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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-15
(45)【発行日】2022-08-23
(54)【発明の名称】荷箱の荷重測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01G 19/12 20060101AFI20220816BHJP
   B60P 1/04 20060101ALI20220816BHJP
   B62D 21/18 20060101ALN20220816BHJP
   B62D 21/09 20060101ALN20220816BHJP
【FI】
G01G19/12 Z
B60P1/04 G
B62D21/18 G
B62D21/09 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018214895
(22)【出願日】2018-11-15
(65)【公開番号】P2020085472
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-08-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002192
【氏名又は名称】特許業務法人落合特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 政登
(72)【発明者】
【氏名】松尾 孟彦
【審査官】後藤 順也
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-176628(JP,A)
【文献】特開2009-184375(JP,A)
【文献】特開2012-148835(JP,A)
【文献】特開2010-271146(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0288565(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 19/00-19/64
B60P 1/04
B60P 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(V)の車体側フレーム(2)上に、荷箱(B)を搭載し、車体側フレーム(2)に設けたロードセル(L)により、前記荷箱(B)の荷重を測定するようにした、荷箱の荷重測定装置であって、
車体側フレーム(2)のクロスメンバー(21 )の上面は、車体側フレーム(2)の上面よりも低位置にあり、そのクロスメンバー(21 )の上面に、前記ロードセル(L)を固定し、そのロードセル(L)上に立設される補強リブ(74)を介して荷箱側フレーム(3)を固定し、前記補強リブ(74)は、荷箱側フレーム(3)の、上壁、側壁および下壁よりなる横断面コ字状をなす内壁のうち、少なくとも2面に溶接され、荷箱側フレーム(2)からの荷重を、前記補強リブ(74)により分散して前記ロードセル(L)に作用させるようにしたことを特徴とする荷箱の荷重測定装置。
【請求項2】
前記補強リブ(74)は、荷箱側フレーム(3)の、上壁、側壁および下壁よりなる、横断面コ字状をなす内壁に溶接されること特徴とする、前記請求項1に記載の荷箱の荷重測定装置。
【請求項3】
前記ロードセル(L)上に、シムプレート(72)および延長プレート(73)を介して前記補強リブ(74)が固定され、前記延長プレート(73)の板厚は、前記荷箱側フレーム(3)の下壁の板厚と同じ厚さに形成され、荷箱側フレーム(3)の下壁と延長プレート(73)は、車両(V)の内側に向かって延長する端同士が、前記補強リブ(74)と共に溶接されることを特徴とする、前記請求項1または2に記載の荷箱の荷重測定装置。
【請求項4】
前記補強リブ(74)は、間隔を存して対峙する一対の側壁(741 )と、それらを連結する連結壁(742 )を有して横断面コ字状に形成され、前記ロードセル(L)上に、前記補強リブ(74)がボルト(75)により固定され、そのボルト(75)は、前記補強リブ(74)の上方から前記横断面コ字状の補強リブ(74)上面の斜面(743 )を通して前記ロードセル(L)に螺着されることを特徴とする、前記請求項1、2または3に記載の荷箱の荷重測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の車体側フレーム上に、積荷を収容し得る荷箱を搭載し、車体フレームに設けたロードセルにより、前記荷箱の荷重を測定するようにした、荷箱の荷重測定装置であって、特に、荷箱の荷重を分散してロードセルに伝達するようにして、荷重測定装置の構成部品の損傷、変形などを防止してその耐久性を高めると共に長期にわたり荷箱の荷重を正確に測定できるようにした、荷箱の荷重測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の左右のシャシフレーム2、2を連結するクロスメンバ2aの上面にロードセル11を固定し、そのロードセル11の上面に、球面軸受12、支持部材13を介して荷箱フレーム5を固定したものは、後記特許文献1に開示されるように従来公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-176628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記公知のものでは、ロードセル11は、荷箱5の内側にオフセットしているため、荷箱フレーム5は、ロードセル11の直上に載ることができない。そのため、荷箱5に球面軸受12、支持部材13を設け、それらを介して荷箱フレームの荷重をロードセル11に伝達するようにしている。そのため、荷箱フレーム5からロードセル11の荷重を伝えるにあたり、支持部材13はクロスメンバー2aに片持ち状に支持されているため、支持部材13に曲げモーメントがかかってしまい、支持部材13が折れたり、荷箱フレーム5が曲がったりする虞れがあるという問題がある。
【0005】
本発明は、荷箱の荷重を分散してロードセルにより直接受けるようにして前記問題を解決できるようにした荷箱の荷重測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、車両の車体側フレーム上に、荷箱を搭載し、車体側フレームに設けたロードセルにより、前記荷箱の荷重を測定するようにした、荷箱の荷重測定装置であって、
車体側フレームのクロスメンバーの上面は、車体側フレームの上面よりも低位置にあり、そのクロスメンバーの上面に、前記ロードセルを固定し、そのロードセル上に立設される補強リブを介して荷箱側フレームを固定し、前記補強リブは、荷箱側フレームの、上壁、側壁および下壁よりなる横断面コ字状をなす内壁のうち、少なくとも2面に溶接され、荷箱側フレームからの荷重を、前記補強リブにより分散して前記ロードセルに作用させるようにしたことを第1の特徴としている。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、前記請求項1に記載のものにおいて、前記補 強リブは、荷箱側フレームの、上壁、側壁および下壁よりなる、横断面コ字状をなす内壁に溶接されること第2の特徴としている。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、前記請求項1または2に記載のものにおいて、前記ロードセル上に、シムプレートおよび延長プレートを介して前記補強リブが固定され、前記延長プレートの板厚は、前記荷箱側フレームの下壁の板厚と同じ厚さに形成され、荷箱側フレームの下壁と延長プレートは、車両の内側に向かって延長する端同士が、前記補強リブと共に溶接されることを第3の特徴としている。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、前記請求項1、2または3に記載のものにおいて、前記補強リブは、間隔を存して対峙する一対の側壁と、それらを連結する連結壁を有して横断面コ字状に形成され、前記ロードセル上に、前記補強リブがボルトにより固定され、そのボルトは、前記補強リブの上方から前記横断面コ字状の補強リブ上面の斜面を通して前記ロードセルに螺着されることを第4の特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の第1の特徴によれば、荷箱側フレームからロードセルに荷重を伝達するにあたり、荷箱の荷重を補強リブにより分散して補強リブ直下のロードセルに伝達することができるので、荷重測定装置の構成部品の損傷、変形などを防止してその耐久性を高めると共に荷箱の荷重を正確に測定できる。
【0011】
本発明の第2の特徴によれば、補強リブは、荷箱側フレームの、横断面コ字状をなす内壁に溶接されるので、荷箱側フレームと補強リブを変形させることなく、荷箱の荷重を確実にロードセルに伝達させることができる。
【0012】
本発明の第3の特徴によれば、延長プレートの板厚は、荷箱側フレームの下壁の板厚と同じ厚さに形成され、それらは車両の内側に向かって延長する端同士を、補強リブに溶接するので、荷箱側フレームの下壁の板厚と、板厚の異なるシムプレートとを溶接するのに比べて前記下壁と延長プレートとの溶接強度が高められ、溶接部に割れを生じることがない。
