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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】給送装置、及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 3/00 20060101AFI20220817BHJP
   B65H 1/26 20060101ALI20220817BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20220817BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20220817BHJP
【FI】
B65H3/00 310E
B65H1/26 312H
G03G15/00 405
G03G21/16 147
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017240655
(22)【出願日】2017-12-15
(65)【公開番号】P2019108181
(43)【公開日】2019-07-04
【審査請求日】2020-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】安藤 賢志
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-015225(JP,A)
【文献】特開2009-294561(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0251597(US,A1)
【文献】特開2017-102169(JP,A)
【文献】特開平11-065197(JP,A)
【文献】特開2012-145965(JP,A)
【文献】特開平09-110194(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00- 3/68
G03G 15/00
G03G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1記録媒体を給送する第1給送ユニットと、
前記第1記録媒体と相違する第2記録媒体を給送し、前記第1給送ユニットの下側に配置される第2給送ユニットと、
前記第1給送ユニットと前記第2給送ユニットとを固定する第1姿勢と、前記第1姿勢と相違する第2姿勢とをとる固定構造と
を備え、
前記固定構造は、前記第1給送ユニットの枠部材と前記第2給送ユニットの枠部材とを固定することによって、前記第1給送ユニットと前記第2給送ユニットとを固定し、
前記固定構造が前記第2姿勢である場合には、前記固定構造は、前記第1給送ユニットと前記第2給送ユニットとの固定を解除し、
前記第2給送ユニットは、前記第2給送ユニットの上端に配置される挿通孔を備え、
前記固定構造は、前記挿通孔に挿通される円筒部材を備え、
前記固定構造は、前記挿通孔に挿通された前記円筒部材によって、前記円筒部材を中心に回動自在に支持され、
前記固定構造は、前記円筒部材を中心に回動することによって、前記第1姿勢と前記第2姿勢との間で姿勢が変更され、
前記固定構造は、前記挿通孔に挿通される第1係合部材を更に備え、
前記第2給送ユニットは、前記第2給送ユニットの上端に配置される第1枠部材を更に備え、
前記円筒部材と前記第1係合部材とが前記挿通孔に挿通されることによって、前記第1係合部材は、前記第1枠部材と係合し、
前記固定構造は、前記第1給送ユニットと前記第2給送ユニットとを固定する固定部材を更に備え、
前記固定部材は、前記円筒部材に固定され、
前記固定部材は、第1突部と、前記第1突部と相違する第2突部とを備え、
前記第1給送ユニットは、前記第1給送ユニットの下端に配置される第2枠部材を備え、
前記第2給送ユニットは、前記第2給送ユニットの上端に配置され、前記第1枠部材と相違する第3枠部材を更に備え、
前記固定構造が前記第1姿勢である場合には、前記第1突部と前記第2枠部材とが係合し、前記第2突部と前記第3枠部材とが係合し、
前記固定構造が前記第2姿勢である場合には、前記第1突部と前記第2枠部材との係合が外れ、前記第2突部と前記第3枠部材と係合の係合が外れる、給送装置。
【請求項2】
前記第2給送ユニットは、前記固定構造が前記第1姿勢であることを検出する検出部を更に備える、請求項1に記載の給送装置。
【請求項3】
第1記録媒体を給送する第1給送ユニットと、
