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特許7124029インセンティブ付与方法、サーバ、クライアント端末及びインセンティブ付与プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-15
(45)【発行日】2022-08-23
(54)【発明の名称】インセンティブ付与方法、サーバ、クライアント端末及びインセンティブ付与プログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20220816BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20220816BHJP
   A63F 13/30 20140101ALI20220816BHJP
   A63F 13/61 20140101ALI20220816BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20220816BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/79
A63F13/30
A63F13/61
G06Q30/02 324
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020173734
(22)【出願日】2020-10-15
(62)【分割の表示】P 2018166707の分割
【原出願日】2014-02-18
(65)【公開番号】P2021039762
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2020-10-15
(73)【特許権者】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野 侑一
(72)【発明者】
【氏名】渡部 拓也
(72)【発明者】
【氏名】瀧野 諭吾
【審査官】石原 豊
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-004164(JP,A)
【文献】特開2009-183632(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00-13/98
G06Q 30/00-30/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1アプリケーションにおいて第2アプリケーションのインストールのための第1所定入力が第1ユーザに対応付けて発生した場合に、前記第1アプリケーションにおいて前記第1ユーザを識別する第1のユーザ識別子を含む通知をサーバに送信するステップと、
前記第1所定入力に基づいて前記第2アプリケーションを第1クライアント端末にインストールするステップと、
前記第2アプリケーションにおいて前記第1ユーザを識別する第2のユーザ識別子を含む第1インセンティブ要求を前記サーバに送信するステップと、
前記第1所定入力に基づいて、前記第1ユーザに対して所定関係を有する第2ユーザに対して、前記第2アプリケーションのインストールのための第2所定入力を促す情報を送信するステップと、
前記第1アプリケーションにおける前記第2所定入力が前記第2ユーザに対応付けて発生した場合に、前記第1アプリケーションにおいて前記第2ユーザを識別する第1のユーザ識別子を含む通知を前記サーバに送信するステップと、
前記第2所定入力に基づいて前記第2アプリケーションを第2クライアント端末にインストールするステップと、
前記第2アプリケーションにおいて前記第2ユーザを識別する第2のユーザ識別子を含む第2インセンティブ要求を前記サーバに送信するステップと、
前記第1インセンティブ要求に基づいて、前記第1インセンティブ要求に含まれる前記第2のユーザ識別子に対応する、前記第1ユーザに係る前記第1のユーザ識別子に、前記第1アプリケーションにおけるインセンティブを対応付けるステップと、
前記第2インセンティブ要求に基づいて、前記第2インセンティブ要求に含まれる前記第2のユーザ識別子に対応する、前記第2ユーザに係る前記第1のユーザ識別子に、前記第1アプリケーションにおけるインセンティブを対応付けるステップと、
を含むインセンティブ付与方法。
【請求項2】
前記第1ユーザに対して前記所定関係を有する第3ユーザであって前記第2ユーザとは異なる第3ユーザからの所定入力に基づいて、前記第1所定入力を促す情報を前記第1ユーザに対して送信するステップを更に含む請求項1に記載のインセンティブ付与方法。
【請求項3】
前記第2所定入力を促す情報には、前記第1所定入力に対応付けられた前記第1ユーザに係る前記第1のユーザ識別子が対応付けられており、
前記第2所定入力に基づいて前記第2アプリケーションがインストールされた場合に、前記第2所定入力を促す情報に対応付けられている前記第1のユーザ識別子に、更なるインセンティブを対応付けるステップを更に含む請求項1又は2に記載のインセンティブ付与方法。
【請求項4】
前記第2所定入力を促す前記情報は前記第2アプリケーションに関する広告を含む請求項1~3のうちのいずれか1項に記載のインセンティブ付与方法。
【請求項5】
前記所定関係は、前記第1アプリケーションにおける関係であり、前記第1アプリケーションに係るフレンドグラフ情報に基づく関係である請求項1~4のうちのいずれか1項に記載のインセンティブ付与方法。
【請求項6】
第1アプリケーションにおけるインセンティブを付与するサーバであって、
前記第1アプリケーションにおいて第2アプリケーションのインストールのための第1所定入力が第1ユーザに対応付けて発生した場合に、前記第1アプリケーションにおいて前記第1ユーザを識別する第1のユーザ識別子を含む通知を受信する処理と、
第1インセンティブ要求であって、前記第1所定入力に基づいてインストールされた前記第2アプリケーションにおいて前記第1ユーザを識別する第2のユーザ識別子を含む第1インセンティブ要求を、受信する処理と、
前記第1所定入力に基づいて、前記第1ユーザに対して所定関係を有する第2ユーザに対して、前記第2アプリケーションのインストールのための第2所定入力を促す情報を送信する処理と、
前記第1アプリケーションにおける前記第2所定入力が前記第2ユーザに対応付けて発生した場合に、前記第1アプリケーションにおいて前記第2ユーザを識別する第1のユーザ識別子を含む通知を受信する処理と、
