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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-15
(45)【発行日】2022-08-23
(54)【発明の名称】容器搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/84 20060101AFI20220816BHJP
   B65G 47/86 20060101ALI20220816BHJP
   G01N 35/04 20060101ALI20220816BHJP
【FI】
B65G47/84 E
B65G47/86 B
B65G47/86 G
G01N35/04 G
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019141808
(22)【出願日】2019-07-31
(65)【公開番号】P2021024666
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2021-09-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000153443
【氏名又は名称】株式会社 日立産業制御ソリューションズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】片根 忠弘
(72)【発明者】
【氏名】福田 裕久
(72)【発明者】
【氏名】三村 三千男
(72)【発明者】
【氏名】浅野 國隆
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-125016(JP,A)
【文献】特開2014-24665(JP,A)
【文献】特開平3-88618(JP,A)
【文献】特公昭49-33467(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0026005(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0102262(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/84-47/86
G01N 35/02-35/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲に容器を保持するホルダが複数設けられた容器ホルダ付き搬送ベルトと、
前記各ホルダに前記容器を投入する容器投入機構と、
前記容器を周方向に搬送しつつ前記容器の良否を検査する検査ロータと、
前記容器を前記容器ホルダ付き搬送ベルトから前記検査ロータに乗り移らせる乗り移りロータと、
検査結果に基づいて前記容器を選別する容器選別機構と、を備え、
前記容器ホルダ付き搬送ベルトは、前記検査ロータの内側に入り込んだ状態で配置されていることを特徴とする容器搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の容器搬送装置において、
前記容器ホルダ付き搬送ベルトは、
前記容器投入機構によって投入された前記容器を直線状に搬送する第1直線搬送部と、
検査後の前記容器を直線状に搬送する第2直線搬送部と、
前記第1直線搬送部の一端と前記第2直線搬送部の一端とをつなぐ第1曲線搬送部と、
前記第1直線搬送部の他端と前記第2直線搬送部の他端とをつなぐ第2曲線搬送部と、
を備え、
前記第1曲線搬送部が前記検査ロータの径方向の内側に入り込んだ状態で配置されていることを特徴とする容器搬送装置。
【請求項3】
請求項2に記載の容器搬送装置において、
前記ホルダは、前記容器の搬送方向に2つに分かれる構造を有していることを特徴とする容器搬送装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の容器搬送装置において、
前記ホルダは、前記容器の径のほぼすべてが収まる深さの凹部を有することを特徴とする容器搬送装置。
【請求項5】
請求項2に記載の容器搬送装置において、
前記容器選別機構は、外周に前記容器を収容する収容部を有するスターホイルと、前記収容部に気体を供給して前記容器を吸い付ける吸付力を発生させる容器吸付力発生機構と、を備え、
前記スターホイルは、前記第2直線搬送部に接して配置されることを特徴とする容器搬送装置。
【請求項6】
請求項5に記載の容器搬送装置において、
前記ホルダに収容された前記容器を押し出して前記スターホイルの前記収容部に押し出す容器押出部を備えることを特徴とする容器搬送装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の容器搬送装置において、
前記容器ホルダ付き搬送ベルトは、前記容器選別機構によって選別されなかった前記容器を前記検査ロータに再供給する容器戻り搬送部を備えることを特徴とする容器搬送装置。
【請求項8】
請求項3に記載の容器搬送装置において、
前記第2曲線搬送部で前記容器を搬送するために2つに分かれた前記ホルダの凹部には、前記ホルダが2つに分かれても、前記容器を係止して、前記容器が搬送方向に飛び出すのを規制する規制部が形成されていることを特徴とする容器搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、アンプル、バイアル、プレフィルドシリンジのような注射用液剤が充填された容器(被検体)の画像を撮像し、その画像に基づいて容器の外観や容器内の異物の有無を検査する検査装置が知られている(特許文献1-3参照)。これら特許文献1-3には、被検体を切り出して、スターホイルで搬送し、検査を実施した結果に基づいて容器の良否を選別する機構が記載されている。また、特許文献3には、リインスペクション機構(未検査品や複数回検査を実施するために検査ロータから取り出した容器を、再度検査ロータへ戻し入れて検査を実施する機構)が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5165009号公報
【文献】特許第5468123号公報
【文献】特許第5762074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような検査装置では、検査機へ容器を供給するためのスターホイル、供給された容器を検査ロータまで搬送するスターホイル、検査ロータから容器を取り出すスターホイル、容器の良否を選別するためのスターホイルから構成される。
【0005】
しかしながら、特許文献1-3の構成では、容器を搬送するための構成部品が多く、装置が大型化し、高価になるという課題があった。
【0006】
