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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-15
(45)【発行日】2022-08-23
(54)【発明の名称】外構計画支援装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/13 20200101AFI20220816BHJP
   G06F 30/27 20200101ALI20220816BHJP
【FI】
G06F30/13
G06F30/27
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019070182
(22)【出願日】2019-04-01
(65)【公開番号】P2020170267
(43)【公開日】2020-10-15
【審査請求日】2021-08-16
(73)【特許権者】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】小野 拓馬
【審査官】松浦 功
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/031354(WO,A1)
【文献】特開2002-123560(JP,A)
【文献】特開2003-150655(JP,A)
【文献】特開2002-342652(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/00 -30/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外構計画の対象について、敷地に関する地勢及び環境を含む敷地情報と、前記敷地内の建物における外構に関連する建物情報と、前記建物の居住予定者の属性情報を含む居住予定者の居住者情報と、を表す対象情報を取得する取得部と、
外構が定まった建物について、敷地に関する地勢及び環境を含む敷地情報と、前記外構が定まった建物における該外構に関連する建物情報と、定まった前記外構の外構部材及び該外構部材の配置に関する外構情報と、前記外構の定まった建物の居住者の属性情報を含む居住者情報と、該居住者の前記外構部材及び該外構部材の配置に関するに評価情報とを表す学習用データが記憶された記憶部と、
前記対象情報と前記学習用データから予め学習された学習済モデルとから、前記外構計画の対象の外構における外構部材及び該外構部材の配置に関する外構計画情報を出力する外構計画出力部と、
を含む外構計画支援装置。
【請求項2】
前記外構計画の対象の建物の外構における外構部材及び該外構部材の配置に基づいて、前記外構計画の対象の敷地内に前記外構部材の各々を配置した配置図を作成する作成部を含み、
前記外構計画出力部は、前記作成部により作成した前記配置図を表示媒体に表示することを含む請求項1に記載の外構計画支援装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記外構計画情報における前記外構部材及び前記外構部材の配置に関する前記居住予定者の評価情報を取得し、
前記外構計画出力部は、前記居住予定者の評価情報が含められた新たな外構計画情報を出力することを含む請求項1又は請求項2に記載の外構計画支援装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記外構計画情報における前記外構部材及び前記外構部材の配置に関する前記居住予定者の評価情報を取得し、
前記記憶部には、前記対象情報の前記敷地情報、前記対象情報の前記建物情報、前記外構計画情報、前記対象情報の前記居住者情報、及び前記居住予定者の評価情報が、各々前記外構が定まった建物についての、前記敷地情報、前記建物情報、前記外構情報、前記居住者情報及び前記評価情報を表す学習用データとして記憶されることを含む請求項1から請求項3の何れか1項に記載の外構計画支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外溝(外構え)計画を支援する外構計画支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、敷地内における庭園、植栽及び外構の計画を立案するために、庭園、植栽及び外構の部材の仕様情報を画面に表示するプレゼンテーション装置が開示されている。このプレゼンテーション表示装置では、建築物の平面図データ、敷地のデータ、及び敷地周辺の環境データを含む建築物設計データと、入居者の属性データと、庭園、植栽及び外溝の部材を使用する条件とを照合して、満足度を判定する。