(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】撮像制御装置及び撮像システム
(51)【国際特許分類】
H04N 5/232 20060101AFI20220817BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20220817BHJP
G03B 17/00 20210101ALI20220817BHJP
G03B 17/38 20210101ALI20220817BHJP
【FI】
H04N5/232 060
H04N5/232 300
G03B15/00 R
G03B15/00 Q
G03B17/00 Q
G03B17/38 B
(21)【出願番号】P 2018080520
(22)【出願日】2018-04-19
【審査請求日】2021-01-08
(73)【特許権者】
【識別番号】304020498
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】堀 啓介
(72)【発明者】
【氏名】石井 泰彦
(72)【発明者】
【氏名】伊澤 信寿
【審査官】▲徳▼田 賢二
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-099763(JP,A)
【文献】特開2015-233204(JP,A)
【文献】特開2011-82660(JP,A)
【文献】特開2017-011469(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/232
G03B 15/00
G03B 17/00
G03B 17/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに関連付けられた特徴部を示す特徴画像を記憶部に登録する登録部と、
前記ユーザが有する通信端末の位置が、予め登録された撮像装置に関連付けられた領域内である場合に、前記撮像装置に
、撮像の指示
と、前記通信端末の位置に基づいて前記撮像装置の向き及び拡大率の少なくとも一方を変更させる指示と、を送信する指示部と、
前記指示部が前記撮像の指示を送信した前記撮像装置が撮像した複数の撮像画像を受信する受信部と、
前記複数の撮像画像のうち、予め前記ユーザに関連付けて登録された前記特徴画像が示す前記特徴部を含む撮像画像を抽出する抽出部と、
を有
し、
前記指示部は、前記通信端末の位置に基づいて前記ユーザの移動の向きを特定し、前記移動の向きが前記撮像装置を向いたタイミングで、前記撮像装置に前記撮像の指示及び前記変更させる指示を送信する、
撮像制御装置。
【請求項2】
ユーザに関連付けられた特徴部を示す特徴画像を記憶部に登録する登録部と、
前記ユーザが有する通信端末の位置が、予め登録された撮像装置に関連付けられた領域内である場合に、前記撮像装置に、撮像の指示と、前記通信端末の位置に基づいて前記撮像装置の向き及び拡大率の少なくとも一方を変更させる指示と、を送信する指示部と、
前記指示部が前記撮像の指示を送信した前記撮像装置が撮像した複数の撮像画像を受信する受信部と、
前記複数の撮像画像のうち、予め前記ユーザに関連付けて登録された前記特徴画像が示す前記特徴部を含む撮像画像を抽出する抽出部と、
を有し、
前記指示部は、複数の前記通信端末の位置が前記領域内である場合に、複数の前記通信端末を撮像する順番である撮像順を決定し、前記撮像順で複数の前記通信端末を撮像範囲に含めるように前記撮像装置に前記撮像の指示及び前記変更させる指示を送信する、
撮像制御装置。
【請求項3】
前記指示部は、複数の前記通信端末と前記領域の中心との距離が小さい順番を、前記撮像順として決定する、
請求項2に記載の撮像制御装置。
【請求項4】
前記指示部は、複数の前記通信端末が前記領域に入った順番を、前記撮像順として決定する、
請求項2に記載の撮像制御装置。
【請求項5】
ユーザに関連付けられた特徴部を示す特徴画像を記憶部に登録する登録部と、
前記ユーザが有する通信端末の位置が、予め登録された撮像装置に関連付けられた領域内である場合に、前記撮像装置に、撮像の指示と、前記通信端末の位置に基づいて前記撮像装置の向き及び拡大率の少なくとも一方を変更させる指示と、を送信する指示部と、
前記指示部が前記撮像の指示を送信した前記撮像装置が撮像した複数の撮像画像を受信する受信部と、
前記複数の撮像画像のうち、予め前記ユーザに関連付けて登録された前記特徴画像が示す前記特徴部を含む撮像画像を抽出する抽出部と、
を有し、
前記指示部は、前記通信端末が発する所定の光信号を前記撮像装置が検出したことを示す信号を前記撮像装置から受信したタイミングで、前記撮像装置に前記撮像の指示及び前記変更させる指示を送信する、
撮像制御装置。
【請求項6】
ユーザが有する通信端末と、撮像装置と、撮像制御装置とを備え、
前記通信端末は、
予め登録された前記撮像装置に関連付けられた領域を受信する受信部と、
