IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ グリー株式会社の特許一覧

特許7123554ゲーム装置、制御方法及び制御プログラム
<>
  • 特許-ゲーム装置、制御方法及び制御プログラム 図1
  • 特許-ゲーム装置、制御方法及び制御プログラム 図2
  • 特許-ゲーム装置、制御方法及び制御プログラム 図3
  • 特許-ゲーム装置、制御方法及び制御プログラム 図4
  • 特許-ゲーム装置、制御方法及び制御プログラム 図5
  • 特許-ゲーム装置、制御方法及び制御プログラム 図6
  • 特許-ゲーム装置、制御方法及び制御プログラム 図7
  • 特許-ゲーム装置、制御方法及び制御プログラム 図8
  • 特許-ゲーム装置、制御方法及び制御プログラム 図9
  • 特許-ゲーム装置、制御方法及び制御プログラム 図10
  • 特許-ゲーム装置、制御方法及び制御プログラム 図11
  • 特許-ゲーム装置、制御方法及び制御プログラム 図12
  • 特許-ゲーム装置、制御方法及び制御プログラム 図13
  • 特許-ゲーム装置、制御方法及び制御プログラム 図14
  • 特許-ゲーム装置、制御方法及び制御プログラム 図15
  • 特許-ゲーム装置、制御方法及び制御プログラム 図16
  • 特許-ゲーム装置、制御方法及び制御プログラム 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-15
(45)【発行日】2022-08-23
(54)【発明の名称】ゲーム装置、制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/428 20140101AFI20220816BHJP
   A63F 13/211 20140101ALI20220816BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20220816BHJP
   A63F 13/818 20140101ALI20220816BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20220816BHJP
【FI】
A63F13/428
A63F13/211
A63F13/55
A63F13/818
G06F3/01 570
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2017248309
(22)【出願日】2017-12-25
(65)【公開番号】P2019111220
(43)【公開日】2019-07-11
【審査請求日】2020-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100196829
【弁理士】
【氏名又は名称】中澤 言一
(72)【発明者】
【氏名】今井 仁
(72)【発明者】
【氏名】河村 岳
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-224858(JP,A)
【文献】特開2009-284953(JP,A)
【文献】特開2007-075353(JP,A)
【文献】特開2018-064649(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00 - 13/98
G06F 3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のオブジェクトの画像を記憶する記憶部と、
少なくとも前記第1のオブジェクトの画像を表示させる表示処理部と、
プレイヤの動作に基づく操作情報を出力するための第1及び第2の操作部と、
出力された前記操作情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記第1及び第2の操作部の内、前記所定の条件を満たすと判定された前記操作情報を出力した操作部をオブジェクト操作部として識別する識別部と、
前記所定の条件を満たすと判定された前記操作情報に応じて、前記第1のオブジェクトを変化させるオブジェクト制御部と、
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記第1及び第2の操作部のそれぞれは、モーションセンサーによって測定された前記操作情報を出力する出力部を有し、
前記所定の条件は、前記出力部から出力された前記操作情報が所定の数値を超えたことである、請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記記憶部は、仮想空間に関する情報を記憶し、
前記オブジェクト制御部は、前記所定の条件を満たすと判定された前記操作情報に基づいて、前記仮想空間内において前記第1のオブジェクトに関連する第2のオブジェクトを移動させ、
前記表示処理部は、前記仮想空間内を移動する前記第2のオブジェクトの画像を表示させる、請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記オブジェクト制御部は、前記所定の条件を満たすと判定された前記操作情報に基づいて、前記第1のオブジェクトの速度を算出し、前記算出された速度に基づいて前記仮想空間内における前記第2のオブジェクトの移動距離を算出する、請求項3に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記オブジェクト制御部は、前記所定の条件を満たすと判定された前記操作情報に基づいて、前記オブジェクト操作部の動きの向きを算出し、前記算出された向きに基づいて前記仮想空間内における前記第2のオブジェクトの移動方向を算出する、請求項3又は4に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記仮想空間に関する情報には、前記第2のオブジェクトの移動可能範囲に関する情報が含まれ、
前記オブジェクト制御部は、前記第2のオブジェクトの位置が前記移動可能範囲から外れた場合、前記第2のオブジェクトの位置を前記移動可能範囲内に補正する、請求項3~5のいずれか一項に記載のゲーム装置。
【請求項7】
第1のオブジェクトの画像を記憶する記憶部と、プレイヤの動作に基づく操作情報を出力するための第1及び第2の操作部とを備えるゲーム装置による制御方法であって、
少なくとも前記第1のオブジェクトの画像を表示させ、
出力された前記操作情報が所定の条件を満たすか否かを判定し、
前記第1及び第2の操作部の内、前記所定の条件を満たすと判定された前記操作情報を出力した操作部をオブジェクト操作部として識別し、
前記所定の条件を満たすと判定された前記操作情報に応じて、前記第1のオブジェクトを変化させる、
ことを含むことを特徴とする制御方法。
【請求項8】
第1のオブジェクトの画像を記憶する記憶部と、プレイヤの動作に基づく操作情報を出力するための第1及び第2の操作部とを備えるゲーム装置の制御プログラムであって、
少なくとも前記第1のオブジェクトの画像を表示させ、
出力された前記操作情報が所定の条件を満たすか否かを判定し、
前記第1及び第2の操作部の内、前記所定の条件を満たすと判定された前記操作情報を出力した操作部をオブジェクト操作部として識別し、
前記所定の条件を満たすと判定された前記操作情報に応じて、前記第1のオブジェクトを変化させる、
ことを前記ゲーム装置に実行させることを特徴とする制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置、制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザが把持するコントローラからの操作情報に基づいて、ゲームを進行させるゲーム装置が知られている。例えば、装置本体とコントローラとを備えるゲーム装置では、コントローラに内蔵されたモーションセンサーによる操作情報が有線又は無線通信によって装置本体に送信され、装置本体は、受信した操作情報に基づいてゲーム処理を実行することができる。
【0003】
例えば、特許文献1には、加速度センサーを有するコントローラとゲーム装置とを有するゲームシステムが記載されている。このゲームシステムでは、プレイヤがコントローラを把持して各種動作を行うことにより、加速度センサーによって測定された測定データが操作データとしてゲーム装置に送信される。ゲーム装置は、受信した操作データに基づいて操作対象のオブジェクトの動作制御を実行する。このようなゲームシステムによって、プレイヤは、プレイヤ自身の腕や手の動きをゲームに反映させることができ、バーチャルなゲーム空間に没入する感覚を得ることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-75353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、プレイヤは、複数の操作部を備えるゲーム装置を使用してゲームをプレイする場合、ゲーム装置において、複数の操作部のうち、操作対象のオブジェクトに対応する操作部を設定する必要があった。例えば、このようなゲーム装置では、ゲームの開始前又はゲームプレイ中に、操作部と操作対象のオブジェクトとを対応付けるための煩雑な設定操作を、プレイヤが行わなければならなかった。このため、当該ゲーム装置におけるゲームの開始前又はゲームプレイ中に設定操作を自動化させる必要が生じていた。
【0006】
本発明は、このような課題を解決すべくなされたものであり、設定操作を自動化させ、操作部の操作性を向上させるゲーム装置、制御方法及び制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るゲーム装置は、第1のオブジェクトの画像を記憶する記憶部と、少なくとも第1のオブジェクトの画像を表示させる表示処理部と、プレイヤの動作に基づく操作情報を出力するための第1及び第2の操作部と、出力された操作情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定部と、第1及び第2の操作部の内、所定の条件を満たす操作情報を出力した操作部をオブジェクト操作部として識別する識別部と、オブジェクト操作部からの操作情報に応じて、第1のオブジェクトを変化させるオブジェクト制御部と、を備える。
【0008】
また、本発明に係るゲーム装置において、第1及び第2の操作部のそれぞれは、モーションセンサーによって測定された操作情報を出力する出力部を有し、所定の条件は、出力部から出力された操作情報が所定の数値を超えたことであることが好ましい。
