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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-15
(45)【発行日】2022-08-23
(54)【発明の名称】微粒子
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/42 20060101AFI20220816BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20220816BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20220816BHJP
   A61K 47/18 20060101ALI20220816BHJP
   A61K 9/127 20060101ALI20220816BHJP
【FI】
A61K38/42
A61P7/00
A61K47/12
A61K47/18
A61K9/127
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019533688
(86)(22)【出願日】2017-09-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-19
(86)【国際出願番号】 EP2017072270
(87)【国際公開番号】W WO2018042059
(87)【国際公開日】2018-03-08
【審査請求日】2020-09-07
(31)【優先権主張番号】1615050.0
(32)【優先日】2016-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519077300
【氏名又は名称】スフェリテック リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(72)【発明者】
【氏名】ウェリングス ドナルド エイ
【審査官】佐々木 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-513737(JP,A)
【文献】YU XIONG,HEMOGLOBIN-BASED OXYGEN CARRIER MICROPARTICLES: SYNTHESIS, PROPERTIES, AND IN VITRO AND 以下備考,BIOMACROMOLECULES,2012年10月08日,VOL:13, NR:10,,PAGE(S):3292 - 3300,http://dx.doi.org/10.1021/bm301085x,IN VIVO INVESTIGATIONS
【文献】SHAHID RAMEEZ,BIOCOMPATIBLE AND BIODEGRADABLE POLYMERSOME ENCAPSULATED HEMOGLOBIN: A POTENTIAL OXYGEN CARRIER,BIOCONJUGATE CHEMISTRY,2008年05月,VOL:19, NR:5,,PAGE(S):1025 - 1032,http://dx.doi.org/10.1021/bc700465v
【文献】Biomacromolecules, 2012, Vol.13, pp.2748-2759
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 38/00-38/58
A61K 9/00- 9/72
A61K 47/00-47/69
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物ヘモグロビンおよび自己組織化微粒子を含み、前記微粒子が、酸と親水性溶媒に可溶な有機塩基とを含前記酸が一般式HOOC-(CH 2 n -COOHの化合物であり、nは5~40であり、前記有機塩基がN-メチルモルホリン、N,N-ジメチルアミノエタノール、4-ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、1-メチルアミダゾール、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)(PDAC)、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド(DDAC)、ドデシルジプロピレントリアミン(DDPT)、及びポリ-ε-リシンのうちの1つまたは複数であり、及び酸および塩基中の酸性基対塩基性基のモル比が0.6~1.4:1である、血液代替製剤。
【請求項2】
血液代替製剤が、自己組織化微粒子によって架橋された哺乳動物ヘモグロビンを含む安定な重合ヘモグロビン溶液を含む、請求項1に記載の血液代替製剤。
【請求項3】
