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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-15
(45)【発行日】2022-08-23
(54)【発明の名称】遠隔操作システムおよび建物の開口構造
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/68 20060101AFI20220816BHJP
   E05F 15/40 20150101ALI20220816BHJP
   E05F 15/603 20150101ALI20220816BHJP
   E06B 3/36 20060101ALI20220816BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20220816BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20220816BHJP
【FI】
E06B9/68 A
E05F15/40
E05F15/603
E06B3/36
H04M11/00 301
H04Q9/00 301D
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019112110
(22)【出願日】2019-06-17
(65)【公開番号】P2020204181
(43)【公開日】2020-12-24
【審査請求日】2021-11-01
(73)【特許権者】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】日▲高▼ 史智
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 研
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-533102(JP,A)
【文献】特開2013-163958(JP,A)
【文献】特開2005-076324(JP,A)
【文献】特開2004-112506(JP,A)
【文献】特開2015-135048(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47H 1/00-99/00
E05F 1/00-17/00
E06B 1/00-11/08
H04M 11/00
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を区画する建具枠と、
前記開口部を開閉する建具と、
前記開口部を開放する開放方向および前記開口部を閉鎖する閉鎖方向に前記建具を移動させる駆動装置と、
前記駆動装置を制御する制御装置と、
前記開口部の室内側の位置に設けられて、予め設定された撮影範囲を撮影する撮影装置と、
前記制御装置に通信回線を介して接続される携帯機器と、を備え、
前記撮影範囲は、前記開口部の面内方向に沿って設定される第1撮影範囲と、前記建具枠の見込み方向に沿って設定される第2撮影範囲とを含み、
前記携帯機器は、
操作部と、
前記撮影装置で撮影された映像を表示する映像表示部と、
前記操作部の操作を検出し、前記建具を少なくとも前記閉鎖方向に移動させる制御と、前記建具の移動を停止させる制御とを前記制御装置に実行させる遠隔制御部と、を備える
ことを特徴とする遠隔操作システム。
【請求項2】
請求項1に記載の遠隔操作システムにおいて、
前記制御装置は、前記駆動装置の駆動を制御するホームコントローラと、前記ホームコントローラに対してネットワークを介して接続されたサーバーとを備え、
前記撮影装置は、前記ネットワークを介して前記サーバーに接続され、
前記携帯機器は、前記ネットワークを介して前記サーバーに接続され、
前記サーバーは、前記撮影装置から前記映像を受信して前記携帯機器に送信し、前記携帯機器の前記遠隔制御部によって送信される遠隔制御用の信号を受信して前記ホームコントローラに送信する
ことを特徴とする遠隔操作システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の遠隔操作システムにおいて、
前記第1撮影範囲は、閉鎖位置に位置する前記建具の戸先に対向する建具枠と、前記建具枠から前記面内方向に第1寸法離れた位置との間の範囲を含み、
前記第2撮影範囲は、前記閉鎖位置に位置する前記建具の戸先に対向する建具枠と、前記建具枠から前記見込み方向の室内側または室外側に第2寸法離れた位置との間の範囲を含む
ことを特徴とする遠隔操作システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の遠隔操作システムにおいて、
前記建具枠は、一対の縦枠と、前記縦枠の下端間を連結する下枠とを備え、
前記建具は、前記縦枠に設けられたガイドレールに案内されて上下に移動されるシャッターカーテンであり、
前記第1撮影範囲は、前記シャッターカーテンの戸先が当接する下枠上面位置と、前記下枠上面位置から上方に第1寸法離れた位置との間の範囲を含み、
