(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-15
(45)【発行日】2022-08-23
(54)【発明の名称】遊技情報表示装置
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220816BHJP
【FI】
A63F7/02 350Z
(21)【出願番号】P 2021175537
(22)【出願日】2021-10-27
(62)【分割の表示】P 2020178914の分割
【原出願日】2017-03-15
【審査請求日】2021-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】代田 喜之
(72)【発明者】
【氏名】内藤 慎之介
(72)【発明者】
【氏名】小島 紹広
【審査官】中野 直行
(56)【参考文献】
【文献】特許第6788528(JP,B2)
【文献】特許第6974574(JP,B2)
【文献】特開2015-054031(JP,A)
【文献】特開2015-198703(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場内に設置された複数の遊技機各々の上方に設置され、当該遊技機に関する各種の遊技情報を表示可能な遊技情報表示装置において、
前記遊技情報を表示可能な矩形状の表示装置本体と、
この表示装置本体の上端縁に沿って起立するように取り付けられ、予め所定の遊技情報が表示された表示媒体を収納可能で、少なくとも前面が透明なケース体と、を備え、
前記ケース体は、前記表示装置本体の前面に対して略面一になる面一位置と、当該前面に対してやや後方へ傾く傾斜位置との間で回動可能に構成されていることを特徴とする遊技情報表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技場においては、例えば特許文献1に記載されている通り、各遊技機の上方に表示装置を設置して各種の遊技情報を遊技者に表示するのが一般的となっている。特に近年においては、表示デバイスとしで液晶パネルを採用し、より一層多様で詳細な遊技情報を表示することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、遊技場側が表示したいと考える情報量は日に日に増加するとともに、その内容も頻繁に変化するため、従来の表示装置では対応しきれない場合が少なくないという実情があった。また、そのような不具合に対応するため、別途用意した所謂POP札を遊技機の近傍に貼ったり刺したりして、表示装置での表示を補うようにしている遊技場もあった。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技場側の要望に合わせて表示できる情報量を手軽に増加させることが可能な遊技情報表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の遊技情報表示装置は、その表示装置本体の上端縁に沿って透明なケース体を取り付け、そのケース体に任意の表示媒体を収納することによって表示装置本体の表示内容とは別の情報を表示することができるので、表示可能な情報量を手軽に増加させることができる。また、表示装置本体の上端縁に沿ってケース体を取り付けたので、表示装置本体とケース体とが一体的な外観を成し、遊技者が視線を大きく移動させることなく両方の情報を視認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】遊技情報表示装置を中心として示す機能ブロック図
【
図6】同装置の後面側における転落防止用のフック部近傍の拡大斜視図
【
図10】(a)及び(b)は、ケース体の右側面図及び縦断側面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について
図1~
図11を参照して説明する。
図1は、遊技場全体の概略構成を示している。遊技場内には多数の遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応して貸出装置2及び遊技情報表示装置3が設置されている。これら遊技機側の装置1~3は夫々2台ずつ、1台の中継装置4に接続されており、中継装置4はLAN5を介して管理装置6に接続されている。
【0009】
管理装置6は、遊技機側の装置1~3等から送信される遊技情報を受信することにより、当該装置1~3を含む、遊技場内に設置される全ての装置の稼動状況や、各種の遊技情報を管理する。尚、
図1では省略しているが、数百台の遊技機を管理装置6の管理対象としており、遊技場内に形成された遊技機島に、遊技機側の装置1~3が設置されている。また、
