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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】乗物用ドア
(51)【国際特許分類】
   B60J 5/04 20060101AFI20220817BHJP
   B60J 5/00 20060101ALI20220817BHJP
【FI】
B60J5/04 Z
B60J5/04 R
B60J5/00 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2017230935
(22)【出願日】2017-11-30
(65)【公開番号】P2019098888
(43)【公開日】2019-06-24
【審査請求日】2020-08-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三垣 陽平
(72)【発明者】
【氏名】大西 貴久
【審査官】森本 康正
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-082227(JP,U)
【文献】特開2007-216864(JP,A)
【文献】特開2003-174710(JP,A)
【文献】特開昭62-023874(JP,A)
【文献】米国特許第05647631(US,A)
【文献】実開昭57-045421(JP,U)
【文献】実開昭58-162302(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 5/00- 5/12
F16B 5/00- 5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗物用ドアであって、
アウタパネルと、
前記アウタパネルの室内側に取り付けられるインナパネルと、を備え、
前記インナパネルがヒンジを介して乗物本体部に取り付けられることで、当該乗物用ドアが揺動自在に開閉する構成とされ、
前記アウタパネルと前記インナパネルとは、相対的に横方向にスライドすることで着脱可能とされており、
前記アウタパネルは、その室内側パネル面から突出し前記横方向を長辺とする第1アウタ側係止部と第2アウタ側係止部とを備え、
前記インナパネルは、その室外側パネル面から突出し前記横方向を長辺とする第1インナ側係止部と第2インナ側係止部とを備え、
前記アウタパネルが前記ヒンジに近づくように前記横方向にスライドし、前記第1アウタ側係止部と前記第1インナ側係止部とが互いに係止されて前記横方向を長辺とする第1係止部として構成され、前記第2アウタ側係止部と前記第2インナ側係止部とが互いに係止されて前記横方向を長辺とする第2係止部として構成されることで、前記アウタパネルと前記インナパネルとが組み付けられた組付状態となるものとされており、
前記横方向にスライドを行う際に、前記第1アウタ側係止部と前記第2インナ側係止部、または前記第2アウタ側係止部と前記第1インナ側係止部の少なくとも一方の組み合わせについて、互いに当接しない位置関係にそれぞれ配置され、
前記組付状態では、前記第1係止部と前記第2係止部とが、当該乗物用ドアの外周のうち前記横方向に延びる部分に沿って複数並び、
前記第1アウタ側係止部は、
前記アウタパネルの室内側パネル面から突出する第1アウタ側突出部と、
前記第1アウタ側突出部の先端から下方に突出する第2アウタ側突出部と、
前記第1アウタ側突出部の基端から前記第2アウタ側突出部の突出方向とは反対方向に突出するアウタ側補強リブと、を含み、
前記第1インナ側係止部は、
前記インナパネルの室外側パネル面から突出する第1インナ側突出部と、
前記第1インナ側突出部の先端から上方に突出する第2インナ側突出部と、
前記第1インナ側突出部の基端から前記第2インナ側突出部の突出方向とは反対方向に突出するインナ側補強リブと、を含み、
前記第1アウタ側係止部と前記第1インナ側係止部とが、前記第1アウタ側突出部が前記第1インナ側突出部よりも上方に位置し、且つ前記第2アウタ側突出部と前記第2インナ側突出部とが少なくとも一部において内外方向に重なりつつ、前記第2アウタ側突出部が前記第2インナ側突出部よりも室内側に位置する状態で、互いに係止されていることを特徴とする乗物用ドア。
【請求項2】
記第2アウタ側係止部は、前記アウタパネルの室内側パネル面から突出する第3アウタ側突出部と、前記第3アウタ側突出部から上方に突出する第4アウタ側突出部とを含み
記第2インナ側係止部は、前記インナパネルの室外側パネル面から突出する第3インナ側突出部と、前記第3インナ側突出部から下方に突出する第4インナ側突出部とを含み
記第2アウタ側係止部と前記第2インナ側係止部とが、前記第3アウタ側突出部が前記第3インナ側突出部よりも下方に位置し、且つ前記第4アウタ側突出部と前記第4インナ側突出部とが少なくとも一部において内外方向に重なりつつ、前記第4アウタ側突出部が前記第4インナ側突出部よりも室内側に位置する状態で、互いに係止されていることを特徴とする請求項1に記載の乗物用ドア。
【請求項3】
前記第1アウタ側突出部、前記第2アウタ側突出部、前記第3アウタ側突出部、前記第4アウタ側突出部、前記第1インナ側突出部、前記第2インナ側突出部、前記第3インナ側突出部、および前記第4インナ側突出部は、それぞれ所定幅を有する片状突出部として構成されていることを特徴とする請求項2に記載の乗物用ドア。
【請求項4】
前記アウタパネルと前記インナパネルのうち前記インナパネルのみが前記ヒンジを介して前記乗物本体部に取り付けられることで、当該乗物用ドアが揺動自在に開閉することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の乗物用ドア。
【請求項5】
前記第1アウタ側係止部と前記第2インナ側係止部、または前記第2アウタ側係止部と前記第1インナ側係止部は、前記インナパネルと前記アウタパネルとを相対的に横方向にスライドして着脱することが可能な位置関係に配されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の乗物用ドア。
【請求項6】
前記アウタパネルと前記インナパネルのうち前記インナパネルのみが前記ヒンジを介して前記乗物本体部に取り付けられることで、当該乗物用ドアが揺動自在に開閉する構成とされ、
前記第1アウタ側係止部が前記第2アウタ側係止部よりも前記ヒンジ側に配され、前記第1インナ側係止部が前記第2インナ側係止部よりも前記ヒンジ側に配されており、
前記インナパネルに対して前記アウタパネルを横方向にスライドして着脱する際に、前記第2インナ側係止部は前記第1アウタ側係止部に当接しない高さ位置に配されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の乗物用ドア。
【請求項7】