微粒子が、0.5~10μmの粒径を有する、請求項1又は2に記載の血液代替製剤。
【請求項4】
前記親水性溶媒に不溶または難溶である、請求項1からのいずれか1項に記載の血液代替製剤。
【請求項5】
溶媒が、水溶液と、水相内の油中水型エマルジョンとから選択される、請求項に記載の血液代替製剤。
【請求項6】
酸がブラシル酸、セバシン酸および/またはアゼライン酸を含む、請求項1からのいずれか1項に記載の血液代替製剤。
【請求項7】
微粒子が多重ラメラ構造を含む、請求項1からのいずれか1項に記載の血液代替製剤。
【請求項8】
酸がヘモグロビンと反応して架橋種を形成する、請求項1からのいずれか1項に記載の血液代替製剤。
【請求項9】
安定な重合ヘモグロビン溶液の製造における、酸と有機塩基とを含む自己組織化微粒子の使用であって、前記酸が一般式HOOC-(CH 2 n -COOHの化合物であり、nは5~40であり、前記有機塩基がN-メチルモルホリン、N,N-ジメチルアミノエタノール、4-ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、1-メチルアミダゾール、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)(PDAC)、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド(DDAC)、ドデシルジプロピレントリアミン(DDPT)、及びポリ-ε-リシンのうちの1つまたは複数であり、塩基がヘモグロビンによって置換可能であり、それによってヘモグロビンが酸と共有結合する、使用。
【請求項10】
安定な重合ヘモグロビン溶液を製造する方法であって、酸と有機塩基とを含む自己組織化微粒子を提供すること、およびヘモグロビンを微粒子と接触させて塩基を置き換えることを含み、前記酸が一般式HOOC-(CH 2 n -COOHの化合物であり、nは5~40であり、前記有機塩基がN-メチルモルホリン、N,N-ジメチルアミノエタノール、4-ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、1-メチルアミダゾール、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)(PDAC)、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド(DDAC)、ドデシルジプロピレントリアミン(DDPT)、及びポリ-ε-リシンのうちの1つまたは複数である、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微粒子、特に自己組織化微粒子、および人工血液製剤または血液代替物の成分としてのそれらの使用、および微粒子の調製方法に関する。微粒子および多孔質材料は、特に血流中の循環が必要とされる場合の広範囲の物理的および化学的プロセスにおいて有用である。
【背景技術】
【0002】
人工血液、血液代替物または酸素運搬代替物とも呼ばれる代替血液は、即時の血液供給が必要であるが従来の輸血によって供給することができない状況において非常に重要である。この状況は、例えば血友病の場合に、外傷治療室において、血液が疾患によって汚染される可能性がある場合に、移植手術中に、または医療施設から離れた遠隔地において、例えば戦場および道路交通事故において生じ得る。血液代替物の背後にある主要な目的は、ドナーの血液に多くの場合見られる免疫反応の排除、および疾病伝播の排除である。輸血に対する宗教的異議もまた、献血に関する制限要因である。血液代替物は、ドナー臓器およびその他の体内組織の貯蔵および保存にも使用することができる。
最終的代替物の製造プロセスおよびコストの費用対効果が高いこともまた重要である。60g単位のドナー血液は、通常は病院に300ドルかかるので、血液代替物の価格は1グラム当たり5ドル未満である必要があるか、または使用するための、説得力がある理由を示す必要がある。
実用的な血液代替物の開発に関する研究は、70年以上続いている。赤血球により酸素が輸送されることが研究の主な推進力となっており、そのため、ほとんどの研究は、ヘモグロビンベースの酸素運搬体(HBOC)の開発を対象としている。ヘモグロビン中の酸素の化学的運搬体はプロトポルフィリンIXであり、これによってごく最近、ポルフィリンベースの技術へのさらなる研究が刺激されている。
血液代替物としての微粒子は、例えばWO9629346、WO2006108047、米国特許第6,498,141号、HK1207560、米国特許第5,770,727号、米国特許第5,387,672号に記載されているように、知られている。
【0003】