前記第1記録媒体と相違する第2記録媒体を給送し、前記第1給送ユニットの下側に配置される第2給送ユニットと、
前記第1給送ユニットと前記第2給送ユニットとを固定する第1姿勢と、前記第1姿勢と相違する第2姿勢とをとる固定構造と
を備え、
前記固定構造は、前記第1給送ユニットの枠部材と前記第2給送ユニットの枠部材とを固定することによって、前記第1給送ユニットと前記第2給送ユニットとを固定し、
前記固定構造が前記第2姿勢である場合には、前記固定構造は、前記第1給送ユニットと前記第2給送ユニットとの固定を解除し、
前記第2給送ユニットは、前記固定構造が前記第1姿勢であることを検出する検出部を更に備え、
前記固定構造は、第1突出部材を更に備え、
前記検出部は、前記第2給送ユニットから出没自在に構成された棒状部材を備え、
前記固定構造が前記第1姿勢である場合には、前記第1突出部材は前記棒状部材を押圧して没入させ、
前記固定構造が前記第2姿勢である場合には、前記第1突出部材は前記棒状部材と離間し、
前記検出部は、前記棒状部材が没入した場合に、前記固定構造が前記第1姿勢であることを検出する、給送装置。
【請求項4】
前記第2給送ユニットは、前記第2記録媒体が積層して載置される給送カセットを更に備え、
前記給送カセットは、前記第2給送ユニットに着脱自在であり、
前記固定構造は、第2突出部材を更に備え、
前記固定構造が前記第1姿勢である場合には、前記第2突出部材は、前記給送カセットの前記第2給送ユニットへの装着を許容し、
前記固定構造が前記第2姿勢である場合には、前記第2突出部材は、前記給送カセットの前記第2給送ユニットへの装着を禁止する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の給送装置。
【請求項5】
第1記録媒体と、前記第1記録媒体と相違する第2記録媒体とを含む記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記第1記録媒体を前記画像形成部に給送する第1給送ユニットと、
前記第1給送ユニットの下側に配置され、前記第2記録媒体を前記画像形成部に給送する第2給送ユニットと、
前記第1給送ユニットと前記第2給送ユニットとを固定する第1姿勢と、前記第1姿勢と相違する第2姿勢とをとる固定構造と
を備え、
前記固定構造は、前記第1給送ユニットの枠部材と前記第2給送ユニットの枠部材とを固定することによって、前記第1給送ユニットと前記第2給送ユニットとを固定し、
前記固定構造が前記第2姿勢である場合には、前記固定構造は、前記第1給送ユニットと前記第2給送ユニットとの固定を解除し、
前記固定構造が前記第1姿勢であることを検出する検出部と
像形成装置の動作を制御する制御部と
を更に備え、
前記固定構造が前記第1姿勢であることを前記検出部が検出していない場合に、前記制御部は、前記画像形成部の動作を禁止する、画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、さらに、前記検出部の検出結果を報知する、請求項5に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給送装置、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の画像形成装置は、画像形成装置本体と、給送ユニットとを備える。画像形成装置本体は、被ロック部材を有する。給送ユニットは、給紙カセットと、ロック部材とを有する。ロック部材は、給紙カセットのセット動作に連動するように構成される。セット動作は、給紙カセットを給紙可能な位置にセットする動作を示す。すなわち、給紙カセットのセット動作が行われたときに、ロック部材が、画像形成装置本体の被ロック部材に係合する。なお、画像形成装置本体の下部には、給送ユニットが配置されている。すなわち、画像形成装置本体と給送ユニットとを固定するためには、画像形成装置本体の給送ユニット(第1給送ユニット)と、給送ユニット(第2給送ユニット)とを固定すればよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平9-110194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の画像形成装置では、給紙カセットのセット動作に連動するようにロック部材が構成されるため、第1給送ユニットと第2給送ユニットとを固定する構造が複雑になる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、第1給送ユニットと第2給送ユニットとを簡素な構成で固定することの可能な固定構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る給送装置は、第1給送ユニットと、第2給送ユニットと、固定構造とを備える。