前記アウタパネルが樹脂により構成された樹脂製アウタパネルとされ、前記インナパネルが樹脂により構成された樹脂製インナパネルとされていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の乗物用ドア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、乗物用ドアに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、乗物用ドアとして、外側のパネル部材と内側のパネル部材とを組み付けることにより構成されるものが知れている。このような両部材の組付けとしては、例えば、特許文献1のように、合成樹脂製によって形成されたドアアウタパネル8を、鋼板製のドアインナパネル12に取り付けられたスクリュグロメット13に、ドアアウタパネル8に形成されたねじ挿通孔14を通してタッピングねじ15を締め付けることによって、車体構成部材であるドアインナパネル12に数カ所において係止されるようなものが公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開昭62-23874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された技術においては、樹脂製のドアアウタパネルを鋼板製のドアインナパネルに重ね合わせ、ねじ止めにより両者を組み付けるものである。しかしながら、このような組付けは、ねじ等の組付け部材を別途必要とし、その作業性も良好なものではない。また、いったん組み付けられると、ドアアウタパネルとドアインナパネルとの取り外しも困難で、取り外し作業は多大な時間と労力が掛かるものである。
【0005】
本明細書で開示される技術は、上記した点に鑑みてなされたものであって、ドアを構成するアウタパネルとインナパネルとを簡便に組み付けることが可能であって、両者を取り外すことも簡便で、別途新たな組付け部材や取外し部材を必要としない、斬新な乗物用ドアを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段として、本明細書で開示される技術は、アウタパネルと、前記アウタパネルの室内側に取り付けられるインナパネルと、を備え、前記アウタパネルと前記インナパネルとは、相対的に横方向にスライドすることで着脱可能とされており、前記アウタパネルは、その室内側パネル面から突出する第1アウタ側係止部と第2アウタ側係止部とを備え、前記インナパネルは、その室外側パネル面から突出する第1インナ側係止部と第2インナ側係止部とを備え、前記第1アウタ側係止部と前記第1インナ側係止部とが係止され、前記第2アウタ側係止部と前記第2インナ側係止部とが係止されることで、前記アウタパネルと前記インナパネルとが組み付けられるものとされており、前記横方向にスライドを行う際に、前記第1アウタ側係止部と前記第2インナ側係止部、または前記第2アウタ側係止部と前記第1インナ側係止部の少なくとも一方の組み合わせについて、互いに当接しない位置関係にそれぞれ配置されているものとすることができる。
【0007】
このような位置関係で互いの係止部を配置することで、アウタパネルとインナパネルの横方向へのスライドによる着脱が実現できる。つまり、乗物用ドアにおいて、アウタパネルとインナパネルとをスライドにより着脱する斬新な構成を実現できるようになる。
【0008】
また、上記技術において、前記アウタパネルは、その室内側パネル面から突出する第1アウタ側突出部と、前記第1アウタ側突出部から下方に突出する第2アウタ側突出部とからなる第1アウタ側係止部と、その室内側パネル面から突出する第3アウタ側突出部と、前記第3アウタ側突出部から上方に突出する第4アウタ側突出部とからなる第2アウタ側係止部と、を備え、前記インナパネルは、その室外側パネル面から突出する第1インナ側突出部と、前記第1インナ側突出部から上方に突出する第2インナ側突出部とからなる第1インナ側係止部と、その室内側パネル面から突出する第3インナ側突出部と、前記第3インナ側突出部から下方に突出する第4インナ側突出部とからなる第2インナ側係止部と、を備え、前記第1アウタ側係止部と前記第1インナ側係止部とが、前記第1アウタ側突出部が前記第1インナ側突出部よりも上方に位置し、且つ前記第2アウタ側突出部と前記第2インナ側突出部とが少なくとも一部において内外方向に重なりつつ、前記第2アウタ側突出部が前記第2インナ側突出部よりも室内側に位置する状態で、互いに係止され、前記第2アウタ側係止部と前記第2インナ側係止部とが、前記第3アウタ側突出部が前記第3インナ側突出部よりも下方に位置し、且つ前記第4アウタ側突出部と前記第4インナ側突出部とが少なくとも一部において内外方向に重なりつつ、前記第4アウタ側突出部が前記第4インナ側突出部よりも室内側に位置する状態で、互いに係止されているものとすることができる。
【0009】
このような技術によると、アウタパネルとインナパネルとを横方向にスライドすることで互いに組み付けることができる。また、組付けのスライド方向とは反対側にスライドすることで、互いに取り外すことができる。そして、組付け時には、互いの係止部が上下左右に係止されるため、その組付け性も良好なものとなる。このように、本明細書に開示された技術により、アウタパネルとインナパネルとを簡便且つ正確に組み付けることができ、両者を取り外すことも簡便にでき、ねじ等の別途新たな組付け部材や取外し部材を必要としない、斬新な乗物用ドアを提供することが可能となる。
【0010】
上記技術において、前記第1アウタ側突出部、前記第2アウタ側突出部、前記第3アウタ側突出部、前記第4アウタ側突出部、前記第1インナ側突出部、前記第2インナ側突出部、前記第3インナ側突出部、および前記第4インナ側突出部は、それぞれ所定幅を有する片状突出部として構成されているものとすることができる。
【0011】
このような技術によると、突出部が片状に構成されることで、一方の係止部の片状の面で他方の係止部を支持することが可能となり、ひいてはアウタパネルとインナパネルを互いに上下左右に確実に支持することが可能となる。
【0012】
上記技術において、前記アウタパネルと前記インナパネルのうち前記インナパネルのみがヒンジを介して乗物本体部に取り付けられることで、当該乗物用ドアが揺動自在に開閉するものとすることができる。
【0013】
このような技術によると、インナパネルがヒンジを介して乗物本体に取り付けられ、その取り付けられたインナパネルからアウタパネルをヒンジとは反対の横方向にスライドすることで、アウタパネルを容易に取り外すことが可能となる。また、取り付ける際も、ヒンジにより乗物本体に取り付けられているインナパネルに対して、ヒンジとは反対側からスライドにより容易に取り付けることができる。
【0014】
上記技術において、前記第1アウタ側係止部と前記第2インナ側係止部、または前記第2アウタ側係止部と前記第1インナ側係止部は、前記インナパネルと前記アウタパネルとを相対的に横方向にスライドして着脱することが可能な位置関係に配されているものとすることができる。
【0015】
上記乗物用ドアでは、第1アウタ側係止部に対して第1インナ側係止部が係止され、第2アウタ側係止部に対して第2インナ側係止部がそれぞれ係止されるのであるが、アウタパネルとインナパネルとを横方向へのスライドにより着脱する場合には、これらが互いに干渉していてはそのようなスライドの着脱が不可能となる。上記技術によれば、アウタパネルとインナパネルとを横方向へのスライドにより着脱する場合に、第1アウタ側係止部と第2インナ側係止部が互いに干渉しない位置関係、第2アウタ側係止部と第1インナ側係止部が互いに干渉しない位置関係に配されることで、アウタパネルとインナパネルとを横方向へのスライドによりスムーズに着脱することが可能となる。
【0016】
