(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-15
(45)【発行日】2022-08-23
(54)【発明の名称】基板上のパターンを測定するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/64 20060101AFI20220816BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20220816BHJP
G01B 11/02 20060101ALI20220816BHJP
【FI】
G01N21/64 Z
G03F7/20 521
G01B11/02 Z
(21)【出願番号】P 2020083448
(22)【出願日】2020-05-11
【審査請求日】2020-05-11
(32)【優先日】2019-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520163108
【氏名又は名称】チョン サング
【氏名又は名称原語表記】CHON Sangu
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【氏名又は名称】喜多 修市
(72)【発明者】
【氏名】チョン サング
【審査官】吉田 将志
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-538238(JP,A)
【文献】特表2018-509752(JP,A)
【文献】特開平07-202430(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0065626(US,A1)
【文献】特開昭61-141449(JP,A)
【文献】米国特許第04744663(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0144006(US,A1)
【文献】特開昭60-001502(JP,A)
【文献】特開平04-343003(JP,A)
【文献】米国特許第06091488(US,A)
【文献】特表昭62-502217(JP,A)
【文献】特開平05-036795(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/62 - G01N 21/74
G01B 11/00 - G01B 11/30
G03F 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の線を含む有機パターンを表面に有する基板を用意し、
前記有機パターンを励起光でフラッド露光し、前記有機パターンから蛍光を放出させ、
前記有機パターンから放出された前記蛍光の強度を感知し、
感知された前記蛍光の強度に基づいて、前記有機パターンの体積を決定することを含む、基板測定方法。
【請求項2】
前記有機パターンの前記複数の線は、1ミクロン未満の幅を有する線を含む、請求項1に記載の基板測定方法。
【請求項3】
前記有機パターンに前記励起光でフラッド露光することは、UVビームで前記有機パターンを照明することを含む、請求項1に記載の基板測定方法。
【請求項4】
前記有機パターンの体積は、前記基板の前記表面の所定の空間的位置に対して決定される、請求項1に記載の基板測定方法。
【請求項5】
前記有機パターンの体積は、前記基板の前記表面を横切る複数の空間的位置に対して決定される、請求項1に記載の基板測定方法。
【請求項6】
前記励起光でフラッド露光することは、前記基板の前記表面の全体にフラッド露光を行うことを含む、請求項1に記載の基板測定方法。
【請求項7】
前記励起光でフラッド露光することは、前記基板の前記表面を前記励起光で複数回フラッド露光することを含む、請求項1に記載の基板測定方法。
【請求項8】
前記有機パターンの体積を決定することは、前記基板の前記表面の所定の空間的位置で前記有機パターンの体積を計算することを含む、請求項1に記載の基板測定方法。
【請求項9】
前記有機パターンの体積を決定することは、前記基板の前記表面の所定の空間的位置で前記有機パターンの臨界寸法を計算することを含む、請求項1に記載の基板測定方法。
【請求項10】
前記有機パターンの体積を決定することは、前記基板の前記表面の複数の空間的位置で前記有機パターンの臨界寸法を計算することを含む、請求項1に記載の基板測定方法。
【請求項11】
前記有機パターンのデザイン体積と前記有機パターンの計算された体積とを比較することをさらに含む、請求項1に記載の基板測定方法。
【請求項12】
前記励起光は、第1強度でフラッド露光される、請求項1に記載の基板測定方法。