公知の血液代替物は多くの不利益を被っている。報告されているいくつかの副作用には、一過性の皮膚の黄変、悪心、軽度から中等度の血圧上昇(10~20mm/Hg)、嘔吐、低排尿、嚥下困難、鼓腸、および低赤血球数が含まれる。HBOCを調製するための既存の方法論は、複雑な製造プロセスに悩まされ、広範囲のサイズのポリマーまたは不均一なポリマー形態のヘモグロビンをもたらす。製造プロセスは、多くの場合、スケールアップが困難な複雑な有機化学、煩雑な透析および/またはクロマトグラフィー分離技術を含む。試験または開発中の現在のHBOCは、例えばグルタルアルデヒドなどのアルデヒドを含む細胞毒性化学物質によって架橋されることが多く、架橋のメカニズムはランダムであり、明確ではなく再現が困難であることがよく知られている。二量体形態のヘモグロビンが、いくつかのHBOCにおける毒性作用の原因であり得ると仮定されているが、他のHBOCについて記載されている架橋方法が毒性の原因な可能性がある。
ヘモグロビンはビスカルボキシ脂肪酸によって架橋することができることが知られている。しかし、公知の架橋ヘモグロビンは、不利なことに広い範囲の分子量を有し、有用な製品を提供するために、ゲル浸透、アニオン交換およびカチオン交換クロマトグラフィーを含む複雑で煩雑な精製プロセスを必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らはここで、公知の血液代替製剤に関連するこれらおよび他の問題は、狭い粒径分布を与える、2つ以上のカルボン酸基を有する脂肪酸と塩基とを含む自己組織化微粒子を含む粒子状支持体、または自己組織化微粒子を接触させることによって形成されたマクロ孔質材料を提供することによって改善し得ることを見出した。微粒子は好適には生分解性である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様では、本発明は、哺乳動物ヘモグロビンおよび自己組織化微粒子を含む血液代替物組成物を提供する。好適には、微粒子は、2つ以上の酸性基を有する酸と、親水性溶媒に可溶な有機塩基とを含む。
好適には、血液代替物組成物は、自己組織化微粒子によって架橋された哺乳動物ヘモグロビンを含む安定な重合ヘモグロビン溶液を含む。
本明細書で使用する「血液代替物」という用語は、ヒト、哺乳動物および他の脊椎動物に使用するためのHBOC組成物を意味する。HBOCは、酸素を、重要な臓器および組織に輸送および移動させることができる。脊椎動物は、ヒト、または循環系において血液を使用して酸素を組織に移動させる他の任意の脊椎動物を含むと定義される。例として、本発明の物質で治療するための好ましい脊椎動物は、霊長類、イヌ、ネコ、ウマ、ブタ、ウシ、ヒツジ、げっ歯類または鳥類などの哺乳動物である。本発明の物質で治療する脊椎動物は、胎児、出生後の脊椎動物、または出生時の脊椎動物であり得る。本明細書に記載のHBOC物質は、ドナー臓器および哺乳動物組織の貯蔵および保存にも使用し得る。
【0006】
自己組織化微粒子を使用することによって、規則的なサイズおよび形状および狭い分子量分布のヘモグロビンのポリマーを製造することが可能になる。微粒子は、天然材料を含有し、これらはアミド結合によって架橋されており、したがってプロテアーゼ活性により生分解性である。したがって、それらは生理学的機能に対してほとんど、または全く関係がないようである。本発明の微粒子は、有利には単分散性であり、酸素移動が起こる最小の毛細管を通って移動するのに十分なほど小さい。
【0007】
ヘモグロビン対架橋剤の質量対質量比は、これまでに知られているものよりも著しく低い。公知の製品は、1.7×107の範囲の分子量を有する。
本発明は、少なくとも1.0×108、好ましくは1.6×1011~2×1013、例えば4×1012の分子量を有する微粒子を提供する。
任意の好適な供給源からのヘモグロビンを使用して、本発明の血液代替物を調製してもよい。例としては、古くなったまたは期限切れのヒトの血液、ウシの血液、ヒツジの血液、ブタの血液、ウマの血液、および他の脊椎動物からの血液が挙げられる。ElO/TECHNOLOGY, 1z: 55-59 (1994)および組換えヘモグロビン(Nature, 356:258-60 (1992))に記載されているトランスジェニックヘモグロビンなどのトランスジェニックヘモグロビンもまた、使用することができる。
【0008】
微粒子酸は、好適にはビス酸、好ましくはビス脂肪族酸を含み、好適には2つ以上のカルボン酸基を含むが、他の酸性基を使用してもよい。好適には、ビス酸は親水性溶媒に不溶または難溶である。好適には、酸、好ましくはビス脂肪族酸を親水性溶媒に可溶な有機塩基と接触させることによって、酸を可溶化してもよい。
溶媒は好適には親水性であり、好ましくは水溶液、例えば水相内、特に水内の油中水型エマルジョンである。有利には、水性溶媒、好ましくは水により、微粒子を、環境的配慮が重要である用途に使用することが可能になる。例えば、微粒子は、個人的使用または消費、医学的使用に、例えば殺生物剤として好適であり得る水性ベース製品中に配合してもよい。