本発明は、前記した従来の課題を解決するものであり、構成部品を減らして、コンパクト化および低価格化を実現することが可能な容器搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、周囲に容器を保持するホルダが複数設けられた容器ホルダ付き搬送ベルトと、前記各ホルダに前記容器を投入する容器投入機構と、前記容器を周方向に搬送しつつ前記容器の良否を検査する検査ロータと、前記容器を前記容器ホルダ付き搬送ベルトから前記検査ロータに乗り移らせる乗り移りロータと、検査結果に基づいて前記容器を選別する容器選別機構と、を備え、前記容器ホルダ付き搬送ベルトは、前記検査ロータの内側に入り込んだ状態で配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、構成部品を減らして、コンパクト化および低価格化を実現することが可能な容器搬送装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態の容器搬送装置を示す全体構成図である。
図2】容器ホルダ付き搬送ベルトを検査ロータ側を向いて見たときの展開図である。
図3】容器選別装置を示す断面図である。
図4】スターホイルの平面図である。
図5図3のA-A線断面図である。
図6図3のB-B線断面図である。
図7図1のC-C線断面図である。
図8】容器ホルダ付き搬送ベルトの曲線搬送部におけるホルダの拡大図である。
図9】第1実施形態の容器搬送装置の容器の乗り移りを説明する図である。
図10】第2実施形態の容器搬送装置を示す全体構成図である。
図11図10のD-D線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の容器搬送装置を示す全体構成図である。なお、図1は、容器搬送装置100を上方から見た状態である。また、本実施形態では、容器搬送装置100によって搬送されるものは、例えば、アンプル、バイアル、シリンジなどの容器に入れられた薬液製品であるとし、以下、検査対象の薬液が入れられた容器を、単に、被検体という。
【0011】
図1に示すように、容器搬送装置100は、容器ホルダ付き搬送ベルト1(以下、搬送ベルトと略記する)と、容器投入機構10と、検査ロータ20と、スターホイル(乗り移りロータ)30と、容器選別機構40と、を備えて構成されている。
【0012】
また、検査ロータ20の径方向の内側には、複数台の撮像装置51が設けられている。また、検査ロータ20の径方向の外側には、撮像装置51と対向する位置に、照明装置52が設けられている。なお、撮像装置51と照明装置52によって被検体101の良否を検査する検査装置が構成されている。
【0013】
搬送ベルト1は、無端状のベルト部2と、プーリ3,4と、複数のホルダ5と、を備えて構成されている。
【0014】
ベルト部2は、一方向に細長くなるように配置され、プーリ3,4に掛け渡されている。プーリ3,4は、搬送台202に回転可能となるように取り付けられている。また、ベルト部2は、プーリ3,4に掛け渡され、互いに平行に配置される直線部2a,2b、プーリ3,4に沿って配置される曲線部2c,2dを備えている。プーリ3,4は、回転軸が鉛直方向になるように配置されている。ベルト部2は、ホルダ取付面が側方を向くように配置されている。なお、プーリ3,4の一方には、図示しない電動機の動力が伝達されるようになっている。
【0015】
また、ベルト部2には、外側方を向く面に、被検体101(容器)を収容するホルダ5が取り付けられている。このホルダ5は、平面視において略四角形状を呈し、直線部2a,2bにおいて隣り合うホルダ5が密着するように構成されている。また、ホルダ5は、ベルト部2の面全体ではなく、ホルダ5の底面の中央部を介して取り付けられている。また、ホルダ5は、プーリ3,4の周囲の曲線部2c,2dでは、隣接するホルダ5が離間した状態になる。
【0016】
ホルダ5の外側面には、被検体101を収容する収容部5bが形成されている。この収容部5bは、隣接する一方のホルダ5に形成される凹部5b1と、もう一方のホルダ5に形成される凹部5b2とによって構成されている。このような構成であるため、ベルト部2の曲線部2c,2dでは、凹部5b1と凹部5b2とが搬送方向に離間する。
【0017】
また、ホルダ5の収容部5bは、被検体101の直径とほぼ同じ長さの深さを有している。これにより、収容部5bに被検体101のほぼ全体を収容することができる。
【0018】
このように、搬送ベルト1は、容器投入機構10によって投入された被検体101を直線状に搬送する直線搬送部1a(第1直線搬送部)と、検査後の被検体を直線状に搬送する直線搬送部1b(第2直線搬送部)と、を備えている。また、搬送ベルト1は、直線搬送部1aの一端と直線搬送部1bの一端とをつなぐ曲線搬送部1c(第1曲線搬送部)と、直線搬送部1aの他端と直線搬送部1bの他端とをつなぐ曲線搬送部1d(第2曲線搬送部)と、を備えている。
【0019】
容器投入機構10は、被検体101を、各ホルダ5の収容部5bに1本1本収容するものであり、例えば供給コンベア10aによって構成されている。供給コンベア10aは、例えばベルト式のものであり、一度に多数の被検体101を投入して、搬送ベルト1の複数の収容部5bに被検体101を投入できるようになっている。なお、本実施形態では、7つの収容部5bに被検体101を投入する構成であるが、7つに限定されるものではなく、7つより多くても少なくてもよい。また、搬送ベルト1に被検体101を1本ずつ投入する構成であってもよい。
【0020】
検査ロータ20は、円板または円筒の周縁部に被検体101を保持する複数の被検体保持部102(図2参照)が等間隔に設けられて構成されている。また、検査ロータ20は、円板または円筒の中心を軸に一方向に回転し、被検体101を、例えば、図示時計回り方向(W方向)に搬送する。なお、検査ロータ20は、円環状の搬送装置に限定されるものではなく、搬送路が循環形状で、被検体保持部102(図2参照)が、その循環形状の搬送路上に等間隔に設けられ、その循環形状の搬送路上を所定の速度で移動するものであれば、どのような形態のものであってもよい。
【0021】
また、検査ロータ20には、被検体101の良否を検査する検査装置50が設けられている。検査装置50は、撮像装置(カメラ)51と照明装置52とで構成され、複数組が周方向に間隔を置いて配置されている。撮像装置51が検査ロータ20の内側、照明装置52が検査ロータ20の外側に設けられている。なお、検査装置50の構成は、撮像装置51と照明装置52との配置が本実施形態と逆であってもよい。また、検査ロータ20の内側に、撮像装置51と照明装置52とが設けられていてもよく、検査ロータ20の外側に、撮像装置51と照明装置52とが設けられていてもよく、適宜変更することができる。
【0022】
また、検査装置50では、被検体保持部102(図2参照)に保持された被検体101(図2参照)がその前面を通過するときに、その被検体101の外観画像を撮像装置51によって取得する。この取得した外観画像を用いて、被検体101における液中の異物および容器の外観不良などを検出する。
【0023】
なお、本実施形態では、複数の検査装置50が被検体101の搬送方向の両側に設けられている(図1では、4か所に設けられている)。それぞれの検査装置50は、被検体101のそれぞれ異なる状態の外観画像を取得し、その不良を検出する。
【0024】