前記第2撮影範囲は、前記シャッターカーテンの室内面と、前記シャッターカーテンの前記室内面から室内側に第2寸法離れた位置との間の範囲を含む
ことを特徴とする遠隔操作システム。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の遠隔操作システムにおいて、
前記建具枠は、一対の縦枠と、前記縦枠の上端間を連結する上枠と、前記縦枠の下端間を連結する下枠とを備え、
前記建具は、前記一対の縦枠に設けられたすべり出しヒンジによってすべり出し可能に連結された障子であり、
前記第1撮影範囲は、前記下枠と、前記下枠から上方に第1寸法離れた位置との間の範囲を含み、
前記第2撮影範囲は、前記下枠と、前記下枠の室外端縁から室外側に第2寸法離れた位置との間の範囲を含み、
前記第1寸法は、地面から前記下枠の高さ位置に応じて設定され、
前記第2寸法は、前記障子の開き量に応じて設定される
ことを特徴とする遠隔操作システム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の遠隔操作システムにおいて、
前記携帯機器は、タッチ入力可能に構成されたディスプレイを備え、
前記ディスプレイには、遠隔操作対象となる建具を選択する選択ボタンが表示されるホーム画面と、前記選択ボタンによって選択された建具を操作する操作画面とが切り替えられて表示され、
前記操作画面には、前記映像表示部と、前記操作部であるボタンとが表示される
ことを特徴とする遠隔操作システム。
【請求項7】
建物の開口構造であって、
建物の開口に取り付けられる建具枠と、
前記建具枠が区画する開口部を開閉する建具と、
前記開口部を開放する開放方向および前記開口部を閉鎖する閉鎖方向に前記建具を移動させる駆動装置と、
前記建具枠の室内側に設けられた内装材と、
前記内装材に取り付けられて前記開口部を撮影する撮影装置と、
を備えることを特徴とする建物の開口構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓、扉、シャッター等の開閉可能な建具を遠隔操作できる遠隔操作システムおよび建物の開口構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、シャッター等の操作対象機器をスマートフォン等の移動体通信端末を用いて操作する遠隔操作システムが知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1の遠隔操作システムは、操作対象機器を遠隔操作可能なエリアに入ると移動体通信端末のタッチパネル式ディスプレイに専用操作画面が表示され、この専用操作画面を操作することでシャッター等の操作対象機器を操作することができる。
この遠隔操作システムでは、遠隔操作可能なエリアが操作対象機器に近接するエリアであるため、操作者は操作対象機器を目視しながら操作することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-182425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、自宅のシャッターやすべり出し窓などを閉め忘れた場合に、外出先から閉鎖操作ができると利便性が向上する。
しかしながら、従来の遠隔操作システムでは、操作対象機器を目視できないため、シャッター等を閉鎖する場合に障害物等があっても確認できず、誤って挟んでしまう恐れがあるため、外出先から操作対象機器を閉鎖操作することができなかった。
【0005】
本発明の目的は、外出先などの遠隔地から建具を閉鎖操作することができる遠隔操作システムおよび遠隔操作システムに適した建物の開口構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遠隔操作システムは、開口部を区画する建具枠と、前記開口部を開閉する建具と、前記開口部を開放する開放方向および前記開口部を閉鎖する閉鎖方向に前記建具を移動させる駆動装置と、前記駆動装置を制御する制御装置と、前記開口部の室内側の位置に設けられて、予め設定された撮影範囲を撮影する撮影装置と、前記制御装置に通信回線を介して接続される携帯機器と、を備え、前記撮影範囲は、前記開口部の面内方向に沿って設定される第1撮影範囲と、前記建具枠の見込み方向に沿って設定される第2撮影範囲とを含み、前記携帯機器は、操作部と、前記撮影装置で撮影された映像を表示する映像表示部と、前記操作部の操作を検出し、前記建具を少なくとも前記閉鎖方向に移動させる制御と、前記建具の移動を停止させる制御とを前記制御装置に実行させる遠隔制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、建具の撮影範囲を撮影する撮影装置を備え、撮影装置で撮影した映像を携帯機器の映像表示部に表示するため、操作者は、撮影範囲の撮影画像を見ながら閉鎖操作を実行できる。このため、障害物などがあれば、操作部を操作することで遠隔制御部によって建具の移動を停止でき、障害物などを誤って挟んでしまうことを未然に防止できる。
