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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】洗濯添加剤ケース及び洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/02 20060101AFI20220817BHJP
【FI】
D06F39/02 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019565344
(86)(22)【出願日】2018-05-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-30
(86)【国際出願番号】 CN2018087268
(87)【国際公開番号】W WO2018219149
(87)【国際公開日】2018-12-06
【審査請求日】2020-07-31
(31)【優先権主張番号】201710390864.2
(32)【優先日】2017-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521309570
【氏名又は名称】重慶海爾洗衣机有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】李敬徳
(72)【発明者】
【氏名】張華成
【審査官】村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0107656(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0081255(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0180533(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体を含み、前記筐体が側壁に吐液口を含む洗濯添加剤ケースであって、
前記吐液口に吐液構造が取り外し可能に設置されており、前記吐液構造が逆止弁を含 み、
前記吐液口には、前記筐体の外側に伸出する接続端が設けられており、前記吐液構造は接続キャップを含み、前記吐液構造の一端は前記接続端に挿通されて筐体内に伸入し、前記接続キャップは前記吐液構造の他端に一体成型されるとともに、一定の隙間を置いて前記他端に逆向きに覆設され、前記接続端は前記接続キャップと前記吐液構造の前記他端との間に挟設され、前記接続端は、接続キャップにネジ接続又は係接され、
前記洗濯添加剤ケースは、前記吐液口を密封する第1シールユニットを更に含み、前記第1シールユニットは環状のパッキンであり、前記吐液構造の他端に覆設されるとともに、前記接続キャップ内に嵌装され、且つ、前記接続端によって前記接続キャップと前記吐液構造の他端との間の接続箇所に押し付けられ、
前記吐液構造は、前記吐液構造の一端に設けられて筐体内の洗濯添加剤を吸引する吸引ユニットと、前記吐液構造の他端に設けられて吸引ユニットに取り外し可能に接続される吐液ユニットを更に含み、
前記吸引ユニットは、中空の管状構造をなしており、内部に流路が形成されており、前記吸引ユニットの入口は前記筐体の底壁に向かって延伸するとともに、底壁に面して設けられ、前記筐体の底壁には、前記吸引ユニットの入口に対応して底壁表面よりも低位置となった凹溝が凹陥形成されており、前記吸引ユニットの入口は下方を向いて凹溝内に位置するとともに、前記吸引ユニットと前記凹溝との間に液体を通過させる通路を保持しており、前記吸引ユニットの出口は前記吐液ユニットの入口と連通し、前記流路のうち前記吐液ユニットの入口に対応する方向転換箇所は、円弧面となっており、
前記逆止弁は、一端が吸引ユニットの他端と連通するとともに、他端が洗濯機の投入管路と連通する流動経路と、流動経路内に設けられるピストン及び戻しバネを含み、前記ピストンは、戻しバネの作用によって前記流動経路を閉塞する ことを特徴とする洗濯添加剤ケース。
【請求項2】
前記流動経路の他端は、洗濯機の洗浄室内に洗濯添加剤を投入すべく洗濯機の投入管路と連通し、前記投入管路には連通構造が設けられており、前記連通構造は、投入管路の端部に設けられるとともに、流動経路内に伸入してピストンを押動することで前記流動経路を開放し、前記流動経路内には、流動経路と投入管路との接続箇所を密封する第2シールユニットが設けられることを特徴とする請求項に記載の洗濯添加剤ケース。
【請求項3】
前記洗濯添加剤ケースは、筐体に密封状に装着される一方向通気構造を更に含み、洗濯添加剤ケースの内外両側の気圧が変化すると、前記構造が開放されて一方向に通気するか、前記構造が閉止されることを特徴とする請求項1に記載の洗濯添加剤ケース。
【請求項4】
