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特許7123985キャビティ中に単一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物を注入することによって成形体を連結する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-15
(45)【発行日】2022-08-23
(54)【発明の名称】キャビティ中に単一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物を注入することによって成形体を連結する方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 65/52 20060101AFI20220816BHJP
   C08G 59/40 20060101ALI20220816BHJP
【FI】
B29C65/52
C08G59/40
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019570548
(86)(22)【出願日】2018-06-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-20
(86)【国際出願番号】 EP2018066735
(87)【国際公開番号】W WO2018234534
(87)【国際公開日】2018-12-27
【審査請求日】2021-06-15
(31)【優先権主張番号】17177416.9
(32)【優先日】2017-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】504274505
【氏名又は名称】シーカ・テクノロジー・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ムンツィンガー ノア
(72)【発明者】
【氏名】ヴォーチ アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】レイネガー ウルス
【審査官】▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-513129(JP,A)
【文献】特表2008-501049(JP,A)
【文献】特表2012-519220(JP,A)
【文献】特開2016-138273(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 65/00- 65/82
C08G 59/00- 59/72
C09J 1/00-201/10
C08K 3/00- 13/08
C08L 1/00-101/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの成形体S1及びS2の結合の方法であって、
a)成形体S1を提供する工程、
b)前記成形体S1に対して成形体S2を配置し、前記2つの成形体S1及びS2間にキャビティ(1)を形成する工程、
c)前記キャビティ(1)中に一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物を導入する工程
を含み、前記一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物は、
- 1分子あたり平均1つを超えるエポキシ基を有する少なくとも1種のエポキシ樹脂A、
- 昇温によって活性化される、エポキシ樹脂のための少なくとも1種の硬化剤B、 - 少なくとも1種のポリエステルポリオールPPであって、
- x’の値=2~10である構造HO-(CHx’-OHを有する少なくとも1種のジオールと、
- y’の値=8~18である構造HOOC-(CHy’-COOHを有する少なくとも1種のジカルボン酸及び前記ジカルボン酸の誘導体と
の反応によって得られうる少なくとも1種のポリエステルポリオールPP
を含む一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物であり、
前記ポリエステルポリオールPPの割合は、前記一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物の全重量に対して1.5重量%~20重量%である、方法。
【請求項2】
前記キャビティ(1)は、開放キャビティであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記成形体S1に対して成形体S2を配置する前記工程b)の後、前記2つの成形体間の前記キャビティ(1)の距離に実質的に変化がないことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記成形体S1に対して成形体S2を配置する前記工程b)の後、前記キャビティ(1)に沿って0mmを超え、かつ100mm以下の前記2つの成形体間の前記距離に実質的に変化がないことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物は、前記2つの成形体の少なくとも1つにおける少なくとも1つの導入開口部(2)を通して導入されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記キャビティ(1)は、前記2つの成形体の複合材の結合部位であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記キャビティ(1)は、前記2つの成形体の少なくとも1つにおける材料凹部(4)であることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも100℃の温度において少なくとも10分間にわたり、前記一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物を硬化する工程d)をさらに含むことを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
工程c)での導入における前記一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物は、40~100℃の温度であることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
工程c)での導入における前記一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物は、前記ポリエステルポリオールPPの融点よりも20℃以下低い温度であることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
工程c)での導入における前記一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物は、加熱可能なプレートを用いてレオメーター(Anton Paar MCR 302)(1000μm間隙、測定プレート直径:25mm(プレート/プレート)、5Hzにおける変形0.01)によってオシログラフィーにより粘度を決定して、<3,000Pas、<2,000Pasの粘度を有することを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物は、加熱可能なプレートを用いてレオメーター(Anton Paar MCR 302)(1000μm間隙、測定プレート直径:25mm(プレート/プレート)、5Hzにおける変形0.01)によってオシログラフィーにより粘度を決定して、>5,000Pas、>10,000Pasの23℃における粘度を有することを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記ポリエステルポリオールPPの前記割合は、前記一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物の前記全重量に対して2~15重量%であることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
互いに対する2つの成形体S1及びS2の結合のための、互いに対して配置された前記2つの成形体S1及びS2間のキャビティ(1)中への導入のための、一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物として請求項1に記載の一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物の使用。
【請求項15】
側面開口部を有するキャビティ中への一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物の導入において、キャビティ中の側面開口部を通した漏出特徴を減少させるための、前記一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物中における、ポリエステルポリオールPPとして請求項1に記載のポリエステルポリオールPPの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの成形体、特に自動車用車体要素の結合、特に構造的結合の方法及びそのような方法における一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物は、高い強度が必要とされる場合、例えば自動車構造において、鉄鋼シートなどの金属基板の結合のために多くの場合に使用される。
【0003】
そのような成形体から形成された複合材において、結合のために、これらは、互いに接着剤によって結合される。これは、典型的に、接着剤ビーズとして第1の成形体に適用される接着剤を使用して実行され、次いで2つの成形体の結合のために、結合される第2の成形体がこの接着剤ビーズに適用される。
【0004】
