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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-15
(45)【発行日】2022-08-23
(54)【発明の名称】家具駆動装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 1/14 20060101AFI20220816BHJP
   A47B 55/00 20060101ALI20220816BHJP
   E05D 3/06 20060101ALI20220816BHJP
   E05D 15/40 20060101ALI20220816BHJP
   E05F 15/611 20150101ALI20220816BHJP
【FI】
E05F1/14 A
A47B55/00
E05D3/06
E05D15/40
E05F15/611
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021535256
(86)(22)【出願日】2019-11-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-14
(86)【国際出願番号】 AT2019060385
(87)【国際公開番号】W WO2020124109
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-06-17
(31)【優先権主張番号】A51144/2018
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Julius Blum GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 1, 6973 Hoechst, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ホルツアプフェル
(72)【発明者】
【氏名】フィリプ シュルーゲ
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第3401481(EP,A1)
【文献】特開2017-012576(JP,A)
【文献】特表2010-540801(JP,A)
【文献】特開2003-174937(JP,A)
【文献】特開平11-132211(JP,A)
【文献】特開2003-230434(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 43/00-47/05
A47B 55/00-55/06
E05D 3/06- 3/18
E05D 15/40-15/46
E05F 1/14
E05F 15/00-15/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具本体(2)に対して相対的に可動に支承された家具部分(3)を動かすための家具駆動装置(6)であって、
-端面(25a)と、該端面(25a)から実質的に直角に張り出した少なくとも1つの長手面(25b)とを有しており、前記家具本体(2)の側壁(2a)内にまたは側壁(2a)に沿って取り付けることができる支持体(7)、
-可動の前記家具部分(3)を動かすための、旋回可能に支承された少なくとも1つの調整アーム(8)、
-取付け位置において実質的に水平方向に延在する、前記家具本体(2)の家具板(4)を取り付けるための、少なくとも1つの取付け装置(12a,12b)
を有する、家具駆動装置(6)において、
少なくとも1つの前記取付け装置(12a,12b)は、前記家具板(4)を取り付けるための、可動に支承された少なくとも1つの係止部材(26)を有しており、該係止部材(26)には、前記側壁(2a)に前記家具駆動装置(6)の取り付けられた状態で、手動でまたは工具を用いて行われる操作のために、前記支持体(7)の前記長手面(25b)の、外部に面した側からアプローチすることができるようになっていることを特徴とする、家具駆動装置(6)。
【請求項2】
当該家具駆動装置(6)は、少なくとも1つの前記調整アーム(8)に力を加える少なくとも1つのばね装置(9)および/または少なくとも1つの前記調整アーム(8)を駆動するための少なくとも1つの電気的な駆動装置(10)を有している、請求項1記載の家具駆動装置。
【請求項3】
少なくとも1つの前記取付け装置(12a,12b)は、前記家具板(4)を取り付けるための取付け手段(19)、好適にはねじまたはダボを通す、少なくとも1つの開口を有している、請求項1または2記載の家具駆動装置。
【請求項4】
前記係止部材(26)は、回動可能に支承された偏心結合体を有している、請求項1から3までのいずれか1項記載の家具駆動装置。
【請求項5】