また、プレゼンテーション表示装置では、判定した満足度に応じた表示形式で、各外構の部材を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-211198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記プレゼンテーション装置では、プレゼンテーションの対象の入居者の属性データから満足度を判定するため、外構の部材の各々について適切に満足度を判定することは難しく、入居者の満足が得られる提案をするためには、改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記事実を鑑みて成されたものであり、外構計画の対象の入居予定者に対して適切な外構計画の提案を可能にする外構計画支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための第1の態様の外構計画支援装置は、外構計画の対象について、敷地に関する地勢及び環境を含む敷地情報と、前記敷地内の建物における外構に関連する建物情報と、前記建物の居住予定者の属性情報を含む居住予定者情報と、を表す対象情報を取得する取得部と、外構が定まった建物について、敷地に関する地勢及び環境を含む敷地情報と、前記外構が定まった建物における該外構に関連する建物情報と、定まった前記外構の外構部材及び該外構部材の配置に関する外構情報と、前記外構の定まった建物の居住者の属性情報を含む居住者情報と、該居住者の前記外構部材及び該外構部材の配置に関するに評価情報とを表す学習用データが記憶された記憶部と、前記対象情報と前記学習用データから予め学習された学習済モデルとから、前記外構計画の対象の外構における外構部材及び該外構部材の配置に関する外構計画情報を出力する外構計画出力部と、を含む。
【0007】
第1の態様の外構計画支援装置では、外構が定まった建物について、敷地に関する地勢及び環境を含む敷地情報と、外構が定まった建物における該外構に関連する建物情報と、定まった外構の外構部材及び該外構部材の配置に関する外構情報と、外構の定まった建物の居住者の属性情報を含む居住者情報と、該居住者の外構部材及び該外構部材の配置に関するに評価情報とを表す学習用データが記憶部に記憶される。
【0008】
取得部は、外構計画の対象について、敷地に関する地勢及び環境を含む敷地情報と、前記敷地内の建物における外構に関連する建物情報と、前記建物の居住予定者の属性情報を含む居住予定者情報とを表す対象情報を取得する。また、外構計画出力部は、対象情報と学習用データから予め学習された学習済モデルとから、外構計画の対象の外構における外構部材及び該外構部材の配置に関する外構計画情報を出力する。
【0009】
ここで、学習済モデルは、外構が定まった建物について、敷地情報、建物情報、外構情報及び居住者情報に加え、居住者の外構部材及び該外構部材の配置に関するに評価情報が用いられて生成される。
【0010】
このため、外構が定まった建物について、敷地情報、建物情報、外構情報及び居住者情報を用いて学習済モデルから出力される外構情報は、学習用データに用いた外構情報とは異なる(居住者の評価が含まれた)外構情報となる。これにより、外構計画の対象の敷地情報、建物情報及び居住者予定者情報が用いられて学習済モデルから出力される外構計画情報には、外構が定まった建物に居住する居住者の評価が反映されるので、居住予定者の評価を高くできる外構計画情報を出力できる。
【0011】
第2の態様の外構計画支援装置は、第1の態様の外構計画支援装置において、前記外構計画の対象の建物の外構における外構部材及び該外構部材の配置に基づいて、前記外構計画の対象の敷地内に前記外構部材の各々を配置した配置図を作成する作成部を含み、前記外構計画出力部は、前記作成部により作成した前記配置図を表示媒体に表示することを含む。
【0012】
第2の態様の外構計画支援装置では、作成部が外構計画の対象の建物の外構における外構部材及び該外構部材の配置に基づいて、外構計画の対象の敷地内に外構部材の各々を配置した配置図を作成する。外構計画出力部は、作成部により作成した配置図を表示媒体に表示する。これにより、居住予定者の認識が容易となる外構計画情報を出力できる。
【0013】
第3の態様の外構計画支援装置は、第1又は第2の態様の外構計画支援装置において、前記取得部は、前記外構計画情報における前記外構部材及び前記外構部材の配置に関する前記居住予定者の評価情報を取得し、前記外構計画出力部は、前記居住予定者の評価情報が含められた新たな外構計画情報を出力することを含む。
【0014】
第3の態様の外構計画支援装置では、取得部が外構計画情報における外構部材及び外構部材の配置に関する居住予定者の評価情報を取得することで、外構計画出力部が、居住予定者の評価情報が含められた新たな外構計画情報を出力する。これにより、居住予定者の評価を反映した外構計画情報を容易に出力できる。
【0015】
第4の態様の外構計画支援装置は、第1から第3の何れか1の態様の外構計画支援装置において、前記取得部は、前記外構計画情報における前記外構部材及び前記外構部材の配置に関する前記居住予定者の評価情報を取得し、前記記憶部には、前記対象情報の前記敷地情報、前記対象情報の前記建物情報、前記外構計画情報、前記対象情報の前記居住者情報及び前記居住予定者の評価情報が、各々前記外構が定まった建物についての、前記敷地情報、前記建物情報、前記外構情報、前記居住者情報及び前記評価情報を表す学習用データとして記憶されることを含む。
【0016】
第4の態様の外構計画支援装置では、取得部が外構計画情報における外構部材及び外構部材の配置に関する居住予定者の評価情報を取得することで、対象情報の敷地情報、対象情報の建物情報、外構計画情報、対象情報の居住者情報、及び居住予定者の評価情報が、各々外構が定まった建物についての、敷地情報、建物情報、外構情報、居住者情報及び評価情報を表す学習用データとして記憶される。これにより、居住者となる居住予定者の評価を一層高くできる外構計画情報を出力できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の第1の態様の外構計画支援装置によれば、居住者となる居住予定者の評価を高くできる外構計画情報を出力できる、という効果を有する。
【0018】