請求項1~のいずれかに記載の前記洗濯添加剤ケースを含むことを特徴とする洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗濯機の分野に関し、特に、洗濯機に組み合わされて自動投入及び複数回投入を実現可能な洗濯添加剤ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の洗濯機では、洗濯の開始前に、洗濯する人が経験に基づきどれくらいの洗剤量を手動で添加するかを判断せねばならないため、洗濯する人の作業量が増加する。また、洗剤量をどれくらいにするかの制御が不適切となり、きれいに洗浄できなかったり、無駄が生じたりしやすい。そこで、関連技術では、洗剤の自動投入技術が提案されている。洗剤分配ケースのうち、一度投入すれば複数回の洗浄に使用できる洗濯添加剤ケースでは、柔軟剤を洗浄ごとに必要に応じて自動的に添加する。また、洗剤分配ケースには、このほかの洗濯添加剤ケースも存在する。
【0003】
現在、すでに洗剤自動投入装置に関する多くの特許が出願されている。特許文献1は、洗剤ケースがサイフォンユニットを備える洗濯機の洗剤供給装置を開示している。前記装置では、洗剤を洗剤ケースに投入し、洗浄水を洗剤ケースに注入することで、ケース内の洗剤を希釈してからサイフォンユニットより洗浄槽に投入する。前記発明では、濃い洗剤をそのまま洗浄槽に投入した場合に洗濯物が損傷するとの問題を解決しているが、洗剤の自動添加における正確な制御は実現不可能である。
【0004】
特許文献2は、洗濯機に用いられる洗剤投入装置を開示している。前記洗剤投入装置は保管空間を含み、前記保管空間に特殊な洗剤ケースの安置溝が規定されている。前記特殊な洗剤ケースの安置溝内には、特殊な洗剤ケースを突き破る第1ピンと第2ピンが設けられている。且つ、前記第1ピンの内部には給水孔が備わっており、前記第2ピンの内部には吐水孔が備わっている。前記第1ピンと前記第2ピンは、いずれも端部が特殊な洗剤ケースに差し込まれたあとに、前記給水孔と前記吐水孔が前記特殊な洗剤ケースの内部空間に連通するよう構成されている。前記発明では、給水孔から洗剤ケースに給水するとともに、吐水孔から給水により混合された洗剤が洗濯機内へと流出する。しかし、前記洗剤ケースは使い捨てであり、洗濯のたびに前記洗剤ケースを装着せねばならない。
【0005】
また、現在のところ、洗剤や柔軟剤を充填する洗濯添加剤ケースは一般的に密封ケースとなっており、ベンチュリ効果又は負圧の効果、或いは計量ポンプ等によって洗剤をケースから定量抽出している。しかし、洗剤の抽出に伴って、密封された洗濯添加剤ケースは内部の気圧が下がり続けるため、洗剤の流出がどんどん難しくなる。そのため、通気構造によって洗濯添加剤ケース内の気圧の平衡を取る必要がある。更には、洗剤が傾斜や震動等の要因でケース内から流出しないよう防止する必要もあり、且つ、外部の不純物や水分が洗濯添加剤ケースに進入して洗剤を汚染しないよう防止する必要もある。現在市販されている自動投入型の洗濯添加剤ケースは一般的に使い捨て製品であるため、1ケース分の用量を使い終えると、直ちに新たな洗濯添加剤ケースに交換する必要がある。そのため資源を無駄にしており、且つ、顧客と洗濯添加剤ケースとのマッチングもまた大きな悩みとなっている。
【0006】
このほか、洗剤ケース内の洗剤は、洗濯機に投入したあとに一部の液体が洗剤ケースの底壁に残留しやすいため無駄が生じる。また、洗濯添加剤ケースやその装着空間等の洗浄についても大変不便である。
【0007】
上記に鑑みて、本発明を提案する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】中国特許出願公開第101360599号明細書
【文献】中国特許出願公開第107970347号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来技術の瑕疵を解消し、繰り返し利用可能であって、洗濯添加剤が充填され、且つ自動投入及び複数回投入を実現可能なことから、洗濯する度に装着し直す必要のない洗濯添加剤ケースを提供することを解決しようとする技術的課題とする。これにより、洗濯機の自動化レベルが向上するとともに、洗濯添加剤を円滑に自動投入可能となり、洗濯添加剤の想定外の流出も阻止される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の技術的課題を解決すべく、本発明で採用する技術方案の基本思想について以下に述べる。
【0011】
即ち、洗濯添加剤ケースであって、筐体を含み、前記筐体が吐液口を含む。前記吐液口には吐液構造が取り外し可能に設置されており、前記吐液構造が逆止弁を含む。
【0012】
更に、前記吐液構造と吐液口はネジ接続されるか、或いは、前記吐液構造と吐液口は係接される。
【0013】
更に、前記吐液口には、筐体の外側に伸出する接続端が設けられており、前記吐液構造は接続キャップを含み、前記吐液構造の一端は接続端に挿通されて筐体内に伸入し、他端は接続キャップを介して接続端にネジ接続又は係接される。
【0014】
前記接続キャップの外側には、摩擦を強化する突出構造が設けられる。また、前記接続キャップと前記吐液構造の一端との接続箇所の外側には、位置決め構造が更に設けられている。
【0015】
更に、前記接続キャップは吐液構造の他端に一体成型されるとともに、一定の隙間を置いて前記他端に逆向きに覆設され、前記接続端はこれらの間に挟設されるとともに、接続キャップにネジ接続又は係接される。
【0016】
更に、前記洗濯添加剤ケースは吐液口を密封する第1シールユニットを含み、前記第1シールユニットは、吐液口と吐液構造の間に設けられる。
