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特許7123944情報処理装置、管理サーバ、中間サーバ及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-15
(45)【発行日】2022-08-23
(54)【発明の名称】情報処理装置、管理サーバ、中間サーバ及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/06 20120101AFI20220816BHJP
【FI】
G06Q20/06 300
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019539018
(86)(22)【出願日】2018-07-05
(86)【国際出願番号】 JP2018025503
(87)【国際公開番号】W WO2019044167
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2021-05-19
(31)【優先権主張番号】P 2017165227
(32)【優先日】2017-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】504134520
【氏名又は名称】フェリカネットワークス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】特許業務法人南青山国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【弁理士】
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】永山 知世
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-027319(JP,A)
【文献】特開2007-041673(JP,A)
【文献】特開2008-015783(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03190557(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子バリューが記録される第1のメモリ部と、
第1の個体識別番号が付与された第1のIC(Integrated Circuit)チップと、
第2のメモリ部と、第2の個体識別番号が付与された第2のICチップとを備える通信機器と近距離無線通信を行うリーダライタと、
管理サーバと通信する通信部と、
前記リーダライタを介した前記通信機器との前記電子バリューの移動を制御する制御部と、
前記電子バリューの移動に関するユーザインターフェースを表示部に表示させるアプリケ―ションと
を具備する情報処理装置であって
前記制御部は、
前記アプリケーションの操作に基づき、前記通信部を介して前記管理サーバに送信した電子バリューの移動要求に基づく前記管理サーバより受信したリーダライタの起動指示を基に、前記リーダライタを起動し、
前記リーダライタを介した前記通信機器との近距離無線通信によって取得した前記第2の個体識別番号と前記第1の個体識別番号とを基に前記管理サーバによりアクセス認証が行われた後、前記リーダライタによる近距離無線通信を用いて前記通信機器との相互認証を行い、
前記アクセス認証及び前記相互認証が正常に行われることで前記第2のメモリ部のデータの書き換え指示が可能となり、前記アプリケーションの操作による電子バリューの移動実行要求に基づく前記通信部を介して前記管理サーバより受信した指示を基に、前記電子バリューの移動分を前記第1のメモリ部から削除し、前記移動分の電子バリューを前記通信機器の前記第2のメモリ部に追加させる指示を、前記リーダライタを介して前記通信機器に送信する
情報処理装置。
【請求項2】
請求項に記載の情報処理装置であって、
前記電子バリューの移動は、種類が異なる電子バリューに変換しての移動である
情報処理装置。
【請求項3】
請求項に記載の情報処理装置であって、
前記第1のメモリ部は前記電子バリューとして第1の電子マネーを記録可能に構成され、前記第2のメモリ部は前記第1の電子マネーとは異なる種類の第2の電子マネーを記録可能に構成され、
前記制御部は、前記アプリケーションの操作に基づき、前記通信部を介して前記管理サーバより受信した指示を基に、移動分の前記第1の電子マネーを前記第1のメモリ部から削除し、前記移動分の前記第1の電子マネーから変換された第2の電子マネーを前記第2のメモリ部に追加させる指示を、前記リーダライタを介して前記通信機器に送信する
情報処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記第1のメモリ部は前記電子バリューとして第1の電子マネーと電子チケットを記録可能に構成され、前記第2のメモリ部は前記第1の電子マネーとは種類が異なる第2の電子マネーと前記電子チケットを記録可能に構成され、
前記制御部は、前記アプリケーションの操作に基づき、前記通信部を介して前記管理サーバより受信した指示を基に、移動分の前記第1の電子マネーを前記第1のメモリ部から削除し、前記電子チケットを前記第1のメモリ部に追加し、前記移動分の前記第1の電子マネーから変換された第2の電子マネーを前記第2のメモリ部に追加させ、前記電子チケットを前記第2のメモリ部から削除させる指示を、前記リーダライタを介して前記通信機器に送信する
情報処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記電子バリューは電子チケットである
情報処理装置。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記電子バリューはクーポンである
情報処理装置。
【請求項7】
第1の電子バリューが記録される第1のメモリ部と、第1の個体識別番号が付与された第1のICチップと、リーダライタとを備え、管理サーバと通信する情報処理装置の前記リーダライタと近距離無線通信する近距離無線通信部と、
前記第1の電子バリューとは異なる種類の第2の電子バリューが記録される第2のメモリ部と
第2の個体識別番号が付与された第2のICチップと
を具備する通信機器であって
前記情報処理装置から前記管理サーバに送信された電子バリューの移動要求に基づいて前記情報処理装置が前記管理サーバより受信した前記リーダライタの起動指示に従って起動した前記リーダライタを介して、前記情報処理装置によって前記第2の個体識別番号が取得され、
前記第1の個体識別番号と前記第2の個体識別番号とを基に前記管理サーバによりアクセス認証が行われた後、前記リーダライタによる近距離無線通信を用いて前記情報処理装置と前記通信機器との相互認証が行われ、
前記アクセス認証及び前記相互認証が正常に行われることで前記情報処理装置による前記第2のメモリ部のデータの書き換え指示が可能となり、前記第2のメモリ部には、前記情報処理装置からの前記第1のメモリ部に記録される前記第1の電子バリューを前記第2の電子バリューに変換して前記第2のメモリ部へ移動するという電子バリューの移動実行要求を基になされた前記管理サーバからの指示に基づき、前記リーダライタを介して、移動分の前記第2の電子バリューが追加される
通信機器。
【請求項8】
リーダライタと電子バリューが記録される第1のメモリ部と、第1の個体識別番号が付与された第1のICチップを備える情報処理装置の前記第1のメモリ部に記録される前記電子バリューを、前記リーダライタと近距離無線通信し、第2のメモリ部と第2の個体識別番号が付与された第2のICチップを備える通信機器の前記第2のメモリ部に移動するという前記情報処理装置からの前記電子バリューの移動の要求を受信する通信部と、
処理実行部と
を具備し、
前記処理実行部は、前記電子バリューの移動の要求を基に、前記情報処理装置に対し、前記リーダライタの起動を指示し、前記リーダライタの起動による近距離無線通信を用いて前記情報処理装置によって取得された前記第2の個体識別番号と前記第1の個体識別番号を用いてアクセス認証を行い、
前記アクセス認証後、前記リーダライタによる近距離無線通信を用いて前記情報処理装置と前記通信機器との相互認証が行われ、前記アクセス認証と前記相互認証とが正常に行われることで前記情報処理装置による前記第2のメモリ部のデータの書き換え指示が可能となり、
前記処理実行部は、前記情報処理装置に対し、前記情報処理装置からの電子バリューの移動実行要求に基づく削除要求を基に、移動分の前記電子バリューを前記第1のメモリ部から削除する指示と、前記情報処理装置からの削除処理完了報告に基づく加算要求を基に、移動分の前記電子バリューを前記第2のメモリ部に追加する指示をす
理サーバ。
【請求項9】
請求項に記載の管理サーバであって、
前記第1のメモリ部は前記電子バリューとして第1の電子マネーを記録可能に構成され、前記第2のメモリ部は前記第1の電子マネーとは異なる種類の第2の電子マネーを記録可能に構成され、
前記処理実行部は、前記情報処理装置からの前記第1のメモリ部に記録される前記第1の電子マネーを前記第2の電子マネーに変換して前記第2のメモリ部へ移動するという電子マネーの移動の要求を基に、前記情報処理装置に対して移動分の前記第1の電子マネーを前記第1のメモリ部から削除する指示と、移動分の前記第2の電子マネーを前記第2のメモリ部に追加する指示をする
管理サーバ。
【請求項10】
請求項に記載の管理サーバであって、
前記第1のメモリ部は前記電子バリューとして第1の電子マネーと電子チケットを記録可能に構成され、前記第2のメモリ部は前記第1の電子マネーと種類が異なる第2の電子マネーと前記電子チケットを記録可能に構成され、
前記処理実行部は、前記情報処理装置からの前記第1のメモリ部に記録される前記第1の電子マネーを前記第2の電子マネーに変換して前記第2のメモリ部へ移動するという電子マネーの移動と前記第2のメモリ部に記録される前記電子チケットの前記第1のメモリ部への移動の要求を基に、前記情報処理装置に対して、移動分の前記第1の電子マネーを前記第1のメモリ部から削除し、前記電子チケットを前記第1のメモリ部に追加する指示と、前記電子チケットを前記第2のメモリ部から削除し、移動分の前記第2の電子マネーを前記第2のメモリ部に追加する指示をする
管理サーバ。
【請求項11】
リーダライタと電子バリューが記録される第1のメモリ部と、第1の個体識別番号が付与された第1のICチップを備える情報処理装置から、第2のメモリ部と第2の個体識別番号が付与された第2のICチップを備え、前記リーダライタと近距離無線通信する通信機器の前記第2のメモリ部に、前記第1のメモリ部に記録される前記電子バリューを移動するという前記電子バリューの移動の要求を受信する通信部と、
処理実行部と
を具備し、
前記処理実行部は、前記管理サーバに対して、前記情報処理装置からの前記電子バリューの移動要求を基に前記リーダライタの起動を要求し、
前記リーダライタの起動要求に基づく前記管理サーバからの前記リーダライタの起動指示に従って起動する前記リーダライタによる近距離無線通信を用いて前記情報処理装置が取得した前記第2の個体識別番号と前記第1の個体識別番号を用いた前記管理サーバによるアクセス認証と、前記リーダライタによる近距離無線通信を用いた前記情報処理装置と前記通信機器との相互認証とが正常に行われることで、前記情報処理装置による前記第2のメモリ部のデータの書き換え指示が可能となり、
前記処理実行部は、前記管理サーバに対して、前記情報処理装置からの電子バリューの移動実行要求に基づいて移動分の前記電子バリューを前記第1のメモリ部から削除し、前記情報処理装置からの削除処理完了報告に基づいて移動分の前記電子バリューを前記第2のメモリ部に追加するよう要求す
間サーバ。
【請求項12】
請求項11に記載の中間サーバであって、
前記第1のメモリ部は前記電子バリューとして第1の電子マネーを記録可能に構成され、前記第2のメモリ部は前記第1の電子マネーとは異なる種類の第2の電子マネーを記録可能に構成され、
前記処理実行部は、前記情報処理装置からの前記第1のメモリ部に記録される前記第1の電子マネーを前記第2の電子マネーに変換して前記第2のメモリ部へ移動するという電子マネーの移動の要求を基に、前記管理サーバに対して、移動分の前記第1の電子マネーを前記第1のメモリ部から削除し、移動分の前記第2の電子マネーを前記第2のメモリ部に追加するよう要求する
中間サーバ。
【請求項13】
請求項11に記載の中間サーバであって、
前記第1のメモリ部は前記電子バリューとして第1の電子マネーと電子チケットを記録可能に構成され、前記第2のメモリ部は前記第1の電子マネーと種類が異なる第2の電子マネーと前記電子チケットを記録可能に構成され、
前記処理実行部は、前記情報処理装置からの前記第1のメモリ部に記録される前記第1の電子マネーを前記第2の電子マネーに変換して前記第2のメモリ部へ移動するという電子マネーの移動と前記第2のメモリ部に記録される前記電子チケットの前記第1のメモリ部への移動の要求を基に、前記管理サーバに対して、移動分の前記第1の電子マネーを前記第1のメモリ部から削除し、移動分の前記第2の電子マネーを前記第2のメモリ部に追加し、前記電子チケットを前記第2のメモリ部から削除し、前記電子チケットを前記第1のメモリ部に追加するよう要求する
中間サーバ。
【請求項14】
通信部とリーダライタと電子バリューが記録される第1のメモリ部と第1の個体識別番号が付与された第1のICチップを備え、前記リーダライタを用いて、電子バリューが記録される第2のメモリ部と第2の個体識別番号が付与された第2のICチップを備える通信機器と近距離無線通信をする情報処理装置の情報処理方法であって、
前記第2のメモリ部への前記第1のメモリ部に記録される電子バリューの移動を、前記通信部を介して中間サーバに要求し、
前記電子バリューの移動要求に基づいて前記中間サーバから管理サーバに行われた前記リーダライタの起動要求に基づく前記管理サーバからの前記リーダライタの起動指示に従って前記リーダライタを起動し、