第2インセンティブ要求であって、前記第2所定入力に基づいてインストールされた前記第2アプリケーションにおいて前記第2ユーザを識別する第2のユーザ識別子を含む第2インセンティブ要求を、受信する処理と、
前記第1インセンティブ要求に基づいて、前記第1インセンティブ要求に含まれる前記第2のユーザ識別子に対応する、前記第1ユーザに係る前記第1のユーザ識別子に、前記第1アプリケーションにおけるインセンティブを対応付ける処理と、
前記第2インセンティブ要求に基づいて、前記第2インセンティブ要求に含まれる前記第2のユーザ識別子に対応する、前記第2ユーザに係る前記第1のユーザ識別子に、前記第1アプリケーションにおけるインセンティブを対応付ける処理と、を含む複数の処理を実行する、サーバ。
【請求項7】
前記第1ユーザに対して前記所定関係を有する第3ユーザであって前記第2ユーザとは異なる第3ユーザからの所定入力に基づいて、前記第1所定入力を促す情報を前記第1ユーザに対して送信する処理を更に含む請求項6に記載のサーバ。
【請求項8】
前記第2所定入力を促す情報には、前記第1所定入力に対応付けられた前記第1ユーザに係る前記第1のユーザ識別子が対応付けられており、
前記第2所定入力に基づいて前記第2アプリケーションがインストールされた場合に、前記第2所定入力を促す情報に対応付けられている前記第1のユーザ識別子に、更なるインセンティブを対応付ける処理を更に含む請求項6又は7に記載のサーバ。
【請求項9】
第1アプリケーションと、第2アプリケーションとをインストール可能なクライアント端末であって、
前記第1アプリケーションにおける前記第2アプリケーションのインストールのための第1所定入力が第1ユーザに対応付けて発生した場合に、前記第1アプリケーションにおいて前記第1ユーザを識別する第1のユーザ識別子を含む通知をサーバに送信する通知送信部と、
前記第1所定入力に基づいて前記第2アプリケーションをインストールした場合に、サーバに、前記第1ユーザに対して所定関係を有する第2ユーザに対して、前記第2アプリケーションのインストールのための第2所定入力を促す情報を送信させる処理部と、
前記第2アプリケーションにおいて前記第1ユーザを識別する第2のユーザ識別子を含む第1インセンティブ要求を前記サーバに送信する要求送信部と、
前記第1インセンティブ要求に基づく前記第1アプリケーションにおけるインセンティブの付与を受ける第1インセンティブ処理部を含む、クライアント端末。
【請求項10】
前記第1ユーザに対して前記所定関係を有する第3ユーザであって前記第2ユーザとは異なる第3ユーザからの所定入力に基づき前記サーバから送信される、前記第1所定入力を促す情報を、受信する受信部と、
前記受信部により前記第1所定入力を促す前記情報を受信した場合に、前記第1アプリケーションにおいて前記第1所定入力が可能な画面を出力する出力部とを更に含む請求項9に記載のクライアント端末。
【請求項11】
前記第2所定入力を促す前記情報に基づいて前記第2ユーザに係るクライアント端末において前記第2アプリケーションがインストールされた場合に、前記第1アプリケーションにおける更なるインセンティブの付与を受ける第2インセンティブ処理部を更に含む請求項9又は10に記載のクライアント端末。
【請求項12】
第1アプリケーションと、第2アプリケーションとをインストール可能なクライアント端末として機能するコンピュータに、
前記第1アプリケーションにおける前記第2アプリケーションのインストールのための第1所定入力が第1ユーザに対応付けて発生した場合に、前記第1アプリケーションにおいて前記第1ユーザを識別する第1のユーザ識別子を含む通知をサーバに送信するステップと、
前記第1所定入力に基づいて前記第2アプリケーションをインストールした場合に、サーバに、前記第1ユーザに対して所定関係を有する第2ユーザに対して、前記第2アプリケーションのインストールのための第2所定入力を促す情報を送信させるステップと、
前記第2アプリケーションにおいて前記第1ユーザを識別する第2のユーザ識別子を含む第1インセンティブ要求を前記サーバに送信するステップと、
前記第1インセンティブ要求に基づく前記第1アプリケーションにおけるインセンティブの付与を受けるステップとを実行させる、
インセンティブ付与プログラム。
【請求項13】
前記第1ユーザに対して前記所定関係を有する第3ユーザであって前記第2ユーザとは異なる第3ユーザからの所定入力に基づき前記サーバから送信される、前記第1所定入力を促す情報を、受信する受信ステップと、
前記受信ステップにより前記第1所定入力を促す前記情報を受信した場合に、前記第1アプリケーションにおいて前記第1所定入力が可能な画面を出力するステップとを更に実行させる、請求項12に記載のインセンティブ付与プログラム。
【請求項14】
前記第2所定入力を促す前記情報に基づいて前記第2ユーザに係るクライアント端末において前記第2アプリケーションがインストールされた場合に、前記第1アプリケーションにおける更なるインセンティブの付与を受けるステップを更に実行させる、請求項12又は13に記載のインセンティブ付与プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、インセンティブ付与方法、サーバ、クライアント端末及びインセンティブ付与プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数のユーザがクライアント端末を用いて参加するオンラインゲームシステムがある。各クライアント端末には、オンラインゲーム用のアプリケーションがインストールされており、ユーザは当該アプリケーションを用いてオンラインゲームに参加する。このようなシステムでは、同一プラットフォーム上(すなわち同一のアプリケーションを用いた同一のオンラインゲーム上)においてインセンティブを付与する仕組みが採用されている(例えば特許文献1等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-066524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のシステムは、ユーザ間の関係を利用してインセンティブ付与を効果的に実現することはできなかった。
【0005】