【0017】
更に、前記第1シールユニットは環状のパッキンであり、吐液構造の他端に覆設されるとともに、接続キャップ内に嵌装され、且つ、接続端によって接続キャップと吐液構造の他端との接続箇所に押し付けられる。
【0018】
更に、前記吐液構造は、一端に設けられて筐体内の洗濯添加剤を吸引する吸引ユニットと、他端に設けられて吸引ユニットに取り外し可能に接続される吐液ユニットを含む。前記吸引ユニットの入口は筐体の底壁に向かって延伸するとともに、底壁に面して設けられ、前記筐体の底壁には、吸引ユニットの入口に対応して底壁表面よりも低位置となった凹溝が凹陥形成されており、吸引ユニットの入口は凹溝内に位置するとともに、凹溝との間に液体を通過させる隙間を保持しており、前記吸引ユニットの出口は吐液ユニットの入口と連通する。前記吐液ユニットは逆止弁を含み、前記逆止弁は、一端が吸引ユニットの他端と連通するとともに他端が洗濯機の投入管路と連通する流動経路と、流動経路内に設けられるピストン及び戻しバネを含み、前記ピストンは、戻しバネの作用によって前記流動経路を閉塞する。
【0019】
更に、前記流動経路の他端は、洗濯機の洗浄室内に洗濯添加剤を投入すべく洗濯機の投入管路と連通し、前記投入管路には連通構造が設けられており、前記連通構造は、投入管路の端部に設けられるとともに、流動経路内に伸入してピストンを押動することで前記流動経路を開放し、前記流動経路内には、流動経路と投入管路との接続箇所を密封する第2シールユニットが設けられる。
【0020】
更に、前記洗濯添加剤ケースは、筐体に密封状に装着される一方向通気構造を更に含み、洗濯添加剤ケースの内外両側の気圧が変化すると、前記構造が開放されて一方向に通気するか、前記構造が閉止される。
【0021】
更に、前記筐体1は位置規制構造を含む。前記位置規制構造の形状及び大きさは、前記洗濯添加剤ケースの装着空間における位置規制構造と一致しており、装着後の洗濯添加剤ケースの移動を規制する。
【0022】
更に、前記筐体は、前記筐体の装着側の壁の上側に設けられて摩擦力を強化する突出構造を含む。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、更に洗濯機を提供する。前記洗濯機は上述した洗濯添加剤ケースを含む。
【0024】
上記の技術方案を用いることで、本発明は従来技術と比較して以下のような有益な効果を有する。
【0025】
1.吐液構造は洗濯添加剤の自動投入及び複数回の自動投入を実現する。吐液構造は逆止弁を含み、逆止効果を達成可能なことから、外部の液体が洗濯添加剤ケースに進入してケース内の洗濯添加剤を汚染するとの事態が防止される。また、吐液構造は取り外し可能に設置されるため、洗濯添加剤ケースのメンテナンスがより簡単・便利となり、詰まり等の問題発生時に解決不可能になるとの事態が回避される。且つ、密封状に設置することで、取り外し可能な吐液構造と吐液口の間に漏れが発生し得ないため、不要な無駄や汚染を洗浄できないとの事態が回避される。
【0026】
2.吐液構造を取り外し可能に設置することで、洗濯添加剤ケースを繰り返し利用可能ともなるため、洗濯添加剤ケース内の洗濯添加剤を使い終わった場合や間もなく使い終わろうとする際に、吐液構造を取り外すことで、吐液口から筐体に洗濯添加剤を補充することができる。
【0027】
3.筐体に密封装着される一方向通気構造によって、洗濯添加剤ケース内における気圧が平衡を取るため、洗剤の抽出がより円滑となる。且つ、洗濯添加剤ケースが密封状に設置されるため、防水、防塵及び液体の漏出防止となる。
【0028】
4.本構造はシンプルであり、部材が減少する。また、信頼性が高く、使用性に優れ、且つ経済的である。
【0029】
以下に、図面を組み合わせて、本発明の具体的実施形態につき更に詳細に述べる。
【0030】
図面は本発明の一部として、本発明の更なる理解のために提供される。本発明の概略的実施例及びその説明は本発明の解釈のために用いられるが、本発明を不当に限定するものではない。なお、言うまでもなく、以下で記載する図面は実施例の一部にすぎず、当業者であれば、創造的労働を要することなくこれらの図面から更にその他の図面を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、本発明の洗濯添加剤ケースの装着分解図である。
図2図2は、本発明の洗濯添加剤ケースを示す図である。
図3図3は、図2のA-A断面図である。
図4図4は、図3のB部分の拡大図である。
図5図5は、図3のC部分の拡大図である。
図6図6は、図2の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
なお、これらの図面及び文字記載は何らかの方式で本発明の構想の範囲を制限するとの意図ではなく、特定の実施例を参照して当業者に本発明の概念を説明するためのものである。
【0033】
本発明における実施例の目的、技術方案及び利点をより明確とすべく、以下では本発明の実施例にかかる図面を組み合わせて実施例の技術方案につき明瞭簡潔に述べる。なお、以下の実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を制限するものではない。
【0034】