【請求項13】
前記基板の前記表面を横切る複数の位置から放出された蛍光の強度を測定することをさらに含む、請求項1に記載の基板測定方法。
【請求項14】
前記有機パターンの体積を決定することは、前記有機パターンの体積に基づいて、前記複数の線の線幅を計算することを含む、請求項1に記載の基板測定方法。
【請求項15】
前記有機パターンの体積を決定することは、前記基板の前記表面を横切る空間的位置で前記複数の線の線幅を計算することを含む、請求項1に記載の基板測定方法。
【請求項16】
基板の表面に形成された複数の線を含む有機パターンに、第1波長を有する第1光量の光でフラッド露光し、前記有機パターンから蛍光を放出させ、
前記有機パターンから放出された前記蛍光の強度を測定し、
前記有機パターンから放出された前記蛍光の測定された強度に基づいて、前記有機パターンの体積を計算することを含む、基板測定方法。
【請求項17】
複数の線を含む無機物質のレリーフパターンを表面に有する基板を用意し、
前記レリーフパターンによって定義され、前記複数の線の間を含む空間内に有機物質を充填して犠牲有機物質を形成し、
前記犠牲有機物質を励起光でフラッド露光し、
前記犠牲有機物質から放出された蛍光の強度を感知し、
前記感知された蛍光の強度に基づいて、前記犠牲有機物質の体積を計算し、
前記犠牲有機物質の体積を決定することを含む、基板測定方法。
【請求項18】
前記犠牲有機物質の体積を決定することは、前記犠牲有機物質の体積に基づいて、前記レリーフパターンの前記複数の線の線幅を計算することを含む、請求項17に記載の基板測定方法。
【請求項19】
基板の表面上の有機物質を励起光でフラッド露光するように構成された光源と、
前記励起光で前記有機物質をフラッド露光することよって前記有機物質から放出された光の強度を感知する感知センサーと、
前記放出された光の感知された光の強度、前記有機物質の特性、及び励起光の特性に基づいて、前記有機物質の体
積を計算するプロセッサと、を含む、基板測定システム。
【請求項20】
前記感知センサーは、複数の感知器を含む、請求項19に記載の基板測定システム。
【請求項21】
前記感知センサーに向かう光から前記励起光をフィルタリングするように位置するUVフィルターをさらに含む、請求項19に記載の基板測定システム。
【請求項22】
前記有機物質に至る前に、前記励起光をスプリットするビームスプリッターをさらに含む、請求項19に記載の基板測定システム。
【請求項23】
前記システムは、半導体製造装備内に位置する、請求項19に記載の基板測定システム。
【請求項24】
前記システムは、複数の光源及び複数の感知センサーを含む、請求項19に記載の基板測定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上の構造又はパターンの体積や臨界寸法を測定して制御することに関する。特に、本発明は、半導体ウエハを含む基板上の構造とパターンを計測するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピューティングパワー及び情報共有の発展は、高速化した半導体素子の速度及び通信リンクの帯域幅が広がった結果である。プロセッサ及びメモリなどの半導体素子の速度を高めることは、より厳格なデザインルールを要求する。従って、幅が1ミクロン未満及びより小さいパターンが形成されている。同様に、分散フィードバックレーザーなどの光ファイバリンク用送信機は、サブミクロンの体積又は臨界寸法を有する周期的な構造又はパターンの生成を要求する。
【0003】
サブミクロンの体積又は臨界寸法を生成するための加工方法は、典型的にフォトリソグラフィー工程を使用する。フォトリソグラフィー工程は、超高解像度イメージングシステムを用いて素子のイメージを転写する有機感光性物質(通常、フォトレジスト)に潜在パターンを生成する微細製造技術である。このような潜在パターンは、下部の物質内に構造及びパターンを生成するために、構造又はエッチングマスクとして機能するレリーフ(relief)パターンで表される。後の微細加工工程は、プラズマエッチングを用いてフォトレジストのレリーフパターンを永久的又は臨時的構造に伝達して半導体素子パターン又はその一部を形成する。このようなレリーフパターンの寸法は、素子の性能に直接的な影響を与える。従って、このような寸法を正確に制御して、半導体素子が適切に機能するようにできる。寸法制御が不十分であれば、素子の故障が発生する。
【0004】
