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特許7123974連続する複数の動物脚から周囲の肉を連続的に収集するための方法および装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-15
(45)【発行日】2022-08-23
(54)【発明の名称】連続する複数の動物脚から周囲の肉を連続的に収集するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   A22C 21/00 20060101AFI20220816BHJP
【FI】
A22C21/00 Z
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019562536
(86)(22)【出願日】2018-01-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-27
(86)【国際出願番号】 NL2018050064
(87)【国際公開番号】W WO2018143799
(87)【国際公開日】2018-08-09
【審査請求日】2020-12-03
(31)【優先権主張番号】2018268
(32)【優先日】2017-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】517264096
【氏名又は名称】フードメイト ベーフェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ハーゼンブルーク, ダヴィド スコット
(72)【発明者】
【氏名】ストーケル, ディルク コルネリス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デン ベルグ, ユール フロリス
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/114461(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/056793(WO,A1)
【文献】特開平05-184281(JP,A)
【文献】特開2013-255471(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A22C 21/00
A22B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
関節でつながれた第1および第2の動物骨ならびに中間関節を有する連続する複数の動物脚から周囲の肉を連続的に収集する方法であって、
搬送経路を通して、移動されるシャックルからそれぞれ懸架された前記動物脚を連続的に搬送するステップと、
前記動物脚の連続的な搬送を中断することなく前記中間関節の位置を決定するステップであって、該決定がX線を使用して非接触で行われる、前記中間関節の位置を決定するステップと、
すべての中間関節を切断器具に対する同一レベルで位置合わせするために、前記中間関節の前記決定された位置に基づいて各シャックルのレベルを個々に調整することによって、前記中間関節位置を調整するステップと、
前記中間関節の前記位置に相応する位置で組織の切断を行うステップとを含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記中間関節の前記位置は、前記切断器具と位置合わせされるように調整される、方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法において、
前記動物脚は、搬送経路を通して連続的に移動され、
前記中間関節の前記位置を決定するステップは、電磁放射線から前記搬送経路を遮蔽しながら行われる、方法。
【請求項4】
請求項1からのいずれか一項に記載の方法において、
前記動物脚の連続的な搬送は、前記動物脚がそれぞれ、オーバーヘッドコンベアによって搬送経路を通して移動されるシャックルから懸架されることを含み、
前記シャックルは、前記中間関節の前記位置を非接触で決定する前記ステップの前に共通のレベルで互いに位置合わせされる、方法。
【請求項5】
請求項に記載の方法において、
前記中間関節の前記位置を非接触で決定する前記ステップの前に、前記シャックルは、所定の標準高さにリセットされて、共通のレベルで互いに位置合わせされる、方法。
【請求項6】
請求項1からのいずれか一項に記載の方法において、
前記中間関節の前記位置に相応する前記位置での組織の切断は、周囲の肉を把持し、前記把持された周囲の肉から離れるように前記第1または第2の動物骨を移動させて、切断のために組織に張力付与して該組織を露出させることを含む、方法。
【請求項7】
請求項に記載の方法において、
前記中間関節の前記位置に相応する組織を切断する前記ステップは、前記動物脚の少なくとも2つの周囲側面で繰り返される、方法。
【請求項8】
請求項1からのいずれか一項に記載のステップを行うように構成された装置。
【請求項9】
関節でつながれた第1および第2の動物骨ならびに中間関節を有する動物脚から周囲の肉を収集するための装置であって、
搬送経路を通して シャックルからそれぞれ懸架された複数の動物脚を連続的に搬送するように構成されたコンベアシステムと、
X線を使用して前記中間関節の位置を決定するように構成されたX線検出ユニットを含む決定ユニットと、
前記中間関節の前記位置に相応する位置で組織を切断するように構成された切断器具と、
すべての中間関節を切断器具に対する同一レベルで位置合わせするために、前記中間関節の前記決定された位置に基づいて各シャックルのレベルを個々に調整するよう構成されたレベル調整ステーションと、
を含む装置。
【請求項10】
請求項に記載の装置において、
前記X線検出ユニットがハウジングを含み、前記ハウジングは、前記動物脚が前記ハウジングを通過することができ、X線放射線が前記ハウジングから出るのを防止するように構成される、装置。
【請求項11】
請求項10に記載の装置において、
前記ハウジングは、前記動物脚が前記ハウジングに出入りできるようにするためのドアを含む、装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置において、
前記ドアは、回転ドアである、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、中間関節によってつながれた細長い第1および第2の動物骨から周囲の肉を収集することに関する。より詳細には、本発明は、そのような収集の一部として、中間関節の位置を決定するために、周囲の肉内の第1および第2の動物骨の位置および範囲の検出を含む。
【背景技術】