本発明の記載において、「上」、「下」、「内」、「外」等の用語で示される方向又は位置関係は、図示に基づく方向又は位置関係であり、本発明の記載の便宜上及び記載の簡略化のためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が特定の方向を有し、且つ特定の方向で構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するものではない。よって、本発明を制限するものと理解すべきではない。
【0035】
本発明の記載において、別途明確に規定及び限定しない限り、「装着する」、「接続する」との用語は広義に解釈すべきである。例えば、固定接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体接続であってもよい。また、機械的な接続であってもよいし、電気的な接続であってもよい。更には、直接的な連なりであってもよいし、中間媒体を介した間接的な連なりであってもよい。当業者であれば、具体的状況に応じて本発明における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【0036】
以下に、図面を組み合わせて、本発明の具体的実施形態につき更に説明する。
【0037】
図1図6に示すように、洗濯添加剤ケースは、洗濯機に洗剤又は柔軟剤を充填するために用いられ、内部に空洞が設けられた密封状の筐体1を含む。前記洗剤又は柔軟剤は筐体1の空洞に配置される。前記筐体1は吐液口11を含み、前記吐液口11に吐液構造2が取り外し可能に設置されている。また、前記吐液構造2は逆止弁を含む。
【0038】
上記の方案において、前記吐液構造2は、洗濯添加剤の自動投入及び複数回の自動投入を実現する。吐液構造2は逆止弁を含み、逆止効果を達成可能なことから、外部の液体が洗濯添加剤ケースに進入してケース内の洗濯添加剤を汚染するとの事態が防止される。また、吐液構造2は取り外し可能に設置されるため、洗濯添加剤ケースのメンテナンスがより簡単・便利となり、詰まり等の問題発生時に解決不可能になるとの事態が回避される。且つ、洗濯添加剤ケースを繰り返し利用可能となるため、洗濯添加剤ケース内の洗濯添加剤を使い終わった場合や間もなく使い終わろうとする際に、吐液構造2を取り外すことで、吐液口11から筐体1に洗濯添加剤を補充することができる。また、密封状に設置することで、取り外し可能な吐液構造2と吐液口11の間に漏れが発生し得ないため、不要な無駄や汚染を洗浄できないとの事態が回避される。前記吐液口11は、前記筐体1の側壁又は底壁に設置可能である。
【0039】
更に、前記吐液構造2と吐液口11はネジ接続される。或いは、前記吐液構造2と吐液口11は係接される。好ましくは、前記吐液構造2と吐液口11はネジ接続とする。
【0040】
上記の方案において、前記吐液構造2と吐液口11をネジ接続とすることが好ましいのは、ネジ接続の場合には実現がより容易であり、信頼性にも優れるためである。前記吐液口11は、筐体1の外側に突出するよう設けるとともに、突出部分を通じて吐液構造2に接続してもよいし、筐体1の外側に突出しないよう設け、吐液構造2を吐液口11に挿通することで接続してもよい。筐体1の外側に突出するよう設ける場合には、吐液構造2との取り外し可能な接続がより簡単且つ便利となり、密封も容易である。また、洗濯添加剤ケースを洗濯機の洗濯添加剤装着デバイスに装着する際の位置決め及び位置規制がより容易となる。一方、筐体1の外側に突出しないよう設ける場合には、取り外し可能な接続及び密封の難度は高くなる。しかし、筐体1の外側に突出しないよう設けた場合には、洗濯添加剤ケース全体の成型がより容易となり、洗濯機の洗濯添加剤装着デバイスにいっそう装着しやすく、且つ見た目にも優れる。
【0041】
更に、前記吐液口11には、筐体1の外側に伸出する接続端111が設けられている。また、前記吐液構造2は接続キャップ21を含む。前記吐液構造2の一端は接続端111に挿通されて筐体1内に伸入し、他端は接続キャップ21を介して接続端111にネジ接続又は係接される。好ましくは、前記接続キャップ21と接続端111はネジ接続とする。
【0042】
上記の方案において、前記接続端111は筐体1の外側に伸出するよう設けられるとともに、吐液構造2の接続キャップ21に取り外し可能に接続される。係接の場合と比較して、ネジ接続は成型がより容易であり、信頼性にも優れる。前記接続キャップ21は、吐液構造2の他端に設けるとともに、吐液構造2と一体的に成型してもよいし、吐液構造2に固定接続してもよいし、取り外し可能に接続してもよい。ただし、密封の必要性等の要因に鑑みて、好ましい実施形態では一体成型式の接続キャップ21とする。
【0043】
更に、前記接続キャップ21は吐液構造2の他端に一体成型されるとともに、一定の隙間を置いて前記他端に逆向きに覆設される。前記接続端111はこれらの間に挟設されるとともに、接続キャップ21にネジ接続又は係接される。好ましくは、前記接続端111はこれらの間に挟設されるとともに、接続キャップ21にネジ接続される。
【0044】