当該家具駆動装置(6)の前記係止部材(26)は、前記家具板(4)に取り付けられるべき取付け手段(19)に解離可能に係止可能であり、好適には、前記取付け手段(19)は、ねじまたはダボとして形成されており、特に好適には、前記取付け手段(19)は、前記家具板(4)の端面(4a)に取り付けられるようになっている、請求項1から4までのいずれか1項記載の家具駆動装置。
【請求項6】
当該家具駆動装置(6)は、前記家具本体(2)の前記側壁(2a)内にまたは前記側壁(2a)に沿って取り付けるための、少なくとも1つの第2の取付け装置(20)を有しており、好適には、該第2の取付け装置(20)は、取付け手段(15)、好適にはねじを通すための孔として形成されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の家具駆動装置。
【請求項7】
少なくとも1つの第3の取付け装置(22)を備えた、前記支持体(7)とは別個の、少なくとも1つの取付け部材(14)が設けられており、該取付け部材(14)は、前記第3の取付け装置(22)を介して、前記家具本体(2)の前記側壁(2a)内にまたは前記側壁(2a)に沿って取り付けられる、請求項1から6までのいずれか1項記載の家具駆動装置。
【請求項8】
家具本体(2)、該家具本体(2)に対して相対的に可動に支承された家具部分(3)、および可動の該家具部分(3)を動かすための、少なくとも1つの、請求項1から7までのいずれか1項記載の家具駆動装置(6)を備えた家具(1)において、好適には、可動の前記家具部分(3)は取付け状態において、実質的に水平方向に延在する回転軸線を中心として、前記家具本体(2)に対して相対的に旋回可能に支承されていることが想定されている、家具(1)。
【請求項9】
当該家具(1)は、実質的に鉛直方向に延在する側壁(2a)と、取付け状態において水平方向に延在する少なくとも1つの家具板(4)とを有しており、前記家具駆動装置(6)の支持体(7)は、前記側壁(2a)内にまたは前記側壁(2a)に沿って取り付けられており、前記家具駆動装置(6)の少なくとも1つの取付け装置(12a,12b)は、前記家具板(4)に結合されている、請求項8記載の家具。
【請求項10】
前記家具駆動装置(6)の前記支持体(7)は、少なくとも部分的に、好適には実質的に完全に、前記家具本体(2)の前記側壁(2a)の内部に収容されている、請求項8または9記載の家具。
【請求項11】
前記家具駆動装置(6)は、前記側壁(2a)の最上部の領域に配置されている、請求項8から10までのいずれか1項記載の家具。
【請求項12】
少なくとも1つの前記取付け装置(12a,12b)は、前記支持体(7)の少なくとも1つの長手面(25b)の領域に配置されている、請求項8から11までのいずれか1項記載の家具。
【請求項13】
前記家具駆動装置(6)は、実質的に完全に、前記側壁(2a)の凹部(11)の内部に収容されており、好適には、前記側壁(2a)の前記凹部(11)は、前記側壁(2a)の端面(17a)および/または上(17b)に対して開放して形成されている、請求項8から12までのいずれか1項記載の家具。
【請求項14】
前記家具駆動装置(6)の少なくとも1つの調整アーム(8)は、完全な閉鎖位置と完全な開放位置との間で旋回可能に支承されており、前記調整アーム(8)は、前記完全な閉鎖位置では少なくとも部分的に、好適には実質的に全体が、前記家具本体(2)の前記側壁(2a)の内部に収容されている、請求項8から13までのいずれか1項記載の家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家具本体に対して相対的に可動に支承された家具部分を動かすための家具駆動装置であって、
-端面と、端面から実質的に直角に張り出した少なくとも1つの長手面とを有しており、家具本体の側壁内にまたは側壁に沿って取り付けることができる支持体、
-可動の家具部分を動かすための、旋回可能に支承された少なくとも1つの調整アーム、
-取付け位置において実質的に水平方向に延在する家具本体の家具板を取り付けるための、少なくとも1つの取付け装置
を有する、家具駆動装置に関する。
【0002】
さらに本発明は、家具本体と、家具本体に対して相対的に可動に支承された家具部分と、可動の家具部分を動かすための、少なくとも1つの、説明しようとする形式の家具駆動装置とを備えた家具に関する。
【0003】
家具フラップを動かすための、旋回可能に支承された調整アームを備えた家具駆動装置は、例えば国際公開第2006005086号に記載されている。
【0004】