従来の寸法計測方法は、ウエハ上に所定のパターン幅を測定するために、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用い、10万~50万倍率のような非常に高い倍率の電子顕微鏡イメージを用いて行なわれる。個別の素子測定のために、測定用SEM又はCD(Critical Dimension)-SEMが用いられ得る。実際に、測定用ターゲットパターンイメージは、ローカル領域内で獲得される。測定ポイントの間に、このプロファイル寸法で感知された左右パターンの平均を追加することで得られたイメージプロファイルを生成するために、信号波形パターンを長手方向に生成した後、パターンサイズを距離として計算する。SEMを用いることは、素子の寸法を測定し、且つあらゆる種類の形状やサイズを測定するのに有用な技術である。
【0005】
しかし、電子顕微鏡イメージングは、非常に遅い工程である。SEMイメージングと共に真空工程が要求されるという他の問題もある。従って、総測定速度は、フォトリソグラフィー工程の生産速度と比較して非常に遅い。このような問題により、SEMイメージングは、特に大量生産のために測定される素子の量で非常に限定的である。
【0006】
サンプリング及び測定の限定により、最終的な素子が電気的にテストされるまで隠れて感知できない多くの問題が発生する。素子の寸法制御に失敗すると、性能が悪い素子又は作動しない素子が生産される。従って、ウエハのより広い領域を測定し、より多くの総ウエハを測定するための要求が増えている。
【0007】
他の計測方法は、散乱測定法(scatterometry)と呼ばれる光の回折特性を用いるものである。散乱測定法は、線幅を測定するのに使用されていたが、この工程は異なる回折次数を測定するために入射光に対して異なる角度で配列された複数の感知器を要求する。
【0008】
例えば、クラーク(Clark)等の米国特許第5,114,233号は、干渉光のビームが加工物に照射され、散乱光の強度が複数の回折次数にわたり測定されるエッチングされた加工物を検査する方法を説明している。その後、各強度測定に対して空間周波数が計算される。散乱光は、軸が加工物の目標領域に整列している回転アーム上に正確に装着されたフォトダイオードによって感知される。角度の範囲は、数百回の測定が行なわれて記録され、約90°~180°程である。強度対空間周波数の包絡線は、主成分を決定することによってマトリックスを形成するために近似される。相関関係は、アンダーカットプロファイル又はテーパー状プロファイルのような加工物のエッチング特性からなる。これは非破壊試験であるが、スキャンすべき回折角度の範囲のために、真空チャンバ内でインサイチュ(in-situ)工程で行うのは困難であろう。
【0009】
散乱測定法は、周期的な構造である小さい構造を測定するのに有用な方法である。しかし、非周期的な構造を測定することは不可能である。また、長周期的な構造を測定することも難しい。実際の素子作製において、素子パターンはモニタリングが必要である。しかし、多くの素子パターンは周期的でない。さらに、下部構造の変動は、散乱測定法でモデル化するためにあまりにも多くの変数を追加する。従って、特別に設計された対象のみが使用できる。
【0010】
他の一般的な計測技術は、楕円測定法(ellipsometry)であり、多様なフィルムの厚さを測定するために使用されてきた(R.M.A.Azzam and N.M.Bashara,「Eellipsometry and Polarized Light」,North Holland,1987)。万が一、通常の白色光が偏光器を介して送られると、その光は電場ベクトルが偏光器の軸と整列する偏光された光で表される。偏光された光は、入射平面に平行且つ垂直な2つのベクトルによって定義され得る。万が一、平行ベクトルが垂直ベクトルと位相が異なる場合、その結果は楕円形に偏光された光である。万が一、2つのベクトルが同じ位相であれば、その結果は円形に偏光された光である。楕円測定法は、偏光された光のビームが媒体から反射されるときに発生する偏光変換に基づく。変換は、位相変化及び振幅変化の2つの部分で構成される。このような変化は、入射平面に垂直に振動する(oscillating)電気ベクトル(s成分)と比較して、入射平面に振動する電気ベクトル(p成分)と入射放射線(incident radiation)に対して異なる。楕円測定法は、入射ビームから反射ビームの位相変化である角度Δ、及び入射ビームと反射ビームの振幅比率のアークタンジェントと定義される角度Ψによって便宜的に表された、これらの2つの変化の結果を測定する。反射ビームが入射ビームに対して定位置に固定されるので、楕円測定法はチャンバ内で行なわれる工程のインサイチュ制御のための魅力的な技術である。入射角度及び反射角度は等しいが、符号は互いに反対であり、ビームをチャンバ内に当てる際の便宜のために選択できる。例えば、Yu等の米国特許第5,131,752号は、加工物上に蒸着されたフィルムの厚さをモニタリングするために楕円測定法を用いることを開示している。この方法は、平面表面に限定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、周期的パターンの寸法、特に1ミクロン未満~数ミクロンの範囲の寸法を有するナノメートルスケール構造であって、より小さい寸法を有するパターンの寸法を正確に測定する方法の測定技術及び工程の制御に対する要求を満たすことである。