前記リーダライタを用いて前記通信機器と近距離無線通信し、
近距離無線通信によって取得した前記第2の個体識別番号と前記第1の個体識別番号とを基に前記管理サーバによりアクセス認証が行われた後、前記リーダライタによる近距離無線通信を用いて前記通信機器との相互認証を行い、
前記アクセス認証及び前記相互認証が正常に行われることで前記情報処理装置による前記第2のメモリ部のデータの書き換え指示が可能となり、前記情報処理装置からの前記電子バリューの移動実行要求を基に前記中間サーバにより前記管理サーバに対してなされた要求に基づいて前記管理サーバからなされた指示により、移動分の前記電子バリューを前記第1のメモリ部から削除し、移動分の前記電子バリューを前記第2のメモリ部に追加させる指示を、前記リーダライタを介して前記通信機器に対して送信する
情報処理方法。
【請求項15】
第2のメモリ部と第2の個体識別番号が付与された第2のICチップを備える通信機器と近距離無線通信を行うリーダライタと電子バリューが記録される第1のメモリ部と、第1の個体識別番号が付与された第1のICチップを備える情報処理装置と通信する管理サーバの情報処理方法であって、
前記情報処理装置から前記第1のメモリ部に記録される前記電子バリューを前記第2のメモリ部に移動するという前記電子バリューの移動の要求を受けた中間サーバから送信されたリーダライタ起動要求を受信し、
前記リーダライタ起動要求を基に、前記情報処理装置に対して前記リーダライタの起動を指示し、
前記リーダライタの起動による近距離無線通信を用いて前記情報処理装置によって取得された前記第2の個体識別番号と前記第1の個体識別番号を用いてアクセス認証を行い、
前記アクセス認証後、前記リーダライタによる近距離無線通信を用いて前記情報処理装置と前記通信機器との相互認証が行われ、前記アクセス認証と前記相互認証とが正常に行われることで前記情報処理装置による前記第2のメモリ部のデータの書き換え指示が可能となり、前記情報処理装置から電子バリューの移動実行要求を受けた前記中間サーバから、前記第1のメモリ部から移動分の前記電子バリューを削除する削除要求を受信し、
前記削除要求を基に、前記情報処理装置に対して、移動分の前記電子バリューを前記第1のメモリ部から削除するよう指示し、
前記情報処理装置からの削除処理完了報告を受けた前記中間サーバから、前記第2のメモリ部へ移動分の前記電子バリューを追加する追加要求を受信し、
前記追加要求を基に、前記情報処理装置に対して、移動分の前記電子バリューを前記第2のメモリ部に追加するよう指示する
情報処理方法。
【請求項16】
第2のメモリ部と第2の個体識別番号が付与された第2のICチップを備える通信機器と近距離無線通信を行うリーダライタと電子バリューが記録される第1のメモリ部と、第1の個体識別番号が付与された第1のICチップを備える情報処理装置と管理サーバと通信する中間サーバの情報処理方法であって、
前記情報処理装置から、前記第1のメモリ部に記録される前記電子バリューを前記第2のメモリ部に移動するという前記電子バリューの移動の要求を受信し、
前記管理サーバに対し、前記リーダライタの起動を要求し、
前記管理サーバからの前記リーダライタの起動指示に従って起動した前記リーダライタによる近距離無線通信を用いて前記情報処理装置によって取得された前記第2の個体識別番号と前記第1の個体識別番号を用いた前記管理サーバによるアクセス認証と、前記リーダライタによる近距離無線通信を用いた前記情報処理装置と前記通信機器との相互認証とが正常に行われることで前記情報処理装置による前記第2のメモリ部のデータの書き換え指示が可能となり、前記管理サーバに対し、前記情報処理装置からの電子バリューの移動実行要求に基づいて前記第1のメモリ部からの移動分の前記電子バリューの削除を要求し、前記情報処理装置からの削除処理完了報告に基づいて前記第2のメモリ部への移動分の前記電子バリューの追加を要求する
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、個人間の電子バリューの移動に関する情報処理装置、管理サーバ、中間サーバ及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ICチップを内蔵したカードや携帯電話といった端末機器による近距離無線通信の技術を利用した、駅の自動改札機の利用や、電子マネーによる店舗での商品代金の決済などを行うシステムが広く普及している。近距離無線通信は、カードや端末機器とリーダライタを例えば10cm程度以下に近づけることで可能になる通信である。カードや端末機器には電子マネー等の金銭的価値のあるバリューが格納されており、カードや端末機器を、駅の自動改札機や店舗にあるリーダライタにかざすことによって、電子マネーによる乗車代金や商品代金の決済を行うことができる。
【0003】
このようなICチップを内蔵した端末機器同士間で電子バリューの交換を行うことが検討されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、異なる管理者によって発行され通信端末に記憶された電子バリュー同士を、利用者間で送受信した識別子に基づいて照合サーバにて交換が認証された場合に交換を行うことが記載されている。また、特許文献2には、ユーザが店舗にて電子マネーを利用して商品代金の決済を行うことが記載されており、異なる電子マネーを交換する中間サーバを設けることによって、自分が保有している電子マネーで、自分が保有している電子マネーとは異なる電子マネーで店舗に代金を支払うことができることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-257439号公報
【文献】特開2007-41673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献記載される技術では、電子マネーを他の種類の電子マネーに交換することが記載されているが、特許文献1では、異なる端末機器の双方がそれぞれサーバにアクセスする必要があり、特許文献2では、支払側と店舗の双方がそれぞれサーバにアクセスする必要がある。
【0006】
以上のような事情に鑑み、個人間での電子バリューの移動を容易に行うことができる情報処理装置、管理サーバ、中間サーバ及び情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本技術に係る情報処理装置は、第1のメモリ部と、リーダライタと、通信部と、制御部と、アプリケーションとを具備する。
上記第1のメモリ部には、電子バリューが記録される。
上記リーダライタは、第2のメモリ部を備える通信機器と近距離無線通信を行う。
上記通信部は、管理サーバと通信する。
上記制御部は、上記リーダライタを介した上記通信機器との上記電子バリューの移動を制御する。
上記アプリケーションは、上記電子バリューの移動に関するユーザインターフェースを表示部に表示させる。
上記制御部は、上記アプリケーションの操作に基づき、上記通信部を介して上記管理サーバより受信した指示を基に、上記電子バリューの移動分を上記第1のメモリ部から削除し、上記移動分の電子バリューを上記通信機器の上記第2のメモリ部に追加させる指示を、上記リーダライタを介して上記通信機器に送信する。
【0008】
このような構成によれば、情報処理装置はリーダライタを用いて通信機器と近距離無線通信し、リーダライタを介して管理サーバからの指示を通信機器に送信して、第2のメモリ部のデータの書き換えを行うことができる。従って、通信機器は管理サーバとアクセスする必要がなく、情報処理装置と通信機器とをかざすだけで個人間の電子バリューの移動を容易に行うことができる。
【0009】
上記制御部は、上記アプリケーションの操作に基づき、上記通信部を介して上記管理サーバより受信した指示を基に、上記リーダライタを起動してもよい。
【0010】
上記電子バリューの移動は、種類が異なる電子バリューに変換しての移動であってもよい。
このように、第1のメモリ部に記録されている電子バリューを、この電子バリューとは違う種類の電子バリューに変換して第2のメモリ部に移動させることができる。
【0011】
上記第1のメモリ部は上記電子バリューとして第1の電子マネーを記録可能に構成され、上記第2のメモリ部は上記第1の電子マネーとは異なる種類の第2の電子マネーを記録可能に構成され、上記制御部は、上記アプリケーションの操作に基づき、上記通信部を介して上記管理サーバより受信した指示を基に、移動分の上記第1の電子マネーを上記第1のメモリ部から削除し、上記移動分の上記第1の電子マネーから変換された第2の電子マネーを上記第2のメモリ部に追加させる指示を、上記リーダライタを介して上記通信機器に送信してもよい。
【0012】
このような構成によれば、第1の電子マネーを種類の異なる第2の電子マネーに変換して移動することができ、情報処理装置及び通信機器が互いに種類の異なる電子マネーしか保有していなくとも、電子マネーの移動が可能となるので、利便性が良い。
【0013】
上記第1のメモリ部は上記電子バリューとして第1の電子マネーと電子チケットを記録可能に構成され、上記第2のメモリ部は上記第1の電子マネーとは種類が異なる第2の電子マネーと上記電子チケットを記録可能に構成され、上記制御部は、上記アプリケーションの操作に基づき、上記通信部を介して上記管理サーバより受信した指示を基に、移動分の上記第1の電子マネーを上記第1のメモリ部から削除し、上記電子チケットを上記第1のメモリ部に追加し、上記移動分の上記第1の電子マネーから変換された第2の電子マネーを上記第2のメモリ部に追加させ、上記電子チケットを上記第2のメモリ部から削除させる指示を、上記リーダライタを介して上記通信機器に送信してもよい。
【0014】
このような構成によれば、電子チケットの移動と電子マネーの移動とにより、電子チケットの転売を行うことができる。
【0015】
上記電子バリューは電子チケットであってもよい。
このように、電子マネーの移動がなく電子チケットのみの移動であってもよい。
【0016】
上記電子バリューはクーポンであってもよい。
【0017】
本技術に係る通信機器は、近距離無線通信部と、第2のメモリ部とを具備する。
上記近距離無線通信部は、第1の電子バリューが記録される第1のメモリ部とリーダライタとを備え、管理サーバと通信する情報処理装置の上記リーダライタと近距離無線通信する。
上記第2のメモリ部には、上記第1の電子バリューとは異なる種類の第2の電子バリューが記録される。
上記第2のメモリ部には、上記情報処理装置からの上記第1のメモリ部に記録される上記第1の電子バリューを上記第2の電子バリューに変換して上記第2のメモリ部へ移動するという電子バリューの移動の要求を基になされた上記管理サーバからの指示に基づき、上記リーダライタを介して、移動分の上記第2の電子バリューが追加される。
【0018】
このような構成によれば、通信機器の第2のメモリ部のデータは、管理サーバからの指示に基づき、リーダライタを介して、情報処理装置により書き換えが可能となる。これにより、通信機器は管理サーバに直接アクセスする必要がなく、通信機器は、容易に情報処理装置から電子バリューを受け取ることができる。
【0019】
本技術に係る管理サーバは、通信部と、処理実行部とを具備する。
上記通信部は、リーダライタと電子バリューが記録される第1のメモリ部とを備える情報処理装置の上記第1のメモリ部に記録される上記電子バリューを、上記リーダライタと近距離無線通信し、第2のメモリ部を備える通信機器の上記第2のメモリ部に移動するという上記情報処理装置からの上記電子バリューの移動の要求を受信する。
上記処理実行部は、上記情報処理装置に対し、上記電子バリューの移動の要求を基に、移動分の上記電子バリューを上記第1のメモリ部から削除する指示と、移動分の上記電子バリューを上記通信機器の上記第2のメモリ部に追加する指示をする。
【0020】
このような構成によれば、通信機器の第2のメモリ部のデータは、管理サーバからの指示に基づき、リーダライタを介して、情報処理装置により書き換えが可能となる。これにより、通信機器は管理サーバに直接アクセスする必要がなく、容易に情報処理装置から通信機器へ電子バリューを移動させることができる。
【0021】
上記第1のメモリ部は上記電子バリューとして第1の電子マネーを記録可能に構成され、上記第2のメモリ部は上記第1の電子マネーとは異なる種類の第2の電子マネーを記録可能に構成され、上記処理実行部は、上記情報処理装置からの上記第1のメモリ部に記録される上記第1の電子マネーを上記第2の電子マネーに変換して上記第2のメモリ部へ移動するという電子マネーの移動の要求を基に、上記情報処理装置に対して移動分の上記第1の電子マネーを上記第1のメモリ部から削除する指示と、移動分の上記第2の電子マネーを上記第2のメモリ部に追加する指示をしてもよい。
【0022】
このような構成によれば、第1の電子マネーを種類の異なる第2の電子マネーに変換して移動することができ、利便性が良い。
【0023】
上記第1のメモリ部は上記電子バリューとして第1の電子マネーと電子チケットを記録可能に構成され、上記第2のメモリ部は上記第1の電子マネーと種類が異なる第2の電子マネーと上記電子チケットを記録可能に構成され、上記処理実行部は、上記情報処理装置からの上記第1のメモリ部に記録される上記第1の電子マネーを上記第2の電子マネーに変換して上記第2のメモリ部へ移動するという電子マネーの移動と上記第2のメモリ部に記録される上記電子チケットの上記第1のメモリ部への移動の要求を基に、上記情報処理装置に対して、移動分の上記第1の電子マネーを上記第1のメモリ部から削除し、上記電子チケットを上記第1のメモリ部に追加する指示と、上記電子チケットを上記第2のメモリ部から削除し、移動分の上記第2の電子マネーを上記第2のメモリ部に追加する指示をしてもよい。
【0024】
このような構成によれば、電子チケットの移動と電子マネーの移動とにより、電子チケットの転売を行うことができる。