スターホイル(乗り移りロータ)30は、被検体101を、搬送ベルト1から検査ロータ20に乗り移らせるものであり、外周部に被検体101を収容する収容部31が形成された円盤状の部材によって構成されている。また、スターホイル30は、搬送台202に鉛直方向の軸32を介して回転可能に取り付けられている。
【0025】
なお、スターホイル30とは、その周縁部に収容部31を有する円形歯車状の搬送装置をいう。すなわち、スターホイル30は、その円形歯車状の歯溝の部分に被検体101を収容する。被検体101は、そのスターホイル30の回転とともに、スターホイル30の外縁部を搬送路として搬送される。
【0026】
また、スターホイル30は、搬送ベルト1の直線搬送部1aと検査ロータ20の双方に近接するように配置されている。また、スターホイル30は、収容部31と搬送ベルト1の収容部5bとが対向して同期でき、かつ、収容部31と検査ロータ20の被検体保持部102(図2参照)とが対向して同期できるように、スターホイル30の直径および収容部31の個数が設定されている。
【0027】
容器選別機構40は、スターホイル44を有する容器選別装置41、スターホイル45を有する容器選別装置42、スターホイル46を有する容器選別装置43によって構成されている。検査ロータ20に最も近い容器選別装置41は、検査ロータ20から被検体101を受け取るとともに搬送ベルト1に被検体101を渡す機能と、被検体101を選別する機能と、を備えている。容器選別装置42は、スターホイル45に被検体101を受け渡す方向に搬送する機能を有している。容器選別装置43は、スターホイル46に被検体101を受け渡す方向に搬送する機能を有している。
【0028】
スターホイル44は、被検体101を、検査ロータ20から受け取り、検査結果に応じて、スターホイル44に保持させるか、搬送ベルト1に受け渡すものである。また、スターホイル44は、外周部に被検体101を収容する収容部44aが形成された円盤状の部材によって構成されている。また、スターホイル44は、搬送台202に回転可能に支持されている。
【0029】
また、スターホイル44は、検査ロータ20と搬送ベルト1の直線搬送部1bとに近接して配置されている。また、スターホイル44は、該スターホイル44の中心から搬送ベルト1に垂線を下した位置において接するように(最も接近するように)構成されている。つまり、スターホイル44は、搬送ベルト1の直線部分で接している。
【0030】
なお、スターホイル44とは、スターホイル30と同様に、その周縁部に収容部44aを有する円形歯車状の搬送装置をいう。すなわち、スターホイル44は、その円形歯車状の歯溝の部分に被検体101を収容する。被検体101は、そのスターホイル44の回転とともに、スターホイル44の外縁部を搬送路として搬送される。
【0031】
また、スターホイル44の収容部44aには、被検体101を収容する壁面から空気(エア)を噴き出す噴出口44bが形成されている。収容部44aに被検体101が収容されている状態において、収容部44aの噴出口44bから空気が噴き出すと、ベルヌーイの原理により被検体101を、空気が噴き出している側の収容部44aに吸い付けることができる。このように、収容部44aから空気を噴出することによって、被検体101をスターホイル44の収容部44aに吸い付けた状態で被検体101を搬送することができる。
【0032】
スターホイル45は、スターホイル44と同様に、その周縁部に収容部45aを有する円形歯車状の搬送装置をいう。すなわち、スターホイル45は、その円形歯車状の歯溝の部分に被検体101を収容する。被検体101は、そのスターホイル45の回転とともに、スターホイル45の外縁部を搬送路として搬送される。
【0033】
また、スターホイル45の収容部45aには、被検体101を収容する壁面から空気(エア)を噴き出す噴出口45bが形成されている。収容部45aに被検体101が収容されている状態において、収容部45aの噴出口45bから空気が噴出すると、前記と同様の原理によって空気が噴き出している側の収容部45aに被検体101を吸い付けることができる。このように、収容部45aから空気を噴出することによって、被検体101をスターホイル45の収容部45aに吸い付けた状態で被検体101を搬送することができる。
【0034】
スターホイル46は、スターホイル44,45と同様に、その周縁部に収容部46aを有する円形歯車状の搬送装置をいう。すなわち、スターホイル46は、その円形歯車状の歯溝の部分に被検体101を収容する。被検体101は、そのスターホイル46の回転とともに、スターホイル46の外縁部を搬送路として搬送される。
【0035】
また、スターホイル46の収容部46aには、被検体101を収容する壁面から空気(エア)を噴き出す噴出口46bが形成されている。収容部46aに被検体101が収容されている状態において、収容部46aの噴出口46bから空気が噴出すると、前記と同様の原理によって空気が噴き出している側の収容部46aに吸い付けることができる。このように、収容部46aから空気を噴出することによって、被検体101をスターホイル46の収容部46aに吸い付けた状態で被検体101を搬送することができる。
【0036】
また、容器搬送装置100は、容器選別装置41に対向する位置に、容器押出部81が設けられている。この容器押出部81は、スターホイル44に沿って被検体101を案内する案内面81bと、被検体101を搬送ベルト1の収容部5bに戻すのを可能にする戻し面81aと、を有している。
【0037】
なお、容器押出部81は、搬送ベルト1の下部と上部に設けられている。また、容器押出部81は、被検体101を押し出すことができるものであれば、下部と上部のいずれか一方であってもよい。
【0038】
また、容器搬送装置100は、容器押出部82,83を備えている。容器押出部82は、スターホイル45と対向する位置に設けられている。容器押出部83は、スターホイル46と対向する位置に設けられている。容器押出部82は、被検体101をスターホイル45側に押し出す押出面82aと、押し出した被検体101を搬送ベルト1側に戻すことを可能にする戻し面82bと、を有している。容器押出部83は、被検体101をスターホイル46側に押し出す押出面83aと、押し出した被検体101を搬送ベルト1側に戻すことを可能にする戻し面83bと、を有している。
【0039】
また、容器搬送装置100は、スターホイル30の外周と対向する位置に、容器押出部84が設けられている。この容器押出部84は、被検体101をスターホイル30側に押し出す押出面84aと、スターホイル30に沿って形成され、被検体101を案内する案内面84bと、を有している。
【0040】
また、容器搬送装置100は、押し出された被検体101を押し戻す空気吹出部91が設けられている。また、容器搬送装置100は、空気吹出部91と同様な構成の、空気吹出部92,93が設けられている。
【0041】
また、容器選別装置41には、スターホイル44によって選別された被検体101を、良品トレイ61に案内する案内部材55が設けられている。容器選別装置42は、スターホイル45によって選別された被検体101を、外観不良品トレイ62に案内する案内部材56が設けられている。容器選別装置43は、スターホイル46によって選別された被検体101を、異物不良品トレイ63に案内する案内部材57が設けられている。