前記第1給送ユニットは、第1記録媒体を給送する。前記第2給送ユニットは、前記第1記録媒体と相違する第2記録媒体を給送し、前記第1給送ユニットの下側に配置される。前記固定構造は、前記第1給送ユニットと前記第2給送ユニットとを固定する第1姿勢と、前記第1姿勢と相違する第2姿勢とをとる。前記固定構造は、前記第1給送ユニットの枠部材と前記第2給送ユニットの枠部材とを固定することによって、前記第1給送ユニットと前記第2給送ユニットとを固定する。前記固定構造が前記第2姿勢である場合には、前記固定構造は、前記第1給送ユニットと前記第2給送ユニットとの固定を解除する。
【0007】
本発明に係る画像形成装置は、画像形成部と、第1給送ユニットと、第2給送ユニットと、固定構造とを備える。前記画像形成部は、第1記録媒体と、前記第1記録媒体と相違する第2記録媒体を含む記録媒体に画像を形成する。前記第1給送ユニットは、前記第1記録媒体を前記画像形成部に給送する。前記第2給送ユニットは、前記第2記録媒体を前記画像形成部に給送し、前記第1給送ユニットの下側に配置される。前記固定構造は、前記第1給送ユニットと前記第2給送ユニットとを固定する第1姿勢と、前記第1姿勢と相違する第2姿勢とをとる。前記固定構造は、前記第1給送ユニットの枠部材と前記第2給送ユニットの枠部材とを固定することによって、前記第1給送ユニットと前記第2給送ユニットとを固定する。前記固定構造が前記第2姿勢である場合には、前記固定構造は、前記第1給送ユニットと前記第2給送ユニットとの固定を解除する。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る給送装置、及び画像形成装置によれば、第1給送ユニットと第2給送ユニットとを簡素な構成で固定できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
図2】画像形成装置の構成を示す斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る固定構造の配置を示す斜視図である。
図4】固定構造の構成を示す拡大斜視図である。
図5】固定構造を円筒部材側から見た斜視図である。
図6】(a)固定構造を第1突出部材側から見た斜視図である。(b)は、固定構造を第2突出部材側から見た斜視図である。
図7】(a)は、第2姿勢の固定構造を示す上面図である。(b)は、第1姿勢の固定構造を示す上面図である。
図8図7(b)に示す第1姿勢の固定構造のVIII-VIII断面を示す断面図である。
図9図7(b)に示す第1姿勢の固定構造のIX-IX断面を示す断面図である。
図10】(a)は、検出部の配置を示す斜視図である。(b)は、第1姿勢の固定構造を示す斜視図である。
図11】制御部の処理を示すフローチャートである。
図12】給送装置の別の形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面(図1図12)を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0011】
まず、図1及び図2を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成装置100について説明する。図1は、画像形成装置100の構成を示す図である。図2は、画像形成装置の構成を示す斜視図である。図1に示すように、画像形成装置100は複合機である。画像形成装置100は、画像形成ユニット1、画像読取ユニット2、原稿搬送ユニット3、操作表示部4及び制御部5を備える。
【0012】
画像形成ユニット1は、用紙Pに画像を形成する。画像読取ユニット2は、原稿Rに形成された画像を読み取り、読取画像を生成する。原稿搬送ユニット3は、原稿Rを画像読取ユニット2に搬送する。操作表示部4は、ユーザーからの操作を受け付ける。制御部5は、画像形成装置100の動作を制御する。
【0013】
図1には、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を記載している。X軸及びY軸は、水平面と平行である。Z軸は、鉛直方向と平行である。以下の説明において、Y軸の正方向側を背面側といい、Y軸の負方向側を前面側という場合がある。