【0009】
また、本発明に係るゲーム装置において、記憶部は、仮想空間に関する情報を記憶し、オブジェクト制御部は、オブジェクト操作部からの操作情報に基づいて、仮想空間内において第1のオブジェクトに関連する第2のオブジェクトを移動させ、表示処理部は、仮想空間内を移動する第2のオブジェクトの画像を表示させることが好ましい。
【0010】
また、本発明に係るゲーム装置において、オブジェクト制御部は、オブジェクト操作部からの操作情報に基づいて、第1のオブジェクトの速度を算出し、算出された速度に基づいて仮想空間内における第2のオブジェクトの移動距離を算出することが好ましい。
【0011】
また、本発明に係るゲーム装置において、オブジェクト制御部は、オブジェクト操作部からの操作情報に基づいて、オブジェクト操作部の動きの向きを算出し、算出された向きに基づいて仮想空間内における第2のオブジェクトの移動方向を算出することが好ましい。
【0012】
また、本発明に係るゲーム装置において、仮想空間に関する情報には、第2のオブジェクトの移動可能範囲に関する情報が含まれ、オブジェクト制御部は、第2のオブジェクトの位置が移動可能範囲から外れた場合、第2のオブジェクトの位置を移動可能範囲内に補正することが好ましい。
【0013】
本発明に係る制御方法は、第1のオブジェクトの画像を記憶する記憶部と、プレイヤの動作に基づく操作情報を出力するための第1及び第2の操作部とを備えるゲーム装置による制御方法であって、少なくとも第1のオブジェクトの画像を表示させ、出力された操作情報が所定の条件を満たすか否かを判定し、第1及び第2の操作部の内、所定の条件を満たす操作情報を出力した操作部をオブジェクト操作部として識別し、オブジェクト操作部からの操作情報に応じて、第1のオブジェクトを変化させる、ことを含む。
【0014】
本発明に係る制御プログラムは、第1のオブジェクトの画像を記憶する記憶部と、プレイヤの動作に基づく操作情報を出力するための第1及び第2の操作部とを備えるゲーム装置の制御プログラムであって、少なくとも第1のオブジェクトの画像を表示させ、出力された操作情報が所定の条件を満たすか否かを判定し、第1及び第2の操作部の内、所定の条件を満たす操作情報を出力した操作部をオブジェクト操作部として識別し、オブジェクト操作部からの操作情報に応じて、第1のオブジェクトを変化させる、ことをゲーム装置に実行させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るゲーム装置、ゲーム装置による制御方法、及びゲーム装置の制御プログラムによって、ゲーム装置が備える操作部の操作性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】ゲーム装置によって提供されるゲームの一例について説明するための模式図である。
図2】ゲーム装置の概略構成の一例を示す図である。
図3】ゲーム処理装置の概略構成の一例を示す図である。
図4】第1操作装置の概略構成の一例を示す図である。
図5】第2操作装置の概略構成の一例を示す図である。
図6】(a)は、第1加速度検出部における加速度の検出方向の一例を説明するための模式図である。(b)は、第1角速度検出部35によって検出される角速度の軸の一例を説明するための模式図である。
図7】第1操作装置及び第2操作装置によって出力される操作情報のデータ構造の一例を示す図である。
図8】(a)は、仮想空間の一例を示す模式図であり、(b)は、ゲーム処理装置の表示部に表示される画像の一例を示す図である。
図9】(a)は、操作装置の動きの一例を説明するための模式図であり、(b)は、仮想空間の一例を示す模式図である。
図10】(a)及び(b)は、ゲーム処理装置の表示部に表示される画像の一例を示す図である。
図11】(a)及び(b)は、仮想空間内の第2のオブジェクトの移動ルートの一例を示す模式図である。
図12】(a)は、操作装置の動きの一例を説明するための模式図であり、(b)は、ゲーム処理装置の表示部に表示される画像の一例を示す図である。
図13】仮想空間の一例を示す模式図である。
図14】(a)は、操作装置の動きの一例を説明するための模式図であり、(b)は、ゲーム処理装置の表示部に表示される画像の一例を示す図である。
図15】ゲーム進行処理の動作フローの一例を示す図である。
図16】オブジェクト変化処理の動作フローの一例を示す図である。
図17】パラメータ変更処理の動作フローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ、本発明の様々な実施形態について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0018】
図1は、ゲーム装置1によって提供されるゲームの一例について説明するための図である。なお、ゲーム装置1は、コンソールゲーム機等の家庭用ゲーム機器、パーソナルコンピュータ(Personal Computer)、多機能携帯電話(所謂「スマートフォン」)、タブレット端末又はタブレットPC等である。
【0019】
本実施形態におけるゲーム装置1は、一種類又は複数種類のオブジェクトを少なくとも含む仮想空間を表示する。仮想空間は3つの座標軸で定義され、仮想空間内には、3次元座標を有する各種のオブジェクトが配置される。なお、仮想空間は、2つの座標軸で定義されてもよく、この場合、仮想空間内には、2次元座標を有する各種オブジェクトが配置される。
【0020】
オブジェクトの形状は、所定の物体(車、木、人物、動物、建物等)を模した形状である。オブジェクトの形状は、立方体形状、直方体形状、円柱形状、球体形状、又は板形状等でもよい。オブジェクトの形状は、時間の経過に応じて変形してもよい。
【0021】
仮想空間内の所定位置には仮想カメラが配置される。仮想空間内に配置された各種のオブジェクトの3次元座標は、仮想カメラの視線方向に配置された所定の2次元スクリーン面に投影される。ゲーム装置は、投影された2次元スクリーン面を表示部等に表示する。
【0022】
仮想空間内のオブジェクトのうちの特定の複数のオブジェクトは、プレイヤの動作に基づく操作情報に応じて変化するように制御される。なお、オブジェクトの変化は、オブジェクトが仮想空間内を移動すること及びオブジェクトの外形形状が変形すること等である。
【0023】
以下、図1を参照しつつ、本実施形態のゲーム装置1によって提供されるゲームの一例について説明する。図1に示す例では、ゲーム装置1は、表示部23を備えるゲーム処理装置2と、第1操作装置3及び第2操作装置4とを有する。
【0024】
ゲーム処理装置2は、プレイヤの動作に基づく操作情報を取得し、取得した操作情報に応じて変化する第1のオブジェクトOJ1を含む仮想空間を表示するための画像データを生成する。ゲーム処理装置2は、生成した画像データに基づいて、仮想空間を示す画像を表示部23に表示する。
【0025】
第1操作装置3及び第2操作装置4はモーションセンサーを備える。プレイヤは、第1操作装置3を左手で把持するとともに第2操作装置4を右手で把持し、ゲーム装置1によって提供されるゲームに関する各種動作を行う。第1操作装置3及び第2操作装置4のそれぞれに備えられたモーションセンサーは、プレイヤの各種動作に応じた操作情報を生成し、第1操作装置3及び第2操作装置4のそれぞれは、生成した操作情報をゲーム処理装置2に出力する。
【0026】
なお、プレイヤは、第1操作装置3を右手で把持し、第2操作装置4を左手で把持してもよい。また、第1操作装置3及び第2操作装置4は、左右いずれかの上腕若しくは下腕、又は、左右いずれかの脚等に装着されてもよい。第1操作装置3及び第2操作装置4は、プレイヤの動作を検出することが可能であれば、プレイヤの体のどのような部位に装着されてもよい。なお、第1操作装置3は、第1の操作部の一例であり、第2操作装置4は、第2の操作部の一例である。
【0027】
モーションセンサーは、プレイヤの動作を測定するためのセンサーであり、例えば、加速度センサーである。モーションセンサーは、角速度センサー、変位センサー、方位測定センサー、イメージセンサー、光センサー等でもよい。なお、角速度センサーは、例えば、ジャイロセンサーである。また、方位測定センサーは、例えば、地磁気センサーである。モーションセンサーは、プレイヤの動作を測定するためのセンサーを複数備えたものでもよい。
【0028】
左手で第1操作装置3を把持し且つ右手で第2操作装置4を把持するプレイヤが所定の動作を行うと、第1操作装置3及び第2操作装置4のそれぞれのモーションセンサーは、第1操作装置3及び第2操作装置4のそれぞれの操作情報を出力する。モーションセンサーが加速度センサーである場合、第1操作装置3のモーションセンサーは、第1操作装置3の加速度を検出し、検出した加速度を示す加速度情報を出力する。また、第2操作装置4のモーションセンサーは、第2操作装置4の加速度を検出し、検出した加速度を示す加速度情報を出力する。
【0029】
第1操作装置3及び第2操作装置4は、モーションセンサーからの操作情報をゲーム処理装置2に出力する。ゲーム処理装置2は、操作情報を取得すると、操作情報に対応するオブジェクトを変化させ、変化したオブジェクトを含む仮想空間を表示するための画像データを生成する。例えば、操作情報として加速度情報が出力された場合、ゲーム処理装置2は、加速度情報に対応するオブジェクトの移動速度を算出し、算出した移動速度に基づいて、仮想空間内において当該オブジェクトを移動させる。ゲーム処理装置2は、生成した画像データに基づいて、仮想空間を示す画像を表示部23に表示する。
【0030】
本実施形態のゲーム装置1では、表示部23に表示された第1のオブジェクトOJ1は、第1操作装置3及び第2操作装置4のうち、第1の操作情報条件を満たす操作部からの操作情報に基づいて第1のオブジェクトOJ1を変化させる。第1の操作情報条件は、例えば、モーションセンサーが加速度センサーである場合において、モーションセンサーによって出力された加速度情報が所定の数値を超えたという条件である。
【0031】
以下、本実施形態のゲーム装置1によって提供されるゲームが釣竿を模した第1のオブジェクトOJ1の画像を表示する釣りゲームである場合を例にして説明する。
【0032】