また、建具の撮影範囲を、第1撮影範囲および第2撮影範囲を含むように設定しているので、建具の閉鎖時に建具枠との間で障害物などが挟まる可能性がある領域を確実にかつ視認性よく確認することができる。特に、撮影範囲を設定する際に、建具枠の開口部の面内方向に沿った第1撮影範囲と、建具枠の見込み方向に沿った第2撮影範囲とを基準に設定できるため、建具の種類に応じて適切な撮影範囲を容易に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の遠隔操作システムを示すブロック図である。
図2】操作対象の一例であるシャッターが設けられた引違い窓を示す内観姿図である。
図3】前記シャッターの縦断面図である。
図4】前記シャッターの概略平面図である。
図5】前記シャッターの他の例を示す内観姿図である。
図6】操作対象の一例であるすべり出し窓を示す縦断面図である。
図7】操作対象の一例であるすべり出し窓を示す横断面図である。
図8】ホーム画面を表示する携帯機器を示す正面図である。
図9】操作画面を表示する携帯機器を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明の遠隔操作システム1は、建物に設けられた操作対象アイテムであるシャッター2およびすべり出し窓3と、シャッター2およびすべり出し窓3の開閉を操作するホームコントローラ4と、シャッター2に設定された撮影範囲を撮影する撮影装置としてのカメラ5と、すべり出し窓3に設定された撮影範囲を撮影する撮影装置としてのカメラ5と、無線ルーター6と、遠隔操作システム管理用のサーバー7と、携帯機器であるスマートフォン8とを備える。
ホームコントローラ4は、無線ルーター6およびインターネット9を介してサーバー7に接続し、カメラ5は、無線ルーター6およびインターネット9を介してサーバー7に接続し、スマートフォン8はインターネット9を介してサーバー7に接続可能に構成されている。
【0010】
シャッター2は、図2図4にも示すように、引違い窓10の室外側に配置され、建具枠である枠体20と、枠体20で区画される開口部を開閉する建具であるシャッター装置30とを備えている。引違い窓10は、一対の縦枠11と、上枠12および下枠13と、上枠12および下枠13に形成されたレールに案内される2枚の障子14とを備える一般的な引違い窓である。
シャッター2の枠体20は、ガイドレールを有する左右の縦枠21と、シャッターケース22と、引違い窓10と兼用の上枠12および下枠13とを備える。
なお、シャッター2やすべり出し窓3の説明において、室内外方向を見込み方向とし、この見込み方向に直交する面を前記開口部で区画される開口面とし、この開口面に沿った方向を面内方向とする。このため、面内方向には、前記開口面に沿った上下方向および左右方向が含まれる。
【0011】
シャッター装置30は、図2、3に示すように、シャッターカーテン31と、シャッターカーテン31を巻取りおよび繰出し可能な図示略のシャッター巻取軸と、シャッター巻取軸を駆動するモーター32とを備えている。
モーター32は、ホームコントローラ4の制御による駆動によってシャッター巻取軸を正転および逆転し、シャッターカーテン31を巻取りおよび繰出し動作させる一般的なチューブラモーターである。
シャッターカーテン31は、複数のスラット311を互いに回動自在に連結して構成されている。複数のスラット311のうち最上部のスラット311は、シャッター巻取軸に取り付けられ、最下部のスラット311は座板312に取り付けられている。
【0012】
枠体20の室内側には、図3、4に示すように、内装材である額縁26が取り付けられている。額縁26は、上枠12の室内側に取り付けられる上額縁261と、下枠13の室内側に取り付けられる下額縁262と、縦枠11の室内側に取り付けられる一対の縦額縁263とを備え、四周枠状に設けられている。
【0013】
上額縁261の下面には、シャッター2に設けられた撮影範囲15を撮影する撮影装置としてのカメラ5が取り付けられている。なお、本実施形態のシャッター2は、幅寸法が大きいため、2つのカメラ5を用いているが、図5に示すように、引違い窓10つまりシャッター2の幅寸法が小さい場合は、1つのカメラ5のみを設けてもよい。また、シャッター2の幅寸法が大きい場合には、3つ以上のカメラ5を設けても良い。
【0014】
すべり出し窓3は、図6、7に示すように、建具枠である窓枠40と、窓枠40で区画される開口部を開閉する建具である障子50と、障子50の室内側に配置された網戸59とを備えている。
窓枠40は、上枠41、下枠42および左右の縦枠43が枠組みされて構成されている。
障子50は、上框51、下框52、左右の縦框53および面材55によって構成されている。面材55は、複層ガラスパネルによって構成されているが、単層ガラスパネルであってもよい。
障子50の縦框53は、すべり出しヒンジ45によって窓枠40の縦枠43に連結されている。
【0015】
障子50は、開閉装置60によって開閉される。開閉装置60は、モーター61と、モーター61のトルクが伝達される開閉機構62とを備えている。