図1では遊技機1としてスロットマシンを例示しており、遊技媒体はメダルである。遊技機がパチンコ機であれば、遊技媒体はパチンコ玉である。
【0010】
遊技機1は、表示窓11を介して視認可能なリール10、各種演出を行うためのパネルランプ部12、クレジットメダルの投入を行うMAXBETボタン13、クレジットメダルの精算を行うクレジット精算ボタン14、メダルを投入するメダル投入口15、スタートレバー16、左ストップボタン17、中ストップボタン18、右ストップボタン19、受皿20等を備える。
【0011】
遊技機1は、遊技者によってメダルをメダル投入口15から投入し、或いはMAXBETボタン13を操作することによりクレジットメダルが所定枚数投入された状態でスタートレバー16が操作される。これにより、遊技機1において、リール10の変動を開始させ、ストップボタン17~18が操作されることでリール10の変動を停止する。遊技機1には、所謂ボーナス役としてのBB(ビッグボーナス)役及びRB(レギュラーボーナス)役、小役及びリプレイ役が設けられている。
【0012】
詳しい図示は省略するが、遊技機1には、表示窓11の上段、中段、下段に対応した横方向に1本ずつの3本及び斜め方向の2本の有効ラインが設けられていて、前記ストップボタン17~18の操作により何れかの有効ライン上に内部当選役に対応する図柄が揃ったとき、入賞となる。入賞となった場合には、BB状態やRB状態の発生、或いは、対応する枚数のメダルの払い出しが行われる。この払い出しにより、BB状態では例えば約300枚、RB状態では約120枚のメダルを獲得することができる。遊技機1は、遊技の実行に応じて以下に示す各種の遊技情報を中継装置4へ送信する。
【0013】
投入信号=遊技の開始に伴って投入されたメダルの数を示す信号である。
払出信号=入賞により払い出されたメダルの数を示す信号である。
BB信号=ビックボーナス状態であることを示す信号である。
【0014】
RB信号=レギュラーボーナス状態であることを示す信号である。
貸出装置2は、複数の遊技機1各々の側部に並ぶようにして、1台の遊技機1に対して1台配置されている。貸出装置2は、遊技者が貨幣を投入するための貨幣投入口25、メダルを遊技機1の受皿20に払い出す払出ノズル26等を備えている。貸出装置2は、貨幣投入口25への貨幣の投入に応じて払出ノズル26からメダルを払い出す(貸し出す)と共に、売上情報を中継装置4へ送信する。
【0015】
中継装置4は、2台の遊技機1台に対して1台の割合で設置され、それら遊技機1、貸出装置2、遊技情報表示装置3、及び管理装置6間での通信を仲介する。
そして、遊技情報表示装置3は、複数の遊技機1各々の上方に位置させて、1台の遊技機1に対して1台設置されている。
図3の正面図で示すように、遊技情報表示装置3は、遊技場の従業員を呼出すときに遊技者が押下する呼出ボタン31の他、遊技情報の表示を切替えるときに遊技者が押下する表示切替ボタン32a等を含む操作ボタン群32、遊技情報を表示可能な液晶表示部33、及びランプ部34を備える。
【0016】
また、
図2の機能ブロック図で示すように、遊技情報表示装置3は、CPU35a、ROM35b、RAM35c及びI/O35d等を有するマイクロコンピュータにより構成される制御部35を備える。制御部35には、上記した呼出ボタン31、操作ボタン群32、液晶表示部33、ランプ部34が接続されると共に、図示しない従業員用の携帯リモコンからの信号を受信する受光部36、後述するケース体60用のLED65aが接続されている。制御部35は、ROM35b等に記憶されている制御プログラムに基づいて遊技情報表示装置3全体を制御する。
【0017】
遊技情報表示装置3の制御部35は、信号を送受信する入出力部となる送受信部37を介して中継装置4に接続されている。制御部35は、遊技機1からの稼動情報を中継装置4及び送受信部37経由で受信して各種の遊技情報を作成し、液晶表示部33に表示する。また、制御部35は、管理装置6等から各種情報を中継装置4及び送受信部37経由で受信して液晶表示部33に表示し、或いは発光部としてのランプ部34やLED65aの発光を制御するようになっている。
【0018】
こうして、制御部35は、液晶表示部33や発光部34,65aを利用した、当該遊技機1に関する各種の遊技情報を表示可能としている。詳しい図示は省略するが例えば、液晶表示部33には、本日や前日といった日毎のBB回数・RB回数(つまりBB状態・RB状態の各発生回数)、ボーナス間ゲーム回数、差メダル数グラフ(メダルの「払出枚数」-「投入枚数」の推移を示すグラフ)等の表示が可能である。
【0019】