【0002】
動物の脚は互いに異なることが知られているため、各動物脚の長さを個別に決定し、それにより家禽脚での膝関節など中間関節の位置に関する情報を取得することが求められている。これまでに開発されている方法および装置は、プロセスを中断または減速する必要があり、またいつも完全に正確であるわけではないという若干の難点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の目的は、連続する複数の動物脚から周囲の肉を連続的に収集するための改良された方法および装置を提案することであり、本発明の実施形態は、そのような改良された方法および装置を提供することを追求する。したがって、より一般的には、本発明の目的は、先行技術の欠点の少なくとも1つを克服または軽減することである。また、本発明の目的は、組立ておよび操作があまり複雑でなく、さらに比較的安価に作製することができる代替解決策を提供することである。あるいは、本発明の目的は、少なくとも、有用な代替物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
このために、本発明は、添付の請求の範囲に定義されるような、関節でつながれた第1および第2の動物骨ならびに中間関節を有する連続する複数の動物脚から周囲の肉を連続的に収集する方法および関連の装置を提供する。
【0005】
一態様によれば、関節でつながれた第1および第2の動物骨ならびに中間関節を有する連続する複数の動物脚から周囲の肉を連続的に収集する方法が提供される。この方法は、搬送経路を通って動物脚を連続的に搬送することを含む。この方法は、中間関節の位置を決定することを含む。この方法は、中間関節の決定された位置に基づいて、中間関節と切断器具との位置を互いに調整することを含む。この方法は、中間関節の位置に相応する位置で組織の切断を行うことを含む。中間関節の位置を決定するステップは、動物脚の連続的な搬送を中断することなく行われる。中間関節の位置を決定し、中間関節と切断器具との位置を互いに調整することは、中間関節を基準として動物脚を正確に切断することができるという利点がある。動物脚の連続的な搬送を中断することなく中間関節の位置を決定することは、肉収集プロセスが影響を受けない、例えば減速されない、または潜在的な汚染が持ち込まれないという利点がある。
【0006】
任意選択で、中間関節の位置の決定は、非接触で行われる。
【0007】
より詳細には、本発明は、そのような収集の一部として、周囲の肉の内部における第1および第2の動物骨の少なくとも一部の位置および範囲の非接触検出を含み、中間関節の正確な位置を特定することができる。
【0008】
任意選択で、中間関節の位置の非接触決定は、電磁放射線を使用して行われる。任意選択で、電磁放射線は、X線を含む。任意選択で、中間関節の位置の非接触決定は、超音波を使用して行われる。膝関節を含む家禽脚などの動物部分を走査するための非接触感知手段は、とりわけ、核磁気共鳴、X線、磁気共鳴画像(MRI)、コンピュータ断層撮影(CT)、赤外放射、可視光、紫外放射、無線波、マイクロ波、および超音波を含むことができる。X線を使用する例で本発明を説明する。したがって、本明細書で「電磁放射線」に言及するとき、前述または他の代替のいずれも除外しないことが理解される。
【0009】
任意選択で、中間関節の位置は、切断器具と位置合わせされるように調整される。任意選択で、切断器具の位置は、中間関節と位置合わせされるように調整される。
【0010】
個々の脚での中間関節の位置を基準位置として使用することができる。例えば切断のために、すべての脚の基準位置が例えば切断器具に対して同じ高さ位置に調整された状態で、すべての脚を位置合わせすることができる。基準位置を、脚の長さに沿った位置として定義することも可能である。基準位置は、例えば、中間関節と脚の懸架点の間の距離の20%、または50%、または80%の位置、または任意の他の適切な位置に選択することができる。基準位置は、例えば、中間関節と脚の懸架点の間の距離の120%、または150%、または180%の位置に選択することができる。位置合わせすべき脚での基準点は、中間関節の位置と、それぞれの脚の長さとによって決定することができる。
【0011】
任意選択で、動物脚は、搬送経路を通して連続的に移動され、中間関節の位置を決定するステップは、電磁放射線から搬送経路を遮蔽しながら行われる。中間関節の位置は、シールドで囲まれた搬送経路の一部において決定することができ、電磁放射線がシールドの外部まで広がるのを防止しながら、電磁放射線がシールド内の動物脚に達することができるようにする。
【0012】
任意選択で、動物脚の連続的な搬送は、動物脚がそれぞれ、オーバーヘッドコンベアによって搬送経路を通して移動されるシャックルから懸架されることを含む。任意選択で、複数のシャックルは、中間関節の位置を非接触で決定するステップの前に共通のレベルで互いに位置合わせされる。代替として、共通のレベルでシャックルを事前に位置合わせすることなく、中間関節の位置の決定が行われる。中間関節の位置は、動物脚の末端に対して決定することができる。中間関節の位置は、脚とシャックルとの接触点を基準にして決定することもできる。中間関節の位置は、例えば中間関節の位置を決定する時点でのシャックルに対する脚の接触点の位置を表す情報を考慮に入れて、シャックルに対して決定することもできる。
【0013】
各シャックルのレベルは、すべての中間関節を共通のレベルに位置合わせするために、中間関節の決定された位置に基づいて個別に調整することができる。
【0014】
任意選択で、中間関節の位置を例えば非接触で決定するステップの前に、シャックルが、所定の標準高さにリセットされて、共通のレベルで互いに位置合わせされる。任意選択として、標準高さは、シャックルの高さ調整の調整範囲において中央、例えば中心に選択される。
【0015】
任意選択で、中間関節の位置に相応する位置での組織の切断は、周囲の肉を把持し、把持された周囲の肉から離れるように懸架された骨を移動させて、切断のために組織に張力を付与し露出させることを含む。
【0016】
任意選択で、中間関節の位置に相応する組織を切断するステップは、動物脚の少なくとも2つの周囲側面で繰り返される。
【0017】
一態様によれば、方法の各ステップを実施するように構成された装置が提供される。
【0018】