開閉機構62は、モーター61およびすべり出しヒンジ45に連結されており、ホームコントローラ4の制御によってモーター61が駆動されると、モーター61のトルクをすべり出しヒンジ45に伝達して、障子50をすべり出し方向において開閉させる構成となっている。
【0016】
窓枠40の室内側には、シャッター2の枠体20の室内側と同様に、上額縁261、下額縁262、縦額縁263を備える額縁26が取り付けられている。
上額縁261の下面には、すべり出し窓3に設けられた撮影範囲を撮影する撮影装置としてのカメラ5が取り付けられている。
【0017】
シャッター2や、すべり出し窓3の撮影範囲を撮影するカメラ5は、無線ルーター6と無線通信可能なワイヤレスカメラであり、撮影中の映像データを、無線ルーター6を介してサーバー7にリアルタイムで送信可能に構成されている。
カメラ5は、レンズ、イメージセンサー、画像処理回路、無線通信回路などを有するカメラ本体70と、このカメラ本体70を角度調整可能に上額縁261に固定するアタッチメント71とを備える。
アタッチメント71は、カメラ本体70を見込み方向に回動して角度を調整可能に支持している。これにより、カメラ本体70が撮影可能な撮影範囲を見込み方向に調整できる。
【0018】
本実施形態では、以下のように、撮影範囲を設定している。カメラ5によるシャッター2の撮影範囲15は、シャッター2を閉じる場合に、子供等が頭や手を差し込んで挟まれる可能性があるか否かを撮影して確認できるように設定している。
このため、撮影範囲15の左右方向の範囲は、開口部の下端部に位置する下枠13の左右両端部が含まれるように設定されている。カメラ5による左右方向の撮影範囲15は、カメラ本体70のレンズなどによる画角と、カメラ5および下枠13間の寸法によって設定される。このため、前述したように、開口部の幅寸法Wが大きくて、1つのカメラ5の撮影範囲15では下枠13の全体をカバーできない場合は、カメラ5の台数を増やして調整している。
【0019】
カメラ5によるシャッター2の見込み方向の撮影範囲15の位置は、カメラ本体70の角度を調整することで設定できる。本実施形態では、図2~4に示すように、第1撮影範囲151および第2撮影範囲152を含むように設定している。
第1撮影範囲151は、シャッターカーテン31の戸先である座板312が当接する下枠13の上面位置と、下枠13の上面位置から上方に第1寸法L1離れた位置との間の範囲を含む。第1寸法L1は、例えば、350mmである。これは、6歳児の頭長サイズが約170mmであるため、子供の頭が挟まれる前に状況を確認するためである。この際、カメラ5は、シャッター2の室内側の上額縁261に取り付けられており、室内側から斜め下側に向かって撮影範囲15が設定されるため、下枠13の上面高さレベルにおいては、下枠13の室外側の一定範囲153も撮影範囲15に含まれる。このため、シャッター2の室外側において、シャッター2の開閉動作への障害物が存在しないことをカメラ5の撮影映像によって確認できる。
【0020】
第2撮影範囲152は、シャッター2の下枠13の上面高さレベルにおいて、シャッターカーテン31の室内面と、シャッターカーテン31の室内面から室内側見込み方向に第2寸法L2離れた位置との間の範囲を含む。第2寸法L2は、例えば、150mmである。これは、6歳児の手のサイズが約130mmであるため、子供の手が挟まれる前に状況を確認するためである。カメラ5は、シャッターカーテン31の室内側も撮影範囲15に含んでいるため、シャッター2の室内側において、シャッター2の開閉動作への障害物が存在しないことをカメラ5の撮影映像によって確認できる。
第1撮影範囲151および第2撮影範囲152の左右方向の範囲は、撮影範囲15の左右方向であり、下枠13の左右両端部が含まれる範囲である。
したがって、第1撮影範囲151は、見込み方向に直交する開口面の面内方向、すなわち、シャッターカーテン31が移動する上下方向と、下枠13の長手方向である左右方向とに沿って設けられる。なお、第1撮影範囲151が面内方向に沿って設定されるとは、面内方向(上下方向および左右方向)に平行な面に第1撮影範囲151が設定されることを意味する。
同様に、第2撮影範囲152が見込み方向に沿って設定されるとは、見込み方向(室内外方向)を含む面に第2撮影範囲152が設定されることを意味する。具体的には、第2撮影範囲152は、見込み方向と左右方向とを含む面に平行な面に設定される。
【0021】
カメラ5によるすべり出し窓3の撮影範囲16は、図6、7に示すように、すべり出し窓3の地面からの高さ位置と、障子50の開き量とに基づいて設定している。
撮影範囲16の左右方向の範囲は、撮影範囲15と同様に、すべり出し窓3の開口部の下端部に位置する下枠42の左右両端部が含まれるように設定されている。このため、本実施形態ではカメラ5は1台設けていたが、すべり出し窓3の開口部の幅寸法Wが大きくて、1つのカメラ5の撮影範囲16では下枠42の全体をカバーできない場合は、カメラ5の台数を増やして調整すればよい。
【0022】