第2の態様の外構計画支援装置によれば、居住予定者の認識が容易となる外構計画情報を出力できる、という効果を有する。
【0019】
第3の態様の外構計画支援装置によれば、居住予定者の評価を反映した外構計画情報を容易に出力できる、という効果を有する。
【0020】
第4の態様の外構計画支援装置によれば、居住者となる居住予定者の評価を一層高くできる外構計画情報を出力できる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本実施形態に係る設計支援装置の機能ブロック図である。
図2】設計支援装置の概略構成を示すブロック図である。
図3】学習済モデルを示す概略図である。
図4】(A)は、学習処理を示す流れ図、(B)は、外構計画処理の一例を示す流れ図である。
図5】(A)は、敷地を示す平面図、(B)は、(A)において排水経路を反映した平面図である。
図6】建物の一例を示す間取り図である。
図7】(A)及び(B)は、各々外構部材の一部を配置した敷地の平面図である。
図8】外構計画情報の一例を示す敷地の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1には、本実施形態に係る外構計画支援装置としての設計支援装置10が機能ブロック図にて示されている。また、図2には、設計支援装置10の概略構成(ハードウェア構成)がブロック図にて示されている。
【0023】
図2に示すように、設計支援装置10は、パーソナルコンピュータ(PC)を備えている。パーソナルコンピュータ12は、CPU14A、ROM14B、及びRAM14Cを備え、これらがアドレスバス、データバス及び制御バス等のバス14Dを介して相互に接続されている。また、パーソナルコンピュータ12は、記憶部としてのHDD(半導体メモリでもよい)16を備えており、HDD16は、バス14Dに接続されている。
【0024】
また、パーソナルコンピュータ12は、通信インターフェイスを含む入出力インターフェイス18を備えており、入出力インターフェイス18には、表示デバイスとしてのディスプレイ20、入力デバイスとしてのキーボード22Aとマウス22B、及び出力デバイスとしてのプリンタ(印刷出力装置)24等が接続されている。なお、入出力インターフェイス18には、メモリカードやUSBメモリなどの半導体記録媒体、及びCD、DVD等の各種の光記録媒体などの記録デバイスに対してデータの書込み及び読み出しが可能な入出力機器が接続されてもよい。
【0025】
さらに、パーソナルコンピュータ12は、入出力インターフェイス(通信インターフェイス)18がLAN(Local Area Network)等のネットワーク26に接続されている。パーソナルコンピュータ12は、ネットワーク26を介してCADシステム28に接続されていると共に、データサーバ(図示省略)等に接続可能にされている。
【0026】
また、パーソナルコンピュータ12は、ネットワーク26を介してノート型PCやタブレット端末などの携帯型情報処理端末(以下、一例としてタブレット端末30とする)に接続可能にされている。タブレット端末30は、各種の画像情報を表示する表示媒体としての画像表示部30A、及び情報を入力するための入力部30Bを備えている。
【0027】
パーソナルコンピュータ12は、各種の画像情報(画像データ)をタブレット端末30に送出すると共に、タブレット端末30に入力された各種の入力情報(入力データ)の取得が可能になっている。これにより、パーソナルコンピュータ12において生成された画像を、タブレット端末30の画像表示部30Aに表示できると共に、タブレット端末30の入力部30Bからパーソナルコンピュータ12に各種の情報を入力可能になっている。
【0028】
パーソナルコンピュータ12は、CPU14AがROM14B及びHDD16に記憶されたプログラムを読み出し、RAM14Cを作業メモリとして使用しながら各種の処理を実行する。本実施形態において、パーソナルコンピュータ12のROM14B及びHDD16には、外構計画(外構設計)を支援するプログラム(外構計画支援プログラム)が記憶されている。
【0029】
このため、CPU14AがROM14B及びHDD16に記憶された外構計画支援プログラムを読み出して実行することで、パーソナルコンピュータ12が外構計画の設計を支援する設計支援装置10として機能する。これにより、設計支援装置10は、外構部材及び外構部材の配置を含む外構計画案を提案する。なお、プログラムは、半導体記録媒体や光記録媒体などに記録されて、パーソナルコンピュータ12に提供されてもよく、ネットワークを介して取得されてもよく、プログラムが記録された記録デバイスから取得してHDD16に格納されてもよい。
【0030】
図1に示すように、設計支援装置10には、受付部40、記憶部42、取得部44、学習部46、外構設定部48、外構設計部50及び出力部52が設けられている。
【0031】
受付部40は、ディスプレイ20、キーボード22A及びマウス22Bによって実現され、ディスプレイ20に表示したUI(ユーザインターフェイス)に応じてキーボード22A及びマウス22Bが操作されて入力される情報を受け付ける。また、受付部40は、タブレット端末30によって実現され、タブレット端末30の入力部30Bが用いられて入力される情報を受け付ける。また、受付部40は、ネットワーク26を介して接続されるCADシステム28や建築設計端末などによっても実現され、受付部40は、CADシステム28や建築設計端末などから入力される情報(データ)を受け付ける。