【0014】
また、画像形成ユニット1は、筐体10、給送装置200、画像形成部14、定着部15、排出ローラー対16及び排出トレイ17を備える。給送装置200は、第1給送ユニット11と、第2給送ユニット6とを備える。筐体10は、第1給送ユニット11、画像形成部14、定着部15及び排出ローラー対16を収納する。
【0015】
第1給送ユニット11は、第1給送カセット111と、ピックアップローラー112と、搬送ローラー対113とを有する。第2給送ユニット6は、第1給送ユニット11の下側に配置され、筐体60と、第2給送カセット61と、ピックアップローラー62と、搬送ローラー対63とを有する。第1給送カセット111は、用紙P1を収納する。筐体60は、第2給送カセット61、ピックアップローラー62及び搬送ローラー対63を収納する。第2給送カセット61は、用紙P2を収納する。用紙P1は、「第1記録媒体」の一例に相当し、用紙P2は、「第2記録媒体」の一例に相当する。以下の説明において、用紙P1及び用紙P2の各々を、用紙Pと総称する場合がある。
【0016】
第1給送カセット111からピックアップローラー12によって繰り出された用紙P1は、搬送ローラー対113によって画像形成部14まで搬送される。第2給送カセット61からピックアップローラー62によって繰り出された用紙P2は、搬送ローラー対63によって搬送ローラー対113を経由して画像形成部14まで搬送される。画像形成部14は、用紙P1及び用紙P2に画像を形成する。
【0017】
画像が形成された用紙Pは、定着部15まで搬送される。定着部15は、用紙Pを加熱及び加圧し、用紙Pに形成された画像を用紙Pに定着する。画像が定着された用紙Pは、排出ローラー対16によって排出トレイ17へ排出される。
【0018】
操作表示部4は、タッチパネル41を備える。タッチパネル41は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)を備え、種々の画像を表示する。タッチパネル41は、タッチセンサーを更に備え、ユーザーの操作を受け付ける。
【0019】
制御部5は、プロセッサー51及び記憶部52を備える。プロセッサー51は、例えばCPU(Central Processing Unit)を備える。記憶部52は、半導体メモリーのようなメモリーを備え、HDD(Hard Disk Drive)を備えてもよい。記憶部52は、制御プログラムを記憶している。
【0020】
図2に示すように、第1給送カセット111及び第2給送カセット61は、前面側(Y軸の負方向側)に引き出すことができる。第1給送カセット111を前面側に引き出すことによって、第1給送カセット111に用紙P1を補給できる。第2給送カセット61を前面側に引き出すことによって、第2給送カセット61に用紙P2を補給できる。
【0021】
また、筐体60は、筐体10とは別の筐体である。筐体60の側面は、筐体10の側面と面一に配置される。
【0022】
次に、図1図3を参照して、本発明の実施形態に係る固定構造7の配置について説明する。図3は、固定構造7の配置を示す斜視図である。図3に示すように、給送装置200は、固定構造7を更に備える。固定構造7は、筐体10と筐体60との間に配置される。具体的には、筐体60の上面において、X軸方向の負方向側の端部で、且つ、前面側の端部に配置される。固定構造7は、基体71と固定部材72とを備える。基体71及び固定部材72については、後述にて図4図10を参照して詳細に説明する。
【0023】
次に、図1図4を参照して、固定構造7の構成について説明する。図4は、固定構造7の構成を示す拡大斜視図である。すなわち、図4は、図3に示す固定構造7を拡大した斜視図である。図4に示すように、固定構造7は、円筒部材73を更に備える。筐体60は、第1枠部材601を備える。
【0024】
円筒部材73は、円筒状に形成され、第1枠部材601に形成された「挿通孔」に挿通される。第1枠部材601は、筐体60の上端に配置され、円筒部材73を回転自在に支持する。また、基体71と、固定部材72と、円筒部材73とは一体に形成されている。すなわち、第1枠部材601は、固定構造7を回転自在に支持する。「挿通孔」については、後述にて図9を参照して詳細に説明する。
【0025】