金属シート、キャスト部品及び押出成形プロフィールなどの成形体のさらなる結合方法において、閉鎖キャビティ中に液体接着剤を注入し、したがって結合される成形体を互いに結合することが想定される。この方法の不都合な点は、液体接着剤のための空間を画定する、流体密封様式で封着されるキャビティを作成する必要があることである。これは、例えば、封着によって達成され得るか、又は非常に小さい製造許容差を有する要素を必要とする。その結果、そのような系は、複雑となり、且つ製造に費用を要することになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、より容易に管理可能な様式での成形体、例えば自動車の車体要素のより安価な結合を可能にする、成形体の結合、特に構造的結合のための改善されたプロセスを提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、驚くべきことに、請求項1において特許請求される方法によって達成される。
【0007】
本発明の方法には、2つの成形体の結合が、接着剤のための空間封着された流体密封の提供を必要としないという利点がある。代わりに、取扱いがより容易であり、且つ空間封着された流体密封を有さないより安価な開放系を使用することが可能である。したがって、例えば、封着を有さない車体要素を使用することが可能となり、それは、非常に費用的に有利である。さらに、本発明は、接着剤のためのいずれの空間封着された流体密封の提供も必要としないため、より大きい製造許容差を有する成形体の(接着剤)結合も可能にする。これにより、この系の種々の要素をより低費用で且つより大きい製造許容差で製造することが可能となるため、これも周知の系より有意に費用的に有利である。接着剤による閉鎖空間の充填には、この様式で避けることのできる課題、特に接着剤による閉鎖キャビティ中の空気の置換を伴うため、成形体の結合作業を達成することがより容易である。
【0008】
本発明のさらなる態様は、さらなる独立請求項の主題であり、本発明の好ましい実施は、従属請求項の主題である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1a】工程b)後に互いに対して配置され、互いの間にキャビティ(1)を有する2つの成形体S1及びS2の断面図を示す。
図1b】成形体S2が導入開口部(2)を有する、2つの成形体S1及びS2の断面図を示す。
図1c】一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物が導入チャネル(3b)を通してキャビティ(1)中に導入される、2つの成形体S1及びS2の断面図を示す。
図1d】互いに対して配置された2つの成形物の側面図を示す。
図2a】ベース要素5及び透明外部要素6からなる2つの成形体の複合材の斜視図を示す。
図2b】長方形のベース要素5の斜視図を示す。
図2c】ベース要素子5と外部要素6との間に配置されるスペーサー8を示す断面図を示す。
図3a】8つの固定用ねじ10によって組み立てられたベース要素5及び透明外部要素6の複合材の上面図を示す。
図3b】8つの固定用ねじ10によって組み立てられたベース要素5及び透明外部要素6の複合材の上面図を示す。
図4a】オシログラフィー測定に基づいて決定された複素粘度ηの大きさを示す。
図4b】オシログラフィー測定に基づいて決定された複素粘度ηの大きさを示す。
図4c】オシログラフィー測定に基づいて決定された複素粘度ηの大きさを示す。
図4d】オシログラフィー測定に基づいて決定された複素粘度ηの大きさを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
したがって、本発明は、2つの成形体S1及びS2の結合、特に構造的結合の方法であって、
a)成形体S1を提供する工程、
b)成形体S1に対して成形体S2を配置し、2つの成形体S1及びS2間にキャビティ(1)を形成する工程、
c)キャビティ(1)中に一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物を導入する工程
を含み、一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物は、
- 1分子あたり平均1つを超えるエポキシ基を有する少なくとも1種のエポキシ樹脂A、
- 昇温によって活性化される、エポキシ樹脂のための少なくとも1種の硬化剤B、
- 少なくとも1種のポリエステルポリオールPPであって、
- x’の値=2~10である構造HO-(CHx’-OHを有する少なくとも1種のジオールと、
- y’の値=8~18である構造HOOC-(CHy’-COOHを有する少なくとも1種のジカルボン酸及びこのジカルボン酸の誘導体と
の反応によって入手可能な少なくとも1種のポリエステルポリオールPP
を含む一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物である、方法に関する。
【0011】
ポリエステルポリオールPPの割合は、一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物の全重量に基づいて1.5重量%~20重量%である。
【0012】
図1aは、工程b)後に互いに対して配置され、互いの間にキャビティ(1)を有する2つの成形体S1及びS2の断面図を示す。
【0013】
キャビティ(1)は、好ましくは、開放キャビティである。「開放」又は「開放キャビティ」という用語は、本明細書では、「液体透過性」又は「未封着」を意味する。
【0014】
成形体S1に対して成形体S2を配置する工程b)後、2つの成形体間のキャビティ(1)の距離に実質的に変化がない場合にさらに有利である。「実質的」という用語は、好ましくは、30%未満、20%未満、特に10%未満の距離の変化を意味するものとして理解される。
【0015】
成形体S1に対して成形体S2を配置する工程b)後、キャビティ(1)に沿って0~100mm、特に0~30mmの2つの成形体間の距離に実質的に変化がない場合にさらに有利であり得る。「実質的」という用語は、本明細書では、好ましくは30%未満、20%未満、特に10%未満の距離の変化を意味するものとして理解される。
【0016】
工程b)後、キャビティ(1)に沿って0~100mm、特に0~30mmの2つの成形体間の距離が0.5~15mm、特に0.5~10mm、好ましくは0.5~5mm、より好ましくは1~3mmである場合にさらに有利であり得る。
【0017】
一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物が、2つの成形体の少なくとも1つにおける少なくとも1つの導入開口部(2)を通して導入される場合にさらに好ましくなり得る。そのような導入開口部(2)は、例えば、図1bにおいて成形体S2に見ることができる。好ましくは、導入開口部(2)は、他の成形体から遠位にある成形体の側面上に配置される。
【0018】
さらに、少なくとも1つの導入開口部(2)は、好ましくは、導入チャネル(3a)を経由してキャビティ(1)に直接連結している。
【0019】
しかしながら、図1cの断面図に示されるように、一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物が導入チャネル(3b)を通してキャビティ(1)中に導入される場合、導入チャネル(3b)は、2つ成形体のうち、他の成形体と面する少なくとも1つの表面上に配置されることが有利であり得る。図1dは、互いに対して配置された2つの成形物の側面図を示す。
【0020】
キャビティ(1)は、好ましくは、2つの成形体の複合材の結合部位、特に意図された構造的結合部位である。したがって、これは、好ましくは、2つの成形体間の構造的結合が保証されるためにエポキシ樹脂組成物の十分な量を収容することが可能であるように構成される。この目的のため、特に、導入されるエポキシ樹脂組成物の適切な厚さ及び成形体S1又は成形体S2との導入されるエポキシ樹脂組成物の適切な接触面が有利である。
【0021】
好ましくは、キャビティ(1)は、2つの成形体の少なくとも1つにおける材料凹部(4)である。
【0022】
成形体S1及びS2は、同一の材料又は異なる材料から製造され得る。成形体は、好ましくは、金属又は他の耐熱性材料、特に金属又は耐熱性プラスチック、例えばポリアミド(PA)、ポリフェニレンエーテル、例えばNoryl(登録商標)、又は炭素繊維強化プラスチック(CFRP)若しくはガラス繊維強化プラスチック(GFRP)などの耐熱性繊維強化プラスチックから製造される。適切な金属の例は、特に鉄鋼、特に電解亜鉛めっき鋼、ホットディップ亜鉛めっき鋼又はオイルドスチール、ホウ素亜鉛被覆鋼及びその後のリン酸塩処理鋼並びにアルミニウムである。
【0023】
適切な成形体S1及びS2は、特に、例えば輸送機関の構造において、例えば自動車産業又は白物家電の製造において利用される成形体である。
【0024】
驚くべきことに、請求項1において特許請求される一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物の使用により、自己封着系を提供し得ることが見出された。驚くべきことに、冷却時に未固結状態及び固結状態間での形状転位があるそのようなエポキシ樹脂組成物を使用することにより、例えば封着要素を使用せずに開放系を接合することが可能であることが見出された。
【0025】
成形体S1に対して成形体S2を配置する工程b)において、キャビティ(1)は、2つの成形体S1及びS2間に形成される。
【0026】
2つの成形体は、例えば、2つの成形体が少なくとも1つの点において直接接触するか、又はそれらが互いに距離を置いて配置されるような様式で互いに対して配置され得る。好ましくは、工程b)において、2つの成形体S1及びS2は、1つ又は2つの側面における機械的な接合方法、特にびょう、溶接、ねじ又はボルトにより、任意選択的にスペーサーを使用して事前に固定される。この接合方法は、導入されたエポキシ樹脂組成物が固結及び/又は硬化する前に、互いに対して配置された2つの成形体S1及びS2が意図された位置に残ることを保証するように特に意図される。
【0027】
