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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-15
(45)【発行日】2022-08-23
(54)【発明の名称】モジュール式床被覆システム
(51)【国際特許分類】
   A47G 27/02 20060101AFI20220816BHJP
   E04F 15/00 20060101ALI20220816BHJP
【FI】
A47G27/02 106A
E04F15/00
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022010788
(22)【出願日】2022-01-27
(65)【公開番号】P2022115098
(43)【公開日】2022-08-08
【審査請求日】2022-03-09
(31)【優先権主張番号】63/142,025
(32)【優先日】2021-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/241,180
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/464,767
(32)【優先日】2021-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522037595
【氏名又は名称】アパレイタス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘンディファー ガブリエル
【審査官】遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-501569(JP,A)
【文献】実開昭52-047813(JP,U)
【文献】特開2001-286432(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0172968(US,A1)
【文献】特開2012-101108(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0279038(US,A1)
【文献】特開2004-100378(JP,A)
【文献】特表2005-519704(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103967259(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の床カバーと、
前記第1の床カバーから離間された第2の床カバーと、
前記第1の床カバーおよび前記第2の床カバーを互いに接続する第1の接続部材と、
を備えるモジュール式床被覆システムであって、
前記第1の床カバーは、上面および底面を有し、前記上面および底面は、前記第1の床カバーの第1の縁部を画定し、
前記第1の床カバーは、
前記第1の床カバーに形成され、前記第1の床カバーの前記第1の縁部に隣接して配設された第1の貫通開口部と、
前記第1の床カバーの前記上面に沿って前記第1の貫通開口部の少なくとも一部を囲繞する凹部と、
をさらに備え、
囲繞する前記凹部および前記第1の貫通開口部の一部は、前記第1の床カバーに上部空間を共に画定し、
前記第2の床カバーは、上面および底面を有し、前記上面および底面は、前記第2の床カバーの第1の縁部を画定し、
前記第2の床カバーは、
前記第2の床カバーに形成され、前記第2の床カバーの前記第1の縁部に隣接して配設された第の貫通開口部と、
前記第2の床カバーの前記上面に沿って前記第2の床カバーの前記第の貫通開口部の少なくとも一部を囲繞する凹部と、
をさらに備え、
前記第2の床カバーにおける囲繞する前記凹部および前記第2の床カバーの前記第の貫通開口部の一部は、前記第2の床カバーに上部空間を共に画定し、
前記第1の接続部材は、
前記第1および第2の床カバーの前記底面に沿って延在する接続要素と、
前記第1の床カバーの前記上部空間内に配設される第1の締結具と、
前記第2の床カバーの前記上部空間内に配設される第2の締結具と、
を備え、
前記接続要素は、
前記第1の床カバーの前記第1の貫通開口部内に配置される第1の端部と、
前記第2の床カバーの前記第の貫通開口部内に配置される第2の端部と、
を有し、
前記第1の締結具は、前記第1の床カバーの前記第1の貫通開口部を囲繞する前記凹部の少なくとも一部と係合するように、前記接続要素の前記第1の端部に選択的に取り付けられ、
前記第1の締結具は、前記第1の床カバーの前記上面の上方に突出しないように、前記第1の床カバーの前記上部空間内に完全に延在し、
前記第2の締結具は、前記第2の床カバーの前記第の貫通開口部を囲繞する前記凹部の少なくとも一部と係合するように、前記接続要素の前記第2の端部に選択的に取り付けられ、
前記第2の締結具は、前記第2の床カバーの前記上面の上方に突出しないように、前記第2の床カバーの前記上部空間内に完全に延在し、
前記第1の床カバーは、前記第1の床カバーの前記凹部に沿ったパイル構造を有する布材料から形成され、前記パイル構造は、前記第1の床カバーの残りの部分に沿ったパイル構造と異なり、
前記第1の床カバーの前記凹部は第1の布パイルを有し、前記第1の床カバーの前記残りの部分は第2の布パイルを有し、前記第1の布パイルの高さが前記第2の布パイルの高さよりも低
前記第1の床カバーの前記第1の縁部および前記第2の床カバーの前記第1の縁部は、
前記第1の床カバーの前記第1の縁部と前記第2の床カバーの前記第1の縁部とを隔てる間隙を画定し、
前記第1の接続部材の前記接続要素は、
中央に配設された本体と、
前記本体から第1の方向に延在する第1のアームと、
前記本体から、前記第1の方向と反対方向である第2の方向に延在する第2のアームと、
前記第1のアームから前記第1の床カバーの前記第1の貫通開口部内へと上方に突出する第1の結合部品と、
前記第2のアームから前記第2の床カバーの前記第2の貫通開口部内へと上方に突出する第2の結合部品と、
を備え、
前記本体は、前記第1の床カバーの前記第1の縁部を前記第2の床カバーの前記第1の縁部から隔てる前記間隙に沿って延びるように中央に配設され、
前記第1の結合部品は、前記接続要素の前記第1の端部に配設され、
前記第2の結合部品は、前記接続要素の前記第2の端部に配設される、ことを特徴とするモジュール式床被覆システム。
【請求項2】
前記第1の床カバーの前記凹部に沿った前記布材料は、前記第1の床カバーの前記残りの部分に沿った前記布材料と異なる質を有する、ことを特徴とする請求項1に記載のモジュール式床被覆システム。
【請求項3】
前記第2の床カバーは、前記第2の床カバーの前記凹部に沿ったパイル構造を有する布材料から形成され、前記パイル構造は前記第2の床カバーの前記残りの部分に沿ったパイル構造と異なる、ことを特徴とする請求項1に記載のモジュール式床被覆システム。
【請求項4】
前記第2の床カバーの前記凹部は第1の布パイルを有し、前記第2の床カバーの前記残りの部分は第2の布パイルを有し、