カメラ5によるすべり出し窓3の見込み方向の撮影範囲16の位置は、カメラ本体70の角度を調整することで設定できる。本実施形態では、本実施形態では、第1撮影範囲161および第2撮影範囲162を含むように設定している。
第1撮影範囲161は、すべり出し窓3の地面からの高さに応じて、子供の手が届く範囲を含んで設定している。すべり出し窓3の地面からの高さレベル、つまりすべり出し窓3が設置される外壁開口の下面レベルをDとすると、第1撮影範囲161は、下面レベルDと、下面レベルDから上方に第1寸法L5離れた位置との間の範囲を含む。ここで、平均的な6歳児の子供の手が届く範囲が地面から最大1500mmであるため、地面から前記下面レベルDまでの高さ寸法が1200mmであれば、前記第1寸法L5は300mmに設定される。
【0023】
第2撮影範囲162は、障子50の開き量の2倍の視界を確保できる範囲に設定される。障子50の開き量L6、つまり下枠42の室外側端縁から障子50を最大に開いた場合に最も室外側に位置する端縁までの見込み方向の寸法L6が、例えば128mmの場合、第2撮影範囲162の室外側端縁は、下枠42から第2寸法L7=256mm以上、例えば300mmの位置に設定すればよい。
第2撮影範囲162の室内側見込み方向の範囲は、網戸59の見込み方向の配置位置が含まれるように設定している。すなわち、障子50の室内側には網戸59が配置され、この網戸59で子供の手などが障子50側に侵入することを防止できるため、第2撮影範囲162の室内側の範囲をそれほど広くする必要はない。このため、障子50の室外側の視界が広くなるように、第2撮影範囲162を設定している。
第1撮影範囲161および第2撮影範囲162の左右方向の範囲は、撮影範囲16の左右方向であり、下枠42の左右両端部が含まれる範囲である。
したがって、第1撮影範囲161は、見込み方向に直交する開口面の面内方向、すなわち、閉鎖位置にある障子50の上下方向および左右方向を含む面に平行な面に第1撮影範囲161が設定されることを意味する。
同様に、第2撮影範囲152が見込み方向に沿って設定されるとは、見込み方向(室内外方向)を含む面に第2撮影範囲152が設定されることを意味する。具体的には、第2撮影範囲152は、見込み方向と左右方向とを含む面に平行な面に設定される。
【0024】
なお、操作対象の建具が縦すべり出し窓の場合は、障子の戸先側の開口部が撮影範囲となり、カメラ5は、障子の戸尻側の縦額縁に取り付けて戸先側の開口部を撮影すればよい。
【0025】
図1に示すホームコントローラ4は、前記シャッター2のモーター32と、すべり出し窓3のモーター61とを制御する。
無線ルーター6は、ホームコントローラ4およびカメラ5と通信し、これらをインターネット9を介してサーバー7に接続可能に構成されている。
【0026】
サーバー7は、前記ホームコントローラ4やカメラ5の他、インターネット9を介してスマートフォン8が接続する。
スマートフォン8は、制御部、記憶部、通信部、ディスプレイ80を備える一般的なスマートフォンである。ディスプレイ80は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイで構成され、指で触れることで操作入力を受け付けるタッチ入力可能なディスプレイである。
スマートフォン8は、記憶部に記憶されるブラウザや専用のアプリを制御部で実行することで実現する遠隔操作部を備える。遠隔操作部は、通信部を介して前記サーバー7に接続し、遠隔制御用の信号をサーバー7を介してホームコントローラ4に送信する機能を有する。
スマートフォン8は、遠隔操作部を実行すると、図8に示すように、スマートフォン8のディスプレイ80に、操作対象の建具を選択するホーム画面81を表示する。本実施形態では、ホーム画面81には、シャッター、すべり出し窓、たてすべり出し窓と、オーニングとを操作対象とする4つのボタン82が表示される。なお、オーニングは、日よけとなるスクリーンを電動モーターで開閉するものであるが、スクリーンの端縁を保持する前枠をアームヒンジに取り付けて移動させることで開閉するものであり、その周囲に建具枠は設けられておらず、手などが挟まれることもないため、開閉状態を撮影するカメラを設けなくてもよい。
【0027】
ホーム画面81において、ユーザーがいずれかのボタン82をタッチすると、スマートフォン8のディスプレイ80に表示される画面は、図9に示すように、操作画面83に切り替わる。
操作画面83には、映像表示部84と、状態表示部85と、操作ボタン86、87と、ホーム画面81に戻るホームボタン88とが表示されている。
映像表示部84は、操作対象の建具の撮影範囲を撮影しているカメラ5の映像が表示される。すなわち、カメラ5の撮影映像は、カメラ5からワイヤレスで無線ルーター6に送信され、さらに無線ルーター6からインターネット9を介してサーバー7に送信される。そして、スマートフォン8がサーバー7にアクセスすると、前記撮影映像はサーバー7からスマートフォン8にさらに送信される。図9では、操作対象の建具としてシャッター2を選択した場合の例が表示され、映像表示部84にはシャッター2の撮影範囲15が表示される。