【0042】
また、容器搬送装置100は、搬送ベルト1の収容部5bから被検体101が飛び出さないようにするガイド部材71,72,73,74,75が適宜設けられている。ガイド部材71,72は、搬送ベルト1の直線搬送部1aに設けられている。ガイド部材73,74は、搬送ベルト1の直線搬送部1bに設けられている。ガイド部材75は、搬送ベルト1の曲線搬送部1dに設けられている。
【0043】
また、容器搬送装置100は、搬送ベルト1が検査ロータ20の内側に入り込んだ状態で配置されている。詳述すると、搬送ベルト1は、曲線搬送部1cが検査ロータ20の径方向の内側に入り込んでいる。換言すると、搬送ベルト1は、検査ロータ20の端部の曲線搬送部1cが軸方向(鉛直方向)において重なるように配置されている。
【0044】
制御装置6は、CPU(Central Processing Unit)および記憶装置を少なくとも有するコンピュータによって構成されている。また、制御装置6は、検査装置50からの検査結果に基づき、各被検体101が良品または不良品のいずれであるかを判別する。また、制御装置6は、検査装置50から検査結果が得られなかった被検体101については、未検査品として判定する。
【0045】
なお、不良品は、外観不良品(第1不良品)、異物不良品(第1不良品)などのように、さらに細分化して分別される。また、制御装置6は、各被検体101について、良品、不良品または未検査品に分別した分別情報を、記憶装置(不図示)に記憶しておくとともに、容器選別装置41,42,43に通知する。
【0046】
図2は、容器ホルダ付き搬送ベルトを検査ロータ側を向いて見たときの展開図である。なお、図2において、図示左側は検査ロータ20に向かう側であり、右側は検査ロータ20から戻る側である。
図2に示すように、検査ロータ20は、被検体保持部102が周方向に複数配置され、被検体保持部102が周方向に沿って動作するように構成されている。被検体保持部102は、被検体101を上下で挟み込むようにして保持するものであり、被検体101の下部を受ける受け部102aと、被検体101の上部を抑えて受け部とで保持する抑え部102b、とによって構成されている。受け部102aの上面は、搬送面(水平面)201と面一になるように構成されている。
【0047】
また、抑え部102bは、鉛直方向上方に延びる連結軸102cを有している。連結軸102cの上部には、ローラ102dが設けられている。また、抑え部102bは、被検体101を保持した状態で、被検体101を回転させることができる。被検体101を回転させ、内容液を旋回させた状態で撮像装置51によって撮像することで異物を検出する。
【0048】
また、検査ロータ20は、被検体保持部102の抑え部102bを上下動させるカム21を備えている。このカム21は、抑え部102bを上昇させる傾斜面21aと、抑え部102bを頂点で維持させる水平面21bと、抑え部102bを下降させる傾斜面21cと、を有して構成されている。
【0049】
ローラ102dが傾斜面21aに沿って回転することで、抑え部102bが上昇し、被検体101の上部から離間する。そして、ローラ102dが水平面21bに沿って移動することで、抑え部102bは、頂点を維持したまま移動する。そして、ローラ102dが傾斜面21cに沿って下降し、被検体101の上部を抑え込んで、被検体101を受け部102aと抑え部102bとで保持する。
【0050】
また、検査ロータ20は、カム21の高さを調整する調整部材22が設けられている。調整部材22を操作することで、カム21が固定された台座部23が上下動するようになっている。
【0051】
このように、検査ロータ20は、被検体101を保持する被検体保持部102を備え、抑え部102bが上下動することによって被検体保持部102が水平方向(搬送方向)において位置しない空間Rが形成されている。この検査ロータ20に形成された空間Rに、搬送ベルト1が入り込んでいる。このため、搬送ベルト1に収容されている被検体101の搬送が阻害されることがない。
【0052】
また、検査ロータ20では、図示左側の「通過点」で示す被検体101は、スターホイル30(図1参照)に収容されている状態を示し、図示左側の「受渡し」で示す被検体101は、スターホイル30から検査ロータ20に乗り移った状態を示している。また、検査ロータ20では、図示右側の「受渡し」で示す被検体101は、検査ロータ20からスターホイル44(図1参照)に乗り移った状態を示し、図示右側の「通過点」で示す被検体101は、スターホイル44(図1参照)に収容されている状態を示している。
【0053】
図3は、容器選別装置を示す断面図である。なお、以下では、容器選別装置41について説明するが、容器選別装置42,43についても容器選別装置41と同様に構成されているものであり、重複した説明を省略する。
図3に示すように、容器選別装置41は、スターホイル44と、回転軸220と、軸受部230と、エアカップリング(容器吸付力発生部材)240と、を備えて構成されている。なお、本実施形態では、回転軸220と、軸受部230と、エアカップリング240と、によって容器吸付力発生機構が構成されている。
【0054】
スターホイル44は、容器選別装置41の搬送面201上に配置されている。また、スターホイル44は、搬送面201から上方に離間した状態で回転する。また、スターホイル44は、被検体101を保持して、被検体101が搬送面201上を摺動しながら搬送される。
【0055】
回転軸220は、搬送面201より下側に配置され、その上面220sにスターホイル44が固定されている。スターホイル44の回転中心の上部には、スターホイル44を着脱する際に回転操作されるハンドル130が設けられている。なお、図示していないが、スターホイル44と回転軸220との間には、位置決めピンが設けられている。これにより、スターホイル44は、回転軸220とともに回転するようになっている。
【0056】
また、回転軸220は、鉛直方向下方に延びて形成され、搬送面201が形成される搬送台202の下面から突出している。また、回転軸220には、回転動力を回転軸220に伝達する伝達軸221が同軸状に形成されている。伝達軸221の外径は、回転軸220の外径よりも小さく形成されている。また、伝達軸221は、図示しないプーリを介して電動機250と接続されている。
【0057】
回転軸220には、通気孔220a,220cが回転軸220の軸方向Axに延びて形成されている。また、通気孔220aは、通気孔220cよりも径方向外側に位置している。また、通気孔220aは、通気孔220cよりも短く形成され、通気孔220aの下端が通気孔220cの下端よりも上側に位置している。スターホイル44には、通気孔220aと連通する通気孔44dが形成されている。また、スターホイル44は、通気孔220cと連通する通気孔44fが形成されている。
【0058】
軸受部230は、ベース部材231と、ベアリング(スラスト軸受)232,233と、を備えて構成されている。