【0032】
設計支援装置10に接続されるCADシステム28では、CAD(Computer-Aided design、コンピュータ援用設計)プログラムにより建物及び外構についての各種の図面作成が行われる。CADシステム28には、建物等を平面的に扱う2次元CADプログラム(2DCAD)が用いられてもよく、建物等を立体モデルとして処理する3次元CADプログラム(3DCAD)が用いられてもよい。本実施形態のCADシステム28には、3DCADのうちでも建物や外構等を構成する個々の部品(部材)についてのモデル(3Dモデル)が記憶されていると共に、各部品モデルに寸法、材質、性能、価格等の属性データが定義されたBIM(Building Information Modeling)に用いられる3DCADが適用されている。
【0033】
このため、CADシステム28には、建物や外構を構成する部品について立体の部品モデルが定義されて記憶され、CADシステム28は、部品モデルを選択して組み合わせることで、建物や外構を造形した立体的な建物モデル及び外構モデルを作成できる。また、CADシステム28では、建物モデル及び外構モデルが作成されることで、建物、敷地、及び近隣の建物等を含めたパース(CGパース)の作成と共に、平面図、断面図等の各種の二次元図面の作成、部材表、各種の仕様表、工程表等の各種の管理表の作成が可能となる。
【0034】
受付部(入力部)40は、外構計画に関連する各種の情報が入力されることで、入力される情報を受け付ける。受付部40が受け付ける外構に関連する情報には、建築済の建物などの外構が定まった建物についての情報(実績関連情報)、外構計画の対象の建物についての対象情報、及び提案した外構計画案に対する評価に関連した情報を含む。
【0035】
実績関連情報には、外構が定まった建物について、敷地に関する地勢及び環境を含む敷地情報と、外構が定まった建物における該外構に関連する建物情報と、定まった外構の外構部材及び該外構部材の配置に関する外構情報と、外構の定まった建物の居住者の属性情報を含む居住者情報と、該居住者の外構部材及び該外構部材の配置に関するに評価情報とが含まれる。また、実績関連情報には、過去に提案した外構計画案、該外構計画案に対応する対象情報及び外構計画案に対する評価情報が含まれる。
【0036】
対象情報には、外構計画の対象について、敷地に関する地勢及び環境を含む敷地情報と、敷地内の建物における外構に関連する建物情報と、建物の居住予定者の属性情報を含む居住予定者情報とが含まれる。また、居住者の外構部材及び外構部材の配置に関するに評価情報には、外構計画の対象について外構計画案における外構部材及び外構部材の配置に関する居住予定者の評価情報が含まれる。
【0037】
敷地情報、建物情報、外構情報等は、例えば、CADシステム28等の設計装置によって作成された図面データ、及び図面データ上における各部品や部材の属性情報を示すデータとして入力される。また、居住者情報、居住予定者情報及び評価情報は、例えば、居住者や居住予定者がカスタマシートやアンケートシートなどに記入した情報を、キーボード22とマウス22B等が用いられて入力される。また、居住者情報、居住予定者情報及び評価情報は、タブレット端末30の画像表示部30Aにカスタマシートやアンケートシートに対応するUI(ユーザインターフェイス)を表示し、UIに応じて入力部30Bが操作されて入力されてもよい。
【0038】
実績関連情報及び対象情報における敷地情報には、敷地の地勢に関する情報(地勢情報)及び環境に関する情報(環境情報)が含まれる。地勢情報には、少なくとも敷地の形状(境界線)、敷地の広さ(間口及び奥行の各々の寸法を含む)、敷地内における地面の高低差(起伏)、方角等が含まれる。環境情報には、少なくとも、道路(前面道路)に面する敷地境界、敷地に隣接する隣地についての建物に関する情報、敷地と公共設備(水道配管や下水配管の公共マスなど)の位置関係に関する情報などが含まれる。また、環境情報には、近隣の駅や買い物施設との距離などの情報等が含まれてもよく、敷地情報には、外構に影響を与える法令等の規制(制限)などが含まれてもよい。
【0039】
実績関連情報及び対象情報における建物情報には、少なくとも建物の形状、敷地内における建物の位置、玄関の位置、建物において外構に影響する大間口の開口部(例えば、掃出窓など)の位置が含まれる。また、建物情報には、建物内におけるキッチン(流し台)位置、浴槽位置、トイレ位置(便器位置及び手洗い位置)、洗面台位置などの水廻り等に係る各機器及び各機器の配置位置を示す情報などが含まれる。また、建物情報には、外壁の仕上りや色、窓、各窓の位置などが含まれてもよい。
【0040】
実績関連情報における外構情報には、外構に用いられている外構部材及び外構部材の配置に関する情報が含まれている。外構部材としては、門扉、門扉のサイズ、門扉に用いる資材、各種の植栽、花壇、植栽や花壇等のスペース、植栽や花壇の周囲に配置する資材等、駐車スペース、駐輪(二輪車や自転車の駐輪のための)スペース、駐車スペース及び駐輪スペースの広さや形状、駐車スペースや駐輪スペースに使用される石材等の資材、敷地境界から玄関までの経路、該経路に使用される石材等の資材、テラスやウッドデッキ、テラスやウッドデッキなどに使用される資材が含まれる。また、外構部材には、各外構部材を設置するか否か(外構部材の有無)が含まれる。植栽や花壇においては、樹木の種類や高さなどが含まれることが好ましく、また、植栽については、垣根として使用するか、玄関などの建物の目隠し機能を兼ねるか否かの情報が含まれてもよい。