エポキシ樹脂組成物は、1つの成分を有し、これは、エポキシ樹脂組成物、特に少なくとも1種のエポキシ樹脂A、少なくとも1種の硬化剤B及び少なくとも1種のポリエステルポリオールPPの成分が、標準的な周囲温度又は室温において硬化が発生することなく1成分中に存在することを意味する。したがって、一成分エポキシ樹脂組成物は、貯蔵安定性である。したがって、二成分系の場合、適用の直前のみの成分の混合が可能であるのに対して、一成分エポキシ樹脂組成物は、この形態で販売可能である。
【0028】
本明細書では、置換基、ラジカル又は基に関連する「独立して」という用語の使用は、同一の分子中の同一の記号を有する置換基、ラジカル又は基が同時に異なる意味で生じ得るものとして解釈されるべきである。
【0029】
本明細書では、「強靭性向上剤」は、エポキシ樹脂組成物の全重量に対して≧5重量%、特に≧10重量%のわずかな添加の場合でも、強靭性の明白な増加をもたらし、したがって、マトリックスが亀裂を生じるか又は破損する前に、より高い曲げ、引張、衝撃又はショック応力の吸収が可能である、エポキシ樹脂マトリックスへの添加を意味するものとして理解される。
【0030】
本明細書中の「ポリオール」、「ポリイソシアネート」、「ポリエーテル」又は「ポリアミン」などの物質名の接頭辞「ポリ」は、それぞれの物質が、形式的な意味において、1分子あたり2つ以上のその名称で生じる官能基を含むことを示す。
【0031】
本明細書では、「分子量」は、1分子の(1モルあたりのグラムでの)モル質量を意味するものとして理解される。「平均分子量」は、典型的に基準としてのポリスチレンに対するGPCによって決定される、分子のオリゴマー又はポリマー混合物の数平均分子量Mを意味するものとして理解される。
【0032】
「一級ヒドロキシル基」は、2つの水素を有する炭素原子に結合したOH基を意味する。
【0033】
本明細書では、「一級アミノ基」という用語は、1つの有機基に結合したNH基を意味し、他方では、「二級アミノ基」という用語は、一緒に環の一部でもあり得る2つの有機基に結合したNH基を意味する。したがって、1つの1級アミノ基を有するアミンは、「一級アミン」と記載され、二級アミノ基を有するものは、相応して「二級アミン」と記載され、且つ三級アミノ基を有するものは、相応して「三級アミン」と記載される。
【0034】
本明細書では、「室温」は、23℃の温度を示す。
【0035】
成形体間の結合の性質に関連して、「構造的」という用語は、本明細書では、特に引張強度、破断点伸び及び弾性率に関連して好ましい機械的特性として以下に記載される機械的特性を有する硬化エポキシ樹脂組成物を使用する結合を意味するものとして理解される。
【0036】
1分子あたり平均1つを超えるエポキシ基を有するエポキシ樹脂Aは、好ましくは、エポキシ液体樹脂又は固体エポキシ樹脂である。「固体エポキシ樹脂」という用語は、エポキシの分野の当業者に非常によく知られており、且つ「液体エポキシ樹脂」とは対照的に使用される。固体樹脂のガラス転移温度は、室温より高く、それらが自由流動性の粉末をもたらすように室温において細粉可能であることを意味する。
【0037】
好ましいエポキシ樹脂は、式(II)
【化1】
を有する。
【0038】
置換基R’及びR’’は、本明細書では、互いに独立してH又はCHである。
【0039】
固体エポキシ樹脂において、指数sは、>1.5、特に2~12の値を有する。
【0040】
そのような固体エポキシ樹脂は、例えば、Dow、又はHuntsman、又はHexionから商業的に入手可能である。
【0041】
1~1.5の指数sを有する式(II)の化合物は、当業者によって半固体エポキシ樹脂と呼ばれる。本発明に関して、それらは、固体樹脂であるとも考えられる。しかしながら、好ましい固体エポキシ樹脂は、より狭い意味において、すなわち指数sが>1.5の値を有する場合にエポキシ樹脂である。
【0042】
液体エポキシ樹脂において、指数sは、1未満の値を有する。好ましくは、sは、0.2未満の値を有する。
【0043】
したがって、ビスフェノールA(DGEBA)、ビスフェノールF及びビスフェノールA/Fのジグリシジルエーテルが好ましい。そのような液体樹脂は、例えば、Araldite(登録商標)GY250、Araldite(登録商標)PY304、Araldite(登録商標)GY282(Huntsman)、又はD.E.R.(商標)331若しくはD.E.R.(商標)330(Dow)、又はEpikote828(Hexion)として入手可能である。
【0044】
さらなる適切なエポキシ樹脂Aは、エポキシノボラックと呼ばれるものである。これらは、特に、次式:
【化2】
(式中、R2は、
【化3】
又はCHであり、R1は、H又はメチルであり、且つzは、0~7である)
を有する。
【0045】
より特に、これらは、フェノール又はクレゾールエポキシノボラック(R2=CH)である。
【0046】
そのようなエポキシ樹脂は、HuntsmanからEPN若しくはECN及びTactix(登録商標)の商標名において、又はDow ChemicalからのD.E.N.(商標)製品シリーズから商業的に入手可能である。
【0047】
好ましくは、エポキシ樹脂Aは、式(II)の液体エポキシ樹脂である。
【0048】
特に好ましい実施形態において、熱硬化エポキシ樹脂組成物は、s<1、特に0.2未満の式(II)の少なくとも1種の液体エポキシ樹脂及びs>1.5、特に2~12の式(II)の少なくとも1種の固体エポキシ樹脂の両方を含有する。
【0049】
エポキシ樹脂Aの割合は、好ましくは、エポキシ樹脂組成物の全重量に基づいて10~60重量%、特に30~50重量%である。
【0050】
エポキシ樹脂Aの50~100重量%、特に80~100重量%が上記液体エポキシ樹脂である場合にさらに有利である。
【0051】
エポキシ樹脂Aの0~30重量%、特に0~20重量%、より好ましくは5~15重量%が上記固体エポキシ樹脂である場合にさらに有利である。
【0052】
熱硬化一成分エポキシ樹脂組成物は、昇温によって活性化される、エポキシ樹脂のための少なくとも1種の硬化剤Bをさらに含む。そのような潜在的な硬化剤は、室温において実質的に不活性であり、且つ硬化反応を開始する典型的に70℃以上の温度における昇温によって活性化される。エポキシ樹脂のための標準的な潜在的硬化剤を使用することが可能である。硬化剤は、好ましくは、エポキシ樹脂のための潜在的窒素含有硬化剤である。
【0053】
適切な潜在的硬化剤の例は、ジシアンジアミド、グアナミン、グアニジン、アミノグアニジン及びそれらの誘導体;置換尿素、特に3-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-1,1-ジメチル尿素(クロロトルロン)又はフェニルジメチル尿素、特にp-クロロフェニル-N,N-ジメチル尿素(モヌロン)、3-フェニル-1,1-ジメチル尿素(フェヌロン)若しくは3,4-ジクロロフェニル-N,N-ジメチル尿素(ジウロン)並びにまたイミダゾール及びアミン錯体である。
【0054】
特に好ましい潜在的硬化剤は、ジシアンジアミドである。
【0055】
硬化剤Bの割合は、エポキシ樹脂組成物の全重量に基づいて好ましくは0.5重量%~12重量%、より好ましくは1重量%~8重量%である。
【0056】
熱硬化一成分エポキシ樹脂組成物は、
- x’の値=2~10である構造HO-(CHx’-OHを有する少なくとも1種のジオールと、
- y’の値=8~18である構造HOOC-(CHy’-COOHを有する少なくとも1種のジカルボン酸及びこのジカルボン酸の誘導体と
の反応によって入手可能な少なくとも1種のポリエステルポリオールPPをさらに含む。
【0057】
これらのジカルボン酸の誘導体は、好ましくは、カルボン酸エステル(特にメチル及びエチルエステル)、酸ハロゲン化物(例えば、酸塩化物)並びに酸無水物である。
【0058】
融点は、好ましくは、DSC器具によって決定される(DIN 53765)。試料及び空の参考るつぼを20℃/分の加熱速度で加熱する。融点は、融解ピークの最大に対応する。
【0059】
ポリエステルポリオールPPは、好ましくは、50~110℃、特に70~95℃の軟化点を有する。軟化点は、本明細書では、DIN ISO 4625に従って環球式の方法によって決定される。
【0060】
好ましいポリエステルポリオールPPは、1500~9000、好ましくは1500~6000、より好ましくは2500~5000の数平均分子量も有する。
【0061】
好ましいポリエステルポリオールPPは、約20~50、好ましくは約25~40のヒドロキシル価(ポリエステルポリオール1グラムあたりのKOHのミリ当量)を有する。
【0062】
さらに、好ましいポリエステルポリオールは、約2、特に1.9~2.1のヒドロキシ官能価(1ポリマー鎖あたりのヒドロキシル基の平均数)を有する。
【0063】
好ましくは、ポリエステルポリオールPPの調製において有用なジオールは、エチレングリコール、ブタン-1,4-ジオール、ペンタン-1,5-ジオール、ヘキサン-1,6-ジオール、オクタン-1,8-ジオール及びデカン-1,10-ジオールからなるリストから選択される。その混合も可能である。
【0064】
エチレングリコール、ブタン-1,4-ジオール及びヘキサン-1,6-ジオール、特にエチレングリコール及びヘキサン-1,6-ジオール、特にヘキサン-1,6-ジオールが最も好ましい。
【0065】
好ましくは、ポリエステルポリオールPPの調製において有用なジカルボン酸は、デカン二酸(セバシン酸)、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸及びオクタデカン二酸からなるリストから選択される。その誘導体及びその混合物も可能である。好ましくは、ジカルボン酸は、デカン二酸(セバシン酸)、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸からなるリストから選択され、より好ましくはドデカン二酸である。
【0066】
好ましくは、ポリエステルポリオールPPは、上記のジオールのリストからの1種のみと、上記のジカルボン酸のリストの1種のみとの反応によって入手可能である。
【0067】