前記通信端末の位置が、前記領域内であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部が、前記通信端末の位置が前記領域内であると判定した場合に、前記撮像装置に
、撮像の指示
と、前記通信端末の位置に基づいて前記撮像装置の向き及び拡大率の少なくとも一方を変更させる指示と、を送信する指示部と、
を有し、
前記撮像装置は、
前記通信端末から前記撮像の指示を受けると
、前記変更させる指示が示す前記撮像装置の向き及び拡大率の少なくとも一方で撮像する撮像部を有し、
前記撮像制御装置は、
前記ユーザに関連付けられた特徴部を示す特徴画像を記憶部に登録する登録部と、
前記撮像部が撮像した複数の撮像画像のうち、予め前記ユーザに関連付けて登録された前記特徴画像が示す前記特徴部を含む撮像画像を抽出する抽出部と、
を有
し、
前記指示部は、前記通信端末の位置に基づいて前記ユーザの移動の向きを特定し、前記移動の向きが前記撮像装置を向いたタイミングで、前記撮像装置に前記撮像の指示及び前記変更させる指示を送信する、
撮像システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザを撮像して撮像画像を取得する撮像制御装置及び撮像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、所定のエリアに入ったユーザを自動的に撮像し、撮像画像をユーザに提供するシステムが記載されている。このようなシステムにより、ユーザは、意識的に撮像を行うことなく、ユーザが通過した場所周辺の撮像画像を取得することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムは、所定エリアにユーザが入っている時間内に撮像された撮像画像を無条件でユーザの端末に送信するため、ユーザが障害物や他ユーザに隠れていること等の理由によって、撮像画像にユーザが写っていない可能性がある。ユーザが写っていない撮像画像をユーザに送信しても、ユーザは受信した複数の撮像画像を選別する必要があるため不便であるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ユーザが写っている確実性の高い撮像画像をユーザに対して出力できる撮像制御装置及び撮像システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る撮像制御装置は、ユーザに関連付けられた特徴部を示す特徴画像を記憶部に登録する登録部と、前記ユーザが有する通信端末の位置が、予め登録された撮像装置に関連付けられた領域内である場合に、前記撮像装置に撮像の指示を送信する指示部と、前記指示部が前記撮像の指示を送信した前記撮像装置が撮像した複数の撮像画像を受信する受信部と、前記複数の撮像画像のうち、予め前記ユーザに関連付けて登録された前記特徴画像が示す前記特徴部を含む撮像画像を抽出する抽出部と、を有する。
【0007】
前記指示部は、前記撮像装置に対して、前記撮像の指示に加えて、前記通信端末の位置に基づいて前記撮像装置の向き及び拡大率の少なくとも一方を変更させる指示を送信してもよい。
【0008】
前記指示部は、移動可能な前記撮像装置に対して、前記撮像の指示に加えて、前記通信端末の位置に基づいて前記撮像装置を移動させる指示を送信してもよい。
【0009】
前記指示部は、前記ユーザの位置が、前記撮像装置が前記特徴部を撮像できる範囲に含まれているタイミングで、前記撮像装置に前記撮像の指示を送信してもよい。
【0010】
前記指示部は、前記通信端末の位置に基づいて前記ユーザの移動の向きを特定し、前記移動の向きが前記撮像装置を向いたタイミングで、前記撮像装置に前記撮像の指示を送信してもよい。
【0011】
本発明の第2の態様に係る撮像システムは、ユーザが有する通信端末と、撮像装置と、撮像制御装置とを備え、前記通信端末は、予め登録された前記撮像装置に関連付けられた領域を受信する受信部と、前記通信端末の位置が、前記領域内であるか否かを判定する判定部と、前記判定部が、前記通信端末の位置が前記領域内であると判定した場合に、前記撮像装置に撮像の指示を送信する指示部と、を有し、前記撮像装置は、前記通信端末から前記撮像の指示を受けると撮像する撮像部を有し、前記撮像制御装置は、前記ユーザに関連付けられた特徴部を示す特徴画像を記憶部に登録する登録部と、前記撮像部が撮像した複数の撮像画像のうち、予め前記ユーザに関連付けて登録された前記特徴画像が示す前記特徴部を含む撮像画像を抽出する抽出部と、を有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ユーザが写っている確実性の高い撮像画像をユーザに対して出力できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施形態に係る撮像システムの模式図である。
【
図2】本実施形態に係る撮像システムのブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る例示的な特徴画像を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る撮像制御処理の模式図である。