【0059】
ベース部材231は、略円筒状に形成され、上端部に円環状のフランジ部231aが形成されている。このフランジ部231aは、搬送面201から上方に突出している。そして、フランジ部231aにボルト234が挿通され、搬送台202にねじ込まれることで、ベース部材231が搬送台202に締結される。ベアリング232,233は、ベース部材231の上下に配置されている。
【0060】
図4は、容器選別装置のスターホイルを示す平面図である。
図4に示すように、スターホイル44は、円盤の外周縁部に16個の収容部44aが形成されている。収容部44aは、周方向に等間隔(22.5度毎)に配置されている。
【0061】
スターホイル44には、径方向に延びる通気孔44c,44eが形成されている。通気孔44cは、一端が収容部44aまで延び、他端が通気孔44dまで延びている。通気孔44eは、一端が収容部44aまで延び、他端が通気孔44fまで延びている。また、通気孔44c,44eが接続される収容部44aの壁面には、それぞれ空気を噴出する噴出口44bが形成されている。この噴出口44bの開口は、拡径して形成され、被検体101を吸い付けやすくしている。また、通気孔44eの他端(径方向内側の端部)は、通気孔44cの他端(径方向内側の端部)よりも回転中心O寄りに位置している。また、通気孔44c,44eは、周方向に交互に形成されている。
【0062】
通気孔44c,44eの他端は、回転軸220(図3参照)と軸方向Ax(鉛直方向)において重なる位置まで延びている(図3参照)。また、スターホイル44には、通気孔44c,44eの他端と連通し、軸方向Ax(鉛直方向)に短く延びる通気孔44d,44fが形成されている。この通気孔44d,44fの下端は、スターホイル44の底面に開口するように形成されている。このように、通気孔44c,44d,44e,44fは、スターホイル44の内部を貫通するように形成されている。
【0063】
図3に戻って、エアカップリング240は、回転軸220の通気孔220b,220dに空気(エア)を供給するものであり、搬送台202より下側に位置している。また、エアカップリング240は、回転軸220を取り囲むように略環状に形成されている。また、エアカップリング240は、ボルト270を介して搬送台202の下面に固定されている。搬送台202の厚みは、回転軸220の軸方向の長さよりも短く形成されている。
【0064】
図5は、図3のA-A線断面図である。
図5に示すように、エアカップリング240は、円弧状に形成された一対の保持部241,242がヒンジ243によって回動可能に連結されている。これにより、保持部241,242を開閉することで、保持部241,242を回転軸220に抱きつかせるように取り付けることができる。
【0065】
また、保持部241,242は、半円弧よりも周方向に短く形成されている。これにより、保持部241,242で回転軸220を挟み込んだときに、保持部241,242の端部が離間する。
【0066】
また、保持部241,242の端部(他端)には、コイルばね(弾性部材)245が掛け渡されている。保持部241の端部には、コイルばね245の一端が係止される係止部246が形成され、保持部242の端部には、コイルばね245の他端が係止される係止部247が形成されている。これにより、保持部241,242を互いに接近させる方向に弾性力を発揮させて、保持部241,242の内周面241t,242tを回転軸220の外周面220tに密着させることができるようになっている。
【0067】
また、保持部241,242には、長孔241a,242aが形成されている。長孔241a,242aには、ボルト270が挿通され、搬送台202に締結されるようになっている。また、保持部241,242に長孔241a,242aを形成することで、保持部241,242を回転軸220の外周面に密接した状態で取り付けることができる。
【0068】
また、保持部241の内周面241tには、周方向に沿って長溝248aが形成されている。この長溝248aは、通気孔220bと連通するように構成されている。また、保持部241には、長溝248aが形成される位置に、空気(エア)を導入するチューブ260Aが設けられ、チューブ260Aと長溝248aとが連通している。長溝248aを設けることで、回転軸220が回転する所定区間、通気孔220bに連続して空気が供給されるようになっている。
【0069】
図6は、図3のB-B線断面図である。
図6に示すように、保持部241の内周面241tには、周方向に沿って長溝248bが形成されている。この長溝248bは、前記した長溝248aよりも軸方向Axの下側に位置している。また、長溝248bは、通気孔220dと連通するように構成されている。また、保持部241には、長溝248bが形成される位置に、空気を導入するチューブ260Bが設けられ、チューブ260Bと長溝248bとが連通している。長溝248bを設けることで、回転軸220が回転する所定区間、通気孔220dに連続して空気が供給されるようになっている。
【0070】
また、長溝248bは、長溝248aに対して、周方向に一容器分ずらした状態で形成されている。すなわち、長溝248aと長溝248bは、軸方向Axにおいて半分重なるように構成されている。
【0071】
図7は、図1のC-C線断面図である。
図7に示すように、搬送面201上には、スターホイル44の下面側(底面側)に、空気吹出部91が設けられている。なお、図7では、空気吹出部91を実線で示しているが、スターホイル44の下側に設けられているものである。また、スターホイル45,46の下面側にも空気吹出部92,93が設けられているが、これらは空気吹出部91と同様な構成であるので、代表して空気吹出部91を例に挙げて説明して、他の空気吹出部92,93の説明を省略する。
【0072】
空気吹出部91は、被検体101の下部側面(下部周面)に向けて空気を吹き付けて、被検体101を搬送ベルト1側に押し出す機能を有している。すなわち、空気吹出部91は、搬送面201に固定され、被検体101を収容する収容部44aから、径方向内側に距離S離間して設けられている。また、空気吹出部91は、被検体101に向けて空気を吹き出す吹出口91aが設けられている。この吹出口91aは、空気供給管91bと接続され、空気供給源(不図示)に接続されている。なお、図示しない空気供給源は、収容部44aに被検体101を吸い付ける空気供給源とは別に設けられているものである。
【0073】
このように、空気吹出部91を被検体101から離間して配置することで、吹出口91aから空気を吹き出したときに、収容部44aから空気を噴き出す場合と異なり、被検体101を押し出すことができる。
【0074】
図8は、容器ホルダ付き搬送ベルトの曲線搬送部におけるホルダの拡大図である。なお、図8に示すホルダ5は、容器選別装置43側から容器投入機構10側に戻る曲線搬送部1dに位置しているホルダ5を示している。