【0041】
外構部材の配置には、敷地内における各外構部材の設置位置が含まれる。また、外構部材の配置には、水道の給水経路、給水経路に使用される資材、給水経路に使用される各資材の配置位置、雨水や生活排水(汚水を含む)などの排水経路、排水経路に使用される資材、排水経路に使用される各機材の配置位置が含まれる。
【0042】
このような外構情報には、少なくとも建物における外構に大きく影響する情報が含まれればよく、外構情報には、少なくとも駐車スペース、植栽や花壇、ウッドデッキやテラスなど、及び各々の配置位置(スペース)が含まれることが好ましい。
【0043】
居住者情報及び居住者情報に対応する居住予定者情報には、家族構成、各家族の年齢、性別、職業、車両等(自動車、自動二輪及び自転車)の所有の有無が含まれる。また、属性情報には、家族の各々についての車両等の運転免許の有無、車両等の使用頻度、趣味や好みなどの嗜好情報等が含まれる。また、評価情報には、外構に用いられている各外構部材についての居住者の評価、各外構部材の配置位置についての居住者の評価が含まれる。データ処理の観点から、居住者の評価には、例えば、好き嫌いや満足度などを示すように予め設定された指標などを用いて数値化されることが好ましい。
【0044】
記憶部42は、HDD16等によって実現され、記憶部42は、ネットワーク26を介して接続されるデータサーバなどによって実現されてもよい。記憶部42には、学習用データ記憶部54及び学習済モデル記憶部56が含まれる。
【0045】
取得部44は、受付部40において受け付けた外構計画に関連する各種の情報(建築済の建物などの外構が定まった建物についての実績関連情報、外構計画の対象についての対象情報、及び提案した外構計画案に対する評価に関連した情報)を取得する。
【0046】
取得部44は、実績関連情報を取得した場合、取得した実績関連情報を学習用データ記憶部54に格納する。これにより、学習用データ記憶部54には、建築済の建物などの外構が定まった建物についての、敷地に関する地勢及び環境を含む敷地情報と、該建物における外構に関連する情報を含む建物情報と、外構の外構部材及び該外構部材の配置に関する外構情報と、該建物の居住者の属性情報と、居住者の外構部材及び外構部材の配置に関するに評価情報とを表す学習用データが格納される。
【0047】
また、取得部44は、外構計画の対象の建物についての対象情報を取得した場合、取得した対象情報を外構設定部48へ出力する。これにより、外構設定部48には、対象情報として、外構計画の対象の建物について、敷地に関する地勢及び環境を含む敷地情報と、対象の建物における外構に関連する情報を含む建物情報と、対象の建物の居住予定者の属性情報を含む居住予定者情報とを表すデータが入力される。
【0048】
また、取得部44は、提案した外構計画案に対する評価に関連した情報(居住予定者の評価情報)を取得した際、外構計画案の作成が指示されると、既に取得している対象情報及び外構計画案に取得した評価情報を加えて、外構設定部48へ出力する。
【0049】
さらに、取得部44は、提案した外構計画案に対する評価に関連した情報(居住予定者の評価情報)を取得した際、学習用データとしての格納が指示されると、評価情報を既に取得している対象情報及び外構計画案と共に、学習用データ記憶部54に格納する。これにより、学習用データ記憶部54には、対象情報における居住予定者情報が居住者情報とされ、外構計画案(外構計画情報)が外構情報とされて、対象情報における敷地情報や建物情報と共に、外構情報、居住者情報及び評価情報を表すデータが学習用データに加えられる。
【0050】
一方、学習部46は、学習用データ記憶部54に格納された複数の学習用データに基づいて特徴抽出を行い、外構が定まった建物についての敷地情報、建物情報、外構情報、居住者情報及び評価情報から外構部材及び外構部材の配置に関する外構情報を出力するためのモデルを学習させて、学習済モデルを得る。学習済モデルは、学習済モデル記憶部56に格納される。
【0051】
学習用データは、建築済の建物などの外構が定まった建物についての、敷地に関する地勢及び環境を含む敷地情報と、該建物における外構に関連する情報を含む建物情報と、外構の外構部材及び該外構部材の配置に関する外構情報と、該建物の居住者の属性情報を含む居住者情報と、居住者の外構部材及び外構部材の配置に関するに評価情報とを表すデータである。このため、建築済の建物などの外構が定まった建物の情報(実績関連情報)が学習済モデルに反映される。また、学習用データには、既に定まっている外構(外構部材及び外構部材の配置)についての居住者の評価情報が含まれている。このため、学習済モデルには、居住者の評価が反映され、学習済モデルから出力される外構情報には、居住者の評価が反映される。
【0052】
本実施形態の学習部46においては、一例として図3に示す学習済モデル58を生成する。学習済モデル58は、モデルの一例として複数の中間層を有するニューラルネットワークが用いられ、学習アルゴリズムの一例としてディープラーニングが用いられる。
【0053】
一般に、学習済モデルでは、例えば、外構が定まった建物において居住者の評価情報が含まれていない場合、敷地情報、建物情報及び居住者情報が入力されることで、対応する外構情報が出力される。学習済モデル58では、敷地情報、建物情報及び居住者情報を条件として外構情報が出力され、学習済モデル58では、居住者の評価情報を表すデータが含まれることで、外構部材及び外構部材の配置に関して居住者の評価が反映される。このため、学習済モデル58では、例えば、居住者の評価が低い外構部材や外構部材の配置については、元の外構情報に対して外構部材又は外構部材の配置が異なる外構情報が出力される。