【0013】
本発明の第4の特徴によれば、ボルトは、その頭部が、補強リブの上方から横断面コ字状の補強リブ上面の斜面を通してロードセルに螺着され、その斜面はその断面積が広くなるため、ボルトの着脱操作がしやすい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】微細粒体の搬送用車両を示す全体側面図
図2図1の2矢視の前記搬送用車両の平面図
図3図1の3-3線に沿う、前記搬送用車両の後面図
図4】前記搬送用車両の荷箱ダンプ時の後方斜視図
図5図2の5-5線に沿う拡大断面図
図6図5の6矢視図
図7図2の7-7線に沿う拡大断面図
図8図2の8-8線に沿う拡大断面図
図9図8の9-9線に沿う拡大断面図
図10図1の10-10線に沿う断面図
図11図10の11-11線に沿う拡大断面図
図12図11の12矢視分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0016】
図1には、本発明に係る微細粒体、たとえばペレットの搬送車両Vの全体側面図が示される。
【0017】
搬送車両Vのシャシフレーム1上には、該シャシフレーム1の全長にわたり車体側フレームとしての下部サブフレーム2が搭載され、さらに、その上には、前部空間Sを存して荷箱側フレームとしての上部サブフレーム3が搭載されている。前記上部サブフレーム3上には、荷箱Bが後方にダンプ可能に搭載されている。荷箱Bの後部下端にはヒンジブラケット5が固定され、このヒンジブラケット5にヒンジピン6を介して荷箱Bが連結されており、荷箱Bはヒンジピン6回りに後方にダンプ可能である。
【0018】
前記上部サブフレーム3の前後方向の中間部と、荷箱B下部のデッキフレーム4の前後方向の中間部間には、荷箱Bを後方にダンプさせる、ダンプシリンダ8を有する従来公知のチルト機構が連結されている。
【0019】
荷箱Bの前方の前部空間Sには、下部サブフレーム2上に設置される、エア搬送装置Aの機器収容筐10が設けられ、この機器収容筐10内には、後述するブロア11、その他の搬送機器が収容されている。機器収容筐10は左右方向に長い長方形状に形成され、その上面は、荷箱Bよりも低い平坦面に形成されており、その周囲には手摺り12が設けられていて、機器収容筐10の上面を作業員の仕事場とすることができる。前記手摺り12は、機器収容筐10の前からその一側方(車両進行方向左側)に延長されて荷箱Bの高さよりも高くしてあり、作業員が荷箱Bよりも上で安全に作業することができる。また、機器収容筐10の他側方(車両進行方向右側)には、作業員が機器収容筐10上に乗り降りするための梯子13が設けられ、作業員が機器収容筐10上に上りやすくしてある。
【0020】
後方にダンプ可能な荷箱Bは、木質のペレットなどの微細粒体Gを収容し、該微細粒体Gをエア搬送して、地上に設置されるサイロ等の収容容器Ca内に収容できるように構成されており、前板15、左右側板16、17、後板18および下面にデッキフレーム4を設けた床板20を有して前後方向に長い長方形状に形成されている。荷箱Bの上面は、その前半部が天板21により被覆され、またその後半部が外部に開放されている。天板21には、一対の投入蓋22、23が開閉可能に設けられ、この投入蓋22、23の開放により、ペレットなどの微細粒体Gを荷箱B内に投下収容することができる。
【0021】
図2に示すように、左右方向に長い長方形状に形成される機器収容筐10内には、ブロア11、その駆動モータ(油圧モータ)9よりなる油圧駆動装置D、その他の機器が収容される。図8、9に示すように、機器収容筐10の、車両Vの進行方向左側には仕切壁50が設けられ、この仕切壁50には、操作フレーム51が設けられる。この操作フレームには、荷箱Bを上げ、下げ操作する操作部すなわち操作レバー52が設けられる。この操作レバー52は、通常のように、荷箱Bをダンプ上げ、ダンプ下げおよび中立位置に回動操作できるように、操作フレーム51に回動可能に設けられ、移動部53を介して油圧駆動装置Dに連結されている。前記移動部53は、前記仕切壁50に開口した通し穴55を貫通して、外部に延出されている。
【0022】