【
図5】本実施形態に係る撮像制御処理の模式図である。
【
図6】本実施形態に係る撮像制御処理の模式図である。
【
図7】本実施形態に係る撮像制御方法のフローチャートを示す図である。
【
図8】本実施形態に係る撮像システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施形態)
[撮像システムSの概要]
図1は、本実施形態に係る撮像システムSの模式図である。撮像システムSは、撮像制御装置1と、通信端末2と、撮像装置3と、可動装置4とを含む。撮像制御装置1、通信端末2、撮像装置3及び可動装置4は、インターネット等のネットワークNを介して互いに通信する。撮像システムSが含む通信端末2、撮像装置3及び可動装置4の数は限定されない。撮像システムSは、その他のサーバ、端末等の機器を含んでもよい。
【0015】
通信端末2は、撮像システムSが提供するサービスを利用するユーザが使用する端末であり、無線通信を行うことが可能な通信装置である。通信端末2は、例えばスマートフォン、タブレット端末等の携帯端末である。通信端末2は、ネットワークNを介して撮像制御装置1と通信する。
【0016】
撮像装置3は、所定の撮像範囲を撮像する撮像部を有する撮像装置である。撮像装置3は、所定の位置に固定されている。撮像装置3の撮像部の向き及び拡大率は撮像制御装置1からの信号によって変更可能であり、撮像装置3の向き及び拡大率が変更されることによって撮像範囲が変化する。撮像装置3は、ネットワークNに有線又は無線で接続される。撮像装置3は、撮像範囲を撮像して撮像画像を取得し、ネットワークNを介して撮像制御装置1に送信する。
【0017】
可動装置4は、所定の撮像範囲を撮像する撮像部を有する撮像装置である。可動装置4は、飛行又は走行することによって移動可能であり、例えばドローンである。可動装置4の撮像範囲は、可動装置4が移動することによって変化する。そのため、可動装置4の移動可能な範囲及びその周辺の範囲が、撮像範囲となり得る。また、可動装置4の撮像部の向き及び拡大率は、撮像制御装置1からの信号によって変更可能であってもよい。可動装置4は、ネットワークNに無線で接続される。可動装置4は、撮像範囲を撮像して撮像画像を取得し、ネットワークNを介して撮像制御装置1に送信する。
【0018】
撮像装置3及び可動装置4は、それぞれ所定の領域Aに関連付けられている。領域Aは、撮像装置3及び可動装置4の撮像範囲と一致してもよく、撮像装置3及び可動装置4の撮像範囲の一部であってもよい。
【0019】
撮像制御装置1は、撮像装置3及び可動装置4による撮像を制御するとともに、撮像装置3及び可動装置4が撮像した撮像画像からユーザが写っている撮像画像を抽出して出力するコンピュータである。撮像制御装置1は、ネットワークNに有線又は無線で接続される。撮像制御装置1は、撮像装置3及び可動装置4のうちいずれか1つと一体的に構成されてもよい。すなわち、撮像装置3及び可動装置4のうちいずれか1つは、後述する撮像制御装置1の機能を有してもよい。
【0020】
[撮像システムSの構成概要]
図2は、本実施形態に係る撮像システムSのブロック図である。
図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、
図2に示したもの以外のデータの流れがあってよい。
図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、
図2に示すブロックは単一の装置内に実装されてよく、あるいは複数の装置内に別れて実装されてよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてよい。
【0021】
撮像制御装置1は、制御部11と、通信部12と、記憶部13とを有する。制御部11は、特徴画像登録部111と、位置判定部112と、撮像指示部113と、撮像画像受信部114と、撮像画像抽出部115と、出力部116とを有する。記憶部13は、特徴画像記憶部131と、領域情報記憶部132と、撮像画像記憶部133とを有する。
【0022】
通信部12は、ネットワークNを介して通信端末2、撮像装置3及び可動装置4との間で通信するための通信インターフェースである。通信部12は、通信を実行するためのプロセッサ、コネクタ、電気回路等を含む。通信部12は、外部から受信した通信信号に所定の処理を行ってデータを取得し、取得したデータを制御部11に入力する。また、通信部12は、制御部11から入力されたデータに所定の処理を行って通信信号を生成し、生成した通信信号を外部に送信する。
【0023】
記憶部13は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部13は、制御部11が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部13は、撮像制御装置1の外部に設けられてもよく、その場合に通信部12を介して制御部11との間でデータの授受を行ってもよい。
