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特許7123913コンテンツをリアルタイムで配信するための方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-15
(45)【発行日】2022-08-23
(54)【発明の名称】コンテンツをリアルタイムで配信するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/02 20220101AFI20220816BHJP
【FI】
H04L67/02
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2019516207
(86)(22)【出願日】2017-09-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-12-26
(86)【国際出願番号】 US2017053261
(87)【国際公開番号】W WO2018058040
(87)【国際公開日】2018-03-29
【審査請求日】2020-09-10
(31)【優先権主張番号】62/400,056
(32)【優先日】2016-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519097825
【氏名又は名称】ダブリューピー カンパニー エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】WP COMPANY LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】リン, ホンリャン, エリック
(72)【発明者】
【氏名】ディッカー, ジャロッド
【審査官】中川 幸洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-128204(JP,A)
【文献】特開2016-062417(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのデバイス(102)と、少なくとも1つのウェブサイトサーバ(106)と、少なくとも1つの広告サーバ(108)と、それぞれの要素同士の間の通信を提供するように構成されたネットワーク(104)を介して通信可能であるプロセッサ(110)によって実行されるコンテンツ配信の方法であって、
前記デバイスのデバイスデータを解析して、ウェブブラウザをホスティングする前記デバイスへの配信及び選択のための関心のある広告コンテンツを特定するステップ(310)と、
前記ウェブサイトサーバから前記デバイスにロードされるウェブページの広告スロットの位置を、前記ウェブページ内の単語の数及び前記ウェブページ内の文字の数のうちの少なくとも一方に基づいて決定するステップ(314)と、
前記ウェブページを表示しているウェブブラウザの表示領域を決定するステップと、
前記広告スロットから前記表示領域のある位置までの距離を決定するステップであり、前記距離がピクセルで測定される、ステップと、
第1のしきい値に対して前記距離を比較するステップと、
前記距離が前記第1のしきい値以下であるかどうかを判断するステップと、
前記距離が前記第1のしきい値以下であると判断されるときに前記広告スロットへの配信のための広告コンテンツをレンダリングするステップ(314)と、
前記広告スロットに前記広告コンテンツを配信するステップ(322)と、を含む、方法。
【請求項2】
前記距離が前記第1のしきい値よりも大きいと判断されるときには、前記広告スロットが前記表示領域の外である、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記距離が前記第1のしきい値よりも大きい場合に、前記広告スロットへの配信のための前記広告コンテンツを待ち行列に入れるステップ
を更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記距離が前記第1のしきい値以下であると判断されるときには、前記広告スロットが前記表示領域内にある、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記距離が前記広告スロットのエッジから前記表示領域の前記位置までの斜めの距離であり、前記表示領域の前記位置が前記表示領域のエッジである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記距離が前記広告スロットの中心から前記表示領域の前記位置までの斜めの距離であり、前記表示領域の前記位置が前記表示領域の前記中心である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記距離が、前記表示領域の前記位置までの前記広告スロットの第1の位置からの縦方向の距離及び横方向の距離のうちの少なくとも一方である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ウェブページがスクロールしていることを判断するステップであって、前記スクロールが縦方向のスクローリング、横方向のスクローリング、又は斜め方向のスクローリングのうちの少なくとも1つを含む、判断するステップと、
前記スクローリングに基づいて前記ウェブページのスクローリング速度を決定するステップと
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
スクローリングしきい値に対して前記スクローリング速度を比較するステップと、
前記スクローリング速度が前記スクローリングしきい値よりも大きいかどうかを判断するステップと
を更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記スクローリング速度が前記スクローリングしきい値よりも大きいと判断されるときに前記広告スロットへの配信のための前記広告コンテンツをレンダリングするステップ
を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
スクローリングしきい値に対して前記スクローリング速度を比較するステップと、
前記スクローリング速度が前記スクローリングしきい値よりも小さいかどうかを判断するステップと
を更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記スクローリング速度が前記スクローリングしきい値よりも小さいと判断されるときに前記広告スロットへの配信のための前記広告コンテンツを待ち行列に入れるステップ
を更に含み、
前記広告コンテンツは、前記スクローリング速度が前記スクローリングしきい値以上であると判断されるときに前記広告スロットへ配信される、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
コンテンツ配信のためのシステムであって、
少なくとも1つのデバイス(102)と、少なくとも1つのウェブサイトサーバ(106)と、少なくとも1つの広告サーバ(108)と、それぞれの要素同士の間の通信を提供するように構成されたネットワーク(104)を介して、通信可能であるプロセッサ(110)であり、