上記の方案において、前記接続キャップ21が吐液構造2の他端の外側に逆向きに覆設されるとは、吐液構造2の他端から径方向に一定の距離だけ延伸したあと、吐液構造2の前記端とは逆方向に延伸して前記端に覆設されるとともに、双方の間に一定の隙間を有することをいう。前記接続端111はこれらの隙間に伸入してこれらの間に挟設されるとともに、接続キャップ21にネジ接続又は係接される。前記接続端111は、吐液ユニット22の他端にネジ接続してもよいし、係接してもよい。好ましい実施例では、ネジ接続とすれば成型がより容易となり、信頼性にも優れるため、接続端111を吐液ユニット22の他端にネジ接続又は係接してもよい。
【0045】
前記接続キャップ21の外側には、摩擦を強化する突出構造が設けられる。また、前記接続キャップ21と前記吐液構造2の一端との接続箇所の外側には、位置決め構造211が更に設けられている。
【0046】
接続キャップ21の外側に摩擦を強化する突出構造を設けることで、装着時に接続キャップ21を掴みやすく、より簡単・便利に所定の位置に装着可能となる。また、位置決め構造211を設けているのは、吐液構造2の装着方向にずれが生じて吐液効果に支障をきたしたり、吐液効果が失われたりしないようにするためである。
【0047】
更に、前記洗濯添加剤ケースは、吐液口11を密封する第1シールユニット4を含む。前記第1シールユニット4は、吐液口11と吐液構造2の間に設けられる。
【0048】
上記の方案では、前記吐液構造2が取り外し可能に吐液口11に設置されるため、筐体1内の液体が両者の接続箇所から漏れないよう、これらの間に第1シールユニット4を設ける必要がある。これにより、吐液構造2を取り外し可能に吐液口11に対し密封状に設置可能となる。
【0049】
更に、前記第1シールユニット4は環状のパッキンであり、吐液構造2の他端に覆設されるとともに、接続キャップ21内に嵌装される。且つ、前記第1シールユニット4は、接続端111によって接続キャップ21と吐液構造2の他端との接続箇所に押し付けられる。
【0050】
上記の方案において、前記第1シールユニット4は、接続キャップ21と接続端111の間、或いは、吐液構造2の他端と接続端111の間に設けてもよい。ただし、これら2か所に設けた場合、密封効果は上記の方案と同様であるが、摩擦力が増大して取り外しの難度が増すため、上記の方案とすることが好ましい。
【0051】
更に、前記吐液構造2は、一端に設けられて筐体1内の洗濯添加剤を吸引する吸引ユニット23と、他端に設けられて吸引ユニット23に取り外し可能に接続される吐液ユニット22を含む。前記吸引ユニット23の入口は筐体1の底壁に向かって延伸するとともに、底壁に面して設けられる。前記筐体1の底壁には、吸引ユニット23の入口に対応して底壁表面よりも低位置となった凹溝12が凹陥形成されている。吸引ユニット23の入口は凹溝12内に位置するとともに、凹溝12との間に液体を通過させる隙間を保持している。また、前記吸引ユニット23の出口は吐液ユニット22の入口と連通する。前記吐液ユニット22は逆止弁を含む。前記逆止弁は、一端が吸引ユニット23の他端と連通するとともに、他端が洗濯機の投入管路と連通する流動経路221と、流動経路221内に設けられるピストン222及び戻しバネ223を含む。前記ピストン222は、戻しバネ223の作用によって前記流動経路221を閉塞する。
【0052】
上記の方案では、吸引ユニット23を設けている。且つ、吸引ユニット23の入口は筐体1の底壁に向かって延伸するとともに、底壁に面して設けられる。そのため、洗濯添加剤ケースの筐体1内の洗濯添加剤をしっかりと抽出することができ、無駄が生じない。前記筐体1の底壁には、吸引ユニット23の入口に対応して底壁表面よりも低位置となった凹溝12が凹陥形成されている。吸引ユニット23の入口は凹溝12内に位置するとともに、凹溝12との間に液体を通過させる隙間を保持している。凹溝12は、洗濯添加剤の残量が少ないときに洗濯添加剤を収集する役割を発揮する。且つ、吸引装置の入口が凹溝12内に位置することから、洗濯添加剤を十分に利用可能となり、最大限の節約がなされるため、無駄が生じない。好ましくは、前記吸引ユニット23は中空の管状構造をなしており、内部に流路が形成されている。流路の一端は筐体1の底壁に面しており、他端は吐液ユニット22の入口と連通する。前記流路は、入口から出口の間に円弧状の方向転換導流経路を形成している。前記流路のうち吐液ユニット22の入口に対応する方向転換箇所は、外側に拡張する円弧面となっている。好ましくは、前記円弧面の半径は流路の半径よりも大きい。前記外側に拡張する円弧面によって、流路における洗濯添加剤の流動に有利となる。方向転換箇所に直角又は略直角の方向転換角度を設ける場合と比較して、本発明では、方向転換箇所を外側に拡張する円弧面としているため、液体の流動に有利となり、断続的な流動とはならない。
【0053】
更に、前記流動経路221の他端は、洗濯機の洗浄室内に洗濯添加剤を投入すべく、洗濯機の投入管路と連通する。前記投入管路には連通構造が設けられている。前記連通構造は投入管路の端部に設けられ、流動経路221内に伸入してピストン222を押動することで、前記流動経路221を開放する。また、前記流動経路221内には、流動経路221と投入管路との接続箇所を密封する第2シールユニットが設けられる。
【0054】