プレイヤは、第1操作装置3及び第2操作装置4のいずれか一方を釣竿として把持し、例えば、キャスティング動作を行う。キャスティング動作は、魚釣りにおいて、ルアー又は餌等を水面(海面、湖面、川面)に投げる動作である。なお、ルアー又は餌等は、釣糸と結ばれ、釣糸は、釣り人が把持する釣竿に備えられるリールに巻かれている。キャスティング動作は、例えば、釣り人が、釣竿を、頭上を越えてテークバックさせてから正面方向にフリック(flick)する動作等である。プレイヤによるキャスティング動作に応じて、釣竿として把持された操作装置のモーションセンサーが操作情報を出力し、釣竿として把持された操作装置は操作情報をゲーム処理装置2に出力する。
【0033】
ゲーム処理装置2は、取得した操作情報が第1の操作情報条件を満たすと判定した場合、当該操作情報を出力した操作装置をオブジェクト操作装置として識別する。例えば、操作情報として加速度情報が出力された場合、取得した加速度情報が所定の数値を超えると、当該加速度情報を出力した操作装置をオブジェクト操作装置として識別する。以降、オブジェクト操作装置は、釣竿を模した第1のオブジェクトOJ1を操作するための操作装置として機能する。なお、オブジェクト操作装置は、オブジェクト操作部の一例である。
【0034】
ゲーム処理装置2は、オブジェクト操作装置からの操作情報に基づいて、第1のオブジェクトOJ1の画像を変化(移動又は変形等)させる。ゲーム処理装置2は、変化したオブジェクトを含む仮想空間を表示するための画像データを生成し、生成した画像データに基づいて、仮想空間を示す画像を表示部23に表示する。
【0035】
以上、図1を参照しつつ説明したとおり、ゲーム装置1において、プレイヤによって操作された操作装置からの操作情報が第1の操作情報条件を満たすと、当該操作装置は、第1のオブジェクトOJ1を制御するためのオブジェクト操作装置として自動的に識別される。このように、ゲーム装置1が複数の操作装置を備える場合であっても、プレイヤが複数の操作装置のうちのいずれかをオブジェクト操作装置として設定する操作を行わずとも、自動的にオブジェクト操作装置を設定することが可能になる。これにより、ゲーム装置1は、当該ゲーム装置1が備える操作装置の操作性を向上させ、プレイヤのゲームに対する没入感が損なうことを防止することが可能となる。
【0036】
図2は、ゲーム装置1の概略構成の一例を示す図である。ゲーム装置1は、コンソールゲーム機等の家庭用ゲーム機器であり、ゲーム処理装置2、第1操作装置3、及び第2操作装置4を有する。なお、家庭用ゲーム機器は、据え置き型でも携帯型でもよい。また、ゲーム装置1は、特定施設に設置されたアーケードゲーム機等の業務用ゲーム機器でもよい。なお、特定施設は、アミューズメント施設、催事施設、イベント施設等の集客施設である。ゲーム装置1は、3つ以上の操作装置を有してもよい。
【0037】
ゲーム処理装置2は、操作装置と接続可能であれば、どのような情報処理装置でもよい。例えば、ゲーム処理装置2は、パーソナルコンピュータ(Personal Computer)、多機能携帯電話(所謂「スマートフォン」)、タブレット端末、タブレットPC、携帯電話(所謂「フィーチャーフォン」)、携帯音楽プレイヤ又はノートPCでもよい。
【0038】
ゲーム処理装置2は、プレイヤの動作に基づく操作情報を第1操作装置3及び第2操作装置4から取得し、取得した操作情報に応じて変化するオブジェクトを含む仮想空間を示す画像を表示する機能を有する。そのために、ゲーム処理装置2は、通信部21、記憶部22、表示部23、及び処理部24を備える。以下、図3を参照してゲーム処理装置2が備える、通信部21、記憶部22、表示部23、及び処理部24について説明する。
【0039】
図3は、ゲーム処理装置2の概略構成の一例を示す図である。
【0040】
通信部21は、Bluetooth(登録商標)等の通信方式に従った近距離無線通信を行うためのインターフェース回路を有し、後述する第1操作装置3及び第2操作装置4からブロードキャスト送信された電波を受信する。なお、通信部21が有するインターフェース回路は、近距離無線通信を行うためのものに限定されない。例えば、通信部21は、赤外線通信等によって送信された各種信号を受信するための受信回路を有してもよい。通信部21は、第1操作装置3及び第2操作装置4からブロードキャスト送信された電波を所定の信号に復調して処理部24に供給する。
【0041】
記憶部22は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の半導体メモリ装置を備える。記憶部22は、処理部24での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム及びデータ等を記憶する。記憶部22に記憶されるドライバプログラムは、通信部21を制御する通信デバイスドライバプログラム、及び、表示部23を制御する出力デバイスドライバプログラム等である。記憶部22に記憶されるアプリケーションプログラムは、ゲームの進行を制御する制御プログラム等である。記憶部22に記憶されるデータは、ゲームの実行中に処理部24等によって使用される各種データ等である。また、記憶部22は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。
【0042】
記憶部22に記憶される情報は、例えば、仮想空間に関する情報(仮想カメラの位置を示す3次元座標、仮想カメラの視線方向及び視野に関する情報、2次元スクリーン面の大きさ及び位置を示す3次元座標等)、仮想空間内の各種オブジェクトに関する情報(オブジェクトの形状を示す3次元座標の情報、オブジェクトの配置位置を示す3次元座標の情報等)である。また、記憶部22に記憶される情報は、ゲームの進行に伴う各種ゲーム情報(プレイヤの得点、プレイヤのキャラクタに関する情報(HP(Hit Point)、MP(Magic Point)等)等)でもよい。
【0043】
表示部23は、液晶ディスプレイである。表示部23は、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等でもよい。表示部23は、処理部24から供給された画像データに応じた画像を表示する。画像データは、静止画像データ又は動画像データであり、表示される画像は、静止画像又は動画像である。表示部23は、処理部24から供給された映像データに応じた映像を表示してもよい。
【0044】
処理部24は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。処理部24は、ゲーム処理装置2の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。処理部24は、記憶部22に記憶されているプログラム、並びに、第1操作装置3及び第2操作装置4からの操作情報等に基づいて、各種情報処理を適切な手順で実行し、且つ、表示部23の動作を制御する。処理部24は、記憶部22に記憶されているオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム及びアプリケーションプログラムに基づいて各種情報処理を実行する。また、処理部24は、複数のプログラムを並列に実行することができる。
【0045】
処理部24は、ゲーム進行制御部241、判定部242、識別部243、オブジェクト制御部244、パラメータ制御部245、及び表示処理部246を備える。これらの各部は、処理部24が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、ファームウェアとしてゲーム処理装置2に実装されてもよい。
【0046】
図4は、第1操作装置3の概略構成の一例を示す図である。第1操作装置3は、プレイヤの動作に基づく操作情報をゲーム処理装置2に出力する機能を有する。そのために、第1操作装置3は、第1通信部31、第1記憶部32、第1入力部33、第1加速度検出部34、第1角速度検出部35、及び第1処理部36を備える。
【0047】
以下、図4を参照して第1操作装置3が備える、第1通信部31、第1記憶部32、第1入力部33、第1加速度検出部34、第1角速度検出部35、及び第1処理部36について説明する。
【0048】
第1通信部31は、Bluetooth(登録商標)等の通信方式に従った近距離無線通信を行うためのインターフェース回路を有し、ゲーム処理装置2との間で端末間無線通信を確立させて、直接無線通信を行う。なお、第1通信部31が有するインターフェース回路は、近距離無線通信を行うためのものに限定されない。例えば、第1通信部31は、各種信号を赤外線通信等によって送信するための送信回路を有してもよい。第1通信部31は、第1処理部36から取得した信号を所定の電波に変調してブロードキャスト送信する。
【0049】
第1記憶部32は、ROM、RAM等の半導体メモリ装置等を備える。第1記憶部32は、第1処理部36での処理に用いられるプログラム、データ、パラメータ等を記憶する。第1記憶部32に記憶されるプログラムは、第1通信部31を制御する通信デバイスドライバプログラム等である。第1記憶部32に記憶されるデータは、第1操作装置3を識別するための操作装置識別情報等である。
【0050】
第1入力部33は、プレイヤが押圧可能なキー又はボタン等である。第1入力部33は、例えば、力センサー等を有し、プレイヤが第1入力部33を所定方向に押す操作を行うと、力センサーは、プレイヤによって第1入力部33が押された時に発生する押圧力を検出する。第1入力部33は、力センサーによって押圧力が検出されるたびに、押圧力が検出された第1入力部33に対応する入力部操作情報を第1処理部36に出力する。
【0051】
第1加速度検出部34は、加速度センサーであり、所定の時間間隔で第1操作装置3に加わる加速度を3軸方向ごとに検出する。加速度センサーは、例えば、ピエゾ抵抗効果を利用したピエゾ抵抗型の3軸加速度センサー、又は、静電容量の変化を利用した静電容量型の3軸加速度センター等である。第1加速度検出部34は、検出した加速度を示す加速度情報を所定の時間間隔(例えば、1/100秒間隔)ごとに第1処理部36に出力する。
【0052】
図6(a)は、第1加速度検出部34における加速度の検出方向の一例を説明するための模式図である。図6(a)に示す例では、第1加速度検出部34は、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向のそれぞれの加速度を検出する。X軸方向は、第1操作装置3における所定方向(例えば、第1操作装置3が棒状である場合における長手方向等)である。Y軸方向は、例えば、第1操作装置3において第1入力部33の一部又は全部が配置されている所定の面及びX軸方向の両方に対して垂直な方向である。Z軸方向は、X軸方向及びY軸方向の両方に対して垂直な方向である。なお、第1加速度検出部34が加速度を検出する軸は、1軸でも2軸でも4軸以上でもよい。以降、X軸、Y軸及びZ軸による3次元座標系を、センサー座標系と称する場合がある。