前記デバイスのデバイスデータを解析して、ウェブブラウザをホスティングする前記デバイスへの配信及び選択のための関心のある広告コンテンツを特定し(310)、
前記ウェブサイトサーバから前記デバイスにロードされるウェブページの広告スロットの位置を、前記ウェブページ内の単語の数及び前記ウェブページ内の文字の数のうちの少なくとも一方に基づいて決定し(314)、
前記ウェブページを表示しているウェブブラウザの表示領域を決定し、
前記広告スロットから前記表示領域のある位置までの距離を決定し、前記距離がピクセルで測定され、
第1のしきい値に対して前記距離を比較し、
前記距離が前記第1のしきい値以下であるかどうかを判断し、
前記距離が前記第1のしきい値以下であると判断されるときに前記広告スロットへの配信のための広告コンテンツをレンダリングし(314)、
前記広告スロットに前記広告コンテンツを配信する(322)、
ように構成されたプロセッサ
を備える、システム。
【請求項14】
前記距離が前記第1のしきい値よりも大きいと判断されるときには、前記広告スロットが前記表示領域の外である、
請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記プロセッサが、
前記距離が前記第1のしきい値よりも大きい場合に、前記広告スロットへの配信のための前記広告コンテンツを待ち行列に入れる
ように更に構成されている、
請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記距離が前記第1のしきい値以下であると判断されるときには、前記広告スロットが前記表示領域内にある、
請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
少なくとも1つのデバイス(102)と、少なくとも1つのウェブサイトサーバ(106)と、少なくとも1つの広告サーバ(108)と、それぞれの要素同士の間の通信を提供するように構成されたネットワーク(104)を介して、通信可能であるプロセッサ(110)によって実行されるコンテンツ配信の方法であって、
前記デバイスのデバイスデータを解析して、ウェブブラウザをホスティングする前記デバイスへの配信及び選択のための関心のある広告コンテンツを特定するステップ(310)と、
前記ウェブサイトサーバから前記デバイスにロードされるウェブページの広告スロットの位置を、前記ウェブページ内の単語の数及び前記ウェブページ内の文字の数のうちの少なくとも一方に基づいて決定するステップ(314)と、
前記ウェブページを表示しているウェブブラウザの表示領域を決定するステップと、
ウェブページがスクロールしていることを判断するステップと、
前記スクロールに基づいて前記ウェブページのスクローリング速度を決定するステップと、
スクローリングしきい値に対して前記スクローリング速度を比較するステップと、
前記スクローリング速度が前記スクローリングしきい値以上であるかどうかを判断するステップと、
前記スクローリング速度が前記スクローリングしきい値以上であると判断されるときに前記広告スロットへの配信のための広告コンテンツをレンダリングするステップ(314)と、
前記広告スロットに前記広告コンテンツを配信するステップ(322)と、
を含む、方法。
【請求項18】
前記スクローリング速度が前記スクローリングしきい値よりも小さいときに、前記広告スロットへの配信のための前記広告コンテンツを待ち行列に入れるステッ
更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記広告コンテンツのロード時間を特定するステップと、
第2のしきい値に対して前記ロード時間を比較するステップと、
前記ロード時間が前記第2のしきい値を超える場合に前記広告コンテンツの代わりにキャッシュした広告を前記広告スロットに配信するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記プロセッサが、
前記広告コンテンツのロード時間を特定し、
第2のしきい値に対して前記ロード時間を比較し、
前記ロード時間が前記第2のしきい値を超える場合に前記広告コンテンツの代わりにキャッシュした広告を前記広告スロットに配信する、
ようにさらに構成されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項21】
前記広告コンテンツのロード時間を特定するステップと、
第2のしきい値に対して前記ロード時間を比較するステップと、
前記ロード時間が前記第2のしきい値を超える場合に前記広告コンテンツの代わりにキャッシュした広告を前記広告スロットに配信するステップと、
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本特許出願は、2016年9月26日に出願の米国仮特許出願第62/400,056号に優先権を主張し、その内容は、その全体が本明細書に引用によって組み込まれている。
【開示の分野】
【0002】
本開示は、概して、コンピュータ化したリアルタイム及び/又はほぼ瞬時のコンテンツ配信に関する。より詳細には、本開示は、コンピューティングデバイスへコンピュータ化したリアルタイム及び/又はほぼ瞬時の広告コンテンツ配信を提供するための技術に関する。
【開示の背景】
【0003】
インターネットのユーザは、様々なウェブサイトから報道されるリアルタイムニュース報道を基本的に得ることができる。例えば、ユーザは、ニュース報道ウェブサイトにアクセスすることができ、様々な現在の出来事を報道するウェブページを視聴することができる。このようなウェブページは、ユーザによる視聴のために現在の出来事を反映している及び/又は広告を反映している画像及びストリーミングビデオ等のマルチメディアコンテンツを含むことができる。技術が進化するにつれて、このようなコンテンツの品質が高くなることがあり、これがこのようなコンテンツのサイズを大きくすることがあり、関係するウェブページのローディング時間を長くすることがある。例えば、ビデオコンテンツは、高精細でストリーミングされることがあり、そして画像コンテンツが高い解像度を有することがあり、これらは、このようなウェブページのサイズ及びローディング時間を増加させることがある。
【0004】
加えて、ユーザは、例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、及び携帯電話機等の多数の様々なコンピューティングデバイスからリアルタイムのニュース報道にアクセスする。このようなデバイスは、ウェブページ及び/又はマルチメディアコンテンツが特定のディスプレイ寸法及び解像度を有することを要求することがあり、そして他の技術的な要件を含むこともある。これゆえ、互換性の問題が生じることがあり、そしてローディング時間がそのため再び長くなることがある。
【0005】
これゆえ、リアルタイム及び/又はほぼ瞬時のコンテンツ配信を提供し、従来のプロセスに関連する短所を克服するシステム及び方法に関する必要性が存在することがある。
【開示の概要】
【0006】