ポリエステルポリオールPPの割合は、一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物の全重量に基づいて1.5重量%~20重量%である。ポリエステルポリオールPPの割合は、一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物の全重量に基づいて好ましくは2~15重量%、2.5~10重量%、3~10重量%、特に4~8重量%である。そのような割合により、同時に高い引張せん断強度の値と関連する良好な拡散特徴が導かれる。一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物の全重量に基づいて2~4.5重量%、2.5~4重量%のポリエステルポリオールPPの割合は、特に-30℃における高い衝撃剥離強度(I-peel)値に関して有利である。
【0068】
熱硬化エポキシ樹脂組成物は、任意選択的に、少なくとも1種の強靭性向上剤Dを含む。強靭性向上剤Dは、液体又は固体であり得る。
【0069】
より特に、強靭性向上剤Dは、末端ブロックポリウレタンポリマーD1、液体ゴムD2及びコア-シェルポリマーD3からなる群から選択される。
【0070】
強靭性向上剤Dは、好ましくは、末端ブロックポリウレタンポリマーD1、好ましくは式(1)
【化4】
の末端ブロックポリウレタンプレポリマーである。
【0071】
は、本明細書では、末端イソシアネート基の除去後、イソシアネート基を末端とする直鎖又は分枝鎖ポリウレタンプレポリマーのp価基であり、且つpは、2~8の値である。
【0072】
加えて、Rは、
【化5】
からなる群から独立して選択される置換基である。
【0073】
、R、R及びRは、本明細書では、それぞれ独立して、アルキル、若しくはシクロアルキル、若しくはアルアルキル、若しくはアリールアルキル基であるか、又はRは、Rと一緒に、若しくはRは、Rと一緒に4~7員の任意選択的に置換された環の一部を形成する。
【0074】
加えて、R9’及びR10は、それぞれ独立して、アルキル、若しくはアルアルキル、若しくはアリールアルキル基、又はアルキルオキシ、若しくはアリールオキシ、若しくはアルアルキルオキシ基であり、且つR11は、アルキル基である。
【0075】
12、R13及びR14は、それぞれ独立して、2~5つの炭素原子を有し、且つ任意選択的に二重結合を有するか、若しくは置換されているアルキレン基であるか、又はフェニレン基若しくは水素化フェニレン基である。
【0076】
15、R16及びR17は、それぞれ独立して、H、又はアルキル基、又はアリール基、又はアルアルキル基であり、且つR18は、アルアルキル基又は単環若しくは多環式、置換若しくは未置換芳香族基であり、任意選択的に芳香族ヒドロキシル基を有する。
【0077】
最終的に、Rは、ヒドロキシ及びエポキシ基の除去後に一級又は二級ヒドロキシル基を含有する脂肪族、脂環式、芳香族又は芳香脂肪族エポキシドであり、且つmは、1、2又は3の値を有する。
【0078】
18は、特にヒドロキシル基の除去後に第一にフェノール又はポリフェノール、特にビスフェノールであると考えられる。そのようなフェノール及びビスフェノールの好ましい例は、特にフェノール、クレゾール、レゾルシノール、カテコール、カルダノール(3-ペンタデセニルフェノール(カシューナッツ油由来))、ノニルフェノール、スチレン若しくはジシクロペンタジエンと反応させたフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF及び2,2’-ジアルキルビスフェノールAである。R18は、第二にヒドロキシル基の除去後に特にヒドロキシベンジルアルコール及びベンジルアルコールであると考えられる。
【0079】
、R、R、R、R、R9’、R10、R11、R15、R16又はR17がアルキル基である場合、それは、特に直鎖又は分枝鎖C~C20-アルキル基である。
【0080】
、R、R、R、R、R9’、R10、R15、R16、R17又はR18がアルアルキル基である場合、この部分は、特にメチレ結合芳香族基、特にベンジル基である。
【0081】
、R、R、R、R、R9’又はR10がアルキルアリール基である場合、これは、特にフェニレン結合C~C20アルキル基、例えばトリル又はキシリルである。
【0082】
基は、好ましくは、式
【化6】
の置換基である。
【0083】

【化7】
の好ましい置換基は、NHプロトンの除去後のε-カプロラクタムである。
【0084】
式---O-R18の好ましい置換基は、フェノール水素原子の除去後のモノフェノール又はポリフェノール、特にビスフェノールである。そのようなR基の特に好ましい例は、
【化8】
からなる群から選択される基である。
【0085】
Y基は、本明細書では、1~20の炭素原子を有する、特に1~15の炭素原子を有する飽和、芳香族又はオレフィン系不飽和ヒドロカルビル基である。好ましいYは、特に、アリル、メチル、ノニル、ドデシル、フェニル、アルキルエーテル、カルボン酸エステル又は1~3つの二重結合を有する不飽和C15アルキル基である。
【0086】
最も好ましくは、Rは、---O-R18である。
【0087】
式(I)の末端ブロックポリウレタンプレポリマーは、1種以上のイソシアネート反応性化合物RHによるイソシアネート基を末端とする直鎖又は分枝鎖ポリウレタンプレポリマーから調製される。2種以上のそのようなイソシアネート反応性化合物が使用される場合、反応は、連続的に又はこれらの化合物の混合物を用いて実行され得る。
【0088】
反応は、好ましくは、全てのNCO基が変換することを保証するために、1種以上のイソシアネート反応性化合物RHが化学量論的に又は化学量論的過剰量で使用されるような様式で実行される。
【0089】
のベースであるイソシアネート末端基を有するポリウレタンプレポリマーは、少なくとも1種のジイソシアネート又はトリイソシアネートから、及び末端アミノ、チオール若しくはヒドロキシル基を有するポリマーQPMから、及び/又は任意選択的に置換されたポリフェノールQPPから調製され得る。
【0090】
適切なジイソシアナートは、脂肪族、脂環式、芳香族又は芳香脂肪族ジイソシアネート、特にメチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、トルイジンジイソシアネート(TODI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、2,5-若しくは2,6-ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ナフタレン1,5-ジイソシアネート(NDI)、ジシクロヘキシルメチルジイソシアネート(H12MDI)、p-フェニレンジイソシアネート(PPDI)、m-トテラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)など、及びその二量体などの市販製品である。HDI、IPDI、MDI又はTDIが好ましい。
【0091】
適切なトリイソシアネートは、脂肪族、脂環式、芳香族又は芳香脂肪族ジイソシアネートの三量体又はビウレット、特に前パラグラフで記載されたジイソシアネートのイソシアヌレート及びビウレットである。当然のことながら、ジ又はトリイソシアネートの適切な混合物を使用することも可能である。
【0092】
末端アミノ、チオール又はヒドロキシル基を有する特に適切なポリマーQPMは、2つ又は3つの末端アミノ、チオール又はヒドロキシル基を有するポリマーQPMである。
【0093】
ポリマーQPMは、有利には、300~6000、特に600~4000、好ましくは700~2200g/当量のNCO反応性基を有する。
【0094】
適切なポリマーQPMは、ポリオールであり、例えば次の商業的に入手可能なポリオール又はそのいずれかの混合物である:
- ポリエーテルポリオールとも呼ばれるポリオキシアルキレンポリオールであって、エチレンオキシド、1,2-プロピレンオキシド、1,2-若しくは2,3-ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン又はその混合物の重合生成物であり、任意選択的に、2つ若しくは3つの活性水素原子を有する開始分子、例えば水又は2つ若しくは3つのOH基を有する化合物の補助によって重合されるもの。例えば、二重金属シアニド錯体触媒(略してDMC触媒)と呼ばれるものの補助によって調製される(ASTM D-2849-69に従って測定され、且つポリオール1グラムあたりの不飽和のミリ当量(meq/g)で報告される)低い不飽和度を有するポリオキシアルキレンポリオール又は例えばNaOH、KOH若しくはアルカリ金属アルコキシドなどのアニオン系触媒の補助によって調製される、より高い不飽和度を有するポリオキシアルキレンポリオールのいずれも使用することが可能である。特に適切であるものは、0.02meq/g未満の不飽和度を有し、且つ1000~30000ダルトンの範囲の平均分子量を有するポリオキシプロピレンジオール及びトリオール、ポリオキシブチレンジオール及びトリオール、400~8000ダルトンの平均分子量を有するポリオキシプロピレンジオール及びトリオール並びに「EO-エンドキャップド」(エチレンオキシド-エンドキャップド)ポリオキシプロピレンジオール又はトリオールと呼ばれるものである。後者は、例えば、ポリプロポキシル化反応の完了時に純粋なポリオキシプロピレンポリオールがエチレンオキシドによってアルコキシル化される場合に得られ、したがって、一級ヒドロキシル基を有する特定のポリオキシプロピレンポリオキシエチレンポリオールである。
- ヒドロキシ末端ポリブタジエンポリオール、例えば1,3-ブタジエン及びアリルアルコールの重合又はポリブタジエン及びその水素化生成物の酸化によって調製されるもの;
- 例えば、Lupranol(登録商標)の名称でBASFによって提供されるスチレン-アクリロニトリル-グラフト化ポリエーテルポリオール;
- 例えば、(Hypox(登録商標)CTBNの名称でEmerald Performance Materialsから商業的に入手可能である)カルボキシル末端アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー及びエポキシド又はアミノアルコールから調製可能なポリヒドロキシ末端アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー;