【0053】
図4に戻り、第1角速度検出部35は、ジャイロセンサーであり、所定の時間間隔で第1操作装置3が回転した角速度(単位時間当たりの回転角度)を検出する。第1角速度検出部35が検出する角速度は、例えば、3つの軸のそれぞれを中心とする角速度である。ジャイロセンサーは、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical System)を用いた振動式ジャイロセンサー等である。第1角速度検出部35は、検出した角速度を示す角速度情報を所定の時間間隔(例えば、1/100秒間隔)ごとに第1処理部36に出力する。
【0054】
図6(b)は、第1角速度検出部35によって検出される角速度の軸の一例を説明するための模式図である。図6(b)に示す例では、第1角速度検出部35は、X軸、Y軸及びZ軸のそれぞれを中心とする角速度を検出する。なお、X軸、Y軸及びZ軸は、第1角速度検出部35の所定位置を通り且つ第1角速度検出部35におけるセンサー座標系のX軸、Y軸及びZ軸と平行である。なお、第1角速度検出部35によって検出される角速度の軸は、1軸でも2軸でも4軸以上でもよい。
【0055】
図4に戻り、第1処理部36は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。第1処理部36は、第1操作装置3の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPUである。第1処理部36は、第1操作装置3の各種処理が第1記憶部32に記憶されているプログラム等に応じて適切な手順で実行されるように、第1送信部361等の動作を制御する。第1送信部361は、第1処理部36が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、第1処理部36は、ファームウェアとして第1操作装置3に実装されてもよい。
【0056】
図5は、第2操作装置4の概略構成の一例を示す図である。第2操作装置4は、第1操作装置3と同様に、プレイヤの動作に基づく操作情報をゲーム処理装置2に出力する機能を有する。そのために、第2操作装置4は、第2通信部41、第2記憶部42、第2入力部43、第2加速度検出部44、第2角速度検出部45、及び第2処理部46を備える。
【0057】
第2通信部41は、第1通信部31と同様の構成を有する。第2通信部41は、第2処理部46から取得した信号を所定の電波に変調してブロードキャスト送信する。
【0058】
第2記憶部42は、第1記憶部32と同様の構成を有する。第2記憶部42は、第2処理部46での処理に用いられるプログラム、データ、パラメータ等を記憶する。第2記憶部42に記憶されるプログラムは、第2通信部41を制御する通信デバイスドライバプログラム等である。第2記憶部42に記憶されるデータは、第2操作装置4を識別するための操作装置識別情報等である。
【0059】
第2入力部43は、第1入力部33と同様の構成を有する。第2入力部43は、力センサーによって押圧力が検出されるたびに、押圧力が検出された第2入力部43に対応する入力部操作情報を第2処理部46に出力する。
【0060】
第2加速度検出部44は、第1加速度検出部34と同様の構成を有し、所定の時間間隔で第2操作装置4に加わる加速度を3軸方向ごとに検出する。なお、第2加速度検出部44が加速度を検出する軸は、1軸でも2軸でも4軸以上であってもよい。第2加速度検出部44は、検出した加速度を示す加速度情報を第2処理部46に出力する。
【0061】
第2角速度検出部45は、第1角速度検出部35と同様の構成を有し、所定の時間間隔で第2操作装置4が回転した角速度(単位時間当たりの回転角度)を検出する。なお、第2角速度検出部45によって検出される角速度の軸は、1軸でも2軸でも4軸以上であってもよい。第2角速度検出部45は、検出した角速度を示す角速度情報を第2処理部46に出力する。
【0062】
第2処理部46は、第2操作装置4の全体的な動作を統括的に制御するものであり、第1処理部36と同様の構成を有する。第2処理部46は、第2操作装置4の各種処理が第2記憶部42に記憶されているプログラム等に応じて適切な手順で実行されるように、第2送信部461等の動作を制御する。第2送信部461は、第2処理部46が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、第2処理部46は、ファームウェアとして第2操作装置4に実装されてもよい。
【0063】
図7は、第1操作装置及び第2操作装置によって出力される操作情報のデータ構造の一例を示す図である。操作情報は、所定の時間間隔(例えば、1/100秒間隔)で出力される。
【0064】
操作情報は、プレイヤの動作に応じて、第1入力部33、第1加速度検出部34及び第1角速度検出部35、又は、第2入力部43、第2加速度検出部44及び第2角速度検出部45によって出力された各種情報を含む。図7に示す操作情報は、操作装置識別情報、X軸方向加速度情報、Y軸方向加速度情報、Z軸方向加速度情報、X軸角速度情報、Y軸角速度情報、Z軸角速度情報、及び入力部操作情報を含む。
【0065】
操作装置識別情報は、第1操作装置3を識別するための識別情報、又は、第2操作装置4を識別するための識別情報である。第1操作装置3を識別するための識別情報は、第1記憶部32に記憶され、また、第2操作装置4を識別するための識別情報は、第2記憶部42に記憶されている。
【0066】
X軸方向加速度情報は、第1加速度検出部34によって検出されたX軸方向の加速度を示す加速度情報、又は、第2加速度検出部44によって検出されたX軸方向の加速度を示す加速度情報である。
【0067】
Y軸方向加速度情報は、第1加速度検出部34によって検出されたY軸方向の加速度を示す加速度情報、又は、第2加速度検出部44によって検出されたY軸方向の加速度を示す加速度情報である。
【0068】
Z軸方向加速度情報は、第1加速度検出部34によって検出されたZ軸方向の加速度を示す加速度情報、又は、第2加速度検出部44によって検出されたZ軸方向の加速度を示す加速度情報である。
【0069】
X軸角速度情報は、第1角速度検出部35によって検出されたX軸を中心とする角速度を示す角速度情報、又は、第2角速度検出部45によって検出されたX軸を中心とする角速度を示す角速度情報である。
【0070】
Y軸角速度情報は、第1角速度検出部35によって検出されたY軸を中心とする角速度を示す角速度情報、又は、第2角速度検出部45によって検出されたY軸を中心とする角速度を示す角速度情報である。
【0071】
Z軸角速度情報は、第1角速度検出部35によって検出されたZ軸を中心とする角速度を示す角速度情報、又は、第2角速度検出部45によって検出されたZ軸を中心とする角速度を示す角速度情報である。
【0072】
入力部操作情報は、第1入力部33又は第2入力部43から入力部操作情報が出力された場合にのみ含まれる情報である。例えば、プレイヤによって第1入力部33が1秒間押された場合、この1秒間の間に出力された操作情報には、第1入力部33から出力された入力部操作情報が含まれる。なお、操作情報が、1/100秒間隔で出力される場合、プレイヤによって第1入力部33が押された1秒間の間に出力された全ての操作情報のそれぞれに、第1入力部33から出力された入力部操作情報が含まれる。
【0073】
図8(a)は、ゲーム処理装置2によって作成される仮想空間Vの一例を示す模式図である。
【0074】
仮想空間V内には、釣竿を模した第1のオブジェクトOJ1、釣竿と釣糸を介して接続されるルアー又は餌等を模した第2のオブジェクトOJ2、及び、魚を模した第3のオブジェクトOJ3等が含まれる。また、仮想空間V内には、釣糸を模したオブジェクト、海水、湖水、河川等を模したオブジェクト、陸地、島等を模したオブジェクト等が含まれてもよい。なお、第1のオブジェクトOJ1は、オブジェクト操作装置によって操作されるものであれば、どのようなオブジェクトでもよい。また、第2のオブジェクトOJ2は、第1のオブジェクトに関連するものであれば、どのようなオブジェクトでもよい。また、第3のオブジェクトOJ3は、自動的にあらかじめ定められた経路又はランダムに決定された経路を移動するオブジェクトである。なお、第3のオブジェクトOJ3は、移動せずに、特定の地点に配置されたものでもよい。
【0075】
仮想カメラCは、第1のオブジェクトOJ1の近傍の所定位置に配置される。仮想カメラCの視線方向は、第1のオブジェクトOJ1、第2のオブジェクトOJ2及び第3のオブジェクトOJ3のそれぞれの少なくとも一部が仮想カメラCの視野FV内に含まれるように制御される。
【0076】
図8(b)は、ゲーム処理装置2の表示部23に表示される画像の一例を示す図である。
【0077】
図8(b)に示す画像は、仮想カメラCの視線方向に配置された所定の2次元スクリーン面に投影された、視野FV内の仮想空間Vを示す画像である。図8(b)に示す例では、第1のオブジェクトOJ1、第2のオブジェクトOJ2及び第3のオブジェクトOJ3を含む画像が表示される。
【0078】
図9(a)は、操作装置の動きの一例を説明するための模式図である。
【0079】
図9(a)に示す操作装置の動きは、プレイヤが、第1操作装置3及び第2操作装置4のいずれか一方を釣竿として把持してキャスティング動作(オーバースロー)を行った場合における、当該操作装置の動きである。
【0080】
図9(a)を参照して、キャスティング操作を行うためにプレイヤが把持した操作装置が、第1操作装置3である場合を例にして説明する。プレイヤが第1操作装置3を把持してキャスティング動作を行うと、第1操作装置3は、例えばZ軸を中心とした回転方向に回転しながら第1の位置P1から第2の位置P2まで移動する。
【0081】
第1操作装置3が第1の位置P1から第2の位置P2まで移動する間に第1加速度検出部34によって出力される加速度情報は、重力加速度と移動方向の加速度とが合成された加速度を示すX軸方向加速度情報、Y軸方向加速度情報及びZ軸方向加速度情報である。第1操作装置3が第1の位置P1から第2の位置P2まで移動する間に第1操作装置3の第1角速度検出部35によって出力される角速度情報は、第1の位置P1から第2の位置P2までの回転に係るX軸角速度情報、Y軸角速度情報及びZ軸角速度情報である。
【0082】