前記第2の床カバーの前記第1の布パイルの高さは、前記第2の床カバーの前記第2の布パイルの高さより低い、ことを特徴とする請求項3に記載のモジュール式床被覆システム。
【請求項5】
前記第1の床カバーおよび前記第2の床カバーを互いに接続する第2の接続部材をさらに備え、
前記第1の床カバーは、
前記第1の床カバーに形成され、前記第1の床カバーの前記第1の縁部に隣接して配設された第の貫通開口部と、
前記第1の床カバーの前記上面に沿って前記第の貫通開口部の少なくとも一部を囲繞する第2の凹部と、
をさらに備え、
囲繞する前記第2の凹部および前記第の貫通開口部の一部は、前記第1の床カバーに第2の上部空間を共に画定し、前記第1の床カバーの前記第2の上部空間は、前記第1の床カバーの前記上部空間から離間されており、
前記第2の床カバーは、
前記第2の床カバーに形成され、前記第2の床カバーの前記第1の縁部に隣接して配設された第の貫通開口部と、
前記第2の床カバーの前記上面に沿って前記第2の床カバーの前記第の貫通開口部の少なくとも一部を囲繞する第2の凹部と、
をさらに備え、
前記第2の床カバーにおける囲繞する前記第2の凹部および前記第2の床カバーの前記第の貫通開口部の一部は、前記第2の床カバーに第2の上部空間を共に画定し、前記第2の床カバーの前記第2の上部空間は、前記第2の床カバーの前記上部空間から離間されており、
前記第2の接続部材は、
前記第1および前記第2の床カバーの前記底面に沿って延在する接続要素と、
前記第1の床カバーの前記第2の上部空間内に配設される第1の締結具と、
前記第2の床カバーの前記第2の上部空間内に配設される第2の締結具と、
を備え、
前記接続要素は、
前記第1の床カバーの前記第の貫通開口部内に配置される第1の端部と、
前記第2の床カバーの前記第の貫通開口部内に配置される第2の端部と、
を有し、
前記第2の接続部材の前記第1の締結具は、前記第2の接続部材の前記第1の締結具が前記第1の床カバーの前記第の貫通開口部を囲繞する前記第2の凹部の少なくとも一部と係合するように、前記第2の接続部材の前記接続要素の前記第1の端部に選択的に取り付けられ、
前記第2の接続部材の前記第1の締結具は、前記第2の接続部材の前記第1の締結具が前記第1の床カバーの前記上面の上方に突出しないように、前記第1の床カバーの前記第2の上部空間内に完全に延在し、
前記第2の締結具は、前記第2の接続部材の前記第2の締結具が前記第2の床カバーの前記第の貫通開口部を囲繞する前記第2の凹部の少なくとも一部と係合するように、前記第2の接続部材の前記接続要素の前記第2の端部に選択的に取り付けられ、
前記第2の接続部材の前記第2の締結具は、前記第2の接続部材の前記第2の締結具が前記第2の床カバーの前記上面の上方に突出しないように、前記第2の床カバーの前記第2の上部空間内に完全に延在する、ことを特徴とする請求項1に記載のモジュール式床被覆システム。
【請求項6】
前記第1の床カバーの前記第1の縁部および前記第2の床カバーの前記第1の縁部は、前記第1の床カバーの前記第1の縁部と前記第2の床カバーの前記第1の縁部とを隔てる間隙を画定し、前記間隙の幅は寸法が一定である、ことを特徴とする請求項5に記載のモジュール式床被覆システム。
【請求項7】
前記第1の結合部品は、ねじ付き雌要素であり、前記第1の締結具は、前記ねじ付き雌要素と選択的に係合可能なねじ付き雄要素である、ことを特徴とする請求項に記載のモジュール式床被覆システム。
【請求項8】
前記第1の結合部品は、ねじ付き雄要素であり、前記第1の締結具は、前記ねじ付き雄要素と選択的に係合可能なねじ付き雌要素である、ことを特徴とする請求項に記載のモジュール式床被覆システム。
【請求項9】
第1の床カバーと、
前記第1の床カバーから離間された第2の床カバーと、
前記第1の床カバーおよび前記第2の床カバーを互いに接続する第1の接続部材と、
を備えるモジュール式床被覆システムであって、
前記第1の床カバーは、上面および底面を有し、前記上面および底面は、前記第1の床カバーの第1の縁部を画定し、
前記第1の床カバーは、
前記第1の床カバーに形成され、前記第1の床カバーの前記第1の縁部に隣接して配設された第1の貫通開口部と、
前記第1の床カバーの前記上面に沿って前記第1の貫通開口部の少なくとも一部を囲繞する凹部と、
をさらに備え、
囲繞する前記凹部および前記第1の貫通開口部の一部は、前記第1の床カバーに上部空間を共に画定し、
前記第2の床カバーは、上面および底面を有し、前記上面および底面は、前記第2の床カバーの第1の縁部を画定し、
前記第2の床カバーは、
前記第2の床カバーに形成され、前記第2の床カバーの前記第1の縁部に隣接して配設された第の貫通開口部と、
前記第2の床カバーの前記上面に沿って前記第2の床カバーの前記第の貫通開口部の少なくとも一部を囲繞する凹部と、
をさらに備え、
前記第2の床カバーにおける囲繞する前記凹部および前記第2の床カバーの前記第の貫通開口部の一部は、前記第2の床カバーに上部空間を共に画定し、
前記第1の接続部材は、
前記第1および第2の床カバーの前記底面に沿って延在する接続要素と、
前記第1の床カバーの前記上部空間内に配設される第1の締結具と、
前記第2の床カバーの前記上部空間内に配設される第2の締結具と、
を備え、
前記接続要素は、
前記第1の床カバーの前記第1の貫通開口部内に配置される第1の端部と、
前記第2の床カバーの前記第の貫通開口部内に配置される第2の端部と、
を有し、
前記第1の締結具は、前記第1の床カバーの前記第1の貫通開口部を囲繞する前記凹部の少なくとも一部と係合するように、前記接続要素の前記第1の端部に選択的に取り付けられ、前記第1の締結具は、前記第1の床カバーの前記上面の上方に突出しないように、前記第1の床カバーの前記上部空間内に完全に延在し、
前記第2の締結具は、前記第2の床カバーの前記第の貫通開口部を囲繞する前記凹部の少なくとも一部と係合するように、前記接続要素の前記第2の端部に選択的に取り付けられ、前記第2の締結具は、前記第2の床カバーの前記上面の上方に突出しないように、前記第2の床カバーの前記上部空間内に完全に延在し、
前記第1の床カバーは、前記第1の床カバーの前記凹部に沿ったパイル構造を有する布材料から形成され、前記パイル構造は、前記第1の床カバーの残りの部分に沿ったパイル構造と異なり、
前記第1の床カバーの前記凹部に沿った前記布材料は、前記第1の床カバーの前記残りの部分に沿った前記布材料とは異なる質をし、
前記第1の床カバーの前記第1の縁部および前記第2の床カバーの前記第1の縁部は、
前記第1の床カバーの前記第1の縁部と前記第2の床カバーの前記第1の縁部とを隔てる間隙を画定し、
前記第1の接続部材の前記接続要素は、
中央に配設された本体と、
前記本体から第1の方向に延在する第1のアームと、
前記本体から、前記第1の方向と反対方向である第2の方向に延在する第2のアームと、
前記第1のアームから前記第1の床カバーの前記第1の貫通開口部内へと上方に突出する第1の結合部品と、
前記第2のアームから前記第2の床カバーの前記第2の貫通開口部内へと上方に突出する第2の結合部品と、
を備え、
前記本体は、前記第1の床カバーの前記第1の縁部を前記第2の床カバーの前記第1の縁部から隔てる前記間隙に沿って延びるように中央に配設され、