一態様によれば、シャックルから垂れ下がる家禽脚に付いた肉を切断するための切断ステーションであって、シャックルに対して高さを調整可能な位置で脚を切断するように構成された切断ステーションが提供される。切断ステーションは、シャックルを前方向、および上方向または下方向に案内するための傾斜ガイドを含む。切断ステーションは、ナイフを水平方向、前方向および/または後方向に移動させるための運動ユニットをさらに含む。したがって、シャックルから垂れ下がる脚の軌道とナイフの軌道との交点は、前方および/または後方に、例えば水平方向で移動させることができ、これにより、脚は、シャックルに対して選択可能な高さで切断される。一態様によれば、関節支持ユニットが提供される。関節支持ユニットは、複数の関節支持体を含む。各関節支持体は、第1アームおよび第2アームを含む。これらのアームは、開位置から閉位置まで互いに対して移動可能である。アームは、可動キャリア、例えば回転可能な可動のフレームに可動式に、例えば枢動式に取り付けられる。アームは、例えば、回転可能なJカッタのシャフトに枢動式に取り付けられてもよい。関節支持ユニットは、さらにガイドを含む。ガイドは、関節支持体がガイドを通過する間、例えば角度的に固定されたままになるように位置決めされる。アームの少なくとも1つは、ローラなどのカムを含む。カムは、ガイドに接触するように配置され、それにより、カムに接触すると、カムがガイドを通過する間、ガイドは、アームが閉位置に移動されるようにカムを移動させる。各アームがそれぞれグリッパを含み、関節支持体のこれらのグリッパが協働して家禽脚など動物部分を把持できるように構成される。
【0019】
関節支持ユニットを、本明細書で上述した装置に含めることができる。
【0020】
任意選択で、関節支持体の2本のアームの枢動運動などの運動は、両方のアームが同時に開閉するように連動される。任意選択で、そのために、アームは、噛み合うギア歯を含む。任意選択で、アームは、例えばばねなどの弾性要素によって、開いて広がった位置に付勢される。
【0021】
任意選択で、関節支持体のアームの少なくとも1つに圧力プレートが取り付けられる。圧力プレートは、アームに枢動式に接続することができる。圧力プレートは、使用中、グリッパによって保持された物体に向けて付勢することができる。任意選択で、そのために、関節支持体は、ばねなどの弾性要素を含む。
【0022】
任意選択で、ガイドは所定位置に、例えばばねによって付勢されており、カムがガイドに過剰な力を及ぼす場合、ガイドは、付勢力に反して所定位置から移動される。
【0023】
任意選択で、関節支持ユニットは、例えば足首関節や膝関節などの関節によって家禽脚を保持するためにJカッタユニットに取り付けられる。任意選択で、関節支持ユニットは、カルーセル、例えばJカッタユニットのカルーセルに取り付けられる。
【0024】
任意選択で、グリッパは、例えばJカッタユニットのナイフの真上になるようにナイフと位置合わせされる。したがって、ナイフは常に、(骨に触れない)骨のすぐ後ろの所望の位置で脚に切り込む。
【0025】
方法に関して述べた態様、特徴、およびオプションはいずれも、装置にも同様に適用され、逆もまた同様であることを理解されよう。また、上記の態様、特徴、および選択肢のいずれか1つまたは複数を組み合わせることができることも明らかであろう。
【0026】
本発明を、図面に示された例示的な実施形態または例に基づいてさらに説明する。例示的な実施形態または例は、非限定的な例示として与えられる。図面は、非限定的な例として与えられる本発明の実施形態または例の概略図にすぎないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】家禽脚から肉を収集するための機械の正面を示す概要図である。
図2】装填部を表す図1の右側部分の拡大詳細図である。
図3】家禽脚がシャックルから吊り下がっている状態で示された個々の家禽脚のシャックルを示す図である。
図4】高さリセットおよびX線骨検出ステーションを示す図1の左側部分の拡大詳細図である。
図5図4の高さリセットステーションを示す図である。
図6図4のX線検出ステーションを示す図である。
図7図6のX線検出ステーションの検出ユニットの内部を示すゴースト図である。
図8図6のX線検出ユニットの横断面図である。
図9図1の機械の裏面または背面を示す概要図である。
図10】Jカットおよび腱切断部を示す図9の右側部分の拡大詳細図である。
図11図10の腱カッタを示す図である。
図12】高さ調整ならびに肉切断、張力付与、およびストリッパ部を示す図9の左側部分の拡大詳細図である。
図13図12の高さ調整ユニットの拡大図である。
図14】明瞭にするために周囲の構造を取り除いて反対側の位置から見た、図13の高さ調整ユニットの詳細図である。
図15】機械の肉切断、張力付与、ストリッパ部の一部を示す、図12の拡大詳細図である。
図16A】グリッパの概略詳細図である。
図16B】グリッパの概略詳細図である。
図17】切断ステーションの詳細図である。
図18A】切断ステーションの概略詳細図である。
図18B】切断ステーションの概略詳細図である。
図19】家禽脚から肉を収集するための機械の正面を示す概要図である。
図20】家禽脚から肉を収集するための機械の背面を示す概要図である。
図21】レベル調整ステーションの詳細図である。
図22A】関節支持ユニットの概略図である。
図22B】関節支持ユニットおよびJカッタの部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明による、関節でつながった第1と第2の家禽骨から周囲の肉を収集するための機械1の一例が図1に示されている。図1における機械1は正面から示されており、符号IIによって示される右側部分は装填部3を含み、IVによって示される左側部分は、シャックルレベルリセットステーション5、X線骨検出ユニット7、およびJカッタ部9を含む。図2を参照して右側部分IIをさらに説明し、図4を参照して左側部分IVをさらに説明する。
【0029】
一般に、機械1は、地面レベルから所定の高さで様々な部分およびユニットを支持するフレーム11を有する。図2に示される装填部3は、一連の家禽脚懸架シャックル13を提供し、脚懸架シャックル13は、搬送方向15に搬送される。この例では、シャックル13は、家禽脚を個々のシャックル13に吊るす1人または数人の作業者(図示せず)に向けて搬送される。左脚または右脚のいずれかを処理するように機械1を構成することが可能である。また、左右両脚用に機械を構成することも可能である。両脚用の構成の場合、Jカッタ部9は、左脚用のカッタユニットおよび右脚用のカッタユニットを含むことができる。Jカッタ部9は、例えば、左脚用のカッタユニットと右脚用のカッタユニットとを交互に含むこともできる。
【0030】