固定構造7が円筒部材73を中心に回動することによって、固定構造7は、第1姿勢と第2姿勢とをとる。固定構造7が第1姿勢である場合には、固定部材72が第1給送ユニット11と第2給送ユニット6とを固定する。固定構造7が第2姿勢である場合には、第1給送ユニット11と第2給送ユニット6との固定を解除する。図4では、固定構造7は第1姿勢である。
【0026】
固定部材72は、第1突出部材721と、把持部材725とを備える。第1突出部材721は、前面側に突出して形成される。第1突出部材721は、「検出部」の一部を構成している。「検出部」については、後述にて図10を参照して詳細に説明する。
【0027】
把持部材725は、固定構造7の姿勢を変更する場合に、ユーザーによって把持される。具体的には、ユーザーは、把持部材725を把持して、円筒部材73を中心に固定構造7を回動させることによって、固定構造7の姿勢を変更する。例えば、ユーザーは、固定構造7の姿勢を第1姿勢から第2姿勢に変更する。固定構造7の姿勢を第1姿勢から第2姿勢に変更することによって、ユーザーは、第1給送ユニット11と第2給送ユニット6との固定を解除できる。また、例えば、ユーザーは、固定構造7の姿勢を第2姿勢から第1姿勢に変更する。固定構造7の姿勢を第2姿勢から第1姿勢に変更することによって、ユーザーは、第1給送ユニット11と第2給送ユニット6とを固定できる。
【0028】
以上、図1図4を参照して説明したように、本発明の実施形態では、固定構造7が第1姿勢である場合には、固定構造7は、第1給送ユニット11と第2給送ユニット6とを固定し、固定構造7が第2姿勢である場合には、固定構造7は、第1給送ユニット11と第2給送ユニット6との固定を解除する。したがって、簡素な構成で第1給送ユニット11と第2給送ユニット6とを固定できる。
【0029】
また、固定構造7は、円筒部材73を中心に回転することによって、第1姿勢と第2姿勢との間で姿勢が変更される。したがって、簡素な構成で固定構造7を実現できる。
【0030】
次に、図4図6を参照して、固定構造7の構成について更に説明する。図5及び図6は、固定構造7の構成を示す斜視図である。図5は、固定構造7を円筒部材73側から見た斜視図である。図5に示すように、固定構造7は、第1係合部材74を更に備える。また、固定構造7の固定部材72は、第2突出部材724を更に備える。第2突出部材724については、後述にて図7(a)を参照して詳細に説明する。
【0031】
第1係合部材74は、第1枠部材601に形成された「挿通孔」に挿通される。また、第1係合部材74は、円筒部材73が「挿通孔」に挿通されることによって、第1枠部材601と係合する。円筒部材73が「挿通孔」に挿通された状態とは、固定構造7が第2給送ユニット6に装着された状態である。「挿通孔」については、後述にて図9を参照して詳細に説明する。
【0032】
基体71は、平板状に形成される。円筒部材73及び第1係合部材74は、基体71の下面に立設して形成される。基体71の下面は、固定構造7が第2給送ユニット6に装着された状態で基体71のZ軸の負方向側の面を示す。
【0033】
図6(a)は、固定構造7を第1突出部材721側から見た斜視図である。図6(a)に示すように、固定構造7の固定部材72は、第1突部722と、第2突部723とを更に備える。第1突部722と第2突部723とは、第1突出部材721から離間する方向に突出して形成される。第1突部722は、固定部材72の上端に形成され、第2突部723は、固定部材72の下端に形成される。
【0034】
固定構造7が第1姿勢である場合に、第1突部722は、第1給送ユニット11の「第2枠部材」と係合する。「第2枠部材」については、後述にて図8を参照して詳細に説明する。
【0035】
固定構造7が第1姿勢である場合に、第2突部723は、第2給送ユニット6の「第3枠部材」と係合する。「第3枠部材」については、後述にて図8を参照して詳細に説明する。
【0036】
図6(b)は、固定構造7を第2突出部材724側から見た斜視図である。図6(b)に示すように、基体71には、固定部材72と、円筒部材73と、第2突出部材724とが固定されている。第2突出部材724は、固定部材72の下端に、固定部材72に対して基体71と離間する側に突出して形成された板状部材である。第2突出部材724については、後述にて図7(a)を参照して詳細に説明する。
【0037】
次に、図4図7を参照して、固定構造7の第1姿勢及び第2姿勢について説明する。図7(a)は、第2姿勢の固定構造7を示す上面図である。図7(b)は、第1姿勢の固定構造7を示す上面図である。図7(a)及び図7(b)では、画像形成装置100を取り外した状態を示す。