【0024】
特徴画像記憶部131は、ユーザに関連付けられている特徴部を示す特徴画像を記憶する。領域情報記憶部132は、撮像装置3及び可動装置4に関連付けられている領域を示す領域情報を記憶する。撮像画像記憶部133は、撮像装置3及び可動装置4が撮像した撮像画像を記憶する。特徴画像記憶部131、領域情報記憶部132及び撮像画像記憶部133は、それぞれ記憶部13に記憶されたデータベースであってもよく、記憶部13中の記憶領域であってもよい。
【0025】
制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部13に記憶されたプログラムを実行することにより、特徴画像登録部111、位置判定部112、撮像指示部113、撮像画像受信部114、撮像画像抽出部115及び出力部116として機能する。特徴画像登録部111、位置判定部112、撮像指示部113、撮像画像受信部114、撮像画像抽出部115及び出力部116が行う処理については、
図3~
図6を用いて後述する。制御部11の機能の少なくとも一部は、電気回路によって実行されてもよい。また、制御部11の機能の少なくとも一部は、ネットワーク経由で実行されるプログラムによって実行されてもよい。
【0026】
通信端末2は、撮像部21と、位置特定部22とを有する。撮像部21は、CCD(Charge Coupled Device)センサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等の撮像素子を含む。撮像部21は、ユーザによる操作に従って撮像する。撮像部21は、所定の撮像範囲を撮像し、撮像画像として撮像制御装置1に送信する。
【0027】
位置特定部22は、例えばGPS(Global Positioning System)受信機と、GPS受信機がGPS衛星から受信した測位信号に基づいて通信端末2の位置を測定するプロセッサとを含む。位置特定部22のプロセッサは、GPS受信機が受信した測位信号が示すGPS衛星の位置を用いて、通信端末2の位置を算出する。また、位置特定部22は、無線通信により受信した通信信号に基づいて通信端末2の位置を特定してもよい。位置特定部22が通信端末2の位置を特定する方法は、具体的な方法に限定されず、その他の測位方法であってもよい。
【0028】
撮像装置3は撮像部31を有し、可動装置4は撮像部41を有する。撮像部31、41は、CCDセンサ、CMOSセンサ等の撮像素子を含む。撮像部31、41は、撮像制御装置1から受信した撮像指示の信号に従って撮像する。また、撮像部31、41の向き及び拡大率は、撮像制御装置1からの信号によって変更可能である。撮像部31、41は、所定の撮像範囲を撮像し、撮像画像として撮像制御装置1に送信する。
【0029】
本実施形態に係る撮像システムSは、
図2に示す具体的な構成に限定されない。例えば撮像制御装置1は、1つの装置に限られず、2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。
【0030】
[特徴画像登録処理の説明]
本実施形態に係る撮像制御方法において、まず撮像制御装置1の特徴画像登録部111は、ユーザに関連付けられた特徴部を示す特徴画像を特徴画像記憶部131に登録する、特徴画像登録処理を実行する。特徴部は、ユーザ自身の外観の特徴、又はユーザの近傍に位置する物の外観の特徴である。例えば特徴部は、ユーザの顔、ユーザの服装、ユーザが着用する小物(例えばヘルメット)、ユーザが使用する車両(例えば自動車又は自動二輪車)のナンバープレート又は色等である。特徴部は、複数の特徴を組み合わせたものであってもよい。
【0031】
図3(a)~
図3(c)は、例示的な特徴画像Fを示す図である。
図3(a)の特徴画像Fは、ユーザの顔を含む特徴部F1を示している。ユーザの顔を特徴部として登録することによって、撮像制御装置1は、ユーザが写っている撮像画像を高精度に抽出できる。
図3(b)の特徴画像Fは、ユーザの服装を含む特徴部F2を示している。ユーザの服装を特徴部として登録することによって、撮像制御装置1は、ユーザの顔がサングラスや帽子で隠れている状態であっても、ユーザが写っている撮像画像を抽出できる。
【0032】
図3(c)の特徴画像Fは、ユーザが使用する車両のナンバープレートを含む特徴部F3を示している。ユーザが車両に乗っている場合には、ユーザの顔が車両やヘルメットに隠れていることが多い。車両のナンバープレートを特徴部として登録することによって、撮像制御装置1は、ユーザが車両に乗っている状態であっても、ユーザが写っている撮像画像を抽出できる。
【0033】
ユーザは、通信端末2の撮像部21を用いて、自身に関する特徴部(例えばユーザ自身又はユーザが使用する車両)を撮像し、撮像制御装置1に送信する。撮像制御装置1の特徴画像登録部111は、通信端末2から受信した画像を、通信端末2を使用するユーザに関連付けられた特徴部を示す特徴画像として特徴画像記憶部131に記憶させる。特徴画像記憶部131は、ユーザ(具体的にはユーザID等の識別情報)に関連付けて1つ又は複数の特徴画像を記憶する。