従って、本開示の目的は、ユーザ間の関係を利用してインセンティブ付与を効果的に実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一の側面によれば、第1アプリケーションにおいて第2アプリケーションのインストールのための第1所定入力が第1ユーザに対応付けて発生した場合に、前記第1アプリケーションにおいて前記第1ユーザを識別する第1のユーザ識別子を含む通知をサーバに送信するステップと、
前記第1所定入力に基づいて前記第2アプリケーションを第1クライアント端末にインストールするステップと、
前記第2アプリケーションにおいて前記第1ユーザを識別する第2のユーザ識別子を含む第1インセンティブ要求を前記サーバに送信するステップと、
前記第1所定入力に基づいて、前記第1ユーザに対して所定関係を有する第2ユーザに対して、前記第2アプリケーションのインストールのための第2所定入力を促す情報を送信するステップと、
前記第1アプリケーションにおける前記第2所定入力が第2ユーザに対応付けて発生した場合に、前記第1アプリケーションにおいて前記第2ユーザを識別する第1のユーザ識別子を含む通知を前記サーバに送信するステップと、
前記第2所定入力に基づいて前記第2アプリケーションを第2クライアント端末にインストールするステップと、
前記第2アプリケーションにおいて前記第2ユーザを識別する第2のユーザ識別子を含む第2インセンティブ要求を前記サーバに送信するステップと、
前記第1インセンティブ要求に基づいて、前記第1インセンティブ要求に含まれる前記第2のユーザ識別子に対応する前記第1のユーザ識別子に、前記第1アプリケーションにおけるインセンティブを対応付けるステップと、
前記第2インセンティブ要求に基づいて、前記第2インセンティブ要求に含まれる前記第2のユーザ識別子に対応する前記第1のユーザ識別子に、前記第1アプリケーションにおけるインセンティブを対応付けるステップと、
を含むインセンティブ付与方法が提供される。
【発明の効果】
【0007】
ユーザ間の関係を利用してインセンティブ付与を効果的に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1のインセンティブ付与システムのブロック図である。
図2】ID管理テーブルの例である。
図3】広告クリック通知テーブルの例である。
図4】実施の形態1のインセンティブ付与システムの動作を示すフローチャートである。
図5】実施の形態2のインセンティブ付与システムのブロック図である。
図6】フレンドグラフテーブルの例である。
図7】実施の形態2のインセンティブ付与システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について説明する。
【0010】
(実施の形態1)
図1は実施の形態1に係るインセンティブ付与システムのブロック図である。実施の形態1に係るインセンティブ付与システムは、クライアント端末1と、サーバ2(ディストリビューションサーバ2)と、第1アプリサーバ3と、第2アプリサーバ4とを備える。これらはネットワーク5により接続されている。サーバ2は、「インセンティブ付与サーバ」に対応する。
【0011】
概略として本システムにおいては、クライアント端末1に複数のアプリケーションがインストールされる。本実施の形態では、第1アプリケーションと、第2アプリケーションの2つのアプリケーションがインストールされる例について説明する。例えば第1アプリケーションはカードゲーム等である。また例えば第2アプリケーションは、パズルゲーム等である。各アプリケーションはサーバとの通信を行うことによりゲームに係る情報を送受信し進行するゲームである。すなわち第1アプリケーション及び第2アプリケーションは、それぞれ第1アプリサーバ3及び第2アプリサーバ4と通信を行うことにより進行する。
【0012】
クライアント端末1は、例えば携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等であり、通信部10と、表示部11と、操作部12と、制御部13とを備える。クライアント端末1には予め第1アプリケーションがインストールされているものとする。第1アプリケーションにおいては、第2アプリケーションの広告(以下、第2アプリ広告)が表示される。第2アプリ広告は、第2アプリケーションのインストールを促す広告である。第2アプリ広告の内容は例えば“第2アプリをインストールする場合はここをクリック!第2アプリのチュートリアルクリアをしたら、第1アプリで使えるカードXがもらえるよ!”等である。そしてユーザが第1アプリケーションを実行中に第2アプリ広告をクリック、タップ等の選択操作(以下、クリックという。)を行うことにより、第2アプリケーションがダウンロードされ、クライアント端末1に第2アプリケーションがインストールされる。
【0013】
通信部10は、サーバ2と無線又は有線の少なくとも一方により通信をする。
【0014】
表示部11は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等により構成される。表示部11は、自端末にインストールされているアプリケーションに係る表示出力をする。例えば第1アプリケーションがカードゲームである場合、表示部11は、ゲームに係る表示出力をする。
【0015】
操作部12は、ボタン、タッチパネル等により構成され、ユーザからの入力信号を受け付ける。そして操作部12は、ユーザから受け付けた入力信号を制御部13に送出する。
【0016】
制御部13は、クライアント端末1に係る各種制御を行う。具体的には制御部13は、ユーザによる操作部12の操作に基づき、自端末にインストールされている第1アプリケーションを起動する。また制御部13は、第1アプリケーションが起動された場合、通信部10により端末IDと、第1アプリユーザIDとをサーバ2に送信する。ここで端末IDとは、クライアント端末1のユーザを一意に特定するための識別子である。具体的には端末IDは、アンドロイドID、広告トラッキング用ID(IDFAまたはIFA:Identifier for Advertisers)、MACアドレス(Media Access Control Address)等である。第1アプリユーザIDとは、第1アプリケーションにおいてユーザを一意に特定するための識別子である。端末IDは、「ユーザを識別する識別子」に対応し、第1アプリユーザIDは、「第1アプリ識別子」に対応する。
【0017】