【0038】
図7(a)に示すように、第2給送カセット61は、板状部材611を備える。板状部材611は、第2給送カセット61において、X-Z平面と平行に配置されている。固定構造7が第2姿勢である場合には、第2突出部材724は、第2給送カセット61の第2給送ユニット6への装着を禁止する。具体的には、第2給送カセット61を第2給送ユニット6に装着するためにY軸の正方向に移動する途中で、固定構造7の第2突出部材724が、第2給送カセット61の板状部材611と当接する。その結果、第2給送カセット61の第2給送ユニット6への装着が禁止される。
【0039】
図7(a)に示すように、方向R1で示すように固定構造7を反時計回りに90度だけ回動することによって、固定構造7は、図7(a)に示す第2姿勢から図7(b)に示す第1姿勢になる。
【0040】
図7(b)に示すように、固定構造7が第1姿勢である場合には、第2突出部材724は、第2給送カセット61の第2給送ユニット6への装着を許容する。すなわち、第2突出部材724は、X軸の正方向に突出して配置されるため、板状部材611と当接しない。
【0041】
以上、図4図7を参照して説明したように、本発明の実施形態では、固定構造7が第2姿勢である場合には、第2突出部材724は、第2給送カセット61の第2給送ユニット6への装着を禁止する。また、固定構造7が第2姿勢である場合には、固定構造7は、第1給送ユニット11と第2給送ユニット6との固定を解除する。したがって、第1給送ユニット11と第2給送ユニット6とが固定されていない不安定な状態で、第2給送カセット61が第2給送ユニット6に装着されることを抑制できる。
【0042】
次に、図4図8を参照して、固定構造7の構成について更に説明する。図8は、図7(b)に示す第1姿勢の固定構造7のVIII-VIII断面を示す断面図である。図8に示すように、筐体10は、第2枠部材101を更に備える。固定構造7の固定部材72の第1突部722は、第2枠部材101と係合する。具体的には、第1突部722の下面は、第1枠部材601の上面と当接する。
【0043】
筐体60は、第3枠部材602を更に備える。固定構造7の固定部材72の第2突部723は、第2給送ユニット6の第3枠部材602と係合する。具体的には、第2突部723の上面は、第3枠部材602の下面と当接する。
【0044】
固定部材72の底面は、第1枠部材601の上面と当接する。固定部材72の底面は、固定部材72のZ軸の負方向端の面を示す。すなわち、第2突部723は、第1枠部材601の上面と、第3枠部材602の下面との間に配置される。
【0045】
以上、図4図8を参照して説明したように、本発明の実施形態では、固定構造7が第1姿勢である場合には、第1突部722は筐体10の第2枠部材101と係合し、第2突部723は筐体60の第3枠部材602と係合する。したがって、第1給送ユニット11と第2給送ユニット6とを更に簡素な構成で固定できる。また、固定部材72が筐体10の第2枠部材101と筐体60の第3枠部材602とを固定するため、第1給送ユニット11と第2給送ユニット6とを強固に固定できる。
【0046】
次に、図4図9を参照して、固定構造7の構成について更に説明する。図9は、図7(b)に示す第1姿勢の固定構造7のIX-IX断面を示す断面図である。図9に示すように、筐体60の第1枠部材601は、挿通孔603を有する。挿通孔603は、円柱状に形成される。
【0047】
挿通孔603には、固定構造7の円筒部材73と、固定構造7の第1係合部材74とが挿通される。第1係合部材74は、第1枠部材601と係合する。第1係合部材74は、第1係合部材74の下端に係合部741を有する。係合部741は、X軸の正方向に突出する。第1係合部材74の係合部741の上面は、第1枠部材601の下面と当接する。
【0048】
以上、図4図9を参照して説明したように、本発明の実施形態では、円筒部材73と第1係合部材74とが挿通孔603に挿通されることによって、第1係合部材74は第1枠部材601と係合する。よって、固定構造7を第2給送ユニット6の筐体60と係合させた状態で、ユーザーは固定構造7を回動できる。したがって、ユーザーは、固定構造7の姿勢を更に容易に変更できる。
【0049】
次に、図4図10を参照して、固定構造7の構成について更に説明する。図10(a)は、検出部64の配置を示す斜視図である。図10(a)では、第2給送カセット61を筐体60から引き出した状態の第2給送ユニットを示す。図10(a)に示すように、第2給送ユニット6は、検出部64を更に備える。具体的には、検出部64は、第2給送カセット61において、X軸の負方向側の端部で、且つZ軸の正方向側の端部に配置される。検出部64は、固定構造7が第1姿勢であることを検出する。