第1操作装置3の第1送信部361は、第1加速度検出部34及び第1角速度検出部35から出力された加速度情報及び角速度情報を所定の時間間隔ごとに取得する。そして、第1送信部361は、取得した加速度情報及び角速度情報を含む操作情報を、所定の時間間隔ごとに第1通信部31を介してゲーム処理装置2に送信する。なお、第1送信部361は、出力部の一例である。
【0083】
なお、キャスティング操作を行うためにプレイヤが把持した操作装置が第2操作装置4である場合、第2操作装置4の第2送信部461は、第1送信部361と同様に、第2加速度検出部44及び第2角速度検出部45から出力された加速度情報及び角速度情報を所定の時間間隔ごとに取得する。そして、第2送信部461は、取得した加速度情報及び角速度情報を含む操作情報を、所定の時間間隔ごとに第2通信部41を介してゲーム処理装置2に送信する。なお、第2送信部461は、出力部の一例である。
【0084】
図9(b)は、ゲーム処理装置2によって作成される仮想空間Vの一例を示す模式図である。
【0085】
仮想空間V内に含まれる第1のオブジェクトOJ1は、図9(a)に示すようにプレイヤが第1操作装置3及び第2操作装置4のいずれか一方を釣竿として把持してキャスティング動作(オーバースロー)を行った場合に出力された操作情報に基づいて変化する。
【0086】
ゲーム処理装置2は、第1操作装置3及び第2操作装置4から所定の時間間隔ごとに送信された操作情報を受信するたびに、受信した操作情報が第1の操作情報条件を満たすか否かを判定する。ゲーム処理装置2は、受信した操作情報が第1の操作情報条件を満たすと判定した場合、当該操作情報を送信した操作装置をオブジェクト操作装置として識別する。第1の操作情報条件は、例えば、操作情報としてX軸方向加速度情報、Y軸方向加速度情報、Z軸方向加速度情報が出力された場合、X軸方向加速度情報によって示されるX軸方向の加速度と、Y軸方向加速度情報によって示されるY軸方向の加速度と、Z軸方向加速度情報によって示されるZ軸方向の加速度との合成加速度が所定の数値を超えるという条件等である。なお、第1の操作情報条件は、操作情報として一又は複数の軸の加速度情報が出力された場合、いずれか一つの軸の加速度情報によって示される加速度が所定の数値を超えるという条件でもよい。
【0087】
仮想空間V内に含まれる第1のオブジェクトOJ1は、オブジェクト操作装置からの操作情報に基づいて変化する。例えば、オブジェクト操作装置からの操作情報が第1の操作情報条件を満たすと判定された場合、第1のオブジェクトOJ1は、予め定められた第1のオブジェクト位置PO1から第2のオブジェクト位置PO2に移動する。なお、第1のオブジェクト位置PO1を示す3次元座標の情報は、第1のオブジェクトに関する情報としてゲーム処理装置2の記憶部22に記憶される。
【0088】
第2のオブジェクト位置PO2は、予め定められた位置、又は、オブジェクト操作装置からの操作情報に基づく位置である。第2のオブジェクト位置PO2が予め定められた位置である場合では、第2のオブジェクト位置PO2を示す3次元座標の情報は、第1のオブジェクトに関する情報としてゲーム処理装置2の記憶部22に記憶される。
【0089】
第2のオブジェクト位置PO2がオブジェクト操作装置からの操作情報に基づく位置にある場合では、例えば、第2のオブジェクト位置PO2は、操作情報に含まれる加速度情報に基づいて算出される。
【0090】
例えば、操作情報に含まれる加速度情報によって示される加速度が所定の数値を超えてから所定の数値を下回るまでの対象期間における全て又は一部の加速度情報に基づいて、当該対象期間内に移動したオブジェクト操作装置の移動距離が算出される。操作情報に含まれる加速度情報によって示される加速度は、例えば、X軸方向加速度情報によって示される加速度とY軸方向加速度情報によって示される加速度とZ軸方向加速度情報によって示される加速度とを合成した合成加速度である。
【0091】
次に、オブジェクト操作装置の移動距離と第1のオブジェクトOJ1の第1移動距離との対応テーブル(対応テーブルは、例えばゲーム処理装置2の記憶部22に記憶される。)等に基づいて、算出されたオブジェクト操作装置の移動距離に対応する仮想空間V内の第1のオブジェクトOJ1の第1移動距離が算出される。そして、第2のオブジェクト位置PO2は、第1のオブジェクト位置PO1と第1移動距離とに基づいて算出される。なお、第2のオブジェクト位置PO2は、操作情報に含まれる角速度情報に基づいて算出されてもよい。例えば、対象期間における全て又は一部の加速度情報及び角速度情報に基づいて、オブジェクト操作装置の第1の位置P1から各操作情報に対応するオブジェクト操作装置の位置までのベクトルが所定の時間間隔ごとに算出される。次に、算出されたベクトルに応じた第1のオブジェクトOJ1の位置を示す3次元座標が算出される。そして、角速度情報に基づいて回転させながら、当該三次元座標に基づいて、第1のオブジェクトOJ1を移動させる。
【0092】
図10(a)及び(b)は、ゲーム処理装置2の表示部23に表示される画像の一例を示す図である。
【0093】
図10(a)は、第1のオブジェクトOJ1が第1のオブジェクト位置PO1にある場合において、仮想カメラCの視線方向に配置された所定の2次元スクリーン面に投影された、視野FV内の仮想空間Vを示す画像である。
【0094】
図10(b)は、第1のオブジェクトOJ1が第2のオブジェクト位置PO2にある場合において、仮想カメラCの視線方向に配置された所定の2次元スクリーン面に投影された、視野FV内の仮想空間Vを示す画像である。
【0095】
第1のオブジェクトOJ1が第2のオブジェクト位置PO2に到達した場合、第2のオブジェクトOJ2が、第1のオブジェクトOJ1の所定箇所(例えば、第1のオブジェクトが釣竿を模している場合、ロッドのトップガイドの位置等)から移動を開始する。なお、第1のオブジェクトOJ1が第1のオブジェクト位置PO1から第2のオブジェクト位置PO2に移動する途中で、第2のオブジェクトOJ2が第1のオブジェクトOJ1の所定箇所から移動を開始してもよい。第2のオブジェクトOJ2の移動開始位置は、第1のオブジェクトOJ1の所定箇所に限らず、第1のオブジェクトOJ1から所定範囲内の位置であってもよい。
【0096】
図10(b)に示す例では、移動中の第2のオブジェクトOJ2を含む画像が表示されている。第2のオブジェクトOJ2の第2移動距離及び移動ルートは操作情報に基づいて算出され、第2のオブジェクトOJ2は、移動開始位置から第2移動距離だけ離れた到達位置PO3まで移動ルートに沿って移動する。
【0097】
第2のオブジェクトOJ2の第2移動距離は、例えば、操作情報に含まれる加速度情報に基づいて算出される。以下、操作情報に含まれる加速度情報に基づいて第2のオブジェクトOJ2の第2移動距離が算出される処理について説明する。まず、対象期間における全て又は一部の加速度情報に基づいて、第2のオブジェクトの移動開始時点における、第2のオブジェクトOJ2の移動速度が算出される。そして、算出された移動速度に対応する第2移動距離が算出される。なお、第2移動距離の算出に用いられる移動速度は、移動開始時点から所定時間前までの期間における平均移動速度でもよい。また、第2のオブジェクトOJ2の移動ルートとして、移動開始位置から到達位置PO3までを結ぶ所定曲線(例えば、2次曲線等)が算出される。
【0098】
また、第2のオブジェクトOJ2の第2移動距離は、操作情報に含まれる加速度情報によって示される加速度の向きの移動角度に基づいて算出されてもよい。操作情報に含まれる加速度情報によって示される加速度は、例えば、X軸方向加速度情報によって示される加速度とY軸方向加速度情報によって示される加速度とZ軸方向加速度情報によって示される加速度とを合成した合成加速度である。この場合、操作情報ごとに、センサー座標系における、各操作情報に含まれる加速度情報によって示される加速度の向きが算出される。そして、移動角度として、第1のオブジェクトOJ1の移動開始直後の加速度の向きから、第2のオブジェクトOJ2の移動開始時点における第1のオブジェクトの加速度の向きとの間の角度が算出される。また、第2のオブジェクトOJ2の第2移動距離は、操作情報に含まれる角速度情報に基づいて算出されてもよい。例えば、角速度情報を積分して算出した積分値と第2移動距離との対応テーブル(対応テーブルは、例えばゲーム処理装置2の記憶部22に記憶される。)に基づいて、対象期間における全て又は一部の角速度情報を積分して算出した積分値に基づいて第2移動距離が算出される。
【0099】
仮想空間V内における水平面からの第2のオブジェクトOJ2の移動方向の角度(仰俯角度)Aは、移動角度が大きいほど小さくなるように、且つ、移動角度が小さいほど大きくなるように算出される。
【0100】
図11は、仮想空間V内の第2のオブジェクトOJ2の移動ルートの一例を示す模式図である。第2のオブジェクトOJ2の移動ルートR及び第2移動距離Dは、第2のオブジェクトの移動開始時点における、第2のオブジェクトOJ2の移動速度、算出された角度A、及び、所定曲線(例えば、2次曲線等)を示す関数に基づいて算出される。
【0101】
仮想空間V内における水平面からの第2のオブジェクトOJ2の移動方向の角度(仰俯角度)Aは、操作情報に含まれる加速度情報及び角速度情報に基づいて算出されてもよい。以下、操作情報に含まれる加速度情報及び角速度情報に基づいて角度Aが算出される処理の一例について説明する。まず、操作情報に含まれる加速度情報によって示される加速度が重力加速度と略同一である時間が、所定の重力判定時間以上続いた場合、当該加速度情報によって示される加速度の向きが鉛直下向きであると判定される。次に、鉛直下向きであると判定された加速度の向きが、センサー座標系における基準方向として設定される。次に、操作情報に含まれる角速度情報に基づいて、第1のオブジェクトOJ1の移動開始直後の加速度の向きと基準方向との間の第1差分角度が算出される。次に、操作情報に含まれる角速度情報に基づいて、第2のオブジェクトOJ2の移動開始時点における第1のオブジェクトの加速度の向きと基準方向との間の第2差分角度が算出される。そして、第1差分角度と第2差分角度の差分が角度Aとして算出される。
【0102】
また、第2のオブジェクトOJ2の移動方向を、仮想空間V内における水平面に投影した場合における方向を、操作情報に基づいて算出されてもよい。図12(a)は、オブジェクト操作装置の動きの一例を説明するための模式図である。
【0103】
例えば、第1の位置P1におけるオブジェクト操作装置のX軸を水平面に投影した線分と第2の位置P2におけるオブジェクト操作装置のX軸を水平面に投影した線分との差分角度Bが、操作情報に含まれる角速度情報及び加速度情報に基づいて算出される。
