(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-15
(45)【発行日】2022-08-23
(54)【発明の名称】鉄道車両
(51)【国際特許分類】
B61D 15/06 20060101AFI20220816BHJP
B61D 17/06 20060101ALI20220816BHJP
B61F 1/10 20060101ALI20220816BHJP
【FI】
B61D15/06
B61D17/06
B61F1/10
(21)【出願番号】P 2018201471
(22)【出願日】2018-10-26
【審査請求日】2021-08-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】松尾 直茂
(72)【発明者】
【氏名】貴志 崇
【審査官】金田 直之
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-48015(JP,A)
【文献】特開2017-19306(JP,A)
【文献】国際公開第2013/124962(WO,A1)
【文献】特開2014-108635(JP,A)
【文献】特開平4-201663(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61D 15/06
B61D 17/00-17/26
B61F 1/00- 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先頭車両の前面妻構体を構成するものであって、一端が台枠に固定された妻柱を有する鉄道車両において、
前記妻柱は、前記台枠の下端面より突出した突出柱部を備えること、
U字形状であって、U字の底部内面が前記突出柱部に当接され、U字の一対の直線部が前記台枠の下面に溶接接合されているU字部材を有すること、
を特徴とする鉄道車両。
【請求項2】
請求項1に記載する鉄道車両において、
前記U字部材の前記一対の直線部の先端に、直角に曲げられた直角曲げ部が形成されていること、
前記台枠の下面に一対の穴が形成され、前記一対の穴に前記直角曲げ部が挿入されていること、
を特徴とする鉄道車両。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載する鉄道車両において、
前記妻柱の前記突出柱部に切欠き部が形成されていること、
前記U字部材の底部が、前記切欠き部に挿入されることにより、前記U字部材の底部外面が前記妻柱の外周面と同じ面を形成していること、
を特徴とする鉄道車両。
【請求項4】
請求項3に記載する鉄道車両において、
前記切欠き部が溝形状であること、
を特徴とする鉄道車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、先頭車両の前面妻構体を構成するものであって、一端が台枠に固定された妻柱を有する鉄道車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄道車両の先頭車両では、運転席が設けられた側の前面を前面妻構体として構成している。前面妻構体は、複数の妻柱を備えている。妻柱の一端(下端)は、鉄道車両の車体の底面の構造体であり、下面に台車が取り付けられる台枠に固定されている。妻柱の他端(上端)は、屋根構体に固定されるものと、窓枠を構成する水平部材に固定されるものとある。
図10に、従来の妻構体の下端の一般的な固定方法を示す。中空パイプ製の四角柱である妻柱111の下部は、台枠100に形成された凹部100aに挿入され、台枠100の下面側から、妻柱111の3面で、隅肉溶接で形成された溶接部113により固定されている。
【0003】
また、特許文献1では、台枠の上面に妻構体を溶接するときに、妻構体の一面を台枠の側面に延設し、延設した部分でも台枠に隅肉溶接することにより、溶接部分の長さを長くして溶接強度を強くすることが記載されている。
また、特許文献2では、妻柱をボルト結合により繋ぐ部材を設け、それらの組立体を台枠にボルト結合させる構造が記載され、これにより、溶接量を低減して、妻柱の強度を増大させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-108635号公報
【文献】特開2015-071360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の鉄道車両の妻柱を台枠に固定する固定構造には、次のような問題があった。
すなわち、踏切で立往生した自動車に、鉄道車両が衝突する事故が発生した場合に、普通乗用車や床面の低い自動車ならば、台枠が直接自動車に衝突するため、鉄道車両に損傷を与えることがほとんど無く、少なくとも鉄道車両側には問題がない。しかし、大型トラック等の荷台が高く重心が高い自動車が踏切に立往生した場合には、台枠より上で大型トラックの荷台が衝突することになる。
その場合には、