図8に示すように、ホルダ5は、曲線搬送部1dにおいて隣り合うホルダ5が離れることで、収容部5bを構成する凹部5b1と凹部5b2とが離間するように構成されている。本実施形態の収容部5bは、凹部5b1,5b2が等分に分かれるのではなく、上流側に位置する凹部5b1が、被検体101をより多く収容できる形状を有している。すなわち、凹部5b1には、被検体101が係止される係止部5b3(規制部)が形成されている。
【0075】
これにより、搬送ベルト1が停止して、曲線搬送部1dに位置する被検体101に搬送方向への慣性力Fが作用したとしても、係止部5b3によって被検体101が凹部5b1から飛び出すのを抑えることができる。よって、被検体101が破損したり、傷ついたりするといったことを抑制することができる。
【0076】
次に、第1実施形態の容器搬送装置の被検体101の搬送動作について、図1(適宜図2ないし図9)を参照して説明する。図9は、第1実施形態の容器搬送装置における被検体の乗り移り動作を説明する図である。
まず、容器投入機構10の供給コンベア10a(図1参照)に、被検体101を投入する。供給コンベア10aには、多数の被検体101がランダムに投入される。被検体101は、供給コンベア10aによって搬送ベルト1側に向けて移動させられる(図1の供給コンベア10a上の矢印参照)。そして、供給コンベア10aに対向する搬送ベルト1のホルダ5に形成された収容部5bに、被検体101が1本ずつ収容される。収容部5bに収容された被検体101は、直線搬送部1aを、スターホイル30に向けて直線状に搬送される。なお、供給コンベア10aとスターホイル30との間には、ガイド71,72が設けられているので、被検体101が収容部5bから外側に飛び出さないようになっている。
【0077】
図9に示すように、被検体101がスターホイル30に近い位置まで搬送されると、スターホイル30に乗り移る前に、被検体101が容器押出部84によってスターホイル30側に押し出される。すなわち、容器押出部84は、被検体101がスターホイル30に徐々に近づくように押し出す押出面84aが形成されている。このため、被検体101は、スターホイル30に徐々に近づくようになっている。また、容器押出部84は、押出面84aに続けて、スターホイル30の曲面に沿って被検体101を案内する案内面84bが形成されている。
【0078】
被検体101は、容器押出部84によってスターホイル30に押し出されることで、スターホイル30の収容部31に収容される。なお、被検体101がスターホイル30の収容部31に収容されるのは、搬送ベルト1の直線搬送部1aにおいて行われる。具体的には、スターホイル30の軸32の中心から搬送ベルト1に垂線を下したときの(図1の1点鎖線参照)、ホルダ5と重なる位置において、被検体101が収容部31に収容される。
【0079】
そして、被検体101は、案内面84bによって検査ロータ20に向けて搬送され、被検体101A(図9参照)の位置において、検査ロータ20の被検体保持部102(図2参照)に受け渡される。そして、被検体保持部102に保持された状態の被検体101は、検査装置50(図2参照)によって、良否の検査が行われる。そして、被検体101は、円周上に搬送され、スターホイル44側に戻る。
【0080】
被検体101がスターホイル44に近い位置まで搬送されると、被検体101は、被検体保持部102(図2参照)による保持が解除されながら搬送される。そして、被検体101Bは、図9に示す位置において、検査ロータ20からスターホイル44に乗り移る。そして、被検体101は、スターホイル44の収容部44aに収容した状態で、容器押出部81に形成された案内面81bに沿って案内される。
【0081】
被検体101は、検査装置50(図2参照)によって良品であると判定された場合には、スターホイル44の収容部44aに被検体101を吸い付けた状態で搬送され、良品トレイ(図1参照)61に排出される。この場合、被検体101が案内面81bにおいて案内されている状態において、スターホイル44の対応する収容部44aから空気を吐出する。すなわち、被検体101B(図9参照)が良品である場合には、エアカップリング240のチューブ260Aから長溝248aに空気を供給する。そして、空気は、通気孔22bに導入され、通気孔220aを通って回転軸220内を上昇し、スターホイル44の通気孔44d,44cを通って、被検体101Bの収容部44aの噴出口44bから噴き出す。これにより、被検体101Bが収容部44aに吸い付けられ、被検体101Bは、スターホイル44の収容部44aに収容された状態で搬送される。また、スターホイル44によって搬送された被検体101Bは、良品として良品トレイ61に受け渡す。良品トレイ61は、その被検体101Bを次の工程に搬送する。
【0082】
また、被検体101は、検査装置50(図2参照)によって良品でないと判定された場合には、搬送ベルト1の収容部5bに被検体101を収容した状態で搬送される。この場合、被検体101が案内面81bにおいて案内された後、スターホイル44から離れる方向に延びる案内面81aによって、被検体101が案内される。このとき、被検体101は、収容部44aの噴出口44bからの空気の吹き出しが停止しているので、被検体101がスターホイル44の収容部44aに吸い付けられることがない。また、スターホイル44の下面に設けられた空気吹出部91(図1参照)から空気が吹き出されることで、被検体101が搬送ベルト1側に押し出される。これによって、被検体101は、搬送ベルト1のホルダ5に形成された収容部5bに収容され、直線搬送部1bによって次の容器選別装置42に向けて搬送される。
【0083】
また、被検体101は、容器選別装置42まで搬送されると、容器押出部82に形成された押出面82aによってスターホイル45側に押し出される。具体的には、収容部5bに収容された被検体101は、収容部45a(図1参照)から被検体101の略半分が突き出す状態(収容部45aに被検体101が接する程度)まで押し出される。ここで、被検体101が外観不良であるとして、外観不良品トレイ62に被検体101を搬送する場合には、スターホイル45の収容部45aに被検体101を吸い付けた状態で円周上に搬送する。すなわち、空気がスターホイル45の収容部45aに形成された噴出口45bから噴き出して、被検体101を収容部45aに吸い付けることによって行われる。逆に、被検体101を搬送ベルト1に搬送して、次の容器選別装置43に送る場合には、空気吹出部92から被検体101に空気を吹き付けて、被検体101を搬送ベルト1に押し戻す。容器押出部82には、被検体101が搬送ベルト1側に押し戻されたとしても、被検体101が収容部5bに収容されるのを阻害しないような戻し面82bが形成されている。
【0084】
また、被検体101は、容器選別装置43まで搬送されると、容器押出部83に形成された押出面83aによってスターホイル46側に押し出される。その後は、容器選別装置42と同様に、異物不良品トレイ63に搬送する場合には、収容部46aの噴出口46bから空気を吹き出して、被検体101を収容部46aに吸い付かせる。また、未検査品である場合には、空気吹出部93から空気を被検体101に吹き付けて、搬送ベルト1の収容部5bに被検体101を押し戻す。
【0085】