さて、本実施形態の遊技情報表示装置3は、その表示装置本体30の上端縁側にケース体60を取り付けた構成にあり、ケース体60において、各種の遊技情報を表示するための、任意のPOP媒体を収納可能としている。係る表示装置本体30とケース体60の構成について、
図3~
図10を参照しながら説明する。ここで、
図3、
図4、及び
図5は、表示装置本体30にケース体60を取り付けた状態で示す遊技情報表示装置3の正面図、右側面図、及び後方側からの斜視図を示している。なお、
図3の紙面と直交する方向を前後方向とし、その紙面手前側を表示装置本体30の前面側とする。また
図3において、表示装置本体30の長手方向を左右方向とし、表示装置本体30を前面側から見たときの右側を右方として説明する。
【0020】
表示装置本体30は、
図3に示すように全体として若干横長な矩形状をなしており、その下側後部にて前記遊技機島に取り付け固定される基台部50と、当該基台部51の上側前部にて回動可能に支持された本体部40とで構成されている。
【0021】
詳細には、
図3、
図4に示すように、本体部40は、その外郭をなす合成樹脂材料から形成された前枠部40aと後板部40bとを、接合することにより薄型の矩形箱状に形成されている。本体部40は、前枠部40aに収まる液晶表示部33を主体に構成しており、前枠部40aに沿うランプ部34を有する。
【0022】
図7の分解斜視図で示すように、本体部40の下端部(同
図7で上側)には、左右一対の取付片41,41が基台部50の被取付部51,51と対応するように設けられている。取付片41,41は短冊板状をなし、その板厚方向に貫通するネジ用孔41a,41aを有する。詳しい図示は省略するが、各取付片41,41の基端側は、本体部40の下端部に配設された左右方向に延びる枢支軸(その軸線41xを
図7の一点鎖線で表す)に接続されている。これにより、本体部40は、その取付片41,41の孔41a,41aに挿通されるネジS1,S1が、被取付部51,51に螺挿されることで、基台部50に対して、軸線41x周りの回動が可能に取り付けられている。
【0023】
また
図7に示すように、本体部40には、後板部40bにおける中央下寄りの開口40cから後方へ突出する位置決めアーム43が固定して設けられている。位置決めアーム43は、本体部40の回動軌跡に沿って湾曲した形状をなすと共に、その側面に小さく凹んだ複数(例えば5箇所)の凹部43a~43eが配列されている。位置決めアーム43の凹部43a~43eは、後述する基台部50の係止機構53により係脱可能に係止される。これにより、本体部40は、軸線41x周りの回動範囲について、位置決めアーム43の凹部43aで係止されたときに液晶表示部33が略垂直となる垂直位置(
図4の実線参照)を基準(0度)として、位置決めアーム43の凹部43eで係止されたときに液晶表示部33が例えば25度前方へ倒れるように傾斜した傾斜位置(
図4の2点鎖線、
図5参照)まで、段階的な角度調整が可能である。
【0024】
図7に示すように、本体部40の上端部(同図で下側)には、ケース体60用の被取付部として、左右一対の取付溝48,48が設けられている。また、本体部40の後板部40bには、ケース体60用のUSBケーブルC1の溝49が設けられているが、これらケース体60用の各部48,49の構成について、詳しくは後述する。なお、本体部40は、下側(
図7で上側)に引き出された接続ケーブルC2により、基台部50側と電気的にも接続されており、基台部50側から電源供給されると共に表示用の制御信号を入力するようになっている。
【0025】
図3~
図5に示すように、基台部50は全体として略円筒状をなしており、前側下部に前記操作ボタン群32を有すると共に、後側に張出す取付面50dを有している。具体的には、
図7に示すように、基台部50は、合成樹脂材料からなる前半部50aと後半部50bとをネジS2止めし、その両側方に円盤部50c,50cを装着した構成にある。
【0026】
同
図7に示すように、基台部50の前半部50aには、左右方向にわたって段付き状をなす縦壁面52aと下壁面52bとが形成されている。前半部50aの下壁面52bにおいて、左右両側の位置に、本体部40の取付片41,41を取り付けるための被取付部51,51が形成され、中央部分の位置に、接続ケーブルC2用の挿通孔52cが形成されている。
【0027】
前半部50aの縦壁面52aには、位置決めアーム43が挿通される縦長な挿通孔52dが形成されている。また、縦壁面52aの左部には、奥に向かうに従い狭まる台形四角錐状をなす窄み部54が設けられている。ここで、
図8は、
図7の矢印A方向から見た窄み部54の拡大図である。窄み部54の奥壁54a側(後述の制御基板57)には、USB(Universal Serial Bus)ポート57aやディップスイッチ57bが設けられている。それ故、USBケーブルC1のコネクタC1aの接続や、ディップスイッチ57bの操作を、窄み部54の前面開口を通して行うことができる。