【0012】
本発明が解決しようとする課題は、チャンバ内でパターンがエッチングされるとき、非破壊的であり、インサイチュ工程の制御に好適な計測技術を提供することである。
【0013】
本発明が解決しようとする課題は、インサイチュ工程の制御により歩留りを改善し、ウエハ及びロット(lot)全体の均一性に寄与することにより、素子の信頼性を向上させることができるインサイチュ計測技術を提供することである。
【0014】
本発明が解決しようとする課題は、大量生産のフローと両立できる迅速な測定が可能な、非破壊的なインサイチュ計測技術を提供することである。
【0015】
本発明が解決しようとする課題は、有機物質に当てられる励起光の固定された又は予め測定された量から蛍光の総量を測定することにより、有機物質パターンの体積及び臨界寸法を測定するシステム及び方法を提供することである。
【0016】
本発明が解決しようとする課題は、大量生産に使用するのに十分且つ早く測定でき、ウエハ全体の表面を測定できるシステム及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の一実施形態による基板測定方法は、有機パターンを有する基板を用意し、前記基板上の前記有機パターンに励起光を当てて前記有機パターンから蛍光を放出させ、前記有機パターンから放出された前記蛍光の強度を感知し、感知された前記蛍光の強度に基づいて、前記基板上の前記有機パターンの体積を決定することを含む。
【0018】
本発明の一実施形態による基板測定方法は、有機パターンを有する基板上に、第1波長を有する第1光量の光を当てて、前記有機パターンから蛍光を放出させ、前記有機パターンから放出された前記蛍光の強度を測定し、前記有機パターンから放出された前記蛍光の測定された強度に基づいて、前記基板上の前記有機パターンの体積を計算することを含む。
【0019】
本発明の一実施形態による基板測定方法は、無機物質のレリーフパターンを有する基板を用意し、前記レリーフパターンによって定義された空間内に有機物質を充填して有機パターンを形成し、前記基板上の前記有機パターンに励起光を当てて、前記有機パターンから放出された蛍光の強度を感知し、前記感知された蛍光の強度に基づいて、前記基板上の前記無機物質の前記レリーフパターンの体積を決定することを含む。
【0020】
本発明の一実施形態による基板測定システムは、基板の加工表面上の有機パターンに励起光を当てる光源と、前記励起光を前記有機パターンに当てて前記有機パターンから放出された光の強度を感知する感知センサーと、前記放出された光の感知された光の強度、有機物質の特性、及び励起光の特性に基づいて、前記有機パターンの体積又は臨界寸法を計算するプロセッサと、を含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明の多様な実施形態による基板上のパターン測定方法及びパターン測定システムは、大量生産に使用するのに十分且つ早く、ウエハ全体の表面上のパターンの体積及び臨界寸法を測定できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の図は、実際の比率でない。
【
図1】本発明の例示的なシステムにおいて、蛍光の強度を測定する方法を説明する概略図である。
【
図2】非有機材料パターンを測定する本発明の例示的なシステムにおいて、蛍光の強度を測定する方法を説明する概略図である。
【
図3】本発明の例示的なシステムにおいて、蛍光の強度を測定する方法を説明する概略図である。
【
図4】本発明の例示的な高解像度システムにおいて、蛍光の強度を測定する方法を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年5月15日付で米国特許庁に出願された米国仮出願第62/848,211号の優先権及び利益を主張し、その全体が本明細書に参照として含まれる。
【0024】
有機物質が短波長の光で照明されると、有機物質は長波長の光を放出し、これを蛍光という。蛍光の所定の強度は、励起光の強度、材料の組成、及び有機物質の量に依存する。材料の組成と励起光の強度が固定されると、放出される蛍光の量又は強度は有機材料が十分に透明な場合、有機材料の体積に比例する。半導体パターニングに使用される有機物質の大半は可視波長で透明である。このような材料の選択により、蛍光の強度は基板(ウエハ)上の有機材料の体積に比例する。