好ましい実施形態では、ビス脂肪族酸は、末端のカルボン酸が、末端のカルボン酸よりも親水性が低く、好ましくは疎水性である領域によって連結しているビスカルボン酸脂肪酸を含む。親水性がより低い領域は、置換基を有する主鎖を含んでもよく、および/または主鎖は、ヘテロ原子、例えばポリ-εリシンを含み得る。好ましくはカルボン酸を連結する領域は疎水性であり、好ましくはヒドロカルビル基である。特に好ましい実施形態では、疎水基は脂肪族ヒドロカルビル基である。好ましくは、ビス酸は一般式HOOC-(CH2n-COOHの化合物を含み、nはビス酸が水に難溶または不溶となるのに十分なほど大きい。好ましくは、nは少なくとも5、より好ましくは少なくとも6、特に少なくとも7である。好適には、nは40以下、好ましくは36以下、より好ましくは25以下、特に20以下である。好ましくは、nは7~18である。
【0009】
好ましい実施形態では、有機酸はC7-C18ビスカルボキシ脂肪酸を含む。別の好ましい実施形態では、有機酸は、EDTA、ニトロトリ酢酸およびモノカルボン酸、好ましくはC6-C18カルボン酸、例えばカプロン酸、パルミチン酸およびオクタン酸から選択されるさらなる酸とともに、C7-C13ビスカルボキシ脂肪酸を含む。
例えば、異なるn値を有する2つ以上の酸を選択することによって、微粒子径を必要に応じて調整することができる。酸性基同士を繋ぐ疎水性部分が長いほど、大きな微粒子が好適に提供される。例えば、nが8のセバシン酸は、2.6μmの粒径を得、nが11のブラシル酸の場合、3.0μmの粒径を得ることができる。
ビスカルボキシ脂肪酸は、不飽和、例えばトラウマチン酸、もしくは置換、または不飽和と置換の両方であってもよい。好適には、置換によってビス酸は水溶液に可溶にされない。ビス脂肪族酸を、溶媒可溶性有機塩基を使用して接触させると、微粒子が自発的に形成される。
【0010】
ビス脂肪族酸は、一般式(HO)2OP-(CH2n-PO(OH)2のビスホスホン酸または不飽和ビスホスホン酸、一般式HOOC-(CH2n-PO(OH)2のモノカルボキシルモノホスホン酸またはそのようなビス酸の不飽和型、一般式(HO)O2S-(CH2n-SO2(OH)のビススルホン酸またはそのようなビス酸の不飽和型、一般式HOOC-(CH2n-SO2(OH)のモノカルボキシルモノスルホン酸またはそのようなビス酸の不飽和型、一般式(HO)2B-(CH2n-B(OH)2のビスボロン酸もしくは不飽和ビスボロン酸、または置換ビスボロン酸、一般式HOOC-(CH2n-B(OH)2のモノカルボン酸モノボロン酸またはそのようなビス酸の不飽和型、または前記ビス酸の置換型、を含んでもよい。これらの酸において、nはビス酸が水に難溶または不溶となるのに十分なほど大きい。好ましくは、nは少なくとも5、より好ましくは少なくとも6、および特に少なくとも7である。好適には、nは40以下、好ましくは36以下、より好ましくは25以下、および特に20以下である。好ましくは、nは7~18である。
【0011】
好適には、有機塩基は、ビス酸部分と組み合わさり、その結果、これらの2つの成分の組合せは、疎水性領域によって繋がれた2つの別々の親水性またはイオン性頭部領域を含む。理論に拘束されることを望むものではないが、有機塩基と隣接するビス酸の疎水性領域および親水性領域が整列してミセルを形成し、本発明の微粒子の自己組織化をもたらすと考えられる。好ましくは、微粒子は多重ラメラ構造を含み、有機塩基と共にビス酸を含むさらなる分子が、多重ラメラ構造を形成するように別のビス酸/有機塩基の親水性頭部とともに整列する。
有機塩基は、種々の塩基から選択してもよく、この有機塩基は、ビス酸と共に、自己組織化する微粒子を形成する。好ましくは、有機塩基はアミン、好適には塩基性を有する脂肪族アミンもしくは芳香族アミン、または他の窒素含有塩基を含む。好適な有機塩基の例としては、1つまたは2つのC1-4N-アルキル基を有するアミン、例えばメチル化アミンを含むアルキル化アミンおよびポリアミンが挙げられる。好ましいアミンの例としては、N-メチルモルホリン、4-メチルモルホリン(NMM)、N,N-ジメチルアミノエタノール(DMAE)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)、イミダゾールまたは1-メチルアミダゾール、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)(PDAC)、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド(DDAC)およびドデシルジプロピレントリアミン(DDPT)が挙げられる。