図3に示すように、家禽脚17は、その足首関節または膝関節によって、シャックル13のフック19から吊り下げられる。図2においてさらに見られるように、機械1は駆動カルーセル(carrousel)21を有し、駆動カルーセル21は、電気駆動ユニット23によって駆動され、コンベアチェーンを駆動する。駆動カルーセル21は、垂直シャフト27の周りで回転可能である。ここで、コンベアチェーンは、複数の垂直方向に延びるバー25を有する。垂直バー25の隣接する対が、シャックル13の本体部分29(図3を参照)を受け取り、垂直バー25に対する本体部分29の垂直摺動を可能にする。関連する1対のバー25のそれぞれは、本体部29のそれぞれの穴31に係合される。図3では1つの穴31だけが見える。シャックル13の各本体部分29には、その裏側にガイドローラ(図3では見えないが、従来のものであり、図8に参照番号87で示されている)が設けられており、このガイドローラ87は、機械フレーム11に接続された静止制御トラック33に係合する。後で説明するように、駆動カルーセル21は、肉剥取りの最終段階も実施し、最後の切断ステーション35を通過すると、前の肉収集作業の残りの骨は、従来の様式でフック19から外され、したがって空のフック19のみが装填部3に戻って装填部3に進入する。
【0031】
図3にさらに示すように、シャックル13は伸縮シャフト37を有し、フック19は、伸縮シャフト37の垂直スロット39と、スロット39内で移動可能なフック19に関連する横ピン41とによって許容される範囲内で高さ調整可能である。
【0032】
本体部分29に対するフック19の垂直調整は、ねじスピンドル機構(図示しないが、従来のもの)により得られ、ねじスピンドル機構は、各シャックル13の本体部分29の上に露出されたピニオンホイール43によって駆動される。ピニオンホイール43の回転は、フック19を昇降させるだけである。ピニオンホイール43の回転は、フック19を回転させない。また、本体部分29の上にはマルタ十字部45が露出されており、マルタ十字部45は、伸縮シャフト37に固定接続され、操作された場合に90度の増分でのフック19の回転を可能にする。そのようなインデックス手段は、家禽加工機械においてよく知られており、本明細書の文脈において詳細な説明を必要としない。
【0033】
次に図4を参照すると、中央フレーム部分が制御パネルおよびユニット47に関連付けられていることが分かる。理解されるように、制御パネルおよびユニットのこの配置は任意選択であり、好適になり得るように制御パネルまたは関連の制御ユニット47を異なる位置に容易に位置させることができる。
【0034】
シャックルレベルリセットステーション5は、図5においてより詳細に示されており、複数の歯付きラック49を含み、各歯付きラック49が、1つのシャックル13のピニオンホイール43と係合して噛み合うように適合されている。各ラック49は、空気圧アクチュエータ51によって、ピニオンホイール43と係合または係合解除するように操作することができる。シャックルレベルリセットステーション5の機能は、各シャックル13の各フック19を所定の標準レベルにリセットすることである。ここで述べている例では、この機能は、伸縮シャフト37をあらかじめ定められた標準フックレベルにするために、まだリセットされていないフックレベルを高さセンサ53が検出し、このセンサ情報を処理してピニオンホイール43の回転数を決定することによって達成される。この決定により、ピニオンホイール43の搬送運動中にピニオンホイール43の所要の回転数を実現するラック係合期間が得られる。各ラックの歯数と各ピニオンホイールの歯数とによって、単一のラックと係合されたときにピニオンホイールが回転する最大回転数、したがって単一のラックとのピニオンホイールの係合によってフックが昇降される最大上昇高さを決定される。この例では、ラックは10個の歯を有し、ピニオンホイールは8個の歯を有し、ラックあたりのピニオンホイールの最大回転数は1.25となる。他の比率を選択することもできることは明らかであろう。この例では、ラックあたりのフック19の最大上昇高さは約5mmである。システムは、ピニオンホイールがラックの端部に達する前に、ピニオンホイール43からラックを係合解除するように構成されてよい。したがって、ラックあたりの最大上昇高さよりも小さい量だけフック19を昇降させることが可能である。歯付きラック49とピニオンホイール43との係合は、ピニオンホイール43がフック19を所要の標準レベルにするとすぐに中断される。係合の中断は、各空気圧アクチュエータ49が各ラック49を押してピニオンホイール43から係合解除することによって達成される。このように押して係合解除することは、シャックル13の特定の1つと係合しているラック、および移動方向15で前方にあるラックにのみ適用される。特定のシャックル13が既に通過した他のラック49は、係合位置に留まって、後続のシャックル13のピニオンホイール43に係合することができる。レベルリセットステーション5全体が、機械フレーム11に取り付けられたアウトリガーフレーム55から懸架される。また、アウトリガーフレーム55には電空弁ブロック57が取り付けられ、電空弁ブロック57は、各空気圧アクチュエータ51の空気ホース59、61につながる。リセットステーションの簡略化された形態でも、完全な長さの歯付きラックで固定されたものが使用されることがある。この場合、各ピニオンホイール43に最大の回転数を適用することができ、一方このとき、伸縮シャフト37内のスリップクラッチなどが過剰調整に対応することができる。
【0035】
あらかじめ定められた標準高さ/レベルへのリセット後、家禽脚担持シャックル13は搬送方向15に進み、X線骨検出ユニット7に進入する。このX線骨検出ユニット7は、図6においてより詳細に示されている。X線源および検出ユニットは、保護ハウジング63に収容される。ここで、保護ハウジングは、検査ハッチ65を有する。ハウジング63は、シャックル13の搬送経路と一致する入口スロット67を有し、シャックル13および/またはそこから懸架された家禽脚が保護ハウジング63を通過することを可能にする。さらに図7および図8でも見られるように、第1の駆動スプロケット69が、コンベアチェーンの垂直バー25によって係合され、保護ハウジング63の入口側にある第1のパドルホイール71を駆動する。同様に、第2の駆動スプロケット73が、保護ハウジング63の出口側にある第2のパドルホイール75を駆動する。第1および第2パドルホイール71、75はそれぞれ、反射された放射線が入口スロット67または出口スロット79から逃げるのを防止するように配置された複数のパドルプレート77を有する。パドルプレート77は、例えば、反射された放射線が入口スロット67または出口スロット79から逃げるのを防止するのに十分に厚く、十分に適切な金属からなっていてよい。
【0036】