【0054】
外構設定部48は、対象情報に含まれる敷地情報、建物情報及び居住予定者情報を表すデータを用い、学習済モデル58から、外構に用いる外構部材及び外構部材の各々の配置に関する外構設計情報を表すデータを出力する。
【0055】
外構設計部50は、CADシステム28によって実現され、外構設計部50は、外構設定部48において設定された外構設計情報をCADシステム28に出力する。CADシステム28は、外構設計情報に基づいて各外構部材のモデル(3Dモデル)を配置することで、建物の周囲に各外構部材を配置した3Dモデル(外構モデルのデータ)の外構計画案を作成する。また、CADシステム28は、外構計画案として、3Dモデルから外構配置図(2Dの外構図、2Dモデル)を作成する。
【0056】
出力部52は、プリンタ24やディスプレイ20によって実現される。また、出力部52は、タブレット端末30によっても実現される。出力部52は、作成された外構計画案(外構配置図の画像データ)をタブレット端末30に送信する。これにより、タブレット端末30の画像表示部30Aには、設計支援装置10によって提案された外構計画案が2Dモデルや3Dモデルとして表示される。
【0057】
次に、設計支援装置10による外構計画の設計支援を説明する。
設計支援装置10では、建築済の建物などの外構が定まった建物についての実績関連情報が入力されると、受付部40が入力された実績関連情報を受け付け、取得部44が、受け付けた実績関連情報を学習用データ記憶部54に格納する。これにより、学習用データ記憶部54には、外構が定まった建物について、敷地に関する地勢及び環境を含む敷地情報と、外構が定まった建物における該外構に関連する建物情報と、定まった外構の外構部材及び該外構部材の配置に関する外構情報と、外構の定まった建物の居住者の属性情報を含む居住者情報と、該居住者の前記外構部材及び該外構部材の配置に関するに評価情報とを表す学習用データが格納される。
【0058】
設計支援装置10では、学習処理の実行指示が入力されると、学習部46が学習処理を実行する。図4(A)には、学習部46において実行される学習処理の概略が流れ図にて示されている。
【0059】
このフローチャートでは、最初のステップ100において学習用データ記憶部54に格納されている複数の学習用データを読み出す。次のステップ102では、読み出した学習用データに基づいて、敷地情報、建物情報、居住者情報及び評価情報から外構情報を出力するためのモデルを学習して、学習済モデル58を生成する。この際、評価情報が反映された外構情報が出力される学習済モデル58が生成される。この後、ステップ104において学習済モデル58を学習済モデル記憶部56に格納して、学習処理を終了する。
【0060】
一方、設計支援装置10では、外構計画の対象の建物についての対象情報が入力されると、受付部40が入力された対象情報を受け付け、外構計画処理を実行する。図4(B)には、外構計画処理の概略が流れ図にて示されている。
【0061】
このフローチャートの最初のステップ110では、受け付けた対象情報を取得する。これにより、外構計画の対象について、敷地に関する地勢及び環境を含む敷地情報と、敷地内の建物における外構に関連する建物情報と、建物の居住予定者の属性情報を含む居住予定者の居住者情報とを表すデータが取得される。
【0062】
ステップ112では、学習済モデル記憶部56に格納された学習済モデル58を読み出す。次のステップ114では、対象情報を用いて、学習済モデル58から外構設計情報を出力する。これにより、対象とする建物の外構についての外構部材及び外構部材の配置に関する外構設計情報が得られる。この際、学習済モデル58では、外構計画の対象について、敷地に関する地勢及び環境を含む敷地情報と、敷地内の建物における外構に関連する建物情報と、建物の居住予定者の属性情報を含む居住予定者の居住者情報とが外構設計情報の条件とされるので、例えば、外構設計情報に敷地内に配置できない外構部材が含まれてしまうのが抑制される。
【0063】
ここで、図5(A)には、外構計画の対象の一例とする敷地60が平面図にて示され、図5(B)には、外構計画としての排水経路62が加えられた敷地が平面図にて示されている。また、図6には、外構計画の対象の一例とする建物64が間取り図にて示されている。
【0064】
図5(A)に示すように、外構計画の対象の敷地60は、南側が道路(前面道路)66に接しており、道路66には、下水の公共マス(枡)66Aが敷設されている。また、建物64は、敷地60の北側に寄って配置されている。このような平面図は、敷地情報及び建物情報から得られる。
【0065】
図6に示すように、建物64には、1階(1F)に、玄関68A及び大間口(掃出窓)となるサッシ68Bが設置されている。建物64の1階には、流し台(キッチンシンク)70A、浴槽70B、手洗いが一体にされたトイレ(便器)70C、洗面台70D及び洗濯機パン70Eが設置されると共に、配管シャフト(配管スペース)72が設置される。また、建物64の2階(2F)には、手洗いが一体にされたトイレ(便器)70Fが設置されており、トイレ70Fは、配管シャフト72の上側に設置されている。これらの水廻りに関連する機器及び機器の配置は、建物情報に含まれる建物64において外構に関連する情報から特定される。