好ましい実施形態では、酸は、好適には、メチルモルホリン(NMM)、N,N-ジメチルアミノエタノール(DMAE)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)、イミダゾール、1-メチルアミダゾール、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)(PDAC)、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド(DDAC)およびドデシルジプロピレントリアミン(DDPT)から選択される塩基と組み合わせた、ブラシル酸、セバシン酸およびアゼライン酸のうちの1つまたは複数である。
【0012】
好ましい例としては、ブラシル酸およびPDAC、ブラシル酸およびDDAC、ブラシル酸およびDDPT、セバシン酸およびNMM、セバシン酸、ブラシル酸およびアゼライン酸のうちの1つまたは複数と組み合わせたポリ-ε-リシンが挙げられる。
抗菌特性を有するアミンを含む本発明による微粒子が、抗菌組成物および殺生物剤としての使用に特に適していることを、本発明者らは見出した。塩基の抗菌活性のレベルは、本発明による自己組織化微粒子の形態である場合には、従来の配合物中にある場合と比較してより高くなり得る。
さらなる態様によれば、本発明はまた、ビス酸および水溶性塩基を含む自己組織化微粒子の使用を提供し、この塩基は共有結合架橋のためのタンパク質によって置き換え可能である。
【0013】
さらなる態様では、本発明は、ヘモグロビン分子に共有結合した、2つ以上の酸性基を有する酸、好ましくはビス酸を含む自己組織化微粒子を提供する。
共有結合ヘモグロビンは、2つ以上の酸性基を有する酸、およびヘモグロビンによって部分的にまたは全体的に置き換え可能な水溶性塩基を含む自己組織化微粒子に、ヘモグロビンを加えることによって好適に製造する。
タンパク質は、個別に、または1つまたは複数の他のタンパク質と組み合わせて、例えばカタラーゼおよびスーパーオキシドジスムターゼと組み合わせて、のいずれかで、ヘモグロビンを好適に含む。
【0014】
酸および塩基を、酸中の酸性基対塩基中の塩基性基のモル比がほぼ化学量論的になるように相対量で好適に組み合わせると、自己組織化微粒子が形成される。酸性基対塩基性基のモル量は、自己組織化粒子が形成されるという条件で、化学量論的量より少なくても多くてもよい。酸性基対塩基性基の比率が低すぎるか、または高すぎる場合、過剰な成分が酸と塩基の構造を乱すので、組織化粒子は形成されない。自己組織化粒子の形成を可能にする酸性基対塩基性基の比は、特定の酸および特定の塩基に応じて変わるであろう。
当業者は、粒子を視覚的に観察することができるレベルの倍率で、例えば40倍の倍率で、顕微鏡下で観察することによって、自己組織化粒子が形成されているかどうかを判定することができるであろう。酸および塩基の相対量を変化させて、微粒子が形成される成分の最小比および最大比を決定することができるであろう。より長い鎖を有する酸は、より短い鎖を有する酸を含む(同じ塩基および同じモル比を有する)微粒子よりも安定な微粒子を提供し得る。安定性がより高いと、より低いレベルの酸を使用することができ、酸性基対塩基性基の比がより小さい場合、依然として微粒子を形成することができる。
【0015】
好適には、酸および塩基中の酸性基対塩基性基の比は、0.6~1.4:1、好ましくは0.7~1.3:1、より好ましくは0.8~1.2:1、望ましくは0.9~1.1:1である。セバシン酸およびブラシル酸が好ましい酸の例である。好適には、塩基と共にセバシン酸を含む微粒子は、0.85~1.15:1のセバシン酸対塩基の比を有する。好適には、塩基と共にブラシル酸を含む微粒子は、0.8~1.2:1のブラシル酸対塩基の比を有する。好ましい実施形態では、酸と塩基は、酸性基対塩基性基のモル比が1:1になるようなレベルで存在する。
有機塩基は、自己組織化微粒子を架橋してマクロ孔質材料を形成することが可能なように反応性であってもよい。有機塩基は反応性である必要はなく、この場合には、これは好適には別の反応性種によって置き換え(displace)て、その後に架橋しマクロ孔質材料を形成することを可能にしてもよい。溶媒可溶性の有機塩基は、有機成分を含むアミンを含むがこれに限定されない反応性種を加えることによって、置き換えることができる。アミンによって、好適にはアミド結合が形成されて微粒子の架橋が可能になる。好ましい実施形態では、有機成分を含むアミンは、ペプチド、タンパク質、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミンおよび他のポリアミンを含むがこれらに限定されないポリマーアミンである。
【0016】
好適なアミンおよびポリアミンの例としては、エチレンジアミン、ポリ-e-リシン、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、アミノプロピルトリアルコキシシラン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、N-(3-(トリメトキシシリル)-プロピル)ジエチレントリアミンが挙げられる。