上記技術において、前記アウタパネルと前記インナパネルのうち前記インナパネルのみがヒンジを介して乗物本体部に取り付けられることで、当該乗物用ドアが揺動自在に開閉する構成とされ、前記第1アウタ側係止部が前記第2アウタ側係止部よりも前記ヒンジ側に配され、前記第1インナ側係止部が前記第2インナ側係止部よりも前記ヒンジ側に配されており、前記インナパネルに対して前記アウタパネルを横方向にスライドして着脱する際に、前記第2インナ側係止部は前記第1アウタ側係止部に当接しない高さ位置に配されているものとすることができる。
【0017】
上記乗物用ドアでは、第1アウタ側係止部に対して第1インナ側係止部が係止され、第2アウタ側係止部に対して第2インナ側係止部がそれぞれ係止されるのであるが、アウタパネルをインナパネルに対して横方向へのスライドにより着脱する場合には、これらが互いに干渉していてはそのようなスライドの着脱が不可能となる。上記技術によれば、アウタパネルをインナパネルに対して横方向へのスライドにより着脱する場合に、ヒンジ側にある第1アウタ側係止部が、ヒンジとは遠い側にある第2インナ側係止部に干渉しないこととなり、アウタパネルをインナパネルに対してスムーズに着脱することが可能となる。
【0018】
上記技術において、前記アウタパネルが樹脂により構成された樹脂製アウタパネルとされ、前記インナパネルが樹脂により構成された樹脂製インナパネルとされているものとすることができる。
このような技術によると、第1アウタ側係止部、第2アウタ側係止部、第1インナ側係止部、第2インナ側係止部を射出成形により好適に成形可能となる。また、樹脂により軽量化されるため、スライドによる着脱もスムーズに行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本明細書で開示される技術によれば、ドアを構成するアウタパネルとインナパネルとを簡便に組み付けることが可能であって、両者を取り外すことも簡便にでき、別途新たな組付け部材や取外し部材を必要としない、斬新な乗物用ドアを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態1の乗物用ドアの平面図。
図2】実施形態1の乗物用ドアについて、その主構成要素を分解して模式的に示す分解斜視図。
図3】実施形態1の乗物用ドアについて主要縦断面を示す図1におけるA-A線断面図。
図4】実施形態1の乗物用ドアについて主要縦断面を示す図1におけるB-B線断面図。
図5】実施形態1の乗物用ドアについて、アウタパネルとインナパネルの組付構造を説明するために一部構成を透過して示す平面図。
図6】アウタパネルとインナパネルの組付構造を説明する図であって、図1図3)におけるC-C線断面図。
図7】アウタパネルとインナパネルの組付構造を説明する図であって、図1図3)におけるD-D線断面図。
図8】アウタパネルとインナパネルの組付構造を説明する図であって、互いの係止部が係止された状態を示す斜視図。
図9】インナパネルに対するアウタパネルの着脱の態様を示す説明図。
図10】実施形態1の乗物用ドアにおけるインナパネルの補強部について、その構成を示す斜視図。
図11】補強部におけるロック機構部を示す、図10のM-M線断面図。
図12】実施形態1の乗物用ドアについてアームレスト部の縦断面構成を示す図1におけるE-E線断面図。
図13】実施形態1の乗物用ドアについてウェザーストリップ部の縦断面構成を示す図1におけるF-F線断面図。
図14】実施形態1の乗物用ドアについてスイッチ部の縦断面構成を示す図1におけるG-G線断面図。
図15】実施形態1の乗物用ドアについてミラーコントローラー部の横断面構成を示す図1におけるH-H線断面図。
図16】実施形態1の乗物用ドアについてロック機構部の横断面構成を示す図1におけるI-I線断面図。
図17】実施形態1の乗物用ドアについてヒンジ部周辺の横断面構成を示す図1におけるJ-J線断面図。
図18】実施形態1の乗物用ドアについてヒンジ部周辺の横断面構成を示す図1におけるK-K線断面図。
図19】実施形態2に係る乗物用ドアにおける補強部の構成を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係る乗物用ドアを、乗物としての自動車(車両)のフロントドアに適用した実施形態1を図1から図18を参照しつつ説明する。なお、各図面において矢印で示す方向は、FRが車両前方、RRが車両後方、Lが車両左方向、Rが車両右方向となっている。
【0022】
実施形態1の乗物用ドア100は、図1ないし図4に示すように、アウタパネル500とインナパネル200の2枚のパネルを互いに組み付けた構成とされている。アウタパネル500は、自動車の外観を構成する自動車最外のパネルであって、樹脂により構成された樹脂製アウタパネルとされている。インナパネル200は、自動車の内観(室内意匠面)を構成する内装部材を兼ねたパネルであって、樹脂により構成された樹脂製インナパネルとされている。
【0023】
本実施形態の乗物用ドア100は、アウタパネル500とインナパネル200のうちインナパネル200のみが前方部分において乗物本体700(図17図18参照)に対してヒンジ部110を介して取り付けられており、これにより乗物用ドア100が揺動自在に開閉するものとなっている。アウタパネル500とインナパネル200の間には、その他のパネル部材が介在せず、これらアウタパネル500とインナパネル200が対向する形で乗物用ドア100が構成されている。
【0024】
アウタパネル500の室外面は、図4に示すように、自動車の外観(外観意匠面)を構成する各種凹凸形状が付与されており、また、アウタパネル500が樹脂製であるため、深絞り成形を採用することが可能となるなど外観構成の設計幅が広がるものとなっている。一方、インナパネル200の室内面には、ドアポケット10を構成するポケット開口部11、乗員の肘おき部としてのアームレスト12、ドアの開閉を操作すべく手を掛けることが可能なプルハンドル部13、ドアの窓を開閉するための操作スイッチを備えたスイッチ部14等が設けられ、室内意匠面が構成されている。
【0025】
インナパネル200は、図2ないし図4に示すように、乗物用ドア100の室内意匠面を構成する本体部(樹脂製本体部)300と、本体部300の室外面のうち外周部分(室外側外周面)307に配される枠状の補強部(樹脂製補強部、環状補強部)400とを含んで構成されている。なお、本実施形態では補強部400は枠状としているが、例えば上下一対に前後方向に沿って延びる補強部材を配置して構成するものとしても良い。
【0026】
アウタパネル500に用いる樹脂としては、例えば繊維強化樹脂(不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂や、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂等に、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維等を配合してなるもの)の他、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、超高分子量ポリオレフィン(ポリエチレン)樹脂等を例示することができる。
【0027】