図11に示すように衝突力が直接、妻柱の台枠より上の部分にかかることになる。その場合には、妻柱111の固定部である溶接部113に大きなモーメント力がかかるため、溶接部113に過大な力が作用して溶接部113が破断する恐れがある。溶接部113が破断した場合、妻柱111が鉄道車両内部に侵入するため、運転室を大きく変形させ、運転士に被害を与える恐れがある。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためのものであり、大型トラックに正面衝突する事故が発生した場合でも、先頭車両の前面妻構体を構成する妻柱が容易に台枠から破断されることのない鉄道車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の鉄道車両は、次の構成を有している。
(1)先頭車両の前面妻構体を構成するものであって、一端が台枠に固定された妻柱を有する鉄道車両において、妻柱は、台枠の下端面より突出した突出柱部を備えること、U字形状であって、U字の底部内面が突出柱部に当接され、U字の一対の直線部が台枠の下面に溶接接合されているU字部材を有すること、を特徴とする。
ここで、U字の底部が突出柱部に当接するとは、両者間の隙間に溶接部が形成され、溶接部を介して当接している場合も含むし、実際に部材同士が当接されている場合も含む。
(2)(1)に記載する鉄道車両において、U字部材の一対の直線部の先端に、直角に曲げられた直角曲げ部が形成されていること、台枠の下面に一対の穴が形成され、一対の穴に直角曲げ部が挿入されていること、を特徴とする。
【0008】
(3)(1)または(2)に記載する鉄道車両において、妻柱の突出柱部に切欠き部が形成されていること、U字部材の底部が、切欠き部に挿入されることにより、U字部材の底部外面が妻柱の外周面と同じ面を形成していること、を特徴とする。
(4)(3)に記載する鉄道車両において、切欠き部が溝形状であること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の鉄道車両は、上記構成を有することにより次のような作用・効果を奏する。
(1)先頭車両の前面妻構体を構成するものであって、一端が台枠に固定された妻柱を有する鉄道車両において、妻柱は、台枠の下端面より突出した突出柱部を備えること、U字形状であって、U字の底部内面が突出柱部に当接され、U字の一対の直線部が台枠の下面に溶接接合されているU字部材を有すること、を特徴とするので、U字部材の直線部を長くすれば、溶接部の長さを従来と比較して大きくでき、溶接部の強度を強くできるため、鉄道車両が大型トラック等と正面衝突する事故が発生した場合でも、U字部材の溶接部が破断することがない。確かに、妻柱の力を受けて台枠の上面が座屈し、妻柱が少し内側に向けて傾きが生じるが、妻柱が変形する量は従来と比較して格段に少ない。
したがって、妻柱が鉄道車両内部に侵入することが少なく、運転室を大きく変形させることがなく、運転士の安全を確保することができる。
【0010】
(2)(1)に記載する鉄道車両において、U字部材の一対の直線部の先端に、直角に曲げられた直角曲げ部が形成されていること、台枠の下面に一対の穴が形成され、一対の穴に直角曲げ部が挿入されていること、を特徴とするので、U字部材の溶接部による強度の他に、直角曲げ部が台枠の穴に挿入され、直角曲げ部が直接力を受けることができるため、U字部材が前方に移動することを防ぐことができ、妻柱が鉄道車両内部に侵入することをより少なくでき、運転室を大きく変形させることがなく、運転士の安全を確保することができる。
【0011】
(3)(1)または(2)に記載する鉄道車両において、妻柱の突出柱部に切欠き部が形成されていること、U字部材の底部が、切欠き部に挿入されることにより、U字部材の底部外面が妻柱の外周面と同じ面を形成していること、を特徴とするので、先頭車両の前面妻構体から突出する部材をなくすことができるため、鉄道車両のデザイン性を向上させることができる。
【0012】
(4)(3)に記載する鉄道車両において、切欠き部が溝形状であること、を特徴とするので、溝形状であるため、妻柱とU字部材をしっかりと結合することができるため、U字部材が妻柱をより堅固に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】(a)に、妻柱11を台枠10に固定する構造の底面図を示し、(b)に(a)のAA断面図を示し、(c)に(a)のBB断面図を示す。
【
図3】第2の実施形態の妻柱11の台枠10への取付構造を示す図である。
【
図5】第3の実施形態の妻柱31の台枠10への取付構造を示す図である。
【
図6】第4の実施形態の妻柱32の台枠10への取付構造を示す図である。
【
図7】(a)に、鉄道車両20を前面から視た図を示し、(b)に鉄道車両20の側面図を示す。
【
図8】前面妻構体21と、屋根構体24と、台枠10を分離した形で示す図である。
【
図9】前面妻構体21を構成する6本の妻柱11A、11B、11C、11D、11E、11Fを示す図である。
【
図10】従来の妻構体の下端の一般的な固定方法を示す図である。
【
図11】鉄道車両が大型トラックに衝突した場合に、衝突力が直接、妻柱の台枠より上の部分にかかることを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態であり、先頭車両である鉄道車両20について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図7の(a)に、鉄道車両20を前面から視た図を示し、(b)に鉄道車両20の側面図を示す。鉄道車両20は、車体25の下面に一対の台車22、23が取り付けられている。