而して、機器収容筐10内に発生する作動音は、前記通し穴55を通して外部に伝播し、この作動音が微細粒体の搬送時の作動騒音の原因となるが、この騒音は、以下に述べる防音カバー57により低減される。機器収容筐10の仕切壁50の外面には、防音カバー57が固着されている。この防音カバー57は、前記通し穴55より発散する騒音の流れ方向に対向する防音壁58を備えており、機器収容筐10より発生する騒音は、防音カバー57により低減することが可能である。前記防音カバー57内には前記操作レバー52の下半部が収容されており、その上半部は、防音カバー57の上面に開口した長孔59を通して外部に延出されている。なお、また音源の発生元は、動く部品(スクリュやスプール)および流体(油や空気)が通る流路である。このため、音源の発生元から通し穴55へと結んだ直線の方向が指向方向である。指向方向は、例えば発生元である動く部品の中心と通し穴55の中心とを結んだ直線でもよいし、動く部品の端と通し穴の端を結んだ直線でもよい。また、流路の内壁から通し穴の中心や端を結んだ直線でもよい。
【0023】
下部サブフレーム2(車体側フレーム)と、荷箱B側の上部サブフレーム3(荷箱側フレーム)との間の左右、前後には、それぞれロードセルL…が配設され、荷箱Bの重量を測定するようにされる。車体側フレーム2とは、ロードセルLのすぐ下にあるフレームであり、荷箱側フレーム3とは、ロードセルLのすぐ上にあるフレームである。
【0024】
下部サブフレーム2と上部サブフレーム3は、図11に示すように上下方向で重なる位置にある(上下方向に並んでいる)。
【0025】
次に、図10~12を参照して、このロードセルLの取付構造について説明する。
【0026】
シャシフレーム1側の下部サブフレーム2(車体側フレーム)は、左右一対の縦フレーム22 間を複数のクロスメンバ21 により連結して構成され、そのクロスメンバ21 には、ロードセル受部材70が溶接され、このロードセル受部材70上にロードセルLが、その上方からボルト71により着脱可能に固着されている。クロスメンバー21 の上面は、下部サブフレーム2の上面よりも下に位置しており、これにより、ロードセルLは、下部サブフレーム2の上面より低い位置に保持される。上部サブフレーム3の内面に荷重伝達部材Tが固定されている。荷重伝達部材Tは上部サブフレーム3の内側に延びている。荷重伝達部材Tは、シムプレート72、延長プレート73および補強リブ74からなる。
【0027】
ロードセルL上には、シムプレート72が当接され、このシムプレート72上に延長プレート73を介して補強リブ74が固定される。この補強リブ74は、間隔をあけて起立される一対の側壁741 、741 と、それらの一側同士を連結する連結壁742 を有して横断面コ字状に形成され、その上面は外部に開放されていてその側壁側741 側半部の上面は斜めにカットされる斜面743 に形成されている。これにより、補強リブ74は、その上下方向の強度が高く、上部サブフレーム(荷箱側フレーム)3からロードセルLに荷重を伝えるにあたり、補強リブ74は、その上下方向に荷重がかかるため、折れにくい。また補強リブ74は、サブフレーム3の内壁の3面のうち、少なくとも2面を上部サブフレーム3に固定することで荷箱側の上部サブフレーム3にかかる力を分散できる。
【0028】
前記補強リブ74は、荷箱側サブフレーム3の断面コ字状内壁の3面(上壁、側壁、下壁)の内面に溶接される。これにより荷箱側サブフレーム3の断面コ字状内壁面の変形を防止することができる。本実施形態では3面全て溶接している。
【0029】
ロードセルL上には、シムプレート72、延長プレート73を介して、上部サブフレーム3に溶接される前記補強リブ74がボルト75により固定される。このボルト75は、補強リブ74上面の斜めにカットされる斜面743 を通過するようにしており、この斜面743 は、その断面積が広くなるため、ボルト75の着脱操作がし易くなる。
【0030】
前記延長プレート73は、荷箱側フレーム3の下壁と同じ板厚とし、その下壁から車両内側に向かって延長するようにして、それらの端同士を溶接し、補強リブ74とシムプレート72に溶接される。延長プレート73と荷箱側フレーム3の下壁とは板厚が同じで車両内側に延びるため、その下壁と板厚の異なるシムプレート72とを溶接するのに比べて、延長プレート73と荷箱側フレーム3の下壁との溶接強度が高められ、割れにくくすることができる。またシムプレート72を上部サブフレーム3との突き合せ溶接でなく、延長プレート73とすみ肉溶接で固定している。
【0031】
下部サブフレーム2(車体側フレーム)と上部サブフレーム3(荷箱側フレーム)の間には、隙間76が形成され、この隙間76を通して荷箱Bの外方からロードセルLの少なくとも上面を目視することができ、ロードセルL上に、荷箱Bの荷重が加わっているかを外部から確認することができる。
【0032】
本実施形態では、ロードセルLとシムプレート72とはボルト75で固定しているが、ボルトとボルト穴などの寸法誤差により、ロードセルLからシムプレート72が浮いていても見つけられる。
【0033】