前記第1の結合部品は、前記接続要素の前記第1の端部に配設され、
前記第2の結合部品は、前記接続要素の前記第2の端部に配設される、ことを特徴とするモジュール式床被覆システム。
【請求項10】
第1の床カバーと、
前記第1の床カバーから離間された第2の床カバーと、
前記第1の床カバーおよび前記第2の床カバーを互いに接続する第1の接続部材と、
前記第1の床カバーおよび前記第2の床カバーを互いに接続する第2の接続部材と、
を備えるモジュール式床被覆システムであって、
前記第1の床カバーは、上面および底面を有し、前記上面および底面は、前記第1の床カバーの第1の縁部を画定し、
前記第1の床カバーは、
前記第1の床カバーに形成され、前記第1の床カバーの前記第1の縁部に隣接して配設された第1の貫通開口部と、
前記第1の床カバーの前記上面に沿って前記第1の貫通開口部の少なくとも一部を囲繞する凹部と、
をさらに備え、
囲繞する前記凹部および前記第1の貫通開口部の一部は、前記第1の床カバーに上部空間を共に画定し、
前記第2の床カバーは、上面および底面を有し、前記上面および底面は、前記第2の床カバーの第1の縁部を画定し、
前記第2の床カバーは、
前記第2の床カバーに形成され、前記第2の床カバーの前記第1の縁部に隣接して配設された第の貫通開口部と、
前記第2の床カバーの前記上面に沿って前記第2の床カバーの前記第の貫通開口部の少なくとも一部を囲繞する凹部と、
をさらに備え、
前記第2の床カバーにおける囲繞する前記凹部および前記第2の床カバーの前記第の貫通開口部の一部は、前記第2の床カバーに上部空間を共に画定し、
前記第1の接続部材は、
前記第1および第2の床カバーの前記底面に沿って延在する接続要素と、
前記第1の床カバーの前記上部空間内に配設される第1の締結具と、
前記第2の床カバーの前記上部空間内に配設される第2の締結具と、
を備え、
前記接続要素は、
前記第1の床カバーの前記第1の貫通開口部内に配置される第1の端部と、
前記第2の床カバーの前記第の貫通開口部内に配置される第2の端部と、
を有し、
前記第1の締結具は、前記第1の床カバーの前記第1の貫通開口部を囲繞する前記凹部の少なくとも一部と係合するように、前記接続要素の前記第1の端部に選択的に取り付けられ、前記第1の締結具は、前記第1の床カバーの前記上面の上方に突出しないように、
前記第1の床カバーの前記上部空間内に完全に延在し、
前記第2の締結具は、前記第2の床カバーの前記第の貫通開口部を囲繞する前記凹部の少なくとも一部と係合するように、前記接続要素の前記第2の端部に選択的に取り付けられ、前記第2の締結具は、前記第2の床カバーの前記上面の上方に突出しないように、
前記第2の床カバーの前記上部空間内に完全に延在し、
前記第1の床カバーは、
前記第1の床カバーに形成され、前記第1の床カバーの前記第1の縁部に隣接して配設された第の貫通開口部と、
前記第1の床カバーの前記上面に沿って前記第の貫通開口部の少なくとも一部を囲繞する第2の凹部と、
をさらに備え、
囲繞する前記第2の凹部および前記第の貫通開口部の一部は、前記第1の床カバーに第2の上部空間を共に画定し、前記第1の床カバーの前記第2の上部空間は、前記第1の床カバーの前記上部空間から離間されており、
前記第2の床カバーは、
前記第2の床カバーに形成され、前記第2の床カバーの前記第1の縁部に隣接して配設された第の貫通開口部と、
前記第2の床カバーの前記上面に沿って前記第2の床カバーの前記第の貫通開口部の少なくとも一部を囲繞する第2の凹部と、
をさらに備え、
前記第2の床カバーにおける囲繞する前記第2の凹部および前記第2の床カバーの前記第の貫通開口部の一部は、前記第2の床カバーに第2の上部空間を共に画定し、前記第2の床カバーの前記第2の上部空間は、前記第2の床カバーの前記上部空間から離間されており、
前記第2の接続部材は、
前記第1および第2の床カバーの前記底面に沿って延在する接続要素と、
前記第1の床カバーの前記第2の上部空間内に配設される第1の締結具と、
前記第2の床カバーの前記第2の上部空間内に配設される第2の締結具と、
を備え、
前記接続要素は、
前記第1の床カバーの前記第の貫通開口部内に配置される第1の端部と、
前記第2の床カバーの前記第の貫通開口部内に配置される第2の端部と、
を備え、
前記第2の接続部材の前記第1の締結具は、前記第1の床カバーの前記第の貫通開口部を囲繞する前記第2の凹部の少なくとも一部と係合するように、前記第2の接続部材の前記接続要素の前記第1の端部に選択的に取り付けられ、前記第2の接続部材の前記第1の締結具は、前記第1の床カバーの前記上面の上方に突出しないように、前記第1の床カバーの前記第2の上部空間内に完全に延在し、
前記第2の接続部材の前記第2の締結具は、前記第2の床カバーの前記第の貫通開口部を囲繞する前記第2の凹部の少なくとも一部と係合するように、前記第2の接続部材の前記接続要素の前記第2の端部に選択的に取り付けられ、前記第2の接続部材の前記第2の締結具は、前記第2の床カバーの前記上面の上方に突出しないように、前記第2の床カバーの前記第2の上部空間内に完全に延在し、
前記第1の床カバーの前記第1の縁部および前記第2の床カバーの前記第1の縁部は、前記第1の床カバーの前記第1の縁部と前記第2の床カバーの前記第1の縁部とを隔てる間隙を画定し、前記間隙の幅は寸法が一定であり、
前記第1の床カバーは、前記第1の床カバーの前記凹部に沿ったパイル構造を有する布材料から形成され、前記パイル構造は、前記第1の床カバーの残りの部分に沿ったパイル構造と異なり、
前記第1の床カバーの前記凹部は第1の布パイルを有し、前記第1の床カバーの前記残りの部分は第2の布パイルを有し、前記第1の布パイルの高さが前記第2の布パイルの高さよりも低く、
前記第1の床カバーの前記第1の縁部および前記第2の床カバーの前記第1の縁部は、
前記第1の床カバーの前記第1の縁部と前記第2の床カバーの前記第1の縁部とを隔てる間隙を画定し、
前記第1の接続部材の前記接続要素は、
中央に配設された本体と、
前記本体から第1の方向に延在する第1のアームと、
前記本体から、前記第1の方向と反対方向である第2の方向に延在する第2のアームと、
前記第1のアームから前記第1の床カバーの前記第1の貫通開口部内へと上方に突出する第1の結合部品と、
前記第2のアームから前記第2の床カバーの前記第2の貫通開口部内へと上方に突出する第2の結合部品と、
を備え、
前記本体は、前記第1の床カバーの前記第1の縁部を前記第2の床カバーの前記第1の縁部から隔てる前記間隙に沿って延びるように中央に配設され、
前記第1の結合部品は、前記接続要素の前記第1の端部に配設され、
前記第2の結合部品は、前記接続要素の前記第2の端部に配設される、ことを特徴とするモジュール式床被覆システム。
【請求項11】
第1の床カバーと、
前記第1の床カバーから離間された第2の床カバーと、
前記第1の床カバーおよび前記第2の床カバーを互いに接続する第1の接続部材と、
を備えるモジュール式床被覆システムであって、
前記第1の床カバーは、上面および底面を有し、前記上面および底面は、前記第1の床カバーの第1の縁部を画定し、
前記第1の床カバーは、