コンテンツ配信のための技術が開示される。1つの実施形態によれば、本技術は、ウェブページのスロットを決定するステップと、上記ウェブページを表示しているウェブブラウザの表示領域を決定するステップと、上記スロットから上記表示領域のある位置までの距離を決定するステップと、第1のしきい値に対して上記距離を比較するステップであり、上記距離がピクセルで測定されることがある、比較するステップとを含む、コンテンツ配信の方法として実現されることがある。
【0007】
この実施形態の更なる態様によれば、本方法は、上記距離が上記第1のしきい値よりも大きいことを判断するステップを更に含むことができ、上記距離が第1のしきい値よりも大きいときには、上記スロットが上記表示領域の外である。
【0008】
この実施形態の更なる態様によれば、本方法は、上記スロットへの配信のためコンテンツを待ち行列に入れる(queue、キュー)ステップを更に含むことができ、上記コンテンツは、上記距離が上記第1のしきい値よりも小さいと判断されるときに上記スロットへ配信されることがある。
【0009】
この実施形態の更なる態様によれば、本方法は、上記距離が上記第1のしきい値以下であることを判断するステップを更に含むことができ、上記距離が第1のしきい値以下であるときには、上記スロットが上記表示領域内にある。
【0010】
この実施形態の更なる態様によれば、本方法は、上記スロットへコンテンツを配信するステップを更に含むことができる。
【0011】
この実施形態の更なる態様によれば、上記距離が上記スロットのエッジから上記表示領域の上記位置までの斜めの距離であってもよく、上記表示領域の上記位置が上記表示領域のエッジであってもよい。
【0012】
この実施形態の更なる態様によれば、上記距離が上記スロットの中心から上記表示領域の上記位置までの斜めの距離であってもよく、上記表示領域の上記位置が上記表示領域の上記中心であってもよい。
【0013】
この実施形態の更なる態様によれば、上記距離が、上記表示領域の上記位置までの上記スロットの第1の位置の縦方向の距離及び横方向の距離のうちの少なくとも一方であってもよい。
【0014】
この実施形態の更なる態様によれば、本方法は、ウェブページがスクロールしていることを判断するステップであって、上記スクローリングが縦方向のスクローリング、横方向のスクローリング、又は斜め方向のスクローリングのうちの少なくとも1つを含むことができる、判断するステップと、上記スクローリングに基づいて上記ウェブページのスクローリング速度を決定するステップとを更に含むことができる。
【0015】
この実施形態の更なる態様によれば、本方法は、スクローリングしきい値に対して上記スクローリング速度を比較するステップと、上記スクローリング速度が上記スクローリングしきい値よりも大きいことを判断するステップとを更に含ことができる。
【0016】
この実施形態の更なる態様によれば、本方法は、上記スロットへコンテンツを配信するステップを更に含むことができる。
【0017】
この実施形態の更なる態様によれば、本方法は、スクローリングしきい値に対して上記スクローリング速度を比較するステップと、上記スクローリング速度が上記スクローリングしきい値よりも小さいことを判断するステップとを更に含むことができる。
【0018】
この実施形態の更なる態様によれば、本方法は、上記スロットへの配信のためコンテンツを待ち行列に入れるステップを更に含むことができ、上記コンテンツは、上記スクローリング速度が上記スクローリングしきい値以上であると判断されるときに上記スロットへ配信されることがある。
【0019】
もう1つの実施形態によれば、技術は、ウェブページのスロットを決定し、上記ウェブページを表示しているウェブブラウザの表示領域を決定し、上記スロットから上記表示領域のある位置までの距離を決定し、第1のしきい値に対して上記距離を比較するように構成され、上記距離がピクセルで測定されることがある、プロセッサを備える、コンテンツ配信のためのシステムとして実現されることがある。
【0020】
この実施形態の更なる態様によれば、上記プロセッサは、上記距離が上記第1のしきい値よりも大きいことを判断するように更に構成されることがあり、上記距離が第1のしきい値よりも大きいときには、上記スロットが上記表示領域の外である。
【0021】
この実施形態の更なる態様によれば、前記プロセッサが、上記スロットへの配信のためコンテンツを待ち行列に入れるように更に構成されることがあり、上記距離が上記第1のしきい値よりも小さいと判断されるときに、上記コンテンツが上記スロットへ配信されることがある。
【0022】
この実施形態の更なる態様によれば、上記プロセッサは、上記距離が上記第1のしきい値以下であることを判断するように更に構成されることがあり、上記距離が上記第1のしきい値以下であるときには、上記スロットが上記表示領域内にある。
【0023】
この実施形態の更なる態様によれば、上記プロセッサが、上記スロットへコンテンツを配信するように更に構成されることがある。
【0024】
もう1つの実施形態によれば、技術が、ウェブページのスロットを決定するステップと、上記ウェブページを表示しているウェブブラウザの表示領域を決定するステップと、ウェブページがスクロールしていることを判断するステップと、上記スクローリングに基づいて上記ウェブページのスクローリング速度を決定するステップと、スクローリングしきい値に対して上記スクローリング速度を比較するステップとを含む、コンテンツ配信の方法として実現されることがある。
【0025】
この実施形態の更なる態様によれば、本方法は、上記スクローリング速度が上記スクローリングしきい値よりも大きいことを判断するステップと、上記スロットへ配信のためコンテンツを待ち行列に入れるステップであって、上記スクローリング速度が上記スクローリングしきい値以上であると判断されるときに、上記コンテンツが上記スロットへ配信されることがある、待ち行列に入れるステップとを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本開示を十分に理解することを容易にするために、ここで添付した図面を参照する。図面では、類似の要素が類似した番号で参照される。これらの図面は、本開示を限定するようには解釈すべきではなく、単に例証であるものとする。
図1図1は、本開示の1つの実施形態によるコンテンツ配信システムを示す図である。
図2図2は、本開示の1つの実施形態によるレンダリングプロセッサ及びレンダリングプロセッサが実行する様々なプロセスの展開した表示を示す図である。
図3図3は、本開示の1つの実施形態によるコンテンツ配信動作の例示的なフローチャートである。
図4A図4Aは、本開示の1つの実施形態にしたがったコンテンツ配信動作のパフォーマンスを比較している棒グラフである。
図4B図4Bは、本開示の1つの実施形態にしたがったコンテンツ配信動作のパフォーマンスを比較している棒グラフである。
図4C図4Cは、本開示の1つの実施形態にしたがったコンテンツ配信動作のパフォーマンスを比較している棒グラフである。
図4D図4Dは、本開示の1つの実施形態にしたがったコンテンツ配信動作のパフォーマンスを比較している棒グラフである。
図4E図4Eは、本開示の1つの実施形態にしたがったコンテンツ配信動作のパフォーマンスを比較している棒グラフである。
図4F図4Fは、本開示の1つの実施形態にしたがったコンテンツ配信動作のパフォーマンスを比較している棒グラフである。