また、ロードセルLを支持するクロスメンバー21 の上面は、下部サブフレーム2の上面よりも低い位置にあるので、ロードセルLの上下位置を低く抑えることができる。また厚さの違うシムプレート72の交換により、前記隙間76の上下間隙を調節することができる。
【0034】
図2に示すように、荷箱Bの後端の、床板20上の中央部には、積荷すなわち微細粒体Gの排出口24が開口されている。また荷箱Bの後半部には、左右側板16、17から排出口24に向かって先細りに斜めに傾斜する、対をなす左右ガイド板25、26が設けられ、これらのガイド板25、26は荷箱Bの床板20に溶接されている。左右ガイド板25、26の後端縁には端板27が連結されている。端板27には、透明なアクリル板28により被覆される上下方向の長い残量確認窓29が開口されている。
【0035】
図1に示すように、荷箱Bの床板20上の、後部の左右中央部には、ロータリバルブ30が設けられる。荷箱B内に収容された微細粒体Gは、左右ガイド板25、26に案内され、ロータリバルブ30に導かれるようにされ、左右ガイド板25、26の外側はデッドスペースとされている。前記ロータリバルブ30は左右ガイド板25、26にボルト止めされ、その主体部分が、荷箱Bの床板20上方に位置するようにされており、その流入口31は、横向き、すなわち荷箱B内の前方に向けて開口されており、荷箱B内の微細粒体Gが流入しやすくされている。図5に示すように、ロータリバルブ30のロータリ軸32の回転方向は反時計方向(図5、矢印方向)であり、ロータリバルブ30は、モータ34により回転されるロータ軸32に複数の羽根35を放射状に配置して構成されており、微細粒体Gをエアと共に後述する混相器40に搬送することができる。
【0036】
図5に示すように、ロータリバルブ30の複数の羽根35のうち、投入口側(荷箱Bの前方側)の羽根35iは、荷箱Bの床板20に向かって回転するようにされ、微細粒体Gを下向き(その自重の方向)にかき下げながら回転するため、かき上げる方向に回転するのに比べて羽根35を回転する力を少なくすることができる。
【0037】
図2に示すように、ロータリバルブ30の排出口33には、微細粒体Gを搬送エアに均等に混合させるための混相器40が接続されている。この混相器40は、荷箱Bの後縁の左右中央部に取り付けられてロータリバルブ30の後方に配置されており、その入口は、ロータリバルブ30の排出口33に接続される。混相器40の出口には、上、下流側送出管41a、41bが接続され、上流側送出管41aには、前記ブロア11に連なる上流側吐出ホース43が接続され、またその下流側送出管41bには外部に連通する下流側吐出ホース44が接続されている。前記ブロア11は、微細粒体の搬送車両Vの走行用エンジンにより駆動され、また下流側吐出ホース44は、ジョイント45を介して地上に設置されるサイロなどの収容容器Caに接続されている。そして、ロータリバルブ30の回転により混相器40に移送された、微細粒体Gは搬送エアと共に下流側吐出ホース44より所望の場所に容易かつ高能率で搬送することができ、積荷すなわち微細粒体Gを、ロータリバルブ30、混相器40およびホース43、44内に詰まらせることがない。
【0038】
混相器40は、荷箱Bの後縁の左右中央部に取り付けられてロータリバルブ30の後方に配置されているので、図5に示すように、荷箱Bを後方にダンプさせたとき、混相器40と吐出ホース43との接続部は、荷箱Bの下方になるようにオフセットされるので、混相器40の底に落下した、微細粒体Gが、吐出ホース43、44から吐出されやすくなり、積荷である微細粒体Gが混相器40内に残留することがない。
【0039】
図2に示すように、前記ブロア11の吐出側には、上流側吐出ホース43が接続される。ブロア11の吐出口には可撓性のホース46が接続され、このホース46は、荷箱Bの下方に延長されてその下流端に連絡通路47の上流端がジョイント48を介して連通接続され、その連絡通路47は、荷箱Bの下方を縦走してその下流側がジョイント48を介して可撓性の上流側吐出ホース43に接続されている。図7に示すように、吐出ホース43は、荷箱Bの床板20と上部サブフレーム3との間を縦走して荷箱Bの後部に達しており、荷箱Bの床板20を貫通して設けられる、固定管(エルボ管)49を通して荷箱Bの底板20上に達しており、床板20の上方を横方向に延長されて、その下流端が前記混相器40に接続されている。
【0040】
図3に示すように、荷箱Bの側面視で、前記下流側吐出ホース43の床板20の貫通部aと、荷箱Bのダンプ用ヒンジピン6の傾動中心bとが上下方向で重なるようにする。これにより、荷箱Bの、走行姿勢(伏倒姿勢)とダンプ姿勢(傾動姿勢)とで下流側吐出ホース43の上下変位を少なくすることができる。