また制御部13は、第1アプリケーションの起動後に、第2アプリ広告を表示部11により表示する。ユーザによる操作部12の操作により、第2アプリ広告がクリックされた場合、制御部13は、通信部10により広告クリック通知をサーバ2に送信する。広告クリック通知とは、所定のユーザにより第2アプリ広告がクリックされたことを示す情報である。広告クリック通知は、クライアント端末1のユーザに係る第1アプリユーザIDを含む。制御部13は、広告クリック通知をサーバ2に送信後、クライアント端末1に第2アプリケーションをインストールする。
【0018】
また制御部13は、クライアント端末1にインストールされた第2アプリケーションを、ユーザによる操作部12の操作に基づき起動する。第2アプリケーションが起動された場合、制御部13は、端末IDと第2アプリユーザIDとをサーバ2に送信する。第2アプリユーザIDとは、第2アプリケーションにおいてユーザを一意に特定するための識別子である。第2アプリユーザIDは、「第2アプリ識別子」に対応する。ここで第1アプリケーションのユーザ識別子の体系は、第2アプリケーションにおけるユーザ識別子の体系と相違する。
【0019】
また制御部13は、第2アプリケーションに係る所定動作が行われたか否かを判定する。所定動作とは、例えば第2アプリケーションの起動、第2アプリケーションにおけるチュートリアルクリア等の動作であり、予め定めておく。所定動作が行われた場合、制御部13は、サーバ2にインセンティブ要求を送信する。インセンティブ要求とは、第1アプリケーションにおけるインセンティブの付与を要求する情報である。インセンティブ要求は、第2アプリユーザID及び所定動作に係る情報を含む。なお、所定動作は上記のものに限らず、第2アプリケーションにおいて初めてギルド戦に参戦することであってもよい。あるいは所定動作は、第2アプリケーションにおいて初めてフレンドにプレゼントを付与すること、第2アプリケーションにおいて所定の継続率でログインすること等であってもよい。
【0020】
サーバ2は、通信部20と、記憶部21と、制御部22とを備える。
【0021】
通信部20は、クライアント端末1と無線又は有線の少なくとも一方により通信する。
【0022】
記憶部21は、各種情報を記憶しており、具体的にはID管理テーブル211と、広告クリック通知テーブル212とを記憶する。ID管理テーブル211は、クライアント端末1から受信した端末IDと、第1アプリユーザIDと、及び第2アプリユーザIDとを含むテーブルである。図2にID管理テーブル211の一例を示す。図3に示すID管理テーブル211は、例えば端末ID、第1アプリユーザID、第2アプリユーザIDとしてそれぞれ、”ST001”、”A101”、”B029”とを含む。ID管理テーブル211は、「識別子対応情報」に対応する。
【0023】
広告クリック通知テーブル212は、クライアント端末1から受信した広告クリック通知を含むテーブルである。図3に広告クリック通知テーブル212の一例を示す。図3に示す広告クリック通知テーブル212は、端末IDに関連付けて、広告クリック通知の有無と、広告クリック通知を受信した時間(通知時間)とを含む。図3では、広告クリック通知を受信した場合を1、受信していない場合を0として表記している。
【0024】
制御部22は、サーバ2に係る各種制御を行う。具体的には制御部22は、通信部20を介してクライアント端末1から端末IDと、第1アプリユーザIDとを受信した場合、記憶部21に端末IDと、第1アプリユーザIDとを記憶する。また制御部22は、通信部20を介してクライアント端末1から端末IDと、第2アプリユーザIDとを受信した場合、記憶部21に端末IDと、第1アプリユーザIDとを記憶する。制御部22は、これらの情報を上述のID管理テーブル211として記憶し、端末IDと、第1アプリユーザIDと、第2アプリユーザIDとを関連付けて記憶する。
【0025】
また制御部22は、通信部20を介してクライアント端末1から広告クリック通知を受信した場合、記憶部21に広告クリック通知に係る情報を広告クリック通知テーブル212として記憶する。制御部22は、広告クリック通知に含まれる第1アプリユーザIDに基づき、当該第1アプリユーザIDに係る広告クリック通知の有無を1とする。また制御部22は、広告クリック通知を受信した時間を広告クリック通知テーブル212に記憶する。
【0026】
また制御部22は、通信部20を介してクライアント端末1からインセンティブ要求を受信した場合、該インセンティブ要求に含まれる第2アプリユーザIDを、ID管理テーブル211に基づき第1アプリユーザIDに変換する。続いて制御部22は、当該第1アプリユーザIDに係る広告クリック通知の有無を、広告クリック通知テーブル212に基づき判定する。そして制御部22は、広告クリック通知がある場合、第2アプリユーザIDを第1アプリユーザIDに変換したインセンティブ要求(以下、変換インセンティブ要求という。)を第1アプリサーバ3に送信する。一方、制御部22は、広告クリック通知が無い場合、変換インセンティブ要求を第1アプリサーバ3に送信しない。
【0027】
第1アプリサーバ3は、第1アプリケーションに係るサーバであり、第1アプリケーションがインストールされたクライアント端末1と通信して各種情報を送受信する。第1アプリサーバ3は、第1アプリケーションに係る第1アプリユーザID毎に各種情報を管理している。例えば第1アプリケーションがカードゲームである場合、各ユーザが所有するカードやアイテム、各種ポイント情報等を第1アプリユーザIDに基づき管理している。カードゲームにおいては、入手困難なレアカードや、レアアイテムがあり、またカードやアイテムを入手するために、ポイントが必要とされる。なお第1アプリケーションは、Nativeアプリ、Webアプリ、NativeアプリとWebアプリを組み合わせたハイブリッドアプリのいずれであってもよい。第1アプリサーバ3は、第1アプリケーションの種別に応じたプログラムが予め実装されている。
【0028】
第1アプリサーバ3は、サーバ2から変換インセンティブ要求を受信した場合、変換インセンティブ要求に含まれる第1アプリユーザIDと、所定動作に係る情報に基づき、所定のインセンティブをユーザに付与する。例えば第1アプリサーバ3は、ユーザに所定のカード、アイテム、又は所定量のポイントを付与する。第1アプリサーバ3は、所定動作の内容に応じて、付与するインセンティブを異ならせるようにしてもよい。すなわち本システムにおいては、サーバ3がインセンティブ要求を受信した場合、ID管理テーブル211に基づき、第2アプリユーザIDに対応する第1アプリユーザIDに係るユーザに、第1アプリサーバ3によりインセンティブを付与させる。
【0029】