【実施形態の詳細な説明】
【0027】
下記の説明では、数多くの具体的な詳細が、開示した主題のシステム及び方法並びにこのようなシステム及び方法が開示した主題の十分な理解を提供するために動作することができる環境に関して記述されている。しかしながら、開示した主題が、このような具体的な詳細なしに実行されてもよいこと、及びこの分野では良く知られているある種の特徴が、開示した主題の複雑化を避けるために詳細には説明されないことが当業者には明らかであろう。加えて、下記に提供される例は、例示的であり、開示した主題の範囲内である他のシステム及び方法があることが予期されることが理解されるであろう。
【0028】
図1は、本開示の1つの実施形態によるコンテンツ配信システム100を示す。図1に示したように、システム100は、1つ又は複数のデバイス102を含む。デバイス102は、例えば、携帯電話機又はセルラ電話機、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、等のポータブルデバイスであってもよい。或いは、デバイス102は、デスクトップコンピュータ、サーバ、又はいずれかの他の種類のコンピューティングデバイスであってもよい。デバイス102は、ウェブサイトサーバ106及び/又は広告サーバ108によって配信されるコンテンツを視聴するために使用されることがある。コンテンツは、ウェブブラウザ又はインターネットコンテンツブラウザ等のブラウザを介してデバイス102上で視聴されてもよい。デバイス102は、コンテンツを表示するためのある種の要件を有することがある。例えば、デバイス102は、デバイスで視聴されるコンテンツがある種の表示解像度を有することを必要とすることがある。代替で又は加えて、デバイス102は、デバイスで視聴されるコンテンツがある種のデータサイズ及び/又は寸法でのディスプレイサイズを有することを必要とすることがある。
【0029】
システム100は、ネットワーク104をさらに含む。ネットワーク104は、例えば、インターネットであってもよい。ネットワーク104は、セルラネットワーク又はWIFIネットワークによって形成されることがある。ネットワーク104は、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)であってもよい。ネットワーク104は、ワイアレスネットワーク又は有線ネットワークであってもよい。ネットワーク104は、図1の様々な要素同士の間の通信を提供することができる。
【0030】
システム100は、1つ又は複数のウェブサイトサーバ106をさらに含む。ウェブサイトサーバ106は、特定のウェブサイトに対応するコンテンツを包含することができる。例えば、ウェブサイトサーバ106は、特定のウェブサイトに関するウェブページデータを含むことができる。デバイス102は、ネットワーク104を介してウェブサイトサーバ106にアクセスすることができる。例えば、デバイス102は、ウェブサイトサーバ106に記憶されたウェブページデータを有するある種のウェブサイトへそれ自体のブラウザを向けることができる。ウェブサイトサーバ106は、次いでウェブページデータをデバイス102に配信することができ、デバイス102は、それ自体のブラウザにウェブページデータを表示することができる。
【0031】
システム100は、1つ又は複数の広告サーバ108を含むこともできる。広告サーバ108は、単独で又はウェブサイトサーバ106からのウェブページデータとともにデバイス102へ配信するための広告コンテンツを包含することができる。例えば、広告サーバ108は、ウェブサイトサーバ106からのウェブページデータとともにデバイス102のブラウザを介して視聴される及び/又は聞かれるビデオ、画像、オーディオビジュアル、及び/又はオーディオ広告コンテンツを含むことができる。広告サーバ108は、広告スロット及びメディア空間上で販売を提供するサプライサイドプラットフォーム(SSP)技術、広告のビディングを認めるデマンドサイドプラットフォーム(DSP)技術、並びにSSP及び/又はDSPに関係する1つ又は多数のライブラリのうちの1つ又は複数を更に含むことができる。広告サーバ108は、例えば、1つ又は複数のグーグルパブリッシャタグ(GPT)ライブラリを含むこともできる。
【0032】
システム100は、レンダリングプロセッサ110を含むこともできる。レンダリングプロセッサ110は、データベース、サーバ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ポータブルデバイス、等であってもよい。レンダリングプロセッサ110は、広告サーバ108、ウェブサイトサーバ106、及びライブラリデータベース112とネットワーク104を介して通信することができる。レンダリングプロセッサ110は、広告サーバ108又はウェブサイトサーバ106のいずれかに代わりに統合されてもよく、同じコンピューティングデバイスの一部であってもよい。レンダリングプロセッサ110は、デバイス102へ広告サーバ108により提供される広告コンテンツを選択しローディングする際に速度及び効率の向上を提供するために様々なプロセスを実行することができる。レンダリングプロセッサ110は、非同期方式又は同期方式でプロセスを実行することができる。レンダリングプロセッサ110は、図2で更に詳細に説明される。
【0033】
図2は、本開示の1つの実施形態によるレンダリングプロセッサ110及びレンダリングプロセッサが実行する様々なプロセスの展開した表示を示す。図2により示されるように、レンダリングプロセッサ110は、デバイス検出202のためのプロセスを含む。デバイス検出202中に、レンダリングプロセッサ110は、広告コンテンツが配信されるであろうデバイス102を検出する。レンダリングプロセッサ110は、例えば、ジャバスクリプト(登録商標)を使用して任意のデバイス102に対する広告コンテンツをレンダリングすることができる。レンダリングプロセッサ110は、例えば、異なるコンテンツ解像度及び/又は寸法必要条件を有する異なる種類のデバイス102にレンダリングするために異なるジャバスクリプトコーディングを必ずしも使用する必要がない。代わりに、レンダリングプロセッサ110は、いかなる種類のデバイス102に対してもレンダリングするために単一のジャバスクリプトコーディングを使用することができる。
【0034】
レンダリングプロセッサ110は、広告スロット構成204のためのプロセスを更に含むことができる。広告スロット構成204は、デバイス102上で視聴されるウェブページ用に広告コンテンツを構成することを含むことができる。例えば、レンダリングプロセッサ110は、デバイス102についての要求される解像度及び/又は寸法でのディスプレイサイズを有する広告を呼び出すために広告スロット構成204を使用することができる。デバイス102が高解像度画面を有する場合には、デバイス102は、高解像度を有する広告コンテンツを要求することができる。その上、デバイス102が(例えば、タブレットコンピュータ又は携帯電話機であるという理由で)限られたディスプレイ窓を有する場合に、デバイス102は適切な寸法でのディスプレイサイズを有する広告コンテンツを要求することができる。レンダリングプロセッサ110は、デバイス102のこのような特性を考慮するデバイス102用の適切な広告を選択するために広告スロット構成204を使用することができる。広告スロット構成204は、広告コンテンツを構成するときにターゲティングキー値を利用することもできる。例えば、広告スロット構成204は、デバイス102に関係するキー値を使用してレンダリングするために広告コンテンツのジャンル又は対象を決定することができる。キー値は、クッキー、ローカルストレージ、又はデバイス102の他の利用可能なデータリソースに見つけられることがある。