【0025】
本技術に係る中間サーバは、通信部と、処理実行部とを具備する。
上記通信部は、リーダライタと電子バリューが記録される第1のメモリ部とを備える情報処理装置から、第2のメモリ部を備え、上記リーダライタと近距離無線通信する通信機器の上記第2のメモリ部に、上記第1のメモリ部に記録される上記電子バリューを移動するという上記電子バリューの移動の要求を受信する。
上記処理実行部は、上記電子バリューの移動要求を基に、上記管理サーバに対して、移動分の上記電子バリューを上記第1のメモリ部から削除し、移動分の上記電子バリューを上記第2のメモリ部に追加するよう要求する。
【0026】
このような構成によれば、通信機器の第2のメモリ部のデータは、管理サーバからの指示に基づき、リーダライタを介して、情報処理装置により書き換えが可能となる。これにより、通信機器は管理サーバに直接アクセスする必要がなく、容易に情報処理装置から通信機器へ電子バリューを移動させることができる。
【0027】
上記第1のメモリ部は上記電子バリューとして第1の電子マネーを記録可能に構成され、上記第2のメモリ部は上記第1の電子マネーとは異なる種類の第2の電子マネーを記録可能に構成され、上記処理実行部は、上記情報処理装置からの上記第1のメモリ部に記録される上記第1の電子マネーを上記第2の電子マネーに変換して上記第2のメモリ部へ移動するという電子マネーの移動の要求を基に、上記管理サーバに対して、移動分の上記第1の電子マネーを上記第1のメモリ部から削除し、移動分の上記第2の電子マネーを上記第2のメモリ部に追加するよう要求してもよい。
【0028】
このように、異なる種類の電子マネーに変換して移動させることができ、利便性がよい。
【0029】
上記第1のメモリ部は上記電子バリューとして第1の電子マネーと電子チケットを記録可能に構成され、上記第2のメモリ部は上記第1の電子マネーと種類が異なる第2の電子マネーと上記電子チケットを記録可能に構成され、上記処理実行部は、上記情報処理装置からの上記第1のメモリ部に記録される上記第1の電子マネーを上記第2の電子マネーに変換して上記第2のメモリ部へ移動するという電子マネーの移動と上記第2のメモリ部に記録される上記電子チケットの上記第1のメモリ部への移動の要求を基に、上記管理サーバに対して、移動分の上記第1の電子マネーを上記第1のメモリ部から削除し、移動分の上記第2の電子マネーを上記第2のメモリ部に追加し、上記電子チケットを上記第2のメモリ部から削除し、上記電子チケットを上記第1のメモリ部に追加するよう要求してもよい。
【0030】
このような構成によれば、電子チケットの移動と電子マネーの移動とにより、電子チケットの転売を行うことができる。
【0031】
本技術に係る情報処理方法は、通信部とリーダライタと電子バリューが記録される第1のメモリ部を備え、上記リーダライタを用いて、電子バリューが記録される第2のメモリ部を備える通信機器と近距離無線通信をする情報処理装置の情報処理方法であって、上記第2のメモリ部への上記第1のメモリ部に記録される電子バリューの移動を、上記通信部を介して中間サーバに要求し、上記リーダライタを起動し、上記リーダライタを用いて上記通信機器と近距離無線通信し、上記電子バリューの移動の要求を基に上記中間サーバにより上記管理サーバに対してなされた要求に基づいて、上記管理サーバからなされた指示により、移動分の上記電子バリューを上記第1のメモリ部から削除し、移動分の上記電子バリューを上記第2のメモリ部に追加させる指示を、上記リーダライタを介して上記通信機器に対して送信する。
【0032】
本技術に係る情報処理方法は、第2のメモリ部を備える通信機器と近距離無線通信を行うリーダライタと電子バリューが記録される第1のメモリ部とを備える情報処理装置と通信する管理サーバの情報処理方法であって、上記情報処理装置から上記第1のメモリ部に記録される上記電子バリューを上記第2のメモリ部に移動するという上記電子バリューの移動の要求を受けた中間サーバから送信された、上記第1のメモリ部から移動分の上記電子バリューを削除する削除要求を受信し、上記削除要求を基に、上記情報処理装置に対して、移動分の上記電子バリューを上記第1のメモリ部から削除するよう指示し、上記中間サーバから送信された、上記第2のメモリ部へ移動分の上記電子バリューを追加する追加要求を受信し、上記追加要求を基に、上記情報処理装置に対して、移動分の上記電子バリューを上記第2のメモリ部に追加するよう指示する。
【0033】
本技術の情報処理方法は、第2のメモリ部を備える通信機器と近距離無線通信を行うリーダライタと電子バリューが記録される第1のメモリ部とを備える情報処理装置と管理サーバと通信する中間サーバの情報処理方法であって、上記情報処理装置から、上記第1のメモリ部に記録される上記電子バリューを上記第2のメモリ部に移動するという上記電子バリューの移動の要求を受信し、上記管理サーバに対し、上記第1のメモリ部からの移動分の上記電子バリューの削除を要求し、上記管理サーバに対し、上記第2のメモリ部への移動分の上記電子バリューの追加を要求する。
【発明の効果】
【0034】
以上のように、本技術によれば、個人間での電子バリューの移動を容易に行うことができる。
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】第1実施形態における情報処理システムの一構成例を示す。
図2】第1実施形態の情報処理システムを構成する第1の端末装置、第2実施形態の購入側端末装置、第3実施形態の提供側端末装置の機能構成例を示すブロック図である。
図3】第1実施形態の情報処理システムを構成する第2の端末装置の機能構成例を示すブロック図である。
図4】第1、第2及び第3実施形態の情報処理システムを構成するアプリサーバの機能構成例を示すブロック図である。
図5】第1、第2及び第3実施形態の情報処理システムを構成するリモート発行サーバの機能構成例を示すブロック図である。
図6】第1実施形態の情報処理システムの概要を説明する図である。
図7】第1実施形態の情報処理システムの概要を説明する図である。
図8】第1実施形態の情報処理システムを構成する各装置の動作例を示すシーケンス図である。
図9】第2実施形態における情報処理システムの一構成例を示す。
図10】第2実施形態の情報処理システムを構成する転売側端末装置、第3実施形態における受取り側端末装置の機能構成例を示すブロック図である。
図11】第2実施形態の情報処理システムの概要を説明する図である。
図12】第2実施形態の情報処理システムの概要を説明する図である。
図13】第2実施形態の情報処理システムを構成する各装置の動作例を示すシーケンス図である。
図14】第3実施形態の情報処理システムの概要を説明する図である。
図15】第3実施形態の情報処理システムの概要を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本技術に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
本技術においては、例えば異なる情報処理装置同士をかざして電磁波を用いた近距離無線通信をすることにより、一方の情報処理装置が保有していた電子バリューを他方の情報処理装置に移動させることが可能となる。
【0037】
(第1実施形態)
本実施形態においては、異なる情報処理装置としての携帯端末装置間で、電子バリューとしての電子マネーを移動する場合を例に挙げて説明する。ここでは、一方の携帯端末装置が保有する第1の電子バリューである第1の電子マネーを、種類の違う第2の電子バリューである第2の電子マネーに変換して、他方の携帯端末装置に電子マネーを移動させる。以下、図面を参照しながら説明する。
【0038】
<情報処理システムの構成>
図1は本実施形態に係る情報処理システムの一構成例を示す。図2は、情報処理システム100の一部を構成する第1の端末装置10の機能構成例を示すブロック図である。図3は、情報処理システム100の一部を構成する第2の端末装置20の機能構成例を示すブロック図である。
【0039】
図4は、情報処理システム100の一部を構成するアプリサーバ40の機能構成例を示すブロック図である。図5は、情報処理システム100の一部を構成するリモート発行サーバ50の機能構成例を示すブロック図である。
【0040】
図1に示すように、情報処理システム100は、中間サーバとしてのアプリサーバ40と、管理サーバとしてのリモート発行サーバ50と、情報処理装置としての第1の端末装置10と、通信機器としての第2の端末装置20と、通信網30とを含んで構成される。
【0041】
情報処理システム100では、第1の端末装置10が保有する電子バリューを記録する第1のメモリ部1713のデータ、第2の端末装置20が保有する電子バリューを記録する第2のメモリ部2713のデータは、リモート発行サーバ50からの実行指示に基づき、書き換えが可能に構成されている。
【0042】
第1の端末装置10と第2の端末装置20とは、第1の端末装置10に搭載されるリーダライタ(R/W)170を用いて近距離無線通信が可能に構成されている。情報処理システム100では、第1の端末装置10がリモート発行サーバ50に対して電子バリューの移動を要求することにより、リモート発行サーバ50からリーダライタ170の起動が指示される。
【0043】
リーダライタ170が起動することにより、リモート発行サーバ50からの指示に基づいて、第1の端末装置10は、近距離無線通信を用いて、第2の端末装置20の第2のメモリ部2713を書き換えることができる。
【0044】
[通信網の構成]
通信網30は、通信網30に接続されている第1の端末装置10、アプリサーバ40、リモート発行サーバ50等から送信される情報の無線、または有線の伝送路である。例えば、通信網30は、インターネット、電話回線網、衛星通信網などの公衆回線網などを含んでもよい。
【0045】
[第1の端末装置の構成]
図2は、情報処理装置としての第1の携帯端末装置(以下、単に第1の端末装置と称す。)10の機能構成例を示すブロック図である。
【0046】
第1の端末装置10は、通信網30に接続可能な端末である。第1の端末装置10は、例えばスマートフォン等の携帯電話、タブレット端末などであってもよく、典型的にはスマートフォンである。本実施形態では、タッチパネル操作が可能なスマートフォンを例にあげて説明する。
【0047】
図2に示すように、第1の端末装置10は、通信部121と、表示部122と、入力部124と、プログラム記憶部128と、第1の制御部126と、リーダライタ(R/W)170と、第1のIC(Integrated Circuit)チップ171と、第1の通信アンテナ172とを備える。
【0048】
通信部121は、例えば無線ネットワークを介した他の装置、例えばアプリサーバ40、リモート発行サーバ50との通信を行う。
【0049】
表示部122は、通信部121が受信した情報や、入力部124に対して行われたユーザの操作に応じた情報等を表示する。表示部122は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の画像表示パネルで構成される。また、表示部122にタッチパネルが設けられていても良い。
【0050】
入力部124は、キー、ボタン、タッチパネル及びマイクロホンなどよりなる。
プログラム記憶部128は、第1の端末装置10と第2の端末装置20との間での電子マネーの移動サービスを実行するための電子マネー移動アプリケーションプログラム1281を記憶する。このアプリケーションプログラム1281は、リモート発行サーバ50による遠隔操作が可能なICチップ(本実施形態では、第1の端末装置10の第1のICチップ171。)が搭載される端末装置対応のアプリケーションプログラムである。
【0051】
アプリケーションプログラム(単に、アプリケーションともいう)1281は、電子バリューの移動に関するユーザインターフェースを表示部122に表示させる。表示部122に表示されたユーザインターフェースを用いて、ユーザによって、アプリケーションの起動、電子バリューの移動情報の入力操作及び電子バリューの移動の実行が行われる。
【0052】
第1の制御部126は、第1の端末装置10の動作を制御する。第1の制御部126は、プログラム記憶部128に格納されたアプリケーションプログラム1281を実行することで、アプリケーションプログラムの操作に基づき第1の端末装置10の動作を制御する。
【0053】
アプリケーションプログラム1281の実行による第1の制御部126による第1の端末装置10の動作の制御としては、アプリサーバ40への電子マネーの移動要求、リモート発行サーバ50からのリーダライタ起動指示に基づくリーダライタ170の起動、アプリサーバ40への電子マネーの移動実行の要求、リモート発行サーバ50からの減算処理指示に基づく電子マネーの減算処理と第1のメモリ部の書き換え、リモート発行サーバ50からの指示に基づく電子マネーの加算処理と第2のメモリ部の書き換えの指示の第2の端末装置20への送信の実行などがある。
【0054】
リーダライタ170が搭載されることにより、第1の端末装置10はリーダライタの機能を備える。また、第1の通信アンテナ172と第1のICチップ171により、第1の端末装置10は非接触ICカード機能を備える。
【0055】
第1の端末装置10は、リーダライタ機能を用いて、外部の非接触ICカードに記憶されているデータの書き換えなどを行うことができる。また、非接触ICカード機能により、第1の端末装置10から外部のリーダライタに所定のデータを読み取らせることができる。
【0056】
リーダライタ170は、第2の端末装置20に対し電磁波を供給可能に構成される。リーダライタ170は所定の電磁波を発し、後述する第2の端末装置20の第2の通信アンテナ272がこの電磁波に反応して起電力を発し、その起電力を電源として第2のICチップ271が作動する。
【0057】