第2アプリサーバ4は、第2アプリケーションに係るサーバであり、第2アプリケーションがインストールされたクライアント端末1と通信して各種情報を送受信する。第2アプリサーバ4は第2アプリケーションに係る第2アプリユーザID毎に各種情報を管理している。例えば第2アプリケーションがパズルゲームである場合、各ユーザが所有する各種ポイント情報等を第2アプリユーザIDに基づき管理している。なお第2アプリケーションは、Nativeアプリ、Webアプリ、NativeアプリとWebアプリを組み合わせたハイブリッドアプリのいずれであってもよい。第2アプリサーバ4は、第2アプリケーションの種別に応じたプログラムが予め実装されている。
【0030】
次に、本実施形態に係るインセンティブ付与システムについて、図4に示すフローチャートによりインセンティブ付与に係る動作を説明する。以下では、端末IDがST001のユーザがクライアント端末1を操作した場合について説明する。
【0031】
はじめにクライアント端末1の制御部13は、ユーザによる操作部12の操作に基づき、自端末にインストールされている第1アプリケーションを起動する(ステップS1)。
【0032】
次に制御部13は、通信部10により端末ID(つまりST001)と、第1アプリユーザID(つまりA101)とをサーバ2に送信する(ステップS2)。サーバ2の制御部22は、記憶部21に端末IDと、第1アプリユーザIDとを記憶する(ステップS3)。
【0033】
続いてクライアント端末1の制御部13は、第1アプリケーションの起動後に第2アプリ広告を表示する(ステップS4)。ユーザによる操作部12の操作により、第2アプリ広告がクリック等された場合、制御部13は、通信部10により広告クリック通知をサーバ2に送信する(ステップS5)。サーバ2の制御部22は、記憶部21に広告クリック通知に係る情報を広告クリック通知テーブル212として記憶する(ステップS6)。
【0034】
クライアント端末1の制御部13は、広告クリック通知をサーバ2に送信後、クライアント端末1に第2アプリケーションをインストールする(ステップS7)。そして制御部13は、クライアント端末1にインストールされた第2アプリケーションを、ユーザによる操作部12の操作に基づき起動する(ステップS8)。第2アプリケーションが起動された場合、制御部13は、端末ID(つまりST001)と第2アプリユーザID(つまりB029)とをサーバ2に送信する(ステップS9)。サーバ2の制御部22は、記憶部21に端末IDと、第2アプリユーザIDとを記憶する(ステップS10)。
【0035】
続いて制御部13は、第2アプリケーションに係る所定動作が実行されたか否かを判定し(ステップS11)、所定動作が実行された場合、制御部13は、サーバ2にインセンティブ要求を送信する(ステップS12)。
【0036】
サーバ2の制御部22は、通信部20を介してクライアント端末1からインセンティブ要求を受信した場合、該インセンティブ要求に含まれる第2アプリユーザID(つまりB029)を、ID管理テーブル211に基づき第1アプリユーザID(つまりA101)に変換する(ステップS13)。続いて制御部22は、当該第1アプリユーザIDに係る広告クリック通知の有無を、広告クリック通知テーブル212に基づき判定する(ステップS14)。そして制御部22は、当該第1アプリユーザIDに係る広告クリック通知がある場合(ステップS14-はい)、変換インセンティブ要求を第1アプリサーバ3に送信する(ステップS15)。具体的には制御部22は、A101のユーザについては、図3の広告クリック通知テーブル212に基づき広告クリック通知が存在すると判定する。第1アプリサーバ3は、サーバ2から変換インセンティブ要求を受信した場合、変換インセンティブ要求に含まれる第1アプリユーザID(つまりA101)と、所定動作に係る情報に基づき、所定のインセンティブをユーザに付与する(ステップS16)。
【0037】
このように実施の形態1に係るインセンティブ付与システムによれば、クライアント端末1が各アプリケーションの起動時に端末IDと各アプリケーションのIDをサーバ2に送信し、サーバ2が端末IDと第1アプリユーザIDと第2アプリユーザIDとを関連付けて記憶する。そのため本システムによれば、異なるアプリケーション間においてインセンティブ付与をすることができる。そして第1アプリケーションにおいて表示される第2アプリ広告は、第1アプリケーションにおけるインセンティブ付与に繋がるためユーザにとって魅力的であり宣伝広告効果が高い。このように本実施の形態に係るインセンティブ付与システムによれば、あるアプリケーションにおいて表示される他のアプリケーションの広告の宣伝効果を高めることができる。
【0038】
なお、クライアント端末1の制御部13は、第1アプリケーションが起動された場合、通信部10により端末IDをサーバ2に送信するが(図4におけるステップS2)、送信する当該端末IDは2つ以上であってもよい。例えば制御部13は、広告トラッキング用IDと、MACアドレスの2つをサーバ2に送信してもよい。このようにすることで、端末IDのいずれかが使用不可能になった場合であっても、他の端末IDをキーとして本システムを動作させることが可能となる。
【0039】
同様にクライアント端末1の制御部13は、第2アプリケーションが起動された場合、通信部10により端末IDをサーバ2に送信するが(図4におけるステップS9)、送信する当該端末IDは2つ以上であってもよい。例えば制御部13は、広告トラッキング用IDと、MACアドレスの2つをサーバ2に送信してもよい。このようにすることで、端末IDのいずれかが使用不可能になった場合であっても、他の端末IDをキーとして本システムを動作させることが可能となる。
【0040】
なお、本システムにおいては、ステップS14で広告クリック通知の有無のみを変換インセンティブ要求を送信する条件としたが、これに加えて広告クリック通知の通知時間を条件としてもよい。例えば制御部22は、インセンティブ要求の受信した時間が、広告クリック通知の通知時間から所定時間内(例えば24時間以内)である場合、変換インセンティブ要求を第1アプリサーバ3に送信するようにしてもよい。さらに、ステップS14の判定において、広告クリック通知が無い場合であっても、変換インセンティブ要求を第1アプリサーバ3に送信するようにしてもよい。このようにすることで、第2アプリ広告のクリック経由で第2アプリケーションをインストールしていないユーザ対してもインセンティブを付与することになる。
【0041】