【0028】
一方、基台部50における後半部50bの内部には、図示しない電源装置の他、制御基板57、前記係止機構53等(何れも
図7参照)を収容している。制御基板57は、制御部35として機能するROM35b等が実装されると共に、ディップスイッチ57b等の電子部品が実装されている。図示は省略するが、係止機構53は例えば、位置決めアーム43の凹部43a~43eに対して右側から当接する留め具と、当該留め具を左方へ付勢するバネとを有し、その留め具を凹部43a~43eに当接させて位置決めアーム43を係止することで、本体部40の傾斜角度を保持する。
【0029】
なお、基台部50の後半部50bには、その下側に位置してスピーカ55が設けられており、スピーカ55から効果音、或いは店内放送が放送されるようになっている。また、表示装置本体30は、基台部50における後半部50bの取付面50dにて前記遊技機島に取り付けられる。
【0030】
そして、ケース体60は、上記した表示装置本体30の上端縁に沿って起立するように取り付けられている。ケース体60は、
図3、
図9に示すように左右方向の横幅寸法Wが表示装置本体30と同じ横幅寸法で、上下方向の縦寸法Hが表示装置本体30の縦寸法に比して小さい、横長な矩形状をなしている。
【0031】
ケース体60は、その取付片61,61を、表示装置本体30の上端縁の取付溝48,48に差し込むことにより取り付けられる。具体的には
図9に示すように、取付片61,61は何れも「ロ」字状をなし、ケース体60の下端縁から下方へ突出するように配設されている。また、取付片61,61は、ケース体60の下端縁にて左右方向に延びる枢支軸62,62の周りに回動可能に設けられている。
【0032】
他方、取付溝48,48は、本体部40の上端縁(
図7中、下側の縁)を取付片61,61に合わせて平坦に窪ませた縦壁48aと、その縦壁48aの中央で隆起する隆起部48bと、当該窪みの開放面側を横幅方向に狭めるガイドリブ48cとで構成される。それ故、ケース体60の取付片61,61は、本体部40の取付溝48,48の縦壁48aに沿わせて差し込まれることに伴い、自身の可撓性により隆起部48bに嵌り込むと共に、ガイドリブ48cにより後方へ外れないようにして取り付けることができる(
図5参照)。なお、
図5に示すように、ケース体60の下側後部には、取付片61,61の基端側に位置して取付カバー63,63が装着されている。
【0033】
また、取付片61,61や取付カバー63,63を含むケース体60の下端側は、
図4に示す当該ケース体60の起立した姿勢を保持するための規制手段として構成されている。即ち、ケース体60は、液晶表示部33(本体部40前面)に対して略面一になる面一位置と、本体部40前面に対してやや後方へ傾く傾斜位置(
図4の2点鎖線参照)との間で枢支軸62,62の周りに回動し、その回動範囲は例えば20度に規制される。係る規制手段は、ケース体60の下端面60aと本体部40の上端面との当接、或いは取付カバー63,63と本体部40の後板部40bとの当接といった当接手段により構成される。または、ケース体60の回動範囲を規制するために、ケース体60を面一位置や傾斜位置で係止する、前記係止機構53と同様の係止機構を用いて構成してもよい。
【0034】
ケース体60は、前記POP媒体の如く予め所定の遊技情報が表示された表示媒体を収納可能で、少なくとも前面が透明である。即ち、ケース体60は、
図5に示すように取付片61,61及び取付カバー63,63を下端側に有する後ケース64と、この後ケース64に収納された導光ユニット65(
図10(b)参照)と、後ケース64前側周縁に装着された前フレーム66と、前フレーム66に開閉可能に軸支された透明カバー67と、を備える。なお、説明の便宜上、
図10(a)の側面図では、透明カバー67の開状態を2点鎖線で表し、
図11の拡大縦断側面図では、透明カバー67のハッチングを省略している。
【0035】
先ず、後ケース64は、
図9に示すような横幅寸法W、縦寸法H、及び
図10(b)に示す奥行寸法Dに設定されていて、前面側が開放された浅底な矩形容器状をなしている。後ケース64の内部には、導光ユニット65を支持する補強リブ64aが設けられると共に、導光ユニット65に対する電源供給のためのUSBケーブルC1の接続部分C1b(
図10(b)参照)も収納している。USBケーブルC1は、ケース体60の下端側から導出されている。
【0036】