前記第1の床カバーに形成された第1の貫通開口部と、
前記第1の床カバーの前記上面に沿って前記第1の貫通開口部の少なくとも一部を囲繞する凹部と、
をさらに備え、
囲繞する前記凹部および前記第1の貫通開口部の少なくとも一部は、前記第1の床カバーに空間を共に画定し、
前記第2の床カバーは、上面および底面を有し、前記上面および底面は、前記第2の床カバーの第1の縁部を画定し、
前記第2の床カバーは、
前記第2の床カバーに形成された第の貫通開口部と、
前記第2の床カバーの前記上面に沿って前記第2の床カバーの前記第の貫通開口部の少なくとも一部を囲繞する凹部と、
をさらに備え、
前記第2の床カバーにおける囲繞する前記凹部および前記第2の床カバーの前記第の貫通開口部の少なくとも一部は、前記第2の床カバーに空間を共に画定し、
前記第1の接続部材は、
前記第1の床カバーと前記第2の床カバーとの間において前記第1および第2の床カバーの前記底面に沿って延在する接続要素と、
前記第1の床カバーの前記空間内に配設される第1の締結具と、
前記第2の床カバーの前記空間内に配設される第2の締結具と、
を備え、
前記接続要素は、
前記第1の床カバーの前記第1の貫通開口部内に配置される第1の端部と、
前記第2の床カバーの前記第の貫通開口部内に配置される第2の端部と、
を有し、
前記第1の締結具は、前記第1の床カバーの前記第1の貫通開口部を囲繞する前記凹部の少なくとも一部と選択的に係合するように、前記接続要素の前記第1の端部に選択的に取り付けられ、前記第1の締結具は、前記第1の床カバーの前記上面の上方に突出しないように、前記第1の床カバーの前記空間内に完全に配置され、
前記第2の締結具は、前記第2の床カバーの前記第の貫通開口部を囲繞する前記凹部の少なくとも一部と選択的に係合するように、前記接続要素の前記第2の端部に選択的に取り付けられ、前記第2の締結具は、前記第2の床カバーの前記上面の上方に突出しないように、前記第2の床カバーの前記空間内に完全に配置され、
前記第1の床カバーの前記凹部は第1の布パイルを有し、前記第1の床カバーの残りの部分は第2の布パイルを有し、前記第1の布パイルの高さが前記第2の布パイルの高さよりも低く、
前記第2の床カバーの前記凹部は第3の布パイルを有し、前記第2の床カバーの残りの部分は第4の布パイルを有し、前記第3の布パイルの高さが前記第4の布パイルの高さよりも低
前記第1の床カバーの前記第1の縁部および前記第2の床カバーの前記第1の縁部は、
前記第1の床カバーの前記第1の縁部と前記第2の床カバーの前記第1の縁部とを隔てる間隙を画定し、
前記第1の接続部材の前記接続要素は、
中央に配設された本体と、
前記本体から第1の方向に延在する第1のアームと、
前記本体から、前記第1の方向と反対方向である第2の方向に延在する第2のアームと、
前記第1のアームから前記第1の床カバーの前記第1の貫通開口部内へと上方に突出する第1の結合部品と、
前記第2のアームから前記第2の床カバーの前記第2の貫通開口部内へと上方に突出する第2の結合部品と、
を備え、
前記本体は、前記第1の床カバーの前記第1の縁部を前記第2の床カバーの前記第1の縁部から隔てる前記間隙に沿って延びるように中央に配設され、
前記第1の結合部品は、前記接続要素の前記第1の端部に配設され、
前記第2の結合部品は、前記接続要素の前記第2の端部に配設される、ことを特徴とするモジュール式床被覆システム。
【請求項12】
前記第1の床カバーおよび前記第2の床カバーを互いに接続する第2の接続部材をさらに備え、
前記第1の床カバーは、
前記第1の床カバーに形成された第の貫通開口部と、
前記第1の床カバーの前記上面に沿って前記第の貫通開口部の少なくとも一部を囲繞する第2の凹部と、
をさらに備え、
囲繞する前記第2の凹部および前記第の貫通開口部の少なくとも一部は、前記第1の床カバーに第2の空間を共に画定し、
前記第1の床カバーの前記第の貫通開口部は、前記第1の床カバーの前記第1の貫通開口部から離間されており、
前記第2の床カバーは、
前記第2の床カバーに形成された第の貫通開口部と、
前記第2の床カバーの前記上面に沿って前記第2の床カバーの前記第の貫通開口部の少なくとも一部を囲繞する第2の凹部と、
をさらに備え、
前記第2の床カバーにおける囲繞する前記第2の凹部および前記第2の床カバーの前記第の貫通開口部の少なくとも一部は、前記第2の床カバーに第2の空間を共に画定し、
前記第2の床カバーの前記第の貫通開口部は、前記第2の床カバーの前記第の貫通開口部から離間されている、ことを特徴とする請求項11に記載のモジュール式床被覆システム。
【請求項13】
前記第1の接続部材の前記接続要素は、
前記接続要素の前記第1の端部に配設され、前記第1の床カバーの前記第1の貫通開口部内へと上方に突出する第1の結合部品と、
前記接続要素の前記第2の端部に配設され、前記第2の床カバーの前記第の貫通開口部内へと上方に突出する第2の結合部品と、
を備える、ことを特徴とする請求項11に記載のモジュール式床被覆システム。
【請求項14】
前記第1の結合部品はねじ付き雌要素であり、前記第1の締結具は前記ねじ付き雌要素と選択的に係合可能なねじ付き雄要素である、ことを特徴とする請求項13に記載のモジュール式床被覆システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、米国特許法第119条の下で、2021年1月27日に出願された米国仮特許出願第63/142,025号、2021年9月2日に出願された米国継続出願第17/464,767号、および2021年4月27日に出願された米国非仮出願第17/241,180号の優先権を主張するものであって、前記出願の開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、床被覆(フロアカバー)システムに関し、より詳細には、複数の床被覆部品を互いに接続するために複数の締結具を利用するモジュール式床被覆システムに関する。
【背景技術】
【0003】
モジュール式ラグシステムは、締結具によって互いに接続された一対の個別のラグを備える。ラグは床面領域を被覆するように構成される。ラグ間の確実な接続を形成する締結具は、ラグの下側に延在する第1の部品と、ラグの各々の上面の上に配置された第2の部品と、を有する。各締結具の第1および第2の部品は、ラグの厚さを通って延在し、ラグと締結具との間に確実な接続を形成するために互いに接続される。しかし、各締結具の第2の部品は、典型的には、ラグの上面の上方に突出し、各ラグの上面に視覚的な隆起を生じさせ、踏んでしまう段差のある表面を形成する。
【0004】
したがって、ラグ片を互いに接続する改善された方法が必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ラグの上面の上方に突出しない複数の締結具を介して互いに選択的かつ確実に接続された2つ以上の離間したラグおよび/またはカーペット部品(集合的に「ラグ」)を備えるモジュール式ラグシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のモジュール式ラグシステムにおける各ラグは、複数の貫通開口部を備える。各締結具は、第1および第2のラグを互いにしっかりと接続するために、第1のラグの貫通開口部と第2のラグ(第1のラグに隣接する)の貫通開口部との間で2つのラグの下側に延在する細長いリンクと、隣接するラグの上に配置され、第1および第2のラグの各々の貫通開口部を介して、リンクの両端に選択的に接続される一対のナット、ボルト、またはねじ(まとめて「ねじ」)と、を備える。