【0104】
以下、操作情報に含まれる角速度情報及び加速度情報に基づいて差分角度Bが算出される処理の一例について説明する。まず、加速度情報に基づいて鉛直下向きが判定され、鉛直下向きと直角な面が水平面として判定される。次に、第1の位置P1におけるオブジェクト操作装置のX軸を水平面に投影した線分が判定される。そして、操作情報に含まれる角速度情報に基づいて、第2の位置P2におけるオブジェクト操作装置のX軸を水平面に投影した線分と、第1の位置P1におけるオブジェクト操作装置のX軸を水平面に投影した線分との差分角度Bが算出される。
【0105】
図12(b)は、第2のオブジェクトOJ2が移動した場合において、仮想カメラCの視線方向に配置された所定の2次元スクリーン面に投影された、視野FV内の仮想空間Vを示す画像である。
【0106】
図12(b)に示す例では、第2のオブジェクトOJ2の移動方向における、仮想空間V内における水平面に投影した方向が、差分角度Bに設定される。例えば、表示部23の表示画面の下辺中央点Oを中心として、下辺中央点Oから上方に延びた基準方向L(下辺中央点O及び基準方向Lは、ともに表示されない。)より差分角度Bだけ回転した方向に従って、第2のオブジェクトOJ2が移動する。
【0107】
移動方向に従って移動する第2のオブジェクトの位置が移動可能範囲から外れた場合、第2のオブジェクトOJ2の位置が移動可能範囲内に補正されてもよい。例えば、移動可能範囲は、仮想カメラCにおける視野FV内の範囲である。
【0108】
図13は、ゲーム処理装置2によって作成される仮想空間Vにおいて第2のオブジェクトOJ2の位置が補正される処理の一例を説明するための模式図である。
【0109】
例えば、算出された移動ルートが移動可能範囲(仮想カメラCにおける視野FV内)から外れる場合、到達位置PO3が、移動可能範囲内に移動し、移動開始位置から移動後の到達位置PO3を結ぶ補正ルートを再算出する。補正ルートの再算出処理では、例えば、補正対象である移動ルートにおける角度Aが用いられて補正ルートが算出される。
【0110】
ゲーム中に第2のオブジェクトOJ2が画面から消えてしまうことが防止されることにより、プレイヤに、仮想空間V内において第2のオブジェクトOJ2を探す操作をさせずにゲームプレイを継続させることができる。これにより、プレイヤのゲームに対する没入感が損なうことを防止することが可能となる。
【0111】
第2のオブジェクトOJ2が到達位置PO3に到達すると、第2のオブジェクトOJ2と第3のオブジェクトOJ3とが所定の関係を満たすか否かが判定される。所定の関係は、例えば、第2のオブジェクトOJ2の位置と第3のオブジェクトOJ3の位置とが接触する位置関係であることである。なお、所定の関係は、他の関係でもよく、例えば、第2のオブジェクトOJ2の位置を中心とした所定範囲内に第3のオブジェクトOJ3の位置が包含される位置関係であることでもよい。第2のオブジェクトOJ2と第3のオブジェクトOJ3とが所定の関係を満たす場合、プレイヤの動作に基づく操作情報に基づいて、第3のオブジェクトOJ3が、第1のオブジェクトOJ1に向かう方向に移動する。
【0112】
図14(a)は、操作装置の動きの一例を説明するための模式図である。
【0113】
図14(a)に示す例では、操作装置の動きは、プレイヤが第2操作装置4をリールのハンドルとして把持してリールを巻く動作を行った場合における、第2操作装置4の動きである。プレイヤが第1操作装置3をオブジェクト操作装置として把持しており、第1操作装置3がD1の方向に動くと、第1角速度検出部によって検出された角速度情報を含む操作情報に応じて、第1のオブジェクトOJ1も同様にD1の方向に動く。また、第1操作装置3がD2の方向に動くと、第1角速度検出部によって検出された角速度情報を含む操作情報に応じて、第1のオブジェクトOJ1も同様にD2の方向に動く。
【0114】
プレイヤが第2操作装置4を把持してリールを巻く動作を行うと、第2操作装置4は、第1の方向D3への移動と第2の方向D4への移動とを繰り返す所定の運動を行う。所定の運動は、例えば、周期運動である。周期運動は、操作装置が第1の方向D3への移動及び第2の方向D4への移動を繰り返す往復運動や振動運動、又は、所定軸を中心とした円運動等である。なお、円運動の所定軸は、変位又は回動してもよく、円運動の軌道は、正円でなくてもよい。なお、所定の運動は、周期運動に限らず、プレイヤの特定の動作に応じた運動であればどのような運動でもよい。
【0115】
ゲーム処理装置2は、第1操作装置3及び第2操作装置4から所定の時間間隔ごとに送信された操作情報を受信するたびに、受信した操作情報が第2の操作情報条件を満たすか否かを判定する。ゲーム処理装置2は、受信した操作情報が第2の操作情報条件を満たすと判定した場合、当該操作情報を送信した操作装置をパラメータ操作装置として識別する。
【0116】
第2の操作情報条件は、例えば、操作情報に含まれる加速度情報に基づいて、当該操作情報を送信した操作装置が第1の方向D3への移動と第2の方向D4への移動とを繰り返す周期運動を行っていると判定されたという条件である。周期運動が行われると、操作装置の加速度検出部(第1加速度検出部34又は第2加速度検出部44)は、センサー座標系のうちの少なくとも一つの軸において、検出された加速度方向が反転する。すなわち、加速度検出部において、加速度方向が反転を繰り返す運動が検出された場合、周期運動が行われていると判定される。以下、周期運動が往復運動である場合を例にして説明する。
【0117】
リールを巻く動作を行うために把持する操作装置は、オブジェクト操作装置として把持される操作装置でもよい。図14(a)に示す例では、プレイヤが第1操作装置3を第1の方向D3への移動と第2の方向D4への移動とを繰り返す往復運動を行い、ゲーム処理装置2は、第1操作装置3から受信した操作情報が第2の操作情報条件を満たすと判定した場合、当該操作情報を送信した第1操作装置3をパラメータ操作装置として識別する。この場合、第2操作装置4がオブジェクト操作装置として識別される。
【0118】
図14(b)は、ゲーム処理装置2の表示部23に表示される画像の一例を示す図である。
【0119】
第1操作装置3及び第2操作装置4のいずれか一方がパラメータ操作装置として識別された場合において、仮想カメラCの視線方向に配置された所定の2次元スクリーン面に投影された、視野FV内の仮想空間Vを示す画像である。
【0120】
図14(b)に示す例では、第1のオブジェクトOJ1と、バラメータ操作装置の往復運動に応じて移動する第3のオブジェクトOJ3とを少なくとも含む仮想空間Vを示す画像とともにゲージGを示す画像が表示される。
【0121】
ゲージGの形状は、パラメータ操作装置の往復運動の周期に応じた表示態様に変化する。パラメータ操作装置の往復運動の周期は、第1の方向D3への移動及び第2の方向D4への移動の周期である。
【0122】
図14(b)に示す例では、ゲージGは棒グラフの形状である。なお、ゲージGの形状は、棒グラフの形状に限らない。パラメータ操作装置の往復運動の周期が短い(すなわち、単位時間当たりの往復運動の回数が多い)程、パラメータの値が大きくなり、パラメータ操作装置の往復運動の周期が長い程、パラメータの値が小さくなるようにゲーム処理装置2によって設定される。そして、ゲージGの棒グラフの長さは、パラメータの値に応じて変化する。例えば、パラメータの値が大きいほど、棒グラフの長さは長くなり、パラメータの値が小さいほど程、棒グラフの長さは短くなる。
【0123】
なお、パラメータ操作装置の往復運動における一周期の変位量が大きい程、パラメータの値は大きくなるようにゲーム処理装置2によって設定されてもよい。これにより、プレイヤは、往復運動の周期が長い場合でも、腕を大きく回すことで、釣糸を多く巻き取ることが可能となる。
【0124】
また、ゲージGの棒グラフの長さは、パラメータの値とゲーム進行に関する情報に基づいて変化するものでもよい。ゲーム進行に関する情報は、例えば、第3のオブジェクトOJ3が自動的に移動する方向及び/又は移動速度等に関する情報である。この場合、第3のオブジェクトOJ3が、第1のオブジェクトOJ1への移動方向以外の方向に自動的に移動している場合、ゲージGの棒グラフの長さは、パラメータの値に1以上の所定係数を乗算して算出した値に応じた長さとする。なお、第3のオブジェクトOJ3が自動的に移動する移動速度が速い程、所定係数を大きくしてもよい。また、第1のオブジェクトOJ1への移動方向に移動している場合、ゲージGの棒グラフの長さは、パラメータの値に1未満の所定係数を乗算して算出した値に応じた長さとする。
【0125】
また、第3のオブジェクトOJ3の第1のオブジェクトOJ1への移動速度は、パラメータの値に応じて変化する。例えば、第3のオブジェクトOJ3の第1のオブジェクトOJ1への移動速度は、パラメータの値が大きい程、速い速度に設定され、パラメータの値が小さい程、遅い速度に設定される。これにより、プレイヤは、パラメータ操作装置の往復運動を速くするほど、第3のオブジェクトOJ3が早く手元に移動させることが可能になる。
【0126】
以下、ゲーム処理装置2の処理部24が備えるゲーム進行制御部241、判定部242、識別部243、オブジェクト制御部244、パラメータ制御部245、及び表示処理部246のそれぞれについて説明する。
【0127】
ゲーム進行制御部241は、記憶部22に記憶された各種オブジェクトに関する情報を読み出し、読み出した情報に基づいて、各種オブジェクトが配置された仮想空間Vを作成する。仮想空間Vに配置されるオブジェクトは、例えば、第1のオブジェクトOJ1、第2のオブジェクトOJ2、第3のオブジェクトOJ3である。また、仮想空間V内には仮想カメラCが配置される。
【0128】
また、ゲーム進行制御部241は、第1操作装置3及び第2操作装置4から所定の時間間隔ごとに出力された操作情報を、通信部21を介して受信する。
【0129】
また、ゲーム進行制御部241は、送信された操作情報を受信するたびに、受信した操作情報に、ゲーム開始を指示する入力部操作情報が含まれるか否かを判定する。ゲーム進行制御部241は、受信した操作情報に、ゲーム開始を指示する入力部操作情報が含まれると判定した場合、ゲームを開始し、判定部242、識別部243、及びオブジェクト制御部244に、オブジェクト変化処理の実行を指示する。
【0130】