【0050】
検出部64は、検出スイッチSWと棒状部材641とを有する。検出スイッチSWは、例えば、押しボタンスイッチである。検出スイッチSWは、棒状部材641によって押圧された場合に、固定構造7が第1姿勢であることを検出する。
【0051】
棒状部材641は、棒状部材641の長手方向がY軸方向と略一致するように第2給送カセット61に配置される。第2給送カセット61の板状部材611は、開口部611Aを有する。開口部611Aは、矩形状に形成される。棒状部材641は、開口部611Aに挿通され、板状部材611に対して出没自在に配置される。棒状部材641は、図略の付勢部材によって板状部材611に対してY軸の正方向に突出するように付勢されている。
【0052】
図10(b)は、第1姿勢の固定構造7を示す斜視図である。図10(b)に示すように、固定構造7が第1姿勢である場合には、第1突出部材721は、棒状部材641を第2給送カセット61に没入させる。具体的には、第1突出部材721のY軸の負方向側の端部が、棒状部材641のY軸の正方向側の端部と当接して押圧することによって、棒状部材641はY軸の負方向に移動する。その結果、棒状部材641は、第2給送カセット61に没入する。なお、固定構造7が第2姿勢である場合には、第1突出部材721は、棒状部材641と離間している(図7(a)参照)。
【0053】
以上、図4図10を参照して説明したように、本発明の実施形態では、検出部64は、固定構造7が第1姿勢であることを検出する。よって、第1給送ユニット11と第2給送ユニット6とが固定されているか否かを検出できる。したがって、第1給送ユニット11と第2給送ユニット6とが固定されているか否かをユーザーに報知可能になる。
【0054】
また、検出部64は、棒状部材641が没入した場合に、固定構造7が第1姿勢であることを検出する。したがって、簡素な構成で固定構造7が第1姿勢であることを検出できる。
【0055】
なお、本発明の実施形態では、検出部64が第2給送カセット61に配置されるが、本発明はこれに限定されない。検出部64が第2給送ユニット6に配置されればよい。例えば、検出部64が第2給送ユニット6の筐体60の内部に配置されてもよい。
【0056】
また、本発明の実施形態では、検出部64が検出スイッチSWと棒状部材641とを有するが、本発明はこれに限定されない。検出部64は、固定構造7が第1姿勢であることを検出すればよい。例えば、検出部64が、近接センサーを備え、第1突出部材721が所定距離以内に配置されたことを検出してもよい。所定距離は、例えば、5mmである。
【0057】
次に、図1及び図4図11を参照して、制御部5の処理について説明する。図11は、制御部5の処理を示すフローチャートである。具体的には、制御部5のプロセッサー51が制御プログラムを実行することによって、図11に示す処理を実行する。
【0058】
図11に示すように、ステップS101において、制御部5は、固定構造7が第1姿勢であるか否かを判定する。具体的には、制御部5は、検出部64の検出結果に基づいて、固定構造7が第1姿勢であるか否かを判定する。
固定構造7が第1姿勢であると制御部5が判定した場合(ステップS101でYES)には、処理がリターンする。固定構造7が第1姿勢ではないと制御部5が判定した場合(ステップS101でNO)には、処理がステップS103に進む。
そして、ステップS103において、制御部5は、タッチパネル41に第1給送ユニット11と第2給送ユニット6とが固定されていない旨を表示する。
次に、ステップS105において、制御部5は、画像形成部14の動作を禁止し、処理がリターンする。
【0059】
以上、図1及び図4図11を参照して説明したように、検出部64の検出結果に基づいて、固定構造7が第1姿勢であるか否かを判定する。そして、固定構造7が第1姿勢ではないと制御部5が判定した場合には、制御部5は、タッチパネル41に第1給送ユニット11と第2給送ユニット6とが固定されていない旨を表示する。よって、第1給送ユニットと第2給送ユニットとが固定されていないことをユーザーが認識できる。したがって、ユーザーの利便性を向上できる。
【0060】
また、固定構造7が第1姿勢ではない場合には、制御部5は、画像形成部14の動作を禁止する。したがって、第1給送ユニット11と第2給送ユニット6とが固定されていない不安定な状態で、画像形成部14が動作されることを抑制できる。