なお、本システムにおいて、クライアント端末1が端末IDと、第1アプリユーザIDとをサーバ2に送信するようにしたがこれに限られず、第1アプリサーバ3がサーバ2に端末IDと、第1アプリユーザIDとを送信するようにしてもよい。この場合、第1アプリサーバ3は、クライアント端末1における第1アプリケーションの起動を、クライアント端末1との通信により検知し、クライアント端末1に係る端末IDと、第1アプリユーザIDとを、サーバ2に送信する。同様にクライアント端末1が広告クリック通知をサーバ2に送信するようにしたがこれに限られず、第1アプリサーバ3がサーバ2に広告クリック通知を送信するようにしてもよい。
【0042】
同様に、本システムにおいて、クライアント端末1が端末IDと、第2アプリユーザIDとをサーバ2に送信するようにしたがこれに限られず、第2アプリサーバ4がサーバ2に端末IDと、第2アプリユーザIDとを送信するようにしてもよい。この場合、第2アプリサーバ4は、クライアント端末1における第2アプリケーションの起動を、クライアント端末1との通信により検知し、クライアント端末1に係る端末IDと、第2アプリユーザIDとを、サーバ2に送信する。同様にクライアント端末1がインセンティブ要求をサーバ2に送信するようにしたがこれに限られず、第2アプリサーバ4がサーバ2にインセンティブ要求を送信するようにしてもよい。
【0043】
(実施の形態2)
以下に、実施の形態2について説明をする。図5は実施の形態2のインセンティブ付与システムの構成を示すブロック図である。実施の形態1と同一の構成については同一の符号を付し、説明は省略する。実施の形態2に係るインセンティブ付与システムは、実施の形態1にかかる構成と比較して、第1アプリケーションに係るフレンドグラフを用いる点、及び第2アプリ広告の広告配信に係る動作が相違する。
【0044】
実施の形態2に係るインセンティブ付与システムにおいては、第1アプリケーションで、ユーザ間の関係を示すフレンドグラフが用いられる。好適には第1アプリサーバ3が提供する第1アプリケーションは、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に係るアプリケーションである。第1アプリケーションにおいては、あるユーザが他のユーザと相互にフレンド登録を行うことにより、当該ユーザ同士はフレンドユーザとなる。フレンドグラフは、当該フレンドユーザに係る情報である。なおフレンドグラフにより示されるユーザ同士の関係は、フレンド登録を行ったユーザ間の関係に限られず、ゲームにおいて属するチーム、ギルド、国等、ユーザの属するグループによるユーザの関係であってもよい。以下、本実施の形態においては、相互にフレンド登録を行った相手方のユーザに加え、同一のグループに属するユーザもフレンドユーザと呼ぶ。
【0045】
実施の形態2に係るクライアント端末1の制御部13は、第1アプリケーションが起動された場合、通信部10により端末IDと、第1アプリユーザIDとをサーバ2に送信する。さらに制御部13は、第1アプリケーションに係るフレンドグラフに係る情報(以下、フレンドグラフ情報)を、サーバ2に送信する。具体的には制御部13は、第1アプリケーション内のフレンドが追加、変更、及び削除等されている場合、当該追加、変更、削除されたフレンドに係る第1アプリユーザIDと、自己の第1アプリユーザIDとを含む情報を、サーバ2に送信する。
【0046】
また制御部13は、クライアント端末1に第2アプリケーションをインストールする。第2アプリケーションのインストールは、実施の形態1と同様に第2アプリ広告のクリックに基づくものであってもよい。あるいは所定のサイトからユーザにより検索された第2アプリケーションをダウンロード及びインストールしてもよい。
【0047】
また制御部13は、クライアント端末1に第2アプリケーションがインストールされた後、ユーザによる操作部12の操作に基づき,第2アプリケーションを起動する。第2アプリケーションが起動された場合、制御部13は、端末IDと第2アプリユーザIDとをサーバ2に送信する。さらに制御部13は、第2アプリケーションをクライアント端末1にインストールしたことの通知(以下、インストール通知という。)をサーバ2に送信する。インストール通知には、第2アプリユーザIDが含まれる。
【0048】
実施の形態2に係るサーバ2の記憶部21は、ID管理テーブル211及び広告クリック通知テーブル212に加えて、フレンドグラフテーブル213を記憶する。フレンドグラフテーブル213は、クライアント端末1から受信したフレンドグラフ情報に基づくテーブルである。図6にフレンドグラフテーブル213の一例を示す。フレンドグラフテーブル213は、第1アプリユーザIDと、該第1アプリユーザIDに係るフレンドユーザの情報を含む。例えば、第1アプリユーザIDがA101のユーザについては第1アプリユーザIDがA103、A121、A157のユーザをフレンドユーザとして記憶している。
【0049】
実施の形態2に係るサーバ2の制御部22は、クライアント端末1からフレンドグラフ情報を受信した場合、記憶部21のフレンドグラフテーブル213を、当該フレンドグラフ情報に含まれる第1アプリユーザIDに基づき編集(追加、変更、及び削除)する。
【0050】
さらに制御部22は、クライアント端末1からインストール通知を受信した場合、インストール通知に含まれる第2アプリユーザIDを、ID管理テーブル211に基づき第1アプリユーザIDに変換する。続いて制御部22は、当該第1アプリユーザIDに係るフレンドユーザの第1アプリユーザIDを、フレンドグラフテーブル213に基づき取得する。そして制御部22は、通信部20を介して、取得したフレンドユーザの第1アプリユーザIDのユーザのクライアント端末に対して、第2アプリ広告を配信(送信)する。第2アプリ広告の配信を受けたクライアント端末1bでは、第1アプリケーションを起動した場合に当該第2アプリ広告が表示される。第2アプリ広告の内容は、“ユーザXも利用中の第2アプリをインストールする場合はここをクリック!第2アプリのチュートリアルクリアをしたら、第1アプリで使えるカードXがもらえるよ!”等である。
【0051】
次に、本実施形態に係るインセンティブ付与システムについて、図7に示すフローチャートにより、広告配信に係る動作を説明する。以下では、端末IDがST001のユーザがクライアント端末1を操作した場合について説明する。
【0052】