これにより、第1の端末装置10と第2の端末装置20は近距離無線通信が可能となり、第1の端末装置10は、第2の端末装置20の第2のメモリ部2713のデータの書き換えを行うことができる。
【0058】
リーダライタ170は、リーダライタ(R/W)用アンテナ1701と、リーダライタ送信回路1702と、リーダライタ受信回路1703を備える。
【0059】
リーダライタ送信回路1702は、外部の非接触ICカード(例えば第2の端末装置20の第2の通信アンテナ272と第2のICチップ271から構成される非接触ICカード)に送信するデータに応じて、所定の周波数の送信キャリア信号を変調して、変調した信号を、リーダライタ用アンテナ1701を介して、外部の非接触ICカードに送信する。
【0060】
リーダライタ受信回路1703は、外部の非接触ICカードから送信された応答信号を受信して、そのデータを復調して受信データを取得する。
【0061】
第1の通信アンテナ172は、図示しない外部の無線リーダライタから送信された電磁波を受信する。電磁波を受信した第1の通信アンテナ172は起電力を発し、この起電力を電源として第1のICチップ171が作動する。
【0062】
第1のICチップ171には、自らを識別する個体識別番号1711が付与されている。個体識別番号1711は、ICチップ製造時にICチップに記録され書き換えができない固有のID番号である。第1のICチップ171は、第1の通信アンテナ172が発する起電力以外に、第1の端末装置10が有する電源により作動可能に構成される。
【0063】
第1のICチップ171は、第1のIC制御部1712と、第1のメモリ部1713と、第1の認証部1714と、第1の暗号処理部1715を備えている。
【0064】
第1のメモリ部1713は、フリー領域と共通領域に分割されている。共通領域は、リモート発行サーバ50を運営、管理する事業者が管理する領域である。
【0065】
第1のメモリ部1713の共通領域は更にエリアと呼ばれる領域に複数分割され、サービス毎にエリアが割り当てられている。
【0066】
第1のメモリ部1713の共通領域には、第1の端末装置10が保有する電子バリューのデータが記憶される。電子バリューのデータとは、貨幣価値など所定の価値を有する情報であって、例えば電子マネー、ポイント情報、クーポン情報(又は、クーポン残高情報)等のセキュアなデータである。本実施形態では電子バリューとして電子マネーを例にあげて説明する。
【0067】
本実施形態では、第1の端末装置10は、例えば電子マネーA、電子マネーB、電子マネーC、電子マネーDの4種類の電子マネーを保有可能に構成される。第1のメモリ部1713は、これら複数の電子マネーサービスや、電子マネー移動サービスに係るデータが記録可能に構成される。第1のメモリ部1713内のデータは、リモート発行サーバ50からの指示に基づいて第1のIC制御部1712によって、読み書きされ得る。
【0068】
第1の認証部1714は、第1の端末装置10と第2の端末装置20との間の相互認証時に、第1の端末装置10が生成した乱数が、第2の端末装置20へ送られ、更に第1の端末装置10に送られた乱数と一致するかを認証する。
【0069】
第1の暗号処理部1715は、予め用意されている鍵(認証用として用いられる鍵(認証用鍵))により乱数を暗号化する。
【0070】
[第2の端末装置の構成]
図3は、通信機器としての第2の携帯端末装置(以下、単に第2の端末装置と称す。)の機能構成例を示すブロック図である。
【0071】
通信機器としての第2の端末装置20は、第1の端末装置10と電磁波を用いた近距離無線通信可能な端末である。第2の端末装置20は、例えばスマートフォン等の携帯電話、タブレット端末などであってもよく、また、電子マネーを保有可能な電子マネーカードであってもよい。
【0072】
通信機器は、少なくとも第1の端末装置10のリーダライタ170を用いて第1の端末装置10と近距離無線通信可能で、電子マネーを保有可能に構成されていればよい。第2の端末装置20は典型的にはスマートフォンであり、本実施形態では、タッチパネル操作が可能なスマートフォンを例にあげて説明する。
【0073】
第2の端末装置20は、図3に示すように、通信部221と、表示部222と、入力部224と、第2の制御部226と、第2のICチップ271と、近距離無線通信部としての第2の通信アンテナ272とを有する。
【0074】
通信部221は、例えば無線ネットワークを介した他の装置との通信を行う。
入力部224は、キー、ボタン、タッチパネル及びマイクロホンなどよりなる。
【0075】
表示部222は、通信部221が受信した情報や、入力部224に対して行われたユーザの操作に応じた情報等を表示する。表示部222は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の画像表示パネルで構成される。また、表示部222にタッチパネルが設けられていても良い。
【0076】
第2の制御部226は、第2の端末装置20の動作を制御する。
【0077】
第2の通信アンテナ272は、第1の端末装置10と電磁波を用いた非接触の近距離無線通信を行う。リーダライタ170から発せられる電磁波に、第2の通信アンテナ272が反応して起電力が発し、その起電力を電源として第2のICチップ271が作動する。
【0078】
第2のICチップ271には、自らを識別する個体識別番号2711が付与されている。第2のICチップ271は、第2のIC制御部2712と、第2のメモリ部2713と、第2の認証部2714と、第2の暗号処理部2715を備えている。
【0079】
第2のメモリ部2713は、フリー領域と共通領域に分割されている。共通領域は、リモート発行サーバ50を運営、管理する事業者が管理する領域である。
【0080】
第2のメモリ部2713の共通領域は更にエリアと呼ばれる領域に複数分割され、サービス毎にエリアが割り当てられている。
【0081】
第2のメモリ部2713の共通領域には、第1のメモリ部1713と同様に、第2の端末装置20が保有する電子バリューのデータが記憶される。本実施形態では、第2の端末装置20は、例えば電子マネーA、電子マネーCの2種類の電子マネーを保有可能に構成される。
【0082】
第2のメモリ部2713は、これら複数の電子マネーサービスや、電子マネー移動サービスに係るデータが記録可能に構成される。第2のメモリ部2713内のデータは、リモート発行サーバ50からの指示に基づいて第2のIC制御部2712によって読み書きされ得る。リモート発行サーバ50からの指示は、第1の端末装置10のリーダライタ170を介して第2の端末装置20に送信される。
【0083】
第2の認証部2714は、第1の端末装置10と第2の端末装置20との間の相互認証時に、第2の端末装置20が生成した乱数が、第1の端末装置10へ送られ、更に第2の端末装置20に送られた乱数と一致するかを認証する。
【0084】
第2の暗号処理部2715は、予め用意されている鍵(認証用として用いられる鍵(認証用鍵))により乱数を暗号化する。
【0085】
第1の端末装置10は、電子マネー移動アプリケーションプログラム1281の実行によるリーダライタ170の起動により第2の端末装置20と近距離無線通信し、第2の端末装置20の第2のメモリ部2713のデータの書き換えの指示が可能となる。
【0086】
この第1の端末装置10による第2のメモリ部2713のデータの書き換えが可能となるようにするには、第1の端末装置10による第2の端末装置20へのアクセス認証が必要となる。
【0087】
更に、このアクセスが認証されると、第1の端末装置10と第2の端末装置20間の相互認証が行われる。アクセス認証及び相互認証が正常に行われると、第1の端末装置10のリーダライタ170を利用した第1の端末装置10と第2の端末装置20との間の電子マネーの移動が可能な状態となる。以下にアクセス認証及び相互認証について説明する。
【0088】
まず、アクセス認証について説明する。図5は、情報処理システムの概要を説明する図である。
【0089】
第1の端末装置10は、リーダライタ170の起動により、リーダライタ170を介して、第2の端末装置20の第2のICチップ271の個体識別番号2711を取得する。第1の端末装置10の第1の制御部126は、第2の個体識別番号2711を第1のICチップ171の第1の個体識別番号1711と供に、アプリサーバ40に送信する。
【0090】
アプリサーバ40は、第1の個体識別番号1711と第2の個体識別番号2711を基に、第1の端末装置10と第2の端末装置20がリモート発行サーバ50の正規のユーザであるかの確認をリモート発行サーバ50に要求する。
【0091】
リモート発行サーバ50は、データベース(DB)54を参照しながら、データベース54に第1の個体識別番号1711と第2の個体識別番号2711が存在するかを確認する。データベース54にそれぞれの個体認識番号が存在すると、リモート発行サーバ50は、第1の端末装置10と第2の端末装置20とが正規のユーザであると判定する。
【0092】
リモート発行サーバ50からアプリサーバ40に対して正規のユーザであるとの確認結果が送信され、アプリサーバ40から第1の端末装置10に対して第1の端末装置10の第2の端末装置20へのアクセスが認証されたことが通知される。
【0093】
次に、相互認証について説明する。
アクセス認証が終了すると、第1の端末装置10と第2の端末装置20との相互認証が行われる。相互認証の流れについて以下に説明する。
【0094】
第1のICチップ171と第2のICチップ271には、同じ鍵があらかじめ用意されている。第1のICチップ171は、第2のICチップ271により暗号化された情報を復号可能な鍵を有している。第2のICチップ271は、第1のICチップ171により暗号化された情報を復号可能な鍵を有している。
【0095】
上述のアクセスの認証が通知されると、第1の制御部126は、リーダライタ170に対して、電子マネーデータの移動元となる第1のICチップ171と電子マネーデータの移動先となる第2のICチップ271との間で相互認証を行うよう要求する。
【0096】
この要求に応じて、第1のICチップ171においては、所定の乱数(乱数A)が生成され、生成された乱数Aが、第1の暗号処理部1715により予め用意されている鍵(認証用としても用いられる鍵(認証用鍵))により暗号化されて、リーダライタ170に送信される。リーダライタ170は、暗号化された乱数Aを第2のICチップ271に送信する。
【0097】
第2のICチップ271では、あらかじめ用意されている認証用鍵による復号が行われ、第1のICチップ171により生成された乱数Aが取得される。取得された乱数Aは第2のICチップ271において記憶される。
【0098】
また、第2のICチップ271においても、所定の乱数(乱数B)が生成され、ここで生成された乱数Bと、復号して取得された乱数Aが、第2の暗号処理部2715にて認証用鍵により暗号化されて、リーダライタ170に送信される。リーダライタ170は、暗号化された乱数Aと乱数Bを第1のICチップ171に送信する。
【0099】
第2のICチップ271から送信されてきたデータを受信した第1のICチップ171においては、認証用鍵による復号が行われ、第2のICチップ271により生成された乱数Bと、第2のICチップ271により暗号化された乱数Aが取得される。
【0100】
取得された乱数Aが、第1のICチップ171自身が生成した乱数Aと同じであることが第1の認証部1714によって確認された場合、復号することによって得られた乱数Bは第1のICチップ171において記憶される。
【0101】
また、このとき、第1のICチップ171においては、乱数Bが第1の暗号処理部1715により認証用鍵により暗号化されてリーダライタ170に送信される。リーダライタ170は、暗号化された乱数Bを第2のICチップ271に送信する。
【0102】
第2のICチップ271においては、認証用鍵による復号が行われ、第1のICチップ171により暗号化された乱数Bが取得される。その取得された乱数Bが、第2のICチップ271自身が生成した乱数Bと同じであることが第2の認証部2714に確認された場合、相互認証が正常に行われたと判断され、一連の相互認証処理が終了される。
【0103】
[アプリサーバの構成]
中間サーバとしてのアプリサーバ40は、ある種類の電子マネーをそれとは異なる電子マネーに交換して異なる端末装置間で移動可能とする電子マネー移動サービスを提供する事業者が運営するサーバである。この電子マネー移動サービス事業者は、リモート発行サーバ50を運営、管理する事業者に利用申し込みを行うことにより、電子マネー移動サー
スを提供できる。
【0104】
アプリサーバ40は、必要に応じて、リモート発行サーバ50との間、第1の端末装置10との間で情報の授受を行う。
【0105】
図4は、アプリサーバ40の機能構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、アプリサーバ40は、通信部41と、情報取得部42と、処理実行部43とを含んで構成される。
【0106】
通信部41は、第1の端末装置10やリモート発行サーバ50との間の通信を実行し、情報の送受信を行う。
【0107】
情報取得部42は、通信部41が第1の端末装置10との通信により取得した情報を取得する。情報取得部42が取得した情報は、処理実行部43に提供される。
【0108】
処理実行部43は、情報取得部42が取得した情報に基づいた各種処理を実行する。例えば、第1の端末装置10からの電子マネーの移動の要求を受信すると、処理実行部43は、リモート発行サーバ50に対してリーダライタ170の起動を要求する。
【0109】
第1の端末装置10から電子マネーの移動の実行の要求を受信すると、処理実行部43は、リモート発行サーバ50に対して、第1の端末装置10の第1のメモリ部1713から移動分の第1の電子マネーを削除する要求をする。
【0110】
更に、第1の端末装置10から電子マネーの移動の実行の要求を受信すると、処理実行部43は、リモート発行サーバ50に対して、第2の端末装置20の第2のメモリ部2713へ移動分の第2の電子マネーを追加する要求をする。