状態表示部85は、操作対象の建具の開閉状態を表示する。例えば、建具がシャッター2の場合、シャッターカーテン31が閉鎖位置にある場合に入力される閉リミットスイッチと、シャッターカーテン31が巻き上げられた位置にある場合に入力される開リミットスイッチとが設けられている。
開リミットスイッチが入力されると、状態表示部85の開ランプ85Aが点灯し、閉リミットスイッチが入力されると、状態表示部85の閉ランプ85Bが点灯する。シャッターカーテン31を巻取り中または繰出し中の場合は、各リミットスイッチがオフ状態とされるため、開ランプ85Aおよび閉ランプ85Bの両方が消灯する。
【0028】
操作ボタン86は、建具を閉鎖させる操作ボタンであり、操作ボタン86によって閉鎖操作部が構成される。スマートフォン8の操作ボタン86をタッチすると、タッチ操作を検出したスマートフォン8の遠隔制御部は、サーバー7を介してホームコントローラ4を制御し、ホームコントローラ4は、選択された建具のモーターを閉鎖方向に動作する。
操作ボタン87は、建具の移動を停止させる操作ボタンであり、操作ボタン87によって停止操作部が構成される。スマートフォン8の操作ボタン87をタッチすると、タッチ操作を検出したスマートフォン8の遠隔制御部は、サーバー7を介してホームコントローラ4を制御し、ホームコントローラ4は、選択された建具のモーターを停止する。
したがって、本実施形態では、各モーター32、61の駆動を制御する制御装置は、各モーター32、61に制御信号を出力するホームコントローラ4と、スマートフォン8からの指示に従ってホームコントローラ4に対して前記制御信号を出力させるサーバー7とを備えて構成される。また、操作ボタン86、87は、スマートフォン8の操作部の一例である。
【0029】
なお、本実施形態では、操作部として2つの操作ボタン86、87を設けていたが、さらに予め設定した途中停止位置に移動させるボタンを追加してもよい。例えば、すべり出し窓3であれば、換気用に障子50を僅かに開く位置を途中停止位置に設定し、換気のために障子50を移動させる場合に利用できる。
また、建具を開くための操作ボタンを追加してもよい。例えば、旅行中に室内の植物に日光を当てるため、昼間はシャッター2を開き、夜間はシャッター2を閉めるような場合に利用できる。
【0030】
以上の遠隔操作システム1では、操作者はスマートフォン8を操作し、ホーム画面81から操作対象の建具を選択する。例えば、シャッター2の選択ボタンを押すと、図9に示すように、スマートフォン8のディスプレイ80に表示される画面が操作画面83に切り替わり、映像表示部84にシャッター2の撮影範囲15が表示される。
操作者は、シャッター2の開口部の状況を見ながら、操作ボタン86をタッチしてシャッター2を閉鎖する。このため、操作者は、シャッター2を閉鎖する際に、障害物が存在するかや、子供などが挟まれる状況にあるかを確認でき、シャッターカーテン31を閉鎖方向に繰り出している場合には、操作ボタン87を押してシャッターカーテン31を停止させることができる。
【0031】
シャッター2と同様に、すべり出し窓3を選択した場合も、スマートフォン8の映像表示部84にすべり出し窓3の撮影範囲16を表示する。操作者は、すべり出し窓3の開口部の状況を見ながら、操作ボタン86をタッチしてすべり出し窓3を閉鎖する。このため、操作者は、すべり出し窓3を閉鎖する際に、障害物が存在するかや、子供などが挟まれる状況にあるかを確認でき、すべり出し窓3の障子50を閉鎖方向に移動している場合には、操作ボタン87を押して障子50を停止させることができる。
縦すべり出し窓を選択した場合も同様に操作することができる。
【0032】
[本実施形態の効果]
本実施形態によれば、シャッター2やすべり出し窓3の撮影範囲15、16を撮影するカメラ5を備え、カメラ5で撮影した映像を携帯機器であるスマートフォン8の映像表示部84に表示するため、操作者は、撮影範囲15、16の撮影画像を見ながら閉鎖操作することができる。このため、障害物などがあれば、停止操作部である操作ボタン87を操作してシャッターカーテン31や障子50の移動を停止でき、障害物などを誤って挟んでしまうことを未然に防止できる。
建具の撮影範囲15、16を、第1撮影範囲151、161および第2撮影範囲152、162を含むように設定しているので、建具の閉鎖時に建具枠との間で障害物などが挟まる可能性がある領域を確実にかつ視認性よく確認することができる。特に、撮影範囲15、16を設定する際に、建具枠の開口部の面内方向に沿った第1撮影範囲151、161と、建具枠の見込み方向に沿った第2撮影範囲152、162とを基準に設定できるため、建具の種類に応じて適切な撮影範囲を容易に設定できる。
【0033】
カメラ5を建具枠である上枠12、41の室内側、具体的には上額縁261に取り付けたので、屋外に配置する場合に比べて、防水性や耐候性などの要求性能を低くでき、安価なカメラ5を用いることができる。また、設定した撮影範囲15、16を撮影できればよいため、必要なカメラ5の台数も最小限に抑制できる。さらに、カメラ5は、無線通信可能なネットワークカメラを用いているので、電源を確保できる場所であれば容易に配置できる。したがって、遠隔操作システム1を比較的低コストで実現できる。