はじめにクライアント端末1の制御部13は、ユーザによる操作部12の操作に基づき、自端末にインストールされている第1アプリケーションを起動する(ステップS101)。
【0053】
次に制御部13は、通信部10により端末ID(つまりST001)と、第1アプリユーザID(つまりA101)とをサーバ2に送信する(ステップS102)。サーバ2の制御部22は、記憶部21に端末IDと、第1アプリユーザIDとを記憶する(ステップS103)。
【0054】
制御部13は、第1アプリケーションに係るフレンドグラフ情報を、サーバ2に送信する。例えば、過去にフレンドグラフ情報をサーバ2に送信してからフレンドユーザ(例えば第1アプリユーザIDがA167)がフレンドユーザとして追加されている場合、制御部13は、第1アプリユーザIDのA101及びA167を含むフレンドグラフ情報をサーバ2に送信する。サーバ2の制御部22は、記憶部21にフレンドグラフ情報を記憶する。具体的には制御部22は、記憶部21のフレンドグラフテーブル213を更新する(ステップS105)。例えばフレンドグラフ情報に含まれる第1アプリユーザIDのA101及びA167に基づき、第1アプリユーザIDがA101のフレンドユーザとして、A167を追加する。
【0055】
続いてクライアント端末1は、自端末に第2アプリケーションをインストールする(ステップS106)。そして制御部13は、クライアント端末1にインストールされた第2アプリケーションを、ユーザによる操作部12の操作に基づき起動する(ステップS107)。第2アプリケーションが起動された場合、制御部13は、端末ID(つまりST001)と第2アプリユーザID(つまりB029)とをサーバ2に送信する(ステップS108)。サーバ2の制御部22は、記憶部21に端末IDと、第2アプリユーザIDとを記憶する(ステップS109)。
【0056】
さらに制御部13は、インストール通知をサーバ2に送信する(ステップS110)。サーバ2の制御部22は、クライアント端末1からインストール通知を受信した場合、インストール通知に含まれる第2アプリユーザIDを、ID管理テーブル211に基づき第1アプリユーザIDに変換する(ステップS111)。続いて制御部22は、当該第1アプリユーザIDに係るフレンドユーザの第1アプリユーザIDを、フレンドグラフテーブル213に基づき取得する。例えば制御部22は、A101のフレンドユーザとして第1アプリユーザIDのA103、A121、A157を取得する。そして制御部22は、通信部20を介して、取得したフレンドユーザの第1アプリユーザIDのユーザのクライアント端末1bに対して、第2アプリ広告を配信する(ステップS112)。第2アプリ広告の配信を受けたクライアント端末1bでは、第1アプリケーションを起動した場合に当該広告が表示される(ステップS113)。第2アプリ広告の内容は“ユーザXも利用中の第2アプリをインストールする場合はここをクリック!第2アプリのチュートリアルクリアをしたら、第1アプリで使えるカードXがもらえるよ!”等である。ユーザXは、第1アプリユーザIDがA101のユーザのユーザ名等に相当する。なお当該広告を表示後のインセンティブ付与に係る動作については、図4に示す動作(ステップS1~ステップS16)と同一である。
【0057】
このように実施の形態2にかかるインセンティブ付与システムによれば、サーバ2が第1アプリケーションのフレンドグラフに基づきフレンドユーザに第2アプリ広告を配信する。そして当該第2アプリ広告により異なるアプリケーション間においてインセンティブ付与をする。実施の形態2のシステムにおいては、フレンドグラフを用いて広告を配信するため、ユーザ間の口コミ的効果が期待でき、あるアプリケーションにおける他のアプリケーションの広告の宣伝効果をより高めることができる。
【0058】
なお、クライアント端末1の制御部13は、フレンドユーザに広告を配信するか否かを示す諾否情報をサーバ2に予め送信するようにしてもよい。この場合サーバ2の制御部22は、当該諾否情報に基づき、広告配信が承諾されている場合、ステップS112においてフレンドユーザに広告を配信し、承諾されていない場合広告を配信しない。なお諾否情報はフレンドユーザ全員一括に定めてもよいし、あるいはフレンドユーザ毎に定めてもよい。すなわちあるフレンドユーザには広告配信を承諾し、あるフレンドユーザには広告配信を拒否するようにしてもよい。このようにすることで、ユーザが自己のフレンドユーザに広告配信をしたくない場合、当該配信を停止することができ、当該ユーザのプライバシー等の保護をすることができる。
【0059】
なお、第2アプリ広告を配信した先のクライアント端末1bにおいて、ユーザにより第2アプリ広告がクリックされて第2アプリケーションがインストールされた場合、サーバ2の制御部22は、クライアント端末1bからインストール通知(以下、第2のインストール通知という。)を受信してもよい。この場合、クライアント端末1bのユーザに係るフレンドユーザに、第2アプリ広告を配信する。すなわち当該構成により、フレンドユーザのフレンドユーザにまで広告を配信する。このようにすることで、第2アプリ広告を、フレンドリストに基づいて口コミ的により広範囲に配信することができる。
【0060】
さらにサーバ2の制御部22は、第2のインストール通知を受信した場合、クライアント端末1bに第2アプリ広告を配信した契機となったユーザ(以下、通知元ユーザという。)のクライアント端末(図7におけるクライアント端末1)に、所定のインセンティブを付与するようにしてもよい。このように構成する場合、第2アプリ広告には通知元ユーザの第1アプリユーザIDを含め、第2のインストール通知には、第2アプリ広告に含まれる第1アプリユーザIDを含める。このようにして、クライアント端末1b及びサーバ2の間において、通知元ユーザの第1アプリユーザIDを送受信する。サーバ2の制御部22は、第2のインストール通知に含まれる第1アプリユーザIDに基づき、通知元ユーザに所定のインセンティブを付与する。このようにすることで通知元ユーザが広告配信をする動機を与え、広告配信の拡大をより促進することができる。なお複数の通知元ユーザを契機として第2アプリ広告の配信をあるフレンドユーザのクライアント端末1bした場合、サーバ2の制御部22は、第2のインストール通知を受信した際、全ての通知元ユーザに所定のインセンティブを付与する。
【0061】