このような家具駆動装置の支持体は、一般に家具本体の側壁に取り付けられ、この場合、調整アームは取付け状態において、一方では水平方向に延在する軸線の周りで支持体に結合可能でありかつ他方では家具フラップに結合可能であり、これにより家具フラップを、鉛直方向の閉鎖位置から、水平方向に延在する回転軸線を中心として、家具本体に対して相対的に持ち上げることができるようになっている。支持体が、家具本体の側壁において可能な限り高い位置に取り付けられていることにより、家具フラップの運動学が改良され得る、ということを、本出願人の試験が証明した。一般に、側壁における家具駆動装置の最大取付け高さは、側壁と、家具本体の天板との間の結合領域に基づき設定される。側壁と、家具本体の天板との間の結合は、一般にねじ、ダボおよび/または薄板を介して生ぜしめられ、これにより家具駆動装置の最大取付け高さが制限され、家具フラップの運動学がネガティブに損なわれることがある。
【0005】
水平方向に延在する家具板に支持体を取り付けるための取付け装置を備えた家具駆動装置は、例えば欧州特許出願公開第2078811号明細書および欧州特許出願公開第2551432号明細書から公知である。
【0006】
欧州特許出願公開第3401481号明細書に示された、家具フラップを動かすための家具駆動装置では、支持体の長手面に配置されたねじ(図4)が、家具本体の天板への取付け用に設けられている。このことに関する欠点は、家具駆動装置の取付け状態では、ねじに、支持体の内側からしかアプローチすることができず、ねじの操作が、支持体の内部に配置された構成部材(旋回アーム、蓄力部材)により妨げられる、という点にある。ねじに対するアプローチを改善するために、ねじは、山形部材の、斜めに方向付けられた貫通開口を通って案内されており、これにより、ねじは家具本体の天板に、斜めに螺入することができるようになっている。
【0007】
本発明の課題は、冒頭で述べた上位概念に記載の家具駆動装置を、上述した欠点を回避して提供することにある。
【0008】
このことは本発明に基づき、特許請求項1記載の特徴により解決される。本発明の別の有利な実施例は、各従属請求項に定義されている。
【0009】
本発明では、少なくとも1つの取付け装置は、家具板を取り付けるための、可動に支承された少なくとも1つの係止部材を有している、ということが想定されており、係止部材には、手動でまたは工具を用いて行われる操作のために、支持体の長手面の、外部に面した側からアプローチすることができるようになっている。
【0010】
つまり、家具駆動装置は、取付け状態において水平方向に延在する家具板(好適には家具本体の天板または棚板)を取り付けるための、少なくとも1つの取付け装置を有しており、側壁と、水平方向に延在する家具板との間の結合が少なくとも部分的に、家具駆動装置により担われる。換言すると、家具駆動装置は、側壁と家具板との間の結合部材としても働き、これにより、側壁と家具板との間の取付け手段の数を減らすことができる。最終的に、家具駆動装置を、家具本体の極めて高い位置に取り付けることができ、これによる動力学の改良に伴い、所望の効果も生じることになる。
【0011】
可動に支承された係止部材に加え、少なくとも1つの取付け装置は、家具板を取り付けるための取付け手段、好適にはねじまたはダボを通す、少なくとも1つの開口を有していてよい。
【0012】
例えば、係止部材は、回動可能に支承された少なくとも1つの偏心結合体を有している、ということが想定されていてよい。
【0013】
家具駆動装置の係止部材は、家具板に取り付けられるべき取付け手段に解離可能に係止可能であり、この場合、好適には、取付け手段は、ねじまたはダボとして形成されている、ということが想定されている。特にこの場合、取付け手段は家具板の端面に取り付けられる、ということが想定されていてもよい。
【0014】
本発明による家具は、家具本体、家具本体に対して相対的に可動に支承された家具部分、および可動の家具部分を動かすための、上述した形式の少なくとも1つの家具駆動装置を有しており、好適には、可動の家具部分は取付け状態において、実質的に水平方向に延在する回転軸線を中心として、家具本体に対して相対的に旋回可能に支承されている、ということが想定されている。家具は、実質的に鉛直方向に延在する側壁と、取付け状態において水平方向に延在する少なくとも1つの家具板とを有しており、家具駆動装置の支持体は、側壁内にまたは側壁に沿って取り付けられており、家具駆動装置の少なくとも1つの取付け装置は、家具板に結合されている。
【0015】
家具駆動装置の支持体は、少なくとも部分的に、好適には実質的に完全に、家具本体の側壁の内部に収容されていてよく、これにより、家具本体における極めてコンパクトで視覚的に目立たない配置が生じることになる。
【0016】
支持体は、端面と、端面から実質的に直角に張り出した少なくとも1つの長手面とを有しており、この場合、手動でまたは工具を用いて行われる操作のために、少なくとも1つの取付け装置には、支持体の、外部に面した長手面側からアプローチすることができるようになっている。
【0017】
