aに当接する位置との間をスライドする。
【0081】
可動体191の上から2番目のプレートには長孔形状のスリット191Cが形成されている。スリット191Cは可動体191のスライド方向と直交する方向に延びている。
図32乃至
図34に示すように、突起193はスリット191Cに篏合しており、後述するように、円板192の回転に合わせてスリット191Cの内部を往復運動する。
以下、
図32乃至
図34を参照して、紙幣押し入れユニット190の動作を説明する。
図32に示すように、紙幣押し入れユニット190が作動を開始する前の段階においては、円板192は静止状態にあり、突起193は紙幣搬送路161から最も離れた位置にあり、かつ、スリット191Cの中央に位置している。この状態では、突出部191Dの前面は紙幣搬送路161に面して紙幣搬送路161の手前に待機している。
【0082】
次いで、
図33に示すように、円板192が
図52の状態から90度回転すると、突起193はスリット191Cの左端までスライドするとともに、紙幣搬送路161に近づく。突起193が紙幣搬送路161に近づくことにより、可動体191は紙幣搬送路161に向かってスライドし、突出部191Dの前面は紙幣搬送路161の内部に進入する。
円板192が
図33の状態からさらに90度回転すると、
図34に示すように、突起193はスリット191Cの左端から中央までスライドするとともに、紙幣搬送路161に最も近づく。この状態では、可動体191は限界位置までスライドしており、突出部191Dの前面は紙幣搬送路161を通り越して、紙幣ケース183の開口183Bから紙幣ケース183の内部に進入し、紙幣ケース183の面183Aに当接し、紙幣載置プレート181を弾性体182の弾性力に抗して紙幣ケース183の内部に押し込んでいる。
【0083】
この状態からさらに円板192が90度回転すると、可動体191は
図33に示した位置まで後退し、円板192がさらに90度回転すると、可動体191は
図32に示した当初の位置に戻る。
以上が紙幣押し入れユニット190の動作の1サイクルであり、後述するように、紙幣50が搬送されてくる毎に紙幣押し入れユニット190はこの動作を繰り返す。
図35は搬送路遮断装置210の分解斜視図である。
搬送路遮断装置210は、
図17に示すように、紙幣押し入れユニット190の下流側において紙幣押し入れユニット190に隣接して配置されている。
図35に示すように、搬送路遮断装置210は、中空の箱体211と、ベース板212と、モーター213と、を備えている。
箱体211の底面には開口部211Aが形成されており、開口部211Aに隣接してラック211Bが形成されている。ラック211Bは紙幣搬送路161が延びる方向と直交する方向に延びている。
【0084】
ベース板212上には一対のアングル212A,212Bが取り付けられており、箱体211は一対のアングル212A,212Bの間に嵌め込まれることにより、ベース板212上を紙幣搬送路161が延びる方向と直交する方向にスライド可能である。
モーター213はベース板212上に固定されており、モーター213の出力軸にはピニオン213Aが取り付けられている。ピニオン213Aは箱体211の内部でラック211Bと噛み合っている。
図36及び
図37は搬送路遮断装置210の動作を示す斜視図、
図38及び
図39は
図36及び
図37に対応する断面図である。
紙幣50がまだ搬送されてこない段階においては、
図36及び
図38に示すように、箱体211は紙幣搬送路161に面して紙幣搬送路161の手前で静止している。
【0085】
紙幣50の搬送が開始されると、
図37に示すように、モーター213が回転し、ピニオン213Aを回転させ、ラック211Bひいては箱体211をアングル212A,212Bに沿ってスライドさせる。箱体211は、
図39に示すように、紙幣搬送路161の幅一杯までスライドし、紙幣搬送路161を遮断する。この状態においては、搬送されてきた紙幣50は、例えば、紙幣収容ユニット1505の場合では、その下流側の紙幣収容ユニット1504には搬送されず、紙幣収容ユニット1501の内部において紙幣収容体180と紙幣押し入れユニット190との間において停止する。
図26に示したように、3枚の紙幣50が搬送されてきている場合には、箱体211の上面の上に先端が揃った状態で停止している。
図40は本実施形態に係る紙幣収容装置200が備える中央制御装置500のブロック図である。