- 例えば、二価~三価のアルコール、例えばエタン-1,2-ジオール、ジエチレングリコール、プロパン-1,2-ジオール、ジプロピレングリコール、ブタン-1,4-ジオール、ペンタン-1,5-ジオール、ヘキサン-1,6-ジオール、ネオペンチルグリコール、グリセロール、1,1,1-トリメチロールプロパン又は上記アルコールの混合物と、有機ジカルボン酸又はその無水物若しくはエステル、例えばコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及びヘキサヒドロフタル酸又は上記酸の混合物とから調製されるポリエステルポリオール並びにラクトン、例えばε-カプロラクトンから形成されるポリエステルポリオール;
- 例えば、ポリエステルポリオールを形成するために使用される上記アルコールと、ジアルキルカルボネート、ジアリールカルボネート又はホスゲンとの反応によって入手可能なポリカルボネートポリオール。
【0095】
有利には、ポリマーQPMは、300~6000g/OH当量、特に600~4000g/OH当量、好ましくは700~2200g/OH当量のOH当量を有する二官能価又はより高官能価のポリオールである。さらに有利には、ポリオールは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールブロックコポリマー、ポリブチレングリコール、ヒドロキシル末端ポリブタジエン、ヒドロキシル末端ブタジエン/アクリロニトリルコポリマー、ヒドロキシル末端合成ゴム、その水素化生成物及び上記のこれらのポリオールの混合物からなる群から選択される。
【0096】
加えて、使用されるポリマーQPMは、二官能価又はより高官能価のアミノ末端ポリエチレンエーテル、ポリプロピレンエーテルであって、例えばJeffamine(登録商標)の名称でHuntsmanによって販売されるもの、ポリブチレンエーテル、ポリブタジエン、ブタジエン/アクリロニトリルコポリマー、例えばHypro(登録商標)ATBNの名称でEmerald Performance Materialsによって販売されるもの及びさらなるアミノ末端合成ゴム又は上記成分の混合物であり得る。
【0097】
特定の用途に関して、適切なポリマーQPMは、特にヒドロキシル基を有するポリブタジエン若しくはポリイソプレン又はその部分的若しくは完全に水素化された反応生成物である。
【0098】
ポリマーQPMは、ポリアミン、ポリオール及びポリイソシアネート、特にジアミン、ジオール及びジイソシアネートの反応によって当業者に既知の方法で鎖延長されることもさらに可能である。
【0099】
ジイソシアナート及びジオールの例を使用して、選択された化学量論に従い、上記で示されるようにそれらから形成されるものは、式(VI)又は(VII)
【化9】
の種である。
【0100】
及びY基は、二価の有機基であり、且つ指数u及びvは、典型的に化学量論比に従って1~5で様々である。
【0101】
式(VI)又は(VII)のこれらの種を次いでさらに反応させ得る。例えば、式(VI)の種及び二価の有機基Yを有するジオールを使用して、次式:
【化10】
の鎖延長ポリウレタンプレポリマーを形成することができる。
【0102】
式(VII)及び二価の有機基Yを有するジイソシアナートの種を使用して、次式:
【化11】
の鎖延長ポリウレタンプレポリマーを形成することができる。
【0103】
化学量論比に従い、指数x及びyは、典型的に1~5で変動し、特に1又は2である。
【0104】
加えて、式(VI)の種と式(VII)の種とを反応させて、NCO基を有する鎖延長ポリウレタンプレポリマーを形成することも可能である。
【0105】
鎖延長のために、特にジオール及び/又はジアミン並びにジイソシアナートが好ましい。当然のことながら、より高官能価のポリオール、例えばトリメチロールプロパン若しくはペンタエリトリトール又はより高官能価のポリイソシアネート、例えばジイソシアナートのイソシアヌレートも鎖延長のために使用可能であることは、当業者に明らかであろう。
【0106】
一般的及び特定の場合における鎖延長ポリウレタンプレポリマーにおけるポリウレタンプレポリマーの場合、特により高い官能価の化合物が鎖延長のために使用される場合、これは、式(I)のポリウレタンプレポリマーへのその変換を困難にするか、又は接着剤を適用することを困難にするため、プレポリマーが過度に高い粘度を有さないことを有利に保証するべきである。
【0107】
好ましいポリマーQPMは、600~6000ダルトンの平均分子量を有するポリオールであり、且つポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、ポリブチレングリコール、ヒドロキシル末端ポリブタジエン、ヒドロキシル末端ブタジエン-アクリロニトリルコポリマー及びその混合物からなる群から選択される。
【0108】
特に好ましいポリマーQPMは、C~Cアルキレ基又は混合C~Cアルキレン基を有し、アミノ、チオール又は好ましくはヒドロキシル基を末端とするα、ω-ジヒドロキシポリアルキレングリコールである。ポリプロピレングリコール又はポリブチレングリコールが特に好ましい。ヒドロキシル末端ポリオキシブチレンがさらに特に好ましい。
【0109】
特に適切なポリフェノールQPPは、ビス-、トリス-及びテトラフェノールである。これは、直鎖フェノールのみを意味するものではなく、任意選択的に置換されたフェノールも意味するものとして理解される。置換の性質は、非常に様々であり得る。より特に、これは、フェノールOH基が結合した芳香族環の直接上の置換を意味するものとして理解される。フェノールは、単環式芳香族のみを意味するものではなく、芳香族又は複素芳香族環の直接上のフェノールOH基を有する多環式又は縮合芳香族又は複素芳香族も意味するものとしてさらに理解される。
【0110】
そのような置換基の性質及び位置は、他の性質に加えてポリウレタンプレポリマーの形成に必要なイソシアネートとの反応に影響を与える。
【0111】
ビス-及びトリスフェノールは、特に適切である。適切なビスフェノール又はトリスフェノールの例としては、1,4-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジヒドロキシベンゼン、1,2-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジヒドロキシトルエン、3,5-ジヒドロキシベンゾエート、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン(=ビスフェノールF)、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン(=ビスフェノールS)、ナフトレゾルシノール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシアントラキノン、ジヒドロキシビフェニル、3,3-ビス(p-ヒドロキシフェニル)フタリド、5,5-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサヒドロ-4,7-メタノインダン、フェノールフタレイン、フルオレセイン、4,4’-[ビス(ヒドロキシフェニル)-1,3-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)](=ビスフェノールM)、4,4’-[ビス(ヒドロキシフェニル)-1,4-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)](=ビスフェノールP)、2,2-ジアリルビスフェノール-A、ジフェノール及びフェノール又はクレゾールとジイソプロピリデンベンゼンとの反応によって調製されるジフェノール及びジクレゾール、フロログルシノール、没食子酸エステル、2.0~3.5の-OH官能価を有するフェノール又はクレゾールノボラック及び上記化合物の全ての異性体が含まれる。
【0112】
第1の実施形態において、ポリウレタンプレポリマーは、少なくとも1種のジイソシアネート又はトリイソシアネートから、及び末端アミノ、チオール又はヒドロキシル基を有するポリマーQPMから調製される。ポリウレタンプレポリマーは、特にポリマーQPMのアミノ、チオール又はヒドロキシル基に関して化学量論的過剰量でジイソシアネート又はトリイソシアネートを使用することにより、ポリウレタンの当業者に既知の様式で調製される。
【0113】
第2の実施形態において、ポリウレタンプレポリマーは、少なくとも1種のジイソシアネート又はトリイソシアネートから、及び任意選択的に置換されたポリフェノールQPPから調製される。ポリウレタンプレポリマーは、特にポリフェノールQPPのフェノール基に関して化学量論的過剰量でジイソシアネート又はトリイソシアネートを使用することにより、ポリウレタンの当業者に既知の様式で調製される。
【0114】
第3の実施形態において、ポリウレタンプレポリマーは、少なくとも1種のジイソシアネート又はトリイソシアネートから、及び末端アミノ、チオール又はヒドロキシル基を有するポリマーQPMから、及び任意選択的に置換されたポリフェノールQPPから調製される。少なくとも1種のジイソシアネート又はトリイソシアネートから、及び末端アミノ、チオール又はヒドロキシル基を有するポリマーQPMから、及び任意選択的に置換されたポリフェノールQPPからのポリウレタンプレポリマーの調製のために利用可能な異なる選択肢がある。
【0115】
第1の実施形態が特に好ましい。
【0116】
イソシアネート末端基を有するポリウレタンポリマーは、好ましくは、弾性特徴を有する。それは、好ましくは、0℃未満のガラス転移温度Tgを示す。
【0117】
次の割合が好ましい:
エポキシ樹脂組成物の全重量に基づいて、
10~60重量%、特に20~40重量%の強靭性向上剤D1;
10~30重量%、特に20~30重量%の強靭性向上剤D2;
10~30重量%、特に20~30重量%の強靭性向上剤D3。
【0118】