【0035】
広告スロット構成204は、広告スロットに広告コンテンツを表示するための時間枠を更に決定することができる。例えば、広告スロット構成204は、あるスロットにおける広告コンテンツに関する開始日、開始時間、終了データ、及び終了時間のうちの1つ又は複数を設定することができる。時間枠が終了すると、広告コンテンツはスロット内で自動的に置き換えられてもよい。
【0036】
レンダリングプロセッサ110は、カスタムHTMLタグプロセス206を含むことができる。カスタムHTMLタグプロセス206は、デバイス102のブラウザ、ウェブサイトサーバ106のウェブページデータ、及び広告サーバ108の広告コンテンツのうちの1つ又は複数と関係するカスタムHTMLタグを決定することを含むことができる。カスタムHTMLタグプロセス206においてカスタムHTMLタグを認識し処理することによって、レンダリングプロセッサ110は、ウェブページデータに関係する広告スロットの必要条件、並びに(例えば、解像度及びディスプレイ寸法等の)デバイス102の必要条件を認識することができる。その上、カスタムHTMLタグプロセス206は、広告コンテンツが生成される又はデバイス102上に表示する準備ができているときに反映する広告コンテンツのカスタムHTMLタグを認識することができる。カスタムHTMLタグプロセス206は、構文解析(parse、パース)されなければならないHTMLコードの量を減少させることができるという理由で、レンダリングプロセッサ110が動作する速度を改善することができる。
【0037】
レンダリングプロセッサ110は、キー値ターゲティング208を含むことができる。レンダリングプロセッサ110は、ある種の対象、ジャンル、及び製品に対応するキー値の集合を含むことができる。キー値は、例えば、ある種の単語、ウェブサイトアドレス、及び/又は記述子を含むことができる。キー値ターゲティング208では、レンダリングプロセッサ110は、レンダリングプロセッサ110のキー値の集合に一致する又はほぼ対応するデータに関するデバイス102の、例えば、クッキー、ブラウジング履歴、及び/又はローカルストレージのデータを解析することができる。このような解析を実行することにより、レンダリングプロセッサ110は、デバイス102のユーザに関心のあるものであり得る広告コンテンツを特定することができ、デバイス102へ送信すべきこのようなコンテンツの選択を可能にすることができる。これゆえ、キー値ターゲティング208は、ターゲットの広告が特定のデバイス102へ送信され得ることを提供することができる。
【0038】
新しいキー値が、レンダリングプロセッサ110に継続的に追加されることがある。これらの新しいキー値は、デバイス206に関係するデータを解析するときに、それ以降使用されることがある。更にその上、キー値は完全にカスタム化することができ、編集されることがある。
【0039】
レンダリングプロセッサ110は、動的インライン広告挿入210に関するプロセスを含むことができる。このプロセスは、広告サーバ108から選択した広告がウェブページの本体に何時そして何所に挿入されるかを決定する。例えば、レンダリングプロセッサ110は、広告コンテンツが、例えば、ウェブページのある数の段落、単語、又は文字の後に配置されるべきであるかどうかを判断するためにこのプロセスを使用することができる。レンダリングプロセッサ110は、広告コンテンツがウェブページの全体に又はウェブページの1つの場所だけに載せられるべきであるかどうかを判断するために動的インライン広告挿入210を使用することができる。例えば、このプロセスは、異なる又は同じ広告コンテンツが、例えば、ある数の段落、単語、又は文字だけ離れた異なる位置にウェブページ全体に配置されるべきであるかどうかを判断することができる。
【0040】
その上、レンダリングプロセッサ110は、広告コンテンツがウェブページ上の画像及び/若しくはビデオコンテンツの次に配置されるべきであるかどうか、又は広告コンテンツが、バッファスペースだけ、若しくはウェブページ上のある数の段落、単語、又は文字だけ画像及び/若しくはビデオコンテンツから代わりに距離を置かれるべきであるかどうかを判断するためにこのプロセスを使用することができる。動的インライン広告挿入210は、ウェブページ上に表示される広告コンテンツの量を制限することもできる。例えば、あるしきい値よりも少ない複数の段落、単語又は文字の数を有する短いニュース記事を表示するウェブページに関して、動的インライン広告挿入210は、ウェブページに対して単一の広告だけに限定することができる。対照的に、例えば、あるしきい値よりも多い段落、単語又は文字の数を有する長い長さのものであるニュース記事を表示するウェブページに関して、動的インライン広告挿入210は、単一の広告よりも多くをウェブページに認めることができる。
【0041】
レンダリングプロセッサ110は、SSP(サプライサイドプラットフォーム)ライブラリプロセス212を含むことができる。ここで、レンダリングプロセッサ110は、広告サーバ106が含んでいる1つ又は複数のSSPライブラリに基づいて広告サーバ106へ単一のビッド符号を送信することができる。広告サーバ106は、サーバ間のビディングを実行することができ、デバイス102によって表示されるウェブページへの挿入のため広告を配信することができる。レンダリングプロセッサ110がSSPライブラリプロセス212中に広告サーバ106へ単一のビッド符号を単に送る必要があるという理由で、広告が配信され得る速度が大きくなることがある。その上、多数のSSPライブラリが、広告配信の速度を損なうことなく利用されることがある。SSPライブラリに関係する1つ又は複数のSSPスクリプトは、(例えば、レンダリングプロセッサ110又はデバイス102のところの)クライアント側スクリプト又は(広告サーバ106のところの)サーバ側スクリプトであってもよい。
【0042】
レンダリングプロセッサ110は、GTP(グーグルパブリッシャタグ(Google Publisher Tag))ライブラリプロセス214を含むことができる。このプロセスは、例えば、ダブルクリックフォーパブリッシャ(DoubleClick for Publisher:DFP)とともに使用されることがある。ここで、広告サーバ106からの配信された広告が、デバイス102により表示されるウェブページへのレンダリング及び発行のために準備されることがある。
【0043】