図10(b)に示す導光ユニット65は、後ケース64の内底部において左右方向に延びるLED基板65bを有する。詳しい図示は省略するが、LED基板65bは、例えば10個の白色LED65a素子が左右方向に並び且つ上方へ向けて光を照射する光源として実装されている。また、導光ユニット65を構成する、
図11の導光板65c、反射板65d、及び補強板65eは、何れも後ケース64内の略全域を覆う大きさの矩形平板状をなしており、それら板65c~65eの配置順に接合されている。導光ユニット65は、導光板65c(Light Guide Plate)の下端からLED65aの光が上方へ照射されることにより、導光板65cで当該光を導光して面発光させる。
【0037】
こうして、導光ユニット65は、導光板65cの前側に配された(ケース体60に収納された)POP媒体を照明するための照明部材として機能する。また、導光ユニット65は、表示装置本体30側の前記電源装置からのUSBケーブルC1を介した電源供給に応じて、制御部35によってLED65aの点灯が制御される。
【0038】
図9、
図10(a)に示すように、ケース体60の前フレーム66は、後ケース64前側に合わさる外形寸法で、導光板65cの周囲を囲うように装着されている。前フレーム66において、左右の辺部66a,66bは、透明カバー67の厚みのぶん段落ちし、下辺部66dには、透明カバー67の軸支部66eが設けられている。また、ケース体60の上寄りの位置には、前フレーム66と後ケース64とにわたって、左右の外端縁を夫々窪ませた凹状の被係合部68,68が設けられている。被係合部68,68の中央には、隆起部68aが夫々形成されており、透明カバー67の係合部69,69の夫々の凹部69aが嵌合する。また、図示は省略するが、前フレーム66における左右の辺部66a,66bには、下寄りの位置に、透明カバー67のアーム部67a,67aの挿通孔が夫々形成されている。
【0039】
そして、透明カバー67は、透明性を有する合成樹脂材料からなり、前フレーム66における上下の辺部66c,66dに収まる矩形状をなす。透明カバー67の左右の側部には、その上寄りの位置にて被係合部68,68に係合する係合部69,69と、下寄りの位置にて前記挿通孔に挿通されるアーム部67a,67aと、下端の位置にて軸支部66eに軸支される被軸支部67b,67bと、が夫々一体成形されている。透明カバー67は、
図10(a)の2点鎖線で表す開状態において、アーム部67a,67aが前記挿通孔で係止されることにより、導光板65cとなす角度(例えば30度)が保持される。また、透明カバー67は、開状態から同図(a)の実線で表す閉状態へと軸支部66e周りに回動して、係合部69,69がその可撓性により被係合部68,68に嵌合することで、閉状態が保持される。
【0040】
図11に示すように、POP媒体70は、透明カバー67と導光板65cとの間に位置する比較的薄い(例えば厚さ0.3mm程度)矩形状の紙でできた表示媒体である。POP媒体70の一方の面には、遊技場側からの宣伝、或いは遊技機1の情報などが印刷されている。POP媒体70は、ケース体60に対して開いた透明カバー67と導光板65cとの間に挟み込むようにして挿入され、透明カバー67の閉状態で両者67,65c間に固定される。
【0041】
なお、POP媒体70は、例えば横幅寸法を420mm、縦寸法を80mmのサイズとする。換言すれば、ケース体60は、縦横の寸法W,Hが、POP媒体70を収納可能とする大きさ(420mm×80mmより若干大きい)であって、本体部40と一体的な外観を呈する寸法形状に構成されている。
【0042】
図5に示すように、ケース体60より下方へ導出されたUSBケーブルC1は、表示装置本体30側へと本体部40の溝49に沿って縦断するように配設されている。ここで、
図6は、本体部40における溝49の下端近傍の拡大図を示している。同
図5,6に示すように、溝49は、本体部40の後板部40bを窪ませるようにして、上下方向に延設された細溝状に形成されている。溝49は、後板部40bにおいてUSBケーブルC1が収まり、且つそのケーブルC1が溝49からはみ出したり、容易に抜け出ない構成としている。
【0043】
図6に示す溝49の一方の縁49Eaには例えば、当該溝49の底49bに対し、庇状をなすように張出した複数の抑えリブ71が、前記延設方向に離間して一体形成されている。また、溝49の他方の縁49Ebには例えば、当該溝49の底49bに対して庇状をなすように張出し、且つその先端部72aが底49bへ向けて屈曲したフック形状の転落防止リブ72が、当該溝49の下端部側に一体形成されている。
図6に示すように、転落防止リブ72は、溝49においてコネクタC1aの幅寸法よりも狭く、且つ抑えリブ71と互い違いになる縁49Ebにあるため、そのフック形状によりケーブルC1乃至コネクタC1aが引っ掛ることで容易に抜けない構成としている。