図8の断面で見られるように、X線源81は、放射線ビーム83を放射線検出器モジュール85に照射する。シャックル13の1つが保護ハウジング63内で家禽脚17を担持している状態で、家禽脚17は、X線ビーム83の範囲内にあり、その内部骨構造が検出器モジュール85によって認識可能になる。同時に、出口スロット79は、第2のパドルホイール75のパドルプレート77の1つによって閉じられる。同様の状況が入口スロット67でも生じるが、第1のパドルホイール71を省いているため、これは図8では見えない。さらに、シャックル13の本体部分29が、図3では見えない側にガイドローラ87を有していることが図8で見られる。X線ビーム83によって検出器モジュール85に投影される画像は、家禽脚がX線骨検出ユニット7を通して搬送されている間、すなわち移動している間に取得される。以下で説明するように、画像は、制御ユニット47によって分析され、それぞれのシャックル13に関する高さ調整信号に変換されて、切断および肉剥取りのために各家禽脚の中間膝関節が同じレベルに位置決めされる。
【0037】
最後に、図4は、Jカッタ部9がアイドラカルーセル(idler carrousel)89と組み合わされていることを示し、これはまた、搬送経路を機械1の裏側に向ける。このJカッタ部9は、国際公開第2016/122314号に記載されているJカッタデバイスと実質的に同様であり、それ自体は本発明の一部ではない。X線骨検出ユニット7から出た家禽脚担持シャックル13がJカッタ部9に搬送されることが理解されよう。
【0038】
機械1の裏側または背面が図9に示されている。符号Xによって識別される右側部分は、Jカッタ9と、選択的腱切断部およびユニット91とを表し、図10においてより詳細に示されている。符号XIIによって識別される左側部分は、図12においてより詳細に示されているように、シャックル高さレベル位置調整ステーション93および肉ストリッパ部95を表す。
【0039】
ここで図10を参照すると、Jカッタ9から出た後の家禽脚担持シャックル13は、選択的腱カッタユニット91に向かって搬送方向15に進むことが分かる。選択的腱カッタユニット91は、家禽脚のいわゆるドラムスティック部分内の腱を切断するように構成され、腱切断を実施するが、腓骨は切断せずに脛骨に接続したままにする。この腱カッタユニット91は、米国特許第8,961,274号に記載されているカッタと似ていなくもないことがあり、同じ方法を使用する。大きな相違は、エンドレスコンベアチェーン101(図11参照)が垂直面内で移動するのに対し、米国特許第8,961,274号におけるコンベアチェーンは水平面内で移動することである。図11に示されるように、腱カッタユニット91は、コンベアチェーン101を駆動する駆動モータ103を有する。コンベアチェーンは、その長さに沿って複数のキャリアブロック105を有し、各キャリアブロック105は、カムトラック(見えないが、従来のもの)と係合するために外面から延びるカムフォロアホイール107を有する。各キャリアブロック105には、一対の関節式ピンチジョー109が取り付けられており、これらのピンチジョー109は、ばね111によって閉位置に付勢されている。参照する米国特許第8,961,274号から理解されるように、ピンチャジョー109は、コンベアチェーン101に対して内方向および外方向に移動することによって、各腱を回転式ナイフ113、115(図10参照)と係合させる。したがって、前述の米国特許第8,961,271号を参照すれば、さらなる説明は冗長となろう。
【0040】
図12には、図9に示される機械1の左側部分が拡大して示されており、図10と併せて見れば分かるようにさらなるコンベアシステム117が設けられている。このさらなるコンベアシステム117は、機械1の内部から被駆動カルーセル21まで、垂直方向に延在するバー25によってシャックル13を動かすコンベアチェーンよりも下のレベルに延在している。さらなるコンベアシステム117は、複数のグリッパ119をシャックル13と同じ搬送方向15に移動させる。選択的腱カッタユニット91から出た後、家禽脚担持シャックル13は、シャックルレベル調整ステーション93に向かって進む。シャックルレベル調整ステーション93は、図13および14においてより詳細に示されている。
【0041】
図13および14で見られるように、レベル調整ステーション93は、機械フレーム11に取り付けられるサブフレーム121を含む。また、サブフレーム121は、図5を参照して論じた空気圧弁ブロック57と同様の目的のための空気圧弁ブロック123を担持する。
【0042】
図14は、図13とは反対方向から見たレベル調整ステーション93の詳細図である。シャックルレベル調整ステーション93では、シャックル13はそれぞれ、それらのリセットされた標準高さから、所定の膝関節レベルに調整される。したがって、シャックル13から懸架された脚の膝関節はすべて、シャックルレベル調整ステーション93を通過した後、同じ高さに位置決めされる。このために、レベル調整ステーション93は複数の調整ラック125を含み、各調整ラック125は、シャックル13のピニオンホイール43と噛合い係合することができる。空気圧アクチュエータ127は、ラック125のそれぞれを移動させて、特定のシャックルのピニオンホイール43と噛合い係合させるように、および噛合い係合を解除するように選択的に動作させることができる。様々な空気圧アクチュエータ127の選択的動作は、空気圧導管129、131を使用して空気圧弁ブロック123によって達成される。また、レベル調整ステーション93では、各ラックでの歯数と各ピニオンホイールでの歯数とにより、単一のラックと係合されたときにピニオンホイールが回転する最大回転数、したがって単一のラックとのピニオンホイールの係合によってフックが昇降される最大上昇高さが決定される。レベル調整ステーション93は、ピニオンホイールがラックの端部に達する前に、ピニオンホイール43からラックを係合解除するように構成されてよい。したがって、ラックあたりの最大上昇高さよりも小さい量だけフック19を昇降させることが可能である。好ましくは、フックから懸架された家禽脚の膝の正確な高さ位置決めを可能にするために、最小の上昇高さ増分は0.5~2mmの間である。好ましくは、システムは、±1mm以内、より好ましくは±0.5mm以内の精度で膝を位置決めするように構成される。各シャックル13のマルタ十字部45を案内するためのガイドレール133、ならびにラック125および空気圧アクチュエータ127のアセンブリ全体が、サブフレーム121から懸架される。
【0043】