【0111】
[リモート発行サーバの構成]
管理サーバとしてのリモート発行サーバ50は、第1の端末装置10から送信される情報に基づいてアプリサーバ40からなされる指示に基づいた処理を実行する。
【0112】
第1のICチップ171及び第2のICチップ271を利用した電子マネーサービスは、各ICチップ171及び271の共通領域を利用して提供され、この共通領域の運営、管理はリモート発行サーバ50により行われる。
【0113】
リモート発行サーバ50は、ICチップ内の共通領域を利用する、例えば電子マネーA、電子マネーB、電子マネーC、電子マネーDそれぞれの電子マネーサービス事業者のデータが重複しないように管理を行っている。例えば、共通領域内のメモリ部をエリアに分割して各サービス事業者に割当てを行う。
【0114】
図5は、リモート発行サーバ50の機能構成例を示すブロック図である。
図5に示すように、リモート発行サーバ50は、通信部51と、情報取得部52と、処理実行部53とを含んで構成される。
【0115】
通信部51は、第1の端末装置10やアプリサーバ40との間の通信を実行し、情報の送受信を行う。
【0116】
情報取得部52は、通信部51がアプリサーバ40との通信により取得した情報を取得する。情報取得部52が取得した情報は、処理実行部53に提供される。
【0117】
処理実行部53は、情報取得部52が取得した情報に基づいた各種処理を実行する。処理実行部53が実行する各種処理は、第1の端末装置10で入力された電子マネー移動情報に基づいて行われる。
【0118】
例えば、アプリサーバ40からリーダライタ170の起動要求を受信すると、処理実行部53は、第1の端末装置10に対してリーダライタ170の起動を指示する。
【0119】
アプリサーバ40から、第1の端末装置10の第1のメモリ部1713から移動分の第1の電子マネーを削除する要求を受信すると、処理実行部53は、第1の端末装置10に対して、第1のメモリ部1713から移動分の第1の電子マネーを削除する指示を送信する。
【0120】
更に、アプリサーバ40から、第2の端末装置20の第2のメモリ部2713へ移動分の第2の電子マネーを追加する要求を受信すると、処理実行部53は、第1の端末装置10に対して、第2のメモリ部2713へ移動分の第2の電子マネーを追加する指示を送信する。
【0121】
<情報処理システムの動作説明>
次に、図6図8を用いて上述の情報処理システム100の動作説明をする。ここでは、第1の端末装置10が保有する第1の電子マネーとしての電子マネーBを、第1の電子マネーとは種類の違う第2の電子マネーとしての電子マネーCに変換して第2の端末装置20に移動する例をあげる。
【0122】
図6及び図7は、情報処理システムの概要を説明する図である。図8は、情報処理システム100を構成する各装置の動作例を示すシーケンス図である。以下、図8に従って説明する。
【0123】
まず、第1の端末装置10に電子マネー移動アプリケーションプログラム1281がユーザによりダウンロードされることにより、電子マネー移動サービスの実行が可能となる。
【0124】
電子マネー移動アプリケーションプログラム1281が実行されることにより、例えば図6(A)や図7(A)に示すように、第1の端末装置10の表示部122に電子マネー移動情報を入力する画面が表示される。
【0125】
表示部122には、移動元である第1の端末装置10が保有する電子マネーのうちどの電子マネーを移動するかを選択するチェック欄と、移動先である第2の端末装置20へどの種類の電子マネーに変換して移動させるかを選択するチェック欄と、移動金額入力欄と、移動実行ボタンが表示される。図7(A)に図示する例ではメモ欄が更に表示される。
【0126】
第1の端末装置10のユーザにより、第1の端末装置10が保有する電子マネーのうち移動に用いる電子マネーの種類が選択されチェックされる。例えば、図6(A)や図7(A)では、移動元の電子マネーとして、電子マネーBが選択されチェックされる。
【0127】
次に、移動する電子マネーをどの種類の電子マネーに変換して第2の端末装置20へ移動させるかが選択されチェックされる。例えば、図6(A)、図7(A)では、移動先の電子マネーとして電子マネーCが選択されチェックされる。
【0128】
更に、ユーザにより、移動金額入力欄に移動金額、例えば1000円が入力され、メモ欄にメモ、例えば移動の目的等が任意に入力され、移動実行ボタンがタップされる。これにより、第1の制御部126は、通信部121に、移動情報と電子マネーの移動の要求を、アプリサーバ40へ送信させる(S101)。
【0129】
アプリサーバ40は、第1の端末装置10から送信された電子マネー移動要求を受信すると(S102)、リモート発行サーバ50に対し、リーダライタ170の起動要求を送信する(S103)。
【0130】
リモート発行サーバ50は、アプリサーバ40から送信されたリーダライタ170の起動要求を受信すると(S104)、第1の端末装置10に対し、リーダライタ170の起動指示を送信する(S105)。
【0131】
第1の端末装置10の通信部121がリーダライタ170の起動の指示を受信すると(S106)、第1の制御部126は、リーダライタ170を起動する(S107)。リーダライタ170が起動すると、表示部122には、第1の端末装置10と第2の端末装置20とを近づけるよう指示が表示される。
【0132】
リーダライタ170が起動し、第1の端末装置10と第2の端末装置20とが近接することにより、第1の端末装置10と第2の端末装置20との電磁波による非接触の近距離無線通信が成立する。
【0133】
近距離無線通信が成立すると、上述したアクセス認証及び相互認証が行われる。アクセス認証及び相互認証が正常に行われると、第1の端末装置10のリーダライタ170を利用した電子マネーの移動が可能な状態となる。
【0134】
アクセス認証及び相互認証が正常に行われると、第1のIC制御部1712は、リーダライタ170に、第1の端末装置10のユーザにより入力された移動先の電子マネーの種類が、第2の端末装置20が保有可能な電子マネーであるかを確認する確認要求を第2の端末装置20へ送信させる(S108)。
【0135】
第2の端末装置20により電子マネーの種類の確認要求が受信されると(S109)、第2のIC制御部2712は、ユーザが入力した移動先である第2の端末装置20が受け取り可能な電子マネーの種類(本実施形態においては、電子マネーC)であるかを確認する。
【0136】
第2のIC制御部2712は、保有可能な種類の電子マネーであると確認すると、ユーザが入力した種類の電子マネーがあるとの通知を第1の端末装置10へ送信する(S110)。このように、リーダライタ機能を用いて、第1の端末装置10により電子マネーの確認が行われる。
【0137】
尚、ここで、第2の端末装置20が、ユーザが入力した電子マネーの種類を第2の端末装置20が保有可能でない場合は、その旨が第1の端末装置10に対して通知される。また、この通知とあわせて、第2の端末装置20が保有可能な電子マネーの種類情報が第1の端末装置10に対して送信される。
【0138】
第1の端末装置10では、この通知を受け、第2の端末装置20が保有可能な電子マネーの種類情報の通知画面が表示され、更に、図7(A)に示す入力画面が改めて表示される。
【0139】
第1の端末装置10は、ユーザが入力した電子マネーの種類が第2の端末装置20により保有可能であるとの確認結果を受信すると(S111)、ユーザによって入力された電子マネー移動情報を基に、電子マネーの移動の実行要求をアプリサーバ40に対して送信する(S112)。
【0140】
本実施形態では、電子マネーの移動は、第1のメモリ部1713に記録される電子マネーBを電子マネーCに変換して第2のメモリ部2713に移動することである。
【0141】
アプリサーバ40は、電子マネー移動実行要求を受信すると(S113)、リモート発行サーバ50に対して、第1の端末装置10が保有する電子マネーBから移動分の金額を削除、言い換えると減算する要求を送信する(S114)。
【0142】
リモート発行サーバ50は、減算要求を受信し(S115)、第1の端末装置10に対して、第1のメモリ部1713から移動分の金額を減算する減算処理の実行の指示を送信する(S116)。尚、本実施形態では、電子バリューが電子マネーであるので、電子バリューの削除処理を減算処理と称し、電子バリューの追加処理を加算処理と称す。
【0143】
第1の端末装置10においては、減算処理の実行の指示を受信すると(S117)、第1の制御部126は、第1のIC制御部1712に、保有する電子マネーBから移動分である1000円分の金額を減算する減算処理をさせて(S118)、第1のメモリ部1713に記憶される電子マネーBのデータを書き換えさせる。
【0144】
このように、リモート発行サーバ50により、第1の端末装置10の第1のICチップ171は遠隔操作される(リモート機能)。
【0145】
減算処理が終了すると、第1の端末装置10は減算処理が完了した報告をアプリサーバ40に送信する(S119)。アプリサーバ40は、完了報告を受信する(S120)。
【0146】
次に、アプリサーバ40は、リモート発行サーバ50に対して、第2の端末装置20が保有する電子マネーCに移動分である1000円分の金額を追加、言い換えると加算する要求を送信する(S121)。
【0147】
リモート発行サーバ50は、加算要求を受信し(S122)、第1の端末装置10に対して、第2のメモリ部2713へ移動分の金額を加算する加算処理の実行を指示する(S123)。第1の端末装置10の第1の制御部126は、リモート発行サーバ50からの指示を基に、リーダライタ170に、第2の端末装置20に対して加算処理の実行の指示を送信させる。
【0148】
第2の端末装置20においては、加算処理の実行の指示を受信すると(S124)、第2のIC制御部2712は、保有する電子マネーCに移動分1000円分の金額を加算する加算処理をし(S125)、第2のメモリ部2713に記憶される電子マネーCのデータを書き換える。
【0149】
このように、リモート発行サーバ50により、第1の端末装置10のリーダライタ170を介して、第2の端末装置20の第2のICチップ271は遠隔操作される(リーダライタ機能、リモート機能。)。
【0150】
加算処理が終了すると、第2の端末装置20は加算処理が完了した報告を、第1の端末装置10のリーダライタ170を介して、アプリサーバ40に送信する(S126)。アプリサーバ40は、完了報告を受信する(S127)。以上により、第1の端末装置10が保有していた電子マネーは、種類が変換されて、第2の端末装置20へ移動する。
【0151】
移動が完了すると、例えば「チャリーン」という電子音の後に、「移動が完了しました」という音声が第1の端末装置10から発せられる。また、移動が完了すると、第1の端末装置10の表示部122には、例えば図6(B)に示すような、移動内容が表示される。
【0152】
また、図7(A)において、移動履歴というボタンがタップされると、図7(B)に示されるように、移動履歴として、日付、移動内容、メモが表示される。
【0153】
以上のように、本実施形態においては、電子バリューの移動元と移動先である第1の端末装置と第2の端末装置とをかざして近距離無線通信をすることにより、個人間での電子バリューの移動を容易に行うことができる。
【0154】
本実施形態では、電子バリューの移動元となる第1の端末装置(情報処理装置)と移動先となる第2の端末装置(通信機器)が同じ場に存在しないと電子バリューの移動が行えないため、物理的な制限が生じる。
【0155】
したがって、第1の端末装置のユーザと第2の端末装置のユーザとが同じ場に存在することとなり、電子バリューの移動元となる第1の端末装置のユーザと移動先となる第2の端末装置のユーザとが、合意した上で電子バリューの交換が行われることになる。これにより、現金や現物での直接の受け渡しと同じような感覚で、電子バリューの受け渡しを行うことができる。
【0156】
本実施形態においては、電子バリューを受けとる第2の端末装置はアプリをダウンロードする必要がなく、第1の端末装置のリーダライタを用いて近距離無線通信を行うだけで、電子バリューを受け取ることができる。
【0157】
また、電子バリューの移動元と移動先である第1の端末装置と第2の端末装置が同じ場に存在するので第1の端末装置からみて電子バリューの移動先が明確に特定され、第2の端末装置20が、直接アプリサーバ40及びリモート発行サーバ50とアクセスする必要がない。
【0158】
第2の端末装置は、個人情報や口座情報等の情報の入力なしに電子バリューの受け取りが可能であるので、情報入力の手間が省け、容易に電子バリューの移動が可能となる。
【0159】
また、本実施形態では、移動元及び移動先それぞれが保有可能な電子バリューの種類に係らず、種類の異なる電子バリューに変換しての移動が可能であるので、利便性が良い。
【0160】
本実施形態においては、電子バリューとして電子マネーを例にあげて説明したが、これに限定されず電子チケットやクーポン等の電子バリューにも適用することができる。以下に、第2実施形態として、電子バリューとしてチケットを移動する例をあげ、電子チケットと電子マネーの交換を行う場合について説明する。
【0161】
(第2実施形態)
<情報処理システムの構成>
図9は本実施形態に係る情報処理システムの一構成例を示す。図10は、図9に示す情報処理システムの一部を構成する購入側端末装置の機能構成例を示すブロック図である。
【0162】
図9に示すように、情報処理システム1100は、中間サーバとしてのアプリサーバ1040と、管理サーバとしてのリモート発行サーバ1050と、情報処理装置としての購入側端末装置1010と、通信機器としての転売側端末装置1020と、通信網30とを含んで構成される。第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、異なる点を中心に説明する。