インナパネル200のうち本体部300に用いる樹脂としては、例えばポリプロピレン樹脂の他、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、これらの樹脂に天然繊維を配合した樹脂等を例示することができる。インナパネル200のうち補強部400に用いる樹脂としては、例えば繊維強化樹脂(不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂や、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂等に、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維等を配合してなるもの)の他、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、超高分子量ポリオレフィン(ポリエチレン)樹脂等を例示することができる。
【0028】
インナパネル200の補強部400は、板状部材がアウタパネル500側に突出するように屈曲した形の屈曲部403,407を上下に一対、前後方向に延びる形で備えている。各屈曲部403,407は、当該屈曲部403,407と本体部300とによって、室内外方向において囲まれてなる中空部425を形成する形で屈曲している。
【0029】
インナパネル200の本体部300は、板状のパネル部材であって、上側に位置するアッパーパネル部301と下側に位置するロアパネル部302とを備えている。アッパーパネル部301は、前後方向に延びるとともに、その上下方向中心部分331から上側部分332に向かうにしたがって室外側にカーブし、つまり上方部において室内側に向かって膨出する構成とされている。また、ロアパネル部302は、前後方向に延びるとともに、その上下方向中心部分333から下側部分334に向かうにしたがって室外側にカーブし、つまり下方部において室内側に向かって膨出する構成とされている。したがって、上記補強部400のうち屈曲部403は、アッパーパネル部301の室外側面307との間で中空部425を構成する上側屈曲部とされ、屈曲部407は、ロアパネル部302の室外側面307との間で中空部425を構成する下側屈曲部とれている。
【0030】
本体部300と補強部400とは、互いの当接面において接着剤にて接着されている。具体的には、アッパーパネル部301の室外側面307と上側屈曲部403とは上側第1接着面163および上側第2接着面164にて、ロアパネル部302の室外側面307と下側屈曲部407とは下側第1接着面168および下側第2接着面169にて、それぞれ接着されている。なお、接着以外にも、例えば超音波カシメやビス締め等により両者を固定することも可能である。
【0031】
インナパネル200の本体部300は、室内側に向けて膨出する膨出部311を備えている。膨出部311は、アームレスト12を構成し、乗物用ドア100に窓機能を付加するための部品としてスイッチ14を備えたスイッチベース32が設けられている(図14参照)。また、膨出部311は、上面から下方に窪む凹部を備え、その凹部がプルハンドル部13を構成し、ドアの開閉を操作すべく手を掛ける(把持する)ことが可能とされている。ここで、プルハンドル部13は、パネル部材としての本体部300の一部を膨出して構成し、別途の部材を本体部300に取り付けた構成ではないため、図12にも示すように、膨出部311の奥側部分49において、当該プルハンドル部13を構成する膨出部311を他部材にスクリュー止め等により締結固定する必要がないものとなっている。
【0032】
アウタパネル500の上側部分の室内側には、前後方向に沿って延び、樹脂または樹脂と繊維材料で構成されるアウタ側補強部材22が設けられている。アウタ側補強部材22は、アッパーパネル部301および上側屈曲部403(すなわち中空部425も含む)と車室内外方向に重なる位置に設けられ、2枚の板状部材のうち少なくとも一方が外側に膨らむ形で屈曲し、当該2枚の板状部材を重ね合わせることで室内外方向において囲まれてなる中空部228を形成する構成とされている。
【0033】
アウタパネル500とインナパネル200との間には、ドア窓を構成する窓ガラス部材(板部材)30が上下方向に昇降可能に配されている。このようなドア窓の機能を構成する機能部品としての窓ガラス部材30の昇降を実現すべく、補強部400の上側部分401には、図13にも示すように、その上側部分において一部室外側に突出する取付座面部402が構成され、その取付座面部402の室外側面に、窓ガラス部材30との間の隙間を埋めつつ窓ガラス部材30の昇降を許容するウェザーストリップ(緩衝部材)35が設けられている。一方、アウタパネル500の上側部分501にも取付部材510が設けられ、その室内面側にも同様のウェザーストリップ35が設けられ、これら対向するウェザーストリップ35,35の間に窓ガラス部材30が摺動自在に介在している。
【0034】
アウタパネル500の下側部分の室内側には、前後方向に沿って延び、室外側からの衝撃を緩和するためのインパクトビーム21が設けられている。インパクトビーム21と車室内外方向に重なる位置には、補強部400のうち、板状部材がアウタパネル500側に突出するように屈曲した形の下側屈曲部(インパクトビーム対向屈曲部)407が対向して配置されている。したがって、中空部425は、インパクトビーム対向屈曲部407と本体部300とによって室内外方向において囲まれたインパクトビーム重畳中空部として構成され、これらの部材の重畳により、乗員に対する室外側からの衝撃が好適に緩和されるものとなっている。
【0035】
インナパネル200の本体部300には、下側部分であるロアパネル部302においてポケット開口部11が形成されている。一方、本体部300の室外側に配される補強部400には、ポケット開口部11を本体部300の室外側から覆う開口カバー部40が取り付けられている。このように、ポケット開口部11の奥側空間であって、本体部300のポケット開口部11の下側部分と開口カバー部40により囲まれた空間により、乗物用ドア100の室内意匠面に開口する形のドアポケット10が構成されている。
【0036】
インナパネル200の補強部400は、図10に示すように、本体部300の車両前後方向における後側部分の室外面から室外側に延びる形の後側立壁部445と、本体部300の上側部分の外周縁から室外側に延びる形の上側立壁部446と、を有している。このうち後側立壁部445には、当該乗物用ドア100を乗物本体700(図16図17図18参照)に対してロックするためのロック機構部460が配されている。ロック機構部460は、乗物本体700が備える鍵部材を挿通可能な開口部465を備え、図11に示すように、乗物用ドア100に設けられた鍵係止部467への当該鍵部材の係止を可能としている。
【0037】
上記のようなロック機構部460およびその周辺の後側立壁部445は、当該箇所において乗物用ドア100が乗物本体700にロックされるため、その剛性を高める必要があるが、本実施形態では、当該箇所を後側立壁部445の立壁の基端である一般部442や上側立壁部446よりも肉厚に構成することで、その剛性を高めている。このように本実施形態では、インナパネル200(本体部300、補強部400)を樹脂により構成することで、その厚さを位置毎に容易に異ならせることができ、ひいては剛性を位置毎に簡便に異ならせることができる。アウタパネル500についても同様に樹脂にて構成されているため、その厚さを位置毎に容易に異ならせることができ、ひいては剛性を位置毎に簡便に異ならせることができる。なお、ロック機構部460は補強部400に対して樹脂成形品を係止する構成の他、補強部400と一体成形にて構成するものも採用することができる。