【0061】
なお、本発明の実施形態では、制御部5が、タッチパネル41に第1給送ユニット11と第2給送ユニット6とが固定されていない旨を表示するが、本発明はこれに限定されない。制御部5が、検出部64の検出結果を報知すればよい。例えば、画像形成装置100がスピーカーを備え、制御部5がスピーカーを介して、検出部64の検出結果を示す音声を出力してもよい。
【0062】
次に、図1図3図8及び図12を参照して、給送装置の別の形態について説明する。図12は、給送装置の別の形態を示す斜視図である。図12に示す給送装置200Aは、図1図3に示す給送装置200と比較して、第1給送ユニット6Aを備える点で相違している。すなわち、図1図3に示す給送装置200が、画像形成装置100の筐体10に配置された第1給送ユニット11と、第2給送ユニット6と、固定構造7とを備えるのに対して、図12に示す給送装置200Aは、第1給送ユニット6Aと、第2給送ユニット6と、固定構造7とを備える。
【0063】
換言すれば、図3では、固定構造7が、画像形成装置100の筐体10に配置された第1給送ユニット11と第2給送ユニット6とを固定するのに対して、図12では、固定構造7が、第1給送ユニット6Aと第2給送ユニット6とを固定する点で相違する。
【0064】
第1給送ユニット6Aは、第2給送ユニット6と同一の構成を有する。第1給送ユニット6Aは、筐体60Aを有する。
【0065】
すなわち、筐体60Aは、第1給送ユニット6Aの下端に配置される第2枠部材(図示省略)を備え、筐体60は、第2給送ユニット6の上端に配置される第3枠部材602(図8参照)を備える。固定構造7は、第2枠部材と、第3枠部材602とを固定する。
【0066】
以上、図1図3図8及び図12を参照して説明したように、固定構造7は、第1給送ユニット6Aと第2給送ユニット6とを固定する。したがって、簡素な構成で第1給送ユニット6Aと第2給送ユニット6とを固定できる。
【0067】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記に示す(1)~(2))。図面は、理解し易くするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合がある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0068】
(1)図1を参照して説明したように、画像形成装置100は複合機であるが、本発明はこれに限定されない。画像形成装置100は画像形成部14を備えればよい。例えば、画像形成装置が、カラープリンターである形態でもよい。また、例えば、画像形成装置が、モノクロ複写機である形態でもよい。
【0069】
(2)図1図4を参照して説明したように、給送装置200の固定構造7は1つであるが、本発明はこれに限定されない。給送装置200が固定構造7を備えればよい。例えば、給送装置200が複数の固定構造7を備えてもよい。具体的には、第2給送ユニット6において、X軸の負方向側の端部と、X軸の正方向側の端部とに固定構造7が配置されてもよい。この場合には、第1給送ユニット11と第2給送ユニット6とを更に強固に固定できる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、給送装置、及び画像形成装置に関するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0071】
100 画像形成装置
1 画像形成ユニット
10 筐体
101 第2枠部材
14 画像形成部
200 給送装置
11 第1給送ユニット
111 第1給送カセット
6 第2給送ユニット
60 筐体
601 第1枠部材
602 第3枠部材
603 挿通孔
61 第2給送カセット
611 板状部材
611A 開口部
64 検出部
641 棒状部材
SW 検出スイッチ
7 固定構造
71 基体
72 固定部材
721 第1突出部材
722 第1突部
723 第2突部
724 第2突出部材
725 把持部材
73 円筒部材
74 第1係合部材
741 係合部
4 操作表示部
41 タッチパネル
5 制御部
51 プロセッサー
52 記憶部
P1 用紙(第1記録媒体)
P2 用紙(第2記録媒体)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12