微粒子またはマクロ孔質材料の形成において、上記のビス酸は任意の割合で混合してもよい。さらに、反応性アミンも混合してもよい。
好適には、微粒子は、意図した使用によって必要に応じて調整された機能性成分を含む。
本発明による自己組織化微粒子またはマクロ孔質材料はまた、ポリマーによって支持された機能性材料を含み得る。好適な機能性材料の例としては、触媒、ペプチド合成またはオリゴヌクレオチド合成のための開始剤種、医薬活性物質、農薬活性物質、高分子、酵素、核酸配列およびタンパク質が挙げられる。
【0017】
本発明は、貴金属触媒、例えばパラジウム触媒を支持するのに特に有用である。特に有利な例は、パラジウムである。
自己組織化微粒子は、水性媒体中、好ましくは水中で、2つ以上の酸性基を有する酸を有機塩基と接触させることを含む方法によって、製造することができる。
好適には、重合および架橋は、当業者に公知のプロセスにより開始する。例えば、アミン含有成分により水中で調製された自己組織化微粒子は、水溶性カルボジイミドを使用して架橋することができる。
好適には、本発明による自己組織化微粒子材料は実質的に単分散性である。すなわち、材料は全て実質的に同径の粒子を有する。有利なことには、単分散微粒子は、毛細血管壁を通り抜けることなく、または毛細血管を遮断することなく、血流中を移動することができ、赤血球と同様な様式で効果的に挙動する。
【0018】
本発明の自己組織化微粒子は、別々のまたは組み合わさったプロセス、例えば酸素輸送と組み合わさった薬物送達において使用してもよい。
自己組織化微粒子は、ある期間にわたって放出されるべき化合物、例えば医薬品を担持するための担体として使用し得る。この使用により、支持体における化合物の担持量に従って、化合物の投与計画(dosage regime)を必要に応じて調整する手段を提供する。医薬品の場合、これは、患者に周期的な大量投与量の摂取を要求するよりも、例えば連続的徐放により、活性成分の正確な用量を補助するのに有利であり得る。
本発明の微粒子は、他のタンパク質もしくはカタラーゼなどの酵素と組み合わせて、または2,3-ビスホスホグリセリン酸などのアロステリック効果をもたらす化合物と組み合わせてヘモグロビンを含有する組成物を含む、使用の広範囲なバリエーションのための組成物として配合し得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】ブラシル酸微小球(非架橋)を示す図である。
図2】ブラシル酸-PDAC微小球(非架橋)を示す図である。
図3】架橋ヘモグロビン微小球の走査型電子顕微鏡写真である。
図4】例7からの架橋ヘモグロビン微小球の顕微鏡写真である。
図5】例8からの架橋ヘモグロビン微小球の顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明を、以下の非限定的例により例示する。
(例1)
自己組織化微粒子の調製
ブラシル酸(1.54g、6.31mmol)および4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、1.54g、12.62mmol)を水(10cm3)に溶解し、試料を顕微鏡上に配置した。直径約3μmのほぼ単分散の球状体を観察した(図1)。
(例2)
自己組織化微粒子の調製
ブラシル酸(1.54g、6.31mmol)およびジメチルアミノエタノール(DMAE、1.12g、12.62mmol)を水(10cm3)に溶解し、試料を顕微鏡上に配置した。直径約3μmのほぼ単分散の球状体を観察した。
【0021】
(例3)
自己組織化微粒子の調製
ブラシル酸(1.54g、6.31mmol)および4-メチルモルホリン(NMM、1.275g、12.62mmol)を水(10cm3)に溶解し、試料を顕微鏡上に配置した。直径約3μmのほぼ単分散の球状体を観察した。
(例4)
自己組織化微粒子の調製
上記のジカルボン酸溶解実験はまた、種々の酸および種々の水溶性有機塩基を使用して実施した。試験した組合せのうちのいくつかを以下に記載する。組合せは、0.9~1.1:1の酸性基対塩基性基のモル比を有した。これらの組合せの全てが、例1に記載のように球状体を形成した。
ピメリン酸+NMM
スベリン酸+NMM
アゼライン酸+NMM
セバシン酸+NMM
セバシン酸+DMAP
セバシン酸+DMAE
セバシン酸+イミダゾール
ドデカン二酸+NMM
ドデカン二酸+DMAP
ドデカン二酸+DMAE
C36二量体酸+NMM
【0022】
(例5)
ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)(PDAC)SpheriSomes