好ましい実施形態において、一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物は、少なくとも1種の充填剤Fを含む。ここで、マイカ、タルク、カオリン、ウォラストナイト、チョウ石、閃長岩、クロライト、ベントナイト、モンモリロナイト、(沈殿又は粉砕)炭酸カルシウム、ドロマイト、石英、(ヒュームド又は沈殿)シリカ、クリストバライト、酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、中空セラミックビーズ、中空ガラスビーズ、中空有機ビーズ、ガラスビーズ、着色剤顔料が好ましい。炭酸カルシウム、酸化カルシウム及びヒュームドシリカからなる群から選択される充填剤が特に好ましい。
【0119】
有利には、全充填剤Fの全割合は、エポキシ樹脂組成物の全重量に基づいて5~40重量%、好ましくは5~20重量%である。
【0120】
一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物は、少なくとも1種のエポキシ基含有反応性希釈剤Gをさらに追加的に含み得る。そのような反応性希釈剤は、当業者に既知である。エポキシ含有反応性希釈剤の好ましい例は、以下の通りである。
- 一官能価の飽和又は不飽和、分枝又は非分枝、環式又は開鎖C~C30アルコールのグリシジルエーテル、例えばブタノールグリシジルエーテル、ヘキサノールグリシジルエーテル、2-エチルヘキサノールグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、テトラヒドロフルフリル及びフルフリルグリシジルエーテル、トリメトキシシリルグリシジルエーテルなど;
- 二官能価の飽和又は不飽和、分枝又は非分枝、環式又は開鎖C~C30アルコールのグリシジルエーテル、例えばエチレングリコールグリシジルエーテル、ブタンジオールグリシジルエーテル、ヘキサンジオールグリシジルエーテル、オクタンジオールグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルなど;
- 三又は多官能価の飽和又は不飽和、分枝又は非分枝、環式又は開鎖アルコールのグリシジルエーテル、例えばエポキシドヒマシ油、エポキシドトリメチロールプロパン、エポキシドペンタエリスリトール又はソルビトール、グリセロール、トリメチロールプロパンなどの脂肪族ポリオールのポリグリシジルエーテルなど;
- フェノール化合物及びアニリン化合物のグリシジルエーテル、例えばフェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、p-tert-ブチルフェニルグリシジルエーテル、ノニルフェノールグリシジルエーテル、3-n-ペンタデセニルグリシジルエーテル(カシューナット油由来)、N,N-ジグリシジルアニリンなど;
- エポキシドアミン、例えばN,N-ジグリシジルシクロヘキシルアミンなど;
- エポキシドモノ又はジカルボン酸、例えばグリシジルネオデカノエート、グリシジルメタクリレート、グリシジルベンゾエート、グリシジルフタレート、テトラヒドロフタレート及びヘキサヒドロフタレート、二量体脂肪酸のジグリシジルエステルなど;
- エポキシド二又は三官能価の低分子量~高分子量のポリエーテルポリオール、例えばポリエチレングリコールグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルなど。
【0121】
ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、p-tert-ブチルフェニルグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル及びポリエチレングリコールジグリシジルエーテルが特に好ましい。
【0122】
有利には、エポキシ含有反応性希釈剤Gの全割合は、エポキシ樹脂組成物の全重量に基づいて0.1~15重量%、好ましくは0.1~5重量%、特に好ましくは0.1~2重量%、より好ましくは0.2~1重量%である。
【0123】
一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物は、さらなる成分、特に触媒、安定剤、特に熱及び/又は光安定剤、チキソトロピー剤、可塑剤、溶媒、鉱物又は有機充填剤、発泡剤、染料及び顔料、防食剤、界面活性剤、脱泡剤及び定着剤を含み得る。
【0124】
特に好ましい熱硬化一成分エポキシ樹脂組成物は、以下を含む。
- エポキシ樹脂組成物の全重量に基づいて10~60重量%、特に30~50重量%の、1分子あたり平均1つを超えるエポキシ基を有するエポキシ樹脂A;好ましくは、エポキシ樹脂Aの50~100重量%、特に80~100重量%は、液体エポキシ樹脂であり、且つエポキシ樹脂Aの0~30重量%、特に0~20重量%、より好ましくは5~15重量%は、固体エポキシ樹脂である;
- エポキシ樹脂組成物の全重量に基づいて1~10重量%、特に2~6重量%の、昇温によって活性化される、エポキシ樹脂のための少なくとも1種の硬化剤B;
- エポキシ樹脂組成物の全重量に基づいて1.5~20重量%、2~15重量%、2.5~10重量%、3~10重量%、特に4~8重量%の少なくとも1種のポリエステルポリオールPP;
- 末端ブロックポリウレタンポリマーD1、液体ゴムD2及びコア-シェルポリマーD3からなる群から選択される少なくとも1種の強靭性向上剤Dであって、割合が好ましくは以下の通りのもの:
エポキシ樹脂組成物の全重量に基づいて、
10~60重量%、特に20~40重量%の強靭性向上剤D1;
10~30重量%、特に20~30重量%の強靭性向上剤D2;
10~30重量%、特に20~30重量%の強靭性向上剤D3;
- エポキシ樹脂組成物の全重量に基づいて好ましくは5~40重量%、好ましくは5~20重量%の、炭酸カルシウム、酸化カルシウム及びヒュームドシリカからなる群から選択される充填剤F;
- エポキシ樹脂組成物の全重量に基づいて好ましくは0.1~15重量%、好ましくは0.1~5重量%、特に好ましくは0.1~2重量%、より好ましくは0.2~1重量%のエポキシ含有反応性希釈剤G。
【0125】
好ましい一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物が、エポキシ樹脂組成物の全重量に基づいて80重量%より多く、好ましくは90重量%より多く、特に95重量%より多く、特に好ましくは98重量%より多く、最も好ましくは99重量%より多くの範囲までの上記成分からなる場合にさらに有利となり得る。
【0126】
一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物が、20,000Pasより高い、特に40,000Pasより高い、好ましくは60,000Pasより高い、より好ましくは80,000Pasより高い、特に好ましくは100,000Pasより高い複素粘度ηの大きさに対する閾値を有する場合にさらに有利となり得る。
【0127】
好ましくは、一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物は、150℃における測定開始時(段階1の終了、段階2の開始)、すなわち150℃からの-23℃/分の冷却速度における冷却プロセスの開始時の複素粘度ηの大きさに基づいて20,000Pasより高い、特に40,000Pasより高い、好ましくは60,000Pasより高い、より好ましくは80,000Pasより高い、特に好ましくは100,000Pasより高い複素粘度ηの大きさに対する閾値までの、20秒以内、好ましくは10秒以内での50%より高い、特に70%より高い、特に80%より高い粘度の増加を達成する。
【0128】
25℃までの一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物の冷却の達成前にこれが達成される場合にさらに好ましい。これは、より好ましくは、-23℃/分の冷却速度で150℃からの一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物の冷却開始から80~280秒後に達成される。
【0129】
好ましくは、一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物は、好ましくは、25℃までの一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物の冷却の達成前に、好ましくは-23℃/分の冷却速度で150℃からの一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物の冷却開始から80~280秒後に100,000Pasより高く、特に200,000Pasより高く、好ましくは300,000Pasより高く、より好ましくは500,000Pasより高い複素粘度ηの大きさに関する最大値に達する。
【0130】
上記複素粘度ηの大きさは、150~25℃の温度範囲で(冷却速度-23℃/分)加熱可能なプレートを用いてレオメーター(MCR 302,Anton Paar)(200μm間隙、測定プレート直径:25mm(プレート/プレート)、5Hzにおける変形0.01)により、実施例において以下に説明されるオシログラフィーによって決定される。上記3段階からなる方法は、「粘度特徴の測定」において実施例に記載される方法に対応する。
【0131】
好ましくは、硬化状態の一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物は、以下にリストされる機械的特性の少なくとも1つ、好ましくは2つ以上、より好ましくは全てを有する。衝撃剥離強度(I-peel)及び引張せん断強度(TSS)は、以下に実施例に記載の通り測定される。引張強度及び弾性率は、DIN EN ISO527によって決定される。
【0132】
【表1】
【0133】
好ましくは、一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物は、加熱可能なプレートを用いてレオメーター(Anton Paar MCR 302)(1000μm間隙、測定プレート直径:25mm(プレート/プレート)、5Hzにおける変形0.01)によってオシログラフィーにより粘度を決定して、>5,000Pas、>10,000Pas、特に>15,000Pasの23℃における粘度を有する。
【0134】