なお本システムにおいて、クライアント端末1が端末IDと、第1アプリユーザIDとをサーバ2に送信するようにしたがこれに限られず、第1アプリサーバ3がサーバ2に端末IDと、第1アプリユーザIDとを送信するようにしてもよい。この場合、第1アプリサーバ3は、クライアント端末1における第1アプリケーションの起動を、クライアント端末1との通信により検知し、クライアント端末1に係る端末IDと、第1アプリユーザIDとを、サーバ2に送信する。同様にクライアント端末1がフレンドグラフ情報をサーバ2に送信するようにしたがこれに限られず、第1アプリサーバ3がサーバ2にフレンドグラフ情報を送信するようにしてもよい。
【0062】
同様に、本システムにおいて、クライアント端末1が端末IDと、第2アプリユーザIDとをサーバ2に送信するようにしたがこれに限られず、第2アプリサーバ4がサーバ2に端末IDと、第2アプリユーザIDとを送信するようにしてもよい。この場合、第2アプリサーバ4は、クライアント端末1における第2アプリケーションの起動を、クライアント端末1との通信により検知し、クライアント端末1に係る端末IDと、第2アプリユーザIDとを、サーバ2に送信する。同様にクライアント端末1がインストール通知をサーバ2に送信するようにしたがこれに限られず、第2アプリサーバ4がサーバ2にインストール通知を送信するようにしてもよい。同様にクライアント端末1bが第2のインストール通知をサーバ2に送信するようにしたがこれに限られず、第2アプリサーバ4がサーバ2に第2のインストール通知を送信するようにしてもよい。
【0063】
ここで、クライアント端末1又はサーバ2として機能させるために、コンピュータを好適に用いることができ、そのようなコンピュータは、クライアント端末1又はサーバ2の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、当該コンピュータの記憶部に格納しておき、当該コンピュータの中央演算処理装置(CPU)によってこのプログラムを読み出して実行させることで実現することができる。
【0064】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。以下に、本願の原出願の特許査定時の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
第1アプリケーションと、前記第1アプリケーションとユーザ識別子の体系が異なる第2アプリケーションとがインストール可能なクライアント端末におけるインセンティブ付与方法であって、前記クライアント端末が、前記第1アプリケーションにおいて表示される第2アプリ広告がクリックされた場合、前記第1アプリケーションにおいてユーザを識別する第1のユーザ識別子を含む広告クリック通知をサーバに送信し、前記第2アプリケーションをインストールするステップと、前記クライアント端末において前記第2アプリケーションに係る所定動作が行われた場合、前記第2アプリケーションにおいてユーザを識別する第2のユーザ識別子を含むインセンティブ要求を前記サーバに送信するステップと、前記インセンティブ要求に基づき、前記第2のユーザ識別子に対応する前記第1のユーザ識別子により識別されるユーザに対する、前記第1アプリケーションにおけるインセンティブの付与を前記サーバから受けるステップとを含み、前記所定動作は、チュートリアルクリア、ギルド戦への初回参戦、フレンドへのプレゼント及び所定の継続率でのログインの少なくともいずれかであるインセンティブ付与方法。
[2]
前記サーバが、前記第1のユーザ識別子と、前記第2のユーザ識別子とを関連付けた識別子対応情報を記憶しており、前記識別子対応情報に基づいて前記サーバから前記インセンティブの付与を受ける、[1]に記載のインセンティブ付与方法。
[3]
前記クライアント端末が前記広告クリック通知から所定時間以内に前記インセンティブ要求を前記サーバに送信した場合、前記インセンティブの付与を前記サーバから受ける、[1]又は[2]に記載のインセンティブ付与方法。
[4]
第1アプリケーションと、前記第1アプリケーションとユーザ識別子の体系が異なる第2アプリケーションとがインストール可能なクライアント端末であって、前記第1アプリケーションにおいて表示される第2アプリ広告がクリックされた場合、前記第1アプリケーションにおいてユーザを識別する第1のユーザ識別子を含む広告クリック通知をサーバに送信し、前記第2アプリケーションをインストールし、前記第2アプリケーションに係る所定動作が行われた場合、前記第2アプリケーションにおいてユーザを識別する第2のユーザ識別子を含むインセンティブ要求を前記サーバに送信し、前記インセンティブ要求に基づき、前記第2のユーザ識別子に対応する前記第1のユーザ識別子により識別されるユーザに対する、前記第1アプリケーションにおけるインセンティブの付与を前記サーバから受け、前記所定動作は、チュートリアルクリア、ギルド戦への初回参戦、フレンドへのプレゼント及び所定の継続率でのログインの少なくともいずれかであるクライアント端末。
[5]
第1アプリケーションと、前記第1アプリケーションとユーザ識別子の体系が異なる第2アプリケーションとがインストール可能なクライアント端末として機能するコンピュータに、前記第1アプリケーションにおいて表示される第2アプリ広告がクリックされた場合、前記第1アプリケーションにおいてユーザを識別する第1のユーザ識別子を含む広告クリック通知をサーバに送信し、前記第2アプリケーションをインストールするステップと、前記クライアント端末において前記第2アプリケーションに係る所定動作が行われた場合、前記第2アプリケーションにおいてユーザを識別する第2のユーザ識別子を含むインセンティブ要求を前記サーバに送信するステップと、前記インセンティブ要求に基づき、前記第2のユーザ識別子に対応する前記第1のユーザ識別子により識別されるユーザに対する、前記第1アプリケーションにおけるインセンティブの付与を前記サーバから受けるステップとを実行させ、前記所定動作は、チュートリアルクリア、ギルド戦への初回参戦、フレンドへのプレゼント及び所定の継続率でのログインの少なくともいずれかであるインセンティブ付与プログラム。
【符号の説明】
【0065】
1、1b クライアント端末
2 サーバ(ディストリビューションサーバ)
3 第1アプリサーバ
4 第2アプリサーバ
5 ネットワーク
10 通信部
11 表示部
12 操作部
13 制御部
20 通信部
21 記憶部
22 制御部
211 ID管理テーブル
212 広告クリック通知テーブル
213 フレンドグラフテーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7