【0034】
[撮像装置3に対する撮像制御処理の説明]
図4、
図5を用いて、撮像装置3に対する撮像制御処理を説明する。
図4は、本実施形態に係る撮像制御処理の模式図である。撮像制御装置1は、特徴画像登録処理を行った後に、ユーザからの指示を受けることによって撮像制御処理を開始する。まず通信端末2において、位置特定部22は、所定の時間間隔で定期的に通信端末2の位置を特定し、撮像制御装置1へ送信する(a)。撮像制御装置1において、位置判定部112は、通信端末2の位置を受信して取得する。
【0035】
領域情報記憶部132には、1つ以上の撮像装置3にそれぞれ関連付けられた所定の領域Aを示す領域情報が予め登録されている。領域Aは、地理上の範囲を示す情報である。例えば領域Aは、地理上の一点の座標と、該点を中心とした半径とによって、地理上の範囲を表す。
【0036】
位置判定部112は、領域情報記憶部132に記憶された領域情報を取得する。そして位置判定部112は、通信端末2の位置と、各撮像装置3に関連付けられた領域Aとを比較し、通信端末2の位置がいずれの撮像装置3の領域Aに含まれるかを判定する(b)。通信端末2の位置がいずれの撮像装置3の領域Aにも含まれない場合には、位置判定部112は繰り返し通信端末2の位置を受信して判定する。
【0037】
通信端末2の位置がいずれかの撮像装置3の領域Aに含まれる場合に、撮像指示部113は、通信端末2の位置を含む領域Aに関連付けられた撮像装置3へ、撮像指示を示す信号を送信する(c)。撮像指示を示す信号は、撮像装置3の撮像部31の向き及び拡大率を変更する指示を含んでもよい。この場合に、撮像指示部113は、通信端末2の位置と撮像装置3の位置とに基づいて、撮像範囲が通信端末2を含むように撮像部31の向き及び拡大率を決定し、撮像指示とともに撮像装置3へ送信する。
【0038】
複数の通信端末2の位置が同時に1つの領域Aに含まれる場合に、撮像指示部113は、複数の通信端末2を所定の順番で撮像するように、複数の撮像指示を順に撮像装置3へ送信する。
【0039】
例えば撮像指示部113は、複数の通信端末2について領域Aの中心からの距離が小さい順番を、撮像の順番として決定してもよい。領域Aは、通常その中心で最も良く撮像できるように設定される。そのため領域Aの中心からの距離が小さい順でユーザを撮像することによって、より良い撮像画像を取得しやすい。
【0040】
また、撮像指示部113は、複数の通信端末2が領域Aに入った順番を、撮像の順番として決定してもよい。先に領域Aに入ったユーザは先に領域Aから出る傾向があるため、このような順番で撮像することによって、領域Aに入った全ての通信端末2を有するユーザを撮像できる確率を高められる。
【0041】
撮像指示部113は、決定した順番で複数の通信端末2を撮像部31の撮像範囲に含めるように、撮像部31の向き及び拡大率を順に変更する指示を、撮像指示とともに撮像装置3へ送信する。
【0042】
撮像装置3は、撮像制御装置1から撮像指示を示す信号を受信した場合に、撮像範囲を撮像する(d)。撮像指示を示す信号が撮像部31の向き及び拡大率を変更する指示を含む場合に、撮像装置3は、信号に従って撮像部31の向き及び拡大率を変更した後に撮像する。撮像装置3は、撮像した内容を撮像画像として撮像制御装置1へ送信する(e)。撮像制御装置1において、撮像画像受信部114は、撮像装置3から撮像画像を受信し、通信端末2と関連付けて撮像画像記憶部133に記憶させる。
【0043】
撮像画像抽出部115は、撮像画像記憶部133に記憶された撮像画像のうち、特徴画像記憶部131に登録されたユーザの特徴部を含む撮像画像を抽出する(f)。具体的には、撮像画像抽出部115は、特徴画像記憶部131から、通信端末2のユーザに関連付けられた1つ又は複数の特徴画像を取得する。撮像画像抽出部115は、撮像画像記憶部133において通信端末2に関連付けられた撮像画像のそれぞれを、特徴画像記憶部131から取得した特徴画像と比較する。そして撮像画像抽出部115は、特徴画像に対応する特徴部(ユーザの顔、服装、ナンバープレート等)を含む撮像画像を抽出する。
【0044】
撮像画像抽出部115は、撮像画像が特徴画像に対応する特徴部を含むか否かを判定するために、公知の方法を用いることができる。例えば撮像画像抽出部115は、撮像画像及び特徴画像のそれぞれにおいてエッジやコーナーを示す特徴量を算出する。そして撮像画像抽出部115は、撮像画像の特徴量と特徴画像の特徴量とを比較し、所定の条件(例えば特徴量の類似度が所定の閾値以上)を満たす場合に、撮像画像が特徴画像に対応する特徴部を含むと判定する。撮像画像抽出部115は、具体的な方法に限定されず、その他の方法によって撮影画像が特徴部を含むか否かを判定してもよい。
【0045】
撮像画像抽出部115は、所定の時間間隔で定期的に撮像画像を抽出してもよい。あるいは撮像画像抽出部115は、撮像画像受信部114が撮像装置3から撮像画像を受信する度に、撮像画像を抽出してもよい。