工程c)での導入における一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物が40~100℃、特に50~100℃、特に好ましくは50~80℃の温度である場合にさらに好ましい。
【0135】
さらに、工程c)での導入における一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物は、ポリエステルポリオールPPの融点よりも20℃以下、15℃以下、好ましくは10℃以下だけ低い温度である。これは、例えば、表6から明らかである。融点は、好ましくは、DSC器具によって決定される(DIN 53765)。試料及び空の参考るつぼを20℃/分の加熱速度で加熱する。融点は、融解ピークの最大に対応する。
【0136】
工程c)での導入における一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物が、加熱可能なプレートを用いてレオメーター(Anton Paar MCR 302)(1000μm間隙、測定プレート直径:25mm(プレート/プレート)、5Hzにおける変形0.01)によってオシログラフィーにより粘度を決定して、<3,000Pas、<2,000Pas、特に<1,000Pasの粘度を有する場合も有利である。
【0137】
この方法が、特に少なくとも100℃、少なくとも120℃、少なくとも130℃の温度において、特に140~220℃、特に140~200℃の温度まで、より好ましくは160~190℃で少なくとも10分間、少なくとも20分間、特に20~60分間にわたり、一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物を硬化する工程d)をさらに含む場合も好ましい。
【0138】
一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物は、好ましくは、ポンプにより、タンクから一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物を運搬することにより、工程c)においてキャビティ(1)中に導入される。
【0139】
本発明のさらなる態様は、互いに対する2つの成形体S1及びS2の結合、特に接着結合のための、互いに対して配置された2つの成形体S1及びS2間のキャビティ(1)中への導入、特に注入のための、一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物としての上記一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物の使用に関する。好ましくは、一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物は、本明細書おいてに好ましいものとして識別されたものである。
【0140】
本発明のさらに別の態様は、側面開口部を有するキャビティ中への一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物の導入、特に注入において、キャビティ中で側面開口部を通した漏出特徴を減少させるための、一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物中における、ポリエステルポリオールPPとしての上記ポリエステルポリオールPPの使用に関する。記載されたキャビティは、特に上記開放キャビティ(1)である。好ましくは、ポリエステルポリオールPP及び一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物は、本明細書において好ましいものとして識別されたものである。
【0141】
本発明は、以下に実施例によってさらに説明されるが、これらは、決して本発明を限定するように意図されていない。
【0142】
図の符号
1 キャビティ
2 導入開口部
3a 導入チャネル
3b 導入チャネル
4 材料凹部
5 ベース要素
6 透明外部要素
7 チャネル
8 スペーサー
9 導入開口部
10 固定用ねじ
11 導入されたエポキシ樹脂組成物
12 境界マーカー
13 拡散マーカー
【実施例
【0143】
開放キャビティ中への注入において、主にエポキシ樹脂組成物のために意図されたキャビティ中で拡散し、且つ側面開口部中への十分低い拡散を有するため、これが封着要素によって防がれる必要がないエポキシ樹脂組成物が探索されている。この目的に関して、熱硬化一成分エポキシ樹脂組成物のそのような拡散特徴を試験するための試験方法が開発された。
【0144】
拡散特性に関する試験方法:
この試験方法では、図2aに示されるベース要素5及び透明外部要素6からなる2つの成形体の複合材を使用する。長方形のベース要素5は、ポリアミドからなり、且つ400mmの長さ、80mmの幅及び30mmの高さを有する。ベース要素5は、中央部を下方向に延在し、且つ長方形の断面及び3mmの深さ及び20mmの幅を有する凹部チャネル7を有する。これは、例えば、図2bにおいて明らかである。
【0145】
ベース要素5において、チャネル7に平行する境界マーカー12は、広い側面から12mm(又はチャネルから測定すると18mm)の距離に適用される。拡散マーカー13は、境界マーカー12に対して直角をなしてそれぞれ10mmの位置で適用される。第1の境界マーカーは、ベース要素5の中央部で開始し、且つ境界マーカーの残りは、ベース要素の外縁まで境界マーカーに沿って配置される。
【0146】
スペーサー8は、ベース要素子5と外部要素6との間に配置され、且つこれらによってベース要素と外部要素との間に(均一幅での)間隙が保証される。これは、例えば、図2cにおいて明らかである。間隙の高さは、スペーサー8としてワッシャーを使用して調整可能であり、且つ1mmである。ベース要素及び外部要素は、8つの固定用ねじ10を使用して一緒に保持される。
【0147】
透明外部要素6は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)からなり、且つ400mmの長さ及び80mmの幅及び10mmの厚さを有する。10mmの直径を有する導入開口部9をカバー要素6の中央に沈ませる(それぞれの長側面から35mm及びそれぞれの広側面から195mmの間隙)。組み立て状態で、導入開口部9は、正確にベース要素5のチャネル7の中央の上に停止する。
【0148】
エポキシ樹脂組成物は、外部から、以下に示される注入速度又は注入圧力及び注入温度で導入開口部9を通してチャネル7中に導入される。
【0149】
図3a及び図3bは、8つの固定用ねじ10によって組み立てられたベース要素5及び透明外部要素6の複合材の上面図を示す。それらは、チャネル7に沿って拡散した導入されたエポキシ樹脂組成物11を示す。図3aは、導入されたエポキシ樹脂組成物11が境界マーカー12まで横方向に拡散する状態を示す。エポキシ樹脂組成物が境界マーカー12に到達したら、注入を停止し、且つ拡散マーカー13を使用して、拡散マーカーの番号でチャネル方向での拡散を決定する。ベース要素の中央の拡散マーカーは、開始点として機能し、数えられない。+1に到達した拡散マーカーは、「スクィーズアウト比」の値として機能する。
【0150】
図3aの例において、10番目の境界マーカーに達しており、それは、100mmの範囲又は11(マーカー10+1)のスクィーズアウト比に対応する。
【0151】
図3bは、すでに導入されたエポキシ樹脂組成物11が主にチャネル7に沿って拡散している状態を示す。注入中、エポキシ樹脂組成物は、チャネルの末端から出る前に境界マーカー12に到達しなかった。これは、200mmより大きい拡散又は>20のスクィーズアウト比に対応する。
【0152】
以下に記載されるように、驚くべきことに、試験方法において本発明のエポキシ樹脂組成物のいくつかは、図3bに従う挙動を示すことが見出された。本発明の加熱されたエポキシ樹脂組成物は、主にチャネル7の方向に拡散し、且つベース要素5及び外部要素6間の1mmの厚さを有する間隙中に少なくとも部分的に流れる。間隙がチャネル7のベースと透明外部要素6との間の距離より小さいことにより、エポキシ樹脂組成物は、チャネル7の領域にあるよりも間隙において迅速に冷却され、且つ間隙のこの領域中の冷却の結果として固結する。これにより、間隙の領域におけるエポキシ樹脂組成物の自己封着作用が導かれる。
【0153】
粘度及び/又はチキソトロピー回復時間の調整により、エポキシ樹脂組成物の拡散特性に影響を与える試みが最初になされた。
【0154】
表1(tab.1)によるエポキシ樹脂組成物を製造した。
【0155】
【表2】
【0156】
強靭性向上剤(「D-1」)の調製
150gのpoly-THF2000(OH価57mg/g KOH)及び150gのPolyBD R45V(OH価46mg/g KOH)を30分間、105℃において減圧下で乾燥させた。温度が90℃まで減少したら、61.5gのIPDI及び0.14gのジブチルスズジラウレートを添加した。2.0時間後、NCO含有量が3.10%で一定になるまで、反応を90℃において減圧下で実行した(算出されたNCO含有量:3.15%)。その後、96.1gのカルダノールを遮断剤として添加した。いずれの遊離NCOも検出不可能となるまで、105℃の減圧下において撹拌を続けた。この生成物を強靭性向上剤D-1として使用した。この目的のために以下の原材料を使用した。
【0157】
【表3】
【0158】
表1によるエポキシ樹脂組成物は、0~5000の粘度η及び5~15秒の開始構造の50%までのチキソトロピー回復時間を有する。複素粘度ηは、20℃の温度における回転測定(間隙:1mm、プレート/プレート、プレート直径:25mm、せん断速度:0.1秒-1)により、レオメーター(Physica MCR 302,Anton Paar)を使用して決定された。
【0159】
この組成物に基づいて、異なる粘度η及び/又は異なるチキソトロピー回復時間を有するエポキシ樹脂組成物が製造された。反応性希釈剤及びチキソトロピー剤(ヒュームドシリカ)の重量%での割合を変更することにより、且ついくつかの場合、ヒュームドシリカを有機親和性シートシリケートと交換することにより、異なる粘度η及び/又は異なるチキソトロピー回復時間を有するエポキシ樹脂組成物を得ることが可能であった。
【0160】
【表4】
【0161】