【0038】
アウタパネル500とインナパネル200の組付構造について説明する。
図5は、乗物用ドア100について、アウタパネル500とインナパネル200の組付構造を説明するために一部構成を透過して示す平面図である。図5に示すように、アウタパネル500とインナパネル200は、ドア外周に設けられた複数の係止部50により互いに組み付けられている。具体的には、係止部50は、アウタパネル500の室内面側に突出して設けられたアウタ側係止部53,63と、インナパネル200の室外面側に突出して設けられたインナ側係止部56,66とにより構成され、これらを互いに係止させることでアウタパネル500とインナパネル200の組付けが実現している。
【0039】
本実施形態では、上述した通り、組み付けられたアウタパネル500とインナパネル200のうちインナパネル200がヒンジ部110を介して乗物本体700に取り付けられて、これにより乗物用ドア100が乗物本体700に対して揺動自在に開閉する仕組みとなっている。また、乗物本体700に組み付けられたインナパネル200からアウタパネル500をスライドして着脱することができるものとされている。具体的には図9に示すように、組み付けられた状態のアウタパネル500とインナパネル200において、インナパネル200のヒンジ部110とは反対側(後側)から、アウタパネル500をヒンジ部110から遠ざかる方向にスライドして引き抜いて取り外すことができ、逆にインナパネル200のヒンジ部110とは反対側(後側)から、アウタパネル500をヒンジ部110に近づく方にスライドして両者を重ね合わせることで、両者を組み付けることができるものとなっている(図9の矢線方向)。
【0040】
アウタパネル500側の係止部のうち相対的にヒンジ部110に近い位置に設けられた第1アウタ側係止部53は、図6に示すように、アウタパネル500の室内側面(室内側パネル面)509から突出する第1アウタ側突出部51と、第1アウタ側突出部51の先端部から下方に突出する第2アウタ側突出部52とから構成されている。また、アウタパネル500側の係止部のうち相対的にヒンジ部110に遠い位置に設けられた第2アウタ側係止部63は、図7に示すように、アウタパネル500の室内側面(室内側パネル面)509から突出する第3アウタ側突出部61と、第3アウタ側突出部61の先端部から上方に突出する第4アウタ側突出部62とから構成されている。
【0041】
また、インナパネル200側の係止部のうち相対的にヒンジ部110に近い位置に設けられた第1インナ側係止部56は、図6に示すように、インナパネル200の室外側面(室外側パネル面)209から突出する第1インナ側突出部54と、第1インナ側突出部54の先端部から上方に突出する第2インナ側突出部55とから構成されている。また、インナパネル200側の係止部のうち相対的にヒンジ部110に遠い位置に設けられた第2インナ側係止部66は、図7に示すように、インナパネルの室外側面(室外側パネル面)209から突出する第3インナ側突出部64と、第3インナ側突出部64の先端部から下方に突出する第4インナ側突出部65とから構成されている。
【0042】
そして、相対的にヒンジ部110に近い位置にある係止部50を構成する第1アウタ側係止部53と第1インナ側係止部56とは、図6に示すように、第1アウタ側突出部51が第1インナ側突出部54よりも上方に位置し、且つ第2アウタ側突出部52と第2インナ側突出部55とが少なくとも一部において内外方向に重なりつつ、第2アウタ側突出部52が第2インナ側突出部55よりも室内側に位置する状態で、互いに係止されている。また、相対的にヒンジ部110に遠い位置にある係止部50を構成する第2アウタ側係止部63と第2インナ側係止部66とは、図7に示すように、第3アウタ側突出部61が第3インナ側突出部64よりも下方に位置し、且つ第4アウタ側突出部62と第4インナ側突出部65とが少なくとも一部において内外方向に重なりつつ、第4アウタ側突出部62が第4インナ側突出部65よりも室内側に位置する状態で、互いに係止されている。
【0043】
係止部50を構成する第1アウタ側係止部53(第1アウタ側突出部51、第2アウタ側突出部52)、第2アウタ側係止部63(第3アウタ側突出部61、第4アウタ側突出部62)、第1インナ側係止部56(第1インナ側突出部54、第2インナ側突出部55)、第2インナ側係止部66(第3インナ側突出部64、第4インナ側突出部65)は、図8にも示す通り、それぞれ車両前後方向に所定幅を有する片状の突出部として構成されている。このような構成により、第1アウタ側係止部53と第1インナ側係止部56とが上下ないし室内外方向に重なって係止されるとともに、第2アウタ側係止部63と第2インナ側係止部66とが上下ないし室内外方向に重なって係止され、この係止構成が乗物用ドア100の外周に沿って複数配置されることで、アウタパネル500とインナパネル200とが互いに組み付けられる構成となっている。
【0044】
ここで、図5に示すように、ヒンジ部110から遠ざかる方向に並ぶ各係止部50は、インナパネル200とアウタパネル500とを相対的に横方向にスライドして着脱することが可能な位置関係に配されている。つまり、インナパネル200からアウタパネル500をスライドにより取り外す際(或いは取り付ける際)に、係止部同士が当たって引っ掛かるようなことがなく、互いに干渉しない位置関係に配されているのである。具体的には、第1アウタ側係止部53が第2アウタ側係止部63よりもヒンジ部110側に配され、第1インナ側係止部56が第2インナ側係止部66よりもヒンジ部110側に配されており、インナパネル200に対してアウタパネル500を横方向にスライドして着脱する際に、第2インナ側係止部66は第1アウタ側係止部53に当接しない高さ位置に配されており、これによりスライド時に係止部同士が干渉することなく、スムーズに着脱を行うことができるものとされている。なお、各係止部53,56,63,66には、その突出部分を補強するための補強リブ58,59が形成されている。また、図8にも示すように、スライドにより互いの係止をスムーズに実現すべく端面にはガイド面57が形成されている。
【0045】
図4に戻り、本実施形態の乗物用ドア100には、当該ドアに機能を付与するための機能部品として窓機能を付与する窓部品(窓ガラス部材)30が設けられ、該窓ガラス部材30は、上述の通り、アウタパネル500とインナパネル200との間に介在している。また、窓ガラス部材30を上下方向に昇降するため、つまり機能部品を駆動するための駆動部品としてモータ付きウィンドレギュレータ31が、同じくアウタパネル500とインナパネル200との間に配され、詳しくはインナパネル200の本体部300に取り付けられている。一方、窓ガラス部材30を上下方向に昇降する機能を発現すべく、モータ付きウィンドレギュレータ31の作動を操作するためのスイッチ14がインナパネル200の意匠面側に設けられている。
【0046】