【0086】
中央制御装置500は、紙幣収容枚数検出センサー184その他のセンサーから信号を受信し、その信号に応じて、モーター177,194,213の動作を制御する。
図40に示すように、中央制御装置500は、中央処理装置(CPU)501と、ROMからなる第一メモリ502と、RAMからなる第二メモリ503と、キーボード及びマウスその他の入力手段(図示せず)を介して入力された各種命令及びデータを中央処理装置501に転送するための入力インターフェイス504と、中央処理装置501により実行された処理の結果を外部に出力する出力インターフェイス505と、中央処理装置501と第一メモリ502、第二メモリ503、入力インターフェイス504及び出力インターフェイス505の各々とを接続するバス506と、から構成されている。
【0087】
第一メモリ502は中央処理装置501が実行する各種の制御用プログラムその他書き換え不能なデータを格納している。
第二メモリ503は様々なデータ及びパラメータを記憶しているとともに、中央処理装置501に対する作動領域を提供する、すなわち、中央処理装置501が各種の制御用プログラムを実行する上で一時的に必要とされるデータを格納している。
中央処理装置501は第一メモリ502からプログラムを読み出し、そのプログラムを実行する。すなわち、中央処理装置501は第一メモリ502に格納されているプログラムに従って作動する。
第一メモリ502には、以下に述べるような本実施形態に係る紙幣収容装置200の動作の制御を中央処理装置501に実行させるためのプログラムが格納されており、中央処理装置501はこのプログラムに従って、紙幣収容装置200の動作の制御を実行する。
【0088】
図41乃至
図52は本実施形態に係る紙幣収容装置200の動作を示す断面図である。
図41乃至
図52において、各図(A)は紙幣収容装置200の縦断面図、各図(B)は各図(A)のA-A線における横断面図である。
図12に示すように、紙幣50はキャリア110によってダクト120の内部を紙幣収容装置200に向かって搬送されてくる。キャリア収納用ダクト130に差し掛かったときに、紙幣50はキャリア110から分離される。すなわち、キャリア110によって搬送されてきた紙幣50はダクト120の第二領域120bを通って紙幣収容装置200の内部に送られる。一方のキャリア110は、紙幣収容装置200の手前でダクト120から分岐するキャリア収納用ダクト130を通り、キャリア収納用ダクト130の内部にあるストッパー130cに当たって停止する。
【0089】
以後、紙幣50が搬送されてくる毎にキャリア110はキャリア収納用ダクト130に収容される。キャリア収納用ダクト130の長さに応じた所定個数(
図12においては6個)のキャリア110がキャリア収納用ダクト130の内部に収容された時点で第二送風機12bが作動し、キャリア収納用ダクト130の内部に収容されていた全てのキャリア110が第一送風機12aに向かってダクト120を通って送り返される。
紙幣50が紙幣収容装置200に搬送される前の段階においては、
図41に示すように、全てのモーター177,194,213は停止しており、紙幣収容装置200は作動していない。
紙幣収容装置200から所定の距離をおいて上流側にはダクト120にセンサー(図示せず)が配置されており、このセンサーが紙幣50の通過を検知すると、センサーは紙幣通過検知信号を中央制御装置500に送信する。紙幣通過検知信号を受信した中央制御装置500は、
図42に示すように、搬送路遮断装置210のモーター213を作動させ、紙幣搬送路161を遮断する位置まで箱体211をスライドさせる。
【0090】
次いで、
図43に示すように、中央制御装置500はモーター177を作動させ、第一ローラー乃至第四ローラー171-174を回転させる。
この後、
図44に示すように、キャリア110によって運ばれてきた紙幣50は紙幣搬送路161の内部に送り込まれ、第一ローラー171及び第二ローラー172と第三ローラー173及び第四ローラー174との間に挟み込まれて紙幣搬送路161を下流側に送られる。この段階では、
図29(B)に示したように、紙幣50はその中央部分において撓んだ状態になっているので、紙幣50はスリップすることなく紙幣搬送路161内を下流側に送られる。
【0091】