【0046】
出力部116は、撮像画像抽出部115が抽出した撮像画像を、ユーザに対して出力する。例えば出力部116は、撮像画像抽出部115が抽出した撮像画像を、電子メール等によってユーザの通信端末2に送信してもよい。また、出力部116は、撮像画像抽出部115が抽出した撮像画像を、ユーザに関連付けられた記憶領域(例えばクラウドサーバ)に保存してもよい。また、出力部116は、撮像画像抽出部115が抽出した撮像画像を、プリンタを用いて紙に印刷してもよい。
【0047】
出力部116は、ユーザから場所又は時間の指定を受け付け、指定された場所又は時間に対応する撮像画像を出力してもよい。ユーザが場所を指定した場合に、撮像画像抽出部115が抽出した撮像画像が撮像された領域Aが、ユーザが指定した場所に近い場合(例えばユーザが指定した場所から領域Aまでの距離が所定の閾値以内である場合)に、出力部116は該撮像画像を出力する。ユーザが時間範囲を指定した場合に、撮像画像抽出部115が抽出した撮像画像が撮像された時刻が、ユーザが指定した時間範囲に含まれる場合に、出力部116は該撮像画像を出力する。これにより、ユーザは場所及び時間ごとに自身が写っている撮像画像を取得できる。
【0048】
撮像画像抽出部115が抽出した撮像画像には、ユーザに加えて、他ユーザが写っている場合がある。そこで出力部116は、撮像画像抽出部115が抽出した撮像画像に対して、他ユーザを隠す画像処理を行ってから出力してもよい。この場合に出力部116は、撮像画像抽出部115が抽出した撮像画像において、特徴画像に対応する特徴部の周辺領域を特定する。そして出力部は、特徴部の周辺領域よりも外側に位置する人間を認識し、該人間の部分を隠す画像処理を行う。出力部116は、画像処理として、モザイク処理をすることによって人間の部分を隠してもよく、人間が写っていない状態の撮像画像(すなわち背景画像)を人間の部分に合成することによって人間を隠してもよい。これにより、撮像制御装置1は、他ユーザのプライバシーを確保することができる。
【0049】
図4に示す撮像制御処理によれば、撮像制御装置1は、撮像装置3に関連付けられた所定の領域にユーザが入った際に撮像した撮像画像の中から、ユーザの特徴部を含む撮像画像を抽出するため、ユーザが写っている確実性の高い撮像画像をユーザに対して出力できる。
【0050】
撮像制御装置1は、ユーザが撮像装置3を向いたタイミングを特定し、特定したタイミングで撮像装置3へ撮像指示をしてもよい。
図5は、本実施形態に係る撮像制御処理の模式図である。
【0051】
まず
図4と同様に、通信端末2において、位置特定部22は、所定の時間間隔で定期的に通信端末2の位置を特定し、撮像制御装置1へ送信する(a)。撮像制御装置1の位置判定部112は、通信端末2の位置と、各撮像装置3に関連付けられた領域Aとを比較し、通信端末2の位置がいずれの撮像装置3の領域Aに含まれるかを判定する(b)。
【0052】
そして位置判定部112は、通信端末2の位置に基づいて撮像のタイミングを特定する(b’)。例えば位置判定部112は、通信端末2(ユーザ)が移動している向きに基づいて、撮像のタイミングを特定する。位置判定部112は、過去(例えば1つ前)の時点で取得した通信端末2の位置から、最新の時点で取得した通信端末2の位置へ向かう向きを、通信端末2が移動している向きとして特定する。
【0053】
通常、ユーザの顔は、ユーザが移動している向きに向いている。そのため位置判定部112は、ユーザが移動している向きに撮像装置3の位置があるタイミングを、撮像のタイミングとして特定する。このようにすることで、撮像装置3が、ユーザの顔が写った撮像画像を生成することができる確率を高めることができる。
【0054】
また、位置判定部112は、撮像装置3の撮像範囲にユーザの特徴部が含まれるか否かに基づいて、撮像のタイミングを特定してもよい。この場合に、位置判定部112は、特徴画像記憶部131から、通信端末2のユーザに関連付けられた1つ又は複数の特徴画像を取得する。位置判定部112は、撮像装置3から、撮像画像よりも低い解像度の仮画像を所定の時間間隔で定期的に取得し、特徴画像記憶部131から取得した特徴画像と比較する。仮画像はユーザに対して出力されないため、特徴部を認識可能な程度の低い解像度の仮画像を用いることによって、処理の負荷を低減できる。
【0055】
位置判定部112は、撮像画像抽出部115と同様の方法で、仮画像が特徴画像に対応する特徴部を含むか否かを判定する。そして位置判定部112は、仮画像が特徴画像に対応する特徴部を含むタイミングを、撮像のタイミングとして特定する。位置判定部112は、通信端末2の位置が領域Aに入ってから所定時間経過しても、特徴画像に対応する特徴部を含む仮画像を取得できない場合に、撮像制御処理を中止してもよい。このように撮像装置3の撮像範囲にユーザの特徴部が含まれているか否かをリアルタイムで判定して撮像のタイミングを決定することによって、撮像装置3が、ユーザの特徴部が写った撮像画像を生成することができる確率をさらに高めることができる。