【0025】
素子又は特定のパターンの設計特性が分かると、特定の領域で有機物質の所望の体積が計算され得る。また、周知のサイズの物質の蛍光強度が測定され得る。周知のサイズの較正物質は、ブランケットフィルム又は電子顕微鏡で測定された寸法を有するパターンであり得る。
【0026】
有機物質の基準体積による蛍光の強度と、有機パターンから放出された蛍光の測定された強度とを比較して、有機パターンの体積又は臨界寸法が計算され得る。この方法は、有機物質の量を測定するため下部構造の影響を受けない。また、強度測定のみを必要とするため、測定時間が既存の計測方法よりも遥かに早くなり得る。さらに、本発明の計測技術には、複雑なモデリングを必要としない。従って、本発明の技術は、大量生産に使用するのに十分且つ早く測定でき、ウエハ全体の表面を測定できるシステム及び方法を提供する。
【0027】
図1を参照すると、本発明の一実施形態による蛍光寸法の測定方法は、シリコン基板101を用意することを含み得る。基板101は、有機パターン102を含み得る。例えば、有機パターン102が基板101上に形成され得る。有機パターン102は線状であり得る。例えば、有機パターン102は平行な複数の線を含み得る。
【0028】
光源113から励起光103、例えば、強度調節されたUVビーム103が基板101及び有機パターン102に照明され得る。励起光103は、所定の強度、例えば、第1励起光の強度で基板101の有機パターン102を照らし得る。励起光103で基板101及び有機パターン102を照らすことは、フラッド露光を行うことを含み得る。例えば、励起光103で基板101及び有機パターン102が表面全体に照明され得る。一実施形態において、前記方法は、基板101の上面、例えば、基板101の作業表面を励起光103でスキャニングすることを含み得る。一実施形態において、光源113は複数の単位光源を含み得る。
【0029】
その結果、基板101からUV光104が反射され、基板101の有機パターン102から蛍光105が放出され得る。感知センサー106は、有機パターン102から放出された蛍光105を感知及びセンシングするように位置し得る。感知センサー106は、複数の単位センサーを含み得る。感知された蛍光105の量に基づいて、有機パターン102の体積又は臨界寸法が計算され得る。一実施形態において、基板101上の任意の位置、例えば、基板101上の所定の空間的位置に対して放出される蛍光の強度を測定及び感知し、感知された蛍光の強度に基づいて、有機パターン102の体積又は臨界寸法が計算及び決定され得る。一実施形態において、有機パターン102の体積又は臨界寸法は、基板101を横切る複数の空間的位置に対して測定及び計算され得る。体積又は臨界寸法を計算することは、システム内のプロセッサによって行なわれ得る。
【0030】
励起光、即ち、強度調節されたUVビーム103は、例えば、高次高調波(high order harmonics)によって生成され得るUVレーザーから供給され得る。蛍光を放出し得る波長が多く存在する。例えば、450nm未満の波長の励起光は、測定できる十分な蛍光を発生させ得る。波長が短いほど蛍光生成効率が向上する。例示的に、励起光の波長は、193nm、213nm、248nm、266nm、又はその他の多様な波長を含み得る。蛍光は全ての方向へ伝搬する。従って、より効率的に獲得するために、大きな角度のセンサーが感知センサー106として使用され得る。一実施形態において、蛍光105の強度は、照明領域内で有機パターン102の平均サイズを表し得る。一実施形態において、前記方法は、デザイン諸元(目標体積又は寸法)を確認し、加工表面上の有機パターン102の測定及び計算された体積又は寸法と、加工表面上の有機パターン102のデザイン目標体積又は寸法とを比較して、デザイン諸元を修正することをさらに含み得る。
【0031】
一実施形態において、基板101上の無機物質パターンの体積又は臨界寸法を測定することが要求される。このような測定は、無機物質パターンの間の空間を有機物質で充填し、有機物質を測定した後、無機物質パターンの体積又は臨界寸法を計算することで行なわれ得る。