図14に示すように、インナパネル200の本体部300における膨出部311の上面部312にはスイッチベース32が設けられ、このスイッチベース32にスイッチ14が上面部312から室内意匠面に露出するように配されている。スイッチベース32は、膨出部311の上面に露出するスイッチ14のほか、上面から下方に延びるベース部33と、ベース部33から室外方向に延びてモータ付きウィンドレギュレータ31を取り付けるための取付座34とを備えて構成されている。このように、モータ付きウィンドレギュレータ31はインナパネル200(本体部300)の室外面側に配され、具体的には、スイッチ14を備えるスイッチベース32の室外方向に延びる取付座34に取り付けられており、したがってスイッチ14とモータ付きウィンドレギュレータ31との間で配線等の配策が簡便な構成となり得るものとなっている。
【0047】
窓部品(窓ガラス部材)30とは異なる機能部品として、図15に示すように、ドアミラー132が設けられ、このドアミラー132を駆動するためのミラーコントローラーECU131がインナパネル200(本体部300)に設けられている。具体的には、ミラーコントローラーECU131はポケット開口部11を覆う開口カバー40の室外面側に配され、このミラーコントローラーECU131からスイッチ14へ信号線が配策され、当該スイッチ14を操作することで、ドアミラー132を開閉したり、ミラー角度を調整したりすることが可能となっている。
【0048】
本実施形態の乗物用ドア100を閉じた状態、すなわち図16に示すように、乗物本体700に対して一部重なるように閉じた状態からヒンジ部110を中心に回動して開くと、乗物用ドア100の後方面(後方立壁面)363が後方に露出することとなる。ここで、乗物用ドア100は、樹脂製のアウタパネル500と樹脂製のインナパネル200との組み合わせにより構成され、上記後方面363も樹脂製の本体部300により構成されており、ドア開放時に後方から視認され得る当該後方面363は、シボ加工等の樹脂成形により意匠性に優れた面に加工されている。
【0049】
乗物用ドア100を開閉するためのヒンジ部110の構成について、図17及び図18も参照しつつ説明する。
上述した通り、アウタパネル500とインナパネル200のうち、インナパネル200がヒンジ部110を介して乗物本体700に取り付けられている。このヒンジ部110においては、ドア開閉に係る力が集中するため組付け強度の向上が必要であるが、本実施形態では、インナパネル200を構成する本体部300と補強部400とともに、アウタ側補強部材22もヒンジ部110において共締めされている。具体的には、図17及び図18に示すように、インナパネル200(本体部300、補強部400)とアウタ側補強部材22とが、ヒンジプレート800で外側から支持されつつ、内側からヒンジ部110を構成する一方のヒンジブラケット810を挟む形でビス830にて共締めされる構成となっている。そして、図18に示すように、回転中心850を挟んで他方のヒンジブラケット820は乗物本体700に支持され、これにより乗物本体700に対して乗物用ドア100(インナパネル200)が揺動自在に開閉する仕組みとなっている。なお、図17及び図18に示すように、アウタパネル500は、ヒンジ部110とインナパネル200とを外側から覆う形で、インナパネル200に対して横方向へのスライドにより着脱自在に取り付けられている。
【0050】
以上のような実施形態1の乗物用ドア100によると、樹脂製のアウタパネル500と、アウタパネル500の室内側に取り付けられる樹脂製のインナパネル200と、を備え、インナパネル200は、当該乗物用ドア100の室内意匠面を構成する樹脂製の本体部300と、本体部300の室外側の外周部分に配される樹脂製の補強部400と、を備えている。このようにドアの外側部材と内側部材とを樹脂製とすることで軽量化が図られ、しかも内側部材である樹脂製インナパネル200について、樹脂製の本体部300によって乗物室内の意匠面を構成するとともに、その樹脂製の本体部300の室外側の外周部分に樹脂製の補強部400を配したため外周部分を強化でき、簡便な構成で低コストにて、ドアとしての剛性が確保されている。特に、樹脂製のインナパネルを意匠構成要素としての本体部300と、補強構成要素としての補強部400との2部材により構成しているため斬新な乗物用ドアとなっており、枠状の補強部400を本体部300の室外側外周面に接着により取り付けて簡便にインナパネル200を作成し、これを更にアウタパネル400に対して取り付けることで乗物用ドア100を作成することが可能となっている。
【0051】
また、樹脂製の補強部400は、板状部材がアウタパネル500側に突出するように屈曲した形の屈曲部403,407を備え、屈曲部403,407と樹脂製本体部300とによって室内外方向において囲まれた中空部425,425を備えている。したがって、板状部材の屈曲部403,407と樹脂製本体部300とによって囲まれた中空部425,425において高い剛性が確保され、本実施形態のように、アウタパネル500とインナパネル200をともに樹脂製にて構成した乗物用ドア100であっても十分な強度を示すものとなっている。特に、樹脂製アウタパネル500と樹脂製インナパネル200の樹脂製本体部300との間において中空部425を形成するものとしているため、両者の間に他部材が介在しておらず、中空部425の断面積を大きく確保できるため、剛性の確保が容易なものとなっている。
【0052】
また、樹脂製の本体部300は、上側に位置するアッパーパネル部301と下側に位置するロアパネル部302とを備え、アッパーパネル部301は、乗物前後方向に延びるとともに、その上下方向中心部分331から上側部分332に向かうにしたがって室外側にカーブしてなる一方、ロアパネル部302は、乗物前後方向に延びるとともに、その上下方向中心部分333から下側部分334に向かうにしたがって室外側にカーブしてなり、樹脂製の補強部400は、アッパーパネル部301の室外側面との間で中空部425を構成する上側屈曲部403と、ロアパネル部302の室外側面との間で中空部425を構成する下側屈曲部407とを、それぞれ乗物前後方向に沿って延びる形で備えている。これにより、乗物用ドア100の上側部分は、アッパーパネル部301と上側屈曲部403とによって囲まれた中空部425において高い剛性が確保され、乗物用ドア100の下側部分は、ロアパネル部302と下側屈曲部407とによって囲まれた中空部425において高い剛性が確保されており、アウタパネル500とインナパネル200をともに樹脂製にて構成した本実施形態の乗物用ドア100であっても十分な強度を示すものとなっている。
【0053】
また、樹脂製の補強部400は、樹脂製の本体部300の外周部分に沿って環状に構成されている。したがって、インナパネル200、ひいては当該乗物用ドア100の一層高い剛性が確保されている。
【0054】
また、樹脂製の本体部300は、室内側に向けて膨出する膨出部311を備え、膨出部311に、当該乗物用ドア100に機能を付加する機能部品としてのスイッチ14、またはスイッチベース32が設けられている。乗物用ドア100において、機能部品を取り付ける箇所には剛性が必要となるが、上記構成によると、樹脂製の本体部300のうち膨出部分311は平坦部分に比べて剛性が高くなり、ここに機能部品としてのスイッチ14、スイッチベース32を設けたことで、樹脂製のインナパネル200であっても、機能部品を取り付けることによる強度上の不具合が生じにくいものとなっている。
【0055】
また、樹脂製のアウタパネル500の上側部分の室内側には、乗物前後方向に沿って延び、樹脂または樹脂と繊維材料とで構成されるアウタ側補強部材22が設けられている。これにより、樹脂製のアウタパネル500側でも十分な強度が確保されている。