レンダリングプロセッサ110は、スロット位置解析216のためのプロセスを含むことができる。スロット位置解析216では、レンダリングプロセッサ110は、ロードしたウェブページの広告スロットの位置を解析し且つ決定し、そしてウェブページを表示するデバイス102ブラウザの表示領域をさらに解析し且つ決定する。レンダリングプロセッサ110は、ウェブページがデバイス102のブラウザにおいてユーザにより上、下、及び横並びにスクロールされているときを認識することができ、ブラウザの視聴可能な表示領域を決定することができる。このような解析を実行することによって、レンダリングプロセッサ110は、広告スロットがブラウザの視聴可能な表示領域内に位置しているか、又はデバイス102のユーザには視聴可能ではないウェブページの領域の画面外に位置しているかどうかを判断することができる。広告スロットが画面外に位置する場合には、そのスロットに関する広告コンテンツは、レンダリングされない。しかしながら、広告スロットがブラウザの視聴可能な表示領域まである数のピクセル内に、又はブラウザに視聴可能な表示領域に位置するときには、レンダリングプロセッサ110は、広告スロットに広告をビディングしそしてレンダリングするためのプロセスを実行することができる。スロット位置解析216は、ブラウザの視聴可能な領域内の又は近い広告だけが表示されるという理由で、ウェブページに関するローディング時間の改善を可能にすることができる。その上、視聴しない広告の不必要なローディングが回避されるという理由で、広告は、このプロセスによっては無駄にされない。加えて、ブラウザの視聴可能な表示領域まである数のピクセル内である広告のレンダリングを可能にすることによって、デバイス102のユーザは、表示領域が視聴される時間までに広告がおそらくロードされているという理由で、広告を見る可能性が高いことがある。
【0044】
図3は、本開示の1つの実施形態によるコンテンツ配信動作300の例示的なフローチャートを示す。ステップ302において、ウェブページが、例えば、デバイス102等のデバイスにロードされる。ウェブページは、例えば、ウェブサイトサーバ106等のサーバからロードされることがある。ウェブページがデバイスにロードされてしまうと、デバイスは、ウェブページに関係するキャッシュを含む。ウェブページに関係するライブラリの従属性及びカスケーディングスタイルシート(CSS)は、ウェブページがロードされた後で、ローダーJSジャバスクリプト(LoaderJSjavascript)ファイルにより非同期的にロードされることがある。ソース従属性ライブラリ等の従属性ライブラリに関するサーバ側又はクライアント側キャッシュングが生じることがある。
【0045】
ステップ304において、広告スロット構成がロードされる。ここで、ロードしたウェブページ上に位置する広告スロットが、広告コンテンツを受信するために構成され且つ準備される。ステップ306及びステップ308において、1つ又は複数のSSPライブラリ及び1つ又は複数のGPTライブラリがロードされ、そして広告コンテンツが、広告サーバ108からレンダリング及び配信のために準備される。広告スロット構成は、ステップ308でのGPT設定値の構成を可能にし、これが他の設定値の中で、ターゲティング、サイズ、ノード、非同期又は同期ローディングの設定を可能にすることができる。これらの設定値が、ジャバスクリプトにより符号化されることがある。ある種の実施形態によれば、スクリプトのすべて並びにページ、スクリプト及びライブラリのローディングは、同じ時間又は実質的に同じ時間に生じることがあり、ソース従属性ライブラリ等のライブラリ及びスクリプトに関するサーバ側又はクライアント側キャッシュングが生じることがあることに留意すべきである。
【0046】
ステップ310において、キー値ターゲティングが実行されることがある。図2を参照して上に論じたように、レンダリングプロセッサ110は、レンダリングプロセッサ110のキー値の集合に一致する又はほぼ対応するデータについてデバイス102の、例えば、クッキー、ブラウジング履歴、及び/又はローカルストレージ内のデータを解析することができる。このような解析を実行することによって、レンダリングプロセッサ110は、デバイス102のユーザにとって関心のありそうな広告コンテンツを特定することができ、そしてデバイス102へ送信されるべきこのようなコンテンツの選択を可能にすることができる。
【0047】
ステップ312において、カスタムタグプロセスが生じる。ここで、図2に関して上に論じたように、デバイス102のブラウザ、ウェブサイトサーバ106のウェブページデータ、及び広告サーバ108の広告コンテンツのうちの1つ又は複数と関係するカスタムHTMLタグが決定される。カスタムHTMLタグプロセス206においてカスタムHTMLタグを認識し且つ処理することによって、レンダリングプロセッサ110は、ウェブページデータに関係する広告スロットの必要条件、並びに(例えば、解像度及びディスプレイ寸法等の)デバイス102の必要条件を認識することができる。その上、カスタムHTMLタグプロセス206は、このようなコンテンツが生成される又はデバイス102上での表示のために準備ができているときに反映する広告コンテンツのカスタムHTMLタグを認識することができる。ステップ312の後で、広告コンテンツはレンダリングされる準備ができている。
【0048】
ステップ314において、デバイス102のウェブページ視聴位置が決定される。図2に関して上に論じたように、レンダリングプロセッサ110は、ロードしたウェブページの広告スロットの位置を解析し且つ決定し、そしてウェブページを表示するデバイス102ブラウザの表示領域をさらに解析し且つ決定する。レンダリングプロセッサ110は、広告スロットがブラウザの視聴可能な表示領域内に位置するか、又はデバイス102のユーザには視聴可能でないウェブページの領域の画面外に位置するかどうかを決定することができる。広告スロットが画面外に位置する場合には、そのスロットに関する広告コンテンツは、レンダリングされず、代わりに、スロットが画面上に又はブラウザの視聴可能な表示領域まである数のピクセル内に位置するまでステップ316で待ち行列に入れられる。レンダリングプロセッサ110は、広告スロットがブラウザの視聴可能な表示領域まである数のピクセルの外(例えば、プリレンダ範囲の外又はプリレンダしきい値よりも大きい)に位置するときには、広告スロットが画面外に位置することを決定することができる。
【0049】
広告スロットがブラウザの視聴可能な表示領域まである数のピクセル内(例えば、プリレンダ範囲の内側又はプリレンダ範囲しきい値以下)に位置する場合には、レンダリングプロセッサ110は、広告スロットの広告コンテンツをビディングし且つレンダリングするためにそれ自体のプロセスを実行することができる。SSPビディング及びDFP広告呼出しが実行され得るステップ318及びステップ320が生じることがある。ステップ318のSSPビディングは、ヘッダSSPビディングであってもよく、これはデバイス102のユーザによりふさわしい広告コンテンツの改善を提供することができるが、待ち時間及びロードしたウェブページに広告を配信し且つロードするために要する時間を増加させることがある。これゆえ、ステップ318のSSPビディングは、必ずしもヘッダSSPビディングである必要はない。本開示の実施形態では、ヘッダビディングスクリプトは、例えば、A9、Index Exchange、Criteo、OpenX、AOL、及びFaceBook(登録商標)を含むことができる。これらのスクリプトは、ライブデータベースからフェッチし、非同期的にロードすることができる。ある実施形態では、スプリプのうちのいずれかがロードするためのプリセット時間値(例えば、400ms)よりも長くかかる場合には、システムのパフォーマンスを保護するため及び最大の得られる視聴可能性を可能にするためにこのスクリプトはスキップされるだろう。ステップ318及び/又はステップ320におけるプロセスが長くかかり過ぎる場合には、キャッシュした広告スクリプト及び/又は他のキャッシュしたデータがデバイス102へ広告を配信するために使用されるところでは、直接広告キャンペーンが代わりに提供されることがある。例えば、ステップ318及び/又はステップ320において費やした時間がしきい値を超える場合には、キャッシュした広告スクリプト及び/又は他のキャッシュしたデータが、デバイス102へ広告を配信するために使用されることがある。