図8に、前面妻構体21と、屋根構体24と、台枠10を分離した形で示す。
図9に、前面妻構体21を構成する6本の妻柱11A、11B、11C、11D、11E、11Fを示す。6本の妻柱11A、11B、11C、11D、11E、11Fの下端部は、台枠10に固定されている。妻柱11A、11C、11D、11Fは、上端が屋根構体24に固定されている。妻柱11B、11Eは、上端が窓枠を構成する図示しない水平部材に固定されている。
【0015】
次に、本発明の特徴である妻柱11を台枠10に固定する構造について説明する。
図1の(a)に、妻柱11を台枠10に固定する構造の底面図を示し、(b)に(a)のAA断面図を示し、(c)に(a)のBB断面図を示す。
図2に、U字部材12の形状を示す。底部12dより、一対の直線部12b、12cが延設している。底部12dの内周面を、底部内面12aと称し、外周面を、底部外面12eと称している。
妻柱11は、中空状パイプであり、断面が四角形状である。一辺の長さが約100mmである。台枠10の前面には、妻柱11を挿入するための凹部10aが形成されている。凹部10aの大きさは、妻柱11が挿入されたときに妻柱11の外周面と凹部10aの内周面との間に1~2mm程度の隙間ができる大きさである。隙間を形成している理由は、妻柱11と凹部10aとを隅肉溶接したときに、溶接ビードがその隙間に入り込んで溶接部分の深さを大きくするためである。
【0016】
妻柱11は、台枠10の下面から突出柱部11aが突出して挿入されている。台枠10の下面には、U字部材12が溶接固定されている。U字部材12は、
図2に示すように、U字の底部内面12a、一対の直線部12b、12cを備えている。
図1(a)に示すように、U字部材12の底部内面12aと妻柱11の外周面の間も少しの隙間を持たせている。これは、妻柱11と底部内面12aとを隅肉溶接するときに、溶接ビードがその隙間に入り込んで溶接部分の深さを大きくするためである。本実施例では、隙間を持たせて溶接接合しているが、強度を弱めても良い場合には、当接させた状態で隅肉溶接しても良い。
いずれにしろ、(b)に示すように、妻柱11の台枠10より上部で外力Fが作用した場合、妻柱11と底部内面12aとは、圧縮方向の力を受けるため、妻柱11と底部内面12aとの間の溶接部13が破断する恐れは全くない。
【0017】
図1の(a)に示すように、U字部材12の一対の直線部12b、12cが台枠10に当接している両側面部、及び端面が隅肉溶接され、溶接部13が形成されている。直線部12b、12cの長さを任意に設計することにより、溶接部13の長さを確保できるため、妻柱11と凹部10aとの間のみ溶接する場合と比較して、十分な長さの溶接部13を形成することができるため、U字部材12を台枠10に固定する強度を大きくすることができる。
【0018】
したがって、
図1の(b)、(c)に記すように、外力Fが妻柱11の台枠10の上面より上部で加わるため、妻柱11がU字部材12と当接している底部内面12aを介して、U字部材12が強い力を受けるが、一対の直線部12b、12cの両側に長い溶接部13が形成されているため、U字部材12が台枠10から破断されることがない。
妻柱11により、台枠10の凹部10aの上面端が塑性変形されるため、妻柱11も少し傾くことはあるが、傾きの程度は小さく、前面妻構体21を大きく変形させることはなく、運転士に被害を与える恐れがない。
【0019】
以上説明したように、本実施形態の鉄道車両20によれば、(1)先頭車両の前面妻構体21を構成するものであって、一端が台枠10に固定された妻柱11を有する鉄道車両20において、妻柱11は、台枠10の下端面より突出した突出柱部11aを備えること、U字形状であって、U字の底部内面12aが突出柱部11aに当接され、U字の一対の直線部12b、12cが台枠10の下面に溶接接合されているU字部材12を有すること、を特徴とするので、U字部材12の直線部12b、12cを長くすれば、溶接部13の長さを従来と比較して大きくでき、溶接部13の強度を強くできるため、鉄道車両20が大型トラック等と正面衝突する事故が発生した場合でも、U字部材12の溶接部13が破断することがない。確かに、妻柱11の力を受けて台枠10の上面が座屈し、妻柱11が少し内側に向けて傾きが生じるが、妻柱11が変形する量は従来と比較して格段に少ない。
したがって、妻柱11が鉄道車両20内部に侵入することが少なく、運転室を大きく変形させることがなく、運転士の安全を確保することができる。
【0020】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態と同じ内容については、図面上同じ符号を付して詳細な説明を割愛し、相違する点のみ詳細に説明する。
図3に、第2の実施形態の妻柱11の台枠10への取付構造を示し、
図4に、U字部材14の形状を示す。
図3の(a)に、妻柱11を台枠10に固定する構造の底面図を示し、(b)に(a)のCC断面図を示し、(c)に(a)のDD断面図を示す。
