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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-15
(45)【発行日】2022-08-23
(54)【発明の名称】コンソールボックス
(51)【国際特許分類】
   B60R 7/04 20060101AFI20220816BHJP
【FI】
B60R7/04 C
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018109433
(22)【出願日】2018-06-07
(65)【公開番号】P2019209903
(43)【公開日】2019-12-12
【審査請求日】2021-04-22
(73)【特許権者】
【識別番号】308013436
【氏名又は名称】小島プレス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 崇裕
【審査官】上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-142761(JP,A)
【文献】特開2005-178841(JP,A)
【文献】実開平06-047048(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右の座席間に配設されるコンソールボックスであって、
内部に物品を収納可能な収納部と該収納部の上側に前記収納部から物品を出し入れ可能な開口を有するボックス本体と、
前記ボックス本体の開口を塞いで閉じる左右一対のリッドと、
前記ボックス本体の開口における左右方向内方であり且つ前後方向に沿う軸周りに前記左右一対のリッドをそれぞれ独立して開閉可能とする第1のヒンジと、
前記左右一対のリッドと、前記ボックス本体と、の間には、該ボックス本体の開口に沿った開口を有する枠体を有し、
前記枠体の開口は、前記ボックス本体の開口に対して一致するよう構成されており、
前記枠体の上面側には、前記左右一対のリッドが前記第1のヒンジを介して開閉可能に組み付けられており、
前記枠体自体が、前記ボックス本体の開口に対して左右方向に沿う軸周りに開閉可能とする第2のヒンジを介して前記ボックス本体に組み付けられており、
前記左右一対のリッド及び前記枠体の何れを開いても前記収納部にアクセス可能なコンソールボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンソールボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の運転席と助手席などの左右の座席間に配設されるコンソールボックスは、ボックス本体の上方に向かって開口を塞いで閉じる蓋体(リッド)を有しており、係る蓋体(リッド)の上面をアームレストとして使用されるものがある。ここで、運転席、助手席に着座する着座者がアームレストをそれぞれ使用すると共にそれぞれ気兼ねすることなく蓋体(リッド)を開閉したいという要望に鑑み、蓋体(リッド)の中央に見切りがあって左右にそれぞれ独立して開閉可能とするいわゆる観音開き構造の蓋体(リッド)が採用されたものがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-283415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような観音開き構造の蓋体(リッド)の構成では、ボックスの両側方にヒンジがあることから、リッドを開くと開いた側にリッドが直立する。そのため、直立したリッドを乗り越えてボックスの収納部にアクセスしなければならず、アクセス性に改善点を有する。また、直立したリッドによってボックスの収納部の視認性も好ましくない。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、ボックス本体の収納部に対するアクセス性と視認性の改善を図ることのできるコンソールボックスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するコンソールボックスは、左右の座席間に配設されるコンソールボックスであって、内部に物品を収納可能な収納部と該収納部の上側に前記収納部から物品を出し入れ可能な開口を有するボックス本体と、前記開口を塞いで閉じる左右一対のリッドと、前記開口における左右方向内方であり且つ前後方向に沿う軸周りに前記左右一対のリッドをそれぞれ独立して開閉可能とする第1のヒンジと、を構成する。
【0007】