また、ゲーム進行制御部241は、送信された操作情報を受信するたびに、受信した操作情報の入力部操作情報に、再びゲームを開始する指示が含まれているか否かを判定する。ゲーム進行制御部241は、受信した操作情報の入力部操作情報に、再びゲームを開始する指示が含まれていると判定した場合、ゲームを再び開始し、判定部242、識別部243、及びオブジェクト制御部244に、オブジェクト変化処理の実行を指示する。
【0131】
また、ゲーム進行制御部241は、オブジェクト変化処理の実行が終了した場合、判定部242、識別部243、オブジェクト制御部244、及びパラメータ制御部245に、パラメータ変更処理の実行を指示する。
【0132】
また、ゲーム進行制御部241は、ゲームが終了したか否かを判定する。例えば、ゲーム進行制御部241は、第3のオブジェクトOJ3が、第1のオブジェクトOJ1の終了判定距離の範囲内に移動した場合、ゲームが終了したと判定する。また、ゲーム進行制御部241は、受信した操作情報の入力部操作情報に、ゲームを終了する指示が含まれている場合、ゲームが終了したと判定する。
【0133】
また、ゲーム進行制御部241は、ゲームが終了したと判定した場合、パラメータ変更処理の実行を終了する。
【0134】
判定部242は、送信された操作情報を受信するたびに、受信した操作情報が第1の操作情報条件を満たすか否かを判定する。また、判定部242は、送信された操作情報を受信するたびに、受信した操作情報が第2の操作情報条件を満たすか否かを判定する。
【0135】
識別部243は、受信された操作情報が第1の操作情報条件を満たすと判定部242によって判定された場合、当該操作情報を送信した操作装置をオブジェクト操作装置として識別する。また、識別部243は、受信された操作情報が第2の操作情報条件を満たすと判定部242によって判定された場合、当該操作情報を送信した操作装置をパラメータ操作装置として識別する。
【0136】
また、識別部243は、パラメータ操作装置として識別された操作装置が、オブジェクト操作装置であるか否かを判定する。そして、識別部243は、パラメータ操作装置として識別された操作装置がオブジェクト操作装置である場合、パラメータ操作装置として識別された操作装置をオブジェクト操作装置として識別せず、パラメータ操作装置として識別された操作装置とは異なる操作装置をオブジェクト操作装置として識別する。
【0137】
オブジェクト制御部244は、オブジェクト操作装置から所定の時間間隔ごとに送信された操作情報に基づいて第1のオブジェクトOJ1を変化させる。なお、オブジェクト制御部244は、オブジェクト操作装置からの操作情報が第1の操作情報条件を満たすと判定された場合、第1のオブジェクトOJ1を、予め定められた第1のオブジェクト位置PO1から、予め定められた第2のオブジェクト位置PO2まで移動させてもよい。
【0138】
また、オブジェクト制御部244は、オブジェクト操作装置からの操作情報が第1の操作情報条件を満たすと判定された場合において、オブジェクト操作装置から所定の時間間隔ごとに送信された操作情報に基づいて第2のオブジェクトOJ2の移動方向及び移動距離を算出し、算出した移動方向及び移動距離に基づいて第2のオブジェクトOJ2を移動させる。
【0139】
また、オブジェクト制御部244は、後述するパラメータ制御部245によって変更されたパラメータに基づいて第2のオブジェクトを移動させる。
【0140】
また、オブジェクト制御部244は、記憶部22に記憶された、仮想カメラCの視線方向及び視野に関する情報を移動可能範囲に関する情報として読み出し、算出した移動方向及び移動距離に基づいて移動する第2のオブジェクトOJ2が移動可能範囲から外れた場合、第2のオブジェクトOJ2の位置を移動可能範囲内に補正する。
【0141】
パラメータ制御部245は、パラメータ操作装置から所定の時間間隔ごとに送信された操作情報に基づいてパラメータを変更する。
【0142】
表示処理部246は、仮想カメラCの視線方向に配置された所定の2次元スクリーン面に投影された、視野FV内の仮想空間Vを示す画像を生成し、生成した画像を表示部23に表示する。
【0143】
また、表示処理部246は、仮想空間V内のオブジェクトが変化(移動又は変形等)した際に、当該変化したオブジェクトが視野FV内に含まれる場合、当該変化したオブジェクトを含む、視野FV内の仮想空間Vを示す画像を生成し、生成した画像を表示部23に表示する。
【0144】
また、表示処理部246は、パラメータ操作装置として識別された操作装置がオブジェクト操作装置であると識別部243によって識別された場合、パラメータ制御部245によって変更されるパラメータに対応するゲージGを示す画像を、仮想空間Vを示す画像に重畳させて表示部23に表示する。
【0145】
図15は、ゲーム処理装置2の処理部24によるゲーム進行処理の動作フローの一例を示す図である。
【0146】
まず、ゲーム進行制御部241は、第1操作装置3及び第2操作装置4から出力された操作情報を、通信部21を介して受信し、受信した操作情報に、ゲーム開始を指示する入力部操作情報が含まれるか否かを判定する(ステップS101)。なお、ゲーム開始を指示する入力部操作情報を含む操作情報は、プレイヤによって第1操作装置3の所定の第1入力部33又は第2操作装置4の所定の第2入力部43が操作されることよって、第1送信部361又は第2送信部461から第1通信部31又は第2通信部41を介して送信される。
【0147】
ゲーム進行制御部241は、受信した操作情報に、ゲーム開始を指示する入力部操作情報が含まれていない場合(ステップS101-No)、再びステップS101に処理を戻す。
【0148】
受信した操作情報に、ゲーム開始を指示する入力部操作情報が含まれている場合(ステップS101-Yes)、判定部242、識別部243、及びオブジェクト制御部244は、オブジェクト変化処理を実行する(ステップS102)。なお、オブジェクト変化処理の詳細は後述する。
【0149】
次に、ゲーム進行制御部241、判定部242、識別部243、オブジェクト制御部244、及びパラメータ制御部245は、パラメータ変更処理を実行する(ステップS103)。なお、パラメータ変更処理の詳細は後述する。
【0150】
次に、ゲーム進行制御部241は、第1操作装置3及び第2操作装置4から出力された操作情報を、通信部21を介して受信し、受信した操作情報の入力部操作情報に、再びゲームを開始する指示が含まれているか否かを判定する(ステップS104)。受信した操作情報に、再びゲームを開始する指示が入力部操作情報に含まれていると判定された場合(ステップS104-Yes)、ゲーム進行制御部241は、ステップS102に処理を戻す。
【0151】
受信した操作情報に、再びゲームを開始する指示が入力部操作情報に含まれていないと判定された場合(ステップS104-No)、ゲーム進行制御部241は、ゲーム進行処理を終了する。
【0152】
図16は、ゲーム処理装置2の判定部242、識別部243、及びオブジェクト制御部244によるオブジェクト変化処理の動作フローの一例を示す図である。図16に示されるオブジェクト変化処理は、図15のステップS102において実行される。
【0153】
まず、判定部242は、第1操作装置3及び第2操作装置4から所定の時間間隔ごとに送信された操作情報を受信するたびに、受信した操作情報が第1の操作情報条件を満たすか否かを判定する(ステップS201)。
【0154】
受信された操作情報が第1の操作情報条件を満たすと判定されなかった場合(ステップS201-No)、判定部242は、ステップS201に処理を戻す。
【0155】
受信された操作情報が第1の操作情報条件を満たすと判定された場合(ステップS201-Yes)、識別部243は、当該操作情報を送信した操作装置をオブジェクト操作装置として識別する(ステップS202)。
【0156】
次に、オブジェクト制御部244は、オブジェクト操作装置から所定の時間間隔ごとに送信された操作情報に基づいて第1のオブジェクトOJ1を変化させる(ステップS203)。
【0157】
ステップS203の処理が実行されると、オブジェクト変化処理が終了する。
【0158】
図17は、ゲーム処理装置2のゲーム進行制御部241、判定部242、識別部243、オブジェクト制御部244、及びパラメータ制御部245によるパラメータ変更処理の動作フローの一例を示す図である。図17に示されるパラメータ変更処理は、図15のステップS103において実行される。
【0159】
まず、判定部242は、第1操作装置3及び第2操作装置4から所定の時間間隔ごとに受信された操作情報が第2の操作情報条件を満たすか否かを判定する(ステップS301)。
【0160】
受信された操作情報が第2の操作情報条件を満たすと判定されなかった場合(ステップS301-No)、判定部242は、ステップS301に処理を戻す。
【0161】
受信された操作情報が第2の操作情報条件を満たすと判定された場合(ステップS301-Yes)、識別部243は、当該操作情報を送信した操作装置をパラメータ操作装置として識別する(ステップS302)。
【0162】
次に、識別部243は、ステップS302においてパラメータ操作装置として識別された操作装置が、オブジェクト操作装置であるか否かを判定する(ステップS303)。
【0163】
パラメータ操作装置として識別された操作装置がオブジェクト操作装置でない場合(ステップS303-No)、後述するステップS305がパラメータ制御部245によって実行される。
【0164】
パラメータ操作装置として識別された操作装置がオブジェクト操作装置である場合(ステップS303-Yes)、識別部243は、パラメータ操作装置として識別された操作装置とは異なる操作装置をオブジェクト操作装置として識別する(ステップS304)。
【0165】
次に、パラメータ制御部245は、パラメータ操作装置から所定の時間間隔ごとに送信された操作情報に基づいてパラメータを変更する(ステップS305)。
【0166】
次に、オブジェクト制御部244は、変更されたパラメータに基づいて第2のオブジェクトを移動させる(ステップS306)。
【0167】
次に、ゲーム進行制御部241は、ゲームが終了したか否かを判定する(ステップS307)。
【0168】
ゲーム進行制御部241は、ゲームが終了していないと判定した場合(ステップS307-No)、ステップS301に処理を戻す。
【0169】
ゲーム進行制御部241は、ゲームが終了したと判定した場合(ステップS307-Yes)、パラメータ変更処理を終了する。
【0170】
以上、詳述したとおり、プレイヤが複数の操作装置のうちのいずれかの操作装置を操作することによって、自動的に操作対象のオブジェクトを操作することが可能になる。このため、プレイヤは、操作装置の設定を行うことなくゲームを楽しむことができ、本実施形態のゲームシステムによって、操作装置の操作性を向上させることが可能となる。