【0056】
また、樹脂製のアウタパネル500と樹脂製のインナパネル200との間にドア窓を構成する板部材(窓ガラス部材)30が昇降可能に配されており、樹脂製の補強部400の上側部分401における室外側面(取付座面部402の室外側面)に、板部材(窓ガラス部材)30との間の隙間を埋めつつ板部材(窓ガラス部材)30の昇降を許容するウェザーストリップ(緩衝部材)35が設けられている。このような構成により、ウェザーストリップ(緩衝部材)35を取り付けるために別途新たな取付部材等を追加せずとも、窓部分における隙間を解消しつつ、ウェザーストリップ(緩衝部材)35の昇降を実現できる。なお、本実施形態では、樹脂製の補強部400が屈曲部403,407を備えるため、その屈曲の角度を調整することで、ウェザーストリップ(緩衝部材)35の設置位置や設置角度を自在に調整することができ、その結果、ウェザーストリップ(緩衝部材)35と板部材(窓ガラス部材)30との摩擦度合い等を適宜好ましい条件に調整することができるものとなっている。
【0057】
また、樹脂製のアウタパネル500の下側部分の室内側には、乗物前後方向に沿って延び、室外側からの衝撃を緩和するためのインパクトビーム21が設けられ、樹脂製の補強部400は、インパクトビーム21と室内外方向に重なる位置に、板状部材が樹脂製のアウタパネル500側に突出するように屈曲した形のインパクトビーム対向屈曲部407を備え、インパクトビーム対向屈曲部407と樹脂製の本体部300とによって囲まれたインパクトビーム重畳中空部425が設けられている。これにより、室外側からの衝撃に対し、インパクトビーム21と、これに重畳するインパクトビーム重畳中空部425との2つにより、当該衝撃を緩和することが可能となり、樹脂製のアウタパネル500とインナパネル200からなる本実施形態の乗物用ドア100においても、乗員を当該衝撃から好適に保護することが可能となっている。
【0058】
また、樹脂製の本体部300は開口部(ポケット開口部)11を備え、樹脂製の補強部400は、開口部(ポケット開口部)11を樹脂製の本体部300の室外側から覆う開口カバー部40を備えている。これにより、室内側から開口部(ポケット開口部)11内に小荷物を収容することが可能となる。すなわち樹脂製の補強部400の開口カバー部40により開口部(ポケット開口部)11を室外側から覆うことで、ポケットを構成することができ、この場合、ポケット構成のために新たな部品追加も必要ないため、底コスト化が実現されている。
【0059】
また、樹脂製の補強部400は、樹脂製の本体部300の乗物前後方向における後側部分の室外面から室外側に延びる形の後側立壁部445と、樹脂製の本体部300の上側部分の室外面から室外側に延びる形の上側立壁部446と、を有し、後側立壁部445は、当該乗物用ドア100を乗物に対してロックするためのロック機構部460を有し、ロック機構部460は、上側立壁部446よりも肉厚に構成されている。ドアをロックする場合、当該ロック部分においては他部分に比べて相対的に高い強度を必要とする。上記構成によれば、樹脂製の補強部400の後側立壁部445にロック機構部460を配し、その箇所を他部(ここでは上側立壁部)よりも肉厚に構成することで、ロック部分における強度が確保されている。
【0060】
一方、アウタパネル500は、その室内側パネル面509から突出する第1アウタ側突出部51と、第1アウタ側突出部51から下方に突出する第2アウタ側突出部52とからなる第1アウタ側係止部53と、その室内側パネル面509から突出する第3アウタ側突出部61と、第3アウタ側突出部61から上方に突出する第4アウタ側突出部62とからなる第2アウタ側係止部63と、を備えている。また、インナパネル200は、その室外側パネル面209から突出する第1インナ側突出部54と、第1インナ側突出部54から上方に突出する第2インナ側突出部55とからなる第1インナ側係止部56と、その室外側パネル面209から突出する第3インナ側突出部64と、第3インナ側突出部64から下方に突出する第4インナ側突出部65とからなる第2インナ側係止部66と、を備えている。そして、第1アウタ側係止部53と第1インナ側係止部56とが、第1アウタ側突出部51が第1インナ側突出部54よりも上方に位置し、且つ第2アウタ側突出部52と第2インナ側突出部55とが少なくとも一部において内外方向に重なりつつ、第2アウタ側突出部52が第2インナ側突出部55よりも室内側に位置する状態で、互いに係止されている。また、第2アウタ側係止部63と第2インナ側係止部66とが、第3アウタ側突出部61が第3インナ側突出部64よりも下方に位置し、且つ第4アウタ側突出部62と第4インナ側突出部65とが少なくとも一部において内外方向に重なりつつ、第4アウタ側突出部62が第4インナ側突出部65よりも室内側に位置する状態で、互いに係止されている。
【0061】
このような構成により、アウタパネル500とインナパネル200とを横方向にスライドすることで互いに組み付けることができる。また、組付けのスライド方向とは反対側にスライドすることで、互いに取り外すことができる。つまり、アウタパネル500とインナパネル200とを簡便に組み付けることが可能で、両者を取り外すことも簡便にでき、ねじ等の別途新たな組付け部材や取外し部材を必要としない、斬新な乗物用ドア100とされている。
【0062】
また、第1アウタ側突出部51、第2アウタ側突出部52、第3アウタ側突出部61、第4アウタ側突出部62、第1インナ側突出部54、第2インナ側突出部55、第3インナ側突出部64、および第4インナ側突出部65は、それぞれ所定幅を有する片状突出部として構成されている。これにより、互いに重なった突出部同士でアウタパネル500とインナパネル200を互いに上下左右に支持することが可能とされている。
【0063】
また、アウタパネル500とインナパネル200のうちインナパネル200のみがヒンジ部110を介して乗物本体部700に取り付けられることで、当該乗物用ドアが揺動自在に開閉している。したがって、取り付けられたインナパネル200からアウタパネル500をヒンジ部110とは反対の横方向にスライドすることで、アウタパネル500を容易に取り外すことができる。また、取り付ける際も、ヒンジ部110により乗物本体700に取り付けられているインナパネル200に対して、ヒンジ部110とは反対側からスライドにより容易に取り付けることができる。
【0064】
また、第1アウタ側係止部53と第2インナ側係止部66、または第2アウタ側係止部63と第1インナ側係止部56は、インナパネル200とアウタパネル500とを相対的に横方向にスライドして着脱することが可能な位置関係に配されている。本実施形態では、第1アウタ側係止部53に対して第1インナ側係止部56が係止され、第2アウタ側係止部63に対して第2インナ側係止部66がそれぞれ係止されるのであるが、アウタパネル500とインナパネル200とを横方向へのスライドにより着脱する場合には、これらが互いに干渉していてはそのようなスライドの着脱が不可能となるが、上記のような位置関係に配しているため、アウタパネル500とインナパネル200とを横方向へのスライドによりスムーズに着脱できるものとなっている。
【0065】