上記の方案において、前記連通構造は突出構造として設置してもよいし、突出構造を有してもよい。前記突出構造は、流動経路221に伸入して前記ピストン222と連携可能である。突出構造がピストン222を押し開くことで前記逆止弁が開放され、吐液構造2から液体が吐出される。一方、突出構造が退出すると、ピストン222は戻しバネ223の弾性力の作用によって元の位置に戻り、前記吐液構造2から液体を吐出不可能となる。
【0055】
更に、前記洗濯添加剤ケースは、筐体1に密封状に装着される一方向通気構造3を含む。洗濯添加剤ケースの内外両側の気圧が変化すると、前記構造が開放されて一方向に通気するか、前記構造が閉止される。
【0056】
上記の方案において、洗濯添加剤ケースは全体が密封状の筐体1となっている。一方向通気構造3は筐体1の一方向の通気のみを可能とし、液体、不純物等はいずれも一方向通気構造3を通じて担体の両側を流動することはできない。また、一方向通気構造3は、一方向の通気とともに、筐体1に対する密封作用も奏する。
【0057】
更に、前記筐体1は位置規制構造13を含む。前記位置規制構造13の形状及び大きさは、前記洗濯添加剤ケースの装着空間における位置規制構造13と一致しており、装着後の洗濯添加剤ケースの移動を規制する。
【0058】
更に、前記筐体1は、前記筐体1の装着側の壁の上側に設けられて摩擦力を強化する突出構造を含む。
【0059】
本発明は、更に洗濯機を提供する。前記洗濯機は上述した洗濯添加剤ケースを含む。
【実施例1】
【0060】
図1図6に示すように、本実施例において、洗濯添加剤ケースは、洗濯機に洗剤又は柔軟剤を充填するために用いられ、内部に空洞が設けられた密封状の筐体1を含む。前記洗剤又は柔軟剤は筐体1の空洞に配置される。前記筐体1は吐液口11を含み、前記吐液口11に吐液構造2が取り外し可能に設置されている。また、前記吐液構造2は逆止弁を含む。前記吐液口11は、前記筐体1の側壁に設置される。
【0061】
前記吐液口11には、筐体1の外側に伸出する接続端111が設けられている。また、前記吐液構造2は接続キャップ21を含む。前記吐液構造2の一端は接続端111に挿通されて筐体1内に伸入し、他端は接続キャップ21を介して接続端111にネジ接続される。
【0062】
前記接続キャップ21は吐液構造2の他端に一体成型されるとともに、一定の隙間を置いて前記他端に逆向きに覆設される。前記接続端111はこれらの間に挟設されるとともに、接続キャップ21にネジ接続される。前記接続キャップ21の外側には、摩擦を強化する突出構造が設けられる。また、前記接続キャップ21と前記吐液構造2の一端との接続箇所の外側には、位置決め構造211が更に設けられている。
【0063】
前記洗濯添加剤ケースは、吐液口11を密封する第1シールユニット4を更に含む。前記第1シールユニット4は、吐液口11と吐液構造2の間に設けられる。
【0064】
前記第1シールユニット4は環状のパッキンであり、吐液構造2の他端に覆設されるとともに、接続キャップ21内に嵌装される。且つ、前記第1シールユニット4は接続端111によって接続キャップ21と吐液構造2の他端との接続箇所に押し付けられる。
【0065】
前記吐液構造2は、一端に設けられて筐体1内の洗濯添加剤を吸引する吸引ユニット23と、他端に設けられて吸引ユニット23に取り外し可能に接続される吐液ユニット22を更に含む。前記吸引ユニット23の入口は筐体1の底壁に向かって延伸するとともに、底壁に面して設けられる。前記筐体1の底壁には、吸引ユニット23の入口に対応して底壁表面よりも低位置となった凹溝12が凹陥形成されている。吸引ユニット23の入口は凹溝12内に位置するとともに、凹溝12との間に液体を通過させる隙間を保持している。また、前記吸引ユニット23の出口は吐液ユニット22の入口と連通する。前記吐液ユニット22は逆止弁を含む。前記逆止弁は、一端が吸引ユニット23の他端と連通するとともに、他端が洗濯機の投入管路と連通する流動経路221と、流動経路221内に設けられるピストン222及び戻しバネ223を含む。前記ピストン222は、戻しバネ223の作用によって前記流動経路221を閉塞する。前記ピストン222の外壁と流動経路221の内壁の間には、液体を流動させる隙間が保持されている。また、前記流動経路221内には収縮部が設けられている。前記ピストン222は、戻しバネ223の作用により収縮部に押し付けられて、前記流動経路221を閉塞する。
【0066】
前記吸引ユニット23は中空の管状構造をなしており、内部に流路が形成されている。流路の一端は筐体1の底壁に面しており、他端は吐液ユニット22の入口と連通する。前記流路は、入口から出口の間に円弧状の方向転換導流経路を形成している。前記流路のうち吐液ユニット22の入口に対応する方向転換箇所は、外側に拡張する円弧面となっている。前記円弧面の半径は流路の半径よりも大きい。
【0067】
前記流動経路221の他端は、洗濯機の洗浄室内に洗濯添加剤を投入すべく、洗濯機の投入管路と連通する。前記投入管路には連通構造が設けられている。前記連通構造は投入管路の端部に設けられ、流動経路221内に伸入してピストン222を押動することで、前記流動経路221を開放する。また、前記流動経路221内には、流動経路221と投入管路との接続箇所を密封する第2シールユニットが設けられる。
【0068】