上記エポキシ樹脂組成物の拡散特性、すなわちスクィーズアウト比は、60℃の注入温度及び2バールの注入圧力で決定された。
【0162】
驚くべきことに、粘度η及びチキソトロピー回復時間のいずれもスクィーズアウト比に有意な影響を与えないことが見出された。さらに、10~11の値を有する全てのエポキシ樹脂組成物の拡散特性は、満足のいくものではない。
【0163】
エポキシ樹脂組成物中で使用される原材料の割合が拡散特性に影響を及ぼすかどうかも調査した。この目的のために、表1からのエポキシ樹脂組成物中の液体樹脂及び強靭性向上剤D-1の量を変化させた。
【0164】
【表5】
【0165】
組成物の拡散特性、すなわちスクィーズアウト比は、60℃の注入温度及び1バール又は2バールの注入圧力で決定された。
【0166】
驚くべきことに、エポキシ樹脂組成物中で使用される原材料の割合は、スクィーズアウト比にいかなる有意な影響も及ぼさないことが見出された。さらに、10~12の値を有する全てのエポキシ樹脂組成物の拡散特性は、満足のいくものではない。
【0167】
注入温度若しくは注入圧力又は注入速度が拡散特性に影響を及ぼすかどうかも調査した。この目的のために、(表1からのエポキシ樹脂組成物に基づいて)異なる粘度ηを有するエポキシ樹脂組成物を使用した。粘度は、レオメーター(MCR 302,Anton Paar)(間隙:1000μm、測定プレート直径:25mm(プレート/プレート)、せん断速度:0.1秒-1、温度20℃)を使用して回転によって決定された。
【0168】
【表6】
【0169】
驚くべきことに、注入温度及び注入圧力又は注入速度のいずれもスクィーズアウト比に有意な影響を及ぼさないことが見出された。さらに、8~11の値を有する全てのエポキシ樹脂組成物の拡散特性は、満足のいくものではない。
【0170】
エポキシ樹脂組成物中の追加的な原材料の使用が拡散特性に影響を及ぼすかどうかも調査した。この種類の様々な原材料を試験した。これらを表5で詳述する。
【0171】
【表7】
【0172】
混和性の測定:
混合特徴を決定するために、これらの原材料と液体エポキシ樹脂との混合物を製造した。これは、透明混合物が形成するまで、表5に示された比率に従い、融点より約40℃高い温度で原材料を液体エポキシ樹脂(液体エポキシ樹脂、D.E.R.331(ビスフェノールAジグリシジルエーテル),Dow)と約30分間混合することによって実行された。例えば、Dynacoll 7380との混合の場合、「1:2」は、33.3重量%のポリエステルポリオール及び66.6重量%の液体エポキシ樹脂を意味する。
【0173】
次いで、この混合物を25℃まで冷却した。ポリエステルLicolub WE 40P、Licolub WE 4P及びLicowax EPとの混合物に関して、冷却後に均質な混合物が形成されないことが見出された。本発明のエポキシ樹脂組成物を熱硬化するための添加として、これらは、不適切である。
【0174】
残りの原材料に関して、冷却後に混合物は、均質であった。次いで、150℃から25℃までの冷却時にこれらの組成物の粘度特徴を決定した。
【0175】
粘度特徴の測定:
この方法は、3段階からなる。第1段階中、混合物は、150℃の温度であり、添加された原材料が液体状態にあることを意味する。第2段階において、一定の冷却速度で温度を25℃まで冷却する。第3段階において、混合物を25℃温度にする。この方法により、混合物の固結特徴、転位の「鋭さ」及び混合物の固結が生じる時間を決定することが可能である。
【0176】
測定された25~150℃(冷却速度:-23℃/分、加熱速度:+53℃/分)の温度範囲内でオシログラフィー測定(間隙:200μm、プレート/プレート、プレート直径:25mm、周波数:5Hz、標的変形:0.01)によってレオメーター(Physica MCR 302,Anton Paar)を使用した。
【0177】
第1段階:混合物を150℃の温度にし、且つその温度で265秒間保持する。
【0178】
第2段階:-23℃/分の冷却速度で混合物を25℃の温度にする。換言すれば、-23℃/分の均一及び一定冷却速度において325秒以内で150℃から25℃まで均一且つ一定に混合物を冷却した。
【0179】
第3段階:混合物を25℃の温度で保持する。
【0180】
複素粘度ηの大きさは、オシログラフィー測定に基づいて決定された。図4a~4dに複素粘度ηの大きさを示す。混合物A(○)、B(□)、C(△)、D(●)、E(黒塗り四角)及びF(▼)に関する時間の関数[t秒]としての複素粘度ηの大きさの展開を図4a~4dに示す。図4c及び4dは、対数プロットでの複素粘度ηの大きさを示す。
【0181】
上記レオメーター及び上記オシログラフィー測定を使用した。混合物を150℃の温度にして測定を開始した。測定の記録開始は、測定開始の130秒後から図4a~4dに示される。測定開始の265秒後、混合物を-23℃/分の冷却速度で150℃の温度から25℃の温度まで冷却した。測定開始から590秒後に25℃の温度に達した。測定開始から1500秒後まで混合物を25℃に保持した。
【0182】
混合物C(△)、D(●)、E(黒塗り四角)及びF(▼)に関して、粘度の高く且つ急速な上昇が明らかである。それらは、粘度の80%より高い上昇を達成し、150℃での測定開始時の複素粘度ηの大きさから20秒以内での複素粘度ηの大きさの最大値まで進行する。
【0183】
さらに、それらは、特に25℃の温度に達する前に、-23℃/分の冷却速度における150℃からの混合物の冷却開始から80~280秒後に複素粘度ηの大きさの最大値を達成する。
【0184】
混合物E(黒塗り四角)は、粘度の遅い増加を示し、且つ混合物A(○)及びB(□)は、粘度の遅く且つわずかな増加を示す。
【0185】
混合物Cに基づいて、液体エポキシ樹脂とのDynacoll 7380の混合物の全重量に基づくDynacoll 7380の異なる重量の割合を有する混合物を製造した(33重量%、7重量%、3重量%、2重量%)。
【0186】
2重量%のDynacoll 7380を有する混合物は、39,000の複素粘度ηの大きさの最大値に達した。さらに、この混合物は、50秒以内に、150℃における測定開始時の複素粘度ηの大きさから進行して、39,000までの粘度における80%より高い上昇を達成した。
【0187】
他の混合物は、100,000より高い複素粘度ηの大きさの最大値に達した。さらに、33重量%及び7重量%を有する混合物は、10秒以内に、150℃における測定開始時の複素粘度ηの大きさから進行して、100,000までの粘度における80%より高い上昇を達成した。
【0188】
原材料C、D及びFを使用して、異なる粘度、異なる量の強靭性向上剤D-1を有し、且つ任意選択的に固体エポキシ樹脂を追加的に含む表1からのエポキシ樹脂組成物に基づく熱硬化一成分エポキシ樹脂接着剤の拡散特徴を作成した。組成物Z-1は、15重量部の固体エポキシ樹脂及び35重量部ではなく、20重量部の強靭性向上剤D-1をさらに含有し、且つ2500Pasの粘度を有する。組成物Z-2は、35重量部ではなく、20重量部の強靭性向上剤D-1を含有し、且つ1000Pasの粘度を有する。組成物Z-3は、10重量部の固体エポキシ樹脂及び35重量部ではなく、15重量部の強靭性向上剤D-1をさらに含有し、且つ3500Pasの粘度を有する。
【0189】
組成物Z-1、Z-2及びZ-3に、対応する組成物の全重量に基づいて5有量%のDynacoll 7380、Dynacoll 7330又はFineplus HM 3123を添加した。
【0190】
表6は、70℃の融点を有する原材料C(Dynacoll 7380)を含む組成物Z-1、Z-2及びZ-3が60℃の注入温度において非常に良好な拡散特徴を示すことを示す。しかしながら、原材料D(Dynacoll 7330)及びF(Fineplus HM 3123)は、それぞれの場合、それらの85℃のより高い融点により、60℃及び注入温度において不適切な拡散特徴を示す。
【0191】
【表8】
【0192】
60℃ではなく80℃の注入温度を用いて同一の実験を実行した場合、全てのエポキシ樹脂添加剤が良好な拡散特徴を示した。したがって、注入時、原材料を含む一成分熱硬化エポキシ樹脂組成物が原材料の融点よりも20℃以下、15℃以下、好ましくは10℃以下だけ低い温度を有する場合に有利である。
【0193】
表7に従い、様々な割合の重量でDynacoll 7380をエポキシ樹脂組成物に添加し、且つ伝播特性を決定した。さらに、引張せん断強度(TSS)及び衝撃剥離強度(I-peel)を決定した。
【0194】
【表9】
【0195】
表7は、20重量%より多くの量のDynacoll 7380を含有するエポキシ樹脂組成物が構造用接着剤としてもはや適切でないことを示す。驚くべきことに、2.5重量%のDynacoll 7380を含有するエポキシ樹脂組成物は、特に-30℃において特に高いI-peel値を有することが見出された。
【0196】
試験方法:
引張せん断強度(TSS)(DIN EN 1465)
Anticorit PL 3802-39Sで再び油処理されたElo H420鋼(厚さ1.2mm)のクリーニングされた試験片を、0.3mmの層厚でスペーサーとしてガラスビーズを用いて25×10mmの結合領域上で接着剤によって結合させ、且つ35分間、オーブン温度175℃で硬化した。引張せん断強度は、DIN EN 1465による三重決定で10mm/分の引張速度において引張試験機で決定された。
【0197】
衝撃剥離強度(I-peel)(ISO 11343)
接着剤及び90×20×0.8mmの寸法を有するDC04+ZE鋼を用いて試験片を製造した。ここで、接着領域は、スペーサーとしてガラスビーズを用いて0.3mmの層厚で20×30mmであった。35分間、オーブン温度175℃で試料を硬化した。衝撃剥離強度は、それぞれの場合、明示された温度(23℃、-30℃)において、三重決定としてZwick 450衝撃振子上で測定した。報告された衝撃剥離強度は、ISO 11343への25%から90%までの測定曲線下でのN/mmでの平均力である。
図1a
図1b
図1c
図1d
図2a
図2b
図2c
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図4d