【0066】
図5(B)に示すように、外構計画における排水経路62は、学習済モデル58から、敷地60における建物64の位置、建物64における水廻りの機器及び各機器の位置、及び公共マス66Aの位置から生成される。この際、排水経路62の排水配管62Aは、敷地60の敷地境界線(各図において一点鎖線にて示す)に沿い、建物64と敷地境界線との間を敷設される。
【0067】
また、排水経路62には、予め規定された所定間隔ごと、角部ごと、及び分岐部分ごとに排水マス62Bが設置される。なお、敷地60内には、外構部材として道路66内の公共水道管から建物64内に給水するための水道配管や、電気や電話などを建物64内に引き込む給電経路等も設置されるが、排水経路62と同様に設置でき、本実施形態では説明を省略する。
【0068】
一方、外構部材には、駐車スペース、植栽、ウッドデッキやテラスなどが含まれる。駐車スペースの有無及び広さ(駐車可能な自動車等(自動車、自動二輪及び自転車)の台数)は、外構情報から得られ、一般に外構情報は、居住者情報及び敷地情報(駐車スペースを設ける余裕の有無)に応じて出力される。居住者情報に居住者の属性情報が含まれ、属性情報には、居住者が自動車等を所有しているか、居住者が自動車等を所有する可能性があるか、居住者が自動車を所有している場合における使用頻度などが含まれる。また、学習済モデル58では、敷地情報、建物情報及び居住者情報(又は居住予定者情報)によって示される情報が外構部材及び外構部材の配置の条件とされ、かつ出力に居住者の評価情報が考慮されるように生成されている。
【0069】
ここから、学習済モデル58からの出力では、外構部材として駐車スペースの要否、駐車スペースが必要な場合、駐車スペースは1台分でよいか、駐車スペースは2台分必要か否か、二輪車や自転車の駐車スペース(駐輪スペース)の要否が含まれる。また、学習済モデル58の出力には、外構部材の配置として、駐車スペースにおける駐車車両の向きが含まれる。
【0070】
図7(A)には、自動車74が道路66に対して縦向きに駐車するように駐車スペース76Aが設けられる場合が示され、図7(B)には、2台の自動車74のうちの1台が道路66に対して縦向きに駐車され、他の1台が道路66に対して横向きに駐車される駐車スペース76Bが示されている。
【0071】
図7(A)に示すように、自動車74を道路66に対して縦向きに駐車する駐車スペース76Aでは、敷地60の間口方向に広げられることで、2台の自動車74の駐車が可能となる。駐車スペース76Aにおいて2台の駐車が可能な状態で、1台の自動車74が駐車されることで、居住者の自動車74への乗降スペースを広く確保できる。
【0072】
また、図7(B)に示すように、駐車スペース76Bでは、2台の自動車74を駐車している状態で、少なくとも1台の自動車74に対しては、道路66側に乗降スペースを確保できる。既存の外構において、駐車スペース76A、76Bの何れが居住者にとって好ましいと感じたかは、居住者情報及び居住者の評価情報に反映される。
【0073】
また、外構に植栽78を設ける場合、単なる観賞用を目的とするか、玄関68Aの目隠しを目的とするか(図7(A)参照)、サッシ68B側の目隠しを目的とするか(図7(B)参照)、又は玄関68Aとサッシ68Bの各々の目隠し用とするかによって種類、及び配置位置が定まる。
【0074】
学習済モデル58では、植栽78の要否が既存の外構情報から得られる。また、学習済モデル58では、植栽78を設ける場合、植栽78を配置する場合の目的が、植栽78の種類及び配置位置から得られる。さらに、学習済モデル58では、植栽78の種類及び配置位置が、居住者の(嗜好を含む)属性情報を含む居住者情報及び居住者の評価情報に反映されている。
【0075】
また、学習済モデル58では、建物64のサッシ68B側に、テラス80A又はウッドデッキ80Bを設ける(図7(B)参照)、又は、何れも設けない(図7(A)参照)が、既存の外構情報、居住者の(嗜好を含む)属性情報を含む居住者情報及び居住者の評価情報に反映されている。
【0076】
したがって、居住予定者の属性情報を含む居住予定者情報を用い、学習済モデル58から出力される外構計画情報では、居住予定者の好みに合うような外構部材が用いられ、各外構部材が居住予定者の好みに合うように配置される。また、学習済モデル58は、外構計画の対象の敷地情報、建物情報及び居住者情報が条件して外構計画情報を出力するので、敷地内に収まらない外構計画情報が出力されてしますのが抑制される。
【0077】
この後、図4(B)のステップ116では、外構設計情報に基づき外構計画案が作成される。外構計画案の作成には、CADシステム28が用いられる。CADシステム28では、外構設計情報において設定されている外構部材の各々に対応する部品モデル(外構部材の3Dモデル)を読み出し、読み出した部品モデルを外構情報において設定されている配置位置に配置する。これにより、外構計画案として、3Dの外構モデルが作成され、外構モデルから2Dの外構配置図が作成される。
【0078】
また、ステップ118では、作成した外構計画案を、予め設定されたタブレット端末30等に出力するなどの出力処理を行う。これにより、タブレット端末30には、外構計画の対象の建物に居住予定の居住者(顧客)に外構計画案が表示され、居住予定者に対し、タブレット端末30を用いて外構計画案についてのプレゼンテーションを行うことができる。
【0079】