【0007】
本発明のモジュール式ラグシステムにおける各ラグは、その上面に複数の凹部を有していることが重要である。各凹部は、ねじが各ラグの上面の上方に突出するのを防止するために、ねじの1つを内部に収容するように構成される。この構成は、ラグの上に段差のない歩行可能な表面を提供し、ねじ頭部がラグの上方に突出しないので、ユーザが本発明のモジュール式ラグシステム上でつまずく可能性が低減される。
【0008】
ラグの凹部および貫通孔は、製造プロセス中に、各ラグの1つまたは複数の縁部に沿った所定の位置に形成されてもよい。この構成は、いくつかの理由で有利である。第1に、凹部は、視覚的ガイドとして機能し、技術者が設置プロセス中に各リンクの各端部にねじを迅速かつ効率的に接続できるように、各ラグの下の各リンクの位置を技術者に示す。これにより、設置時間およびそれに関連する人件費を削減することができる。第2に、この構成は、設置プロセス中に現場で貫通孔をドリル/パンチで穿孔する技術的必要がなく、それにより設置時間および人件費をさらに削減することができるので有利である。
【0009】
各ラグにおいて、凹部は、本発明のモジュール式ラグシステムの設置中に技術者が窪みを視覚的に区別するのをさらに助けるために、ラグの残りの部分で利用されるものとは異なる糸および/または異なる編みもしくは織りパターンを使用することによって製造することができる。
【0010】
本発明の上記および他の特徴は、その例示的な実施形態を添付の図面と併せて詳細に説明することによってより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の例示的な実施形態によるモジュール式床被覆システムを示す斜視図である。
図2図1のモジュール式床被覆システムを示す上面図である。
図3図1のモジュール式床被覆システムを示す側面図である。
図4図1のモジュール式床被覆システムを示す底面図である。
図5】本発明の例示的な実施形態による、図1のモジュール式床被覆システムに含まれる接続要素を示す上面図である。
図6図5の接続要素を示す側面図である。
図7】本発明の例示的な実施形態による、図5の接続要素に選択的に接続されるように構成された締結具を示す斜視図である。
図8図7の締結具を示す上面図である。
図9図7の締結具を示す側面図である。
図10図9の線A-Aに沿った断面図である。
図11図1の切欠き領域Bを示す斜視図である。
図12図11の線C-Cに沿った断面図である。
図13図1の切欠き領域Bを示す上面図である。
図14図1の線D-Dに沿った断面図である。
図15図1の線E-Eに沿った断面図である。
図16】本発明の例示的な実施形態による接続要素の一部を示す側面図である。
図17】本発明の例示的な実施形態による、図16の接続要素に選択的に接続されるように構成された締結具を示す斜視図である。
図18図17の締結具を示す上面図である。
図19図17の締結具を示す側面図である。
図20図19の線F-Fに沿った断面図である。
図21】モジュール式床被覆システムを形成する際に使用することができるラグ/カーペットの形状を示す上面図である。
図22】モジュール式床被覆システムを形成する際に使用することができるラグ/カーペットの別の形状を示す上面図である。
図23】モジュール式床被覆システムを形成する際に使用することができるラグ/カーペットのさらに別の形状を示す上面図である。
図24】モジュール式床被覆システムを形成する際に使用することができるラグ/カーペットのさらなる形状をさらに示す上面図である。
図25】本発明の例示的な実施形態によるモジュール式床被覆システムを示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の例示的な実施形態について、添付の図面を参照しながらより詳細に説明する。しかし、本発明は、異なる形態で実施されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。同様の参照符号は、本明細書全体を通して同様の要素を指しうる。図面に示されている要素のサイズおよび/または比率は、明確にするために誇張されている場合がある。また、図面に示した寸法はあくまで一例である。本発明の範囲はこれらに限定されない。
【0013】
ある要素が別の要素上に配置されていると言及する場合、当該要素の間にさらに別の要素が介在してもよい。さらに、特定の図または実施形態に関して詳細に説明されていない要素、構成要素、部品などは、本明細書の他の部分で説明されている対応する要素、構成要素、部品などと同様または同じであると仮定され得る。
【0014】
図1図15は、本発明の例示的な実施形態によるモジュール式床被覆システムを示す。
【0015】
図1図15のモジュール式床被覆システムは、第1の床被覆部品102と、第2の床被覆部品104と、第1の床被覆部品102および第2の床被覆部品104の隣り合うへりの長さに沿って第1の床被覆部品102および第2の床被覆部品104を互いに選択的に接続する複数の接続部材106と、を備える。第1の床被覆部品102および第2の床被覆部品104は、簡潔にするために床カバーと呼ぶこともある。
【0016】
第1の床カバー102および第2の床カバー104の各々は、ラグ、カーペット、またはより広義には、床領域を被覆および/または保護するのに適した布材料の可撓性シートであってもよい。第1の床カバー102および第2の床カバー104は、その下方に位置する床面を、繰り返しの使用によって生じうる摩耗および/または損傷から保護するために、歩行に供する床面、歩行に供しない床面、および/または家具を支持する床面を被覆するように構成されてもよい。
【0017】
第1の床カバー102および第2の床カバー104は、互いに同じ材料および/または構造で作られてもよく、あるいは異なる材料および/または構造で作られてもよい。例えば、第1の床カバー102および第2の床カバー104の各々は、可撓性繊維材料を織ったり編んだりして形成されたカーペットもしくはラグの一片、フェルトなどの不織材料のシート、またはこれらの組合せとすることができる。
【0018】
カーペット/ラグの床カバー102,104を形成するために織られるまたは編まれる繊維は、天然または合成材料、例えば、ウール、シルク、リネン、綿、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、ポリアミドなど、またはそれらの混合であってもよい。不織シート材料は、天然繊維、例えば、ウール、毛皮(例えば、ヒツジおよびヤギ以外の動物由来の毛皮繊維)、もしくはそれらの混合、合成繊維、例えば、アクリル繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維など、もしくはそれらの混合、または天然繊維と合成繊維の混合を含んでいてもよい。