【0056】
また、位置判定部112は、通信端末2が発する光信号に基づいて、撮像のタイミングを特定してもよい。この場合に、通信端末2はランプ又は画面を所定の規則で点滅させることによって所定の光信号を発生させる。撮像装置3は所定の光信号を検出すると、光信号を検出した旨を示す信号を撮像制御装置1へ送信する。そして位置判定部112は、撮像装置3から光信号を検出した旨を示す信号を受信したタイミングを、撮像のタイミングとして特定する。
【0057】
位置判定部112が特定した撮像のタイミングで、撮像指示部113は、通信端末2の位置を含む領域Aに関連付けられた撮像装置3へ、撮像指示を示す信号を送信する(c)。
【0058】
そして
図4と同様に、撮像装置3は、撮像制御装置1から撮像指示を示す信号を受信した場合に、撮像範囲を撮像し(d)、撮像した内容を撮像画像として撮像制御装置1へ送信する(e)。撮像画像抽出部115は、特徴画像記憶部131に登録されたユーザの特徴部を含む撮像画像を抽出する(f)。出力部116は、撮像画像抽出部115が抽出した撮像画像を、ユーザに対して出力する。
【0059】
図5に示す撮像制御処理によれば、撮像制御装置1は、ユーザを撮像できる確実性の高いタイミングで撮像するため、ユーザが撮像装置3を向いていないタイミングで無駄に撮像することを抑制できる。撮像装置3又は可動装置4が、自身の撮像のタイミングを特定し、特定したタイミングで撮像してもよい。
【0060】
[可動装置4に対する撮像制御処理の説明]
図6を用いて、可動装置4に対する撮像制御処理を説明する。
図6は、本実施形態に係る撮像制御処理の模式図である。まず
図4と同様に、通信端末2において、位置特定部22は、所定の時間間隔で定期的に通信端末2の位置を特定し、撮像制御装置1へ送信する(a)。撮像制御装置1の位置判定部112は、通信端末2の位置と、各可動装置4に関連付けられた領域Aとを比較し、通信端末2の位置がいずれの可動装置4の領域Aに含まれるかを判定する(b)。
【0061】
通信端末2の位置がいずれかの可動装置4の領域Aに含まれる場合に、撮像指示部113は、通信端末2の位置を含む領域Aに関連付けられた可動装置4へ、撮像指示を示す信号を送信する(c)。このとき撮像指示を示す信号は、ユーザを撮像可能な位置まで可動装置4を移動させる移動指示を含む。可動装置4は、撮像制御装置1から受信した信号が含む移動指示に基づいて移動する(c’)。
【0062】
移動指示は、可動装置4から通信端末2までの経路を示してもよい。この場合には、撮像指示部113は、可動装置4の位置及び通信端末2の位置に基づいて経路を決定し、可動装置4へ送信する。そして可動装置4は、受信した経路に従って移動する。移動指示は、通信端末2(ユーザ)の位置のみを示してもよい。この場合には、そして可動装置4は、受信した通信端末2の位置まで自律的に移動する。
【0063】
複数の通信端末2の位置が同時に1つの領域Aに含まれる場合に、撮像指示部113は、複数の通信端末2を所定の順番で撮像するように、複数の撮像指示を順に可動装置4へ送信する。
【0064】
例えば撮像指示部113は、複数の通信端末2について可動装置4の位置からの距離が小さい順番を、撮像の順番として決定してもよい。これにより可動装置4を近いユーザから順に移動させ、効率的に撮像することができる。また上述のように、撮像指示部113は、複数の通信端末2について領域Aの中心からの距離が小さい順番、あるいは複数の通信端末2が領域Aに入った順番を、撮像の順番として決定してもよい。
【0065】
撮像指示部113は、決定した順番で複数の通信端末2を撮像部31の撮像範囲に含めるように、可動装置4を移動させる移動指示を、撮像指示とともに可動装置4へ送信する。
【0066】
複数の通信端末2の位置が同時に1つの領域Aに含まれる場合に、撮像指示部113は、撮像指示及び移動指示を可動装置4へ送信する頻度を高くしてもよい。これにより、領域Aに入った全ての通信端末2を有するユーザを撮像できる確率を高められる。
【0067】
可動装置4は、移動指示に基づいて移動を完了した後に、撮像範囲を撮像し(d)、撮像した内容を撮像画像として撮像制御装置1へ送信する(e)。そして
図4と同様に、撮像画像抽出部115は、特徴画像記憶部131に登録されたユーザの特徴部を含む撮像画像を抽出する(f)。出力部116は、撮像画像抽出部115が抽出した撮像画像を、ユーザに対して出力する。
【0068】
可動装置4は、自身が移動することによって撮像範囲を変更できるため、撮像装置3よりも広い領域Aに関連付けられている。そのため、
図6に示す撮像制御処理によれば、多数の撮像装置3を設けなくとも、可動装置4が広い領域Aにおけるユーザを自動的に撮像できる。
【0069】
[撮像制御方法のフローの説明]
図7は、本実施形態に係る撮像制御方法のフローチャートを示す図である。
図7のフローチャートは、特徴画像登録処理が完了した後に、ユーザからの指示を受けることによって開始される。
【0070】