X線骨検出器ユニット7からの分析された情報は、制御ユニット47によって処理されて、各ピニオンホイール43に関する回転数を提供し、各シャックル13を、その標準レベル設定から、そのシャックル13が担持するそれぞれの家禽脚17の膝関節位置に相応する所定のレベル設定にする。調整ステーション93によるレベル設定は、それぞれのシャックル13が調整ステーション93に沿って搬送方向15に搬送される間に、各シャックル13およびその関連のピニオンホイール43を調整ラック125の1つまたは複数と所定の期間にわたって係合させることによって得られる。X線骨検出ユニット7が調整ステーション93とは異なる位置に位置決めされることが理解されよう。したがって、特定のシャックル13によって担持される脚の膝関節位置の測定と、その特定のシャックル13に関する膝レベルの調整との間にはタイムラグがある。制御ユニット47は、例えばX線骨検出ユニット7と調整ステーション93との間に存在するシャックルの所定数を考慮に入れることによって、タイムラグを考慮に入れることができる。
【0044】
レベル調整ステーション93から、家禽脚担持シャックル13は、肉ストリッパ部95に向かって進む。
【0045】
さらなるコンベアシステム117の詳細が図15に示されており、図15から、連続する複数のグリッパ119が、図12および図2に示される被駆動カルーセル21の周りを一斉に旋回するエンドレスコンベアチェーンに形成されることが分かる。この例では、各グリッパ119は、2つのプレート120A、120Bを含む。各プレートは、切欠き122A、122Bを含む。プレート120A、120Bは、図16Aの側断面図および図16Bの上面図に示されている。切欠きは、2つのプレートが重ねられたときにサイズを調整可能な穴を形成することによって、肉をしっかりと把持することを可能にする。ここで、プレート120A、120Bの切欠き122A、122Bの縁部は、約4~7mm、好ましくは5~6mmの厚さを有する。そのような厚さは、膝関節で骨の間に縁部が食い込むのを防ぐ。ここで、第1のプレート120Aの切欠き122Aは、丸い縁部を有する。この例では、丸い縁部は、ビード状縁部によって形成される。ここで、第2のプレート120Bの切欠き122Bは、矩形の非切断縁部を有する。この例では、矩形の縁部は、リップによって形成される。
【0046】
図10、12、および2で見られる家禽脚17の搬送経路の長さにわたって、シャックルフック19とグリッパ119とは、互いに同期して移動している。それにより、グリッパ119は、一連の組織切断器具またはナイフ135を通して移動される。この例では、組織切断器具は、回転式切断刃の形態である。エンドレスコンベアチェーンに形成されたグリッパ119は、それぞれ、一対の対向するグリッパジョーを開閉するためにカムトラック(図示しないが、従来のもの)に係合されたガイドローラを有する。搬送中、グリッパ119はすべて、さらなるコンベアシステム117によって決定された同じレベルのままである。搬送中に本体部分29に対して膝関節を正確に同じレベルに保持するシャックルフック19は、ガイドトラック137によって上下に移動される。図15で、ガイドトラック137の一部が見える。制御された開閉グリッパ119、上下に移動するシャックルフック19、および切断ナイフ135の位置の構成は、肉が把持されて組織に張力付与し、次いで組織が切断されるように設定されている。このサイクルは、回転部材139に係合する各シャックル13のマルタ十字部45の増分回転により、家禽脚17の1つまたは複数、例えば3つもしくはすべての側面で繰り返される。この例では、グリッパ119は、最終的に、シャックル13から懸架された骨の足首関節付近から膝関節に向かって、さらに股関節まで、または股関節を越えて肉を剥ぎ取る。
【0047】
家禽脚17からの周囲の肉の最終的な収集は、被駆動カルーセル21および最後の切断ステーション35で行われる(図17および図18A、18B参照)。切断ステーション35は、骨から肉を分離するために最終的な切断を行うように構成される。家禽脚17は、肉が股関節端近くの大腿骨から垂れ下がった状態で切断ステーション35に達する。切断ステーション35は、スロット143を有するプレート141を含む。大腿骨の股関節端は、プレート141の上面、例えば傾斜部145の上に達する。肉は、大腿骨から、スロット143を通ってプレート141の下に垂れ下がる。ナイフ、ここでは回転式ナイフ147が、肉を骨から分離する。説明したように、骨の長さはシャックル13ごとに異なることがある。したがって、最終的な切断は、好ましくは骨の長さに相応するように行われる。そのために、最終切断ステーション35のナイフ147は、シャックルに対する高さを調整可能である。この例では、ローラ87を傾斜部に追従させることによってシャックル13のシャックルフック19を上方向に移動させ、ナイフ147の水平位置を傾斜部に対してコンベアチェーンに沿った方向に調整することによって、高さ調整が実現される。そのために、切断ステーション35は、ガイド149と、ガイド149に沿ってナイフ147を位置決めするためのアクチュエータ151とを含む。ここで、プレート141は、ナイフ147と共に移動する。傾斜部に沿って移動するシャックルフック19は、ナイフの水平方向の調整をもたらして、シャックルフック19に対する切断の垂直方向の調整をもたらす。この例では、ナイフ147の切断高さ(水平位置)は、X線骨検出ユニット7によって決定される骨の全長、すなわち大腿骨の股関節端の位置に従って設定される。
【0048】
最後の切断が行われた後、肉は骨から完全に分離され、例えばさらなるコンベア(図示せず)に落下する。分離後、骨は、シャックルフック19から廃棄される。それ以降、プロセスは、上述したように続行され、再び図2から始まる。
【0049】
図19および20は、家禽脚から肉を収集するための機械を示す図である。図19および20に示される機械は、図1、2、4、9、10、および12に示される機械と同様である。図1~18を参照して述べた機械1と共通する特徴は、簡潔にするために再度説明はしない。
【0050】
図19の機械1は、正面から示されており、装填部3を含む。この例では、第1のシャックルレベルリセットステーション5Aが、装填部3の上流に位置決めされている。第1のシャックルリセットステーション5Aは、シャックル13をリセットし、フック19がすべて所定の高さに位置決めされるようにする。この例では、所定の高さは、シャックルの高さ調整範囲内の中央、例えば中心に選択される。ここで、所定の高さ位置は、機械によって脱骨されることが期待される脚の平均脚長に関連付けられる。
【0051】
装填部3から、シャックル13がX線骨検出ユニット7に輸送される。
【0052】
この例では、X線骨検出ユニットの後に、第1のレベル調整ステーション93Aが続く。図21は、第1のレベル調整ステーション93Aの詳細を示す。第1のレベル調整ステーション93Aは、カルーセル89の一部の周囲に位置決めされる。第1のレベル調整ステーションは、Jカッタ9が肉に切り入る前に、すべての脚の膝関節の高さを実質的に同じになるように調整するように構成される。この例では、第1のレベル調整ステーション93Aは、トラックの外側にのみラック125Aを有する。したがって、フックは、平均的な脚長よりも長い脚に対処するために上方向に調整することができる。第1のレベル調整ステーション93Aは、下方向へのフックの調整を可能にするためにトラックの外側のみにラックを有することもできることが理解されよう。第1のレベル調整ステーション93Aは、上下へのフックの調整を可能にするためにトラックの両側にラックを有することもできることが理解されよう。