未検査の被検体101は、曲線搬送部1dに搬送され、直線搬送部1aに搬送される。直線搬送部1aによって搬送された被検体101は、再度、スターホイル30を介して検査ロータ20に送られ、検査装置50によって、被検体101の良品が検査される。
なお、本実施形態では、搬送ベルト1の曲線搬送部1dによって、未検査の被検体101を再度、検査ロータ20に戻す容器戻り搬送部が構成されている。このため、検査ロータ20に戻すための、スターホイルを別個に設ける必要がない。
【0086】
以上説明したように、第1実施形態の容器搬送装置100は、周囲に被検体101を保持するホルダ5が複数設けられた搬送ベルト1と、各ホルダ5に被検体101を投入する容器投入機構10と、被検体101を周方向に搬送しつつ被検体101の良否を検査する検査ロータ20と、被検体101を搬送ベルト1から検査ロータ20に乗り移らせるスターホイル30と、検査結果に基づいて被検体101を選別する容器選別機構40と、を備える。搬送ベルト1は、検査ロータ20の内側に入り込んだ状態で配置されている。これによれば、搬送ベルト1と、スターホイル30と、容器選別機構40の3つの構成要素によって実現でき、コンパクトかつ低価格な容器搬送装置100を実現できる。
【0087】
また、第1実施形態は、搬送ベルト1は、容器投入機構10によって投入された被検体101を直線状に搬送する直線搬送部1aと、検査後の被検体101を直線状に搬送する直線搬送部1bと、を備える。また、搬送ベルト1は、直線搬送部1aの一端と直線搬送部1bの一端とをつなぐ曲線搬送部1cと、直線搬送部1aの他端と直線搬送部1bの他端とをつなぐ曲線搬送部1dと、を備える。曲線搬送部1cは、検査ロータ20の径方向の内側に入り込んだ状態で配置されている。これによれば、直線搬送部1aに容器投入機構10とスターホイル30を配置でき、直線搬送部1bに容器選別機構40を設けることができるので、それぞれの構成をコンパクトに配置することができる。
【0088】
また、第1実施形態は、ホルダ5は、被検体101の搬送方向に2つに分かれる構造(凹部5b1,5b2)を有している。これによれば、搬送ベルト1からスターホイル30に乗り移る際に、被検体101がホルダ5によって当たるのを(ホルダ5によって蹴られるのを)抑制できる。その結果、被検体101が破損したり、傷付いたりするのを抑制できる。
【0089】
また、ホルダ5を2つに分かれる構造にすることで、ホルダ5が曲線搬送部1cにおいて回転する回転半径を短くすることができ、検査ロータ20内のスペースを広く確保することができる。これにより、検査ロータ20内の検査装置50の設置が容易になる。
【0090】
また、第1実施形態は、ホルダ5は、被検体101の径のほぼすべてが収まる深さの凹部5b1,5b2を有する。これによれば、容器投入機構10において被検体101が搬送ベルト1の収容部5bに収容されて搬送される際、収容部5bに収容された被検体101が、収容部5bに収容されていない被検体101とで衝突を繰り返すのを防止または抑制できる。その結果、被検体101が破損したり、傷付いたりするのを抑制および防止できる。
【0091】
また、第1実施形態は、容器選別機構40は、外周に被検体101を収容する収容部44aを有するスターホイル44と、収容部44aに空気を供給して被検体101を吸い付ける吸付力を発生させる容器吸付力発生手段と、を備える。スターホイル44は、直線搬送部1bに近接して配置されている。これによれば、スターホイル44に吸い付けて搬送する側を曲線状、搬送ベルト1を直線状にできるので、双方をスターホイルで構成する場合に比べて、容器搬送装置100をコンパクト化できる。
【0092】
また、第1実施形態は、ホルダ5に収容された被検体101を押し出してスターホイル30,44,45,46の収容部31,44a,45a,46aに押し出す容器押出部84,81,82,83を備える。これによれば、被検体101をホルダ5に深く収納することができ、容器投入機構10において、被検体101同士が衝突して、被検体101が破損するといった不都合を抑制できる。
【0093】
また、第1実施形態は、搬送ベルト1は、容器選別機構40によって選別されなかった被検体101を検査ロータ20に再供給する曲線搬送部1d(容器戻り搬送部)を備える。これによれば、検査ロータ20に被検体101を戻すための部材(スターホイル)を追加することが不要になるため、容器搬送装置100をコンパクトに構成できる。
【0094】
また、第1実施形態は、曲線搬送部1dで被検体101を搬送するために2つに分かれたホルダ5の凹部5b1には、被検体101を係止して、被検体101が搬送方向に飛び出すのを規制する係止部5b3が形成されている。これによれば、容器搬送装置100が急停止して、曲線搬送部1dに位置する被検体101に搬送方向への慣性力Fが作用したとしても、被検体101が凹部5b1から飛び出すのを抑えることができる。その結果、被検体101が破損したり、傷付いたりするのを抑制できる。
【0095】
(第2実施形態)
図10は、第2実施形態の容器搬送装置を示す全体構成図である。図11は、図10のD-D線断面図である。なお、第2実施形態は、第1実施形態での被検体101よりも径の大きな被検体301(容器)を搬送するものである。
図10に示すように、容器搬送装置100Aは、容器ホルダ付き搬送ベルト1A(以下、搬送ベルトと略記する)と、容器投入機構10と、検査ロータ20Aと、スターホイル(乗り移りロータ)30Aと、容器選別機構40Aと、を備えて構成されている。なお、検査ロータ20Aは、第1実施形態での検査ロータ20と被検体301を保持する被検体保持部102の形状が異なるだけで、基本的な構造は同じであるので、説明を省略する。
【0096】
搬送ベルト1Aは、ベルト部2の外面に、被検体301(容器)を収容するホルダ5Aが設けられている。このホルダ5Aは、一対の半体5c,5dによって構成されている。半体5c,5dは、互いに分離可能に構成されている。また、半体5c、5dには、被検体301の半分が収容される凹部5c1,5d1が形成されている。本実施形態では、凹部5c1,5d1によって収容部5eが構成されている。
【0097】
また、半体5c,5dは、ベルト部2に中央部を介して取り付けられている。これにより、半体5c,5dは、曲線部2c,2dにおいて、隣接する半体5c,5dが離間して開いた状態になる。
【0098】
スターホイル30A(乗り移りロータ)は、第1実施形態のスターホイル30と、収容部34の大きさおよび個数が異なるだけであり、基本的な構成は第1実施形態と同様である。
【0099】
容器選別機構40Aは、スターホイル47を有する容器選別装置41A、スターホイル48を有する容器選別装置42A、スターホイル49を有する容器選別装置43Aによって構成されている。検査ロータ20Aに最も近い容器選別装置40Aは、検査ロータ20Aから被検体301を受け取るとともに搬送ベルト1Aに被検体301を受け渡す機能と、被検体301を選別する機能と、を備えている。容器選別装置42Aは、スターホイル48に被検体301を受け渡す方向に搬送して選別する機能を有している。容器選別装置43Aは、スターホイル49に被検体301を受け渡す方向に搬送して選別する機能を有している。