【0019】
図1図15(特に図1図4を参照)の実施形態では、第1の床カバー102および第2の床カバー104は、互いに同じ形状およびサイズを有している。しかし、本発明はこれに限定されない。本発明によるモジュール式床被覆システムは、互いに接続された2つ以上の床カバーから形成することができ、各床カバーの形状およびサイズは、モジュール式床被覆システムの他の床カバーの形状およびサイズと同じであっても異なっていてもよい。
【0020】
図1図2および図4を参照すると、第1の床カバー102は、所定の寸法の幅Wおよび長さLと、第2の床カバー104に面する(または隣り合う)へり110(または縁部110)と、を有する。図示のように、長さLは幅Wよりも大きい。再び図1図2および図4を参照すると、第2の床カバー104は、第1の床カバー102のへり110に面するへり112(または縁部112)を有する。言い換えると、へり110とへり112とは互いに対向している。
【0021】
図1図2および図4では、第1の床カバー102および第2の床カバー104は長方形として示されているが、本発明はこの形状に限定されない。第1の床カバー102および第2の床カバー104の各々は、例えば、多角形、円形、長円形、楕円形または不規則な形状であってもよい。
【0022】
図5図10は、第1の床カバー102および第2の床カバー104を互いに選択的に接続するために使用される接続部材106のうちの1つを示す。図1図15の実施形態では、接続部材106のすべてが互いに同じである。しかし、この構成に限定されるものではなく、本発明のモジュール式床被覆システムは、2つ以上の床カバー片を互いに接続するために異なる種類の接続部材を使用することもできる。
【0023】
各接続部材106は、金属、ポリマー材料、皮革(スエードを含みうる)、異なる種類の織布、皮革を巻いたまたは布を巻いた基材(例えば、テクソンマテリアル社(Texon Materials,Inc.)から市販されている「TEXON」などの基材)、木材、サイザル麻およびジュートのような材料、またはそれらの組合せから形成され得る。金属は、例えば、真鍮、アルミニウム、鋼、銅など、または金属の合金であってもよい。ポリマー材料は、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート、または荷重下で十分な構造靭性を示す他の材料であってもよい。より具体的には、各接続部材106の結合部品118(後述)は、好ましくは、金属、エラストマー材料、木材、またはそれらの組合せで作られ、各接続要素114(後述)は、上述の材料のいずれか1つ、またはそれらの組合せから形成され得る。
【0024】
接続部材106が第1および第2の床カバーを互いに選択的かつ確実に接続するために、第1の床カバー102は、複数の貫通開口部122を備える(図14および図15参照)。複数の貫通開口部122は、互いに離間され、へり110に実質的に隣接して(へり110の長さに沿って)配置されている。各開口部122は、第1の床カバー102の厚さ全体を貫通して延在し、第1の床カバー102を各接続部材106と選択的に接続するために、それぞれの接続部材106の一部を受けるように構成されている。
【0025】
さらに、第2の床カバー104もまた、複数の貫通開口部122(図12および図15を参照)を備える。複数の貫通開口部122は、互いに離間され、へり112に実質的に隣接して(へり112の長さに沿って)配置されている。第2の床カバー104の各開口部122は、第2の床カバー104の厚さ全体を貫通して延在し、第2の床カバー104を各接続部材106と選択的に接続するために、それぞれの接続部材106の一部を受けるように構成されている。図1図2図12図13および図15に示すように、各開口部122は、第1の床カバー102および第2の床カバー104の両方のそれぞれの凹部128の中心から延在していてもよい。
【0026】
図1図2および図4に示すように、第1の床カバー102および第2の床カバー104において対応するように対をなす開口部122(および凹部128)は、接続部材106間の間隔が互いに実質的に等しくなりうるように、へり110,112の長さに沿って互いに等間隔に配置される。しかし、本発明はこれに限らず、開口部122および凹部128の位置を変えることにより、接続部材106の間隔の寸法を適宜変えてもよい。
【0027】
図5図12を参照すると、各接続部材106は、接続要素114(図5および図6を参照)と、接続要素114に選択的に取り付けられるように構成された一対の締結具116(締結具116の1つを示す図7図10を参照)と、を備える。図5図6および図15を参照すると、各接続部材106の各接続要素114は、中央に配設された本体120と、本体120から互いに反対方向に延在する一対のアーム115,117と、アーム115から上方に突出する第1の結合部品118(図6を参照)と、アーム117から上方に突出する第2の結合部品118(図6を参照)と、を備える。言い換えれば、2つの結合部品118は、接続要素114の長さに沿って互いに離間され、接続要素114の両端付近に配設される。
【0028】
図15を参照すると、各接続部材106において、一方の結合部品118が、第1の床カバー102の底面(または後面)から第1の床カバー102の開口部122の1つへと上方に挿入されるように構成されており、他方の結合部品118は、第2の床カバー104の底面(または後面)から第2の床カバー104の対応する開口部122へと上方に挿入されるように構成されている。
【0029】
次いで、各接続部材106について、第1の締結具116が、第1の床カバー102の上面(または前面)から第1の床カバー102の開口部122を介して結合部品118の一方に選択的に接続され、第2の締結具116が、第2の床カバー104の上面(または前面)から第2の床カバー104の開口部122を介して他方の結合部品118に選択的に接続される。モジュール式床被覆システムの上面から接続部材106の結合部品118に選択的に接続されている一対の締結具116を示す図15を参照されたい。
【0030】
第1および第2の締結具116は、本明細書の他の箇所で説明されるように、金属、ポリマー材料、および/または木材で作られてもよい。
【0031】
図12に示すように、各結合部品118は、雌ねじ124を含んでいてもよい。図7図10および図12を参照すると、各締結具116は、雄ねじ126を有する突出部を含んでいてもよい。言い換えれば、図7図10および図12の締結具116は雄締結具である。ねじ山124,126は、各締結具116を各接続要素114の対応する結合部品118にねじ込むことによって、2つの締結具116を接続要素114に選択的に結合できるように互いに合致する。
【0032】
しかしながら、本発明は、接続要素114と接続部材106の締結具116との間のこの接続方式に限定されない。例えば、図16および図17図20は、接続要素214の結合部品218の外側のねじ山224(図16を参照)と、締結具216の空洞230の内側に形成された雌ねじ226を有する締結具216(図20を参照)とを特徴とする接続部材206を示す。言い換えれば、この締結具216は雌締結具である。結合部品218と締結具216とが互いに選択的に接続されると、結合部品218を締結具216の空洞230の内側に収容することができる。