【0050】
ステップ318及びステップ320の後で、広告コンテンツが、ロードしたウェブページへのレンダリング及び発行のために選択され且つ準備される。
【0051】
プリレンダ範囲が、広告スロットのエッジ、中心、又は任意の他の位置からブラウザの視聴可能な表示領域のエッジ、中心、又は任意の他の位置まで斜めに、縦に、及び/又は横にある数のピクセルであってもよいことに留意すべきである。
【0052】
ステップ316におけるプリレンダ範囲解析の代わりに又は加えて、スクローリング速度が、レンダリングプロセッサ110によって解析されることがある。例えば、レンダリングプロセッサ110は、ウェブページが横に、縦に、及び/又は斜めにどのようにスクロールされるかを解析することによって、デバイス102のユーザがブラウザのウェブページをどれだけ早くスクロールしているかを推定することができる。スクローリングは、例えば、ユーザの指若しくはスタイラスでデバイス102のタッチスクリーンインターフェースをユーザがタッチすることにより、例えば、ユーザの指若しくはスタイラスでデバイス102のタッチスクリーンインターフェースをスワイプすることにより、又は例えば、デバイス102に関係するコンピュータマウス、キーボード、若しくは他の入力デバイスをユーザが操作することにより、実行されることがある。スクローリングは、ユーザの体の検出した動きを使用するデバイス102又はユーザのいくつかの他の様相若しくはユーザの動作を測定するデバイス102等、ユーザによるいくつかの他の方法で代わりに実行されることがある。この解析を使用して、レンダリングプロセッサ110は、現在、ブラウザの視聴可能な表示領域の外にある広告スロットが視聴可能な表示領域の内側に位置するようになる時間を判断することができる。例えば、スクローリング速度がしきい値よりも遅く、且つ広告がある時間枠内にブラウザの視聴可能な表示領域に表示される可能性がなさそうな場合には、そのスロットに関する広告コンテンツは、レンダリングされず、代わりに、スロットがある時間枠内にブラウザの視聴可能な表示領域に表示されそうになるまでステップ316で待ち行列に入れられる。或いは、例えば、スクローリング速度がしきい値以上であり且つ広告がある時間枠内にブラウザの視聴可能な表示領域に表示されようとしている場合には、レンダリングプロセッサ110は、広告スロットにおいて広告コンテンツをビディングする又はレンダリングするためにそれ自体のプロセスを実行することができ、ステップ318及びステップ320が生じることがある。
【0053】
ステップ314のプロセス及び解析が自動的に生じることがある。例えば、複数の広告スロットは、ブラウザの視聴可能な表示領域までのスロットの距離及び/又は解析したスクローリング速度に基づいて自動的に優先順位付けされることがある。例えば、デバイス102のブラウザの視聴可能な表示領域がウェブページの中心部分にあるように、デバイス102のユーザがデバイス102をスクロールした場合に、中心部分の広告スロットが、自動的にレンダリングされ且つ表示されることがある一方で、視聴可能な表示領域の外の広告スロットがレンダリングされないことがある。別の一例では、広告がブラウザの視聴可能な表示領域におそらく存在するように判断される結果になる速度で、デバイス102のユーザがデバイス102をスクロールした場合、視聴可能な表示領域の広告スロットが、自動的にレンダリングされ且つ表示されることがある一方で、視聴可能な表示領域の外の広告スロットがレンダリングされないことがある。
【0054】
ステップ314のプロセスは、広告コンテンツがウェブページへ配信される速度及び/又はウェブページがロードする速度の向上に役立つことがある。これは、ライブラリ及び他のスクリプトのローディングが広告レンダリングの前に実行されるためである。データが重いことがある広告レンダリングは、上に論じたように、広告が視聴可能な領域に位置する又は視聴可能な領域の近くになるまで保存される。
【0055】
最後に、ステップ322において、広告コンテンツが、デバイス102のブラウザの視聴可能な領域内にある(1つ又は複数の)構成したスロットに対してロードしたウェブページへ配信される。広告コンテンツがロードしたウェブページへ配信された後で、プロセスはステップ314へ戻り、ウェブページ視聴位置が再び計算される。プロセスはそのときには、ロードしたウェブページについてステップ314から再び継続する。新しいウェブページがロードされる、又は現在のページが再ロードされる場合には、プロセスはステップ302において再開する。
【0056】
コンテンツ配信動作300はこれゆえ、デバイス102等のコンピューティングデバイスへのコンピュータ化したリアルタイム及び/又はほぼ瞬時の広告コンテンツ配信を提供することができる。
【0057】
図4A図4Fは、本開示の1つの実施形態にしたがったコンテンツ配信動作300のパフォーマンスを比較している棒グラフを示す。
【0058】
図4A図4Eは、ウェブページ上の様々な広告スロットについてヘッダSSPビディングの有り及び無しの動作300のパフォーマンスをヘッダSSPビディングの有り及び無しの従来の広告コンテンツ配信に対して比較している棒グラフを示す。ヘッダSSPビディングは、上に論じたように動作300のステップ318において実行されることがある。図4A図4Eによって示したように、動作300は、ほぼすべての広告スロットで従来の広告コンテンツ配信を上回った、そして従来の配信システムと比較して少ない待ち時間で広告コンテンツ配信を提供した。
【0059】
図4Fは、図4A図4Eにおいて解析したすべての広告スロットについてヘッダSSPビディングの有り及び無しの動作300のパフォーマンスに関する平均総合待ち時間をヘッダSSPビディング有り及び無しの従来の広告コンテンツ配信に対して示す。図4Fによって示したように、ヘッダSSPビディング無しの動作300は、従来の広告コンテンツ配信システムよりも実質的に小さかった総合平均待ち時間を有していた。ヘッダSSPビディング有りの動作300は、従来の広告コンテンツ配信システムと比較して実質的に小さい平均待ち時間でさらに実行した。
【0060】