【0163】
情報処理システム100では、購入側端末装置1010と転売側端末装置1020とが電磁波を用いて近距離無線通信することにより、購入側端末装置1010と転売側端末装置1020との間で電子バリューとしての電子マネーと電子チケットがそれぞれ移動し、結果的に電子マネーと電子チケットの交換が可能となるように構成される。
【0164】
購入側端末装置1010及び転売側端末装置1020は、通信網30に接続可能な端末である。購入側端末装置1010及び転売側端末装置1020は、例えばスマートフォン等の携帯電話、タブレット端末などであってもよく、典型的にはスマートフォンである。本実施形態では、タッチパネル操作が可能なスマートフォンを例にあげて説明する。
【0165】
購入側端末装置1010は、転売側端末装置1020が保有している電子チケットを購入する側である。転売側端末装置1020は、購入側端末装置1010に対して、自身が保有する電子チケットを売る側である。
【0166】
転売側端末装置1020のユーザは、電子チケット販売事業者ではなく、電子チケット販売事業者から例えばコンサートの電子チケットを購入し、後にコンサートに行けなくなったため、購入側端末装置1010のユーザに電子チケットを転売する者である。
【0167】
転売側端末装置1020のユーザと購入側端末装置1010のユーザとは、電子マネー及び電子チケット移動サービスアプリケーションを利用することにより、個人間で電子チケットの売買が行える。
【0168】
図2は購入側端末装置1010の機能構成例を示すブロック図である。購入側端末装置1010は、図2に示すように、上述の第1の端末装置10とほぼ同様の構成を備える。
【0169】
購入側端末装置1010においては、プログラム記憶部128に記憶されるアプリケーションプログラムが、電子マネー及び電子チケット移動サービスアプリケーションプログラム1285である。
【0170】
このアプリケーションプログラム1285は、リモート発行サーバ1050による遠隔操作が可能なICチップが搭載される端末装置対応のアプリケーションプログラムである。このアプリケーションプログラム1285は、電子チケット販売業者が提供するものであり、このアプリケーションを用いて、電子チケットの購入、電子チケットの移動、電子マネーの移動のサービスを受けることができる。
【0171】
購入側端末装置1010の第1の制御部126は、購入側端末装置1010の動作を制御する。第1の制御部126は、プログラム記憶部128に格納されたアプリケーションプログラム1285を実行することで、購入側端末装置1010の動作を制御する。
【0172】
アプリケーションプログラム1285の実行による第1の制御部126による購入側端末装置1010の動作の制御としては、アプリサーバ1040への電子マネー及び電子チケットの移動要求、リモート発行サーバ1050からのリーダライタ起動指示に基づくリーダライタ170の起動、電子マネー及び電子チケットの移動実行の要求、リモート発行サーバ1050からの指示に基づく電子チケットの書込みと電子マネーの減算処理による第1のメモリ部1713の書き換え、リモート発行サーバ1050からの指示に基づく電子チケットの消去と電子マネーの加算処理による転売側端末装置1020の第2のメモリ部2713の書き換えの指示の転売側端末装置1020への送信の実行などがある。
【0173】
購入側端末装置1010は、例えば電子マネーA、電子マネーB、電子マネーCと電子マネーDの4種類の電子マネー、電子チケットを保有可能に構成される。購入側端末装置1010の第1のメモリ部1713には、これら複数の電子マネーサービスや、電子マネー及び電子チケット移動サービスに係るデータが記録可能に構成される。
【0174】
図10は転売側端末装置1020の機能構成例を示すブロック図である。転売側端末装置1020は、上述の第1の端末装置10とほぼ同様の構成を備え、上述の第2の端末装置20の構成にリーダライタ270とプログラム記憶部228が追加された構成となっている。第2の端末装置20と同じ構成については同様の符号を付す。
【0175】
転売側端末装置1020のプログラム記憶部228には、購入側端末装置1010と同様の電子マネー及び電子チケット移動サービスアプリケーションプログラム1285が記憶されている。
【0176】
リーダライタ270は、リーダライタ(R/W)用アンテナ2701と、リーダライタ送信回路2702と、リーダライタ受信回路2703を備え、各構成は上述の第1の端末装置10のリーダライタ170と同様の機能を備える。
【0177】
転売側端末装置1020は、例えば電子マネーA、電子マネーCの2種類の電子マネーと電子チケットを保有可能に構成される。転売側端末装置1020の第2のメモリ部2713には、これら複数の電子マネーサービスや、電子マネー及び電子チケット移動サービスに係るデータが記録可能に構成される。
【0178】
本実施形態においては、購入側端末装置1010が、自身のリーダライタ機能を用いて、転売側端末装置1020の第2の通信アンテナ272と第2のICチップ271から構成される非接触ICカード機能の第2のメモリ部2713に記憶されているデータの書き換えを行う。
【0179】
アプリサーバ1040は、電子チケットを販売し、ある種類の電子マネーをそれとは異なる電子マネーに交換して異なる端末装置間で移動可能とし、更に電子チケットを異なる端末装置間で移動可能とする、電子マネー及び電子チケット移動サービスを提供する事業者が運営するサーバである。
【0180】
アプリサーバ1040は、図4に示すように、上述のアプリサーバ40と同様の構成を備える。
アプリサーバ140の処理実行部43は、情報取得部42が取得した情報に基づいた各種処理を実行する。例えば、購入側端末装置1010からの電子マネー及び電子チケットの移動の要求を受信すると、処理実行部43は、リモート発行サーバ1050に対してリーダライタ170の起動を要求する。
【0181】
購入側端末装置1010から電子マネー及び電子チケットの移動の実行の要求を受信すると、処理実行部43は、リモート発行サーバ1050に対して、購入側端末装置1010の第1のメモリ部1713から移動分の第1の電子マネーを削除し、第1のメモリ部1713に電子チケットを追加する要求をする。
【0182】
更に、購入側端末装置1010から電子マネー及び電子チケットの移動の実行の要求を受信すると、処理実行部43は、リモート発行サーバ50に対して、転売側端末装置1020の第2のメモリ部2713へ移動分の第2の電子マネーを追加し、第2のメモリ部2713から電子チケットを削除する要求をする。
【0183】
アプリサーバ1040は、必要に応じて、リモート発行サーバ1050との間、購入側端末装置1010との間で情報の授受を行う。
【0184】
リモート発行サーバ1050は、購入側端末装置1010から送信される情報に基づいてアプリサーバ1040からなされる指示に基づいた処理を実行する。リモート発行サーバ1050は、図5に示すように、上述のリモート発行サーバ50と同様の構成を備える。
【0185】
処理実行部53は、情報取得部52が取得した情報に基づいた各種処理を実行する。処理実行部53が実行する各種処理は、購入側端末装置1010で入力された電子マネー及び電子チケット移動情報に基づいて行われる。
【0186】
例えば、アプリサーバ1040からリーダライタ170の起動要求を受信すると、処理実行部53は、購入側端末装置1010に対してリーダライタ170の起動を指示する。
【0187】
アプリサーバ1040から、購入側端末装置1010の第1のメモリ部1713から移動分の第1の電子マネーを削除し、第1のメモリ部1713に電子チケットを追加する要求を受信すると、処理実行部53は、購入側端末装置1010に対して、第1のメモリ部1713から移動分の第1の電子マネーを削除し、第1のメモリ部1713へ電子チケットを追加する指示を送信する。
【0188】
更に、アプリサーバ1040から、転売側端末装置1020の第2のメモリ部2713へ移動分の第2の電子マネーを追加し、第2のメモリ部2713から電子チケットを削除する要求を受信すると、処理実行部53は、第1の端末装置10に対して、第2のメモリ部2713へ移動分の第2の電子マネーを追加し、第2のメモリ部2713から電子チケットを削除する指示を送信する。
【0189】
電子マネー及び電子チケット移動サービスの事業者は、リモート発行サーバ1050を運営、管理する事業者に利用申し込みを行うことにより、電子マネー及び電子チケット移動サービスを提供できる。
【0190】
<情報処理システムの動作説明>
次に、図11図13を用いて上述の情報処理システム1100の動作説明をする。ここでは、転売側端末装置1020が保有する電子チケットを購入側端末装置1010に移動し、この電子チケットの対価として、購入側端末装置1010が保有する第1の電子マネーとしての電子マネーBを種類の違う第2の電子マネーとしての電子マネーCに変換して転売側端末装置1020に移動する例をあげる。言い換えると、電子チケットと電子マネーという異なる電子バリューの交換が個人間で行われる。
【0191】
図11及び図12は、情報処理システム1100の概要を説明する図である。図13は、情報処理システム1100を構成する各装置の動作例を示すシーケンス図である。以下、図13に従って説明する。
【0192】
まず、購入側端末装置1010、転売側端末装置1020の双方それぞれに電子マネー及び電子チケット移動サービスアプリケーションプログラム1285がユーザによりダウンロードされる。これにより、電子マネー及び電子チケットの移動サービスの実行が可能となる。
【0193】
電子マネー及び電子チケット移動サービスアプリケーションプログラム1285が実行されることにより、例えば図12(A)に示すように、購入側端末装置1010の表示部122に電子マネー及び電子チケット移動情報入力画面が表示される。
【0194】
表示部122には、電子チケットの購入にあたって、購入側端末装置1010のユーザが保有する電子マネーのうちどの種類の電子マネーを使って支払うかを選択するチェック欄と、転売側端末装置1020のユーザにどの種類の電子マネーで支払うかを選択するチェック欄と、購入金額入力欄と、購入する電子チケットの内容が入力されるメモ欄と、チケット購入実行ボタンが表示される。
【0195】
購入側端末装置1010のユーザにより、購入側端末装置1010が保有する電子マネーから支払いに用いる電子マネーの種類が選択され、電子マネーをどの種類の電子マネーに変換して移動する、言い換えると、支払うかが選択される。
【0196】
例えば、図12(A)では、移動元の電子マネーの種類として電子マネーBが選択され、移動先の電子マネーの種類として電子マネーCが選択されている。更に、購入金額入力欄に購入金額、例えば10000円が入力される。メモ欄には、購入するチケット名と目的、例えば「G劇団チケット購入」が入力される。
【0197】
購入側端末装置1010のユーザにより電子マネー及び電子チケットの移動情報が入力され、チケット購入ボタンがタップされると、第1の制御部126は、通信部121に、移動情報と電子マネー及び電子チケットの移動要求を、アプリサーバ1040に送信させる(S201)。
【0198】
アプリサーバ1040は、購入側端末装置1010から送信された移動要求を受信すると(S202)、リモート発行サーバ1050に対し、リーダライタ170の起動要求を送信する(S203)。
【0199】
リモート発行サーバ1050は、アプリサーバ1040から送信されたリーダライタ起動要求を受信すると(S204)、購入側端末装置1010に対し、リーダライタ機能の起動指示を送信する(S205)。
【0200】
購入側端末装置1010の通信部121がリーダライタ170の起動の指示を受信すると(S206)、第1の制御部126はリーダライタ170を起動させる(S207)。リーダライタ170が起動すると、表示部122には、購入側端末装置1010と転売側端末装置1020とを近づけよう指示が表示される。
【0201】
リーダライタ170が起動し、購入側端末装置1010と転売側端末装置1020とが近接することにより、購入側端末装置1010と転売側端末装置1020との電磁波による非接触の近距離無線通信が成立する。
【0202】
近距離無線通信が成立すると、上述したアクセス認証及び相互認証が行われる。アクセス認証及び相互認証が正常に行われると、購入側端末装置1010のリーダライタ170を利用した電子マネー及び電子チケットの移動が可能な状態となる。
【0203】
アクセス認証及び相互認証が正常に行われると、転売側端末装置1020の表示部222には、例えば図12(B)に示すように、転売金額欄、メモ欄といった移動情報が表示される。ここでは、転売金額欄に10000円が表示され、メモ欄には、購入するチケット名と目的、例えば「G劇団チケット転売」が表示される。
【0204】
次に、第1のIC制御部1712は、リーダライタ170に、購入側端末装置1010のユーザにより入力された電子チケットを、第2の端末装置20が保有しているかの確認要求を転売側端末装置1020へ送信させる(S208)。
【0205】
転売側端末装置1020において、電子チケットの確認要求が受信されると(S209)、第2のIC制御部2712は、購入側端末装置1010のユーザが入力した購入対象の電子チケットが存在するかどうかを確認する。
【0206】
第2のIC制御部2712は、電子チケットが存在すると確認すると、電子チケットが存在するとの通知を第1の端末装置10へ送信する(S210)。
【0207】
尚、ここで、転売側端末装置1020が、購入側端末装置1010のユーザにより入力された電子チケットを保有していない場合は、その旨が購入側端末装置1010に対して通知される。この通知を受け、購入側端末装置1010では、「対象の電子チケットはありません」という通知画面が表示される。