【0034】
本発明は、以上の実施形態で説明した構成のものに限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形例は本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態では、制御装置を、ホームコントローラ4およびサーバー7を備えて構成したが、ホームコントローラ4のみ、あるいは、サーバー7のみで構成してもよい。すなわち、ホームコントローラ4にサーバー機能などを組み込んで、カメラ5やスマートフォン8と接続できるように構成した場合は、サーバー7を不要にできる。また、サーバー7から各モーター32、61に直接制御信号を出力できるようにすれば、ホームコントローラ4を不要にできる。
【0035】
前記実施形態では、遠隔制御部に、建具を閉鎖方向に移動させる制御と、建具の移動を停止させる制御とを実行させる操作部として、2つの操作ボタン86、87を設けていたが、1つの操作ボタンで前記2つの制御を実行させてもよい。すなわち、遠隔制御部は、操作ボタンを押している間は建具を閉鎖方向に移動させる制御を行い、前記操作ボタンの押し操作を解除して操作ボタンを押していない間は建具の移動を停止させる制御を行ってもよい。
【0036】
建具の種類としては、前記実施形態に限らず、モーターによって開閉可能な建具であれば利用できる。したがって、カメラの配置位置や撮影範囲の設定は、建具の種類に応じて設定すればよい。さらに、カメラは、額縁26等の内装材に取り付けるものに限定されず、建具枠に直接取り付けてもよいし、建具枠にカメラ固定用のプレートなどを介して取り付けてもよい。
【0037】
前記実施形態では、障害物の有無などの判定は、操作者が映像表示部84に表示された映像を確認して判断していたが、カメラ画像認識処理や各種センサを利用して、障害物の検出や、はさみ込み防止機能をサーバー7等で実現してもよい。この場合、スマートフォン8には、障害物の検出を通知するアラーム機能や、モーター32、61を自動停止したことを通知する通知機能などを設け、操作者が状況を把握できるようにすればよい。
【0038】
[発明のまとめ]
本発明の遠隔操作システムは、開口部を区画する建具枠と、前記開口部を開閉する建具と、前記開口部を開放する開放方向および前記開口部を閉鎖する閉鎖方向に前記建具を移動させる駆動装置と、前記駆動装置を制御する制御装置と、前記開口部の室内側の位置に設けられて、予め設定された撮影範囲を撮影する撮影装置と、前記制御装置に通信回線を介して接続される携帯機器と、を備え、前記撮影範囲は、前記開口部の面内方向に沿って設定される第1撮影範囲と、前記建具枠の見込み方向に沿って設定される第2撮影範囲とを含み、前記携帯機器は、操作部と、前記撮影装置で撮影された映像を表示する映像表示部と、前記操作部の操作を検出し、前記建具を少なくとも前記閉鎖方向に移動させる制御と、前記建具の移動を停止させる制御とを前記制御装置に実行させる遠隔制御部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、建具の撮影範囲を撮影する撮影装置を備え、撮影装置で撮影した映像を携帯機器の映像表示部に表示するため、操作者は、撮影範囲の撮影画像を見ながら閉鎖操作を実行できる。このため、障害物などがあれば、操作部を操作して建具の移動を停止でき、障害物などを誤って挟んでしまうことを未然に防止できる。
また、建具の撮影範囲を、第1撮影範囲および第2撮影範囲を含むように設定しているので、建具の閉鎖時に建具枠との間で障害物などが挟まる可能性がある領域を確実にかつ視認性よく確認することができる。特に、撮影範囲を設定する際に、建具枠の開口部の面内方向に沿った第1撮影範囲と、建具枠の見込み方向に沿った第2撮影範囲とを基準に設定できるため、建具の種類に応じて適切な撮影範囲を容易に設定できる。
【0039】
本発明の遠隔操作システムにおいて、前記制御装置は、前記駆動装置の駆動を制御するホームコントローラと、前記ホームコントローラに対してネットワークを介して接続されたサーバーとを備え、前記撮影装置は、前記ネットワークを介して前記サーバーに接続され、前記携帯機器は、前記ネットワークを介して前記サーバーに接続され、前記サーバーは、前記撮影装置から前記映像を受信して前記携帯機器に送信し、前記携帯機器の前記遠隔制御部によって送信される遠隔制御用の信号を受信して前記ホームコントローラに送信することが好ましい。
制御装置を、ホームコントローラおよびサーバーで構成すれば、コストを抑制しつつ、機能追加などを容易に行うことができる。すなわち、サーバーを設けずに、ホームコントローラのみで制御装置を実現すると、各住宅毎に設置するホームコントローラにサーバー機能を個別に組み込むため、コストが増加する。これに対し、サーバーは、複数の住宅のホームコントローラを個別に管理することもできるため、コストを抑制できる。