前記連通構造は突出構造である。前記突出構造は、流動経路221に伸入して前記ピストン222と連携可能である。本実施例において、前記連通構造は柱状構造をなしており、内部に流路が形成されている。前記連通構造の一端は洗濯添加剤ケースと連携して逆止弁を開放し、他端は洗濯機の投入管路と連通する。このうち、洗濯添加剤ケースと連携する一端の側壁には、内部の流路と連通する開孔が開設されている。よって、前記端部が前記ピストン222を押し開くと、その開孔から洗濯添加剤が連通構造の流路へと案内され、投入管路を通じて洗濯機内に進入する。
【0069】
前記洗濯添加剤ケースは、筐体1に密封状に装着される一方向通気構造3を更に含む。洗濯添加剤ケースの内外両側の気圧が変化すると、前記構造が開放されて一方向に通気するか、前記構造が閉止される。
【0070】
前記洗濯添加剤ケースの筐体1には、一方向通気構造3の装着凹溝14が設けられる。前記装着凹溝14の底壁には、一方向通気構造3を装着するための装着口と、装着凹溝14の底壁を貫通する複数の通気孔141が設けられる。前記装着凹溝14の底壁の下面は更に環状の凹溝を含み、前記通気孔141の排気口が環状の凹溝の内側に設けられる。本実施例では、4つの通気孔141を含む。
【0071】
前記一方向通気構造3は弾性材料部材であって、開閉部31と接続部32を含み、接続部32を介して装着口に接続される。前記開閉部31が筐体1の内外両側における気圧の変化に応じて開閉することで、通気孔141が一方向に通気又は閉止する。前記開閉部31は弾性を有する材料からなるため、一定の圧力の作用によって相応の変形を生じたあと、圧力が除去されると元の状態を回復可能である。前記開閉部31と接続部32は、ネジ接続、又は係接、又は接着、又は一体成型される。
【0072】
前記開閉部31は、逆向きの傘状構造又は円錐状構造をなしており、筐体1の内側に装着されるとともに、筐体1の装着凹溝14の下端面を覆う。また、前記開閉部31の基端は環状の凹溝に伸入する。前記開閉部31が閉止すると、基端が環状の凹溝に伸入して通気孔141を密封する。また、前記開閉部31が開放されると、開閉部31に変形が生じることで基端が環状の凹溝から離開し、通気孔141が一方向に通気する。
【0073】
前記接続部32には環状のボス321と移行部322が設けられている。前記環状のボス321は装着口に係合して接続部32を装着口内に係接する。また、前記移行部322は、環状のボス321と開閉部31の間に設けられる。前記移行部322の内部には、開閉部31の変形を補助する中空孔323が設けられている。また、前記環状のボス321の断面は半円形をなしている。前記移行部322の内部に設けられる中空孔323は、開閉部31を貫通するよう延伸しているため、開閉部31の変形に要する力が更に小さくなる。
【0074】
本実施例において、前記洗濯添加剤ケースは立方体又は直方体構造をなしている。
【実施例2】
【0075】
図1図6に示すように、本実施例において、洗濯添加剤ケースは、洗濯機に洗剤又は柔軟剤を充填するために用いられ、内部に空洞が設けられた密封状の筐体1を含む。前記洗剤又は柔軟剤は筐体1の空洞に配置される。前記筐体1は吐液口11を含み、前記吐液口11に吐液構造2が取り外し可能に設置されている。また、前記吐液構造2は逆止弁を含む。
【0076】
実施例1と比較して、本実施例では前記吐液構造2と吐液口11が係接される点で異なる。前記吐液口11には、筐体1の外側に伸出する接続端111が設けられている。また、前記吐液構造2は接続キャップ21を含む。前記吐液構造2の一端は接続端111に挿通されて筐体1内に伸入し、他端は接続キャップ21を介して接続端111に係接される。
【実施例3】
【0077】
図1図6に示すように、本実施例において、洗濯添加剤ケースは、洗濯機に洗剤又は柔軟剤を充填するために用いられ、内部に空洞が設けられた密封状の筐体1を含む。前記洗剤又は柔軟剤は筐体1の空洞に配置される。前記筐体1は吐液口11を含み、前記吐液口11に吐液構造2が取り外し可能に設置されている。また、前記吐液構造2は逆止弁を含む。
【0078】
本実施例において、前記洗濯添加剤ケースは立方体又は直方体構造をなしている。
【0079】
実施例1と比較して、本実施例では前記吐液口11が筐体1の外側に突出しないよう設けられる点で異なる。吐液構造2は、吐液口11に挿通されて取り外し可能に密封接続される。
【実施例4】
【0080】
図1図6に示すように、本実施例において、洗濯添加剤ケースは、洗濯機に洗剤又は柔軟剤を充填するために用いられ、内部に空洞が設けられた密封状の筐体1を含む。前記洗剤又は柔軟剤は筐体1の空洞に配置される。前記筐体1は吐液口11を含み、前記吐液口11に吐液構造2が取り外し可能に設置されている。また、前記吐液構造2は逆止弁を含む。
【0081】
実施例1と比較して、本実施例では前記吐液口11が前記筐体1の底壁に設けられる点で異なる。
【0082】