【0100】
スターホイル47は、被検体301を、検査ロータ20Aから受け取り、検査結果に応じて、スターホイル47に保持させるか、搬送ベルト1Aに受け渡すものである。また、スターホイル47は、外周部に被検体301を収容する収容部47aが形成された円盤状の部材によって構成されている。また、スターホイル47は、搬送台202に回転可能に支持されている。
【0101】
また、スターホイル47の収容部47aには、被検体301を収容する壁面から空気(エア、気体)を噴き出す噴出口47b,47cが形成されている。一つの収容部47aに対して、2つの噴出口47b,47cが形成されている。噴出口47bには、通気孔44c,44d,220a,220b(図3,4参照)が接続されている。噴出口47cには、通気孔44e,44f,220c,220d(図3,4参照)が接続されている。
【0102】
また、長溝248a(図5参照)と長溝248b(図6参照)とが、一容器分上下に重なって配置されているので、空気を長い期間供給することができる。このため、第2実施形態のように、容器径が大きい被検体301の場合、被検体301の分岐が完了するまでの長い時間空気を供給することができる。また、一つの収容部47aに対して、二つの噴出口47b,47cを設けて、長溝248a,248bの一部が軸方向に重なるようにしている。これにより、噴出口47b,47cの双方から空気を同時に噴き出すことができるので、大きな被検体301であっても安定して収容部47aに引き付けることができる。
【0103】
なお、スターホイル48の外周部には、被検体301を収容する収容部48aが形成されている。また、収容部48aには、空気が吹き出す噴出口48b,48cが形成されている。スターホイル49の外周部には、被検体301を収容する収容部49aが形成されている。収容部49aには、空気が吹き出す噴出口49b,49cが形成されている。また、噴出口48b,48c,49b,49cから空気を吹き出す構成については、スターホイル47の構成と同様である。
【0104】
また、搬送面201には、被検体301をスターホイル30A側に押し出す容器押出部88が設けられている。この容器押出部88は、搬送ベルト1Aからスターホイル30Aに向けて被検体301を押し出す押出面88aと、スターホイル30Aの外周に沿って案内する案内面88bと、を有している。
【0105】
また、容器選別装置41Aには、検査ロータ20Aからの被検体301をスターホイル47の収容部47aに押し出す容器押出部85が設けられている。この容器押出部85には、搬送ベルト1A側に案内する案内面85aが形成されている。
【0106】
また、容器選別装置42Aには、スターホイル48の収容部48aに押し出す容器押出部86が設けられている。この容器押出部86は、スターホイル48の収容部48aに向けて被検体301を押し出す押出面86aと、搬送ベルト1A側に戻る戻し面86bと、を有している。
【0107】
また、容器選別装置43Aには、スターホイル49の収容部49aに押し出す容器押出部87が設けられている。この容器押出部87は、スターホイル49の収容部49aに向けて被検体301を押し出す押出面87aと、搬送ベルト1A側に戻る戻し面87bと、を有している。
【0108】
図11に示すように、空気吹出部94は、被検体301の下部側面(下部周面)に向けて空気を吹き付けて、被検体301を搬送ベルト1A側に押し出す機能を有している。すなわち、空気吹出部94は、搬送面201に固定され、被検体301を収容する収容部47aから、径方向内側に距離S1離間して設けられている。また、空気吹出部94は、被検体301に向けて空気を吹き出す吹出口94aが設けられている。この吹出口94aは、空気供給管94bと接続され、空気供給源(不図示)に接続されている。
【0109】
このように、空気吹出部94を被検体301に近づけて配置することで、吹出口94aから空気を吹き出したときに、大きな被検体301を押し出すことができる。
【0110】
以上説明したように、第2実施形態の容器搬送装置100Aにおいても、第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0111】
本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれるものである。例えば、前記した各実施形態では、外観不良品を選別する容器選別装置42,42Aと異物不良品を選別する容器選別装置43,43Aとを備えた容器搬送装置100,100Aを例に挙げて説明したが、不良品の容器選別装置を単一のもので構成してもよい。
【0112】
また、容器ホルダ付き搬送ベルト1,1Aとして、略レーストラック形状(オーバル形状)のものを例に挙げて説明したが、さらにプーリを増やして、三角形状など他の形状の構成にしてもよい。
【0113】
また、第1実施形態および第2実施形態では、ホルダ5,5Aが2つに分かれる構造のものを例に挙げて説明したが、2つに分かれない構造のホルダであってもよい。
【0114】
また、前記した実施形態では、被検体101を収容部44a,45a,46aに吸い付ける機構として、収容部44a,45a,46aの噴出口44b,45b,46bから空気を噴出して吸い付ける場合を例に挙げて説明したが、噴出口44b,45b,46bから空気を吸い込んで負圧を発生させて、被検体101を収容部44a,45a,46aに吸い付ける構成であってもよい。
【符号の説明】
【0115】
1,1A 容器ホルダ付き搬送ベルト
1a 直線搬送部(第1直線搬送部)
1b 直線搬送部(第2直線搬送部)
1c 曲線搬送部(第1曲線搬送部)
1d 曲線搬送部(第2曲線搬送部、容器戻り搬送部)
2 ベルト部
3,4 プーリ
5,5A ホルダ
5b,5e 収容部
5b1,5b2 凹部
5b3 係止部(規制部)
5c,5d 半体
5c1,5d1 凹部
6 制御装置
10 容器投入機構
10a 供給コンベア
20 検査ロータ
30,33 スターホイル(乗り移りロータ)
44,45,46、47,48,49 スターホイル
31,34 収容部
40,40A 容器選別機構
41,41A,42,42A,43,43A 容器選別装置
44a,45a,46a,47a,48a,49a 収容部
44b,45b,46b,47b,47c,48b,48c,49b,49c 噴出口
44c,44d,44e,44f 通気孔
50 検査装置
51 撮像装置
52 照明装置
81,82,83,85,86,87 容器押出部
91,92,93,94,95,96 空気吹出部
100,100A 容器搬送装置
101,301 被検体(容器)
102 被検体保持部
201 搬送面
202 搬送台
220 回転軸(容器吸付力発生機構)
220a~220d 通気孔(容器吸付力発生機構)
230 軸受部(容器吸付力発生機構)
240 エアカップリング(容器吸付力発生機構)
248a,248b 長溝
図1
図2
図3
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図10
図11