PDAC(1.615g、10mmol)を水(50cm3)に溶解し、NaOH(0.4g、10mmol)を加えた。ブラシル酸(1.22g、5mmol)をこの溶液に加えて、一晩溶解させた。これは、目視検査では透明な溶液であるように見えたが、顕微鏡下で観察すると約3μmの微粒子の懸濁液であることが確認された。顕微鏡写真を図2に示す。
(例6)
ヘモグロビンを含有する架橋自己組織化微粒子の調製
PDAC(16.167gの20%溶液、20mmol)を水(100cm3)に溶解し、NaOH(0.8g、20mmol)を加えた。ブラシル酸(2.44g、10mmol)をこの溶液に加えて溶解させた。ヒトヘモグロビン(2.44g)を水(100cm3)に溶解し、ブラシル酸/PDAC SpheriSomesの溶液に加えた。混合物を0.5μmのカートリッジに通して濾過し、試料を顕微鏡上に配置した。直径約3μmの微小球が依然として存在していた。N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)(4.6g、24mmol)および1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)(0.47g、1.2mmol)の溶液を水(50cm3)に溶解し、上記の溶液に加えた。架橋反応を一晩放置し、得られた粒子を接線流濾過(TFF)によって洗浄した。上清は無色であることが認められ、ヘモグロビンがSpheriSomes中に組み込まれたことを確認した。SpheriSomesの試料を凍結乾燥した。図3は、得られた微小球の走査型電子顕微鏡写真を示す。
【0023】
(例7)
ヘモグロビンを含有する架橋自己組織化微粒子の調製
PDAC(16.167gの20%溶液、20mmol)を水(100cm3)に溶解し、NaOH(0.8g、20mmol)を加えた。ブラシル酸(2.44g、10mmol)をこの溶液に加えて溶解させた。ヒトヘモグロビン(3.66g)を水(100cm3)に溶解し、ブラシル酸/PDAC SpheriSomesの溶液に加えた。混合物を0.5μmのカートリッジに通して濾過し、試料を顕微鏡上に配置した。直径約3μmの微小球が依然として存在していた。EDCI(4.6g、24mmol)およびHOBt(0.47g、1.2mmol)の溶液を水(50cm3)に溶解し、上記の溶液に加えた。架橋反応を一晩放置し、得られた粒子を接線流濾過(TFF)によって洗浄した。上清は無色であることが認められ、ヘモグロビンがSpheriSomes中に組み込まれたことを確認した。図4は、得られた微小球の顕微鏡写真を示す。
【0024】
(例8)
ヘモグロビンを含有する架橋自己組織化微粒子の調製
PDAC(16.167gの20%溶液、20mmol)を水(100cm3)に溶解し、NaOH(0.8g、20mmol)を加えた。ブラシル酸(2.44g、10mmol)をこの溶液に加えて溶解させた。ヒトヘモグロビン(4.88g)を水(100cm3)に溶解し、ブラシル酸/PDAC SpheriSomesの溶液に加えた。混合物を0.5μmのカートリッジに通して濾過し、試料を顕微鏡上に配置した。直径約3μmの微小球が依然として存在していた。EDCI(4.6g、24mmol)およびHOBt(0.47g、1.2mmol)の溶液を水(50cm3)に溶解し、上記の溶液に加えた。架橋反応を一晩放置し、得られた粒子を接線流濾過(TFF)によって洗浄した。上清はわずかにピンク色であることが認められ、ヘモグロビンの大部分がSpheriSomes中に組み込まれたことを確認した。図5は、得られた微小球の顕微鏡写真を示す。
【0025】
(例9)
ヘモグロビンを含有する架橋自己組織化微粒子の調製
L-カルニチン(1.612g、10mmol)を水(20cm3)に懸濁し、NaOH(0.4g、10mmol)を加えた。ブラシル酸(1.22g、5mmol)をこの溶液に加えて、混合物を溶解させた。ヒトヘモグロビン(1.83g)を水(200cm3)に溶解し、ブラシル酸/カルニチンSpheriSomesの溶液に加えた。混合物を0.5μmのカートリッジに通して濾過し、試料を顕微鏡上に配置した。直径約3μmの微小球が存在していた。EDCI(4.6g、24mmol)およびHOBt(0.37g、2.4mmol)の溶液を水(25cm3)に溶解し、上記の溶液に加えた。架橋反応を一晩放置し、得られた粒子を接線流濾過(TFF)によって洗浄した。上清は無色であることが認められ、ヘモグロビンがSpheriSomes中に組み込まれたことを確認した。
【0026】
(例10)
ヘモグロビンを含有する架橋自己組織化微粒子の調製