紙幣50は第一乃至第四ローラー171―174並びに一対のローラー群176の作用によって紙幣搬送路161をさらに下流側に送られ、
図45に示すように、搬送路遮断装置210の箱体211の上面に当たって停止する。紙幣50が停止した位置は紙幣収容体180と紙幣押し入れユニット190との間であり、かつ、紙幣ケース183の開口183Bに対向している。
図26に示したように、複数枚の紙幣50が送られてきた場合には、第三ローラー173及び第四ローラー174並びに一対のローラー群176の作用によって、それら複数枚の紙幣50の先端が揃った状態で箱体211の上面上に停止している。
紙幣50が搬送路遮断装置210の箱体211の上面に当接する位置まで送られてくると、センサー(図示せず)がこの状態を検知し、検知信号を中央制御装置500に送信する。
【0092】
検知信号を受信した中央制御装置500は、
図46に示すように、モーター177の作動を停止させ、第一乃至第四ローラー171―174の回転を止める。紙幣50は紙幣収容体180と紙幣押し入れユニット190との間に停止している。
次いで、中央制御装置500は、
図47に示すように、紙幣押し入れユニット190のモーター194を90度回転させ、可動体191をスライドさせる。可動体191は突出部191Dの前面が紙幣50を紙幣載置プレート181上に押し付けた状態を維持しながらスライドしている。
【0093】
可動体191は紙幣搬送路161を通り越して紙幣ケース183の開口183Bから紙幣ケース183の内部に進入する。紙幣ケース183の開口183Bの幅W(
図30参照)は紙幣50の短辺50aより小さい長さに設定されているので、紙幣50は可動体191によって紙幣ケース183の開口183Bに押し込まれるときに、
図47(B)に示すように、紙幣50の短辺50aの両側は一対のストッパー183Dに引っ掛かり、紙幣50の短辺50aの中央部分だけが押し込まれた状態で紙幣載置プレート181上に押し付けられている。
モーター194がさらに90度回転すると、可動体191はさらにスライドし、限界位置までスライドする。この段階では、
図48に示すように、紙幣50はその全体が可動体191によって紙幣ケース183の内部に押し込まれた状態になる。紙幣50が紙幣ケース183の内部に押し込まれた直後の段階では、
図48(B)に示すように、紙幣50の短辺50aの両側はまだ可動体191によって折れたままである。
【0094】
中央制御装置500がモーター194をさらに180度回転させると、
図49に示すように、可動体191は当初の位置(
図46に示す位置)まで後退する。
紙幣50は弾力性を有しているので、紙幣50が紙幣ケース183の内部に全体的に押し込まれ、可動体191による短辺50aの両側に対する拘束がなくなると、
図49(B)に示すように、紙幣50の短辺50aの両側の折れは回復し、紙幣50は当初の平面状態に戻る。
可動体191が当初の位置に後退すると、紙幣載置プレート181は弾性体182の弾性力によって紙幣搬送路161に向かって押され、一対のストッパー183Dに当たって停止する。一対のストッパー183Dと紙幣載置プレート181の前面との間には、折り曲がった状態から平面状態に戻った紙幣50が挟み込まれている。このようにして、紙幣50は紙幣ケース183の内部に収納される。
【0095】
以上の動作が、紙幣50が紙幣収容装置200に搬送されてから紙幣ケース183の内部に収納されるまでの1サイクルの動作である。
以後、
図50に示すように、この動作が繰り返され、紙幣収容装置200に搬送されてきた紙幣50が紙幣ケース183の内部に収納される。
紙幣ケース183の内部に収納された紙幣50の枚数が紙幣ケース183の収容可能枚数の上限に達すると、
図51に示すように、紙幣押し入れユニット190が最後の紙幣50を紙幣ケース183の中に押し込んだときに、紙幣載置プレート181の前面の裏面が紙幣収容枚数検出センサー184の先端に接触する。
【0096】
紙幣載置プレート181が紙幣収容枚数検出センサー184に接触すると、紙幣収容枚数検出センサー184は紙幣収納完了信号を中央制御装置500に送信する。紙幣収納完了信号を受信した中央制御装置500は、
図52に示すように、紙幣押し入れユニット190の可動体191を当初の位置まで後退させる。この後、紙幣収容ユニット1501の上流側において紙幣収容ユニット1501に隣接する紙幣収容ユニット1502(