【0171】
(変形例1)
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態におけるゲーム処理装置2は、有線又は無線によって表示装置と接続し、表示部23に表示される画像と同一の画像を表示装置に表示させてもよい。表示装置は、例えば、テレビ受像機であり、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等を備える。表示装置は、処理部24から供給された画像データに応じた画像を表示する。この場合、表示部23は、表示装置と同一の画像が表示されてもよく、表示装置に画像が表示されているときには表示部23に画像が表示されていなくてもよい。また、表示部23は、ゲーム処理装置2に備えられていなくてもよい。なお、表示装置は、ヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display,HMD)でもよい。
【0172】
(変形例2)
また、オブジェクト制御部244は、第2のオブジェクトOJ2が到達位置PO3に到達したときに、第2のオブジェクトOJ2及び第3のオブジェクトOJ3の関係に応じて、第3のオブジェクトOJ3を、第2のオブジェクトOJ2へ向かって自動的に移動させる自動移動処理を実行してもよい。例えば、第2のオブジェクトOJ2及び第3のオブジェクトOJ3の属性が、それぞれ記憶部22に記憶されており、第2のオブジェクトOJ2の属性及び第3のオブジェクトOJ3の属性が合致する場合に、オブジェクト制御部244は自動移動処理を実行する。または、第2のオブジェクトOJ2及び第3のオブジェクトOJ3のパラメータが、それぞれ記憶部22に記憶されており、第2のオブジェクトOJ2のパラメータ及び第3のオブジェクトOJ3のパラメータに基づいて評価値(例えば、友好度)が算出され、評価度が所定の設定値を超えた場合、オブジェクト制御部244は自動移動処理を実行する。なお、自動移動処理の対象となる第3のオブジェクトOJ3は、第2のオブジェクトOJ2が到達位置PO3に到達したときに、当該到達位置PO3から所定の設定範囲内に位置するものに限ってもよい。
【0173】
(変形例3)
また、本実施形態のゲーム装置1によって提供されるゲームは、釣りゲームに限らない。例えば、本実施形態のゲーム装置1によって、釣りゲーム以外の他のスポーツゲームが提供されてもよい。
【0174】
例えば、本実施形態のゲーム装置1によって、プレイヤによって操作されるキャラクタがゴルフクラブを用いてゴルフを行うゴルフゲーム、又は、プレイヤによって操作されるキャラクタがバットを用いて野球を行う野球ゲーム等のスポーツゲームが提供されてもよい。このようなスポーツゲームでは、ゴルフクラブ及びバット等を模した第1のオブジェクトOJ1をキャラクタが両手で把持し、第1のオブジェクトOJ1を使用するゲームが進行する。
【0175】
この場合、第1操作装置3を左手で把持するとともに第2操作装置4を右手で把持するプレイヤは、ゴルフクラブ及びバット等を振る動作を行う。第1操作装置3及び第2操作装置4のそれぞれのモーションセンサーは、第1操作装置3及び第2操作装置4のそれぞれの操作情報を出力する。
【0176】
ゲーム処理装置2は、第1操作装置3及び第2操作装置4のそれぞれから操作情報を取得すると、利き腕の手が第1操作装置3及び第2操作装置4のどちらを把持しているかを判定する。例えば、ゲーム処理装置2の判定部242は、第1操作装置3及び第2操作装置4のそれぞれから送信された操作情報を受信するたびに、操作情報に含まれる加速度情報によって示される加速度が所定の数値を超えてから所定の数値を下回るまでの対象期間における全て又は一部の加速度情報に基づいて、当該対象期間内に移動した、第1操作装置3及び第2操作装置4のそれぞれの移動距離を算出する。なお、操作情報に含まれる加速度情報によって示される加速度は、例えば、X軸方向加速度情報によって示される加速度とY軸方向加速度情報によって示される加速度とZ軸方向加速度情報によって示される加速度とを合成した合成加速度である。
【0177】
そして、識別部243は、移動距離が長い操作装置を利き腕の手が把持している操作装置として識別する。
【0178】
次に、オブジェクト制御部244は、振りかぶる動作を行った際に、第1操作装置3及び第2操作装置4のそれぞれから送信された操作情報に含まれる加速度情報によって示される加速度の向きが転換したタイミングを、トップの位置から振り下ろしたトップ位置タイミングと判定する。次に、オブジェクト制御部244は、第1操作装置3及び第2操作装置4のそれぞれから送信された操作情報に含まれる加速度情報によって示される加速度が最大となった時のタイミングをインパクトタイミングと判定する。次に、オブジェクト制御部244は、トップ位置タイミングからインパクトタイミングまでの間において受信した、第1操作装置3及び第2操作装置4のそれぞれから送信された操作情報に含まれるX軸角速度情報に基づいて、第1操作装置3及び第2操作装置4のX軸を中心とした回転角度を算出する。そして、オブジェクト制御部244は、利き腕の手が把持していると識別された操作装置の回転角度から他の操作装置の回転角度を減算した差分値に基づいて、ボールを模した第2のオブジェクトOJT2の移動軌道のタイプを決定する。例えば、オブジェクト制御部244は、差分値が所定値以上であれば、第2のオブジェクトOJT2をフックするように移動させる。また、オブジェクト制御部244は、差分値が所定値未満であれば、第2のオブジェクトOJT2をスライスするように移動させる。なお、オブジェクト制御部244は、利き腕の手が把持していると識別された操作装置の回転角度及び他の操作装置の回転角度のいずれか一方のみを用いて、ボールの移動軌道のタイプを決定してもよい。
【0179】
オブジェクト制御部244は、送信された操作情報に基づいて、トップ位置タイミングにおける、利き腕の手が把持していると識別された操作装置のX軸方向と水平面との角度を算出する。オブジェクト制御部244は、算出された角度に基づいて、第2のオブジェクトOJT2の移動距離を算出する。このように、バックスイング時の操作装置の角度を用いて、フォロースルーが想定できるため、当該角度に基づいて第2のオブジェクトOJT2の移動距離を算出でき、計算処理の負荷を軽減することが可能となる。
【0180】
(変形例4)
また本実施形態のゲーム装置1によって、格闘ゲームが提供されてもよい。例えば、プレイヤが操作するキャラクタが、武器等を模した第1のオブジェクトOJT1を把持して敵キャラクタと対戦する場合、判定部242は、第1操作装置3及び第2操作装置4のそれぞれから送信された操作情報を受信するたびに、操作情報に含まれる加速度情報によって示される加速度が所定の加速度設定値を超えているか否かを判定する。
【0181】
識別部243は、第1操作装置3及び第2操作装置4の両方に係る加速度が所定の角速度設定値を超えていると判定した場合、プレイヤが操作するキャラクタが両手で第1のオブジェクトOJT1を把持していると判定する。
【0182】
そして、オブジェクト制御部244は、第1操作装置3及び第2操作装置4の両方に係る加速度に応じた向き及び速さで第1のオブジェクトOJT1を移動させる。表示処理部246は、両手で第1のオブジェクトOJT1を把持しているキャラクタを表示させるとともに、移動する第1のオブジェクトOJT1を表示する。
【0183】
また、識別部243は、第1操作装置3及び第2操作装置4のいずれか一方の操作装置に係る加速度が所定の角速度設定値を超えていると判定した場合、当該一方の操作装置に対応するキャラクタの手が第1のオブジェクトOJT1を把持していると判定する。次に、オブジェクト制御部244は、当該一方の操作装置に係る加速度に応じた向き及び速さで第1のオブジェクトOJT1を移動させる。
【0184】
そして、オブジェクト制御部244は、一方の操作装置に係る加速度に応じた向き及び速さで第1のオブジェクトOJT1を移動させる。表示処理部246は、一方の操作装置に対応するキャラクタの手で第1のオブジェクトOJT1を把持しているキャラクタを表示させるとともに、移動する第1のオブジェクトOJT1を表示する。
【0185】
本実施形態のゲーム装置1によって提供されるゲームは、上述した例に限らず、仮想空間V内で、キャラクタ等が把持するオブジェクトOJT1を用いるバーチャルリアリティー(Virtual Reality,VR)ゲームであればどのようなゲームであってもよい。なお、オブジェクトOJT1を把持するキャラクタ等は、表示されなくてもよい。
【0186】
(変形例5)
また、パラメータ操作装置として識別する処理は、第1操作装置3から受信した操作情報と第2操作装置4から受信した操作情報との関係に基づく処理でもよい。例えば、所定の運動が往復運動である場合、第1操作装置3から受信した操作情報に基づく往復運動における一周期の変位量と、第2操作装置4から受信した操作情報に基づく往復運動における一周期の変位量とが比較され、大きい変位量に係る操作装置がパラメータ操作装置として識別されてもよい。
【0187】
また、識別部243は、受信された操作情報が第1の操作情報条件を満たすと判定部242によって判定された場合、当該操作情報を送信した操作装置をオブジェクト操作装置として識別するとともに、オブジェクト操作装置として識別されてなかった操作装置をパラメータ操作装置として識別してもよい。
【0188】
当業者は、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換、及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
【符号の説明】
【0189】
1 ゲーム装置
2 ゲーム処理装置
21 通信部
22 記憶部
23 表示部
24 処理部
241 ゲーム進行制御部
242 判定部
243 識別部
244 オブジェクト制御部
245 パラメータ制御部
246 表示処理部
3 第1操作装置
31 第1通信部
32 第1記憶部
33 第1入力部
34 第1加速度検出部
35 第1角速度検出部
36 第1処理部
361 第1送信部
4 第2操作装置
41 第2通信部
42 第2記憶部
43 第2入力部
44 第2加速度検出部
45 第2角速度検出部
46 第2処理部
461 第2送信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17