【0033】
上述の締結機構に加えて、またはその代わりに、他の締結機構を使用してもよい。例えば、結合部品およびそれぞれの締結具は、互いに選択的に結合されるために互いにスナップフィットするように構成することができ、または締まりばめ/圧力ばめ構成を有することができる。例えば、締まりばめ構造では、結合部品およびそれぞれの締結具は、結合部品およびそれぞれの締結具がねじ山を有さず、したがって、締まりばめを介して選択的に嵌合することを除いて、図16および図17図20に示すそれぞれの対応物と同様でありうる。
【0034】
図15に示すように、各接続要素114の突出本体120は、第1の床カバー102および第2の床カバー104の間の間隙(ギャップ)108内に延在する。
【0035】
第1の床カバー102および第2の床カバー104は、図1図2図13および図15により明確に示すように、間隙108の分だけ互いに離間されている。間隙108は、接続部材106の構造や構成、ならびに第1の床カバー102および第2の床カバー104の貫通開口部122の位置によって予め決定される(図15を参照)。間隙108は、好ましくは、第1の床カバー102および第2の床カバー104の対向するへり110および112の長さ全体にわたって一定である。
【0036】
図15に示すように、各接続要素114の突出本体120は、好ましくは、間隙108の全幅にわたって延在する。あるいは、各接続要素114の突出本体120は、間隙108の全幅未満にわたって延在する。さらに、本発明のモジュール式床被覆システムは、異なる突出本体を有する接続要素の混合を含むことができ、そのうちのいくつかは間隙の全幅にわたって延在し、他のものは2つのラグまたはカーペット要素片の間の間隙の全幅未満にわたって延在する。
【0037】
少なくとも1つの接続部材106の突出本体120の上部は、第1の床カバー102および第2の床カバー104の間の橋として機能するために、第1の床カバー102および第2の床カバー104の上面と一致するように構成される。あるいは、少なくとも1つの接続部材106の突出本体120の垂直方向の高さは、第1の床カバー102および第2の床カバー104の上面の高さよりも低く設定されてもよい。
【0038】
図1図2および図13、より詳細には図11図12および図15を参照すると、第1の床カバー102および第2の床カバー104の各々の上面は、各開口部122の周りに配置された環状凹部または窪み128を備える。各凹部128は、例えば、第1の床カバー102および第2の床カバー104を、第1の床カバー102および第2の床カバー104の残りの部分よりも短いパイルおよび/または異なる質感で織るかまたは編むことによって形成されてもよい。パイルは、直立したループまたは撚り糸からなる布の隆起した表面または立毛であってもよい。
【0039】
言い換えると、第1の床カバー102および第2の床カバー104の各々は、凹部128において、第1の床カバー102および第2の床カバー104の他の部分(または残りの部分)よりも短いパイル構造および/または異なる質感を有する布材料で作ることができる。第1の床カバー102の各凹部128は、第1の床カバー102の一体部分(または連続部分)であり、第2の床カバー104の各凹部128は、第2の床カバー104の一体部分である。
【0040】
各凹部128の開口部122は、第1の床カバー102および第2の床カバー104を製造するために使用される織りおよび/または編みプロセス中に予め形成されてもよい。あるいは、第1の床カバー102および第2の床カバー104の各凹部128の開口部122は、第1の床カバー102および第2の床カバー104が製造された後に、当業者に知られているようなパンチおよび/またはドリルによる穿孔プロセスによって形成されてもよい。
【0041】
図1図2図13および図15に示すように、第1の床カバー102の凹部128は、第1の床カバー102のへり110に隣接して配置され、第2の床カバー104の凹部128は、第2の床カバー104のへり112に隣接して配置される。
【0042】
締結具116、216(図20参照)などは、モジュール式床被覆システムの高さを越えて(例えば、第1の床カバー102および第2の床カバー104の上面の上方に)延在しないことが好ましい。これにより、ユーザが締結具116につまずく可能性が低減または回避される。この目的のために、図15に示すように、各凹部128は、それぞれの締結具116、216などの少なくとも一部をその中に(または、好ましくは、締結具116、216などの全体をその中に)収容する。さらに、第1の床カバー102および第2の床カバー104の上面が締結具116の上面と実質的に面一である場合、この構成は、モジュール式ラグシステムの上を歩くための段差のない表面を提供する。
【0043】
図12および図15に示すように、各接続部材106の接続要素114は、第1の床カバー102および第2の床カバー104の底面に沿って(またはその下側に)延在し、締結具116は、第1の床カバー102および第2の床カバー104の上側の凹部128から各接続要素114に締結されるので、締結具116は、第1の床カバー102および第2の床カバー104を各接続部材106に選択的に接続するために、凹部128と係合する(または凹部128を把持する)。
【0044】
第1の床カバー102および第2の床カバー104の凹部128はまた、モジュール式床被覆システムの設置を支援することができ、設置技術者が開口部122内の結合部118に締結具116を迅速かつ容易に接続することができるように、開口部122がどこに位置しているかを技術者に示す視覚的ガイドとして機能する。
【0045】
図21図24は、様々な形状を有する床カバーの例を示す。例えば、図21は、半ディスク形のラグ102Aを示す。図22図23および図24はそれぞれ、長方形のラグ102B、102Cおよび102Dを示し、それぞれ互いに異なるサイズおよび/または比率を有する。図21図24に示す床カバー102A~102Dは、所望の形状および/またはサイズを有するモジュール式床被覆システムを形成するために、互いにまたは本明細書の他の箇所に記載されている床カバーと組み合わせて使用することができる。
【0046】
凹部128は、図面では円形として示されているが、本発明はこの構成に限定されない。凹部128はまた、他の形状、例えば、楕円形、長円形、多角形、または平坦および/または湾曲したへりを含む不規則な形状を有することができる。
【0047】
上述したように、本発明は、複合床被覆構成を形成するように互いに選択的に接続された複数の床カバーを備えるモジュール式床被覆システムに関する。言い換えれば、2つ以上の床カバーを互いに選択的に接続して、モジュール式床被覆システムを形成することができる。上述の実施形態は、2つの床カバーを有するモジュール式床被覆システムを示しているが、本発明のモジュール式床被覆システムを形成するために、互いに接続することができる床カバーの数に制限がないことを伝えることが重要である。互いに接続される床カバーの数は、スペースの問題(例えば、個々のカーペット/ラグ材料の個々のピースが輸送車両、狭い廊下、小型エレベータなどに適合するかどうか)などの後述する多くの他の考慮事項の中でも、とりわけ被覆される必要がある床領域の形状およびサイズに依存する。