図11に示すように、紙幣収容ユニット1501の直上に位置する紙幣収容ユニット)の搬送路遮断装置210のモーター213を作動させ、箱体211をスライドさせ、紙幣収容ユニット1501と紙幣収容ユニット1502との間において紙幣搬送路161を遮断する(
図42に示した状態)。
【0097】
以後、紙幣収容ユニット1501の場合と同様にして、紙幣収容ユニット1502に紙幣50が収納される。これ以後、紙幣収容ユニット1503,紙幣収容ユニット1504,紙幣収容ユニット1505の順に紙幣50が収納されて行き、紙幣収容ユニット1505に収納された紙幣50の枚数が収納可能枚数の上限に達すると、中央制御装置500は紙幣収容装置200の作動を停止し、紙幣収容装置200のユーザーに全ての紙幣収容ユニット1501―1505への紙幣50の収納が完了したこと示す完了信号を送信する。
完了信号を受信したユーザーが紙幣収容ユニット1501―1505から全ての紙幣50を取り出すと、全ての紙幣収容ユニット1501―1505の紙幣ケース183が空になったことを示す信号が各紙幣収容枚数検出センサー184から中央制御装置500に送信され、この信号を受信した中央制御装置500は全ての紙幣収容ユニット1501―1505における搬送路遮断装置210のモーター213を作動させ、搬送路遮断装置210を後退させ、紙幣搬送路161を開放する。この後、中央制御装置500は紙幣収容装置200の作動を再開する。
【0098】
本実施形態に係る紙幣収容装置200は第一の実施形態に係る紙幣収容装置100と同様の効果を与える。
本実施形態に係る紙幣収容装置200は上記の構造に限定されるものではなく、種々の改変が可能である。
例えば、各紙幣収容ユニット1501―1505を構成する紙幣搬送ユニット170、紙幣収容体180、紙幣押し入れユニット190及び搬送路遮断装置210は上記の構造に限定されるものではなく、同様の機能を奏するものであれば、他の構造を採用することも可能である。
本実施形態においては、搬送路遮断装置210は各紙幣収容ユニット1501―1505の一部として各紙幣収容ユニット1501―1505内に配置されているが、搬送路遮断装置210を単独の装置として各紙幣収容ユニット1501―1505とは別個に配置することも可能である。
【0099】
本実施形態に係る紙幣収容装置200では紙幣50を収容対象として例示したが、紙幣50以外の紙葉類を収容対象とすることも可能である。例えば、ハガキ、カード、紙面などシート状のものであれば、どのようなものでも収容対象となる。
本実施形態においては、搬送される紙幣50の枚数は1の場合を例として示したが、搬送される紙幣50の枚数は1には限定されない。
図25及び
図26に示したように、必要がある場合(例えば、パチンコ店の開店時に一度に多くの顧客が紙幣を投入するような場合)には、一度に複数枚の紙幣50がキャリア110によって搬送される。
また、本実施形態においては、下から上に順に各紙幣収容ユニット1501-1505に紙幣50を収容するものとしたが、第二の実施形態の場合と同様に、上から下に順に各紙幣収容ユニット1505-1501に紙幣50を収容することも可能である。このような場合でも、各紙幣収容ユニット1505-1501の構造に変更はなく、中央制御装置500による制御が変更されるだけである。
【符号の説明】
【0100】
50 紙幣
100 本発明の第一の実施形態に係る紙幣収容装置
110 キャリア
120 ダクト
130 キャリア収納用ダクト
161 紙幣搬送路
170 紙幣搬送ユニット
180 紙幣収容体
190 紙幣押し入れユニット
200 本発明の第三の実施形態に係る紙幣収容装置
210 搬送路遮断装置
500 中央制御装置
【要約】
【課題】ダクト内に発生させた空気流により紙幣を搬送する紙幣搬送装置に用いられる紙幣収容装置の紙幣の収容可能枚数を増やす。
【解決手段】最初に、鉛直方向に配列されているN(Nは2以上の整数)個の紙幣収容ユニット(150(1)-150(N))のうち最も下に位置する紙幣収容ユニット(150(1))に紙幣(50)を収容する。紙幣収容ユニット(150(1))が一杯になれば、紙幣収容ユニット(150(1))と紙幣収容ユニット(150(2))との間の紙幣搬送路(161)を遮断し、紙幣収容ユニット(150(2))に紙幣を収容する。以後、同様にして、紙幣収容ユニット(150(N))までの各紙幣収容ユニットに紙幣(50)を収容する。
【選択図】
図1