【0208】
購入側端末装置1010は、対象の電子チケットを保有しているとの確認結果を受信すると(S211)、アプリサーバ1040に対して、電子チケット保有認証が完了した報告を送信する(S212)。
【0209】
アプリサーバ1040は、電子チケット保有認証完了報告を受信すると(S213)、リモート発行サーバ1050に対し、リーダライタ170の起動要求を送信する(S214)。
【0210】
リモート発行サーバ1050は、アプリサーバ1040から送信されたリーダライタ170の起動要求を受信すると(S215)、購入側端末装置1010に対し、リーダライタ170の起動指示を送信する(S216)。
【0211】
購入側端末装置1010の通信部121がリーダライタ170の起動の指示を受信すると(S217)、第1の制御部126は、リーダライタ170を起動させる(S218)。リーダライタ170が起動し、購入側端末装置1010と転売側端末装置1020とが近接することにより、購入側端末装置1010と転売側端末装置1020との電磁波による非接触の近距離無線通信が成立する。
【0212】
次に、第1のIC制御部1712は、リーダライタ170に、購入側端末装置1010のユーザにより入力された移動先の電子マネーの種類を、転売側端末装置1020が保有可能か否かの確認要求を転売側端末装置1020へ送信する(S219)。
【0213】
転売側端末装置1020により電子マネーの種類の確認要求が受信されると(S220)、第2のIC制御部2712は、ユーザが入力した電子マネーが転売側端末装置1020で保有可能な電子マネーの種類かどうかを確認する。
【0214】
第2のIC制御部2712は、ユーザが入力した電子マネーが転売側端末装置1020で保有可能な電子マネーの種類(本実施形態においては、電子マネーC)であると確認すると、ユーザが入力した電子マネーを保有可能であるとの通知を購入側端末装置1010へ送信する(S221)。
【0215】
尚、ここで、転売側端末装置1020が、ユーザが入力した電子マネーを保有することができない場合は、その旨が購入側端末装置1010に対して通知される。また、この通知とあわせて、転売側端末装置1020が保有可能な電子マネーの種類情報が購入側端末装置1010に対して送信される。
【0216】
購入側端末装置1010では、この通知を受け、転売側端末装置1020が保有可能な電子マネーの種類情報の通知画面が表示され、更に、図12(A)に示す入力画面が改めて表示される。
【0217】
購入側端末装置1010は、ユーザが入力した移動先の電子マネーの種類を転売側端末装置1020が保有可能であるとの確認結果を受信すると(S222)、電子マネー及び電子チケットの移動の実行の要求をアプリサーバ1040に送信する(S223)。
【0218】
アプリサーバ1040は、移動実行の要求を受信すると(S224)、リモート発行サーバ1050に対して、購入側端末装置1010が保有する電子マネーBから移動分の金額を減算する要求を送信する(S225)。
【0219】
ここで、本実施形態においては、電子バリューが電子マネーである場合、電子バリューの削除処理を減算処理と称し、電子バリューの追加処理を加算処理と称す。また、電子バリューが電子チケットである場合、電子バリューの削除処理を消去処理と称し、電子バリューの追加処理を書込み処理と称す。
【0220】
リモート発行サーバ1050は、減算要求を受信し(S226)、購入側端末装置1010に対して減算処理の実行の指示を送信する(S227)。
【0221】
購入側端末装置1010においては、減算処理の実行の指示を受信すると(S228)、第1の制御部126は、第1のIC制御部1712に、保有する電子マネーBから移動分10000円分の金額を減算する減算処理をさせて(S229)、第1のメモリ部1713に記憶される電子マネーBのデータを書き換えさせる。
【0222】
このように、リモート発行サーバ1050により、購入側端末装置1010の第1のICチップ171は遠隔操作される(リモート機能)。
【0223】
減算処理が終了すると、購入側端末装置1010は減算処理が完了した報告をアプリサーバ1040に送信する(S230)。アプリサーバ1040は、完了報告を受信する(S231)。
【0224】
次に、アプリサーバ1040は、リモート発行サーバ1050に対して、転売側端末装置1020が保有する電子チケットを消去する要求を送信する(S232)。
【0225】
リモート発行サーバ1050は、消去要求を受信し(S233)、第2のメモリ部2713から電子チケットを消去する消去処理の実行の指示を、購入側端末装置1010に送信する(S234)。
【0226】
購入側端末装置1010の第1の制御部126は、リモート発行サーバ1050からの指示を基に、リーダライタ170に、転売側端末装置1020に対して消去処理の実行の指示を送信させる。
【0227】
転売側端末装置1020において、消去処理の実行の指示を受信すると(S235)、第2のIC制御部2712は、保有する対象の電子チケットを消去する消去処理をし(S236)、第2のメモリ部2713に記憶される電子チケットのデータを書き換える。
【0228】
このように、リモート発行サーバ1050により、購入側端末装置1010のリーダライタ170を介して、転売側端末装置1020の第1のICチップ571は遠隔操作される(リーダライタ機能、リモート機能)。
【0229】
消去処理が終了すると、転売側端末装置1020は消去処理が完了した報告を、購入側端末装置1010のリーダライタ170に送信する。第1の制御部126は、リーダライタ170が完了報告を受信すると、アプリサーバ1040に完了報告を送信する(S237)。アプリサーバ1040は、完了報告を受信する(S238)。
【0230】
次に、アプリサーバ1040は、リモート発行サーバ1050に対して、購入側端末装置1010の第1のメモリ部1713に対象の電子チケットを書き込む要求を送信する(S239)。
【0231】
リモート発行サーバ1050は、書込要求を受信し(S240)、購入側端末装置1010へ電子チケットを書き込む書込処理の実行の指示を送信する(S241)。
【0232】
購入側端末装置1010において、書込処理の実行の指示を受信すると(S242)、
第1の制御部126は、第1のIC制御部1712に、対象の電子チケットを書き込む書込処理をさせて(S243)、第1のメモリ部1713のデータを書き換えさせる。
【0233】
このように、リモート発行サーバ1050により、購入側端末装置1010の第1のICチップ171は遠隔操作される(リモート機能)。
【0234】
書込処理が終了すると、購入側端末装置1010は書込処理が完了した報告を、アプリサーバ1040に送信する(S244)。アプリサーバ1040は、完了報告を受信する(S245)。
【0235】
次に、アプリサーバ1040は、リモート発行サーバ1050に対して、転売側端末装置1020が保有する電子マネーCに移動分の金額を加算する加算要求を送信する(S246)。
【0236】
リモート発行サーバ1050は、加算要求を受信し(S247)、第2のメモリ部2713に移動分の金額を加算する加算処理の実行の指示をする(S248)。
【0237】
購入側端末装置1010の第1の制御部126は、リモート発行サーバ1050からの指示を基に、リーダライタ170に、転売側端末装置1020に対して加算処理の実行の指示を送信させる。
【0238】
転売側端末装置1020において、加算処理の実行の指示を受信すると(S249)、第2のIC制御部2712は、保有する電子マネーCに移動分10000円分の金額を加算する加算処理をし(S250)、第2のメモリ部2713に記憶される電子マネーCのデータを書き換える。
【0239】
このように、リモート発行サーバ1050により、購入側端末装置1010のリーダライタ170を介して、転売側端末装置1020の第2のICチップ271は遠隔操作される(リーダライタ機能、リモート機能。)。
【0240】
加算処理が終了すると、転売側端末装置1020は加算処理が完了した報告を、購入側端末装置1010のリーダライタ170に送信する。第1の制御部126は、リーダライタ170が完了報告を受信すると、アプリサーバ1040に完了報告を送信する(S251)。アプリサーバ1040は、完了報告を受信する(S252)。
【0241】
アプリサーバ1040は、電子マネーと電子チケットの移動が終わり、電子マネーと電子チケットの交換が完了した報告を購入側端末装置1010に送信する(S253)。購入側端末装置1010では、電子マネーと電子チケットの交換完了の報告が受信され(S254)、表示部122に交換完了の報告が表示される。
【0242】
更に、アプリサーバ1040は、電子マネーと電子チケットの交換が完了した報告を、購入側端末装置1010のリーダライタ170を介して、転売側端末装置1020に送信する(S255)。転売側端末装置1020では、電子マネーと電子チケットの交換完了の報告が受信され(S256)、表示部222に交換完了の報告が表示される。
【0243】
上述の電子チケットは、例えば、アプリサーバ1040を管理するサービス業者から、二次元バーコードを用いた電子チケットとして提供される。
【0244】
電子チケットの消去処理においては、転売側端末装置1020の第2のICチップ271の第2のメモリ部2713に記憶されていた二次元バーコードの電子チケットが削除される。
【0245】
一方、電子チケットの書込処理においては、購入側端末装置1010の第1のICチップ171の第1のメモリ部1713に、削除した二次元バーコードとは異なるバーコードが新たに発行され追加されて記憶される。
【0246】
以上のように、本実施形態においては、購入側端末装置1010と転売側端末装置1020とをかざして近距離無線通信をすることにより、電子マネーと電子チケットの交換が可能となる。すなわち、異なる電子バリューの交換が可能となる。
【0247】
本実施形態においては、電子バリューの交換をする購入側端末装置(情報処理装置)と転売側端末装置(通信機器)がその場に存在しないと電子バリューの移動が行えないため、物理的な制限が生じる。
【0248】
したがって、第1の端末装置のユーザと第2の端末装置のユーザとが同じ場に存在することとなり、電子バリューの移動元となる第1の端末装置のユーザと移動先となる第2の端末装置のユーザとが、合意した上で電子バリュー交換が行われることになる。これにより、現金や現物での直接の受け渡しと同じような感覚で、電子マネーと電子チケットの交換を行うことができる。
【0249】
また、本実施形態では、電子マネー及び電子チケットの移動サービスを用いて電子マネーと電子チケットの交換が行われているので、サービス業者によって、転売の流れが把握可能であり不当な金額での電子チケットの売買を制限することができる。
【0250】
上述の実施形態においては、電子バリューとして電子マネー、電子チケットを例にあげて、電子バリューの移動について説明したが、これらに限定されず、例えば電子バリューとしてクーポンの移動に適用することも可能である。以下、第3実施形態として説明する。
【0251】
(第3実施形態)
図9は本実施形態に係る情報処理システム2100の一構成例を示す。図14及び図15は、本実施形態における情報処理システムの概要を説明する図である。
【0252】
本実施形態においても、上述の実施形態と同様に、2つの端末装置間(ここでは、提供側端末装置2010と受取り側端末装置2020との間。)で電子バリューの移動が可能となっている。本実施形態では、電子バリューはクーポンであり、個人間で端末装置を用いたクーポンの引き渡しが可能となる。
【0253】
図9に示すように、情報処理システム2100は、中間サーバとしてのアプリサーバ2040と、管理サーバとしてのリモート発行サーバ2050と、情報処理装置としての提供側端末装置2010と、通信機器としての受取り側端末装置2020と、通信網30とを含んで構成される。上述の実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、異なる点を中心に説明する。
【0254】
アプリサーバ2040は、図4に示す構成と同様の構成を備える。リモート発行サーバ2050は、図5に示す構成と同様の構成を備える。
【0255】
提供側端末装置2010は図2に示す構成とほぼ同様の構成を備え、受取り側端末装置2020は図10に示す構成とほぼ同様の構成を備える。両端末装置には、アプリケーションプログラムとして、飲食店であるA店が提供するA店公式アプリケーションプログラム1289がダウンロードされ、プログラム記憶部128、228にそれぞれ記憶されている。
【0256】
このアプリケーションプログラム1289は、リモート発行サーバによる遠隔操作が可能なICチップが搭載される端末装置対応のアプリケーションプログラムである。
【0257】
A店公式アプリケーションプログラムを実行することにより、ユーザは、例えば、A店の店舗情報、A店利用によるポイントの入手、新商品情報、A店が提供している食事のクーポン券入手等のサービスを受けることができる。
【0258】
ここでは、A店公式アプリケーションプログラムの実行により提供されるサービスとして、クーポン券の他人への受け渡しがある場合について説明する。
【0259】
提供側端末装置2010がA店公式アプリケーションプログラムを実行することにより、図12に示すように、A店より新作メニューの試食券クーポンのプレゼントのお知らせが提供側端末装置2010に受信される。
【0260】
提供側端末装置2010が受信したクーポンは、他人への受け渡しが可能なものであり、提供側端末装置2010のユーザであるCさんは、例えば受取り側端末装置2020のユーザであるDさんにクーポンを受け渡すことができる。
【0261】
Dさんは、受取り側端末装置2020にA店公式アプリケーションプログラムをダウンロードすることにより、クーポンの受け取りが可能となる。
【0262】