図2を参照すると、基板201上に非有機物質パターン201A、例えば、無機物質パターン201Aが形成され得る。非有機物質パターン201Aは、線状のレリーフパターンであり得る。例えば、非有機物質パターン201Aは、複数の平行な線状のレリーフパターンであり得る。犠牲有機物質202が、測定のために非有機物質パターン201Aの間に追加又は形成され得る。基板201から放出された蛍光205の量は、犠牲有機物質202によって充填される非有機、例えば、無機物質パターン201Aの間隔のサイズに比例し得る。犠牲有機物質202から放出された蛍光205の強度をセンシングして、有機物質202の体積又は臨界寸法が計算され得る。従って、測定及び計算された有機物質202の体積又は臨界寸法に基づいて、無機物質パターン201Aの体積又は臨界寸法が計算され得る。測定が終わった後、犠牲有機物質202は、溶媒又はプラズマアッシングを通じて容易に除去され得る。
【0032】
図3は、システムの他の構成を示している。より正確に測定するために、入射角と検出角(放出角)を正確に制御することが有利である。従って、UVビーム303は、ビームスプリットミラー308(ビームスプリッター)を介して基板301の表面をほぼ垂直に照明するように当てられる。ビームスプリットミラー308は、UVビーム303をスプリットする。例えば、ビームスプリットミラー308は、UVビーム303を反射し、より長い波長の光を透過させ得る。従って、UVビーム303のみを有機パターン302に照明するように反射し得る。
【0033】
蛍光強度を正確に測定するには、反射及び放出された光305からUVビーム303の強度が除去されるべきである。従って、選択的UVフィルター307は、蛍光305がUVビーム303なしで感知センサー306に達するように反射及び放出された光304から任意の残りのUVビームをフィルタリングするようにビームスプリットミラー308と感知センサー306との間に位置し得る。
【0034】
図4は、超高解像度の測定のための他の例示的な構成を示している。単一のポイントビーム403の代わりに、構造ビーム403Bが基板401に当てられ得る。拡散器409及び成形レンズ410を用いて、単一のポイントビーム403が領域を照明する構造ビーム403Bで成形され、パターン402の比較的広い領域が均一のドーズ(dose)で照明され得る。周知の装置構造を用いて、均一でない強度が補正され得る。次いで、領域感知センサー406と共にカメラレンズ411を用いて、多数の蛍光405の強度が迅速に感知及び測定され得る。例えば、所定の照明領域が1×1cmであり、1000×1000ピクセルカメラ(又はCMOSセンサー)を使用する場合、単一のイメージは百万ポイントを測定でき、サンプリングの解像度は10umであり得る。この設定を使用すると、比較的短時間に10億ライン幅のデータが測定できる。
【0035】
図1~
図4のシステムは、半導体製造装備内に位置し得る。例えば、
図1~
図4のシステムは、半導体製造装備のうち1つであり得る。言及した通り、
図1~
図4のシステムは、プロセッサをさらに含むことができ、プロセッサは感知センサー106、206、306、406で感知及びセンシングした蛍光105、205、305、405の強度に基づいて、体積又は臨界寸法を計算し得る。
【0036】
図5は、蛍光寸法の測定実験結果を表す。x軸は可変サイズの有機パターンであり、y軸は測定された蛍光の強度である。
【0037】
理解されるように、光源、光指向メカニズム、光フィルター、光成形メカニズム、検出器、及びアレイの多様な構成が本明細書の実施形態と共に使用され得る。本明細書において、有機物質が物質のサイズ及び励起光の強度に比例して蛍光を放出できるということを見出すことで、システム及び方法を使用して多様な微細又はナノ製造構造の体積及び臨界寸法が測定され得る。周知の体積及び有機物質の類型でシステムを較正することで、他のウエハの体積及び/又は臨界寸法を測定するようにシステムが構成され得る。SOD(Spin-On-Deposition)等によって非有機物質がオーバーコートされ、その後、犠牲有機物質の体積を測定することが残留非有機物質により占められた空間/体積を決定するために用いられ得る。SEMは、このような初期較正に使用でき、その後、本明細書のシステムは、大量生産において各ウエハを測定するのに使用できる。本明細書のシステムは、ウエハにわたって数個のポイントを測定するか、ウエハにわたって数百万個のポイントを測定するように構成され得る。
【符号の説明】
【0038】
101、201、301、401:基板
102、202、302、402:有機パターン
103、203、303、403:励起光(UVビーム)
104、204、304、404:反射されたUV光
105、205、305、405:放出された蛍光
106、206、306、406:感知センサー
113:光源
201A:無機物質パターン
202:犠牲有機物質
307、407:UVフィルター
308、408:ビームスプリットミラー
403B:構造ビーム
409:拡散器
410:成形レンズ
411:カメラレンズ