また、障害物の検出機能や、はさみ込みを防止するための自動停止機能等を追加する場合も、サーバーで実現していればサーバーのみを機能アップすればよく、コストを抑制でき、かつ、容易に実現できる。
【0040】
本発明の遠隔操作システムにおいて、前記第1撮影範囲は、閉鎖位置に位置する前記建具の戸先に対向する建具枠と、前記建具枠から前記面内方向に第1寸法離れた位置との間の範囲を含み、前記第2撮影範囲は、前記閉鎖位置に位置する前記建具の戸先に対向する建具枠と、前記建具枠から前記見込み方向の室内側または室外側に第2寸法離れた位置との間の範囲を含むことが好ましい。
撮影装置は、建具枠の開口部の室内側、つまり建具の室内側の位置に設けられるため、開口部の面内方向および見込み方向に対して斜めの方向から撮影することになる。このため、面内方向の第1撮影範囲と、見込み方向の第2撮影範囲とで撮影範囲を設定することで、建具の閉鎖時に、監視が必要な領域を確実にかつ視認性よく確認することができる。
【0041】
本発明の遠隔操作システムにおいて、前記建具枠は、一対の縦枠と、前記縦枠の下端間を連結する下枠とを備え、前記建具は、前記縦枠に設けられたガイドレールに案内されて上下に移動されるシャッターカーテンであり、前記第1撮影範囲は、前記シャッターカーテンの戸先が当接する下枠上面位置と、前記下枠上面位置から上方に第1寸法離れた位置との間の範囲を含み、前記第2撮影範囲は、前記シャッターカーテンの室内面と、前記シャッターカーテンの前記室内面から室内側に第2寸法離れた位置との間の範囲を含むことが好ましい。
このように設定すれば、シャッターカーテンの閉鎖時に、監視が必要な領域を確実にかつ視認性よく確認することができる。
【0042】
本発明の遠隔操作システムにおいて、前記建具枠は、一対の縦枠と、前記縦枠の上端間を連結する上枠と、前記縦枠の下端間を連結する下枠とを備え、前記建具は、前記一対の縦枠に設けられたすべり出しヒンジによってすべり出し可能に連結された障子であり、前記第1撮影範囲は、前記下枠と、前記下枠から上方に第1寸法離れた位置との間の範囲を含み、前記第2撮影範囲は、前記下枠と、前記下枠の室外端縁から室外側に第2寸法離れた位置との間の範囲を含み、前記第1寸法は、地面から前記下枠の高さ位置に応じて設定され、前記第2寸法は、前記障子の開き量に応じて設定されることが好ましい。
このように設定すれば、すべり出し窓の障子の閉鎖時に、監視が必要な領域を確実にかつ視認性よく確認することができる。
【0043】
本発明の遠隔操作システムにおいて、前記携帯機器は、タッチ入力可能に構成されたディスプレイを備え、前記ディスプレイには、遠隔操作対象となる建具を選択する選択ボタンが表示されるホーム画面と、前記選択ボタンによって選択された建具を操作する操作画面とが切り替えられて表示され、前記操作画面には、前記映像表示部と、前記操作部であるボタンとが表示されることが好ましい。
ホーム画面と操作画面とを切り替えて操作できるので、操作対象を正しく選択できたかを確認でき、かつ、操作性も向上できる。
【0044】
本発明の建物の開口構造は、建物の開口に取り付けられた建具枠と、前記建具枠が区画する開口部を開閉する建具と、前記開口部を開放する開放方向および前記開口部を閉鎖する閉鎖方向に前記建具を移動させる駆動装置と、前記建具枠の室内側に設けられた内装材と、前記内装材に取り付けられて前記開口部を撮影する撮影装置と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、建具枠の室内側に設けられる額縁などの内装材に撮影装置を取り付けているので、建具枠の開口部に対して斜め方向から撮影することができる。このため、建具枠の開口部に障害物などがあるかを確認しやすく、撮影装置の数も最小限に抑制できる。
【符号の説明】
【0045】
1…遠隔操作システム、2…シャッター、3…すべり出し窓、4…ホームコントローラ、5…カメラ、6…無線ルーター、7…サーバー、8…スマートフォン、9…インターネット、10…引違い窓、11…縦枠、12…上枠、13…下枠、15…撮影範囲、151…第1撮影範囲、152…第2撮影範囲、16…撮影範囲、161…第1撮影範囲、162…第2撮影範囲、20…枠体、21…縦枠、22…シャッターケース、26…額縁、261…上額縁、262…下額縁、263…縦額縁、30…シャッター装置、31…シャッターカーテン、311…スラット、312…座板、32…モーター、40…窓枠、41…上枠、42…下枠、43…縦枠、45…すべり出しヒンジ、50…障子、51…上框、52…下框、53…縦框、55…面材、59…網戸、60…開閉装置、61…モーター、62…開閉機構、70…カメラ本体、71…アタッチメント、81…ホーム画面、82…ボタン、83…操作画面、84…映像表示部、85…状態表示部、85A…開ランプ、85B…閉ランプ、86…操作ボタン、87…操作ボタン、88…ホームボタン。
図1
図2
図3
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図6
図7
図8
図9