水酸化テトラエチルアンモニウム(TEA.OH)(4.2cm3の35%溶液、10mmol)を水(20cm3)に加え、ブラシル酸(1.22g、5mmol)をこの溶液に加えた。ブラシル酸は直ちに溶解してSpheriSomesを形成した。ヒトヘモグロビン(1.83g)を水(200cm3)に溶解し、ブラシル酸/TEA.OH SpheriSomesの溶液に加えた。混合物を0.5μmのカートリッジに通して濾過し、試料を顕微鏡上に配置した。直径約3μmの微小球が依然として存在していた。EDCI(2.3g、12mmol)およびHOBt(0.18g、1.2mmol)の溶液を水(25cm3)に溶解し、上記の溶液に加えた。架橋反応を一晩放置し、得られた粒子を接線流濾過(TFF)によって洗浄した。上清は無色であることが認められ、ヘモグロビンがSpheriSomes中に組み込まれたことを確認した。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕哺乳動物ヘモグロビンおよび自己組織化微粒子を含む血液代替製剤。
〔2〕微粒子が、2つ以上の酸性基を有する酸と親水性溶媒に可溶な有機塩基とを含む、前記〔1〕に記載の血液代替製剤。
〔3〕血液代替製剤が、自己組織化微粒子によって架橋された哺乳動物ヘモグロビンを含む安定な重合ヘモグロビン溶液を含む、前記〔1〕または〔2〕に記載の血液代替製剤。
〔4〕微粒子が、0.5~10μm、好ましくは1~5μmの粒径を有する、前記〔1〕から〔3〕のいずれか1項に記載の血液代替製剤。
〔5〕酸および塩基中の酸性基対塩基性基のモル比が0.6~1.4:1である、前記〔1〕から〔4〕のいずれか1項に記載の血液代替製剤。
〔6〕酸性基対塩基性基のモル比が0.7~1.3:1である、前記〔1〕から〔5〕のいずれか1項に記載の血液代替製剤。
〔7〕微粒子が、2つ以上の酸性基を有する酸と、有機塩基とを含み、親水性溶媒中でビス酸と有機塩基とを接触させることを含むプロセスによって得ることができ、酸は親水性溶媒に不溶または難溶であり、有機塩基は親水性溶媒に可溶である、前記〔1〕から〔6〕のいずれか1項に記載の血液代替製剤。
〔8〕溶媒が水溶液を含む、前記〔7〕に記載の血液代替製剤。
〔9〕溶媒が、水相内に油中水型エマルジョンを含む、前記〔7〕に記載の血液代替製剤。
〔10〕酸がビス酸を含む、前記〔1〕から〔9〕のいずれか1項に記載の血液代替製剤。
〔11〕酸がビス脂肪族酸を含む、前記〔10〕に記載の血液代替製剤。
〔12〕酸が、末端カルボン酸が疎水性である領域によって連結しているビスカルボン酸脂肪酸を含む、前記〔1〕から〔11〕のいずれか1項に記載の血液代替製剤。
〔13〕酸性基同士が飽和もしくは不飽和脂肪族鎖、または置換飽和もしくは置換不飽和脂肪族鎖によって隔てられている、前記〔1〕から〔12〕のいずれか1項に記載の血液代替製剤。
〔14〕酸が、一般式HOOC-(CH 2 n -COOHの化合物を含み、nはビス酸が水に難溶または不溶となるのに十分なほど大きい、前記〔1〕から〔13〕のいずれか1項に記載の血液代替製剤。
〔15〕nが、少なくとも5であり、40以下である、前記〔14〕に記載の血液代替製剤。
〔16〕酸がブラシル酸、セバシン酸および/またはアゼライン酸を含む、前記〔1〕から〔15〕のいずれか1項に記載の血液代替製剤。
〔17〕有機塩基が、塩基性を有する脂肪族アミンまたは芳香族アミンまたは他の窒素含有塩基を含む、前記〔1〕から〔16〕のいずれか1項に記載の血液代替製剤。
〔18〕有機塩基が、アルキル化アミンおよびアルキル化ポリアミンのうちの1つまたは複数を含む、前記〔1〕から〔17〕のいずれか1項に記載の血液代替製剤。
〔19〕有機塩基が、N-メチルモルホリン、N,N-ジメチルアミノエタノール、4-ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、1-メチルアミダゾール、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)(PDAC)、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド(DDAC)、ドデシルジプロピレントリアミン(DDPT)およびポリεリシンのうちの1つまたは複数を含む、前記〔1〕から〔18〕のいずれか1項に記載の血液代替製剤。
〔20〕微粒子が多重ラメラ構造を含む、前記〔1〕から〔19〕のいずれか1項に記載の血液代替製剤。
〔21〕酸がヘモグロビンと反応して架橋種を形成する、前記〔1〕から〔20〕のいずれか1項に記載の血液代替製剤。
〔22〕有機塩基が別の反応性塩基と置き換えられ、別の反応性塩基が次に反応して架橋種を形成する、前記〔1〕から〔21〕のいずれか1項に記載の血液代替製剤。
〔23〕安定な重合ヘモグロビン溶液の製造における、2つ以上の酸性基を有する酸と有機塩基とを含む自己組織化微粒子の使用であって、塩基がヘモグロビンによって置換可能であり、それによってヘモグロビンが酸と共有結合する、使用。
〔24〕安定な重合ヘモグロビン溶液を製造する方法であって、2つ以上の酸性基を有する酸と有機塩基とを含む自己組織化微粒子を提供すること、およびヘモグロビンを微粒子と接触させて塩基を置き換えることを含む方法。
図1
図2
図3
図4
図5