撮像制御装置1において、位置判定部112は、通信端末2から通信端末2の位置を受信して取得するとともに、領域情報記憶部132に記憶された領域情報を取得する(S11)。位置判定部112は、通信端末2の位置と、各撮像装置3又は可動装置4に関連付けられた領域Aとを比較し、通信端末2の位置がいずれの撮像装置3又は可動装置4の領域Aに含まれるかを判定する(S12)。
【0071】
通信端末2の位置がいずれの撮像装置3又は可動装置4の領域Aにも含まれない場合に、(S13のNO)、撮像制御装置1はステップS19に進む。通信端末2の位置がいずれかの撮像装置3又は可動装置4の領域Aに含まれる場合に、(S13のYES)、撮像指示部113は、通信端末2の位置を含む領域Aに関連付けられた撮像装置3又は可動装置4へ、撮像指示を示す信号を送信する(S14)。撮像画像受信部114は、撮像装置3又は可動装置4から撮像画像を受信し、通信端末2と関連付けて撮像画像記憶部133に記憶させる(S15)。
【0072】
撮像画像抽出部115は、特徴画像記憶部131から、通信端末2のユーザに関連付けられた1つ又は複数の特徴画像を取得する(S16)。撮像画像抽出部115は、撮像画像記憶部133において通信端末2に関連付けられた撮像画像のそれぞれを、特徴画像記憶部131から取得した特徴画像と比較する。そして撮像画像抽出部115は、特徴画像に対応する特徴部を含む撮像画像を抽出する(S17)。出力部116は、撮像画像抽出部115が抽出した撮像画像を、ユーザに対して出力する(S18)。
【0073】
所定の終了条件(例えばユーザが所定の終了操作を行うこと)が満たされていない場合に(S19のNO)、撮像制御装置1はステップS11に戻って処理を繰り返す。所定の終了条件が満たされた場合に(S19のYES)、撮像制御装置1は処理を終了する。
【0074】
[実施形態の効果]
本実施形態によれば、撮像制御装置1は、撮像装置3に関連付けられた所定の領域にユーザが入った際に撮像した撮像画像の中から、予め登録されたユーザの特徴部を含む撮像画像を抽出する。そのため、撮像制御装置1は、ユーザが写っている確実性の高い撮像画像をユーザに対して出力でき、ユーザが多数の撮像画像の中から自身が写っているものを選別する手間を削減できる。
【0075】
撮像装置3及び可動装置4に関連付けられた領域Aを良い撮像スポット(観光名所等)に設定することによって、撮像制御装置1は、ユーザが撮像スポットを知らない場合であっても、撮像スポットにおいてユーザが写っている撮像画像を、ユーザに事後的に提供できる。
【0076】
[実施形態の変形例]
上述の実施形態では、撮像制御装置1が撮像装置3及び可動装置4へ撮像指示を行っているが、通信端末2が撮像装置3及び可動装置4へ撮像指示を行ってもよい。
図8は、本実施形態に係る撮像システムSの変形例のブロック図である。通信端末2は、上述の撮像部21及び位置特定部22に加えて、領域受信部23と、位置判定部24と、撮像指示部25とを有する。
【0077】
通信端末2のプロセッサは、プログラムを実行することによって領域受信部23、位置判定部24及び撮像指示部25として機能する。領域受信部23は、撮像制御装置1から、領域情報記憶部132に記憶された領域情報を受信して取得する。領域受信部23は、受信した領域情報を、通信端末2の記憶部に記憶させる。
【0078】
位置判定部24は、位置特定部22が特定した通信端末2の位置と、撮像制御装置1から受信した領域情報が示す領域Aとを比較し、通信端末2の位置がいずれの撮像装置3又は可動装置4の領域Aに含まれるかを判定する。
【0079】
通信端末2の位置がいずれかの撮像装置3又は可動装置4の領域Aに含まれる場合に、撮像指示部25は、通信端末2の位置を含む領域Aに関連付けられた撮像装置3又は可動装置4へ、撮像指示を示す信号を送信する。撮像指示部25は、撮像装置3又は可動装置4へ、直接信号を送信してもよく、あるいは撮像制御装置1を介して信号を送信してもよい。撮像システムSにおけるその他の処理は、
図2と同様である。
【0080】
このように、通信端末2が撮像装置3又は可動装置4へ撮像指示を行うことによって、通信端末2は自身の位置を撮像制御装置1へ逐次送信する必要がないため、通信端末2と撮像制御装置1との間の通信量を削減することができる。
【0081】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。
【0082】
撮像制御装置1の制御部11(プロセッサ)は、
図7に示す方法に含まれる各ステップ(工程)の主体となる。すなわち、制御部11は、
図7に示す方法を実行するためのプログラムを記憶部13から読み出し、当該プログラムを実行して撮像制御装置1の各部を制御することによって、
図7に示す方法を実行する。
【符号の説明】
【0083】
S 撮像システム
1 撮像制御装置
11 制御部
111 特徴画像登録部
112 位置判定部
113 撮像指示部
114 撮像画像受信部
115 撮像画像抽出部
13 記憶部
2 通信端末
23 領域受信部
24 位置判定部
25 撮像指示部
3 撮像装置
31 撮像部
4 可動装置
41 撮像部