特に本実施形態では、アウタパネル500とインナパネル200のうちインナパネル200のみがヒンジ部110を介して乗物本体部700に取り付けられることで、当該乗物用ドアが揺動自在に開閉する構成とされ、第1アウタ側係止部53が第2アウタ側係止部63よりもヒンジ部110側に配され、第1インナ側係止部56が第2インナ側係止部66よりもヒンジ部110側に配されており、インナパネル200に対してアウタパネル500を横方向にスライドして着脱する際に、第2インナ側係止部66は第1アウタ側係止部53に当接しない位置に配されている。
本実施形態では、第1アウタ側係止部53に対して第1インナ側係止部56が係止され、第2アウタ側係止部63に対して第2インナ側係止部66がそれぞれ係止されるのであるが、アウタパネル500をインナパネル200に対して横方向へのスライドにより着脱する場合には、これらが互いに干渉していてはそのようなスライドの着脱が不可能となるが、上記のような位置関係に配しているため、ヒンジ部110側にある第1アウタ側係止部53が第2インナ側係止部66に干渉せず、アウタパネル500をインナパネル200に対してスムーズに着脱することが可能となる。
【0066】
一方、本実施形態の乗物用ドア100は、当該乗物用ドア100に機能を付加する機能部品としての窓部品(窓ガラス部材)30と、窓部品(窓ガラス部材)30を駆動するための駆動部品としてのモータ付きウィンドレギュレータ31と、窓部品(窓ガラス部材)30の機能を発現するためにモータ付きウィンドレギュレータ31の作動を操作するためのスイッチ14と、を備え、スイッチ14がインナパネル200の室内面側に取り付けられ、且つモータ付きウィンドレギュレータ31がインナパネル200の室外面側に取り付けられている。ドアを構成するアウタパネル500とインナパネル200のうち、室内意匠面を構成するインナパネル200の室内面側にスイッチ14を設け、室外面側にモータ付きウィンドレギュレータ31を設けるものとしたため、その構成が簡便となり省スペース化される。特に、室内意匠面を構成するインナパネル200とアウタパネル500とにより構成されるドアにおいては、モータ付きウィンドレギュレータ31を設置するパネルが別途にないが、上記のようにスイッチ14を設けたインナパネル200にモータ付きウィンドレギュレータ31を設けることで構成が簡便となっている。
【0067】
また、インナパネル200の室外面側に室外方向に延びる取付座34が設けられ、モータ付きウィンドレギュレータ31が取付座34に取り付けられている。このように室外方向に延びる取付座34を介してモータ付きウィンドレギュレータ31が取り付けられることで、インナパネル200とアウタパネル500との間において適切な位置にモータ付きウィンドレギュレータ31を配置することができるものとされている。
【0068】
また、駆動部品としてのモータ付きウィンドレギュレータ31は、樹脂製の本体部300に取り付けられている。これにより、アウタパネル500とインナパネル200がともに樹脂にて構成される本実施形態の乗物用ドア100において、樹脂製の補強部400により当該ドア100の剛性を確保することが可能となり、さらに樹脂製の本体部300にモータ付きウィンドレギュレータ31を取り付けることで、該取付部位においても剛性の向上が図られている。また、ヒンジ部110により乗物本体700に固定されるインナパネル200の本体部300に駆動部品としてのモータ付きウィンドレギュレータ31を取り付けることで、アウタパネル500を取り外す際も、機能部品30と駆動部品31とスイッチ14との間に配策される配線等を取り外す必要がないものとなっている。
【0069】
また、インナパネル200(本体部300)は、室内側に膨出する膨出部311を備え、スイッチ14は、インナパネル200(本体部300)の膨出部311の上面部312に設けられたスイッチベース32に配されており、スイッチベース32は、膨出部311の上面に露出するスイッチ14と、上面から下方に延びるベース部33と、ベース部33から室外方向に延びてレギュレーター31を取り付けるための取付座34と、を備えている。つまり、ドアを構成するアウタパネル500とインナパネル200のうち、室内意匠面を構成するインナパネル200の室内面側にスイッチ14を設け、室外面側にレギュレーター31を設けるものとしているため、その構成が簡便となり省スペース化が図られている。特に、スイッチベース32をインナパネル200(本体部300)の膨出部311に設けるとともに、膨出部311の上面から下方に延びるベース部33と、ベース部33から室外方向に延びるレギュレーター31の取付座34とを備える構成としたために、一層の省スペース化が実現されている。
【0070】
続いて、実施形態2の乗物用ドアの構成について、図19を参照しつつ説明する。実施形態2の乗物用ドアは、補強部400の構成が実施形態1と異なり、図19に示す構成の補強部4000が採用されている。具体的には、補強部4000に、本体部300のポケット開口部11を覆う開口カバー部40が一体成形にて設けられ、該一体の開口カバー部40によりドアポケット10を構成している。また、ロック機構部460も補強部4000と一体成形にて設けられている。なお、その他の構成は実施形態1と全て同様であり、説明を省略する。
【0071】
以上、本発明の実施形態を示したが、上記記述及び図面によって説明した実施形態以外にも、例えば次のような実施形態とすることも可能である。
例えば、上記実施形態では乗物として車両(自動車)を例示したが、その他にも地上の乗物としての列車や遊戯用車両、飛行用乗物としての飛行機やヘリコプター、海上や海中用乗物としての船舶や潜水艇などの乗物についても上記乗物用ドアを適用することができる。
【0072】
また、上記実施形態では、フロントドアに本発明に係る乗物用ドアの構成を適用した実施例を例示したが、例えばバックドアにも上記本発明に係る乗物用ドアの構成を適用することができる。
【0073】
また、上記実施形態では、補強部400を枠状にて構成したが、補強部400は少なくとも本体部300の室外側の外周部分に配されていれば補強構造を実現でき、例えば本体部の室外側の外周のいずれかの位置に部分的に単数若しくは複数配すること、外周の一辺である上辺部や下辺部の延在方向に沿って配すること、上辺部から側辺部に跨って配すること、外周に沿って部分的に配すること等により、本体部を補強してインナパネル200の剛性を高めるものとすることができる。上記実施形態でも、本体部300の室外側の上辺部と下辺部の延在方向(前後方向)に沿って中空部425が延在し、これが補強構造の主体をなしている。
【符号の説明】
【0074】
14…スイッチ、30…機能部品(窓ガラス部材30)、31…駆動部品(モータ付きウィンドレギュレータ)、32…スイッチベース、51…第1アウタ側突出部、52…第2アウタ側突出部、53…第1アウタ側係止部、54…第1インナ側突出部、55…第2インナ側突出部、56…第1インナ側係止部、61…第3アウタ側突出部、62…第4アウタ側突出部、63…第2アウタ側係止部、64…第3インナ側突出部、65…第4インナ側突出部、66…第2インナ側係止部、100…乗物用ドア、110…ヒンジ部、200…インナパネル(樹脂製インナパネル)、300…本体部(樹脂製本体部)、307…室外側外周面、311…膨出部、400…補強部(樹脂製補強部)、403,407…屈曲部、425…中空部、500…アウタパネル(樹脂製アウタパネル)、700…乗物本体(乗物本体部)
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