上記構成の1つの特徴及び利点は、開口を塞いで閉じる左右一対のリッドと、開口における左右方向内方であり且つ前後方向に沿う軸周りに左右一対のリッドをそれぞれ独立して開閉可能とする第1のヒンジを有する。そのため、左右一対のリッドは、左右側方から開口の中央側に向かって開閉する構成となる。これによりボックス本体の収納部に対するアクセス性と視認性の改善を図ることができる。
【0008】
上記 コンソールボックスは、前記左右一対のリッドと、前記ボックス本体と、の間には、該ボックス本体の開口に沿った枠体を有し、前記枠体の上面側には、前記左右一対のリッドが前記第1のヒンジを介して開閉可能に組み付けられており、前記枠体自体が、前記開口に対して左右方向に沿う軸周りに開閉可能とする第2のヒンジを介して前記ボックス本体に組み付けられていてもよい。
【0009】
上記構成の1つの特徴及び利点は、左右一対のリッドとボックス本体の間には、ボックス本体の開口に沿った枠体を有している。この枠体は、上面側が左右一対のリッドを開閉可能な構成である。また、枠体全体を開閉する第2のヒンジを有していることにより、開口全体を開けることができるため収納部へのアクセス性と視認性が更に改善される。
【発明の効果】
【0010】
本発明は上記各発明の手段をとることにより、ボックス本体の収納部に対するアクセス性と視認性の改善を図ることのできるコンソールボックスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態に係るコンソールボックスの全体斜視図である。
図2】本実施形態に係るコンソールボックスの分解斜視図である。
図3図1のIII-III線断面図である。
図4図1のIV-IV線断面図である。
図5図1のV-V線断面図である。
図6図3のVI-VI線断面図である。
図7】本実施形態に係るコンソールボックスの片方のリッドを開けた状態を示した全体斜視図である。
図8】本実施形態に係るコンソールボックスの枠体を開けた状態を示した全体斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明を実施するための一形態を、図1~8を用いて説明する。なお、以下の説明にあたって、上、下、前、後、左、右とは、上述した図に記載した、上、下、前、後、左、右の方向、すなわち、コンソールボックス1を自動車の床フロア(いずれも図示しない)に組み付けた状態を基準にしたときの上、下、前、後、左、右の方向を示している。
【0013】
実施形態に係るコンソールボックス1の全体構成を説明する。コンソールボックス1は、例えば自動車の運転席と助手席などの左右の座席間(不図示)に配設される。このコンソールボックス1は、図1~8に示すように、主として、ボックス本体10と、ドアベース(枠体)20と、左右に対を成す左リッド30Lと右リッド30Rと、が構成されている。
【0014】
ボックス本体10は、その内部には、物品(図示しない)を収納可能な収納部11が形成されている。この収納部11の上側には、収納部11に対して物品を出し入れ可能な開口12が形成されている。これにより、開口12を介して収納部11に対して物品を収納できる。
【0015】
このボックス本体10の上側には、枠状のドアベース(枠体)20が組み付けられている。ドアベース20は、開口12に沿った開口22を有する。すなわち、ドアベース20の開口22は、ボックス本体10の開口12に対して一致するように形成されている。これにより、ボックス本体10にドアベース20が組み付けられていても、この組み付けたドアベース20によって阻害されることなく収納部11に対して物品を収納できる。ドアベース20の前方側である前枠24の上面は、後述する左ロックレバー32Lに手を掛けられるようにするための左凹部26Lと、右ロックレバー32Rに手を掛けられるようにするための右凹部26Rが設けられている。前枠24の下面は、後述するロックノブ47を配設するための切欠き部28が設けられている。
【0016】
ボックス本体10の後面には、左右一対のヒンジベース42が組付けられている。ヒンジベース42は上方に向かって腕部43が延出しており、係る腕部43にヒンジシャフト46(開口12に対して左右方向に沿う軸周りに開閉可能とする第2のヒンジ)を介してヒンジアーム40が上下方向に回動可能に連結されている。ヒンジベース42とヒンジアーム40の間のヒンジシャフト46周りには、トーションばねとして機能するヒンジスプリング44が介装されており、ヒンジアーム40を上方向に向かって付勢している。またドアベース20は、その両側方にヒンジアーム40が固定(例えば締結固定)されて、左右それぞれ右カバー29Rと左カバー29Lが被せられている。これにより、ドアベース20は、ボックス本体10の収納部11に物品を出し入れ可能な方向に開くように付勢されている。