【0044】
なお、USBケーブルC1の溝49を利用した配線を行う際、転落防止リブ72の対向面側の凹所74において、USBケーブルC1を迂回させるようにしてリブ72のフック形状下側へ導くことができる。また、溝49における型抜き用の開口部75を利用して、USBケーブルC1を各リブ71,72よりも内側へ容易に引き回すことができる。
【0045】
上記構成の作用について説明する。
遊技情報表示装置3は、その基台部50の取付面50dにて遊技機島に設置され、基台部50から導出された制御用ケーブルC3(
図2にのみ図示)や電源用ケーブルを介して、外部装置との通信や電源供給がなされるものとする。また、ケース体60は、表示装置本体30に対し取付片61,61にて取り付けられ、USBケーブルC1を介して、表示装置本体30の基台部50側からの電源供給に応じてLED65aの点灯制御が行われるものとする。
【0046】
この場合、遊技者は、ケース体60に収容されたPOP媒体70を、透明カバー67を透かして視認することができる。また、遊技情報表示装置3において、ケース体60は、
図4に示す本体部40が垂直位置や傾斜位置にあっても、その本体部40の上端縁に沿って起立する角度を前記20度の範囲内で調整することができる。ここで、起立とは、本体部40に対して立ち上がった状態にあって、遊技者がPOP媒体70を見た場合にその宣伝用の絵等が倒れていない状態を称するものである。
【0047】
また、遊技情報表示装置3は、制御部35により、LED65aへ供給する電力をON/OFF制御することで、LED65aを点灯/照灯する。この場合、遊技情報表示装置3において、対応する遊技機1の遊技状態つまり非稼動状態や、通常状態、前記ボーナス状態等に応じて、消灯、点灯、点滅等、LED65aの発光状態を切り替えることができる。
【0048】
ところで、遊技情報表示装置3において起立したケース体60は、その着脱等に際して、不用意に本体部40から転倒し或いは脱落するとも考えられる。もっとも、本実施形態のケース体60は、少なくともUSBケーブルC1が溝49に配線されていれば、本体部40から転落しようとするとき当該ケーブルC1乃至コネクタC1aがリブ72に引っ掛かることで、転落する事態を免れうる。
【0049】
また、ケース体60において、POP媒体70のセットは、単に透明カバー67を開いた後、POP媒体70を導光板65cに合わせるように配置して透明カバー67を閉じることにより行う。この場合、透明カバー67の開閉は、その係合部69,69に手指を掛けて手前に倒し或いは起すようにして、当該係合部69,69を被係合部68,68に係脱させることができ、簡単に開状態或いは閉状態にすることができる。
【0050】
上記実施形態によれば、次のような効果を奏する。
表示装置本体30の上端縁に沿って前面に透明カバー67を有するケース体60を取り付け、そのケース体60に任意の表示媒体を収納することによって表示装置本体30の液晶表示部33での表示内容とは別の情報を表示することができるので、表示可能な情報量を手軽に増加させることができる。また、表示装置本体30の上端縁に沿ってケース体60を取り付けたので、表示装置本体30とケース体60とが一体的な外観を成し、遊技者が視線を大きく移動させることなく両方の情報を視認することができる。
【0051】
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張したり、各変形例を上記実施形態と組合せたり、各変形例を組合せるようにしてもよい。
ケース体60は、その外形を矩形状に形成したが、これに限定するものではなく、例えば、三角形状や円弧状、或いは外形の一部に曲線を含む形状であってもよい。
【0052】
ケース体60側には、CPUを含む制御部を設けないようにしたが、ケース体60側に、LED65aの点灯を制御する制御部を設けるようにしてもよい。
表示装置本体30が表示する遊技情報の種類は、液晶表示部33における上記した遊技情報に限定されず、様々な種類の遊技情報を採用することができる。
【0053】
遊技機1としてスロットマシンを例示したが、パチンコ遊技機に対しても同様に適用することができる。
また、遊技媒体を払い出すタイプの遊技機1を前提としたが、遊技媒体を払い出さずに電子データとして記憶する完全クレジット式(封入式)の遊技機を対象としてもよい。
【0054】
上記した各数値は例示であり、例えば遊技情報表示装置3における、ケース体60の傾斜角度や本体部40の傾斜角度、或いはそれらを回動可能とする構成の有無も含め、適宜変更しうるものである。
【符号の説明】
【0055】
図面中、1は遊技機、3は遊技情報表示装置、30は表示装置本体、60はケース体、65は照明部材、70は表示媒体である。