【0053】
図20の機械1は、背面から示されている。Jカッタステーション9から、シャックルは、第2のシャックルリセットステーション5Bに搬送される。第2のシャックルリセットステーション5Bは、シャックル13をリセットして、フック19がすべて所定の高さに位置決めされるようにする。第2のシャックルリセットステーション5Bから出た後の家禽脚担持シャックル13は、選択的腱カッタユニット91に向かって搬送方向15に進む。
【0054】
この例の一変形形態では、X線骨検出ユニットの後に第1のレベル調整ステーション93Aは続かず、または第1のレベル調整ステーションは、Jカッタ部9が肉に切り入る前にすべての脚の膝関節の高さを実質的に同じになるように調整しない。
【0055】
この例の一変形形態では、第2のシャックルリセットステーション5Bが、レベル調整ステーションに置き換えられており、レベル調整ステーションは、シャックルが選択的腱カッタユニット91に向かって搬送方向15に進む前に、すべての脚の膝関節の高さまたは脚に沿った別の定義された位置を、実質的に同じになるように調整するように構成される。膝関節がすべて同じ高さになるように調整される必要はないことが理解されよう。例として、例えば膝とシャックル内での脚の懸架点の間で例えば20%、または50%、または80%での脚に沿った位置を定義し、それらの位置をすべての脚に関して位置合わせることも可能である。したがって、位置合わせすべき脚での基準点は、膝の位置とそれぞれの脚の長さとによって決定することができる。
【0056】
選択的腱カッタユニット91から出た後、家禽脚担持シャックル13は、第2のシャックルレベル調整ステーション93Bに向かって進む。第2のレベル調整ステーション93Bは、例えば図12に示されるレベル調整ステーション93に対応する。第2のシャックルレベル調整ステーション93Bでは、シャックル13はそれぞれ、それらのリセットされた所定の高さから、所定の膝関節レベルに調整される。したがって、シャックル13から懸架された脚の膝関節はすべて、シャックルレベル調整ステーション93を通過した後、同じ高さに位置決めされる。この例では、第2のレベル調整ステーション93Bは、上下へのフックの調整を可能にするためにトラックの両側にラックを有する。この例では、第2の調整ステーションでの高さ調整の範囲は約45mmである。しかし、他の調整範囲も可能である。
【0057】
第2のレベル調整ステーション93Bから、家禽脚担持シャックル13は、肉ストリッパ部95に向かって進む。この例では、肉ストリッパ部95において、すべての膝が同じ高さに調整された状態で、ガイドローラ87をガイドトラック137内で上方向に案内することによって本体部分29が上方向に移動され、下腿から膝に向かって肉を剥ぎ取る。第1の組の切断器具またはナイフ、ここでは回転式ナイフ135は、膝のすぐ下の(すなわち足首に向かう)高さで肉を切断する。この例では、回転部材139は、ナイフ135の間で脚を90度にわたって2度回転させて、脚を3つの側面、ここでは前、左および右で切断する。これにより、膝窩では肉が切断されない。次に、ガイドローラ87をガイドトラック137内で上方向に案内することによって、本体部分29が上方向に移動され、ほぼ膝の高さまで肉を剥ぎ取る。第2の組の切断器具またはナイフ、ここでは回転式ナイフ135は、膝の高さで肉を切断する。この例では、同じ3つの側面が切断される。次に、ガイドローラ87をガイドトラック137内で上方向に案内することによって本体部分29が上方向に移動され、膝の上方まで肉を剥ぎ取る。第3の組の切断器具またはナイフ、ここでは回転式ナイフ135は、膝の上方の肉を切断する。この例では、同じ3つの側面が切断される。次に、ガイドローラ87をガイドトラック137内で上方向に案内することによって、本体部分29が上方向に移動され、股関節まで肉を剥ぎ取る。したがって、グリッパ119および切断器具またはナイフ135は、シャックル13から懸架された骨の足首関節付近から膝関節に向かって、さらに股関節まで、または股関節を越えて肉を剥ぎ取る。
【0058】
家禽脚17からの周囲の肉の最終的な収集は、被駆動カルーセル21および最後の切断ステーション35で行われる。次に、シャックルフック19から骨が廃棄される。そこから、シャックルは、第1のシャックルリセットステーション5Aに戻る。第1のシャックルリセットステーションの前または後に、折れた脚の関節をフックから排出するために、関節排出器を配置することができる。
【0059】
上述したように、この例の変形形態では、Jカッタ9部は、すべての脚の膝関節の高さを実質的に同じになるようには調整しないように構成されている。
【0060】
図22Aおよび22Bは、Jカッタ部9用の関節支持ユニット150の一例を示す。関節支持ユニット150は、複数、この例では16個の関節支持体152を含む。各関節支持体152は、第1のアーム154Aおよび第2のアーム154Bを含む。アームは、フレームに枢動式に取り付けられる。この例では、アーム154A、154Bは、Jカッタのシャフト156に枢動式に取り付けられる。この例では、関節支持体152の2つのアーム154A、154Bの枢動運動は、両方のアームが同時に広がり、同時に閉じるように連動される。この例では、そのために、アーム154A、154Bは、噛み合うギア歯を含む。ここで、アーム154A、154Bは、ここではばね158などの弾性要素によって、開いて広がった位置に付勢される。
【0061】
関節支持ユニット150は、さらにガイド160を含む。ここで、Jカッタ9の回転軸周りのガイド160の角度位置が、アーム154A、154Bの開閉のタイミングを決定することが理解されよう。アームの少なくとも1つ、ここではアーム154Bは、ローラなどのカム162を含む。カムは、ガイド160に接触するように配置されている。次いで、ガイド160がカム162を押し、その結果、アーム154A、154Bは閉位置に枢動される。図22Aからわかるように、ガイド160は、ばね164によって付勢され、カムがガイド160に過度の力を及ぼす場合には、ガイドは、ばね164の力に反して所定の位置から移動される。
【0062】