本発明の別の詳細および利点は、以下の図面の説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1aおよび図1bは、家具本体と可動の家具部分とを備えた家具を示す斜視図および分解図である。
図2】側壁に取り付けられた家具駆動装置の取付け状態を示す図である。
図3図3aおよび図3bは、家具板と側壁との間の結合領域を示す2つの異なる図である。
図4図4aおよび図4bは、回動可能に支承された係止部材を備えた家具駆動装置の1つの可能な実施例を、解離位置と緊締位置とで示す図である。
【0019】
図1aには、家具本体2と、可動の家具部分3とを備えた家具1の斜視図が示されており、可動の家具部分3は家具駆動装置6を介して、鉛直方向の閉鎖位置と、持ち上げられた開放位置との間で、家具本体2に対して相対的に可動である。家具本体2は、向かい合う2つの側壁2a,2bと、取付け状態において水平方向に向けられる、天板の形態の家具板4と、後壁5とを有している。家具駆動装置6は、側壁2aに沿ってまたは側壁2a内に取り付けられるべき支持体7を有しており、支持体7は、図示の実施例では実質的に、側壁2aの内部に完全に収容されている。
【0020】
図1bには、家具1の分解図が示されており、この場合、可動の家具部分3と側壁2bとは、見やすさの理由から図示されていない。家具本体2は、側壁2aおよび2bと、底板18と、水平方向に向けられた、天板の形態の家具板4と、後壁5とを有している。
【0021】
可動の家具部分3を動かすための家具駆動装置6は、少なくとも部分的に好適には実質的に完全に、側壁2aの内部に収容可能である。このために側壁2aは凹部11を有しており、凹部11は、図示の実施例では側壁2aの端面17aおよび/または上17bに対して開いているように形成されている。家具駆動装置6は支持体7を有しており、支持体7には少なくとも1つの調整アーム8が、取付け状態において水平方向に延在する軸線13を中心として旋回可能に支承されている。家具駆動装置6は、少なくとも1つの調整アーム8に力を加える少なくとも1つのばね装置9および/または少なくとも1つの調整アーム8を駆動するための少なくとも1つの電気的な駆動装置10を有していてよい。
【0022】
家具駆動装置6は、水平方向に延在する家具板4を取り付けるための、少なくとも1つの取付け装置12a,12bを有している。この取付け装置12a,12bは、取付け手段19、好適にはねじまたはダボを通すための少なくとも1つの開口、および/または家具板4を取り付けるために可動に支承された少なくとも1つの係止部材26(図3a)、例えば回動可能に支承された偏心結合体を有していてよく、したがって家具駆動装置6は、取付け状態では家具板4と側壁2aとの間の結合部材としても働く。家具駆動装置6の取付け装置12a,12bと解離可能に結合する取付け手段19は、取付け状態では家具板4の端面4aに配置されていてよい。
【0023】
家具駆動装置6は、家具本体2の側壁2a内にまたは側壁2aに沿って取り付けるための、少なくとも1つの第2の取付け装置20を有していてよく、この場合、好適には、第2の取付け装置20は、別の取付け手段15、好適にはねじを通すための孔として形成されている、ということが想定されている。
【0024】
図示するように、第3の取付け装置22を備えた、支持体7とは別個の、少なくとも1つの取付け部材14が設けられており、この場合、取付け部材14は第3の取付け装置22を介して、家具本体2の側壁2a内にまたは側壁2aに沿って取り付けられる。最も簡単なケースでは、第3の取付け装置22もやはり、さらに別の取付け手段16、好適にはねじを通すための孔として形成されていてよい。
【0025】
家具板4を取り付けるためにはまず、2つの取付け手段19が家具板4に予め取り付けられ、この場合、好適には、取付け手段19は取付け状態において、家具板4の端面4aから側方に突出している、ということが想定されている。続く取付けステップにおいて、取付け部材14が側壁2aの上17bから側壁2aの凹部11に挿入され、第3の取付け装置22を介して側壁2aに沿ってまたは側壁2a内に取り付けられる。次いで、支持体7が側壁2aの端面17aから側壁2aの凹部11に、正面から挿入される。
【0026】
引き続く取付けステップにおいて、家具板4に予め取り付けられた取付け手段19が、側壁2aの2つの開口23a,23bに挿入され、このとき第1の取付け手段19は家具駆動装置6の前側の取付け装置12aと解離可能に結合され、かつ第2の取付け手段19は家具駆動装置6の後ろ側の取付け装置12bと解離可能に結合され、これにより、支持体7と取付け板14とを側壁2aの凹部11内で互いに相対的に緊締することができる。
【0027】