前記逆止弁は洗濯添加剤ケースの筐体1内に垂直に設けられる。吸引ユニット23の入口端は筐体1の底壁側に屈曲するよう延伸し、入口が前記底壁に面するとともに、前記底壁との間に液体を通過させる隙間を保持している。前記吸引ユニット23は中空の管状構造をなしており、内部に流路が形成される。流路の一端は筐体1の底壁に面しており、他端は逆止弁の入口と連通する。前記流路には、入口から出口の間に2回方向転換する導流経路が形成されている。前記吸引ユニット23と逆止弁が組み合わされることで「n」字構造の流動経路221が形成される。好ましくは、前記流路のうち逆止弁の入口に対応する方向転換箇所は外側に拡張する円弧面をなしている。流路のうち逆止弁の入口に対応する方向転換箇所が外側に拡張する円弧面となっているため、流路における洗濯添加剤の流動に有利となる。方向転換箇所に直角又は略直角の方向転換角度を設ける場合と比較して、本実施例では、方向転換箇所を外側に拡張する円弧面となるよう設計しているため、液体の流動に有利となり、断続的な流動とはならない。
【実施例5】
【0083】
図1図6に示すように、本実施例において、洗濯添加剤ケースは、洗濯機に洗剤又は柔軟剤を充填するために用いられ、内部に空洞が設けられた密封状の筐体1を含む。前記洗剤又は柔軟剤は筐体1の空洞に配置される。前記筐体1は吐液口11を含み、前記吐液口11に吐液構造2が取り外し可能に設置されている。また、前記吐液構造2は逆止弁を含む。
【0084】
実施例1と比較して、本実施例では前記筐体1に通気口が設けられ、前記一方向通気構造が前記通気口内に密封状に設けられる点で異なる。
【0085】
前記一方向通気構造は、通気部材と開閉部材を含む。前記通気部材には通気孔が設けられ、前記開閉部材は開閉部を含む。前記洗濯添加剤ケースの筐体1における内外両側の気圧が変化すると、開閉部が開閉されることで、通気孔が一方向に通気又は閉止する。
【0086】
前記通気部材には少なくとも1つの通気孔が設けられる。前記通気孔は通気部材の上下の端面を貫通している。また、前記通気孔の排気口は周方向において均一に下端面に分布している。前記通気部材には、更に、開閉部材を接続する接続孔と、開閉部材の密封を補助する環状の凹溝が設けられている。前記接続孔と前記環状の凹溝は同軸に設けられる。また、前記通気孔は前記接続孔の軸周りに周方向において均一に設けられる。これにより、通気孔の分布が均一でないために開閉部が完全に開放され、元の位置に閉止されなくなるとの事態が防止される。前記接続孔内には、前記開閉部材を係接する位置係合ボスが形成される。前記環状の凹溝は通気部材の下端面に設けられ、前記通気孔の排気口が前記環状の凹溝内の下端面に設けられる。前記環状の凹溝の内側壁は、通気孔に向かって傾斜して設けられる。より好ましくは、前記環状の凹溝の内側壁は、通気孔の外縁まで傾斜しながら移行するよう延伸する。これにより、前記開閉部に対する密封効果が向上する。
【0087】
前記開閉部材は弾性材料部材であり、開閉部と接続部を含む。好ましくは、前記開閉部材は一体成型式の弾性材料部材である。前記開閉部材の開閉部は弾性を有する材料からなるため、一定の圧力の作用によって相応の変形を生じたあと、圧力が除去されると元の状態を回復可能である。前記開閉部と接続部は、ネジ接続、又は係接、又は接着、又は一体成型され、好ましくは一体成型とする。
【0088】
前記開閉部は逆向きの傘状構造又は円錐状構造をなしており、通気部材の下端面を覆うとともに、基端が環状の凹溝に伸入する。開閉部を逆向きの傘状構造又は円錐状構造とするのは、開閉部が一定の一方向の圧力を受けた場合にのみ変形を生じるとともに、変形後に自身の構造的要因によって良好な変形回復力を有するようにするためである。前記開閉部が閉止すると、基端が環状の凹溝に伸入して通気孔を密封する。また、前記開閉部が開放されると、開閉部に変形が生じることで基端が環状の凹溝から離開し、通気孔が一方向に通気する。
【0089】
前記接続部には環状のボスと移行部が設けられている。前記環状のボスは接続孔の位置係合ボスに係合することで、接続部を接続孔内に係接する。また、前記移行部は環状のボスと開閉部の間に設けられる。前記移行部の内部には、開閉部の変形を補助する中空孔が設けられている。また、前記環状のボスの断面は半円形をなすが、これは、前記開閉部材をより便利に素早く、且つ労力を要さずに接続孔の位置係合ボスに係接するためである。前記移行部の内部に設けられる中空孔は、開閉部を貫通するよう延伸しているため、開閉部の変形に要する力が更に小さくなる。
【0090】
以上は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に限定するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて行うわずかな変形或いは補足は、同等に変形された等価の実施例とみなされ、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲内とされる。
【符号の説明】
【0091】
1 筐体
11 吐液口
111 接続端
12 凹溝
13 位置規制構造
14 装着凹溝
141 通気孔
2 吐液構造
21 接続キャップ
211 位置決め構造
22 吐液ユニット
221 流動経路
222 ピストン
223 戻しバネ
23 吸引ユニット
3 一方向通気構造
31 開閉部
32 接続部
321 環状のボス
322 移行部
323 中空孔
4 第1シールユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6