【0048】
単なる一例として、図25の実施形態は、6つの床カバーを備えるモジュール式床被覆システムを示す。
【0049】
図25を参照すると、モジュール式床被覆システムは、複数の床カバー302、304、306、308、310、312と、床カバー302~312を互いに選択的に接続する、複数の接続部材314と、複数の接続部材316と、複数の接続部材318と、複数の接続部材320と、複数の接続部材322と、を備える。
【0050】
接続部材314、316、318、320、322は、接続部材106と同一または同様のものであってもよいし、上述した他の接続部材と同一のものであってもよい。
【0051】
図25を参照すると、床カバー304は、床カバー302に隣接する縁部に沿って配置された複数の窪み330を含んでいてもよい。床カバー302は、床カバー304に隣接する縁部に沿って複数の窪み332を含んでいてもよい。窪み330、332は、上述した窪み128と同一または同様であってもよい。
【0052】
図25を参照すると、床カバー306は、床カバー302に隣接する縁部に沿って配置された複数の窪み334を含んでいてもよい。床カバー302は、床カバー306に隣接する縁部に沿って複数の窪み336を含んでいてもよい。窪み334、336は、上述した窪み128と同一または同様であってもよい。
【0053】
図25を参照すると、床カバー308は、床カバー306に隣接する縁部に沿って配置された複数の窪み348を含んでいてもよい。床カバー306は、床カバー308に隣接する縁部に沿って複数の窪み346を含んでいてもよい。窪み346、348は、上述した窪み128と同一または同様であってもよい。
【0054】
図25を参照すると、床カバー310は、床カバー302に隣接する縁部に沿って配置された複数の窪み342を含んでいてもよい。床カバー302は、床カバー310に隣接する縁部に沿って複数の窪み344を含んでいてもよい。窪み342、344は、上述した窪み128と同一または同様であってもよい。
【0055】
図25を参照すると、床カバー312は、床カバー302に隣接する縁部に沿って配置された複数の窪み338を含んでいてもよい。床カバー302は、床カバー312に隣接する縁部に沿って複数の窪み340を含んでいてもよい。窪み338、340は、上述した窪み128と同一または同様であってもよい。
【0056】
図25に示すように、床カバー302のすべてのへりは、床カバー302の全周にわたって床カバー304、306、310、312を選択的に接続するために、接続部材314~320を備える。モジュール式床被覆システムの所望の構成に応じて、本発明のモジュール式床被覆システムを形成するために、床カバーの1つのへり、2つ以上のへり、またはすべてのへりを隣り合う床カバーに選択的に接続することができる。
【0057】
図25を参照すると、複数の間隙324~332が床カバー302~312の間に形成されている。間隙324~332の各々は、好ましくは、そのそれぞれの床カバーの縁部の長さ全体にわたって幅が一定である。間隙324~332は、互いに同じサイズであってもよいし、異なるサイズであってもよい。一実施形態では、モジュール式床被覆システムはまた、互いに等しい間隙(例えば、等しい幅)と互いに異なる間隙(例えば、異なる幅)との組合せを有することができる。
【0058】
本発明によるモジュール式床被覆システムは、有利には、異なる形状および/またはサイズ、例えば、2つ以上の要素的(または幾何学的)形状からなる複合形状、および/または不規則な形状を有する様々な表面領域を被覆するように構成することができる。言い換えれば、特定の全体的な形状または構成を形成するカーペット、ラグ、および/または可撓性不織材料シートの個々のピースは、例えば、多角形、円形、長円形、楕円形、または不規則な形状を有していてもよい。
【0059】
本発明のモジュール式床被覆システムの各ラグの上面は、その中に締結具(例えば、締結具116、216など)を嵌合させるために、特定の位置で窪ませる(または凹ませる)ことができるので、締結具が各ラグの上面の上方に突出することを防止することができる。この構成では、締結具がラグの上面の上方に突出しないため、ユーザがつまずく可能性を低減することができる。
【0060】
窪み(または凹部)はまた、技術者が接続部材106、206などをラグに迅速かつ効率的に設置することができるように、本発明のモジュール式ラグシステムのラグの貫通開口部の位置を見つける際に技術者を視覚的に支援することができる。
【0061】
本発明のモジュール式ラグシステムの設置プロセスを迅速化するため、および審美的目的のために、上述したように、ラグ上の凹部/窪みは、モジュール式ラグシステムの設置中に技術者が窪みを視覚的に区別するのをさらに支援するように、ラグの残りの部分とは異なる糸、異なる編みもしくは織りパターン、またはそれらの組合せを使用することによって製造することができる。しかしながら、本発明はこの構成に限定されず、凹部/窪みは、ラグの残りの部分と同じ糸および/または同じ編みもしくは織りパターンを使用して製造することもできる。
【0062】
本発明のモジュール式床被覆システムの構成は、様々な形状の保護的床被覆を可能にするためだけでなく、大型の一体型床被覆システムの輸送および設置が非現実的であるかまたは費用が法外である場合に、被覆システムの区分的な設置を可能にするためにも有利である。
【0063】
例えば、1つの大きなカーペット片を製造し、次いで所望の床領域のみを被覆するためにその片を複合的または不規則な形状に切断するプロセスは、非実用的および/または法外な費用がかかる場合がある。
【0064】
また、目的地に向かう経路に、曲がり角や低い天井のある狭い通路、天井の低い小型エレベータ、狭いドアなどの空間的制約がある場合、1つの大きなカーペット片やラグ片を配送車両から目的地である部屋に搬送することは非現実的であり、不可能でさえありうる。
【0065】
本発明は、床被覆システムを、ピース単位での製造、輸送、および設置が容易な個々の部品にモジュール化することによって、このような問題を解決する。
【0066】
さらに、本発明の接続部材の使用は、設置後に個々の床被覆部品が互いに取り付けられた状態を確実にするだけでなく、そのような使用はまた、完成品の審美性を改善する個々の床被覆部品間に視覚的間隙を作り出す。
【0067】
本発明をその例示的な実施形態を参照して特に示し説明してきたが、以下の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細における様々な変更を行うことができることが当業者には明らかであろう。
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