図2には、家具本体2を有する家具1が斜視図で示されており、この場合、家具駆動装置6は大部分が、家具本体2の側壁2aの内部に収容されている。取付け状態において、家具駆動装置6は少なくとも片側、好適には両側を、側壁2aのカバー層によりカバーされていてよく、これにより、家具駆動装置6の極めてコンパクトで視覚的に目立たない配置が生じることになる。家具本体2の側壁2aの凹部11は、止まり穴または貫通孔として形成されていてよい。
【0028】
調整アーム8には、可動の家具部分3の裏側に取り付けられる、複数の取付け手段24が設けられている。可動の家具部分3は、一般的な家具ヒンジを介して家具板4の下側に旋回可能に取り付けられ、家具駆動装置6の調整アーム8により、鉛直方向の閉鎖位置と、持ち上げられた開放位置との間で、家具本体2に対して相対的に動かすことができる。家具駆動装置6の調整アーム8は、完全な閉鎖位置と完全な開放位置との間で旋回可能に支承されており、この場合、調整アーム8は、完全な閉鎖位置では少なくとも部分的に、好適には実質的に全体が、家具本体2の側壁2aの内部に収容されている。
【0029】
これに関連して、調整アーム8の少なくとも1つの取付け手段24が-自体公知のように-可動の家具部分3に取り付けられるべき金具体(図示せず)に解離可能に係止可能であると、有利であり得る。側壁2aの凹部11内に少なくとも部分的に埋設された家具駆動装置6の調整アーム8の場合、調整アーム8がその閉鎖位置において解離可能に係止されており、かつ可動の家具部分3の金具体が、調整アーム8の閉鎖位置において、可動の家具部分3を調整アーム8に取り付けるために、可動の家具部分3を家具本体2の側壁2aの端面17aに向かって手動で押し当てられることにより、自動的に調整アーム8に係止可能であると有利である。
【0030】
図3aには、水平方向に延在する家具板4と側壁2aとの間の結合領域が詳細図で示されている。家具板4に配置されるべき取付け手段19は、破線で示されている。支持体7は端面25aと、端面25aから実質的に直角に張り出した少なくとも1つの長手面25bとを有しており、この場合、手動でまたは工具を用いて行われる操作のために、少なくとも1つの取付け装置12a,12bには、長手面25bの、外部に面した側から自由にアプローチすることができる。取付け装置12a,12bは、取付け手段19を解離可能に係止するための、可動に支承された少なくとも1つの係止部材26を有している。係止部材26は、回動可能に支承されていてよくかつ工具取付け部を有していてよく、この場合、係止部材26は、工具により工具取付け部を回動させることにより回動可能である。このようにして、係止部材26を取付け手段19に解離可能に係止することができる。取付け状態において係止部材26には、側壁2aの上17bから、すなわち支持体7の長手面25bから操作して家具板4を着脱するために、自由にアプローチすることができるようになっている。
【0031】
図3bには、図3aに示した結合領域が示されており、この場合、家具板4は示されていない。家具板4に取り付けられるべき取付け手段19は、ねじ山部分を有しており、ねじ山部分は、一方では家具板4の端面4a(図1b)に螺入可能でありかつ他方では取付け装置12a,12bの係止部材26に解離可能に係止可能である。
【0032】
図4aには、家具板4(ここには図示せず)を解離可能に結合するための取付け装置12aを備えた家具駆動装置6の部分領域が示されている。家具板4に予め取り付けられた取付け手段19は、取付け装置12aの係止部材26に解離可能に係止可能であり、この場合、図4aに示す係止部材26は、解離位置に位置している。工具、好適にはドライバを用いて係止部材26を回動させることにより、取付け手段19が係止部材26の方に引き寄せられ、これにより家具板4が、家具本体2の側壁2aに圧着されることになる。係止部材26の緊締位置は、図4bに示されている。取付け装置12aの係止部材26は、例えば独国実用新案第29714853号明細書に記載されているような、従来技術に基づき周知の少なくとも1つの偏心結合体を有していてよい。このような偏心結合体は、一般に2つの部分から形成されておりかつピンの形態の取付け手段19と、取付け手段19とは別個の回動可能な金属円筒とから成っている。金属円筒は、偏心的に形成されたガイド面を有しており、ガイド面は、ピンの形態の取付け手段19のヘッドに背面から係合する。工具を用いて金属円筒を回動させることにより、取付け手段19のヘッドが偏心的なガイド面に沿ってガイドされ、これにより、取付け手段19(ひいては家具板4)が側壁2aに引き寄せられることになる。
【0033】
図1bに示す家具駆動装置6の実施例は、家具板4を取り付けるための、互いに別個の2つの取付け装置12a,12bを有しており、この場合、取付け装置12a,12bは、支持体7の長手面25bに沿って互いに間隔をあけて配置されておりかつ家具駆動装置6の取付け状態では、それぞれユーザによる操作のために、取付け装置12a,12bに自由にアプローチすることができるようになっている。
図1a
図1b
図2
図3a
図3b
図4a
図4b