【0041】
混相器40の下流側に接続される下流側吐出ホース44は、荷箱Bの後縁に沿って横方向に延び、車両Vのシャシフレーム1の後縁を下方に延長され、その出口は、車両Vの後方に開放され、ジョイント45を介して地上に設置される収容容器Caに接続される。
【0042】
微細粒体Gの搬送車両Vは、伏倒位置にある荷箱B内に、投入蓋22、23の開放により、ペレットなどの微細粒体Gが荷箱B内に投下、収容される。荷箱Bのダンプ作動による床板20の、微細粒体Gの安息角以上の傾動によれば、荷箱B内の微細粒体Gは、荷箱Bの後部に移動する。このとき、荷箱Bの底板20の傾斜および一対のガイド板25,26により、荷箱B内の微細粒体Gを排出口24に自動的に移動させてロータリバルブ30に供給することができ、さらにブロア11の駆動により、混相器40を経て風力により、吐出ホース43,44に空気を吹き込んで微細粒体Bをロータリバルブ30および混相器40から吹き飛ばして圧送することができ、微細粒体Gが吐出ホース43,44に詰まることがない。
【0043】
車体フレーム1側の下部サブフレーム2と、荷箱B側の上部サブフレーム3との間の左右、前後には、それぞれロードセルL…が設けられ、荷箱Bの重量を測定するようにされている。ロードセルLは、下部サブフレーム2の上面より低い位置に保持され、ロードセルL上には、シムプレート72、延長プレート73を介して、上部サブフレーム3に溶接される補強リブ74がボルト75により固定されており、下部サブフレーム2と上部サブフレーム3の間には、隙間76が形成され、この隙間76を通して荷箱Bの外方からロードセルLの上面を目視することができ、ロードセルL上に、荷箱Bの荷重が加わっているかを外部から確認することができる。またロードセルLを支持するクロスメンバー21 の上面は、下部サブフレーム2の上面よりも低い位置あり、ロードセルLの上下位置を低く抑えることができる。また厚さの違うシムプレート72の交換により、前記隙間76の上下間隙を調節することができる。
【0044】
車体側フレーム2と荷箱側フレーム3は上下方向に重なっている(図11)。つまり、ロードセルLのない車体側フレーム2上に荷箱側フレーム3をのせた通常の車両に、両フレーム2、3の左右方向の位置を変える改造をすることなくロードセルLを設けることができる。
【0045】
荷箱側フレーム3からロードセルに荷重を伝達するにあたり、荷箱Bの荷重を補強リブ74により分散して補強リブ74直下のロードセルLに伝達することができるので、荷重測定装置の構成部品の損傷、変形などを防止してその耐久性を高めると共に荷箱Bの荷重を正確に測定できる。
【0046】
また、補強リブ74は、荷箱側フレーム3の、横断面コ字状をなす内壁に溶接されるので、荷箱側フレーム3と補強リブ4を変形させることなく、荷箱Bの荷重を確実にロードセルLに伝達させることができる。
【0047】
さらに、延長プレート73の板厚は、荷箱側フレーム3の下壁の板厚と同じ厚さに形成され、それらは車両の内側に向かって延長する端同士を、補強リブ74に溶接するので、荷箱側フレーム3の下壁と延長プレート73との溶接強度が高められ、溶接部に割れを生じることがない。
【0048】
ボルト75は、その頭部が、補強リブ74の上方の斜面743 を通してロードセルLに螺着され、その斜面743 はその断面積が広くなるため、ボルト75の着脱操作がしやすくなる。
【0049】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、その実施形態に限定されることなく本発明の範囲内で種々の実施形態が可能である。
【0050】
ロードセルの受部材は、ロードセルとボルト止めではなく、それらを溶接してもよい。
【0051】
延長プレートをなくし、シムプレートを直接補強リブに溶接してもよい。
【0052】
荷重伝達部材は、その下面(シムプレートの下面)が荷箱側フレーム(上部サブフレーム)の下面より上方にあってもよい。
【0053】
ロードセルの上面は、荷箱側フレームや車体側フレームに隠れていてもよい。
【符号の説明】
【0054】
B・・・・・荷箱
V・・・・・車両
L・・・・・ロードセル
2・・・・・車体側フレーム(下部サブフレーム)
1 ・・・・クロスメンバー
3・・・・・荷箱側フレーム(上部サブフレーム)
72・・・・シムプレート
73・・・・延長プレート
74・・・・補強リブ
741 ・・・側壁
742 ・・・連結壁
743 ・・・斜面
75・・・・ボルト
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