この点で、上に説明したような本開示にしたがってコンピューティングデバイスへコンピュータ化したリアルタイム及び/又はほぼ瞬時の広告コンテンツ配信を提供するための技術がハードウェア又はソフトウェアに実装されることがある処理を含むことができることに留意すべきである。例えば、特定の電子部品が、上に説明したような本開示にしたがってコンピューティングデバイスへコンピュータ化したリアルタイム及び/又はほぼ瞬時の広告コンテンツ配信を提供することに関係する機能を実施するためのサーバ又は類似の若しくは関連する回路に採用されることがある。或いは、命令にしたがって動作する1つ又は複数のプロセッサは、上に説明したような本開示にしたがってコンピューティングデバイスへコンピュータ化したリアルタイム及び/又はほぼ瞬時の広告コンテンツ配信を提供することに関係する機能を実施することができる。そのような場合は、このような命令が、1つ若しくは複数の非一時的なプロセッサ可読記憶媒体(例えば、磁気ディスク若しくは他の記憶媒体)に記憶されることがあること、又は1つ若しくは複数の搬送波に取り入れられた1つ若しくは複数の信号を介して1つ若しくは複数のプロセッサへ送信されることがあることは、本開示の範囲内である。
【0061】
本開示は、本明細書において説明した特定の実施形態による範囲に限定されるべきではない。実際に、本明細書において説明したものに加えて、本開示の他の様々な実施形態及び修正形態は、前述の説明及び添付した図面から当業者には明らかだろう。したがって、このような他の実施形態及び修正形態は、本開示の範囲内になるものとする。更に、本開示が少なくとも1つの特定の目的のために少なくとも1つの特定の環境において少なくとも1つの特定の実装形態の文脈で本明細書において説明されてきているとは言え、本開示の有用性が本開示に限定されないこと及び本開示が任意の数の目的のために任意の数の環境において有利に実施され得ることを、当業者なら認識するだろう。したがって、下記に記述する特許請求の範囲は、本明細書において説明したように本開示の十分な広がり及び精神を考慮して解釈すべきである。
[発明の項目]
[項目1]
コンテンツ配信の方法であって、
ウェブページのスロットを決定するステップと、
前記ウェブページを表示しているウェブブラウザの表示領域を決定するステップと、
前記スロットから前記表示領域のある位置までの距離を決定するステップと、
第1のしきい値に対して前記距離を比較するステップであり、前記距離がピクセルで測定されている、比較するステップと、
を含む、方法。
[項目2]
前記距離が前記第1のしきい値よりも大きいことを判断するステップ
を更に含み、
前記距離が第1のしきい値よりも大きいときには、前記スロットが前記表示領域の外である、
項目1に記載の方法。
[項目3]
前記スロットへの配信のためコンテンツを待ち行列に入れるステップ
を更に含み、
前記コンテンツは、前記距離が前記第1のしきい値よりも小さいと判断されるときに前記スロットへ配信される、
項目2に記載の方法。
[項目4]
前記距離が前記第1のしきい値以下であることを判断するステップ
を更に含み、
前記距離が第1のしきい値以下であるときには、前記スロットが前記表示領域内にある、
項目1に記載の方法。
[項目5]
前記スロットへコンテンツを配信するステップ
を更に含む、項目4に記載の方法。
[項目6]
前記距離が前記スロットのエッジから前記表示領域の前記位置までの斜めの距離であり、前記表示領域の前記位置が前記表示領域のエッジである、項目1に記載の方法。
[項目7]
前記距離が前記スロットの中心から前記表示領域の前記位置までの斜めの距離であり、前記表示領域の前記位置が前記表示領域の前記中心である、項目1に記載の方法。
[項目8]
前記距離が、前記表示領域の前記位置までの前記スロットの第1の位置の縦方向の距離及び横方向の距離のうちの少なくとも一方である、項目1に記載の方法。
[項目9]
ウェブページがスクロールしていることを判断するステップであって、前記スクロールが縦方向のスクローリング、横方向のスクローリング、又は斜め方向のスクローリングのうちの少なくとも1つを含む、判断するステップと、
前記スクローリングに基づいて前記ウェブページのスクローリング速度を決定するステップと
を更に含む、項目1に記載の方法。
[項目10]
スクローリングしきい値に対して前記スクローリング速度を比較するステップと、
前記スクローリング速度が前記スクローリングしきい値よりも大きいことを判断するステップと
を更に含む、項目9に記載の方法。
[項目11]
前記スロットへコンテンツを配信するステップ
を更に含む、項目10に記載の方法。
[項目12]
スクローリングしきい値に対して前記スクローリング速度を比較するステップと、
前記スクローリング速度が前記スクローリングしきい値よりも小さいことを判断するステップと
を更に含む、項目9に記載の方法。
[項目13]
前記スロットへの配信のためコンテンツを待ち行列に入れるステップ
を更に含み、
前記コンテンツは、前記スクローリング速度が前記スクローリングしきい値以上であると判断されるときに前記スロットへ配信される、
項目12に記載の方法。
[項目14]
コンテンツ配信のためのシステムであって、
ウェブページのスロットを決定し、
前記ウェブページを表示しているウェブブラウザの表示領域を決定し、
前記スロットから前記表示領域のある位置までの距離を決定し、
第1のしきい値に対して前記距離を比較し、前記距離がピクセルで測定されている、
ように構成されたプロセッサ
を備える、システム。
[項目15]
前記プロセッサは、
前記距離が前記第1のしきい値よりも大きいことを判断する
ように更に構成されており、
前記距離が第1のしきい値よりも大きいときには、前記スロットが前記表示領域の外である、
項目14に記載のシステム。
[項目16]
前記プロセッサが、
前記スロットへの配信のためコンテンツを待ち行列に入れる
ように更に構成されており、前記距離が前記第1のしきい値よりも小さいと判断されるときには、前記コンテンツが前記スロットへ配信される、
項目15に記載のシステム。
[項目17]
前記プロセッサは、
前記距離が前記第1のしきい値以下であることを判断する
ように更に構成されており、
前記距離が前記第1のしきい値以下であるときには、前記スロットが前記表示領域内にある、
項目14に記載のシステム。
[項目18]
前記プロセッサが、
前記スロットへコンテンツを配信する
ように更に構成されている、項目17に記載のシステム。
[項目19]
コンテンツ配信の方法であって、
ウェブページのスロットを決定するステップと、
前記ウェブページを表示しているウェブブラウザの表示領域を決定するステップと、
ウェブページがスクロールしていることを判断するステップと、
前記スクロールに基づいて前記ウェブページのスクローリング速度を決定するステップと、
スクローリングしきい値に対して前記スクローリング速度を比較するステップと、
を含む、方法。
[項目20]
前記スクローリング速度が前記スクローリングしきい値よりも大きいことを判断するステップと、
前記スロットへ配信のためコンテンツを待ち行列に入れるステップであって、前記スクローリング速度が前記スクローリングしきい値以上であると判断されるときには、前記コンテンツが前記スロットへ配信される、待ち行列に入れるステップと、
を更に含む、項目19に記載の方法。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F