アーム154A、154Bは、それぞれグリッパ166A、166Bを含む。さらに、アームの少なくとも1つ、ここではアーム154Bに圧力プレート168が取り付けられる。圧力プレート168は、アーム154Bに枢動式に接続される。ここで、圧力プレートは、Jカッタ9の回転軸から離れるように外方向に付勢される。ここで、そのために、関節支持体152がばね170を含む。したがって、グリッパ166A、166Bが脚の周りで閉じると、圧力プレート168は、脚の太さに応じた距離だけ、脚によって付勢力に反して後方に押される。したがって、脚は、グリッパ166A、166Bによってしっかりと把持される。
【0063】
関節支持ユニットは、以下のように操作することができる。脚が、脚を把持する関節支持体152に到達するカルーセルの周りの位置では、アーム154A、154Bは開位置にある。カルーセルがいくらか回転した後、関節支持体152が閉じられて、グリッパ166A、166Bおよび圧力プレート168によって脚を把持する。上述したように、この閉止は、ガイド160によって行われる。アームが閉位置になると、脚は把持されるが、グリッパ166A、166Bに対して長手方向で摺動することができる。次いで、Jカッタ9が脚に切り込むことができる。この例では、グリッパ166A、166Bは、Jカッタのナイフの真上になるようにナイフと位置合わせされる。したがって、ナイフは常に、(骨に触れない)骨のすぐ後ろの所望の位置で脚に切り込む。Jカッタが切込みを行った後、アーム154A、154Bは開位置に移動され、脚を取り外すことができる。
【0064】
関節支持ユニット150を、本明細書で述べる機械以外の機械でも使用することができることが理解されよう。例えば、関節支持体150は、代替の家禽加工機械でのJカッタと共に使用することができる。
【0065】
したがって、関節でつながれた第1および第2の動物骨ならびに中間関節を有する連続する複数の動物脚17から周囲の肉を連続的に収集する方法およびそのための装置1が記載されている。この方法は、搬送経路を通して動物脚17を連続的に搬送し、中間関節の位置を決定する。中間関節の決定された位置に基づいて、中間関節と切断器具135との位置を互いに調整し、中間関節の位置に相応する位置で組織の切断を行う。中間関節の位置を決定するステップは、非接触で実施され、動物脚の連続的な搬送を中断しない。
【0066】
以上により、前述の記載および添付の図面から本発明の動作および構成が明らかになると考えられる。本明細書における任意の先行公開文献(もしくはそれに由来する情報)または既知の任意の事項への参照は、その先行公開文献(もしくはそれに由来する情報)または既知の事項が、本明細書が関連する技術分野における共通の一般知識の一部を成すことを承認もしくは認定または任意の形で示唆するものではなく、そのように解釈されるべきではない。
【0067】
本明細書では、本発明の実施形態の具体例を参照して本発明を述べている。しかし、本発明の本質から逸脱することなく、様々な修正および変更を施すことができることは明らかであろう。明瞭性および簡潔な説明のために、本明細書では、同一または別個の例または実施形態の一部として各特徴を述べているが、これらの別個の実施形態で述べている特徴のすべてまたはいくつかの組合せを有する代替実施形態も想定される。
【0068】
いくつかの例では、フックから懸架される家禽脚は、ドラムスティックと大腿の両方を含む。記載した方法および機械は、ドラムスティックのみがフックから懸架された状態で適用することもできることが理解されよう。肉ストリッパ部の切断器具、ガイドトラック、および/または回転部材の数および/またはレイアウトが、ドラムスティックのみを脱骨する目的で調整することもできることは明らかであろう。記載した方法および機械は、大腿のみがフックから懸架された状態で適用することもできることが理解されよう。フックの形状、ならびに肉ストリッパ部の切断器具、ガイドトラック、および/または回転部材の数および/またはレイアウトが、大腿のみを脱骨する目的で調整することもできることは明らかであろう。
【0069】
いくつかの例では、肉ストリッパ部が、フックから懸架された家禽の脚の下腿と上腿の両方から肉を剥ぎ取る。肉ストリッパ部が大腿骨からのみ肉を剥ぎ取り、下腿には肉を付着させたままにすることも可能であることが理解されよう。そのために、選択的腱カッタユニットは省略または作動停止されてよいことが理解されよう。肉ストリッパ部が下腿からのみ肉を剥ぎ取り、大腿骨には肉を付着させたままにすることも可能であることが理解されよう。
【0070】
明瞭性および簡潔な説明のために、本明細書では、同一または別個の実施形態の一部として各特徴を述べているが、本発明の範囲は、記載した特徴のすべてまたはいくつかの組合せを有する実施形態を含むこともできることを理解されたい。本文に含まれる公開資料または情報源への参照は、その資料または情報が本国または外国での共通の一般知識の一部であることを示すものとして解釈されるべきではない。本文で引用した各文書、参考文献、または特許公報は、読者が本文の一部として読んで考察すべきであり、簡潔にするために本文ではその内容を反復、複製、または複写しない。本発明は、本明細書に記載した実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲内で考慮され得る変更が可能であることが当業者には明らかであろう。また、運動学的な反転も本質的に開示されていると見なされ、本発明の範囲内にあり得る。各請求項において、参照符号は、請求項を限定するとは解釈されないものとする。本明細書または添付の特許請求の範囲で使用されるときの用語「備える」および「含む」は、排他的または網羅的な意味ではなく、むしろ包含的な意味で解釈されるべきである。したがって、本明細書で使用する「含む」または「備える」としての表現は、列挙したものに加えて、他の要素、整数、追加の構造、または追加の作用またはステップの存在を排除しない。さらに、単数形は、「ただ1つ」に限定されるとは解釈されないものとし、「少なくとも1つ」を意味するために使用され、複数を除外しない。具体的または明示的に記載または特許請求されていない特徴が、本発明の範囲から逸脱することなく本発明の構造にさらに含まれることがある。「~のための手段」などの表現は、「~するように構成された構成要素」または「~ように構成された部材」として読まれるべきであり、開示される構造に関する等価物を含むと解釈されるべきである。「重要な」、「好ましい」、「特に好ましい」などの表現の使用は、本発明を限定することを意図されてはいない。構造、材料、または作用が必須であると考えられる限り、それらを特に明示しない。特許請求の範囲によって決定される本発明の範囲から逸脱することなく、一般に、当業者の想定範囲内での追加、削除、および修正を行うことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図17
図18A
図18B
図19
図20
図21
図22A
図22B