図4の(b)がU字部材14の平面図であり、(a)が側面図である。U字部材14は、U字の底部内面14a、一対の直線部14b、14cを備えている。第1実施の形態と相違しているのは、
図4に示すように、U字部材14の一対の直線部14b、14cの先端が直角に折り曲げられており、直角曲げ部14d、14eが形成されている。また、台枠10には、直角曲げ部14d、14eに対応する位置に、一対の四角形状の穴10bが形成されている。直角曲げ部14d、14eは、各々穴10bに挿入されている。穴10bは、直角曲げ部14d、14eより少し大きく形成されており、その隙間を溶接している。隙間を設けているのは、組立し易くするためであり、その隙間部分を隅肉溶接することにより、深くまで溶接個所を侵入させ、溶接部分の長さを大きくするためである。
第2の実施形態では、溶接部13の他に、直角曲げ部14d、14eが、穴10bに当接することにより、U字部材14に作用する力を受けるため、U字部材14の溶接部13が破断するのを防止している。直角曲げ部14d、14eが穴10bに当接して受ける力は大きいため、U字部材14の破断荷重を大幅に増大することができる。
【0021】
以上説明したように、第2の実施形態によれば、U字部材14の一対の直線部14b、14cの先端に、直角に曲げられた直角曲げ部14d、14eが形成されていること、台枠10の下面に一対の穴10bが形成され、一対の穴10bに直角曲げ部14d、14eが挿入されていること、を特徴とするので、U字部材14の溶接部13の他に、直角曲げ部14d、14eが台枠10の穴10bに挿入され、U字部材14に作用する力をダイレクトに受けることができ、U字部材14が前方に移動することを妨げるため、妻柱11が鉄道車両20内部に侵入することをより少なくでき、運転室を大きく変形させることがなく、運転士の安全を確保することができる。
【0022】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第1実施形態と同じ内容については、図面上同じ符号を付して詳細な説明を割愛し、相違する点のみ詳細に説明する。
図5に、第3の実施形態の妻柱31の台枠10への取付構造を示す。(a)は、底面図であり、(b)は、(a)のEE断面図であり、(c)は、(a)のFF断面図である。
図5に示すように、妻柱31の突出柱部31aに切欠き部31bが形成されており、切欠き部31bにU字部材12の底部12dが挿入されている。これにより、U字部材12の底部外面12eが、妻柱31の前面とほぼ同じ面を構成している。妻柱31の突出柱部31aは、切欠き部31bを形成しても強度的に問題ないように設計されている。
【0023】
以上説明したように、第3の実施形態によれば、妻柱31の突出柱部31aに切欠き部31bが形成されていること、U字部材12の底部12dが、切欠き部31bに挿入されることにより、U字部材12の底部外面12eが妻柱31の外周面と同じ面を形成していること、を特徴とするので、先頭車両の鉄道車両20の前面妻構体21から突出する部材をなくすことができるため、鉄道車両20のデザイン性を向上させることができる。
【0024】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。第1の実施形態と同じ内容については、図面上同じ符号を付して詳細な説明を割愛し、相違する点のみ詳細に説明する。
図6に、第4の実施形態の妻柱32の台枠10への取付構造を示す。(a)は、底面図であり、(b)は、(a)のGG断面図であり、(c)は、(a)のHH断面図である。
図6に示すように、妻柱32の突出柱部32aに四角溝32bが形成されており、四角溝32bにU字部材12の底部12dが挿入されている。これにより、U字部材12の底部外面12eが、妻柱32の前面とほぼ同じ面を構成している。妻柱32の突出柱部32aは、四角溝32bを形成しても強度的に問題ないように設計されている。
【0025】
以上説明したように、第4の実施形態によれば、切欠き部が溝形状の四角溝32bであること、を特徴とするので、溝形状であるため、妻柱32とU字部材12をしっかりと結合することができるため、U字部材12が妻柱32をより堅固に保持することができる。特に、妻柱32を台枠10から上向き後方に引き抜こうとする力に対する抵抗力を強化する効果がある。
【0026】
なお、本実施形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で様々な改良、変形が可能である。
例えば、本実施例では、妻柱11と凹部10aとの間に隙間を設けて、その隙間を利用して溶接部が隙間の中まで侵入するようにしているが、部品の精度を上げられるならば、隙間を小さくして始めから直接、妻柱11と凹部10aとを当接させても良い。
【符号の説明】
【0027】
10 台枠
10a 凹部
10b 穴
11、31、32 妻柱
12、14 U字部材
12a 底部内面
12b、12c 直線部
13 溶接部
14d、14e 直角曲げ部
20 鉄道車両
21 前面妻構体
22、23 台車
25 車体
31a 突出柱部
31b 切欠き部
32a 突出柱部
32b 四角溝