図15に示すように、リーダライタ170が起動し、提供側端末装置2010と受取り側端末装置2020とを近づけて近距離無線通信が成立すると、上述の第1の実施形態の第1の端末装置10から第2の端末装置20への電子マネーの移動と同様に、提供側端末装置2010が保有するクーポンが、受取り側端末装置2020に移動可能な状態となる。
【0263】
図15(A)は、提供側端末装置2010の表示部122に表示される表示画面の一例である。図15(B)は、受取り側端末装置2020の表示部222に表示される表示画面の一例である。
このように、電子バリューとしてクーポンを移動するように構成することもできる。
【0264】
以上、本技術の各実施形態について説明したが、本技術は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0265】
第1実施形態では、第1の電子マネーを第2の電子マネーに変換して移動するという、電子マネーという同じカテゴリー内での異なる種類の電子バリューに変換しての移動となっている。異なる電子バリューに変換しての移動は、このような同一カテゴリー内に限定されない。
【0266】
例えば、あるユーザがためたポイントを電子マネーに変換して他のユーザに移動するようにしてもよく、異なるカテゴリーの電子バリューに変換しての移動も可能となるように構成することもできる。
【0267】
また、第2の実施形態では、電子マネーと電子チケットを交換する形態としたが、例えば電子マネーの授受はなく、第1の端末装置が保有する電子バリューとしての電子チケットを第2の端末装置に移動するような形態としてもよく、無償で電子チケットが譲渡される。
【0268】
また、上述の各実施形態においては、情報処理装置(第1の端末装置)が、電子バリューの移動を要求することにより、管理サーバ(リモート発行サーバ)からリーダライタの起動が指示され、この指示に基づき、リーダライタが起動されるように構成されているが、これに限定されない。
【0269】
例えば、管理サーバからのリーダライタの起動の指示なく、ユーザによる情報処理装置の表示部からの操作により情報処理装置内でリーダライタが起動するよう構成してもよい。
【0270】
このように管理サーバからの起動指示なくリーダライタが起動される場合、情報処理システムを構成する各装置の動作は、例えば第1の実施形態のような異なる電子マネーに変換しての移動の場合では、図8のS101~S106のステップが省略された動作となる。
【0271】
そして、電子マネーの移動の実行要求を送信するステップであるS112では、図6(A)や図7(A)に示すような電子マネー移動情報を入力する画面にユーザが入力した情報を基に実行要求が送信される。
【0272】
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)電子バリューが記録される第1のメモリ部と、
第2のメモリ部を備える通信機器と近距離無線通信を行うリーダライタと、
管理サーバと通信する通信部と、
前記リーダライタを介した前記通信機器との前記電子バリューの移動を制御する制御部と、
前記電子バリューの移動に関するユーザインターフェースを表示部に表示させるアプリケ―ションと
を具備し、
前記制御部は、前記アプリケーションの操作に基づき、前記通信部を介して前記管理サーバより受信した指示を基に、前記電子バリューの移動分を前記第1のメモリ部から削除し、前記移動分の電子バリューを前記通信機器の前記第2のメモリ部に追加させる指示を、前記リーダライタを介して前記通信機器に送信する
情報処理装置。
(2)前記(1)に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記アプリケーションの操作に基づき、前記通信部を介して前記管理サーバより受信した指示を基に、前記リーダライタを起動する
情報処理装置。
(3)前記(1)又は(2)に記載の情報処理装置であって、
前記電子バリューの移動は、種類が異なる電子バリューに変換しての移動である
情報処理装置。
(4)前記(1)から(3)のうちいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
前記第1のメモリ部は前記電子バリューとして第1の電子マネーを記録可能に構成され、前記第2のメモリ部は前記第1の電子マネーとは異なる種類の第2の電子マネーを記録可能に構成され、
前記制御部は、前記アプリケーションの操作に基づき、前記通信部を介して前記管理サーバより受信した指示を基に、移動分の前記第1の電子マネーを前記第1のメモリ部から削除し、前記移動分の前記第1の電子マネーから変換された第2の電子マネーを前記第2のメモリ部に追加させる指示を、前記リーダライタを介して前記通信機器に送信する
情報処理装置。
(5)前記(1)から(3)のうちいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
前記第1のメモリ部は前記電子バリューとして第1の電子マネーと電子チケットを記録可能に構成され、前記第2のメモリ部は前記第1の電子マネーとは種類が異なる第2の電子マネーと前記電子チケットを記録可能に構成され、
前記制御部は、前記アプリケーションの操作に基づき、前記通信部を介して前記管理サーバより受信した指示を基に、移動分の前記第1の電子マネーを前記第1のメモリ部から削除し、前記電子チケットを前記第1のメモリ部に追加し、前記移動分の前記第1の電子マネーから変換された第2の電子マネーを前記第2のメモリ部に追加させ、前記電子チケットを前記第2のメモリ部から削除させる指示を、前記リーダライタを介して前記通信機器に送信する
情報処理装置。
(6)前記(1)又は(2)に記載の情報処理装置であって、
前記電子バリューは電子チケットである
情報処理装置。
(7)前記(1)又は(2)に記載の情報処理装置であって、
前記電子バリューはクーポンである
情報処理装置。
(8)第1の電子バリューが記録される第1のメモリ部とリーダライタとを備え、管理サーバと通信する情報処理装置の前記リーダライタと近距離無線通信する近距離無線通信部と、
前記第1の電子バリューとは異なる種類の第2の電子バリューが記録される第2のメモリ部と
を具備し、
前記第2のメモリ部には、前記情報処理装置からの前記第1のメモリ部に記録される前記第1の電子バリューを前記第2の電子バリューに変換して前記第2のメモリ部へ移動するという電子バリューの移動の要求を基になされた前記管理サーバからの指示に基づき、前記リーダライタを介して、移動分の前記第2の電子バリューが追加される
通信機器。
(9)リーダライタと電子バリューが記録される第1のメモリ部とを備える情報処理装置の前記第1のメモリ部に記録される前記電子バリューを、前記リーダライタと近距離無線通信し、第2のメモリ部を備える通信機器の前記第2のメモリ部に移動するという前記情報処理装置からの前記電子バリューの移動の要求を受信する通信部と、
前記情報処理装置に対し、前記電子バリューの移動の要求を基に、移動分の前記電子バリューを前記第1のメモリ部から削除する指示と、移動分の前記電子バリューを前記通信機器の前記第2のメモリ部に追加する指示をする処理実行部と
を具備する管理サーバ。
(10)前記(9)に記載の管理サーバであって、
前記第1のメモリ部は前記電子バリューとして第1の電子マネーを記録可能に構成され、前記第2のメモリ部は前記第1の電子マネーとは異なる種類の第2の電子マネーを記録可能に構成され、
前記処理実行部は、前記情報処理装置からの前記第1のメモリ部に記録される前記第1の電子マネーを前記第2の電子マネーに変換して前記第2のメモリ部へ移動するという電子マネーの移動の要求を基に、前記情報処理装置に対して移動分の前記第1の電子マネーを前記第1のメモリ部から削除する指示と、移動分の前記第2の電子マネーを前記第2のメモリ部に追加する指示をする
管理サーバ。
(11)前記(9)に記載の管理サーバであって、
前記第1のメモリ部は前記電子バリューとして第1の電子マネーと電子チケットを記録可能に構成され、前記第2のメモリ部は前記第1の電子マネーと種類が異なる第2の電子マネーと前記電子チケットを記録可能に構成され、
前記処理実行部は、前記情報処理装置からの前記第1のメモリ部に記録される前記第1の電子マネーを前記第2の電子マネーに変換して前記第2のメモリ部へ移動するという電子マネーの移動と前記第2のメモリ部に記録される前記電子チケットの前記第1のメモリ部への移動の要求を基に、前記情報処理装置に対して、移動分の前記第1の電子マネーを前記第1のメモリ部から削除し、前記電子チケットを前記第1のメモリ部に追加する指示と、前記電子チケットを前記第2のメモリ部から削除し、移動分の前記第2の電子マネーを前記第2のメモリ部に追加する指示をする
管理サーバ。
(12)リーダライタと電子バリューが記録される第1のメモリ部とを備える情報処理装置から、第2のメモリ部を備え、前記リーダライタと近距離無線通信する通信機器の前記第2のメモリ部に、前記第1のメモリ部に記録される前記電子バリューを移動するという前記電子バリューの移動の要求を受信する通信部と、
前記電子バリューの移動要求を基に、前記管理サーバに対して、移動分の前記電子バリューを前記第1のメモリ部から削除し、移動分の前記電子バリューを前記第2のメモリ部に追加するよう要求する処理実行部と
を具備する中間サーバ。
(13)前記(12)に記載の中間サーバであって、
前記第1のメモリ部は前記電子バリューとして第1の電子マネーを記録可能に構成され、前記第2のメモリ部は前記第1の電子マネーとは異なる種類の第2の電子マネーを記録可能に構成され、
前記処理実行部は、前記情報処理装置からの前記第1のメモリ部に記録される前記第1の電子マネーを前記第2の電子マネーに変換して前記第2のメモリ部へ移動するという電子マネーの移動の要求を基に、前記管理サーバに対して、移動分の前記第1の電子マネーを前記第1のメモリ部から削除し、移動分の前記第2の電子マネーを前記第2のメモリ部に追加するよう要求する
中間サーバ。
(14)前記(12)に記載の中間サーバであって、
前記第1のメモリ部は前記電子バリューとして第1の電子マネーと電子チケットを記録可能に構成され、前記第2のメモリ部は前記第1の電子マネーと種類が異なる第2の電子マネーと前記電子チケットを記録可能に構成され、
前記処理実行部は、前記情報処理装置からの前記第1のメモリ部に記録される前記第1の電子マネーを前記第2の電子マネーに変換して前記第2のメモリ部へ移動するという電子マネーの移動と前記第2のメモリ部に記録される前記電子チケットの前記第1のメモリ部への移動の要求を基に、前記管理サーバに対して、移動分の前記第1の電子マネーを前記第1のメモリ部から削除し、移動分の前記第2の電子マネーを前記第2のメモリ部に追加し、前記電子チケットを前記第2のメモリ部から削除し、前記電子チケットを前記第1のメモリ部に追加するよう要求する
中間サーバ。
(15)通信部とリーダライタと電子バリューが記録される第1のメモリ部を備え、前記リーダライタを用いて、電子バリューが記録される第2のメモリ部を備える通信機器と近距離無線通信をする情報処理装置の情報処理方法であって、
前記第2のメモリ部への前記第1のメモリ部に記録される電子バリューの移動を、前記通信部を介して中間サーバに要求し、
前記リーダライタを起動し、
前記リーダライタを用いて前記通信機器と近距離無線通信し、
前記電子バリューの移動の要求を基に前記中間サーバにより前記管理サーバに対してなされた要求に基づいて前記管理サーバからなされた指示により、移動分の前記電子バリューを前記第1のメモリ部から削除し、移動分の前記電子バリューを前記第2のメモリ部に追加させる指示を、前記リーダライタを介して前記通信機器に対して送信する
情報処理方法。
(16)第2のメモリ部を備える通信機器と近距離無線通信を行うリーダライタと電子バリューが記録される第1のメモリ部とを備える情報処理装置と通信する管理サーバの情報処理方法であって、
前記情報処理装置から前記第1のメモリ部に記録される前記電子バリューを前記第2のメモリ部に移動するという前記電子バリューの移動の要求を受けた中間サーバから送信された、前記第1のメモリ部から移動分の前記電子バリューを削除する削除要求を受信し、
前記削除要求を基に、前記情報処理装置に対して、移動分の前記電子バリューを前記第1のメモリ部から削除するよう指示し、
前記中間サーバから送信された、前記第2のメモリ部へ移動分の前記電子バリューを追加する追加要求を受信し、
前記追加要求を基に、前記情報処理装置に対して、移動分の前記電子バリューを前記第2のメモリ部に追加するよう指示する
情報処理方法。
(17)第2のメモリ部を備える通信機器と近距離無線通信を行うリーダライタと電子バリューが記録される第1のメモリ部とを備える情報処理装置と管理サーバと通信する中間サーバの情報処理方法であって、
前記情報処理装置から、前記第1のメモリ部に記録される前記電子バリューを前記第2のメモリ部に移動するという前記電子バリューの移動の要求を受信し、
前記管理サーバに対し、前記第1のメモリ部からの移動分の前記電子バリューの削除を要求し、
前記管理サーバに対し、前記第2のメモリ部への移動分の前記電子バリューの追加を要求する
情報処理方法。
【符号の説明】
【0273】
10…第1の端末装置(情報処理装置)
20…第2の端末装置(通信機器)
40、1040、2040…アプリサーバ(中間サーバ)
41、51…通信部
43、53…処理実行部
50、1050、2050…リモート発行サーバ(管理サーバ)
121…通信部
122…表示部
126…第1の制御部(制御部)
170…リーダライタ
272…第2の通信アンテナ(近距離無線通信部)
1010…購入側端末装置(情報処理装置)
1020…転売側端末装置(通信機器)
1713…第1のメモリ部
2010…提供側端末装置(情報処理装置)
2020…受取り側端末装置(通信機器)
2713…第2のメモリ部
図1
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