【0017】
ドアベース20の前面における切欠き部28には、ロックノブ47が組付けられている。ロックノブ47は、ドアベース20がボックス本体10の開口12に沿って閉じた状態を保持するロック機能と、開口12に対して開くロック解除機能とを有するロック機構を操作する部材である。ロックノブ47は、切欠き部28においてロックノブスプリング48及びノブカバー49を介して組付けられている。
【0018】
ドアベース20の上方には、開口22を塞いで閉じる(覆う)左リッド30Lと右リッド30Rが配設されている。左リッド30Lと右リッド30Rは、左右に対を成している。左リッド30Lと右リッド30Rは、左右に対を成すものであるため、左リッド30Lを説明することで、右リッド30Rの説明を省略することとする。左リッド30Lは、例えば、インナー部材と、このインナー部材の上側に溶着されたアウター部材と、このアウター部材の表面を覆う表皮部材とから構成されている。左リッド30Lは、ドアベース20の開口22における左右方向内方であり且つ前後方向に沿う軸周りに開閉可能とするドアヒンジ34(第1のヒンジ)によって組付けられている。ドアヒンジ34は例えば、トルクヒンジが適用できる。ドアヒンジ34は、ヒンジピンによって開閉可能なものでもよいし、このヒンジピンに対し開口22が開く方向に向かってトーションばねが付勢された構成であってもよい。左リッド30Lの前面には、左ロックレバー32Lが構成されている。左ロックレバー32Lは、左リッド30Lが閉じた状態を保持するロック機能と、左リッド30Lを独立して開くロック解除機能とを有するロック機構を操作する部材である。なお、左リッド30Lと右リッド30Rは、実質的な構成を共有するものであれば、左右非対称であってもよい。
【0019】
このように、本実施形態のコンソールボックス1によれば、開口12及び開口22を塞いで閉じる左右一対の左リッド30Lと右リッド30Rと、開口12及び開口22における左右方向内方であり且つ前後方向に沿う軸周りに左右一対の左リッド30Lと右リッド30R、をそれぞれ独立して開閉可能とするドアヒンジ34(第1のヒンジ)を有する。そのため、左右一対の左リッド30Lと右リッド30Rは、左右側方から開口12及び開口22の中央側に向かって開閉する構成となる。これによりボックス本体10の収納部11に対するアクセス性と視認性の改善を図ることができる。
【0020】
また、左右一対の左リッド30Lと右リッド30Rとボックス本体10の間には、ボックス本体10の開口12に沿ったドアベース(枠体)20を有している。このドアベース20は、上面側が左右一対の左リッド30Lと右リッド30Rを開閉可能な構成である。また、ドアベース20全体を開閉するヒンジシャフト46(第2のヒンジ)を有していることにより、開口12全体を開けることができるため収納部11へのアクセス性と視認性が更に改善される。
【0021】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されず、その他各種の形態で実施することができるものである。本実施形態では、コンソールボックス1は、左リッド30Lにおける左ロックレバー32L、右リッド30Rにおける右ロックレバー32Rによるロック機構を備える構成について示したがこれに限られない。例えば、左ロックレバー32Lと右ロックレバー32Rの裏面、ドアベース(枠体)20の前枠24の上面の双方に磁石などの磁性体を配して、磁性体の吸引力を持ってロック機構を担ってもよい。ドアベース20による開閉も同様である。また、コンソールボックス1は、右リッド30R、左リッド30L、ドアベース(枠体)20の開閉において必ずしもロック機構がある態様に限られず無い態様であってもよい。
【符号の説明】
【0022】
1 コンソールボックス
10 ボックス本体
11 収納部
12 開口
20 ドアベース(枠体)
22 開口
24 前枠
26L 左凹部
26R 右凹部
28 切欠き部
29L 左カバー
29R 右カバー
30L 左リッド
30R 右リッド
32L 左ロックレバー
32R 右ロックレバー
34 ドアヒンジ(第1のヒンジ)
40 ヒンジアーム
42 ヒンジベース
43 腕部
44 ヒンジスプリング
46 ヒンジシャフト(第2のヒンジ)
47 ロックノブ
48 ロックノブスプリング
49 ノブカバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8