図8には、外構計画情報に基づいて作成される外構計画案の一例としての外構配置図82(2Dの外構配置図)が示されている。
【0080】
外構配置図82の作成には、CADシステム28が用いられており、CADシステム28は、各外構部材について予め登録されている部品モデルが用いられ、部品モデルを外構計画情報によって設定される位置に配置する。これにより、外構計画情報から外構計画案を容易にかつ適切に図面化できる。しかも、CADシステム28では、居住予定者に対してプレゼンテーションを行う外構計画案(外構モデル)を容易に作成できる。
【0081】
また、サッシ68Bの前側にウッドデッキ80Bを設置する際には、テラス80Aではなくウッドデッキ80Bであることは明瞭になる。また、外構計画情報において駐車スペース76Cに敷き詰める部材や、道路66から玄関68Aに至る玄関アプローチ84及び玄関アプローチ84に用いる(敷く)部材が指定されることで、駐車スペース76C及び玄関アプローチ84の部材が外構配置図82に反映される。さらに、植栽78を配置する際、植栽78の各々について種類が設定されることで、玄関68Aなどに対して目隠し機能が得られる植栽78A、78Bと、ウッドデッキ80Bへの日射を遮ることがない植栽78Cとの識別を容易にできる。
【0082】
したがって、プレゼンテーションにおいて、外構計画案を明瞭にできる。また、CADシステム28によって作成される外構計画案では、2Dモデルに加え、3Dの外構モデルが含まれるので、外構計画案の内容を居住予定者に適切に示すことができる。
【0083】
また、外構モデルに用いられる各部品については、各部品を提供する資材メーカ等のカタログを参照することで、居住予定者は、外構計画案の内容を一層適切に把握可能になる。
【0084】
ここで、顧客がタブレット端末30において提示された外構計画案を評価することで、顧客の評価情報が入力部30Bから入力される。設計支援装置10では、タブレット端末30から評価情報が入力されて、外構計画案の作成(再作成)が指示されると、既に取得されている対象情報と、評価対象の外構設計案と、外構設計案における外構部材の各々に対する評価と、外構設計案における外構部材の配置に対する評価とを用いて外構計画を行う(図4(B)参照)。この際、学習済モデル記憶部56には、学習済モデル58が記憶されているので、顧客の評価を加味した外構計画案を、迅速に作成して、タブレット端末30に送付できるので、居住予定者の評価を反映した外構計画案を容易に顧客に提示できる。
【0085】
一方、顧客(居住予定者)がタブレット端末30において提示された外構計画案を評価(承認)し、顧客の評価情報と共に学習用データとして格納指示が入力部30Bから入力されると、設計支援装置10では、外構計画案を外構情報とし、顧客(居住予定者)の評価情報を居住者の評価情報とすると共に、対象情報の敷地情報、建物情報及び居住予定者情報を、各々外構の定まった敷地情報、建物情報及び居住者情報を表す学習用データとして学習用データ記憶部54に格納する。このため、外構に対する居住者予定者の評価情報が含まれる学習用データが追加される。これにより、居住予定者の好みや嗜好を考慮した外構計画案の提案を可能とする適切な学習済モデルの生成が可能になる。
【0086】
なお、本実施形態では、建物64の道路側の外構計画について説明したが、建物64と隣地(道路66とは異なる敷地境界線に接する土地)の建物や外構を敷地情報に含めてもよい。これにより、隣地の建物や外構を反映した外構計画案を作成できると共に、隣地の建物や外構を含めてモデル化した外構計画案を提示でき、敷地の周囲との調和を考慮した外構計画案の作成が可能となる。
【0087】
また、学習済モデル58を生成する際の建物情報には、外壁の材質や色、及びこれらを含めた居住者の外構情報に対する評価情報が含まれてもよい。これにより、建物64の外壁の材質や色に対して調和の取れる外構計画案の作成が可能になる。
【0088】
このように、敷地情報、建物情報、外構情報、居住者情報(居住予定者情報)及び評価情報の各々には、外構に関連しうる各種の情報を含めることができる。これにより、各々の情報が考慮された高品質の外構計画案(外構計画情報)の作成が可能となるので、より適切な外構計画案を居住予定者に提示できる。しかも、居住者(居住予定者)の家族構成、各家族の年齢、性別等を含めることで、居住予定者に対して、長期に渡って満足してもらえる外構計画案の提示が可能になる。
【0089】
なお、以上説明した本実施形態では、設計支援装置10として用いるパーソナルコンピュータ12にCADシステム28を接続した。しかしながら、外構計画支援装置は、CADシステムの機能を備えてもよく、CADシステムに外構計画支援装置の機能が含まれてもよい。
【符号の説明】
【0090】
10 設計支援装置(外構計画支援装置)
28 CADシステム(作成部)
30 タブレット端末(情報計画出力部、表示媒体、取得部)
40 受付部
42 記憶部
44 取得部
46 学習部(外構計画出力部)
48 外構設定部(外構計画出力部)
50 外構設計部(外構計画出力部、作成部)
52 出力部(外構計画出力部)
54 学習用データ記憶部(記憶部)
56 学習済モデル記憶部
58 学習済モデル
60 敷地(外構計画の対象の敷地)
62 排水経路(外構部材)
64 建物(外構計画の対象の建物)
76A、76B 駐車スペース(外構部材)
78 植栽(外構部材)
82 外構配置図(外構計画情報)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8